JP6660873B2 - ヒートポンプ式温調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートポンプ式温調装置に関し、詳しくは、圧縮機により冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷媒回路を備え、流体の冷却負荷を処理する冷却運転と前記流体の加熱負荷を処理する加熱運転との切り換え実施を可能にしたヒートポンプ式温調装置に関する。
従来、この種のヒートポンプ式温調装置では、図12に示すように、調整対象の流体OAを冷媒rと熱交換させる温調側熱交換器Niと、冷媒rを吸放熱原Aと熱交換させる熱源側熱交換器Noとを設けるとともに、冷媒rを圧縮機Cmp→熱源側熱交換器No→膨張手段Ex→温調側熱交換器Ni→圧縮機Cmpの順で循環させる冷却用循環状態(図中、実線の矢印で示す)と、冷媒rを圧縮機Cmp→温調側熱交換器Ni→膨張手段Ex→熱源側熱交換器No→圧縮機Cmpの順で循環させる加熱用循環状態(図中、破線の矢印で示す)とに、冷媒回路RCにおける冷媒rの流れの向きを反転させる四方弁Vを設け、この四方弁Vの切り換え操作により冷却運転と加熱運転との切り換えを行うようにしていた。
即ち、冷却運転(実線の矢印)では、熱源側熱交換器Noを凝縮器として機能させるとともに、温調側熱交換器Niを蒸発器として機能させて、調整対象の流体OAを温調側熱交換器Niにおいて蒸発過程の冷媒rと熱交換させることで冷却するようにし、一方、加熱運転(破線の矢印)では、逆に、熱源側熱交換器Noを蒸発器として機能させるとともに、温調側熱交換器Niを凝縮器として機能させて、調整対象の流体OAを温調側熱交換器Niにおいて凝縮過程の冷媒rと熱交換させることで加熱するようにしていた。
実開昭62−145070号公報
しかし、上記した従来のヒートポンプ式温調装置では、冷媒回路RCのほぼ全体(具体的には、圧縮機Cmpと四方弁Vとの間の部分を除く全ての回路部分)について冷媒rの流れの向きを反転させることで冷却運転と加熱運転との切り換えを行うため、その切り換えの際には一時的にせよ圧縮機Cmpの運転を停止して、冷媒回路RCにおける冷媒rの流れを全体的に停止させることが必要で、その停止期間中は、冷却負荷や加熱負荷に対して全く対応できなくなり、この点で、装置の性能が低く制限される問題があった。
また、圧縮機Cmpの出力調整範囲には下限値が存在して、冷却負荷や加熱負荷の低下に対し圧縮機Cmpの出力を下限値未満には低下させることができないため、冷却運転での圧縮機Cmpの出力調整で対応できる負荷範囲と加熱運転での圧縮機Cmpの出力調整で対応できる負荷範囲との間には、対応不能な負荷範囲が存在し、この点からも、装置性能が低く制限される問題があった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、上記の如き問題を一挙に解消して、ヒートポンプ式温調装置の装置性能を効果的に高める点にある。
本発明の第1特徴構成はヒートポンプ式温調装置に係り、その特徴は、
圧縮機により冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷媒回路を備え、
流体の冷却負荷を処理する冷却運転と前記流体の加熱負荷を処理する加熱運転との切り換え実施を可能にしたヒートポンプ式温調装置であって、
前記冷媒回路における蒸発器として、冷媒を前記流体と熱交換させる流体冷却器としての冷却用蒸発器と、冷媒を吸熱源と熱交換させる吸熱用蒸発器とを各別に設け、
前記冷媒回路における凝縮器として、冷媒を前記流体と熱交換させる流体加熱器としての加熱用凝縮器と、冷媒を放熱源と熱交換させる放熱用凝縮器とを各別に設け、
前記冷却用蒸発器に通過させる冷媒と前記吸熱用蒸発器に通過させる冷媒との分流比を調整する蒸発側の分流比調整手段を設けるとともに、
この蒸発側の分流比調整手段による分流比調整とは独立して、前記加熱用凝縮器に通過させる冷媒と前記放熱用凝縮器に通過させる冷媒との分流比を調整する凝縮側の分流比調整手段を設け
前記冷却運転として、前記蒸発側の分流比調整手段による分流比調整において前記冷却用蒸発器に通過させる側の冷媒の流量比率を最大化した状態で、前記圧縮機の出力を前記流体の冷却負荷に応じて調整する通常冷却運転と、
前記圧縮機の出力を最小化した状態で、前記冷却用蒸発器に通過させる冷媒と前記吸熱用蒸発器に通過させる冷媒との分流比を前記流体の冷却負荷に応じて前記蒸発側の分流比調整手段により調整する低負荷冷却運転とを、選択的に実施し、
前記加熱運転として、前記凝縮側の分流比調整手段による分流比調整において前記加熱用凝縮器に通過させる側の冷媒の流量比率を最大化した状態で、前記圧縮機の出力を前記流体の加熱負荷に応じて調整する通常加熱運転と、
前記圧縮機の出力を最小化した状態で、前記加熱用凝縮器に通過させる冷媒と前記放熱用凝縮器に通過させる冷媒との分流比を前記流体の加熱負荷に応じて前記凝縮側の分流比調整手段により調整する低負荷加熱運転とを、選択的に実施する構成にしてある点にある。
この構成によれば、圧縮機の出力は一定に保ちながらも、冷却運転では、蒸発側の分流比調整手段による分流比調整において、冷却用蒸発器に通過させる側の冷媒の流量比率を小さくするほど、冷却用蒸発器での流体に対する冷却量を小さくすることができ、また、加熱運転では、凝縮側の分流比調整手段による分流比調整において、加熱用凝縮器に通過させる側の冷媒の流量比率を小さくするほど、加熱用凝縮器での流体に対する加熱量を小さくすることができる。
そして、このことにより、冷却運転で対応することができる負荷範囲と加熱運転で対応することができる負荷範囲とを実質的に連続させることができて、それら対応可能な負荷範囲どうしの間に対応不能な負荷範囲が介在するのを回避することができる。
また、上記構成によれば、冷却用蒸発器での流体に対する冷却量と加熱用凝縮器での流体に対する加熱量とのバランスを変えることで、冷却運転状態と加熱運転状態との夫々を実質的に現出することができるから、蒸発側及び凝縮側の分流比調整手段による分流比調整だけで、冷却運転と加熱運転との切り換えを行うことができる。
即ち、このことにより、冷却運転と加熱運転との切り換えを四方弁により行う従来装置のように、冷却運転と加熱運転との切り換えの際に一時的にせよ圧縮機の運転を停止する期間が必要になることを回避することができる。
したがって、この構成によれば、圧縮機の一時的な運転停止を伴うことなく、また、負荷変化に対して温調出力を常に適切に追従させながら、冷却運転と加熱運転との切り換えを行うことができ、この点で、従来装置に比べ装置性能を効果的に高めることができる。
また、上記構成の実施において、流体の温調負荷が冷却負荷から加熱負荷に変化するのに伴い冷却運転から加熱運転への切り換えを自動的に実行し、また、流体の温調負荷が加熱負荷から冷却負荷に変化するのに伴い加熱運転から冷却運転への切り換えを自動的に実行する構成にすれば、装置の利便性も一層高めることができる。
なお、本発明で言う「分流比の調整」とは、一方の冷媒の流量比率を0%にすることを含む調整であってよい。
そしてまた、上記第1特徴構成では、
前記冷却運転として、前記蒸発側の分流比調整手段による分流比調整において前記冷却用蒸発器に通過させる側の冷媒の流量比率を最大化した状態で、前記圧縮機の出力を前記流体の冷却負荷に応じて調整する通常冷却運転と、
前記圧縮機の出力を最小化した状態で、前記冷却用蒸発器に通過させる冷媒と前記吸熱用蒸発器に通過させる冷媒との分流比を前記流体の冷却負荷に応じて前記蒸発側の分流比調整手段により調整する低負荷冷却運転とを、選択的に実施し、
前記加熱運転として、前記凝縮側の分流比調整手段による分流比調整において前記加熱用凝縮器に通過させる側の冷媒の流量比率を最大化した状態で、前記圧縮機の出力を前記流体の加熱負荷に応じて調整する通常加熱運転と、
前記圧縮機の出力を最小化した状態で、前記加熱用凝縮器に通過させる冷媒と前記放熱用凝縮器に通過させる冷媒との分流比を前記流体の加熱負荷に応じて前記凝縮側の分流比調整手段により調整する低負荷加熱運転とを、選択的に実施する構成にしてあるから、次の作用・効果も奏する。
即ち、冷却負荷が大きい状況では、冷却運転として通常冷却運転を実施し、また、冷却負荷が小さい状況では、冷却運転として低負荷冷却運転を実施するようにして、対応可能な冷却負荷の範囲を大きく確保することができる。
また同様に、加熱負荷が大きい状況では、加熱運転として通常加熱運転を実施し、また、加熱負荷が小さい状況では、加熱運転として低負荷加熱運転を実施するようにして、対応可能な加熱負荷の範囲を大きく確保することができる。
本発明の第特徴構成は、第特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記通常冷却運転の実施中では、前記圧縮機の出力が最小化したとき、前記低負荷冷却運転への切り換えを実行し、
前記低負荷冷却運転の実施中では、前記蒸発側の分流比調整手段による分流比調整において前記冷却用蒸発器に通過させる側の冷媒の流量比率が最大化したとき、前記通常冷却運転への切り換えを実行し、
前記通常加熱運転の実施中では、前記圧縮機の出力が最小化したとき、前記低負荷加熱運転への切り換えを実行し、
前記低負荷加熱運転の実施中では、前記凝縮側の分流比調整手段による分流比調整において前記加熱用凝縮器に通過させる側の冷媒の流量比率が最大化したとき、前記通常加熱運転への切り換えを実行する構成にしてある点にある。
この構成によれば、冷却負荷の変化に伴い通常冷却運転と低負荷冷却運転との切り換えが自動的に行われ、また、加熱負荷の変化に伴い通常加熱運転と低負荷加熱運転との切り換えが自動的に行われるから、装置の利便性を一層高めることができる。
本発明の第特徴構成は、第1又は第2特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記冷媒回路は、前記圧縮機から吐出される冷媒を2流に分流して、一方の分流冷媒を前記加熱用凝縮器に通過させ、他方の分流冷媒と前記加熱用凝縮器から送出される凝縮冷媒とを合流させて前記放熱用凝縮器に通過させる構成にしてある点にある。
この構成によれば、冷媒を調整対象の流体と熱交換させる加熱用凝縮器と、冷媒を放熱源と熱交換させる放熱用凝縮器との夫々で冷媒を凝縮させながらも、次に膨張手段を通じて蒸発工程に送る冷媒の状態を放熱用凝縮器において均一にすることができるから、冷媒回路の運転を安定化することができる。
本発明の第特徴構成は、第1〜第特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記流体が空気であり、
前記冷却運転では、前記空気を前記冷却用蒸発器において冷却除湿し、それに続いて、冷却除湿した前記空気を前記加熱用凝縮器において所要温度まで再熱する構成にしてある点にある。
この構成によれば、冷却運転において調整対象の空気を冷却除湿しながら、その空気を所要温度に調整できるから、空気の温度調整とともに冷却運転において空気の除湿も要求されるような空調用途に好適な装置することができる。
ヒートポンプ式空調機の装置構成図 通常冷却運転の実施状態を示す図 低負荷冷却運転の実施状態を示す図 通常加熱運転の実施状態を示す図 低負荷加熱運転の実施状態を示す図 冷却運転での各制御を説明する表 加熱運転での各制御を説明する表 通常冷却運転と低負荷冷却運転との切り換え制御を示すフローチャート 通常加熱運転と低負荷加熱運転との切り換え制御を示すフローチャート 冷却運転と加熱運転との切り換え制御を示すフローチャート 冷却運転と加熱運転との切り換え時における各部の推移状態を示すグラフ 従来のヒートポンプ式温調装置の構成図
図1は、ヒートポンプ式温調装置の一例であるヒートポンプ式空調機を示し、このヒートポンプ式空調機は、導入した外気OAを調整対象の流体として、その導入外気OAの温湿度を調整する。
また、このヒートポンプ式空調機は、圧縮機Cmpにより冷媒rを循環させる蒸気圧縮式の冷媒回路RCを備えている。
1は空調機ケーシングであり、この空調機ケーシング1の一端には空気入口2を形成し、空調機ケーシング1の他端には空気出口3を形成してある。
空調機ケーシング1の内部には、空気冷却器としてのフィンチューブ型の冷却用蒸発器E1と、空気加熱器としてのフィンチューブ型の加熱用凝縮器C1と、水蒸気sの噴霧により空気を加湿する加湿器4とを、その順で空気入口2の側から空気出口3の側へ並べて装備してある。
空調機ケーシング1における空気出口3には給気用送風機6を装備してあり、この給気用送風機6の運転により、空気入口2を通じて調整対象の外気OAを空調機ケーシング1に導入するとともに、空調機ケーシング1の内部で温湿度調整した外気を調整済み空気SAとして空気出口3を通じ空調機ケーシング1から空調対象空間5に送出する。
7Aは放熱用室外機であり、この放熱用室外機7Aには、放熱器としてのフィンチューブ型の放熱用凝縮器C2と、この放熱用凝縮器C2に対し放熱源として放熱用空気Aa(例えば、外気など)を通風する放熱用ファン8とを装備してある。
また、この放熱用室外機7Aには、冷媒回路RCにおける圧縮機Cmpも装備してある。
7Bは吸熱用室外機であり、この吸熱用室外機7Bには、吸熱器としてのフィンチューブ型の吸熱用蒸発器E2と、この吸熱用蒸発器E2に対し吸熱源として吸熱用空気Ab(例えば、外気や空調対象空間5からの排出空気など)を通風する吸熱用ファン9とを装備してある。
冷媒回路RCを構成するのに、圧縮機Cmpの冷媒吐出口は、冷媒路10を通じて加熱用凝縮器C1の冷媒入口に接続し、加熱用凝縮器C1の冷媒出口は、冷媒路11を通じて放熱用凝縮器C2の冷媒入口に接続してある。
冷媒路10と冷媒路11とは、バイパス冷媒路12により短絡的に接続してあり、圧縮機Cmpからの吐出冷媒rの一部は、バイパス冷媒路12を通じて直接に放熱用凝縮器C2の冷媒入口に導くようにしてある。
即ち、この冷媒回路RCでは、圧縮機Cmpから吐出される冷媒rを2流に分流して、一方の分流冷媒rを加熱用凝縮器C1に通過させ、他方の分流冷媒rと加熱用凝縮器C1から送出される凝縮冷媒rとを合流させて放熱用凝縮器C2に通過させる。
そして、加熱用凝縮器C1の冷媒入口には、加熱用流量調整弁Mv1を装備し、バイパス冷媒路12には、放熱用流量調整弁Mv2を装備してある。
これら加熱用流量調整弁Mv1及び放熱用流量調整弁Mv2は、加熱用凝縮器C1に通過させる冷媒rと放熱用凝縮器C2に通過させる冷媒rとの分流比を調整する凝縮側の分流比調整手段を構成する。
放熱用凝縮器C2の冷媒出口は、冷媒路13を通じて冷却用蒸発器E1の冷媒入口に接続し、冷却用蒸発器E1の冷媒出口は冷媒路14を通じて圧縮機Cmpの冷媒吸込口に接続してある。
また、冷媒路13から分岐した冷媒路15は、吸熱用蒸発器E2の冷媒入口に接続し、吸熱用蒸発器E2の冷媒出口は、冷媒路16を通じて冷媒路14に接続してある。
そして、冷却用蒸発器E1の冷媒入口には、冷却用膨張弁Ex1を装備し、冷却用蒸発器E1の冷媒出口には、蒸発圧力制御弁Erを装備し、吸熱用蒸発器E2の冷媒入口には、吸熱用膨張弁Ex2を装備してある。
これら冷却用膨張弁Ex1及び吸熱用膨張弁Ex2は、膨張弁であると同時に、冷却用蒸発器E1に通過させる冷媒rと吸熱用蒸発器E2に通過させる冷媒rとの分流比を調整する蒸発側の分流比調整手段を構成する。
なお、圧縮機Cmpからの吐出後に2流に分流された冷媒rは、放熱用凝縮器C2への流入段階で合流し、また、冷却用蒸発器E1及び吸熱用蒸発器E2の夫々から送出される冷媒rは、圧縮機Cmpへの戻し段階で合流するから、前記した凝縮側の分流比調整手段Mv1,Mv2による分流比調整と、上記した蒸発側の分流比調整手段Ex1,Ex2による分流比調整とは、互いに独立したものになる。
一方、センサ類については、調整対象である外気OAの温度T0を検出する温度センサS0、冷却用蒸発器E1における出口空気の温度T1を検出する温度センサS1、空調機ケーシング1から送出する調整済み空気SAの温度T2を検出する温度センサS2、同じく調整済み空気SAの湿度X2を検出する湿度センサS3を設けてある。
また、その他のセンサ類として、圧縮機Cmpの吸込圧力Ps、冷却用蒸発器E1における出口冷媒rの過熱度Sh1、吸熱用蒸発器E2における出口冷媒rの過熱度Sh2、放熱用凝縮器C2での冷媒rの凝縮圧力Pcなどを検出するセンサ類(図示省略)を設けてある。
このヒートポンプ式空調機では、基本的に、導入外気OAの冷却負荷を処理する冷却運転と導入外気OAの加熱負荷を処理する加熱運転とを択一的に実施する。
具体的には、冷却運転では、空調機ケーシング1に導入した外気OAを、冷却用蒸発器E1において蒸発過程の冷媒rと熱交換させることで冷却除湿し、続いて、この冷却除湿した空気を、加熱用凝縮器C1において凝縮過程の冷媒rと熱交換させることで再熱(冷却除湿後の加熱)し、この再熱した空気を、必要に応じ加湿器4により加湿した上で、調整済み空気SAとして空調機ケーシング1から空調対象空間5に送出する。
また、加熱運転では、空調機ケーシング1に導入した外気OAを、加熱用凝縮器C1において凝縮過程の冷媒rと熱交換させることで加熱し、続いて、この加熱した空気を、加湿器4により加湿し、この加湿した空気を、調整済み空気SAとして空調機ケーシング1から空調対象空間5に送出する。
冷却運転には、冷却負荷が大きい状況で実施する「通常冷却運転」と、冷却負荷が小さい状況で実施する「低負荷冷却運転」との2種があり、通常冷却運転では、図2に示すように、圧縮機Cmpからの吐出冷媒rを2流に分流し、一方の分流冷媒rは、加熱用流量調整弁Mv1を通じ加熱用凝縮器C1に供給して、この加熱用凝縮器C1での凝縮過程で冷却除湿後の空気と熱交換させる。
これに併行して、他方の分流冷媒rは、放熱用流量調整弁Mv2を通じ、加熱用凝縮器C1からの送出冷媒rと合流させた状態で放熱用凝縮器C2に供給して、この放熱用凝縮器C2での凝縮過程で放熱用空気Aaと熱交換させる。
放熱用凝縮器C2から送出される凝縮冷媒rは、冷却用膨張弁Ex1を通じ冷却用蒸発器E1に供給して、この冷却用蒸発器E1での蒸発過程で導入外気OAと熱交換させる。
そして、冷却用蒸発器E1から送出される蒸発冷媒rは、蒸発圧力制御弁Erを通じて圧縮機Cmpに戻す。
これに対し、低負荷冷却運転では、図3に示すように、圧縮機Cmpからの吐出冷媒rを2流に分流し、一方の分流冷媒rは、加熱用流量調整弁Mv1を通じ加熱用凝縮器C1に供給して、この加熱用凝縮器C1での凝縮過程で冷却除湿後の空気と熱交換させる。
これに併行して、他方の分流冷媒rは、放熱用流量調整弁Mv2を通じ、加熱用凝縮器C1からの送出冷媒rと合流させた状態で放熱用凝縮器C2に供給して、この放熱用凝縮器C2での凝縮過程で放熱用空気Aaと熱交換させる。
放熱用凝縮器C2から送出される凝縮冷媒rは再び2流に分流し、一方の分流冷媒rは、冷却用膨張弁Ex1を通じ冷却用蒸発器E1に供給して、この冷却用蒸発器E1での蒸発過程で導入外気OAと熱交換させる。
これに併行して、他方の分流冷媒rは、吸熱用膨張弁Ex2を通じ吸熱用蒸発器E2に供給して、この吸熱用蒸発器E2での蒸発過程で吸熱用空気Abと熱交換させる。
そして、冷却用蒸発器E1から送出される蒸発冷媒rと、吸熱用蒸発器E2から送出される蒸発冷媒rとを合流させて圧縮機Cmpに戻す。
同様に、加熱運転には、加熱負荷が大きい状況で実施する「通常加熱運転」と、加熱負荷が小さい状況で実施する「低負荷加熱運転」との2種があり、通常加熱運転では、図4に示すように、圧縮機Cmpからの吐出冷媒rは、その全量を加熱用流量調整弁Mv1を通じ加熱用凝縮器C1に供給して、この加熱用凝縮器C1での凝縮過程で導入外気OAと熱交換させる。
加熱用凝縮器C1から送出される凝縮冷媒rは、放熱用凝縮器C2及び吸熱用膨張弁Ex2を通じ吸熱用蒸発器E2に供給して、この吸熱用蒸発器E2での蒸発過程で吸熱用空気Abと熱交換させる。
そして、吸熱用蒸発器E2から送出される蒸発冷媒rは圧縮機Cmpに戻す。
これに対し、低負荷加熱運転では、図5に示すように、圧縮機Cmpからの吐出冷媒rを2流に分流し、一方の分流冷媒rは、加熱用流量調整弁Mv1を通じ加熱用凝縮器C1に供給して、この加熱用凝縮器C1での凝縮過程で導入外気OAと熱交換させる。
これに併行して、他方の分流冷媒rは、放熱用流量調整弁Mv2を通じ、加熱用凝縮器C1からの送出冷媒と合流させた状態で放熱用凝縮器C2に供給して、この放熱用凝縮器C2での凝縮過程で放熱用空気Aaと熱交換させる。
放熱用凝縮器C2から送出される凝縮冷媒rは、その全量を吸熱用膨張弁Ex2を通じ吸熱用蒸発器E2に供給して、この吸熱用蒸発器E2での蒸発過程で吸熱用空気Abと熱交換させる。
そして、吸熱用蒸発器E2から送出される蒸発冷媒rは圧縮機Cmpに戻す。
即ち、低負荷冷却運転では、放熱用凝縮器C2から送出される凝縮冷媒rを、冷却用蒸発器E1で導入外気OAに対し冷却作用させるのに加えて、吸熱用蒸発器E2でも吸熱用空気Aaに対して吸熱作用(換言すれば冷却作用)させることで、圧縮機Cmpの必要出力Gを高く保つようにし、これにより、導入外気OAの冷却負荷が小さい状況でも、圧縮機Cmpの出力Gが調整範囲の下限値Gmin未満になることを回避して、冷却運転を継続できるようにする。
また同様に、低負荷加熱運転では、圧縮機Cmpからの吐出冷媒rを、加熱用凝縮器C1で導入外気OAに対して加熱作用させるのに加えて、放熱用凝縮器C2でも放熱用空気Aaに対して放熱作用(換言すれば加熱作用)させることで、圧縮機Cmpの必要出力Gを高く保つようにし、これにより、導入外気OAの加熱負荷が小さい状況でも、圧縮機Cmpの出力Gが調整範囲の下限値Gmin未満になることを回避して、加熱運転を継続できるようにする。
17は制御装置であり、この制御装置17は、上記4種の各運転において次の制御を実行する。
(通常冷却運転)図6参照
a.圧縮機Cmpにおける吸込圧力Psの検出値に基づき圧縮機Cmpの出力G(具体的には圧縮機モータの回転周波数)を調整することで、圧縮機Cmpの吸込圧力Psを設定値に調整する。
b.冷却用蒸発器E1における出口冷媒rの過熱度Sh1の検出値に基づき冷却用膨張弁Ex1の開度を調整することで、冷却用蒸発器E1における出口冷媒rの過熱度Sh1を設定値に調整する。
c.吸熱用膨張弁Ex2は全閉状態に固定する。
d.冷却用蒸発器E1における出口空気の温度T1の検出値に基づき蒸発圧力制御弁Erの開度を調整することで、冷却用蒸発器E1における出口空気の温度T1を設定値Ts1に調整する。
e.調整済み空気SAの温度T2の検出値に基づき加熱用流量調整弁Mv1の開度を調整することで、空調対象空間5に送出する調整済み空気SAの温度T2を設定値Ts2に調整する。
f.放熱用流量調整弁Mv2の開度を、加熱用流量調整弁Mv1の開度とは背反させる状態に調整する。
g.調整済み空気SAの湿度X2の検出値に基づき加湿用流量調整弁Mv3の開度を調整して、加湿器4での水蒸気sの噴霧量を調整することで、空調対象空間5に送出する調整済み空気SAの湿度X2を設定値Xs2に調整する。
h.放熱用凝縮器C2における冷媒rの凝縮圧力Pcの検出値に基づき放熱用ファン8の出力を調整することで、放熱用凝縮器C2における冷媒rの凝縮圧力Pcを設定値に調整する。
(低負荷冷却運転)同図6参照
a.圧縮機Cmpの出力Gは調整範囲の下限値Gminに固定する。
b.通常冷却運転と同様、冷却用蒸発器E1における出口冷媒rの過熱度Sh1の検出値に基づき冷却用膨張弁Ex1の開度を調整することで、冷却用蒸発器E1における出口冷媒rの過熱度Sh1を設定値に調整する。
c.圧縮機Cmpにおける吸込圧力Psの検出値に基づき吸熱用膨張弁Ex2の開度を調整することで、圧縮機Cmpの吸込圧力Psを設定値に調整する。
d.通常冷却運転と同様、冷却用蒸発器E1における出口空気の温度T1の検出値に基づき蒸発圧力制御弁Erの開度を調整することで、冷却用蒸発器E1における出口空気の温度T1を設定値Ts1に調整する。
e.通常冷却運転と同様、調整済み空気SAの温度T2の検出値に基づき加熱用流量調整弁Mv1の開度を調整することで、空調対象空間5に送出する調整済み空気SAの温度T2を設定値Ts2に調整する。
f.通常冷却運転と同様、放熱用流量調整弁Mv2の開度を、加熱用流量調整弁Mv1の開度とは背反させる状態に調整する。
g.通常冷却運転と同様、調整済み空気SAの湿度X2の検出値に基づき加湿用流量調整弁Mv3の開度を調整して、加湿器4での水蒸気sの噴霧量を調整することで、空調対象空間5に送出する調整済み空気SAの湿度X2を設定値Xs2に調整する。
h.通常冷却運転と同様、放熱用凝縮器C2における冷媒rの凝縮圧力Pcの検出値に基づき放熱用ファン8の出力を調整することで、放熱用凝縮器C2における冷媒rの凝縮圧力Pcを設定値に調整する。
つまり、通常冷却運転では、前記した蒸発側の分流比調整手段Ex1,Ex2による分流比調整において冷却用蒸発器E1に通過させる側の冷媒rの流量比率を最大化した状態で、圧縮機Cmpの出力Gを導入外気OAの冷却負荷に応じて調整する運転形態を採る。
これに対して、低負荷冷却運転では、圧縮機Cmpの出力Gを最小化した状態で、冷却用蒸発器E1に通過させる冷媒rと吸熱用蒸発器E2に通過させる冷媒rとの分流比を導入外気OAの冷却負荷に応じて蒸発側の分流比調整手段Ex1,Ex2により調整する運転形態を採る。
(通常加熱運転)図7参照
a.調整済み空気SAの温度T2の検出値に基づき圧縮機Cmpの出力Gを調整することで、空調対象空間5に送出する調整済み空気SAの温度T2を設定値Ts2に調整する。
b.冷却用膨張弁Ex1は全閉状態に固定する。
c.導入外気OAの温度T0の検出値が設定閾値Teより小さい状況(T0<Te)では、吸熱用蒸発器E2における出口冷媒rの過熱度Sh2の検出値に基づき吸熱用膨張弁Ex2の開度を調整することで、吸熱用蒸発器E2における出口冷媒rの過熱度Sh2を設定値に調整する。
また、導入外気OAの温度T0の検出値が設定閾値Te以上の状況(T0≧Te)では、圧縮機Cmpにおける吸込圧力Psの検出値に基づき吸熱用膨張弁Ex2の開度を調整することで、圧縮機Cmpの吸込圧力Psを設定値に調整する。
d.蒸発圧力制御弁Erは全閉若しくは最小開度状態に固定する。
e.加熱用流量調整弁Mv1は全開状態に固定する。
f.放熱用流量調整弁Mv2は全閉状態に固定する。
g.冷却運転と同様、調整済み空気SAの湿度X2の検出値に基づき加湿用流量調整弁Mv3の開度を調整して、加湿器4での水蒸気sの噴霧量を調整することで、空調対象空間5に送出する調整済み空気SAの湿度X2を設定値Xs2に調整する。
h.冷却運転と同様、放熱用凝縮器C2における冷媒rの凝縮圧力Pcの検出値に基づき放熱用ファン8の出力を調整することで、放熱用凝縮器C2における冷媒rの凝縮圧力Pcを設定値に調整する。
(低負荷加熱運転)同図7参照
a.圧縮機Cmpの出力Gは調整範囲の下限値Gminに固定する。
b.通常加熱運転と同様、冷却用膨張弁Ex1は全閉状態に固定する。
c.通常加熱運転と同様、導入外気OAの温度T0の検出値が設定閾値Teより小さい状況(T0<Te)では、吸熱用蒸発器E2における出口冷媒rの過熱度Sh2の検出値に基づき吸熱用膨張弁Ex2の開度を調整することで、吸熱用蒸発器E2における出口冷媒rの過熱度Sh2を設定値に調整する。
また、導入外気OAの温度T0の検出値が設定閾値Te以上の状況(T0≧Te)では、圧縮機Cmpにおける吸込圧力Psの検出値に基づき吸熱用膨張弁Ex2の開度を調整することで、圧縮機Cmpの吸込圧力Psを設定値に調整する。
d.通常加熱運転と同様、蒸発圧力制御弁Erは全閉若しくは最小開度状態に固定する。
e.調整済み空気SAの温度T2の検出値に基づき加熱用流量調整弁Mv1の開度を調整することで、空調対象空間5に送出する調整済み空気SAの温度T2を設定値Ts2に調整する。
f.放熱用流量調整弁Mv2の開度を、加熱用流量調整弁Mv1の開度とは背反させる状態に調整する。
g.冷却運転と同様、調整済み空気SAの湿度X2の検出値に基づき加湿用流量調整弁Mv3の開度を調整して、加湿器4での水蒸気sの噴霧量を調整することで、空調対象空間5に送出する調整済み空気SAの湿度X2を設定値Xs2に調整する。
h.冷却運転と同様、放熱用凝縮器C2における冷媒rの凝縮圧力Pcの検出値に基づき放熱用ファン8の出力を調整することで、放熱用凝縮器C2における冷媒rの凝縮圧力Pcを設定値に調整する。
つまり、通常加熱運転では、前記した凝縮側の分流比調整手段Mv1,Mv2による分流比調整において加熱用凝縮器C1に通過させる側の冷媒rの流量比率を最大化した状態で、圧縮機Cmpの出力Gを導入外気OAの加熱負荷に応じて調整する運転形態を採る。
また、低負荷加熱運転では、圧縮機Cmpの出力Gを最小化した状態で、加熱用凝縮器C1に通過させる冷媒rと放熱用凝縮器C2に通過させる冷媒rとの分流比を導入外気OAの加熱負荷に応じて凝縮側の分流比調整手段Mv1,Mv2により調整する運転形態を採る。
以上の各制御に加えて、制御装置17は、通常冷却運転と低負荷冷却運転との切り換え、及び、通常加熱運転と低負荷加熱運転との切り換えの夫々を自動的に実行する。
具体的には、図8に示すように、圧縮機Cmpの出力Gを調整することで圧縮機Cmpにおける吸込圧力Psを設定値に調整する「通常冷却運転」の実施下では、圧縮機Cmpの出力Gが調整範囲の下限値Gminまで低下すると、通常冷却運転から低負荷冷却運転への切り換えを実行する。
また、吸熱用膨張弁Ex2の開度を調整することで圧縮機Cmpにおける吸込圧力Psを設定値に調整する「低負荷冷却運転」の実施下では、吸熱用膨張弁Ex2の開度が全閉状態に至る(換言すれば、蒸発側の分流比調整手段Ex1,Ex2による分流比調整において冷却用蒸発器E1に通過させる側の冷媒rの流量比率が最大化する)と、低負荷冷却運転から通常冷却運転への切り換えを実行する。
一方、図9に示すように、圧縮機Cmpの出力Gを調整することで調整済み空気SAの温度T2を設定値Ts2に調整する「通常加熱運転」の実施下では、圧縮機Cmpの出力Gが調整範囲の下限値Gminまで低下すると、通常加熱運転から低負荷加熱運転への切り換えを実行する。
また、加熱用流量調整弁Mv1の開度を調整することで調整済み空気SAの温度T2を設定値Ts2に調整する「低負荷加熱運転」の実施下では、加熱用流量調整弁Mv1の開度が全開状態になる(換言すれば、凝縮側の分流比調整手段Mv1,Mv2による分流比調整において加熱用凝縮器C1に通過させる側の冷媒rの流量比率が最大化する)と、低負荷加熱運転から通常加熱運転への切り換えを実行する。
さらに、制御装置17は、冷却運転と加熱運転との切り換えも自動的に実行し、具体的には、図10に示すように、蒸発圧力制御弁Erの開度を調整することで冷却用蒸発器E1における出口空気の温度T1を設定値Ts1に調整する「冷却運転」の実施下では、温度センサS0により検出される外気OAの温度T0が冷却用蒸発器E1における出口空気温度T1の設定値Ts1以下(T0≦Ts1)になる(即ち、導入外気OAの冷却負荷が解消して加熱負荷が発生する)と、冷却運転から加熱運転への切り換え(通常は、低負荷冷却運転から低負荷加熱運転への切り換え)を実行する。
また、「加熱運転」の実施下では、温度センサS0により検出される外気OAの温度T0が冷却用蒸発器E1における出口空気温度T1の設定値Ts1より高く(T0>Ts1)なる(即ち、導入外気OAの加熱負荷が解消して冷却負荷が発生する)と、加熱運転から冷却運転への切り換え(通常は、低負荷加熱運転から低負荷冷却運転への切り換え)を実行する。
即ち、このヒートポンプ式空調機であれば、冷却運転で対応できる負荷範囲と加熱運転で対応できる負荷範囲とが連続するから、また、四方弁により冷却運転と加熱運転との切り換えを行う従来装置のように、冷却運転と加熱運転とで冷媒回路の大部分における冷媒の流れの向きを反転させるといったことがなく、実質的に冷媒回路RCの全体について冷媒rの流れの向きを保ったままで冷却運転と加熱運転とを実施するから、冷却運転と加熱運転との間に運転停止期間を介在させることなく冷却運転と加熱運転との切り換えを行うことができる。
この点で、従来機に比べ、ヒートポンプ式空調機の性能を効果的に高めることができる。
図11は、実験機での冷却運転と加熱運転との切り換え時における各部の推移状態を示すグラフであり、このグラフでは、導入外気OAの温度T0が冷却用蒸発器E1における出口空気温度T1の設定値Ts1より高く(T0>Ts1)なると、冷却用膨張弁Ex1及び蒸発圧力制御弁Erが開弁し始めて、加熱運転から冷却運転への切り換えが行われていることが認められる。
また逆に、導入外気OAの温度T0が冷却用蒸発器E1における出口空気温度T1の設定値Ts1より低く(T0≦Ts1)なると、冷却用膨張弁Ex1及び蒸発圧力制御弁Erが閉弁し始めて、冷却運転から加熱運転への切り換えが行われていることが認められる。
〔別実施形態〕
次に本発明の別実施形態を列記する。
上記の実施形態では、ヒートポンプ式温調装置の一例としてヒートポンプ式空調機を示したが、本発明によるヒートポンプ式温調装置は、空調機に限らず、各種分野において種々の用途に適用することができる。
温調対象の流体は、気体あるいは液体を問わず、冷却又は加熱による温度調整が要求される流体であれば、どのような流体であってもよい。
また、ヒートポンプ式空調機としての適用においても、その空調機に導入する空気は、外気OAに限らず、空調対象空間5からの還気空気、あるいは、還気空気と外気との混合空気、あるいはまた、他室からの取り入れ空気や他装置からの送出空気などであってもよい。
吸熱用蒸発器E2において冷媒rと熱交換させる吸熱源、及び、放熱用凝縮器C2において冷媒rと熱交換させる放熱源の夫々も、外気などの空気Aa,Abや他設備からの排出気体など、どのような気体であってもよく、また、河川水や井戸水あるいは廃水などの液体あるいは土壌や躯体などの固体であってもよい。
前述の実施形態では、冷却用蒸発器E1に通過させる冷媒rと吸熱用蒸発器E2に通過させる冷媒rとの分流比を調整する蒸発側の分流比調整手段を、各蒸発器E1,E2に対する膨張弁Ex1,Ex2により構成する例を示したが、専用の流量調整弁や分流比調整用の三方弁など、その他の形式の弁装置を用いて蒸発側の分流比調整手段を構成するようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、加熱用凝縮器C1に通過させる冷媒rと、放熱用凝縮器C2に通過させる冷媒rとの分流比を調整する凝縮側の分流比調整手段を、2つの流量調整弁Mv1,Mv2により構成する例を示したが、凝縮側の分流比調整手段も分流比調整用の三方弁など、その他の形式の弁装置を用いて構成するようにしてもよい。
前述の実施形態では、圧縮機Cmpからの吐出冷媒rを2流に分流して、一方の分流冷媒rを加熱用凝縮器C1に通過させ、そして、他方の分流冷媒rと加熱用凝縮器C1からの送出冷媒rとを、合流させて放熱用凝縮器C2に通過させるようにしたが、圧縮機Cmpからの吐出冷媒rを2流に分流した後、一方の分流冷媒rを加熱用凝縮器C1に通過させるとともに、他方の分流冷媒rを放熱用凝縮器C2に通過させ、そして、それら2流の分流冷媒rを各凝縮器C1,C2からの送出後に合流させるようにしてもよい。
前述の実施形態では、冷却用蒸発器E1と加熱用凝縮器C1とを各別に設ける例を示したが、場合によっては、冷却用蒸発器E1と加熱用凝縮器C1とを兼ねる兼用器を設け、冷却運転では、この兼用器を冷却用除湿器E1として機能させ、そして、加熱運転では、この兼用器を加熱用凝縮器C1として機能させる構成にしてもよい。
本発明よるヒートポンプ式温調装置は、空調機に限らず、各種分野において種々の用途に利用することができる。
Cmp 圧縮機
r 冷媒
RC 冷媒回路
OA 外気(流体)
E1 冷却用蒸発器
Ab 吸熱用空気(吸熱源)
E2 吸熱用蒸発器
C1 加熱用凝縮器
Aa 放熱用空気(放熱源)
C2 放熱用凝縮器
Ex1 冷却用膨張弁(蒸発側の分流比調整手段)
Ex2 吸熱用膨張弁(蒸発側の分流比調整手段)
Mv1 加熱用流量調整弁(凝縮側の分流比調整手段)
Mv2 放熱用流量調整弁(凝縮側の分流比調整手段)
G 圧縮機出力

Claims (4)

  1. 圧縮機により冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷媒回路を備え、
    流体の冷却負荷を処理する冷却運転と前記流体の加熱負荷を処理する加熱運転との切り換え実施を可能にしたヒートポンプ式温調装置であって、
    前記冷媒回路における蒸発器として、冷媒を前記流体と熱交換させる流体冷却器としての冷却用蒸発器と、冷媒を吸熱源と熱交換させる吸熱用蒸発器とを各別に設け、
    前記冷媒回路における凝縮器として、冷媒を前記流体と熱交換させる流体加熱器としての加熱用凝縮器と、冷媒を放熱源と熱交換させる放熱用凝縮器とを各別に設け、
    前記冷却用蒸発器に通過させる冷媒と前記吸熱用蒸発器に通過させる冷媒との分流比を調整する蒸発側の分流比調整手段を設けるとともに、
    この蒸発側の分流比調整手段による分流比調整とは独立して、前記加熱用凝縮器に通過させる冷媒と前記放熱用凝縮器に通過させる冷媒との分流比を調整する凝縮側の分流比調整手段を設け
    前記冷却運転として、前記蒸発側の分流比調整手段による分流比調整において前記冷却用蒸発器に通過させる側の冷媒の流量比率を最大化した状態で、前記圧縮機の出力を前記流体の冷却負荷に応じて調整する通常冷却運転と、
    前記圧縮機の出力を最小化した状態で、前記冷却用蒸発器に通過させる冷媒と前記吸熱用蒸発器に通過させる冷媒との分流比を前記流体の冷却負荷に応じて前記蒸発側の分流比調整手段により調整する低負荷冷却運転とを、選択的に実施し、
    前記加熱運転として、前記凝縮側の分流比調整手段による分流比調整において前記加熱用凝縮器に通過させる側の冷媒の流量比率を最大化した状態で、前記圧縮機の出力を前記流体の加熱負荷に応じて調整する通常加熱運転と、
    前記圧縮機の出力を最小化した状態で、前記加熱用凝縮器に通過させる冷媒と前記放熱用凝縮器に通過させる冷媒との分流比を前記流体の加熱負荷に応じて前記凝縮側の分流比調整手段により調整する低負荷加熱運転とを、選択的に実施する構成にしてあるヒートポンプ式温調装置。
  2. 前記通常冷却運転の実施中では、前記圧縮機の出力が最小化したとき、前記低負荷冷却運転への切り換えを実行し、
    前記低負荷冷却運転の実施中では、前記蒸発側の分流比調整手段による分流比調整において前記冷却用蒸発器に通過させる側の冷媒の流量比率が最大化したとき、前記通常冷却運転への切り換えを実行し、
    前記通常加熱運転の実施中では、前記圧縮機の出力が最小化したとき、前記低負荷加熱運転への切り換えを実行し、
    前記低負荷加熱運転の実施中では、前記凝縮側の分流比調整手段による分流比調整において前記加熱用凝縮器に通過させる側の冷媒の流量比率が最大化したとき、前記通常加熱運転への切り換えを実行する構成にしてある請求項1記載のヒートポンプ式温調装置。
  3. 前記冷媒回路は、前記圧縮機から吐出される冷媒を2流に分流して、一方の分流冷媒を前記加熱用凝縮器に通過させ、他方の分流冷媒と前記加熱用凝縮器から送出される凝縮冷媒とを合流させて前記放熱用凝縮器に通過させる構成にしてある請求項1又は2記載のヒートポンプ式温調装置。
  4. 前記流体が空気であり、
    前記冷却運転では、前記空気を前記冷却用蒸発器において冷却除湿し、それに続いて、冷却除湿した前記空気を前記加熱用凝縮器において所要温度まで再熱する構成にしてある請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒートポンプ式温調装置。
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