JP5882566B2 - 印刷および複屈折パターンを有する偽造防止媒体 - Google Patents

印刷および複屈折パターンを有する偽造防止媒体 Download PDF

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Description

本発明は印刷が施された複屈折パターンによる偽造防止媒体に関し、より詳しくは、表面が保護された印刷層を有する複屈折パターンを有する偽造防止媒体に関する。
高級ブランド品や金券、商品券、紙幣、クレジットカード、工業用部品などの模倣品が近年増え続けている。その模倣品対策として複屈折パターンを偽造防止のために応用することが提案されている(特許文献1、2)。複屈折パターンは、偏光性を有しない光源では不可視な潜像であり、偏光フィルタにより可視化することが可能となる。特に特許文献2の方法は、面内のレターデーションの値を自在に制御できるため、カラーフィルタを用いない高い透過率または反射率のフルカラー画像形成が可能であり、高い偽造防止性を有している。
偏光性を有しない光源で認識される可視情報が印刷された複屈折パターンは、ラベル等として作製され、様々な物品の偽造防止に有用である。通常、印刷はニスなどの塗布によって表面を保護することができるが、より高い耐久性が必要な場合は、ラミネートフィルムが用いられる。
複屈折性を利用した偽造防止媒体上に設けられる保護層としては、特許文献3において複屈折性パターンを有する層状にポリエステル製透明フィルムを設けた例がある。さらに、パターン上ではない複屈折性層に透明保護層を設けた例が特許文献4等に開示されている。しかし、印刷面の保護、耐久性とともに、複屈折パターンの視認性を考慮して作製された偽造防止媒体は現在まで知られていない。
特開2001−63300号公報 特開2009−69793号公報 特開平9−68926号公報 特開2007−93779号公報
本発明の発明者らは複屈折パターンを有する偽造防止媒体の研究の過程で、元来、豊かな色彩、かつ、高い解像度で表現されていた複屈折パターンによる潜像が、最終製品において、視認できないまたは視認しにくい例に直面した。そして、それらの例が、印刷層とその保護層を設けた例であることを発見した。本発明は、この発見に基づき、可視情報が印刷された、複屈折パターンを有する偽造防止媒体として、高い潜像視認性と耐久性とを有する複屈折パターンを有する偽造防止媒体を提供することを課題としてなされた。
本発明の発明者らは、鋭意研究の結果、潜像の視認不良が、印刷層の保護のために設けられる層に由来することを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[9]を提供するものである。
[1]支持体、2つ以上の複屈折性の異なる領域を有するパターニング光学異方性層、および印刷層をこの順に含む偽造防止媒体であって、該印刷層の上にレターデーションが50nm以下のラミネートフィルムが貼り合わされている偽造防止媒体。
[2]前記ラミネートフィルムが、ポリスチレン製樹脂層、塩化ビニル製樹脂層、トリアセチルセルロース製樹脂層のいずれか1つを含む、[1]に記載の偽造防止媒体。
[3]前記ラミネートフィルムが散乱性を有する、[1]または[2]に記載の偽造防止媒体。
[4]前記パターン化光学異方性層が少なくとも1つの反応性基を有する液晶性化合物を含む組成物から形成された層である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の偽造防止媒体。
[5]前記パターン化光学異方性層が下記(1)〜(3)の工程をこの順で含む方法で形成されたものである[4]に記載の偽造防止媒体:
(1)液晶性化合物を含む組成物からなる層を加熱または光照射する工程;
(2)該層にパターン露光を行う工程;
(3)得られた層を50℃以上400℃以下に加熱する工程。
[6]前記パターニング光学異方性層の複屈折性の異なる領域が、レタデーションの大きさが異なる領域である[1]〜[5]のいずれか一項に記載の偽造防止媒体。
[7]前記パターニング光学異方性層の複屈折性の異なる領域が、光軸方向が異なる領域である[1]〜[5]のいずれか一項に記載の偽造防止媒体。
[8]前記支持体と前記パターニング光学異方性層との間に反射層を含む[1]〜[7]のいずれか一項に記載の偽造防止媒体。
[9]前記支持体の前記パターニング光学異方性層と反対側の面に粘着層を含む[1]〜[8]のいずれか一項に記載の偽造防止媒体。
本発明により、高い潜像視認性と耐久性とを有する偽造防止媒体が提供される。
本発明の偽造防止媒体の基本的な構成を模式的に示す図である。 反射層および添加剤層を有する本発明の偽造防止媒体の構成を模式的に示す図である。 印刷層を複数有する本発明の偽造防止媒体の構成を模式的に示す図である。 偽造防止媒体Aの作製時のパターン露光を示す図である。 偽造防止媒体Aに偏光板を介して観察されるパターンの拡大図である。 偽造防止媒体Bの作製時のパターン露光で用いたフォトマスクを示す図である。 偽造防止媒体Bの遅相軸のパターンを示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、レターデーション又はReは面内のレターデーションを表す。面内のレターデーション(Reθ)は透過または反射の分光スペクトルから、Journal of Optical Society of America,vol.39,p.791−794(1949)や特開2008−256590号公報に記載の方法を用いて位相差に換算する、スペクトル位相差法を用いて測定することができる。前記文献は透過スペクトルを用いた測定法であるが、特に反射の場合は、光が光学異方性層を2回通過するため、反射スペクトルより換算された位相差の半分を光学異方性層の位相差とすることができる。Re0は正面レターデーションである。Re(λ)は測定光として波長λnmの光を用いたものである。本明細書におけるレターデーション又はReは、特に記載がなければ545±5nmまたは590±5nmの波長で測定されたものを意味する。
本明細書において、角度について「実質的に」とは、厳密な角度との誤差が±5°未満の範囲内であることを意味する。さらに、厳密な角度との誤差は、4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。レターデーションについて「実質的に」とは、レターデーションが±5%以内の差であることを意味する。さらに、レターデーションが実質的に0とは、レターデーションが5nm以下であることを意味する。また、屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域の任意の波長を指す。なお、本明細書において、「可視光」とは、波長が400〜700nmの光のことをいう。
[複屈折パターンの定義]
複屈折パターンとは、広義には複屈折性の異なる2つ以上のドメインが2次元の面内または3次元的にパターニングされたものである。特に2次元の面内において、複屈折性は面内で屈折率が最大となる遅相軸の方向と、ドメイン内のレターデーションの大きさの2つのパラメータにより定義される。例えば液晶性化合物による位相差フィルムなどにおける面内の配向欠陥や厚み方向の液晶の傾斜分布も広義には複屈折パターンと言えるが、狭義にはあらかじめ決めたデザインなどを基に、意図して複屈折性を制御してパターン化したものを複屈折パターンと定義することが望ましい。本発明における複屈折パターンは、遅相軸の方向は一定であり、レターデーションの大きさの異なるドメインによって形成されたパターンであってもよく、遅相軸の方向およびレターデーションの大きさの双方が異なるドメインによって形成されたパターンであってもよく、遅相軸の方向が異なり、レターデーションの大きさが同じであるドメインによって形成されたパターンであってもよい。複屈折パターンは特に記載しない限り、複数層有していてもよく、複数層のパターンの境界は一致していても異なっていてもよい。
本発明の偽造防止媒体は、複屈折性の異なる領域を2つ以上有する。複屈折性の異なる領域3つ以上であることがさらに好ましい。複屈折性が同一である個々の領域は連続的形状であっても非連続的形状であってもよい。
図1〜3は、本発明の偽造防止媒体の構成を模式的に示す図である。本発明の偽造防止媒体は少なくとも一層のパターン化光学異方性層101を有する。本明細書において「パターン化光学異方性層」とは複屈折性が異なる領域をパターン状に有する光学異方性層を意味する。パターン化光学異方性層は例えば後述の複屈折パターン作製材料を用いて容易に作製することができるが、複屈折性が異なる領域をパターン状に有する層であれば作製方法は特に限定されない。
本発明の偽造防止媒体はまた、印刷層16、樹脂層103および接着層104を有する。樹脂層103と接着層104は印刷面の保護のために設けられる層であり、通常、双方を含むラミネートフィルム102が印刷層16上に設けられる。
図1に示す本発明の偽造防止媒体の模式図は最も基本的な構成を示すものである。本発明においては、このような構成の透過型の偽造防止媒体を、例えば、透明の商品の表面に設けることができる。透過型の場合、パターン化光学異方性層を挟んで、光源および観測点は反対側にあり、偏光フィルタなどを用いて作製された偏光光源から出た光が複屈折パターンを有する物品を通過して面内で異なる楕円偏光が出射され、観測点側でさらに偏光フィルタを通過させて情報を可視化する。ここで偏光フィルタは直線偏光フィルタでも円偏光フィルタでも楕円偏光フィルタでもよく、偏光フィルタ自身が複屈折パターンまたは二色性パターンを有していてもよい。
本発明の偽造防止媒体は、図2または図3に示すように反射層20を有する反射型であってもよい。反射型の場合、光源および観測点はいずれも、パターン化光学異方性層から見て片側にあり、偽造防止媒体の前記パターン化光学異方性層から見た反対側の面には反射層がある。偏光フィルタなどを用いて作製された偏光光源から出た光が偽造防止媒体を通過、反射層で反射して再び偽造防止媒体を通過して面内で異なる楕円偏光が出射され、観測点側でさらに偏光フィルタを通過させて情報を可視化する。ここで偏光フィルタは直線偏光フィルタでも円偏光フィルタでも楕円偏光フィルタでもよく、偏光フィルタ自身が複屈折パターンまたは二色性パターンを有していてもよい。また、光源と観測で同一の偏光フィルタを用いてもよい。反射層は反射性の高いホログラム層や電極層などと兼ねてもよい。
さらに反射層は部分的に光を反射し、部分的に光を透過する半透過半反射層でもよく、その場合偽造防止媒体は透過、反射の両方の画像を可視化させることができるだけでなく、偽造防止媒体の半透過半反射層の下側にある文字や画像などの一般的な情報を光学異方性層の上側からフィルタなしに視認することができる。反射層は支持体の光学異方性層側でも反対側でもよいが、支持体の制約が少ないことから光学異方性層側であることが好ましい。
図に示す支持体11は仮支持体であってもよい。仮支持体の場合、粘着剤や接着剤を用いて対象とする物品にパターン化光学異方性層101を転写することも可能である。
図に示さないが、本発明の偽造防止媒体は、配向層を有してもいてもよい。パターン化光学異方性層101として、液晶性化合物を含む溶液を塗布乾燥して液晶相を形成した後、加熱または光照射して重合固定化した光学異方性層から形成された層を用いる場合、配向層は液晶性化合物の配向を助けるための層として機能する。
図に示さないが、本発明の偽造防止媒体は粘着層を有していてもよい。シールラベルのような偽造防止媒体を作製するときに粘着層が必要となる。一般に粘着層には離型紙または離型フィルムが貼合されており、実用性の観点から好ましい。さらには、一旦対象物に貼合した後、剥離しようとすると特定のパターンで対象物に粘着剤が残るような特殊粘着層でもよい。粘着層は、好ましくは支持体からみて、パターン化光学異方性層と反対側に設けられていればよい。
本発明の偽造防止媒体に設けられる印刷は図1〜3において印刷層16として示されている。印刷層は不可視な複屈折パターンに重ねて可視の画像を与えるものが一般的だが、たとえばUV蛍光染料やIR染料などによる不可視なセキュリティ印刷であってもよい。印刷層は支持体からみて、パターン化光学異方性層の上に設けられている。さらに支持体とパターン化光学異方性層との間に設けられていてもよく、さらには支持体からみて光学異方性層と反対側に設けられていてもよい。印刷層に透過性があれば複屈折パターンによる潜像をフィルタで可視化した際、印刷と潜像が重なって見えるようになる。
転写の工程を経て設けられた本発明の偽造防止媒体は力学特性制御層および転写層を有していてもよい。力学特性制御層は転写層が対象物に接触した際、所定の条件を満たしたときに対象物に光学異方性層が転写するように剥離性をコントロールする層である。力学特性制御層としては、隣接する層との剥離性を付与する剥離層や、転写時に均一に応力をかけることにより転写性を向上させるクッション層のようなものが挙げられる。転写層としては一般的な粘着剤、接着剤の他、熱により接着性を発現するホットメルト接着剤、紫外線照射によって接着性を発現するUV接着剤、さらには接着剤を転写したいパターンに印刷した層が挙げられる。配向層が力学特性制御層を兼ねていてもよい。また、反射層が無い積層体を反射性を有する対象物に転写して反射型にすることができる。
本発明の偽造防止媒体は、図2および3に示すように添加剤層19を有することも好ましい。
本発明の偽造防止媒体は、パターン化光学異方性層を複数有していてもよい。複数の光学異方性層の面内遅相軸は同一でも異なっていてもよいが、異なっていることが好ましい。複数の光学異方性層の複屈折性が異なる領域は互いに同一でも異なっていてもよい。レターデーションあるいは遅相軸の向きが互いに異なる光学異方性層を2層以上設け、それぞれに独立したパターンを与えることにより、さらに多彩な機能を有する潜像を形成することができる。
[複屈折パターン作製材料]
以下に、本発明の偽造防止媒体の形成法の一例である、複屈折パターン作製材料を用いる方法について説明する。複屈折パターン作製材料は複屈折パターンを作製する為の材料であり、所定の工程を経ることで複屈折パターンを有する物品を作製することができる材料を指す。本発明の偽造防止媒体の形成法については、特に記載がない限りこの方法に限定されないが、このような方法により複雑な複屈折パターンの作製が可能である。
複屈折パターン作製材料は通常、フィルム、またはシート形状であればよい。複屈折パターン作製材料は、光学異方性層又は、光学異方性層のみからなるもののほか、様々な副次的機能を付与することが可能である機能性層を有しているものであってもよい。機能性層としては、支持体、配向層、反射層、粘着層などが挙げられる。また、転写材料として用いられる複屈折パターン作製用材料、又は転写材料を用いて作製された複屈折パターン作製材料などにおいて、仮支持体、力学特性制御層を有していてもよい。
例えば特開2009−175208号公報に記載のような感光性を有する複屈折パターン作製材料を用いた場合、露光量により照射部のレターデーションを制御することができ、未露光部のレターデーションを実質的に0にすることもできる。
[光学異方性層]
複屈折パターン作製材料はパターン化光学異方性層作成のための光学異方性層を含む。光学異方性層は、レターデーションを測定したときにレターデーションが実質的に0でない入射方向が一つでもある、即ち等方性でない光学特性を有する層である。
複屈折パターン作製材料における光学異方性層としては、少なくとも1つのモノマーまたはオリゴマーおよびそれらを硬化させたものを含む層、少なくとも1つのポリマーを含む層、少なくとも1つの有機または無機単結晶を含む層などがあげられる。
ポリマーを含む前記光学異方性層は、複屈折性、透明性、耐溶媒性、強靭性および柔軟性といった異なった種類の要求を満たすことができる点で好ましい。該光学異方性層中のポリマーは未反応の反応性基を有することが好ましい。露光により未反応の反応性基が反応してポリマー鎖の架橋が起こるが、露光条件の異なる露光によってポリマー鎖の架橋の程度が異なり、その結果としてレターデーション値が変化して複屈折パターンが形成しやすくなると考えられるためである。
光学異方性層は好ましくは20℃において、より好ましくは30℃において、さらに好ましくは40℃において固体であればよい。20℃において固体であると、他の機能性層の塗布や、支持体上への転写や貼合が容易であるからである。
他の機能性層の塗布を行う為、光学異方性層は耐溶媒性を有することが好ましい。本明細書において、「耐溶媒性を有する」とは対象の溶媒に2分間浸漬した後のレターデーションが浸漬前のレターデーションの30%から170%の範囲内に、より好ましくは50%から150%の範囲内に、最も好ましくは80%から120%の範囲内にあることを意味する。対象の溶媒としては水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチルピロリドン、ヘキサン、クロロホルム、酢酸エチルの中から、好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチルピロリドンの中から、最も好ましくはメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、またはこれらの混合溶媒等があげられる。
光学異方性層は20℃においてレターデーションが5nm以上であればよく、10nm以上10000nm以下であることが好ましく、20nm以上2000nm以下であることが最も好ましい。レターデーションが5nm以下では複屈折パターンの形成が困難である場合がある。レターデーションが10000nmを越えると、誤差が大きくなり実用できる精度を達成することが困難である場合がある。
光学異方性層の製法としては特に限定されないが、少なくとも1つの反応性基を有する液晶性化合物を含んでなる溶液を塗布乾燥して液晶相を形成した後、加熱または光照射して重合固定化して作製する方法;少なくとも2つ以上の反応性基を有するモノマーを重合固定化した層を延伸する方法;側鎖に反応性基を有するポリマーからなる層を延伸する方法;またはポリマーからなる層を延伸した後にカップリング剤等を用いて反応性基を導入する方法などが挙げられる。後述するように、光学異方性層は転写により形成されたものであってもよい。前記光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがさらに好ましい。
[液晶性化合物を含有する組成物を配向固定化してなる光学異方性層]
光学異方性層の製法として少なくとも1つの反応性基を有する液晶性化合物を含んでなる溶液を塗布乾燥して液晶相を形成した後、加熱または光照射して重合固定化して作製する場合について以下に説明する。本製法は、後述するポリマーを延伸して光学異方性層を得る製法と比較して、薄い膜厚で同等のレターデーションを有する光学異方性層を得ることが容易であり、好ましい。
[液晶性化合物]
一般的に、液晶性化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶性化合物を用いることもできるが、棒状液晶性化合物を用いることが好ましい。
なお、本明細書において、液晶性化合物を含む組成物から形成された層について記載されるとき、この形成された層において液晶性を有する化合物が含まれる必要はない。例えば、前記低分子液晶性化合物が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものが含まれる層であってもよい。また、液晶性化合物としては、2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上の円盤状液晶性化合物、又は棒状液晶性化合物と円盤状液晶性化合物との混合物を用いてもよい。温度変化や湿度変化を小さくできることから、反応性基を有する棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物を用いて形成することがより好ましく、少なくとも1つは1液晶分子中の反応性基が2以上あることがさらに好ましい。2種以上の液晶性化合物の混合物の場合、少なくとも1つが2以上の反応性基を有していることが好ましい。
好ましくは、架橋機構の異なる2種類以上の反応性基を有する液晶性化合物を用い、条件を選択して2種類以上の反応性基の一部の種類のみを重合させることにより、未反応の反応性基を有するポリマーを含む光学異方性層を作製するとよい。架橋機構としては縮合反応、水素結合、重合など特に限定はないが、2種以上のうち少なくとも一方は重合が好ましく、2種類以上の異なる重合を用いることがさらに好ましい。一般に架橋反応は、重合に用いられるビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基だけでなく、水酸基、カルボン酸基、アミノ基なども用いることができる。
本明細書において、架橋機構の異なる2種類以上の反応性基を有する化合物とは、段階的に異なる架橋反応工程を用いて架橋させる化合物であり、各段階の架橋反応工程では、それぞれの架橋機構に応じた反応性基が官能基として反応する。また、例えば側鎖に水酸基を有するポリビニルアルコールのようなポリマーの場合で、ポリマーを重合する重合反応を行った後、側鎖の水酸基をアルデヒドなどで架橋させた場合は2種類以上の異なる架橋機構を用いたことになるが、本明細書において2種類以上の異なる反応性基を有する化合物というときは、好ましくは、支持体等の上に層を形成した時点において該層中で2種類以上の異なる反応性基を有する化合物であって、その後にその反応性基を段階的に架橋させることができる化合物であればよい。特に好ましい態様として2種以上の重合性基を有する液晶性化合物を用いることが好ましい。段階的に架橋させる反応条件として、温度の違い、光(照射線)の波長の違い、重合機構の違いのいずれでもよいが、反応を分離しやすい点から重合機構の違いを用いることが好ましく、用いる開始剤の種類によって制御することがさらに好ましい。重合機構としては、ラジカル重合性基とカチオン重合性基の組み合わせが好ましい。前記ラジカル重合性基がビニル基、(メタ)アクリル基であり、かつ前記カチオン重合性基がエポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基である組み合わせが反応性を制御しやすく特に好ましい。以下に反応性基の例を示す。
Figure 0005882566
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく 用いられる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。上記高分子液晶性化合物は、低分子の反応性基を有する棒状液晶性化合物が重合した高分子化合物である。棒状液晶性化合物の例としては特開2008−281989号公報、特表平11−513019号公報(WO97/00600)および特表2006−526165号公報に記載のものが挙げられる。
以下に、棒状液晶性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、一般式(I)で表される化合物は、特表平11−513019号公報(WO97/00600)に記載の方法で合成することができる。
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本発明の他の態様として、前記光学異方性層に円盤状液晶を使用した態様がある。前記光学異方性層は、モノマー等の低分子量の円盤状液晶性化合物の層または重合性の円盤状液晶性化合物の重合(硬化)により得られるポリマーの層であることが好ましい。前記円盤状液晶性化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physicslett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。上記円盤状液晶性化合物は、一般的にこれらを分子中心の円盤状の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等の基(L)が放射線状に置換された構造であり、液晶性を示し、一般的に円盤状液晶とよばれるものが含まれる。ただし、このような分子の集合体が一様に配向した場合は負の一軸性を示すが、この記載に限定されるものではない。円盤状液晶性化合物の例としては特開2008−281989号公報の段落[0061]〜[0075]に記載のものが挙げられる。
液晶性化合物として、反応性基を有する円盤状液晶性化合物を用いる場合、水平配向、垂直配向、傾斜配向、およびねじれ配向のいずれの配向状態で固定されていてもよい。
液晶性化合物を含有する組成物を配向固定化してなる光学異方性層においては、液晶性化合物の架橋を促進するため重合性モノマーを添加してもよい。
たとえばエチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーを用いることができる。
そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらのモノマー又はオリゴマーは、単独でも、二種類以上を混合して使用してもよい。
また、カチオン重合性モノマーを用いることもできる。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号の各公報に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、以下の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、例えば、ビスフェノールA、あるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
また、本発明の組成物においては、カチオン重合性モノマーとして、単官能または2官能のオキセタンモノマーを用いることもできる。たとえば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成(株)製商品名OXT101等)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン(同OXT121等)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(同OXT211等)、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル(同OXT221等)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(同OXT212等)等を好ましく用いることができ、特に、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテルなどの化合物や、特開2001−220526号公報、同2001−310937号公報に記載されている公知のあらゆる官能または2官能オキセタン化合物を使用できる。
液晶性化合物を含む組成物からなる光学異方性層を2層以上積層する場合、液晶性化合物の組み合わせについては特に限定されず、全て棒状性液晶性化合物からなる層の積層体、円盤状液晶性化合物を含む組成物からなる層と棒状性液晶性化合物を含む組成物からなる層の積層体、又は全て円盤状液晶性化合物からなる層の積層体のいずれであってもよい。また、各層の配向状態の組み合わせも特に限定されず、同じ配向状態の光学異方性層を積層してもよいし、異なる配向状態の光学異方性層を積層してもよい。
[溶媒]
液晶性化合物を含有する組成物を、塗布液として、例えば支持体又は後述する配向層等の表面に塗布する場合の塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
[配向固定化]
液晶性化合物の配向の固定化は、液晶性化合物に導入した反応性基の架橋反応により実施することが好ましく、反応性基の重合反応により実施することがさらに好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応がより好ましい。光重合反応としては、ラジカル重合、カチオン重合のいずれでも構わない。ラジカル光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。カチオン光重合開始剤の例には、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩系等を例示する事ができ、有機スルフォニウム塩系、が好ましく、トリフェニルスルフォニウム塩が特に好ましい。これら化合物の対イオンとしては、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロフォスフェートなどが好ましく用いられる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、25〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は10〜1000mW/cm2であることが好ましく、20〜500mW/cm2であることがより好ましく、40〜350mW/cm2であることがさらに好ましい。照射波長としては250〜450nmにピークを有することが好ましく、300〜410nmにピークを有することがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは加熱条件下で光照射を実施してもよい。
[偏光照射による光配向]
前記光学異方性層は、偏光照射による光配向で面内のレターデーションが発現あるいは増加した層であってもよい。偏光照射は、特開2009−69793号公報の段落「0091」〜「0092」の記載、特表2005−513241号公報(国際公開WO2003/054111)の記載などを参照して行うことができる。
[ラジカル性の反応性基とカチオン性の反応性基を有する液晶化合物の配向状態の固定化]
前述したように、液晶性化合物が重合条件の異なる2種類以上の反応性基を有することもまた好ましい。この場合、条件を選択して複数種類の反応性基の一部種類のみを重合させることにより、未反応の反応性基を有するポリマーを含む光学異方性層を作製することが可能である。このような液晶性化合物として、ラジカル性の反応基とカチオン性の反応基を有する液晶性化合物(具体例としては例えば、前述のI−8〜I−15)を用いた場合に特に適した重合固定化の条件について以下に説明する。
まず、重合開始剤としては重合させようと意図する反応性基に対して作用する光重合開始剤のみを用いることが好ましい。すなわち、ラジカル性の反応基を選択的に重合させる場合にはラジカル光重合開始剤のみを、カチオン性の反応基を選択的に重合させる場合にはカチオン光重合開始剤のみを用いることが好ましい。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜8質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。
次に、重合のための光照射は紫外線を用いることが好ましい。この際、照射エネルギーおよび/または照度が強すぎるとラジカル性反応性基とカチオン性反応性基の両方が非選択的に反応してしまう恐れがある。したがって、照射エネルギーは、5mJ/cm2〜500mJ/cm2であることが好ましく、10〜400mJ/cm2であることがより好ましく、20mJ/cm2〜200mJ/cm2であることが特に好ましい。また照度は5〜500mW/cm2であることが好ましく、10〜300mW/cm2であることがより好ましく、20〜100mW/cm2であることが特に好ましい。照射波長としては250〜450nmにピークを有することが好ましく、300〜410nmにピークを有することがさらに好ましい。
また光重合反応のうち、ラジカル光重合開始剤を用いた反応は酸素によって阻害され、カチオン光重合開始剤を用いた反応は酸素によって阻害されない。従って、液晶性化合物としてラジカル性の反応基とカチオン性の反応基を有する液晶化合物を用いてその反応性基の片方種類を選択的に重合させる場合、ラジカル性の反応基を選択的に重合させる場合には窒素などの不活性ガス雰囲気下で光照射を行うことが好ましく、カチオン性の反応基を選択的に重合させる場合には敢えて酸素を有する雰囲気下(例えば大気下)で光照射を行うことが好ましい。ただし、カチオン重合開始剤を用いた反応は、水によって阻害される。従って、重合雰囲気の湿度を低くすることが好ましく、60%以下にすることが好ましく、40%以下にすることがさらに好ましい。また、カチオン重合開始剤を用いた反応は、高温ほど反応性が高くなる特性を有する。従って、液晶化合物が液晶性を示す温度範囲内で、反応時の温度は高いほうが好ましい。
また、液晶性化合物としてラジカル性の反応基とカチオン性の反応基を有する液晶化合物を用いてその反応性基の片方種類を選択的に重合させる場合において、その片方を選択的に重合させる手段として他方の重合性基に対応する重合禁止剤を用いる事も好ましい。例えば、液晶性化合物としてラジカル性の反応基とカチオン性の反応基を有する液晶化合物を用いてそのカチオン性の反応基を選択的に重合させる場合にはラジカル性重合に対する重合禁止剤を少量加える事でその選択性を向上させることが可能である。このような重合禁止剤の使用量は、塗布液の固形分の0.001〜10質量%であることが好ましく、0.005〜5質量%であることがより好ましく、0.02〜1質量%であることが特に好ましい。例えばラジカル性重合に対する重合禁止剤としてはニトロベンゼン、フェノチアジン、ハイドロキノン等が挙げられる。また、一般に酸化防止剤として用いられるヒンダートフェノール類もラジカル性重合に対する重合禁止剤として有効である。
[水平配向剤]
前記光学異方性層の形成用組成物中に、特開2009−69793号公報の段落「0098」〜「0105」に記載の、一般式(1)〜(3)で表される化合物および一般式(4)のモノマーを用いた含フッ素ホモポリマーまたはコポリマーの少なくとも一種を含有させることで、液晶性化合物の分子を実質的に水平配向させることができる。尚、本明細書において「水平配向」とは、棒状液晶の場合、分子長軸と透明支持体の水平面が平行であることをいい、円盤状液晶の場合、円盤状液晶性化合物のコアの円盤面と透明支持体の水平面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が10度未満の配向を意味するものとする。傾斜角は0〜5度が好ましく、0〜3度がより好ましく、0〜2度がさらに好ましく、0〜1度が最も好ましい。
水平配向剤の添加量としては、液晶性化合物の質量の0.01〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。なお、特開2009−69793号公報の段落「0098」〜「0105」に記載の一般式(1)〜(4)にて表される化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
[延伸によって作製される光学異方性層]
光学異方性層はポリマーの延伸によって作製されたものでもよい。光学異方性層は少なくとも1つの未反応の反応性基を持つ事が好ましいが、このようなポリマーを作製する際にはあらかじめ反応性基を有するポリマーを延伸してもよいし、延伸後の光学異方性層にカップリング剤などを用いて反応性基を導入してもよい。延伸法によって得られる光学異方性層の特長としては、コストが安いこと、及び自己支持性を持つ(光学異方性層の形成及び維持に支持体を要しない)ことなどが挙げられる。
[2層以上の光学異方性層]
上記のように複屈折パターン作製材料は、光学異方性層を2層以上有してもよい。2層以上の光学異方性層は法線方向に互いに隣接していてもよいし、間に別の機能性層を挟んでいてもよい。2層以上の光学異方性層は互いにほぼ同等のレターデーションを有していてもよく、異なるレターデーションを有していてもよい。また遅相軸の方向が互いにほぼ同じ方向を向いていてもよく、異なる向きを向いていてもよい。遅相軸の方向が互いにほぼ同じ方向を向いている2層以上の光学異方性層を用いることによって、大きなレターデーションを有するパターンを作製することができる。
光学異方性層を2層以上含む複屈折パターン作製材料を作製する方法としては、複屈折パターン作製材料上に光学異方性層を直接形成する、別の複屈折パターン作製材料を転写材料として用いて複屈折パターン作製材料上に光学異方性層を転写するなどの方法が挙げられる。このうち複屈折パターン作製材料を転写材料として用いて複屈折パターン作製材料上に光学異方性層を転写する方法がより好ましい。
[光学異方性層の後処理]
作製された光学異方性層を改質するために、様々な後処理を行ってもよい。後処理としては例えば、密着性向上の為のコロナ処理や、柔軟性向上の為の可塑剤添加、保存性向上の為の熱重合禁止剤添加、反応性向上の為のカップリング処理などが挙げられる。また、光学異方性層中のポリマーが未反応の反応性基を有する場合、該反応性基に対応する重合開始剤を添加することも有効な改質手段である。例えば、カチオン性の反応性基とラジカル性の反応性基を有する液晶性化合物をカチオン光重合開始剤を用いて配向固定化した光学異方性層に対してラジカル光重合開始剤を添加することで、後にパターン露光を行う際の未反応のラジカル性の反応性基の反応を促進することができる。可塑剤や光重合開始剤の添加手段としては、例えば、光学異方性層を該当する添加剤の溶液に浸漬する手段や、光学異方性層の上に該当する添加剤の溶液を塗布して浸透させる手段などが挙げられる。また、光学異方性層の上に他の層を塗布する際にその層の塗布液に添加剤を添加しておき、光学異方性層に浸漬させる添加剤層を用いる方法もあげられる。この際に浸漬させる添加剤、特には光重合開始剤の種類や量により、後に述べる複屈折パターン作製材料へのパターン露光時の各領域への露光量と最終的に得られる各領域のレターデーションとの関係を調整し、所望する材料特性に近づけることが可能である。
[添加剤層]
前記光学異方性層上に形成する添加剤層は、フォトレジストのような感光性樹脂層の他、反射光沢を制御する散乱層、表面の傷つきを防止するハードコート層、指紋付着やマジックなどの落書きを防止する撥水撥油層、帯電によるごみつきを防止する帯電防止層、表面に印刷するための印刷塗工層を共用してもよい。感光性樹脂層としては、少なくとも1種のポリマーと少なくとも1種の光重合開始剤を含んでいることが好ましい。添加剤層は、前記光学異方性層中の未反応の反応性基による重合反応を開始させる機能を有する重合開始剤を少なくとも一種以上含むことが好ましい。特に、この場合、光学異方性層と重合開始剤を含む添加剤層は隣接していることが好ましい。このような構成とすることによって、別に重合開始剤を添加することなくパターン状の熱処理又は電離放射線照射により複屈折パターンの形成が可能な複屈折パターン作製材料とすることができる。重合開始剤を含む添加剤層の構成としては特に限定は無いが、重合開始剤以外に少なくとも1種のポリマーを含むことが好ましい。
ポリマー(本発明においては別名として「バインダ」と呼ぶことがある。)としては、特に限定は無いがポリメチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸とその各種エステルの共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸あるいは各種(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸あるいは各種(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/エチレン共重合体、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、ポリエステル、ポリイミド、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリカーボネート等を挙げることができる。好ましい例としてはメチル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体、アリル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重合体、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体などを挙げることができる。これらのポリマーは単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。全固形分に対するポリマーの含有量は20〜99質量%が一般的であり、40〜99質量%が好ましく、60〜98質量%がより好ましい。
重合開始剤としては熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられ、手法に合わせて適宜用いられる。光重合開始剤としてはラジカル性光重合開始剤、カチオン性光重合開始剤のいずれでも構わない。
ラジカル性光重合開始剤としては米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書および同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール2量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾールおよびトリアリールイミダゾール2量体が好ましい。また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。
カチオン光重合開始剤としては、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩系等を例示する事ができ、有機スルフォニウム塩系、が好ましく、トリフェニルスルフォニウム塩が特に好ましい。これら化合物の対イオンとしては、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロフォスフェートなどが好ましく用いられる。
また重合開始剤の量は、添加剤層の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.2〜10質量%であることがさらに好ましい。
[散乱性を有する添加剤層]
添加剤層に散乱性を付与することにより、複屈折パターン物品のギラツキを制御したり、コバート性(機密性、すなわち、偏光性を有しない光源では、潜像があることを視認しづらい、あるいは、視認できないという性質)を制御したりすることができる。散乱層としては、エンボスによる表面凹凸層、粒子などのマット剤を含むマット層が好ましい。また、コバート性を向上させる粒子に関して、粒径は、0.01μm〜50umが好ましく、0.05um〜30umがより好ましい。含有濃度は、0.01%〜5%が好ましく、0.02%〜1%がより好ましい。
[ハードコート性を有する添加剤層]
ハードコート性を持たせるために、添加剤層中のポリマーとしてTgの高いポリマー用いることが好ましく、そのTgは50℃以上が好ましく、80℃以上であればより好ましく、100℃以上であればさらに好ましい。ポリマーのTgを上げるために、水酸基、カルボン酸基、アミノ基といった極性基を導入すると良い。高Tgポリマーの一例として、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートの反応物。アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物。アルキル(メタ)アクリレートと、水酸基含有(メタ)アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸等の酸無水物との反応物であるハーフエステルの共重合体等が挙げられる。
また、ハードコート性を付与するために、少なくとも1種類の二官能以上の重合性モノマーおよび重合性ポリマーを含む層を光照射または熱により重合した層を用いてもよい。反応性基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基等が挙げられる。重合性ポリマーの一例として、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロール1,3−ジ(メタ)アクリレート等の重合性基含有アクリレートの反応物。重合性基含有アクリレートの反応物(メタ)アクリル酸との共重合体、および他のモノマーとの多元共重合体が挙げられる。
[印刷塗工層としての添加剤層]
可視または紫外線や赤外線などで視認できるパターンを形成するために、添加剤層上に印刷インクが塗工できることが好ましい。インクの濡れ性向上を目的としてポリマーの側鎖にカルボン酸基やヒドロキシル基などの極性基を導入する事も好ましい。
次に、濡れ性を向上させる手法として、表面改質処理を併用してもよい。表面改質処理として、低圧水銀灯やエキシマ処理等のUV処理、コロナ放電、グロー放電等の放電処理が挙げられる。UV処理の中では、より高エネルギーで改質効率の高いエキシマ処理が好ましい。
印刷インクとして、UV蛍光インクやIRインクはそれ自体もセキュリティ印刷であるため、セキュリティ性が向上するので好ましい。印刷方法は特に限定はないが、一般的に知られているフレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷の他、インクジェットやゼログラフィなどを用いることができる。また、解像度を1200dpi以上のマイクロ印刷にすることによっても、セキュリティ性を高めることができるので好ましい。
[支持体]
複屈折パターン作製材料はそれぞれ、力学的な安定性を保つ目的で支持体を有してもよい。複屈折パターン作製材料における支持体がそのまま複屈折パターンを有する物品における支持体となっていてもよく、複屈折パターンを有する物品における支持体が複屈折パターン作製材料における支持体とは別に(複屈折パターン形成時または形成後に、複屈折パターン作製材料における支持体と代わって又は追加で)設けられてもよい。支持体としては特に限定はなく、剛直なものでもフレキシブルなものでもよい。剛直な支持体としては特に限定はないが表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、アルミ板、鉄板、SUS板などの金属板、樹脂板、セラミック板、石板などが挙げられる。フレキシブルな支持体としては特に限定はないがセルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート)、ポリオレフィン(例、ノルボルネン系ポリマー)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリエステルおよびポリスルホン、ノルボルネン系ポリマーなどのプラスチックフィルムや紙、アルミホイル、布などが挙げられる。取扱いの容易さから、剛直な支持体の膜厚としては、100〜3000μmが好ましく、300〜1500μmがより好ましい。フレキシブルな支持体の膜厚としては、3〜500μmが好ましく、10〜200μmがより好ましい。支持体は後に述べるベークで着色したり変形したりしないだけの耐熱性を有することが好ましい。後述する反射層の代わりに、支持体自体が反射機能を有することもまた好ましい。
[配向層]
既に説明したように、光学異方性層の形成には、配向層を利用してもよい。配向層は、一般に支持体もしくは仮支持体上又は支持体もしくは仮支持体上に塗設された下塗層上に設けられる。配向層は、その上に設けられる液晶性化合物の配向方向を規定するように機能する。配向層は、光学異方性層に配向性を付与できるものであれば、どのような層でもよい。配向層の好ましい例としては、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理された層、アゾベンゼンポリマーやポリビニルシンナメートに代表される偏光照射により液晶の配向性を発現する光配向層、無機化合物の斜方蒸着層、およびマイクログルーブを有する層、さらにω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライドおよびステアリル酸メチル等のラングミュア・ブロジェット法(LB膜)により形成される累積膜、あるいは電場あるいは磁場の付与により誘電体を配向させた層を挙げることができる。配向層としてはラビングの態様ではポリビニルアルコールを含むことが好ましく、配向層の上または下の少なくともいずれか1層と架橋できることが特に好ましい。配向方向を制御する方法としては、光配向層およびマイクログルーブが好ましい。光配向層としては、ポリビニルシンナメートのように二量化によって配向性を発現するものが特に好ましく、マイクログルーブとしてはあらかじめ機械加工またはレーザ加工により作製したマスターロールのエンボス処理が特に好ましい。
[反射層]
複屈折パターン作製材料は、より容易に識別できる複屈折パターンの作製のために反射層を有していてもよい。反射層としては特に限定されないが、偏光解消性のないものが好ましく、例えばアルミや銀などの金属層、誘電体多層膜による反射層、光沢を有する印刷層が挙げられる。また、透過性を付与したい場合には、透過率が好ましくは20〜70%、より好ましくは30〜60%の半透過半反射層を用いることもできる。このような値に設定することで、透過性と潜像視認性を両立させることができる。半透過半反射層は金属層の厚みを薄くする方法が安価で製造できるので好ましい。一方、金属による半透過半反射層は吸収を有しているため、吸収なしに透過率と反射率を制御できる誘電体多層膜は光利用効率の観点から好ましい。反射層は、複屈折パターン形成後の複屈折パターンを有する物品上に形成してもよい。
[粘着層]
複屈折パターン作製材料は、後述のパターン露光及びベーク後に作製される複屈折パターンを有する物品をさらに他の物品に貼付するための粘着層を有していてもよい。粘着層の材料は特に限定されないが、複屈折パターン作製の為のベークの工程を経た後でも粘着性を有する材料であることが好ましい。粘着層は、複屈折パターン形成後の偽造防止媒体上に形成してもよい。
[塗布方法]
光学異方性層、所望により形成される配向層、などの各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、スリットコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、塗布により形成することができる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
[複屈折パターンを有する偽造防止媒体の作製]
複屈折パターン作製材料に少なくとも、パターン露光及び加熱(ベーク)をこの順に行うことにより、本発明の偽造防止媒体を作製することができる。
[パターン露光]
本明細書において、パターン露光とは、複屈折パターン作製材料の一部の領域のみが露光されるように行う露光又は2つ以上の領域に互いに露光条件の異なる露光を意味する。互いに露光条件の異なる露光には、未露光(露光しないこと)が含まれていてもよい。パターン露光の手法としてはマスクを用いたコンタクト露光、プロキシ露光、投影露光などでもよいし、レーザや電子線などを用いてマスクなしに決められた位置にフォーカスして直接描画する走査露光を用いてもよい。また、複屈折パターン作製材料の形態が枚葉であればバッチ式露光、ロール形態であればRtoR式露光でもよい。前記露光の光源の照射波長としては250〜450nmにピークを有することが好ましく、300〜410nmにピークを有することがさらに好ましい。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、青色レーザ等が挙げられる。好ましい露光量としては通常3〜2000mJ/cm2程度であり、より好ましくは5〜1000mJ/cm2程度、最も好ましくは10〜500mJ/cm2程度である。パターン露光の解像度を1200dpi以上にすることにより、マイクロ印刷潜像が形成でき、好ましい。解像度を高めるためには、パターン露光時にパターン化光学異方性層が固体であり、尚且つ厚みが10μm以下であることが必要であり、好ましい。厚み10μm以下で実現するためにはパターン化光学異方性層が重合性液晶化合物を含む層を配向固定化したものであることが好ましく、重合性液晶化合物が架橋機構の異なる2種類以上の反応性基を有することが特に好ましい。また、RtoR式露光を使用する場合に用いる巻き芯としては、特に制限は無いが、外径10mm〜3000mm程度のものが好ましく、より好ましくは20mm〜2000mm程度のもの、さらに好ましくは30mm〜1000mm程度のものである。巻き芯に巻きつける際のテンションとしては、特に制限は無いが、1N〜2000N程度が好ましく、より好ましくは3N〜1500N程度であり、さらに好ましくは5N〜1000N程度である。
[パターン露光時の露光条件]
複屈折パターン作製材料の2つ以上の領域に互いに露光条件の異なる露光を行う際、「2つ以上の領域」は互いに重なる部位を有していても有していなくてもよいが、互いに重なる部位を有していないことが好ましい。パターン露光は複数回の露光によって行われてもよく、もしくは、例えば領域によって異なる透過スペクトルを示す2つ以上の領域を有するマスク等を用いて1回の露光によって行われていてもよく、又は両者が組み合わされていてもよい。すなわち、パターン露光時に、異なる露光条件で露光された2つ以上の領域を生ずるような形で露光が行われていればよい。走査露光を用いる場合には、露光領域によって光源強度を変える、露光領域の照射スポットを変える、走査速度を変えるなどの手法で領域ごとに露光条件を変えることが可能であり、好ましい。
露光条件としては、特に限定はされないが、露光ピーク波長、露光照度、露光時間、露光量、露光時の温度、露光時の雰囲気等が挙げられる。この中で、条件調整の容易性の観点から、露光ピーク波長、露光照度、露光時間、および露光量が好ましく、露光照度、露光時間および露光量がさらに好ましい。パターン露光時に相異なる露光条件で露光された領域はその後、焼成を経て相異なる、かつ露光条件によって制御された複屈折性を示す。特に異なるレターデーション値を与える。すなわち、パターン露光の際に領域ごとに露光条件を調整することにより、焼成を経た後に領域ごとに異なる、かつ所望のレターデーションを有する複屈折パターンを作製することが可能である。なお、異なる露光条件で露光された2つ以上の露光領域間の露光条件は不連続に変化させてもよいし、連続的に変化させてもよい。
[マスク露光]
露光条件の異なる露光領域を生じる手段の一つとして、露光マスクを用いた露光は有用である。例えば1つの領域のみを露光するような露光マスクを用いて露光を行った後に、温度、雰囲気、露光照度、露光時間、露光波長を変えて別のマスクを用いた露光や全面露光を行うことで、先に露光された領域と後に露光された領域の露光条件は容易に変更することができる。また、露光照度、あるいは露光波長を変えるためのマスクとして領域によって異なる透過スペクトルを示す2つ以上の領域を有するマスクは特に有用である。この場合、ただ一度の露光を行うだけで複数の領域に対して異なる露光照度、あるいは露光波長での露光を行うことができる。異なる露光照度の下で同一時間の露光を行う事で異なる露光量を与えることができることは言うまでもない。
[走査露光]
走査露光は、例えば、光により所望の2次元パターンを描画面上に形成する描画装置を応用して行うことができる。
このような描画装置の代表的な例として、光ビーム発生手段から導出された光ビームを、光ビーム偏向走査手段を介して被走査体上に走査させることにより、所定の画像等を記録するように構成された画像記録装置がある。この種の画像記録装置では、画像等の記録に際して、光ビーム発生手段から導出される光ビームを画像信号に対応して変調させる(特開平7−52453号公報)。
また主走査方向に回転するドラムの外周面に貼着された被走査体上に対してレーザビームを副走査方向に走査することで記録を行うタイプ、および、ドラムの円筒内周面に貼着された被走査体上に対してレーザビームを回転走査させることで記録を行うタイプ(特許2783481号)の装置も使用できる。
さらに、描画ヘッドにより2次元パターンを描画面上に形成する描画装置を用いることもできる。例えば、半導体基板や印刷版の作製で用いられている、露光ヘッドにより所望の2次元パターンを感光材料等の露光面上に形成する露光装置が使用できる。このような露光ヘッドとして代表的なものは、多数の画素を有し所望の2次元パターンを構成する光点群を発生させる画素アレイを備えている。この露光ヘッドを、露光面に対して相対移動させながら動作させることにより、所望の2次元パターンを露光面上に形成することができる。
上記のような露光装置としては、たとえば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)を露光面に対して所定の走査方向に相対的に移動させるとともに、その走査方向への移動に応じてDMDのメモリセルに多数のマイクロミラーに対応した多数の描画点データからなるフレームデータを入力し、DMDのマイクロミラーに対応した描画点群を時系列に順次形成することにより所望の画像を露光面に形成する露光装置が提案されている(特開2006−327084号公報)。
露光ヘッドが備える空間光変調素子としては、上記のDMDの以外の、空間光変調素子を使用することもできる。なお、空間光変調素子は、反射型および透過型のいずれでもよい。そのほかの空間光変調素子の例としては、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)等の液晶シャッターアレイなどが挙げられる。なお、MEMSとは、IC製造プロセスを基盤としたマイクロマシニング技術によるマイクロサイズのセンサ、アクチュエータ、そして制御回路を集積化した微細システムの総称であり、MEMSタイプの空間光変調素子とは、静電気力を利用した電気機械動作により駆動される空間光変調素子を意味している。
さらに、回折格子ライトバルブ(GLV;Grating Light Valve)を複数ならべて二次元状に構成したものを用いることもできる。
露光ヘッドの光源としては、上記したレーザ光源の他に、ランプ等も使用可能である。
[2つ以上の光学異方性層のパターン露光]
複屈折パターン作製材料にパターン露光を行って得られた積層体の上に新たな複屈折パターン作製用転写材料を転写し、その後に新たにパターン露光を行ってもよい。この場合、一度目及び二度目ともに未露光部である領域(通常レターデーション値が一番低い)、一度目に露光部であり二度目に未露光部である領域、及び、一度目及び二度目ともに露光部である領域(通常レターデーション値が一番高い)でベーク後に残るレターデーションの値を効果的に変えることができる。なお、一度目に未露光部であり二度目に露光部である領域は、二度目の露光により一度目及び二度目ともに露光部である領域と同様となると考えられる。同様にして転写とパターン露光を交互に三度、四度と行うことにより、四つ以上の領域を作ることも容易にできる。この手法は、異なる領域の間で、露光条件だけでは与え得ないような差異(光学軸の方向の違いや非常に大きなレターデーションの差異など)を持たせたい時に有用である。
[加熱(ベーク)]
パターン露光された複屈折パターン作製材料に対して50℃以上400℃以下、好ましくは80℃以上400℃以下に加熱を行うことにより複屈折パターンを作製することができる。加熱に使用する機器としては、温風炉、マッフル炉、IRヒーター、セラミックヒーター、電気炉等が使用できる。また、複屈折パターン作製材料の形態が枚葉であればバッチ式加熱、ロール形態であればRtoR式加熱でもよい。RtoR式加熱を使用する場合に用いる巻き芯としては、特に制限は無いが、外径10mm〜3000mm程度のものが好ましく、より好ましくは20mm〜2000mm程度のもの、さらに好ましくは30mm〜1000mm程度のものである。巻き芯に巻きつける際のテンションとしては、特に制限は無いが、1N〜2000N程度が好ましく、より好ましくは3N〜1500N程度であり、さらに好ましくは5N〜1000N程度である。
なお、複屈折パターンはレターデーションが実質的に0である領域を含んでいてもよい。例えば、2種類以上の反応性基を有する液晶性化合物を用いて光学異方性層を形成した場合において、パターン露光で未露光であると上記ベークによってレターデーションが消失し、実質的に0となる場合がある。
ベークを行った複屈折パターン材料の上には、新たな複屈折パターン作製用転写材料を転写し、その後に新たにパターン露光とベークを行ってもよい。この場合、一度目及び二度目の露光条件で組み合わせて、二度目のベーク後に残るレターデーションの値を効果的に変えることができる。この手法は、例えば互いに遅相軸の方向が異なる複屈折性を持つ二つの領域を互いに重ならない形で作りたい時に有用である。
[熱書き込み]
上記のように、未露光領域にベークを行うことによってレターデーションを実質的に0にすることが可能であるため、複屈折パターンを有する物品には、パターン露光に基づく潜像に加えて、熱書き込みによる潜像が含まれていてもよい。熱書き込みはサーマルヘッド又は、赤外線やYAGなどのレーザ描画を用いて行うことができる。例えば、サーマルヘッドを有する小型のプリンタとの組み合わせで、秘匿を必要とする情報(個人情報、暗証番号、意匠性を損なう商品管理コードなど)を簡便に潜像化することができ、ダンボール箱などに熱書き込みする赤外線やYAGレーザをそのまま用いることもできる。
[複屈折パターンに積層される機能性層]
複屈折パターン作製材料は、上述のように露光及びベークを行って複屈折性パターンを作製された後に、印刷層および樹脂層が設けられる。そのほか様々な機能を持った機能性層を積層されていてもよい。機能性層としては、特に限定されるものではないが、例えば、表面層などがあげられる。
[表面層]
表面層としては、反射光沢を制御する散乱層、表面の傷つきを防止するハードコート層、指紋付着やマジックなどの落書きを防止する撥水撥油層、帯電によるごみつきを防止する帯電防止層などが挙げられる。散乱層としては、エンボスによる表面凹凸層、粒子などのマット剤を含むマット層が好ましい。ハードコート層としては、少なくとも1種類の二官能以上の重合性モノマーを含む層を光照射または熱により重合した層が好ましい。表面層は、パターン形成前の複屈折パターン作製材料にすでに設けられていてもよい。複屈折パターン作製材料においては、表面層は、例えば、添加剤層として、設けておくことができる。
[保護層]
特に半透過半反射層を用いた態様の場合、光学干渉によるムラが顕在化することがある。そのため、光学異方性層との屈折率差を小さくするため、屈折率が1.4〜1.7で膜厚が30μm以上、好ましくは50μm以上、特に好ましくは100μm以上の保護層を光学的に接触した状態で貼合することにより、ムラを低減できるので好ましい。光学的な接触には、屈折率マッチングオイルや粘着剤、接着剤を用いることができるが、簡便性から粘着剤または接着剤が好ましい。
[印刷層]
本発明の偽造防止媒体は印刷層を有する。印刷層としては、可視または紫外線や赤外線などで視認できるパターンを形成した層などが挙げられる。UV蛍光インクやIRインクはそれ自体もセキュリティ印刷であるため、セキュリティ性が向上するので好ましい。印刷層を形成する方法は特に限定はないが、一般的に知られている凸版印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷の他、インクジェットやゼログラフィなどを用いることができる。インクとしては、各種インクを用いることができるが、耐久性の観点から、UVインクを用いることが好ましい。また、解像度を1200dpi以上のマイクロ印刷にすることによっても、セキュリティ性を高めることができるので好ましい。
[印刷保護層]
印刷層の上に、塗工によって保護層を設ける、あるいは、接着層を有する樹脂フィルムを貼り合わせることによって、印刷層を保護することができる。前者としては、OPニスを印刷する方法が知られている。OPニスとしては、耐摩耗性の観点から、UVニスを好適に用いることができ、オフセット印刷、あるいは、グラビア印刷を行うことによって塗工することができる。あるいは、ビニール引き等の後加工によって印刷層を保護することもできる。
本発明の偽造防止媒体においては 接着層を有するラミネートフィルムが印刷層に貼り合わせられる。ラミネートフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)製、またはポリプロピレン(PP)製のものが一般的である。しかし、本発明者らは一般的なラミネートフィルムの使用によって、印刷の耐久性は上がるが、潜像が変化してしまったり、虹色のムラが観察されてしまったりすることがあることを発見した。そこで、レターデーションの小さいラミネートフィルムを選択したところ、このような問題が生じないことを見出した。ラミネートフィルムのレターデーションは、潜像の色変化の観点から、50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることが更に好ましい。このようなフィルムとしては、塩化ビニル製の樹脂層、ポリスチレン製の樹脂層、トリアセチルセルロース製の樹脂層を有するラミネートフィルム、が挙げられる。塩化ビニル製のフィルムとしてはリンテック(株)社のサンカット(Re:5nm;膜厚:50μm)、ポリスチレン製のフィルムとしてはリンテック(株)社のKES25Nマット(Re:33nm;膜厚:25μm)などが好ましい。トリアセチルセルロース製のフィルムは、例えば富士フイルム(株)社製のTDP(Re:1nm;膜厚:60μm)を用いることができる。 これらのフィルムに、下記の方法で接着層を形成すればよい。
ラミネートフィルムにおける接着層は特に限定されないが、コールドラミネート、あるいは、ホットラミネートに適したものを使用することができ、特に、前者を好適に用いることができる。コールドラミネートに適した粘着剤としては、例えば、リンテック(株)社製、PLシン等が挙げられる。
ラミネートフィルムの厚みとしては、加工適性の観点から、5〜100μmであることが好ましく、10〜60μmであることがより好ましく、15〜50μmであることが更に好ましい。ラミネートフィルムにおける接着層としては、強粘着タイプであることが好ましく、アクリル系の粘着剤を好適に用いることができる。粘着層は、塗工によって設けてもよいし、市販されている粘着剤を貼り合わせることによって設けてもよい。粘着剤は、基材レスタイプでも、基材ありタイプでもよい。
本発明の偽造防止媒体は、偏光板を介さない場合には印刷層などに基づく像が視認できるのみであるが、二枚の偏光板で挟まれた場合、あるいは反射層又は半透過反射層を有する物品につき、偏光板を介した場合においては、追加の特徴的な明暗、あるいは色を示し容易に目視で認識できる。複屈折パターンは偏光板を介さずにコピーしても何も映らず、逆に偏光板を介してコピーすると永続的な、つまりは偏光板無しでも目視可能なパターンとして残る。従って複屈折パターンの複製は困難である。このような複屈折パターンの作製法は広まっておらず、材料も特殊であることから、偽造防止手段として用いるに適していると考えられる。
特に、半透過半反射層を含む複屈折パターンを有する物品は、紙に印刷された印字や写真などの上から、粘着剤など貼合して用いることができる。また、半透過半反射層を用いた複屈折パターンを有する物品を、ラミネートフィルムや透明ラベルなど粘着機能を有する一般的な物品の一部に貼合することもできる。
本発明の偽造防止媒体は、潜像によるセキュリティ効果だけでなく、例えばパターンをバーコード、QRコードのようにコード化することによって、デジタル情報との連携を図ることができ、さらにはデジタル暗号化も可能となる。また、前述のように高解像度潜像を形成することで偏光板を介しても肉眼では見分けがつかないマイクロ潜像印刷にでき、さらにセキュリティを高めることができる。他にもUV蛍光インク、IRインクなどの不可視インクによる印刷との組み合わせでもセキュリティを高めることができる。また、剥がすと粘着剤の一部がパターンとして対象物に残存する開封防止ラベル機能との組み合わせも可能である。
本発明の偽造防止媒体は、セキュリティだけでなく他の機能との複合、例えば値札や賞味期限などの製品情報表示ラベル機能、水につけると色が変色するインクを印刷することによる水没ラベル機能、セキュリティを施した保険証書や投票用紙と組み合わせることも可能である。
本発明の偽造防止媒体に粘着層を設けることにより、ラベルとして利用することができる。粘着層は、塗工によって設けてもよいし、市販されている粘着剤を貼り合わせることによって設けてもよい。セキュリティラベルとして用いる場合には、剥がして転用されることを避けるため、強粘着タイプであることが好ましい。また、脆性加工を施すことも好ましい。脆性加工を施す場合には、粘着層は、塗工によって設けるか、基材レスタイプの粘着剤を用いるのが好ましい。脆性加工の方法については特に限定はないが、支持体自体を脆性化する、ラベルに切り込みを入れる方法などが挙げられる。
ラベルの抜き加工の方法としては、抜き型を用いてもよいし、カッティングプロッタを用いてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
(配向層用塗布液AL−1の調製)
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、配向層用塗布液AL−1として用いた。
──────────────────────────────────―
配向層用塗布液組成(%)
──────────────────────────────────―
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ(株)製) 3.21
ポリビニルピロリドン(Luvitec K30、BASF社製) 1.48
蒸留水 52.10
メタノール 43.21
──────────────────────────────────―
(配向層用塗布液AL−2の調製)
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、配向層用塗布液AL−2として用いた。
──────────────────────────────────―
配向層用塗布液AL−2組成(質量%)
──────────────────────────────────―
液晶配向剤(AL−1−1) 1.0
テトラヒドロフラン 99.0
──────────────────────────────────―
Figure 0005882566
(光学異方性層用塗布液LC−1の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−1として用いた。
LC−1−1は2つの反応性基を有する液晶化合物であり、2つの反応性基の片方はラジカル性の反応性基であるアクリル基、他方はカチオン性の反応性基であるオキセタン基である。
──────────────────────────────────―
光学異方性層用塗布液組成(%)
──────────────────────────────────―
重合性液晶化合物(LC−1−1) 32.88
水平配向剤(LC−1−2) 0.05
カチオン系光重合開始剤
(CPI100−P、サンアプロ株式会社製) 0.66
重合制御剤
(IRGANOX1076、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
0.07
メチルエチルケトン 46.34
シクロヘキサノン 20.00
──────────────────────────────────―
Figure 0005882566
(光学異方性層用塗布液LC−2の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−1として用いた。
──────────────────────────────────――――――
光学異方性層用塗布液LC−1組成(質量%)
──────────────────────────────────――――――
ジアクリレート液晶化合物
(Paliocolor LC242(商品名、BASF社製 31.53
光重合開始剤
(IRGACURE907(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)) 0.99
アルキルチオキサントン
(カヤキュアDETX−S(商品名、日本化薬(株)製)) 0.33
フッ素系界面活性剤
(メガファックF−176PF(商品名、大日本インキ化学工業(株)製))
0.15
メチルエチルケトン 67.00
──────────────────────────────────――――――
(添加剤層OC−1の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、転写接着層用塗布液OC−1として用いた。ラジカル光重合開始剤RPI−1としては2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)1,3,4−オキサジアゾールを用いた。下記組成はその溶液としての使用量である。
──────────────────────────────────―
添加剤層用塗布液組成(質量%)
──────────────────────────────────―
バインダ(MH−101−5、藤倉化成(株)製) 7.63
ラジカル光重合開始剤(RPI−1) 0.49
界面活性剤 0.03
(メガファックF−176PF、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 91.85
──────────────────────────────────―
(複屈折パターン作製材料P−1の作製)
厚さ50μmのポリイミドフィルム(カプトン200H、東レデュポン(株)製)の上にアルミニウムを60nm蒸着し、反射層つき支持体を作製した。そのアルミニウムを蒸着した面上にワイヤーバーを用いて配向層用塗布液AL−1を塗布、乾燥した。乾燥膜厚は0.5μmであった。配向層をラビング処理した後、ワイヤーバーを用いて光学異方性層用塗布液LC−1を塗布、膜面温度90℃で2分間乾燥して液晶相状態とした後、空気下にて160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射してその配向状態を固定化して厚さ4.5μmの光学異方性層を形成した。この際用いた紫外線の照度はUV−A領域(波長320nm〜400nmの積算)において500mW/cm2、照射量はUV−A領域において500mJ/cm2であった。光学異方性層のレタデーションは400nmであり、20℃で固体のポリマーであった。最後に、光学異方性層の上に添加剤層用塗布液OC−1を塗布、乾燥して0.8μmの添加剤層を形成し、実施例1の複屈折パターン作製材料P−1を作製した。
(偽造防止媒体A:レターデーションのパターニングされた複屈折パターン)
P−1をレーザ走査露光によるデジタル露光機(INPREX IP−3600H、富士フイルム(株)製)にて図4に示すように、0mJ/cm2、8mJ/cm2、25mJ/cm2の露光量を用いてRtoRでパターン露光した。図中、無地で示した領域の露光量が0mJ/cm2、横線で示した領域の露光量が8mJ/cm2、縦線で示した領域の露光量が25mJ/cm2となるように露光した。その後、遠赤外線ヒータ連続炉を用い、RtoRにて、膜面温度が210℃となるように20分間加熱して、複屈折パターンを有する物品P−2を作製した。物品P−2の上に偏光板(HLC−5618、サンリッツ(株)製)をかざしたところ、所定の方向でかざしたときに、物品P−2に施した複屈折パターンを確認することができた。物品P−2の上に偏光板を介して観察されるパターンの拡大図を図5に示す。図中、地のアルミ箔が銀色を呈するのに対し、格子部は紺色ないし水色、斜線部は黄色ないし橙色を呈する二色のパターンが観察される。
(偽造防止媒体B::光軸のパターニングされた複屈折パターン)
厚さ25μmのポリエチレンテレフタラートフィルム(ルミラーL−25T60(商品名)、東レ(株)製)の上にアルミニウムを60nm蒸着した。次いで、アルミニウムの上に、ワイヤーバーを用いて配向層用塗布液AL−2を塗布、乾燥した。乾燥膜厚は0.1μmであった。
得られた有機膜の上に図6に示すフォトマスクAを配置し、紫外線照射器(HOYA CANDEO OPTRONICS社製、商品名:EXECURE3000)より出射される紫外光より出射される光を、直線偏光板を介して、支持体に対して垂直の方向から100mW/cm2(365nm)の強度で1秒間照射した。このとき、直線偏光板の吸収軸の方位角がフォトマスクの長辺に対して0°となるように偏光板を配置した。
続いて、フォトマスクを図6に示すB、C、Dと順に変更し、直線偏光板の吸収軸がそれぞれフォトマスクの長辺に対して45°、90°、135°となるように偏光板を配置した上で、同様に紫外線を照射した。
次いで、ワイヤーバーを用いて、光学異方性層用塗布液LC−2を塗布、膜面温度105℃で2分間乾燥して液晶相状態とした後、空気下にて160mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて照度400mW/cm2、照射量400mJ/cm2の紫外線を照射してその配向状態を固定化して厚さ0.9μmの光学異方性層を形成することで、図の平面図に示すパターンの、偽造防止媒体Bを作製した。
図7に示すように、偽造防止媒体Bの文字A12、文字B13、文字C14、背景15の遅相軸はそれぞれ、長辺に対して0°、45°、90°、135°であった。また、これらの領域のレタデーションはいずれも135nm(λ/4)であった。
(実施例1)
偽造防止媒体Aを、表面改質装置MEIR−5−600(MDエキシマー社製)にて処理した。その後、UV161墨、紅、藍、黄(T&K社製)を用いて文字、及び、図柄を凸版印刷した。その後、サンカットPLシン7LK(リンテック(株)社製、正面レターデーション=5nm、膜厚50μm)を用い、ドライラミネーションを行い、実施例1の偽造防止媒体を作製した。
(実施例2)
偽造防止媒体Aを偽造防止媒体Bとする以外は、実施例1と同様に、実施例2の偽造防止媒体を作製した。
(実施例3)
ラミネートフィルムとして、表面をサンドブラスト処理したサンカットPLシン7LK(リンテック(株)社製、正面レターデーション=5nm、膜厚50μm)を用いる以外は、実施例1と同様に、実施例3の偽造防止媒体を作製した。
(実施例4)
実施例1の偽造防止媒体の上に、LUXEL JET UV250GT(富士フイルム(株)社製)を用い、KIインクにより、バリアブル情報を印字した。このようにして、実施例4の偽造防止媒体を作製した。
(実施例5)
偽造防止媒体Aを、表面改質装置MEIR−5−600(MDエキシマー社製)にて処理した。その後、LUXEL JET UV250GT(富士フイルム(株)社製)を用い、KIインクにより印刷を行った。その後、サンカットPLシン7LK(リンテック(株)社製、正面レタデーション=5nm、膜厚50μm)を用い、ドライラミネーションを行い、実施例5の偽造防止媒体を作製した。
(実施例6)
偽造防止媒体Aを、表面改質装置MEIR−5−600(MDエキシマー社製)にて処理した。その後、UVフレキソ500墨、紅、藍、黄(T&K社製)を用いて文字、及び、図柄を凸版印刷した。その後、サンカットPLシン7LK(リンテック(株)社製、正面レタデーション=5nm、膜厚50μm)を用い、ドライラミネーションを行い、実施例6の偽造防止媒体を作製した。
(実施例7)
偽造防止媒体Aを、表面改質装置MEIR−5−600(MDエキシマー社製)にて処理した。その後、文字、及び、図柄をスクリーン印刷した。その後、サンカットPLシン7LK(リンテック(株)社製、正面レタデーション=5nm、膜厚50μm)を用い、ドライラミネーションを行い、実施例6の偽造防止媒体を作製した。
(実施例8)
ラミネートフィルムとして、KES25Nマット PLシン 7LK(リンテック(株)社製、正面レターデーション=33nm、膜厚25μm)を用いる以外は、実施例1と同様に、実施例8の偽造防止媒体を作製した。
(実施例9)
ラミネートフィルムとして、トリアセチルセルロース(商品名:TDP、富士フイルム(株)社製、正面レタデーション=1nm、膜厚60μm)に、粘着剤(商品名:Z2−25、パナック(株)社製)を張り合わせたものを用いる以外は、実施例1と同様に、実施例9の偽造防止媒体を作製した。
(比較例1)
偽造防止媒体Aを、比較例1の偽造防止媒体とした。
(比較例2)
ラミネートフィルムとして、PET16 PLシン 7LK(リンテック(株)社製、正面レターデーション=266nm、膜厚16μm)を用いる以外は、実施例1と同様に、比較例2の偽造防止媒体を作製した。
(比較例3)
ラミネートフィルムとして、PP20 PLシン 7LK(リンテック(株)社製、正面レターデーション=300nm、膜厚20μm)を用いる以外は、実施例1と同様に、比較例3の偽造防止媒体を作製した。
実施例1〜9の偽造防止媒体は、いずれも、潜像視認性に優れ、かつ、テープ密着試験や耐擦過性試験によって印刷が剥がれず、耐久性に優れていた。偏光板をかざしたときの、潜像視認性に関しては、いずれも、ラミネートフィルムの位相差が小さいため、問題なかったが、実施例8のサンプルは、位相差が若干あるため、コントラストが低下した。実施例3、及び、実施例8に示す偽造防止媒体は、ラミネートフィルムがマット加工されているため、コバート性が改良されていた。
比較例1のサンプルは、潜像視認性は良好であったが、テープ密着試験で、印刷が剥離してしまい、実用耐久性に問題がある。
比較例2、及び、比較例3のサンプルは、ラミネートフィルムで表面を保護しているため、耐久性は良好であるが、ラミネートフィルムの位相差が高いため、偏光板をかざしたときに観察される潜像に虹色のムラが観察され、所望の色を再現することもできなかった。
上述の実施例に記載された偽造防止媒体に、粘着加工、及び、抜き加工を行うことで、偽造防止ラベルを作製した。いずれも、目視では、一般的な印刷ラベルであるが、偏光板をかざすことにより、潜像をはじめて視認することができ、コバート性の高い偽造防止シールとして、使用することができる。
101 パターン化光学異方性層
102 ラミネートフィルム
103 樹脂層
104 接着層
11 支持体
16 印刷層
19 添加剤層
20 反射層

Claims (5)

  1. 支持体、2つ以上の複屈折性の異なる領域を有するパターン化光学異方性層、および印刷層をこの順に含む偽造防止媒体の製造方法であって、
    前記偽造防止媒体において、前記印刷層の上にレターデーションが50nm以下のラミネートフィルムが貼り合わされており、前記ラミネートフィルムが散乱性を有し、前記ラミネートフィルムが、ポリスチレン製樹脂層、塩化ビニル製樹脂層、トリアセチルセルロース製樹脂層のいずれか1つを含み、および前記ラミネートフィルムの膜厚が10〜60μmであり、
    前記パターン化光学異方性層下記(1)〜(3)の工程をこの順で含む方法で形成することを含む製造方法
    (1)少なくとも1つの反応性基を有する液晶性化合物を含む組成物からなる層を加熱または光照射する工程;
    (2)前記層に走査露光を用いてパターン露光を行う工程;
    (3)得られた層を50℃以上400℃以下に加熱する工程。
  2. 前記パターン化光学異方性層の複屈折性の異なる領域が、レターデーションの大きさが異なる領域である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記パターン化光学異方性層の複屈折性の異なる領域が、光軸方向が異なる領域である請求項1に記載の製造方法
  4. 前記偽造防止媒体が前記支持体と前記パターン化光学異方性層との間に反射層を含む請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法
  5. 前記偽造防止媒体が前記支持体の前記パターン化光学異方性層と反対側の面に粘着層を含む請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法
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