JP5391785B2 - 空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、室内空間の空気調和を行う空調システムに関するものである。
従来より、室内空間の空気調和を行う空調システムが知られている。この種の空調システムが、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1の空調システムは、空気の潜熱を処理する調湿装置と、空気の顕熱を処理する空調装置とを備えている。冷房運転では、吸込温度センサの検出温度と設定温度との温度差に基づいて、空調装置の冷房能力が制御される。また、除湿運転では、室外空気及び供給空気の絶対湿度と、設定温度と設定相対湿度から算出される目標絶対湿度とに基づいて、調湿装置の除湿能力が制御される。
特開2006−329483号公報
ところで、従来の空調システムでは、室内空間の空気の状態を表す物理量等に基づいて、各構成機器の制御量が決定されていた。しかし、空調システムの消費電力を考慮して、各構成機器の制御量は決定されていなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、室内空間の空気調和を行う空調システムにおいて、室内空間の空調負荷を的確に処理しつつ、空調システムの消費電力を低減させることにある。
第1及び第2の各発明は、複数の構成機器を有し、該複数の構成機器を運転させて室内空間(30)の空気調和を行う空調システム(10)を対象とする。そして、この空調システム(10)は、上記室内空間(30)の空気の状態を表す物理量に基づいて該室内空間(30)の空調負荷を推定する第1動作と、該第1動作で推定した室内空間(30)の空調負荷に応じた空調能力を上記空調システム(10)が発揮し、且つ、該空調システム(10)の消費電力が最小となるような各構成機器の制御量を決定し、決定した制御量に基づいて各構成機器を制御する第2動作とを繰り返し行う制御手段(100)を備えている。
第1及び第2の各発明では、複数の構成機器を運転させて室内空間(30)の空気調和が行われる。空調システム(10)の運転中は、制御手段(100)が、第1動作と第2動作とを繰り返し行うことによって、各構成機器を制御する。第1動作では、室内空間(30)の空気の状態を表す物理量(例えば、室内空間(30)の空気の温度)に基づいて室内空間(30)の空調負荷が推定される。第2動作では、第1動作で推定した室内空間(30)の空調負荷に応じた空調能力を空調システム(10)が発揮するような値に、各構成機器の制御量が決定される。また、第2動作では、空調システム(10)の消費電力が最小となるような値に、各構成機器の制御量が決定される。各構成機器の制御量は、室内空間(30)の空気の状態を表す物理量から直接決定されるのではなく、室内空間(30)の空調負荷を媒介として決定される。
ここで、空調システム(10)の空調能力を所定値に調節する場合に、各構成機器の制御量の値の組合せは、複数通りある。つまり、空調システム(10)の空調能力が等しくなる各構成機器の制御量の値の組合せは、複数通りある。例えば、送風量及び温度調節量を調節して空調システム(10)の空調能力を所定値に調節する場合に、送風量を多めに調節してもよいし、温度調節量を多めに調節してもよい。そして、空調システム(10)の空調能力が等しくなる各構成機器の制御量の値の複数の組合せの中には、空調システム(10)の消費電力が最小となる組合せがある。室内空間(30)の空調負荷を媒介として各構成機器の制御量を決定する場合には、例えば非線形計算によって、空調システム(10)の消費電力が最小となるように、各構成機器の制御量を決定することが可能である。第1及び第2の各発明では、そのような点に着目して、空調システム(10)の消費電力が最小となるように各構成機器の制御量を決定することができるように、空調システム(10)の空調能力の目標となる室内空間(30)の空調負荷を媒介として、各構成機器の制御量を決定している。
第1の発明は、上記の構成に加えて、上記第1動作では、現在の室内空間(30)の空気の状態を表す物理量と該物理量の目標値との差を偏差とするPID動作によって得られた修正値を用いて、前回の第1動作で推定した室内空間(30)の空調負荷を修正することによって、上記室内空間(30)の空調負荷が推定される。
第1の発明では、第1動作において、現在の室内空間(30)の空気の状態を表す物理量と該物理量の目標値との差を偏差とするPID動作によって得られた修正値によって、室内空間(30)の空調負荷が推定される。PID動作では、前回の第1動作で推定された室内空間(30)の空調負荷を修正値によって修正することによって、室内空間(30)の空調負荷が推定される。PID動作によって得られた修正値で修正すれば、室内空間(30)の実際の空調負荷との誤差が小さくなるように、第1動作で推定される室内空間(30)の空調負荷が徐々に修正されてゆく。
第2の発明は、上記の構成に加えて、上記制御手段(100)は、上記第2動作において、上記空調システム(10)の消費電力を推定するための推定モデルによる該空調システム(10)の消費電力の推定値が最小となるような各構成機器の制御量を決定する一方、上記空調システム(10)の消費電力を計測するための電力計測手段(17)を備え、上記制御手段(100)は、上記第2動作で決定した制御量を用いて各構成機器を制御している状態における上記電力計測手段(17)の計測値に上記推定モデルによる上記推定値が近づくように、該推定モデルを補正する。
第2の発明では、第2動作において、空調システム(10)の消費電力を推定するための推定モデルによる空調システム(10)の消費電力の推定値が最小となるように、各構成機器の制御量が決定される。ここで、推定モデルによる推定値は、実際の空調システム(10)の消費電力に対して誤差を有している場合がある。この第2の発明では、そのような点を改善するために、実際の空調システム(10)の消費電力を計測するための電力計測手段(17)が設けられている。推定モデルは、推定モデルによる推定値が電力計測手段(17)の計測値に近づくように補正される。つまり、推定モデルは、推定モデルによる推定値が実際の空調システム(10)の消費電力に近づくように補正される。
本発明では、空調システム(10)の空調能力の目標となる室内空間(30)の空調負荷を媒介として、空調システム(10)の消費電力が最小となるように、各構成機器の制御量が決定される。室内空間(30)の実際の空調負荷は、室内空間(30)の空気の状態を表す物理量に基づいて推定した室内空間(30)の空調負荷を空調システム(10)の空調能力の目標とすることで、処理される。その過程では、空調システム(10)の消費電力が最小となるように、各構成機器が制御される。従って、室内空間(30)の空調負荷を的確に処理しつつ、空調システム(10)の消費電力を低減させることができる。
また、上記第1の発明では、室内空間(30)の実際の空調負荷との誤差が小さくなるような修正値が得られるPID動作によって、室内空間(30)の空調負荷が推定される。従って、第1動作で推定される室内空間(30)の空調負荷が徐々に室内空間(30)の実際の空調負荷に近づいてゆく。従って、室内空間(30)の空調負荷を的確に処理することができる。
また、上記第2の発明では、第2動作で空調システム(10)の消費電力を推定する際に用いる推定モデルが、推定モデルによる推定値が実際の空調システム(10)の消費電力に近づくように補正される。このため、第2動作において、実際の空調システム(10)の消費電力が最小となるように各構成機器の制御量を決定することができる。従って、空調システム(10)の消費電力をさらに低減させることができる。
実施形態における空調システムの概略構成図である。 実施形態におけるコントローラの動作を表すブロック図である。 実施形態の変形例3におけるコントローラの動作を表すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
−冷凍システムの全体構成−
本実施形態の空調システム(10)は、本発明に係る空調システムの一例である。この空調システム(10)は、室内空間(30)の湿度と温度とを調節することができるように構成されている。この空調システム(10)は、例えば半導体の製造工場等に設置される。
図1に示すように、本実施形態の空調システム(10)は、室内空気(RA)を取り込み、湿度や温度を調節した後の空気を供給空気(SA)として室内空間(30)へ送るように構成されている。空調システム(10)は、チラーユニット(20)と空調ユニット(50)とを有している。また、空調システム(10)は、冷媒回路(21)と放熱回路(31)と熱媒体回路(41)とを有している。
〈冷媒回路の構成〉
冷媒回路(21)は、チラーユニット(20)に含まれている。冷媒回路(21)は、冷媒が充填された閉回路を構成している。冷媒回路(21)には、圧縮機(22)と放熱器(23)と膨張弁(24)と蒸発器(25)とが接続されている。冷媒回路(21)では、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(22)は、運転容量を調節可能に構成されている。圧縮機(22)のモータには、インバータを介して電力が供給される。インバータの出力周波数を変更すると、モータの回転速度が変更され、圧縮機(22)の運転容量が変更される。
放熱器(23)は、冷媒回路(11)と接続する第1伝熱管(23a)と、放熱回路(31)と接続する第2伝熱管(23b)とを有している。放熱器(23)は、冷媒回路(21)だけでなく、放熱回路(31)にも接続されている。放熱器(23)では、第1伝熱管(23a)を流れる冷媒と第2伝熱管(23b)を流れる熱媒体との間で熱交換が行われる。
また、蒸発器(25)は、冷媒回路(11)と接続する第1伝熱管(25a)と、熱媒体回路(41)と接続する第2伝熱管(25b)とを有している。蒸発器(25)は、冷媒回路(21)だけでなく、熱媒体回路(41)にも接続されている。蒸発器(25)では、第1伝熱管(25a)を流れる冷媒と第2伝熱管(25b)を流れる熱媒体との間で熱交換が行われる。
〈放熱回路の構成〉
放熱回路(31)は、熱媒体としての水が充填されている。放熱回路(31)には、上述した放熱器(23)と水ポンプ(32)とクーリングタワー(33)とが接続されている。
水ポンプ(32)は、吐出流量を調節可能に構成されている。水ポンプ(32)は、放熱回路(31)の水を循環させる。クーリングタワー(33)では、放熱回路(31)を循環する水が冷却される。なお、図面上において、水ポンプ(32)に付した矢印は、放熱回路(31)における水の流通方向を意味している。
〈循環回路の構成〉
熱媒体回路(41)は、熱媒体としての水が充填された閉回路を構成している。熱媒体回路(41)には、上述した蒸発器(25)と循環ポンプ(42)と空気熱交換器(61)とが接続されている。
循環ポンプ(42)は、吐出流量を調節可能に構成されている。循環ポンプ(42)は、熱媒体回路(41)の水を循環させる。蒸発器(25)では、熱媒体回路(41)を循環する熱媒体が冷却される。なお、図面上において、循環ポンプ(42)に付した矢印は、熱媒体回路(41)における水の流通方向を意味している。
また、熱媒体回路(41)には、水バイパス管(43)が接続されている。水バイパス管(43)の一端は、循環ポンプ(42)と空気熱交換器(61)の入口との間に接続している。水バイパス管(43)の他端は、空気熱交換器(61)の出口と蒸発器(25)の入口との間に接続している。水バイパス管(43)には、開度可変の電動調節弁により構成されたバイパス電動弁(44)が設けられている。
〈空調ユニットの構成〉
空調ユニット(50)は、上下に扁平な直方体形状のケーシング(51)を有している。ケーシング(51)の内部には、空気が流通する空気通路(52)が形成されている。空気通路(52)の流入端には、吸込ダクト(53)の一端が接続している。吸込ダクト(53)の他端は室内空間(30)に臨んでいる。空気通路(52)の流出端には、給気ダクト(54)の一端が接続している。給気ダクト(54)の他端は室内空間(30)に臨んでいる。
空気通路(52)には、上流側から下流側に向かって順に、空気熱交換器(61)、電気ヒータ(55)、散水器(56)、及び送風機(57)が設けられている。電気ヒータ(55)は、空気熱交換器(61)を通過した空気を加熱する加熱部を構成している。電気ヒータ(55)は、空気の温度を調節するための構成機器であり、空気の加熱量を調節可能に構成されている。散水器(56)は、ケーシング(51)外のタンク(図示省略)の水をノズルから空気中へ散布する加湿部を構成している。散水器(56)は、空気の湿度を調節するための構成機器であり、空気への加湿量を調節可能に構成されている。送風機(57)は、送風量を調節可能に構成されている。
空気熱交換器(61)は、空気の温湿度を調節するための構成機器である。空気熱交換器(61)は、空気を露点温度以下まで冷却するための冷却熱交換器を構成している。空気熱交換器(61)は、複数のフィンと、複数のフィンを貫通する伝熱管とを有し、いわゆるフィンアンドチューブ式の熱交換器を構成している。
〈コントローラの構成〉
空調システム(10)は、制御手段(100)としてのコントローラ(100)を備えている。コントローラ(100)は、圧縮機(22)、膨張弁(24)、水ポンプ(32)、循環ポンプ(42)、電気ヒータ(55)、散水器(56)、バイパス電動弁(44)等を制御するように構成されている。コントローラ(100)は、能力制御部(15)と顕熱負荷推定部(12)と潜熱負荷推定部(13)と目標値決定部(14)と設定部(16)とを備えている。設定部(16)には、ユーザーによって設定温度Tsetと設定湿度Husetが入力される。
能力制御部(15)には、熱媒体回路(41)において蒸発器(25)から流出した冷水の温度の目標値として、第1制御目標値(Tw)が設定されている。能力制御部(15)は、冷水温度センサ(28)の計測温度が第1制御目標値(Tw)になるように、圧縮機(22)の運転容量を調節する。また、能力制御部(15)は、冷媒回路(21)において蒸発器(25)から流出した冷媒の過熱度が目標値(例えば5℃)になるように、膨張弁(24)の開度を調節する。なお、図示しないが、蒸発器(25)の入口と出口には、冷媒の温度を計測する温度センサがそれぞれ設けられている。
また、能力制御部(15)には、熱媒体回路(41)において空気熱交換器(61)へ供給する冷水の流量の目標値として、第2制御目標値(Gw)が設定されている。能力制御部(15)は、第2制御目標値(Gw)に対応した吐出流量となるように、循環ポンプ(42)の運転容量を調節する。能力制御部(15)は、第2制御目標値(Gw)が大きいほど循環ポンプ(42)を大きな運転容量に設定する。
また、能力制御部(15)には、送風機(57)の送風量の目標値として、第3制御目標値(Ga)が設定されている。能力制御部(15)は、第3制御目標値(Ga)に対応した風量となるように、送風機(57)のファンステップを調節する。能力制御部(15)は、第3制御目標値(Ga)が大きいほど、送風機(57)を高いファンステップに設定する。
また、能力制御部(15)には、電気ヒータ(55)による空気の加熱量の目標値として、第4制御目標値(H)が設定されている。能力制御部(15)は、第4制御目標値(H)に対応した加熱量となるように、電気ヒータ(55)の出力を調節する。能力制御部(15)は、第4制御目標値(H)が大きいほど電気ヒータ(55)を高い出力に設定する。
また、能力制御部(15)には、散水器(56)による空気の加湿量の目標値として、第5制御目標値(K)が設定されている。能力制御部(15)は、第5制御目標値(K)に対応した加湿量となるように、散水器(56)の散水量を調節する。能力制御部(15)は、第5制御目標値(K)が大きいほど散水器(56)の散水量を大きな値に設定する。
顕熱負荷推定部(12)は、室内空間(30)の顕熱負荷Qssetを推定する顕熱推定動作を行うように構成されている。顕熱負荷推定部(12)は、PID温度調節器(TIC)により構成されている。顕熱推定動作では、室内空間(30)の空気の状態を表す物理量のうち温度に基づいて、室内空間(30)の顕熱負荷Qssetが推定される。なお、室内空間(30)の顕熱負荷Qssetは、室内空間(30)の温度を設定温度Tsetに保つために必要な顕熱処理能力に等しくなる。顕熱推定動作についての詳細は後述する。
潜熱負荷推定部(13)は、室内空間(30)の潜熱負荷Qlsetを推定する潜熱推定動作を行うように構成されている。潜熱負荷推定部(13)は、PID湿度調節器(HIC)により構成されている。潜熱推定動作では、室内空間(30)の空気の状態を表す物理量のうち湿度に基づいて、室内空間(30)の潜熱負荷Qlsetが推定される。なお、室内空間(30)の潜熱負荷Qlsetは、室内空間(30)の湿度を設定湿度Husetに保つために必要な潜熱処理能力に等しくなる。潜熱推定動作についての詳細は後述する。
目標値決定部(14)は、各制御目標値(Tw,Gw,Ga,H,K)を決定する目標値決定動作を行うように構成されている。目標値決定動作では、顕熱推定動作で推定した顕熱負荷Qssetを空調システム(10)の顕熱処理能力の目標値とし、潜熱推定動作で推定した潜熱負荷Qlsetを空調システム(10)の潜熱処理能力の目標値として、空調システム(10)の消費電力が最小となるように各制御目標値(Tw,Gw,Ga,H,K)が決定される。目標値決定動作についての詳細は後述する。
−運転動作−
空調システム(10)の運転動作について説明する。本実施形態の空調システム(10)は、冷房と除湿を同時に行う冷房除湿運転と、暖房と加湿を同時に行う暖房加湿運転とを実行可能に構成されている。
[冷房除湿運転]
冷房除湿運転では、圧縮機(22)、水ポンプ(32)、循環ポンプ(42)、及び送風機(57)の運転が行われる。また、冷房除湿運転では、基本的には、電気ヒータ(55)が停止状態となり散水器(56)の散水は停止状態となる。
なお、本実施形態の空調システム(10)は、再熱除湿運転も実行可能に構成されている。再熱除湿運転は、電気ヒータ(55)が通電状態となる点が冷房除湿運転と相違しているだけであるため、説明は省略する。
冷房除湿運転では、冷媒回路(21)において冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮機(22)で圧縮された冷媒は、放熱器(23)において、第2伝熱管(23b)を流れる水に放熱して凝縮する。放熱器(23)で冷却された冷媒は、膨張弁(24)で減圧された後に、蒸発器(25)において、第2伝熱管(25b)を流れる水から吸熱して蒸発する。蒸発器(25)で蒸発した冷媒は、圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。なお、放熱器(23)の第2伝熱管(23b)で加熱された水は、クーリングタワー(33)において室外空気へ放熱する。
熱媒体回路(41)では、蒸発器(25)の第2伝熱管(25b)で冷却された水が、空気熱交換器(61)において、空気通路(52)を流れる空気を冷却する。空気熱交換器(61)を通過した水は、蒸発器(25)の第2伝熱管(25b)に戻り再び冷却される。熱媒体回路(41)では、蒸発器(25)において水が冷媒から得た冷熱が、空気熱交換器(61)に搬送される。
空調ユニット(50)では、吸込ダクト(53)に取り込まれた室内空気(RA)が、空気通路(52)を流れる。この空気は、空気熱交換器(61)で熱媒体回路(41)の水によって冷却されて除湿される。空気熱交換器(61)で冷却/除湿された空気は、給気ダクト(54)を経由して、供給空気(SA)として室内空間(30)へ供給される。
[暖房加湿運転]
暖房加湿運転では、電気ヒータ(55)、散水器(56)及び送風機(57)の運転が行われる。圧縮機(22)、水ポンプ(32)、及び循環ポンプ(42)は、停止される。
暖房加湿運転では、空調ユニット(50)において、吸込ダクト(53)に取り込まれた室内空気(RA)が、空気通路(52)を流れる。この空気は、電気ヒータ(55)によって加熱された後に、散水器(56)によって加湿される。散水器(56)によって加湿された空気は、給気ダクト(54)を経由して、供給空気(SA)として室内空間(30)へ供給される。
−コントローラの動作−
コントローラ(100)の動作について説明する。コントローラ(100)は、冷房除湿運転、再熱除湿運転、又は暖房加湿運転時に、顕熱推定動作及び潜熱推定動作と、目標値決定動作と、目標値変更動作とを繰り返し行うことによって、圧縮機(22)、水ポンプ(32)、循環ポンプ(42)、電気ヒータ(55)、及び散水器(56)の5つの構成機器のうち運転中の構成機器を制御するように構成されている。
コントローラ(100)では、顕熱負荷推定部(12)が、室内空間(30)の顕熱負荷Qssetを推定する顕熱推定動作を行う。顕熱負荷推定部(12)には、室内温度センサ(18)から出力された計測温度Tと、設定部(16)から出力された設定温度Tsetとが入力される。また、潜熱負荷推定部(13)が、室内空間(30)の潜熱負荷Qlsetを推定する潜熱推定動作を行う。顕熱負荷推定部(12)には、室内湿度センサ(19)から出力された計測湿度Huと、設定部(16)から出力された設定湿度Husetとが入力される。なお、計測湿度と設定湿度には相対湿度の値が用いられている。顕熱推定動作と潜熱推定動作は、第1動作に相当する。
顕熱推定動作及び潜熱推定動作では、PID制御ロジックが用いられる。顕熱推定動作では、計測温度Tと設定温度Tsetとの差を偏差とするPID動作によって得られた修正値Δu(n)を用いて、前回の顕熱推定動作で推定した室内空間(30)の顕熱負荷を修正することによって、室内空間(30)の顕熱負荷が推定される。また、潜熱推定動作では、計測湿度Huと設定湿度Husetとの差を偏差とするPID動作によって得られた修正値Δu(n)を用いて、前回の顕熱推定動作で推定した室内空間(30)の潜熱負荷を修正することによって、室内空間(30)の潜熱負荷が推定される。
具体的に、本実施形態では、速度型のPID制御ロジックを用いて、室内空間(30)の顕熱負荷及び潜熱負荷が推定される。このPID制御ロジックには、下記の式1及び式2が用いられている。式2はPID動作の計算式である。
式1:u(n)=u(n-1)+Δu(n)
式2:Δu(n)=Kp×[e(n)−e(n-1)]+(T/T)×e(n)+(T/T)×[e(n)−2×e(n-1)+e(n-2)]
顕熱推定動作の場合は、上記式1において、u(n)は今回の顕熱推定動作で算出される負荷率、u(n-1)は前回の顕熱推定動作で算出された負荷率、Δu(n)は修正値をそれぞれ表している。顕熱負荷Qssetは、空調システム(10)の定格出力に負荷率を掛けることによって算出される。
また、潜熱推定動作の場合は、上記式1及び式2において、u(n)は今回の潜熱推定動作で算出される負荷率、u(n-1)は前回の潜熱推定動作で算出された負荷率、Δu(n)は修正値をそれぞれ表している。潜熱負荷Qlsetは、空調システム(10)の定格出力に負荷率を掛けることによって算出される。
また、上記式2において、Kpは比例ゲイン、Tは積分時間、Tは微分時間、Tはタイムステップをそれぞれ表している。また、顕熱推定動作の場合に、e(n)は今回の顕熱推定動作における室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差、e(n-1)は前回の顕熱推定動作における室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差、e(n-2)は前々回の顕熱推定動作における室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差をそれぞれ表している。顕熱推定動作の場合に、e(n)は今回の潜熱推定動作における室内湿度センサ(19)の計測湿度Huと設定湿度Husetとの差、e(n-1)は前回の潜熱推定動作における室内湿度センサ(19)の計測湿度Huと設定湿度Husetとの差、e(n-2)は前々回の潜熱推定動作における室内湿度センサ(19)の計測湿度Huと設定湿度Husetとの差をそれぞれ表している。
顕熱推定動作では、修正値Δu(n)の算出に、室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差が用いられている。式2によれば、修正値Δu(n)は、室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差が大きいほど大きな値となる。ここで、室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差が大きい状態では、前回の顕熱推定動作で推定した顕熱負荷Qssetと実際の室内空間(30)の顕熱負荷との誤差が比較的大きくなっていることを意味している。このため、本実施形態では、室内温度センサ(18)の計測温度Tと設定温度Tsetとの差が大きいほど大きな値となる修正値Δu(n)を用いて顕熱負荷Qssetを算出することで、推定する顕熱負荷Qssetが速やかに実際の室内空間(30)の顕熱負荷に近づくようにしている。
また、潜熱推定動作では、修正値Δu(n)の算出に、室内湿度センサ(19)の計測湿度Huと設定湿度Husetとの差が用いられている。式2によれば、修正値Δu(n)は、室内湿度センサ(19)の計測湿度Huと設定湿度Husetとの差が大きいほど大きな値となる。ここで、室内湿度センサ(19)の計測湿度Huと設定湿度Husetとの差が大きい状態では、前回の潜熱推定動作で推定した潜熱負荷Qlsetと実際の室内空間(30)の潜熱負荷との誤差が比較的大きくなっていることを意味している。このため、本実施形態では、室内湿度センサ(19)の計測湿度Huと設定湿度Husetとの差が大きいほど大きな値となる修正値Δu(n)を用いて潜熱負荷Qlsetを算出することで、推定する潜熱負荷Qlsetが速やかに実際の室内空間(30)の潜熱負荷に近づくようにしている。
なお、顕熱推定動作及び潜熱推定動作では、PID制御ロジックの他に、PI制御、I−PDなど派生的なPID制御、フィードフォワード制御、フィードバック制御、モデル予測制御、最適制御、適応制御、ロバスト制御、H∞制御、ファジー論理制御、ニューロ制御、非線形制御などの制御ロジックを用いることができる。
顕熱推定動作及び潜熱推定動作が終了すると、目標値決定部(14)が、各制御目標値(Tw,Gw,Ga,H,K)を決定する目標値決定動作を行う。目標値決定動作では、空調システム(10)の消費電力が略最小となるように、各制御目標値(Tw,Gw,Ga,H,K)が決定される。なお、目標値決定動作から次の目標値変更動作を実行して、各構成機器の制御量を決定するまでが、第2動作に相当する。
具体的に、目標値決定動作では、下記の式3−式12が用いられる。式4は目的関数であり、式5はペナルティ関数(制約条件式)である。
式3:f1(Tw,Gw,Ga,H,K)=E_all+Ci
式4:E_all=E_ciller+E_pump+E_fan+E_heater+E_humi
式5:Ci=(Qsset−Qs)+(Qlset−Ql)
上記式3において、E_allは空調システム(10)の消費電力を表している。また、上記式4において、E_cillerはチラーユニット(20)の消費電力、E_pumpは循環ポンプ(42)の消費電力、E_fanは送風機(57)の消費電力、E_heaterは電気ヒータ(55)の消費電力、E_humiは散水器(56)の消費電力をそれぞれ表している。また、上記式5において、Qsは空調システム(10)の顕熱処理能力(顕熱処理のための空調システム(10)の出力)、Qlは空調システム(10)の潜熱処理能力(潜熱処理のための空調システム(10)の出力)をそれぞれ表している。Qssetは、顕熱処理能力の目標値となり、Qlsetは、潜熱処理能力の目標値となっている。
式6:E_ciller=f2(To,Tw)
式7:E_pump=f3(Gw)
式8:E_fan=f4(Ga)
式9:E_heater=f5(H)
式10:E_humi=f6(K)
式11:Qs=f7(Tw,Gw,Ga,H,K)
式12:Ql=f8(Tw,Gw,Ga,H,K)
上記式6において、f2は、外気温度Toと冷水温度Twを代入してチラーユニット(20)の消費電力を算出できる線形関数を表している。なお、外気温度Toには、図示しない外気温度センサの計測温度が用いられる。上記式7において、f3は、冷水量Gwを代入して、循環ポンプ(42)の消費電力を算出できる線形関数を表している。上記式8において、f4は、送風量Gaを代入して、送風機(57)の消費電力を算出できる線形関数を表している。上記式9において、f5は、加熱量Hを代入して、電気ヒータ(55)の消費電力を算出できる線形関数を表している。上記式10において、f6は、加湿量Kを代入して、散水器(56)の消費電力を算出できる線形関数を表している。上記式11において、f7は、冷水温度Tw、冷水量Gw、送風量Ga、加熱量H、及び加湿量Kを代入して、顕熱処理能力Qsを算出できる線形関数を表している。上記式12において、f8は、冷水温度Tw、冷水量Gw、送風量Ga、加熱量H、及び加湿量Kを代入して、潜熱処理能力Qlを算出できる線形関数を表している。
目標値決定部(14)は、一般的な非線形計画法のプログラムにより、式3のf1(Tw,Gw,Ga,H,K)が最小となる各制御目標値(Tw,Gw,Ga,H,K)を算出する。なお、目標値決定部(14)は、式5のCiがゼロとなる制約の下で、式4のE_allが最小となる各制御目標値(Tw,Gw,Ga,H,K)を算出してもよい。
目標値決定動作が終了すると、目標値変更動作が行われる。目標値変更動作では、目標値決定動作で算出された各制御目標値(Tw,Gw,Ga,H,K)が、目標値決定部(14)から能力制御部(15)へ送られる。能力制御部(15)では、各制御目標値(Tw,Gw,Ga,H,K)が、目標値決定部(14)から受信した値に変更される。
能力制御部(15)は、冷水温度センサ(28)の計測温度が変更後の第1制御目標値(Tw)になるように、圧縮機(22)の制御量(運転容量)を決定する。また、能力制御部(15)は、変更後の第2制御目標値(Gw)に対応した吐出流量となるように、循環ポンプ(42)の制御量(運転容量)を決定する。また、能力制御部(15)は、変更後の第3制御目標値(Ga)に対応した送風量となるように、送風機(57)の制御量(ファンステップ)を決定する。また、能力制御部(15)は、変更後の第4制御目標値(H)に対応した加熱量となるように、電気ヒータ(55)の制御量(出力値)を決定する。また、能力制御部(15)は、変更後の第5制御目標値(K)に対応した加湿量となるように、散水器(56)の制御量(散水量)を決定する。
−実施形態の効果−
本実施形態では、空調システム(10)の空調能力の目標値となる室内空間(30)の空調負荷を媒介として、空調システム(10)の消費電力が最小となるように、各構成機器の制御量が決定される。室内空間(30)の実際の空調負荷は、室内空間(30)の空気の状態を表す物理量に基づいて推定した室内空間(30)の空調負荷を空調システム(10)の空調能力の目標値とすることで、処理される。その過程では、空調システム(10)の消費電力が最小となるように、各構成機器が制御される。従って、室内空間(30)の空調負荷を的確に処理しつつ、空調システム(10)の消費電力を低減させることができる。
また、本実施形態では、最新の第1動作で推定される室内空間(30)の空調負荷が、過去の第1動作で推定した室内空間(30)の空調負荷を室内空間(30)の空気の状態に応じて修正した値となるようにしている。修正前の過去の室内空間(30)の空調負荷は、過去の室内空間(30)の空気の状態を表す物理量に基づいて、推定されている。このため、最新の第1動作で推定される室内空間(30)の空調負荷は、過去の室内空間(30)の空気の状態を表す物理量と、現在の室内空間(30)の空気の状態を表す物理量とを用いて推定されることになる。最新の第1動作で推定される室内空間(30)の空調負荷には、過去から現在までの室内空間(30)の空気の状態の変化が反映される。従って、室内空間(30)の空気の状態の変化に対して、室内空間(30)の空調負荷を正確に推定することができる。
また、本実施形態では、第1動作で推定される室内空間(30)の空調負荷と実際の室内空間(30)の空調負荷との誤差が速やかに小さくなるように、室内空間(30)の空気の状態を表す物理量と該物理量の目標値との差が大きいほど、過去の第1動作で推定した室内空間(30)の空調負荷の修正に用いる修正値が大きな値となるようにしている。第1動作で推定される室内空間(30)の空調負荷は、速やかに室内空間(30)の実際の空調負荷に近づいてゆく。従って、室内空間(30)の空調負荷を的確に処理することができる。
また、本実施形態では、室内空間(30)の実際の空調負荷との誤差が小さくなるような修正値が得られるPID動作によって、室内空間(30)の空調負荷が推定される。従って、第1動作で推定される室内空間(30)の空調負荷が徐々に室内空間(30)の実際の空調負荷に近づいてゆく。従って、室内空間(30)の空調負荷を的確に処理することができる。
また、本実施形態によれば、PID制御ロジックによって、第1動作で推定される室内空間(30)の空調負荷が徐々に室内空間(30)の実際の空調負荷に近づいてゆき、最終的に推定される室内空間(30)の空調負荷が、室内空間(30)の実際の空調負荷にほぼ等しくなる。ここで、室内空間(30)の空調負荷を推定するためのモデル式を構築し、過去に推定した空調負荷を用いることなく、そのモデル式に室内空間(30)の空気の状態や室外の空気の状態を入力することによって、室内空間(30)の空調負荷を推定することが考えられる。しかし、この場合は、モデル式が実状態に厳密に合うことがないので、正確な空調負荷を算出することができない。また、冷水量、風量などの制御目標値が求められても、求められた制御目標値に調整しようとすれば、冷水量、風量を計測して、その制御目標値に制御しないといけないし、例え、その制御目標値に制御できたとしても、推定した空調負荷が実際の空調負荷に厳密に合うことはないので、設定温度、設定湿度になることを補償できなかった。それに対して、本実施形態では、PID制御ロジックによって、室内空間(30)の温度を見ながら、過去に推定した空調負荷を修正してゆくので、正確な顕熱負荷を算出することができる。従って、各構成機器の制御量を適正化することができ、室内空間(30)の温度を設定温度に、室内空間(30)の湿度を設定湿度に調節することができる。
また、本実施形態では、空調システム(10)の空調能力の目標値となる室内空間(30)の顕熱負荷を媒介として、空調システム(10)の消費電力が最小となるように、各構成機器の制御量が決定される。室内空間(30)の実際の顕熱負荷は、室内空間(30)の空気の温度に基づいて推定した室内空間(30)の顕熱負荷を空調システム(10)の空調能力の目標値とすることで、処理される。その過程では、空調システム(10)の消費電力が最小となるように、各構成機器が制御される。従って、室内空間(30)の顕熱負荷を的確に処理しつつ、空調システム(10)の消費電力を低減させることができる。
また、本実施形態では、空調システム(10)の空調能力の目標値となる室内空間(30)の潜熱負荷を媒介として、空調システム(10)の消費電力が最小となるように、各構成機器の制御量が決定される。室内空間(30)の実際の潜熱負荷は、室内空間(30)の空気の湿度に基づいて推定した室内空間(30)の潜熱負荷を空調システム(10)の空調能力の目標値とすることで、処理される。その過程では、空調システム(10)の消費電力が最小となるように、各構成機器が制御される。従って、室内空間(30)の潜熱負荷を的確に処理しつつ、空調システム(10)の消費電力を低減させることができる。
また、本実施形態では、空調システム(10)の空調能力の目標値となる室内空間(30)の顕熱負荷及び潜熱負荷を媒介として、空調システム(10)の消費電力が最小となるように、各構成機器の制御量が決定される。室内空間(30)の実際の顕熱負荷は、室内空間(30)の空気の温度に基づいて推定した室内空間(30)の顕熱負荷を空調システム(10)の空調能力の目標値とすることで、処理される。また、室内空間(30)の実際の潜熱負荷は、室内空間(30)の空気の湿度に基づいて推定した室内空間(30)の潜熱負荷を空調システム(10)の出力の目標値とすることで、処理される。その過程では、空調システム(10)の消費電力が最小となるように、各構成機器が制御される。従って、室内空間(30)の顕熱負荷及び潜熱負荷を的確に処理しつつ、空調システム(10)の消費電力を低減させることができる。
−実施形態の変形例1−
この変形例1では、空調ユニット(50)に、空気を空調するための構成機器として、電気ヒータ(55)及び散水器(56)が設けられておらず、空気熱交換器(61)だけが設けられている。コントローラ(100)は、冷房除湿運転時に、顕熱推定動作及び潜熱推定動作と、目標値決定動作と、目標値変更動作とを繰り返し行うことによって、圧縮機(22)、水ポンプ(32)、及び循環ポンプ(42)の3つの構成機器を制御するように構成されている。
目標値決定動作では、上記式11の代わりに下記の式13が用いられる。また、上記式12の代わりに下記の式14が用いられる。下記式13において、f9は、冷水温度Tw、冷水量Gw、及び送風量Gaを代入して、顕熱出力Qsを算出できる線形関数を表している。上記式14において、f10は、冷水温度Tw、冷水量Gw、及び送風量Gaを代入して、潜熱出力Qlを算出できる線形関数を表している。
式13:Qs=f9(Tw,Gw,Ga)
式14:Ql=f10(Tw,Gw,Ga)
−実施形態の変形例2−
この変形例2では、空調ユニット(50)に、空気を空調するための構成機器として、散水器(56)が設けられておらず、電気ヒータ(55)及び空気熱交換器(61)が設けられている。コントローラ(100)は、運転時に、顕熱推定動作及び潜熱推定動作と、目標値決定動作と、目標値変更動作とを繰り返し行うことによって、圧縮機(22)、水ポンプ(32)、循環ポンプ(42)、及び電気ヒータ(55)の4つの構成機器を制御するように構成されている。
目標値決定動作では、上記式11の代わりに下記の式15が用いられる。また、上記式12の代わりに下記の式16が用いられる。下記式15において、f11は、冷水温度Tw、冷水量Gw、送風量Ga及び加熱量H代入して、顕熱出力Qsを算出できる線形関数を表している。上記式16において、f12は、冷水温度Tw、冷水量Gw、送風量Ga及び加熱量Hを代入して、潜熱出力Qlを算出できる線形関数を表している。
式15:Qs=f11(Tw,Gw,Ga,H)
式16:Ql=f12(Tw,Gw,Ga,H)
−実施形態の変形例3−
この変形例3では、コントローラ(100)が、各構成機器の消費電力を計算する計算式を補正する補正動作を行う。空調システム(10)には、図3に示すように、電力計測手段(17)を構成する電力計(17)が設けられている。この変形例3では、制御目標値を用いて各構成機器の消費電力を計算する計算式として、上記式6−10の代わりに、下記の式17−21が用いられる。下記の式17−21は推定モデルに相当し、下記の式17−21の計算値は推定モデルの推定値に相当する。
式17:E_ciller=f2(To,Tw)+A
式18:E_pump=f3(Gw)+B
式19:E_fan=f4(Ga)+C
式20:E_heater=f5(H)+D
式21:E_humi=f6(K)+E
電力計(17)は、チラーユニット(20)の消費電力、循環ポンプ(42)の消費電力、送風機(57)の消費電力、電気ヒータ(55)の消費電力、及び散水器(56)の消費電力をそれぞれ計測するように構成されている。電力計(17)は、目標値変更動作後の制御目標値に基づいてチラーユニット(20)、循環ポンプ(42)、送風機(57)、電気ヒータ(55)、及び散水器(56)のうち運転中の構成機器を制御している状態において、該運転中の構成機器の消費電力の実測値を、目標値決定部(14)に出力する。
目標値決定部(14)は、電力計(17)から入力された各構成機器の消費電力の実測値を用いて補正動作を行う。補正動作では、運転中の構成機器に対して、該構成機器に対応する上記計算式に直前の目標値決定動作において決定された制御目標値を代入して得られた計算値が、該構成機器の消費電力の実測値に近づくように、上記式17−21の補正係数A,B,C,D,Eが補正される。
このため、各構成機器の消費電力を計算する計算式が、その計算値が実際の構成機器の消費電力に近づくように補正される。その結果、目標値決定動作で算出される空調システム(10)の消費電力が、実際の空調システム(10)の消費電力に近づく。従って、目標値決定動作において、実際の空調システム(10)の消費電力が最小となるように各構成機器の制御量を決定することができる。従って、空調システム(10)の消費電力をさらに低減させることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態について、空調システム(10)が、室外空気(OA)から取り込んだ空気を空気調和して室内空間(30)へ供給するように構成されていてもよい。すなわち、吸込ダクト(53)の入口端が室外に臨んでいてもよい。
また、上記実施形態について、能力制御部(15)が、バイパス電動弁(44)の開度を調節することによって、熱媒体回路(41)において空気熱交換器(61)へ供給する冷水の流量を調節するように構成されていてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、室内空間の空気調和を行う空調システムについて有用である。
10 空調システム
12 顕熱負荷推定部
13 潜熱負荷推定部
14 目標値決定部
15 運転制御部
16 設定部
18 室内温度センサ
19 室内湿度センサ
100 コントローラ(制御手段)

Claims (2)

  1. 複数の構成機器を有し、該複数の構成機器を運転させて室内空間(30)の空気調和を行う空調システムであって、
    上記室内空間(30)の空気の状態を表す物理量に基づいて該室内空間(30)の空調負荷を推定する第1動作と、該第1動作で推定した室内空間(30)の空調負荷に応じた空調能力を上記空調システム(10)が発揮し、且つ、該空調システム(10)の消費電力が最小となるような各構成機器の制御量を決定し、決定した制御量に基づいて各構成機器を制御する第2動作とを繰り返し行う制御手段(100)を備え、
    上記第1動作では、現在の室内空間(30)の空気の状態を表す物理量と該物理量の目標値との差を偏差とするPID動作によって得られた修正値を用いて、前回の第1動作で推定した室内空間(30)の空調負荷を修正することによって、上記室内空間(30)の空調負荷が推定されることを特徴とする空調システム。
  2. 複数の構成機器を有し、該複数の構成機器を運転させて室内空間(30)の空気調和を行う空調システムであって、
    上記室内空間(30)の空気の状態を表す物理量に基づいて該室内空間(30)の空調負荷を推定する第1動作と、該第1動作で推定した室内空間(30)の空調負荷に応じた空調能力を上記空調システム(10)が発揮し、且つ、該空調システム(10)の消費電力が最小となるような各構成機器の制御量を決定し、決定した制御量に基づいて各構成機器を制御する第2動作とを繰り返し行う制御手段(100)を備え、
    上記制御手段(100)は、上記第2動作において、上記空調システム(10)の消費電力を推定するための推定モデルによる該空調システム(10)の消費電力の推定値が最小となるような各構成機器の制御量を決定する一方、
    上記空調システム(10)の消費電力を計測するための電力計測手段(17)を備え、 上記制御手段(100)は、上記第2動作で決定した制御量を用いて各構成機器を制御している状態における上記電力計測手段(17)の計測値に上記推定モデルによる上記推定値が近づくように、該推定モデルを補正することを特徴とする空調システム。
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