JP6547876B2 - 2軸延伸ポリプロピレンフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、透明度が高く、平滑性に優れた2軸延伸ポリプロピレンフィルムに関する。
2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、軽量性、熱的安定性、機械特性に優れているので、包装用や工業用材料フィルムとして広く用いられている。とりわけ、ポリプロピレンフィルムの低い表面エネルギーを利用して、非シリコーン系の保護材や離型材として、電子部品、電子基板の製造工程、繊維強化プラスチック等の熱硬化性樹脂部材の製造工程等に広く使用されている。近年、電子および感光性分野では、さらなる視認性および保護効果が要求されており、透明度および表面平滑性の向上が求められている。
従来、2軸延伸ポリプロピレンフィルムの透明度を向上させるために、結晶化核剤が用いられている。特許文献1には、特定の構造を有するアミド化合物をβ晶核剤としてポリプロピレンに所定量配合するβ晶系ポリプロピレン延伸フィルムの製造方法が提案されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法により得られるフィルムは、表面粗面化フィルムであり、平滑な表面を有するフィルムではない。
特許文献2には、シートまたはフィルム形成用ポリプロピレン樹脂組成物において、特定の構造を有するアミド系化合物を、造核作用を有する化合物として特定量用いることが提案されている。しかしながら、フィルムの製造の際に、フィルム表面に含まれる上記アミド化合物の脱落およびブリードアウトにより製造工程の汚染が発生することから、フィルムの生産性の低下が生じる。また、フィルムの表面には結晶化核剤による凹凸が生じることから、良好な平滑性は得られない。
特許文献3には、少なくとも400MPaの強度を有し、中心層(B)と1つまたは2つの別の層(A)とから実質的に構成され、中心層(B)に核形成剤が存在するAB型またはABA型の1軸延伸ポリオレフィン多層フィルムが提案されている。しかしながら、上記ポリオレフィン多層フィルムは、1軸延伸フィルムであるため2軸延伸フィルムと比べ高い透明度を有するものではない。
特許文献4には、特定の構造を有するアミド系化合物を造核剤として含有するα−オレフィン樹脂組成物からなる基材フィルムの片面に粘着剤層を積層してなる保護フィルムが提案されている。しかしながら、上記基材フィルムは、無延伸フィルムであるため透明度が低い。また、上記アミド系化合物がフィルム製造工程において脱落し、およびブリードアウトすることによりフィルム製造工程の汚染が発生するため、生産性の低下が生じる。
特許文献5には、結晶核剤を含む結晶性ポリプロピレン層とアンチブロッキング剤を含む結晶性ポリプロピレン層とからなる、少なくとも1軸以上に延伸された積層延伸フィルムが提案されている。しかしながら、アンチブロッキング剤を含む結晶性ポリプロピレン層が少なくとも一方の表面に存在するため、フィルム製造工程においてアンチブロッキング剤の脱落により工程の汚染が生じる。また、アンチブロッキング剤に起因してフィルム表面の良好な平滑性は得られない。
特開平06−64038号公報 特開2007−63484号公報 特開2010−517812号公報 特開2012−17417号明細書 特開平8−290536号明細書
本発明の目的は、高い透明度および平滑性を有し、フィルムの製造工程を汚染することがない2軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することである。
本発明者らは、2つの表面層Aの間に少なくとも1つの中間層Bを有し、前記表面層Aの少なくとも1つは、結晶化核剤およびアンチブロッキング剤の含有量が10ppm以下であり、前記少なくとも1つの中間層Bは結晶化核剤を含有し、少なくとも一方の面の表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)が0.03〜0.10μmであり、最大粗さ(Rmax)が0.3〜1.0μmである2軸延伸ポリプロピレンフィルムによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明には、以下のものが含まれる。
[1]2つの表面層Aの間に少なくとも1つの中間層Bを有する積層フィルムであって、前記表面層Aの少なくとも1つは、結晶化核剤およびアンチブロッキング剤の含有量が10ppm以下であり、前記少なくとも1つの中間層Bは結晶化核剤を含有し、少なくとも一方の面の表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)が0.03〜0.10μmであり、最大粗さ(Rmax)が0.3〜1.0μmである2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[2]前記少なくとも1つの中間層Bに含まれる結晶化核剤の含有量は、10〜1000ppmである、[1]に記載の2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[3]ASTM D 1746に準拠してフィルムのMD方向(流れ方向)およびTD方向(幅方向)について測定された透明度の最小値が60%以上である、[1]または[2]に記載の2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[4]MFRが1.5〜7.0g/10分である、[1]〜[3]のいずれかに記載の2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[5]灰分含有量が200ppm以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[6]前記表面層Aは、ポリプロピレン樹脂と該ポリプロピレン樹脂とは異なったポリオレフィン系樹脂とのブレンドから構成される、[1]〜[5]のいずれかに記載の2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[7]中間層Bに含まれる結晶化核剤は有機系結晶化核剤である、[1]〜[6]のいずれかに記載の2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
本発明によれば、表面層における結晶化核剤およびアンチブロッキング剤の含有量を10ppm以下とし、中間層に結晶化核剤を含ませることにより、平滑性に優れ、および透明度が高い2軸延伸ポリプロピレンフィルムを得ることができる。したがって、本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、電子部品、電子基板、感光性フィルムの保護フィルム、非シリコーンタイプの剥離フィルムや剥離ライナー、保護材のセパレーターフィルムとして好適に用いることができる。また、本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、結晶化核剤およびアンチブロッキング剤の脱落やブリードによる汚染を伴わずに製造することができる。
図1は、実施例1において得られた本発明の2軸延伸フィルムの表面の反射光による顕微鏡観察結果を示す。 図2は、実施例2において得られた本発明の2軸延伸フィルムの表面の反射光による顕微鏡観察結果を示す。 図3は、比較例1において得られた本発明によらない2軸延伸フィルムの表面の反射光による顕微鏡観察結果を示す。
本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、2つの表面層Aおよび結晶化核剤を含有する少なくとも1つの中間層Bから構成される積層ポリプロピレンフィルムである。
表面層Aおよび中間層Bは、ポリプロピレン樹脂から構成される。ポリプロピレン樹脂としては、プロピレンの単独重合体である結晶性のアイソタクチックポリプロピレン樹脂が好ましい。本発明では、結晶性のアイソタクチックポリプロピレン樹脂は、好ましくは高温核磁気共鳴(NMR)測定によって求められる立体規則性度であるメソペンタッド分率([mmmm])が93%以上であり、より好ましくは93%以上97%以下である。
メソペンタッド分率[mmmm]=93%以上であると、高い立体規則性成分により、樹脂の結晶性が向上し、高い熱安定性、機械特性が奏される。アイソタクチックメソペンタッド分率[mmmm]=93%未満であると、熱安定性、機械的耐熱性が劣る傾向にある。一方、メソペンタッド分率[mmmm]が余りに高いと、キャスト原反シート成形の際の固化(結晶化)の速度が余りに速くなり、シート成形用の金属ドラムからの剥離が発生し易くなり、延伸性が低下することがある。
前記メソペンタッド分率([mmmm])を測定するための高温NMR装置には、特に制限はなく、ポリオレフィン類の立体規則性度が測定可能な一般に市販されている高温型核磁気共鳴(NMR)装置、例えば、日本電子株式会社製、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT−NMR)、JNM−ECP500が利用可能である。観測核は、13C(125MHz)であり、測定温度は、135℃、溶媒には、オルト−ジクロロベンゼン(ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(混合比=4/1))が用いられる。高温NMRによる方法は、公知の方法、例えば、「日本分析化学・高分子分析研究懇談会編、新版 高分子分析ハンドブック、紀伊国屋書店、1995年、610頁」に記載の方法により行うことができる。
測定モードは、シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は、9.1μsec(45°パルス)、パルス間隔5.5sec、積算回数4500回、シフト基準は、CH(mmmm)=21.7ppmとされる。
立体規則性度を表すペンタッド分率は、同方向並びの連子「メソ(m)」と異方向の並びの連子「ラセモ(r)」の5連子(ペンタッド)の組み合わせ(mmmmやmrrmなど)に由来する各シグナルの強度積分値より百分率で算出される。mmmmやmrrmなどに由来する各シグナルの帰属に関し、例えば「T.Hayashi et al.,Polymer,29巻,138頁(1988)」などのスペクトルの記載が参照される。前記メソペンタッド分率([mmmm])は、ポリプロピレン樹脂の重合条件や触媒の種類、触媒量など、適宜調整することによって、コントロールすることができる。
プロピレンの単独重合体としては、公知の方法、例えばチタン、アルミニウム化合物からなるチーグラー触媒系を用い、炭化水素溶媒中プロピレンを重合する方法、液状プロピレン中で重合する方法(バルク重合)、気相で重合する方法などにより製造したものを用いてよく、市販されているものを用いてもよい。
また、表面層Aには、フィルムの剥離性を向上させるために、ポリプロピレン樹脂と、そのポリプロピレン樹脂とは異なったポリオレフィン系樹脂とのブレンドを用いることができる。他のポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキサンなどの重合体が挙げられる。しかしながら、本発明では、ポリプロピレン樹脂と他のポリオレフィン系樹脂とのブレンドを用いた場合、得られるフィルム表面の平滑性の観点からポリプロピレン単独重合品を用いるのが好ましい。
本発明では、230℃、2.16kgfでのメルトフローレート(MFR)が好ましくは1.0g/10分〜7.0g/10分、より好ましくは1.5g/10分〜6.0g/10分、さらに好ましくは2.0g/10分〜4.0g/10分であるポリプロピレン樹脂を用いることができる。メルトフローレートが1.0g/10分より低いポリプロピレン樹脂を用いた場合、樹脂流動性が著しく低下し、キャスト原反シートの厚みの制御が困難となり、延伸フィルムを幅方向に精度良く作製することができなくなるため、実用上好ましくない。また、メルトフローレートが7.0g/10分より高い場合、押し出し成形性に優れるが、得られるシートの力学特性の低下とともに延伸性が著しく低下し、2軸延伸成形ができなくなるという製造上の難点を生じるため、好ましくない。また、表面層Aおよび中間層Bにおいて、メルトフローレートの異なったポリプロピレン樹脂を用いることもできる。
表面層Aは、結晶化核剤およびアンチブロッキング剤の含有量が10ppm以下である。結晶化核剤およびアンチブロッキング剤の含有量が10ppmを超えると、2軸延伸フィルムの製造工程において、結晶化核剤およびアンチブロッキング剤の脱落による汚染やブリードアウトが生じ、連続的に製造することができなくなる場合や、2軸延伸フィルムにおいて平滑な表面が得られない場合がある。表面層Aにおける結晶化核剤およびアンチブロッキング剤の含有量は、好ましくは5.0ppm以下、より好ましくは0ppmである。
中間層Bに用いる結晶化核剤としては、従来から公知の結晶化核剤であれば特に制限されず、有機系結晶化核剤、無機系結晶化核剤および高分子系結晶化核剤等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機系結晶化核剤としては、例えば1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)等のアミド系結晶化核剤;ジベンジリデンソルビトール、ジメチルベンジリデンソルビトール等のソルビトール系結晶化核剤;p−tert−ブチル安息香酸ナトリウム、ジ安息香酸アルミニウム等の芳香族カルボン酸のアルカリ金属塩;アルミニウム塩、リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム等の芳香族リン酸エステルの金属塩等が挙げられ、これらの中でもアミド系結晶化核剤およびソルビトール系結晶化核剤が好ましい。アミド系結晶化核剤の代表的市販品としては、例えば新日本理化株式会社製リカクリアPC−1等が挙げられる。ソルビトール系結晶化核剤の代表的市販品としては、例えば大日精化工業株式会社製クリアマスター等が挙げられる。
無機系結晶化核剤としては、例えばタルク、マイカ、ナノクレイ、金属ウィスカー、炭素ウィスカー、ナノチューブ、ゼオライト、アルミナ、シリカ、アルミノケイ酸塩材料等が挙げられ、これらの中でもタルクが好ましい。
高分子系結晶化核剤としては、例えばポリシクロヘキセン、ポリシクロペンテン、ポリシクロブテン等の環状オレフィン重合体、ポリビニルシクロヘキサン等の環状構造が側鎖に存在する分岐型環状重合体、ポリ3−メチル−1−ブテン、ポリ3−メチル−1−ペンテン、ポリ3−エチル−1−ペンテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等の炭素数3以上の分岐オレフィン重合体、ポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素重合体等が挙げられる。
本発明では、得られるフィルムにおいて良好な平滑性および透明度が得られることから有機系結晶化核剤および無機系結晶化核剤が好ましく、ポリマーフィルターを用いた場合にフィルター内に堆積し難いことから有機系結晶化核剤がより好ましい。
中間層Bにおける結晶化核剤の含有量は、好ましくは10〜1000ppmである。また、有機系結晶化核剤は100〜1000ppm、無機系結晶化核剤は10〜100ppmの含有量で中間層Bにおいて用いることができる。中間層Bの結晶化核剤の含有量が上記範囲内であれば、高い透明度を有する2軸延伸ポリプロピレンフィルムが得られるため好ましい。
中間層Bは、好ましくは、ポリプロピレン樹脂と結晶化核剤とを混合することにより得られるポリプロピレン樹脂組成物から構成する。混合方法としては、特に制限はないが、ポリプロピレン樹脂の重合粉あるいはペレットと結晶化核剤とを、ミキサー等を用いてドライブレンドする方法や、ポリプロピレン樹脂と結晶化核剤を、混練機に供給し、溶融混練してブレンド樹脂を得る方法などがあるが、いずれでも構わない。ミキサーや混練機にも特に制限は無く、また、混練機も、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプあるいは、それ以上の多軸スクリュータイプのいずれでもよく、さらに、2軸以上のスクリュータイプの場合、同方向回転、異方向回転のどちらの混練タイプでも構わない。
溶融混練によるブレンドの場合は、良好な混練さえ得られれば、混練温度にも特に制限はないが、一般的には、200℃から300℃の範囲であり、230℃から270℃が好ましい。あまり高い混練温度は、樹脂の劣化を招くので好ましくない。樹脂の混練混合の際の劣化を抑制するため、混練機に窒素などの不活性ガスをパージしても構わない。溶融混練された樹脂は、一般的に公知の造粒機を用いて、適当な大きさにペレタイズすることによって、混合ポリプロピレン樹脂組成物を得ることができる。
上記ポリプロピレン樹脂およびポリプロピレン樹脂組成物から、従来公知の方法を用いて本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造することができる。例えば、層A/層B/層Aの3層の層構成の場合、まず、表面層Aを構成するポリプロピレン樹脂および中間層Bを構成するポリプロピレン樹脂組成物をそれぞれ、230〜270℃にて押出機内で溶融し、樹脂の合流装置を用いて層Aと層Bとからなる3層の樹脂層を構成する。次いで層A/層B/層Aからなる積層シートを、30〜90℃にコントロールした少なくとも1個以上の金属ドラム上にエアーナイフにより密着させ、シート状に成形させることによりキャスト原反シートとする。その後、キャスト原反シートに2軸延伸を施すことにより、本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムが得られる。
上記合流装置としては、樹脂を口金前のポリマー管内で合流する方法、口金の樹脂導入部に設けられた積層ユニットで合流するフィードブロック法、口金内で拡幅後に両樹脂を積層するマニホールド積層法等が例示されるが特に限定されるものではない。マニホールド法が積層厚み精度の点では優れているが経済性も考慮の上で適宜選択することができる。
多層とする場合の層構成に特に制期限はないが、層構成を層A/層B/層Aの構成の場合、フィルムの熱カール等の問題が無く、平面性に優れたフィルムとなるので好ましい。また、表面層Aの厚み(層A×1/2)は、中間層Bの厚みに対し、2%〜20%であることが好ましく、より好ましくは2%〜10%である。
また、ポリプロピレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂組成物は、押出機内にて溶融混練した後、押出機と合流装置との間に設置したポリマーフィルターにより微小異物等を除去することができる。これにより、フィッシュアイ(微小異物)を低減することができる。ポリマーフィルターとしては、高いろ過精度を有するフィルターを用いるのがよい。
ろ過精度としては、10μm(98%カットサイズ)以下と小さくするのが良く、好ましくは、5μm以下とするのがよい。精度を高く(サイズを小さく)し過ぎる(例えば、1μm以下)と、フィッシュアイ(微小異物)の除去率は高くなるが、ポリマーフィルターの入出の樹脂差圧が大きくなり過ぎて、押出成形(キャスト原反作製)の際の生産(樹脂吐出)が不安定となりやすく、実用上、好ましくない。一方、ろ過精度を、10μmより大きくする(精度を低くする)と、フィルターの目が大きくなるため、フィッシュアイ(微小異物)の除去率が悪くなり、本発明の目的とするフィッシュアイ(微小異物)の低減を図ることが出来ず、好ましくない。
ポリマーフィルターの使用ろ材としては、一般に公知のろ材を制限なく利用可能である。そのようなろ材としては、例えば、焼結金属不織布(ファイバー焼結体)や、積層焼結金網、パウダー焼結体などを挙げることができる。また、フィルタータイプとしては、リーフディスクフィルター、キャンドルフィルター、パックフィルターなどを制限なく利用可能である。中でも、本発明係るフィッシュアイ(微小異物)を低減したポリプロピレン樹脂の成形には、焼結金属不織布(ファイバー焼結体)を用いたリーフディスクタイプのフィルターが、差圧(圧力損失)も大きくならず、安定した吐出が得られる上、使用寿命も長いので、好ましく採用できる。
本発明のフィルムを得るための2軸延伸法としては、厚み斑および平面性が良好であるテンター法が好ましい。テンター法でも更に同時2軸延伸法と逐次2軸延伸法とがあるが、どちらの方法をとってもよい。以下、逐次2軸延伸法により本発明フィルムを得る方法を説明するが、これに限定されるものではない。
逐次2軸延伸方法としては、まずキャスト原反シートを100〜160℃の温度に保ち、速度差を設けたロール間に通してMD方向(流れ方向)に4〜5倍に延伸する。引き続き、当該延伸フィルムをテンターに導いて160℃以上の温度でTD方向(幅方向)に8〜10倍に延伸した後、緩和、熱固定を施し巻き取る。巻き取られたフィルムは、20〜45℃程度の雰囲気中でエージング処理を施された後、所望の製品幅に断裁することができる。このような延伸工程によって、機械的強度、剛性に優れた延伸フィルムとなる。
また、本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムには、ポリプロピレン樹脂およびポリプロピレン樹脂組成物の化学的な安定性を付与する目的で、熱安定剤、酸化防止剤を添加してもよい。具体的には、フェノール系、ヒンダードアミン系、フォスファイト系、ラクトン系、トコフェロール系の熱安定剤や酸化防止剤が例示される。さらに具体的には、ジブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株):「Irganox(登録商標)1010」)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシ)ベンゼン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株):「Irganox(登録商標)1330」)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株):「Irgafos(登録商標)168」)が挙げられる。この中で、フェノール系酸化防止剤系から選ばれた少なくとも1種あるいはそれらの組み合わせ、あるいはフェノール系とフォスファイト系との組み合わせ、及び、フェノール系とラクトン系、フェノール系とフォスファイト系とラクトン系の組み合わせが、ポリプロピレン樹脂の化学的な安定性を付与する観点から好ましい。
さらに、本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムには、本発明の目的に反しない範囲で、有機および/あるいは無機のすべり剤、塩素捕獲剤、帯電防止剤を含有させてもよい。すべり剤としては、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等脂肪族アミド、ラウリル酸ジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミン、脂肪族モノグリセライド、脂肪族ジグリセライド、シリカ、アルミナ、シリコーン架橋ポリマー等が例示される。塩素捕獲剤としては、ステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイト等が例示される。また、帯電防止剤としては、アルキルメチルジベタイン、アルキルアミンジエタノール及び/又はアルキルアミンエタノールエステル及び/又はアルキルアミンジエタノールジエステル等が例示される。
このようにして得られた本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、少なくとも一方の面の表面粗さが、中心線平均粗さ(Ra)において0.03〜0.10μmであり、最大粗さ(Rmax)において0.3〜1.0μmである。RaやRmaxが上記範囲内であると、2軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面が平滑となり、保護フィルム、剥離フィルムとして貼り合わせた場合、保護体との間に凹凸が生じにくく、ボイド、エアーボイドの発生を良好に抑制することができる。また、ラミネートの際や巻取りの際にシワや横ズレが生じにくく、剥離性も得られる。
本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、少なくとも一方の面の表面粗さが、好ましくは中心線平均粗さ(Ra)において0.03〜0.09μm、最大粗さ(Rmax)において0.3〜0.9μmであり、より好ましくは中心線平均粗さ(Ra)において0.03〜0.08μm、最大粗さ(Rmax)において0.3〜0.8μmである。
RaおよびRmaxの測定は、例えばJIS−B0601等に定められている方法によって、一般的に広く使用されている触針式あるいは非接触式表面粗さ計などを用いて測定される。使用できる装置のメーカーや型式には何ら制限はない。本発明における検討では、東京精密社製、表面粗さ・輪郭形状測定器 サーフコム 1400D型を用い、JIS−B0601(1982)に定められている方法に準拠してRaおよびRmaxを求めた。接触法(ダイヤモンド針等による触針式)、非接触法(レーザー光等による非接触検出)のどちらでも測定可能であるが、本発明における検討では、接触法により測定荷重750μNにて測定した。
本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、フィルムのMD方向(流れ方向)およびTD方向(幅方向)について測定された透明度の最小値が好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは70%以上である。透明度が60%以上であれば、被着体に貼り合わされている状態を視認することができるため好ましい。
本発明では、透明度は、ASTM D 1746に準拠して測定される値のことであり、例えば株式会社村上色彩技術研究所製透明度測定器(クラリティメーター)TM−1D型を用いて測定することができる。
本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、230℃、2.16kgfでのメルトフローレート(MFR)が好ましくは1.5g/10分〜7.0g/10分、より好ましくは2.0g/10分〜6.0g/10分、さらに好ましくは2.5g/10分〜5.0g/10分である。メルトフローレートが1.5g/10分より低い場合、樹脂流動性が著しく低下し、キャスト原反シートの厚みの制御が困難となり、延伸フィルムを幅方向に精度良く作製することができなくなるため、実用上好ましくない。また、メルトフローレートが7.0g/10分より高い場合、押し出し成形性に優れるが、得られるシートの力学特性の低下とともに延伸性が著しく低下し、2軸延伸成形ができなくなるという製造上の難点を生じるため好ましくない。
本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、フィッシュアイ(微小異物)の低減の観点から、重合触媒残渣等に起因する灰分含有量が少ない方が好ましく、200ppm以下がよく、100ppm以下である。灰分含有量を200ppm以下とすることにより、微小異物が顕著に低減され、電子部品用途に用いた際の汚染を低減できるため好ましい。
本発明では、フィッシュアイ(微小異物)とは、材料樹脂を熱溶融し、押出成形、延伸を施し、フィルムを作製する際の材料中の異物、未溶融物、酸化劣化物等が、フィルム製品中に取り込まれたもののことである。フィッシュアイの数が多いと、電子部品、電子基板や感光性材料の製造工程等に使用される保護フィルムとして貼り合せた際の異物汚染やボイド、エアーボイドの原因となるため、実用上不適といえる。
本発明のフィルムの厚みは5μm以上60μm以下であることが好ましく、より好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは20〜50μmである。フィルムの厚みが5μm未満であると、保護フィルムや剥離材等の用途に適さず好ましくない。また、フィルムの厚みが60μmを超えると、均一に延伸することができず、実用に耐えないフィルムとなる場合がある。
本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、透明度が高く、平滑性に優れているので、電子部品、電子基板、感光性フィルムの保護フィルム、非シリコーンタイプの剥離フィルムや剥離ライナー、保護材のセパレーターフィルムなどとして好適である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[透明度]
2軸延伸ポリプロピレンフィルムの透明度を村上色彩技術研究所製透明度測定器(クラリティメーター)TM−1D型を用い、測定を行った。測定方法は、ASTM D 1746に準拠して、サンプルを5cm×5cmに切り出し、サンプルホルダーに取り付け、サンプルホルダーを回転させた状態で行った。測定方向はMD方向(流れ方向)およびTD方向(幅方向)についてそれぞれ3回測定を行い、その最小値を評価に用いた。
[表面粗さ(平滑性)]
2軸延伸ポリプロピレンフィルムの中心線平均粗さ(Ra)および最大粗さ(Rmax)の測定は、東京精密社製、表面粗さ・輪郭形状測定器サーフコム1400D型を用い、JIS−B0601(1982)に従う方法に準拠して求めた。測定は5回行い、その平均値を評価に用いた。本発明では、接触法により荷重750μNにて測定した。
[表面状態]
2軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面状態をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−2000型を用いて観察を行った。反射光により100倍にて観察を行った。
[フィルム厚み]
2軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みは、シチズン精密社製マイクロ厚み計MEI−11(JIS−B7502)を用いて、JIS−P8118に準拠して測定した。
[生産性]
キャストシートを流れ方向に延伸する金属ロール群に通し、所定の延伸倍率とした2時間後、この金属ロール群の汚れの有無を調べ、生産性の指標とした。
○:汚れなし、連続生産可能。
×:汚れあり、連続生産不可能。
[灰分含有量]
2軸延伸ポリプロピレンフィルムの灰分含有量はJIS−K 7250−1(2006)に準拠して測定した。
[MFR]
2軸延伸ポリプロピレンフィルムのMFRは、JIS−K 7210(1999)に準拠して測定した。測定条件は230℃、2.16kgfにて行った。測定は3回行い、その平均値を評価に用いた。
〔実施例1〕
ポリプロピレン樹脂として、プライムポリマー社製ポリプロピレン樹脂A(MFR=2.8g/10分)のペレットを準備した。上記樹脂ペレットにサンアロマー社製ポリプロピレン樹脂B(MFR=7.5g/10分、結晶化核剤としてタルク1000ppm配合)を1.5質量%添加し、ドライブレンドを行うことにより得られたポリプロピレン樹脂組成物を中間層用原料とした。表面層には前記プライムポリマー社製ポリプロピレン樹脂Aのみとした。
中間層のために上記中間層用原料を単軸押出機Iにホッパーから投入した。
表面層のために上記ポリプロピレン樹脂Aを押出機IIにホッパーから投入した。
全ての層の樹脂はポリマーフィルターを経由し、230℃にてマルチマニホールドダイから2種3層(層A/層B/層Aの構成)シートとして押出した後、表面温度を60℃に調節した冷却ドラム上にエアーナイフにより空気圧で押し付けながら、冷却固化させてキャスト原反シートを得た。
続いて、該キャストシートを金属ロールに接触させながら140℃に加熱後、周速差のあるロール間で流れ方向に約4.5倍に延伸した。次いで、得られた一軸延伸フィルムをクリップに挟みながら熱風オーブン中に導入して、180℃に予熱した後に幅方向に約9倍に延伸し、引き続き幅方向に5%の弛緩を施しながら170℃にて熱固定を行い、約30μm厚の2軸延伸ポリプロピレンフィルムを連続的に得た。得られた2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、端部をトリミングした後、巻き取った。
得られた2軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面粗さ、透明度、厚み、メルトフローレート、灰分含有量を評価した。フィルムと評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
ポリプロピレン樹脂として、プライムポリマー社製ポリプロピレン樹脂A(MFR=2.8g/10分)のペレットを準備した。上記樹脂ペレットに、結晶化核剤(新日本理化製リカクリアPC−1;アミド系結晶化核剤)を2.5%含有するポリプロピレンマスターバッチを0.8質量%添加し、ドライブレンドを行い、中間層用原料とした。
中間層原料以外は実施例1と同様にして厚み30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた2軸延伸ポリプロピレンフィルムの評価結果を表1に示す。
〔実施例3〕
ポリプロピレン樹脂として、プライムポリマー社製ポリプロピレン樹脂A(MFR=2.8g/10分)のペレットを準備した。上記樹脂ペレットに、結晶化核剤(大日精化製クリアマスター;ソルビトール系結晶化核剤)を10%含有するポリプロピレンマスターバッチを1.0%質量%添加し、ドライブレンドを行い、中間層用原料とした。
中間層原料以外は実施例1と同様にして厚み30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた2軸延伸ポリプロピレンフィルムの評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
ポリプロピレン樹脂として、プライムポリマー社製ポリプロピレン樹脂A(MFR=2.8g/10分)のペレットを準備した。上記樹脂ペレットは、結晶化核剤を添加せずに中間層用原料とした。
中間層原料以外は実施例1と同様にして厚み30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた2軸延伸ポリプロピレンフィルムの評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
ポリプロピレン樹脂として、プライムポリマー社製ポリプロピレン樹脂A(MFR=2.8g/10分)のペレットを準備した。上記樹脂ペレットに、サンアロマー社製ポリプロピレン樹脂B(MFR=7.5g/10分、結晶化核剤としてタルク1000ppm配合)を1.5質量%添加し、ドライブレンドを行うことにより得られた樹脂組成物を、中間層用原料および表面層用原料とした。
原料以外は実施例1と同様にして厚み30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた2軸延伸ポリプロピレンフィルムの評価結果を表1に示す。
〔比較例3〕
ポリプロピレン樹脂として、プライムポリマー社製ポリプロピレン樹脂A(MFR=2.8g/10分)のペレットを準備した。上記樹脂ペレットに、結晶化核剤(新日本理化製リカクリアPC−1;アミド系結晶化核剤)を2.5%含有するポリプロピレンマスターバッチを0.8質量%添加し、ドライブレンドを行うことにより得られた樹脂組成物を、中間層用および表面層用原料とした。
原料以外は実施例1同様にして厚み30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた2軸延伸ポリプロピレンフィルムの評価結果を表1に示す。
〔比較例4〕
ポリプロピレン樹脂として、プライムポリマー社製ポリプロピレン樹脂A(MFR=2.8g/10分)のペレットを準備した。上記樹脂ペレットに、結晶化核剤(大日精化製クリアマスター;ソルビトール系結晶化核剤)を10%含有するポリプロピレンマスターバッチを1.0質量%添加し、ドライブレンドを行うことにより得られた樹脂組成物を、中間層用および表面層用原料とした。
原料以外は実施例1同様にして厚み30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた2軸延伸ポリプロピレンフィルムの評価結果を表1に示す。
表1に示される通り、実施例1〜3の本発明による2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、中間層にのみ結晶化核剤を含有することで、生産性を損なうこと無く、優れた透明度および平滑性を有するものであった。
しかしながら、結晶化核剤を添加しない場合には、透明度、表面性を低減することができず(比較例1)、実用に耐えないものであった。また、比較例2〜4の結果から明らかな通り、中間層のみではなく、表面層にも結晶化核剤を含有する場合には、延伸する金属ロール群に付着する汚れが目視で確認でき、生産されたフィルムにも金属ロール群に付着した汚れによる傷や異物を確認することができ、実用に耐えないものであった。
また、図1〜図3から、本発明による2軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面(図1および図2)は、本発明によらない2軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面(図3)よりフィルム表面の平滑性が向上していることがわかる。
このように、本発明の2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、電子部品、電子基板、感光性フィルムの保護フィルム、非シリコーンタイプの剥離フィルムや剥離ライナー、保護材のセパレーターフィルムとして極めて好適なものであることが理解される。

Claims (7)

  1. 2つの表面層Aの間に少なくとも1つの中間層Bを有する積層フィルムであって、
    前記表面層Aの少なくとも1つは、結晶化核剤およびアンチブロッキング剤の含有量が10ppm以下であり、
    前記少なくとも1つの中間層Bは無機系結晶化核剤を15ppm以下含有し、
    少なくとも一方の面の表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)が0.03〜0.10μmであり、最大粗さ(Rmax)が0.3〜1.0μmである、2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  2. 前記少なくとも1つの中間層Bに含まれる前記無機系結晶化核剤の含有量は、10〜15ppmである、請求項1に記載の2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  3. ASTM D 1746に準拠してフィルムのMD方向(流れ方向)およびTD方向(幅方向)について測定された透明度の最小値が60%以上である、請求項1または2に記載の2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  4. MFRが1.5〜7.0g/10分である、請求項1〜3のいずれかに記載の2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  5. 灰分含有量が200ppm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  6. 前記表面層Aは、ポリプロピレン樹脂と該ポリプロピレン樹脂とは異なったポリオレフィン系樹脂とのブレンドから構成される、請求項1〜5のいずれかに記載の2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  7. 前記中間層Bに含まれる前記無機系結晶化核剤はタルクである、請求項1〜6のいずれかに記載の2軸延伸ポリプロピレンフィルム。
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