JP5887471B1 - 飲食用組成物 - Google Patents
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Description
[1]大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を用いた青汁用の飲食用組成物であって、
前記大麦が、マンネンボシ、カシマムギ及びはるしずくから選ばれる少なくとも1の品種の大麦であり、
前記乾燥粉末の安息角が20°〜80°である、青汁用の飲食用組成物。
[2]前記乾燥粉末が粉砕末であって、前記粉砕末が30〜250メッシュを通過するものである、[1]に記載の青汁用の飲食用組成物。
[3]前記乾燥粉末が粉砕末であって、
前記粉砕末のメディアン径が16μm以上であり、かつ、アスペクト比が2.0以下である、[1]又は[2]のいずれかに記載の青汁用の飲食用組成物。
[4]前記乾燥粉末が粉砕末であって、
前記粉砕末のメディアン径が20μm未満であり、かつ、ロジン・ラムラー式による分布定数nが1.6以上である、[1]又は[2]のいずれかに記載の青汁用の飲食用組成物。
大麦の品種としては実に3万種以上の品種があることが知られているところ、本発明においては、マンネンボシ、カシマムギ及びはるしずくから選ばれる少なくとも1の品種(以下、「特定品種」ともいう)の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を用いる。
安息角=tan−1(b/a)×180÷π(式中、a=シャーレ半径、b=堆積したサンプルの高さを表わす。)
R=100exp(−βDn) (1)
式中、Dは粒径を表し、RはD(粒径)より大きな粒子の全粒子に対する百分率(%)を表わし、βは粒度特性係数を表わし、nは分布定数を表わす。
R=100exp{−(D/De)n } (2)
のように書き換えられる。Deは粒度特性係数である。
log{log(100/R)}=nlogD+C (3)
ただし、C=log(loge)−nlogDeである。
本発明は、大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する青汁用の飲食用組成物に関するものである。
製造例1.大麦茎葉の粉砕末試料
原料として、出穂前に刈り取ったニシノホシの茎葉を用いた。これを水洗いし、付着した泥などを除去し、5〜10cm程度の大きさに切断する前処理を行った。前処理した茎葉を、90〜100℃の熱湯で90秒間〜120秒間、1回のみブランチング処理し、その後、冷水で冷却した。続いて、得られた茎葉を、水分量が5質量%以下となるまで、乾燥機中で、20分間〜180分間、80℃〜130℃の温風にて乾燥させた。乾燥した茎葉を約1mmの大きさに粉砕処理した。得られた大麦の茎葉を、200メッシュ区分を90%以上が通過するように粉砕処理し、ニシノホシ茎葉の粉砕末試料を得た。
原料として、出穂前に刈り取ったイチバンボシの茎葉を用いた。この茎葉に付着した泥などを除去した。得られた茎葉を、ジューサーを用いて搾汁することにより茎葉の搾汁液試料を得た。
原料として、出穂前に刈り取ったイチバンボシの茎葉を用いた。「2.大麦の搾汁液試料」の製造において得られた搾汁液を凍結乾燥することにより、茎葉の搾汁末試料を得た。
(1)サンプルの調製
製造例1で得た大麦茎葉の粉砕末試料(ニシノホシ、イチバンボシ、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの5品種)1.8g及び製造例3で得たイチバンボシの搾汁末試料1.8gを、水100mLと混合して各サンプルを得た。これらのサンプルのうち、ニシノホシ茎葉の粉砕末試料から得られたサンプルを、標準品とした。なお、本評価においては、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末を実施例サンプルとし、ニシノホシ、イチバンボシの粉砕末及びイチバンボシの搾汁末を比較例サンプルとした。
前記の被験者5名に、上記(1)で調製した各サンプルについて、標準品と比較して色が鮮やかであるか否か、標準品と比較して香りが良いか否かを答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して緑色が鮮やかである」「標準品と比較して香りが良い」とそれぞれ答えた人の数を、色の鮮やかさ及び香りの良さの評価点として、図1のグラフに示す。図1に示すように、イチバンボシの粉砕末はニシノホシの粉砕末と比較して色の鮮やかさ、香りの良さで優れているが、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの粉砕末は、ニシノホシ及びイチバンボシのいずれの粉砕末と比較しても、色の鮮やかさ、香りの良さのいずれも優れていることがわかった。また、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずく及びイチバンボシの粉砕末はイチバンボシの搾汁末と比較して、色の鮮やかさ、香りの良さのいずれも優れていることがわかった。
前記の5名の被験者に、上記(1)で調製した各サンプルを、標準品と飲み比べさせ、標準品と比較して、甘い、えぐ味が弱い、苦味が弱い、青臭くない、舌触りが良い、粉っぽさがない、コクがある、味が濃い、口当たりが良いと感じるか否かについて、それぞれ答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して甘い」、「標準品と比較してえぐ味が弱い」、「標準品と比較して苦味が弱い」、「標準品と比較して青臭くない」、「標準品と比較して舌触りが良い」、「標準品と比較して粉っぽさがない」、「標準品と比較してコクがある」、「標準品と比較して味が濃い」及び「標準品と比較して口当たりが良い」とそれぞれ答えた人の数を、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さの評価点として、図2のグラフに示す。図2に示すように、イチバンボシの粉砕末はニシノホシの粉砕末と比較して甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当りの良さが優れていることがわかった。一方、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末を用いたサンプルは、ニシノホシの粉砕末と比較して、全ての評価項目において優れていることがわかった。さらに、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末は、イチバンボシの粉砕末と比較して、全ての評価項目において優れており、特に、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、口当りの良さが優れていることがわかった。また、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずく及びイチバンボシの粉砕末は、イチバンボシの搾汁末と比較して全ての評価項目において優れていることがわかった。
(1)サンプルの調製
製造例1で得た大麦茎葉のうち、イチバンボシ、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末試料1.8gを、アルミフィルムバックに入れて密封し、60℃で3日間加熱した。加熱後、得られた粉末試料を水100mLと混合して各サンプルを得た。なお、標準品として、ニシノホシの加熱前の粉砕末試料1.8gと水100mLを混合したものを使用した。なお、本評価においては、加熱後のカシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末を実施例サンプルとし、加熱前のニシノホシ及び加熱後のイチバンボシの粉砕末を比較例サンプルとした。
前記の被験者5名に、上記(1)で調製した各サンプルについての「標準品と比較して緑色が鮮やかである」「標準品と比較して香りが良い」とそれぞれ答えた人の数を、色の鮮やかさ及び香りの良さの評価点として、図3のグラフに示す。図3に示すように、加熱後のイチバンボシの粉砕末は加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して色の鮮やかさは優れているものの、香りの良さが劣っているという結果であった。一方、加熱後のカシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの粉砕末は、加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して、色の鮮やかさ、香りの良さで優れていることがわかった。さらに、加熱後のカシマムギの粉砕末は加熱後のイチバンボシの粉砕末と比較して色の鮮やかさは同等であったが、香りの良さが優れており、加熱後のマンネンボシ、はるしずくの粉砕末は加熱後のイチバンボシの粉砕末と比較して、色の鮮やかさ、香りの良さのいずれも優れていることがわかった。
前記の5名の被験者に、上記(1)で調製した各サンプルを、標準品と飲み比べさせ、標準品と比較して、甘い、えぐ味が弱い、苦味が弱い、青臭くない、舌触りが良い、粉っぽさがない、コクがある、味が濃い、口当たりが良いと感じるか否かについて、それぞれ答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して甘い」、「標準品と比較してえぐ味が弱い」、「標準品と比較して苦味が弱い」、「標準品と比較して青臭くない」、「標準品と比較して舌触りが良い」、「標準品と比較して粉っぽさがない」、「標準品と比較してコクがある」、「標準品と比較して味が濃い」及び「標準品と比較して口当たりが良い」とそれぞれ答えた人の数を、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さの評価点として、図4のグラフに示す。図4に示すように、加熱後のイチバンボシの粉砕末は、加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して甘さ、えぐみの弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、コク、味の濃さ、口当りのよさで優れているものの、舌触り、粉っぽさで劣る結果であった。一方、加熱後のカシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの粉砕末は、加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して、全ての評価項目において優れていることがわかった。さらに、加熱後のカシマムギ、マンネンボシの粉砕末は加熱後のイチバンボシと比較しても、全ての評価項目で優れており、加熱後のはるしずくの粉砕末は加熱後のイチバンボシの粉砕末と比較して、えぐみの弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当りの良さで優れていることがわかった。
イチバンボシ、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末について、加熱前のニシノホシの粉砕末を基準とした嗜好性の評価の比較を実施した。評価項目は、色の鮮やかさ、香りの良さ、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さである。各項目において、加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して優れていると評価した人数を集計し、各評価項目の合計人数に対する割合を算出した。結果を表1に示す。
(1)サンプルの調製
製造例3で得た大麦茎葉の搾汁末試料(イチバンボシ、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの4品種)1.8gを、水100mLと混合して各サンプルを得た。これらのサンプルのうち、イチバンボシ茎葉の搾汁末試料から得られたサンプルを、標準品とした。なお、本評価においては、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの搾汁末を実施例サンプルとし、イチバンボシの搾汁末を比較例サンプルとした。
前記の被験者5名に、上記(1)で調製した各サンプルについて、標準品と比較して色が鮮やかであるか否か、標準品と比較して香りが良いか否かを答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して緑色が鮮やかである」「標準品と比較して香りが良い」とそれぞれ答えた人の数を、色の鮮やかさ及び香りの良さの評価点として、図5のグラフに示す。図5に示すように、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの搾汁末は、イチバンボシの搾汁末と比較して、色の鮮やかさ、香りの良さのいずれも優れていることがわかった。
前記の5名の被験者に、上記(1)で調製した各サンプルを、標準品と飲み比べさせ、標準品と比較して、甘い、えぐ味が弱い、苦味が弱い、青臭くない、舌触りが良い、粉っぽさがない、コクがある、味が濃い、口当たりが良いと感じるか否かについて、それぞれ答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して甘い」、「標準品と比較してえぐ味が弱い」、「標準品と比較して苦味が弱い」、「標準品と比較して青臭くない」、「標準品と比較して舌触りが良い」、「標準品と比較して粉っぽさがない」、「標準品と比較してコクがある」、「標準品と比較して味が濃い」及び「標準品と比較して口当たりが良い」とそれぞれ答えた人の数を、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さの評価点として、図6のグラフに示す。図6に示すように、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの搾汁末を用いたサンプルは、イチバンボシの搾汁末と比較して、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さの全ての項目において優れており、嗜好性が高いことがわかった。
(1)サンプルの調製
製造例2で得た大麦茎葉の搾汁液(イチバンボシ、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの4品種)を用いた。これらのサンプルのうち、イチバンボシ搾汁液を、標準品とした。なお、本評価においては、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの搾汁液を参考例サンプルとし、イチバンボシの搾汁液を比較参考例サンプルとした。
前記の被験者5名に、上記(1)で調製した各サンプルについて、標準品と比較して色が鮮やかであるか否か、標準品と比較して香りが良いか否かを答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して緑色が鮮やかである」「標準品と比較して香りが良い」とそれぞれ答えた人の数を、色の鮮やかさ及び香りの良さの評価点として、図7のグラフに示す。図7に示すように、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの搾汁液は、イチバンボシの搾汁液と比較して、色の鮮やかさ、香りの良さのいずれも優れていることがわかった。
前記の5名の被験者に、上記(1)で調製した各サンプルを、標準品と飲み比べさせ、標準品と比較して、甘い、えぐ味が弱い、苦味が弱い、青臭くない、舌触りが良い、粉っぽさがない、コクがある、味が濃い、口当たりが良いと感じるか否かについて、それぞれ答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して甘い」、「標準品と比較してえぐ味が弱い」、「標準品と比較して苦味が弱い」、「標準品と比較して青臭くない」、「標準品と比較して舌触りが良い」、「標準品と比較して粉っぽさがない」、「標準品と比較してコクがある」、「標準品と比較して味が濃い」及び「標準品と比較して口当たりが良い」とそれぞれ答えた人の数を、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さの評価点として、図8のグラフに示す。図8に示すように、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくを用いたサンプルは、イチバンボシと比較して、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さの全ての項目において優れており、嗜好性が高いことがわかった。
Claims (4)
- 大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を用いた青汁用の飲食用組成物であって、
前記大麦が、マンネンボシ、カシマムギ及びはるしずくから選ばれる少なくとも1の品種の大麦であり、
前記乾燥粉末の安息角が20°〜80°である、青汁用の飲食用組成物。 - 前記乾燥粉末が粉砕末であって、前記粉砕末が30〜250メッシュを通過するものである、請求項1に記載の青汁用の飲食用組成物。
- 前記乾燥粉末が粉砕末であって、
前記粉砕末のメディアン径が16μm以上であり、かつ、アスペクト比が2.0以下である、請求項1又は2のいずれかに記載の青汁用の飲食用組成物。 - 前記乾燥粉末が粉砕末であって、
前記粉砕末のメディアン径が20μm未満であり、かつ、ロジン・ラムラー式による分布定数nが1.6以上である、請求項1又は2のいずれかに記載の青汁用の飲食用組成物。
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JP2018042504A (ja) * | 2016-09-14 | 2018-03-22 | 株式会社東洋新薬 | 緑葉の加工物 |
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