JP5875874B2 - バリア膜の形成方法、及び強誘電体デバイスの製造方法 - Google Patents

バリア膜の形成方法、及び強誘電体デバイスの製造方法 Download PDF

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本発明は、強誘電体への水素の拡散を抑制するバリア膜の形成方法、及び強誘電体デバイスの製造方法に関する。
強誘電体膜が用いられるデバイスを製造する方法には、強誘電体膜の強誘電体特性が水素の還元によって劣化することを抑えるための各種の提案がなされている。例えば特許文献1に記載の技術では、強誘電体膜の下地となる絶縁体膜上に、水素バリア性を有したバリア膜が形成された後に該バリア膜上に強誘電体膜が形成され、その後、該強誘電体膜の外表面が同じく水素バリア性を有したバリア膜によって覆われる。このような製造方法によれば、強誘電体膜への水素の拡散がバリア膜によって抑制できるため、強誘電体膜が有する強誘電体特性の劣化、及び強誘電体デバイスが有する性能の劣化を抑制することができる。
特開2009−111161号公報
上述したバリア膜を形成する方法としては、通常、酸化アルミニウム等からなるターゲットを希ガスの雰囲気でスパッタするスパッタ法が用いられている。また上記強誘電体デバイスが製造される過程では、こうしたスパッタ時の温度よりも高い温度に該バリア膜が加熱されることも少なくない。そのため、バリア膜を構成する元素が熱的に拡散する点に何ら配慮がなされていない上記形成方法では、バリア膜を構成するアルミニウムなどの元素が上述の熱処理によって少なからず電極及び強誘電体膜へ拡散してしまう。その結果、バリア膜を構成する元素が電極及び強誘電体膜中に拡散する分、強誘電体膜では強誘電体特性が低下してしまい、またバリア膜では水素のバリア性が失われることになる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、強誘電体膜に対する保護性を高めることが可能なバリア膜の形成方法、及び強誘電体デバイスの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段及びその作用効果を以下に記載する。
請求項1に記載の発明は、強誘電体膜と絶縁体膜とに挟まれるバリア膜の形成方法であって、ケイ素酸化物から構成されたターゲットをスパッタした後に該ターゲットから放出された粒子を酸化することによって前記バリア膜を形成することを要旨とする。
イ素よりも軽い元素である酸素は、それよりも重い元素であるケイ素と比較して、他の粒子との衝突により散乱されやすい。そしてケイ素酸化物のように、散乱される度合いが互いに異なる複数の元素からなるターゲットがスパッタされれば、比較的に散乱されやすい元素はそれが成膜対象に到達する前に散乱されやすくなる。これに対して、比較的に散乱され難い元素は、成膜対象上に優先的に堆積しやすくなる。その結果、例えばケイ素酸化物から構成されたターゲットを希ガスでスパッタしてバリア膜を形成すれば、バリア膜における酸素濃度がターゲットにおける酸素濃度よりも低くなってしまう。
ここで、バリア膜に含まれるケイ素は、バリア膜における酸素濃度が低くなるほど、バリア膜から熱的に拡散しやすくなる。それゆえに、ケイ素酸化物から構成されたターゲットを希ガスでスパッタしてバリア膜を形成すると、バリア膜における酸素濃度がターゲットにおける酸素濃度よりも低くなる分、水素バリア性が低下し、また、強誘電体特性が劣化することとなる。
請求項1に記載の発明によれば、ケイ素酸化物から構成されたターゲットをスパッタした後に該ターゲットから放出された粒子が酸化されることになる。そのため、バリア膜における酸素濃度がターゲットの酸素濃度よりも低くなることを抑えることが可能となる結果、強誘電体膜の結晶配向性を高めること、ひいてはバリア膜の強誘電体膜に対する保護性を高めることが可能である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバリア膜の形成方法において、酸素が含まれるプラズマの雰囲気で前記ターゲットをスパッタすることにより前記ターゲットから放出された粒子を酸化することを要旨とする。
請求項2に記載の発明によれば、ターゲットをスパッタすることと、該ターゲットから放出された粒子を酸化することとを、一つの真空容器内で略同時に進行させることが可能である。そのため、ターゲットをスパッタすることと、該ターゲットから放出された粒子を酸化することとが互いに異なる真空容器で進められる場合と比較して、バリア膜の形成工程に必要とされる時間を短くすることが可能である。
またターゲットから放出された粒子が酸化された後に該酸化された粒子が堆積する、あるいはターゲットから放出された粒子の堆積と該粒子の酸化とが交互に繰り返されて酸化された粒子が堆積するため、バリア膜の厚さ方向における酸素濃度を均一にすることが可能である。一方、バリア膜の厚さ方向における酸素濃度が不均一である場合には、バリア膜に含まれるケイ素の熱的な拡散の度合いがバリア膜の膜厚方向において異なることになる。そして上述した酸化の効果が十分に得られるためには、バリア膜において上記拡散の度合いが低い側を強誘電体膜側に配置する必要がある。この点、バリア膜の厚さ方向において酸素濃度が均一な構成であれば、バリア膜と強誘電体膜との相対的な配置が制約されなくなる。そのため、強誘電体膜における厚さ方向の両側、さらには強誘電体膜の端部等、強誘電体膜の全体にわたって上述した酸化の効果を得ることが可能である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のバリア膜の形成方法において、前記強誘電体膜を形成する前に前記絶縁体膜上に前記バリア膜を形成することを要旨とする。
強誘電体膜に強誘電体特性を発現させるためには、バリア膜が形成される温度よりも高い温度で強誘電体膜を形成する、あるいは、こうした高い温度で強誘電体膜を熱処理することが一般に必要とされている。この点、請求項3に記載の発明によれば、強誘電体膜が形成される前に、バリア膜を構成する粒子が酸化されるようにしている。そのため、強誘電体特性が与えられた強誘電体膜のみならず、強誘電体特性が付与される過程の強誘電体膜に対しても、その結晶配向性を高めることが可能である。したがって、上述したような酸化の効果がより顕著なものとなる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバリア膜の形成方法において、前記ターゲットから放出された前記粒子からなる膜を酸素ガスの雰囲気で加熱することにより前記ターゲットから放出された粒子を酸化することを要旨とする。
請求項4に記載の発明によれば、ターゲットから放出された粒子からなる膜が酸素ガスの雰囲気で加熱されるようにしている。それゆえに、ターゲットをスパッタする条件と、粒子を酸化する条件とを各別に設定することができるため、各々の処理に対してより適した条件を設定することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のバリア膜の形成方法において、前記ターゲットが単結晶であることをその要旨とする。
本願発明者らは、強誘電体膜に対する保護性が高まるバリア膜の形成方法について鋭意研究する中で、該バリア膜の形成に用いるターゲットが、多結晶から構成されるよりも単結晶から構成される方が有利であることを見出した。そのため、上記請求項4に記載の発明のように、バリア膜の形成に際して、単結晶のターゲットを用いることにより、強誘電体膜の結晶配向性と、強誘電体膜に対するバリア膜の保護性とをより向上させることができる。
請求項6に記載の発明は、強誘電体膜を形成する工程と、絶縁体膜を形成する工程と、前記強誘電体膜と前記絶縁体膜とに挟まれるバリア膜を形成する工程と含む強誘電体デバイスの製造方法であって、前記バリア膜を請求項1〜5のいずれか一項に記載のバリア膜の形成方法によって形成することをその要旨とする。
請求項6に記載の発明によれば、強誘電体デバイスが有する強誘電体膜を形成する際に、ケイ素酸化物から構成されたターゲットをスパッタした後に該ターゲットから放出された粒子が酸化されることになる。そのため、バリア膜における酸素濃度がターゲットの酸素濃度よりも低くなることを抑えることが可能となる結果、強誘電体膜の結晶配向性を高めること、ひいては強誘電体膜に対する保護性を高めることが可能である。これにより、強誘電体デバイスの性能が劣化することを抑制することができる。
(a)本発明に係る強誘電体デバイスの製造方法の第1実施形態における手順を示すフローチャート、(b)バリアメタル形成工程の手順を示すフローチャート、(c)上部及び下部バリア膜形成工程の手順を示すフローチャート。 バリア膜を有する強誘電体キャパシタの断面構造を示す断面図。 (a)本発明に係る強誘電体デバイスの製造方法の第2実施形態における手順を示すフローチャート、(b)バリアメタル形成工程の手順を示すフローチャート、(c)上部及び下部バリア膜形成工程の手順を示すフローチャート。 (a)チタン層を酸素雰囲気でアニールするときの温度と酸化チタン層の(200)配向の半値幅との関係を示すグラフ、(b)チタン層を酸素雰囲気でアニールするときの温度と下部電極を構成する白金の(222)配向の半値幅との関係を示すグラフ、(c)強誘電体キャパシタへの供給電圧と分極量との関係を示すグラフ。 (a)チタン層を酸素雰囲気でアニールするときの温度と酸化チタン層の(200)配向の半値幅との関係を示すグラフ、(b)チタン層を酸素雰囲気でアニールするときの温度と下部電極を構成する白金の(222)配向の半値幅との関係を示すグラフ、(c)強誘電体キャパシタへの供給電圧と分極量との関係を示すグラフ。 (a)チタン層を酸素雰囲気でアニールするときの温度と酸化チタン等の(200)配向の半値幅との関係を示すグラフ、(b)チタン層を酸素雰囲気でアニールするときの温度と下部電極を構成する白金の(222)配向の半値幅との関係を示すグラフ、(c)強誘電体キャパシタへの供給電圧と分極量との関係を示すグラフ。 (a)チタン層を酸素雰囲気でアニールするときの温度と酸化チタン層の(200)配向の半値幅との関係を示すグラフ、(b)チタン層を酸素雰囲気でアニールするときの温度と下部電極を構成する白金の(222)配向の半値幅との関係を示すグラフ、(c)強誘電体キャパシタへの供給電圧と分極量との関係を示すグラフ。 (a)チタン層を酸素雰囲気でアニールするときの温度と酸化チタン層の(200)配向の半値幅との関係を示すグラフ、(b)チタン層を酸素雰囲気でアニールするときの温度と下部電極を構成する白金の(222)配向の半値幅との関係を示すグラフ、(c)強誘電体キャパシタへの供給電圧と分極量との関係を示すグラフ。 (a)チタン層を酸素雰囲気でアニールするときの温度と酸化チタン層の(200)配向の半値幅との関係を示すグラフ、(b)チタン層を酸素雰囲気でアニールするときの温度と下部電極を構成する白金の(222)配向の半値幅との関係を示すグラフ、(c)強誘電体キャパシタへの供給電圧と分極量との関係を示すグラフ。 変形例に係る上部及び下部バリア膜形成工程の手順を示すフローチャート。
[第1実施形態]
以下、本発明に係るバリア膜の形成方法、及び強誘電体デバイスの製造方法を具現化した第1実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、強誘電体デバイスの製造方法、特に該強誘電体デバイスが有する強誘電体キャパシタの形成方法の工程を順に示すフローチャートであり、図2は、この製造方法により形成される強誘電体キャパシタの断面構造を示している。なお、本実施形態に係る強誘電体キャパシタは、シリコン基板等に形成されたトランジスタや配線を覆う絶縁体膜上に形成されるものである。また、強誘電体デバイスは、上記トランジスタの形成工程、上記強誘電体キャパシタの形成工程、及び強誘電体キャパシタを形成した後の配線や絶縁体膜等の形成工程を経て製造されるものである。これらのうち、強誘電体キャパシタを形成した後の配線や絶縁体膜等の形成工程やトランジスタの形成工程は公知の形成方法にて実施可能なものであることから、以下ではその説明を割愛する。
図1(a)に示されるように、強誘電体キャパシタ10の形成に際しては、まず、基板上に形成されたトランジスタ等を覆う例えばTEOS膜等の絶縁体膜11が形成される(ステップS1:絶縁体膜形成工程)。
次いで、アルミニウムの酸化物あるいはケイ素の酸化物から構成されるバリア膜である下部バリア膜12が絶縁体膜11上に形成される(ステップS2:下部バリア膜形成工程)。下部バリア膜12は、強誘電体キャパシタ10の周囲、特に上記絶縁体膜11側から強誘電体キャパシタ10側へ水素が拡散することを抑制するバリア膜として機能する。なお、絶縁体膜11が上記TEOS膜等の水素を含有する材料から構成されるものである場合には、絶縁体膜11からも強誘電体キャパシタ10側に水素が拡散する。
下部バリア膜12上には、例えば酸化チタン(TiO)膜から構成されるバリアメタル13が形成される(ステップS3:バリアメタル形成工程)。バリアメタル形成工程を経て形成されたバリアメタル13は、その下層の下部バリア膜12と、上層の下部電極14とに密着するとともに、水素原子よりも大きいサイズの原子、例えばアルミニウム等の金属原子が下部電極14に拡散することを抑えるといった機能を有する。該バリアメタル形成工程には、図1(b)に示されるように、チタンターゲットを希ガスによってスパッタしてチタン膜を形成する工程(ステップS11:チタン膜形成工程)と、酸素を含有する雰囲気中でチタン膜を加熱する工程(ステップS12:チタン膜酸素アニール工程)とが含まれる。チタン膜の酸素アニールでは、チタン膜の下層である下部バリア膜12も含め、基板の温度が700℃程度にまで加熱される。そのため、下部バリア膜12の構成によっては、該下部バリア膜12を構成するアルミニウムあるいはケイ素がバリアメタル13に向けて熱的に拡散する可能性がある。
上記バリアメタル13上には、例えば白金から構成される下部電極14が、白金ターゲットを希ガスによりスパッタすること等によって形成される(ステップS4:下部電極形成工程)。そして、下部電極14上に、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr、Ti)O)等の強誘電体材料によって構成される強誘電体膜15が形成される(ステップS5:強誘電体膜形成工程)。強誘電体膜15は、強誘電体材料のターゲットを希ガスや酸素の雰囲気の下でスパッタした後、基板の温度を700℃〜800℃程度に加熱することによって形成される。そのため、該強誘電体膜形成工程においても、上記チタン膜の酸素アニール工程と同様、下部バリア膜12を構成するアルミニウムあるいはケイ素が熱的に拡散する可能性がある。
強誘電体膜15上には、例えば酸化イリジウム(IrO)から構成される上部電極16が形成される。上部電極16は、イリジウムターゲットの反応性スパッタ、あるいは酸化イリジウムターゲットのスパッタ等の方法で形成される。
次いで、先のステップS2からステップS6の工程で絶縁体膜11上に形成された積層体を覆うように上部バリア膜17が形成される。上部バリア膜17は、先の下部バリア膜12と同様、アルミニウムの酸化物あるいはケイ素の酸化物から構成される。上部バリア膜17は、強誘電体キャパシタ10の周囲、特に上記絶縁体膜11よりも上層から強誘電体キャパシタ10へ水素が拡散することを抑制するバリア膜として機能する。
上述した下部バリア膜12と上部バリア膜17との形成工程は、図1(c)に示されるように、ターゲットをスパッタするスパッタ工程(ステップS21)と、ターゲットから放出された粒子を酸素プラズマで酸化するプラズマ酸化工程(ステップS22)とを含む。例えば、該バリア膜形成工程では、アルミニウムの酸化物あるいはケイ素の酸化物を主成分とするターゲットが、酸素を含む雰囲気でスパッタされる、いわゆる反応性スパッタが行われることで、アルミニウムの酸化膜あるいはケイ素の酸化膜としての下部バリア膜12及び上部バリア膜17が形成される。これにより、ターゲットがスパッタされることによって該ターゲットから粒子が放出される。例えば、アルミニウムの酸化物あるいはケイ素の酸化物からなる粒子、またアルミニウムあるいはケイ素からなる粒子、さらには酸素、これら各種の粒子が放出される。そして放出された粒子が飛行する期間、または該放出された粒子が絶縁体膜11上に到達したとき、該粒子とプラズマ中の酸素とが衝突することによって、アルミニウムあるいはケイ素からなる粒子が酸化される。またアルミニウムの酸化物あるいはケイ素の酸化物からなる粒子がさらに酸化される。
なお、反応性スパッタに用いられる酸素含有ガスは、酸素ガスであってもよいし、酸素ガスと各種希ガス、つまり、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス、及びキセノンガスとの混合ガスであってもよい。また、ターゲットをスパッタする条件としては、形成された下部バリア膜12及び上部バリア膜17の酸素濃度が、上記化学量論的組成比に相当する酸素濃度を超えない条件が好ましい。加えて、同条件は、ターゲットの表面が酸素含有ガスによって酸化されたとしても、該ターゲットの酸素濃度が、上記化学量論的組成比に相当する酸素濃度を超えない条件とすることが好ましい。
上述のように、アルミニウムの酸化物あるいはケイ素の酸化物を主成分とするターゲットを上記各種希ガスの雰囲気でスパッタすることによっても上記酸化物の膜を形成することは可能である。しかしながら、こうして形成された酸化膜の酸素濃度は、化学量論的組成比に相当する酸素濃度よりも低い酸化膜が形成されやすい。例えば、酸化アルミニウム(組成式:Al)のターゲットを希ガスでスパッタした場合、組成式にて示されるアルミニウムと酸素との比(2:3)に相当する酸素濃度よりも、バリア膜における酸素濃度は小さくなりやすい。
そこで、本実施形態においては、先のステップS21及びステップS22のように、下部バリア膜12及び上部バリア膜17の形成に際して、アルミニウムの酸化物あるいはケイ素の酸化物から構成されるターゲットを、酸素を含有するスパッタガスを用いてスパッタする。これにより、形成される下部バリア膜12及び上部バリア膜17における酸素濃度を上記化学量論比に相当する酸素濃度に近づけること、言い換えれば下部バリア膜12及び上部バリア膜17における酸素濃度がターゲットにおける酸素濃度よりも低くなることが抑制できる。
それゆえに、アルミニウムあるいはケイ素の熱的な拡散が下部バリア膜12で抑制されることで、下部バリア膜12の上層として形成されたバリアメタル13及び下部電極14の結晶配向性が向上され、ひいては強誘電体膜15の結晶配向性が向上されることになる。特に、強誘電体膜15に強誘電体特性を発現させるためには、下部バリア膜12が形成される温度よりも高い温度で強誘電体膜15やバリアメタル13を熱処理することが必要とされている。この点、強誘電体膜15が形成される前に下部バリア膜12を構成する粒子が酸化されるようにしているため、強誘電体特性が与えられた強誘電体膜15のみならず、強誘電体特性が付与される過程の強誘電体膜15に対しても、その結晶配向性を高めることが可能である。
加えて、アルミニウムあるいはケイ素の熱的な拡散及び酸素欠損が上部バリア膜17でも抑制されるため、上部バリア膜17の水素バリア性が向上し、また、強誘電体膜15の強誘電体特性が向上されることになる。なお、上部バリア膜17が覆う強誘電体膜15の端部にも、通常、上述した絶縁体膜11と同様に、TEOS膜等の絶縁体膜が形成される。一方、このような強誘電体膜15の端部には、上部電極16や強誘電体膜15、さらにはバリアメタルの加工上の制約から、上述したようなバリアメタル13が形成され難い。それゆえに、強誘電体膜15の端部には、上部バリア膜17が直接形成されることとなる。この点、強誘電体膜15の端部に形成される上部バリア膜17に対しても、それを構成する粒子が酸化されるようにしている。そのため、強誘電体膜15における厚さ方向の下側及び上側のみならず、バリアメタル13が形成され難い強誘電体膜15の端部に対しても、その強誘電体特性を高めることが可能である。
さらに、下部バリア膜12及び上部バリア膜17からのアルミニウムあるいはケイ素の熱的な拡散が抑制されることから、これら下部バリア膜12及び上部バリア膜17が本来有する水素バリア性を維持することが可能でもある。それゆえに、強誘電体膜15の誘電特性を保護するという強誘電体膜15の保護性が、これら下部バリア膜12及び上部バリア膜17によって高められることになる。
また、本実施形態では、ターゲットをスパッタすることと、スパッタによってターゲットから放出された粒子の酸化とを、アルミニウムの酸化物あるいはケイ素の酸化物から構成されるターゲットが設けられた空間で略同時に進行させることができる。そのため、ターゲットをスパッタすることと、該ターゲットから放出された粒子を酸化することとが互いに異なる真空容器で進められる場合と比較して、バリア膜の形成工程に必要とされる時間を短くすることが可能である。
さらには、ターゲットから放出された粒子が酸化された後に該酸化された粒子が堆積する、あるいはターゲットから放出された粒子の堆積と該粒子の酸化とが交互に繰り返されて下部バリア膜12及び上部バリア膜17が形成されるため、これらバリア膜12,17の厚さ方向における酸素濃度を均一にすることが可能である。下部バリア膜12及び上部バリア膜17の厚さ方向における酸素濃度が不均一である場合には、バリア膜に含まれるアルミニウムやケイ素の熱的な拡散の度合いがバリア膜の膜厚方向において異なることになる。そして上述した酸化の効果が十分に得られるためには、バリア膜において上記拡散の度合いが低い側を強誘電体膜15側に配置する必要がある。例えば、下部バリア膜12では、上記拡散の度合いが低い側を上側に配置する必要がある。また上部バリア膜17では、上記拡散の度合いが低い側を下側及び内側に配置する必要がある。この点、バリア膜の厚さ方向において酸素濃度が均一な構成であれば、バリア膜と強誘電体膜との相対的な配置が制約されなくなるため、強誘電体膜15の全体にわたって上述した酸化の効果を得ることが可能である。
ちなみに、先のステップS7の後には、例えば先のステップS1にて形成された絶縁体膜と同じ絶縁体膜によって、強誘電体キャパシタ10の全体を覆う工程が実施される。これにより、強誘電体キャパシタ10が有する上部バリア膜17も上記下部バリア膜12と同様、強誘電体膜15と絶縁体膜とによって挟まれた状態となる。
他方、上記下部バリア膜形成工程(ステップS2)及び上部バリア膜形成工程(ステップS7)にて用いられる酸化物のターゲットとしては、単結晶の酸化物から構成されるターゲット及び多結晶の酸化物から構成されるターゲットのいずれかを選択することができる。ここで、本願発明者らは、強誘電体膜に対する保護性が高まるバリア膜の形成方法について鋭意研究する中で、該バリア膜の形成に用いるターゲットが、多結晶から構成されるよりも単結晶から構成される方が有利であることを見出した。これは、単結晶のターゲットは多結晶のターゲットと比較して、上記酸化物を構成する金属元素と酸素元素とが規則正しく配列しているため、ターゲットにおける酸素濃度が高く、ひいては、これを用いて形成された下部バリア膜12及び上部バリア膜17の酸素濃度が高くなるからであると考えられる。
そこで、下部バリア膜形成工程(ステップS2)及び上部バリア膜形成工程(ステップS7)のスパッタ工程(ステップS21)において用いられるターゲットを単結晶ターゲットとすることにより、強誘電体膜15に対する下部バリア膜12及び上部バリア膜17の保護性とをより向上させることができる。
[第2実施形態]
以下、本発明に係るバリア膜の形成方法、及び強誘電体デバイスの製造方法を具現化した第2実施形態について、図3を参照して説明する。
図3は、強誘電体デバイスの製造方法、特に該強誘電体デバイスが有する強誘電体キャパシタの形成方法の工程を順に示すフローチャートである。図3(a)及び図3(b)に示されるように、該強誘電体キャパシタの形成方法は、基本的には上記第1実施形態、すなわち図1(a)及び図1(b)に記載の強誘電体キャパシタの形成方法と同様である。そのため、上記第1実施形態及び先の図2に記載の強誘電体キャパシタ10と同様の強誘電体キャパシタ10を形成することができる。つまり、本実施形態の強誘電体キャパシタの形成方法は、下部バリア膜12の形成工程(ステップS2)及び上部バリア膜17の形成工程(ステップS7)に含まれる工程のみが上記実施形態1と異なるものであるため、該工程以外については説明を割愛する。
図3(c)に示されるように、図3(a)の下部バリア膜形成工程(ステップS2)及び上部バリア膜形成工程(ステップS7)には、スパッタ工程(ステップS23)と酸素アニール工程(ステップS24)とが含まれる。
スパッタ工程においては、アルミニウムの酸化物あるいはケイ素の酸化物から構成されるターゲットが、各種希ガス、例えばアルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス、及びキセノンガスのいずれかによってスパッタされる。これにより、アルミニウムの酸化膜あるいはケイ素の酸化膜が形成される。次いで、酸素アニール工程では、酸素ガス雰囲気において基板の温度が300℃〜800℃に加熱された状態が、15秒〜90分継続されることによって、上記下部バリア膜12及び上部バリア膜17が熱エネルギーによってさらに酸化される。これらスパッタ工程と酸素アニール工程とは、各別の真空容器にて実施されるものであって、スパッタ工程には、上記酸化物のターゲットを有するスパッタ装置を用いることができる。一方、酸素アニール工程には、周知の急速加熱装置(RTA装置)やファーネスを用いることができる。また、酸素アニール工程は、大気圧雰囲気にて行うようにしてもよい。
なお、上記基板温度及び継続時間には、上記下部バリア膜12及び上部バリア膜17の厚さや面積に応じて、下部バリア膜12及び上部バリア膜17の厚さ方向及び平面方向の全体にわたり、上記化学量論的組成比に相当する酸素濃度を超えない酸素濃度となる条件を設定することが好ましい。
このように、本実施形態においては、下部バリア膜12及び上部バリア膜17を形成する際に、アルミニウムの酸化物あるいはケイ素の酸化物から構成されるターゲットをスパッタして、アルミニウムの酸化膜あるいはケイ素の酸化膜を形成した後に、該酸化膜を酸素雰囲気で加熱するようにしている。そのため、形成される下部バリア膜12及び上部バリア膜17における金属元素と酸素元素との比を上記化学量論的組成比で示される比に近づけること、言い換えれば下部バリア膜12及び上部バリア膜17における酸素濃度がターゲットにおける酸素濃度よりも低くなることが抑制できる。
それゆえに、下部バリア膜12からアルミニウムあるいはケイ素の熱的な拡散が抑制されることで、下部バリア膜12の上層として形成されたバリアメタル13及び下部電極14の結晶配向性が向上され、ひいては強誘電体膜15の結晶配向性、及び、強誘電体特性が向上されることになる。また、下部バリア膜12及び上部バリア膜17において酸素が補完されることで、酸素欠損が抑制されることにより、下部バリア膜12及び上部バリア膜17の水素バリア性が向上し、これにより、強誘電体膜15の強誘電体特性が向上されることになる。さらに、下部バリア膜12及び上部バリア膜17からのアルミニウムあるいはケイ素の熱的な拡散が抑制されることから、これらバリア膜12,17の強誘電体膜15に対する保護性が高められることになる。
また、本実施形態では、上記スパッタ工程(ステップS23)と酸素アニール工程(ステップS24)とを、各別の真空容器にて実施するようにしている。そのため、スパッタ工程においてターゲットをスパッタする条件と、酸素アニール工程において酸化膜を酸化する条件とを各別に設定することができ、各々の処理に対してより適した条件を設定することが可能となる。なお、酸素アニール工程を大気圧雰囲気にて行う場合であっても、同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様、上記下部バリア膜形成工程(ステップS2)及び上部バリア膜形成工程(ステップS7)のスパッタ工程(ステップS23)にて用いられるターゲットとして、上記酸化物の単結晶から構成されるターゲットを採用することができる。これによれば、強誘電体膜の結晶配向性と、強誘電体膜に対するバリア膜の保護性とをより向上させることができる。
[実施例]
以下に示す作成条件を用い、まずシリコン基板上にトランジスタを形成した後、これを覆う絶縁体膜と該絶縁体膜を通してトランジスタに接続される配線とを形成した。次いで、この絶縁体膜上に強誘電体キャパシタ10を形成した。そして、強誘電体キャパシタ10を絶縁体膜で覆うとともに、強誘電体キャパシタ10とトランジスタとを電気的に接続する配線等を形成することによって強誘電体デバイスを作成した。この際、バリアメタル13及び下部電極14の結晶配向性と、強誘電体キャパシタ10の読み出し時に分極が反転する際の分極量Qswとを評価した。
・シリコン基板直径 4〜12インチ
・ターゲット直径 100nm〜440nm
・絶縁体膜 TEOS膜
・バリアメタル13 酸化チタン
・下部電極14 白金
・上部電極16 IrOx、Ir、SRO 、RuOx、Ruまたはこれらの積層膜等
・強誘電体膜15 チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜
・強誘電体膜15の膜厚 30nm〜300nm
・下部バリア膜12の膜厚 3nm〜100nm
・上部バリア膜17の膜厚 3nm〜100nm
[実施例1]
酸化アルミニウム(Al)の多結晶から構成されるターゲットを、アルゴンガス(5〜200sccm)及び酸素ガス(5〜200sccm)からなる、好ましくは0.1〜2Paの圧力雰囲気でスパッタすることによって下部バリア膜12を形成して実施例1のバリア膜を得た。そして、バリアメタル13である酸化チタン膜の(200)配向の半値幅(°)、下部電極14である白金膜の(222)配向の半値幅(°)、及び強誘電体キャパシタ10の分極量Qsw(μC/cm)を測定した。
[比較例1]
酸化アルミニウム(Al)の多結晶から構成されるターゲットを、アルゴンガス(5〜200sccm)からなる、好ましくは0.1〜1Paの圧力雰囲気でスパッタすることによって下部バリア膜を形成して比較例1のバリア膜を得た。そして、バリアメタルである酸化チタン膜の(200)配向の半値幅(°)、下部電極である白金膜の(222)配向の半値幅(°)、及び強誘電体キャパシタの分極量Qsw(μC/cm)を測定した。
上記実施例1及び比較例1の測定結果を図4に示す。なお、図4(a)及び図4(b)において、縦軸は各膜の上記配向における半値幅であり、横軸はバリアメタルを形成する際のチタン膜酸素アニール工程における基板温度である。なお、バリアメタルである酸化チタン膜は、スパッタにより形成されたチタン膜を酸素雰囲気にてアニールすることで形成される。また、図4(c)においては、上記酸素アニール時の基板温度を700℃として形成した強誘電体キャパシタを測定対象としている。同図4(c)において、縦軸は強誘電体キャパシタの分極量Qswであり、横軸は強誘電体キャパシタに供給した電圧の値である。
図4(a)及び図4(b)に示されるように、バリアメタルである酸化チタン膜の(200)配向の半値幅と、下部電極である白金膜の(222)配向の半値幅とはともに、上記酸素アニール工程での基板温度が300℃〜600℃では、実施例1と比較例1とで略同じ値であった。一方、酸素アニール工程での基板温度が600℃を超えると、比較例1では基板温度が高い程、半値幅が大きくなるのに対し、実施例1では基板温度が高くなっても上記基板温度が600℃であるときと略同一の半値幅であった。また、図4(c)に示されるように、強誘電体膜の分極量Qswは、供給電圧の値にかかわらず、比較例1よりも実施例1の方が大きい値であった。
これは以下の理由によるものと考えられる。すなわち、比較例1では酸素アニール時の基板温度が600℃を超えると、バリア膜、特に下部バリア膜中のアルミニウムが酸化チタン膜に拡散することによってその(200)配向が低下し、こうした配向の低下に起因して酸化チタン膜に積層される白金膜の(222)配向が低下したと考えられる。これに対し、実施例1では、バリア膜中の酸素濃度が高められることによって、酸素アニール時の基板温度が600℃を超えても、バリア膜中のアルミニウムが熱的に拡散することが抑制されることにより、酸化チタン膜の(200)配向が向上され、ひいては白金膜の(222)配向が向上されたと考えられる。つまり、実施例1においては、酸素アニール時の基板温度が600℃を超えた範囲において、バリア膜におけるアルミニウムの拡散が抑えられることで、強誘電体膜に対する保護性が向上されたことから、強誘電体膜の分極量Qswが増大されたものと考えられる。
[実施例2]
酸化アルミニウム(Al)の単結晶から構成されるターゲットを、アルゴンガス(5〜200sccm)及び酸素ガス(5〜200sccm)からなる、好ましくは0.1〜2Paの圧力雰囲気でスパッタすることによって下部バリア膜12を形成して実施例2のバリア膜を得た。そして、バリアメタル13である酸化チタン膜の(200)配向の半値幅(°)、下部電極14である白金膜の(222)配向の半値幅(°)、及び強誘電体キャパシタ10の分極量Qsw(μC/cm)を測定した。
実施例2の測定結果を、上記比較例1の測定結果とともに図5に示す。なお、図5(a)〜図5(c)の各々に示される縦軸及び横軸は、上記図4(a)〜図4(c)の各々に示される縦軸及び横軸と順に対応している。また、図5(c)の測定対象も、上記酸素アニール時の基板温度を700℃として形成した強誘電体キャパシタである。
図5(a)〜図5(c)に示されるように、実施例2では、上記比較例1よりも酸化チタン膜の(200)配向の半値幅、白金膜の(222)配向の半値幅、及び強誘電体膜の分極量Qswが向上されたことが認められた。加えて、先の図4(a)〜図4(c)に示される実施例1よりも上記各値が向上されたことが認められた。これは、上記実施例1のように多結晶ターゲットを用いてバリア膜を形成するよりも、実施例2のように単結晶ターゲットを用いてバリア膜を形成する方が、バリア膜における酸素濃度が増大されることで、バリア膜中のアルミニウムの拡散がより抑制され、ひいてはバリア膜の強誘電体膜に対する保護性が向上されたためと考えられる。
[実施例3]
酸化アルミニウム(Al)の多結晶から構成されるターゲットを、アルゴンガス(5〜200sccm)からなる、好ましくは0.1〜1Paの圧力雰囲気でスパッタした後、酸素雰囲気において300〜800℃で15秒〜90分加熱することによって下部バリア膜12を形成し、実施例3のバリア膜を得た。そして、バリアメタル13である酸化チタン膜の(200)配向の半値幅(°)、下部電極14である白金膜の(222)配向の半値幅(°)、及び強誘電体キャパシタ10の分極量Qsw(μC/cm)を測定した。
実施例3の測定結果を、上記比較例1の測定結果とともに図6に示す。なお、図6(a)〜図6(c)の各々に示される縦軸及び横軸は、上記図4(a)〜図4(c)の各々に示される縦軸及び横軸と順に対応している。また、図6(c)の測定対象も、上記酸素アニール時の基板温度を700℃として形成した強誘電体キャパシタである。
図6(a)〜図6(c)に示されるように、実施例3では、上記比較例1よりも酸化チタン膜の(200)配向の半値幅、白金膜の(222)配向の半値幅、及び強誘電体膜の分極量Qswが向上されたことが認められる。これは、上記実施例1における酸素雰囲気でのスパッタと同様、酸化アルミニウム膜の形成後に実施した酸素アニール工程によっても、バリア膜における酸素濃度が増大されることで、バリア膜中のアルミニウムの拡散が抑制され、ひいてはバリア膜の強誘電体膜に対する保護性が向上されたためと考えられる。
[実施例4]
酸化シリコン(SiO)の多結晶から構成されるターゲットを、アルゴンガス(5〜200sccm)及び酸素ガス(5〜200sccm)からなる、好ましくは0.1〜2Paの圧力雰囲気でスパッタすることによって下部バリア膜12を形成して実施例4のバリア膜を得た。そして、バリアメタル13である酸化チタン膜の(200)配向の半値幅(°)、下部電極14である白金膜の(222)配向の半値幅(°)、及び強誘電体キャパシタ10の分極量Qsw(μC/cm)を測定した。
[比較例2]
酸化シリコン(SiO)の多結晶から構成されるターゲットを、アルゴンガス(5〜200sccm)からなる、好ましくは0.1〜1Paの圧力雰囲気でスパッタすることによって下部バリア膜を形成して比較例2のバリア膜を得た。そして、バリアメタルである酸化チタン膜の(200)配向の半値幅(°)、下部電極である白金膜の(222)配向の半値幅(°)、及び強誘電体キャパシタの分極量Qsw(μC/cm)を測定した。
上記実施例4及び比較例2の測定結果を図7に示す。なお、図7(a)〜図7(c)の各々に示される縦軸及び横軸は、上記図4(a)〜図4(c)の各々に示される縦軸及び横軸と順に対応している。また、図7(c)においては、上記酸素アニール時の基板温度を700℃として形成した強誘電体キャパシタを測定対象としている。
図7(a)に示されるように、バリアメタルである酸化チタン膜の(200)配向の半値幅は、上記酸素アニール工程での基板温度が300℃〜750℃であるときには、実施例4における半値幅が、比較例2における半値幅よりも相対的に小さいことが認められた。また、酸素アニール工程での基板温度が800℃であるときには、実施例4における半値幅と比較例2における半値幅とが略同じ値であった。
また、図7(b)に示されるように、下部電極である白金膜の(222)配向の半値幅は、酸化アニール構成での基板温度が300℃であるときには、実施例4における半値幅と、比較例2における半値幅とが略同じ値であった。そして、酸化アニール工程での基板温度が、400℃〜800℃であるときには、実施例4における半値幅が、比較例2における半値幅よりも相対的に小さかった。
このように、バリア膜として酸化シリコン膜を用いた場合には、酸化アルミニウム膜を用いた場合とは異なり、アニール時の温度が600℃を超えても実施例4及び比較例2のいずれにおいても酸化チタン膜及び白金膜の半値幅の値が小さくなっている。また、本願発明者らによれば、シリコンの熱酸化膜上に形成した酸化チタン膜は、基板温度が300℃〜800℃の範囲では、アニール時の温度が高いほど、酸化チタン膜の半値幅、及び、白金膜の半値幅が小さいことも認められている。
また、図7(c)に示されるように、強誘電体膜の分極量Qswは、供給電圧の値にかかわらず、比較例2よりも実施例4の方が大きい値であった。
これは以下の理由によるものと考えられる。すなわち、酸化ケイ素膜をバリア膜として用いた場合には、酸素アニール時の基板温度が300〜800℃の範囲では、酸化アルミニウム膜を用いた場合のように、ケイ素の拡散が極端に大きくなる温度範囲がない。しかしながら、実施例4では、バリア膜中の酸素濃度が高められることによって、バリア膜中のケイ素が熱的に拡散することが少なからず抑制されることにより、酸化チタン膜の(200)配向が向上され、ひいては白金膜の(222)配向が向上されたと考えられる。つまり、実施例4においては、バリア膜として酸化アルミニウム膜を用いた場合のように顕著ではないものの、バリア膜におけるケイ素の拡散が抑えられることで、強誘電体膜に対する保護性が向上されたことから、強誘電体膜の分極量Qswが増大されたものと考えられる。
[実施例5]
酸化シリコン(SiO)の単結晶から構成されるターゲットを、アルゴンガス(5〜200sccm)及び酸素ガス(5〜200sccm)からなる、好ましくは0.1〜2Paの圧力雰囲気でスパッタすることによって下部バリア膜12を形成して実施例5のバリア膜を得た。そして、バリアメタル13である酸化チタン膜の(200)配向の半値幅(°)、下部電極14である白金膜の(222)配向の半値幅(°)、及び強誘電体キャパシタ10の分極量Qsw(μC/cm)を測定した。
実施例5及び上記比較例2の測定結果を図8に示す。なお、図8(a)〜図8(c)の各々に示される縦軸及び横軸は、上記図4(a)〜図4(c)の各々に示される縦軸及び横軸と順に対応している。また、図8(c)においては、上記酸素アニール時の基板温度を700℃として形成した強誘電体キャパシタを測定対象としている。
図8(a)〜図8(c)に示されるように、実施例5では、上記比較例2よりも酸化チタン膜の(200)配向の半値幅、白金膜の(222)配向の半値幅、及び強誘電体膜の分極量Qswが向上されたことが認められる。加えて、先の図7(a)〜図7(c)に示される実施例4よりも上記各値が向上されたことが認められ、特に、酸化チタン膜の結晶配向性、及び白金膜の結晶配向性は、酸素アニール時の基板温度が相対的に高温であるときに向上されることが認められた。これは、上記実施例4のように多結晶ターゲットを用いてバリア膜を形成するよりも、実施例5のように単結晶ターゲットを用いてバリア膜を形成する方が、バリア膜における酸素濃度が増大されることで、バリア膜中のケイ素の拡散がより抑制され、ひいてはバリア膜の強誘電体膜に対する保護性が向上されたためと考えられる。
[実施例6]
酸化シリコン(SiO)の多結晶から構成されるターゲットを、アルゴンガス(5〜200sccm)からなる、好ましくは0.1〜1Paの圧力雰囲気でスパッタした後、酸素雰囲気において300〜800℃で15秒〜90分加熱することによって下部バリア膜12を形成し、実施例6のバリア膜を得た。そして、バリアメタル13である酸化チタン膜の(200)配向の半値幅(°)、下部電極14である白金膜の(222)配向の半値幅(°)、及び強誘電体キャパシタ10の分極量Qsw(μC/cm)を測定した。
実施例6及び上記比較例2の測定結果を図9に示す。なお、図9(a)〜図9(c)の各々に示される縦軸及び横軸は、上記図4(a)〜図4(c)の各々に示される縦軸及び横軸と順に対応している。また、図9(c)においては、上記酸素アニール時の基板温度を700℃として形成した強誘電体キャパシタを測定対象としている。
図9(a)〜図9(c)に示されるように、実施例6では、上記比較例2よりも酸化チタン膜の(200)配向の半値幅、白金膜の(222)配向の半値幅、及び強誘電体膜の分極量Qswが向上されることが認められた。これは、上記実施例4における酸素雰囲気でのスパッタと同様、酸化アルミニウム膜の形成後に実施した酸素アニール工程によっても、バリア膜における酸素濃度が増大されることで、バリア膜中のケイ素の拡散が抑制され、ひいてはバリア膜の強誘電体膜に対する保護性が向上されたためと考えられる。
以上説明したように、上記各実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)上記各実施形態では、アルミニウム酸化物あるいはケイ素酸化物から構成されたターゲットをスパッタした後に、該ターゲットから放出された粒子を酸化するようにした。そのため、下部バリア膜12及び上部バリア膜17における酸素濃度がターゲットの酸素濃度よりも低くなることを抑えることが可能となる結果、強誘電体膜15の結晶配向性を高めること、ひいては下部バリア膜12及び上部バリア膜17の強誘電体膜15に対する保護性を高めることが可能である。
(2)上記第1実施形態では、酸素が含まれるプラズマの雰囲気でターゲットをスパッタすることにより、該ターゲットから放出された粒子を酸化するようにした。これにより、ターゲットをスパッタすることと、該ターゲットから放出された粒子を酸化することとを、一つの真空容器内で略同時に進行させることが可能である。そのため、ターゲットをスパッタすることと、該ターゲットから放出された粒子を酸化することとが互いに異なる真空容器で進められる場合と比較して、バリア膜の形成工程に必要とされる時間を短くすることが可能である。
(3)また、上記(2)に記載の方法によれば、ターゲットから放出された粒子が酸化された後に該酸化された粒子が堆積する、あるいはターゲットから放出された粒子の堆積と該粒子の酸化とが交互に繰り返されて酸化された粒子が堆積するため、下部バリア膜12及び上部バリア膜17の厚さ方向における酸素濃度を均一にすることが可能である。これにより、下部バリア膜12及び上部バリア膜17と強誘電体膜15との相対的な配置が制約されなくなる。そのため、強誘電体膜15における厚さ方向の両側、さらには強誘電体膜15の端部等、強誘電体膜15の全体にわたって上述した酸化の効果を得ることが可能である。
(4)上記各実施形態では、強誘電体膜15を形成する前に絶縁体膜11上に下部バリア膜12を形成するようにした。そのため、強誘電体特性が与えられた強誘電体膜15のみならず、強誘電体特性が付与される過程の強誘電体膜15に対しても、その結晶配向性を高めることが可能である。したがって、上述したような酸化の効果がより顕著なものとなる。
(5)上記第2実施形態では、ターゲットから放出された粒子からなる膜を酸素ガスの雰囲気で加熱することにより、該ターゲットから放出された粒子を酸化するようにした。これにより、ターゲットをスパッタする条件と、粒子を酸化する条件とを各別に設定することができるため、各々の処理に対してより適した条件を設定することが可能となる。
(6)上記各実施形態では、単結晶のターゲットを用いるようにした。これにより、多結晶のターゲットを用いる場合と比較して、強誘電体膜の結晶配向性と、強誘電体膜に対するバリア膜の保護性とをより向上させることができる。
[他の実施形態]
なお、上記各実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・単結晶ターゲットではなく、多結晶ターゲットを用いるようにしてもよい。
・上記バリアメタルとしては酸化チタン膜を用いるようにした。これに限らず、例えば窒化チタン膜、酸窒化チタン膜、酸化タンタル膜、窒化タンタル膜、酸窒化タンタル膜、及びこれら膜を積層した積層膜等を採用することができる。また、これら膜は上記スパッタ法に限らず、例えばCVD法等によって形成するようにしてもよい。
・上記下部電極14には白金を用いるとともに、上部電極16には酸化イリジウムを用いるようにした。これに限らず、下部電極及び上部電極の形成材料としては、例えばルテニウム、酸化ルテニウム、イリジウム等や、これらの各材料によって形成された膜の積層体を用いることができるとともに、白金を上部電極の形成材料として、あるいは酸化イリジウムを下部電極の形成材料として用いることも可能である。また、下部電極14及び上部電極16は上記スパッタ法に限らず、CVD法等によって形成するようにしてもよい。
・強誘電体膜15の形成材料としては、上記チタン酸ジルコン酸鉛に限らず、例えば、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸バリウムストロンチウム((Ba、Sr)TiO)等を用いることができる。また、強誘電体膜15は、上記スパッタ法に限らず、例えばCVD法によって形成するようにしてもよい。
・上記第1実施形態では、酸素雰囲気での反応性スパッタによって、酸化物のターゲットから放出された粒子を酸化するようにする一方、第2実施形態では、希ガス雰囲気でのスパッタによって酸化物のターゲットから放出された粒子を、その後の酸素アニールによって酸化するようにした。これに限らず、図10に示されるように、バリア膜の形成工程(ステップS2及びステップS7)が、反応性スパッタ工程(ステップS25)と酸素アニール工程(ステップS26)とを含むようにしてもよい。これによれば、下部バリア膜12及び上部バリア膜17は、反応性スパッタ及び酸素アニールによって酸化されることとなる。
10…強誘電体キャパシタ、11…絶縁体膜、12…下部バリア膜、13…バリアメタル、14…下部電極、15…強誘電体膜、16…上部電極、17…上部バリア膜。

Claims (6)

  1. 強誘電体膜と絶縁体膜とに挟まれるバリア膜の形成方法であって、
    イ素酸化物から構成されたターゲットをスパッタした後に該ターゲットから放出された粒子を酸化することによって前記バリア膜を形成する
    ことを特徴とするバリア膜の形成方法。
  2. 請求項1に記載のバリア膜の形成方法において、
    酸素が含まれるプラズマの雰囲気で前記ターゲットをスパッタすることにより前記ターゲットから放出された粒子を酸化する
    ことを特徴とするバリア膜の形成方法。
  3. 前記強誘電体膜を形成する前に前記絶縁体膜上に前記バリア膜を形成すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のバリア膜の形成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のバリア膜の形成方法において、
    前記ターゲットから放出された前記粒子からなる膜を酸素ガスの雰囲気で加熱することにより前記ターゲットから放出された粒子を酸化する
    ことを特徴とするバリア膜の形成方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のバリア膜の形成方法において、
    前記ターゲットが単結晶である
    ことを特徴とするバリア膜の形成方法。
  6. 絶縁体膜を形成する工程と、
    強誘電体膜を形成する工程と、
    前記強誘電体膜と前記絶縁体膜とに挟まれるバリア膜を形成する工程と
    を含む強誘電体デバイスの製造方法であって、
    前記バリア膜を請求項1〜5のいずれか一項に記載のバリア膜の形成方法によって形成する
    ことを特徴とする強誘電体デバイスの製造方法。
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