JP6585950B2 - 制御装置および制御方法 - Google Patents
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Description
したがって、PIDパラメータ調整によらずに、ヒータの個体差や経時変化などに対応可能な安全なインターロック機能を実現できるように改善することが求められている。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記確認時間帯における制御量変化率ΔPVの最大値が予め規定された閾値TD2(TD1>TD2)を下回った場合に、前記操作量上限値OHを上方修正する上方修正手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記操作量上限値OHを上方修正するための上方修正幅ΔOH2は、前記操作量上限値OHを下方修正するための下方修正幅ΔOH1よりも小さい(ΔOH1>ΔOH2)ことを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記確認時間帯における制御量PVの最大値が前記変更された設定値SPよりも高い、予め規定された閾値TP2(TP1>TP2)を下回った場合に、前記操作量上限値OHを上方修正する上方修正手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記操作量上限値OHを上方修正するための上方修正幅ΔOH4は、前記操作量上限値OHを下方修正するための下方修正幅ΔOH3よりも小さい(ΔOH3>ΔOH4)ことを特徴とするものである。
例えば、過剰な発熱などの危険な状態が生じた場合にヒータ出力を即時OFFにするという通常のインターロック機能よりも、危険な状態が生じないように事前に措置できるという点で操作量上限値OHの利用は有効である。したがって、発明者は、危険な状態が生じる可能性のある状況への対応を、操作量上限値OHにも反映するのが得策であることに着眼した。
上記の発明の原理1とは別に、あるいは上記の発明の原理1に加えて、制御量PVを判断指標とし、制御量PVの実績に基づいて、操作量上限値OHを、安全側に自動修正することに想到した。具体的には、例えば温度制御における一連の昇温時に、オーバーシュート現象によって、制御量PVの最大値が予め規定された閾値TP1を上回った場合、危険な状態が生じたと判断し、操作量上限値OHを下方修正する。また、制御量PVの最大値が予め規定された閾値TP2(TP1>TP2)を下回った場合、過剰に下方修正された状況と判断し、操作量上限値OHを上方修正する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、上記発明の原理1に対応する例である。ここでは、ヒータによる昇温を代表的な適用対象として説明するが、本発明は原理的には温度の制御に限るものではなく、他の制御に適用してもよい。
制御量PV(例えば温度計測値)は、図示しない計測器(例えば被加熱物の温度を計測する温度センサ)によって計測され、制御量入力部2を介して操作量算出部3と時間帯検出部6と下方修正部7と上方修正部8とに入力される(図2ステップS101)。
リミット処理部4は、操作量算出部3で算出された操作量MVを所定の操作量下限値OL以上の値に制限する下限リミット処理と、操作量MVを操作量上限値OH以下の値に制限する上限リミット処理とを行なう(図2ステップS103)。
IF MV<OL THEN MV=OL ・・・(1)
IF MV>OH THEN MV=OH ・・・(2)
つまり、リミット処理部4は、操作量MVが操作量下限値OLより小さい場合、操作量MV=OLとし、操作量MVが操作量上限値OHより大きい場合、操作量MV=OHとする。
制御装置は、図2のステップS100〜S104の処理を例えばオペレータの指示によって制御が終了するまで(図2ステップS105においてYES)、制御周期毎に実行する。
まず、時間帯検出部6は、制御量PVが設定値SPに整定した状態で設定値SPの変更があったときに(図3ステップS200においてYES)、この設定値SPの変更時点から変更された設定値SPに制御量PVが整定するまでの時間帯を、インターロック適用の確認時間帯として検出する(図3ステップS201〜S204)。なお、制御量PVの整定状態については、設定値SPと制御量PVとの偏差の絶対値|Er|=|SP−PV|が規定範囲内に規定時間以上維持されている状態を、制御量PVの整定状態として検出すればよい。
OH←OH−ΔOH1 ・・・(3)
なお、操作量上限値OHを下方修正して、操作量MVを抑制すると、制御の応答性が悪化するので、下方修正幅ΔOH1は制御の応答性が過度に悪化し過ぎない程度の値に予め設定すればよい。
OH←OH+ΔOH2 ・・・(4)
なお、安全性に配慮しつつ、制御の応答性を改善するため、上方修正幅ΔOH2は下方修正幅ΔOH1よりも小さい値に予め設定される。
時間帯検出部6は、制御量PVが設定値SPに整定した状態で設定値SPの変更があったときに(図6ステップS200においてYES)、この設定値SPの変更時点を確認時間帯の開始時点とし(図6ステップS201)、この開始時点から所定時間Tが経過した時点を確認時間帯の終了時点とする(図6ステップS202,S210,S211)。ステップS205〜S208の処理は上記で説明したとおりである。制御装置は、図6のステップS200〜S202,S210,S211,S205〜S208の処理を例えばオペレータの指示によって制御が終了するまで(図6ステップS209においてYES)、制御周期毎に実行する。
設定値SPの変更時点から変更された設定値SPに制御量PVが整定するまでに要する整定時間は、予め確認しておくことが可能である。そこで、この整定時間以上の長さになるように上記の所定時間Tを予め設定しておけばよい。こうして、確認時間帯の長さとして固定値を採用することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上記発明の原理2に対応する例である。第1の実施の形態と同様に、ヒータによる昇温を代表的な適用対象として説明するが、本発明は原理的には温度の制御に限るものではなく、他の制御に適用してもよい。本実施の形態においても、制御装置の構成は第1の実施の形態と同様であるので、図1の符号を用いて説明する。
設定値取得部1と制御量入力部2と操作量算出部3とリミット処理部4と操作量出力部5の動作は第1の実施の形態で説明したとおりであるので、説明は省略する。
本実施の形態の下方修正部7は、確認時間帯として検出された時間帯における制御量PVの最大値が予め規定された閾値TP1を上回った場合(図7ステップS305においてYES)、危険な状態が生じたと判断し、リミット処理部4で使用される操作量上限値OHを下方修正する(図7ステップS306)。
OH←OH−ΔOH3 ・・・(5)
操作量上限値OHを下方修正して、操作量MVを抑制すると、制御の応答性が悪化するので、下方修正幅ΔOH3は制御の応答性が過度に悪化し過ぎない程度の値に予め設定すればよい。
OH←OH+ΔOH4 ・・・(6)
安全性に配慮しつつ、制御の応答性を改善するため、上方修正幅ΔOH4は下方修正幅ΔOH3よりも小さい値に予め設定される。
時間帯検出部6は、制御量PVが設定値SPに整定した状態で設定値SPの変更があったときに(図10ステップS300においてYES)、この設定値SPの変更時点を確認時間帯の開始時点とし(図10ステップS301)、この開始時点から所定時間Tが経過した時点を確認時間帯の終了時点とする(図10ステップS302,S310,S311)。ステップS305〜S308の処理は上記で説明したとおりである。制御装置は、図10のステップS300〜S302,S310,S311,S305〜S308の処理を例えばオペレータの指示によって制御が終了するまで(図10ステップS309においてYES)、制御周期毎に実行する。こうして、本実施の形態においても、確認時間帯の長さとして固定値を採用することができる。
Claims (12)
- 設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出手段と、
前記操作量算出手段で算出された操作量MVを操作量上限値OH以下の値に制限する上限リミット処理を行なうリミット処理手段と、
前記上限リミット処理が行われた操作量MVを制御対象に出力する操作量出力手段と、
制御量PVが設定値SPに整定した状態で設定値SPの変更があったときに、設定値SPの変更時点から変更された設定値SPに制御量PVが整定するまでの時間帯または設定値SPの変更時点から所定時間が経過するまでの時間帯を、インターロック適用の確認時間帯とする時間帯検出手段と、
前記確認時間帯における制御量変化率ΔPVの最大値が予め規定された閾値TD1を上回った場合に、前記操作量上限値OHを下方修正する下方修正手段とを備えることを特徴とする制御装置。 - 請求項1記載の制御装置において、
さらに、前記確認時間帯における制御量変化率ΔPVの最大値が、予め規定された、前記閾値TD1よりも小さい閾値TD2を下回った場合に、前記操作量上限値OHを上方修正する上方修正手段を備えることを特徴とする制御装置。 - 請求項2記載の制御装置において、
前記操作量上限値OHを上方修正するための上方修正幅ΔOH2は、前記操作量上限値OHを下方修正するための下方修正幅ΔOH1よりも小さいことを特徴とする制御装置。 - 設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出手段と、
前記操作量算出手段で算出された操作量MVを操作量上限値OH以下の値に制限する上限リミット処理を行なうリミット処理手段と、
前記上限リミット処理が行われた操作量MVを制御対象に出力する操作量出力手段と、
制御量PVが設定値SPに整定した状態で設定値SPの変更があったときに、設定値SPの変更時点から変更された設定値SPに制御量PVが整定するまでの時間帯または設定値SPの変更時点から所定時間が経過するまでの時間帯を、インターロック適用の確認時間帯とする時間帯検出手段と、
前記確認時間帯における制御量PVの最大値が前記変更された設定値SPよりも高い、予め規定された閾値TP1を上回った場合に、前記操作量上限値OHを下方修正する下方修正手段とを備えることを特徴とする制御装置。 - 請求項4記載の制御装置において、
さらに、前記確認時間帯における制御量PVの最大値が、前記変更された設定値SPよりも高く前記閾値TP1よりも小さい、予め規定された閾値TP2を下回った場合に、前記操作量上限値OHを上方修正する上方修正手段を備えることを特徴とする制御装置。 - 請求項5記載の制御装置において、
前記操作量上限値OHを上方修正するための上方修正幅ΔOH4は、前記操作量上限値OHを下方修正するための下方修正幅ΔOH3よりも小さいことを特徴とする制御装置。 - 設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出ステップと、
前記操作量算出ステップで算出した操作量MVを操作量上限値OH以下の値に制限する上限リミット処理を行なうリミット処理ステップと、
前記上限リミット処理が行われた操作量MVを制御対象に出力する操作量出力ステップと、
制御量PVが設定値SPに整定した状態で設定値SPの変更があったときに、設定値SPの変更時点から変更された設定値SPに制御量PVが整定するまでの時間帯または設定値SPの変更時点から所定時間が経過するまでの時間帯を、インターロック適用の確認時間帯とする時間帯検出ステップと、
前記確認時間帯における制御量変化率ΔPVの最大値が予め規定された閾値TD1を上回った場合に、前記操作量上限値OHを下方修正する下方修正ステップとを含むことを特徴とする制御方法。 - 請求項7記載の制御方法において、
さらに、前記確認時間帯における制御量変化率ΔPVの最大値が、予め規定された、前記閾値TD1よりも小さい閾値TD2を下回った場合に、前記操作量上限値OHを上方修正する上方修正ステップを含むことを特徴とする制御方法。 - 請求項8記載の制御方法において、
前記操作量上限値OHを上方修正するための上方修正幅ΔOH2は、前記操作量上限値OHを下方修正するための下方修正幅ΔOH1よりも小さいことを特徴とする制御方法。 - 設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出ステップと、
前記操作量算出ステップで算出した操作量MVを操作量上限値OH以下の値に制限する上限リミット処理を行なうリミット処理ステップと、
前記上限リミット処理が行われた操作量MVを制御対象に出力する操作量出力ステップと、
制御量PVが設定値SPに整定した状態で設定値SPの変更があったときに、設定値SPの変更時点から変更された設定値SPに制御量PVが整定するまでの時間帯または設定値SPの変更時点から所定時間が経過するまでの時間帯を、インターロック適用の確認時間帯とする時間帯検出ステップと、
前記確認時間帯における制御量PVの最大値が前記変更された設定値SPよりも高い、予め規定された閾値TP1を上回った場合に、前記操作量上限値OHを下方修正する下方修正ステップとを含むことを特徴とする制御方法。 - 請求項10記載の制御方法において、
さらに、前記確認時間帯における制御量PVの最大値が、前記変更された設定値SPよりも高く前記閾値TP1よりも小さい、予め規定された閾値TP2を下回った場合に、前記操作量上限値OHを上方修正する上方修正ステップを含むことを特徴とする制御方法。 - 請求項11記載の制御方法において、
前記操作量上限値OHを上方修正するための上方修正幅ΔOH4は、前記操作量上限値OHを下方修正するための下方修正幅ΔOH3よりも小さいことを特徴とする制御方法。
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