JP2008298405A - 冷却水温度の推測方法および推測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却塔に戻される冷却水のバイパス流量が0で、かつ冷却塔ファンがON(冷却塔ファンが複数台ある場合には全台ON)となっていることを条件とし、その時の冷却水の出口温度Tout、入口温度Tin、外気エンタルピEairを実測する。そして、冷却水の出口温度の実測値Toutと入口温度の実測値Tinとから、Tave’=(Tin+Tout)/2として頂点温度Tave’を求め、この頂点温度Tave’の飽和空気のエンタルピを頂点エンタルピEtop’とし、頂点エンタルピEtop’と外気エンタルピの実測値Eairとの差を冷却水の入口温度の実測値Tinと出口温度の実測値Toutとの差で除して熱交換係数α’(α’=(Etop’−Eair)/(Tin−Tout))を求め、現在使用している熱交換係数αをα’に置き換える。
【選択図】 図3
Description
〔熱交換係数の設定〕
冷却水温度の推測に先立って、冷却塔の冷却能力を示すパラメータとして熱交換係数αを定めておく。この熱交換係数αは、非特許文献2に示された冷却塔の特性三角形(図10参照)の底辺をW、高さをHとした場合、α=H/Wとして表されるパラメータである。なお、図10において、横軸は温度(℃)、縦軸はエンタルピ(kJ/kg)を示し、その詳細については非特許文献2に示されているので、ここでの説明は省略する。
ここでは説明を簡単とするために、冷却塔からの冷却水は一定流量(設計流量)であるものとする。すなわち冷却水の変流量制御は行わず、また冷却塔をバイパスする水量はゼロである(つまり冷却塔を設計水量が通過する)ものとする。計算に用いる熱交換計算αは、冷却塔設計条件から計算した値を用いる。また、冷却塔が生成する冷却水の定格温度差(出口温度と入口温度との温度差の定格値)をΔTSとする。
(1)外気エンタルピEairの計算条件値を決める。
(2)冷却水温度差ΔTの計算条件値を決める。
(3)冷却水温度差ΔTと熱交換係数αとから冷却塔の特性三角形の高さH(エンタルピΔEp)を計算する。この場合、ΔEp=ΔT×αとして、エンタルピΔEpを算出する。
(4)次に、冷却塔の特性三角形の頂点Ptopのエンタルピ(頂点エンタルピ)Etopを求める。この場合、外気エンタルピEairの計算条件値から、Etop=Eair+ΔEpとして、頂点エンタルピEtopを算出する。
(5)次に、飽和空気のエンタルピが頂点エンタルピEtopと等しい状態となる温度を頂点温度Taveとして探し出す。
(6)そして、頂点温度Taveと冷却水温度差ΔTとから、Tout=Tave−(ΔT/2)として、冷却水の出口温度Toutを算出する。これにより、外気エンタルピEairおよび冷却水温度差ΔTを所望の値(計算条件値)とした時の冷却水の出口温度Tout、すなわち所望の条件下での冷却水の出口温度Toutが推測される。
なお、上述においては、冷却塔からの冷却水は一定流量(設計流量)であるものとしたが、非特許文献2においては、冷却水流量変化時の計算方法も記載されている。
〔実施の形態1〕
図1は本発明に係る冷却水温度の推測方法の実施に用いる熱源システムの一実施の形態(実施の形態1)の要部を示す計装図である。この実施の形態1は、冷却水の流量を一定流量(定格流量)とするシステム、すなわち冷却水の変流量制御を行わないシステムへの適用例である。
以下、図2に示すフローチャートを参照して、推測装置19が行う冷却塔18Aからの冷却水の出口温度の推測処理について説明する。推測装置19は、この冷却水の出口温度の推測処理を予め定められた制御周期毎に実行する。
推測装置19は、上述した冷却水の出口温度の推測処理と並行して、データ収集周期毎に熱交換係数の補正処理を行う。以下、図3に示すフローチャートを参照して、推測装置19が行う熱交換係数の補正処理について説明する。
図4は本発明に係る冷却水温度の推測方法の実施に用いる熱源システムの他の実施の形態(実施の形態2)の要部を示す計装図である。この実施の形態2は、冷却水の流量を可変とするシステム、すなわち冷却水の変流量制御を行うシステムへの適用例である。
以下、図5に示すフローチャートを参照して、推測装置19が行う冷却塔18Aからの冷却水の出口温度の推測処理について説明する。推測装置19は、この冷却水の出口温度の推測処理を予め定められた制御周期毎に実行する。
推測装置19は、上述した冷却水の出口温度の推測処理と並行して、データ収集周期毎に熱交換特性の補正データの蓄積処理を行う。以下、図6に示すフローチャートを参照して、推測装置19が行う熱交換特性の補正データ収集処理について説明する。
また、上述した実施の形態2では、冷却水ポンプ18Bへのインバータ周波数Fを冷却塔18Aからの冷却水の流量Qの実測値として使用したが、冷却塔18Aからの冷却水の流量Qを直接実測するようにしてもよいことは言うまでもない。
Claims (6)
- 所望の条件下での冷却塔からの冷却水の出口温度を予め定められているその冷却塔の冷却能力を示すパラメータに基づいて推測する冷却水温度の推測方法において、
前記冷却塔からの冷却水の出口温度を実測する出口温度実測ステップと、
前記冷却塔への冷却水の入口温度を実測する入口温度実測ステップと、
外気エンタルピを実測する外気エンタルピ実測ステップと、
前記冷却塔が所定の条件で運転されている時の少なくとも前記冷却塔からの冷却水の出口温度の実測値、前記冷却塔への冷却水の入口温度の実測値、前記外気エンタルピの実測値に基づいて、前記冷却塔の冷却能力を示すパラメータを補正するパラメータ補正ステップと
を備えることを特徴とする冷却水温度の推測方法。 - 請求項1に記載された冷却水温度の推測方法において、
前記冷却塔の冷却能力を示すパラメータは、前記冷却塔の所定流量・所定風量時の冷却能力を示す熱交換係数である
ことを特徴とする冷却水温度の推測方法。 - 請求項1に記載された冷却水温度の推測方法において、
前記冷却塔の冷却能力を示すパラメータは、前記冷却塔からの冷却水の流量と冷却能力との関係を示す熱交換特性である
ことを特徴とする冷却水温度の推測方法。 - 所望の条件下での冷却塔からの冷却水の出口温度を予め定められているその冷却塔の冷却能力を示すパラメータに基づいて推測する冷却水温度の推測装置において、
前記冷却塔からの冷却水の出口温度を実測する出口温度実測手段と、
前記冷却塔への冷却水の入口温度を実測する入口温度実測手段と、
外気エンタルピを実測する外気エンタルピ実測手段と、
前記冷却塔が所定の条件で運転されている時の少なくとも前記冷却塔からの冷却水の出口温度の実測値、前記冷却塔への冷却水の入口温度の実測値、前記外気エンタルピの実測値に基づいて、前記冷却塔の冷却能力を示すパラメータを補正するパラメータ補正手段と
を備えることを特徴とする冷却水温度の推測装置。 - 請求項4に記載された冷却水温度の推測装置において、
前記冷却塔の冷却能力を示すパラメータは、前記冷却塔の所定流量・所定風量時の冷却能力を示す熱交換係数である
ことを特徴とする冷却水温度の推測装置。 - 請求項4に記載された冷却水温度の推測装置において、
前記冷却塔の冷却能力を示すパラメータは、前記冷却塔からの冷却水の流量と冷却能力との関係を示す熱交換特性である
ことを特徴とする冷却水温度の推測装置。
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