JP4583290B2 - 空調システム - Google Patents

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Description

本発明は空調システムに関し、詳しくは、冷凍回路の蒸発器として機能する空調対象域用の空気冷却器を備えるとともに、この空気冷却器を含むシステム構成要素を制御して空調対象域を目標の温湿度状態に調整する制御手段を備える空調システムに関する。
従来、この種の空調システムの一つとして、図8に示す如く、冷凍回路16における凝縮器17から膨張弁18への冷媒路部分に液ポンプ19を設けるとともに、空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを設定蒸発温度tesに調整する蒸発圧力調整弁EPRを蒸発器10から圧縮機22への冷媒路部分に設けた構成にし、
そして、この冷凍回路16において液ポンプ19を停止するとともに蒸発圧力調整弁EPRを非作用にした状態で圧縮機22の運転により冷媒rを循環させて空気冷却器としての蒸発器10において冷媒rを低い蒸発温度で蒸発させる冷却運転と、この冷凍回路16において蒸発圧力調整弁EPRを作用させる状態で圧縮機22と液ポンプ19との両方の運転により冷媒rを循環させて空気冷却器としての蒸発器10において冷媒rを高い設定蒸発温度tes(すなわち、蒸発圧力調整弁EPRにより規定される高い蒸発温度)で蒸発させる高温運転とを択一的に実施するものが提案されている。
すなわち、この従来システムでは、空調対象域1の温湿度状態を調整するのに、調整対象空気MAを蒸発器としての空気冷却器10において低温に冷却する必要があるときには冷却運転を実施し、一方、空調対象域1における域内空気中の水分が蒸発器としての空気冷却器10において結露するのを防止する必要があるときには高温運転を実施する(特許文献1参照)。
また従来、上記システムとは別方式のものとして、図9に示す如く、冷凍回路16における凝縮器17から蒸発器10への冷媒路部分に膨張弁としての定減圧弁18Aと可変減圧弁18Bとを並列に設けた構成にし、
そして、この冷凍回路16において定減圧弁18Aに対する冷媒通過を阻止した状態で圧縮機22の運転により冷媒rを循環させて空気冷却器としての蒸発器10において冷媒rを着霜温度よりも低い蒸発温度で蒸発させるフロスト運転と、この冷凍回路16において定減圧弁18Aに対する冷媒通過を許した状態で圧縮機22の運転により冷媒rを循環させて空気冷却器としての蒸発器10において冷媒rを着霜温度よりも高い設定蒸発温度tes(言わば、定減圧弁18Aにより規定される高い蒸発温度)で蒸発させるノーフロスト運転とを択一的に実施するものも提案されている。
なお、定減圧弁18Aの開度は、圧縮機22を最大出力で運転したとき空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teが上記の高い設定蒸発温度tesとなる開度に固定されている。
すなわち、この後者の従来システムでは、空気冷却器10での空気冷却を用いて空調対象域1の温湿度状態を調整するのに、空調対象域1の目標温度tmが低温のときにはフロスト運転を実施し、一方、空調対象域1の目標温度tmが高温のときにはノーフロスト運転を実施して空気冷却器10への着霜を防止する(特許文献2参照)。
特開2001−235237号公報 特開2005−221110号公報
しかし、上記の如き従来システムでは、高温運転やノーフロスト運転を選択して空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを高い設定蒸発温度tesに変更しても、その蒸発温度te(=tes)は蒸発圧力調整弁EPRや定減圧弁18Aにより規定される一定の固定的な蒸発温度であるため、例えば、設定された空調対象域1の目標温湿度状態tm,xmが高温高湿であることに応じ高温運転やノーフロスト運転が選択されたとしても、その目標温湿度状態tm,xmの湿度(すなわち、空調対象域1の目標湿度xm)がかなり高いと、その目標温湿度状態tm,xmに調整された空調対象域1からの高湿の還気空気RAを含む調整対象空気MAの露点温度が蒸発圧力調整弁EPRや定減圧弁18Aにより規定される一定の高い冷媒蒸発温度tes(高温の設定蒸発温度)よりもさらに高い状態になって、調整対象空気MAが空気冷却器10において不必要に大きく冷却減湿されてしまう状態を招くことがあり、この為、空調対象域1を目標温湿度状態tm,xmに調整するのに、その減湿分だけ空気加湿器による大きな加湿が必要になって、システム全体としてのエネルギ効率の低下を招くことがあった。
また逆に、設定された目標温湿度状態tm,xmが同じく高温高湿であることに応じ高温運転やノーフロスト運転が選択されるとしても、その目標温湿度状態tm,xmの湿度(目標湿度xm)が上記の場合に比べある程度低いと、空調対象域1を目標温湿度状態tm,xmに調整するのに空気冷却器10において調整対象空気MAを少しは冷却減湿する必要があるにもかかわらず、空調対象域1からの還気空気RAを含む調整対象空気MAの露点温度が蒸発圧力調整弁EPRや定減圧弁18Aにより規定される一定の高い冷媒蒸発温度tes(高温の設定蒸発温度)よりも低い状態になって、必要な冷却減湿が空気冷却器10において行われない状態を招くこともあり、そして、この状態では、目標温湿度状態tm,xmが相対的に高温高湿であるにもかかわらず空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを低い蒸発温度にする冷却運転やフロスト運転を選択せざる得なくなって、それら冷却運転やフロスト運転を用いて空調対象域1を目標温湿度状態tm,xmに調整するのに、必要量を大きく超えた空気冷却器10での大きな冷却減湿と、それに続く空気加熱器による大きな再熱や空気加湿器による大きな加湿とを伴うことになり、そのことで、やはりシステム全体としてのエネルギ効率の低下を招くこともあった。
すなわち、これらの点で従来システムは目標温湿度状態の変更に対する対応性が低い問題があった。
以上の実情に鑑み、本発明の主たる課題は、空調対象域を目標の温湿度状態に調整するのに合理的な制御形態を採ることで、目標温湿度状態の変更に対する対応性を高めてシステム全体としてのエネルギ効率を効果的に向上させる点にある。
〔1〕本発明の第1特徴構成は空調システムに係り、その特徴は、
冷凍回路の蒸発器として機能する空調対象域用の空気冷却器を備えるとともに、この空気冷却器を含むシステム構成要素を制御して空調対象域を目標の温湿度状態に調整する制御手段を備える空調システムであって、
前記冷凍回路における凝縮器から膨張弁への冷媒路部分に液ポンプを設けるとともに、
前記冷凍回路における前記蒸発器から圧縮機への冷媒路部分に、圧縮機吸入冷媒の圧力を設定上限圧力以下に維持する吸入圧力調整弁を設け、
前記制御手段は、目標温湿度状態と前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度との相関を設定した設定演算基準に基づいて、現状の目標温湿度状態に対応する冷媒蒸発温度を演算するとともに、
その演算した冷媒蒸発温度を目標蒸発温度として、
その目標蒸発温度が設定閾温度以下とのときには、前記液ポンプを停止した状態で前記冷凍回路において、前記膨張弁を通過させて冷媒を循環させる形態で、かつ、液ポンプ用のバイパス路を通じ停止状態の前記液ポンプを迂回させて冷媒を循環させる形態又は停止状態の前記液ポンプを通過させて冷媒を循環させる形態で、前記圧縮機の運転により冷媒を循環させながら、その圧縮機の出力を調整することで前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する低温モード運転を実施し、
前記目標蒸発温度が前記設定閾温度より高いときには、前記冷凍回路において、前記膨張弁を通過させて冷媒を循環させる形態で、前記圧縮機及び前記液ポンプの運転により冷媒を循環させながら、それら圧縮機又は液ポンプの出力を調整することで前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する高温モード運転を実施する構成にしてある点にある。
〔2〕また、本発明の第2特徴構成は同じく空調システムに係り、その特徴は、
冷凍回路の蒸発器として機能する空調対象域用の空気冷却器を備えるとともに、この空気冷却器を含むシステム構成要素を制御して空調対象域を目標の温湿度状態に調整する制御手段を備える空調システムであって、
前記冷凍回路における凝縮器から膨張弁への冷媒路部分に液ポンプを設けるとともに、
前記冷凍回路における前記蒸発器から圧縮機への冷媒路部分に、圧縮機吸入冷媒の圧力を設定上限圧力以下に維持する吸入圧力調整弁を設け、
前記制御手段は、目標温湿度状態と前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度との相関を設定した設定演算基準に基づいて、現状の目標温湿度状態に対応する冷媒蒸発温度を演算するとともに、
その演算した冷媒蒸発温度を目標蒸発温度として、
その目標蒸発温度が設定閾温度以下のときには、前記液ポンプを停止した状態で前記冷凍回路において、前記膨張弁を通過させて冷媒を循環させる形態で、かつ、液ポンプ用のバイパス路を通じ停止状態の前記液ポンプを迂回させて冷媒を循環させる形態又は停止状態の前記液ポンプを通過させて冷媒を循環させる形態で、前記圧縮機の運転により冷媒を循環させながら、その圧縮機の出力を調整することで前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する低温モード運転を実施し、
前記目標蒸発温度が前記設定閾温度より高いときには、前記圧縮機を停止した状態で前記冷凍回路において、前記膨張弁を通過させて冷媒を循環させる形態で、かつ、圧縮機用のバイパス路を通じ停止状態の前記圧縮機を迂回させて冷媒を循環させる形態又は停止状態の前記圧縮機を通過させて冷媒を循環させる形態で、前記液ポンプの運転により冷媒を循環させながら、その液ポンプの出力を調整することで前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する高温モード運転を実施する構成にしてある点にある。
つまり、これら第1又は第2特徴構成によれば、いずれも、制御手段が設定演算基準に基づいて現状の目標温湿度状態に対応する冷媒蒸発温度を演算し、その演算した冷媒蒸発温度を目標蒸発温度として空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整するから、その演算に用いる設定演算基準として、目標温湿度状態の変更範囲内におけるいずれの温湿度状態についても、それが現状の目標温湿度状態として設定されたときに空調対象域をその現状の目標温湿度状態に効率的に調整し得る適切な冷媒蒸発温度(=目標蒸発温度)が演算される設定演算基準を、実地試験やシミュレーション結果などに基づき設定しておけば、目標温湿度状態が広い変更範囲において多様に変更されるとしても、その変更にかかわらず、先述の従来システムにおいて招いていた空気冷却器での不必要に大きな冷却減湿を効果的に回避した状態で、空調対象域を効率的に目標温湿度状態に自動調整することができる。
すなわち、この点で先述の従来システムに比べ、目標温湿度状態の変更に対する対応性を効果的に高めることができ、ひいては、高いエネルギ効率を安定的に維持し得る省エネ面及び運転コスト面で一層優れた空調システムにすることができる。
なお、第1又は第2特徴構成の実施において、目標温湿度状態を特定する温度及び湿度(すなわち、空調対象域の目標温度及び目標湿度)は、ともに1数値で設定されるものに限らず、それら温度と湿度とのいずれか一方が1数値で設定されるのに対し、他方が数値範囲で設定されるものや他方が非指定(いわゆる成り行き)のものであってもよい。また、目標湿度は絶対湿度により設定されるもの、あるいは相対湿度により設定されるもののいずれであってもよい。
設定演算基準は、目標温湿度状態を特定する目標温度及び目標湿度をパラメータとする数式形態のものや数表形態のものを初め、現状の目標温湿度状態に対応する適切な冷媒蒸発温度(目標蒸発温度)を演算し得るものであれば、どのような形態のものであってもよい。
また、設定演算基準は、冷凍回路(冷凍サイクル)の特性や、蒸発器としての空気冷却器とともにシステム構成要素として装備する空気加熱器や空気加湿器の特性、さらには、空調対象域の域特性などにも配慮して設定するのが望ましい。
ちなみに、参考構成として、前記制御手段は、前記冷凍回路における圧縮機の出力を調整することで前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する構成にすることができ、この場合は次の利点がある。
つまり、蒸発器における冷媒蒸発温度を調整するには、別法として、蒸発器から圧縮機への冷媒路部分に介装する蒸発圧力調整弁により蒸発器における冷媒蒸発温度を設定蒸発温度に調整する方式において、その設定蒸発温度(すなわち、蒸発圧力調整弁により規定する冷媒蒸発温度)を連続的ないし多段階的に変更する方式を採ることも考えられるが、これに比べ、冷凍回路の圧縮機に対する出力調整はインバータ制御による圧縮機出力の調整に代表されるように、冷凍出力の調整などの目的で冷凍回路において広く採用される極汎用な技術であり、この点で、冷凍回路の圧縮機に対する出力調整により蒸発器における冷媒蒸発温度を調整する上記参考構成によれば、技術面及び製作コスト面において実施を容易にすることができる。
また、冷凍回路における圧縮機の出力は、これもインバータ制御による圧縮機出力の調整に代表される如く、広い調整範囲にわたって連続的ないし多段階的に精度良く調整し得ることから、冷凍回路の圧縮機に対する出力調整により蒸発器における冷媒蒸発温度を調整する上記参考構成によれば、圧縮機に対する出力調整と同調させた状態で蒸発器における冷媒蒸発温度も広い調整範囲にわたってきめ細かく精度良く調整することができ、これにより、蒸発器における冷媒蒸発温度の調整範囲(換言すれば、目標蒸発温度の変更範囲)を広くして目標温湿度状態の変更可能範囲を広く確保しながら、その冷媒蒸発温度のきめ細かな精度良い調整により目標温湿度状態の変更に対する対応性の面での効果も一層高めることができる。
なお、上記参考構成の実施において、冷凍回路における圧縮機の出力を調整するには、インバータ制御による出力調整に限らず、圧縮機の出力を連続的ないし多段階的に調整し得る方式であれば、種々の方式を採用することができる。
また、上記参考構成の実施においては、圧縮機に対する出力調整のみにより蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する方式に限らず、例えば、圧縮機に対する出力調整と膨張弁に対する開度調整との組み合わせなどにより蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する方式などを採用してもよい。
ここで、前記した本発明の第1及び第2特徴構成のうち、本発明の第1特徴構成では、
前記冷凍回路における凝縮器から膨張弁への冷媒路部分に液ポンプを設け、
前記制御手段は、
前記目標蒸発温度が設定閾温度以下とのときには、前記液ポンプを停止した状態で前記冷凍回路において、前記膨張弁を通過させて冷媒を循環させる形態で、かつ、液ポンプ用のバイパス路を通じ停止状態の前記液ポンプを迂回させて冷媒を循環させる形態又は停止状態の前記液ポンプを通過させて冷媒を循環させる形態で、前記圧縮機の運転により冷媒を循環させながら、その圧縮機の出力を調整することで前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する低温モード運転を実施し、
前記目標蒸発温度が前記設定閾温度より高いときには、前記冷凍回路において、前記膨張弁を通過させて冷媒を循環させる形態で、前記圧縮機及び前記液ポンプの運転により冷媒を循環させながら、それら圧縮機又は液ポンプの出力を調整することで前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する高温モード運転を実施する構成にしてあるから、そのことで次の作用効果も得ることができる。
つまり、冷凍回路の圧縮機に対する出力調整は前述の如く冷凍回路において広く採用される極汎用な技術であり、また、液ポンプに対する出力調整も極一般的な汎用技術であることから、低温モード運転での圧縮機に対する出力調整、及び、高温モード運転での圧縮機又は液ポンプに対する出力調整により蒸発器における冷媒蒸発温度を調整する前記第1特徴構成によれば、上記参考構成と同様、技術面及び製作コスト面において実施を容易にすることができる。
また、冷凍回路における圧縮機の出力や液ポンプの出力は、インバータ制御による圧縮機出力の調整やポンプ出力の調整に代表される如く、広い調整範囲にわたって連続的ないし多段階的に精度良く調整し得ることから、低温モード運転での圧縮機に対する出力調整、及び、高温モード運転での圧縮機又は液ポンプに対する出力調整により蒸発器における冷媒蒸発温度を調整する前記第1特徴構成によれば、圧縮機又は液ポンプに対する出力調整と同調させた状態で蒸発器における冷媒蒸発温度も広い調整範囲にわたってきめ細かに精度良く調整することができ、これにより、上記参考構成と同様、蒸発器における冷媒蒸発温度の調整範囲(換言すれば、目標蒸発温度の変更範囲)を広くして目標温湿度状態の変更可能範囲を広く確保しながら、その冷媒蒸発温度のきめ細かな精度良い調整により目標温湿度状態の変更に対する対応性の面での効果も一層高めることができる。
そしてまた、目標蒸発温度に応じて低温モード運転と高温モード運転とを選択的に実施する前記第1特徴構成によれば、これら低温モード運転と高温モード運転とによる分担(すなわち、目標蒸発温度が低いときには低温モード運転で蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整し、かつ、目標蒸発温度が高いときには高温モード運転で蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する調整分担)により、蒸発器における冷媒蒸発温度の調整範囲(目標蒸発温度の変更範囲)を一層広くすることができて、目標温湿度状態の変更可能範囲を一層広く確保することができる。
なお、前記第1特徴構成の実施において、冷凍回路における圧縮機と液ポンプとの運転により冷媒を循環させる高温モード運転では、液ポンプの出力を一定に保った状態での圧縮機に対する出力調整により蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する形態、又は、圧縮機の出力を一定に保った状態での液ポンプに対する出力調整により蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する形態、又は、圧縮機と液ポンプとの両方に対する出力調整により蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する形態のいずれを採ってもよい。
前記第1特徴構成の実施において、冷凍回路における圧縮機や液ポンプの出力を調整するには、インバータ制御による出力調整に限らず、圧縮機や液ポンプの出力を連続的ないし多段階的に調整し得る方式であれば、種々の方式を採用することができる。
また、前記第1特徴構成の実施においては、圧縮機や液ポンプに対する出力調整のみにより蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する方式に限らず、例えば、圧縮機や液ポンプに対する出力調整と膨張弁に対する開度調整との組み合わせなどにより蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する方式などを採用してもよい。
前記第1特徴構成の実施において、低温モード運転では、停止状態の液ポンプを迂回させて冷媒を循環させる形態、あるいは、停止状態の液ポンプを通過させて冷媒を循環させる形態のいずれを採用してもよい。
一方、前記した本発明の第1及び第2特徴構成のうち、本発明の第2特徴構成では、
前記冷凍回路における凝縮器から膨張弁への冷媒路部分に液ポンプを設け、
前記制御手段は、
前記目標蒸発温度が設定閾温度以下のときには、前記液ポンプを停止した状態で前記冷凍回路において、前記膨張弁を通過させて冷媒を循環させる形態で、かつ、液ポンプ用のバイパス路を通じ停止状態の前記液ポンプを迂回させて冷媒を循環させる形態又は停止状態の前記液ポンプを通過させて冷媒を循環させる形態で、前記圧縮機の運転により冷媒を循環させながら、その圧縮機の出力を調整することで前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する低温モード運転を実施し、
前記目標蒸発温度が前記設定閾温度より高いときには、前記圧縮機を停止した状態で前記冷凍回路において、前記膨張弁を通過させて冷媒を循環させる形態で、かつ、圧縮機用のバイパス路を通じ停止状態の前記圧縮機を迂回させて冷媒を循環させる形態又は停止状態の前記圧縮機を通過させて冷媒を循環させる形態で、前記液ポンプの運転により冷媒を循環させながら、その液ポンプの出力を調整することで前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する高温モード運転を実施する構成にしてあるから、そのことで次の作用効果も得ることができる。
つまり、冷凍回路の圧縮機に対する出力調整は前述の如く冷凍回路において広く採用される極汎用な技術であり、また、液ポンプに対する出力調整も極一般的な汎用技術であることから、低温モード運転での圧縮機に対する出力調整、及び、高温モード運転での液ポンプに対する出力調整により蒸発器における冷媒蒸発温度を調整する前記第2特徴構成によれば、第1特徴構成と同様、技術面及び製作コスト面において実施を容易にすることができる。
また、冷凍回路における圧縮機の出力や液ポンプの出力は、インバータ制御による圧縮機出力の調整やポンプ出力の調整に代表される如く、広い調整範囲にわたって連続的ないし多段階的に精度良く調整し得ることから、低温モード運転での圧縮機に対する出力調整、及び、高温モード運転での液ポンプに対する出力調整により蒸発器における冷媒蒸発温度を調整する上記第4特徴構成によれば、圧縮機又は液ポンプに対する出力調整と同調させた状態で蒸発器における冷媒蒸発温度も広い調整範囲にわたってきめ細かに精度良く調整することができ、これにより、第1特徴構成と同様、空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度の調整範囲(換言すれば、目標蒸発温度の変更範囲)を広くして目標温湿度状態の変更可能範囲を広く確保しながら、その冷媒蒸発温度のきめ細かな精度良い調整により目標温湿度状態の変更に対する対応性の面での効果も一層高めることができる。
そしてまた、目標蒸発温度に応じて低温モード運転と高温モード運転とを選択的に実施する前記第2特徴構成によれば、第1特徴構成と同様、これら低温モード運転と高温モード運転とによる調整分担により、蒸発器における冷媒蒸発温度の調整範囲(目標蒸発温度の変更範囲)を一層広くすることができて、目標温湿度状態の変更可能範囲を一層広く確保することができ、しかも、前記第2特徴構成によれば、このように目標温湿度状態の変更範囲を広く確保しながらも、高温モード運転では圧縮機を停止するから、その圧縮機停止分だけ、第1特徴構成に比べシステム全体としてのエネルギ効率を一層高めることができる。
なお、第1特徴構成と同様、前記第2特徴構成の実施において、冷凍回路における圧縮機や液ポンプに対する出力調整は、インバータ制御による出力調整に限らず、圧縮機や液ポンプの出力を連続的ないし多段階的に調整し得る方式であれば、種々の方式を採用することができる。
また、前記第2特徴構成の実施においては、圧縮機や液ポンプに対する出力調整のみにより蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する方式に限らず、例えば、圧縮機や液ポンプに対する出力調整と膨張弁に対する開度調整との組み合わせなどにより蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する方式などを採用してもよい。
前記第2特徴構成の実施において、低温モード運転では、停止状態の液ポンプを迂回させて冷媒を循環させる形態、あるいは、停止状態の液ポンプを通過させて冷媒を循環させる形態のいずれの構成を採ってもよく、また、高温モード運転では、停止状態の圧縮機を迂回させて冷媒を循環させる形態、あるいは、停止状態の圧縮機を通過させて冷媒を循環させる形態のいずれを採ってもよい。
上記の各技術事項に加え、前記した本発明の第1及び第2特徴構成は、いずれも、前記冷凍回路における前記蒸発器から圧縮機への冷媒路部分に、圧縮機吸入冷媒の圧力を設定上限圧力以下に維持する吸入圧力調整弁を設けることも特徴的は技術事項の一つとするものであるが、この吸入圧力調整弁については後記する。
〔3〕本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記制御手段は、前記高温モード運転において前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を前記冷凍回路の凝縮器における冷媒凝縮温度よりも高温にする運転状態を前記液ポンプの運転により現出する構成にしてある点にある。
つまり、この第3特徴構成では、前記高温モード運転において凝縮器から膨張弁への冷媒路部分での液ポンプによる冷媒の昇圧幅を、それに続く膨張弁での冷媒の降圧幅よりも大きくすることで、蒸発器における冷媒蒸発温度(=目標蒸発温度)を凝縮器における冷媒凝縮温度よりも高温にする運転状態を現出する。
そして、このように高温モード運転において蒸発器における冷媒蒸発温度を凝縮器における冷媒凝縮温度よりも高温にする運転状態を現出することで、空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度の調整範囲(換言すれば、目標蒸発温度の変更範囲)を上限側へ効果的に拡大することができて、目標温湿度状態の変更可能範囲を一層効果的に拡大することができる。
なお、第3特徴構成の実施においては、目標蒸発温度の変更範囲のうち高温モード運転を実施する高温側部分の全体について、蒸発器における冷媒蒸発温度を凝縮器における冷媒凝縮温度よりも高温にする運転形態を採るに限らず、高温モード運転を実施する高温側部分のうちの下限側領域については低温モード運転と同様、蒸発器における冷媒蒸発温度を凝縮器における冷媒凝縮温度よりも低温とする状態で高温モード運転を実施し、そして、その高温側部分における上限側領域についてのみ蒸発器における冷媒蒸発温度を凝縮器における冷媒凝縮温度よりも高温にする状態で高温モード運転を実施するようにしてもよい。
〔4〕本発明の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記制御手段は、前記冷凍回路の凝縮器において冷媒と熱交換させる放熱用流体の流量又は温度を調整することで前記凝縮器における冷媒凝縮温度を目標蒸発温度に応じて調整する構成にしてある点にある。
つまり、凝縮器において冷媒と熱交換させる放熱用流体の流量又は温度を調整して凝縮器での冷媒と放熱用流体との熱交換量(すなわち、凝縮器での放熱量)を調整すれば、凝縮器における冷媒凝縮温度を調整し得ることが知られているが、上記第4特徴構成によれば、目標温湿度状態の大きな変更による目標蒸発温度の大きな変更に応じて蒸発器における冷媒蒸発温度を大きく変化させる場合に、放熱用流体の流量又は温度の調整により凝縮器における冷媒凝縮温度も目標蒸発温度に応じて調整することで、蒸発器における冷媒蒸発温度の大きな変化にかかわらず、その冷媒蒸発温度(=目標蒸発温度)と凝縮器における冷媒凝縮温度との差を適正範囲に保つことができて、冷凍回路の運転を安定的に継続することができ、その分、蒸発器における冷媒蒸発温度の調整範囲(目標蒸発温度の変更範囲)を一層広くすることができて、目標温湿度状態の変更可能範囲を一層効果的に拡大することができる。
なお、このように放熱用流体の流量又は温度の調整により凝縮器における冷媒凝縮温度を目標蒸発温度に応じ変更して、蒸発器における冷媒蒸発温度(=目標蒸発温度)と凝縮器における冷媒凝縮温度との差を適正範囲に保つようにすることは、目標蒸発温度の変更範囲の全体あるいは一部のいずれで実施するようにしてもよく、さらにまた、蒸発器における冷媒蒸発温度が凝縮器における冷媒凝縮温度よりも低温の運転状態、あるいは、蒸発器における冷媒蒸発温度が凝縮器における冷媒凝縮温度よりも高温の運転状態のいずれで実施するようにしてもよい。
凝縮器において冷媒と熱交換させる放熱用流体としては、凝縮器と冷却塔との間で循環させる循環冷却水、あるはい、河川水、湖水、海水、湧水、井水などの自然水を用いた冷却水、あるいはまた、外気など、凝縮器において冷媒を冷却により凝縮させ得るものであれば、どのような流体であってもよい。
ここで、前記した本発明の第1及び第2特徴構成では、前述の如く、いずれも、
前記冷凍回路における前記蒸発器から圧縮機への冷媒路部分に、圧縮機吸入冷媒の圧力を設定上限圧力以下に維持する吸入圧力調整弁を設けてあるから、次の作用効果も得ることができる。
つまり、蒸発器における冷媒蒸発温度を前述の如く広い調整範囲にわたって調整する場合、その冷媒蒸発温度を高温側に調整した際、蒸発器における冷媒蒸発温度の上昇(すなわち、蒸発器における冷媒蒸発圧力の上昇)に伴い圧縮機吸入冷媒の圧力が上昇して圧縮機の過負荷運転を招く虞があるが、前記第1又は第2特徴構成によれば、蒸発器から圧縮機への冷媒路部分に設けた吸入圧力調整弁により圧縮機吸入冷媒の圧力が蒸発器における冷媒蒸発温度の変化にかかわらず設定上限圧力以下に維持されることで、蒸発器における冷媒蒸発温度の変化に原因する圧縮機の過負荷運転を確実に防止することができ、その分、蒸発器における冷媒蒸発温度の調整範囲(目標蒸発温度の変更範囲)を一層広くすることができて、目標温湿度状態の変更可能範囲を一層効果的に拡大することができる。
〔5〕本発明の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記冷凍回路の圧縮機から送出される高圧冷媒の一部を熱源として空気を加熱する冷媒利用空気加熱器を設けてある点にある。
つまり、この第5特徴構成によれば、冷媒利用空気加熱器の付加装備により空調システムの機能性を高めることができ、また、この冷媒利用空気加熱器は圧縮機から送出される高圧冷媒(いわゆるホットガス)の一部を熱源として空気の加熱を行うものであるから、上記の如く空調システムの機能性を高めながらも、同目的の空気加熱を専用熱源により行う空気加熱器を設けるのに比べ、システム構成を簡素にすることができてシステムコストを安価にすることができる。
なお、第5特徴構成の実施において、冷媒利用空気加熱器による空気加熱の目的は、空調対象域の温度調整や空調対象域に導入する換気用外気の予熱など、空調対象域の温湿度調整に直接的ないし間接的に係わる空気加熱であれば、どのようなものであってもよい。
〔6〕本発明の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記空気冷却器と補助空気加熱器とを、その順に空気流れ方向の上流側から並べて調整対象空気の通気経路に配置し、
前記制御手段は、前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整することに併行して、その冷媒蒸発温度と目標蒸発温度との検出偏差に応じ前記補助空気加熱器の出力を偏差解消方向へ調整する構成にしてある点にある。
つまり、この第6特徴構成では、空調対象域を目標温湿度状態に調整することにおいて、空調対象域からの還気空気を含む調整対象空気を空気冷却器での冷却に続き補助空気加熱器において加熱するが、空調負荷の変動などに原因して蒸発器における冷媒蒸発温度が一時的に目標蒸発温度から外れた状態になることに対し、上記の如く制御手段が、蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整することに併行して、蒸発器における冷媒蒸発温度と目標蒸発温度との検出偏差に応じ補助空気加熱器の出力(すなわち、調整対象空気に対する補助空気加熱器の加熱量)を偏差解消方向へ調整するから、例えば、補助空気加熱器の出力を空調対象域における検出温湿度状態と目標温湿度状態との偏差に応じて調整するのに比べ、蒸発器における冷媒蒸発温度と目標蒸発温度との差分に原因する域内温湿度状態の目標温湿度状態からのズレを制御遅れの少ない状態で一層迅速に縮小することができる。
そして、このことと蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に復帰させる本来の蒸発温度調整とが相俟って、空調負荷変動などに原因する域内温湿度状態の目標温湿度状態からのズレをそのズレ幅の面と時間的な面との両面で効果的に抑止することができ、この点で、空調対象域を目標温湿度状態に調整する調整機能に一層優れた空調システムにすることができる。
ちなみに、第6特徴構成の実施にあたり、前記第5特徴構成における冷媒利用空気加熱器を補助空気加熱器として用いる構成を採れば、前記第5特徴構成によるシステム構成の簡素化の効果を活かしながら、空調対象域を目標温湿度状態に調整する調整機能を一層高めることができる。
なお、蒸発器における冷媒蒸発温度は蒸発器における冷媒蒸発圧力と1対1の対応関係を有し、また、凝縮器における冷媒凝縮温度も凝縮器における冷媒凝縮圧力と1対1の対応関係を有することから、本発明の第1〜第6特徴構成夫々の実施については、冷媒蒸発温度、目標蒸発温度、冷媒凝縮温度の夫々を冷媒蒸発圧力、目標蒸発圧力、冷媒凝縮圧力と読み換えないし書き換えて各特徴構成を実施してもよい。
〔第1実施形態〕
図1,図2は環境試験室用の空調システムを示し、1は空調対象域である環境試験室、2はその環境試験室1を温湿度調整する空調機、3は外気導入路4を通じて取り入れる換気用外気OAを予調整的に温湿度調整する外調機であり、この空調システムでは、外調機3から調整外気路5を通じて導く調整済みの換気用外気OA′と環境試験室1から還気路6を通じて導く還気空気RAとの混合空気MAを調整対象空気として空調機2で温湿度調整し、この温湿度調整した混合空気を給気空気SAとして給気路7を通じ給気ファン8により環境試験室1に給送することで、環境試験室1を目標の温湿度状態(すなわち、目標温度tmでかつ目標湿度xm(本例では絶対湿度)の状態)に調整する。
なお、9は換気用外気OA′の導入量に相当する風量の室内空気を排気空気EAとして環境試験室1から外部へ排出する排気路である。
空調機2には、そのケーシング2a内における調整対象空気MAの通気経路fに空気冷却器10と空気加熱器11と空気加湿器12とを、その順に空気流れ方向の上流側から並べて配備してあり、また、それら空気冷却器10、空気加熱器11、空気加湿器12夫々の出力(すなわち、調整対象空気MAに対する冷却量、加熱量、加湿量)を調整する制御器13を装備してある。
14は環境試験室1の目標温湿度状態tm,xmを人為的にないし設定スケジュールに従って自動的に設定する設定器、15は環境試験室1の温湿度状態(すなわち、室内温度t及び室内湿度x)を検出する温湿度センサであり、空調機2に装備の制御器13は、設定器14により設定された目標温湿度状態tm,xmと温湿度センサ15による検出温湿度状態t,xとに基づき空気冷却器10、空気加熱器11、空気加湿器12夫々の出力を調整(発停を含む)することで、環境試験室1を設定器14により設定された目標温湿度状態tm,xmに自動調整する。
図2に示す如く、空気冷却器10としては冷凍回路16の蒸発器として機能する所謂直膨式の冷却コイルを用いてあり、この空気冷却器10では、冷凍回路16において凝縮器17での冷媒凝縮と蒸発器10での冷媒蒸発とを伴う状態で冷媒rを循環させながら、蒸発器としての空気冷却器10において冷媒rと調整対象空気MAとを熱交換させることで、蒸発器10での冷媒蒸発に伴う気化熱奪取をもって調整対象空気MAを冷却する。
冷凍回路16における凝縮器17から膨張弁18への冷媒路部分には、凝縮器17での凝縮冷媒rを膨張弁18を通じて蒸発器10に加圧送給する液ポンプ19を介装するとともに、この液ポンプ19に対するバイパス路20、及び、そのバイパス路20を開閉するバイパス弁21を装備してあり、また、冷凍回路16における蒸発器10から圧縮機22への冷媒路部分には、圧縮機吸入冷媒rの圧力psを減圧弁作用により設定上限圧力pss以下に維持する吸入圧力調整弁23(所謂SPR)を介装してある。
24は空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを検出する蒸発温度センサであり、また、制御器13には、選択が可能な目標温湿度状態tm,xmと空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teとの相関を設定した設定演算基準Kを記憶させてあり、環境試験室1では用途上、目標温湿度状態tm,xmが広い変更範囲において多様に変更されることに対し、この制御器13は、設定器14により設定された現状の目標温湿度状態tm,xmと温湿度センサ15による検出温湿度状態t,xとに基づき空気加熱器11及び空気加湿器12の出力を調整することに加え、現状の目標温湿度状態tm,xmに応じた空気冷却器10の出力調整として、上記の設定演算基準Kと蒸発温度センサ24による検出蒸発温度teとに基づき次の(イ)〜(ハ)の制御を実行する構成にしてある。
なお、設定演算基準Kとしては、目標温湿度状態tm,xmの変更範囲内におけるいずれの温湿度状態についても、それが設定器14により現状の目標温湿度状態tm,xmとして設定されたときに空調対象域としての環境試験室1をその現状の目標温湿度状態tm,xmに効率的に調整し得る適切な冷媒蒸発温度te(=tem)が設定演算基準Kにおける目標温湿度状態tm,xmと冷媒蒸発温度teとの相関から演算し得るものを実地試験やシミュレーションなどに基づき作成してある。
(イ)設定器14により設定された現状の目標温湿度状態tm,xmに対応する冷媒蒸発温度te(=tem)を設定演算基準Kに基づき演算し、その演算した冷媒蒸発温度teを目標蒸発温度temとする。
(ロ)目標蒸発温度temが設定閾温度tee以下のとき(tem≦tee)は、液ポンプ19を停止するとともにバイパス弁21を開いた状態で冷凍回路16において圧縮機22の運転により冷媒rを圧縮機22−凝縮器17−バイパス路20−膨張弁18−空気冷却器としての蒸発器10−吸入圧力調整弁23−圧縮機22の順に循環させる低温モード運転を実行し、これにより、図3(イ)に示す如き一般的な冷凍サイクル(a−b−c−d)を冷凍回路16において実施する。
そして、この低温モード運転では、蒸発温度センサ24による検出蒸発温度teと目標蒸発温度temとの偏差Δteに応じ圧縮機22の出力をインバータ制御により調整(具体的には、周波数制御により圧縮機モータの回転周波数を調整)して、空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを設定閾温度tee以下の低温の目標蒸発温度temに調整する。
なお、図3(イ)に示す冷凍サイクルにおいて、a−bは圧縮機22による圧縮工程、b−cは凝縮器17での凝縮工程、c−dは膨張弁18による減圧膨張工程、d−aは空気冷却器としての蒸発器10での蒸発工程である。
また、本例では設定閾温度teeを凝縮器17における許容器内圧力の上限値に対応する冷媒凝縮温度に相当の温度としている
(ハ)目標蒸発温度temが設定閾温度teeよりも高いとき(tem>tee)は、バイパス弁21を閉じた状態で冷凍回路16において圧縮機22と液ポンプ19との両方の運転により冷媒rを圧縮機22−凝縮器17−液ポンプ19−膨張弁18−空気冷却器としての蒸発器10−吸入圧力調整弁23−圧縮機22の順に循環させる高温モード運転を実行し、これにより、液ポンプ19の運転による昇圧をもって蒸発器10における冷媒蒸発温度te(=目標蒸発温度tem)を凝縮器17における冷媒凝縮温度tcよりも高くした図3(ロ)に示す如きサイクル(a′−b′−c′−c″−d′−a″)を冷凍回路16において実施する。
そして、この高温モード運転では、蒸発温度センサ24による検出蒸発温度teと目標蒸発温度temとの偏差Δteに応じ圧縮機22及び液ポンプ19の出力をインバータ制御により調整(あるいは、圧縮機22と液ポンプ19とのいずれか一方の出力を一定化した状態で他方の出力をインバータ制御により調整)して、空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを設定閾温度teeよりも高い高温の目標蒸発温度temに調整する。
なお、図3(ロ)に示すサイクルにおいて、a′−b′は圧縮機22による圧縮工程、b′−c′は凝縮器17での凝縮工程、c′−c″は液ポンプ19による昇圧工程、c″−d′は膨張弁18による減圧膨張工程、d′−a″は空気冷却器としての蒸発器10での蒸発工程、a″−a′は吸入圧力調整弁23による減圧工程であり、この吸入圧力調整弁23による減圧により、蒸発器10における冷媒蒸発温度te(=tem)の上昇に原因する圧縮機22の過負荷運転を防止する。
つまり、この制御器13は基本的に、設定器14により設定された現状の目標温湿度状態tm,xmに対応する冷媒蒸発温度teを設定演算基準Kに基づき演算し、その演算した冷媒蒸発温度teを目標蒸発温度temとして、冷凍回路16における圧縮機22又は液ポンプ19に対する出力調整により空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを目標蒸発温度temに調整する構成にしてある。
そして、この制御方式を採ることにおいて、設定演算基準Kを前述の如く、目標温湿度状態tm,xmの変更範囲内におけるいずれの温湿度状態についても、それが現状の目標温湿度状態tm,xmとして設定されたときに空調対象域としての環境試験室1をその現状の目標温湿度状態tm,xmに効率的に調整し得る適切な冷媒蒸発温度te(=tem)が演算されるものにしておくことにより、設定器14による設定で目標温湿度状態tm,xmが広い変更範囲において多様に変更されるとしても、その変更にかかわらず、空調対象域としての環境試験室1を設定器14により設定された現状の目標温湿度状態tm,xmに効率的に自動調整し得るようにしてある。
すなわち、この空調システムでは、設定器14により設定された目標温湿度状態tm,xmが例えば図4(イ)の湿り空気線図において点P1で示す如き低温低湿の状態(tm=t1,xm=x1)である場合、設定演算基準Kに基づく演算により低温の蒸発温度te1が目標蒸発温度temとして選定され、この目標蒸発温度tem(=te1)が設定閾温度teeよりも低温であることで低温モード運転が選択される。
そして、この低温モード運転において前記の如く圧縮機22に対する出力調整により空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teが低温の目標蒸発温度tem(=te1)に調整されることで、点Prの状態にある調整対象空気の混合空気MAは空気冷却器10において同図4(イ)における点P2の状態まで冷却減湿され、これに続き、その冷却減湿後の空気MA′は温湿度センサ15による検出温湿度状態t,xと目標温湿度状態tm,xmとの温度偏差Δtに応じて出力調整される空気加熱器11において点P3の状態まで再熱(冷却減湿に続く加熱)される。
また、その再熱後の空気MA″は温湿度センサ15による検出温湿度状態t,xと目標温湿度状態tm,xmとの湿度偏差Δxに応じて出力調整される空気加湿器12において点P4の状態まで加湿され、この加湿後の空気が給気空気SAとして給気路7を通じ環境試験室1に給送されることで、環境試験室1がそのときの室内負荷Lに対し低温低湿の目標温湿度状態tm,xm(tm=t1,xm=x1)に調整維持される。
一方、設定器14により設定された目標温湿度状態tm,xmが例えば図4(ロ)の湿り空気線図において点P1′で示す如き高温高湿の状態(tm=t2,xm=x2)である場合、設定演算基準Kに基づく演算により高温の蒸発温度te2が目標蒸発温度temとして選定され、この目標蒸発温度tem(=te2)が設定閾温度teeよりも高温であることで高温モード運転が選択される。
そして、この高温モード運転において前記の如く圧縮機22又は液ポンプ19に対する出力調整により空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teが高温の目標蒸発温度tem(=te2)に調整されることで、点Pr′の状態にある調整対象空気の混合空気MAは空気冷却器10において同図4(ロ)における点P2′の状態まで冷却減湿され、これに続き、その冷却減湿後の空気MA′は前記温度偏差Δtに応じて出力調整される空気加熱器11において点P3′の状態まで再熱され、さらに、その再熱後の空気MA″は前記湿度偏差Δxに応じて出力調整される空気加湿器12において点P4′の状態まで加湿され、この加湿後の空気が給気空気SAとして給気路7を通じ環境試験室1に送給されることで、環境試験室1がそのときの室内負荷L′に対し高温高湿の目標温湿度状態tm,xm(tm=t2,xm=x2)に調整維持される。
また、設定器14により設定された目標温湿度状態tm,xmが例えば図4(ロ)の湿り空気線図において点P1″で示す如き上例の点P1′の状態よりもさらに湿度の高い高温高湿の状態(tm=t3,xm=x3)である場合、設定演算基準Kに基づく演算により上例の蒸発温度te2よりもさらに高温の蒸発温度te3(>te2)が目標蒸発温度temとして選定され、この目標蒸発温度tem(=te3)が設定閾温度teeよりも高温であることで上例と同様、高温モード運転が選択される。
そして、この高温モード運転において前記の如く圧縮機22又は液ポンプ19に対する出力調整により空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teが高温の目標蒸発温度tem(=te3>te2)に調整されることで、点Pr″の状態にある調整対象空気の混合空気MAは空気冷却器10において上例の点P2′よりも高湿側の点P2″の状態まで冷却減湿され、これに続き、その冷却減湿後の空気MA′は前記温度偏差Δtに応じて出力調整される空気加熱器11において点P3″の状態まで再熱され、さらに、その再熱後の空気MA″は前記湿度偏差Δxに応じて出力調整される空気加湿器12において点P4″の状態まで加湿され、この加湿後の空気が給気空気SAとして給気路7を通じ環境試験室1に送給されることで、環境試験室1がそのときの室内負荷L″に対し上例よりもさらに湿度の高い高温高湿の目標温湿度状態tm,xm(tm=t3,xm=x3)に調整維持される。
これらの例から分かるように、この空調システムによれば、環境試験室1の目標温湿度状態tm,xmが広い変更範囲において多様に変更されることにかかわらず、空気冷却器10での不必要に大きな冷却減湿を効果的に回避した状態で、空調対象域としての環境試験室1を効率的に目標温湿度状態tm,xmに自動調整することができる。
なお、図4において、L,L′,L″の夫々は空調対象域である環境試験室1の空調負荷による空気状態の移行を示す。
〔第2実施形態〕
図5(イ)は第2実施形態における冷凍回路16の回路構成を示し、この冷凍回路16では、圧縮機22に対するバイパス路25、及び、その圧縮機用バイパス路25を開閉するバイパス弁26を設けてある。
そして、本第2実施形態において制御器13は、高温モード運転の際、上述の第1実施形態の如く圧縮機22と液ポンプ19との両方の運転により冷媒rを循環させるのに代え、圧縮機用バイパス路25のバイパス弁26を開くとともに圧縮機22を停止した状態で、液ポンプ19の運転のみにより冷媒rを液ポンプ19−膨張弁18−空気冷却器としての蒸発器10−吸入圧力調整弁23−圧縮機用バイパス路25−凝縮器17−液ポンプ19の順に循環させ、この冷媒循環において液ポンプ19の出力をインバータ制御により調整することで、空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを設定閾温度teeよりも高い高温の目標蒸発温度temに調整する構成にしてある。
すなわち、本第2実施形態においては、高温モード運転の際、圧縮機22を停止し、かつ、圧縮機用バイパス路25を開いた状態で液ポンプ19を運転することにより、蒸発器10における冷媒蒸発温度teを凝縮器17における冷媒凝縮温度tcよりも高くした図5(ロ)に示す如きサイクル(b′−c′−c″−d′−a″)を冷凍回路16で実施し、このサイクルの実施下において液ポンプ19の出力を調整することで、空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを設定閾温度teeよりも高い高温の目標蒸発温度temに調整する。
図5(ロ)に示すサイクルにおいて、b′−c′は凝縮器17での凝縮工程、c′−c″は液ポンプ19による昇圧工程、c″−d′は膨張弁18による減圧膨張工程、d′−a″は空気冷却器としての蒸発器10での蒸発工程、a″−b′は吸入圧力調整弁23による減圧工程である。
なお、図5(イ)に示す冷凍回路16では、液ポンプ19に対するバイパス路20を設けておらず、低温モード運転では、液ポンプ19を停止するとともに圧縮機用バイパス路25のバイパス弁25を閉じた状態で圧縮機22の運転により冷媒rを圧縮機22−凝縮器17−停止状態の液ポンプ19−膨張弁18−空気冷却器としての蒸発器10−吸入圧力調整弁23−圧縮機22の順に循環させて、同図5(ロ)に示す如き図3(イ)と同様の通常の冷凍サイクル(a−b−c−d)を冷凍回路16で実施し、この通常冷凍サイクルの実施下において圧縮機22の出力を調整することで、空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを設定閾温度tee以下の低温の目標冷媒温度temに調整する。他については第1実施形態と同様である。
〔参考例〕
図6(イ)は参考例としての冷凍回路16の回路構成を示し、この冷凍回路16では、液ポンプ19を設けるのに代え、凝縮器17において冷媒rと熱交換させる冷却水W(放熱用流体の一例)の流量を調整する流量調整弁27を設けてある。
そして、本参考例において制御器13は、目標蒸発温度temの高低変化にかかわらず圧縮機22の運転により冷媒rを圧縮機22−凝縮器17−膨張弁18−空気冷却器としての蒸発器10−圧縮機22の順に循環させ、この冷媒循環において、圧縮機22の出力を調整することで空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを目標蒸発温度temに調整するとともに、目標蒸発温度temが高温であるほど凝縮器17に対する冷却水Wの供給流量を絞って凝縮器17における冷媒凝縮温度tcを高める方向で、流量調整弁27の調整により目標蒸発温度temに応じ凝縮器17における冷媒凝縮温度tcを調整する。
すなわち、本参考例では、空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを設定演算基準Kに基づき演算される目標蒸発温度temに調整することで環境試験室1を効率的に目標温湿度状態tm,xmに調整することにおいて、上記の如く凝縮器17に対する冷却水供給流量の調整により目標蒸発温度temに応じて凝縮器17における冷媒凝縮温度tcを調整することで、目標蒸発温度temが低いときには図6(ロ)において破線で示す如き低温低圧寄りの冷凍サイクル(a−b−c−d)を実施し、また、目標蒸発温度temが高いときには図6(ロ)において実線で示す如き高温高圧寄りの冷凍サイクル(a′−b′−c′−d′)を実施し、これにより、蒸発器10における冷媒蒸発温度teと凝縮器17における冷媒凝縮温度tcとの差Δtec(=tc−te)を適度に保って圧縮機22の過負荷運転を防止しながら、蒸発器10における冷媒蒸発温度teの調整範囲(換言すれば、目標蒸発温度temの変更範囲)を上限側に拡大して、目標温湿度状態tm,xmの変更可能範囲を大きく確保するようにしてある。
なお、本参考例の実施において、流量調整弁27の調整により目標蒸発温度temに応じて凝縮器17における冷媒凝縮温度tcを調整するのに、その具体的制御方式としては、凝縮温度センサ28により検出する凝縮器17における冷媒凝縮温度tcと目標蒸発温度temとに基づき、それらの差(tem−tc)を設定差に保つように流量調整弁27を調整する方式、あるいは、蒸発器10における冷媒蒸発温度teが目標蒸発温度temに調整されることを前提として蒸発温度センサ24による検出蒸発温度teと凝縮温度センサ28による検出凝縮温度とに基づき、それらの差(te−tc)を設定差に保つように流量調整弁27を調整する方式、あるいはまた、目標蒸発温度temないし蒸発温度センサ24による検出蒸発温度teと凝縮器17における冷媒凝縮温度tcとの相関を設定した設定調整基準にしたがって、流量調整弁28の調整により凝縮器17における冷媒凝縮温度tcを設定調整基準上で現状の目標蒸発温度temないし検出蒸発温度teに対応する目標の凝縮温度に調整する方式など、種々の方式を採ることができる。
また、上記の如く目標蒸発温度temに応じて凝縮器17における冷媒凝縮温度tcを調整するのに、凝縮器17における冷媒凝縮温度tcを凝縮器17に対する冷却水供給流量の調整により調整するのに代え、凝縮器17に対する供給冷却水Wの温度の調整により凝縮器17における冷媒凝縮温度tcを調整するようにしてもよい。
凝縮器17に供給する冷却水W(ないし、他の放熱用流体)の流量又は温度の調整により上記の如く目標蒸発温度temに応じて凝縮器17における冷媒凝縮温度tcを調整することは、本参考例の空調システムに限らず、前記の第1,第2実施形態あるいは後記の第3実施形態の空調システムにも適用することができる。
〔第3実施形態〕
図7(イ)は第3実施形態における冷凍回路16の回路構成を示し、この冷凍回路16では、第1実施形態で示した回路構成において圧縮機22から凝縮器17への冷媒路部分に冷媒利用の空気加熱器29を設けるとともに、この冷媒利用空気加熱器29に対するバイパス路30を設け、さらに、それら冷媒利用空気加熱器29とバイパス路30とに対する冷媒rの分流比を調整する冷媒流量調整弁31a,31bを設けてある。
この冷媒利用空気加熱器29は圧縮機22から送出される高圧冷媒r(所謂ホットガス)の一部を熱源として空気を加熱するものであり、本例では図7(ロ)に示す如く、この冷媒利用空気加熱器29を空気冷却器10に対する補助空気加熱器として調整対象空気MAの流れ方向で空気冷却器10と空気加熱器11との間に配置して空調機2に装備してある。
そして、本第3実施形態において制御器13は、第1実施形態と同様、目標蒸発温度temに応じて低温モード運転と高温モード運転とを選択的に実施するとともに、それら低温モード運転及び高温モード運転の夫々において、蒸発温度センサ24による検出蒸発温度teと目標蒸発温度temとの偏差Δteに応じ、その偏差Δteを解消する方向で冷媒利用空気加熱器29に対する冷媒供給流量を冷媒流量調整弁31a,31bにより調整して冷媒利用空気加熱器29の出力(すなわち、空気冷却器10を通過した調整対象空気に対する加熱量)を調整する構成にしてある。
つまり、本第3実施形態では、空調負荷の変動などに原因して蒸発器10における冷媒蒸発温度teが一時的に目標蒸発温度temから外れた状態になることに対し、空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを目標蒸発温度temに調整することに併行して、上記の如く蒸発器10における冷媒蒸発温度teと目標蒸発温度temとの検出偏差Δteに応じ補助空気加熱器としての冷媒利用空気加熱器29の出力を偏差解消方向へ調整することにより、蒸発器10における冷媒蒸発温度teと目標蒸発温度temとの差分Δteに原因する室内温湿度状態t、xの目標温湿度状態tm,xmからのズレを制御遅れの少ない状態で迅速に解消できるようにしてある。
なお、上記の如く空気流れ方向において空気冷却器10の下流側に設けた補助空気加熱器29の出力を空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teと目標蒸発温度temとの検出偏差Δteに応じて偏差解消側に調整することは、第1実施形態の空調システムに限らず、第2実施形態の空調システムにも適用することができる。
以上、各実施形態において、制御器13は、冷凍回路16における蒸発器としての空気冷却器10を含む空気加熱器11や空気加湿器12などのシステム構成要素を制御して空調対象域1を目標の温湿度状態tm,xmに調整する制御手段を構成し、この制御手段としての制御器13は、目標温湿度状態tm,xmと空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teとの相関を設定した設定演算基準Kに基づいて、現状の目標温湿度状態tm,xmに対応する冷媒蒸発温度te(=tem)を演算するとともに、その演算した冷媒蒸発温度teを目標蒸発温度temとして、空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teが目標蒸発温度temになる状態に冷凍回路16を制御する構成にしてある。
また、この制御器13は、冷凍回路16における圧縮機22又は液ポンプ19の出力を調整することで空気冷却器としての蒸発器10における冷媒蒸発温度teを目標蒸発温度temに調整する構成にしてある。
〔別の実施形態〕
次に別実施形態を列記する。
前述の各実施形態では、空調対象域1からの還気空気RAと外調機3による調整済み外気OA′との混合空気MAを空気冷却器10の調整対象空気とする例を示したが、空気冷却器10により冷却する調整対象空気は、空調対象域1からの還気空気RAと未調整外気OAとの混合空気であってもよく、また、その全量が空調対象域1からの還気空気RAであってもよく、空調対象域1からの還気空気RAを含む空気であれば、空調対象域1の用途上、どのような空気であってもよい。そしてまた、場合によっては、その全量が外気であってもよい。
本発明による空調システムは、環境試験室に限らず、種々の用途の空調対象域に対する温湿度調整に使用でき、特に、環境試験室の如く目標温湿度状態tm,xmが広い変更範囲において変更される空調対象域の温湿度調整に好適である。
冷凍回路16において循環させる冷媒rには、フロン系冷媒、アンモニア、二酸化炭素、あるいは、それ以外のフロン代替冷媒など、各種のものを使用できる。
空調システムの全体構成図 第1実施形態における冷凍回路の構成図 (イ)低温モード運転の運転サイクルを示すモリエル線図、及び、(ロ)高温モード運転の運転サイクルを示すモリエル線図 (イ)低温モード運転での温湿度調整形態を示す湿り空気線図、及び、(ロ)高温モード運転での温湿度調整形態を示す湿り空気線図 (イ)第2実施形態における冷凍回路の構成図、及び、(ロ)高温モード運転の運転サイクルを示すモリエル線図 (イ)参考例における冷凍回路の構成図、及び、(ロ)運転サイクルを示すモリエル線図 (イ)第3実施形態における冷凍回路の構成図、及び、(ロ)第3実施形態における空調機の構成図 従来例を示す空調システムのシステム構成図 他の従来例を示す空調システムのシステム構成図
16 冷凍回路
10 蒸発器,空気冷却器
11,12 システム構成要素
1 空調対象域
tm,xm 目標温湿度状態
13 制御手段
te 冷媒蒸発温度
K 設定演算基準
tem 目標蒸発温度
22 圧縮機
17 凝縮器
18 膨張弁
19 液ポンプ
r 冷媒
tc 冷媒凝縮温度
W 放熱用流体
ps 圧縮機吸入冷媒の圧力
pss 設定上限圧力
23 吸入圧力調整弁
29 冷媒利用空気加熱器,補助空気加熱器
MA 調整対象空気
f 通気経路
Δte 蒸発温度偏差

Claims (6)

  1. 冷凍回路の蒸発器として機能する空調対象域用の空気冷却器を備えるとともに、この空気冷却器を含むシステム構成要素を制御して空調対象域を目標の温湿度状態に調整する制御手段を備える空調システムであって、
    前記冷凍回路における凝縮器から膨張弁への冷媒路部分に液ポンプを設けるとともに、
    前記冷凍回路における前記蒸発器から圧縮機への冷媒路部分に、圧縮機吸入冷媒の圧力を設定上限圧力以下に維持する吸入圧力調整弁を設け、
    前記制御手段は、目標温湿度状態と前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度との相関を設定した設定演算基準に基づいて、現状の目標温湿度状態に対応する冷媒蒸発温度を演算するとともに、
    その演算した冷媒蒸発温度を目標蒸発温度として、
    その目標蒸発温度が設定閾温度以下とのときには、前記液ポンプを停止した状態で前記冷凍回路において、前記膨張弁を通過させて冷媒を循環させる形態で、かつ、液ポンプ用のバイパス路を通じ停止状態の前記液ポンプを迂回させて冷媒を循環させる形態又は停止状態の前記液ポンプを通過させて冷媒を循環させる形態で、前記圧縮機の運転により冷媒を循環させながら、その圧縮機の出力を調整することで前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する低温モード運転を実施し、
    前記目標蒸発温度が前記設定閾温度より高いときには、前記冷凍回路において、前記膨張弁を通過させて冷媒を循環させる形態で、前記圧縮機及び前記液ポンプの運転により冷媒を循環させながら、それら圧縮機又は液ポンプの出力を調整することで前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する高温モード運転を実施する構成にしてある空調システム。
  2. 冷凍回路の蒸発器として機能する空調対象域用の空気冷却器を備えるとともに、この空気冷却器を含むシステム構成要素を制御して空調対象域を目標の温湿度状態に調整する制御手段を備える空調システムであって、
    前記冷凍回路における凝縮器から膨張弁への冷媒路部分に液ポンプを設けるとともに、
    前記冷凍回路における前記蒸発器から圧縮機への冷媒路部分に、圧縮機吸入冷媒の圧力を設定上限圧力以下に維持する吸入圧力調整弁を設け、
    前記制御手段は、目標温湿度状態と前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度との相関を設定した設定演算基準に基づいて、現状の目標温湿度状態に対応する冷媒蒸発温度を演算するとともに、
    その演算した冷媒蒸発温度を目標蒸発温度として、
    その目標蒸発温度が設定閾温度以下のときには、前記液ポンプを停止した状態で前記冷凍回路において、前記膨張弁を通過させて冷媒を循環させる形態で、かつ、液ポンプ用のバイパス路を通じ停止状態の前記液ポンプを迂回させて冷媒を循環させる形態又は停止状態の前記液ポンプを通過させて冷媒を循環させる形態で、前記圧縮機の運転により冷媒を循環させながら、その圧縮機の出力を調整することで前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する低温モード運転を実施し、
    前記目標蒸発温度が前記設定閾温度より高いときには、前記圧縮機を停止した状態で前記冷凍回路において、前記膨張弁を通過させて冷媒を循環させる形態で、かつ、圧縮機用のバイパス路を通じ停止状態の前記圧縮機を迂回させて冷媒を循環させる形態又は停止状態の前記圧縮機を通過させて冷媒を循環させる形態で、前記液ポンプの運転により冷媒を循環させながら、その液ポンプの出力を調整することで前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整する高温モード運転を実施する構成にしてある空調システム。
  3. 前記制御手段は、前記高温モード運転において前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を前記冷凍回路の凝縮器における冷媒凝縮温度よりも高温にする運転状態を前記液ポンプの運転により現出する構成にしてある請求項1又は2記載の空調システム。
  4. 前記制御手段は、前記冷凍回路の凝縮器において冷媒と熱交換させる放熱用流体の流量又は温度を調整することで前記凝縮器における冷媒凝縮温度を目標蒸発温度に応じて調整する構成にしてある請求項1〜3のいずれか1項に記載の空調システム。
  5. 前記冷凍回路の圧縮機から送出される高圧冷媒の一部を熱源として空気を加熱する冷媒利用空気加熱器を設けてある請求項1〜4のいずれか1項に記載の空調システム。
  6. 前記空気冷却器と補助空気加熱器とを、その順に空気流れ方向の上流側から並べて調整対象空気の通気経路に配置し、
    前記制御手段は、前記空気冷却器としての蒸発器における冷媒蒸発温度を目標蒸発温度に調整することに併行して、その冷媒蒸発温度と目標蒸発温度との検出偏差に応じ前記補助空気加熱器の出力を偏差解消方向へ調整する構成にしてある請求項1〜5のいずれか1項に記載の空調システム。
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