以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明が適用されるウエハテストシステムの概略構成を示す図である。ウエハテストシステム1は、プローバ(プローブ装置)10と、テスタ30を備える。多数の半導体チップ(以下、単にチップという)が形成された被検体であるウエハWがプローバ10により位置決めされてプローブカード25を介してテスタ30に電気的に接続される。そして、プローブカード25に配置された多数本のプローブ(探針)26を介してテスタ30によりウエハWの各チップにテスト信号が与えられ、それに対してウエハWから出力される応答信号がテスタ30により測定される。これによって、各チップの性能の検査(電気的特性の測定)が行われ、テスト信号に対する応答信号の測定結果に基づき各チップの良否判定(良品と不良品の選別)等が行われるようになっている。
なお、本ウエハテストシステム1では、不図示のダイシング装置により個々のチップ(ダイ)に分断された後のウエハWをダイシングフレームに付着された状態のままテストすることができるようになっている。ただし、個々のチップに分断されたダイシング後のウエハではなく、チップに分断される前(ダイシング前)のウエハであってもテスト可能であり、また、ダイシングフレームに固定されていないウエハであってもテスト可能である。
プローバ10は、被検体であるウエハWを支持するウエハステージ18を所定位置に移動させるステージ移動機構と、プローブカード25に配置されたプローブ26を撮影するプローブ位置検出カメラ19と、ウエハWを撮影するウエハアライメントカメラ23と、プローブカード25を保持するプローブカード保持機構と、プローバ10の各部の制御や画像処理を含む各種演算処理を行う制御部40等を備えている。
制御部40は、例えばプローバ10の筐体の内部又は外部に配置されており、この制御部40からの信号によってプローバ10の各部の動作が統括的に制御されるようになっている。
また、制御部40には操作部42(キーボード、マウス、タッチパネル、操作ボタン等)やモニタ44が接続されており、操作者は、モニタ44に表示される案内画面等を参照してプローバ10の制御に関する指示や各種条件(パラメータ)の設定を操作部42の操作によって制御部40に与えることができるようになっている。
更に、制御部40は、テスタ30(後述のテスタ本体31)とも例えば通信手段より通信可能に接続されており、テスタ30に対する各種指示、測定結果の取得等が制御部40により行われるようになっている。
この制御部40による制御内容等については以下において適宜説明する。
ステージ移動機構は、基台11と、移動ベース12と、Y軸移動台13と、X軸移動台14と、Z軸移動部15と、Z軸移動台16と、θ回転部17と、ウエハステージ18等から構成されている。
基台11は、平板状に形成されてプローバ10の底部に配置されており、この基台11によってプローバ10全体が支持されている。基台11の上面には移動ベース12が配置されている。
移動ベース12は、基台11に固定されており、この移動ベース12の上部にはY軸移動台13が配置されている。
Y軸移動台13は、移動ベース12にY軸方向に移動可能に支持されており、不図示のモータの動力によりY軸方向に移動するようになっている。Y軸方向は、設置面(基台11の上面)に平行な方向であって、プローバ10の前後方向となる方向を示す。即ち、図1の紙面に垂直な方向を示す。Y軸移動台13の上部にX軸移動台14が配置されている。
X軸移動台14は、Y軸移動台13にX軸方向に移動可能に支持されており、不図示のモータの動力によりX軸方向に移動するようになっている。X軸方向は、Y軸に直交し、設置面に平行な方向であって、プローバ10の左右方向となる方向を示す。即ち、図1の紙面の左右方向を示す。X軸移動台14の上部にはZ軸移動部15が配置されている。
Z軸移動部15は、X軸移動台14に固定されており、上部にZ軸移動台16が支持されている。このZ軸移動部15は不図示のモータの動力によりZ軸移動台16をZ軸方向に移動させる機構を有している。Z軸は、X軸及びY軸と直交し、設置面に対して垂直な方向であって、プローバ10の上下方向となる方向を示す。即ち、図1の紙面の上下方向を示す。Z軸移動台16の上部にはθ回転部17が配置されている。
θ回転部17は、Z軸移動台16に対してZ軸周り(θ方向)に回動可能に支持されており、不図示のモータの動力によりθ方向に回動し、θ回転部17の上部に固定されたウエハステージ18をθ方向に回動させるようになっている。
ウエハステージ18は、上面側に被検体であるウエハWを載置する平坦なテーブル面を有し、そのテーブル面によりウエハWを吸着保持するようになっている。被検体であるウエハWは、不図示のカセットに同種のものが複数収容されており、不図示の搬送手段により順次カセットから取り出されてウエハステージ18のテーブル面に搬送されるようになっている。
このステージ移動機構によれば、ウエハステージ18は、Y軸移動台13、X軸移動台14、Z軸移動台16、及びθ回転部17を介して基台11上に支持されており、それらの移動によって、X軸、Y軸、Z軸の3軸方向と、θ方向(Z軸周り)とに移動するようになっている。したがって、ウエハステージ18に載置されたウエハWもウエハステージ18と共に3軸方向及びθ方向に移動するようになっている。
また、ステージ移動機構の各モータは、制御部40から制御信号により駆動され、Y軸移動台13、X軸移動台14、Z軸移動台16、及びθ回転部17の位置はセンサによって検出されて制御部40に与えられるようになっている。
したがって、制御部40は、Y軸移動台13、X軸移動台14、Z軸移動台16、及びθ回転部17の各々の位置を制御して、ウエハステージ18、及びウエハステージ18に保持されたウエハWを所望の位置に移動させることができるようになっている。
例えば、テスタ30による検査時において制御部40は、後述のように検出したプローブ26の位置及びウエハWの各チップの位置に基づいて、チップの電極パッドの配列方向がプローブ26の配列方向に一致するように、θ回転部17によりウエハステージ18を回転させる。そして、検査するチップの電極パッドがプローブ26の下方に位置するように移動させた後、ウエハステージ18を上昇させて、電極パッドをプローブ26に接触させる。
このようにして、ウエハWの各チップの電極パッドをプローブ26に接触させる位置に順次移動させて後述のテスタ30により各チップの検査が実施されるようになっている。
なお、上記ステージ移動機構の構成は一例であって、被検体であるウエハWを上記のようにウエハステージに支持し、所定位置に移動させることができる機構であればどのような構成であってもよい。
プローブ位置検出カメラ19は、撮影視野を上方に向けて上述のZ軸移動台16の上部に固定されており、ウエハステージ18と同様に制御部40の制御により、X軸、Y軸、Z軸の3軸方向に移動するようになっている。
また、プローブ位置検出カメラ19は、制御部40に接続されており、プローブ位置検出カメラ19の撮影動作の制御が制御部40により行われると共に、プローブ位置検出カメラ19により撮影された画像が制御部40に取り込まれるようになっている。
これにより制御部40は、プローブ位置検出カメラ19をプローブカード25の下方となる位置に移動させてプローブカード25に配置されたプローブ26を撮影し、その画像を取り込む。そして、その画像からプローブ26の先端位置を検出し、検出したプローブ26の先端位置をプローブ26の位置として検出する。
例えば、プローブ26の先端の水平方向(X軸方向及びY軸方向)の位置(XY座標)は、撮影時のプローブ位置検出カメラ19の水平方向の位置とプローブ26の先端の画像内における検出位置に基づいて求めることができ、プローブ26の先端の鉛直方向(Z軸方向)の位置(Z座標)は、プローブ位置検出カメラ19の焦点位置に基づいて求めることができる。
このようなプローブ位置の検出は、被検体であるウエハWの種類に応じてプローブカード25が交換されるごとに実施され、又は、プローブカード25が交換された後、定期的に実施される。
なお、プローブカード25には、通常、数千以上のプローブ26が設けられており、全てのプローブ26の位置をプローブ位置検出カメラ19により撮影した画像を用いて求めるのではなく、特定のプローブ26の位置のみをプローブ位置検出カメラ19により撮影した画像を用いて求め、他のプローブの位置は、プローブカード25における各プローブの配列に関する情報(設計データ等)を参照して求めることもできる。
ウエハアライメントカメラ23は、撮影視野を下方に向けて基台11に固定された支柱22に支持されている。
また、ウエハアライメントカメラ23は、制御部40に接続されており、ウエハアライメントカメラ23の制御が制御部40により行われると共に、ウエハアライメントカメラ23により撮影された画像が制御部40に取り込まれるようになっている。
これにより制御部40は、ウエハアライメントカメラ23の下方となる位置に、ウエハステージ18に支持されたウエハWを移動させてウエハWの撮影し、その画像を取り込む。そして、その画像からウエハWの各チップの電極パッドの位置を検出し、検出した電極パッドの位置に基づいて各チップの位置を検出する。
例えば、各チップの水平方向(X軸方向及びY軸方向)の位置(X座標及びY座標)は、撮影時のウエハステージ18の水平方向の位置と、画像内における各チップの電極パッドの検出位置によって求めることができる。
なお、各チップの特定の電極パッドの位置の座標を各チップの位置として求めてもよいし、各チップの中心などの基準となる所定位置の座標をチップの位置として求めてもよい。
また、ウエハWの全てのチップの位置をウエハアライメントカメラ23により撮影した画像を用いて求めるのではなく、特定のチップの位置をウエハアライメントカメラ23により撮影した画像を用いて求め、他のチップの位置は、ウエハWにおける各チップの配列に関する情報(設計データ等)を参照して求めることもできる。
プローブカード保持機構は、ヘッドステージ21と、カードホルダ24等を備えている。
ヘッドステージ21は、基台11に支持された支柱20、20、・・・に支持されて、プローバ10の上部に配置されている。そのヘッドステージ21は、板状に形成されており、その一部に開口が形成されている。その開口にカードホルダ24が固定され、そのカードホルダ24にプローブカード25が着脱可能に取り付けられるようになっている。
これによって、プローブカード25がプローバ10の上部に保持されている。
プローブカード25は、検査するデバイス(ウエハWの種類)に応じて交換され、検査するデバイスの電極配置に応じて配置された多数本のプローブ26を備えている。そして、各プローブ26の先端がウエハステージ18に保持されたウエハWの各チップの電極パッドに当接されるようになっている。
また、プローブカード25には、各プローブ26に接続された端子が設けられており、各プローブ26はそれらの端子を通じてテスタ30に電気的に接続されるようになっている。
更に、プローブカード25の種類として、1つのチップの検査に必要な本数のプローブを有するシングルプロービング用のカードと、複数のチップの検査に必要な本数のプローブを有し、ウエハWとプローブとの一回の接触動作で複数のチップを同時に検査するマルチプロービング用のカードとがあり、本システムではいずれのものでも使用できる。
テスタ30は、テスタ本体31と、コンタクトリング32とを備えている。
テスタ本体31は、不図示の支持機構により、プローバ10の上部に支持されている。テスタ本体31の内部には、被検体であるウエハWの各チップに印加するテスト信号を生成して出力する回路、テスト信号に対して各チップから出力された応答信号を入力する(取り込む)回路、テスト信号に対する応答信号の状態に基づいて各チップの性能を検査(電気的特性を測定)し、各チップの良否判定(良品と不良品の選別)等を行う処理部等を備えている。
テスタ本体31の下部にはコンタクトリング32が設けられており、そのコンタクトリング32がプローブカード25の上部に配置されている。
コンタクトリング32は、テスタ本体31の内部の回路と接続された多数のコンタクトが設けられており、それらのコンタクトが、プローブカード25の各プローブ26に接続された端子に接触している。
これにより、テスタ本体31の内部の回路とプローブカード25の各プローブ26とがコンタクトリング32を介して電気的に接続される。
これにより、プローブ26に接触しているチップに対してテスタ本体31からプローブ26を介してテスト信号が印加され、そのテスト信号に応答してチップから出力された応答信号がプローブ26を介してテスタ本体31に取り込まれるようになっている。そして、テスタ本体31において、その応答信号に基づいてチップの性能が検査され、チップの良否判定等が行われるようになっている。
また、テスタ本体31は、制御部40と通信手段によって通信可能に接続されており、テスタ30に対する各種指示や検査結果の取得等を制御部40が行うことができるようになっている。
これにより、例えば検査時において、ウエハステージ18に支持されたウエハWの各チップの電極パッドがプローブ26に接触した際に、制御部40からテスタ本体31に対して検査準備の完了が通知されてテスタ本体31においてチップの性能の検査が実施される。テスタ本体31から制御部40に対して検査の終了が通知されると、制御部40において次に検査するチップをプローブ26に接触させるためのウエハWの位置制御が実施される。
また、テスタ本体31から制御部40に対して各チップの検査結果が与えられて、検査結果のモニタ44への表示や不良のチップのマーキング等の情報として用いられる。
次に、上記制御部40に搭載されるアライメントユーティリティ機能について説明する。
制御部40は、一般的なコンピュータと同様に、演算や制御を行う処理装置(CPU、Central Processing Unit)、データを一次的又は永続的に記憶する記憶装置(メモリ)、外部と信号のやりとりを行う入出力装置(I/O、Input/Output)等を備えて構成されている。制御部40は、I/Oを通じてプローバ10のステージ移動機構のモータやセンサ、プローブ位置検出カメラ19、ウエハアライメントカメラ23、テスタ30のテスタ本体31、操作部42、モニタ44等に接続されている。
そして、CPUがメモリに格納されているプログラムに従った各種処理を実施することによって、上述のようにウエハW(ウエハステージ18)の位置制御、プローブ位置検出カメラ19とウエハアライメントカメラ23の撮影動作の制御やそれらの撮影画像の取り込み、操作部42の操作に対応した操作信号の取り込み、モニタ44の画面への表示画像の出力等が適宜行われるようになっている。
また、プログラムに従ったCPUの処理により制御部40に実装される機能の1つとして、被検体であるウエハWの各チップの位置(電極パッドの位置)をウエハアライメントカメラ23を用いて測定するアライメント制御の制御パラメータの設定に関してユーザを支援するアライメントユーティリティ機能を備えている。
このアライメントユーティリティは、主に、ウエハWの全てのチップの位置を測定(実測)すると、アライメント制御に要する時間が長くなるため、アライメント制御の時間(アライメント時間)を短縮するためのアライメント制御の制御パラメータの設定を支援するものである。
詳細は後述するが、例えば、チップに対するプローブ26の接触位置(プローブ接触位置)のばらつき量(ばらつき精度)やアライメント時間に関するアライメント条件をユーザが指定することによって、そのアライメント条件を満たす範囲内でアライメント(位置の測定)を実施するチップの数を最も少なくすることができるアライメント制御の制御パラメータの設定をシミュレーションによって求めてユーザに提供する。
ユーザはその情報を参考にして、実際に実施するアライメント制御の制御パラメータの設定を行うことができる。
アライメントユーティリティ機能を使用する場合、ユーザは操作部42の所定の操作によりアライメントユーティリティの実行を指示する。これによって、モニタ44の画面にアライメントユーティリティの画面が表示される。そして、その画面において、ユーザは、操作部42を操作し、アライメントユーティリティ機能に含まれる各種機能のうちから所望の機能を選択して以下で説明するような処理を実施させることができるようになっている。
なお、本実施の形態の説明において、被検体のウエハWは、図2に示すようにダイシングシートSに付着されてリング状のフレームFにマウントされたウエハ(ダイシングフレームに固定されたウエハ)であって、ダイシング装置によってウエハWに形成された個々のチップT、T、T、・・・に分断されたダイシング後のウエハWであるものとする。
また、プローブカード25は、マルチプロ−ビング用のカードであるものとし、プローブ26として例えば2×2のチップに同時に接触するプローブを備えているものとする。
まず、アライメントユーティリティの実行後、ばらつき精度表示機能の実行を選択した場合について説明する。
ばらつき精度表示機能は、被検体であるウエハWの各チップに対するプローブ接触位置のばらつき精度を表示する機能である。
図3は、制御部40において、ばらつき精度表示機能の実施するプログラムをCPUが実行することによって制御部40内に構築される処理部を示したブロック図である。
同図において、チップ位置実測データ取得部(実測データ取得手段)50は、図2に示した被検体のウエハWを多数検査する場合に、そのうちの1枚のウエハWをサンプルウエハとしてウエハステージ18に載置し、アライメント制御により、全てのチップのアライメントを実施する。
ここで、制御部40により実施されるアライメント制御では、例えば、ウエハステージ18に載置されたウエハWがウエハアライメントカメラ23の下方に移動して撮影され、ウエハWの縦横のチップの配列方向をX軸方向及びY軸方向としたときに、それらの軸方向が、プローバ10の空間におけるX軸方向及びY軸方向と一致するようにウエハWがθ方向に移動(回転)する。
なお、ウエハWにおいて、X軸方向に並ぶチップの列をラインというものとすると、ウエハW上のチップは、Y軸方向に所定間隔を有する複数のラインを形成している。
続いて、ウエハWのチップのX軸方向の大きさに対応したX軸方向のインデックスサイズ(X軸方向に隣接するチップの中心間の距離)に基づいて、ウエハWがX軸方向に所定距離ずつ移動して、同一のラインの複数のチップのうちの所定チップ数おきのチップがアライメントを実施する測定ポイントとしてウエハアライメントカメラ23により撮影される。
そして、その撮影画像に基づいて測定ポイントのチップの電極パッドの位置がチップの位置として測定される。
このようなX軸方向のラインに沿ったラインアライメントが1つのラインに対して実施されると、ウエハWのチップのY軸方向の大きさに対応したY軸方向のインデックスサイズ(Y軸方向に隣接するチップの中心間の距離)に基づいて、ウエハWがY軸方向に所定距離移動して、複数のラインのうちの所定ライン数おきのラインに沿ったチップに対して実施される。
チップ位置実測データ取得部50は、以上のようなアライメント制御をサンプルウエハに対して実施すると共に、各ラインのラインアライメントの際のウエハWのX軸方向の移動距離をX軸方向のインデックスサイズとし、ラインアライメントを実施するラインを切り替える際のウエハWのY軸方向の移動距離をY軸方向のインデックスサイズとして、ウエハW上の全てのチップの位置を測定する。
これによって、サンプルウエハの全てのチップの位置が実測データ(チップ位置実測データ)として取得され、そのチップ位置実測データがデータ記憶部52に格納される。
ここで、本実施の形態における被検体のウエハWは、個々のチップに分断されたダイシング後のウエハWであり、図2のようにダイシングフレームに固定されている。このようなダイシング後のウエハWにおける各チップの位置(チップの配列)には、ダイシング前のチップの配列と比較して歪みが生じているが、その歪み方には一定の傾向がある。
したがって、チップ位置実測データ取得部50により取得したチップ位置実測データは、サンプルウエハと同様に個々のチップに分断されたダイシング後の同種のウエハW、即ち、全ての被検体のウエハWの各チップの位置を示すものとすることができる。
データ記憶部52は、チップ位置実測データ取得部50により取得されたチップ位置実測データを記憶すると共に、被検体のウエハWのダイシング前のチップの配列に関する設計データや、被検体のウエハWの種類に対応してプローバ10のカードホルダ24に設置されたプローブカード25のプローブ26の配列に関する設計データ等、以下の演算において必要なデータを記憶している。
このデータ記憶部52としてデータを記憶する記憶媒体は、制御部40に内蔵された記憶媒体に限らず、制御部40に着脱可能に装着される記憶媒体や、制御部40と通信可能に接続された他の装置(コンピュータ等)の記憶媒体であってもよく、また、それらの記憶媒体のうちの複数を含むものであってもよく、制御部40(CPU)においてデータを取得することができる状態にあるものであれば、特定の場所に配置された記憶媒体に限らない。
ショット位置設定部54は、テスタ30による検査時において、プローブカード25のプローブ26にウエハWのチップの電極パッドを接触させるプローブ接触制御時におけるショット位置を設定する。
ここで、制御部40により実施されるプローブ接触制御では、例えば、ウエハステージ18に載置された被検体のウエハWがプローブ26の下方においてX軸方向及びY軸方向に移動してプローブ26に電極パッドを接触させるターゲットのチップのX軸及びY軸方向の位置決めが行われる。
そして、その位置からウエハWが上昇(Z軸方向に移動)してターゲットのチップの電極パッドがプローブ26に接触し、ターゲットのチップに対してテスタ30による検査が実施される。検査が終了すると、ウエハWが下降(Z軸方向に移動)してプローブ26からターゲットのチップが離間する。
この制御が、ターゲットとなるチップを切り替えながら繰り返し実施され、ウエハWの全てのチップの検査が実施される。
このようなプローブ接触制御において、ショット位置は、プローブカード25のプローブ26を接触させるウエハW上の位置を示す。
プローブカード25は、通常、複数の電極パッドに同時に接触する複数本のプローブ26を有しており、ショット位置は、それらのプローブ26がウエハWに接触する位置を示す。
また、本実施の形態のようにプローブカード25として、マルチプロ−ビング用のカードを使用する場合には、1つのショット位置を設定することによって、プローブ26に同時に接触するチップの範囲が決定する。
プローブ接触制御において、このショット位置は、ウエハWの全てのチップにプローブ26が接触するように、かつ、同一チップに重複してプローブ26が接触しないように、ウエハWに対してX軸及びY軸方向の異なる複数の位置に設定される。
ショット位置設定部54は、このようなショット位置を設定する。また、ショット位置設定部54は、ショット位置を設定する際に、データ記憶部52に格納されているダイシング前のウエハW(被検体と同種のウエハW)のチップの配列(位置)に関する設計データ、上記のチップ位置実測データ、プローブカード25のプローブ26の配列(各プローブの位置)に関する設計データ等を参照する。
ばらつき精度算出部(ばらつき量算出手段)56は、ショット位置設定部54により設定された各ショット位置と、データ記憶部52に記憶されているチップ位置実測データ等のデータに基づいて、ショット位置設定部54により設定されたショット位置に従ってプローブ接触制御を実施したと仮定した場合に、被検体のウエハWの各チップにプローブ26が接触する位置(プローブ接触位置)のばらつき精度(ずれ量、ばらつき量)を算出する。
ばらつき精度(ずれ量)は、各チップにおけるプローブ接触位置の理想接触位置からのずれの大きさ及び方向を示す値であり、X軸方向とY軸方向の各々の方向のずれの大きさとしても表すことができる。
例えば、ダイシング前のウエハWの各チップの配列(位置)と、ウエハWの種類に対応したマルチプロービング用のプローブカード25のプローブ26の配列(位置)とが設計データに等しい場合には、ダイシング前のウエハWに対しては、各チップの理想接触位置(例えば、各電極パッドの中心位置)にプローブ26が接触するようにショット位置を設定することができ、その場合には、各チップにおけるばらつき精度(ずれ量)を0とすることができる。
一方、被検体であるダイシング後のウエハWに対してダイシング前のウエハWと同じショット位置の設定でプローブ接触制御を実施したと仮定すると、ダイシング後のウエハWの各チップの位置がダイシング前のウエハWの各チップの位置(設計データの位置)から変位しているため、その分、各チップにプローブ26が接触する位置も理想接触位置からずれ、ばらつき精度(ずれ量)が0と異なる値となる。
結果画像生成部(画像生成手段)58は、ばらつき精度算出部56により算出されたばらつき精度の結果を視覚的に表示するための結果画像(後述)を生成し、その結果画像をモニタ44の画面に表示させる。
ばらつき精度表示機能における各処理部50〜58の処理内容と処理手順について図4のフローチャートを用いて説明する。
操作者が操作部42の操作により、アライメントユーティリティの画面においてばらつき精度表示機能を選択すると、図4のフローチャートに従った処理が開始される。
まず、ステップS10の処理として、チップ位置実測データ取得部50は、上述のように多数の被検体のウエハWのうちの1枚のウエハWをサンプルウエハとしてウエハステージ18に載置して、ウエハアライメントカメラ23を用いて全てのチップ(ダイ)のアライメント(全チップアライメント)を実施する。
これにより、ウエハWの全てのチップの位置が測定(実測)され、その実測された各チップの位置がチップ位置実測データとしてデータ記憶部52に格納される。
なお、このステップS10の処理は、被検体のウエハWに対して1度だけ実施すればよく、データ記憶部52に被検体のウエハWのチップ位置実測データが既に格納されている場合には、このステップS10の処理を実施する必要はない。
次に、ステップS12の処理として、ショット位置設定部54は、被検体のウエハWと同種のウエハWであって、ダイシング前のウエハWのチップの配列(位置)に関する設計データと、プローブカード25のプローブ26の配列(位置)に関する設計データをデータ記憶部52から読み込む。
そして、プローブ接触制御時においてダイシング前のウエハWの各チップに対してプローブ26を理想接触位置に接触させるためのショット位置を設定する。なお、ここで設置するショット位置は、後述する補正後のショット位置と区別して補正前のショット位置というものとする。
次に、ステップS14の処理として、ばらつき精度算出部56は、データ記憶部52から被検体のウエハWのチップ位置実測データと、プローブカード25のプローブ26の配列(位置)に関する設計データとを読み込む。そして、それらのデータに基づいて、被検体のウエハWに対して、ステップS12において設定された補正前のショット位置にプローブ26を接触させた場合に(ショット位置設定部54により設定された補正前のショット位置に従ってプローブ接触制御を実施した場合に)、実測位置に配列された各チップにプローブカード25のプローブ26が接触する位置の理想接触位置からのばらつき精度(ずれ量)を算出する。
そして、ステップS16の処理として、結果画像生成部58は、ステップS14において算出された各チップのばらつき精度を視覚的に表示する結果画像を生成し、ばらつき精度表示画像としてモニタ44の画面に表示させる。
図5は、ばらつき精度表示画像を示した図である。
図5において、ばらつき精度表示画像100(単に表示画像100という)には、横方向及び縦方向に等間隔のラインで囲まれた多数の四角領域102が形成され、それらの四角領域102が、横方向及び縦方向に等間隔に配列されて表示されている。
それらの四角領域102の各々は、1つのチップの領域を表し、被検体のウエハW上の各チップは、そのウエハW上での配列に倣って表示画像100の各四角領域102に対応付けられている。
なお、四角領域102の中にはウエハWのいずれのチップも対応しないものが含まれる。
また、表示画像100上(画面上)の横方向をX軸方向、縦方向をY軸方向とすると、ウエハW上においてX軸方向に一列に並ぶチップが、表示画像100上でもX軸方向に一列に並ぶ四角領域102に対応付けられ、かつ、ウエハWのY軸方向に一列に並ぶチップが、表示画像100上でもY軸方向に一列に並ぶ四角領域102に対応付けられる。
この表示画像100には、ウエハWの各チップが対応付けられた四角領域102に対応して多数の四角形状のドット104が表示されており、それらのドット104の各々が、各チップのプローブ接触位置の理想接触位置からのばらつき精度(ずれ量)を示している。
即ち、結果画像生成部58は、ばらつき精度算出部56により各チップに対して算出されたばらつき精度(ずれ量)に基づき、各四角領域102の中心位置に対して、各々の四角領域102に対応するチップのばらつき精度(ずれ量)に応じた大きさ及び方向に変位した位置にドット104を表示する。
図6は、図5における表示画像100の4つの四角領域102を抽出して示した図であり、そのうちの右下の四角領域102に対してドット104が表示されている図を示す。
図6において、四角領域102の中心102Aに対してドット104の中心104Aがずれた位置に表示されている。このとき、四角領域102の中心102Aからドット104の中心104Aまでの変位量の大きさがばらつき精度の大きさ(理想接触位置に対するプローブ接触位置のずれの大きさ)を示し、四角領域102の中心102Aに対するドット104の中心104Aの方向がばらつき精度の方向(理想接触位置に対するプローブ接触位置のずれの方向)を示す。即ち、四角領域102の中心102Aからドット104の中心104AまでのX軸方向のずれ量とY軸方向のずれ量の各々が、理想接触位置に対するプローブ接触位置のX軸方向のずれ量とY軸方向のずれ量に比例している。
このような表示画像100の表示により、ウエハWの各チップにプローブ26が接触する位置のばらつき精度をユーザが視覚的に把握することができるようになる。
なお、図5に示す各ドット104は、ばらつき精度の大きさに応じて明度、色相、彩度のうちの少なくとも1つの要素を変更して表示するようにしてもよい。
また、表示画像100は、各チップの実測位置に基づくプローブ接触位置と、理想接触位置との差をばらつき精度として示したものであるが、被検体のウエハWの各チップの実測位置(チップ位置実測データが示す位置)とダイシング前のウエハWでの位置(ウエハWのチップの配列に関する設計データが示す理想位置)との差をばらつき精度として表示画像100と同様に表示してもよい。
この場合、各チップのばらつき精度は、ステップS10において取得したチップ位置実測データと、ダイシング前のウエハWの配列(位置)に関する設計データとに基づいて算出することができる。
図4のフローチャートに戻り、ステップS16の処理の後、例えば、ユーザの操作部42の操作によりショット位置の補正が指示されると、ステップS18の処理として、ショット位置設定部54は、被検体のウエハWのチップ位置実測データをデータ記憶部52から読み込む。
そして、ステップS12において設定した補正前のショット位置を補正し、各チップの実測位置に対してプローブ26を最適に接触させることができるショット位置を補正後のショット位置として設定する。
ここで、本実施の形態では、プローブカード25をマルチプロービング用のカードとしており、プローブカード25に複数のチップに対して設けられたプローブ26がウエハWの複数のチップに同時に接触する。
したがって、プローブ26が同時に接触するチップの全てのプローブ接触位置が理想接触位置となるようにショット位置を補正することはできない。
そこで、複数のチップの補正前のショット位置の各々に関して、プローブ26が同時に接触するチップのばらつき精度の大きさの平均値が最小となる変位位置を検出し、その検出位置を補正後のショット位置として設定する。
図7は、プローブカード25のプローブ26が1つのショット位置で同時に接触するチップを示し、プローブ26は、例えば、ウエハW上に配列されたチップT、T、・・・に対してX軸方向及びY軸方向に隣接する2×2の4つのチップT1〜T4に同時に接触するものとする。
一方、図8Aは、図5に示したショット位置補正前のばらつき精度表示画像100の一部の四角領域102を抽出して示した図であり、図7のプローブカード25のプローブ26が所定のショット位置で同時に接触する4つのチップに対応した四角領域102を示す。
図8Aの各ドット104の表示位置が示すように、ショット位置補正前では、各四角領域102に対応する各チップに対してプローブ26が接触する位置が理想接触位置から全体的に左下側にずれている。
そこで、ショット位置を右上側に変位させ、各チップに対してX方向及びY軸方向にシフトさせて、各チップにおけるばらつき精度の大きさの総和が最小となる位置にショッ位置を補正すると、各チップに対してプローブ26が接触する位置を理想接触位置に近づけることができる。そのときの各チップのばらつき精度を図8Aと同様に表示すると、図8Bのように各ドット104が各四角領域102の略中心に表示される状態となる。
図4に戻り、ステップS18の補正後のショット位置の設定が終了すると、ステップS20の処理として、ばらつき精度算出部56は、ステップS14の処理と同様に被検体のウエハWに対して、ステップS18において設定された補正後のショット位置にプローブ26を接触させた場合の各チップのプローブ接触位置のばらつき精度(ずれ量)を算出する。
そして、ステップS22の処理として、結果画像生成部58は、ステップS20において算出された各チップのばらつき精度を視覚的に表示する結果画像を生成し、ショット位置補正後のばらつき精度表示画像としてモニタ44の画面に表示させる。
図9は、そのショット位置補正後のばらつき精度表示画像を示した図である。
同図に示すショット位置補正後のばらつき精度表示画像120(単に表示画像120という)は、図5に示したショット位置補正前のばらつき精度表示画像100と同様に構成されている。
図9のショット位置補正後の表示画像120と図5のショット位置補正前の表示画像100とを比較すると、図9の表示画像120では、各ドット104が四角領域102の中心付近に表示されており、ショット位置を補正したことによって、各チップにプローブ26が接触する位置が理想接触位置に近づいたことがわかる。
ユーザは、操作部42の所定の操作によって、上述のようにして生成された図5のショット位置補正前の表示画像100と、図9のショット位置補正後の表示画像120とを切り替えて、又は、並べてモニタ44の画面に表示させることができるようになっており、それらを比較することによってショット位置の補正によって各チップのプローブ接触位置がどの程度のばらつき精度に改善されるかなどを視覚的に把握することができる。
なお、結果画像生成部58によって形成されるばらつき精度表示画像は、図5、図9に示した形態に限らず、以下に説明する形態であってもよく、それらの異なる形態による表示をユーザが操作部42の操作により切り替えられるようにしてもよい。
図10は、図5、図9と同様の各四角領域102の内部を所定の色で塗りつぶすと共に、その色の明度、彩度、色相のうちのいずれかの要素を、各チップのばらつき精度(ずれ量)の大きさに対応して変更するようにした形態を示す。
図11は、ウエハWのチップのX軸方向のラインごとに、同一ラインのチップのX軸方向のばらつき精度の大きさを示すドットを直線で結んでグラフ表示した形態であり、グラフの横軸はX軸方向のチップの位置を示し、縦軸は、X軸方向のばらつき精度の大きさを示す。図11はショット位置補正前のばらつき精度表示画像を例示したものであるが、参考として、図12に、図11と同様の形態により表示したショット位置補正後のばらつき精度表示画像を示す。なお、Y軸方向のばらつき精度の大きさに関しても、図11、図12と同様に表示することができる。
次に、アライメントユーティリティの実行後、測定ポイント自動算出機能の実行を選択した場合について説明する。
測定ポイント自動算出機能は、ユーザが指定した条件値に基づくアライメント条件を満たすように、アライメント制御時においてアライメントを実施する測定位置(測定ポイント)を自動的に設定し、その結果をユーザに提示する機能である。
ここで、測定ポイントとは、多数配列されたチップのうちのアライメント(位置の測定)を実施するチップを示す。
また、測定ポイント自動算出機能の種類(モード)として、アライメント条件の種類が異なるモードを選択することができるようになっており、そのアライメント条件の種類として、ばらつき精度に関するアライメント条件と、アライメント時間に関するアライメント条件とがある。
ばらつき精度に関するアライメント条件は、プローブ接触制御時において各チップのプローブ接触位置のばらつき精度がユーザにより指定された条件値以下となるようにアライメント制御を実施するという条件であり、この条件を採用したモードには、更に、測定ポイントの選択に関するアライメント条件の種類として、測定ポイントを全体的に均等になるように選択するという条件を採用したモードと、測定ポイントを部分的に増減するという条件を採用したモードとがあり、前者のモードを第1モード、後者のモードを第2モードというものとする。
アライメント時間に関するアライメント条件は、アライメント制御に要するアライメント時間(アライメントを実施するチップの位置の測定が全て終了するまでに要する時間)がユーザにより指定された条件値以下となるようにアライメント制御を実施するという条件であり、この条件を採用したモードを第3モードというものとする。
ユーザはアライメントユーティリティの実行後、測定ポイント自動算出機能のこれらの第1モード〜第3モードのうち所望のモードを選択して実行させることができるようになっており、以下、測定ポイント自動算出機能の第1モード〜第3モードについて順に説明する。
まず、第1モードの測定ポイント自動算出機能について説明する。
図13は、制御部40において、測定ポイント自動算出機能の第1モードを実施するプログラムをCPUが実行することによって制御部40内に構築される処理部を示したブロック図である。
同図に示すチップ位置実測データ取得部50、データ記憶部52、ショット位置設定部54、及び、ばらつき精度算出部56、結果画像生成部58は、図3で説明した同一符号の処理部と同様の処理を行う処理部であり、図3と比較して測定ポイント設定部60、判定部62、条件値入力部64が追加されている。なお、チップ位置実測データ取得部50及びデータ記憶部52の処理内容については、図3で説明した処理内容と完全に一致するため説明を省略する。
測定ポイント設定部60は、アライメント(チップの位置(XY座標)の実測)を実施する対象となるチップを測定ポイントとして設定する。
ここで、図14は、図5と同様に、ウエハWの各チップを四角領域102により表した図を用いて測定ポイントの設定の様子を例示した図である。同図には測定ポイントとして設定されたチップ(対応する四角領域)の一部が符号TPにより示されており、測定ポイントのチップとして、ウエハW上のチップTのうち、中心のチップと、中心のチップに対してX軸方向に所定チップ数ずつの間隔(X軸方向の測定間隔)を有し、かつ、Y軸方向に所定チップ数(ライン数)ずつの間隔(Y軸方向の測定間隔)を有するチップが選択される。
即ち、ウエハWのチップのX軸方向に沿った複数のラインのうち、Y軸方向の中心となるラインと、その中心のラインに対してY軸方向に所定チップ(ライン)数分ずつの間隔(Y軸方向の測定間隔)をあけたラインが測定ラインとして選択され、それらの測定ラインの各々のライン上に配置されたチップのうち、X軸方向の中心となるチップと、その中心のチップから所定チップ数分ずつの間隔(X軸方向の測定間隔)をあけたチップが測定ポイントのチップとして選択される。図14の例では、X軸方向及びY軸方向の測定間隔がいずれも4チップに設定されている状態が示されている。
また、測定間隔がどのような値であっても最上端と最下端のラインは必ず測定ラインとして選択されるものとし、かつ、測定ラインとして選択された各々のラインのチップのうち、左右両端のチップも必ず測定ポイントのチップとして選択される。
これらのX軸方向の測定間隔を示すチップ数とY軸方向の測定間隔を示すチップ数(ライン数)とは、判定部62から指定されるようになっており、測定ポイント設定部60は、判定部62から指定されたそれらの測定間隔の値に従って測定ポイントを設定する。
ショット位置設定部54は、測定ポイント設定部60によって設定された測定ポイントのチップのチップ位置実測データをデータ記憶部52から読み込み、読み込んだチップ位置実測データに基づいてプローブ接触制御時において最適となるショット位置を設定する。
ばらつき精度算出部56は、ばらつき精度表示機能と同様に、ショット位置設定部54により設定されたショット位置と、データ記憶部52に記憶されている全てのチップのチップ位置実測データとに基づいて、各チップのプローブ接触位置のばらつき精度(ずれ量)を算出する。
判定部62は、測定ポイント設定部60に対してアライメントを実施する測定ポイントの設定、変更に関する指示を与えて、それに従って設定、変更された測定ポイントに対してショット位置設定部54及びばらつき精度算出部56により算出された各チップのプローブ接触位置のばらつき精度の算出結果を取得する。
そして、判定部62は、そのばらつき精度の算出結果が、条件値入力部64により入力された条件値に基づくアライメント条件を満たすか否かを判定する。その判定の結果に基づいて、最適な測定ポイントの設定を検出する。
ここで、判定部62は、アライメント条件として、各チップのばらつき精度が条件値入力部64により与えられた条件値以下となるようにアライメント制御を実施することを条件とし、判定部62は、各チップのばらつき精度が条件値以下か否かを判定する。
また、判定部62は、最適な測定ポイントの設定として、アライメント条件を満たす測定ポイントの設定のうち、測定ポイントの数が最も少なくなるときの設定を求める。
条件値入力部64は、モニタ44の画面にアライメント条件に関する条件値を入力する条件設定画面を表示し、その条件設定画面に対してユーザが操作部42の操作によって入力した条件値を取得する。その条件値を判定部62に与える。
結果画像生成部58は、判定部62により検出された最適な測定ポイントの設定に関する情報をユーザに提示する結果画像を生成し、その結果画像をモニタ44の画面に表示させる。
次に、測定ポイント自動算出機能の第1モードにおける各処理部50〜64の処理内容と処理手順について図15のフローチャートを用いて説明する。
操作者が操作部42の操作により、アライメントユーティリティの画面において測定ポイント自動算出機能の第1モードの実行を選択すると、図15のフローチャートに従った処理が開始される。
まず、ステップS30の処理として、条件値入力部64は、モニタ44に条件設定画面を表示し、ユーザが入力するアライメント条件の条件値を取り込み、その条件値を判定部62に与える。この条件値は、各チップのばらつき精度として許容できる制限値(上限値)を示す。
次に、ステップS32の処理として、チップ位置実測データ取得部50は上述のステップS10と同様に多数の被検体のウエハWのうちの1枚のウエハWをサンプルウエハとしてウエハステージ18に載置して、ウエハアライメントカメラ23を用いて全てのチップ(ダイ)のアライメント(全チップアライメント)を実施する。
これにより、ウエハWの全てのチップの位置が測定(実測)され、その実測された各チップの位置がチップ位置実測データとしてデータ記憶部52に格納される。
なお、このステップS32の処理は、被検体のウエハWに対して1度だけ実施すればよく、データ記憶部52に被検体のウエハWのチップ位置実測データが既に格納されている場合には、このステップS32の処理を実施する必要はない。
次に、ステップS34の処理として、ショット位置設定部54は、被検体のウエハWと同種のウエハWであって、ダイシング前のウエハWのチップの配列(位置)に関する設計データと、プローブカード25のプローブ26の配列(位置)に関する設計データをデータ記憶部52から読み込む。
そして、プローブ接触制御時においてダイシング前のウエハWの各チップに対してプローブ26を理想接触位置に接触させるためのショット位置を設定する。なお、ここで設定するショット位置は、上述のように補正前のショット位置を示す。
次に、ステップS36の処理として、判定部62は、測定ポイント設定部60に対して、測定ポイントのX軸方向及びY軸方向の測定間隔をいずれも0にすることを指定する。
次に、ステップS38の処理として、測定ポイント設定部60は、判定部62により指示された測定ポイントのX軸方向及びY軸方向の測定間隔の値に従って測定ポイントを設定する。ステップS36の処理の直後のステップS38の処理では、測定ポイント設定部60は、ウエハW上の全てのチップを測定ポイントのチップとして設定する。
次に、ステップS40の処理として、ショット位置設定部54は、測定ポイント設定部60により設定された測定ポイントのチップのチップ位置実測データをデータ記憶部52から読み込む。
そして、ショット位置設定部54は、その測定ポイントのチップの実測位置(チップ位置実測データの位置)に基づいてステップS34において設定した補正前の各ショット位置を補正し、各チップの位置に対してプローブ26を最適に接触させることができるショット位置を補正後のショット位置として設定する。
ここで、ショット位置を補正する方法について説明する。
まず、測定ポイントのチップの実測位置に基づいて、測定ポイント以外(非測定ポイント)のチップの位置を算出(推定)する。たとえば、測定ポイントのチップのうちのX軸方向に(同一ライン上において)隣接する2つのチップの間に配置された非測定ポイントのチップは、それらの2つの測定ポイントのチップの実測位置を結ぶ直線上に等間隔に配列されているものとして、被測定ポイントのチップの位置を算出する。即ち、隣接する2つの測定ポイントのチップの実測位置の誤差(設計データの位置に対する誤差)に対して、それらの2つの測定ポイントのチップの間に配置された非測定ポイントのチップが線形的(直線的)な誤差を有するものとして被測定ポイントのチップの位置を算出する。
これと同様に、Y軸方向に隣接する2つの測定ポイントのチップの間に配置された非測定ポイントのチップの位置を算出することができる。そして更に、このようにして算出した非測定ポイントのチップの位置に基づいて、それらのチップの位置の間に配置された他の非測定ポイントのチップの位置も同様にして算出することができる。
なお、測定ポイントのチップの実測位置に基づいて非測定ポイントの位置を算出する方法はこれに限らず任意の方法を適用できる。
次に、上述のようにして得られた各チップの位置(測定ポイントの各チップの実測位置と、上記のようにして算出した非測定ポイントの各チップの算出位置)に基づいて、ショット位置設定部54は、それらのチップの位置に対してプローブ26を最適に接触させることができるショット位置を算出し、補正後のショット位置として設定する。
ここでは、マルチプロービング用のプローブカード25として、図22Aのように8×1の8つのチップに同時に接触するプローブ26を備えたプローブカードを用いた場合を例にショット位置の補正について説明する。なお、図22Aから22Eにおいて、プローブカード25のプローブ26を1つのチップに接触するプローブ26の範囲で区分した場合の各範囲がサイト1〜8として示されている。
ショット位置を補正する方法として、例えば、サイト1位置基準補正、マルチサイト対角両端部基準補正、全マルチサイト基準補正などの補正方法のうちの任意の形態を採用することができる。
サイト1位置基準補正では、ショット位置設定部54は、各ショット位置において、サイト1のプローブ26が接触するチップの位置に基づいてショット位置を補正する。具体的には、サイト1のプローブ26のチップに対する接触位置が理想接触位置となるように、即ち、サイト1のプローブ26のチップに対する接触位置の誤差(理想接触位置からのずれ量)が無くなるように、各ショット位置を補正する。
たとえば、あるショット位置においてプローブカード25の各サイト1〜8のプローブ26が同時に接触するチップの位置(実測位置及び算出位置)が、図22BのチップT1〜T8で示す位置のように誤差(設計データの位置からの誤差)を有しているとする。そして、補正前のショット位置の設定においてそれらのチップT1〜T8に対するプローブカード25の各サイト1〜8の接触位置が破線で示すように設定されているものとする。
このような場合に、サイト1位置基準補正を実施すると、図22Cのようにサイト1のプローブ26のチップT1に対する接触位置の誤差が無いように補正後のショット位置が設定される。
マルチサイト対角両端部基準補正では、ショット位置設定部54は、各ショット位置において、プローブカード25のサイトのうち、左下と右上のサイトのプローブ26が接触するチップの位置に基づいてショット位置を補正する。具体的には、補正前のショット位置の設定において、プローブカード25の左下と右上のサイトのプローブ26のチップに対する接触位置の誤差の平均を求め、その誤差分(平均分)を打ち消すようにショット位置をずらすことによりショット位置を補正する。
たとえば、図22Aのように1ライン分のマルチプロービング用のプローブカード25の場合には、プローブカード25のサイト1が左下のサイト、サイト8が右上のサイトに相当し、補正前のショット位置において、サイト1のプローブ26の接触位置の誤差と、サイト8のプローブ26の接触位置の誤差との平均を求め、その誤差分を打ち消すようにショット位置をずらすことによって補正後のショット位置を設定する。
図22Dは、図22Bのように、あるショット位置においてプローブカード25の各サイト1〜8のプローブ26が同時に接触するチップT1〜T8の位置に誤差が生じている場合において、マルチサイト対角両端部基準補正を実施したときの補正後のショット位置(各サイト1〜8のプローブ26が各チップT1〜T8に接触する位置)を示している。
全マルチサイト基準補正では、ショット位置設定部54は、各ショット位置において、プローブカード25の全てのサイトのプローブ26が接触するチップの位置に基づいてショット位置を補正する。具体的には、補正前のショット位置の設定において、プローブカード25の全てのサイトのプローブ26のチップに対する接触位置の誤差の平均を求め、その誤差分(平均分)を打ち消すようにショット位置をずらすことによりショット位置を補正する。図22Aに示したプローブカード25の場合には、全てのサイト1〜8のプローブ26の接触位置の誤差の平均を求め、その誤差分を打ち消すようにショット位置をずらすことによって補正後のショット位置を設定する。
図22Eは、図22Bのように、あるショット位置においてプローブカード25の各サイト1〜8のプローブ26が同時に接触するチップT1〜T8の位置に誤差が生じている場合において、全マルチサイト対角両端部基準補正を実施したときの補正後のショット位置(各サイト1〜8のプローブ26が各チップT1〜T8に対する位置)を示している。
以上のようなショット位置の補正方法の形態は、本実施の形態において、ショット位置を補正する場合の処理として適用することができる。既に説明したばらつき精度表示機能におけるショット位置の補正(図4のフローチャートのステップS18の処理)として、ここで説明した任意の形態の補正方法を適用することができる。また、ショット位置の補正は、上記形態に限らず、プローブカード25の各サイトのプローブ26の接触位置の誤差が補正前のショット位置と比較して全体的に小さくなるようなものであればどのような方法であってもよい。
図15のフローチャートに戻り、次に、ステップS42の処理として、ばらつき精度算出部56は、データ記憶部52から全てのチップのチップ位置実測データと、プローブカード25のプローブ26の配列(位置)に関する設計データとを読み込む。そして、それらのデータに基づいて、被検体のウエハWに対して、ステップS40において設定された補正後のショット位置にプローブ26を接触させた場合に、実測位置に配列された各チップにプローブカード25のプローブ26が接触する位置の理想接触位置からのばらつき精度を算出する。
次に、ステップS44の処理として、判定部62は、ステップS42においてばらつき精度算出部56により算出された各チップのばらつき精度を、ステップS30において条件値入力部64により与えられた条件値とを比較し、全てのチップのばらつき精度が条件値以下か否かを判定する。
その結果、YESと判定した場合には、ステップS46の処理に移行し、NOと判定した場合には、ステップS52に移行する。
ステップS44においてYESと判定した場合のステップS46の処理として、判定部62は、X軸方向の測定間隔の現在の値とY軸方向の測定間隔の現在の値とが等しいか否かを判定する。その判定の結果、YESと判定した場合には、ステップS48の処理に移行し、NOと判定した場合には、ステップS50の処理に移行する。
ステップS46においてYESと判定した場合のステップS48の処理として、判定部62は、測定ポイント設定部60に対して、X軸方向の測定間隔を現在の値に対して1だけ加算した値を指定する。Y軸方向の測定間隔は現在の値をそのまま指定する。そして、ステップS38の処理に戻る。
これによって、ステップS38〜ステップS42により、X軸方向の測定間隔を1チップ分増加して測定ポイントの数を低減した測定ポイントの設定に対して各チップのばらつき精度が算出され、ステップS44によりそれらの全てのチップのばらつき精度が条件値以下か否かの判定が行われる。
ステップS46においてNOと判定した場合のステップS50の処理として、判定部62は、測定ポイント設定部60に対して、Y軸方向の測定間隔を現在の値に対して1だけ加算した値を指定する。X軸方向の測定間隔は現在の値をそのまま指定する。そして、ステップS38の処理に戻る。
これによって、ステップS38〜ステップS42により、Y軸方向の測定間隔を1チップ分増加して測定ポイントの数を低減した測定ポイントの設定に対して各チップのばらつき精度が算出され、ステップS44によりそれらの全てのチップのばらつき精度が条件値以下か否かの判定が行われる。
ここで、ステップS44において、YESと判定された場合、即ち、全てのチップのばらつき精度が条件値以下である場合には、ユーザが望むばらつき精度に関するアライメント条件を満たしている状態であるため、更に測定ポイントの数を減らすことが可能な状態である。そこで、ステップS46〜ステップS50において、X軸方向の測定間隔とY軸方向の測定間隔を交互に増加する処理が行われている。
図16Aから16Cは、図5と同様に、ウエハWの各チップを四角領域102により表した図を用いて測定間隔を増加させた様子を示しており、図16A、16B、16Cの順にウエハW上のチップのうち測定ポイントとするチップTPの間隔(測定間隔)が増加している。
一方、図15に戻り、ステップS44においてNOと判定した場合、ステップS52の処理として、判定部62は、X軸方向の測定間隔の現在の値とY軸方向の測定間隔の現在の値のうち、最後に変更した値、即ち、ステップS48又はステップS50の処理のうち最後に行った処理により変更した測定間隔の値を1だけ減算した値に変更する。他方の測定間隔は現在の値のままとする。
そして、それによって得られたX軸方向及びY軸方向の測定間隔による測定ポイントの設定(設定状態)を最適な測定ポイントの設定(最適測定ポイント設定)として決定する。即ち、ユーザが望むばらつき精度に関するアライメント条件を満たさなくなる直前の測定ポイントの設定を、最適な測定ポイントの設定として決定する。この設定は、アライメント条件を満たす設定のうち、測定ポイントの数が最小となる設定を示す。
そして、ステップS54の処理として、結果画像生成部58は、ステップS52におい
て決定された最適な測定ポイントの設定を表示する結果画像を生成しモニタ44の画面に表示させる。
例えば、最適な測定ポイントの設定におけるX軸方向及びY軸方向の測定間隔の値、測定ポイントの総数、測定ポイントのチップを例えば図16Aから16Cのように表示した図などを結果画像としてモニタ44の画面に表示させる。
また、最適な測定ポイントの設定に対して、図15のステップS38〜ステップS42の処理により算出される各チップにおけるばらつき精度に基づいて、各チップのばらつき精度のうちの最大値や最小値、図9〜図11に示したようなばらつき精度表示画像をモニタ44の画面に表示させるようにしてもよい。
なお、図15に示した処理手順では、測定ポイントの数を順次減少させて全てのチップのばらつき精度が条件値以下となるときの測定ポイントの設定を検出してその直前の設定を最適な測定ポイントの設定としたが、これに限らず、測定ポイントの数を順次増加させて全てのチップのばらつき精度が条件値以下となったときの測定ポイントの設定を検出し、その設定を最適な測定ポイントの設定としてもよい。
即ち、測定ポイントの設定を任意の方法で順次変更してばらつき精度を算出し、そのうち、全てのチップのばらつき精度が条件値以下で、かつ、測定ポイントの数が最小となる測定ポイントの設定を検出して最適な測定ポイントの設定として決定すればよい。下記の第2モードにおいても同様の趣旨の変更が可能である。
次に、第2モードの測定ポイント自動算出機能について説明する。
制御部40において、測定ポイント自動算出機能の第2モードを実施するプログラムをCPUが実行することによって制御部40内に構築される処理部は、図13に示したブロック図と同等の構成となるため、説明を省略する。
ただし、測定ポイント設定部60と判定部62の処理内容については、第1モードと相違しており、その処理内容については、測定ポイント自動算出機能の第2モードにおける各処理部50〜64の処理内容と処理手順の説明と共に図17、図18のフローチャートを用いて説明する。なお、図17のフローチャートにおいて、第1モードと同様の処理が実施されるステップには同一ステップ番号を付している。
操作者が操作部42の操作により、アライメントユーティリティの画面において測定ポイント自動算出機能の第2モードの実行を選択すると、図17のフローチャートに従った処理が開始される。
まず、ステップS30の処理として、条件値入力部64は、モニタ44に条件設定画面を表示し、ユーザが入力するアライメント条件の条件値を取り込み、その条件値を判定部62に与える。の条件値は、各チップのばらつき精度として許容できる制限値(上限値)を示す。
次に、ステップS32の処理として、チップ位置実測データ取得部50は、多数の被検体のウエハWのうちの1枚のウエハWをサンプルウエハとしてウエハステージ18に載置して、ウエハアライメントカメラ23を用いて全てのチップ(ダイ)のアライメント(全チップアライメント)を実施する。
これにより、ウエハWの全てのチップの位置が測定(実測)され、その実測された各チップの位置がチップ位置実測データとしてデータ記憶部52に格納される。
なお、このステップS32の処理は、被検体のウエハWに対して1度だけ実施すればよく、データ記憶部52に被検体のウエハWのチップ位置実測データが既に格納されている場合には、このステップS32の処理を実施する必要はない。
次に、ステップS34の処理として、ショット位置設定部54は、被検体のウエハWと同種のウエハWであって、ダイシング前のウエハWのチップの配列(位置)に関する設計データと、プローブカード25のプローブ26の配列(位置)に関する設計データをデータ記憶部52から読み込む。
そして、プローブ接触制御時においてダイシング前のウエハWの各チップに対してプローブ26を理想接触位置に接触させるためのショット位置を設定する。なお、ここで設定するショット位置は、補正前のショット位置を示す。
次に、ステップS36の処理として、判定部62は、測定ポイント設定部60に対して、測定ポイントのX軸方向及びY軸方向の測定間隔をいずれも0にすることを指定する。
次に、ステップS38の処理として、測定ポイント設定部60は、判定部62により指示された測定ポイントのX軸方向及びY軸方向の測定間隔の値に従って測定ポイントを設定する。ステップS36の処理の直後のステップS38の処理では、測定ポイント設定部60は、ウエハW上の全てのチップを測定ポイントのチップとして設定する。
また、後述のように測定ポイントとするチップが既に決定した確定範囲に関しては、その決定に従って測定ポイントを設定する。
次に、ステップS40の処理として、ショット位置設定部54は、測定ポイント設定部60により設定された測定ポイントのチップのチップ位置実測データをデータ記憶部52から読み込む。
そして、ショット位置設定部54は、その測定ポイントのチップの実測位置に基づいてステップS34において設定した補正前のショット位置を補正し、各チップの位置に対してプローブ26を最適に接触させることができるショット位置を補正後のショット位置として設定する。
次に、ステップS42の処理として、ばらつき精度算出部56は、データ記憶部52から全てのチップのチップ位置実測データと、プローブカード25のプローブ26の配列(位置)に関する設計データとを読み込む。そして、それらのデータに基づいて、被検体のウエハWに対して、ステップS38において設定された補正後のショット位置にプローブ26を接触させた場合に、実測位置に配列された各チップにプローブカード25のプローブ26が接触する位置の理想接触位置からのばらつき精度を算出する。
次に、ステップS44の処理として、判定部62は、ステップS42においてばらつき精度算出部56により算出された各チップのばらつき精度を、ステップS30において条件値入力部64により与えられた条件値とを比較し、全てのチップのばらつき精度が条件値以下か否かを判定する。
その結果、YESと判定した場合には、ステップS46の処理に移行し、NOと判定した場合には、図18のステップS60に移行する。
ステップS44においてYESと判定した場合のステップS46の処理として、判定部62は、X軸方向の測定間隔の現在の値とY軸方向の測定間隔の現在の値とが等しいか否かを判定する。その判定の結果、YESと判定した場合には、ステップS48の処理に移行し、NOと判定した場合には、ステップS50の処理に移行する。
ステップS46においてYESと判定した場合のステップS48の処理として、判定部62は、測定ポイント設定部60に対して、X軸方向の測定間隔を現在の値に対して1だけ加算した値を指定する。Y軸方向の測定間隔は現在の値をそのまま指定する。そして、ステップS38の処理に戻る。
これによって、ステップS38〜ステップS42により、測定ポイントのチップが決定している確定範囲以外のX軸方向の測定間隔を1チップ分増加して測定ポイントの数を低減した測定ポイントの設定に対して各チップのばらつき精度が算出され、ステップS44によりそれらの全てのチップのばらつき精度が条件値以下か否かの判定が行われる。
ステップS46においてNOと判定した場合のステップS50の処理として、判定部62は、測定ポイント設定部60に対して、Y軸方向の測定間隔を現在の値に対して1だけ加算した値を指定する。X軸方向の測定間隔は現在の値をそのまま指定する。そして、ステップS38の処理に戻る。
これによって、ステップS38〜ステップS42により、測定ポイントのチップが決定している確定範囲以外のY軸方向の測定間隔を1チップ分増加して測定ポイントの数を低減した測定ポイントの設定に対して各チップのばらつき精度が算出され、ステップS44によりそれらの全てのチップのばらつき精度が条件値以下か否かの判定が行われる。
一方、ステップS44においてNOと判定した場合、図18のステップS60の処理として、判定部62は、ばらつき精度が条件値以上となったチップを選出する。
次に、ステップS62の処理として、判定部62は、ステップS60により選出したチップを囲む矩形範囲を個別演算範囲として設定する。なお、ステップS44により選出されたチップを含むショット位置を選出して、選出したショット位置を含む最小の範囲を個別演算範囲としてもよい。
次に、ステップS64の処理として、判定部62は、測定ポイント設定部60に対して、個別演算範囲の測定間隔を減らして測定ポイントを増加させる指定を行う。具体的には、Y軸方向の測定間隔を現在の値とし、X軸方向の測定間隔を現在の値に対して1だけ減少させた値とする指定と、X軸方向の測定間隔を現在の値とし、Y軸方向測定間隔を現在の値に対して1だけ減少させた値とする指定とを、本ステップS64の処理が繰り返されるごとに交互に指定する。
次に、ステップS66の処理として、測定ポイント設定部60は、判定部62により設定された個別演算範囲のチップに関して、判定部62により指定されたX軸方向及びY軸方向の測定間隔の値に従って測定ポイントを設定する。
ここで、図19は、図5と同様に、ウエハWの各チップを四角領域102により表した図を用いて個別演算範囲の測定間隔を設定した様子を示した図である。同図において、ステップS60において選出されたチップが符号TSで示す3つのチップであった場合、ステップS62においてそれらのチップTSを含む範囲が個別演算範囲130として設定される。そして、ステップS64及びステップS66において、個別演算範囲130内の測定ポイントのチップとして符号TRで示すチップが設定される。個別演算範囲130内では、個別演算範囲130の周縁のチップが測定ポイントのチップとなるように、個別演算範囲130の外部の測定ポイントと関係なく新たに測定ポイントの設定が行われる。
図18に戻り、次に、ステップS68の処理として、ショット位置設定部54は、測定ポイント設定部60により設定された個別演算範囲の測定ポイントの全てチップのチップ位置実測データをデータ記憶部52から読み込む。
そして、その個別演算範囲の測定ポイントのチップの実測位置に基づいてステップS34において設定した個別演算範囲の補正前のショット位置を補正し、個別演算範囲内における各チップの位置に対してプローブ26を最適に接触させることができるショット位置を補正後のショット位置として設定する。
次に、ステップS70の処理として、ばらつき精度算出部56は、データ記憶部52から個別演算範囲の全てのチップのチップ位置実測データと、プローブカード25のプローブ26の配列(位置)に関する設計データとを読み込む。そして、それらのデータに基づいて、ウエハWの個別演算範囲に対して、ステップS68において設定された補正後のショット位置にプローブ26を接触させた場合に、実測位置に配列された各チップにプローブカード25のプローブ26が接触する位置の理想接触位置からのばらつき精度を算出する。
次に、ステップS72の処理として、判定部62は、ステップS70においてばらつき精度算出部56により算出された個別演算範囲の各チップのばらつき精度を、ステップS30において条件値入力部64により与えられた条件値とを比較し、全てのチップのばらつき精度が条件値以下か否かを判定する。NOと判定した場合にはステップS64に戻り、測定間隔を低減させて測定ポイントの数を増加させてステップS66〜ステップS72の処理を繰り返す。
一方、YESと判定した場合には、ステップS74の処理として、判定部62は、個別演算範囲の現在の測定ポイントの設定を最適な測定ポイントの設定(最適測定ポイント設定)として決定する。
そして、ステップS76の処理として、判定部62は、個別演算範囲のチップを確定範囲のチップとして設定する。
次に、ステップS78の処理として、判定部62は、ウエハWの全てのチップが確定範囲のチップとして設定されたか否かを判定する。NOと判定した場合には、図17のステップS46に移行し、YESと判定した場合には、ステップS80に移行する。
ステップS78においてNOと判定した場合のステップS46からの処理において、既に確定範囲として設定されている範囲に関しては、測定ポイントの変更は行わずにステップS74において決定した測定ポイントに固定する。なお、確定範囲に関しては、ステップS42におけるばらつき精度の算出や、ステップS44における判定を行わないようにしてもよい。
一方、ステップS78においてYESと判定した場合のステップS80の処理として、判定部62は、各確定範囲において決定された測定ポイントの設定を最適な測定ポイントの設定として決定する。
そして、ステップS82の処理として、結果画像生成部58は、ステップS80において決定された最適な測定ポイントの設定を表示する結果画像を生成しモニタ44の画面に表示させる。
例えば、最適な測定ポイントの設定におけるX軸方向及びY軸方向の測定間隔の値、測定ポイントの数、測定ポイントのチップを例えば図19のように表示した図などを結果画像としてモニタ44の画面に表示させる。
また、最適な測定ポイントの設定に対して、図17(図15)のステップS38〜ステップS42の処理により算出される各チップにおけるばらつき精度に基づいて、各チップのばらつき精度のうちの最大値や最小値、図9〜図11に示したようなばらつき精度表示画像をモニタ44の画面に表示させるようにしてもよい。
次に、第3モードの測定ポイント自動算出機能について説明する。
図20は、制御部40において、測定ポイント自動算出機能の第3モードを実施するプログラムをCPUが実行することによって制御部40内に構築される処理部を示したブロック図である。
データ記憶部80は、図3に示したデータ記憶部52に相当し、被検体であるウエハWのダイシング前のチップの配列に関する設計データや、ステージ移動機構によってウエハステージ18に載置したウエハWを移動させる際の最高速度、加速度等のステージ移動機構の制御に関するデータなど、以下のアライメント時間の算出に必要なデータを格納している。
測定ポイント設定部82は、上述の測定ポイント設定部60と同様にアライメント(チップの位置(XY座標)の実測)を実施するチップを測定ポイントとして設定する。
即ち、判定部86により指定されたX軸方向の測定間隔を示すチップ数とY軸方向の測定間隔を示すチップ数(ライン数)とに従って測定ポイントを設定する。
アライメント時間算出部84は、測定ポイント設定部82により設定された測定ポイントに従ってアライメント制御を実施する場合にそのアライメント制御に要するアライメント時間(測定ポイントのチップのアライメントが全て終了するまでに要する時間)を算出する。
その際、被検体のウエハWの配列(位置)に関するデータや、ステージ移動機構の制御に関する情報をデータ記憶部80から読み込み、測定ポイントのチップ間の移動に要する時間などを算出する。
判定部86は、測定ポイント設定部82に対してアライメントを実施する測定ポイントの設定、変更に関する指示を与えて、それに従って設定、変更された測定ポイントに対してアライメント時間算出部84により算出されたアライメント時間を取得する。
そして、そのアライメント時間が、条件値入力部88により入力された条件値に基づくアライメント条件を満たすか否かを判定する。その判定の結果に基づいて、最適な測定ポイントの設定を検出する。
ここで、アライメント条件として、アライメント時間が条件値入力部88により与えられた条件値以下となるようにアライメント制御を実施することを条件とし、判定部86は、アライメント時間が条件値以下か否かを判定する。
また、最適な測定ポイントの設定として、アライメント条件を満たす測定ポイントの設定のうち、測定ポイントの数ができるだけ少なくなるような設定を検出する。即ち、最適な測定ポイントの設定は、アライメント時間が条件値以下となるようにするために測定ポイントの数をどの程度まで低減させればよいかを示す。
条件値入力部88は、モニタ44の画面にアライメント条件に関する条件値を入力する条件設定画面を表示し、その条件設定画面に対してユーザが操作部42の操作によって入力した条件値を取得する。その条件値を判定部86に与える。
結果画像生成部90は、判定部86により検出された最適な測定ポイントの設定に関する情報をユーザに提示する結果画像を生成し、その結果画像をモニタ44の画面に表示させる。
次に、測定ポイント自動算出機能の第3モードにおける各処理部80〜90の処理内容と処理手順について図21のフローチャートを用いて説明する。
操作者が操作部42の操作により、アライメントユーティリティの画面において測定ポイント自動算出機能の第3モードの実行を選択すると、図12のフローチャートに従った処理が開始される。
まず、ステップS100の処理として、条件値入力部88は、モニタ44に条件設定画面を表示し、ユーザが入力するアライメント条件の条件値を取り込み、その条件値を判定部62に与える。この条件値は、アライメント時間として許容できる制限値(上限値)を示す。
次に、ステップS102の処理として、アライメント時間算出部84は、被検体のウエハWと同種のウエハWであって、ダイシング前のウエハWのチップの配列(位置)に関する設計データ(X軸方向とY軸方向のインデックスサイズのデータ)と、アライメント制御時においてステージ移動機構によって移動するウエハWの最高速度、加速度のデータをデータ記憶部80から読み込む。
続いて、ステップS104の処理として、アライメント時間算出部84は、アライメント制御時において、ウエハWが停止してウエハアライメントカメラ23が撮影する時間をデータ記憶部80から取得する。
次に、ステップS106の処理として、判定部86は、測定ポイント設定部82に対して、測定ポイントのX軸方向及びY軸方向の測定間隔をいずれも0にすることを指定する。
次に、ステップS108の処理として、測定ポイント設定部82は、判定部86により指示された測定ポイントのX軸方向及びY軸方向の測定間隔の値に従って測定ポイントを設定する。ステップS106の処理の直後のステップS108の処理では、測定ポイント設定部82は、ウエハW上の全てのチップを測定ポイントのチップとして設定する。
次に、ステップS110の処理として、アライメント時間算出部84は、測定ポイント設定部82により設定された測定ポイントのチップのアライメントを実施する場合に、全ての測定ポイントのチップのアライメントに要するアライメント時間、即ち、全てのチップを測定ポイントとしたアライメント制御に要するアライメント時間を、ステップS102及びステップS104において読み込んだデータに基づいて算出する。
次に、ステップS112の処理として、判定部86は、ステップS112においてアライメント時間算出部84により算出されたアライメント時間を、ステップS100において条件値入力部88により与えられた条件値とを比較し、算出されたアライメント時間が条件値以下か否かを判定する。
その結果、NOと判定した場合には、ステップS114の処理に移行し、YESと判定した場合には、ステップS120に移行する。
ステップS112においてNOと判定した場合のステップS114の処理として、判定部86は、X軸方向の測定間隔の現在の値とY軸方向の測定間隔の現在の値とが等しいか否かを判定する。その判定の結果、YESと判定した場合には、ステップS116の処理に移行し、NOと判定した場合には、ステップS118の処理に移行する。
ステップS114においてYESと判定した場合のステップS116の処理として、判定部86は、測定ポイント設定部82に対して、X軸方向の測定間隔を現在の値に対して1だけ加算した値を指定する。Y軸方向の測定間隔は現在の値をそのまま指定する。そして、ステップS108の処理に戻る。
これによって、ステップS108、ステップS110により、X軸方向の測定間隔を1チップ分増加して測定ポイントの数を低減した測定ポイントの設定に対するアライメント時間が算出され、ステップS112によりそのアライメント時間が条件値以下か否かの判定が行われる。
ステップS114においてNOと判定した場合のステップS118の処理として、判定部86は、測定ポイント設定部82に対して、Y軸方向の測定間隔を現在の値に対して1だけ加算した値を指定する。X軸方向の測定間隔は現在の値をそのまま指定する。そして、ステップS108の処理に戻る。
これによって、ステップS108、ステップS110により、Y軸方向の測定間隔を1チップ分増加して測定ポイントの数を低減した測定ポイントの設定に対するアライメント時間が算出され、ステップS112によりそのアライメント時間が条件値以下か否かの判定が行われる。
一方、ステップS112においてYESと判定した場合のステップS120の処理として、判定部86は、現在のX軸方向及びY軸方向の測定間隔による測定ポイントの設定を最適な測定ポイントの設定(最適測定ポイント設定)として決定する。
そして、ステップS122の処理として、結果画像生成部90は、ステップS120において決定された最適な測定ポイントの設定を表示する表示画像を生成しモニタ44の画面に表示させる。
例えば、最適な測定ポイントの設定におけるX軸方向及びY軸方向の測定間隔の値、測定ポイントの総数、最適な測定ポイントの設定におけるアライメント時間、最適な測定ポイントのチップを例えば図14のように表示した図などを結果画像としてモニタ44の画面に表示させる。
また、図15のステップS30〜S34、及び、ステップS38〜ステップS42の処理により最適な測定ポイントの設定に対して各チップにおけるばらつき精度を算出し、それに基づいて、各チップのばらつき精度のうちの最大値や最小値、図9〜図11に示したようなばらつき精度表示画像によって表示させるようにしてもよい。
なお、図21に示した処理手順では、測定ポイントの数を順次減少させてアライメント時間が条件値以下となるときの測定ポイントの設定を検出して最適な測定ポイントの設定としたが、これに限らず、測定ポイントの数を順次増加させてアライメント時間が条件値を超えたときの測定ポイントの設定を検出し、その直前の設定を最適な測定ポイントの設定としてもよい。即ち、測定ポイントの設定を任意の方法で順次変更してアライメント時間を算出し、そのうち、アライメント時間が条件値以下で、かつ、アライメント時間が最大(測定ポイントの数が最大)となる測定ポイントの設定を検出して最適な測定ポイントの設定として決定すればよい。
以上,上記実施の形態では、被検体のウエハWを個々のチップに分断されたダイシング後のウエハとしたが、ダイシング前のウエハを被検体のウエハWとする場合であっても適用でき、特定の形態のウエハに限定されない。また、プローブカード25をマルチプロ−ビング用のカードとしたがシングルプロ−ビング用のカードとすることもできる。
また、上記実施の形態で説明したアライメントユーティリティ機能は、必ずしもプローバ10を制御する制御部において実施する必要はなく、アライメントユーティリティ機能を実施する装置は、アライメント支援装置として、必要なデータを記録媒体や通信手段等を通じて取得できる装置(コンピュータ等)であれば、プローバ10を制御する制御部とは別体の装置であってもよい。
(付記)
上記に詳述した実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(付記1)フレームに固定されたダイシングシートに付着されたウエハをダイシングにより個片化し、複数形成されたチップをテスタのプローブに接触させるプローブ装置において、前記ウエハ上の各チップの実測位置を示す実測データを取得する実測データ取得手段と、前記実測データ取得手段により取得した実測データに基づいて、前記ウエハの各チップを前記プローブに接触させる際に前記プローブが前記各チップに接触するプローブ接触位置のばらつき量を各チップのばらつき量として算出するばらつき量算出手段と、前記ウエハの全体を表示するとともに、前記ウエハの全体の表示の中で前記ばらつき量算出手段により算出されたばらつき量を視覚的に表示するための画像を生成する画像生成手段と、を備えているプローブ装置。
付記1記載の発明によれば、プローブ装置を稼働させる際の制御パラメータの設定において重要となる各チップのばらつき量に関する情報をユーザに提供することができる。
(付記2)前記画像生成手段は、前記ウエハの各チップに対応する領域の中心位置から、各チップのばらつき量に対応してずらした位置にドットを表示した画像を生成する付記1に記載のプローブ装置。
付記2記載の発明は、ばらつき量を視覚的に表示する画像の一形態であり、各チップのばらつき量をドットの表示位置のばらつき量として直感的に認識することできる。
(付記3)前記画像生成手段は、前記ウエハの各チップに対応する領域の表示色の少なくとも明度、彩度、色相のうちのいずれかの要素を各チップのばらつき量に対応して変化させた画像を生成する付記1に記載のプローブ装置。
付記3記載の発明は、ばらつき量を視覚的に表示する画像の一形態であり、各チップのばらつき量を表示色の変化によって直感的に認識することできる。
(付記4)前記画像生成手段は、前記ウエハの各チップのばらつき量を一列に並ぶチップごとにグラフ表示した画像を生成する付記1に記載のプローブ装置。
同様に、フレームに固定されたダイシングシートに付着されたウエハをダイシングにより個片化し、複数形成されたチップをテスタのプローブに接触させるプローブ装置において、前記ウエハ上の各チップの実測位置を示す実測データを取得する実測データ取得手段と、前記実測データ取得手段により取得した実測データに基づいて、前記ウエハの各チップの実測位置のばらつき量を各チップのばらつき量として算出するばらつき量算出手段と、前記ウエハの全体を表示するとともに、前記ウエハの全体の表示の中で前記ばらつき量算出手段により算出されたばらつき量を視覚的に表示するための画像を生成する画像生成手段と、を備え、前記画像生成手段は、前記ウエハの各チップのばらつき量を一列に並ぶチップごとにグラフ表示した画像を生成する態様とすることができる。
付記4記載の発明は、ばらつき量を視覚的に表示する画像の一形態であり、各チップのばらつき量をグラフによって認識することができるため、ばらつき量の絶対的な大きさも把握することが可能である。
(付記5)フレームに固定されたダイシングシートに付着されたウエハをダイシングにより個片化し、複数形成されたチップをテスタのプローブに接触させるプローブ装置において、前記ウエハ上の各チップの実測位置を示す実測データを取得する実測データ取得手段と、前記実測データ取得手段により取得した実測データに基づいて、前記ウエハの各チップの実測位置のばらつき量を各チップのばらつき量として算出するばらつき量算出手段と、前記ウエハの全体を表示するとともに、前記ウエハの全体の表示の中で前記ばらつき量算出手段により算出されたばらつき量を視覚的に表示するための画像を生成する画像生成手段と、を備え、前記画像生成手段は、前記ウエハの各チップのばらつき量を一列に並ぶチップごとにグラフ表示した画像を生成するプローブ装置。
付記5記載の発明によれば、プローブ装置を稼働させる際の制御パラメータの設定において重要となる各チップのばらつき量に関する情報をユーザに提供することができ、さらに各チップのばらつき量をグラフによって認識することができるため、ばらつき量の絶対的な大きさも把握することが可能である。
(付記6)前記ばらつき量算出手段は、各チップに関して、前記実測データ取得手段により取得された実測データが示す実測位置と、前記ウエハの設計データが示す理想位置との差を前記実測位置のばらつき量として算出する付記5に記載のプローブ装置。
付記6記載の発明の態様は、各チップの実測位置のばらつき量を理想位置を基準として算出する形態である。
(付記7)前記ばらつき量算出手段は、各チップに関して、前記実測データ取得手段により取得された実測データが示す実測位置のチップに前記プローブが接触する位置と、チップに前記プローブが接触すべき理想接触位置との差を前記プローブが前記各チップに接触する位置のばらつき量として算出する付記1〜4のうちのいずれか1つに記載のプローブ装置。
付記7記載の発明の態様は、プローブが各チップに接触する位置のばらつき量を、理想接触位置を基準として算出する形態である。
(付記8)複数のチップの各々にプローブが接触するように、かつ、1つのチップに重複してプローブが接触しないように、複数のプローブと前記ウエハとの接触位置であるショット位置を設定するショット位置設定手段を更に備える、付記1〜7のいずれか1つに記載のプローブ装置。
(付記9)前記ばらつき量算出手段は、前記ショット位置設定手段により設定された前記ショット位置に基づいて、各チップについての前記プローブ接触位置のばらつき量を算出する、付記8に記載のプローブ装置。
(付記10)前記ショット位置設定手段は、各チップについての前記プローブ接触位置のばらつき量の平均値が最小となる位置を補正後のショット位置として設定する、付記9に記載のプローブ装置。
(付記11)前記ショット位置設定手段が前記補正後のショット位置を設定した場合、前記ばらつき量算出手段は、前記補正後の前記ショット位置に基づいて各チップについての前記プローブ接触位置のばらつき量を算出し、前記画像生成手段は、前記補正後のショット位置に基づいて算出された前記ばらつき量に基づいて、前記画像を生成する付記10に記載のプローブ装置。
(付記12)フレームに固定されたダイシングシートに付着されたウエハをダイシングにより個片化し、複数形成されたチップをテスタのプローブに接触させるプローブ装置において、前記ウエハ上の各チップの実測位置を示す実測データを取得する実測データ取得手段と、前記実測データ取得手段により取得した実測データに基づいて、前記ウエハの各チップの実測位置のばらつき量を各チップのばらつき量として算出するばらつき量算出手段と、前記ウエハの全体を表示するとともに、前記ウエハの全体の表示の中で前記ばらつき量算出手段により算出されたばらつき量を視覚的に表示するための画像を生成する画像生成手段と、を備え、前記画像生成手段は、前記ウエハの各チップに対応する領域の表示色の少なくとも明度、彩度、色相のうちのいずれかの要素を各チップのばらつき量に対応して変化させた画像を生成するプローブ装置。
付記12記載の発明によれば、プローブ装置を稼働させる際の制御パラメータの設定において重要となる各チップのばらつき量に関する情報をユーザに提供することができる。また本態様は、ばらつき量を視覚的に表示する画像の一形態であり、各チップのばらつき量を表示色の変化によって直感的に認識することできる。
(付記13)前記ばらつき量算出手段は、各チップに関して、前記実測データ取得手段により取得された実測データが示す実測位置と、前記ウエハの設計データが示す理想位置との差を前記実測位置のばらつき量として算出する付記12に記載のプローブ装置。
付記13記載の発明の態様は、各チップの実測位置のばらつき量を理想位置を基準として算出する形態である。