JP6330121B1 - 飲食用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】グァバ葉処理物及び杜仲茶処理物の嗜好性が改善された飲食用組成物の提供。【解決手段】不発酵茶処理物及び大麦茎葉処理物を配合した、グァバ葉処理物及び杜仲茶処理物を含有する飲食用組成物。【効果】グァバ葉処理物及び杜仲茶処理物を含有する飲食用組成物の呈味が改善され、特に、香り、甘味、えぐ味、苦味、渋味、舌触り、粉っぽさ、口当たり、のどごし、後味が良好となるため、総合的に嗜好性の高い飲食用組成物を得ることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、飲食用組成物、及び、グァバ葉処理物、杜仲茶処理物の呈味改善用組成物に関する。
グァバ(Psidium guajava L)は、フトモモ科バンジロウ属に属する植物であり、その葉にはポリフェノールが豊富に含まれることが知られている。グァバ葉エキスは、例えばα−アミラーゼ阻害活性作用(特許文献1)や、過酸化脂質生成抑制作用(特許文献2)等、様々な効果を有することが知られている。しかしながら、グァバ葉に含まれるポリフェノールは、そのえぐ味や苦味、渋味が強く、日常的に摂取しにくいという問題があった。このため、例えば、グァバ葉抽出エキスそのものから苦味や渋味成分を除去することが検討されていたが、その方法は製造コストや栄養価の観点から必ずしも十分なものではなかった(特許文献3)。
杜仲(Eucommia ulmoides oliver)は、中国中央部起源の落葉高木である。その樹皮は漢方薬の原料として使われ、腰痛、足腰の倦怠感解消、頻尿、肝機能・腎機能の強化、高血圧に効果があると言われており、葉は血圧の降下や肝機能の機能向上、脂肪吸収抑制等に効果があると言われている。
杜仲葉にはゲニボシド酸やクロロゲン酸、カルシウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄分等のミネラルやビタミンを含み、カフェインを殆ど含まないことから、お茶(杜仲茶)として利用されている。しかしながら、杜仲茶には独特の味、臭いがあるため、継続的に摂取しにくいものであった。この問題点を解決するため、例えば紅茶による杜仲茶の呈味改善が検討されていたものの(特許文献4)、この方法では杜仲茶の呈味改善が十分になされていなかった。
このように、グァバ葉エキスや杜仲茶には、様々な効果があるため、健康食品への応用が期待されているものの、それぞれが嗜好性に問題を有するため、継続的に摂取するためには嗜好性の改善が必要である。一方、健康食品においては、それらを摂取することによる摂取カロリーや血糖値上昇を抑制するため、無糖や微糖等の糖質の使用を控えた商品の需要が高まっている。このため、グァバ葉や杜仲茶を含む飲食品においては、糖類を用いることなく、その不快な味、例えば、えぐ味や苦味、渋味を低減するための新たな方法の探索が必要であった。
特開平07−059539号公報 特開平11−075770号公報 特開平11−103817号公報 特開平8−140576号公報
本発明は、グァバ葉処理物、杜仲茶処理物を含有する飲食用組成物において、その嗜好性を改善することを目的としてなされたものである。
本出願人は、上記課題を鑑みて鋭意検討を行った結果、不発酵茶処理物及び大麦茎葉処理物を使用することで、グァバ葉処理物及び杜仲茶処理物を含有する組成物について、優れた呈味改善効果を有することを見出し、本発明に至った。
本発明の概要は、以下の通りである。
<1>(A)グァバ葉処理物、(B)杜仲茶処理物、(C)不発酵茶処理物及び(D)大麦茎葉処理物を含有することを特徴とする飲食用組成物。

<2>(A)グァバ葉処理物が、グァバ葉エキス末であることを特徴とする、<1>に記載の飲食用組成物。
<3>(B)杜仲茶処理物が杜仲茶エキス末であることを特徴とする、<1>又は<2>のいずれかに記載の飲食用組成物
<4>前記飲食用組成物が、粉末状であることを特徴とする、<1>〜<3>に記載の飲食用組成物。
<5>(C)不発酵茶処理物及び(D)大麦茎葉処理物を含有することを特徴とする、グァバ葉処理物及び杜仲茶処理物を含有する組成物の呈味改善用組成物。
本発明のグァバ葉処理物、杜仲茶処理物を含有する飲食用組成物は、不発酵茶処理物及び大麦茎葉処理物を配合することにより、その呈味が改善され、特に、香り、甘味、えぐ味、苦味、渋味、舌触り、粉っぽさ、口当たり、のどごし、後味が良好となるため、嗜好性の高い飲食用組成物を得ることができる。
比較例1〜3、実施例1〜3の官能評価結果を表す図である。
以下、本発明の組成物について説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではない。
(A)グァバ葉処理物
グァバ(Psidium guajava L)は、フトモモ科バンジロウ属に属する植物であり、和名を蕃石榴とも言う。本発明においては、グァバの葉を適宜加工して使用することができる。加工形態としては、例えば、乾燥粉末、粉砕物及びその乾燥粉末(以下、粉砕物の乾燥粉末のことを「粉砕末」ともいう)、細片化物及びその乾燥粉末(以下、細片化物の乾燥粉末のことを「細片化末」ともいう)、搾汁及びその乾燥粉末(以下、搾汁の乾燥粉末のことを「搾汁末」ともいう)、エキス(抽出物)及びその乾燥粉末(以下、エキスの乾燥粉末のことを「エキス末」ともいう)などが挙げられる。なお、本願明細書で「粉末」と言う場合は、乾燥粉末、粉砕末、細片化末、搾汁末、エキス末を含むものである。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。
グァバ葉のエキスを得る場合、その抽出溶媒は特に限定はされないが、例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなど)、アセトンなどの溶媒が挙げられ、好ましくは、水および/またはエタノールなどを使用することができる。エキスを得る際の溶媒の温度は特に制限はなく、例えば室温程度の常温から溶媒の沸点以下まで適宜選択することができる。また、エキス末を得る場合は、例えば減圧乾燥や噴霧乾燥等、当業者が通常用いる方法によりエキスの溶媒を除去することで得ることができる。
グァバ葉処理物の製造方法は特に限定されず、当業者が通常用いる方法により得ることができる。本発明においては、グァバ葉由来のポリフェノールを多く含むため、グァバ葉の搾汁、搾汁末、エキス、エキス末を用いることが好ましく、さらに、加工性や安定性の観点から、搾汁末又はエキス末を用いることがより好ましい。しかしながら、グァバ葉処理物は、少量でも苦味や渋味、えぐ味等を感じるものであり、そのままでは摂取しにくいものであるため、これらを用いる場合は嗜好性の改善が必要である。
本発明において使用するグァバ葉処理物は、1種のみを使用しても良いし、2種以上を用いることもできる。本発明の組成物に配合されるグァバ葉処理物の含有量としては、特に制限はなく、目的や形状、使用対象等の様々な条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。例えば、0.00001〜10質量%、好ましくは0.00005〜5質量%、より好ましくは0.0001〜1質量%の範囲で選択される。但し、グァバ葉処理物を2種以上含有する場合は、その総量である。
(B)杜仲茶処理物
杜仲(Eucommia ulmoides oliver)は、中国中央部起源の落葉高木であり、トチュウ科トチュウ属(APG植物分類体系ではガリア目トチュウ科)を構成する唯一の種であり、杜仲茶は杜仲の葉を利用したものである。本発明で使用する杜仲茶としては、例えば、杜仲生葉を加工して得られる杜仲茶用の茶葉を原料として使用することができる。使用される杜仲生葉は、収穫後乾燥前の杜仲葉を意味するものであり、栽培により生産されたものであっても天然より採取されたものであってもよい。また、杜仲茶は焙煎したものであっても、焙煎していないものであってもよい。
本発明においては、杜仲の葉を適宜加工して使用することができる。加工形態としては、乾燥粉末、粉砕物、粉砕末、細片化物、細片化末、搾汁、搾汁末、エキス、エキス末などが挙げられる。杜仲茶のエキスを得る場合、その抽出溶媒は特に限定されないが、例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなど)、アセトンなどの溶媒が挙げられ、好ましくは、水および/またはエタノールなどを使用することができる。エキスを得る際の溶媒の温度は特に制限はなく、例えば室温程度の常温から溶媒の沸点以下まで適宜選択することができる。また、エキス末を得る場合は、例えば減圧乾燥や噴霧乾燥等、当業者が通常用いる方法によりエキスの溶媒を除去することで得ることができる。
本発明においては、加工性や安定性の観点から、杜仲茶処理物の粉末が好ましく使用され、特に、エキス末、粉砕末を用いることが好ましい。
本発明において使用する杜仲茶処理物は、1種のみを使用しても良いし、2種以上を用いることもできる。本発明の組成物に配合される杜仲茶の含有量としては、特に制限はなく、目的や形状、使用対象等の様々な条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。例えば、本発明の飲食用組成物における杜仲茶の含有量は、その乾燥質量として0.0001〜30質量%、好ましくは0.0005〜20質量%、より好ましくは0.001〜10質量%の範囲で選択される。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。但し、杜仲茶処理物を2種以上含有する場合は、その総量である。
(C)不発酵茶処理物
本発明で使用される不発酵茶処理物は、ツバキ科チャノキ属チャノキ(Camellia sinensis)の葉や茎を由来とするものである。採取後ほとんど発酵していない状態で蒸す又は炒る等の方法で加熱処理して、発酵させることなく乾燥させる工程を経て得られるものであり、例えば、抹茶、碾茶、煎茶、かぶせ茶、番茶、茎茶、粉茶等がある。
本発明で用いる不発酵茶処理物は、茶葉の乾燥粉末、粉砕物、粉砕末、細片化物、細片化末、搾汁、搾汁末、エキス、エキス末などが挙げられる。茶葉のエキスを得る場合、その抽出溶媒は特に限定はされないが、例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなど)、アセトンなどの溶媒が挙げられ、好ましくは、水および/またはエタノールなどを使用することができる。エキスを得る際の溶媒の温度は特に制限はなく、例えば室温程度の常温から溶媒の沸点以下まで適宜選択することができる。また、エキス末を得る場合は、例えば減圧乾燥や噴霧乾燥等、当業者が通常用いる方法によりエキスの溶媒を除去することで得ることができる。
本発明においては、加工性や安定性の観点から、不発酵茶処理物の粉末が好ましく使用され、エキス末、粉砕末がより好ましく、特に粉砕末が好ましく、抹茶、碾茶、煎茶、粉茶がとりわけ好ましい。
本発明において使用する不発酵茶処理物は、1種のみを使用しても良いし、2種以上を用いることもできる。本発明の組成物に配合される不発酵茶処理物の含有量としては、特に制限はなく、目的や形状、使用対象等の様々な条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。例えば、0.0001〜40質量%、好ましくは0.0005〜30質量%、より好ましくは0.001〜20質量%の範囲で選択される。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。但し、不発酵茶処理物を2種以上含有する場合は、その総量である。
(D)大麦茎葉処理物
本発明で用いられる大麦茎葉とは、大麦(学名 Hordeum vulgare)から得られる茎及び/又は葉のことを言う。使用できる大麦としては、二条大麦、六条大麦、裸大麦などが挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。大麦の茎葉は、成熟期前、すなわち、分けつ開始期から出穂前に収穫されたものであることが好ましい。
本発明で用いる大麦茎葉処理物は、大麦茎葉の乾燥粉末、粉砕物、粉砕末、細片化物、細片化末、搾汁、搾汁末、エキス、エキス末などが挙げられる。大麦茎葉のエキスを得る場合、その抽出溶媒は特に限定はされないが、例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなど)、アセトンなどの溶媒が挙げられ、好ましくは、水および/またはエタノールなどを使用することができる。エキスを得る際の溶媒の温度は特に制限はなく、例えば室温程度の常温から溶媒の沸点以下まで適宜選択することができる。また、エキス末を得る場合は、例えば減圧乾燥や噴霧乾燥等、当業者が通常用いる方法によりエキスの溶媒を除去することで得ることができる。
本発明においては、加工性や安定性の点から、大麦茎葉の粉末が好ましく使用され、特に、粉砕末又は搾汁末を用いることが好ましい。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。
本発明において使用する大麦茎葉処理物は、1種のみを使用しても良いし、2種以上を用いることもできる。本発明の組成物に配合される大麦茎葉処理物の含有量としては、特に制限はなく、目的や形状、使用対象等の様々な条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。例えば、1〜80質量%、好ましくは5〜75質量%、より好ましくは10〜70質量%の範囲で選択される。但し、大麦茎葉処理物を2種以上含有する場合は、その総量である。
本発明の組成物における、(A)グァバ葉処理物、(B)杜仲茶処理物の合計量と、(C)不発酵茶処理物、(D)大麦茎葉の合計量との配合比(質量比)は特に限定されず、目的や使用対象等の条件に応じて適宜設定できるが、例えば(A)+(B):(C)+(D)=1:0.01以上、好ましくは1:0.1以上、より好ましくは1:1〜1000の範囲で選択される。
本発明の組成物における、(A)グァバ葉処理物、(B)杜仲茶処理物の合計量と、(C)不発酵茶処理物との配合比(質量比)は特に限定されず、目的や使用対象等の条件に応じて適宜設定できるが、例えば(A)+(B):(C)=1:0.001〜1000、好ましくは1:0.005〜500、より好ましくは1:0.01〜100の範囲で選択される。
本発明の組成物における、(A)グァバ葉処理物、(B)杜仲茶処理物の合計量と、(D)大麦茎葉処理物との配合比(質量比)は特に限定されず、目的や使用対象等の条件に応じて適宜設定できるが、例えば(A)+(B):(D)=1:0.001〜5000、好ましくは1:0.01〜1000、より好ましくは1:0.1〜500の範囲で選択される。
本発明の組成物における、(C)不発酵茶処理物と(D)大麦茎葉処理物との配合比(質量比)は特に限定されず、目的や使用対象等の条件に応じて適宜設定できるが、例えば(C):(D)=1:0.001〜1000、好ましくは1:0.005〜500、より好ましくは1:0.01〜100の範囲で選択される。
本発明の組成物において、(A)グァバ葉処理物、(B)杜仲茶処理物、(C)不発酵茶処理物及び(D)大麦茎葉処理物の合計量を100質量%とした場合の各成分の含有量は、(A)が0.00001〜30質量%、(B)が0.001〜50質量%、(C)が0.001〜60質量%、(D)が10〜99質量%であることが好ましく、(A)が0.0001〜20質量%、(B)が0.01〜40質量%、(C)が0.01〜50質量%、(D)が20〜98質量%であることが特に好ましい。
本発明の組成物には、(A)グァバ葉処理物、(B)杜仲茶処理物、(C)不発酵茶処理物及び(D)大麦茎葉処理物以外に、その他の成分を含有しても良い。前記のその他の成分としては、例えば、タンパク質、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維等の食物繊維、ミネラル類、植物又は植物加工品、藻類、乳酸菌等の微生物等を配合することができる。更に必要に応じて通常食品分野で用いられる、デキストリン、でんぷん等の糖類、オリゴ糖類、甘味料、酸味料、着色料、増粘剤、光沢剤、賦形剤、ビタミン類、栄養補助剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、乳化剤、食品添加物、調味料等を挙げることができる。これらその他の成分の含有量は、本発明の組成物の形態等に応じて適宜選択することができる。
本発明の組成物の形態は特に限定されず、任意の形態とすることができる。具体的な形態としては、例えば、粉や顆粒、細粒等の粉末状、タブレット(チュアブル)状、球状、カプセル状、カプレット状、液状等の形状が挙げられる。尚、カプセル状の組成物は、ソフトカプセル及びハードカプセルが含まれる。本発明の組成物は、粉や顆粒、細粒等の粉末状が好ましく、特に、水などと混合し、溶解したり懸濁させたりして使用する粉末飲料とすることにより、組成物としての安定性にも優れるとともに、カプセルや錠剤等と異なり1度に多くの組成物を摂取することができるので好ましい。
本発明の組成物は、従来公知の方法により製造することができる。本発明の組成物を製造する際、使用する原料の形態は特に限定されず、組成物の形態に合わせて適宜選択し、使用することができる。例えば、粉や顆粒、細粒等の粉末状の組成物を得る場合、(A)グァバ葉処理物、(B)杜仲茶処理物、(C)不発酵茶処理物及び(D)大麦茎葉処理物は、これらをそのまま使用しても良いし、賦形剤、増量剤等との混合物を使用しても良い。また、カプセル状の組成物を得る場合は、水や食用油等の溶媒にあらかじめ溶解又は分散させたものを使用しても良い。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.飲食用組成物の製造
以下の表1に示す配合を有する飲食用組成物を調製した。表1のうち、数値は質量(g)を表わす。本発明においては、グァバ葉処理物としては、市販のグァバ葉エキス末を用い、杜仲茶処理物としては、市販の杜仲茶エキス末を用い、不発酵茶処理物としては抹茶(株式会社東洋新薬製)を用い、大麦茎葉処理物としては大麦茎葉の粉砕末(株式会社東洋新薬製)を用い、デキストリンは市販のものを用いた。尚、デキストリンは賦形剤として用いたものであり、本評価に関与しない成分である。
2.官能評価
(1)サンプルの調製
上記表1に記載の比較例1〜4及び実施例1〜3のサンプルについて、各サンプル6gを、水150mLと混合して各試験サンプルを得た。
被験者として、健常な成人5名を無作為に選出した。これらの被験者5名に対し、下記表2の評価項目について、アンケートを実施し、官能評価を行った。具体的には、比較例1を基準(5点)として他のサンプルを比較し、それぞれ1〜9点の点数をつけた。
各サンプルについて、被験者の点数の平均点を算出し、比較例1との差を算出した。結果を図1に示す。
賦形剤であるデキストリンを除く成分(グァバ葉エキス末、杜仲茶エキス末、抹茶及び大麦茎葉の粉砕末)を用いた場合について、嗜好性の評価結果を考察した。図1に示すように、グァバ葉エキス末及び杜仲茶エキス末のみを含有する比較例2は、いずれの項目も極めて低い値であった。グァバ葉エキス末及び杜仲茶エキス末と、抹茶又は大麦茎葉の粉砕末のいずれかを含有する比較例3,4は、比較例2と比べると各項目における呈味の改善は見られるものの、その効果は不十分であり、特に、甘味、えぐ味、苦味、渋味、舌触り、粉っぽさ、口当たり、のどごし、後味が悪いものであった。一方、グァバ葉エキス末、杜仲茶エキス末、抹茶及び大麦茎葉の粉砕末を含有する実施例1〜3は、比較例2や比較例3、4の組成物と比較して、香り、甘味、えぐ味、苦味、渋味、舌触り、粉っぽさ、口当たり、のどごし、後味のすべての評価項目で高い評価となり、総合的な嗜好性に優れた組成物が得られることがわかった。
以上の結果より、(A)グァバ葉処理物及び(B)杜仲茶処理物を含有する組成物(組成物I)は、グァバ葉処理物や杜仲茶処理物独特の臭いや味を有し、嗜好性が極めて悪いものであった。また、組成物Iに(C)不発酵茶処理物、又は(D)大麦茎葉処理物のいずれかを含有する組成物(組成物II)は、組成物Iと比較すると、グァバ葉処理物や杜仲茶処理物独特の臭いや味について改善は見られたものの、決して十分とは言えないものであった。一方、組成物Iに(C)不発酵茶処理物及び(D)大麦茎葉処理物を含有する組成物(組成物III)は、組成物IやIIと比較して、グァバ葉処理物や杜仲茶処理物独特の臭いや味を大幅に改善することができ、嗜好性に優れた組成物となることがわかった。
以下に本発明の種々の態様の例を挙げるが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されない。
(製造例1)
以下の表3に記載の飲食用組成物を調製した。得られた組成物3gを150mLの水と混合し、飲用したところ、グァバ葉エキス末と杜仲茶エキス末の臭いや味が改善され、総合的な嗜好性に優れた飲料が得られた。
(製造例2)
以下の表4に記載の飲食用組成物を調製した。得られた組成物3gを150mLの水と混合し、飲用したところ、グァバ葉エキス末と杜仲茶エキス末の臭いや味が改善され、総合的な嗜好性に優れた飲料が得られた。
(製造例3)
以下の表5に記載の飲食用組成物を調製した。得られた組成物3.5gを150mLの水と混合し、飲用したところ、グァバ葉エキス末と杜仲茶エキス末の臭いや味が改善され、総合的な嗜好性に優れた飲料が得られた。
(製造例4)
以下の表6に記載の飲食用組成物を調製した。得られた組成物4gを150mLの水と混合し、飲用したところ、グァバ葉エキス末と杜仲茶エキス末の臭いや味が改善され、総合的な嗜好性に優れた飲料が得られた。
本発明によれば、不発酵茶処理物及び大麦茎葉処理物を含有することにより、グァバ葉処理物及び杜仲茶処理物を含有する組成物の呈味が改善され、特に、香り、甘味、えぐ味、苦味、渋味、舌触り、粉っぽさ、口当たり、のどごし、後味が良好となるため、嗜好性の高い飲食用組成物を得ることができる。

Claims (1)

  1. (A)グァバ葉エキス末、(B)杜仲茶エキス末、(C)不発酵茶粉砕末及び(D)大麦茎葉粉砕末を含有することを特徴とする飲食用組成物。
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