JP4187008B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
図1はこの発明の実施の形態1を示す空気調和装置の冷媒回路図であり、図2はこの空気調和装置における空気線図上の動作点を示す図である。
図において、9は空気調和装置の室外機であり、1は圧縮機、2は圧縮機1の回転速度を可変とするインバータ、3は室外機9を制御する室外マイコン、4は四方弁、5は室外熱交換器、6は室外熱交換器用送風機、7は室外熱交換器用送風機6の回転数可変なモーター、8は室外絞り機構である。
なお、リモコン13は湿球温度設定手段を示し、温度設定手段により設定温度17を定め、湿度設定手段により設定湿度18を定める。
冷媒の流れと各構成機器の動作について説明する。
まず、圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、冷房運転時は図1中実線のように流れ、四方弁4を経由して、室外熱交換器5で凝縮液化し、室外絞り機構8で断熱膨張して低圧の気液二相冷媒となり、室内熱交換器10に至る。室内熱交換器10で冷媒は蒸発ガス化して、室内空気を冷却除湿して、自身は四方弁4を経由して再び圧縮機1に循環吸入される。
まず、図2は横軸方向に乾球温度TDB[℃]、縦軸方向に絶対湿度X[kg/kg´]、斜め方向に湿球温度TWB[℃]、エンタルピーI[kcal/kg]をそれぞれ示す。0は設定値(目標値)を示し、リモコン13の設定温度17と設定湿度18により決定される。一方、室内温度と室内湿度(図2中のi)は、室内温度センサー15と室内湿度センサー16の各検出値により決定される。
Q=Ga・(Ii−Io) ・・・・・(1)
Ga:室内熱交換器用送風機11の風量[kg/h]
Ii:室内空気エンタルピー[kcal/kg]
Io:設定空気エンタルピー[kcal/kg]
従って、空気調和負荷Qは設定空気と室内空気のエンタルピー差(Ii−Io)に比例する。
そこで、室内温度センサー15と室内湿度センサー16の室内温度と室内湿度から図2により室内空気の湿球温度TiWBを検出し、リモコン13の設定温度17と設定湿度18から図2により設定空気の湿球温度ToWBを決定し、空気調和負荷Q=Ga・(TiWB−ToWB)・a(aは比例定数)に基づき、圧縮機1の回転速度をインバータ2により可変制御し、空調運転を行う。
よって、通常冷房運転時には湿球温度を制御目標とすることにより、空気調和負荷に応じた最適運転が可能となる。
図3はこの発明の実施の形態2を示す空気調和装置の再熱除湿運転時の冷媒回路図、図4はこの空気調和装置の再熱除湿運転を示すモリエル線図、図5はこの空気調和装置の再熱除湿運転モード時の室内空気の状態を示す空気線図である。
まず、冷房運転モードの冷媒の流れと各構成機器の動作について説明する。
圧縮機1を出た高温高圧のガス冷媒は四方弁4を経由して、室外熱交換器5で凝縮液化し、室外絞り機構8で断熱膨張し、低圧ニ相冷媒となって室内機14に至る。
この冷房運転モード時には、再熱除湿用電磁弁21は全開となっており、第1室内熱交換器24で一部蒸発し、低圧ニ相冷媒はそのまま再熱除湿用電磁弁21を通過して、さらに第2室内熱交換器23にて蒸発ガス化することにより、第1室内熱交換器24と第2室内熱交換器23の両熱交換器が蒸発器として機能し、通常の冷房運転モードとなる。その後、冷媒は四方弁4を経由して圧縮機1に帰る。
圧縮機1を出た高温高圧のガス冷媒1は四方弁4を経由して、室外熱交換器5で外気に放熱し、冷媒自身は凝縮し2、室外絞り機構8で断熱膨張し中圧ニ相冷媒3となる。室内に入った中圧ニ相冷媒3は、第1室内熱交換器24で再び室内空気に放熱し、冷媒自身は中圧の液冷媒4に凝縮する。
この時、室内空気は第1室内熱交換器24を通過する空気は加熱され、第2室内熱交換器23を通過する空気は冷却・除湿されて、室内に吹き出される。
まず、図5は湿り空気線図を示し、横軸に乾球温度TDB[℃]、縦軸に絶対湿度X[kg/kg´]をそれぞれ示すとともに、顕熱比SHFも示す。lは飽和線である。室内吸込空気をI、その空気の温度をTi、湿度φiとする。
なお、説明を簡単にするために室内熱交換器を通過する総風量は第1室内熱交換器24側と第2室内熱交換器23側と同一風量とする。
従って、冷房運転モードのSHF範囲で運転が可能な場合には、SHFを運転目標とした冷房運転を実行することにより除湿運転時の消費電力量を低減し、省エネ化を図ることが可能となる。
なお、冷房、再熱除湿の最適切替運転制御方法については、実施の形態4において後述する。
図6はこの発明の実施の形態2を示す空気調和装置の室外熱交換器用送風機のファン回転数N0[rpm]に対する、室外熱交換器5内の冷媒凝縮温度OTと、第1室内熱交換器24内の冷媒の再凝縮温度CTの変化を示す図、図7はこの空気調和装置のSHFを変化させる原理図である。
図8はこの発明の実施の形態2を示す空気調和装置の制御フローチャートである。まず、ステップS1では、リモコン13による設定温度17の値Tsと湿度の設定湿度18の値Xsを読み込む。ステップS2では、除湿運転中の室内吸込空気温度センサー15による温度値Tiと室内吸込空気湿度センサー16による湿度値Xiを検出する。
求める式は、
SHF=Cp(Ti−Ts)/(Cp(Ti−Ts)+Cv(Xi−Xs))
を使用する。
ここでCp(Ti−Ts)は顕熱を、Cv(Xi−Xs)は潜熱をそれぞれ示す。Cp:[kcal/kg´・℃]は乾き空気の定圧比熱、Cv:[kcal/kg]は湿り空気の潜熱を示す。Xiの単位は[kg/kg´]である。
図9はこの発明の実施の形態3を示す空気調和装置の吐出バイパス再熱除湿運転時の冷媒回路図、図10はこの空気調和装置の吐出バイパス再熱除湿運転を示すモリエル線図である。図において、上記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付け、説明を省略する。25は室外マイコン3により制御される吐出バイパス弁25である。
再熱除湿運転モードの冷媒の流れと各構成機器の動作状態について説明する。
圧縮機1を出た高温高圧のガス冷媒1は吐出バイパス弁25を経由して、第1室内熱交換器24で室内空気に放熱し、冷媒自身は凝縮液化し2、室内絞り機構22で断熱膨張し、低圧ニ相冷媒3となって第2室内熱交換器23へ流入し、室内の空気を冷却除湿し、冷媒自身は蒸発ガス化4して再び四方弁を経由して圧縮機1に帰る。この時、室内空気は第1室内熱交換器24を通過する空気は加熱され、第2室内熱交換器23を通過する空気は冷却・除湿されて、室内に吹き出される。
よって、本実施の形態3では、凝縮温度CTをさらに高温化制御することにより暖房ぎみ除湿を可能とし、室内気温が低い条件においても快適な室内温湿度環境を実現することができる。
この実施の形態4では、上記実施の形態1、2、3を用いて、最適運転モードを検索するアルゴリズムについて説明する。
図11はこの発明の実施の形態4を示す空気調和装置の空気線図上の運転ゾーン分布を示す図、図12はこの空気調和装置のゾーン別運転モード判定方法のフローチャートである。なお、空気調和装置の冷媒回路図は、図9を用いる。
まず、運転ゾーン判定法を図11に基づいて説明する。図11は横軸方向に乾球温度TDB[℃]、縦軸方向に絶対湿度X[kg/kg´]、斜め方向に湿球温度TWB[℃]を示し、lは飽和線を示す。空気線図上、室内温湿度iが目標温湿度Oに対してどの位置に存在するかにより、選択すべき最適運転モードをゾーンに分けて示す。さらに、ETminは冷凍サイクル蒸発温度の設定最低値であり、ゾーンはETminと目標温湿度Oを結ぶ直線と、目標絶対湿度φo、目標湿球温度TOWB+α、TOWB−βの線によって分けられる。なお、α、βは、任意の設定値であり、空気調和装置の特性に合わせて設定可能であり、例えばα=2℃、β=1℃と設定できる。
まず、ステップS11で、室内吸込空気温度センサー15による温度値Tiと室内吸込空気湿度センサー16による湿度値Xiを検出し、室内吸込み室内温湿度i(Ti,Xi)がどのゾーンに存在するかを検出する。
そこで、室内温湿度iがAゾーンに存在する場合には、ステップS12へ進む。Aゾーンは通常冷房運転モード実行領域であり、冷房運転を実行する。空気調和装置の冷媒回路図は、吐出バイパス弁25を全閉、再熱除湿用電磁弁21を全開し、図1の冷媒回路図と等価な冷媒回路を構成する。そこで、空気調和装置の制御は、実施の形態1に示すように、湿球温度差を制御信号に用いる。
Aゾーンでは、室内湿球温度iと目標湿球温度TOWBとの差が大きく(空気調和負荷大)、再熱除湿運転よりも消費電力量の少ない冷房運転による、室内空気調和負荷(顕熱負荷、潜熱負荷とも)除去効率の高い運転を目的とする。
Claims (7)
- 冷媒を高温高圧に圧縮する圧縮機、この圧縮機からの冷媒を凝縮液化する室外熱交換器、この室外熱交換器による冷媒を断熱膨張させ中圧二相冷媒とする室外絞り機構、前記室外熱交換器に設けられた室外熱交換器用送風機を有する室外機と、
この室外機からの冷媒を中圧二相冷媒から中圧の液冷媒に凝縮させ、室内空気に放熱する第1の室内熱交換器、この第1の室内熱交換器からの冷媒を断熱膨張させ低圧二相冷媒とする室内絞り機構、この室内絞り機構から低圧二相冷媒を流入し蒸発ガス化させ、室内の空気を冷却除湿し、冷媒を前記圧縮機へ帰す第2の室内熱交換器、室内の温湿度を検出する温湿度検出手段、室内の温湿度を設定する温湿度設定手段を有する室内機と、
前記温湿度検出手段による室内の温湿度と前記温湿度設定手段による温湿度設定値とから目標顕熱比を求め、前記室内の温湿度と前記第1の室内熱交換器の凝縮温度と前記第2の室内熱交換器の蒸発温度から現在顕熱比を求め、前記圧縮機の回転速度および前記室外熱交換器用送風機の回転数を変更して前記現在顕熱比と前記目標顕熱比とを一致するように制御する制御手段とを備える空気調和装置。 - 湿球温度検出手段もしくはこの温湿度検出手段から湿球温度を演算する手段と、湿球温度設定手段もしくはこの湿球温度設定手段から湿球温度設定値を演算する手段とを備え、湿球温度検出値と湿球温度設定値との差が所定値以上の場合に、前記圧縮機の回転速度を制御することを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
- 温湿度設定値に対する室内温湿度の変動範囲を複数のゾーンに分け、前記室内絞り機構を通じて冷媒を流す再熱除湿運転と、前記室内絞り機構を通さない冷房運転とを、前記ゾーン区分に基づき切替えて運転することを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の空気調和装置。
- 前記室内機に前記第1の室内熱交換器への配管温度を検出する第1の室内熱交換器配管温度センサーと、前記第2の室内熱交換器への配管温度を検出する第2の室内熱交換器配管温度センサーとを備え、前記凝縮温度を前記第1の室内熱交換器配管温度センサーから、前記蒸発温度を前記第2の室内熱交換器配管温度センサーから検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気調和装置
- 前記制御手段により室外熱交換器用送風機の回転数を制御することにより前記凝縮温度を制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の空気調和装置。
- 前記制御手段による前記室外熱交換器用送風機の回転数制御は、室外機の電子部品を冷却するに要する回転数以下には下げないことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の空気調和装置。
- 前記第2室内熱交換器配管温度センサーにより検出される前記第2の室内熱交換器への配管温度による冷凍サイクル蒸発温度の設定値を、前記現在の顕熱比を低減する所定の温度以上にすることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の空気調和装置。
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