JP5443885B2 - 偽造防止媒体及び偽造防止シール - Google Patents

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本発明は偽造防止媒体及び偽造防止シールに関する。
製品の偽造防止の手段としては、製品そのものを複製不能とする手段か、偽造防止手段として複製不能の標識を製品に取り付けることで真正な製品(真正品)と判定させる手段に大きく分けられる。特に後者の場合は個別な対応が必要な前者に比べて汎用性が高いので、多く用いられている。
後者の手段はさらに、2つに分けられる。ひとつは、偽造防止手段の存在が常に誰にでも識別できるもので、良く知られている技術としてホログラムがある。もうひとつは、偽造防止手段が通常は検出不能な状態(コバート)であり、偽造防止手段の存在を知る者のみが特別な手段によって偽造防止手段を検出し、真正品かどうかを識別するものである。具体的には、レタデーション、あるいは、光軸のパターニングされた位相差媒体による潜像を、偏光板を用いて観察し、真偽を判別する技術が知られている(例えば、特許文献1、2、3参照)。しかし、偏光を用いた潜像は、それを観察する光環境によっては、そこに潜像が形成されていることが分かってしまう場合がある。コバートの偽造防止手段としては、このような事態が防止され、通常の検出不能な状態が高く維持された(コバート性の高い)ものであることが望まれる。
偽造防止媒体は、商品パッケージや、各種IDカード、有価物等に、ラベル、あるいは、転写箔等の形態で用いられることが多いが、このとき潜像の色や形の自由度が高く、緻密な潜像も形成できること(意匠性)は重要である。また、潜像視認性を付与するために、反射性支持体を用いるのが一般的であるが、マットな質感を求められることがある。さらに、偽造防止媒体には耐擦傷性等の耐久性も要求される。
特開2009−69793号公報 特開2008−137232号公報 特開2008−129421号公報
本発明は、意匠性、コバート性及び耐久性に優れる、偽造防止媒体及び偽造防止シールを提供することを課題とする。
上記課題は以下の発明により解決された。
(1)支持体上に、レタデーションの異なる領域を3つ以上有し光軸方向が同一であるパターニング光学異方性層と、表面散乱性を有する保護層とをこの順に有してなる偽造防止媒体であって、該パターニング光学異方性層が反応性基を有する液晶性化合物を配向を揃えた状態で重合して均一な光学異方性層を作製した後にレタデーションの異なる領域が設けられて形成された層であることを特徴とする偽造防止媒体
(2)前記液晶性化合物が、重合条件の異なる2種類以上の反応性基を有することを特徴とする、()に記載の偽造防止媒体。
)前記パターニング光学異方性層のレタデーションの異なる領域が、パターン露光とそれに続く全面熱処理によって設けられたことを特徴とする、(2)に記載の偽造防止媒体。
)支持体が反射性を有することを特徴とする、(1)〜()のいずれかに記載の偽造防止媒体。
)前記表面散乱性を有する保護層の表面の60度光沢度が300以下であることを特徴とする、(1)〜()のいずれかに記載の偽造防止媒体。
)前記パターニング光学異方性層と前記表面散乱性を有する保護層の間に、可視情報が印刷されていることを特徴とする、(1)〜()のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
)前記表面散乱性を有する保護層が透光性粒子を含有する樹脂層であることを特徴とする、(1)〜()のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
)前記透光性粒子を含有する樹脂層の樹脂バインダーと透光性粒子の屈折率差が0.15以内であることを特徴とする、()に記載の偽造防止媒体。
)前記透光性粒子の粒径が0.5〜10μmであることを特徴とする、()又は()に記載の偽造防止媒体。
10)前記表面散乱性を有する保護層が、エンボス加工によって表面散乱性を付与されていることを特徴とする、(1)〜()のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
11)前記表面散乱性を有する保護層の水の接触角が90°以上であることを特徴とする、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
12)前記表面散乱性を有する保護層が、含フッ素化合物及び/またはシリコーン系化合物を含有することを特徴とする、(1)〜(11)のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
13)配向層の上に前記パターニング光学異方性層が形成されていることを特徴とする、(1)〜(12)のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
14)(1)〜(13)のいずれか1項に記載の偽造防止媒体の支持体に、パターニング光学異方性層を含む面と反対側の面において粘着加工を施したことを特徴とする偽造防止シール。
15)脆性加工が施されたことを特徴とする、(14)に記載の偽造防止シール。
本発明の偽造防止媒体及び偽造防止シールは、表面散乱性を有する保護層を設けたことにより、耐久性に優れ、かつ、コバート性と意匠性とを両立させることができる。
本発明の偽造防止媒体の一実施態様の概略断面図である。 本発明の偽造防止媒体の別の一実施態様の概略断面図である。 本発明における複屈折パターンの例を示す説明図であって、図3(a)はレタデーションに関してパターニングした例の説明図であり、図3(b)は光軸方向に関してパターニングした例の説明図である。 実施例に用いられたフォトマスクの平面図である。 実施例における複屈折パターンの平面図である。 実施例における偽造防止シールの作製に用いた抜き刃のパターンを示す平面図である。
まず、本発明の偽造防止媒体について詳細に説明する。
本発明の偽造防止媒体は、支持体上に、少なくとも、パターニング光学異方性層、表面散乱性を有する保護層をこの順に含んでなる。パターニング光学異方性層とは、複屈折性の異なる領域を2つ以上有する光学異方性層である。この光学異方性層は、反応性基を有する液晶性化合物を重合して形成されている。
本発明の偽造防止媒体は、偏光板を用いることにより、その潜像を可視化することができる。偏光板は自然光を直線偏光に変換する性質を有する板で、例えば、ヨウ素系偏光板、染料系偏光板、ワイヤグリッド偏光板、金属ナノ粒子を用いた偏光板などが挙げられるが、一般的にはヨウ素系偏光板(ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色、延伸を行った後、その両面に保護フィルムを積層して作製されたもの)を用いることが好ましい。偏光板の厚さは、特に限定するものではないが、保護フィルムを含み、80〜500μmが好ましい。
偏光板の片面、あるいは両面の保護フィルムに位相差を有するフィルムを用いてもよい。
本発明の偽造防止媒体は通常はそこにパターンが形成されていることが分からない状態である一方で、偏光板をかざした場合においては特徴的な明暗、あるいは調整されたレタデーションから干渉によって得られる所望の色を示し容易に目視で認識できる。本発明の偽造防止媒体における潜像は通常は目視ではほぼ不可視な一方で、偏光板を介することで容易に多色の画像が識別可能となる。パターニング光学異方性層の複屈折パターン(複屈折性が異なる複数の領域によって形成されるパターン)は偏光板を介さずにコピーしても何も映らず、逆に偏光板を介してコピーすると永続的な、つまりは偏光板無しでも目視可能なパターンとして残る。従って複屈折パターンの複製は困難である。このような複屈折パターンの作製法は広まっておらず、材料も特殊であることから、偽造防止手段として用いるに適していると考えられる。
また、偽造防止手段以外に緻密及びまたは多色を示すことができる潜像を利用した情報や画像の表示媒体などの活用が考えられる。
潜像のパターンは、用途にあわせて任意に選択することができる。例えば、企業のロゴマーク、ID番号、バーコード、QRコード等である。バーコード、QRコードは、偽造防止媒体の上に偏光板をのせた状態で、読み取り装置で読み取ることが可能である。あるいは、光源と読み取り装置の双方に、偏光板を組み込んでおくことで読み取ることも可能である。
図1は本発明の偽造防止媒体の一実施態様の概略断面図である。偽造防止媒体10は、支持体101上に、反射層102、パターニング光学異方性層103、表面散乱性を有する保護層104が順に積層されたものである。
図2は本発明の偽造防止媒体の別の一実施形態の概略断面図である。図2に示す偽造防止媒体10Aは、図1に示す偽造防止媒体の構成に加え、更に、パターニング光学異方性層103と表面散乱性を有する保護層104との間に、可視情報が印刷された層105を有する。このような層構成とすることにより、潜像情報、及び、可視情報も保護される。また、図2に示す実施形態ではパターニング光学異方性層103は配向層106上に形成されている。
本発明の偽造防止媒体を形成する各層は、直接支持体上に形成されたものであってもよいし、一層、あるいは、複数の層を転写して形成された層であってもよい。本発明の偽造防止媒体を構成する支持体ならびに支持体上に積層される各層について、以下に詳述する。
[支持体]
偽造防止媒体は反射支持体、半透明半反射支持体、あるいは透明支持体のいずれでもよい。反射支持体とは、アルミ箔など、支持体としたときに該支持体そのものに反射機能があるもの、あるいは、後述する反射層を有する支持体を用いればよい。半透明半反射支持体とは、支持体上に半透明半反射層を有する支持体を持ちいればよい。偽造防止媒体を反射性物品の上に重ねて使用する場合には、透明支持体を用いることもできる。この場合、潜像に影響を与えない光学特性を有する透明支持体を用いればよい。この場合、支持体のレタデーションは200nm以下、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下である。
本発明においては、用途に応じて任意の支持体を用いることができるが、プラスチックフィルム、あるいは、紙が好ましく用いられる。
支持体の例としてはセルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート)、ポリオレフィン(例、ノルボルネン系ポリマー)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリエステルおよびポリスルホン、ノルボルネン系ポリマーなどのプラスチックフィルムなどが挙げられる。但し、ベーク工程耐性が必要とされる場合には、低熱収縮の支持体を用いることが好ましい。このようなものとしては、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、あるいは低熱収縮グレードのポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレートを好適に用いることができる。支持体の膜厚としては、ロールツーロールなどの連続製造に用いる場合などでは3〜500μmが好ましく、10〜200μmがより好ましいが、製造形態によって適宜選択できる。
[反射層]
反射層は、その上のパターニング光学異方性層に形成された潜像を視認するために、外光を反射させるための層である。反射層より上に形成されたパターニング光学異方性層側から偏光板を介して偽造防止媒体を観察することによって、複屈折パターンによる潜像を可視化することができる。
反射層としては特に限定されないが、例えばアルミや銀などの金属層が挙げられる。このような金属層を支持体に蒸着してもよいし、金属箔を箔押ししてもよい。例えば、アルミニウム等の金属薄膜を蒸着してもよいし、金・銀インキ等を用いて印刷してもよい。支持体と反射層の密着が悪い場合には、支持体にコロナ処理をしてもよいし、アンカーコート層を設けることもできる。これらの中でも、アルミニウムを蒸着した反射支持体を好適に用いることができる。アルミニウムの蒸着膜厚は30nm以上であることが好ましく、40〜120nmであることがより好ましい。
また、偽造防止媒体の背景にある情報の視認性と、潜像の視認性を両立させたい場合には、反射層は、半透明半反射層にすることが好ましい。半透明半反射層の透過率は、用途にあわせて任意に選択することができる。透過率が高すぎると、潜像の視認性が大きく損なわれ、真贋判定が困難になることがある。逆に、低すぎると、背景にある情報が視認しづらくなることがある。
反射層として金属層を設けた偽造防止媒体は帯電防止性能やガスバリア性が向上するので、精密機器の包装材などの偽造防止媒体に好ましく用いることができる。
反射層は完全鏡面である必要はなく、マット調でもよい。マット加工の方法としては、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、マット剤塗工された支持体、あるいは、マット剤の練りこまれた支持体上に蒸着層を設ける方法が挙げられる。
また、透明な偽造防止媒体で反射面を有する物品(箱や商品など)を包装して、反射層を設けたのと同じ効果を得ることもできる。
[パターニング光学異方性層]
本発明の偽造防止媒体は、上記のように、複屈折性が異なる領域を複数含む層、すなわち、パターニング光学異方性層を有している。
本発明において、パターニング光学異方性層は複屈折性が異なる領域を3つ以上有することがさらに好ましい。上記の複屈折性が同一である個々の領域は連続的形状であっても非連続的形状であってもよい。また、パターニング光学異方性層は、複数の層が積層されていてもよい。
(複屈折パターン)
本発明の偽造防止媒体のパターニング光学異方性層における、一つの好ましい複屈折パターンは、光軸方向のパターニングされている複屈折パターン、すなわち、複屈折性が異なる領域が、光軸方向が互いに異なる領域を2つ以上有するものである。なお、本明細書において「光軸」というとき、「遅相軸」又は「透過軸」を意味する。
光軸がパターニングされている場合、複屈折パターンの位相差が100nm〜1000nmであることが好ましい。複屈折パターンの位相差がこの範囲にあることで偏光板を介して観察される潜像の視認性を向上させることができる。複屈折パターンの位相差を上記範囲とすることは、例えば、パターニング光学異方性層の膜厚を調整する、あるいは液晶の固有複屈折を調整することにより行うことができる。
また、光軸がパターニングされている場合、光軸の向きが好ましくは5度以上、より好ましくは10度以上、さらに好ましくは15度以上異なることをいう。
複屈折パターンの例としてはレタデーション及び/又は光軸方向が面内でパターニングされた光学異方性層を含む物品が挙げられる。複屈折パターンの例を図3に示す。
図3(a)はレタデーションの相違によってパターニングされている例の模式的な説明図である。図3(a)に示す例においてはanm、bnm、cnm、及びdnmで示されるレタデーションは互いに異なるものとする。図3(b)は光軸方向の相違によってパターニングされている例の模式的な説明図である。図3(b)において矢印は光軸方向を示す。
光軸方向が面内でパターニングされた光学異方性層は、例えば、特表2001−525080号公報に記載の方法などで得ることができる。さらにこの液晶化合物の層内配向方向制御と後述のレタデーション値制御を組み合わせることにより、層内のレタデーションと配向方向が任意にパターニングされた光学異方性層を作製することができる。
また、レタデーションが面内でパターニングされた光学異方性層は、例えば、以下に詳細に説明するように、均一な光学異方性層を作製したのち、パターン露光、あるいは、パターンベークを行うことで作製することができる。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、レタデーションまたはReまたは位相差は面内レタデーションを表す。面内のレタデーション(Re(λ))はKOBRA WR(商品名、王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定された値である。
また、本明細書および特許請求の範囲において、波長を特に規定しないレタデーションは、550nmの波長で測定されたものを意味する。
(光学異方性層)
パターニング光学異方性層は実質的に同一の層形成組成物から形成されることが好ましい。ここで同一の層形成組成物とは、厳密には分子の電子状態が異なり、複屈折性が異なるが原材料が同一であることをいう。
パターニング光学異方性層は、均一の複屈折性を有する光学異方性層にパターニングして作製される。
光学異方性層のレタデーションの値は20℃においてレタデーションが5nm以上であればよく、20nm以上1000nm以下であることがより好ましい。レタデーションが5nm未満では複屈折パターンの形成が困難となったり、潜像の鮮明性が低下したりする場合がある。レタデーションが1000nmを越えると、誤差が大きくなり実用できる精度を達成することが困難である場合がある。
また、偽造防止媒体の潜像形成を考慮して、あるいは偽造防止媒体を構成するその他の層のレタデーションを考慮して、光学異方性層のレタデーション値を制御することができる。
光学異方性層は、少なくとも1つの反応性基を有する液晶性化合物を含んでなる溶液を塗布乾燥して液晶相を形成した後、熱または電離放射線照射して重合固定化して作製されることが好ましい。本製法は、高分子を延伸して光学異方性層を得る製法と比較して、薄い膜厚で同等のレタデーションを有する光学異方性層を得ることや、緻密なパターン制御が容易となる。
また、本発明の光学異方性層は転写により形成されたものであってもよい。
パターニング光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがさらに好ましい。
(液晶性化合物)
一般的に、液晶性化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。複屈折パターンの光学異方性層では、いずれの液晶性化合物を用いることもできるが、棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物を用いるのが好ましい。大きなレタデーションを発現させるためには、棒状タイプを用いるのが好ましい。2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上の円盤状液晶性化合物、又は棒状液晶性化合物と円盤状液晶性化合物との混合物を用いてもよい。本発明においては、温度変化や湿度変化を小さくできることから、反応性基を有する棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物を用い、その場合少なくとも1種の2以上の反応性基を有するものを用いることが好ましい。
光学異方性層を、反応性基を有する液晶性化合物を重合して形成することにより、パターニング光学異方性層自体の耐久性を高めることができる。
液晶性化合物が重合条件の異なる2種類以上の反応性基を有することもまた好ましい。この場合、条件を選択して複数種類の反応性基の一部種類のみを選択的に重合させることにより、未反応の反応性基を有する高分子を含む光学異方性層を作製することが可能となる。用いる重合条件としては重合固定化に用いる電離放射線の波長域や重合温度でもよいし、用いる重合機構の違いでもよいが、好ましくは用いる開始剤の種類によって制御可能な、ラジカル性の反応基とカチオン性の反応基の組み合わせが選択的な重合の制御の観点で好ましい。前記ラジカル性の反応性基がエチレン性不飽和基、特にアクリル基および/またはメタクリル基であり、かつ前記カチオン性基がビニルエーテル基、オキセタン基および/またはエポキシ基である組み合わせが反応性を制御しやすく特に好ましい。
また、本発明において液晶性化合物から形成したとは、最終的にできた物が液晶性を示す必要はなく、例えば、熱、光等で反応する基を有した低分子ディスコティック液晶が、操作の過程で熱、光等の反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれる。
棒状液晶性化合物としては、例えば、特開2008−281989号公報の段落[0043]〜[0060]に記載の化合物を用いることができる。2種以上の棒状液晶性化合物を用いてもよい。
本発明の他の態様として、前記光学異方性層にディスコティック液晶を使用した態様がある。前記光学異方性層は、モノマー等の低分子量の液晶性ディスコティック化合物の層または重合性の液晶性ディスコティック(円盤状)化合物の重合(硬化)により得られるポリマーの層であるのが好ましい。ディスコティック化合物としては、例えば、特開2008−281989号公報の段落[0061]〜[0075]に記載の化合物を用いることができる。
架橋を促進するため、重合性モノマーを添加してもよい。
たとえばエチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーを用いることができる。
そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらのモノマー又はオリゴマーは、単独でも、二種類以上を混合して使用してもよい。
また、カチオン重合性モノマーを用いることもできる。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号の各公報に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、以下の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、例えば、ビスフェノールA、あるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
また、本発明の組成物においては、カチオン重合性モノマーとして、単官能または2官能のオキセタンモノマーを用いることもできる。たとえば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成(株)製商品名OXT101等)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン(同OXT121等)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(同OXT211等)、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル(同OXT221等)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(同OXT212等)等を好ましく用いることができ、特に、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテルなどの化合物や、特開2001−220526号公報、同2001−310937号公報に記載されている公知のあらゆる官能または2官能オキセタン化合物を使用できる。
光学異方性層は、液晶性化合物を含有する組成物(例えば塗布液)を、後述する配向層の表面に塗布し、所望の液晶相を示す配向状態とした後、該配向状態を熱又は電離放射線の照射により固定することで作製された層であるのが好ましい。
液晶性化合物として、反応性基を有する円盤状液晶性化合物を用いる場合、水平配向、垂直配向、傾斜配向、およびねじれ配向のいずれの配向状態で固定されていてもよい。尚、本明細書において「水平配向」とは、棒状液晶の場合、分子長軸と透明支持体の水平面が平行であることをいい、円盤状液晶の場合、円盤状液晶性化合物のコアの円盤面と透明支持体の水平面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が10度未満の配向を意味するものとする。傾斜角は0〜5度が好ましく、0〜3度がより好ましく、0〜2度がさらに好ましく、0〜1度が最も好ましい。
(水平配向剤)
液晶性化合物の分子を実質的に水平配向させるために、例えば、特開2008−281989号公報の段落[0084]〜[0093]の記載を参考に、水平配向剤を添加してもよい。
液晶性化合物を含む組成物からなる光学異方性層を2層以上積層する場合、液晶性化合物の組み合わせについては特に限定されず、全て円盤状液晶性化合物からなる層の積層体、全て棒状性液晶性化合物からなる層の積層体、円盤状液晶性化合物を含む組成物からなる層と棒状性液晶性化合物を含む組成物からなる層の積層体であってもよい。また、各層の配向状態の組み合わせも特に限定されず、同じ配向状態の光学異方性層を積層してもよいし、異なる配向状態の光学異方性層を積層してもよい。
光学異方性層は、液晶性化合物および下記の重合開始剤や他の添加剤を含む塗布液を、後述する配向層の上に塗布する方法などで形成することが好ましい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
(液晶性化合物の配向状態の固定化)
配向させた液晶性化合物は、例えば、特開2008−281989号公報の段落[0080]〜[0081]に記載の方法で、配向状態を維持して固定することが好ましい。
(偏光照射による光配向)
前記光学異方性層は、特開2008−281989号公報の段落[0082]〜[0083]に記載されているように、偏光照射による光配向で面内のレタデーションが発現あるいは増加した層であってもよい。
光軸方向が層内でパターニングされた光学異方性層は、前述のように特表2001−525080号公報に記載の方法などで得ることができる。
液晶化合物の層内配向方向が実質的に一定であるパターニング光学異方性層について説明を行う。これは、層内の液晶性化合物の配向方向は同じでレタデーション値を制御したパターニングの事例である。さらに前述の液晶化合物の層内配向方向制御と組み合わせることにより、配向方向とレタデーションを任意にパターニングされた光学異方性層を作製することもできる。
パターン形成前の該光学異方性層中の高分子は未反応の反応性基を有することが好ましい。露光により未反応の反応性基が反応して高分子鎖の架橋が起こるが、露光条件の異なる露光によって高分子鎖の架橋の程度が異なり、その結果としてレタデーション値が変化して複屈折パターンが形成しやすくなる。
(ラジカル性の反応性基とカチオン性の反応性基を有する液晶化合物の配向状態の固定化)
前述したように、液晶性化合物が重合条件の異なる2種類以上の反応性基を有することもまた好ましい。この場合、条件を選択して複数種類の反応性基の一部種類のみを重合させることにより、未反応の反応性基を有する高分子を含む光学異方性層を作製することが可能である。このような液晶性化合物として、ラジカル性の反応基とカチオン性の反応基を有する液晶性化合物を用いた場合に特に適した重合固定化の条件について以下に説明する。
まず、重合開始剤としては重合させようと意図する反応性基に対して作用する光重合開始剤のみを用いることが好ましい。すなわち、ラジカル性の反応基を選択的に重合させる場合にはラジカル光重合開始剤のみを、カチオン性の反応基を選択的に重合させる場合にはカチオン光重合開始剤のみを用いることが好ましい。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜8質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。
次に、重合のための光照射は紫外線を用いることが好ましい。この際、照射エネルギーおよび/または照度が強すぎるとラジカル性反応性基とカチオン性反応性基の両方が非選択的に反応してしまう恐れがある。したがって、照射エネルギーは、5mJ/cm2〜500mJ/cm2であることが好ましく、10mJ/cm2〜400mJ/cm2であることがより好ましく、20mJ/cm2〜200mJ/cm2であることが特に好ましい。また照度は5〜500mW/cm2であることが好ましく、10〜300mW/cm2であることがより好ましく、20〜100mW/cm2であることが特に好ましい。照射波長としては250〜450nmにピークを有することが好ましく、300〜410nmにピークを有することがさらに好ましい。
また光重合反応のうち、ラジカル光重合開始剤を用いた反応は酸素によって阻害され、カチオン光重合開始剤を用いた反応は酸素によって阻害されない。従って、液晶性化合物としてラジカル性の反応基とカチオン性の反応基を有する液晶化合物を用いてその反応性基の片方種類を選択的に重合させる場合、ラジカル性の反応基を選択的に重合させる場合には窒素などの不活性ガス雰囲気下で光照射を行うことが好ましく、カチオン性の反応基を選択的に重合させる場合には敢えて酸素を有する雰囲気下(例えば大気下)で光照射を行うことが好ましい。
(光学異方性層のパターニング)
上述の光学異方性層を用いて、パターン状の熱処理または電離放射線照射を行う工程、及び光学異方性層中の残りの未反応の反応性基を反応もしくは失活させる工程を行う事によって、パターニング光学異方性層を作製することができる。特に光学異方性層がレタデーション消失温度を有し、かつ該レタデーション消失温度が電離放射線照射(あるいはレタデーション消失温度以下の熱処理)によって上昇する場合、容易にパターニング光学異方性層を作製することができる。
以下に、電離放射線照射や熱処理による複屈折パターン作製工程を例示する。
パターン状の電離放射線照射としては、例えば、露光(パターン露光)が挙げられる。パターン露光によって光学異方性層中の未反応の反応性基を反応させて露光部のレタデーション消失温度を上昇させ、その後に未露光部のレタデーション消失温度より高く露光部のレタデーション消失温度より低い温度において光学異方性層中の残りの未反応の反応性基を反応もしくは失活させる工程を行う事により、未露光部のレタデーションのみを選択的に消失させて複屈折パターンを形成する事ができる。光学異方性層中の残りの未反応の反応性基を反応もしくは失活させる工程としては全面露光でもよいし、反応性基が熱によっても反応できるのなら全面熱処理(ベーク)でもよい。省コスト化の為には、未露光部のレタデーション消失温度より高く露光部のレタデーション消失温度より低い温度への加熱がそのまま反応の為の熱処理も兼ねられることが好ましい。
一方で、逆に、先に一部領域の加熱(パターン状の熱処理)をレタデーション消失温度近くの温度で行ってレタデーションを低下ないしは消失させ、その後にレタデーション消失温度より低い温度で光学異方性層中の残りの未反応の反応性基を反応もしくは失活させる工程(全面露光ないしは全面加熱)を行って複屈折パターンを得る手法もある。この場合には先に加熱された部分のみがレタデーションを失ったパターンを得る事が可能である。
パターン露光およびパターン状熱処理の詳細については後述する。
本発明における「反応条件」とは、以下に述べる「パターン露光」または「パターン状熱処理」の条件をいう。
先に、パターン状の露光とレタデーション消失温度以上での全面熱処理ないしは全面露光による複屈折パターン作製について詳細を述べる。
(パターン露光)
複屈折パターンを作製するためのパターン露光は、パターニング光学異方性層につき、複屈折性を残したい領域を露光するように、露光部と未露光部のみを形成するように行ってもよく、露光条件の異なる露光をパターン状に行ってもよい。
パターン露光の手法としてはマスクを用いたコンタクト露光、プロキシ露光、投影露光などでもよいし、レーザーや電子線などを用いてマスクなしに決められた位置にフォーカスして直接描画してもよい。前記露光の光源の照射波長としては250〜450nmにピークを有することが好ましく、300〜410nmにピークを有することがさらに好ましい。感光性樹脂層により同時に段差を形成する場合には樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射することも好ましい。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、青色レーザー等が挙げられる。好ましい露光量としては通常3〜2000mJ/cm2程度であり、より好ましくは5〜1000mJ/cm2程度、さらに好ましくは10〜500mJ/cm2程度、最も好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
露光条件としては、特に限定はされないが、露光ピーク波長、露光照度、露光時間、露光量、露光時の温度、露光時の雰囲気等が挙げられる。この中で、条件調整の容易性の観点から、露光ピーク波長、露光照度、露光時間、および露光量が好ましく、露光照度、露光時間および露光量がさらに好ましい。
露光条件の異なる露光は複数回の露光によって行われてもよく、もしくは、例えば領域によって異なる透過スペクトルを示す2つ以上の領域を有するマスク等を用いて1回の露光によって行われていてもよく、又は両者が組み合わされていてもよい。露光条件の異なる露光をパターン状に行うとはすなわち、異なる露光条件で露光された2つ以上の露光領域を生ずるような形で露光が行われていることを意味とする。
パターン露光時に相異なる露光条件で露光された領域はその後、焼成を経て相異なる、かつ露光条件によって制御された複屈折性を示す。特に異なるレタデーション値を与える。すなわち、パターン露光の際に領域ごとに露光条件を調整することにより、焼成を経た後に領域ごとに異なる、かつ所望のレタデーションを有する複屈折パターンを作製することが可能である。なお、異なる露光条件で露光された2つ以上の露光領域間の露光条件は不連続に変化させてもよいし、連続的に変化させてもよい。
(マスク露光)
露光条件の異なる露光領域を生じる手段として、露光マスクを用いた露光は有用である。例えば1つの領域のみを露光するような露光マスクを用いて露光を行った後に、温度、雰囲気、露光照度、露光時間、露光波長を変えて別のマスクを用いた露光や全面露光を行うことで、先に露光された領域と後に露光された領域の露光条件は容易に変更することができる。また、露光照度、あるいは露光波長を変えるためのマスクとして領域によって異なる透過スペクトルを示す2つ以上の領域を有するマスクは特に有用である。この場合、ただ一度の露光を行うだけで複数の領域に対して異なる露光照度、あるいは露光波長での露光を行うことができる。異なる露光照度の元で同一時間の露光を行う事で異なる露光量を与えることができることは言うまでもない。
またレーザーなどを用いた走査露光を用いる場合には、露光領域によって光源強度を変える、走査速度を変えるなどの手法で領域ごとに露光条件を変えることが可能である。
また、パターン露光済みの光学異方性層上に新たな光学異方性層を塗布、または、転写によって設け、その後に新たにパターン露光を行う手法を併用してもよい。この場合、一度目及び二度目ともに未露光部である領域(通常レタデーション値が一番低い)、一度目に露光部であり二度目に未露光部である領域、及び、一度目及び二度目ともに露光部である領域(通常レタデーション値が一番高い)でベーク後に残るレタデーションの値を効果的に変えることができる。なお、一度目に未露光部であり二度目に露光部である領域は、二度目の露光により一度目及び二度目ともに露光部である領域と同様となると考えられる。同様にして転写とパターン露光を交互に三度、四度と行うことにより、四つ以上の領域を作ることも容易にできる。この手法は、異なる領域の間で、露光条件だけでは与え得ないような差異(光学軸の方向の違いや非常に大きなレタデーションの差異など)を持たせたい時に有用である。
(レタデーション消失温度以上での全面熱処理(ベーク)ないしは全面露光による反応処理)
パターン露光された光学異方性層に対して露光部のレタデーションを残しつつ未露光部のレタデーションを低下させ、さらにその状態で残りの未反応の反応性基を反応もしくは失活させて安定な複屈折パターンを得るために、未露光部のレタデーション消失温度以上での全面熱処理ないしは全面露光を行うことが好ましい。
処理を全面熱処理で行う場合、温度条件は材料によって変わるが未露光部のレタデーション消失温度以上で露光部のレタデーション消失温度以下が好ましい。またその上で未反応の反応性基の反応もしくは失活が効率よく進む温度であることが好ましい。具体的には特に限定されないが50℃〜400℃程度の熱処理が好ましく、100〜260℃程度の熱処理がより好ましく、150〜250℃がさらに好ましく、180〜230℃が特に好ましいが、必要とされる複屈折性(レタデーション)や用いる光学異方性層の熱硬化反応性によって適した温度は異なる。また熱処理には材料中の不要な成分を気化あるいは燃焼させて除く効果も期待できる。熱処理の時間は特に限定されないが、1分以上5時間以内が好ましく、3分以上3時間以内がより好ましく、5分以上2時間以内が特に好ましい。
露光部のレタデーション消失温度以下の温度では未反応の反応性基の反応性が十分でなく反応処理が十分に進まない場合などには、未露光部のレタデーション消失温度以上の温度を保ちつつ全面露光を行うことも有用である。この際の好ましい光源は前記パターン露光において上げたものと同一であり、好ましい露光量としては通常3〜2000mJ/cm2程度であり、より好ましくは5〜1000mJ/cm2程度、さらに好ましくは10〜500mJ/cm2程度、最も好ましくは10〜300mJ/cm2程度である。
次に、パターン状熱処理によるパターン状レタデーション低下とレタデーション消失温度以下での全面熱処理ないしは全面露光によるパターニング光学異方性層の作製について詳細を述べる。
(パターン状熱処理(熱パターン書き込み))
パターン状熱処理の際の加熱温度は、加熱部と非加熱部のレタデーションに差異を生じさせる温度であればよく、特に限定されない。特に加熱部のレタデーションを実質的に0nmとしたい場合には、用いられる光学異方性層のレタデーション消失温度以上の温度で加熱することが好ましい。また一方で、加熱温度は光学異方性層の燃焼や着色の生じる温度未満であることが好ましい。一般的には120℃〜260℃程度の加熱を行えばよく、150℃〜250℃がより好ましく、180℃〜230℃がさらに好ましい。
光学異方性層の一部を加熱する方法は特に限定されないが、加熱体を光学異方性層に接触させて行う方法、加熱体を光学異方性層のごく近傍に位置させて行う方法、ヒートモード露光を用いて光学異方性層を部分加熱する方法などが挙げられる。
(レタデーション消失温度以下での全面熱処理(ベーク)ないしは全面露光による反応処理)
前記パターン状熱処理が行われた光学異方性層において熱処理が行われなかった領域は、レタデーションを有しつつも未反応の反応性基を残しており、未だ不安定な状態である。未処理領域に残存する未反応の反応性基を反応もしくは失活させるために、全面熱処理ないしは全面露光による反応処理を行うことが好ましい。
全面熱処理による反応処理は、用いられる複屈折パターン作製材料の光学異方性層のレタデーション消失温度より低い温度で、かつ未反応の反応性基の反応もしくは失活が効率よく進む温度であることが好ましい。
パターン露光された複屈折パターン作製材料に対して50℃以上400℃以下、好ましくは80℃以上400℃以下に加熱を行うことにより複屈折パターンを作製することができる。複屈折パターン作製に用いる光学異方性層の露光前のレタデーション消失温度をT1[℃]、露光後のレタデーション消失温度をT2[℃]とした場合(レタデーション消失温度が250℃以下の温度域にない場合はT2=250とする)、ベーク時の温度はT1℃以上T2℃以下が好ましく、(T1+10)℃以上(T2−5)℃以下がより好ましく、(T1+20)℃以上(T2−10)℃以下が最も好ましい。
一般的に120〜180℃程度の加熱を行えばよく、130〜170℃がより好ましく、140〜160℃がさらに好ましいが、必要とされる複屈折性(レタデーション)や用いる光学異方性層の熱硬化反応性によって適した温度は異なる。熱処理の時間は特に限定されないが、1分以上5時間以内が好ましく、3分以上3時間以内がより好ましく、5分以上2時間以内が特に好ましい。
ベークによって光学異方性層中の未露光部のレタデーションが低下し、一方で先のパターン露光でレタデーション消失温度が上昇した露光部はレタデーションの低下が小さく、もしくは全く低下しないかあるいは上昇し、結果として未露光部のレタデーションが露光部のレタデーションに比較して小さくなり複屈折パターン(パターニング光学異方性層)が作製される。
光学上の効果を発揮するため、ベーク後の露光部のレタデーションは5nm以上であることが好ましく、10nm以上5000nm以下であることがより好ましく、20nm以上2000nm以下であることが最も好ましい。5nm以下では作製された複屈折パターンの目視による識別が困難となる。
また、光学上の効果を発揮するため、パターニング光学異方性層の未露光部のベーク後のレタデーションはベーク前の80%以下となることが好ましく、ベーク前の60%以下となることがより好ましく、ベーク前の20%以下となることがさらに好ましく、5nm未満となることが最も好ましい。特にベーク後のレタデーションが5nm未満となった場合、そこは目視の上ではあたかも複屈折性が全く無かったかのような印象を与える。すなわち、クロスニコル下では黒が、パラニコル下あるいは偏光板+反射板の上では無色が表現できる。このようにベーク後の未露光部のレタデーションが5nm未満となる光学異方性層は、複屈折パターンでカラー画像を表現する際、あるいは複数層の異なるパターンを積層して使用する際に有用である。
全面熱処理の代わりに、全面露光によっても反応処理を行うことができる。この際の光源の照射波長としては250〜450nmにピークを有することが好ましく、300〜410nmにピークを有することがさらに好ましい。感光性樹脂層により同時に段差を形成する場合には樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射することも好ましい。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、青色レーザー等が挙げられる。好ましい露光量としては通常3〜2000mJ/cm2程度であり、より好ましくは5〜1000mJ/cm2程度、さらに好ましくは10〜500mJ/cm2程度、最も好ましくは10〜300mJ/cm2程度である。
また、ベークもしくは全面露光を行った光学異方性層の上に新たな光学異方性層を塗布、または、転写によって設けその後に新たにパターン露光とベーク(または全面露光)を行ってもよい。この場合、一度目及び二度目ともに未露光部である領域、一度目に露光部であり二度目に未露光部である領域、一度目に未露光部であり二度目に露光部である領域(1度目の未露光部のレタデーションはベークによりすでに消失)、一度目及び二度目ともに露光部である領域で、二度目のベーク後に残るレタデーションの値を効果的に変えることができる。この手法は、例えば互いに遅相軸の方向が異なる複屈折性を持つ二つの領域を互いに重ならない形で作りたい時に有用である。
(仕上げ熱処理)
前節までの工程で作製された複屈折パターンの安定性をさらに高めたい場合、固定化された後にまだ残存している未反応の反応性基をさらに反応させて耐久性を増したり、材料中の不要な成分を気化あるいは燃焼させて除いたりする目的の為に仕上げ熱処理を行ってもよい。特にパターン露光と加熱全面露光、あるいはパターン状熱処理と全面露光で複屈折パターンを作製した場合には効果的である。仕上げ熱処理の温度としては180〜300℃程度の加熱を行えばよく、190〜260℃がより好ましく、200〜240℃がさらに好ましい。熱処理の時間は特に限定されないが、1分以上5時間以内が好ましく、3分以上3時間以内がより好ましく、5分以上2時間以内が特に好ましい。
(パターニング光学異方性層の後処理)
作製されたパターニング光学異方性層を改質するために、様々な後処理を行ってもよい。後処理としては例えば、密着性向上の為のコロナ処理や、柔軟性向上の為の可塑剤添加、保存性向上の為の熱重合禁止剤添加、反応性向上の為のカップリング処理などが挙げられる。また、光学異方性層中の高分子が未反応の反応性基を有する場合、該反応性基に対応する重合開始剤を添加することも有効な改質手段である。例えば、カチオン性の反応性基とラジカル性の反応性基を有する液晶性化合物を、カチオン光重合開始剤を用いて重合固定化した光学異方性層に対してラジカル光重合開始剤を添加することで、後にパターン露光を行う際の未反応のラジカル性の反応性基の反応を促進することができる。可塑剤や光重合開始剤の添加手段としては、例えば、光学異方性層を該当する添加剤の溶液に浸漬する手段や、光学異方性層の上に該当する添加剤の溶液を塗布して浸透させる手段などが挙げられる。また、光学異方性層の上に他の層を塗布する際にその層の塗布液に添加剤を添加しておき、光学異方性層に浸漬させる方法もあげられる。本発明においては、この際に浸漬させる添加剤、特には光重合開始剤の種類や量により、光学異方性層へのパターン露光時の各領域への露光量と最終的に得られる各領域のレタデーションとの関係を調整し、所望する材料特性に近づけることが可能である。
パターニング光学異方性層は2層以上積層されていてもよい。2層以上のパターニング光学異方性層は法線方向に互いに隣接していてもよいし、間に別の機能性層を挟んでいてもよい。2層以上の光学異方性層は互いにほぼ同等のレタデーションを有していてもよく、異なるレタデーションを有していてもよい。また遅相軸の方向が互いにほぼ同じ方向を向いていてもよく、異なる向きを向いていてもよい。
遅相軸が同じ向きを向くように積層した2層以上の光学異方性層を用いる例として、大きなレタデーションを有するパターンを作製する場合が挙げられる。手持ちの光学異方性層の一層では必要とするレタデーションに足りない場合でも、二層三層と積層してからパターン露光することで大きなレタデーションや複雑なレタデーションの階調を有する領域を含むパターニング光学異方性層を容易に得ることができる。
また、遅相軸が異なる向きを向くように積層した2層以上の光学異方性層を用いる例として、遅相軸の向きごとに異なる潜像を配置することができる。
[可視情報が印刷された層]
本発明の偽造防止媒体においては、パターニング光学異方性層と表面散乱性を有する保護層の間に、偏光板を用いない目視でも視認可能なパターンが、例えば、印刷によって描かれていてもよい。このような印刷を施すことにより、通常の目視では、無地の偽造防止媒体ではなく、可視情報を有する媒体として使用することができるようになる。また、そこに潜像が形成されていることが、より気付かれにくくなるという利点もある。この印刷には、各種方式を用いることができ、凸版、凹版、平版、孔版いずれも好適に用いることができる。あるいは、デジタル印刷を用いてもよい。
インキの種類としては、樹脂タイプ、油性タイプ、水性タイプ、亜麻仁油タイプ、アルコールタイプ、グリコールタイプ、ワックスタイプ等、特に限定することなく用いることができる。また、乾燥方式としても、酸化重合型、浸透乾燥型、蒸発乾燥型、紫外線硬化型、赤外線硬化型、電子線硬化型、常温自然乾燥型、熱硬化型混合反応型等が挙げられ、用途や偽造防止媒体上への密着性にあわせて選択すればよいが、偽造防止媒体の耐摩耗性、環境対応、生産性の観点から、紫外線硬化型を用いるのが好ましい。
デジタル印刷としては、インクジェット式、電子写真式、ゼログラフィ方式等、いずれも好適に用いることができる。
印刷層の厚さは、1〜10μmであることが好ましい。
[配向層]
上記したように、光学異方性層の形成には、配向層を利用してもよい。配向層の上に光学異方性層が設けられることが好ましい。配向層は、その上に設けられる液晶性化合物の配向方向を規定するように機能する。配向層は、光学異方性層に配向性を付与できるものであれば、どのような層でもよく、例えば、特開2008−281989号公報の段落[0094]〜[0099]の記載を参考にして形成することができる。
[表面散乱性を有する保護層]
偽造防止媒体には、汚染や損傷から保護する為にハードコート性や防汚性を有する保護層を設ける。保護層によって、潜像等を保護することができる。保護層は、潜像の視認のため、透過率が30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
保護層の材料としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの樹脂を用いることができ、例えば、多官能アクリレートを含んでなるアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などで形成されるハードコート層などが挙げられる。
表面保護層の材料としては、通常の膜形成性のポリマーを用いることもできる。具体的には、特開昭59−44615号公報、特開平11−269210号公報、特開平10−45816号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載の、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体;(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体:スチレン/無水マレイン酸共重合体;これら共重合体とアルコール類との反応物等を挙げることができる。また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げられる。
上記のほか、米国特許第4139391号明細書に記載の、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。
これらのポリマーの分子量としては、5000〜200000が好ましい。これらのポリマーは、一種単独で用いてもよく、あるいは通常の膜形成性のポリマーと併用して組成物の状態で使用してもよい。
本発明においてはこの保護層を、表面散乱性を有する層とすることで、反射性の偽造防止媒体をマットな質感に変更することができるのみならず、潜像のコバート性を高めることもできる。また、偽造防止媒体を付与した物品の流通時における耐擦傷性など、偽造防止媒体としての十分な強度を得ることもできる。
本発明における保護層が「表面散乱性を有する」とは、保護層表面に凹凸が形成されていることをいう。表面粗さは、0.1μm以上であることが好ましく、0.2〜5μmであることがより好ましい。この表面粗さはJIS B0601に記載の方法により測定したものをいう。
偽造防止媒体に散乱性を与え、マットな質感を付与するためには、支持体に凹凸を付与する、いずれかの層に内部散乱性を付与する、表面に凹凸を付与する、といった方法が挙げられる。しかし、支持体に凹凸を付与すると、液晶の配向性に悪影響を与える場合がある。また、いずれかの層に内部散乱性を付与すると、偏光解消により、潜像の視認性が低下する。従って、本発明においては、保護層表面に凹凸を付与することによって表面散乱性を付与する。これにより、偽造防止媒体の潜像視認性とコバート性を両立させることができる。表面散乱性を付与する方法としては、市販の艶消しニスをオーバープリントする、保護層用塗布液に透光性粒子を添加する、あるいは、エンボス加工を施す、等、種々の方法を適用することができる。これらの方法のうち、透光性粒子の添加、あるいは、エンボス加工が好ましい。透光性粒子としてはアクリル系粒子、スチレン系粒子又はアクリル―スチレン系粒子等の樹脂粒子、シリカを主成分とする無機粒子が挙げられ、例えばポリ(メタ)アクリレート粒子、架橋ポリ(メタ)アクリレート粒子、ポリスチレン粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリ(アクリル―スチレン)粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。あるいは、凝集状態の金属酸化物粒子を用いてもよい。粒径の異なる2種以上の透光性粒子を併用してもよい。
内部散乱性を抑制するためには、保護層の樹脂バインダーとの屈折率差の小さいものを選択することが好ましい。樹脂バインダーと透光性粒子の屈折率差は0.15以内であることが好ましく、0.1以内であることがより好ましく、更に好ましくは0.05以内である。
これを保護層用塗布液に1〜50質量%添加するのが好ましく、5〜30質量%添加するのがより好ましい。透光性粒子の粒径は0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmが
がより好ましい。
更に、保護層には、防汚性を付与することも好ましい。保護層をポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂で形成することによって防汚性を付与することもできるが、本発明においては、含フッ素化合物及び/またはシリコーン系化合物を含有させることが好ましい。含フッ素化合物、あるいはシリコーン系化合物としては、例えば、特開2008−250315号公報の段落[0210]〜[0223]の記載を参考にすることができる。
潜像のコバート性を付与するためには、上記保護層表面の60度光沢度を300以下となるように調整することが好ましく、10〜200とすることがより好ましい。本発明における60度光沢度の測定法は、JIS規格 8741に準拠する。60度光沢度を上記のような値となるよう調整する方法としては、保護層の膜厚を調整する、透光性粒子(マット粒子)の粒径や添加量を調整する、エンボス版の版形状を調整する、等の方法が挙げられる。
また、上記保護層の表面の水に対する接触角が90°以上であることが好ましく、95°以上であることがより好ましい。このような表面とすることで防汚性を向上させることができる。水の接触角は保護層に添加する含フッ素化合物、あるいはシリコーン系化合物の種類を選択したり、添加量を調整したりすることにより調整できる。なお、本発明における水の接触角は、全自動接触角計DM−701(商品名、協和界面化学(株)製)により測定したものをいう。
[その他の機能性層]
上記の機能性層以外にも例えば、偽造防止媒体を剥離して再利用する行為を不可能とするため、破壊もしくは光学特性を変化させる機能層や、非可視光で顕在化する潜像技術など他のセキュリティ技術を組み合わせるための潜像層などの多様な機能性層と組み合わせることができる。偽造防止媒体を構成するその他の層は潜像の形成に影響を与えないレタデーション有するように構成されるか、前述のようにそれらの層のレタデーションを考慮して、あるいは光学異方性層の潜像形成ためのレタデーション値を考慮して設定することができる。
光学異方性層、所望により形成される配向層、保護層、その他の機能性層の各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、スリットコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、塗布により形成することができる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
保護層形成は、OPニスを印刷することによって設けてもよい。OPニスとしては、耐摩耗性の観点から、UVニスを好適に用いることができ、オフセット印刷、あるいは、グラビア印刷を行うことによって塗工することができる。あるいは、ビニール引き等の後加工によって表面散乱性の保護層としてもよい。
また、光学異方性層上に塗布する層の塗布の際には、その塗布液に可塑剤や光重合開始剤を添加することにより、それらの添加剤の浸漬による光学異方性層の改質を同時に行ってもよい。
次に、本発明の偽造防止シールについて説明する。
本発明の偽造防止シールは、本発明の偽造防止媒体の支持体の裏面(パターニング光学異方性層等を積層した面と反対の面)に粘着加工を施したものである。
粘着加工の方法のひとつとしては、粘着剤層の積層がある。粘着剤層のための粘着剤としては、例えば、適度な濡れ性、凝集性や接着性を示すものが好ましい。具体的な例としては、アクリル系ポリマーやシリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、合成ゴム等のポリマーを適宜ベースポリマーとして調製された粘着剤等が挙げられる。粘着剤層の粘着特性の制御は、例えば、粘着剤層を形成するベースポリマーの組成や分子量、架橋方式、架橋性官能基の含有割合、架橋剤の配合割合等によって、その架橋度や分子量を調節するというような、通常の方法によって適宜行うことができる。
上記粘着層は、塗工によって設けてもよいし、基材レス粘着剤を用いてラミネーションすることによって設けてもよい。
本発明の偽造防止シールは、脆性加工が施されていることが好ましい。脆性加工は、偽造防止シールをはがしたとき、再利用できない状態にするための加工である。具体的には例えば、偽造防止シールを抜き加工する際に、シールへの切り込み加工も同時に行っておき、シールを剥離しようとすると切り込みから破れが生じ、再利用できないようにする方法が挙げられる。あるいは、脆質支持体を用いることによってシールを剥がそうとしたときに、その痕跡を残す方法によって脆性を付与してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例において、レタデーションはKOBRA WR(商品名、王子計測機器(株)製)において波長550nmの光をフィルム法線方向に入射させて測定された値である。
[偽造防止媒体の作製]
(配向層用塗布液AL−1の調製)
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、配向層用塗布液AL−1として用いた。
──────────────────────────────────―
配向層用塗布液AL−1組成(質量%)
──────────────────────────────────―
液晶配向剤(AL−1−1) 1.0
テトラヒドラフラン 99.0
──────────────────────────────────―
Figure 0005443885
(配向層用塗布液AL−2の調製)
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、配向層用塗布液AL−2として用いた。
──────────────────────────────────―
配向層用塗布液AL−2組成(質量%)
──────────────────────────────────―
ポリビニルアルコール(PVA205(商品名)、クラレ(株)製)
3.21
ポリビニルピロリドン(Luvitec K30(商品名)、BASF社製)
1.48
蒸留水 52.10
メタノール 43.21
──────────────────────────────────―
(光学異方性層用塗布液LC−1の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−1として用いた。
──────────────────────────────────―――――
光学異方性層用塗布液LC−1組成(質量%)
──────────────────────────────────―――――
ジアクリレート液晶化合物
(Paliocolor LC242(商品名、BASF社製)) 31.53
光重合開始剤
(IRGACURE907(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製))
0.99
アルキルチオキサントン
(カヤキュアDETX−S(商品名、日本化薬(株)製)) 0.33
フッ素系界面活性剤
(メガファックF−176PF(商品名、大日本インキ化学工業(株)製))
0.15
メチルエチルケトン 67.00
──────────────────────────────────―――――
(光学異方性層用塗布液LC−2の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−2として用いた。
LC−1−1は2つの反応性基を有する液晶化合物であり、2つの反応性基の片方はラジカル性の反応性基であるアクリル基、他方はカチオン性の反応性基であるオキセタン基である。
LC−1−2は配向制御の目的で添加する円盤状の化合物である。Tetrahedron Lett.誌、第43巻、6793頁(2002)に記載の方法に準じて合成した。
──────────────────────────────────―――――
光学異方性層用塗布液LC−2組成(質量%)
──────────────────────────────────―――――
棒状液晶(LC−1−1) 32.59
水平配向剤(LC−1−2) 0.02
カチオン系光重合開始剤
(CPI100−P(商品名)、サンアプロ株式会社製) 0.66
重合制御剤
(IRGANOX1076(商品名)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
0.07
メチルエチルケトン 66.66
──────────────────────────────────―――――
Figure 0005443885
(保護層用塗布液PL−1の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、保護層用塗布液PL−1として用いた。
──────────────────────────────────―――――
保護層用塗布液PL−1組成(質量%)
──────────────────────────────────―――――
アクリル系樹脂
MH−101−5(商品名、藤倉化成(株)製) 7.51
ラジカル光重合開始剤
2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)1,3,4−オキサジアゾール
0.48
フッ素系界面活性剤
メガファックF−176PF(商品名、大日本インキ化学工業(株)製) 0.01
メチルエチルケトン 92.00
──────────────────────────────────―――――
(表面散乱性保護層用塗布液SPL−1の調製)
下記の組成物を調製後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、表面散乱性保護層用塗布液SPL−1として用いた。
──────────────────────────────────―――――
表面散乱性保護層塗布液SPL−1組成(質量%)
──────────────────────────────────―――――
アクリル系樹脂
MH−101−5(商品名、藤倉化成(株)製) 5.26
平均粒径2.0μmである架橋アクリレート粒子 2.25
ラジカル光重合開始剤
2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)1,3,4−オキサジアゾール 0.48
フッ素系界面活性剤
メガファックF−176PF(商品名、大日本インキ化学工業(株)製) 0.01
メチルエチルケトン 92.00
──────────────────────────────────―――――
(パターン露光用フォトマスク)
図4(A)〜(E)および(A´)〜(D´)の平面図に示す、フォトマスク11を本実施例に用いた。図4(A)はフォトマスクA、図4(B)はフォトマスクB、図4(C)はフォトマスクC、図4(D)はフォトマスクD、図4(E)はフォトマスクE、図4(A´)はフォトマスクA´、図4(B´)はフォトマスクB´、図4(C´)はフォトマスクC´、および図4(D´)はフォトマスクD´をそれぞれ示す。各フォトマスクは厚さ2.1mmの、基材が石英ガラスからなるエマルジョンマスクで、図4(A)〜(D)および(A´)〜(D´)では、黒く塗られた領域の365nmの透過率が0%、白い部分の365nmの透過率が92%である。
また、図4(E)は、フォトマスクEを示しており、文字「A」、文字「B」、文字「C」、背景の4つのエリアからなる濃度マスクである。各々の領域のλ=365nmの紫外光に対する透過率を表Aに示す。
表A
――――――――――――
領域 透過率
――――――――――――
文字A 20%
文字B 33%
文字C 92%
背景 0%
――――――――――――
(偽造防止媒体A1の作製)
厚さ50μmのポリエチレンテレフタラートフィルム(ルミラーL−25T60(商品名)、東レ(株)製)の上にアルミニウムを60nm蒸着した。次いで、アルミニウムの上に、ワイヤーバーを用いて配向層用塗布液AL−1を塗布、乾燥した。乾燥膜厚は0.1μmであった。
得られた有機膜の上にフォトマスクAを配置し、紫外線照射器(HOYA CANDEO OPTRONICS社製、商品名:EXECURE3000)より出射される紫外光より出射される光を、直線偏光板を介して、支持体に対して垂直の方向から100mW/cm(365nm)の強度で1秒間照射した。このとき、直線偏光板の吸収軸の方位角がフォトマスクの長辺に対して0°となるように偏光板を配置した。
続いて、フォトマスクをB、C、Dと順に変更し、直線偏光板の吸収軸がそれぞれフォトマスクの長辺に対して45°、90°、135°となるように偏光板を配置した上で、同様に紫外線を照射した。
次いで、ワイヤーバーを用いて、光学異方性層用塗布液LC−1を塗布、膜面温度105℃で2分間乾燥して液晶相状態とした後、空気下にて160mW/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて照度400mW/cm、照射量400mJ/cmの紫外線を照射してその配向状態を固定化して厚さ0.9μmの光学異方性層を形成することで、図5の平面図に示すパターンの、偽造防止媒体A1を作製した。
偽造防止媒体A1の文字A12、文字B13、文字C14、背景15の遅相軸はそれぞれ、BP−1の長辺に対して0°、45°、90°、135°であった。また、これらの領域のレタデーションはいずれも135nm(λ/4)であった。
(偽造防止媒体B1の作製)
厚さ50μmのポリエチレンナフタレートフィルム(テオネックスQ83、商品名、帝人デュポンフィルム(株)製)の上にアルミニウムを60nm蒸着し、その上に、ワイヤーバーを用いて順に、配向層用塗布液AL−2を塗布、乾燥した。乾燥膜厚は0.5μmであった。次いで、配向層をMD方向にラビングし、ワイヤーバーを用いて光学異方性層用塗布液LC−2を塗布、膜面温度105℃で2分間乾燥して液晶相状態とした後、空気下にて160mW/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射してその配向状態を固定化して厚さ3.5μmの光学異方性層を形成した。この際用いた紫外線の照度はUV−A領域(波長320nm〜400nmの積算)において100mW/cm、照射量はUV−A領域において80mJ/cmであった。光学異方性層は20℃で固体の高分子で、耐MEK(メチルエチルケトン)性を示した。
次いで、光学異方性層の上に保護層用塗布液PL−1を塗布、乾燥して1.2μmの保護層を形成した。このフィルムに対して、ミカサ社製M−3LマスクアライナーとフォトマスクEを用いて露光照度6.25mW/cmで8.2秒間の露光を行った。このとき、フィルムのMD方向がフォトマスクの横軸に対し、45°となるように配置した。
その後、さらに200℃のクリーンオーブンで30分間のベークを行い、最後に通常の印刷を行った上で、図5の平面図に示すのと同様のパターンの、偽造防止媒体B1を作製した。
偽造防止媒体B1の文字A12、文字B13、文字C14、背景15のレタデーションはそれぞれ、143nm、202nm、297nm、3nmであった。また、これらの領域の遅相軸はいずれも45°方向であった。
(偽造防止媒体B2の作製)
保護層用塗布液PL−1の代わりに、表面散乱性保護層用塗布液SPL−1を用いた以外は、偽造防止媒体B1と同様にして偽造防止媒体B2を作製した。
(偽造防止媒体A3、B3の作製)
偽造防止媒体A1、B1の上に、表面粗さ3μmのエンボス版を用いてホットエンボス加工を行った。これを偽造防止媒体A3、B3とした。
(偽造防止媒体A4、B4の作製)
偽造防止媒体A1、B1の上に、UVインキを用いて会社のロゴマークをグラビア印刷にて墨と赤を用いて2色刷りした。その上にUV硬化型の艶消しOPニスを用いてニス引きした。これを偽造防止媒体A4,B4とした。印刷層の厚さは2.5μmであった。
(偽造防止媒体の評価)
保護層の表面散乱性は、偽造防止媒体に蛍光灯を映りこませたときに、どのように映りこむかによって評価した。表面散乱性が高くなるにつれて、蛍光灯の輪郭がぼやけていき、最終的には、輪郭が全く映りこまなくなる。
表面粗さはナノスケールハイブリッド顕微鏡VN−8010(商品名、(株)キーエンス製)により測定した。
コバート性は、偽造防止媒体を様々な角度から眺めた時に、潜像が視認できるか否かにより評価した。
60度光沢度は、マイクロトリグロス(商品名、Gardner社製)により測定した。
水の接触角は全自動接触角計DM−701(商品名、協和界面化学(株)製)により測定した。
Figure 0005443885
(偽造防止シールの作製)
ロール形態の偽造防止媒体B4の裏面に、ロール形態のクラフト紙を剥離紙とした基材レス粘着剤をラミネートし、腐食刃を用いて円筒抜きした。抜き刃のパターンを図6に示す。その後、カス取りを行い、1cm角の偽造防止シールを作製した。
このシールは、意匠性、コバート性、耐久性に優れており、商品パッケージや有価物、IDカード等に貼り付けて使用すると、偏光板をかざすだけで、真偽判定可能な偽造防止シールとして好適に用いることができる。
10 偽造防止媒体
101 支持体
102 反射層
103 パターニング光学異方性層
104 表面散乱性を有する保護層
105 可視情報印刷層
106 配向層

Claims (15)

  1. 支持体上に、レタデーションの異なる領域を3つ以上有し光軸方向が同一であるパターニング光学異方性層と、表面散乱性を有する保護層とをこの順に有してなる偽造防止媒体であって、該パターニング光学異方性層が反応性基を有する液晶性化合物を配向を揃えた状態で重合して均一な光学異方性層を作製した後にレタデーションの異なる領域が設けられて形成された層であることを特徴とする偽造防止媒体。
  2. 前記液晶性化合物が、重合条件の異なる2種類以上の反応性基を有することを特徴とする、請求項に記載の偽造防止媒体。
  3. 前記パターニング光学異方性層のレタデーションの異なる領域が、パターン露光とそれに続く全面熱処理によって設けられたことを特徴とする、請求項に記載の偽造防止媒体。
  4. 支持体が反射性を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
  5. 前記表面散乱性を有する保護層の表面の60度光沢度が300以下であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
  6. 前記パターニング光学異方性層と前記表面散乱性を有する保護層の間に、可視情報が印刷されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
  7. 前記表面散乱性を有する保護層が透光性粒子を含有する樹脂層であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
  8. 前記透光性粒子を含有する樹脂層の樹脂バインダーと透光性粒子の屈折率差が0.15以内であることを特徴とする、請求項に記載の偽造防止媒体。
  9. 前記透光性粒子の粒径が0.5〜10μmであることを特徴とする、請求項又はに記載の偽造防止媒体。
  10. 前記表面散乱性を有する保護層が、エンボス加工によって表面散乱性を付与されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
  11. 前記表面散乱性を有する保護層の水の接触角が90°以上であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
  12. 前記表面散乱性を有する保護層が、含フッ素化合物及び/またはシリコーン系化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
  13. 配向層の上に前記パターニング光学異方性層が形成されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の偽造防止媒体の支持体に、パターニング光学異方性層を含む面と反対側の面において粘着加工を施したことを特徴とする偽造防止シール。
  15. 脆性加工が施されたことを特徴とする、請求項14に記載の偽造防止シール。
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