JP2010243002A - 空調システム - Google Patents

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Yasunari Okamoto
康令 岡本
Koichi Ishida
耕一 石田
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Abstract

【課題】室内を空調するための空調装置を備えた空調システムにおいて、手間をかけることなく精度の高い最適運転ができるようにする。
【解決手段】空調システムを制御するコントローラに、決定部(14)の操作量で空調装置を制御した場合における空調装置の消費電力量の実測値を推定モデル(14a)にフィードバックして、その推定モデル(14a)の消費電力値が実測値に近づくように補正する補正部(11)を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、室内空間の空気を調和するための空調システムに関するものである。
従来より、室内空間の空気を調和するための空調システムが知られている。この種の空調システムが、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1の空調システムは、空調機、該空調機に冷温水を供給する冷温熱発生機、該冷温熱発生機に冷却水を供給する放熱機を構成要素機器として備えている。そして、この空調システムでは、上記空調機の送風温度、上記冷温熱発生機における冷温水温度、及び上記放吸熱機の冷却水温度の設定値を最適化することにより、例えば、上記空調システムにおいて、室内の空調負荷が所定の範囲にある状態で上記空調システムの消費電力量が最小となるような最適運転することができる。
ところで、一般に、上記空調システムの消費電力量は、上記空調機に接続された空調ダクト、上記冷温熱発生機に接続された冷温水配管、及び上記放吸熱機に接続された冷却水配管の長さに応じて変化する。例えば、ダクトや配管の長さが長くなるほど、上記空調システムの消費電力量は大きくなる。
このことから、特許文献1の空調システムでは、上記空調ダクトの抵抗係数、上記冷温水配管の抵抗係数、及び上記冷却水配管の抵抗係数を考慮して、上記空調システムの設定値を最適化している。
特許第37838593号公報
しかしながら、従来の空調システムでは、上記空調ダクト、上記冷温水配管、及び上記冷却水配管の抵抗係数を実際に計測する必要がある。そして、この抵抗係数を精度よく計測しなければ、上記空調システムを最適な状態で運転することができないと考えられる。又、上記抵抗係数を精度よく計測しようとすると手間がかかり、上記空調システムを運転するまでに多大な時間を要することが考えられる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、室内を空調するための空調装置を備えた空調システムにおいて、手間をかけることなく精度の高い最適運転ができるようにすることにある。
第1の発明は、室内(30)を空調するための空調装置(5)と、該空調装置(5)の操作量を決定する決定部(14)とを備えた空調システムを前提としている。
そして、上記空調システムにおいて、上記決定部(14)は、上記空調装置(5)の操作量と上記空調装置(5)の消費電力との相関関係を推定した推定モデル(14a)に基づいて上記空調装置(5)の操作量を決定するように構成され、上記決定部(14)で決定した操作量で上記空調装置(5)を制御した場合の該空調装置(5)の消費電力量の実測値を上記推定モデル(14a)にフィードバックして、上記推定モデル(14a)の消費電力値が上記実測値に近づくように補正する補正部(11)を備えていることを特徴としている。
ここで、上記推定モデル(14a)は、上記空調装置(5)の操作量を入力すると、その入力した操作量で上記空調装置(5)を制御した場合の該空調装置(5)の消費電力量を推定して出力するように構成されている。
ところで、この推定モデル(14a)が推定する消費電力量と実際の消費電力量との間に誤差が生じている場合、つまり上記推定モデル(14a)の推定精度がよくない場合には、上記決定部(14)が上記空調装置(5)の操作量を精度よく決定できないことがある。
第1の発明では、上記空調装置(5)における消費電力の実測値と上記推定モデル(14a)の推定値とを比較して、その推定値が実測値に近づくように上記推定モデル(14a)を補正している。こうすることで、上記推定モデル(14a)の精度を向上させることができるようになる。
第2の発明は、第1の発明において、上記空調装置(5)は、少なくとも冷水ポンプ(42)と、該冷水ポンプ(42)から供給された冷水を冷却するチラーユニット(20)と、該チラーユニット(20)で冷却された冷水と室内(30)の空気とを熱交換するファンコイルユニット(50)とを有し、上記空調装置(5)の操作量は、上記チラーユニット(20)における冷水の出口温度、上記冷水ポンプから供給される冷水の流量、及び上記ファンコイルユニット(50)内を流れる空気の風量であることを特徴としている。
また、第2の発明では、上記空調装置(5)が、構成要素機器として冷水ポンプ(42)とチラーユニット(20)とファンコイルユニット(50)とを備えている。これらの構成要素機器を備えている場合でも、上記空調システム(10)において、上記空調装置(5)の消費電力が最小となる最適な運転ができるようになる。そして、上記推定モデル(14a)の推定値が実測値に近づくように上記推定モデル(14a)を補正することにより、上記推定モデル(14a)の精度を向上させることができるようになる。
本発明によれば、上記空調装置(5)における消費電力の実測値と上記推定モデル(14a)の推定値とを比較して、その推定値が実測値に近づくように上記推定モデル(14a)を補正することにより、上記推定モデル(14a)の推定精度を向上させることができる。これにより、上記空調システムにおいて、手間をかけることなく精度の高い最適運転を行うことができる。又、上記推定モデル(14a)から求められた推定値が上記実測値に近づくので、上記推定モデル(14a)で省エネ運転となるような操作量を決定すれば、実際に省エネ運転が可能となる。
また、第2の発明によれば、上記空調装置(5)が、構成要素機器として冷水ポンプ(42)とチラーユニット(20)とファンコイルユニット(50)とを備えている場合でも、上記空調装置(5)における消費電力の実測値と上記推定モデル(14a)の推定値とを比較して、その推定値が実測値に近づくように上記推定モデル(14a)を補正することにより、上記推定モデル(14a)の推定精度を向上させることができる。これにより、上記空調システムにおいて、手間をかけることなく精度の高い最適運転を行うことができる。
実施形態における空調システムの概略構成図である。 実施形態における空調システムのコントローラのブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
−空調システムの全体構成−
本実施形態の空調システム(10)は、室内空間(30)を冷房ことができるように構成されている。図1に示すように、本実施形態の空調システム(10)は、屋外から取り込んだ空気(OA)を冷却した後、その冷却した空気を供給空気(SA)として室内へ送るように構成されている。
上記空調システム(10)は、チラーユニット(20)とファンコイルユニット(50)とクーリングタワー(33)と冷却水ポンプ(32)と冷水ポンプ(42)を有する空調装置(5)を備えている。ともに、冷媒回路(21)と冷却水回路(31)と冷水回路(41)とを有している。又、上記空調システム(10)は、該空調システム(10)の運転を制御するコントローラ(1)を備えている。又、上記空調システム(10)は、上記空調装置(5)の消費電力量を測定する電力計(17)が設けられている。
〈冷媒回路の構成〉
冷媒回路(21)は、チラーユニット(20)に含まれている。冷媒回路(21)は、冷媒が充填された閉回路を構成している。冷媒回路(21)には、圧縮機(22)と放熱器(23)と膨張弁(24)と蒸発器(25)とが接続されている。この冷媒回路(21)では、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
上記圧縮機(22)は、運転容量を調節可能に構成されている。圧縮機(22)のモータには、インバータを介して電力が供給される。インバータの出力周波数を変更すると、モータの回転速度が変更され、圧縮機(22)の運転容量が変更される。
上記放熱器(23)は、冷媒回路(21)と接続する第1伝熱管(23a)と、冷却水回路(31)と接続する第2伝熱管(23b)とを有している。つまり、冷媒回路(21)は、放熱器(23)を介して冷却水回路(31)に接続している。放熱器(23)では、第1伝熱管(23a)を流れる冷媒と第2伝熱管(23b)を流れる冷却水とが熱交換する。
また、蒸発器(25)は、冷媒回路(21)と接続する第1伝熱管(25a)と、冷水回路(41)と接続する第2伝熱管(25b)とを有している。つまり、冷媒回路(21)は、蒸発器(25)を介して冷水回路(41)と接続している。蒸発器(25)では、第1伝熱管(25a)を流れる冷媒と第2伝熱管(25b)を流れる冷水が熱交換する。
〈冷却水回路の構成〉
上記冷却水回路(31)には、上述した放熱器(23)と冷却水ポンプ(32)とクーリングタワー(33)とが接続されている。冷却水ポンプ(32)は、冷却水回路(31)内の冷却水を搬送して循環させる。クーリングタワー(33)では、冷却水回路(31)を循環する冷却水が冷却される。なお、図面上において、冷却水ポンプ(32)に付した矢印は、冷却水回路(31)を流れる冷却水の循環方向を意味している。
〈冷水回路の構成〉
上記冷水回路(41)には、上述した蒸発器(25)と冷水ポンプ(42)と空気熱交換器(61)とが接続されている。蒸発器(25)では、冷水回路(41)を循環する冷水が冷却される。この冷水ポンプ(42)は、容量可変に構成されており、冷水回路(41)内の冷水を搬送して循環させる。なお、図面上において、冷水ポンプ(42)に付した矢印は、冷水回路(41)を流れる冷水の循環方向を意味している。
また、冷水回路(41)には、バイパス配管(43)が接続されている。このバイパス配管(43)の一端は、冷水ポンプ(42)と空気熱交換器(61)との間に接続している。バイパス配管(43)の他端は、空気熱交換器(61)と蒸発器(25)との間に接続している。上記バイパス配管(43)には、バイパス電動弁(44)が設けられている。バイパス電動弁(44)は、バイパス配管(43)の開度を調節可能な流量調節弁を構成している。
又、上記冷水回路(41)には、上記蒸発器(25)における冷水側の出口温度を測定する冷水温度センサ(45)が設けられている。又、上記冷水ポンプ(42)の吐出流量を測定する流量計(46)が設けられている。
〈ファンコイルユニットの構成〉
上記ファンコイルユニット(50)は、上下に扁平な直方体形状のケーシング(51)を有している。ケーシング(51)の内部には、空気が流通する空気通路(52)が形成されている。空気通路(52)の流入端には、吸込ダクト(53)の一端が接続している。吸込ダクト(53)の他端は室内空間(30)に臨んでいる。空気通路(52)の流出端には、給気ダクト(54)の一端が接続している。給気ダクト(54)の他端は室内空間(30)に臨んでいる。
空気通路(52)には、上流側から下流側に向かって順に、空気熱交換器(61)と送風機(57)とが設けられている。
上記送風機(57)は容量可変に構成されており、空気通路(52)内の空気を搬送する。
上記空気熱交換器(61)は、空気を冷却するためのファンコイルを構成している。空気熱交換器(61)は、複数のフィンと、複数のフィンを貫通する伝熱管とを有し、いわゆるフィンアンドチューブ式の熱交換器を構成している。
又、上記ファンコイルユニット(50)には、空気通路(52)を流れる空気の風量を計測する風量計(47)が設けられている。
〈コントローラの構成〉
上記コントローラ(1)は、設定部(16)と空調負荷推定部(12)と決定部(14)と運転制御部(15)と補正部(11)とを備えている。
上記設定部(16)は、ユーザーによって入力された設定温度Tsetを上記空調負荷推定部(12)へ出力する設定動作を行うものである。
上記空調負荷推定部(12)は、PID温度調節器により構成されている。上記空調負荷推定部(12)は、上記設定部(16)からの設定温度Tsetと上記冷水温度センサ(45)からの検出値Tとに基づいて、室内空間(30)の空調負荷Qssetを推定する空調負荷推定動作を行うとともに、その空調負荷Qssetを決定部(14)へ出力するものである。
上記決定部(14)は、予め設定された推定モデル(14a)を有している。そして、上記決定部(14)は、上記推定モデル(14a)に基づいて上記空調装置(5)の空調能力が、上記空調負荷推定部(12)から入力された空調負荷Qssetを満たす範囲で上記空調装置(5)の消費電力量が最小となる第1操作量(Tw)、第2操作量(Gw)、及び第3操作量(Ga)を決定する操作量決定動作を行うとともに、これらの操作量(Tw、Gw、Ga)を上記運転制御部(15)へ出力するものである。
上記運転制御部(15)は、上記決定部(14)から入力された操作量(Tw、Gw、Ga)となるように、上記空調装置(5)を制御する運転制御動作を行うものである。具体的には、上記チラーユニット(20)の冷水出口温度が上記第1操作量(Tw)となるように、上記チラーユニット(20)の圧縮機(22)の運転周波数を調節する。又、上記冷水ポンプ(42)の吐出流量が上記第2操作量(Gw)となるように、上記冷水ポンプ(42)の運転容量を調節する。又、上記ファンコイルユニット(50)の空気通路(52)を流れる空気の風量が上記第3操作量(Ga)となるように、上記ファンコイルユニット(50)の送風機(57)のファンステップを調節する。
上記補正部(11)は、上記推定モデル(14a)で推定した上記空調装置(5)の消費電力量と上記電力計(17)で測定した消費電力量の実測値とを比較する。そして、上記推定モデル(14a)で推定した消費電力量が上記実測値に近づくように、上記推定モデル(14a)を補正する補正動作を行うものである。
−運転動作−
次に、空調システム(10)の運転動作について説明する。
室内に設置されたリモコン(図示なし)の運転スイッチをONすると、上記冷却水ポンプ(32)と上記冷水ポンプ(42)が起動した後に、上記チラーユニット(20)の圧縮機(22)、ファンコイルユニット(50)の送風機(57)、クーリングタワー(33)に設けられたクーリングファン(34)が起動する。
上記圧縮機(22)が起動すると、該圧縮機(22)で圧縮された冷媒は、放熱器(23)を流れる。放熱器(23)では、第1伝熱管(23a)を流れる冷媒が、第2伝熱管(23b)を流れる冷却水に放熱して凝縮する。放熱器(23)の第2伝熱管(23b)で加熱された冷却水は、クーリングタワー(33)において室外空気へ放熱する。放熱器(23)で凝縮した冷媒は、減圧機構としての膨張弁(24)で減圧された後、蒸発器(25)を流れる。蒸発器(25)では、第1伝熱管(25a)を流れる冷媒が、第2伝熱管(25b)を流れる水から吸熱して蒸発する。蒸発器(25)で蒸発した冷媒は、圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。
冷水回路(41)では、蒸発器(25)の第2伝熱管(25b)で冷却された水は、冷水ポンプ(42)を通過し、空気熱交換器(61)に流入する。空気熱交換器(61)では、伝熱管を流れる水が空気通路(52)を流れる空気によって加熱される。空気熱交換器(61)を通過した水は、冷水回路(41)の蒸発器(25)へ送り返され、蒸発器(25)で冷却される。
ファンコイルユニット(50)では、吸込ダクト(53)に取り込まれた空気(OA)が、空気通路(52)を流れる。この空気は、空気熱交換器(61)で冷水回路(41)の冷水によって冷却された後、給気ダクト(54)を経由して、供給空気(SA)として室内空間(30)へ供給される。
−コントローラの動作−
上記コントローラ(1)は、上記空調装置(5)が運転を開始すると、上記空調負荷推定部(12)に、室内温度センサ(18)から出力された計測温度Tと、設定部(16)から出力された設定温度Tsetとが入力される。空調負荷推定動作では、室内空間(30)の空気の温度を用いて修正値Δu(n)を決定するPID制御によって室内空間(30)の空調負荷Qssetが推定される。PID制御によれば、室内空間(30)の空気の温度に基づいて決定した修正値Δu(n)を用いて、前回に推定した室内空間(30)の空調負荷Qssetを修正することによって、室内空間(30)の空調負荷Qssetが推定される。
上記PID制御は、速度型のPID制御であり、下記の式1及び式2が用いられる。
式1:u(n)=u(n-1)+Δu(n)
式2:Δu(n)=Kp×[e(n)−e(n-1)]+(T/T)×e(n)+(T/T)×[e(n)−2×e(n-1)+e(n-2)]
上記式1において、u(n)は今回の空調負荷推定動作で算出される負荷率、u(n-1)は前回の空調負荷推定動作で算出された負荷率、Δu(n)は修正値をそれぞれ表している。空調負荷Qssetは、空調システム(10)の定格出力に負荷率を掛けることによって算出される。
また、上記式2において、Kpは比例ゲイン、Tは積分時間、Tは微分時間、Tはタイムステップをそれぞれ表している。また、e(n)は今回の空調負荷推定動作における室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差、e(n-1)は前回の空調負荷推定動作における室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差、e(n-2)は前々回の空調負荷推定動作における室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差をそれぞれ表している。
又、修正値Δu(n)の算出に、室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差が用いられている。式2によれば、修正値Δu(n)は、室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差が大きいほど大きな値となる。ここで、室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差が大きい状態は、前回の空調負荷推定動作で推定した空調負荷Qssetと実際の室内空間(30)の空調負荷との誤差が比較的大きくなっていることを意味している。このため、室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差が大きいほど修正値Δu(n)が大きくなるように空調負荷Qssetを算出することで、推定する空調負荷Qssetが速やかに実際の室内空間(30)の空調負荷に近づくようにしている。
なお、この空調負荷推定動作では、PID制御の他に、PI制御、I−PDなど派生的なPID制御、フィードフォワード制御、フィードバック制御、モデル予測制御、最適制御、適応制御、ロバスト制御、H∞制御、ファジー論理制御、ニューロ制御、非線形制御などを用いることができる。
上記空調負荷推定動作が終了すると、決定部(14)が、各操作量(Tw,Gw,Ga)を決定する操作量決定動作を行う。具体的に、操作量決定動作では、下記の式3−式9が用いられる。式4は目的関数であり、式5はペナルティ関数(制約条件式)である。決定部(14)は、一般的な非線形計画法のプログラムにより、下記の式3のf(Tw,Gw,Ga)が最小となる各操作量(Tw,Gw,Ga)を算出する。なお、決定部(14)は、下記の式5のCiがゼロとなる制約の下で、下記の式4のE_allが最小となる各操作量(Tw,Gw,Ga)を算出してもよい。
式3:f1(Tw,Gw,Ga)=E_all+Ci
式4:E_all=(E_chiller+E_pump+E_fan)×A
式5:Ci=(Qsset−Qs)
上記式3において、E_allは空調部(20,50)の消費電力を表している。また、上記式4において、E_chillerはチラーユニット(20)の消費電力、E_pumpは冷水ポンプ(42)の消費電力、E_fanは送風機(57)の消費電力をそれぞれ表し、Aは補正係数を表している。また、上記式5において、Qsは空調能力を表している。
式6:E_chiller=f2(To,Tw)
式7:E_pump=f3(Gw)
式8:E_fan=f4(Ga)
式9:Qs=f7(Tw,Gw,Ga)
上記式6において、f2は、外気温度Toと冷水温度Twとを入力してチラーユニット(20)の消費電力を出力する線形関数である。外気温度Toは、図示しない外気温度センサの計測温度が用いられる。上記式7において、f3は、冷水量Gwとを入力して、冷水ポンプ(42)の消費電力を出力する線形関数である。上記式8において、f4は、ファン風量Gaを入力して、送風機(57)の消費電力を出力する線形関数である。上記式9において、f7は、冷水温度Tw、冷水量Gw、ファン風量Gaを入力して、空調能力Qsを出力する線形関数である。 尚、上記式1から式9までが推定モデル(14a)を構成する。又、上記式4の補正係数Aは、上記補正部(11)から推定モデル(14a)へ入力される。
操作量決定動作が終了すると、操作量変更動作が行われる。操作量変更動作では、操作量決定動作で算出された各操作量(Tw,Gw,Ga)が、決定部(14)から運転制御部(15)へ送られる。運転制御部(15)では、各操作量(Tw,Gw,Ga)を、決定部(14)から受信した値に変更する。
上記運転制御部(15)では、上記各操作量(Tw,Gw,Ga)に基づいて運転制御動作が行われ、冷水温度センサ(45)の計測温度が変更後の第1操作量(Tw)になるように、チラーユニット(20)の圧縮機(22)の運転周波数を調節する。また、運転制御部(15)は、上記冷水ポンプ(42)の流量計(46)が変更後の第2操作量(Gw)に対応した吐出流量となるように、冷水ポンプ(42)の運転容量を調節する。また、運転制御部(15)は、上記ファンコイルユニット(50)の風量計(47)が変更後の第3操作量(Ga)に対応した風量となるように、送風機(57)のファンステップを調節する。このような空調負荷推定動作と操作量決定動作と操作量変更動作とを連続的に繰り返し行うとともに、上記補正動作を所定時間ごとに繰り返し行う。
上記補正部(11)では、上記空調装置(5)の運転開始時から所定時間ごとに補正動作が行われる。具体的に、上記補正動作の開始時間になると、その開始時点における上記推定モデル(14a)の式4で算出された消費電力量E_allと上記電力計(17)の実測値Eとが上記補正部(11)に入力される。そして、下記式10から補正係数Aが算出される。
式10:A=E/E_all
そして、この補正係数Aが上記推定モデル(14a)に入力され、現時点の推定モデル(14a)の式4の補正係数が変更されることにより、式4が補正される。その後、次回の補正動作の開始時間にまるまで、この変更された補正係数Aの式4に基づいて、上記消費電力量E_allが算出される。その後、補正動作の開始時間になると、下記式10から補正係数Aが算出され、再び式4の補正係数が変更されることにより、式4が補正される。この補正動作が繰り返される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、室内の空調負荷が所定の範囲にある状態で上記空調システムの消費電力量が最小となるような最適運転することができる。又、上記空調装置(5)における消費電力の実測値と上記推定モデル(14a)の推定値とを比較して、その推定値が実測値に近づくように上記推定モデル(14a)を補正することにより、上記推定モデル(14a)の推定精度を向上させることができる。これにより、上記空調システム(10)において、従来のようにダクト及び配管の抵抗係数を計測するような手間をかけなくても、精度の高い最適運転を行うことができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、上記空調装置(5)全体の消費電力量を上記電力計(17)で測定しているが、これに限定されず、例えば上記空調装置(5)の構成要素機器ごとに電力計を設置し、各空調装置(5)ごとに消費電力量を計測してもよい。こうすると、各構成要素機器ごとに推定モデルを補正することができ、補正の精度がさらに向上する。
又、上記実施形態では、上記空調システム(10)が、室内空間(30)を冷房するように構成されているが、これに限定されず、例えば室内空間(30)の調湿と温調するように構成してもよい。この場合には、上記ファンコイルユニット(50)に電気ヒータと散水器とを設けるとよい。この電気ヒータ及び散水器により、供給空気(SA)を調湿できる。
ここで、上記電気ヒータ及び散水器においても、上述した推定モデル(14a)を用いることで、実施形態と同様に、室内の空調負荷が所定の範囲にある状態で上記空調システムの消費電力量が最小となるような最適運転することができる。又、上記補正部(11)により、実施形態と同様に、上記推定モデル(14a)の精度を高くすることができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、室内空間の空気を調和するための空調システムについて有用である。
1 コントローラ
5 空調装置
10 空調システム
11 補正部
12 空調負荷推定部
14 決定部
14a 推定モデル
15 運転制御部
16 設定部
17 電力計
18 室内温度センサ
20 チラーユニット
32 冷却水ポンプ
33 クーリングタワー
42 冷水ポンプ
50 ファンコイルユニット

Claims (2)

  1. 室内(30)を空調するための空調装置(5)と、該空調装置(5)の操作量を決定する決定部(14)とを備えた空調システムであって、
    上記決定部(14)は、上記空調装置(5)の操作量と上記空調装置(5)の消費電力との相関関係を推定した推定モデル(14a)を備え、
    上記決定部(14)で決定した操作量で上記空調装置(5)を制御した場合の該空調装置(5)の消費電力量の実測値を上記推定モデル(14a)にフィードバックして、上記推定モデル(14a)の消費電力値が上記実測値に近づくように補正する補正部(11)を備えていることを特徴とする空調システム。
  2. 請求項1において、
    上記空調装置(5)は、少なくとも冷水ポンプ(42)と、該冷水ポンプ(42)から供給された冷水を冷却するチラーユニット(20)と、該チラーユニット(20)で冷却された冷水と室内(30)の空気とを熱交換するファンコイルユニット(50)とを有し、
    上記空調装置(5)の操作量は、上記チラーユニット(20)における冷水の出口温度、上記冷水ポンプから供給される冷水の流量、及び上記ファンコイルユニット(50)内を流れる空気の風量であることを特徴とする空調システム。
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