JP2005091342A - 試料欠陥検査装置及び方法並びに該欠陥検査装置及び方法を用いたデバイス製造方法 - Google Patents

試料欠陥検査装置及び方法並びに該欠陥検査装置及び方法を用いたデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 製作誤差、試料の移動速度むら、リソグラフィ工程での製作誤差、拡大倍率の変動、試料面の凹凸等に無関係に、高精度・高解像度で二次元画像を取得すること。
【解決手段】 ウェーハ51上において互いに平行でない2つの軸方向にほぼ規則的に配置されたダイ54内のパターンを検査するため、ダイ54が仮想的に配置されるべき等間隔グリッドを生成し、各ダイ54の実際の位置座標を求め、等間隔グリッドと各ダイ54の位置誤差を算出し、各ダイ54の画像が等間隔グリッドに沿って配置されるよう、各ダイ54の位置誤差の値に基づいて、各ダイ54の画像の位置補正をして画像を取得する。位置補正して取得された画像に基づいて、ダイ54のパターンの欠陥検査を行う。
【選択図】 図4

Description

本発明は、0.1μm以下のパターンを有するステンシル・マスク、ウェーハ等の試料の表面に形成されたデバイスパターンの欠陥を高精度、高信頼性且つ高解像度で検査を行うための欠陥検査装置及び方法並びに該欠陥検査装置及び方法を用いて試料の検査を行う工程を含むデバイス製造方法に関する。
欠陥検査装置は、電子線を検査対象であるウェーハ等の試料に照射することにより、試料の被検査面に形成されたデバイスパターンに関連する情報を有する電子を発生させ、この発生された電子を用いてデバイスパターンの情報を画像化し、得られた画像を所定の検査プログラムにしたがって検査するものである。この検査の結果の信頼度を高めるには、電子の照射により試料面のデバイスパターンから高精度の情報が得られることが必要である。そのための一つの手段が、試料を載置してX軸方向及びそれに直交するY軸方向に移動させるステージのX軸方向及びY軸方向でのレジストレーションと二次電子光学系の軸方向に平行なZ軸方向でのフォーカス調整である。
従来から、試料、例えばウェーハの被検査面から相互に対応する2つの領域の画像を生成し、これら相互に対応する一方と他方の2つの画像から欠陥を検査する場合、一方の画像を+1ピクセル,+2ピクセル,−1ピクセル,−2ピクセルづつX軸方向及びY軸方向にそれぞれ位置ずれさせた画像を生成し、これらの位置ずれさせた画像24枚及び位置ずれ無しの画像1枚の合計25枚の画像と他方の画像とを比較する方法が用いられており、これらの画像形成には、一本の電子線を用いた欠陥検査装置が実用化されている。
また、スループットを向上させるために、マルチビームを用いて試料の欠陥検査を行う検査システムも提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。これらのシステムは、複数の電子ビームで同時に試料の複数の領域を走査して欠陥検査を行うので、理論的には電子ビームの数だけスループットが向上することになる。
米国特許第5,892,224号明細書 B. Lischke, Japanese Journal of Applied Physics, Vol.28, No. 10, p2058。
しかしながら、上記の従来のパターン欠陥の検査装置には、
(1)試料を載置してX軸方向及びそれに直交するY軸方向に移動させるステージが設けられているが、このステージをガイドするステージガイドに歪みが生じていたり、X軸方向とY軸方向のステージガイドが正確に直交していなかったりする場合があるため、ステージが理想的な軌跡上を移動しないこと、
(2)試料をステージに載置する際に、試料のX−Y座標とステージのX−Y座標とが一致せず、回転方向において誤差が生じている場合があること、
(3)試料の位置を検出するためのレーザ干渉計に誤差が生じる場合があること、
(4)試料の中には、リソグラフィ工程において設計上の位置からずれてダイが形成されてしまうものがあること、
(4)ステージの連続移動中に速度むらが生じる場合があること、
(5)電子線による照射によって試料がチャージアップを起こし、得られる画像に歪みなどが生じる場合があること、
等のために正確な検査が行い得ないという問題が生じ得る。
例えば、上記の種々の誤差を何ら補正しない場合には、得られる画像が理論値上の位置から±2ピクセル以上ずれてしまうこともある。仮に、これらのずれがX軸方向及びY軸方向に±3ピクセルづつ生じる可能性があるとすると、欠陥検査の正確性を確保するために、比較用に生成しなければならない画像数が7×7=49枚も必要となる。この結果、検査に必要なメモリや比較回路を増やさなければならないため、欠陥検査の速度が画像取得に追いつかないばかりでなく、高スループットの欠陥検査が行えないという不都合を生じていた。
加えて、従来からの試料等の試料の欠陥検査では、上記のように、パターン検査のための二次元画像取得に先立って、XY方向のレジストレーションしか行われておらず、試料面の凹凸を配慮することはなかった。この理由からも、精度の良い画像信号を得ることができなかった。
例えば、試料等の試料の欠陥を検査するために二次元画像を取得する装置として知られている、写像光学系を用いた欠陥検査装置においては、二次電子像の拡大倍率が時間的に或いは温度等の環境の変化と共に大きく変動するという問題があった。更に、このような写像光学系においては、焦点深度が浅いために試料面に凹凸があると、二次元画像の解像度が低下するという問題もあった。
本発明は上記の課題に鑑みて提案されたものであり、本発明の第1の目的は、欠陥検査装置の製作誤差(ステージガイドの歪み、ステージガイドの直交誤差)に関する問題、ステージの移動の際の位置決めに関する誤差や試料上のダイが理論値に従った理想的な座標に形成されていない場合、更には試料の移動中の速度むら等が生じる場合にも、精度よく欠陥検査を行うことができるパターン検査方法及び装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、写像光学系の拡大倍率が変動しても、また、試料面に凹凸があっても、高精度、高信頼性且つ高解像度で二次元画像を取得することができる検査方法及び装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、上記の検査方法及び装置を用いて欠陥検査を行うことにより、高い歩留まりが期待できるデバイス製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、
基板上において互いに平行でない2つの軸方向にほぼ規則的に配置されている複数のダイ内のパターンを検査する装置であって、
前記基板上の前記ダイが仮想的に配置されるべき目標グリッドを生成するための演算手段と、
前記目標グリッドと前記基板上の前記ダイの位置との差分を補正する手段と、
を具備することを特徴とするパターン欠陥検査装置、
を提供する。
請求項2の発明は、前記目標グリッドと前記基板上の前記ダイの位置との差分を補正する前記手段が、前記目標グリッドに対する前記基板上のダイの位置誤差を演算する手段と、前記位置誤差を無くすための補正信号を偏向器にフィードバック又はフィードフォワードする制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項3の発明は、
試料表面を検査する装置であって、
試料に向けてビームを照射するビーム照射源と、
前記ビーム照射源によるビーム照射領域内の1画素当たりの前記試料上の寸法を測定する手段と、
前記1画素当たりの前記寸法を用いてステージの移動距離を算出し、この算出結果に基づいて前記試料のアライメントを行う演算手段と、
前記ビームの照射によって前記試料から放出され且つ前記試料の表面の情報を含む二次ビームを検出する検出器と、
前記検出器により検出された前記二次ビームから前記試料の表面の画像を取得し、前記試料の検査を行う手段と、
を具備する試料表面検査装置、
を提供する。
請求項4の発明は、
パターンが形成された複数のダイを有する試料の表面を検査する検査装置であって、
前記試料表面のダイの位置補正に必要な情報を取得する手段と、
前記情報の取得中に、前記試料表面の被検査領域の任意の個所において前記試料表面の合焦条件を測定して記憶する手段と、
前記試料の表面に向けてビームを照射するビーム照射源と、
前記ビームが前記被検査領域を相対移動する際に、前記試料表面の合焦条件を満たすように調整可能なレンズと、
を具備することを特徴とする検査装置、
を提供する。
請求項5の発明は、前記ビームが前記被検査領域を相対移動する際に、前記ダイの位置ずれを補正する偏向器を更に備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の欠陥検査装置を用いてプロセスの途中又はプロセス終了後の試料の欠陥検査を行うことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
請求項7の発明は、
基板上において互いに平行でない2つの軸方向にほぼ規則的に配置されている複数のダイ内のパターンを検査する検査方法であって、
(a)前記基板上のダイが仮想的に配置されるべき目標グリッドを生成するステップと、
(b)前記基板上の各ダイの実際の位置座標を求めるステップと、
(c)前記目標グリッドと前記各ダイの位置誤差を算出するステップと、
(d)取得する前記各ダイの画像が前記目標グリッドに沿って配置されるように、前記各ダイの位置誤差の値に基づいて取得する各ダイの画像の位置補正をして画像を取得するステップと、
(e)前記位置補正をして取得した画像に基づいてダイのパターンの検査を行うステップと、を含むことを特徴とする検査方法、
を提供する。
請求項8の発明は、前記ステップ(a)において、前記目標グリッドが、前記基板上の複数のダイから、前記互いに平行でない2つの軸方向に並ぶダイを、各軸方向にそれぞれ少なくとも2つづつ選択し、選択されたダイ間のピッチからダイ1つ当たりの仮想的なピッチをそれぞれ2つの軸方向について求め、この仮想的なピッチに基づいて生成することを特徴とする。
請求項9の発明は、前記ステップ(a)において、前記目標グリッドが、CADデータに含まれている位置情報に基づいて生成することを特徴とする。
請求項10の発明は、前記ステップ(e)において、相互に対応する異なる2つのダイの画像を比較してその差異に基づいて欠陥を検出することを特徴とする。
請求項11の発明は、前記ステップ(e)において、検査の対象となるパターンとこれに対応するCADデータの情報によって生成されるパターンとを比較し、その差異に基づいて欠陥を検出することを特徴とする。
請求項12の発明は、前記ステップ(a)において、前記試料上の2つのダイを選択してダイ間のピッチを検出してこれを第1のピッチとし、当該第1のピッチを所定の倍数で複数倍してこれを第2のピッチとし、当該第2のピッチに近い距離だけ離れた2つのダイの実際のピッチを検出してこれを第3のピッチとし、当該第3のピッチを前記倍数で除した値を前記仮想的なピッチとすることを特徴とする。
請求項13の発明は、前記互いに平行でない2つの軸が、相互に直交するx軸とy軸であることを特徴とする。
請求項14の発明は、前記ステップ(a)において、x軸及びy軸に平行なダイシングライン又はダイ内の所定パターンを用いてダイの仮想的なピッチを求めることを特徴とする。
請求項15の発明は、前記ステップ(d)において、前記画像の位置補正は前記電子線用の偏向器で行うことを特徴とする。
請求項16の発明は、
試料の表面を検査する方法であって、
前記試料の表面に対してビームを照射し、該ビームの照射領域内の1画素当たりの前記試料の表面上の寸法を測定するステップと、
前記寸法を用いてステージの移動距離を算出し、この算出結果に基づいて前記試料のアライメントを行うステップと、
前記試料にビームを照射し、それによって前記試料の表面から放出され且つ前記試料の表面の情報を含む二次ビームを検出して、前記試料の表面を検査するステップと、
を備えることを特徴とする試料表面検査方法、
を提供する。
請求項17の発明は、寸法を測定する前記ステップが、寸法が既知のパターンの画素数を測定することにより行うことを特徴とする。
請求項18の発明は、
試料の表面を検査する方法であって、
前記試料の表面のダイの位置補正に必要な情報を取得するステップと、
前記情報の取得中に、被検査領域の任意の箇所において前記試料の表面の合焦条件を測定して記憶するステップと、
前記試料にビームを照射するステップと、
前記試料の表面の合焦条件を満たすようにレンズを調整しながら、前記ビームが前記試料の表面の被検査領域を相対移動するように前記ビームを走査し又はステージを移動させるステップと、
前記ビームの照射により前記試料より放出され且つ前記被検査領域の情報を含む二次ビームを検出して前記試料の表面を検査するステップと、
を備えることを特徴とする試料表面検査方法、
を提供する。
請求項19の発明は、前記試料の表面を検査する前記ステップが、CCD又はCCD−TDIを用いて、複数の画素を含む前記被検査領域の画像を取得し、参照用の画像との比較により前記試料の表面の検査を行うことを特徴とする。
請求項20の発明は、表面の検査を行う前記ステップが、ダイ内のパターンが周期構造をなす部分については、同一のダイ内の周期構造をなす部分同士の比較により行われ、周期構造をなさない部分については前記参照用の画像との比較により行われることを特徴とする。
請求項21の発明は、請求項16〜20のいずれか一つに記載の検査方法を用いてプロセスの途中又はプロセス終了後の試料の欠陥検査を行うことを特徴とする。
以下、本発明に係る欠陥検査装置及び欠陥検査方法の若干の実施の形態を、添付した図面を参照しながら詳述する。まず、図1〜図5を参照して、本発明に係る欠陥検査方法を実施するための、表面にパターンが形成された基板すなわちウェーハを検査対象として検査する欠陥検査装置の全体構成を説明する。
図1及び図2において、欠陥検査装置1は、
複数枚のウェーハWを収納したカセットを保持するカセットホルダ10、
ミニエンバイロメント装置20、
ワーキングチャンバ31を画成する主ハウジング30、
ミニエンバイロメント装置20と主ハウジング30との間に配置され、2つのローディングチャンバを備えるローダーハウジング40、
ウェーハWをカセットホルダ10から主ハウジング30内に配置されたステージ装置50上に装填するローダー60、
真空ハウジングに取り付けられた電子光学装置70
を備え、それらは図1及び図2に示すような位置関係で配置されている。
欠陥検査装置1は、更に、真空状態の主ハウジング30内に配置されたプレチャージユニット81と、ウェーハWに電位を与える電位付与機構83(図5参照)と、電子ビームキャリブレーション機構87(図8参照)と、ステージ装置50上でのウェーハWの位置決めを行うためのアライメント制御装置を構成する光学顕微鏡871とを備える。
カセットホルダ10は複数枚(例えば25枚)のウェーハWが上下方向に平行に並べられた状態で収納されたカセットc(例えば、アシスト社製のFOUPのようなクローズドカセット)を複数個(図においては2個)保持するようになっている。このカセットホルダ10としては、カセットをロボット等により搬送してきて自動的にカセットホルダ10に装填する場合にはそれに適した構造のものを、人手により装填する場合にはそれに適したオープンカセット構造のものを、それぞれ任意に選択して設置することができる。
カセットホルダ10は、図示の構成においては、自動的にカセットcが装填される形式であり、例えば昇降テーブル11と、その昇降テーブル11を上下に移動させる昇降機構12とを備え、カセットcは図2に鎖線で示す状態で昇降テーブル12の上に自動的にセットされ、セット後に、図2に実線で示す状態に自動的に回転されてミニエンバイロメント装置20内の第1の搬送ユニット(後述)の回動軸線に向けられ、その後、昇降テーブル11は図1で鎖線で示す状態に降下される。なお、自動的に装填する場合或いは人手により装填する場合に使用するカセットホルダは公知の構造のものを適宜使用すればよく、その構造及び機能の詳細な説明は省略する。
カセットc内に収納される基板すなわちウェーハWは、検査を受けるべきウェーハであり、そのような検査は半導体製造工程中でウェーハを処理するプロセスの後、若しくはプロセスの途中で行われる。具体的には、成膜工程、CMP、イオン注入等を受けたウェーハや表面に配線パターンが形成された又は形成されていないウェーハが、カセットcに収納される。カセットc内に収容されるウェーハWは多数枚、上下方向に隔てて平行に並べて配置される。このため、任意の位置のウェーハWを第1の搬送ユニット(後述)で保持できるように、第1の搬送ユニットのアームは上下方向に移動可能である。
図1〜図3において、ミニエンバイロメント装置20は、雰囲気制御されるミニエンバイロメント空間21を形成するハウジング22と、ミニエンバイロメント空間21内で清浄空気のような気体を循環させて雰囲気制御するための気体循環装置23と、ミニエンバイロメント空間21内に供給された空気の一部を回収して排出する排出装置24と、ミニエンバイロメント空間21内に配設されていて検査対象としてもウェーハWの粗位置決めを行うプリアライナー25とを備えている。
ハウジング22は、頂壁221、底壁222及び四周を囲む周壁223を有しており、ミニエンバイロメント空間21を外部から遮断する構造になっている。ミニエンバイロメント空間21を雰囲気制御するために、気体循環装置23は、図3に示すように、ミニエンバイロメント空間21内において頂壁221に取り付けられており、空気を清浄にして1つ又はそれ以上の気体吹き出し口(図示せず)を通して清浄空気を真下に向かって層流状に流す気体供給ユニット231と、ミニエンバイロメント空間21内において底壁222の上に配置されていて、底に向かって流れ下った空気を回収する回収ダクト232と、回収ダクト232と気体供給ユニット231とを接続して回収された空気を気体供給ユニット231に戻す導管233とを備えている。
層流状の下方向の清浄空気の流れ、すなわちダウンフローは、主に、ミニエンバイロメント空間21内に配置された第1の搬送ユニット61による搬送面を通して流れるように供給され、これによって、搬送ユニット61により発生する恐れのある塵埃がウェーハWに付着するのが防止される。ハウジング22の周壁223のうち、カセットホルダ10に隣接する部分には、出入り口225が形成される。
図3に示すように、排出装置24は、搬送ユニット61のウェーハ搬送面より下側の位置で搬送ユニットの下部に配置された吸入ダクト241と、ハウジング22の外側に配置されたブロワー242と、吸入ダクト241とブロワー242とを接続する導管243とを備えている。排出装置24は、搬送ユニットの周囲を流れ下って搬送ユニットにより発生する可能性のある塵埃を含む空気を吸入ダクト241によって吸引し、導管243及びブロワー242を介してハウジング22の外側へ排出するよう動作する。
ミニエンバイロメント空間21内に配置されたプリアライナー25は、ウェーハWに形成されたオリエンテーションフラット(円形のウェーハの外周に形成された平坦部分をいい、オリフラと呼ばれる)やウェーハWの外周縁に形成された1つ以上のV型の切り欠き又はノッチを光学的或いは機械的に検出して、搬送ユニット61の軸線O−Oに関するウェーハWの回転方向位置を±1度の精度で予め位置決めしておくよう動作する。プリアライナー25は検査対象の座標を決める機構の一部をなし、検査対象の粗位置決めを担当する。プリアライナー25自体は公知の構造のものであり、その構造や動作の説明は省略する。
図1及び図2において、ワーキングチャンバ31を形成する主ハウジング30は、ハウジング本体32を備える。ハウジング本体32は、台フレーム36上に配置された振動遮断装置すなわち防振装置37の上に載せられたハウジング支持装置33によって支持され、ハウジング支持装置33は矩形に組まれたフレーム構造体331を備えている。こうして、ハウジング本体32はフレーム構造体331上に配設固定される。ハウジング本体32はフレーム構造体331上に載せられた底壁321と、頂壁322と、底壁321及び頂壁322に接続されて四周を囲む周壁323とを備えていてワーキングチャンバ31を外部から隔離する。
ハウジング本体32及びハウジング支持装置33は剛構造に組み立てられていて、台フレーム36が設置されている床からの振動がこの剛構造に伝達されるのを防振装置37で阻止するようになっている。ハウジング本体32の周壁323のうちローダハウジング40に隣接する周壁にはウェーハ出し入れ用の出入り口325が形成されている。
ワーキングチャンバ31は公知の構造の真空装置(図示せず)により真空雰囲気に保たれる。台フレーム36の下には装置全体の動作を制御する制御装置2が配置されている。ワーキングチャンバ31は、通常、10−4〜10−6Paの圧力に保たれる。
図1、図2及び図4において、ローダハウジング40は、第1のローディングチャンバ41と第2のローディングチャンバ42とを構成するハウジング本体43を備えている。ハウジング本体43は底壁431と、頂壁432と、四周を囲む周壁433と、第1のローディングチャンバ41と第2のローディングチャンバ42とを仕切る仕切壁434とを有していて、両ローディングチャンバ41、42を外部から隔離できる構造になっている。仕切壁434には、両ローディングチャンバ41、42間でウェーハWの出し入れを行うための開口すなわち出入り口435が形成される。また、周壁433のミニエンバイロメント装置20及び主ハウジング30に隣接した部分には出入り口436及び437が形成されている。
図4に示すように、ローダハウジング40のハウジング本体43は、ハウジング支持装置33のフレーム構造体331上に載置されて支持されるので、ローダハウジング40に対する床の振動の伝達が防止される。ローダハウジング40の出入り口436とミニエンバイロメント装置20ハウジング22の出入り口226とは整合されていて、そこにはミニエンバイロメント空間21と第1のローディングチャンバ41との連通を選択的に阻止するシャッタ装置27が設けられている。
ローダハウジング40の出入り口437とハウジング本体32の出入り口325とは整合されていて、そこには第2のローディングチャンバ42とワーキンググチャンバ31との連通を選択的に密封阻止するシャッタ装置45が設けられている。更に、仕切壁434に形成された開口435には、扉461の開閉により第1及び第2のローディングチャンバ41、42間の連通を選択的に阻止するシャッタ装置46が設けられている。これらのシャッタ装置27、45及び46は、閉じた状態にあるとき、各ローディングチャンバを気密シールする。
第1のローディングチャンバ41内には、複数、例えば2枚のウェーハWを上下に隔てて水平の状態で支持するウェーハラック47が配設されている。第1及び第2のローディングチャンバ41、42は、図示しない真空ポンプを含む公知の構造の真空排気装置(図示せず)によって高真空状態(真空度としては10−4〜10−6Pa)に雰囲気制御され得る。この場合、第1のローディングチャンバ41を低真空チャンバとして低真空雰囲気に保ち、第2のローディングチャンバ42を高真空チャンバとして高真空雰囲気に保ち、ウェーハWの汚染防止を効果的に行うこともできる。このような構造を採用することによって、ローディングチャンバ内に収容されて次に欠陥検査されるべきウェーハWをワーキングチャンバ31内に遅滞なく搬送することができるばかりでなく、欠陥検査のスループットを向上させ、更に、保管状態が高真空状態であることを要求される電子源周辺の真空度を可能な限り高真空度状態にすることができる。
第1及び第2のローディングチャンバ41、42には、それぞれ真空排気配管(図示せず)と不活性ガス(例えば乾燥純窒素)用のベント配管(図示せず)が接続される。こうして、各ローディングチャンバ内に不活性ガスを注入すると、不活性ガスベントにより各ローディングチャンバ表面に不活性ガス以外の酸素ガス等が付着するのが防止される。
なお、電子線を使用する本発明の欠陥検査装置において、電子光学装置の電子源として使用される代表的な六硼化ランタン(L)等は、熱電子を放出する程度まで高温状態に加熱された場合、その寿命を縮めないためには酸素に可能な限り接触させないことが肝要である。そこで、電子光学装置が配置されているワーキングチャンバ31にウェーハWを搬入する前段階で上記のように雰囲気制御を行うことにより、電子源に酸素が接触するのを確実に防止することができる。
ステージ装置50は、主ハウジング30の底壁321上に配置された固定テーブル51と、固定テーブル51上でY方向(図1において紙面に垂直の方向)に移動するYテーブル52と、固定テーブル51上でX方向(図1において左右方向)に移動するXテーブル53と、Xテーブル53上で回転可能な回転テーブル54と、回転テーブル54上に配置されたホルダ55とを備えている。ホルダ55のウェーハ載置面551上にはウェーハWが解放可能に保持される。ホルダ55は、ウェーハWを機械的に或いは静電チャック方式で解放可能に把持できる公知の構造のものでよい。
ステージ装置50は、サーボモータ、エンコーダ及び各種のセンサ(図示せず)を用いて、上記の複数のテーブル51〜54を動作させることにより、載置面551上でホルダ55に保持されたウェーハWを、電子光学装置から照射される電子ビームに対してX方向、Y方向及びZ方向(図1において上下方向)に、更にウェーハWの支持面に鉛直な軸線の回り方向(θ方向)に、高精度で位置決めする。
なお、Z方向の位置決めは、例えばホルダ上の載置面の位置をZ方向に微調整可能にしておけばよい。この場合、載置面の基準位置を微細径レーザによる位置測定装置(干渉計の原理を使用したレーザ干渉測距装置)によって検知し、その位置をフィードバック回路(図示せず)によって制御したり、それと共に或いはそれに代えて、ウェーハのノッチ或る否オリフラの位置を測定してウェーハの電子ビームに対する平面位置、回転位置を検知し、回転テーブルを微小角度制御可能なステッピングモータ等により回転させて制御する。ワーキングチャンバ31内での塵埃の発生を極力防止するために、ステージ装置50のためのサーボモータ521、531及びエンコーダ522、532は、主ハウジング30の外側に配置される。なお、電子ビームに対するウェーハWの回転位置やX、Y位置を、後述する信号検出系或いは画像処理系に予め入力することで得られる信号の基準化を図ることもできる。
ローダー60は、ミニエンバイロメント装置20のハウジング22内に配置されたロボット式の第1の搬送ユニット61と、第2のローディングチャンバ42内に配置されたロボット式の第2の搬送ユニット63とを備える。第1の搬送ユニット61は駆動部611に関して軸線O−Oの周りで回転可能な多節のアーム612を有する。多節のアームとしては任意の構造のものを使用できるが、図のアーム612は互いに回動可能に取り付けられた3つの部分を有している。第1の搬送ユニット61のアーム612の最も駆動部611に近い第1の部分は、駆動部611内に設けられた公知の構造の駆動機構(図示せず)により回転可能な軸613に取り付けられている。アーム612は、軸613により軸線O−Oの周りで回動できるとともに、部分間の相対回転により、全体として軸線O−Oに関して半径方向に伸縮する。アーム612の最上部にある第3の部分の先端には、公知の構造の機械式チャック又は静電チャック等のウェーハWを把持する把持装置616が設けられている。駆動部611は昇降機構615によって上下方向に移動可能である。
動作時、第1の搬送ユニット61のアーム612は、カセットホルダ10に保持された2つのカセットcのうちのいずれか一方の方向M1又はM2に向かって伸び、カセットc内に収容されたウェーハWのうちの1枚をアーム612に載せ、或いはアーム612の先端に取り付けたチャック(図示せず)により把持して取り出す。その後、アーム612は図2に示すように縮み、次いで、プリアライナー25の方向M3に向かって伸長する位置まで回転して停止する。そこで、アーム612は再び伸び、アーム612に保持されたウェーハWをプリアライナー25に載せる。こうしてプリアライナー25によってウェーハWの向きを微調整した後、アーム612はプリアライナー25からウェーハWを受け取ってから、第1のローディングチャンバ41に向かって方向M4の方に伸長できる位置まで回転して停止し、次いで第1のローディングチャンバ41内のウェーハ受け47にウェーハWを受け渡す。
なお、アームによって機械的にウェーハWを把持する場合には、ウェーハWの周縁から約5mmの範囲の周縁部を把持することが好ましい。これは、ウェーハWには周縁部を除いてその内側全面に回路配線等のデバイスが形成されているので、この部分を把持すると、デバイスを破壊して欠陥を発生させることになるからである。
第2の搬送ユニット63は、第1の搬送ユニット61と構造が基本的に同じであり、ウェーハWの搬送をウェーハラック47とステージ装置50の載置面551との間で行うよう動作する。
ローダー60において、第1及び第2の搬送ユニット61、63はカセットホルダ10に保持されたカセットcからワーキングチャンバ31内に配置されたステージ装置50への及びその逆のウェーハWの搬送をほぼ水平状態に保ったままで行う。搬送ユニット61、63のアーム612、632が上下動するのは、単に、ウェーハWのカセットcからの取り出し及びカセットcへの挿入、ウェーハWのウェーハラック47への載置及びウェーハラック47からの取り出し、及び、ウェーハWのステージ装置50への載置及びステージ装置50からの取り出しのときだけである。したがって、大型のウェーハW、例えば直径30cmのウェーハの移動をスムーズに行うことができる。
ここで、カセットホルダ10に支持されたカセットcからワーキングチャンバ31内に配置されたステージ装置50までへのウェーハWの搬送を、図1〜図4を参照して順に説明する。カセットホルダ10は、前述のように人手によりカセットcをセットする場合にはそれに適した構造のものが、また自動的にカセットcをセットする場合にはそれに適した構造のものが使用される。カセットcがカセットホルダ10の昇降テーブル11の上にセットされると、昇降テーブル11は昇降機構12によって降下され、カセットcは出入り口225に整合される。
カセットcが出入り口225に整合されると、カセットcに設けられたカバー(図示せず)が開き、カセットcと出入り口225との間には筒状の覆いが配置されてカセットcの内部とミニエンバイロメント空間21とを外部から遮断する。なお、出入り口225を開閉するシャッタ装置がミニエンバイロメント装置20に設けられている場合には、そのシャッタ装置が動作して出入り口225を開閉する。
第1の搬送ユニット61のアーム612は方向M1又は方向M2に向いた状態で停止している。そこで、M1の方向を向いて停止しているとすると、出入り口225が開いたとき、アーム612は出入り口225を通って伸び、その先端でカセットc内のウェーハWのうちの1枚を受け取る。アーム612によるウェーハWの受け取りが完了すると、アーム612は縮み、上記シャッタ装置が設けられている場合には該シャッタ装置を動作させて出入り口225を閉じる。次にアーム612は軸線O−Oの回りで回動して方向M3に向けて伸長できる位置まで来て停止し、その位置でアーム612は伸び、その先端に載せられた或いはチャックで把持されたウェーハWをプリアライナー25の上に載せ、プリアライナー25によってウェーハWの回転方向の向き、すなわち、ウェーハ平面に垂直な中心軸線の回りの向きを所定の範囲内に位置決めする。
こうしてウェーハWの位置決めが完了すると、第1の搬送ユニット61は、アーム612の先端にプリアライナー25からウェーハWを受け取ってからアーム612を縮ませ、方向M4に向けてアーム612を伸長させる姿勢になる。するとシャッタ装置27の扉272が動いて出入り口226及び436が開くので、アーム612が第1のローディングチャンバ42の内部へ伸びてウェーハWをウェーハラック47の上段側又は下段側に載せる。なお、前記のようにシャッタ装置27を開いてウェーハラック47にウェーハWを受け渡すよりも前に、仕切壁434に形成された開口435がシャッタ装置46の扉461により気密状態で閉じられる。
第1の搬送ユニット61によるウェーハWの搬送過程において、ミニエンバイロメント装置20のハウジング22の上に設けられた気体供給ユニット231から、清浄空気が層流状に下向きに、つまりダウンフローとして流出され、搬送途中で塵埃がウェーハWの上面に付着するのを防止する。搬送ユニット61の周辺の空気の一部は排出装置24の吸入ダクト241から吸引されてハウジング22外に排出される。これは、供給ユニット231から供給される空気の例えば約20%は主に汚れた空気だからである。残りの空気はハウジング22の底部に設けられた回収ダクト232を介して回収され、再び気体供給ユニット231に戻される。
ウェーハWが第1のローディングチャンバ41内のウェーハラック47内に第1の搬送ユニット61により載せられると、シャッタ装置27が閉じ、ローディングチャンバ41内を密閉する。次いで、第1のローディングチャンバ41内に不活性ガスが充填されて空気が追い出され、その後、その不活性ガスも排出されてローディングチャンバ41内は真空雰囲気にされる。第1のローディングチャンバ41の真空雰囲気は低真空度でよい。
ローディングチャンバ41内の真空度がある程度得られると、シャッタ装置46が動作して扉461で密閉していた出入り口435を開き、次いで第2の搬送ユニット63のアーム632が第1のローディングチャンバ41内に伸びてウェーハ受け47から1枚のウェーハWをアーム632の先端の上に載せて、或いはアーム632の先端に取り付けられたチャック等の把持装置で把持して受け取る。ウェーハWの受け取りが完了すると、アーム632が縮み、シャッタ装置46が再び動作して扉461によって出入り口435を閉じる。
なお、シャッタ装置46が開く前に、アーム632は予めウェーハラック47の方向N1に向けて伸長できる姿勢になり、出入り口437、325はシャッタ装置45の扉452によってを閉じられて第2のローディングチャンバ42とワーキングチャンバ31との連通を気密に阻止する。出入り口435と出入り口437、325が閉じられると、第2のローディングチャンバ42内は真空排気され、第1のローディングチャンバ42内よりも高真空度の真空にされる。
第2のローディングチャンバ42が真空排気される間に、第2の搬送ユニット63のアーム632はワーキングチャンバ31内のステージ装置50の方向に向いて伸長できる位置に回転される。一方、ワーキングチャンバ31内のステージ装置50では、Yテーブル52が、Xテーブル53の中心線X−Xが第2の搬送ユニット63の回動軸を通るX軸線X−Xとほぼ一致する位置まで移動し、また、Xテーブル53はローダーハウジング40に最も接近する位置まで移動して待機する。第2のローディングチャンバ42の真空状態がワーキングチャンバ31の真空状態と略同じになると、シャッタ装置45の扉452が動いて出入り口437、325を開き、アーム632がワーキングチャンバ31内へ伸びてウェーハWを保持したアーム632の先端をワーキングチャンバ31内のステージ装置50に接近させてステージ装置50の載置面551上にウェーハWを載置する。ウェーハWの載置が完了するとアーム632が縮み、シャッタ装置45が出入り口437、325を閉じる。
ステージ装置50には、ウェーハWに逆バイアス電位(リターディング電位)をかける機構がある。これは、アーム632がステージ装置50へウェーハWを置きに行く又は取りに行くとき、アーム632をステージ装置50と同じ又は近い電位に、或いはフローティング電位にしておくことにより、ショートによる放電などの不具合を避ける機構である。なお、ウェーハWをステージ装置50上に搬送する際、ウェーハWに印加するバイアス電位をオフにしておいてもよい。
バイアス電位を制御する場合には、ウェーハがステージに搬送されるまでは電位をオフにしておき、ステージに搬送され載置されてからオンにしてバイアス電位を印加するようにしてもよい。バイアス電位を印加する時機は、タクトタイムを予め設定しておき、それにしたがって印加してもよいし、ステージの上にウェーハが載置された事をセンサで検出し、その検出信号をトリガとして印加するようにしてもよい。また、シャッタ装置45が出入口437、325を閉じたことを検出して、その検出信号をトリガとして印加してもよい。更に、静電チャックを用いる場合には、静電チャックに吸着されたことを確認し、それをトリガとしてバイアス電位を印加するようにしてもよい。
図5に、ウェーハWに逆バイアス電位(リターディング電位)をかけるためにステージ装置50に設けられた機構83を示す。電位付与機構83は、ウェーハWから放出される二次電子情報(二次電子発生率)が、ウェーハWの電位に依存すると言う事実に基づいて、ウェーハWを載置するステージの設置台551に±数Vの電位を印加することにより二次電子の発生を制御するものである。また、この電位付与機構83は、照射電子が当初有しているエネルギーを減速し、ウェーハWを100〜500eV程度の照射電子エネルギーで書写するための用途も果たす。
電位付与機構83は、図5に示すように、ステージ装置50の載置面551と電気的に接続された電圧印加装置831と、チャージアップ調査及び電圧決定システム(以下調査及び決定システム)832とを備えている。調査及び決定システム832は、電子光学装置70の検出系の画像形成部763に電気的に接続されたモニター833と、モニター833に接続されたオペレータ834と、オペレータ834に接続されたCPU835とを備えている。CPU835は、電圧印加装置831に信号を供給する。電位付与機構83は、検査対象であるウェーハが帯電し難い電位を探し、その電位を印加するように設計されている。
ウェーハWの電気的欠陥を検査する方法としては、本来電気的に絶縁されている部分とその部分が通電状態にある場合では、その部分の電圧が異なることを利用することもできる。それは、まず、ウェーハWに事前に電荷を付与することで、本来電気的に絶縁されている部分の電圧と、本来電気的に絶縁されている部分であるが何らかの原因で通電状態にある部分の電圧とに電圧差を生じさせ、その後に電子ビームを照射することにより、電圧差があるデータを取得し、この取得データを解析して、通電状態となっていることを検出する。
以上は、カセットc内のウェーハWをステージ装置上に搬送するまでの動作について説明したが、ステージ装置50に載せられて処理が完了したウェーハWをステージ装置50からカセットc内に戻すには前述と逆の動作を行って戻す。また、ウェーハラック47に複数のウェーハを載置しておくよう、第2の搬送ユニット63でウェーハラック47とステージ装置50との間でウェーハの搬送を行う間に、第1の搬送ユニット61でカセットcとウェーハラック47との間でウェーハWの搬送を行うことができ、検査処理を効率良く行うことができる。
プレチャージユニット81は、図1に示すように、ワーキングチャンバ31内で電子光学装置70の鏡筒71に隣接して配設される。本検査装置では、センサ対象であるウェーハWに電子線を照射して走査することによりウェーハWの表面に形成されたデバイスパターン等を検査する形式の装置である。したがって、電子線の照射により生じる二次電子等の情報をウェーハ表面の情報とするが、ウェーハの材料、照射電子のエネルギ等の条件によってウェーハ表面が帯電する、つまりチャージアップすることがある。更に、ウェーハ表面でも、強く帯電する個所と弱く帯電する個所とが生じる可能性がある。ウェーハ表面の帯電量にムラがあると、二次電子情報もムラを生じ、鋭角な情報を得ることができない。そこで、ムラを防止するために、荷電粒子照射部811を有するプレチャージユニット81が設けられる。検査するウェーハWの所定の個所に検査電子を照射する前に、帯電ムラをなくすために、プレチャージユニット81の荷電粒子照射部811から荷電粒子を照射する。このウェーハ表面のチャージアップは、予め検出対象であるウェーハ面の画像を形成し、その画像を評価することで検出することができ、その検出結果に基づいてプレチャージユニット81を動作させる。プレチャージユニット81では一次電子線をぼかして照射してもよい。
図1に示す欠陥検査装置1はアライメント制御装置87を備えている。該アライメント制御装置87は、ステージ装置50を用いてウェーハWを電子光学装置70に対して位置決めさせる装置であって、図8に示すように、ウェーハWを光学顕微鏡871を用いて電子光学装置70によるよりも低い倍率で広視野観察することにによるウェーハWの概略位置合わせ、電子光学装置70の電子光学系を用いた高倍率のウェーハWの位置合わせ、焦点調整、検査領域設定、パターン・アライメント等の制御を行うことができる。このように光学系を用いて低倍率でウェーハWを検査するのは、ウェーハWのパターンの検査を自動的に行うためには、電子線を用いたウェーハWのパターンを観察してウェーハ・アライメントを行うときに、電子線によりアライメント・マークを容易に検出する必要があるからである。
光学顕微鏡871は、主ハウジング32内に好ましくは移動可能に設けられ、光学顕微鏡871を動作させるための光源(図示せず)も主ハウジング32内に設けられる。高倍率の観察を行うための電子光学系は、電子光学装置70の電子光学系すなわち一次光学系701及び二次光学系702を共用する。ウェーハW上の被観察点を低倍率で観察するには、ステージ装置50のXステージ53をX方向に動かすことによってウェーハの被観察点を光学顕微鏡871の視野内に移動させる。光学顕微鏡871で広視野でウェーハWを視認してウェーハW上の観察すべき位置をCCD872を介してモニタ873に表示させ、観察位置をおおよそ決定する。この場合、光学顕微鏡871の倍率を低倍率から高倍率へ変化させていってもよい。
次に、ステージ装置50を電子光学装置70の光軸O−Oと光学顕微鏡871の光軸O−Oとの間隔δxに相当する距離だけ移動させて光学顕微鏡871で予め決めた、ウェーハW上の被観察点を電子光学装置70の視野位置に移動させる。この場合、電子光学装置70の軸線O−Oとの光軸O−Oとの間の距離δxは予め分かっているので、距離δxだけ移動させれば被観察点を電子光学装置70の視認位置に移動させることができる。なお、ここでの説明においては、電子光学装置70と光学顕微鏡871とはX軸線に沿った方向にのみ両者は位置ずれしているものとしているが、X軸方向及びY軸方向に位置ずれしていてもよい。電子光学装置70の視認位置への被観察点の移動が完了した後、電子光学装置70の電子光学系により、高倍率で被観察点をSEM撮像して画像を記憶し、又は撮像装置を介してモニタ表示させる。
このようにして、電子光学系により高倍率でウェーハWの観察点をモニタに表示させた後、公知の方法によりステージ装置50の回転テーブル54の回転中心に関するウェーハWの回転方向のずれ、すなわち、電子光学系の光軸O−Oに対するウェーハWの回転方向のずれδθを検出し、また、電子光学装置70に関する所定のパターンのX軸及びY軸方向のずれを検出する。こうして得られた検出値及び別途得られた、ウェーハWに設けられた検査マークのデータ又はウェーハWのパターンの形状等に関するデータに基づいて、ステージ装置50の動作を制御してウェーハWのアライメントを行う。
以上の説明をふまえて、以下、本発明に係る欠陥検査装置に用いられる電子光学装置70の幾つかの実施の形態について説明する。
まず、図7及び図8は、本発明に係る欠陥検査装置に用いられる電子光学装置70の第1の実施の形態の構成を概略的に示しており、電子光学装置70はマルチビーム方式の電子光学装置である。図に示すように、電子光学装置701は、一次電子光学系(以下単に一次光学系)910aと、二次電子光学系(以下単に二次光学系)910bと、検出系910cとを備えている。
一次光学系910は、ウェーハ等の試料909に形成された半導体デバイス(例えばダイ)を構成するパターンに電子線Eを照射する光学系であり、電子線Eを放出する電子銃901aと、直線状又は二次元的に配列された複数の小孔902aが形成されていて電子銃901aから放出された電子線Eを複数の電子ビーム(マルチビーム)に成形するマルチ開口板902と、マルチビームを収束させる電子レンズ903と、NA開口905aを画成するNA開口部材905と、NA開口905aを通過したマルチビームを縮小する静電レンズ904と、静電偏向器944と、E×B分離器907と、第1の対物レンズ906と、偏向器942、943と、第2の対物レンズ908とを備える。これらの構成要素は、図7に示すように、電子銃901aを最上部にして順に、かつ電子銃901aから放出される電子線Eの光軸OA1が試料909の表面に垂直になるように配置される。
マルチ開口板902の複数の小孔902aは、一次光学系910aの光軸OA1を中心とする円周内に配置され、y軸上に投影した場合の隣接する小孔間のy軸方向の間隔が全て等しくなるように形成されている。したがって、各小孔902aにより成形されるマルチビームも光軸OA1を中心とする円周内に配置され、ビームの相互間の最小間隔は、二次光学系910bの分解能以上の距離を保ち、且つそれらのビーム間のy軸方向の間隔が全て等しくなるように構成されている。
二次光学系910bは、E×B分離器907の近くで光軸OA1に対して傾斜している光軸OA2に沿って配置された集光レンズ913と、偏向器914とを備えている。試料909の表面上での各電子ビーム間の最小間隔は、二次光学系910bにおける試料909の表面上での分解能より大きくなっている。
検出系910cは、マルチ開口板902の各小孔902aに対応するチャンネルを有するマイクロチャンネルプレート(MCP)915と、各小孔902aに対応するマルチアノード916及び抵抗918と、A/Dコンバータを含む画像形成回路919と、メモリ920とを備えている。マルチアノード916は、図8に示されるように、長方形の構造内に配列された細線のループ形状であって、MCPから放出されたガスが速やかに排気されるようになっている。また、各マルチアノード916の一端部917はセラミックスの基板941に固定され、かつリード線917aを介して抵抗918及び画像形成回路919に接続される。
以上のような構成によって、上記電子線Eは縮小レンズ904と対物レンズ906、908とで縮小され、Y軸方向に並ぶ各ビームは細く絞られて試料909上に結像される。これらの電子線Eを偏向器942、943によって偏向させながら試料909上をX軸方向に走査する。そして、走査点から発生した二次電子群は、点線911で示すように進行して互いの間隔を第2の対物レンズ908、第1の対物レンズ906及び拡大レンズ913で拡大されると同時に、MCP(マイクロチャンネルプレート)の背後に設けられたマルチアノード916の間隔と等しくなるように倍率が調整される。
次に、図9は、本発明に係る欠陥検査装置で用いられる電子光学装置70の第2の実施の形態の構成を概略的に示している。この第2の実施の形態はシングルビーム方式の走査型電子光学装置であり、図7の第1の実施の形態と異なるのは、マルチ開口板902、レンズ913及びマルチアノード16(図8)が不要となる点である。同時に、シングルビーム方式の走査型電子光学装置では、マルチビーム方式の装置の検出系910cが、PINダイオード又はシンチレータとフォトマルチプライヤからなる検出器910dに置き換わる点でも異なる。なお、図9において、図7に示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付すことにし、それらについての説明を省略する。
図9に示すシングルビーム方式の電子光学装置70においては、1本のビームで1画素分の情報を検出するので、ウェーハ909の被検査面から発生する二次電子群の数に相当する信号強度のみを検出できればよく、簡易な検出系で済むという利点がある。
ここで、図7及び図9に示す電子光学装置70を用いた欠陥検査装置において実施される、本発明に係るパターン検査方法の一つの実施の形態を説明する。
欠陥検査のために、複数のダイが形成されたウェーハ等の基板に電子線を照射してその被検査面におけるパターンの画像を取得すると、取得した画像においても、理論上、各ダイは設計どおりに配列されているはずである。しかし、既に説明したとおり、実際には、ステージを移動させるステージガイドに歪みが生じていたり、リソグラフィ工程で露光誤差が生じていたりすること等に起因して、形成された画像上のダイの配列はウェーハ上のダイの配列とは異なることがある。このような場合には、画像比較による欠陥検出に支障が生じるので、各ダイの配列がウェーハ上のダイの配列と等しい画像を取得するために、電子光学系の偏向器で電子線の偏向方向や偏向量を補正することが望ましい。
上記の補正を行うためには、画像比較のための基準となるグリッドを取得することが必要である。つまり、画像比較の基準となる「目標グリッド」を取得しなければならない。目標グリッドは設計上のCADデータであっても良いし、実際の基板上のダイの位置を測定して演算により求めたものであってもよい。実際の基板上のダイを利用する後者の場合、目標グリッドを生成するために、試料上のダイのX軸方向及びY軸方向のピッチを検出し、検出されたピッチの平均値を計算して、仮想的な目標グリッドを求める。また、CADデータを利用する場合でも、必要に応じて同様の演算を行う。こうして求めた仮想的な目標グリッドを用いて、欠陥検査を行う。
実際上、多くの場合、各ダイは等間隔グリッドを形成する。以下、一般的な例として、各ダイが等間隔グリッドを形成している場合、つまり、目標グリッドが等間隔グリッドである場合について、ウェーハ1001の平面図を示す図10を用いて、本発明に係るパターン欠陥検査方法の一つの実施の形態を具体的に説明する。図10に示すように、ウェーハ1001の表面には複数のダイ1004(図10では一例として15個のダイが形成されている)が、互いに直交するX軸及びY軸に沿って規則的に配列されている。各ダイ1004の欠陥検査を行うに際しては、ダイ1004が配列される座標系と欠陥検査装置の座標系とが正確に一致していることが望ましい。しかし、実際には、ウェーハ1001をステージに載置するとき、ダイ1004が配列される座標系と欠陥検査装置の座標系とに回転方向のずれ(誤差)が生じてしまう場合がある。また、ウェーハ1001上にパターンを作成するリソグラフィ工程においても、設計値と比較して数10〜数100nm程度の位置ずれを生じる可能性がある。本発明に係るパターン欠陥検査方法により、このような場合にも正確な欠陥検査を行うことができる。以下、本発明に係るパターン欠陥検査方法の具体的な手順を説明する。
先ず、仮想的なピッチを光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて検出するステップが実行される。このステップにおいては、欠陥検査装置に備え付けられている光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて、広範囲かつ低倍率から狭範囲かつ高倍率へと数段階でピッチの検出を行うのがよい。具体的には、試料の拡大画像上で隣接するダイ同士のピッチ(例えば、図10における隣接するダイの対応する隅a、b間の距離P)をダイシングライン1005、1006を利用して検出する。これによってX軸方向のダイのピッチが求まる。Y軸方向についても、同様に、隣接するダイのピッチを検出する。
なお、隣接するダイのピッチだけでは実際のピッチと大きく異なる場合もあるので、精度を向上させるためには、離れたダイ同士のピッチをも検出し、検出されたピッチの平均値を求めてもよい。この平均処理については後述する。なお、隣接するダイ同士の実際のピッチを検出する代わりに、設計上のCADデータ等の基準となるデータを利用してピッチを求めてもよい。また、ダイのピッチを求めるのにダイのダイシングラインを用いたが、これに限られるものではない。例えば、ダイ内の所定のパターンであって、同一視野内で誤ってパターンマッチングしてしまうような類似のパターンが近傍に存在しないような特徴的なパターンを選択すれば、ダイシングラインの場合と同様にダイのピッチを検出することができる。この特徴的なパターンの選択は、例えば、ダイのパターンデータに基づいて行われる。
次いで、「仮想的な等間隔グリッド」を生成する。この「仮想的な等間隔グリッド」においては、ダイはX軸方向にもY軸方向にも等間隔に配列される。また、当該等間隔グリッドのX軸とY軸とは正確に直交しているのが一般的である。「仮想的な等間隔グリッド」は、上記のようにして検出されたX軸方向及びY軸方向の仮想的なピッチを用いて生成される。この実施の形態においては、図10に示すように、ダイはY軸方向に長い長方形であるため、「仮想的な等間隔グリッド」はX軸方向よりもY軸方向のピッチの方が長いグリッドになる。このように形成された「仮想的な等間隔グリッド」は、実際には不等間隔に形成されているダイを等間隔に配列し直したり、欠陥検査装置の製作誤差に起因して検査用画像に生じるダイの位置ずれなどを補正するための目標となる仮想的なグリッドである。したがって、実際のダイの位置と「仮想的な等間隔グリッド」におけるダイの位置とは僅かなずれが生じる場合がある。
図11には、X軸方向のピッチがPxでY軸方向のピッチがPyである「仮想的な等間隔グリッド」が図示されている。なお、「仮想的な等間隔グリッド」は、図12に示すように、平行四辺形であってもよい。
次に、ウェーハ上の各ダイの位置座標を検出するステップについて説明する。ダイの位置座標の検出は、電子線を用いて、それぞれX軸及びY軸に平行なダイシングライン1005、1006の直線をマークとするマーク検出によって行われる。検出すべきダイシングライン1005、1006は、図10の(B)に示す例では、それぞれのダイ1004の左側及び下側に存在する。
このマーク検出によりダイ1004のX軸方向の直線1005a及びY軸方向の直線1006aが求められると、これらの直線1005a、1006aの交点からダイ1004の角の位置座標(例えば、ダイ1004の左下の角)が検出される。こうして検出された各ダイ1004の角の位置座標値は所定のメモリに記憶される。なお、各ダイ1004の角の位置座標は、ウェーハ1001上のすべてのダイについて求めても良いし、半数程度のダイについて検出し、残りのダイについては近傍のダイの位置座標を利用して計算で補間するようにしてもよい。
ここで、上記補間の一例について、図13を参照して説明する。図13において、ステージを移動させるステージガイドのX軸とY軸とが正確に直交していない場合、以下のように補間が行われる。即ち、ダイD0及びD2の左下の隅の座標(x0,y0)及び(x2,y2)は予め実測により求められていると仮定して、ダイDの左下の隅の座標(x1,y1)を求める。上記のように、ステージガイドのX軸とY軸とが正確に直交していない場合の補正を行うので、リニア演算による補間が適用できる。そこで、図13においては、ダイDはダイD0とD2の間のちょうど中間に位置していると予想できるので、x及びyは、x1=(x0+x2)÷2、y1=(y0+y2)÷2で計算される。また、複合的な原因で位置ずれが生じているダイの位置座標を補間により求めるには、多項式を利用する。例えば、二次の多項式(y=ax2+bx+c)を補間式とした場合に、例えば(x10,y10)、(x20,y20)、(x30,y30)の3個所の実測値があれば、変数a、b、cを求めることができ、これによって補間式を導出することができる。
次いで、生成された「仮想的な等間隔グリッド」とウェーハ上の各ダイの位置座標とに基づいて、「仮想的な等間隔グリッド」における各ダイに対するウェーハ上の各ダイ10004の位置誤差を算出する。図11は、リソグラフィ工程においてダイが位置ずれして形成された場合を説明する概念図であり、「仮想的な等間隔グリッド」は点線で示され、各ダイは実線の長方形で示されている。上記位置誤差を算出するためには、まず、生成された「仮想的な等間隔グリッド」の座標系とウェーハ上のダイの座標系とをいずれかの位置で対応させなければならない。そこで、図11は、左下のダイ1004aが「仮想的な等間隔グリッド」に対応しており、9個のダイのうち中央のダイ1004bが「仮想的な等間隔グリッド」に対してX軸方向及びY軸方向にそれぞれΔx、Δyだけ僅かにずれていることを示している。
上記位置誤差とは、「仮想的な等間隔グリッド」のと位置ずれしたダイの対応する位置座標との差であり、図11においては、基準座標(x0,y0)と中央のダイ1004bの座標(x1,y1)とについて位置誤差Δx、Δyが算出される。算出された位置誤差Δx、Δyは所定のメモリに記憶される。
次いで、実際の欠陥検査が行われる。欠陥検査に際しては、電子線をダイ1004の表面に照射して走査し、ダイ1004から放出される二次電子群を検出して画像化することにより欠陥検査を行う。このとき、ウェーハ1001はステージに載置されて予め設定された経路を移動するので、何らの補正もしない場合には、位置ずれを生じているダイ1004bを走査すると、得られる画像にも位置ずれが生じてしまう。
これを解消するため、上記のようにして求めたダイの位置誤差Δx、Δyをメモリから読出し、この位置誤差がゼロになるように電子線の偏向補正を行う。つまり、x1=x0+Δx、y1=y0+Δyから求められる位置に電子線を照射するよう電子線の偏向方向や偏向量を補正する。
また、メモリを使用せず、ダイの位置補正(Δx、Δy)、(Δx、Δy)(Δx、Δy)から多項式Δy=aΔx+bΔx+cより変数a、b、cを求め、走査位置に応じて計算して偏向補正量を求めてもよい。
こうした偏向補正は電子光学系の偏向器を用いて行われる。例えば、図7の電子光学装置70の場合、偏向器942、943によって電子線の照射位置を補正すると共に、偏向器914によってMCP915に入射する電子の位置を補正する。このようにして、位置誤差を生じたダイに対応して電子線Eを偏向補正することにより、すべてのダイの画像が「仮想的な等間隔グリッド」に配置されることとなる。
X軸方向のずれとしては、上記のようにリソグラフィ工程で生じた固定的なものに加えて、ステージガイド(図示せず)に歪みがある場合には、ウェーハ1001を載置するステージの移動の際に生じる位置ずれもあり得る。ステージガイドに歪みがあると、ステージの移動が正確にY軸に平行でなくなり、X軸方向に僅かにずれてしまうことがある。そこで、ステージの実際の位置はレーザ干渉計で常時監視しているので、この実際のステージの位置と設定上のステージの位置との差を検出し、この差をゼロにするように偏向器により電子線の偏向量を補正することが望ましい。
また、Y軸方向の位置ずれの補正に関しては、リソグラフィ工程で生じたダイの位置ずれは、X軸方向の位置ずれについて上で説明したのと同様にして補正することができる。ステージの移動時に生じた理論値とのずれは、以下のようにして補正することができる。例えば、電子光学系が1ピクセル当たり100MHzのクロック周波数で動作すると仮定すると、100ピクセル/μsの速さでウェーハを走査できることになる。実際には、電子線をウェーハに照射する際、ダイ全体に電子線を照射するのではなく、ダイを複数の細長い領域に分割し、この領域を単位として走査を行う。この領域は「ストライプ」と呼ばれ、図10の(A)では参照数字1002で指示されている。ストライプ1002のX軸方向の幅は、後述するように、2048ピクセルに設定されているので、ストライプ1002をX方向に1回走査するのに20.48μsかかる。走査の開始と終了とで合計9.52μsのロスタイムがあるとすると、ストライプ1002のX方向の1回の走査に要する時間は合計で30μsである。この時間内にY軸方向に1ピクセル分(0.1μm)の走査を行うことになるので、走査を連続的に行う場合のY軸方向のステージ速度は0.1μm/30μs=3.3mm/sとなる。こうして、ステージのY軸方向の平均速度をこの値とし、時間とステージの理論上の位置との関係を算出して算出結果をメモリに記憶しておく。一方、ステージの実際の位置はレーザ干渉計を用いて常時監視されている。このため、上記計算上のステージの位置と実際のステージの位置とを比較することによって、ステージの速度むらを検出できるので、ステージのY軸方向の速度むらによる位置ずれが検出された場合には、この位置ずれを無くすように電子光学系の偏向器にフィードバック或いはフィードフォワードする。
このようにして、「仮想的な等間隔グリッド」が求められ、ウェーハ上の各ダイの位置座標が補正された後、欠陥判定が実施される。欠陥を判定するには、まず、得られた画像の中から、同一のパターンが含まれていると予測される複数の領域の画像を抽出する。例えば、図10の(A)に示す複数のストライプ1002の画像を抽出する。次いで、抽出された画像を相互に比較し、画像どおしが正確に一致していない場合に欠陥があると判定する。具体的な判定手法については後述する。
以上説明したような補正を行うことにより、正確な領域の画像を生成することができるので、セル対セルやダイ対ダイの画像比較を行う場合にも、±2ピクセルまでのずらし画像を作成すれば十分精度の高い欠陥検査を行うことができることになる。
ここで、ダイのピッチを検出する方法の変形例について説明する。この場合には、最初にウェーハ1001の中心領域のダイ1004のピッチを検出する。例えば、図10の(A)における角a、b間の間隔を検出する。この間隔を第1のピッチPとする。続いて、第1のピッチPを所定の整数で整数倍し、その結果を第2のピッチPとする。例えば、第1のピッチPを4倍し、P=4Pとする。次いで、求められた第2のピッチP2に近い距離だけ離れている2つのダイを選択し、それらのダイ相互のピッチを検出してこれを第3のピッチPとする。図10の(A)においては点c、d間の距離が第3のピッチP3となる。この第3のピッチP3を上記所定の整数で除することにより、仮想的なダイのピッチを求める。以上のステップをX軸方向及びY軸方向について行うことにより、両軸方向のダイのピッチPx及びPyが求まる(図11参照)。このような処理によって、実際のダイのピッチにより近い値Px及びPyを求めることができる。
ここで、ダイのストライプへの分割について詳述する。既に述べたとおり、実際の欠陥検査に際しては、それぞれのダイ1004をY軸に平行な複数のストライプ1002、1003に仮想的に分割する。このストライプは、欠陥検査を行う際の電子線EによるX軸方向の走査の単位となる。1本のストライプのX軸方向の幅は、例えば2048ピクセルに設定されており、仮に1ピクセルがウェーハ上の100nm(0.11μm)に相当する場合には、ストライプの幅は204.8μmとなる。
ダイ1004のX軸方向の寸法はストライプ幅204.8μmの整数倍とは限らないが、ストライプ幅の整数倍がダイ1004のX軸方向の幅になるようにストライプ1002の幅を設定してもよいし、或いは最後のストライプ1003を幅の狭いものとしてもよい。ただし、ダイのストライプへの分割に際しては、すべてのダイ1004の同じ位置のパターンが、対応する同じストライプに含まれるようにする。
先に述べた欠陥判定について、ここで詳細に説明する。上記したように、欠陥の判定に際しては、異なるダイ1004の相互に対応するストライプ1002の画像同士を比較する。これは、欠陥が無ければ、対応するストライプには相互に同一のパターンが含まれていると予測され、欠陥があるときには比較結果に不一致が生じるからである。
図10の(A)においては、同一のウェーハ上の互いに隣接するダイのストライプ1002におけるパターン同士を比較して欠陥検出を行う際、ステージをY軸方向に連続的に移動させることで、比較される2つのパターンを連続的に観察し、短時間でウェーハ全面の検査を終了するようにしている。
別の欠陥検出手法としては、例えばCAD情報を用いてもよい。これは、ストライプ1002内に含まれるパターンを生成するCAD情報からストライプ1002に含まれるものと同じパターンを演算によってメモリ上に基準画像として生成し、この基準画像とウェーハ上のパターン(図10の(A)ではストライプ1002の画像)とを比較してその差を求めることにより、欠陥を検出するものである。
2つのダイのパターン同士を比較する手法では、ウェーハ全面の検査を行う場合、ウェーハ上のダイの同じパターンを隣り合うダイについて連続的に検査することで検査時間を短縮する。これに対して、CAD情報からの基準画像と比較する手法は、CAD情報のベクタデータを画像データであるラスタデータに変換してメモリに保存して基準画像を生成するステップと、被検査画像では基準画像との差が予想されるが欠陥ではない部分、例えばパターンのコーナ部を誤検出の防止のために画像変換して基準画像に反映するステップと、基準画像の濃度をウェーハから被検査画像を取得する際に予想される濃度に変換するステップと、基準画像とウェーハから取得した被検査画像との位置を一致させるステップを含む。いずれの欠陥検出手法であってもパターンの形状欠陥やパーティクル検出が行えるが、電子線を用いてウェーハ上の画像を取得しているので、ボルテージコントラスト情報も得られ、電気的欠陥をも検出することができる。
以上説明してきたパターン欠陥検査方法は、図14及び図15に示す他の形式の電子光学系を採用した欠陥検査装置においても実行可能である。図14は、本発明に係る欠陥検査装置に用いられる電子光学装置70の第3の実施の形態の構成を概略的に示しており、電子光学装置70は写像投影方式を採用している。図示のように、一次光学系1024は、ウェーハ1028の法線に対して斜め方向から電子線を入射させ、E×B分離器1025で電子線をウェーハ1028の被検査面に対してほぼ垂直な方向に曲げ、ウェーハ1028上に長方形ビームを照射する。ウェーハ1028から放出される二次電子群は、対物レンズタブレット1027、1026、拡大レンズタブレット1029、1029´及び拡大レンズ1030、1031で拡大され、MCP1032に二次電子の拡大像が結像される。
ウェーハ1028の位置がステージのY軸方向の速度むらに起因して設計値からずれたり、走査されているダイが設計上の位置からずれていたりする場合、何らの補正もしないと、二次電子群により生成される画像においてダイの位置ずれが生じる。この位置ずれを補正するため、偏向器1047、1048にフィードバック又はフィードフォワード補正を行う。
図14において、二次電子群はMCP1032に結像され、そこで増幅される。MCP1032で増幅された二次電子群は、FOP(ファイバーオプティカルプレート)1033の下面に塗布されたシンチレータで光に変換され、光学レンズ1034によりTDI検出器1035により結像され、電気信号に変換される。
図15の(A)は、本発明に係る欠陥検査装置において用いられる電子光学装置70の第4の実施の形態の構成を概略的に示す図であり、電子光学装置70はマルチ光軸マルチビーム方式の電子光学系を採用している。電子光学装置70は、電子銃1061、マルチ開口板1062、コンデンサレンズ1063、対物レンズ1065、E×B分離器1064、二次電子像拡大レンズ14067、MCP1068及びマルチアノード1069を備え、これらの構成要素が一直線上に複数組、ウェーハ1066に対して配置されるように構成されている。この結果、各組の一次光学系の光軸は異なるダイの対応するストライプの同じ位置に設定されることになる。
対物レンズ1065とアノード1061aで代表される一次光学系の光学部品は、図15の(B)に示すように、熱膨張係数がほぼゼロである1枚のセラミックスの基板に、光軸となる穴を複数個設け、ノック穴1071で位置合わせを行うことによって、複数の光学要素を構成するようにしている。対物レンズ1065においては、電極穴1072の内側及び光軸の近傍を選択的に金属コーティングして帯電防止を行うと共に、各電極穴1072の周囲にそれぞれ独立の電圧を印加できるようにしている。
図15の(C)に示すように、アノード1061aについても、各アノード穴1074の周辺は金属コーティングが施され、独立に電圧を印加することができるようになっているので、アノード電流をアノード穴毎に調整可能である。これらのアノード穴1074の間隔は、ウェーハ1066上のダイのX軸方向のピッチの整数倍に正確に一致するように設定され、このために、各アノード穴を通る電子線は異なるダイの対応するストライプの同じ位置を検査できることとなる。なお、アノード1061aは、ウェーハ1066の中心を通る軸の周囲に回転させて位置調整ができるようになっている。ステージの移動速度のむらに起因する位置誤差やダイの位置ずれに起因する誤差が本発明の第1の実施の形態及び第2の実施の形態について説明したと同様に算出されると、偏向器1075とE×B分離器1064内の静電偏向部1076にフィードフォワード補正が行われ、その結果、異なるダイの同じパターンが形成されている領域の二次元画像が常時得られることとなる。ビーム位置がドリフトするような別の要因の位置ずれが発生したとしても、先に取得した画像を±2ピクセルまでX軸方向及びY軸方向に位置ずれさせた画像24枚と位置ずれの無い画像1枚との計25枚の画像を、取得した画像と次々に比較するので、問題は生じない。
図16は、本発明に係る欠陥検査装置に用いられる電子光学装置70の第5の実施の形態の構成を概略的に示しており、検査対象である試料は、電子を透過するステンシル・マスクである。以下、図16の欠陥検査装置の構成を、当該装置において行い得る検査方法と結合させて説明する。図16において、LaB6製のカソード1081、ウェーネルト1082及びアノード1083を備える電子銃1084から軸Zに沿って電子線が放出される。放出された電子線は長方形の成形開口1085に照射され、この開口1085により、軸Zに垂直な断面での形状が長方形になるよう成形される。成形開口1085を通過して長方形に成形された電子線はコンデンサ・レンズ1086によって集束されてNA開口1087にクロスオーバーを形成する。NA開口1087を通過した電子線は照射レンズ1088によって、被検査マスクであるステンシル・マスク1089に長方形の像を形成して照射する。
なお、ステンシル・マスク1089はその周辺部を静電チャック1090によってチャックされてステージ1091に固定される。ステージ1091の位置を常時測定するために、固定ミラー1092、移動ミラー1093、固定のハーフミラー1094、レーザー発振器1095及びレーザー受信器1096を備えたレーザー測長機を設け、移動ミラー1093をステージ1091の移動と共に移動させる。これにより、レーザー測長機は、レーザー発振器1095から発せられたレーザー光が固定ミラー1092で反射されてレーザー受信器1096へ戻る時間と、レーザー発振器1095から発せられたレーザー光が移動ミラー1093で反射されてレーザー受信器1096へ戻る時間との差に基づいて、ステージ1091の位置を求めるものである。この測定結果を用いてステージ1091の位置を精度良く測定してステンシル・マスク1089のレジストレーションを行う。これについては後述する。
こうして、電子銃1084から放出された電子線は、ステンシル・マスク1089を透過して対物レンズ1097の主面に結像して拡大され、更に、2段の拡大レンズ1098、1099によって拡大されてシンチレータ1100に入射する。シンチレータ1100は、入射した電子線を対応する光の像に変換し、変換された光の像は光学レンズ1101に結像された後、TDI検出器1102によって電気信号に変換される。この電気信号を処理することによって、ステンシル・マスク1089の一つの被検査領域に関する二次元画像を取得することができる。
以上の処理を、電子銃1084から電子線を放出させながらステージ1091を一方向に移動させてステンシル・マスク1089の一列の被検査領域について行う。次いでステージ1091を移動させ、その隣の列の被検査領域に電子線を照射してTDI検出器1102から二次元画像を取得する。以後、同様の手順を繰り返して被検査領域全域について二次元画像を取得し、こうして取得された二次元画像を順次処理することにより、ステンシル・マスク1089の欠陥検査を行うことができる。
ここで、ステンシル・マスク1089のレジストレーションについて説明する。レジストレーションを行うために、まず、ステンシル・マスク1089上の間隔の明らかな2つのパターンを一つの視野内に入れて二次元画像を取得する。こうして二次元画像を取得した後、ステンシル・マスク1089の被検査領域が二次元画像に現れるときの倍率を測定して記憶しておく。この記憶された倍率と、上記間隔と、この間隔内に存在する画素の数とを用いて、ステンシル・マスク1089における1個の画素の寸法α(nm/ピクセル)を算出し、これも記憶しておく。
次いで、ステージ1091を移動させてステンシル・マスク1089上の異なる2つの個所のパターンの二次元画像を取得すると共に、それぞれの二次元画像が取得された時刻におけるステージ1091の位置を前述のレーザー測長機によって測定し記憶しておく。この結果、取得された二次元画像と、それぞれのステージの位置と、上記の寸法αとから、ステンシル・マスク1089の姿勢及びその基準位置が正確に決定される。こうしてレジストレーションが完了する。
こうして決定されたレジストレーションに基づいて、ステージ1091をステンシル・マスク1089のパターンに沿って一方向へ連続的に移動させながら、TDI検出器1102によって、ステージ1091の移動に伴って取得された画像信号をステージ1091の移動方向に積分することで、S/N比が改善された二次元画像を取得する。こうして一列の被検査領域の走査が終了すると、その隣の列について同様の走査が行われて二次元画像の取得が行われる。TDI検出器1102は取得された二次元画像とコンピュータのメモリ(図示せず)に蓄積された参照パターンとを比較することにより、ステンシル・マスク1089のパターンに存在する欠陥の検査を行うことができる。
以上説明したように、本発明の第5の実施の形態においては、レジストレーションに先立って、前述の手順で求めた1個の画素の寸法αを用いるので、倍率が変動しても正確なレジストレーションを行うことが可能になる。なお、倍率が許容値以上にずれたときには、拡大レンズ1098、1099をズーム動作させることによって倍率を許容値に合わせるようにしてもよい。
図17は、本発明に係る欠陥検査装置に用いられる電子光学装置70の第6の実施の形態の構成を概略的に示す図である。同図において、検査対象は非透過性のウェーハである。以下、第6の実施の形態の構成を、この装置において実行される検査手順と結合させて説明する。図17において、熱電子放出カソードを空間電荷制限条件で動作させている電子銃111から放出された電子線は、一次光学系の光軸112に沿って配列されたコンデンサ・レンズ113、照射レンズ114、ビーム成形開口(図示せず)及びNA開口(図示せず)によって長方形に成形されてE×B分離器1115に入る。ここで電子線の進行方向は光軸1112からウェーハ1116に垂直に向かう方向へ曲げられ、第1の対物レンズ1117及び第2の対物レンズ1118からなる対物レンズ・タブレットを通過してウェーハ1116を照射する。図16と同様に、ウェーハ1116はステージ(図示せず)に固定され、ステージの位置はレーザー測長機(図示せず)によって観測される。
電子線の照射によってウェーハ1116から発生した二次電子は、第1の対物レンズ1117、第2の対物レンズ1118及び3個の拡大レンズ1119、1120、1121からなる写像投影光学系で拡大される。こうして拡大された電子線は、電子線に感度を有するTDI検出器1122で検出され、対応する電気信号へ変換される。この電気信号は画像形成回路1123に供給され、ウェーハ1116から発生された二次電子に対応する二次元画像が形成される。この二次元画像はパターン・メモリ1124に蓄積される。
ここで、ウェーハ1116の被検査領域全域からの二次元画像の取得について説明する。図18において、二次光学系の光軸1125をz軸に取り、z軸に垂直で図17の紙面に平行にx軸を取り、これらz軸及びx軸に垂直にy軸を取る座標形を想定すると、電子銃1111から放出された電子線は前述のとおり長方形に成形され、ウェーハ1116の面上において、y軸方向に細長い長方形の領域1131(図18の(A)に斜線で示す部分)を照射する。この領域1131は、偏向器1126、1127が電子線を偏向させるのに伴って、ウェーハ1116に形成されたパターンのストライプ幅1132に相当する距離だけx軸方向に移動される。これによってウェーハ1116の面のx軸方向に長い区画(走査視野と呼ばれる)1133が走査され、同時に、ウェーハ1116はステージと共にy方向に連続的に移動される。こうしてウェーハ1116の一つのストライプがx、y方向に走査され、走査に伴って、ウェーハ1116から発生される二次電子の像が取得されて当該ストライプの走査が完了する。次いで、ステージをx方向に1ストライプ幅だけ移動させて次のストライプの走査を行い、画像を取得する。
ウェーハ1116の表面は必ずしも平坦ではないので、本発明の第6の実施の形態においては、画像の取得に先立って、試料面の合焦条件を測定して記憶しておく。この合焦条件を測定するため、例えば、ウェーハ1116の表面の濃度分布を観測する。そのために、図18の(B)に示すように、ウェーハ1116の面内において、適切なパターン1134を含む走査視野1135の画像を取得し、x軸方向の濃度分布を測定する。その結果、例えば、図18の(C)に示す濃度分布1136が測定されたとする。そこで、濃度が12%から88%に立ち上がるまでの走査視野1135における距離Δxを算出する。この距離Δxの算出を、対物レンズ1118に与える電圧V48を変える毎に行い、図18の(D)に示す、ΔxとV48との関係を示す曲線1137を計算して、その曲線1137が最小値を与える時の対物レンズ1118の電圧値V48(min)を求める。こうして、一つの走査視野に対応する電圧値が求まる。このような処理をウェーハ1116の被検査領域全体について行って、各走査視野とそれに対応する電圧値V48(min)とを求めておく。
次いで、図16について説明したのと同様の手順で、ウェーハ1116のレジストレーションを行う。まず、試料上の間隔の明らかな2つのパターンを一つの視野内に入れて二次元画像を取得する。こうして二次元画像を取得した後、ウェーハ1116の被検査領域が二次元画像に現れるときの倍率を測定して記憶しておく。この記憶された倍率と、上記間隔と、この間隔内に存在する画素の数とを用いて、ウェーハ1116における1個の画素の寸法α(nm/ピクセル)を算出し、これも記憶しておく。
次いで、ステージを移動させてウェーハ1116上の異なる2つの個所のパターンの二次元画像を取得すると共に、それぞれの二次元画像が取得された時刻におけるステージの位置を前述のレーザー測長機によって測定し記憶しておく。この結果、取得された二次元画像と、それぞれのステージの位置と、上記の寸法αとから、ウェーハ1116の姿勢及びその基準位置が正確に決定される。こうしてレジストレーションが完了する。
レジストレーションを行うために、前述の手順で求めた1個の画素の寸法αを用いるので、倍率が変動しても正確なレジストレーションを行うことが可能になる。なお、倍率が許容値以上にずれたときには、拡大レンズ1120、1121をズーム動作させることによって倍率を許容値に合わせるようにしてもよい。
こうして決定されたレジストレーションに基づいて、ステージをウェーハ1116のパターンに沿って一方向へ連続的に移動させながら、TDI検出器1122によって、ステージの移動に伴って取得された画像信号をステージの移動方向に積分することで、S/N比が改善された二次元画像を取得する。こうして一列の被検査領域の走査が終了すると、その隣の列について同様の走査が行われて二次元画像の取得が行われる。TDI検出器1122は取得された二次元画像とコンピュータのメモリ(図示せず)に蓄積された参照パターンとを比較することにより、ウェーハ1116のパターンに存在する欠陥の検査が行われる。このようにしてウェーハ1116の二次元画像を得るとき、各走査視野において、即ち、ステージの各位置において、対物レンズ1118の励起電圧を当該位置について先に求めた電圧値V48(min)に設定する。これにより、写像光学系のレンズの条件を合焦条件に一致させて、二次元画像を取得することができる。
なお、本発明の第5の実施の形態及び第6の実施の形態は、これまで説明してきたところに限定されるものではない。例えば、図17に示す構成の電子光学装置に関連して、ウェーハのような非透過性の試料から二次元画像を取得する際にレンズを合焦条件に一致するよう設定する手順について説明したが、試料がステンシル・マスクのような透過性のものである場合にも、図16に示す構成の電子光学装置を用いて、同様の手順を実行することにより、合焦条件に一致するようレンズを設定することが可能である。
ここで、ウェーハの検査工程における検査手順について図19を用いて説明する。一般に電子線を用いた欠陥検査装置は高価であり、またスループットも他のプロセス装置に比べて低いために、現状では最も検査が必要と考えられている重要な工程(例えばエッチング、成膜、又はCMP(化学機械研磨)平坦化処理等)の後に、また、配線工程では一層微細な配線工程部分、すなわち配線工程の1から2工程及び前工程のゲート配線工程等に利用されている。
検査されるウェーハは大気搬送系及び真空搬送系を通して、超精密X−Yステージ上に位置合わせ後、静電チャック機構等により固定され、以後、図19の手順に従って欠陥検査等が行われる。はじめに光学顕微鏡により、必要に応じて各ダイの位置確認や、各場所の高さ検出が行われ記憶される(ステップ1141)。光学顕微鏡はこの他に欠陥等の見たい所の光学顕微鏡像を取得し、電子線像との比較等にも使用される。次にウェーハの種類(どの工程後か、ウェーハのサイズは200mmか、300mmか等)に応じたレシピの情報を装置に入力し(ステップ1142)、以下、検査場所の指定、電子光学系の設定(ステップ1143)、検査条件の設定(ステップ1144)等を行なった後、画像取得を行ないながら通常はリアルタイムで欠陥検査を行なう。セル同士の比較、ダイ比較等が、アルゴリズムを備えた高速の情報処理システムにより検査が行なわれ、必要に応じてCRT等に結果を出力や、メモリへ記憶を行なう。
欠陥にはパーティクル欠陥、形状異常(パターン欠陥)、及び電気的(配線又はビア等の断線及び導通不良等)欠陥等が有り、これらを区別したり欠陥の大きさや、キラー欠陥(チップの使用が不可能になる重大な欠陥等)の分類を自動的にリアルタイムで行うことも出来る。電気的欠陥の検出はコントラスト異常を検出することで達成される。例えば導通不良の場所は電子線照射(500eV程度)により、通常正に帯電し、コントラストが低下するので正常な場所と区別ができる。この場合の電子線照射手段とは、通常検査用の電子線照射手段以外に別途、電位差によるコントラストを際立たせるために設けた低電位(低エネルギー)の電子線発生手段(熱電子発生、UV/光電子)をいう。検査対象領域に検査用の電子線を照射する前に、この低電位(エネルギー)の電子線を発生・照射する。検査用の電子線を照射することでウェーハを正に帯電させることができる写像投影方式の場合は、仕様によっては、別途低電位の電子線発生手段を設ける必要はない。また、ウェーハ等の試料に基準電位に対して、正又は負の電位をかけること等による(素子の順方向又は逆方向により流れ易さが異なるために生じる)コントラストの違いから欠陥検出が出来る。線幅測定装置及び合わせ精度測定にも利用できる。
電子線によるウェーハ等の試料の検査は、図20に示す基本的な手順にしたがって行われる。まず、ステップ1151において、搬送機構よりウェーハがステージ上に投入される。通常、検査されるべきウェーハは複数枚(例えば25枚)ずつカセットホルダー内に収納され、その中から1枚ずつ又は複数枚同時に取り出されて欠陥検査装置のステージ上に載置されるが、欠陥検査装置は真空状態のハウジング内に設置されるため、被検査ウェーハをカセットホルダーから取り出してステージに載置する作業及び検査の終了したウェーハをハウジングから取り出す作業を行うには、大気と真空との間をインターフェースする装置が必要である。そこで、ウェーハの投入に際して、カセットホルダーから取り出されたウェーハはミニエンバイロメント装置において清浄にされてからローディングチャンバー内に搬入される。ローディングチャンバーはシャッターを介してハウジングと連結されているので、ウェーハがローディングチャンバー内に搬入されると、ローディングチャンバー内は真空に引かれる。ローディングチャンバー内が真空になると、シャッターが開かれてローディングチャンバーとハウジングとが連絡され、検査済みのウェーハがステージから取り外されてハウジングから排出されるとともに、検査されるべきウェーハがローディングチャンバーからハウジングへ搬送されてステージ上に載置される。
これに続いて、ステップ1152においてアライメント操作が行われ、ウェーハの位置合わせが行われる。ウェーハがローディングチャンバーからステージ上に載置されたとき、通常、ウェーハのダイのx軸又はy軸は、ステージの移動方向又は電子線の走査方向と一致しない。そこで、ウェーハのダイについて正確な検査を行うために、最初に、ウェーハのダイを構成する軸がステージの移動方向又は電子線の走査方向と一致するよう、ウェーハをステージ上で回転させてダイの角度ずれを補正する。この操作はアライメントと呼ばれる。
ステップ1152のアライメント操作の後、検査に関する条件等を設定するレシピを作成するステップ1153が行われる。レシピは被検査ウェーハに最低1種類は必要であるが、複数の検査条件に対応するために、1枚の被検査ウェーハに対して、複数のレシピが存在することもある。また、同一パターンの被検査ウェーハが複数枚ある場合、一種類のレシピで複数のウェーハを検査してもよい。過去に作成されたレシピで検査する場合には、検査動作の前にレシピを作成する必要がない。
次いで、ステップ1154において、検査動作が、レシピに記載された条件、シーケンスに従って実行され、ウェーハが検査される。欠陥抽出は、検査動作中に欠陥を発見するごと即時行われ、抽出された欠陥はステップ1155において分類され、抽出された欠陥の位置等の情報が分類情報や欠陥の画像とともに蓄積され、また、抽出欠陥の位置などの欠陥情報が操作画面上に表示される(ステップ1156)。こうしてウェーハの検査が終了すると、そのウェーハが排出され(ステップ1157)、次のウェーハが搬送されて上記の一連の動作が繰り返される。なお、経路1158は、過去に作成されたレシピで検査する場合、検査動作直前にレシピの作成が不要であることを示している。
図20において、検査動作(ステップ1154)は、レシピに記載された条件、シーケンスに従いウェーハの検査を行う。欠陥抽出は、検査動作中欠陥を発見する毎に即時行われ、次のa)〜c)の動作をほぼ並列に実行する。
a)欠陥分類(ステップ1155)を行い、結果出力ファイルに抽出欠陥情報と欠陥分類情報を追加する。
b)抽出欠陥画像を画像専用結果出力ファイル又はa)の結果出力ファイルに追加する(ステップ1156)。
c)抽出欠陥の位置などの欠陥情報を操作画面上に表示する。
被検査ウェーハ単位で検査が終了すると、次のa)〜c)の動作をほぼ並列に実行する。
a)結果出力ファイルをクローズして保存する。
b)外部からの通信が検査結果を要求する場合、検査結果を送る。
c)ウェーハを排出する。
連続的にウェーハを検査する設定がなされている場合、次の被検査ウェーハを搬送して、前記一連の動作を繰り返す。
以下、図20のフローについて、さらに詳細を述べる。
(1)レシピ作成(ステップ1153)
レシピとは、検査に関係する条件等の設定ファイルであり保存する事も可能である。検査時もしくは検査前にレシピを使用して装置設定を行うが、レシピに記載された検査に関係する条件とは、
a)検査対象ダイ
b)ダイ内部検査領域
c)検査アルゴリズム
d)検出条件(検査感度等、欠陥抽出に必要な条件)
e)観察条件(倍率、レンズ電圧、ステージ速度、検査順序等、観察に必要な条件)
などである。c)検査アルゴリズムについては具体的に後述する。
この中で、検査対象ダイの設定は、図21に示される様に、操作画面に表示されたダイマップ画面に対して、検査するダイをオペレータが指定する。図21の例では、ウェーハ端面のダイa、前工程で明らかに不良と判定されたダイbをグレイアウトして検査対象から削除し、残りを検査対象ダイとしている。また、ウェーハ端面からの距離や前工程で検出されたダイの良否情報をもとに自動的に検査ダイを指定する機能も有している。
また、ダイ内部の検査領域の設定は、図22に示される様に操作画面に表示されたダイ内部検査領域設定画面に対して、検査領域をオペレータが光学顕微鏡もしくはEB顕微鏡により取得した画像をもとにマウス等の入力機器で指定する。図22の例では、実線で指した領域1161と破線で指した領域1162を設定している。
領域1161は、ダイのほぼ全体を設定領域としている。検査アルゴリズムは隣接ダイ比較法(ダイ−ダイ検査)としこの領域に対する検出条件、観察条件の詳細は、別に設定する。領域1162は、検査アルゴリズムをアレイ検査(検査)としこの領域に対する検出条件、観察条件の詳細は、別に設定する。すなわち複数の検査領域の設定が可能でかつ、検査領域は、それぞれ独自の検査アルゴリズムや検査感度を条件設定出来る。また検査領域は重ね合わせる事も可能で、同じ領域に対して、異なる検査アルゴリズムを同時に処理することも可能である。
(2)検査動作(ステップ1154)
検査は、被検査ウェーハに対して図23の様に或る走査幅に細分され走査する。走査幅は、ほぼラインセンサの長さで決まるが、ラインセンサの端部が少し重なる様に設定してある。これは検出した欠陥を最終的に統合処理する場合にライン間の連続性を判断するため、及び、比較検査を行う際に画像アライメントするための余裕を確保するためである。重なり量は2048ドットのラインセンサに対して16ドット程度である。
走査方向及びシーケンスを、模式的に図24の(A)、(B)に示す。オペレータは、図示のような、検査時間短縮のための双方向動作Aと機械制限からの単方向動作Bとのいずれかを選択することができる。また、レシピの検査対象ダイ設定を元に走査量を減らす動作を自動演算して検査する機能も有している。図25は、検査ダイ1171が1個の場合の走査例を示しており、不要な走査は行われていない。
本装置で行う検査のアルゴリズムは、大別して
1.アレイ検査(Cell検査)
2.ランダム検査(Die検査)
の2種類であり、ランダム検査は比較対象により、さらに以下にように区分される。
a)隣接ダイ比較法(Die-Die検査)
b)基準ダイ比較法(Die-AnyDie検査)
c)キャド・データ比較法(CadData-AnyDie検査)。
一般にゴールデンテンプレート方式と呼ばれる方式は、b)基準ダイ比較法とc)キャド・データ比較法を含み、基準ダイ比較法においては基準ダイをゴールデンテンプレートとするが、キャド・データ比較法おいてはキャド・データをゴールデンテンプレートとする。以下、各アルゴリズムの動作を述べる。
(1)アレイ検査(Cell検査)
アレイ検査は、周期構造の検査に適用される。DRAMセルなどはその一例である。検査は、基準とする参照画像と被検査画像の比較を行い、その差分を欠陥として抽出する。参照画像と被検査画像とは、二値化画像であっても、検出精度を向上させるよう多値画像であっても構わない。参照画像と被検査画像の差分そのものを、検出された欠陥として扱ってよく、更に、検出した差分の差分量や差分のある画素の合計面積などの差分情報を元にして、誤検出を防ぐための2次的な判定を行っても良い。
アレイ検査においては、参照画像と被検査画像の比較は構造周期単位で行われる。即ち、CCDなどで一括取得した画像を読み出しながら1構造周期単位で比較しても良いし、参照画像がn個の構造周期単位であれば、n個の構造周期単位同時に比較できる。
参照画像の生成方法の一例を図26に示す、ここでは1構造周期単位で比較する例を述べるので1構造周期単位生成を表す。同じ方法で周期数をnにする事も可能である。前提として、図26での検査方向は矢印Aの方向である。また周期tを被検査周期とする。周期の大きさはオペレータが画像を見ながら入力するので、図26において周期t〜tは容易に認識できる。
参照周期画像は、各画素において被検査周期直前の周期t〜tを加算し平均して生成する。t〜tのいずれかに欠陥が存在しても平均処理されるので影響は少ない。この形成された参照周期画像と被検査周期tの画像を比較して欠陥の抽出を行う。
次に被検査周期t5の画像を検査する場合、周期t〜tを加算平均して参照周期画像を生成する。以下、同様に被検査周期画像取得以前に得た画像より、被検査周期画像を生成して検査を連続させる
(2)ランダム検査(Die検査)
ランダム検査は、ダイの構造に制限されず適用できる。検査は、基準となる参照画像と被検査画像の比較を行い、その差分を欠陥として抽出する。参照画像と被検査画像は、二値化画像でも、検出精度を向上するよう多値画像であっても構わない。参照画像と被検査画像の差分そのものを、検出された欠陥として扱ってよく、更に、検出した差分の差分量や差分のある画素の合計面積などの差分情報を元にして、誤検出を防ぐため、2次的な判定を行っても良い。
ランダム検査は参照画像の求め方で分類することが出来る。以下、各求め方における動作を説明する。
A.隣接ダイ比較法(Die-Die検査)
参照画像は、被検査画像と隣接したダイである。被検査画像に隣り合った2つのダイと比較して欠陥を判断する。この方法は、図27と図28に示す、画像処理装置のメモリ1181とメモリ1182がカメラ1183からの経路1184に接続するようスイッチ1185、スイッチ1186を設定した状況で、以下のステップa)〜i)を有する。
a)走査方向Sに従いダイ画像1(図27)を経路1184からメモリ1181に格納するステップ。
b)ダイ画像2を経路1184からメモリ1182に格納するステップ。
c)上記b)と同時に経路1187からダイ画像2を取得しながら、取得したダイ画像2と、ダイにおける相対位置が同じであるメモリ1181に格納された画像データとを比較して差分を求めるステップ。
d)上記c)の差分を保存するステップ。
e)ダイ画像3を経路1184からメモリ1181に格納するステップ。
f)上記e)と同時に経路1187からダイ画像3を取得しながら、取得したダイ画像3と、ダイにおける相対位置が同じであるメモリ1182に格納された画像データとを比較して差分を求めるステップ。
g)上記f)の差分を保存するステップ。
h)上記d)とg)で保存された結果より、ダイ画像2の欠陥を判定するステップ。
i)以下、連続したダイにおいてa)からh)を繰り返すステップ。
設定によって、上記c)、f)において差分を求める前に、比較する2つの画像の位置差が無くなる様に補正する(位置アライメント)。または、濃度差が無くなる様に補正する(濃度アライメント)。もしくはその両方の処理を行ってもよい。
B.基準ダイ比較法(Die-AnyDie検査)
オペレータにより基準ダイを指定する。基準ダイはウェーハ上に存在するダイもしくは、検査以前に保存してあるダイ画像であり、まず基準ダイを走査もしくは転送して画像をメモリに保存して参照画像とする。以下、この方法で行われるa)〜h)のステップを、図28及び図29を参照しながら説明する。
a)オペレータが基準ダイを、被検査ウェーハのダイより選択、もしくは検査以前に保存してあるダイ画像より選択するステップ。
b)基準ダイが被検査ウェーハに存在する場合、画像処理装置のメモリ1181もしくはメモリ1182の少なくとも一方がカメラ1183からの経路1184に接続するようにスイッチ1185、スイッチ1186を設定するステップ。
c)基準ダイが検査以前に保存してあるダイ画像の場合、画像処理装置のメモリ1181とメモリ1182のうちの少なくとも一方がダイ画像である参照画像を保存してあるメモリ1188からの経路1189に接続するようにスイッチ1185、スイッチ1186を設定するステップ。
d)基準ダイが被検査ウェーハに存在する場合、基準ダイを走査して、基準ダイ画像である参照画像を画像処理装置のメモリに転送するステップ。
e)基準ダイが検査以前に保存してあるダイ画像の場合、走査を必要とせず、基準ダイ画像である参照画像を画像処理装置のメモリに転送するステップ。
f)被検査画像を順次走査して得られる画像と、基準ダイ画像である参照画像を転送されたメモリの画像と、ダイにおける相対位置が同じである画像データとを比較して差分を求めるステップ。
g)上記f)で得られた差分より欠陥を判定するステップ。
h)以下、連続して、図30で示すように、基準ダイの走査位置と被検査ダイの同じ部分をウェーハ全体について検査し、ダイ全体を検査するまで基準ダイの走査位置を変更しながら上記d)からg)を繰り返すステップ。
設定によって、上記f)において差分を求める前に、比較する2つの画像の位置差が無くなる様に補正する(位置アライメント)。もしくは濃度差が無くなる様に補正する(濃度アライメント)。もしくはその両方の処理を行ってもよい。
上記ステップd)もしくはe)において、画像処理装置のメモリに蓄えられる基準ダイ画像は、基準ダイ全てでも基準ダイの一部でもよく、基準ダイの一部を基準ダイ画像としたときには、基準ダイの一部を更新しながら検査する。
C.キャド・データ比較法(CadData-AnyDie検査)
図31に示した半導体製造工程において、キャドによる半導体パターン設計工程の出力であるキャド・データより参照画像を作成し、基準画像とする。基準画像は、ダイ全体であっても、検査部分を含む部分的な物であっても良い。
このキャド・データは、通常、ベクタデータであり、走査動作によって得られる画像データと等価なラスタデータに変換しないと参照画像として使用出来ない。そこで、キャド・データであるベクタデータをラスタデータに変換するが、この変換は検査時に被検査ダイを走査して得られる画像走査幅の単位で行われる。このとき、被検査ダイを走査して得る予定の画像とダイにおける相対位置が同じである画像データについて変換が行われる。検査走査と変換作業とはオーバラップして行われる。
上記の、ベクタデータをラスタデータに変換する作業には、
a)ラスタデータの多値化機能、
b)上記a)に関して多値化の階調重みやオフセットを、検査装置の感度に鑑みて設定する機能、
c)ベクタデータをラスタデータに変換した後で、膨張、収縮など画素を加工する画像処理を行う機能、
のうちの少なくとも1つの機能を付加してもよい。
図28において、キャド・データ比較法による検査ステップは、以下のa)〜f)のステップを含む。
a)計算機1190でキャド・データをラスタデータに変換し、且つ上記付加機能で参照画像を生成してメモリ1188に保存するステップ、
b)画像処理装置のメモリ1181もしくはメモリ1182の少なくとも一方がメモリ1188からの経路1184に接続するようにスイッチ1185、スイッチ1186を設定するステップ、
c)メモリ1188の参照画像を画像処理装置のメモリに転送するステップ、
d)被検査画像を順次走査して得られる画像と、参照画像が転送されたメモリの画像と、ダイにおける相対位置が同じである画像データとを比較して差分を求めるステップ、
e)上記d)で得られた差分より欠陥を判定するステップ、
f)以下、連続して、図30で示すように、基準ダイの走査位置を参照画像とし被検査ダイの同じ部分をウェーハ全体検査し、ダイ全体を検査するまで基準ダイの走査位置を変更しながら上記a)からe)を繰り返すステップ。
設定によって、上記ステップd)において差分を求める前に、比較する2つの画像の位置差が無くなる様に補正する(位置アライメント)。もしくは濃度差が無くなる様に補正する(濃度アライメント)。もしくはその両方の処理を行ってもよい。
上記ステップc)において、画像処理装置のメモリに蓄えられる基準ダイ画像は、基準ダイ全てでも基準ダイの一部でもよい。基準ダイの一部を基準ダイ画像としたときには、基準ダイの一部を更新しながら検査を行ってもよい。
(3)フォーカスマッピング
フォーカス機能の基本的流れを、図32に示す。まずアライメント動作(ステップ1202)を含んだウェーハ搬送(ステップ1201)の後、検査に関係する条件等を設定したレシピを作成する(ステップ1203)。このレシピの1つとしてフォーカスマップレシピがあり、ここで設定されたフォーカス情報に従い、オートフォーカス状態で検査動作及びレビュー動作が行われる(ステップ1204)。この後、ウェーハが排出される(ステップ1205)。以下、フォーカスマップレシピの作成手順とオートフォーカスの動作手順とを説明する。
1.フォーカスマップレシピの作成手順
フォーカスマップレシピは、独立的な入力画面を有しており、オペレータは次のa)〜c)のステップを実行してレシピを作成する。
a)図33の位置選択スイッチ1211により、フォーカス値を入力するダイ位置やダイの中のパターン等、フォーカスマップ座標を入力するステップ、
b)フォーカス値を自動測定する場合に必要な、ダイパターンを設定するステップ(なお、このステップはフォーカス値を自動測定しない場合、スキップ出来る)、
c)上記a)で決められたフォーカスマップ座標のベストフォーカス値を設定するステップ。
なお、上記ステップa)では、オペレータは任意のダイを指定することができ、また、オペレータが全てのダイ若しくはn個毎のダイを選択することができるよう設定することも可能である。また、オペレータは、入力画面として、ウェーハ内のダイ配列を模式的に表現した図又は実画像を使った画像を選択することができる。
上記ステップc)においては、オペレータは、ベストフォーカス値の設定を、図33のマニュアル・スイッチ1213を用いてマニュアルで、フォーカス用電極の電圧値に連動したフォーカス・スイッチ1212で、又はオート・スイッチ1214で自動的に選択・設定することができる。
2.フォーカス値自動測定手順
上記ステップc)において自動的にフォーカス値を求める手順の一例は、
a)図34に示すように、フォーカス位置Z=1の画像を求め、そのコントラストを計算するステップ、
b)上記ステップa)をZ=2、3、4においても行うステップ、
c)上記ステップa)、b)で得られたコントラスト値から回帰させ、コントラスト関数を求めるステップ、
d)コントラスト関数の最大値を与えるZを計算で求め、これをベストフォーカス値とするステップ、
を含む。
例えば、フォーカス値を自動測定する場合に必要なダイパターンとして、図35に示すようなラインとスペースが選択された場合には良い結果が得られる。コントラストは白黒パターンがあれば形状によらず計測可能である。
上記ステップa)からd)を行うことによって1点のベストフォーカス値が求まる。このときのデータ形式は(X,Y,Z)であって、フォーカスを求めた座標XYとベストフォーカス値Zとのセットであり、フォーカスマップレシピで決められたフォーカスマップ座標数(X,Y,Z)が存在することになる。これはフォーカスマップレシピの一部であり、フォーカスマップファイルと呼ばれる。
3.オートフォーカスの動作手順
画像を取得する検査動作及びレビュー動作時に、フォーカスマップレシピに基づいてベストフォーカスを設定する方法は、次のように行われる。
まず、フォーカスマップレシピの作成時に作成されたフォーカスマップファイル1を元に位置情報をさらに細分化し、このときのベストフォーカスを計算で求めて、細分化したフォーカスマップファイル2を作成する。この計算は補間関数で行われ、補間関数は、リニア補間やスプライン補間等でフォーカスマップレシピの作成時にオペレータにより指定される。次いで、ステージのXY位置を監視して、現在のXY位置に適した、フォーカスマップファイル2に記載されたフォーカス値にフォーカス用電極の電圧を変更する。
さらに具体的に説明すると、図36の(A)〜(C)において、黒丸がフォーカスマップファイル1のフォーカス値、白丸がフォーカスマップファイル2のフォーカス値であるとすると、フォーカスマップファイルのフォーカス値の間をフォーカスマップファイルのフォーカス値で補間し、走査に従いフォーカス位置のZ座標を変化させてベストフォーカスを維持する。このとき、フォーカスマップファイル(白丸で示す)の間は、次の変更する位置まで、前の値が保持される。
図37は、本発明に係る欠陥検査装置を使用した製造ラインの一例を示している。検査装置1221で検査されるウェーハのロット番号、製造に経由した製造装置履歴等の情報をSMIFまたはFOUP1222に備えられたメモリから読み出すか、または、そのロット番号を、SMIF、FOUP又はウェーハカセットのID番号を読むことにより認識できるようになっている。
欠陥検査装置1221は生産ラインのネットワーク・システムと接続することが可能となっており、このネットワーク・システム1223を介して、生産ラインを制御している生産ラインコントロールコンピュータ1224、各製造装置1225及び別の検査装置に、被検査物であるウェーハのロット番号などの情報とその検査結果を送ることが出来る。製造装置には、リソグラフィー関連装置例えば露光装置、コーター、キュア装置、デベロッパ等、又は、エッチング装置、スパッタ装置及びCVD装置などの成膜装置、CMP装置、各種計測装置、他の検査装置等が含まれる。
ウェーハの検査においては、分解能の観点からは、電子線をウェーハに衝突させ、ウェーハから放出された電子を検出して表面の画像を得ることが望ましい。したがって、これまでは、主に、ウェーハから放出された二次電子、反射電子、後方散乱電子を中心に例を挙げて説明してきた。しかし、検出される電子は、基板の表面の情報を得ているものであれば何でも良く、例えば、基板付近に逆電界を形成することにより、基板に直接衝突せずに、基板付近で感謝するミラー電子(広義には反射電子とも言う)、或いは基板を透過する透過電子等でも良い。特にミラー電子を用いた場合には、電子が試料に直接衝突しないので、チャージアップの影響が極めて小さいという利点がある。
ミラー電子を利用する場合、ウェーハに、加速電圧よりも低い負の電位を印加し、ウェーハ付近に逆電界を形成する。この負の電位は、ウェーハの表面付近で殆どの電子線が戻される程度の値に設定するのがよい。具体的には、電子銃の加速電圧よりも0.5〜1.0V以上の低い電位に設定すればよい。例えば、本発明の場合、加速電圧が−4kVの場合、試料への印加電圧は−4.0005kV〜−40050kVに設定するのが好ましい。更に望ましくは、−4.0005kV〜−40020kVがよく、更に好ましくは−4.0005kV〜−4.010kVに設定するのが好適である。
また、透過電子を利用する場合には、加速電圧を−4kVに設定したとき、ウェーハへの印加電圧は0〜−4kV、好ましくは0〜−3.9kV、更に好ましくは0〜−3.5kVに設定するのが好適である。また、光線やX線も利用して良い。これは、本発明に係る欠陥検査装置でのアライメント、二次系、ダイ比較等に十分に適用可能である。
また、本発明に係る欠陥検査装置において検出する電子又は二次ビームは、試料表面の情報を得ているものであれば任意のものでよく、試料に一次電子ビームを衝突させて得られる二次電子、反射電子(ミラー電子とも言う)、後方散乱電子ばかりでなく、試料付近に逆電界をかけ、一次電子ビームを試料に衝突させることなく、試料付近で反射される反射電子も含まれる。更に、一次ビームは電子だけでなく光線であってもよい。一次ビームが光線の場合には、二次ビームも光線となり、UV光線の場合には二次ビームは電子となる。
これまで説明してきた本発明に係る欠陥検査装置は、例えば図38及び図39に示す半導体デバイス製造方法における検査工程に用いると有効である。以下、図38及び図39を参照して、半導体デバイスの製造方法を説明する。
図38に示す製造方法は次の各主工程を含み、各主工程は幾つかのサブ工程からなる。
(1)ウェーハP12を製造する(又は試料を準備する)工程P11、
(2)露光に使用するマスク(レチクル)P22を製造するマスク製造工程(又は、マスクを準備するマスク準備工程)P21、
(3)必要な加工処理をウェーハP12に対して行うウェーハ・プロセッシング工程P13、
(4)ウェーハP12に形成されたチップP15を1個ずつ切り出して動作可能にするチップ組み立て工程P14、
(5)チップ組み立て工程P14で作られたチップP15を検査し、検査に合格したチップを製品P17とするチップ検査工程P16。
これらの主工程の中で、半導体デバイスの性能に決定的な影響を及ぼす主工程が、ウェーハ・プロセッシング工程P13である。この工程は、設計された回路パターンをウェーハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動作するチップを多数形成する。ウェーハ・プロセッシング工程P13は次の工程を含む。
(イ)絶縁層となる誘電体薄膜や、配線部又は電極部を形成する金属薄膜を形成する薄膜形成工程(CVDやスパッタリング等を用いる)、
(ロ)薄膜層やウェーハ基板を酸化する酸化工程、
(ハ)薄膜層やウェーハ基板等を選択的に加工するためのマスク(レチクル)P22を用いてレジストのパターンを形成するリソグラフィー工程P23、
(ニ)イオン・不純物注入・拡散工程、
(ホ)レジスト剥離工程、
(ヘ)さらに加工されたウェーハを検査する検査工程。
なお、ウェーハ・プロセッシング工程P13は必要な層数だけ繰り返し実施され、設計どおり動作する製品(半導体デバイス)P17が製造される。
図38のウェーハ・プロセシング工程P13の中核をなすのはリソグラフィー工程P23であり、図39はリソグラフィー工程P23で実施される工程を示している。すなわち、リソグラフィー工程P23は、
(a)前段の工程で回路パターンが形成されたウェーハ上にレジストをコーティングするレジスト塗布工程P31、
(b)レジストを露光する露光工程P32、
(c)露光されたレジストを現像してレジストのパターンを得る現像工程P33、
(d)現像されたレジスト・パターンを安定化させるためのアニール工程P34、
を含む。
以上説明した半導体デバイス製造工程、ウェーハ・プロセッシング工程P13及びリソグラフィー工程P23は周知のものであり、それらの工程についての詳細な説明は省略する。
本発明に係る欠陥検査装置をチップ検査工程P16に用いて欠陥検査を行うと、微細なパターンを有する半導体デバイスでも、スループット良く検査を行うことができ、全数検査が可能となるばかりでなく、製品の歩留まりを向上させ、欠陥製品の出荷を防止することが可能になる。
以上、本発明の若干の実施の形態について詳述したところから理解されるように、本発明は、
(1)各ダイが等間隔グリッドに沿って配置されるように位置補正しながら画像を生成するので、試料を載置するステージが設計どおりに移動しない場合や、各ダイが設計どおりの位置に形成されていなくても、適切に画像を生成して問題なくパターンの検査をすることができ、例えば、画像の取得のために電子線で走査する場合、電子線が試料に対して照射される時に偏向器によって適切な位置に補正され、また試料から放出される電子(即ち、二次電子,反射電子,後方散乱電子,透過電子等)も同様に偏向器で補正されるため、正確に所望の領域の画像を形成することができ、生成される画像が仮想的な等間隔グリッドに配置され、欠陥検査の精度を向上させることができる、
(2)レジストレーションや画像取得を行う前に、合焦条件を被検査領域全域について適切に測定しておき、その合焦条件に合わせて対物レンズの励起電圧を変えながら二次元画像を取得するので、試料面に凹凸があっても、解像度のよい画像を得ることができ、ステンシル・マスクや試料等の試料の欠陥検査に有益である
(3)プロセスの途中若しくはプロセス終了後に試料の欠陥検査を行い、半導体デバイスを製造することができるので、半導体デバイスの製造工程において高い歩留まりが期待できる、
という優れた効果を有する。
本発明に係る欠陥検査装置の主要構成要素を示す立面図である。 本発明に係る欠陥検査装置の主要構成要素を示す正面図である。 本発明に係る欠陥検査装置のミニエンバイロメント装置の構成を示す図である。 本発明に係る欠陥検査装置のローダーハウジングの構成を示す図である。 本発明に係る欠陥検査装置における電位印加機構を示す図である。 図1に示す欠陥検査装置における電子ビームキャリブレーション機構の構成を概略的に示す図である。 マルチビーム方式の電子光学装置を採用した、本発明に係る欠陥検査装置の第1の実施の形態を概略的に示す図である。 図7に示す電子光学装置のマルチアノードの拡大平面図である。 シングルビーム方式の電子光学装置を採用した、本発明に係る欠陥検査装置の第2の実施の形態を概略的に示す図である。 図7及び図9に示す欠陥検査装置によるウェーハの検査を説明するための図であって、(A)はウェーハの全体図を、(B)はウェーハ上のダイの一部の拡大図を示している。 仮想的な等間隔グリッドと、ダイのリソグラフィ工程で生じたダイの位置ずれとを説明するための平面図である。 仮想的な等間隔グリッドとダイの位置ずれとの他の例を説明するための平面図である。 ダイの位置座標の補間を説明するための図である。 写像投影方式の電子光学装置を採用した、本発明に係る欠陥検査装置の第3の実施の形態を概略的に示す図である。 (A)は、マルチ光軸マルチビーム方式の電子光学装置を採用した、本発明に係る欠陥検査装置の第4の実施の形態を概略的に示す図であり、(B)は(A)に示す拡大レンズの平面図であり、(C)は(A)に示すアノードの平面図である。 試料が電子線を透過する場合の、本発明に係る欠陥検査装置の第5の実施の形態を概略的に示す図である。 試料が電子線を透過しない場合の、本発明に係る欠陥検査装置の第6の実施の形態を概略的に示す図である。 (A)〜(D)は、図17に示す欠陥検査装置の動作を説明するための図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順を説明する図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順の基本的な流れを説明する図である。 検査対象ダイの設定を示す図である。 ダイ内部の検査領域の設定を説明する図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順を説明する図である。 (A)及び(B)は、半導体デバイス製造方法の検査手順を説明する図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順における、検査ダイが1個の場合の走査例を示す図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順における、参照画像の生成方法を説明する図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順における隣接ダイ比較方法を説明する図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順における隣接ダイ比較方法を実施するシステム構成を説明する図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順における基準ダイ比較方法を説明する図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順における基準ダイ比較方法を説明する図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順における基準ダイ比較方法を説明する図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順におけるフォーカスマッピングを説明する図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順におけるフォーカスマッピングを説明する図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順におけるフォーカスマッピングを説明する図である。 半導体デバイス製造方法の検査手順におけるフォーカスマッピングを説明する図である。 (A)〜(C)は半導体デバイス製造方法の検査手順におけるフォーカスマッピングを説明する図である。 本発明に係る欠陥検査装置を製造ラインに接続した実施の形態を示す図である。 本発明に係る欠陥検査装置を用いる半導体デバイス製造工程を示すフローチャートである。 図38のリソグラフィー工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1:欠陥検査装置、 10:カセットホルダ、 20:ミニエンバイロメント装置、 30:主ハウジング、 40:ローダーハウジング、 50:ステージ装置、 60:ローダー、 70:電子光学装置、 81:プレチャージユニット、 87:アライメント制御装置、 909:ウェーハ、 910a、910b:電子光学系、 1002、1003:ストライプ、 1004:ダイ、 1005、1006:ダイシングライン、
E:電子線、 1089:ステンシル・マスク

Claims (21)

  1. 基板上において互いに平行でない2つの軸方向にほぼ規則的に配置されている複数のダイ内のパターンを検査する装置であって、
    前記基板上の前記ダイが仮想的に配置されるべき等間隔グリッドを生成するための演算手段と、
    前記目標グリッドと前記基板上の前記ダイの位置との差分を補正する手段と、
    を具備することを特徴とするパターン欠陥検査装置。
  2. 前記目標グリッドと前記基板上の前記ダイの位置との差分を補正する前記手段は、
    前記目標グリッドに対する前記基板上のダイの位置誤差を演算する手段と、
    前記位置誤差を無くすための補正信号を偏向器にフィードバック又はフィードフォワードする制御手段と、
    を備えることを特徴とする、請求項1記載のパターン欠陥検査装置。
  3. 試料表面を検査する装置であって、
    試料に向けてビームを照射するビーム照射源と、
    前記ビーム照射源によるビーム照射領域内の1画素当たりの前記試料上の寸法を測定する手段と、
    前記1画素当たりの前記寸法を用いてステージの移動距離を算出し、この算出結果に基づいて前記試料のアライメントを行う演算手段と、
    前記ビームの照射によって前記試料から放出され且つ前記試料の表面の情報を含む二次ビームを検出する検出器と、
    前記検出器により検出された前記二次ビームから前記試料の表面の画像を取得し、前記試料の検査を行う手段と、
    を具備する試料表面検査装置。
  4. パターンが形成された複数のダイを有する試料の表面を検査する検査装置であって、
    前記試料表面のダイの位置補正に必要な情報を取得する手段と、
    前記情報の取得中に、前記試料表面の被検査領域の任意の個所において前記試料表面の合焦条件を測定して記憶する手段と、
    前記試料の表面に向けてビームを照射するビーム照射源と、
    前記ビームが前記被検査領域を相対移動する際に、前記試料表面の合焦条件を満たすように調整可能なレンズと、
    を具備することを特徴とする検査装置。
  5. 前記ビームが前記被検査領域を相対移動する際に、前記ダイの位置ずれを補正する偏向器を更に備えることを特徴とする、請求項4に記載の検査装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の欠陥検査装置を用いてプロセスの途中又はプロセス終了後の試料の欠陥検査を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
  7. 基板上において互いに平行でない2つの軸方向にほぼ規則的に配置されている複数のダイ内のパターンを検査する検査方法であって、
    (a)前記基板上のダイが仮想的に配置されるべき目標グリッドを生成するステップと、
    (b)前記基板上の各ダイの実際の位置座標を求めるステップと、
    (c)前記目標グリッドと前記各ダイの位置誤差を算出するステップと、
    (d)取得する前記各ダイの画像が前記目標グリッドに沿って配置されるように、前記各ダイの位置誤差の値に基づいて取得する各ダイの画像の位置補正をして画像を取得するステップと、
    (e)前記位置補正をして取得した画像に基づいてダイのパターンの検査を行うステップと、を含むことを特徴とする検査方法。
  8. 前記ステップ(a)において、前記目標グリッドは、前記基板上の複数のダイから、前記互いに平行でない2つの軸方向に並ぶダイを、各軸方向にそれぞれ少なくとも2つづつ選択し、選択されたダイ間のピッチからダイ1つ当たりの仮想的なピッチをそれぞれ2つの軸方向について求め、この仮想的なピッチに基づいて生成することを特徴とする、請求項7記載の検査方法。
  9. 前記ステップ(a)において、前記目標グリッドは、CADデータに含まれている位置情報に基づいて生成することを特徴とする、請求項7記載の検査方法。
  10. 前記ステップ(e)において、相互に対応する異なる2つのダイの画像を比較してその差異に基づいて欠陥を検出することを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一つに記載の検査方法。
  11. 前記ステップ(e)において、検査の対象となるパターンとこれに対応するCADデータの情報によって生成されるパターンとを比較し、その差異に基づいて欠陥を検出することを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一つに記載の検査方法。
  12. 前記ステップ(a)において、前記試料上の2つのダイを選択してダイ間のピッチを検出してこれを第1のピッチとし、当該第1のピッチを所定の倍数で複数倍してこれを第2のピッチとし、当該第2のピッチに近い距離だけ離れた2つのダイの実際のピッチを検出してこれを第3のピッチとし、当該第3のピッチを前記倍数で除した値を前記仮想的なピッチとすることを特徴とする、請求項8、10、11のうちのいずれか一つに記載の検査方法。
  13. 前記互いに平行でない2つの軸が、相互に直交するx軸とy軸であることを特徴とする、請求項7〜12のいずれか一つに記載の検査方法。
  14. 前記ステップ(a)において、x軸及びy軸に平行なダイシングライン又はダイ内の所定パターンを用いてダイの仮想的なピッチを求めることを特徴とする、請求項13記載の検査方法。
  15. 前記ステップ(d)において、前記画像の位置補正は前記電子線用の偏向器で行うことを特徴とする、請求項7〜14のいずれか一つに記載の検査方法。
  16. 試料の表面を検査する方法であって、
    前記試料の表面に対してビームを照射し、該ビームの照射領域内の1画素当たりの前記試料の表面上の寸法を測定するステップと、
    前記寸法を用いてステージの移動距離を算出し、この算出結果に基づいて前記試料のアライメントを行うステップと、
    前記試料にビームを照射し、それによって前記試料の表面から放出され且つ前記試料の表面の情報を含む二次ビームを検出して、前記試料の表面を検査するステップと、
    を備えることを特徴とする試料表面検査方法。
  17. 寸法を測定する前記ステップが、寸法が既知のパターンの画素数を測定することにより行うことを特徴とする、請求項16に記載の検査方法。
  18. 試料の表面を検査する方法であって、
    前記試料の表面のダイの位置補正に必要な情報を取得するステップと、
    前記情報の取得中に、被検査領域の任意の箇所において前記試料の表面の合焦条件を測定して記憶するステップと、
    前記試料にビームを照射するステップと、
    前記試料の表面の合焦条件を満たすようにレンズを調整しながら、前記ビームが前記試料の表面の被検査領域を相対移動するように前記ビームを走査し又はステージを移動させるステップと、
    前記ビームの照射により前記試料より放出され且つ前記被検査領域の情報を含む二次ビームを検出して前記試料の表面を検査するステップと、
    を備えることを特徴とする試料表面検査方法。
  19. 前記試料の表面を検査する前記ステップが、CCD又はCCD−TDIを用いて、複数の画素を含む前記被検査領域の画像を取得し、参照用の画像との比較により前記試料の表面の検査を行うことを特徴とする、請求項16〜18のいずれか1つに記載の検査方法。
  20. 表面の検査を行う前記ステップが、ダイ内のパターンが周期構造をなす部分については、同一のダイ内の周期構造をなす部分同士の比較により行われ、周期構造をなさない部分については前記参照用の画像との比較により行われることを特徴とする、請求項19に記載の検査方法。
  21. 請求項16〜20のいずれか一つに記載の検査方法を用いてプロセスの途中又はプロセス終了後の試料の欠陥検査を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
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