JP5872105B2 - ピロリジン−3−イル酢酸誘導体の塩およびその結晶 - Google Patents
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Description
また、医薬品として用いられる化合物およびその塩ならびにそれらの結晶およびそれらの非晶質体の物性は、薬物のバイオアベラビリティー、原薬の純度、製剤の処方などに大きな影響を与えるため、医薬品開発においては、当該化合物に関し、塩、結晶、非晶質体のいずれが医薬品として最も優れているかを、研究する必要がある。すなわち、本発明のさらなる課題は、原薬としての利用可能性を有する化合物の塩、それらの結晶およびそれらの非晶質体を見出すことにある。
1)2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸の有機カルボン酸塩;
2)有機カルボン酸が、L−マンデル酸であることを特徴とする、1)記載の塩;
3)有機カルボン酸が、L−乳酸であることを特徴とする、1)記載の塩;
4)2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸の有機カルボン酸塩の結晶;
5)有機カルボン酸が、L−マンデル酸であることを特徴とする、4)記載の結晶;
6)有機カルボン酸が、L−乳酸であることを特徴とする、4)記載の結晶;
7)粉末X線回折において、回折角度(2θ±0.2°)7.2°に回折ピークを有することを特徴とする、5)記載の結晶;
8)粉末X線回折において、さらに、回折角度(2θ±0.2°)14.4°および15.7°に回折ピークを有することを特徴とする、7)記載の結晶;
9)粉末X線回折において、さらに、回折角度(2θ±0.2°)10.3°および23.5°に回折ピークを有することを特徴とする、8)記載の結晶;
10)粉末X線回折において、さらに、回折角度(2θ±0.2°)12.9°、14.9°、17.2°、20.1°および24.7°に回折ピークを有することを特徴とする、9)記載の結晶;
11)13C固体NMRスペクトルにおいて、化学シフト(ppm)14.1、52.9、75.2、144.7および174.0にピークを有することを特徴とする、5)記載の結晶;
12)粉末X線回折において、回折角度(2θ±0.2°)6.9°に回折ピークを有することを特徴とする、6)記載の結晶(A);
13)粉末X線回折において、さらに、回折角度(2θ±0.2°)15.7°および17.1°に回折ピークを有することを特徴とする、12)記載の結晶(A);
14)粉末X線回折において、回折角度(2θ±0.2°)6.8°に回折ピークを有することを特徴とする、6)記載の結晶(B);および
15)粉末X線回折において、さらに、回折角度(2θ±0.2°)13.7°および16.8°に回折ピークを有することを特徴とする、14)記載の結晶(B)
に関する。
(1)7.2°
(2)10.3°
(3)12.9°
(4)14.4°
(5)14.9°
(6)15.7°
(7)17.2°
(8)20.1°
(9)23.5°
(10)24.7°
に回折ピークを有していることを特徴とする、化合物(1)・L−マンデル酸塩の結晶(ここにおいて、7.2°、10.3°、14.4°、15.7°および23.5°の回折ピーク、中でも、7.2°、14.4°および15.7°の回折ピーク、特に、7.2°の回折ピークは、本結晶において特徴的なピークである)、または
13C固体NMRスペクトルにおいて、化学シフト(ppm)14.1、52.9、75.2、144.7および174.0にピークを有することを特徴とする、化合物(1)・L−マンデル酸塩の結晶、
(b)粉末X線回折[回折角度(2θ±0.2°)]において、例えば、
(1)6.9°
(2)9.2°
(3)10.0°
(4)10.8°
(5)13.8°
(6)14.8°
(7)15.7°
(8)17.1°
(9)20.5°
(10)23.8°
に回折ピークを有していることを特徴とする、化合物(1)・L−乳酸・溶媒和物の結晶(A)(ここにおいて、6.9°、14.8°、15.7°、17.1°および23.8°の回折ピーク、中でも、6.9°、15.7°および17.1°の回折ピーク、特に、6.9°の回折ピークは、本結晶において特徴的なピークである)および
(c)粉末X線回折[回折角度(2θ±0.2°)]において、例えば、
(1) 6.8°
(2)10.8°
(3)13.7°
(4)15.1°
(5)16.8°
(6)18.1°
(7)18.9°
(8)23.5°
(9)24.7°
(10)25.6°
に回折ピークを有していることを特徴とする、化合物(1)・L−乳酸・溶媒和物の結晶(B)(ここにおいて、6.8°、13.7°、16.8°、18.1°および18.9°の回折ピーク、中でも、6.8°、13.7°および16.8°の回折ピーク、特に、6.8°の回折ピークは、本結晶において特徴的なピークである)などが好ましい具体例として挙げられる。
化合物(1)・L−マンデル酸塩は、通常の有機カルボン酸塩を製造する方法により得ることができる。具体的には、例えば、化合物(1)に直接、予め溶媒に溶解させたL−マンデル酸を加えることにより、または化合物(1)を溶媒に、必要に応じて加温下に溶解させ、次いで、得られる溶液に、予め溶媒に溶解させたL−マンデル酸を加え、室温下もしくは冷却バスで冷却しながら数分から50〜60時間程度撹拌することにより、または室温下あるいは冷却バスで冷却しながら数分から50〜60時間程度放置することにより、化合物(1)・L−マンデル酸塩を製造することができる。また、化合物(1)およびL−マンデル酸に直接溶媒を加え溶解させても、製造することができる。これらの製造方法により、化合物(1)のL−マンデル酸塩を、結晶あるいは非晶質体として得ることができる。
化合物(1)・L−マンデル酸塩の結晶は、製造例1に従い化合物(1)を製造し、前述した[化合物(1)のL−マンデル酸塩の製造方法]に従い、化合物(1)に直接、予め溶媒に溶解させたL−マンデル酸を加えることにより、または化合物(1)を溶媒に、必要に応じて加温下に、溶解させ、次いで、得られる溶液に、予め溶媒に溶解させたL−マンデル酸を加え、室温下もしくは冷却バスで冷却しながら数分から50〜60時間程度撹拌することにより、または室温下もしくは冷却バスで冷却しながら数分から50〜60時間程度放置することにより、晶析させることができる。また、化合物(1)およびL−マンデル酸に直接溶媒を加え溶解させても、製造することができる。また、一旦化合物(1)・L−マンデル酸塩を得た後、これを溶媒に溶解させ、結晶を晶析させることもできる。
晶析に使用する化合物(1)・L−マンデル酸塩は、非晶質体でも結晶(複数の結晶多形からなるものを含む)でもよく、これらの混合物であってもよい。
好ましくは化合物(1)の重量に対する容量比は、例えば、5〜100倍量(v/w)であり、より好ましくは、例えば、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド/酢酸イソプロピル/ヘプタン(容量比3:2:10)、ジメチルスルホキシド/酢酸イソプロピル(容量比1:8〜1:16)、ジメチルスルホキシド/イソプロパノール/メチル−tert−ブチルエーテル(容量比3:3:20〜3:2:25)、ジメチルスルホキシド/アセトン/酢酸イソプロピル(容量比1.70:3:25)、ジメチルスルホキシド/アセトン/ヘプタン(容量比1.65:3:25)、ジメチルスルホキシド/酢酸エチル/ヘプタン(容量比2.0:10:10)などを使用する場合、化合物(1)の重量に対するに対する容量比は、例えば、15〜40倍量(v/w)である。
上記したように濾過操作で分離した結晶は、適宜、大気下に放置することにより、または加熱することにより、乾燥することができる。乾燥時間は、残留溶媒が所定の量を下回るまでの時間を製造量、乾燥装置、乾燥温度などに応じて適宜選択すればよい。また、乾燥は通風下でも減圧下でも行うことができる。減圧度は、製造量、乾燥装置、乾燥温度などに応じて適宜選択すればよい。得られた結晶は、乾燥後、必要に応じて大気中に放置することもできる。
化合物(1)と、L−マンデル酸との塩の非晶質体は、通常の非晶質体を製造する方法により得ることができる。具体的には、製造例1によって製造された化合物(1)を、溶媒に、必要に応じて加温下に、溶解させた後、L−マンデル酸を加え、数分から50〜60時間程度撹拌し、または放置し、その後、溶媒を減圧下留去することにより製造することができる。または、化合物(1)とL−マンデル酸に直接溶媒を加え溶解させ、その後、溶媒を減圧下留去することにより製造することができる。あるいは、このようにして得られた化合物(1)・L−マンデル酸塩を凍結乾燥することによっても、非晶質体を得ることができる。
ここで使用する溶媒としては、例えば、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのアルキルケトン系溶媒;酢酸エチル;ヘキサン;アセトニトリル;例えば、エーテル、メチル−tert−ブチルエーテルまたは1,2−ジメトシエタンなどのエーテル系溶媒:例えば、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールまたはt−ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒および水からなる群より選ばれる1種の溶媒または2種以上の溶媒の混合溶媒を挙げることができる。より好ましくは、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン/メチル−tert−ブチルエーテル(容量比1:1)、エタノール/メチル−tert−ブチルエーテル(容量比1:12)、イソプロパノール/メチル−tert−ブチルエーテル(容量比1.5:8〜1.5:13.5)などの溶媒が挙げられる。
上記のようにして得られた非晶質体は、適宜、大気下に放置することにより、または加熱することにより、乾燥することができる。乾燥時間は、残留溶媒が所定の量を下回るまでの時間を製造量、乾燥装置、乾燥温度などに応じて適宜選択すればよい。また、乾燥は通風下でも減圧下でも行うことができる。減圧度は、製造量、乾燥装置、乾燥温度などに応じて適宜選択すればよい。得られた非晶質体は、乾燥後、必要に応じて大気中に放置することもできる。
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸の調製
ベンジル (2E)−ブト−2−エノエート
クロトン酸(70g,812mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(467mL)に溶解し、窒素下氷浴で冷却し、炭酸カリウム(61.6g,447mmol)を加えた。反応混合物に、ベンジルブロミド(91.7mL,772mmol)を20分かけて滴下した。反応混合物を室温にて18時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、セライトでろ過した。ろ液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥剤を濾過後、減圧下濃縮し、標題化合物(142g,収率:99.4%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.87−1.90(3H,m),5.17(2H,s),5.87−5.92(1H,m),6.98−7.07(1H,m),7.26−7.39(5H,m).
ベンジル (3RS,4SR)−1−ベンジル−4−メチルピロリジン−3−カルボキシレート
製造例1aで得たベンジル (2E)−ブト−2−エノエート(20.5g,116mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、混合物を攪拌しながら氷浴にて冷却した。トリフルオロ酢酸(257μL,3.47mmol)を加え、N−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン(33.1g,139mmol)をジクロロメタン(25mL)にて洗い込みながら内温が62℃を超えないよう、15分かけて反応液に滴下した。反応液を室温になるまで放置し、15時間攪拌した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘプタン)により精製し、標題化合物(38g)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.14(3H,d,J=6Hz),2.18−2.22(1H,m),2.48−2.65(2H,m),2.75−2.85(2H,m),2.90−2.94(1H,m),3.54−3.66(2H,m),5.13(2H,s),7.20−7.40(10H,m).
ベンジル (3RS,4SR)−1−ベンジル−3−[2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル]−4−メチルピロリジン−3−カルボキシレート
製造例1bで得たベンジル (3RS,4SR)−1−ベンジル−4−メチルピロリジン−3−カルボキシレート(30g,97.4mmol)をテトラヒドロフラン(300mL)に溶解させ、窒素下攪拌しながら−70℃まで冷却した。1.11M リチウム ジイソプロピルアミド/n−ヘキサン−テトラヒドロフラン溶液(105mL,116mmol)を滴下し、内温が−64.3℃を超えないよう20分かけて滴下した。混合物を−70℃にて1時間攪拌した後、テトラヒドロフラン(30mL)とtert−ブチル ブロモアセテート(26.6g,136mmol)を内温が−60℃を超えないよう10分かけて滴下した。反応混合物を−70℃にてさらに1時間攪拌した後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。反応混合物をその後すぐに水で希釈し、酢酸エチルを加えた。有機層を飽和食塩水、5N塩酸水溶液にて洗浄後、硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥剤を濾過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘプタン)により精製した。さらに残渣を、NHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン/酢酸エチル=98/2)により精製し、標題化合物(6g,収率:14.5%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):0.86(3H,d,J=6Hz),1.34(9H,s),2.05−2.15(2H,m),2.53(1H,d,J=17Hz),2.91−3.00(3H,m),3.28(1H,d,J=10Hz),3.59−3.72(2H,m),5.08−5.16(2H,m),7.19−7.39(10H,m).
同様の方法で標題化合物18.1gを得た。
1,3−ジベンジル (3RS,4SR)−3−[2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル]−4−メチルピロリジン−1、3−ジカルボキシレート
製造例1cと同様にして得たベンジル (3RS,4SR)−1−ベンジル−3−[2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル]−4−メチルピロリジン−3−カルボキシレート(11.7g,27.6mmol)をジクロロメタン(117mL)に溶解させ、ベンジル クロロホルメート(23.7mL,166mmol)を、内温が22℃を超えないよう、20分かけて反応液に滴下した。混合物を室温にて12時間攪拌した後、減圧下、溶媒を留去した。残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘプタン)により精製し、標題化合物(9.1g,収率:70.5%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):0.84−0.90(3H,m),1.32−1.46(9H,m),2.09−2.16(1H,m),2.21−2.27(1H,m),3.04−3.14(2H,m),3.33−3.38(1H,m),3.60−3.68(1H,m),4.32(1H,t,J=12Hz),5.07−5.20(4H,m),7.26−7.36(10H,m).
HPLCによる分析;
(分析条件1)カラム:CHIRALPAK AD−H(ダイセル化学工業社製)(0.46cmφ×15cm)、溶離液:ヘキサン/エタノール=95/5(v/v)、流速:1mL/min.、検出:UV(210nm)
(分析結果)得られた標題化合物を上記分析条件1で分析したところ、保持時間8.56分のピークと10.85分のピークが認められた。
また、別途得た標題化合物を上記と別のキラルカラムにて分析した。
(分析条件2)カラム:CHIRALPAK IA(ダイセル化学工業社製)(0.46cmφ×15cm)、溶離液:ヘキサン/エタノール=95/5(v/v)、流速:1mL/min.、検出:UV(210nm)
(分析結果)得られた標題化合物を上記分析条件2で分析したところ、保持時間6.78分のピークと8.20分のピークが認められた。
(3S,4R)−3−[2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル]−4−メチルピロリジン−3−カルボン酸
製造例1dで得た1,3−ジベンジル (3RS,4SR)−3−[2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル]−4−メチルピロリジン−1、3−ジカルボキシレート(9.1g)を以下の2つの分取条件AまたはBで繰り返し光学分割を行った。
HPLCによる光学分割;
(分取条件A)カラム:CHIRALPAK AD−H(ダイセル化学工業社製)(2cmφ×25cm)、溶離液:ヘキサン/エタノール=85/15(v/v)、流速:8−10mL/min.
(分取条件B)カラム:CHIRALPAK IA(ダイセル化学工業社製)(3cmφ×25cm)、溶離液:ヘキサン/エタノール=95/5(v/v)、流速:22mL/min.
保持時間の短いピークを分取後、減圧下濃縮し、光学活性体を得た。この操作を3回繰り返した(3ロット)。3ロットを以下の分析条件にて分析した。
HPLCによる分析;
(分析条件)カラム:CHIRALPAK AD−H(ダイセル化学工業社製)(0.46cmφ×15cm)、溶離液:ヘキサン/エタノール=95/5(v/v)、流速:1mL/min.、検出:UV(210nm)
(分析結果)保持時間は9.0分−9.3分であり、すべてのロットで鏡像体過剰率は>99%eeであった。
3ロットをまとめて、得られた光学活性体(4.04g)をメタノール(121mL)に溶解させ、10%Pd/C(0.77g)を加えて、水素ガスで置換した。混合物を室温にて13時間攪拌した後、温水(30−40℃、122mL)を加えて攪拌し、析出している固体を溶解させた。Pd/Cをろ過後、溶媒を濃縮、乾燥し、標題化合物(2.1g)を得た。
1H−NMR(400MHz,D2O)δ(ppm):0.97(3H,d,J=7Hz),1.42(9H,s),2.15−2.22(1H,m),2.30(1H,d,J=17Hz),2.93(1H,d,J=17Hz),3.04(1H,t,J=12Hz),3.18(1H,d,J=12Hz),3.49(1H,dd,J=8,12Hz),4.03(1H,d,J=12Hz).
各化学シフトは、重水中のsolvent residual peakの化学シフトを4.79として補正した値を示す。
(3S,4R)−1−ベンジル−3−[2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル]−4−メチルピロリジン−3−カルボン酸
製造例1eで得た(3S,4R)−3−[2−(tert―ブトキシ)−2−オキソエチル]−4−メチルピロリジン−3−カルボン酸(1.8g、7.4mmol)、ベンズアルデヒド(1.51mL、14.8mmol)、酢酸(0.635mL、11.1mmol)、ナトリウム トリアセトキシボロヒドリド(3.14g、14.8mmol)およびメタノール(35mL)の混合物を40℃で38時間30分加熱した。反応混合物を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ODSシリカゲル,溶出溶媒:水/メタノール)にて精製し、標題化合物をロットA(584mg),ロットB(708mg)として得た。
ロットAの1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.02(3H,d,J=7Hz),1.38(9H,s),2.14(1H,d,J=17Hz),2.15−2.28(1H,brs),2.97(1H,d,J=17Hz),3.10−3.42(3H,m),4.00−4.10(1H,m),4.30−4.40(1H,brs),4.46(1H,d,J=12Hz),7.45−7.53(5H,m).
ロットBの1H−NMR:ロットAの1H−NMRと一致した。
tert−ブチル 4−[(3S,4R)−1−ベンジル−3−[2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル]−4−メチルピロリジン−3−アミド]ピペリジン−1−カルボキシレート
製造例1fと同様の方法で得た(3S,4R)−1−ベンジル−3−[2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル]−4−メチルピロリジン−3−カルボン酸(942mg,2.83mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液にtert−ブチル 4−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(849mg,4.24mmol)、トリエチルアミン(1.18mL,8.48mmol)とベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP;2.21g,4.24mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、1N水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を濾過後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標題化合物(1.33g,収率:91.1%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):0.92(3H,d,J=7Hz),1.20−1.40(2H,m),1.40(9H,s),1.48(9H,s),1.78−1.88(1H,m),1.92−1.98(1H,m),1.96(1H,d,J=16Hz),2.03−2.09(1H,m),2.36(1H,d,J=10Hz),2.58−2.68(2H,m),2.89−2.95(2H,m),3.10(1H,d,J=16Hz),3.59(1H,d,J=10Hz),3.66(2H,s),3.83−4.00(3H,m),7.23−7.35(5H,m),8.65(1H,d,J=7Hz).
MS(ESI)m/z:538.2(M+Na)+.
tert−ブチル 4−[(3S,4R)−3−[2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル]−4−メチルピロリジン−3−アミド]ピペリジン−1−カルボキシレート
製造例1gで得たtert−ブチル 4−[(3S,4R)−1−ベンジル−3−[2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル]−4−メチルピロリジン−3−アミド]ピペリジン−1−カルボキシレート(1.33g,2.58mmol)のメタノール(30mL)溶液に20%水酸化パラジウム(724mg)を加え、水素雰囲気下、終夜攪拌した。反応液をろ過後、濾液を減圧下濃縮し、標題化合物(1.04g,収率:94.7%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):0.92(3H,d,J=7Hz),1.20−1.52(2H,m),1.41(9H,s),1.43(9H,s),1.80−2.10(5H,m),2.00(1H,d,J=16Hz),2.55−2.61(1H,m),2.80−3.06(2H,m),2.92(1H,d,J=10Hz),3.12(1H,d,J=16Hz),3.35(1H,d,J=9Hz),3.70(1H,d,J=10Hz),3.80−4.00(3H,m),8.30(1H,d,J=7Hz).
MS(ESI)m/z:426.1(M+H)+
tert−ブチル 4−[(3S,4R)−3−[2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル]−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−メチルピロリジン−3−アミド]ピペリジン−1−カルボキシレート
製造例1hで得たtert−ブチル 4−[(3S,4R)−3−[2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル]−4−メチルピロリジン−3−アミド]ピペリジン−1−カルボキシレート(345mg,0.811mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(脱水)(10mL)の溶液に2−(ブロモメチル)−1−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(443mg,1.62mmol)と炭酸カリウム(244mg)を加え、45℃にて6時間、40℃にて2日間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、1N水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を濾過後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標題化合物(320mg,収率:63.8%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):0.92(3H,d,J=7Hz),1.13−1.18(2H,m),1.39(9H,s),1.49(9H,s),1.53−1.65(1H,m),1.76−1.86(1H,m),1.98(1H,d,J=16Hz),2.02−2.10(1H,m),2.51(1H,d,J=10Hz),2.60−2.80(3H,m),2.88(1H,t,J=10Hz),3.12(1H,d,J=16Hz),3.53(1H,d,J=10Hz),4.09−4.25(5H,m),7.38(1H,t,J=8Hz),7.63(2H,d,J=8Hz),7.96(1H,d,J=8Hz).
MS(ESI)m/z:640.2(M+Na)+.
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−メチル−3−[(ピペリジン−4−イル)カルバモイル]ピロリジン−3−イル]酢酸
製造例1iで得たtert−ブチル 4−[(3S,4R)−3−[2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル]−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−メチルピロリジン−3−アミド]ピペリジン−1−カルボキシレート(320mg,0.518mmol)のジクロロメタン(脱水)(8mL)溶液に氷冷下トリフルオロ酢酸(8mL)を加え、室温で2.5時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:水/メタノール)にて精製し、標題化合物を含む混合物(344mg)を得た。
1H−NMR(400MHz,CD3OD)δ(ppm):0.83(3H,d,J=5Hz),1.43−1.63(2H,m),1.76−1.89(1H,m),1.92−2.00(1H,m),2.03−2.19(2H,m),2.55−2.68(2H,m),2.91−3.10(4H,m),3.25−3.36(2H,m),3.45−3.59(1H,m),3.75−4.18(3H,m),7.41−7.76(3H,m).
MS(ESI)m/z:462.3(M+H)+
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸
製造例1jの方法により得た2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−メチル−3−[(ピペリジン−4−イル)カルバモイル]ピロリジン−3−イル]酢酸の混合物(344mg,0.745mmol)のテトラヒドロフラン(脱水)(10mL)の溶液にシクロヘキス−1−エン−1−カルバルデヒド(423μL,3.73mmol)、酢酸(300μL)とナトリウム トリアセトキシボロヒドリド(789mg,3.73mmol)を加え、終夜攪拌した。反応液に水とメタノールを加え、減圧濃縮し、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:水/メタノール)にて精製した。精製した物をジクロロメタンに溶解し、ヘキサンを加え懸濁させ、濃縮することで標題化合物(180mg,収率:43.4%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CD3OD)δ(ppm):0.89(3H,d,J=7Hz),1.23−1.38(2H,m),1.44−1.82(6H,m),1.82−1.96(1H,m),1.96−2.25(5H,m),2.30−2.45(2H,m),2.55−2.68(2H,m),2.92−3.20(5H,m),3.54(1H,d,J=10Hz),3.64−3.78(1H,m),3.95(1H,d,J=10Hz),4.05(1H,d,J=10Hz),5.76(1H,s),7.47−7.52(1H,m),7.72(1H,d,J=7Hz),7.77(1H,d,J=8Hz).
MS(ESI)m/z:578.3(M+Na)+
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−マンデル酸塩結晶の調製
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸(102.8mg)にL−マンデル酸の酢酸エチル溶液(20mg/mL)を1407μL(1当量)添加し、得られた混合溶液を超音波処理後、室温にてマグネティックスターラーにより攪拌した。一晩混合溶液を攪拌後、溶液中に固体を認めたため、固体を濾取し、これを酢酸エチルで洗浄後、乾燥し、標題の結晶を得た(49.3mg)。
1H−NMR(600MHz,CD3OD)δ(ppm):0.90(3H,d,J=7Hz),1.58−1.64(2H,m),1.64−1.76(4H,m),1.82−1.89(1H,m),1.97−2.07(3H,m),2.08−2.14(2H,m),2.19(1H,d,J=17Hz),2.15−2.23(1H,m),2.62(1H,d,J=10Hz),2.67(1H,dd,J=10,7Hz),2.72−2.84(2H,m),3.00(1H,dd,J=10,10Hz),3.10(1H,d,J=17Hz),3.25−3.32(2H,m),3.43(2H,s),3.53(1H,d,J=10Hz),3.77−3.85(1H,m),3.98(1H,d,J=13Hz),4.07(1H,d,J=13Hz),4.91(1H,s),5.91(1H,brds),7.23(1H,t,J=7Hz),7.29(2H,dd,J=7,7Hz),7.46(2H,d,J=7Hz),7.51(1H,dd,J=8,8Hz),7.73(1H,d,J=8Hz),7.79(1H,d,J=8Hz).
[測定条件]
使用装置:AVANCE400(BRUKER社製)
測定温度:室温(22℃)
基準物質:グリシン(外部基準:176.03ppm)
測定核:13C(100.6248425MHz)
パルス繰り返し時間:6秒
パルスモード:TOSS測定
13C固体NMRスペクトルを図1に、化学シフトを以下に示す。
13C−NMR(100MHz,solid state)δ(ppm):13.8,14.1,21.0,22.8,24.3,26.8,27.8,30.5,40.5,41.6,42.4,46.0,50.9,51.4,52.9,53.3,54.7,55.7,59.5,60.3,63.6,64.4,75.2,124.0,124.4,126.2,127.2,128.1,133.3,133.9,135.5,137.8,144.7,171.5,174.0,175.5,175.8.
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−マンデル酸塩非晶質体の調製
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−マンデル酸塩(53.61mg)を秤取し、200mL容量のビーカーに入れ、tert−ブチルアルコール(tBA)(20mL)および水(4mL)を添加した。100mL容量のナス型フラスコ(recovery flask)を、ドライアイスで冷却したエタノールに浸漬させた状態で回転させた。そのフラスコの内部に試料溶液を滴下して、凍結させた。試料溶液全量を凍結させた後、フラスコの開口部をワイピングクロスで覆い、凍結乾燥させた。48.60mgの標題の非晶質体を得た。
1H−NMR(600MHz,CD3OD)δ(ppm):0.90(3H,d,J=7Hz),1.58−1.64(2H,m),1.64−1.76(4H,m),1.82−1.90(1H,m),1.98−2.07(3H,m),2.08−2.15(2H,m),2.15−2.23(1H,m),2.19(1H,d,J=17Hz),2.62(1H,d,J=10Hz),2.67(1H,dd,J=10,7Hz),2.74−2.85(2H,m),3.00(1H,dd,J=10,10Hz),3.10(1H,d,J=17Hz),3.25−3.33(2H,m),3.44(2H,s),3.53(1H,d,J=10Hz),3.78−3.85(1H,m),3.98(1H,d,J=13Hz),4.07(1H,d,J=13Hz),4.91(1H,s),5.91(1H,brds),7.23(1H,t,J=7Hz),7.29(2H,dd,J=7,7Hz),7.46(2H,d,J=7Hz),7.51(1H,dd,J=8,8Hz),7.73(1H,d,J=8Hz),7.79(1H,d,J=8Hz).
上記方法により非晶質体を、粉末X線回折装置の試料台に載せ、実施例1記載の測定条件で分析した。得られた粉末X線回折パターンを図3に示す。
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−乳酸塩・溶媒和物(A)の結晶の調製
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸(81.38mg)にL−乳酸の酢酸エチル溶液(10mg/mL)を1296μL(1当量)添加し、得られた溶液を超音波処理後、室温にてマグネティックスターラーにより攪拌した。溶液中に固体を認めたため、固体を濾取し、これを酢酸エチルで洗浄後、乾燥し、標題の結晶を得た(78.93mg)。
上記方法により得られた2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−乳酸塩・溶媒和物の結晶を、粉末X線回折装置の試料台に載せ、実施例1記載の測定条件で分析した。得られた粉末X線回折パターンを図4に示す。
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−乳酸塩・溶媒和物(B)の結晶の調製
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸(79.99mg)にL−乳酸のメチルエチルケトン溶液(10mg/mL)を1318μL(1当量)添加し、得られた溶液を超音波処理後、室温にてマグネティックスターラーにより攪拌した。溶液中に固体を認めたため、固体を濾取し、これをメチルエチルケトンで洗浄後、乾燥し、標題の結晶を得た(67.56mg)。
上記方法により得られた2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−乳酸塩・溶媒和物の結晶を、粉末X線回折装置の試料台に載せ、実施例1記載の測定条件で分析した。得られた粉末X線回折パターンを図5に示す。
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−マンデル酸塩の結晶の調製
アセトン(0.75mL)およびメチル−tert−ブチルエーテル(0.75mL)の混合溶媒に溶解させた2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸(230mg、含量200mg)に、アセトン(0.5mL)およびメチル−tert−ブチルエーテル(0.5mL)の混合溶媒に溶解させたL−マンデル酸(60.2mg)を滴下し、さらにアセトン(0.25mL)およびメチル−tert−ブチルエーテル(0.25mL)の混合溶媒にて洗いこんだ。室温にて二晩攪拌した。得られた結晶を濾過し、アセトン/メチル−tert−ブチルエーテル(容量比1:1)(0.4mL×3)およびメチル−tert−ブチルエーテル(0.4mL×3)で洗浄し、標題の結晶223.0mg(収率:88%)を白色結晶として得た。
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−マンデル酸塩の再結晶
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−マンデル酸塩の結晶(1.00g)に、ジメチルスルホキシド(1.65mL)およびアセトン(2.0mL)を加え、60℃にて加温し溶解させた。さらに、ジメチルスルホキシド(0.05mL)とアセトン(1.0mL)をこの溶液に加えた。得られた溶液に、酢酸イソプロピル(10mL)を加え、添加後に45℃で加温した。さらに45℃にて酢酸イソプロピル(15mL)を加えた。この溶液を、−20℃に冷却後、生成した結晶を濾過し、アセトン/酢酸イソプロピルの混合溶媒(容量比1:9,5mL)で洗浄した後、常温にて乾燥し、標題の結晶907.1mg(収率:90.7%)を白色結晶として得た。
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−マンデル酸塩のX線結晶構造解析
2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−マンデル酸塩(5.28mg)をガラスバイアルに秤取し、メタノール(1.0mL)を加えて溶かした。このガラスバイアルを、適量の酢酸エチルで満たした、より大きいガラスバイアルの内側に置き、外側のガラスバイアルをキャップで密閉した(蒸気拡散法)。3週間後、内側のガラスバイアル中に結晶が析出しているのを認めた。得られた単結晶(0.50×0.20×0.10mm)を用いてR−AXIS RAPID II(株式会社リガク)にてX線回折実験を行った。結晶学的データおよび構造解析結果を表2に、原子座標データを表3にしめす。かかる結果より、標題化合物の絶対立体配置を特定した。
(1)方法
CX3CR1を強制発現させたB300細胞を用いて、フラクタルカイン誘導の細胞遊走に対する実施化合物の阻害効果を検討した。
Transwell(24well clasters,pore size:5μm,Corning社製)を平衡化した後にフラクタルカイン溶液(0.3nM,R and D社製)を下層に添加した。続けて被験化合物(0.001,0.003,0.01,または0.03μM)と30分間プレインキュベートしたCX3CR1発現B300細胞をTranswellの上層に加え、5%CO2,37℃の条件で3.5時間インキュベートした。下層に遊走した細胞数の評価は、CellTiter(Promega社製)を用いて行った。
フラクタルカイン誘導の細胞遊走に対する被験化合物の阻害率の算出は、フラクタルカイン・被験化合物共存下での細胞遊走量を[A],フラクタルカイン存在下・被験化合物非存在下での細胞遊走量を[B],フラクタルカイン・被験化合物双方とも非存在下での細胞遊走量を[C]として以下の式によって求め、これをもとに50%阻害濃度(IC50)を算出した。
阻害率(%)=[1−{(A−C)/(B−C)}]×100
本試験例の結果、化合物(1)のIC50は、4nMであった。
(1)方法
BALB/cマウスから採取したCD4陽性CD45RB高陽性細胞をSCIDマウスに移入することで誘導する大腸炎モデルを用い、化合物(1)の体重量減少抑制効果を検討した。実験は、31日間にわたって実施した。第1日目はBalb/cマウスの脾臓から分取したCD4陽性CD45RB高陽性細胞(5×105個/mouse)をSCIDマウスに静脈内投与した。第16日目から第31日目まで、化合物(1)を1日1回SCIDマウスに経口投与すると共に、第19、22、24、26、29、31日目に体重量測定を行った。
体重量減少抑制効果は、第19、22、24、26、29、31日目の体重量変化率(%)で評価した。第16日目の体重量を[A]、各体重量測定日(第19、22、24、26、29、31日目)の体重量を[B]とし、以下に示す式より体重量変化率(%)を求めた。
体重量変化率(%)=B/A×100
結果を図6に示す。なお、図中の横軸は、BALB/cマウスの脾臓から分取したCD4陽性CD45RB高陽性細胞(5×105個/mouse)をSCIDマウスに静脈内投与した日を0日とした場合の経過日数を示す。
Claims (11)
- 2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−マンデル酸塩の結晶。
- 2−[(3S,4R)−1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[1−(シクロヘキス−1−エン−1−イルメチル)ピペリジン−4−イル]カルバモイル}−4−メチルピロリジン−3−イル]酢酸・L−乳酸塩の結晶。
- 粉末X線回折において、回折角度(2θ±0.2°)7.2°に回折ピークを有することを特徴とする、請求項1記載の結晶。
- 粉末X線回折において、さらに、回折角度(2θ±0.2°)14.4°および15.7°に回折ピークを有することを特徴とする、請求項3記載の結晶。
- 粉末X線回折において、さらに、回折角度(2θ±0.2°)10.3°および23.5°に回折ピークを有することを特徴とする、請求項4記載の結晶。
- 粉末X線回折において、さらに、回折角度(2θ±0.2°)12.9°、14.9°、17.2°、20.1°および24.7°に回折ピークを有することを特徴とする、請求項5記載の結晶。
- 13C固体NMRスペクトルにおいて、化学シフト(ppm)14.1、52.9、75.2、144.7および174.0にピークを有することを特徴とする、請求項1記載の結晶。
- 粉末X線回折において、回折角度(2θ±0.2°)6.9°に回折ピークを有することを特徴とする、請求項2記載の結晶(A)。
- 粉末X線回折において、さらに、回折角度(2θ±0.2°)15.7°および17.1°に回折ピークを有することを特徴とする、請求項8記載の結晶(A)。
- 粉末X線回折において、回折角度(2θ±0.2°)6.8°に回折ピークを有することを特徴とする、請求項2記載の結晶(B)。
- 粉末X線回折において、さらに、回折角度(2θ±0.2°)13.7°および16.8°に回折ピークを有することを特徴とする、請求項10記載の結晶(B)。
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