JP5878130B2 - 積層型圧電素子の製造方法および積層型圧電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、積層体が、圧電グリーンシートおよび電極材料の層から形成されて焼結される、積層型圧電素子の製造方法に関する。
さらに、焼結された圧電層およびこれら圧電層の間に配置された内部電極からなる積層体を備える積層型圧電素子に関する。このような積層型圧電素子は、例えば、自動車の噴射弁を操作するための圧電アクチュエータに使用することができる。
積層型圧電素子の信頼性は、製造時に生じうる亀裂をいかに抑制できるかに依存する。こうした亀裂は、例えば、焼結、金属化およびはんだ付けなどの熱処理時または分極時に生じる。なぜなら、積層型圧電素子の異なる領域における異なる伸長により弾性的な応力が生じるからである。このような、いわゆる「弛緩亀裂」または「分極亀裂」は、さらに折れ曲がり、電極に対して垂直方向に延び、ひいては、例えば、2つの電極の間を貫く場合があり、これにより、短絡および積層型圧電素子の損傷がもたらされる。
本発明の課題は、信頼性の高い積層型圧電素子の製造方法を提供することである。さらに本発明の課題は、信頼性の高い積層型圧電素子を提供することである。
本発明の課題は、請求項1に記載の製造方法および請求項11に記載の積層型圧電素子によって解決される。製造方法および積層型圧電素子の他の実施形態がさらなる請求項の対象である。
圧電材料を含む圧電グリーンシートを準備するステップ(A)と、Pdを含有する電極材料を準備するステップ(B)と、圧電グリーンシートと電極材料からなる層とを交互に配置し、積層体を形成するステップ(C)と、積層体を焼結するステップ(D)と、を含む積層型圧電素子の製造方法が提供される。この場合、ステップ(C)で、少なくとも一層の電極材料にPbOを含有する被覆層が設けられ、および/またはステップ(B)で電極材料にPbOが混合される。
この方法によって、圧電セラミック層およびこれらの間に配置された内部電極を備える積層型圧電素子が製造される。
圧電グリーンシートは、ジルコン酸チタン酸(PZT)セラミックに焼結することができる材料を備えていてもよい。
前記「交互に配置」するとは、どの圧電グリーンシートにも電極材料の層を塗布することを意味するものではない。例えば、幾つかの圧電グリーンシートを、これらの間に電極材料からなる層を配置することなく、重ねて配置することもできる。
電極材料からなる層は、製造された積層型圧電素子において内部電極を形成し、スクリーン印刷法によって金属ペーストとして圧電グリーンシートに塗布されてもよい。
Pdを含有し、金属ペーストであってもよい電極材料は、AgおよびPdまたはCuおよびPdの混合物または合金を備えていてもよい。他のPdを含有する混合物および合金も同様に可能である。さらに電極材料は、Pdを含有し、PbOを一様に分散させて添加した金属ペーストであってもよい。
さらに、ステップ(C)で電極材料からなる層に塗布される、PbOを含有する被覆層は、スクリーン印刷によって電極材料に塗布されるものとしてもよい。
ステップ(C)で形成された積層体は、続いて圧縮され、次いで圧電グリーンシートおよび電極材料からなる層がステップ(D)で一緒に焼結され、これにより、圧電層および圧電層の間に配置された内部電極からなる積層型圧電素子が形成される。
ステップ(D)は、400℃までの温度で焼結するステップ(D1)と、400℃〜700℃の範囲の温度で焼結するステップ(D2)と、700℃を超える温度で焼結するステップ(D3)と、を含んでいてもよく、この場合、ステップ(D2)で電極材料と圧電材料との間にPbPdO2を含有する中間相が形成される。
ステップ(D3)の温度は、例えば1200℃以下であってもよい。焼結時には、被覆層および/または電極材料に含有されているPbOと、電極材料に含有されているPdとの反応が起こり、PbPdO2が形成される。PbPdO2を含有する中間相は、例えば、PbOからなる被覆層が電極材料に塗布された位置に形成されていてもよい。PbOを含有する被覆層は広範囲にわたって分解するが、中間相は、圧電材料と電極材料との間に生成されたPbPdO2から構成されるものとしてもよい。中間相は、例えば、1μm未満の厚さを備えていてもよい。)
ステップ(D)で生じる反応は、以下のように説明することができる。
ステップ(D1)では焼結雰囲気によってPdOが形成され、Pdは電極材料から拡散される。ステップ(D1)は、次の化学反応式によって示される。
Figure 0005878130
これに続くステップ(D2)で、PdOと、被覆層および/または電極材料内のPbOとによってPbPdO2からなる中間相が形成される。この場合に被覆層は広範囲にわたって分解される。ステップ(D2)は、次の化学反応式によって示される。
Figure 0005878130
最後に、ステップ(D3)でPbPdO2が少なくとも部分的にPdおよびPbOに分解され得る。ステップ(D3)は、次の化学反応式によって示される。
Figure 0005878130
この場合、金属Pdは、再び電極材料内に拡散され得る。移動自在なPbOは、少なくともその一部が雰囲気内に排出可能であり、または圧電材料もしくは電極材料内に留まることができる。
ステップ(D2)で形成されたPbPdO2を、PbOおよび圧電材料よりも大きい体積を有するようにすることもできる。前記ステップ間で生じた体積変化により、電極材料と圧電材料との間の領域に応力を増大させ、これにより、小さい亀裂、いわゆる「微小亀裂」を生成することができる。このような亀裂は、PbOとPdとの反応が起こった場所、すなわち、焼結前に電極材料に被覆層が設けられていた領域、もしくは電極材料と圧電材料との間に生じる。
こうした微小亀裂は、積層型圧電素子の作動時または分極時に弛緩亀裂または分極亀裂の形で大きくなる場合がある。電極材料内のPbOを含有する被覆層が、微小亀裂が形成され得る領域を、製造された積層型圧電素子の内部電極に直接に隣接する領域に制限することにより、分極亀裂および/または弛緩亀裂も同様にこの領域に制限することができる。製造された積層型圧電素子の内部電極に直接に隣接し、微小亀裂の形成がそこに局在化される領域は、電極材料のみがPbOを含有する場合にも生成される。なぜなら、この領域のみにPbPdO2が形成されるからである。したがって、分極および/または弛緩亀裂の形成および伸張が意図的に規定され、これにより、これらの亀裂の、内部電極を横断するような、制御不能な成長や分岐を低減させ、または防止することができる。
この方法では、電極材料のPdと反応してPbPdO2となるPbOは、電極材料の表面に均一に分散される。付加的または代替的には、電極材料内にも均一に分散されるように、電極材料にPbOを混合してもよい。これにより、PbPdO2からなる中間相が、電極材料と圧電材料との間であって電極材料の表面に一様に生じる。
これにより、電極材料と圧電材料との間の、電極材料の表面に、中間相が一様に生成される。この中間相は、圧電材料とは異なる化学組成、すなわち異なる機械的剛性および異なる弾性を備える。この中間相および圧電材料の熱膨張特性も異なる場合がある。これにより、焼結プロセスがステップ(D3)で継続され、最終的に終了した時、中間相のまさにこの制限された領域に微小亀裂が生成される。制限された領域での微小亀裂の意図的な生成を確実にするために、ステップ(D2)をステップ(D1)および(D3)と比較してより長い時間にわたって実施してもよい。
製造された積層型圧電素子には、少なくとも内部電極に微小亀裂によって脆弱化した領域が生じ、この領域には、例えば分極時に分極亀裂が生じる場合があるが、分極亀裂はこの領域に制限される。このように、亀裂は、内部電極に並行して成長ように意図的に制御することができる。
このような分極亀裂は、ステップ(D)のあと、焼結された積層体が分極されるステップ(E)で生成することができる。
このために、焼結後に、外部電極が積層体に取り付けられ、焼結によって圧電グリーンシートから形成される圧電層が分極される。
この場合、例えば隣接する内部電極間に直流電圧が印加され、積層体が加熱される。極性の異なる隣接した内部電極が積層方向において重なっていない、いわゆる「不活性ゾーン」では、圧電材料は伸長されないか、または重なっている活性ゾーンよりもわずかにしか伸長しない。活性ゾーンおよび不活性ゾーンにおける圧電層の異なる伸長により、分極時に亀裂をもたらし得る機械的応力が生じる。
このように、ステップ(E)で分極亀裂を生成することができる。分極亀裂は既に微小亀裂のある領域に生じる。分極亀裂をこのようにこれら微小亀裂から生成することができる。したがって、分極亀裂は内部電極に対して並行に、焼結時にPbPdO2からなる中間相が設けられた領域に成長する。
すなわち、この製造方法では、PbPdO2からなる中間相を効果的に形成することができる。PbOを含有する、または含有しない被覆層を備える内部電極は、この場合3〜5μmの厚さを備えていてもよい。圧電材料からなる層は30〜100μmの厚さを備えていてもよい。この厚さの差により、この製造方法では、PbOが電極材料に混合されている場合には電極材料からのPbOの全てを、
PbOがPdと反応させ電極材料と圧電材料との間に中間相を意図的に形成するため被覆層に含有されている場合には被覆層からのPbOの全てを使用することができる。
この場合、PbOは中間相を形成するのに十分な量が供給されるので、中間相の形成は、ステップ(D)の焼結時の温度特性および/または酸素分圧にはさほど影響を受けない。
この製造方法のコストについては、電極材料内のPd含有量を減少させることにより、さらに低減することができる。PbOとの反応のためのPdが減少すれば中間相はより薄くなり、これにより、中間相の領域に局在する微小亀裂の発生は減少し、したがって、弛緩亀裂および/または分極亀裂も減少する。
さらに、本発明では、焼結された圧電層および圧電層間に配置された内部電極からなる積層体を備え、少なくとも1つの内部電極の表面には分極亀裂が存在する領域が形成された積層型圧電素子が提供さる。
この領域は、分極亀裂が内部電極に対して並行に延びるように、少なくとも1つの内部電極の表面全体に設けられていてもよい。
さらにこの領域には、圧電層と比較して高い含有量のPbOおよび/またはPbPdO2が存在していてもよい。
積層体の一部は「圧電層」と呼ばれる。当該圧電層は、圧電材料を備え、積層方向に隣接した2つの内部電極に隣接している。圧電層は1層または積層方向に重ねて配置された複数の圧電体によって形成されている。例えば、圧電層は、圧電グリーンシートから製造されもよい。圧電層は、単一の圧電体を備えていてもよい。
内部電極は、Pdを含む材料を備えていてもよい。当該材料は、AgおよびPdまたはCuおよびPdの混合物または合金を含むグループから選択してもよい。
圧電層は、ジルコン酸チタン酸を含むセラミックを備えていてもよい。
有利には、積層型圧電素子の向かい合った2つの外面には外部電極が取り付けられている。一方の外部電極は、例えば、積層体上で焼成されたメタライゼーションを含む。内部電極は、有利には、積層型圧電素子の積層体方向に沿って交互に外部電極に接続されている。このために、内部電極は、例えば、交互にいずれかの外部電極に接続し、他方の外部電極に対して間隔を有している。このようにして、一方の極性の内部電極は共通の外部電極を介して互いに電気接続されている。
分極亀裂は実質的に分岐することがない。したがって、高い信頼性を有する積層型圧電素子が提供される。実質的に分岐せずに、少なくとも1つの内部電極に対して並行に延びる分極亀裂は、その空間的配置に基づいて、複数の内部電極をつなげることがないので、積層型圧電素子の短絡をもたらすことはない。
次に本発明による製造方法および積層型圧電素子ならびにこれらの有利な構造を、現実の寸法に忠実ではない概略的な図面および実施例に基づいて説明する。
積層型圧電素子の概略的な側面図である。 積層型圧電素子の一部を拡大して示す概略側面図である。 積層型圧電素子の一部を拡大して示す概略側面図である。 積層型圧電素子の一部を拡大して示す概略側面図である。 積層型圧電素子の一部を拡大して示す概略側面図である。
圧電層10はセラミック材料、例えば、ジルコン酸チタン酸(PZT)または鉛フリーのセラミックを含む。セラミック材料はドーピング材を含んでいてもよい。内部電極20は、例えばAgおよびPdまたはCuおよびPdからなる混合物または合金を含む。電極材料内に含まれるPdの重量分率は、40%以下である。
圧電層10はセラミック材料、例えば、ジルコン酸チタン酸塩(PZT)または鉛フリーのセラミックを含む。セラミック材料はドーピング材を含んでいてもよい。内部電極20は、例えばAgおよびPdまたはCuおよびPdからなる混合物または合金を含む。電極材料内に含まれるPdの重量分率は、40%以下である。
積層体1を形成するためには、例えばセラミック粉末、有機接着剤および溶剤を含むグリーンシートがシート圧延またはシート注型成形によって形成される。いくつかのグリーンシートには、内部電極20を形成するために電極ペーストがスクリーン印刷によって形成される。グリーンシートは、長手方向に沿って相互に積層され、圧縮される。シート積層体から、積層型圧電素子の前製品が所望の形状に分離される。最後に圧電グリーンシートおよび電極層からなる積層体が焼成される。
焼結後、さらに、図1にも示した外部電極30が取り付けられる。
ここに示した実施形態では、外部電極30は積層体1の向かい合った側面に配置されており、積層方向に沿ってストリップ状に延在している。外部電極30は、例えば、AgまたはCuを含み、金属ペーストとして積層体1に塗布され、焼結することができる。
内部電極20は、積層方向に沿って交互にいずれか一方の外部電極30と接続し、他方の外部電極30から離間されている。このようにして、外部電極30は、積層方向に沿って交互に内部電極20に電気接続されている。電気接続部を形成するために、外部電極30には接続素子(図示しない)が、例えばはんだ付けによって取り付けられる。
図2aは積層型圧電素子の一部を拡大して示す概略側面図を示す。
積層型圧電素子は外部電極30の間に電圧を印可した場合に長手方向に伸長する。積層方向に隣接した内部電極20が重なるいわゆる「活性ゾーン」では、外部電極30に電圧を印可した場合に電場が生じ、圧電層10は長手方向に伸長する。隣接した電極層(内部電極)20が重ならない不活性ゾーンでは、圧電アクチュエータはわずかにしか伸長しない。
活性ゾーンおよび不活性ゾーンにおける積層型圧電素子の異なる伸長により、積層体1に機械的応力が生じる。このような応力により、積層体1に分極および/または弛緩による亀裂25が生じ得る。
図2aは、圧電層10と内部電極20とからなる積層体1の断面図を示し、積層体1には亀裂25が生じている。亀裂25は、不活性ゾーン内において内部電極20に並行して延在しており、不活性ゾーンと活性ゾーンとの境界部分で折れ曲がり、活性ゾーンにおいて、極性の異なる隣接した内部電極20を貫いて延在している。これは内部電極20の短絡をもたらし得る。
図2bは、圧電層10と内部電極20とからなる積層体1の部分図を示し、同様に亀裂25が生じている。ここでは、亀裂25は内部電極20に並行に延在している。このような方向に亀裂25を延在させることにより、短絡の危険性は減じられている。
このような方向に亀裂25を容易に延在させるには、積層型圧電素子の製造時に電極材料からなる少なくとも1層にPbOからなる層が設けられる。PbOは、PbO粉末、Pb34または他のPbOを含有する材料の形態で塗布することができる。流体の形態のPb含有化合物も同様に用いることが可能である。PbO粒径のメジアンd50(粒径分布)は、0.1μm〜2μm、好ましくは0.3〜1.5μmであってもよい。
付加的または代替的にPbOを電極材料に混合してもよい。この場合、PbOの含有量は、PbOおよび電極材料の他の金属の総和に対して100重量%、好ましくは50重量%である。
電極材料からなる1層に被覆層を設けてもよいし、またはPbOを含有させてもよいが、有利には、全ての層が被覆層を備えるか、またはPbOを含有していてもよい。
焼結時には、PbPdO2を含有し、PbOの存在する領域にのみ局在化された中間相が形成される。この中間相および隣接する圧電層の異なる容積および異なる伸長特性に基づいて、中間相の領域に微小亀裂が生じる。焼結の終了後、PbPdO2が再び形成された場合には、微小亀裂によって脆弱化した領域が内部電極と圧電層との間に残される。これらの微小亀裂からは、同様に空間的に限定された領域のみに生じる弛緩および/または分極の亀裂が発生する場合がある。これにより、これら亀裂の枝分かれが、低減または防止される。
図3aは、積層型圧電素子の別の部分を示す概略的な側面図である。ここでも亀裂25が内部電極20に沿って生じている。更に、亀裂の発生が空間的に限定されている領域21が示されている。
この領域21は、内部電極20と圧電層10との間、特に製造工程でPbOを含有する被覆層が電極ペーストに配置された部分に位置する。この領域21において、PbOは電極材料のPdと反応してPbPdO2となり、これにより中間相が形成される。中間相には、分極時に亀裂となって開いた上記微小亀裂が発生し得る。この亀裂は、この領域21でのみ伸張し得るが、分岐が形成されることはない。
このようにして形成された積層型圧電素子は、純粋なジルコン酸チタン酸(PZT)またはドーピング材によって変性したPZTを含有していてもよい。
このようにして形成された積層型圧電素子は、純粋なジルコン酸チタン酸塩(PZT)またはドーピング材によって変性したPZTを含有していてもよい。
積層型圧電素子の例は、PZTセラミックとして圧電層10((Pb1-x+a,Ndx)((Zr1-z,Tiz1-y,Niy)O3を備える。この場合、x=0.0001〜0.06,a=0〜0.05,z=0.35〜0.60およびy=0.0001〜0.06であってもよい。電極層のための被覆層としては、1μmの粒径を有するPbO粉末が使用される。内部電極はCuおよびPdを含有し、電極材料中に10〜50重量%のPbOを含有する。全ての電極層には、製造方法でPbOが印刷される。
本発明は、実施例に基づいた説明に限定されず、それぞれの新規の特徴および当該特徴のそれぞれの組み合わせ、特に請求項に記載の特徴のそれぞれの組み合わせを、これらの特徴が単独で、または組み合わせて請求項または実施例に明確に述べられていない場合であっても、含むものとする。

Claims (14)

  1. 圧電材料を含有する圧電グリーンシートを準備するステップ(A)と、
    Pdを含有する電極材料を準備するステップ(B)と、
    前記圧電グリーンシートと前記電極材料からなる層とを交互に配置し、積層体を形成するステップ(C)と、
    前記積層体を焼結するステップ(D)と、を含み、
    前記ステップ(C)で、電極材料からなる層の少なくとも一層にPbOを含有する被覆層が形成されることを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  2. 前記ステップ(D)は、
    400℃までの温度で焼結するステップ(D1)と、
    400℃〜700℃の範囲の温度で焼結するステップ(D2)と、
    700℃を超える温度で焼結するステップ(D3)と、を含み、
    前記ステップ(D2)で、前記電極材料と前記圧電材料との間にPbPdO2を含有する中間相を形成することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記電極材料に含有されているPdと、前記被覆層および/または前記電極材料に含有されているPbOとからPbPdO2を形成することを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. PbPdO2は、PbOおよび前記圧電材料よりも大きい体積を有していることを特徴とする請求項2または3に記載の製造方法。
  5. 前記電極材料と前記圧電材料との間のPbPdO2を含有する中間相に微小亀裂を発生させることができることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記ステップ(D3)で、PbPdO2を少なくとも部分的にPdおよびPbOに分解することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記ステップ(C)で、スクリーン印刷によって前記被覆層を前記電極材料に塗布することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記ステップ(D)に続いて、焼結された積層体を分極するステップ(E)を施すことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記ステップ(E)は、分極亀裂を発生させることができることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記電極材料と前記圧電材料との間のPbPdO2を含有する中間相に発生させた微小亀裂から分極亀裂を発生させることができることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
  11. 焼結された複数の圧電層と前記圧電層間に配置された内部電極とからなる積層体を備え、
    少なくとも1つの前記内部電極の表面に、分極亀裂を備える領域が設けられ、
    前記領域には、前記圧電層と比較して高い含有量のPbOおよび/またはPbPdO2が存在していることを特徴とする積層型圧電素子。
  12. 前記分極亀裂が実質的に分岐されていないことを特徴とする請求項11に記載の積層型圧電素子。
  13. 前記内部電極はPdを含むことを特徴とする請求項11または12に記載の積層型圧電素子。
  14. 前記圧電層は、ジルコン酸チタン酸鉛を含むことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の積層型圧電素子。
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