JP5868127B2 - 歯科用硬化性組成物 - Google Patents

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本発明は歯科用硬化性組成物に関する。詳しくは、酸素遮断層を設けることなく、硬化時の酸素の影響が低減される新規な歯科用硬化性組成物に関する。
硬化性組成物は、重合性単量体と重合開始剤とを基本成分とし、この重合性単量体の重合反応によって硬化体を得る組成物である。重合性単量体がラジカル重合性である場合、重合工程が空気中で行われると、得られる硬化体の表面に未重合層が形成される。これは、硬化性組成物の表面においては、空気中の酸素と硬化性組成物中のラジカルとが結合して過酸化物ラジカルとなり、重合の進行を停止するからである。
得られる硬化体表面の未重合層の形成を抑制するために、窒素雰囲気下や水中で硬化させる方法、あるいは、酸素遮断材を用いて硬化性組成物表面に酸素遮断層を設けるなどして、空気との接触を断ち、硬化性組成物をラジカル重合させる方法が行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、アクリレート又はメタクリレート(以下、これらを「(メタ)アクリレート」のように表記する。)系重合性単量体をラジカル重合で硬化させる方法は、歯科用修復物の硬化方法として広く利用されている。このような歯科用修復物としては、歯科用セメント、歯科用接着材(ボンディング材)、コンポジットレジン、レジン歯科材料表面の滑沢性付与材、歯牙のマニキュア、義歯床用裏装材等が挙げられる。これらの歯科用修復物において、硬化体表面に未重合層が形成されていと、表面硬度や耐着色性の低下などの問題が引き起こされる。また、歯科用修復物を利用する歯牙の治療において、硬化体表面に未重合層が形成されていると、硬化体の研磨・研削を行う際に未重合層が研磨バーに絡みつくため、研磨性が低下するという問題も有している。
このような歯科用修復物を用いる歯科治療においては、硬化性組成物を口腔内で直接硬化させることが多い。水中や窒素雰因気下で硬化させ、未重合層の形成を抑制する方法を採る場合、硬化性組成物を一旦口腔内から取り出すことが必要となるが、この際に口腔内で形成した形状が変形し易い。また、酸素遮断層を形成するのが困難な症例は多くあり、さらにボンディング材などの粘性の低い材料には、酸素遮断材を利用することができない。このため、酸素遮断層を設けることなく、硬化時の酸素による重合阻害の影響を低減させる技術が求められている。
硬化時の酸素による重合阻害の影響を低減させる技術として、界面活性剤及び水を配合する硬化性組成物が既に提案されている(例えば、特許文献3〜5参照)。この硬化性組成物を用いる場合、ラジカル重合性単量体が硬化する際に、硬化性組成物の表面に界面活性剤と水との層が形成され、この界面活性剤と水とからなる層が酸素の侵入を抑制するため、表面の未重合層の形成量が大幅に低減される。しかし、上記硬化性組成物は、使用前(硬化前)に空気暴露されると界面活性剤が析出し、表面の未重合層の形成量を低減する効果が失われ易い。
また、食品、医薬品等の包装用途において、内容物の吸湿や酸化等による変質・劣化を抑制するために、変質・劣化の原因となるガスを遮断する方法として、ガスバリア性樹脂と無機層状化合物とを併用することが知られている(例えば、特許文献6参照)。これらの方法は、最終の包装形態におけるガスバリア性を付与する方法であり、硬化反応時のガスを遮断する方法ではない。
一方、歯科用途において、コンポジットレジン等にペースト性状を付与するために、無機フィラーを配合することが広く行われている(例えば、特許文献7〜10参照)。また、粉液型の義歯床用裏装材の任意成分として、鉱物を加えることができることが開示されている(例えば、特許文献11の段落〔0045〕)。しかし、如何なる鉱物をどのように配合すると高いガスバリア性を付与できるのかは明らかではない。
特開2000−128723号公報 特開2004−284969号公報 特開2006−291168号公報 特開2007−008972号公報 特開2007−063332号公報 特開2004−322601号公報 特開2009−013115号公報 特開2009−286782号公報 特開2003−146824号公報 特開2011−079785号公報 特開2000−312689号公報
本発明が解決しようとする課題は、酸素の存在する環境下で、酸素遮断材を用いなくても、得られる硬化体に表面未重合層をほとんど形成させない硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、硬化性組成物中に板状の形状を有するケイ酸塩鉱物を分散させると、通常用いられる充填材のみを配合する場合等と比較して、得られる硬化体の表面未重合層の形成量が大幅に低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明は以下に記載するものである。
〔1〕 (A)ラジカル重合性単量体と、
(A)ラジカル重合性単量体100質量部に対し、0.1〜10質量部の(B)板状型ケイ酸塩鉱物と、
有効量の(C)ラジカル重合開始剤と、
を含んで構成されることを特徴とする歯科用硬化性組成物。
〔2〕(A)ラジカル重合性単量体100質量部に対して50〜1500質量部の(D)充填材をさらに含む〔1〕記載の歯科用硬化性組成物。
〔3〕(B)板状型ケイ酸塩鉱物を含む粉材と、
(A)ラジカル重合性単量体を含む液材と、
から構成され、
前記粉材及び前記液材、又は前記粉材若しくは前記液材には(C)ラジカル重合開始剤が含有されてなり、
使用直前に前記粉材と前記液材とを練和して用いる〔1〕又は〔2〕記載の歯科用硬化性組成物。
〔4〕少なくとも表面の一部を、酸素を含む雰囲気に開放した状態で硬化させるものである〔1〕〜〔3〕記載の歯科用硬化性組成物。
〔5〕義歯床用硬質裏装材である〔1〕〜〔4〕記載の歯科用硬化性組成物。
〔6〕少なくとも(A)ラジカル重合性単量体と(C)ラジカル重合開始剤とを含む歯科用硬化性組成物に(B)板状型ケイ酸塩鉱物を配合することを特徴とする歯科用硬化性組成物の硬化体の表面未重合層の形成抑制方法。
本発明の硬化性組成物は、酸素が存在する環境下で、酸素遮断材を用いるなどの特別の手段を用いずに硬化させても、得られる硬化体に表面未重合層が形成されることを高度に抑制する。そのため、硬化体の表面硬度や耐着色性、研磨性が高い。
本発明の硬化性組成物は、界面活性剤を必須成分としないため、従来問題となっている界面活性剤の析出が生じない。
さらに、有機化処理された板状型ケイ酸塩鉱物を使用する場合、硬化性組成物に水を添加する必要がなく、吸水性や硬化体の強度等の機械的物性を損なうことが少ない。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の歯科用硬化性組成物(以下、「本硬化性組成物」ともいう)は、以下に説明する(A)ラジカル重合性単量体と、(B)板状型ケイ酸塩鉱物と、(C)ラジカル重合開始剤と、を含んでなる。本硬化性組成物には、以下に説明する(D)充填材が含有されることが好ましい。
〔(A)ラジカル重合性単量体〕
本硬化性組成物に配合されるラジカル重合性単量体としては、歯科用として使用可能なラジカル重合性単量体を特に制限なく使用することができる。このようなラジカル重合性単量体としては、(メタ)アクリル系の重合性単量体が一般的である。
代表的な(メタ)アクリル系重合性単量体を例示すれば、下記(I)〜(IV)に示されるものが挙げられる。
(I)単官能性単量体
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリレート、及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;
アクリル酸、メタクリル酸、p−メタクリロイルオキシ安息香酸、N−2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル−N−フェニルグリシン、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸及びその無水物、6−メタクリロイルオキシヘキサメチレンマロン酸、10−メタクリロイルオキシデカメチレンマロン酸、2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェート、10−メタクリロイルオキシデカメチレンジハイドロジェンフォスフェート、2−ヒドロキシエチルハイドロジェンフェニルフォスフォネート;
等の酸性基含有重合性単量体。
(II)二官能性単量体
(i)芳香族化合物系のもの
2,2−ビス(メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシジトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2−(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレート、あるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ジイソシアネートメチルベンゼン、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族基を有するジイソシアネート化合物と、の付加から得られるジアダクト等。
(ii)脂肪族化合物系のもの
モノエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、平均分子量400のポリエチレングリコールのジメタクリレート、平均分子量600のポリエチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ノナメチレンジオールメタクリレート、及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレート、あるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)のようなジイソシアネート化合物と、の付加から得られるジアダクト;
無水アクリル酸、無水メタクリル酸、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル、ジ(2−メタクリロイルオキシプロピル)フォスフェート;
等の酸性基含有重合性単量体。
(III)三官能性単量体
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレート等のメタクリレート及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等。
(IV)四官能性単量体
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジイソシアネートメチルベンゼン、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物と、グリシドールジメタクリレートと、の付加から得られるジアダクト等。
これらの重合性単量体は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。なお、本硬化性組成物においては、前記(メタ)アクリル系重合性単量体に加えて、重合の容易さ、粘度の調節、あるいはその他の物性の調節のために、上記(メタ)アクリル系重合性単量体以外の他の重合性単量体を混合して重合することも可能である。
これら他の重合性単量体を例示すると、フマル酸モノメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エステル類;
スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレンあるいはα−メチルスチレン誘導体;
ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレート、ジアリルジグリコールカーボネート等のアリル化合物;
等を挙げることができる。これら他の重合性単量体は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
〔(B)板状型ケイ酸塩鉱物〕
本硬化性組成物に配合される板状型ケイ酸塩鉱物は、ケイ酸塩からなる鉱物であり、SiO四面体が面状に結合しているケイ酸塩鉱物である。
具体的には、カオリナイト; ハロイ石; 蛇紋石; 珪ニッケル鉱; モンモリロナイトやヘクトライトのようなスメクタイト群; 葉ろう石; 滑石; 絹雲母やイライト、海緑石のような雲母群; 緑泥石群; 苦土蛭石; ガイロル石; オーケン石; 葡萄石; 魚眼石群; 珪孔雀石; 等が例示される。これらの中でも、表面未重合層の形成抑制効果の観点から、カオリナイト、スメクタイト群、滑石、雲母群、緑泥石群が好ましく、スメクタイト群が特に好ましく、モンモリロナイトが最も好ましい。これらは天然物であっても合成物であってもよく、不純物を含有していても良い。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
(B)板状型ケイ酸塩鉱物の配合量は、(A)ラジカル重合性単量体100質量部に対して0.1〜10質量部であり、0.5〜7質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。0.1質量部未満の場合、酸素の遮断性が十分ではなく、硬化体の表面に未重合層が形成されることを効果的に抑制できない。10質量部を超える場合、(A)ラジカル重合性単量体との馴染みが悪くなり分散性が低下して、曲げ強さ等の機械的物性が低下する。
(B)板状型ケイ酸塩鉱物の平均粒子径は、粒子の最大幅を真球の直径として計算する体積平均で0.1〜200μmが好ましく、0.5〜150μmがより好ましく、1〜100μmが特に好ましい。該平均粒子径とは、(B)板状型ケイ酸塩鉱物の一次粒子の平均粒子径を表す。該平均粒子径は、レーザー回折・散乱法による粒度分布測定装置を用いて測定される。平均粒子径が0.1μm未満の場合、酸素の遮断性が十分ではなく、硬化体の表面に未重合層が形成されることを効果的に抑制できない。200μmを超える場合、(A)ラジカル重合性単量体との馴染みが悪くなり分散性が低下して、曲げ強さ等の機械的物性が低下する。
本発明において、(B)板状型ケイ酸塩鉱物は、硬化性組成物中に分散される。この(B)板状型ケイ酸塩鉱物は、硬化性組成物の硬化時(即ち、ラジカル重合性単量体の重合時)において、硬化性組成物の表面からその内部に向かって酸素が拡散する際、酸素分子の直進移動を妨害する障害物となる。そのため、酸素分子は長い迂回路を通って硬化性組成物の表面からその内部へ移行することになり、酸素の透過深度は低下する(以下、この効果を「迷路効果」ともいう)。その結果、得られる硬化体に表面未重合層が形成されることが高度に抑制される。
(B)板状型ケイ酸塩鉱物は、その形状が板状である。本発明において(B)板状型ケイ酸塩鉱物の形状は、アスペクト比により示される。ここで、アスペクト比とは、無作為に抽出した板状粒子100個の最大幅の平均値を、厚さの平均値で割った値である。該(B)板状型ケイ酸塩鉱物の単位厚さと最大幅は、硬化性組成物を走査型電子顕微鏡(SEM)など顕微鏡で撮影した写真像上において、100個以上の(B)板状型ケイ酸塩鉱物を含む任意の領域を選択し、画像処理装置などを用いて像を画像化し計算機処理する方法や、写真から直接測り取る方法等により測定できる。(B)板状型ケイ酸塩鉱物のアスペクト比は、20〜40000であり、50〜20000であることが好ましく、100〜10000であることが特に好ましい。20未満である場合、上記迷路効果が小さい。40000を超える場合、曲げ強さ等の機械的物性が低下する。なお、板状型ケイ酸塩鉱物の厚さは、5〜10000nmが好ましく、7.5〜3000nmがより好ましく、10〜1000nmが特に好ましい。
これら(B)板状型ケイ酸塩鉱物は、歯科用硬化性組成物が硬化時に上記板状形状で分散していれば良い。このため該板状のものを直接に組成物に配合しても良いが、前記例示したような板状型ケイ酸塩鉱物は通常、劈開性であるため、前記板状体の積層体を配合し、配合後の混練操作によりこれを劈開させる態様で配合しても良い。このように積層体として配合する場合、その厚みは1〜1000μmであるのが一般的である。
該(B)板状型ケイ酸塩鉱物は、有機樹脂への分散性を改良する目的で、有機化処理されたものを用いることもできる。有機化処理された板状型ケイ酸塩鉱物を用いる場合、特許文献3〜5のように水を添加しなかったとしても、吸水性や硬化体の強度等の機械的物性を損なうことが少ない。このような有機化処理とは、有機物でイオン交換等の処理し、分散性等を改良したものであり、ジメチルジステアリルアンモニウム塩やトリメチルステアリルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩やフォスフォニウム塩、イミダゾリウム塩等を用いることができる。
〔(C)ラジカル重合開始剤〕
本硬化性組成物には、(A)ラジカル重合性単量体を重合させるための(C)ラジカル重合開始剤が配合される。(C)ラジカル重合開始剤としては、用いる(A)ラジカル重合性単量体の重合を開始して、硬化させることができるものであれば何ら制限なく使用可能であり、公知のラジカル重合開始剤が使用可能である。歯科分野で用いられるラジカル重合開始剤としては、化学重合開始剤(常温レドックス開始剤)、光重合開始剤、熱重合開始剤等があるが、口腔内で硬化させることを考慮すると、化学重合開始剤及び/又は光重合開始剤が好ましい。
化学重合開始剤は、2成分以上からなり、使用直前に全成分が混合されることにより、室温近辺で重合活性種を生じる重合開始剤である。このような化学重合開始剤としては、アミン化合物/有機過酸化物系のものが代表的である。
該アミン化合物を具体的に例示すると、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエタノール−p−トルイジンなどの芳香族アミン化合物が挙げられる。
有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリールパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネートに分類される有機過酸化物が好ましい。
より具体的には、ケトンパーオキサイド類としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシケタール類としては、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイド類としては、P−メタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3等が挙げられる。
ジアシルパーオキサイド類としては、イソブチリルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアリルパーオキサイド、スクシニックアシッドパーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド類が挙げられる。
パーオキシカーボネート類としては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
パーオキシエステル類としては、α,α−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート等が挙げられる。
また、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等も好適な有機過酸化物として使用できる。
使用する有機過酸化物は、適宜選択して使用すればよく、単独又は2種以上を組み合わせて用いても良い。中でもハイドロパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、パーオキシエステル類及びジアシルパーオキサイド類が重合活性の点から特に好ましい。さらにこの中でも、硬化性組成物とした時の保存安定性の点から10時間半減期温度が60℃以上の有機過酸化物を用いるのが好ましい。
該有機過酸化物と該アミン化合物からなる開始剤系にさらに、ベンゼンスルフィン酸やp−トルエンスルフィン酸及びその塩などのスルフィン酸を加えた系、5−ブチルバルビツール酸などのバルビツール酸系開始剤を加えた系も問題なく使用できる。
また、アリールボレート化合物が酸により分解してラジカルを生じることを利用した、アリールボレート化合物/酸性化合物系の重合開始剤を用いることもできる。
アリールボレート化合物は、分子中に少なくとも1個のホウ素−アリール結合を有する化合物であれば特に限定されず公知の化合物が使用できる。その中でも、保存安定性を考慮すると、1分子中に3個又は4個のホウ素−アリール結合を有するアリールボレート化合物を用いることが好ましく、さらには取扱いや合成・入手の容易さから4個のホウ素−アリール結合を有するアリールボレート化合物がより好ましい。
1分子中に3個のホウ素−アリール結合を有するボレート化合物として、モノアルキルトリフェニルホウ素、モノアルキルトリス(p−クロロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(p−フルオロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(3,5−ビストリフルオロメチル)フェニルホウ素、モノアルキルトリス[3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ホウ素、モノアルキルトリス(p−ニトロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(m−ニトロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(p−ブチルフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(m−ブチルフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(p−ブチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(m−ブチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(p−オクチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(m−オクチルオキシフェニル)ホウ素(ただし、いずれの化合物においてもアルキルはn−ブチル、n−オクチル又はn−ドデシルのいずれかを示す)の、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、トリブチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩又はブチルキノリニウム塩等を挙げることができる。
また、1分子中に4個のホウ素−アリール結合を有するボレート化合物として、テトラフェニルホウ素、テトラキス(p−クロロフェニル)ホウ素、テトラキス(p−フルオロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチル)フェニルホウ素、テトラキス[3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ホウ素、テトラキス(p−ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(m−ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(p−ブチルフェニル)ホウ素、テトラキス(m−ブチルフェニル)ホウ素、テトラキス(p−ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m−ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(p−オクチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m−オクチルオキシフェニル)ホウ素〔ただし、いずれの化合物においてもアルキルはn−ブチル、n−オクチル又はn−ドデシルのいずれかを示す〕の、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、トリブチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩又はブチルキノリニウム塩等を挙げることができる。
これらアリールボレート化合物は2種以上を併用しても良い。
上記の酸性化合物としては、酸性基含有ラジカル重合性単量体が好適に使用でき、1分子中に少なくとも1つの酸性基、又は当該酸性基の2つが脱水縮合した酸無水物構造、あるいは酸性基のヒドロキシル基がハロゲンに置換された酸ハロゲン化物基と、少なくとも1つのラジカル重合性不飽和基とを有する化合物であれば特に限定されず、公知の化合物を用いることができる。ここで酸性基とは、該基を有するラジカル重合性単量体の水溶液又は水懸濁液が酸性を呈す基を示す当該酸性基としては、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SOH)、ホスフィニコ基{=P(=O)OH}、ホスホノ基{−P(=O)(OH)}等、並びにこれらの基が酸無水物や酸ハロゲン化物等となったものが例示される。このような酸性基含有ラジカル重合性単量体の具体例としては、前記本発明におけるラジカル重合性単量体において例示した通りである。
また、このようなアリールボレート化合物/酸性化合物系の重合開始剤にさらに、有機過酸化物及び/又は遷移金属化合物を組み合わせて用いることも好適である。有機過酸化物としては前記した通りである。遷移金属化合物としては+IV価及び/又は+V価のバナジウム化合物が好適である。該+IV価及び/又は+V価のバナジウム化合物を具体的に例示すると、四酸化二バナジウム(IV)、酸化バナジウムアセチルアセトナート(IV)、シュウ酸バナジル(IV)、硫酸バナジル(IV)、オキソビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオネート)バナジウム(IV)、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)、五酸化バナジウム(V)、メタバナジン酸ナトリウム(V)、メタバナジン酸アンモン(V)、等のバナジウム化合物が挙げられる。
光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド誘導体;
ジアセチル、アセチルベンゾイル、ベンジル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、4,4’−ジメトキシベンジル、4,4’−オキシベンジル、カンファーキノン、9,10−フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等のα−ジケトン;
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル;
2,4−ジエトキシチオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導体;
ベンゾフェノン、p,p’−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;
が好適に使用される。
これらの光重合開始剤は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。上記光重合開始剤の中でも、重合活性の良さ、生体への為害性の少なさ等の点からα−ジケトン類が好ましい。また、α−ジケトンを用いる場合には、第3級アミン化合物と組み合わせて用いることが好ましい。α−ジケトンと組み合わせて用いることのできる第3級アミン化合物としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミルエステル、N,N−ジメチルアンスラニリックアシッドメチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p−ジメチルアミノフェネチルアルコール、p−ジメチルアミノスチルベン、N,N−ジメチル−3,5−キシリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2,2’−(n−ブチルイミノ)ジエタノール等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明において、上記ラジカル重合開始剤の配合量は、前記ラジカル重合性単量体を重合して、硬化性組成物を硬化させる量であれば特に限定されず、用いる重合開始剤やラジカル重合性単量体の種類に応じて、公知の配合量を適宜選択すればよい。一般的には、(A)ラジカル重合性単量体100質量部に対して、(C)ラジカル重合開始剤が0.01〜10質量部であり、0.05〜8質量部であることが好ましく、0.1〜6質量部であることがより好ましい。ただし、前記酸性基含有ラジカル重合性単量体のように、ラジカル重合性の化合物を重合開始剤の一成分として用いる場合には、該化合物以外の重合開始剤を構成する成分の量を上記範囲とすることが好ましい。
〔(D)充填剤〕
本硬化性組成物は、各種レジン系歯科材料表面の滑沢性付与、歯牙のマニキュア及び変色歯の補修等の目的で使用される表面滑沢材や接着材として用いることができるが、充填剤と組み合わることにより、より広範な用途に用いることができる。ここで、充填材としては、公知の有機充填材および無機充填材(前記(B)板状型ケイ酸塩鉱物に属するものは除く)が使用でき、有機充填剤と組み合わせた場合には、義歯の補修材料、義歯床用硬質裏装材、治療経過途中に一旦患者を帰してから治療を再開するまでの数日間、窩洞に充填される仮封材及び暫間的なクラウン、並びにブリッジの作製材料等として好適に使用される。また、無機充填剤と組み合わせた場合には、コンポジットレジン、硬質レジン、インレー、アンレー、クラウン等、歯科用修復材料として好適に使用される。
好適に使用できる代表的な充填剤を具体的に例示すれば、有機充填剤としてポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エチル共重合体、架橋型ポリメタクリル酸メチル、架橋型ポリメタクリル酸エチル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体等の高分子体粒子が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
また、代表的な無機充填剤を具体的に例示すれば、石英、シリカ、アルミナ、シリカチタニア、シリカジルコニア、ランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス等の無機物粒子が挙げられる。さらに無機充填剤の内、カチオン溶出性充填剤としては、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム等の水酸化物、酸化亜鉛、ケイ酸塩ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス等の酸化物が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
また、これら無機充填剤に重合性単量体を予め添加してペースト状にした後、重合させ、粉砕して得られる粒状の有機−無機複合充填剤を用いる場合もある。
これら充填剤の粒径は特に限定されず、一般的に歯科用材料として使用されている0.01μm〜100μmの平均粒子径の充填剤が目的に応じて適宜使用できる。また、充填剤の屈折率も特に限定されず、一般的な歯科用充填剤が有する1.4〜1.7の範囲のものが制限なく使用できる。
さらに、上記した充填剤の中でもとりわけ球状の無機充填剤を用いると、得られる硬化体の表面滑沢性が増し、優れた修復材料となり得る。
上記した無機充填剤は、シランカップリング剤に代表される表面処理剤で処理することが、重合性単量体とのなじみをよくし、機械的強度や耐水性を向上させる上で望ましい。表面処理の方法は公知の方法で行えばよく、シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が好適に用いられる。
これらの充填剤の割合は、使用目的に応じて、(A)ラジカル重合性単量体等と混合する時の粘度(操作性)や硬化体の機械的物性を考慮して適宜決定すればよいが、一般的には、(A)ラジカル重合性単量体100質量部に対して50〜1500質量部であり、70〜1000質量部であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、上記(A)ラジカル重合性単量体、(B)板状型ケイ酸塩鉱物、(C)ラジカル重合開始剤、及び必要に応じて配合される(D)充填剤などの任意成分が、使用時に均一に混合されて硬化される。ここで均一とは、全成分が交互に溶解した状態のみならず、乳濁した状態や、充填剤のような不溶性成分が分散した状態であってもよく、肉眼で相分離等が確認できない程度の均一さでよい。
本硬化性組成物は、通常4〜60℃で使用される。硬化時間は通常、化学重合型の場合は1〜30分であり、光重合型の場合3〜120秒である。
通常、歯科用硬化性組成物の表面の一部は、酸素を含む雰囲気に開放した状態で硬化させる。
また、保存安定性などを考慮して、使用直前まで2つ以上に分割して包装しておいてもよい。(A)ラジカル重合性単量体を含む液材と(B)板状型ケイ酸塩鉱物を含む粉材とを、使用直前に練和して用いる態様が例示される。粉材と液材の少なくとも一方には、(C)ラジカル重合開始剤が含有される。粉材には、(D)充填材が含有されることが好ましい。包装内は真空、又は不活性ガスで置換されていることが好ましい。
このような硬化性組成物は、公知の方法に従って製造されたものでよく、特に制限されるものではない。
本硬化性組成物には、さらに歯牙や歯肉の色調に合わせるため、顔料、蛍光顔料等の着色材料を配合したり、紫外線に対する変色防止のため紫外線吸収剤を添加したりしてもよい。また、保存安定性を向上させるために、重合禁止剤を配合することも好ましい。
また、本硬化性組成物は、義歯床用硬質裏装材などの歯科用途のみならず、一般工業にも利用できる。
次に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で使用した化合物とその略称を以下に示す。
[(A)ラジカル重合性単量体]
AAEM;アセトアセトキシエチルメタクリレート
Bis−GMA;2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル)プロパン
3G;トリエチレングリコールジメタクリレート
ND;1,9−ノナメチレンジオールジメタクリレート
HPr;2−メタクリロイルオキシエチルプロピオネート
[(B)板状型ケイ酸塩鉱物]
モンモリロナイト(0.1μm);平均粒子径0.12μm、有機化処理(ジメチルジステアリルアンモニウム塩)品、平均アスペクト比24の板状物(上記平均粒子径をほぼ維持)に劈開性の積層体
モンモリロナイト(0.5μm);平均粒子径0.51μm、有機化処理(ジメチルジステアリルアンモニウム塩)品、平均アスペクト比53の板状物(上記平均粒子径をほぼ維持)に劈開性の積層体
モンモリロナイト(1μm) ;平均粒子径1.3μm、有機化処理(トリメチルステアリルアンモニウム塩)品、平均アスペクト比112の板状物(上記平均粒子径をほぼ維持)に劈開性の積層体
モンモリロナイト(30μm) ;平均粒子径31μm、有機化処理(トリメチルステアリルアンモニウム塩)品、平均アスペクト比1940の板状物(上記平均粒子径をほぼ維持)に劈開性の積層体
モンモリロナイト(100μm);平均粒子径98μm、有機化処理(ジメチルジステアリルアンモニウム塩)品、平均アスペクト比9700の板状物(上記平均粒子径をほぼ維持)に劈開性の積層体
モンモリロナイト(150μm);平均粒子径148μm、有機化処理(ジメチルジステアリルアンモニウム塩)品、平均アスペクト比18800の板状物(上記平均粒子径をほぼ維持)に劈開性の積層体
モンモリロナイト(200μm);平均粒子径197μm、有機化処理(ジメチルジステアリルアンモニウム塩)品、平均アスペクト比36100の板状物(上記平均粒子径をほぼ維持)に劈開性の積層体
ヘクトライト;平均粒子径30μm、有機化処理(ジメチルジステアリルアンモニウム塩)品、平均アスペクト比1200の板状物(上記平均粒子径をほぼ維持)に劈開性の積層体
カオリナイト;平均粒子径30μm、有機化処理(ジメチルジステアリルアンモニウム塩)品、平均アスペクト比1310の板状物(上記平均粒子径をほぼ維持)に劈開性の積層体
滑石;平均粒子径27μm、有機化処理(ジメチルジステアリルアンモニウム塩)品、平均アスペクト比1100の板状物(上記平均粒子径をほぼ維持)に劈開性の積層体
絹雲母;平均粒子径41μm、有機化処理(ジメチルジステアリルアンモニウム塩)品、平均粒子径41μmで且つ平均アスペクト比1920の板状物(上記平均粒子径をほぼ維持)に劈開性の積層体
イライト;平均粒子径33μm、有機化処理(ジメチルジステアリルアンモニウム塩)品、平均アスペクト比1870の板状物(上記平均粒子径をほぼ維持)に劈開性の積層体
海緑石;平均粒子径35μm、有機化処理(ジメチルジステアリルアンモニウム塩)品、平均アスペクト比910の板状物(上記平均粒子径をほぼ維持)に劈開性の積層体
[比較ガスバリア性付与成分]
ZrO;球状ジルコニア粒子、平均粒子径38μm、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面処理品、平均アスペクト比1.0
25%SDSaq;25質量%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液
[(C)重合開始剤]
(有機過酸化物)
BPO;ベンゾイルパーオキサイド
パーオクタH;1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド
(アミン化合物)
DEPT;N,N−ジエタノール−p−トルイジン
DMBE;ジメチル安息香酸エチル
(α−ジケトン)
CQ;カンファーキノン
(アリールボレート化合物)
PhBTEOA;テトラフェニルホウ素トリエタノールアミン塩
(バナジウム化合物)
VOAA;酸化バナジウム(IV)アセチルアセトナート
[(D)充填剤]
D−1;ヒュームドシリカ(平均1次粒径15nm、比表面積120m/g、メチルトリクロロシラン処理)
PEMA;ポリエチルメタクリレート(平均粒子径30μm)
各実施例、比較例における各種物性の評価方法は以下の通りである。
(1)〔表面未重合量測定方法〕
直径5mm、厚さ1mmの孔を有するポリアセタール製の型に、硬化性組成物を填入し、37℃湿潤条件下恒温槽中で15分間放置し硬化させるか、若しくは可視光線照射器(トクヤマ社製、パワーライト)により光照射を30秒間行い硬化させた。その後、エタノールで未重合層を除去した。最初に填入した質量からエタノールで未重合部分を除去した後の硬化体の質量を引いたものを未重合量とし、表面積あたりの質量として求めた。
(2)〔曲げ強さ測定方法〕
幅4mm、厚さ2mm、長さが40mmの長方形の孔を有するポリアセタール製の型に、硬化性組成物を填入し、37℃湿潤条件下恒温槽中で15分間放置し硬化させるか、若しくは可視光線照射器(トクヤマ社製、パワーライト)により光照射を30秒間行い硬化させた。強度試験機(島津製作所社製、オートグラフ)によりクロスヘッド速度1mm/分、スパン距離15mmの条件で3点曲げ試験を行い曲げ強さを求めた。
(3)〔析出試験〕
液状の歯科用硬化性組成物が得られる、実施例1〜21および比較例1〜5について評価した。該硬化性組成物の液をラバーカップに採取し5分間静置した。5分後に析出物が液表面の3割を占有するか否か目視にて観察し、析出の有無を評価した。
○;析出物なし
×;析出物あり。
(実施例1)
ホモジナイザー(BRANSON社製 SONIFIER MODEL450)を用い100質量部のNDに、3質量部のモンモリロナイト(30μm)を分散させた後、2質量部のCQ、2質量部のDMBEを混合し、歯科用硬化性組成物を得た。この歯科用硬化性組成物について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて20000倍の倍率で硬化性組成物の写真を撮り、その単位視野内(100個以上)中の上記モンモリロナイトの分散状態を観察したところ、前記[(B)板状型ケイ酸塩鉱物]の項で説明したのと同じ板状体に劈開していることが確認できた。
次に、上記歯科用硬化性組成物に可視光線照射器(トクヤマ社製、パワーライト)により光照射を30秒間行い硬化させ、該硬化体を評価した。その結果、表面未重合量は8.9μg/mm、曲げ強さは81.8MPaであった。また、界面活性剤を配合していないので析出試験は○であった。
(実施例2〜21)
(A)ラジカル重合性単量体、(B)板状型ケイ酸塩化合物及び(C)重合開始剤の種類と配合量を表1に記載する通り変更した他は、実施例1と同様に硬化体を調製して評価した。なお、各硬化性組成物に分散する板状型ケイ酸塩鉱物が前記説明の板状体に劈開したものであることも夫々確認した。評価結果は、表1に記載した。
Figure 0005868127
(比較例1)
(B)板状型ケイ酸塩化合物を含まないように変更した他は、実施例1と同様に硬化体を調製して評価した。評価結果は、表面未重合量は130.2μg/mmに増大し、曲げ強さは80.3MPaであった。また、析出試験は○であった。
(比較例2)
(B)板状型ケイ酸塩化合物の配合量を0.03質量部に変更した他は、実施例1と同様に硬化体を調製して評価した。なお、硬化性組成物に分散する板状型ケイ酸塩鉱物が前記説明の板状体に劈開したものであることも確認した。評価結果は、表面未重合量は98.4μg/mmに増大し、曲げ強さは80.3MPaであった。また、析出試験は○であった。
(比較例3)
(B)板状型ケイ酸塩化合物の配合量を20質量部に変更した他は、実施例1と同様に硬化体を調製して評価した。なお、硬化性組成物に分散する板状型ケイ酸塩鉱物が前記説明の板状体に劈開したものであることも確認した。評価結果は、表面未重合量は7.8μg/mm、曲げ強さは64.2MPaに低下した。また、析出試験は○であった。
(比較例4)
(B)板状型ケイ酸塩化合物の種類を平均粒子径38μmの球状ジルコニア粒子に変更した他は、実施例1と同様に硬化体を調製して評価した。評価結果は、表面未重合量は65.2μg/mmに増大し、曲げ強さは80.9MPaであった。また、析出試験は○であった。
(比較例5)
(B)板状型ケイ酸塩化合物を配合するのに変えて、25質量%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液(25%SDSaq)を4質量部配合した他は、実施例1と同様に硬化体を調製して評価した。評価結果は、表面未重合量は8.7μg/mm、曲げ強さは78.4MPaであった。しかし、析出試験は×であった。
Figure 0005868127
(実施例22)
ホモジナイザーを用い60質量部のBis−GMAと40質量部の3G、3質量部のモンモリロナイト(0.5μm)を分散させた後、2質量部のCQ、2質量部のDMBE、400質量部のD−1を混合して硬化させ、該硬化体について、表面未重合量及び曲げ強さを評価した。なお、硬化性組成物に分散するモンモリロナイト(0.5μm)が前記説明の板状体に劈開したものであることも確認した。その結果、表面未重合量は5.5μg/mm、曲げ強さは130.2MPaであった。
(実施例23)
ホモジナイザーを用い100質量部の3Gと、1.5質量部のモンモリロナイト(0.1μm)を分散させ、3質量部のPhBTEOAとからなる液1を調製した。同様に、100質量部の3Gと、1.5質量部のモンモリロナイト(0.1μm)と、0.75質量部のパーオクタHとからなる液2を調製した。それぞれの液について、分散するモンモリロナイト(0.1μm)が前記説明の板状体に劈開したものであることを確認した。
液1と液2とを混合して硬化させ、該硬化体について、表面未重合量及び曲げ強さを評価した。その結果、表面未重合量は10.4μg/mm、曲げ強さは80.4MPaであった。
(実施例24)
1質量部のモンモリロナイト(30μm)と、2質量部のBPOと、200質量部のPEMAとからなる粉材を揺動ミキサー(アズワン社製 バリアブルミックスローター VMR−5)を用い2時間混合することにより調製した。この粉材について、分散するモンモリロナイト(30μm)が前記説明の板状体に劈開したものであることを確認した。
次に、50質量部のNDと50質量部のHPr、1質量部のDEPTからなる液材を調製した。粉材と液材とを質量比が1:1となるよう、へらを用いて混合して硬化させ、該硬化体について、表面未重合量及び曲げ強さを評価した。その結果、表面未重合量は6.3μg/mm、曲げ強さは134.3MPaであった。
(実施例25〜36)
(A)ラジカル重合性単量体、(B)板状型ケイ酸塩化合物及び(C)重合開始剤、(D)充填剤の種類と配合量を表3および表4に記載する通り変更した他は、実施例24と同様に硬化体を調製して評価した。なお、各粉材について、分散するモンモリロナイト(30μm)が前記説明の板状体に劈開したものであることを夫々確認した。評価結果は、表3および表4に記載した。
Figure 0005868127
Figure 0005868127

Claims (6)

  1. (A)ラジカル重合性単量体と、
    (A)ラジカル重合性単量体100質量部に対し、0.1〜10質量部の(B)板状型ケイ酸塩鉱物と、
    有効量の(C)ラジカル重合開始剤と、
    を含んで構成されることを特徴とする歯科用硬化性組成物。
  2. (A)ラジカル重合性単量体100質量部に対して50〜1500質量部の(D)充填材をさらに含む請求項1記載の歯科用硬化性組成物。
  3. (B)板状型ケイ酸塩鉱物を含む粉材と、
    (A)ラジカル重合性単量体を含む液材と、
    から構成され、
    前記粉材及び前記液材、又は前記粉材若しくは前記液材には(C)ラジカル重合開始剤が含有されてなり、
    使用直前に前記粉材と前記液材とを練和して用いる請求項1又は2記載の歯科用硬化性組成物。
  4. 少なくとも表面の一部を、酸素を含む雰囲気に開放した状態で硬化させるものである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の歯科用硬化性組成物。
  5. 義歯床用硬質裏装材である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の歯科用硬化性組成物。
  6. 少なくとも(A)ラジカル重合性単量体と(C)ラジカル重合開始剤とを含む歯科用硬化性組成物に(B)板状型ケイ酸塩鉱物を配合することを特徴とする歯科用硬化性組成物の硬化体の表面未重合層の形成抑制方法。
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