JP5842743B2 - 二軸延伸ポリプロピレンフィルム - Google Patents
二軸延伸ポリプロピレンフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5842743B2 JP5842743B2 JP2012135798A JP2012135798A JP5842743B2 JP 5842743 B2 JP5842743 B2 JP 5842743B2 JP 2012135798 A JP2012135798 A JP 2012135798A JP 2012135798 A JP2012135798 A JP 2012135798A JP 5842743 B2 JP5842743 B2 JP 5842743B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- resin
- layer
- biaxially stretched
- polypropylene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Description
熱安定性に優れたフィッシュアイ(微小異物)が少ないポリプロピレン保護フィルムとして、例えば、ポリプロピレン系樹脂にα−オレフィン共重合体エラストマーを含有し、特定の物性値を有している無延伸フィルムが提案されている(特許文献4)。また、特開2002−40667号公報(特許文献5)では、特定の表面を有するフォトレジスト用カバーフィルムが開示されており、さらには、特開2003−62954号公報(特許文献6)には、特定の範囲の表面を有しているオーバーラミネート用マットフィルムが開示されている。
(1)メルトフローレートが1.5g/10min以上6.0g/10min以下のポリプロピレン樹脂から形成された、
少なくとも一方の面の表面粗さが、
(a)中心線粗さ(Ra)で0.03〜0.10μm、
(b)最大高さ(Rmax)で0.3μm〜1.0μm、
であって、大きさ(長径)が50μm 以上のフィッシュアイの数が100個/m2 以下である層を有しており、厚さが5μm以上60μm以下であることを特徴とする、二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
(2)前記メルトフローレートが1.5g/10min以上6.0g/10min以下のポリプロピレン樹脂が、アイソタクチックメソペンタッド分率が93%以上のアイソタクチックポリプロピレンホモポリマーよりなることを特徴とする、上記(1)項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
(3)前記メルトフローレートが1.5g/10min以上6.0g/10min以下のポリプロピレン樹脂を、ろ過精度が10μm以下の焼結金属不織布フィルターを通過させて成形したキャスト原反シートから二軸延伸されてなることを特徴とする、上記(1)項又は(2)項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
(4)前記メルトフローレートが1.5g/10min以上6.0g/10min以下のポリプロピレン樹脂の灰分含有量が200ppm以下であることを特徴とする、上記(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
(5)前記メルトフローレートが1.5g/10min以上6.0g/10min以下のポリプロピレン樹脂層からなる両表層(スキン層)と、該両表層間に樹脂成分がポリプロピレン樹脂であるコア層を有する3層構成の二軸延伸フィルムよりなることを、上記(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
(6)前記樹脂成分がポリプロピレン樹脂であるコア層が、表層と同一のポリプロピレン樹脂を含有することを特徴とする、上記(5)項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
(7)前記樹脂成分がポリプロピレン樹脂であるコア層が、前記表層のメルトフローレートが1.5g/10min以上6.0g/10min以下のポリプロピレン樹脂と、メルトフローレートが該表層のポリプロピレン樹脂と異なるポリプロピレン樹脂とを樹脂成分として含有する層である、上記(5)項又は(6)項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
(8)前記コア層が無機物質の微粒子を含有する層である、上記(5)項〜(7)項のいずれか1項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
(9)前記無機物質の微粒子が、タルク、炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子である、上記(8)項に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
(a)中心線粗さ(Ra)で0.03〜0.10μm、
(b)最大高さ(Rmax)で0.3μm〜1.0μm、
であって、大きさ(長径)が50μm 以上のフィッシュアイの数が100個/m2 以下である層を有しており、厚さが5μm以上60μm以下であることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルムである。
RaやRmaxがある程度大きい値であると、巻き取り、巻き戻しなどの加工の際に、フィルム間に適度な空隙が生じるためフィルムが適度にすべり、ラミネートの際や、巻取りの際にシワが入りにくく、かつ横ズレも起こしにくくなる上、剥離性が良好となり好ましい。しかし、それらの値が大きすぎると、保護フィルム、剥離フィルムとして貼り合わせた場合、保護体との間に凹凸が転写されたり、大きな空隙が生じるため、ボイド、エアーボイドの発生原因となり好ましくない。逆に、表面粗さが低い値になりすぎると、フィルムが滑りにくく、ラミネートの際や、巻き加工の際にシワが発生しやすくなり、また、剥離もしにくくなるので、実用上不適といえる。
本発明における検討では、東京精密社製、表面粗さ・輪郭形状測定器 サーフコム 1400D型を用い、JIS−B0601・1982に定められている方法に準拠してRaおよびRmaxを求めた。
接触法(ダイヤモンド針等による触針式)、非接触法(レーザー光等による非接触検出)のどちらでも測定可能であるが、本発明における検討では、接触法により測定荷重750μNにて測定した。
さらに、大きさ(長径)が150μm 以上のフィッシュアイ(微小異物)の数は、全体に対する比率として5%以下とするのが好ましい。
ここでいうフィッシュアイ(微小異物)とは、材料樹脂を熱溶融し、押出成形、延伸を施し、フィルムを作製する際の材料中の異物、未溶融物、酸化劣化物等が、フィルム製品中に取り込まれたもののことである。
フィッシュアイの数が多いと、電子部品、電子基板や感光性材料の製造工程等に使用される保護フィルムとして貼り合せた際の異物汚染やボイド、エアーボイドの原因となるため、実用上不適といえる。
さらに、フィッシュアイ(微小異物)を低減する手段のもう一つとしては、押出機とTダイとの間に設置される、いわゆるポリマーフィルターに、高いろ過精度を有するフィルターを用いるのがよい。
また、フィルタータイプとしては、リーフディスクフィルター、キャンドルフィルター、パックフィルターなどを制限なく利用可能である。
中でも、本発明係るフィッシュアイ(微小異物)を低減したポリプロピレン樹脂の成形には、焼結金属不織布(ファイバー焼結体)を用いたリーフディスクタイプのフィルターが、差圧(圧力損失)も大きくならず、安定した吐出が得られる上、使用寿命も長いので、好ましく採用できる。
フィッシュアイ(微小異物)の大きさを計測する方法についても、一般に公知の技術を制限なく採用できるが、デジタルマイクロスコープ等の産業用光学顕微鏡を用い、画像をコンピューター等により解析する方法や、レーザー光を用いた非接触式表面形状測定機(レーザー顕微鏡)、あるいは、光干渉方式による非接触表面・層断面形状計測機、走査型電子顕微鏡等を用いて計測する方法などが好ましく採用できる。
フィッシュアイ(微小異物)の大きさは、長軸径(最大直径)を計測する。
本発明のフィルムは、高温核磁気共鳴(NMR)測定によって求められる立体規則性度であるメソペンタッド分率([mmmm])が93%以上であり、さらに好ましくは、93%以上97%以下である分子特性を有することを特徴とするコンデンサー用途に適した二軸延伸ポリプロピレンフィルムである。
測定モードは、シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は、9.1μsec(45°パルス)、パルス間隔5.5sec、積算回数4500回、シフト基準は、CH3(mmmm)=21.7ppmとされる。
前記メソペンタッド分率([mmmm])は、ポリプロピレン樹脂の重合条件や触媒の種類、触媒量など、適宜調整することによって、コントロールすることができる。
3層構成の場合、層Aと層Bの樹脂組成を変えてもよく、例えば、層Bのコア層を層Aのポリプロピレン樹脂に無機物質の微粒子のような核材を添加した(層Aより増量した)樹脂層とすることや、造核等の目的で、層Aのポリプロピレン樹脂に、メルトフローレートが層Aの樹脂と異なる樹脂を造核剤としてブレンドした樹脂層としてもよい。
核材としての無機物質の微粒子としては、タルク、炭酸カルシウム等が使用可能である。また、造核剤としての樹脂成分としては、長鎖分岐ポリマーや超高分子量ポリプロピレン樹脂等が使用できるが、表層Aのポリプロピレン樹脂とメルトフローレートが異なるポリプロピレン樹脂が好ましい。
多層とする場合の層構成に特に制期限はないが、層構成を層A/層B/層Aの構成の場合、フイルムの熱カール等の問題が無く、平面性に優れたフイルムとなるので好ましい。
また、スキン層の厚さ(層A×1/2)は、コア層の厚さに対し、2%〜20%であることが好ましく、より好ましくは2%〜10%である。
ミキサーや混練機にも特に制限は無く、また、混練機も、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプあるいは、それ以上の多軸スクリュータイプのいずれでもよく、さらに、2軸以上のスクリュータイプの場合、同方向回転、異方向回転のどちらの混練タイプでも構わない。
溶融混練された樹脂は、一般的に公知の造粒機を用いて、適当な大きさにペレタイズすることによって、混合ポリプロピレン樹脂組成物を得ることができる。
層A/層B/層Aのフィルムを得るためには、層A、層Bのそれぞれの樹脂を押出機内にて溶融混練して、前述のポリマーフィルターにより微小異物等を除去した後に樹脂の合流装置を用いて層Aと層Bとからなる3層の樹脂層を構成する。該合流装置としては、樹脂を口金前のポリマー管内で合流する方法、口金の樹脂導入部に設けられた積層ユニットで合流するフィードブロック法、口金内で拡幅後に両樹脂を積層するマニホールド積層法等が例示されるが特に限定されるものではない。マニホールド法が積層厚み精度の点では優れているが経済性も考慮の上で適宜選択することができる。
こうして得られたフィルムは、フィッシュアイ(微小異物)が少ないうえ、密着性・離型性に非常に優れているので、保護材フィルム、および/あるいは、その非シリコーン系セパレーターフィルムなどとして好適である。
また、実施例における特性値の測定方法及び効果の評価方法は以下の通りである。
(1)ポリプロピレン樹脂の230℃におけるメルトフローレート(MFR)
JIS K−7210(1999)により、ポリプロピレン樹脂の230℃におけるMFRを求めた。
ポリプロピレン樹脂を溶媒に溶解し、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT−NMR)を用いて、以下の条件で、アイソタクチックメソペンタッド分率([mmmm])を求めた。
測定機:日本電子株式会社製、高温FT−NMR JNM−ECP500
観測核:13C(125MHz)
測定温度:135℃
溶媒:オルト−ジクロロベンゼン〔ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(4/1)〕
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:9.1μsec(45°パルス)
パルス間隔:5.5sec
積算回数:4500回
シフト基準:CH3(mmmm)=21.7ppm
5連子(ペンタッド)の組み合わせ(mmmmやmrrmなど)に由来する各シグナルの強度積分値より、百分率(%)で算出した。mmmmやmrrmなどに由来する各シグナルの帰属に関し、例えば、「T.Hayashi et al.,Polymer,29巻,138頁(1988)」などのスペクトルの記載を参考とした。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの中心線平均粗さ(Ra)、および、最大高さ(Rmax)の測定は、東京精密社製、表面粗さ・輪郭形状測定器 サーフコム 1400D型を用い、JIS−B0601・1982に定められている方法に準拠して求めた。測定回数は3回行い、その平均値を評価に用いた。本評価では、接触法により測定し、測定荷重は750μNにて測定した。
フィッシュアイ(微小異物)の個数は、目視により、カウンターを使用して計測した。
大きさは、キーエンス社製、デジタルマイクロスコープVHX− 200/100F型を用い、目視で確認したフィッシュアイに対して、各々について適切な倍率で観察(反射光)し、計測ツールを用いて、フィッシュアイ(微小異物)の長軸径(最大直径)を計測した。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚さは、マイクロメーター(JIS−B7502)を用いて、JIS−C2151に準拠して測定した。
(6)機械特性
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの引張強さは、JIS−C2151に準拠して測定した。なお、測定方向は、MD(流れ方向)、およびTD(幅方向)とした。
(7)加熱収縮率
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの加熱収縮率は、JIS−C2151に準拠して測定した。なお、測定方向は、MD(流れ方向)、およびTD(幅方向)とした。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムに 日東電工(株)製ポリエステル粘着テープNO.31Bをローラーで貼付し、荷重:5g/mm2、温度:100℃の条件で30分エージングする。それを25mm幅にカットしてサンプルを作製した。得られたサンプルについて、目視にて密着状態(エアを含んでいないか等)と、手で引き剥がしたときの剥離状態を定性的に評価した。
○:密着状態が良くかつ剥離も軽い
×:密着状態が悪いおよび/あるいは剥離が重い
熱安定性、機械特性を維持しつつ、フィッシュアイ(微小異物)の低減、密着性・剥離性の改善が実現できているかを総合的に判断した。
○:向上した
×:従来と変わらないか、劣っていた
ポリプロピレン樹脂として、プライムポリマー社製 樹脂A(MFR=2.8g/10min、[mmmm]=93%、総灰分=25ppm)ペレットを準備した。
上記樹脂ペレットを、三菱重工社製 単軸押出機にホッパーから投入し、ろ過精度が10μmであり、ろ材が焼結金属不織布(ファイバー焼結体)の長瀬産業社製・ディスクフィルターを使用したポリマーフィルターを経由し、230℃にて単層ダイスからシートとして押出したのち、表面温度を60℃に調整した冷却ドラム上でエアナイフを用い空気圧で押しつけながら、冷却固化させて約2000μm厚のキャスト原反シートを得た。
続いて、該シートを金属ロールに接触させながら140℃に加熱後、周速差のあるロール間で曲がれ方向に約4.5倍延伸した。次いで、該一軸延伸フィルムをクリップに挟みながら熱風オーブン中に導入して、160℃に予熱した後に幅方向に約9倍延伸し、引き続き幅方向に5%の弛緩をしながら160℃で熱固定を行い、約50μm厚の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを連続的に得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、端部をトリミングした後、巻き取った。
得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムのフィルム厚さ、表面粗さ、フィッシュアイ評価、引張強さ、加熱収縮率、密着・剥離性を評価した。フィルムと評価結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂として、プライムポリマー社製 樹脂B(MFR=4.0g/10min、[mmmm]=94%、総灰分=25ppm)ペレットを準備した。
キャスト原反シートの厚さを約400μmに調整した以外は、実施例1と同様にして、厚さ10μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの評価結果を表1に示す。
スキン層Aのポリプロピレン樹脂として、プライムポリマー社製 樹脂A(MFR=2.8g/10min、[mmmm]=93%、総灰分=25ppm)ペレットを準備した。
また、コア層Bの樹脂として、前記プライムポリマー社製 ポリプロピレン樹脂A(MFR=2.8g/10min、[mmmm]=93%、総灰分=25ppm)ペレットを、添加樹脂として、サンアロマー社製 ポリプロピレン樹脂C(MFR=7.5g/10min、[mmmm]=93%、核剤としてタルク1000ppm配合)を準備した。ポリプロピレン樹脂Aペレットに、添加樹脂Cペレットを3質量%添加し、ドライブレンドを行った。得られたブレンド樹脂の総灰分は、80ppmであった。
次いで、上記混合ペレットを、コア層Bとして三菱重工社製 単軸押出機Iにホッパーから投入し、一方、スキン層Aとして、ポリプロピレン樹脂Aのみを直列に用意された三菱重工社製の押出機IIに導き、ろ過精度が10μmであり、ろ材が焼結金属不織布(ファイバー焼結体)の長瀬産業社製・ディスクフィルターを使用したポリマーフィルターを経由し、230℃にてマルチマニホールドダイから2種3層(層A/層B/層Aの構成)シートとして押出したのち、表面温度を60℃に調整した冷却ドラム上でエアナイフを用い空気圧で押しつけながら、冷却固化させて約1200μm厚のキャスト原反シートを得た。
続いて、該シートを金属ロールに接触させながら140℃に加熱後、周速差のあるロール間で曲がれ方向に約4.5倍延伸した。次いで、該一軸延伸フィルムをクリップに挟みながら熱風オーブン中に導入して、160℃に予熱した後に幅方向に約9倍延伸し、引き続き幅方向に5%の弛緩をしながら160℃で熱固定を行い、約30μm厚の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを連続的に得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、端部をトリミングした後、巻き取った。
得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの評価結果を表1に示す。
ろ過精度が20μmであり、ろ材が積層焼結金網の長瀬産業社製・ディスクフィルターを使用したポリマーフィルターを用い、キャスト原反シートの厚さを約1200μmに調整した以外は、実施例1と同様にして、厚さ30μmの二軸延伸ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの評価結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂として、プライムポリマー社製 樹脂D(MFR=5.5g/10min、[mmmm]=97%、総灰分=25ppm)ペレットを準備した。
冷却ドラムの表面温度を80℃に調整し、キャスト原反シートの厚さを約1200μmに調整した以外は、実施例1と同様にして、厚さ30μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの評価結果を表1に示す。
スキン層Aのポリプロピレン樹脂として、プライムポリマー社製 樹脂E(MFR=3.0g/10min、[mmmm]=92%、総灰分=25ppm)ペレットを準備した。
また、コア層Bの樹脂として、前記プライムポリマー社製、ポリプロピレン樹脂E(MFR=3.0g/10min、[mmmm]=92%、総灰分=25ppm)ペレットを、添加樹脂として、前記サンアロマー社製 ポリプロピレン樹脂C(MFR=7.5g/10min、[mmmm]=93%、核剤としてタルク1000ppm配合、)を準備した。ポリプロピレン樹脂Eペレットに、添加樹脂Cペレットを3質量%添加し、ドライブレンドを行った。得られたブレンド樹脂の総灰分は、80ppmであった。
ろ過精度が20μmであり、ろ材が積層焼結金網の長瀬産業社製・ディスクフィルターを使用したポリマーフィルターを用い、冷却ドラムの表面温度を30℃に調整した以外は、実施例3と同様にして、厚さ30μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムと評価結果を表1に示す。
しかしながら、ろ過精度が低いポリマーフィルターを使用した場合には、フィッシュアイ(微小異物)が低減できず(比較例1)、また、表面粗さが本発明に係る範囲より高い場合には、密着性に劣り実用に耐え得ないものであった(比較例2)。
さらに、その上、従来技術に基づく、ポリプロピレン樹脂のアイソタクチックメソペンタッド分率が低く、表面粗さも低いものの場合には、機械特性、熱安定性に劣る(高い加熱収縮率)上、剥離性能が悪いものであった。その上、ろ過精度が低いポリマーフィルターの使用のため、フィッシュアイ(微小異物)が低減できておらず、実用に耐え得るものではなかった(比較例3)。
Claims (3)
- メルトフローレートが1.5g/10min以上6.0g/10min以下のポリプロピレン樹脂から形成された、少なくとも一方の面の表面粗さが、
(a)中心線粗さ(Ra)で0.03〜0.10μm、
(b)最大高さ(Rmax)で0.3μm〜1.0μm、
であって、大きさ(長径)が50μm以上のフィッシュアイの数が100個/m2 以下である層からなる両表層(スキン層)と、
該両表層間に樹脂成分がポリプロピレン樹脂であるコア層を有する3層構成の二軸延伸フィルムであって、
厚さが5μm以上60μm以下であることを特徴とする、二軸延伸ポリプロピレンフィルム。 - 前記樹脂成分がポリプロピレン樹脂であるコア層が、表層と同一のポリプロピレン樹脂を含有することを特徴とする、請求項1に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
- 前記樹脂成分がポリプロピレン樹脂であるコア層が、前記表層のメルトフローレートが1.5g/10min以上6.0g/10min以下のポリプロピレン樹脂と、メルトフローレートが該表層のポリプロピレン樹脂と異なるポリプロピレン樹脂とを樹脂成分として含有する層である、請求項1又は2に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012135798A JP5842743B2 (ja) | 2012-06-15 | 2012-06-15 | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012135798A JP5842743B2 (ja) | 2012-06-15 | 2012-06-15 | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015115374A Division JP6217693B2 (ja) | 2015-06-08 | 2015-06-08 | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014001265A JP2014001265A (ja) | 2014-01-09 |
JP5842743B2 true JP5842743B2 (ja) | 2016-01-13 |
Family
ID=50034750
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012135798A Active JP5842743B2 (ja) | 2012-06-15 | 2012-06-15 | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5842743B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20170157803A1 (en) * | 2014-07-09 | 2017-06-08 | Toray Industries, Inc. | Polypropylene film and mold release film |
JP6369342B2 (ja) * | 2015-01-30 | 2018-08-08 | 王子ホールディングス株式会社 | 2軸延伸ポリプロピレンフィルム |
WO2017064909A1 (ja) * | 2015-10-13 | 2017-04-20 | 東レ株式会社 | 二軸配向ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルムおよびフィルムコンデンサ |
JP7461281B2 (ja) * | 2015-12-03 | 2024-04-03 | 三井化学東セロ株式会社 | プロセス用離型フィルム、その用途、及びそれを用いた樹脂封止半導体の製造方法 |
JP6976090B2 (ja) * | 2017-07-03 | 2021-12-08 | 積水成型工業株式会社 | 透明オレフィン系樹脂シート及びそれよりなるファイル |
JP6547876B2 (ja) * | 2018-05-25 | 2019-07-24 | 王子ホールディングス株式会社 | 2軸延伸ポリプロピレンフィルム |
JP7260264B2 (ja) * | 2018-08-16 | 2023-04-18 | 旭化成株式会社 | 感光性樹脂積層体、感光性樹脂積層体を用いたパターン製造方法及び装置 |
JP6687794B2 (ja) * | 2019-09-02 | 2020-04-28 | 富士フイルム株式会社 | 転写フィルム、静電容量型入力装置の電極保護膜、積層体および静電容量型入力装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11162779A (ja) * | 1997-11-27 | 1999-06-18 | Toray Ind Inc | コンデンサー用ポリプロピレンフィルム |
JP2001106804A (ja) * | 1999-10-12 | 2001-04-17 | Oji Paper Co Ltd | 両面蒸着用ポリプロピレンフィルム |
JP2002144504A (ja) * | 2000-09-04 | 2002-05-21 | Toray Ind Inc | ポリオレフィンフィルムおよび感光製版用フォトレジストカバーフィルム |
-
2012
- 2012-06-15 JP JP2012135798A patent/JP5842743B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014001265A (ja) | 2014-01-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5842743B2 (ja) | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP5924183B2 (ja) | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP6090137B2 (ja) | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP6512374B2 (ja) | 二軸配向ポリプロピレンフィルム | |
JP7205611B2 (ja) | 二軸配向ポリプロピレンフィルム | |
JP6237557B2 (ja) | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP6323285B2 (ja) | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP6217693B2 (ja) | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP6476844B2 (ja) | 二軸配向ポリプロピレンフィルム | |
CN116323181A (zh) | 聚丙烯膜、层合体、包装材料和捆包体 | |
JP6249044B2 (ja) | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP6787520B2 (ja) | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP6988981B2 (ja) | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP6741103B2 (ja) | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP6028661B2 (ja) | 自己粘着性二軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP2018031024A (ja) | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP6547876B2 (ja) | 2軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP6369342B2 (ja) | 2軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
JP6341049B2 (ja) | 二軸延伸フィルム | |
JP6962426B2 (ja) | ポリオレフィンフィルム、および離型用フィルム | |
WO2022210688A1 (ja) | ポリプロピレンフィルム | |
JP2024092920A (ja) | ポリプロピレンフィルムおよび離型用フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140708 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150304 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150414 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150608 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20150609 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151020 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151102 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5842743 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |