JP6269678B2 - ファジイ制御装置及びファジイ制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ファジイ制御装置及びファジイ制御方法に係り、特に、推論周期が可変なファジイ制御装置及びファジイ制御方法に関する。
PID制御における制御応答は、場合によってどうしてもオーバーシュートを抑えられない場合がある。例えば、制御対象によっては断熱性の高いものや干渉があるものなどがある。そのため、PID定数を動的に変更したり、フィードフォワード制御を行うなどの対策をとる必要がある。一方、応答を測定しながらフィードバックゲインを自動調整するために、ファジイ推論を応用するコントローラがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−281710号公報
特許文献1に記載の技術では、目標値SVと制御対象からの測定値PVとの偏差からPID制御演算部でPID演算して操作量MVを制御対象へ出力する。制御対象から出力させたい理想的な応答モデルに基づく「偏差」と「偏差の変化速度」に関する各メンバーシップ関数をメンバーシップ関数記憶部に記憶する。目標値SVと測定値PVとの偏差の変化速度を速度測定部で測定する。ファジイ推論部において「偏差」と「偏差の変化速度」を規格化し、各メンバーシップ関数に基づいてファジイ推論する。制御演算部では推論結果によってフィードバックゲインを修正する。したがって、フィードバックゲインは制御応答波形の観測結果より動的に変更され、理想的な応答モデルに近づけるように制御される。
この技術では、制御動作においてファジイ推論処理が行われる。ファジイ推論処理は推論周期毎に処理が実行され、測定されたパラメータをもとにファジイ推論を実行し、フィードバックゲインを求める。このフィードバックゲインにより積分動作の修正を行うことで、測定値PVのオーバーシュートを抑制する。
ファジイ推論処理をディジタルコントローラに組み込む際には、測定入力の分解能とサンプリング周期の二つの制約がある。これによりファジイ推論の入力変数である偏差と、偏差の変化速度の検出に制約がでてくる。
このうち、偏差の変化速度については、特に目標値変更量や制御対象の時定数がサンプリング周期に対して長い場合には、サンプリング周期毎に変化速度を計算するとサンプリング周期間での偏差の変化量が少なく、偏差の変化速度の分解能が不足する場合がある。その結果、規格化された偏差の変化速度の誤差が大きくなり、ファジイ推論結果にもその誤差の影響がでてしまう。以下、具体的な数値例を用いて説明する。なお、この数値例は理解を助けるための例に過ぎず、これに限定されるものではない。
例えば、偏差の変化速度が最大のときに、1サンプリング周期での偏差の変化量がディジタル量で2digit(デジット)しかない場合を考える。偏差の変化速度を各サンプリング毎に、以下のようにして0〜1の範囲に規格化して求める。
偏差の変化速度=各サンプリング周期間での偏差の変化量(この例では2以下)/1サンプリング周期での偏差の変化量の最大値(この例では2)
しかし、上式の分子の値は2カウント以下しか取りえないので、偏差の変化速度は0、0.5、1だけとなり偏差の変化速度の分解能は2しかない(図8参照)。そのため、十分なファジイ推論結果が得られない場合がある。
この場合、長い時間間隔で偏差の変化量を測定すれば、偏差の変化量はほぼ時間間隔に比例して増えるので、偏差の変化速度の分解能が増えるはずである。
そこで、同じ制御対象でも偏差の変化速度が最大のときに、6サンプリング周期で偏差の変化量がディジタル量で10digitあれば、この偏差の変化量のdigit最大値は10となり、偏差の変化速度は6サンプリング周期毎に、以下のようにして0〜1の範囲に規格化して求める。
偏差の変化速度=各6サンプリング周期間での偏差の変化量(この例では10以下)/6サンプリング周期での偏差の変化量の最大値(この例では10)
上式の分子の値は10digit以下の値をとり、偏差の変化速度が0、0.1、0.2、…、0.8、0.9、1となり偏差の変化速度の分解能は10となる(図9参照)。
しかし、偏差の変化速度は6サンプリング周期毎に1回しか更新されない。偏差の変化速度を更新する周期よりも短くファジイ推論を実行しても意味がないため、ファジイ推論を行う周期(以下、単に推論周期という)を、偏差の変化速度を測定する周期(測定周期)に合わせる。したがって、偏差の変化速度の測定周期を長くすると、測定入力の分解能は向上するが、逆に推論回数が減少し、測定周期が長すぎるとファジイ推論がうまく機能しなくなる。このように、測定入力の分解能と推論周期は相反する事項である。
上述の特許文献1に記載の技術では、推論周期は固定であり、サンプリング数に応じて指定される。例えば、推論周期は、目標値変更時の偏差量を100%として、偏差がその90%から80%に変化するサンプリング数に基づき指定され、以後その推論周期を使用して制御し、偏差を減少させる。
以下ではこれを具体的な数値例により図を参照して説明する。制御中に目標値を変更し、目標値に対し測定値が変動していく中で、測定値が目標変更時の偏差(以下、基準偏差という)に対して、基準偏差の90%まで偏差が減少した点(1)と、基準偏差の80%まで偏差が減少した点(2)の間の時間を、サンプリング毎にサンプリング回数をカウントアップしていくことで測定し、記憶する。このカウント値は、偏差の変化速度の基準を1(規格化)としたときに、偏差の変化速度が1のとき測定値が基準偏差の10%動く時間の基準値として記憶し、これを「基準カウント値」と呼ぶ(図10参照)。目標値変更時の偏差の10%分の測定入力の分解能と、基準カウント値により偏差の変化速度の基準が求まる。
偏差の変化速度の基準=(10%の測定値幅のdigit数/基準カウント値)
なお、偏差の変化速度の基準は、基準偏差の90%〜80%の間で1サンプリング周期の間に変化する偏差の量を示す。
推論周期は上記基準カウント値と、目標値変更時の偏差の10%分の測定値幅を測定入力の分解能でカウントできるdigit数を用いて以下のように計算する。
推論周期(sample)=(基準カウント値(sample)/10%の測定値幅のdigit数(digit))*10
推論周期は、偏差の変化量が10digit分の変更量が得られるサンプリング数である。この推論周期毎に、偏差の変化速度の測定とファジイ推論がおこなわれる.
測定値PVの動き方(上昇速度)は制御対象の特性に応じるため、基本的には測定入力の分解能には依存しない。それに対して、「基準カウント値」は温調計などの制御装置のサンプリング周期(時間)に応じてカウント数が上下し、基準偏差の10%分の測定値のdigit数は温調計の測定入力の分解能に応じて上下する。上述の推論周期の式において、温調計のサンプリング周期が一定で、基準カウント値は変動しないとすると、以下のような状況となる。
・基準偏差の10%分の測定値のdigit数が少ないと、推論周期は長くなる.
・基準偏差の10%分の測定値のdigit数が多いと、推論周期が短くなる.
基準偏差の10%の測定値幅というのは目標値変更幅に依存しているため、上記の法則によると、以下のような傾向になる。
・目標値変更幅が小さいと、推論周期が長くなる(推論回数が少ない)。これは、正しい推論結果が得られないことにつながる。
・目標値変更幅が大きいと、推論周期が短くなる(推論回数が多い)。これは、無駄に推論を行っていることを意味する。
本来ならば、目標値変更幅が小さいときには、測定値の変動にかかる時間(例えば、温調計における昇温にかかる時間)も短くなり、それだけ早い推論周期でファジイ推論を行い、修正をかけたい。逆の傾向になるべきなのであるが、測定入力の分解能が足りなくなるため、目標値変更幅が小さいときに推論周期を短くすることが困難であった。そのため、目標値変更幅が小さいときに十分なファジイ推論が行えないという課題があった。
本発明は、以上の点に鑑み、ファジイ推論の推論周期を、無駄な推論を減らしつつ、十分なファジイ推論結果が得られるように調整するファジイ制御装置を提供することを目的のひとつとする。
本発明の第1の解決手段によると、
推論周期毎にファジイ推論を行うファジイ推論部と、
ファジイ推論部の推論結果に応じて制御対象へ出力する操作量を求める制御演算部と、
制御対象からの測定値と目標値との偏差の変化速度を求める速度測定部と、
偏差の変化速度に応じてファジイ推論の推論周期を算出する推論周期算出部と、
を備えたファジイ制御装置が提供される。
これにより、ファジイ推論の推論周期を、無駄な推論を減らしつつ、十分なファジイ推論結果が得られるように調整することができる。
上記推論周期算出部は、偏差の変化速度に基づき、予め定められた偏差の変化量が得られる時間幅を計測して、推論周期を更新してもよい。
これにより、偏差の分解能を確保してファジイ推論を行うことができ、より正確な推論結果が期待できる。
上記推論周期算出部は、偏差の変化速度が大きくなるにつれて推論周期を短くし、偏差の変化速度が小さくなるにつれて推論周期を長くしてもよい。
これにより、偏差の変化速度が大きい場合はファジイ推論が頻繁に行われてより細かい制御を行い、偏差の変化速度が小さい場合は無駄なファジイ推論が行われることを防ぐことができる。
上記推論周期算出部は、ファジイ推論部によりファジイ推論を行う度に推論周期を求めてもよい。
これにより、偏差の変化速度に応じて、次にファジイ推論を行うタイミングを決めることができる。
本発明の第2の解決手段によると、
推論周期毎にファジイ推論を行うファジイ推論ステップと、
ファジイ推論ステップの推論結果に応じて制御対象へ出力する操作量を求める制御演算ステップと、
制御対象からの測定値と目標値との偏差の変化速度を求める速度測定ステップと、
偏差の変化速度に応じてファジイ推論の推論周期を変更する推論周期算出ステップと
を備えたファジイ制御方法が提供される。
これにより、ファジイ推論の推論周期を、無駄な推論を減らしつつ、十分なファジイ推論結果が得られるように調整することができる。
本発明の第3の解決手段によると、
推論周期毎にファジイ推論を行うファジイ推論部と、
前記ファジイ推論部の推論結果に応じて制御対象へ出力する操作量を求める制御演算部と、
偏差が予め定められた量以上変化したことを検出すると前記ファジイ推論部へファジイ推論をさせるためのトリガを与える偏差監視部と
を備えたファジイ制御装置が提供される。
これにより、ファジイ推論の推論周期を、無駄な推論を減らしつつ、十分なファジイ推論結果が得られるように調整することができる。
本発明によると、ファジイ推論の推論周期を、無駄な推論を減らしつつ、十分なファジイ推論結果が得られるように調整するファジイ制御装置を提供することができる。
本実施の形態のファジイ制御装置の概略ブロック図である。 偏差の変化速度の説明図である。 本実施の形態の推論周期決定の説明図である。 従来の手法による推論周期と偏差の変化速度の関係を示す図である。 本実施の形態の制御シミュレーション結果を示す。 本実施の形態の制御シミュレーション結果を示す。 実施例2の制御シミュレーション結果を示す。 測定入力の分解能の制約の説明図である。 測定入力の分解能の説明図である。 偏差の変化速度の基準の説明図である。
(実施例1)
1.装置構成
図1は、本実施の形態のファジイ制御装置の概略ブロック図である。
ファジイ制御装置は、例えば、減算部1と、制御演算部5と、速度測定部7と、ファジイ推論部9と、応答モデル記憶部11と、メンバーシップ関数記憶部13と、周期カウンタ15と、推論周期算出部17とを備える。本ファジイ制御装置は、制御対象3からの測定値PVと目標値SVに基づき制御対象3を制御する。
減算部1は、制御対象3からの測定値PVを目標値SVから減算した偏差eを出力する。
制御演算部5は偏差eを入力して例えばPID演算を行う機能や、測定値PVを直接入力して微分演算する機能を有する。制御演算部5はそれらの演算によって得られる操作量MVを制御対象3へ出力して制御対象3を制御する。また、制御演算部5は、ファジイ推論部9からの推論結果によってPID係数やPID演算結果等を修正し、制御対象3に対してより適切な操作量MVを出力する修正機能も有する。例えば、ファジイ推論部9から指示に応じて、フィードバックゲインを修正する。例えば、ファジイ推論部9から指示されるのはフィードバック低減率である。この他にも適宜の係数、演算結果を修正してもよい。このようにフィードバックゲインは制御応答波形の観測結果より動的に変更され、理想的な応答モデルに近づけるように制御される。
制御演算部5は、PIDの各演算を必ずしも有していなくてもよく、PD演算(比例+微分)、PI演算(比例+積分)等でもよい。
応答モデル記憶部11は、制御対象3から出力させたい目的とする各種の理想的な応答特性波形を応答モデル(規範モデル)として少なくとも1つ記憶するもので、メンバーシップ関数記憶部13に接続されている。
応答モデルとしては、例えば、むだ時間+1次遅れ、2次遅れ、3次遅れ、その他高次遅れ等を加味して制御対象3の特性に合わせた応答特性波形、目標値SVに対してオーバーシュートの発生を抑えた応答特性波形、オーバーシュートが多少あっても即応性が良好な応答特性波形、それらの中間的な応答特性波形、更に、ベッセル、ITAE最小、バタワース又は2項等の各種波形を組み合わせた応答特性波形等があり、制御対象3に対応してそれら応答モデルが応答モデル記憶部11に1個以上記憶されている。
応答モデル記憶部11は、各応答モデルに対応した偏差とこの変化速度について各メンバーシップ関数を1組として作成記憶するとともに、これをメンバーシップ関数記憶部13へ出力する機能を有している。これら偏差とこの変化速度の各メンバーシップ関数は、Z(ZERO:ゼロ)、S(SMALL:スモール、小さい)、M(MEDIUM:ミディアム、中くらい)、B(BIG:ビッグ、大きい)と言った同数のラベルを有する。
メンバーシップ関数記憶部13は、応答モデル記憶部11で作成した各メンバーシップ関数を1組以上記憶するとともに、使用者が外部から選択指示した1組のメンバーシップ関数をファジイ推論部9へ出力する機能を有している。
周期カウンタ15は、ファジイ推論を行う周期を管理する。例えば、推論周期算出部17が求めた推論周期が設定され、推論周期毎に偏差eを速度測定部7とファジイ推論部9に出力する。なお、周期カウンタ15は、図示の構成以外にも、ファジイ推論処理が設定された推論周期で行われるような適宜の形態でもよい。例えば、ファジイ推論部9や速度測定部7に処理を開始するためのトリガを与えるようにしてもよい。
速度測定部7は偏差eを入力し、前回および今回の偏差eから偏差の変化速度edotを演算する。速度測定部7は偏差の変化速度をファジイ推論部9と推論周期算出部17に出力する。
ファジイ推論部9は、減算部1からの偏差e(周期カウンタ15を介して入力されてもよい)および速度測定部7からの偏差の変化速度をサンプリングして規格化し、メンバーシップ関数記憶部13に記憶されているメンバーシップ関数を使用して所定のファジイ推論ルール群に基づきファジイ推論を行う。ファジイ推論部9は、PID係数の少なくとも1つ又はPID演算結果等を修正するための推論結果を制御演算部5へ出力する機能を有する。
推論周期算出部17は、例えばファジイ推論毎に次の推論周期を求める。ファジイ推論毎に推論周期を求める場合、次の推論タイミングを求めることになる。なお、推論周期算出部17は、ファジイ推論毎に推論周期を求める以外にも、予め定められた複数回のファジイ推論毎に推論周期を更新するようにしてもよい。
ところで、上述した制御装置は、CPUや、このCPUの動作プログラムを格納したROM、データを記憶格納するRAM、外部とのデータのインターフェースであるI/Oを有するいわゆるマイクロコンピュータ等のディジタル機器で構成できる。上述した減算部1、制御演算部5、速度測定部7、ファジイ推論部9および推論周期算出部17はそのCPUに対応し、メンバーシップ関数記憶部13および応答モデル記憶部11はそのRAMやマイクロコンピュータに外部接続された図示しない外部記憶装置に対応する。メンバーシップ関数記憶部13に記憶されたメンバーシップ関数の選択は例えばマイクロコンピュータに外部接続された図示しないキーボードから選択入力される。
2.推論周期の変更(可変推論周期)
本実施の形態の理解を容易にするため、具体的数値例を用いて本実施の形態における推論周期の変更について説明する。
図2は、偏差の変化速度の説明図である。
図2のグラフは縦軸に測定値PVの一例としての温度を示し、横軸に時間を示す。例えば、目標値の変更に対して測定値PVが新たな目標値に追従する過程を示す。例えば周期カウンタ15は、目標値変更時の偏差(基準偏差)の90%から80%の間のサンプル数をカウントする。もっとも、区間の幅は実用的には5〜20%程度で多少変更可能である。ここでカウントされるサンプル数を基準カウント数と呼ぶ。図2に示す例は、目標値変更時の偏差(基準偏差)の90%から80%の測定値PVが10degitに相当する。その間のサンプル数が20サンプルである例である。すなわち、この区間では偏差の変化速度は、1サンプリングで0.5digit変化することになり、これを偏差の変化速度の基準とする。この区間の変化の変化速度を1として規格化すると、変化の変化速度が1(規格化)のとき、1サンプリングで測定値PVは0.5digit変化していることになる。
図3は、本実施の形態の推論周期決定の説明図である。
本実施の形態では、推論周期の間に変化する偏差の変化量が予め定められている。例えば、図3の例では、偏差の変化量が基準偏差の1%と設定されている。これは測定値PVの1digit分に相当する(図2参照)。この例では、偏差の変化量が基準偏差の1%となる時間を予測して推論周期とする。偏差の変化量が基準偏差の1%となる時間は、偏差の変化速度により異なり、推論周期算出部17は速度測定部7で測定された偏差の変化速度に応じて推論周期を求める。
例えば、図3の例では、偏差の変化速度が1(規格化)の場合、偏差の変化量が、基準偏差の1%になるのは2サンプリングであるので、推論周期を2サンプリングとする(図3(b)左上)。また、偏差の変化速度が0.5(規格化)の場合、偏差の変化量が、基準偏差の1%になるのは4サンプリングであるので、推論周期を4サンプリングとする(図3(b)右上)。なお、偏差の変化速度が0.5(規格化)とは、上述のように偏差の変化速度の基準を測定した、基準偏差の90%〜80%の区間の偏差の変化速度に対して、半分の速度であることを表す。同様に、偏差の変化速度が0.1(規格化)の場合、偏差の変化量が、基準偏差の1%になるのは20サンプリングであるので、推論周期を20サンプリングとする(図3(b)下)。偏差の変化速度が他の値の場合の同様にして推論周期を設定できる。
このように、推論周期算出部17は、偏差の変化速度が大きくなるにつれて推論周期を短くし、偏差の変化速度が小さくなるにつれて推論周期を長くする。
基準の偏差の変化速度を測定する際に得られたカウント値(基準カウント値)と、偏差の変化速度を使用して推論周期を設定でき、設定された推論周期では所定の測定値PV(例えば温度)の変化分を得ることができる。どのくらいの偏差の変化量が得られるように推論周期を可変させるかは、設計者により設定できる。
ここで、比較のため、従来の手法による推論周期と偏差の変化速度の関係を図4に示す。特許文献1に記載の技術では、目標値変更時の偏差(基準偏差)の10%に相当する測定値幅のdigit数と、その測定幅に対応する時間(基準カウント数)から推論周期が求められる。図4の例は図2に対応し、推論周期は20サンプルである。図4(a)に示すように、求められた推論周期は以降の制御において一定である。
図5は、本実施の形態による制御シミュレーション結果を示す。図に示すように推論周期は可変であり、偏差の変化速度が大きくなると推論周期は短くなり、偏差の変化速度が小さくなると推論周期は長くなる。
3.シミュレーション結果
図6は、本実施の形態の制御シミュレーション結果を示す。
本実施の形態によると、偏差の変化速度から推論周期を求めることで、所定の測定値変化(例えば温度変化)に対してファジイ推論部9が動作できる。そのため、偏差の変化速度を精度良く測定できることになり、ファジイ推論によるフィードバックゲインの調整が正しく行われる。また、無駄に行われていたファジイ演算が行われにくい。
6は、推論タイミングが比較的遅い(目標値変更幅が小さい)場合、すなわち推論周期が比較的長い場合のシミュレーション結果である。左側のグラフは従来の推論周期が一定の場合の測定値PVと推論タイミングを示す。右側のグラフは本実施の形態の推論周期が可変の場合の測定値PVと推論タイミングを示す。
測定値PVを比較すると、従来の例ではオーバーシュートしているのに対して、本実施の形態ではオーバーシュートが抑制できている。推論回数は、本実施の形態が従来の例よりも多くなっており、推論周期を可変にすることでファジイ推論を適切なタイミングで行うことができ、測定値PVのオーバーシュートを抑制できていると考えられる。
(実施例2)
実施例2では、偏差を監視して、偏差が予め定められた量変化した場合にファジイ推論を行う。
本実施例では、図1の構成において、推論周期算出部17を省略できる。例えば周期カウンタ15に代えて偏差監視部を備え、偏差監視部は偏差eを監視し、例えば実施例1と同様に基準偏差の1%に相当する量だけ偏差eが変化したことを検出すると、ファジイ推論部9にファジイ推論開始のトリガを与える。図7に、実施例2におけるシミュレーション結果を示す。
本発明は、例えば、ファジイ推論を行う制御装置及び制御システムに利用可能である。
1 減算部
3 制御対象
5 制御演算部
7 速度測定部
9 ファジイ推論部
11 応答モデル記憶部
13 メンバーシップ関数記憶部
15 周期カウンタ
17 推論周期算出部

Claims (4)

  1. 推論周期毎にファジイ推論を行うファジイ推論部と、
    前記ファジイ推論部の推論結果に応じて制御対象へ出力する操作量を求める制御演算部と、
    制御対象からの測定値と目標値との偏差の変化速度を求める速度測定部と、
    偏差の変化速度に応じて前記ファジイ推論の推論周期を算出する推論周期算出部と、
    を備え
    前記推論周期算出部は、偏差の変化速度が大きくなるにつれて推論周期を短くし、偏差の変化速度が小さくなるにつれて推論周期を長くするファジイ制御装置。
  2. 前記推論周期算出部は、偏差の変化速度に基づき、予め定められた偏差の変化量が得られる時間幅を計測して、推論周期を更新する請求項1に記載のファジイ制御装置。
  3. 前記推論周期算出部は、前記ファジイ推論部によりファジイ推論を行う度に推論周期を求める請求項1に記載のファジイ制御装置。
  4. 推論周期毎にファジイ推論を行うファジイ推論ステップと、
    前記ファジイ推論ステップの推論結果に応じて制御対象へ出力する操作量を求める制御演算ステップと、
    制御対象からの測定値と目標値との偏差の変化速度を求める速度測定ステップと、
    偏差の変化速度に応じて前記ファジイ推論の推論周期を変更する推論周期算出ステップと
    を備え
    前記推論周期算出ステップにおいて、偏差の変化速度が大きくなるにつれて推論周期を短くし、偏差の変化速度が小さくなるにつれて推論周期を長くするファジイ制御方法。
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