JP2017125184A - ポリプロピレンフィルムおよび離型用フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】ハンドリング性、生産性、意匠性に優れたポリプロピレンフィルムおよび離型用フィルムを提供すること。【解決手段】少なくとも片面の十点平均粗さSRzが5μm以上であり、長手方向のヤング率EMDと幅方向のヤング率ETDのうち少なくとも一方向のヤング率が1.1GPa以上であるポリプロピレンフィルムとする。【選択図】なし
Description
本発明は、意匠性、ハンドリング性、生産性に優れた、離型用フィルムとして好適に用いることのできるポリプロピレンフィルムに関する。
ポリプロピレンフィルムは、透明性、機械特性、電気特性等に優れるため、包装用途、離型用途、テープ用途、ケーブルラッピングやコンデンサをはじめとする電気用途等の様々な用途に用いられている。特に、ポリプロピレンフィルムは表面の離型性や機械特性に優れることから、プラスチック製品や建材や光学部材など、様々な部材の離型用フィルムや工程フィルムとして好適に用いられる。
離型用フィルムへの要求特性はその使用用途によって適宜設定されるが、近年、ポリプロピレンフィルムが金型プレス成型における意匠性フィルムとして用いられる場合がある。意匠性フィルムは、表面の凹凸をプレス時に部材に転写するため、粗面であることが求められる。このような粗面フィルムとしては、たとえば、特許文献1、2に記載されるようなフィルムが提案されている。しかし、これらフィルムは未延伸であるため、強度が低く、プレス後剥離時に伸びたり、破れたりする場合があり、ハンドリング性が悪いという問題があった。また、特許文献3、4では、延伸の記載があるものの、凹凸が不十分であり、意匠性に劣るなどの問題があった。
本発明の課題は、上記した問題点を解決することにある。すなわち、ハンドリング性、生産性、意匠性に優れたポリプロピレンフィルムおよび離型用フィルムを提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のポリプロピレンフィルムは、少なくとも片面の十点平均粗さSRzが5μm以上であり、長手方向のヤング率EMDと幅方向のヤング率ETDのうち、少なくとも一方向のヤング率が1.1GPa以上であることを特徴とする。
本発明のポリプロピレンフィルムは、意匠性、ハンドリング性、生産性に優れることから、離型用フィルムとして好適に使用することができる。
本発明のポリプロピレンフィルムは、少なくとも片面の十点平均粗さSRzが5μm以上である。十点平均粗さSRzは、より好ましくは6μm〜15μm、更に好ましくは7μm〜12μmである。十点平均粗さSRzが5μm未満であると、たとえば金型プレス成型用の離型用フィルムとして用いたとき、フィルムの表面凹凸が部材に転写しにくくなり、部材表面に均一なマット感を与えられず、意匠性が低下してしまう場合ある。SRzは大きいほど好ましいが、SRzが大きすぎると破れやすくなるなどの問題があるため、実質的には15μm程度が限度である。十点平均粗さSRzを上記範囲とするには、後述する原料組成および製膜条件に基づき、表面の状態を微細に制御することにより達成可能である。
本発明のポリプロピレンフィルムは、長手方向のヤング率EMDと幅方向のヤング率ETDのうち少なくとも一方が1.1GPa以上である。ヤング率はより好ましくは少なくとも一方向において1.3GPa以上、更に好ましくは少なくとも一方向において1.5GPa以上である。いずれの方向のヤング率も1.1GPaを下回ると、表面保護用の離型用フィルムとして用いたとき、保護面の接着性が高い場合に、剥離張力でフィルムが伸びて破れたり、保護面に剥離痕が残る場合がある。ヤング率は大きいほど好ましいが実質的には7GPa程度が上限である。ヤング率を上記範囲とするためには、基材層及び片面の原料組成を後述する範囲とするとともに、製膜条件を後述する範囲とし、フィルムを、長手方向または幅方向のいずれかで延伸し、ポリプロピレンフィルムを得ることが好ましい。
本発明のポリプロピレンフィルムは、長手方向のヤング率EMD、および幅方向のヤング率ETDが、共に1.1GPa以上であることが好ましい。EMDはより好ましくは1.3GPa以上、更に好ましくは1.5GPa以上である。ETDはより好ましくは1.5GPa以上、更に好ましくは2.5GPa以上、最も好ましくは3.0GPa以上である。EMDまたはETDが1.1GPa未満であると、たとえば表面保護用の離型用フィルムとして用いたとき、保護面の接着性が高い場合に、剥離張力でフィルムが伸びて破れたり、保護面に剥離痕が残る場合がある。EMDおよびETDは大きいほど好ましいが、実質的には共に7GPa程度が上限である。EMDおよびETDの値を上記範囲とするためには、基材層および表面の原料組成を後述する範囲とするとともに、製膜条件を後述する範囲とし、フィルムを高倍率で二軸延伸してポリプロピレンフィルムを得ることが好ましい。
本発明のポリプロピレンフィルムは、すくなくとも一軸方向に延伸していることが好ましく、二軸延伸していることがより好ましい。延伸されていない場合、フィルムのコシが弱く、金型に離型フィルムをセットする際に、時間が掛かり、生産性が低下してしまう場合や、ヤング率が低いため、プレス後、製品から剥離させる際に破れてしまうなどの問題が生じる場合がある。
なお、本願においては、フィルムの製膜する方向に平行な方向を、製膜方向あるいは長手方向あるいはMD方向と称し、フィルム面内で製膜方向に直交する方向を幅方向あるいはTD方向と称する。
本発明のポリプロピレンフィルムは、少なくとも片面(SRzが5μm以上を満たす面と同じ面)について、0.5μm以上の高さを持つピークカウントの値SPcが1,500個/mm2以上であることが好ましい。SPcはより好ましくは2,500個/mm2以上、更に好ましくは5,000個/mm2以上である。0.5μm以上の高さを持つピークカウントの値SPcは、意匠性の観点からは大きいほど好ましいが、0.5μm以上の高さを持つピークカウントの値SPcが大きすぎると、破れやすくなってしまうなどの問題があるため、実質的に12,000個/mm2が上限である。0.5μm以上の高さを持つピークカウントの値SPcが1,500個/mm2未満であると、表面のマット感を転写する意匠性フィルムとして用いた際に、フィルムの表面凹凸が部材に転写しにくくなり、部材表面に均一なマット感を与えられず、意匠性が低下してしまう場合ある。また、金型に離型フィルムをセットする際に、滑りが悪いため時間がかかり、生産性が落ちるなどの問題が生じやすい。0.5μm以上の高さを持つピークカウントの値SPcを上記範囲とするには、後述する原料組成および製膜条件に基づき、表面の状態を微細に制御することにより達成可能である。
本発明のポリプロピレンフィルムは、フィルムの比重が0.85以下であることが好ましい。より好ましくは、0.7以下、更に好ましくは0.6以下である。比重は意匠性の観点からは低い程好ましいが、低すぎると破れやすくなるなどの問題があるため、実質的には0.4が下限である。比重が0.85を超えると、部材に凹凸が転写しにくくなり、意匠性が低下してしまう場合がある。比重を上記範囲とするには、基材層の原料組成を後述する範囲とするとともに、製膜条件を後述する範囲とし、特に基材層の原料組成を後述する範囲とすることでボイドを形成することが好ましい。
本発明のポリプロピレンフィルムは、150℃の熱収縮率が長手方向、幅方向共に0.1〜20%であることが好ましい。より好ましくは、共に0.5〜18%、更に好ましくは共に0.8〜15%である。いずれかの方向の150℃の熱収縮率が20%を超えると、たとえば、プレス成形用の離型用フィルムとして用いる際などに、プレス成形時の熱でポリプロピレンフィルムが変形し、しわが入る場合がある。また、いずれかの方向の150℃の熱収縮率が0.1%未満であると、プレス成形時の熱でポリプロピレンフィルムが局所的に膨張し、余ったポリプロピレンフィルムが折れてしわとなる場合がある。熱収縮率を上記範囲とするには、フィルムの原料組成を後述する範囲とし、また、製膜条件を後述する範囲とし、特に二軸延伸後の熱固定、弛緩条件を後述する範囲とすることが効果的である。
本発明のポリプロピレンフィルムは、150℃、0.8MPaで3分間プレス後の十点平均粗さSRzが5μm以上であることが好ましい。より好ましくは、6μm以上、更に好ましくは、7μm以上である。150℃、0.8MPaで3分間プレス後の十点平均粗さSRzは、意匠性の観点からは大きいほど好ましいが、150℃、0.8MPaで3分間プレス後の十点平均粗さSRzが大きすぎると破れやすくなるなどの問題があるため、実質的には15μm程度が限度である。プレス後の十点平均粗さが5μm以下であると、たとえばプレス成型用の離型フィルムとして用いられる場合、プレス時に凹凸が潰れてしまい、凹凸が転写されにくくなり、意匠性が低下してしまう場合などがある。プレス後の十点平均粗さを上記範囲とするには、フィルムの原料組成を後述する範囲とし、また、製膜条件を後述する範囲とし、とくに原料組成、縦、横軸の延伸倍率を後述する範囲とすることが効果的である。
また、本発明のポリプロピレンフィルムを金型プレス成形などにおける離型フィルムとして用いる場合は、プレス後の十点平均粗さをSRz1、プレス前の十点平均粗さをSRz2としたとき、SRz1/SRz2の値が0.4以上であることが好ましい。より好ましくは、0.6以上、更に好ましくは0.8以上である。SRz1/SRz2の値は、意匠性の観点からは大きいほど好ましいが、SRz1/SRz2の値が大きすぎると破れやすくなるなどの問題があるため、実質的には3程度が限度である。SRz1/SRz2の値が0.4未満であると、プレス成形時に表層(I)表面の凹凸が減少して、意匠性が低下したり、部材からはがす際に剥離痕を残す場合がある。SRz1/SRz2の値を上記範囲内とするためには、フィルムの積層構成や各層の原料組成を後述する範囲とするとともに、製膜条件を後述する範囲、特に押出条件、延伸条件を後述する範囲とすることが効果的である。
本発明のポリプロピレンフィルムの厚みは、用途によって適宜調整されるものであり特に限定はされないが、0.5μm以上100μm以下であることが好ましい。厚みが0.5μm未満であると、ハンドリングが困難になる場合があり、100μmを超えると、樹脂量が増加して生産性が低下する場合がある。本発明のポリプロピレンフィルムは、厚みを薄くしても、引張剛性に優れるためハンドリング性を保つことができる。このような特徴を活かすためには、厚みは、1μm以上40μm以下であることがより好ましく、1μm以上30μm以下であることが更に好ましく、1μm以上15μm以下であることが最も好ましい。厚みは他の物性を悪化させない範囲内で、押出機のスクリュウ回転数、未延伸シートの幅、製膜速度、延伸倍率などにより調整可能である。
次に、本発明のポリプロピレンフィルムの構成や好適に用いられるポリプロピレン原料、およびその原料を用いたフィルムの構成について説明する。
本発明のポリプロピレンフィルムでは、ポリプロピレンと粒子を含有してなる基材層の少なくとも片面に、ポリプロピレンを主成分とする表層(I)を設けた積層構成であることが好ましい。ここで、ポリプロピレンフィルムはフィルムの強度、コシなど、ハンドリング性を向上させるために、延伸フィルムであることが好ましく、更に、表層(I)の表面形状を制御する目的で、基材層に粒子を含有していることが好ましい。表層(I)は、ハンドリング性を付与するために、ホモポリプロピレンを95質量%以上とした層であることが好ましく、ポリプロピレンの結晶性が高いことがより好ましい。本発明では、基材層(内層)に含有させた粒子により、基材層の表面(基材層と表層(I)との界面)に凹凸を形成し、表層(I)の厚みを後述する範囲とすることにより、表層(I)の表面にも基材層表面と同様の凹凸を形成することができ、意匠性の向上を図ることが可能となる。
なお、本発明のポリプロピレンフィルムは、表層(I)のポリメチルペンテン、フッ素系樹脂またはシリコン系樹脂の含有量がそれぞれ10質量%未満であることが好ましい。より好ましくはそれぞれ1質量%未満、更に好ましくはそれぞれ0.1質量%未満であり、実質的にはいずれも含有しないことが最も好ましい。ポリメチルペンテン、フッ素系樹脂およびシリコン系樹脂は、表面自由エネルギーが低く、離型性に優れた材料として知られているが、上記素材はポリプロピレンとの相溶性が低いため、たとえば、フィルムの表層(I)に添加して使用すると、きれいに分散せず、表面粗度の均一性が低下して品位が悪くなる場合がある。また、上記素材はポリプロピレンより高価なため、原料コストが高くなり、生産性が低下する場合がある。
次に、上記した基材層に好ましく用いられるポリプロピレン原料Aについて説明する。
ポリプロピレン原料Aには、ポリプロピレンと粒子とが少なくとも含有されることが好ましい。ポリプロピレン(以下においてPPとも記す)としては、特に限定されるものではなく、ホモポリプロピレンを用いることができるのはもちろんのこと、製膜工程での安定性や造膜性、物性の均一性の観点から、ポリプロピレンにエチレン成分やブテン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィン成分を5質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下の範囲で共重合した樹脂を用いることもできる。フィルム強度の観点からは結晶性の高いホモポリプロピレンを使用することが好ましい。
また、ポリプロピレン原料Aに使用するポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は、表層に使用する樹脂との粘度差の観点から、1〜10g/10分(230℃、2.16Kgf)であることが好ましく、より好ましくは2〜5g/10分(230℃、2.16Kgf)の範囲のものが、製膜性やフィルムの引張剛性の観点から好ましい。ここで、MFRとはJIS K 7210(1995)で規定されている樹脂の溶融粘度を示す指標であり、ポリオレフィン樹脂の特徴を示す物性値である。本発明においては230℃、2.16kgfで測定した値を指す。MFRを上記の値とするためには、平均分子量や分子量分布を制御する方法などが採用される。
ポリプロピレン原料Aに使用するポリプロピレンとしては、主としてプロピレンの単独重合体からなることが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲で他の不飽和炭化水素による共重合成分などを含有してもよいし、プロピレンが単独ではない重合体がブレンドされていてもよい。このような共重合成分やブレンド物を構成する単量体成分として例えばエチレン、プロピレン(共重合されたブレンド物の場合)、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチルペンテン−1、3−メチルブテンー1、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、5−エチルヘキセン−1、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、アリルベンゼン、シクロペンテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。共重合量またはブレンド量は、引張剛性の観点から、共重合量では1mol%未満とし、ブレンド量では10質量%未満とすることが好ましい。
ポリプロピレン原料Aに使用するポリプロピレンは、好ましくは冷キシレン可溶部(以下CXS)が4質量%以下でありかつメソペンタッド分率は0.95以上であるポリプロピレンであることが好ましい。これらを満たさないと製膜安定性に劣ったり、フィルムの引張剛性が低下する場合がある。
ここで冷キシレン可溶部(CXS)とは、試料をキシレンで完全溶解せしめた後、室温で析出させたときに、キシレン中に溶解しているポリプロピレン成分のことをいい、立体規則性の低い、分子量が低い等の理由で結晶化し難い成分に該当していると考えられる。このような成分が多く樹脂中に含まれているとフィルムの引張剛性に劣ることがある。従って、CXSは4質量%以下であることが好ましいが、更に好ましくは3質量%以下であり、特に好ましくは2質量%以下である。CXSは低いほど好ましいが、0.1質量%程度が下限である。このようなCXSを有するポリプロピレンとするには、樹脂を得る際の触媒活性を高める方法、得られた樹脂を溶媒あるいはプロピレンモノマー自身で洗浄する方法等が使用できる。
同様な観点からポリプロピレン原料Aに使用するポリプロピレンのメソペンタッド分率は0.95以上であることが好ましく、更に好ましくは0.97以上である。メソペンタッド分率は核磁気共鳴法(NMR法)で測定されるポリプロピレンの結晶相の立体規則性を示す指標であり、該数値が高いものほど結晶化度が高く、融点が高くなり、高温での使用に適するため好ましい。メソペンタッド分率の上限については特に規定するものではない。このように立体規則性の高い樹脂を得るには、n−ヘプタン等の溶媒で得られた樹脂パウダーを洗浄する方法や、触媒および/または助触媒の選定、組成の選定を適宜行う方法等が好ましく採用される。
ポリプロピレン原料Aは、主としてプロピレンの単独重合体からなるが、本発明の目的を損なわない範囲で他の不飽和炭化水素による共重合成分などを含有してもよいし、プロピレンが単独ではない重合体がブレンドされていてもよい。このような共重合成分やブレンド物を構成する単量体成分として例えばエチレン、プロピレン(共重合されたブレンド物の場合)、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチルペンテン−1、3−メチルブテンー1、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、5−エチルヘキセン−1、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、アリルベンゼン、シクロペンテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。共重合量またはブレンド量は、引張剛性の観点から、共重合量では1mol%未満とし、ブレンド量では10質量%未満とすることが好ましい。
ポリプロピレン原料Aに使用する粒子としては、製膜工程での剪断応力や熱、後加工工程でのプレス圧や熱により粒子形状を失うものでなければ特に限定されず、無機粒子や有機粒子を使用することができる。無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどの金属酸化物や硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、リン酸カルシウム、マイカ、カオリン、クレー、ゼオライトなどを挙げることができる。これらの中でも、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどの金属酸化物や、ゼオライト、炭酸カルシウムが好ましい。有機粒子としては、ポリメトキシシラン系化合物の架橋粒子、ポリスチレン系化合物の架橋粒子、アクリル系化合物の架橋粒子、ポリウレタン系化合物の架橋粒子、ポリエステル系化合物の架橋粒子、フッ素系化合物の架橋粒子、もしくはこれらの混合物を挙げることができる。
上記無機粒子および有機粒子の平均粒径は、1〜10μmの範囲であることが好ましい。平均粒径は、より好ましくは2〜10μm、更に好ましくは3〜10μm、最も好ましくは4〜10μmである。平均粒径が1μm未満では基材層および表層(I)の表面粗さが小さくなり、意匠性が低下する場合がある。10μmを超えるとフィルムが破れやすくなったり、十点平均粗さSRzが大きくなりすぎて、離型フィルムとして使用した際、大径突起を転写してしまい、外観不良や、製品にダメージをあたえてしまうことがある。ここで、無機粒子の平均粒子径の測定方法は、粒子の透過型電子顕微鏡写真から画像処理により得られる円相当径を用い、重量平均径を算出して採用する。
上記粒子の含有量としては、ポリプロピレン原料A全体を100質量%としたとき、2〜50質量%であることが好ましい。好ましくは、5〜40質量%、より好ましくは、8〜30質量%である。含有量が2質量%未満では、表面粗さが小さくなり、意匠性が低下する場合がある。また、50質量%を超えるとフィルムが破れやすくなるなどの問題が発生する場合がある。
次に、本発明の表層(I)に好ましく用いられるポリプロピレン原料Bについて説明する。
ポリプロピレン原料Bは、高い離型性を得るために、ポリプロピレンを主成分とすることが好ましく、添加剤などの他の成分は極力使用しないことが好ましい。また、結晶性の高いホモポリプロピレンを使用することが好ましい。この観点から、ポリプロピレン原料Bには、上述したポリプロピレン原料Aに使用するポリプロピレンと同じものを好ましく用いることができる。
本発明のポリプロピレンフィルムの表層(I)はホモポリプロピレンを95質量%以上含有することが好ましい。より好ましくは、97質量%以上、更に好ましくは、99質量%以上である。また表層(I)のホモプロピレンの割合が95質量%未満の場合、表面保護用の離型用フィルムとして用いたとき、保護面の接着性が高い場合に、剥離張力でフィルムが伸びて破れたり、保護面に剥離痕が残る場合がある。表層(I)のホモプロピレンの割合を上記範囲内とするためには、原料組成を後述する範囲内とすることが好ましい。
また、本発明のポリプロピレンフィルムにおいて、表層(I)の厚みは5μm以下であることが好ましい。より好ましくは3μm以下、更に好ましくは1μm以下である。意匠性が発現すれば下限は特に限定されないが、表層が薄すぎると積層ムラが生じやすく、安定した製膜が困難となるため、実質的には0.05μm程度が下限である。表層(I)の厚みが5μmを超えると、SRzが小さくなり、離型性が低下する場合がある。表層(I)の厚みを上記範囲内とするためには、表層(I)に使用する押出機のスクリュウ回転数、未延伸シートの幅、製膜速度、延伸倍率などにより調整可能である。
本発明のポリプロピレンフィルムの表層(I)厚みをd(μm)とし、本発明において使用する無機粒子および/または有機粒子の平均粒径をφ(μm)とした場合、φ/dは0.2〜20であることが好ましい。より好ましくは1〜18、更に好ましくは5〜15である。φ/dが0.2以下であると、たとえば金型プレス成型用の離型用フィルムとして用いたとき、フィルムの表面凹凸が部材に転写しにくくなり、部材表面に均一なマット感を与えられず、意匠性が低下してしまう場合ある。また、φ/dが20を超えた場合、破れやすくなるなどの問題が生じる場合がある。φ/dを上記範囲とするためには、原料に上述した無機粒子および/または有機粒子を使用すること、また、表層(I)使用する押出機のスクリュウ回転数、未延伸シートの幅、製膜速度、延伸倍率などにより調整可能である。
本発明において使用するポリプロピレン原料Aおよびポリプロピレン原料Bには、本発明の効果を損なわない範囲において、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤や無機あるいは有機粒子からなる滑剤、さらにはブロッキング防止剤や充填剤、非相溶性ポリマーなどの各種添加剤を含有させてもよい。特に、ポリプロピレン原料Aおよびポリプロピレン原料Bの熱履歴による酸化劣化を抑制する目的で、酸化防止剤を含有せしめることが好ましい。酸化防止剤含有量は、ポリプロピレン原料Aおよびポリプロピレン原料Bに使用するポリプロピレン100質量%に対して2質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
次に本発明のポリプロピレンフィルムの製造方法を積層構成の態様を一例として説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
まず、ポリプロピレン原料AをA層用の単軸押出機に供給し、ポリプロピレン原料BをB層用の単軸押出機に供給し、200〜260℃にて溶融押出を行う。そして、ポリマー管の途中に設置したフィルターにて異物や変性ポリマーなどを除去した後、マルチマニホールド型のB層/A層の複合Tダイにて例えば1/50の積層厚み比になるように積層し、キャストドラム上に吐出し、B層/A層の層構成を有する積層未延伸シートを得る。積層比は、1/20〜1/160であるとより好ましく。更に好ましくは、1/30〜1/140である。ここで積層構成はB層/A層/B層の3層積層構成としてもよく、その際の積層厚み比(B層を足し合わせた二層の厚みの合計と、A層厚みの比率)も上述した範囲であることが好ましい。B層の積層比が大きすぎる場合、SRzが小さくなることで、凹凸が転写されにくくなり、意匠性が低下する場合がある。また離型性が発現すれば下限は特に限定されないが、B層の積層比が小さすぎる場合、積層ムラが生じる場合があり、安定した製膜が困難になる場合があるため、実質的には1/100/1が限界である。この際、キャストドラムは表面温度が30〜130℃であることが好ましい。キャストドラムへの密着方法としては静電印加法、水の表面張力を利用した密着方法、エアーナイフ法、プレスロール法、水中キャスト法などのうちいずれの手法を用いてもよいが、平面性の観点からエアーナイフ法が好ましい。エアーナイフのエアー温度は、25〜100℃、好ましくは30〜80℃で、吹き出しエアー速度は130〜150m/sが好ましく、幅方向均一性を向上させるために2重管構造となっていることが好ましい。また、フィルムの振動を生じさせないために製膜下流側にエアーが流れるようにエアーナイフの位置を適宜調整することが好ましい。
得られた未延伸シートは、空気中で放冷された後、縦延伸工程に導入される。縦延伸工程では、まず複数の100℃以上150℃未満に保たれた金属ロールに未延伸シートを接触させて延伸温度まで予熱し、長手方向に3〜8倍に延伸した後、室温まで冷却する。延伸温度が150℃以上であると、延伸ムラが生じたり、フィルムが破断する場合がある。また延伸倍率が3倍未満であると、延伸ムラが生じたり、フィルムの配向が弱くなり、引張剛性が低下する場合がある。
次いで縦一軸延伸フィルムをテンターに導いてフィルムの端部をクリップで把持し横延伸を120〜165℃の温度で幅方向に7〜13倍に延伸する。延伸温度が低いと、フィルムが破断したりする場合があり、延伸温度が高すぎると、フィルムの剛性が低下する場合がある。また、倍率が高いとフィルムが破断する場合があり、倍率が低いとフィルムの配向が弱く引張剛性が低下する場合がある。
続く熱処理および弛緩処理工程ではクリップで幅方向を緊張把持したまま幅方向に2〜20%の弛緩率で弛緩を与えつつ、100℃以上160℃度未満の温度で熱固定し、続いて80〜100℃での冷却工程を経てテンターの外側へ導き、フィルム端部のクリップを解放し、ワインダ工程にてフィルムエッジ部をスリットし、フィルム製品ロールを巻き取る。
以上のようにして得られた本発明のポリプロピレンフィルムは、包装用フィルム、離型用フィルム、工程フィルム、衛生用品、農業用品、建築用品、医療用品など様々な用途で用いることができるが、特に意匠性およびハンドリング性に優れることから、離型用フィルム、工程フィルムとして好ましく用いることができる。特に本発明の延伸ポリプロピレンフィルムは、離型性と意匠性に優れるため、例えば、繊維強化複合材料の金型プレス用の離型用フィルムとして用いると、プレス後の製品からの離型性に優れ、また、製品にマット面を転写させることができるため好ましい。
本発明のポリプロピレンフィルムを用いて、金型プレスにより繊維強化複合材料を形成する方法を例示すると、次のとおりである。
まず、後述する製造例1に準じた方法で、繊維強化複合材料板のプリプレグを製造する。次に、プリプレグの両面に本発明のポリプロピレンフィルムを貼り付ける。続いて金型プレス装置にて、140〜155℃、0.5〜1.0MPaで3〜30分プレスし、プリプレグを硬化させ、金型から取り出して常温に戻した後、本発明の離型用フィルムを剥離して繊維強化複合材料を得る。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価を行った。
(1)フィルム厚み
マイクロ厚み計(アンリツ社製)を用いて5点測定し、平均値を求めた。
マイクロ厚み計(アンリツ社製)を用いて5点測定し、平均値を求めた。
(2)フィルムの表面粗さ(SRz、SPc)
ポリプロピレンフィルムを、表面粗さ計(SURFCORDER ET4000A:(株)小坂研究所製)を用い、JIS−B−0601:2001に基づき、下記測定条件にて測定を行い、十点平均粗さSRz(nm)およびピークカウントの値SPcを求めた。また、ピークカウントの値SPcは高さ0.5μm以上のSPcのみカウントした。
ポリプロピレンフィルムを、表面粗さ計(SURFCORDER ET4000A:(株)小坂研究所製)を用い、JIS−B−0601:2001に基づき、下記測定条件にて測定を行い、十点平均粗さSRz(nm)およびピークカウントの値SPcを求めた。また、ピークカウントの値SPcは高さ0.5μm以上のSPcのみカウントした。
<測定条件>
測定速度:0.1mm/s
測定範囲:長手方向1,000μm、幅方向1,000μm
測定ピッチ:長手方向1μm、幅方向15μm
カットオフ値λc:0.2mm
触針先端半径:0.2μm
<ピークカウント解析条件>
上下間隔:0.1μm
中心ピーク間隔:0.1μm
測定は表層(I)面について3カ所測定し、平均値とした。
測定速度:0.1mm/s
測定範囲:長手方向1,000μm、幅方向1,000μm
測定ピッチ:長手方向1μm、幅方向15μm
カットオフ値λc:0.2mm
触針先端半径:0.2μm
<ピークカウント解析条件>
上下間隔:0.1μm
中心ピーク間隔:0.1μm
測定は表層(I)面について3カ所測定し、平均値とした。
(3)長手方向および幅方向のヤング率(EMD、ETD)
ポリプロピレンフィルムを試験方向長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンAMF/RTA−100)を用いて、JIS−K7127(1999)に規定された方法に準じて、25℃、65%RH雰囲気で5回測定を行い、平均値を求めた。ただし、初期チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分として、試験を開始してから荷重が1Nを通過した点を伸びの原点とした。
ポリプロピレンフィルムを試験方向長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンAMF/RTA−100)を用いて、JIS−K7127(1999)に規定された方法に準じて、25℃、65%RH雰囲気で5回測定を行い、平均値を求めた。ただし、初期チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分として、試験を開始してから荷重が1Nを通過した点を伸びの原点とした。
(4)比重
10cm×10cmに切り出したサンプルを、マイクロ厚み計(アンリツ社製)を用いて5点測定し、フィルム厚み平均値(μm)を求めた。その後、電子天秤(A&D社製 HR−202i)を用いて、質量(g)を測定した。フィルム厚み平均値をT(μm)とし、質量をG(g)とした際に、下記の式
100×G(g)/T(μm)
を用いて比重を計算した。
10cm×10cmに切り出したサンプルを、マイクロ厚み計(アンリツ社製)を用いて5点測定し、フィルム厚み平均値(μm)を求めた。その後、電子天秤(A&D社製 HR−202i)を用いて、質量(g)を測定した。フィルム厚み平均値をT(μm)とし、質量をG(g)とした際に、下記の式
100×G(g)/T(μm)
を用いて比重を計算した。
(5)熱収縮率(150℃)
ポリプロピレンフィルムについて、セイコーインスツルメント社製TMA/SS6000を用いて、下記温度プログラムにて一定荷重下におけるフィルム長手方向および幅方向の収縮曲線をそれぞれ求めた。
ポリプロピレンフィルムについて、セイコーインスツルメント社製TMA/SS6000を用いて、下記温度プログラムにて一定荷重下におけるフィルム長手方向および幅方向の収縮曲線をそれぞれ求めた。
温度プログラム 25℃→(5℃/min)→170℃(hold 5min)
荷重 2g
サンプルサイズ サンプル長15mm×幅4mm (測定したい方向をサンプル長側に合わせる)
得られた収縮曲線から、150℃での熱収縮率を読み取った。
荷重 2g
サンプルサイズ サンプル長15mm×幅4mm (測定したい方向をサンプル長側に合わせる)
得られた収縮曲線から、150℃での熱収縮率を読み取った。
(6)プレス後の表面粗さ
本発明のポリプロピレンフィルムを10cm四方に5枚サンプリングし、5枚重ね合わせて、プレス機で0.8MPa、150℃で3分間プレスした。その後、5枚のポリプロピレンフィルムを剥がして、5枚中3枚目のフィルムについて、上記(2)と同様の方法で表面粗さを測定した。プレス後の十点平均粗さをSRz1、プレス前の十点平均粗さをSRz2としたとき、以下の基準で評価した。
○:SRz1/SRz2≧0.4
×:SRz1/SRz2<0.4
(7)繊維強化複合材料からの離型性
後述する製造例1に記載の方法でプレス成形し、繊維強化複合材料から本発明のポリプロピレンフィルムを手で剥離する際の剥離性について、以下の基準で評価した。
○:ポリプロピレンフィルムが一定速度で剥離可能。
×:剥離抵抗がやや強く、一定速度で剥離できない。または、剥離時にポリプロピレンフィルムが伸びる、または破れる。
本発明のポリプロピレンフィルムを10cm四方に5枚サンプリングし、5枚重ね合わせて、プレス機で0.8MPa、150℃で3分間プレスした。その後、5枚のポリプロピレンフィルムを剥がして、5枚中3枚目のフィルムについて、上記(2)と同様の方法で表面粗さを測定した。プレス後の十点平均粗さをSRz1、プレス前の十点平均粗さをSRz2としたとき、以下の基準で評価した。
○:SRz1/SRz2≧0.4
×:SRz1/SRz2<0.4
(7)繊維強化複合材料からの離型性
後述する製造例1に記載の方法でプレス成形し、繊維強化複合材料から本発明のポリプロピレンフィルムを手で剥離する際の剥離性について、以下の基準で評価した。
○:ポリプロピレンフィルムが一定速度で剥離可能。
×:剥離抵抗がやや強く、一定速度で剥離できない。または、剥離時にポリプロピレンフィルムが伸びる、または破れる。
(8)繊維強化複合材料のマット感
後述する製造例1に記載の方法で作製した繊維強化複合材料について、表面のマット感を目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:マット感が特に強く良好である。
○:マット感が強い。
△:マット感は弱いが、繊維強化複合材料中の繊維目が確認できない。
×:目視で繊維強化複合材料中の繊維目が確認可能。
後述する製造例1に記載の方法で作製した繊維強化複合材料について、表面のマット感を目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:マット感が特に強く良好である。
○:マット感が強い。
△:マット感は弱いが、繊維強化複合材料中の繊維目が確認できない。
×:目視で繊維強化複合材料中の繊維目が確認可能。
(製造例1)
(1)エポキシ樹脂組成物の作製
エポキシ樹脂組成物として、“エピコート”(登録商標)828を20質量部、“エピコート”(登録商標)834を20質量部、“エピコート”(登録商標)1001を25質量部、(以上、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピコート”(登録商標)154を35質量部(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)、アミン系硬化剤としてDICY7(ジシアンジアミド、ジャパンエポキシレジン(株)製)を4質量部、リン系化合物として“ノーバレッド”(登録商標)120(平均粒径25μm、リン含有量85質量%、燐化学工業(株)製)を3質量部、硬化促進剤として“オミキュア”(登録商標)24(2,4−トルエンビス(ジメチルウレア)、ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)を5質量部、熱可塑性樹脂として“ビニレック”(登録商標)K(ポリビニルホルマール、チッソ(株)製)を5質量部、を以下の(a)〜(c)に示す手順でニーダーで混合し、ポリビニルホルマールが均一に溶解したエポキシ樹脂組成物を得た。
(1)エポキシ樹脂組成物の作製
エポキシ樹脂組成物として、“エピコート”(登録商標)828を20質量部、“エピコート”(登録商標)834を20質量部、“エピコート”(登録商標)1001を25質量部、(以上、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピコート”(登録商標)154を35質量部(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)、アミン系硬化剤としてDICY7(ジシアンジアミド、ジャパンエポキシレジン(株)製)を4質量部、リン系化合物として“ノーバレッド”(登録商標)120(平均粒径25μm、リン含有量85質量%、燐化学工業(株)製)を3質量部、硬化促進剤として“オミキュア”(登録商標)24(2,4−トルエンビス(ジメチルウレア)、ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)を5質量部、熱可塑性樹脂として“ビニレック”(登録商標)K(ポリビニルホルマール、チッソ(株)製)を5質量部、を以下の(a)〜(c)に示す手順でニーダーで混合し、ポリビニルホルマールが均一に溶解したエポキシ樹脂組成物を得た。
(a)各エポキシ樹脂原料とポリビニルホルマールとを150〜190℃に加熱しながら1〜3時間攪拌し、ポリビニルホルマールを均一に溶解する。
(b)樹脂温度を90℃〜110℃まで降温し、リン系化合物を加えて20〜40分間攪拌する。
(c)樹脂温度を55〜65℃まで降温し、ジシアンジアミド、および2,4−トルエンビス(ジメチルウレア)を加え、該温度で30〜40分間混練後、ニーダー中から取り出して樹脂組成物を得る。
(2)プリプレグの作製
続いて調製した樹脂組成物を、リバースロールコータを用いて離型紙上に塗布して樹脂フィルムを作製した。樹脂フィルムの単位面積あたりの樹脂量は、25g/m2とした。次に、単位面積あたりの繊維重量が100g/m2となるようにシート状に一方向に整列させた炭素繊維“トレカ”(登録商標)T700SC−12K−50C(東レ株式会社製)に樹脂フィルムを炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させ、プリプレグを作製した。
続いて調製した樹脂組成物を、リバースロールコータを用いて離型紙上に塗布して樹脂フィルムを作製した。樹脂フィルムの単位面積あたりの樹脂量は、25g/m2とした。次に、単位面積あたりの繊維重量が100g/m2となるようにシート状に一方向に整列させた炭素繊維“トレカ”(登録商標)T700SC−12K−50C(東レ株式会社製)に樹脂フィルムを炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させ、プリプレグを作製した。
(3)繊維強化複合材料の作製
上記プリプレグの両面に下記実施例および比較例で作製したポリプロピレンフィルムの表層(I)の面を貼り付け、加熱プレスを用いて圧力0.8MPa、温度150℃で3分間加熱加圧し、加圧プレス機から取り外して常温まで冷却した後、下記実施例および比較例で作製したポリプロピレンフィルムを剥離して、厚さ約0.2mmの繊維強化複合材料を得た。
上記プリプレグの両面に下記実施例および比較例で作製したポリプロピレンフィルムの表層(I)の面を貼り付け、加熱プレスを用いて圧力0.8MPa、温度150℃で3分間加熱加圧し、加圧プレス機から取り外して常温まで冷却した後、下記実施例および比較例で作製したポリプロピレンフィルムを剥離して、厚さ約0.2mmの繊維強化複合材料を得た。
(実施例1)
結晶性PP(a)(プライムポリマー(株)製、TF850H、MFR:2.9g/10分)を50質量部、ゼオライト粒子(水澤化学(株)製、JC―70、平均粒子径:6μm)50質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、260℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてゼオライト粒子の50%マスターバッチ原料(I)を得た。
結晶性PP(a)(プライムポリマー(株)製、TF850H、MFR:2.9g/10分)を50質量部、ゼオライト粒子(水澤化学(株)製、JC―70、平均粒子径:6μm)50質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、260℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてゼオライト粒子の50%マスターバッチ原料(I)を得た。
結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)80.0質量部と、マスターバッチ原料(I)とをドライブレンドしてポリプロピレン原料Aを作成し、A層用の単軸の溶融押出機に供給し、表層(I)(B層)用のポリプロピレン原料Bとして、結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)をB層用の単軸の溶融押出機に供給し、240℃で溶融押出を行い、80μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、フィードブロック型のB/A/B複合Tダイにて1/50/1の厚み比で積層し、30℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出してキャストシートを得た。次いで、複数のセラミックロールを用いて140℃に予熱を行いフィルムの長手方向に4.6倍延伸を行った。次にテンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、165℃で3秒間予熱後、160℃で8.0倍に延伸した。続く熱処理工程で、幅方向に10%の弛緩を与えながら160℃で熱処理を行ない、その後130℃で冷却工程を経てテンターの外側へ導き、フィルム端部のクリップを解放し、フィルムをコアに巻き取り、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)70.0質量部と、マスターバッチ原料(I)30.0質量%とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)70.0質量部と、マスターバッチ原料(I)30.0質量%とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)90.0質量部と、マスターバッチ原料(I)10.0質量%とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)90.0質量部と、マスターバッチ原料(I)10.0質量%とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)93.3質量部と、炭酸カルシウム80質量%とポリプロピレン20質量%をコンパウンドしたマスター原料(三共精粉(株)製、2480K、炭酸カルシウム粒子:6μm)6.7質量部とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)93.3質量部と、炭酸カルシウム80質量%とポリプロピレン20質量%をコンパウンドしたマスター原料(三共精粉(株)製、2480K、炭酸カルシウム粒子:6μm)6.7質量部とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)87.5質量部と、炭酸カルシウム80質量%とポリプロピレン20質量%をコンパウンドしたマスター原料(三共精粉(株)製、2480K、炭酸カルシウム粒子:6μm)18.8質量部とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)87.5質量部と、炭酸カルシウム80質量%とポリプロピレン20質量%をコンパウンドしたマスター原料(三共精粉(株)製、2480K、炭酸カルシウム粒子:6μm)18.8質量部とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)82.2質量部と、炭酸カルシウム80質量%とポリプロピレン20質量%をコンパウンドしたマスター原料(三共精粉(株)製、2480K、炭酸カルシウム粒子:6μm)25.0質量部とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)82.2質量部と、炭酸カルシウム80質量%とポリプロピレン20質量%をコンパウンドしたマスター原料(三共精粉(株)製、2480K、炭酸カルシウム粒子:6μm)25.0質量部とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)94.0質量部と、マスターバッチ原料(I)6.0質量%とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1において、ポリプロピレン原料Bの代わりに 結晶性PP(a)(プライムポリマー(株)製、TF850H)を99.5質量部、ゼオライト粒子(水澤化学(株)製、JC―30、平均粒子径:2μm)0.5質量部をこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、260℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてゼオライト粒子の0.5%マスターバッチ原料(II)を得た。ゼオライト粒子の0.5%マスターバッチ原料(II)6質量部と、結晶性PP(a)(プライムポリマー(株)製、TF850H)94質量部をドライブレンドし、B層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)94.0質量部と、マスターバッチ原料(I)6.0質量%とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1において、ポリプロピレン原料Bの代わりに 結晶性PP(a)(プライムポリマー(株)製、TF850H)を99.5質量部、ゼオライト粒子(水澤化学(株)製、JC―30、平均粒子径:2μm)0.5質量部をこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、260℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてゼオライト粒子の0.5%マスターバッチ原料(II)を得た。ゼオライト粒子の0.5%マスターバッチ原料(II)6質量部と、結晶性PP(a)(プライムポリマー(株)製、TF850H)94質量部をドライブレンドし、B層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み25μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)を使用(表層も基材層も同じ原料を使用)し、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法でポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)を使用(表層も基材層も同じ原料を使用)し、A層用の単軸の溶融押出機に供給した。それ以外は実施例1と同様の方法でポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)70.0質量部と、マスターバッチ原料(I)30.0質量%とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給し、表層(I)(B層)用のポリプロピレン原料Bとして、結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)をB層用の単軸の溶融押出機に供給し、240℃で溶融押出を行い、80μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、フィードブロック型のB/A/B複合Tダイにて1/50/1の厚み比で積層し、30℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出して厚み750μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、ポリプロピレン原料Aの代わりに結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)70.0質量部と、マスターバッチ原料(I)30.0質量%とをドライブレンドし、A層用の単軸の溶融押出機に供給し、表層(I)(B層)用のポリプロピレン原料Bとして、結晶性PP(a)((株)プライムポリマー製、TF850H)をB層用の単軸の溶融押出機に供給し、240℃で溶融押出を行い、80μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、フィードブロック型のB/A/B複合Tダイにて1/50/1の厚み比で積層し、30℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出して厚み750μmのポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。ここで表面物性の評価は、キャストドラムに設置していない方の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
市販のポリプロピレンマットフィルム(東レ(株)社製、YM−17)について、物性および評価結果を表1に示す。
市販のポリプロピレンマットフィルム(東レ(株)社製、YM−17)について、物性および評価結果を表1に示す。
上記の実施例および比較例のポリプロピレンフィルムの表面物性の評価は、マット面の表層を評価した。また、製造例1に記載の方法で上記の実施例および比較例のポリプロピレンフィルムを使用して繊維強化複合材料を作製した。評価結果を表1に示す。
Claims (9)
- 少なくとも片面の十点平均粗さSRzが5μm以上であり、長手方向のヤング率EMDと幅方向のヤング率ETDのうち少なくとも一方が1.1GPa以上であるポリプロピレンフィルム。
- 長手方向のヤング率EMD、および幅方向のヤング率ETDが、共に1.1GPa以上である、請求項1に記載のポリプロピレンフィルム。
- 0.5μm以上の高さを持つピークカウントの値SPcが1,500個/mm2以上である、請求項1または2に記載のポリプロピレンフィルム。
- フィルムの比重が0.85以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレンフィルム。
- 150℃の熱収縮率が長手方向、幅方向共に0.1〜20%である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレンフィルム。
- 150℃、0.8MPaで3分間プレス後の十点平均粗さSRzが5μm以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレンフィルム。
- 基材層の少なくとも片面にポリプロピレンを主成分とする表層(I)を有する積層構成であり、基材層はポリプロピレンと粒子とを含有し、表層(I)はホモポリプロピレンを95質量%以上含有する、請求項1〜6のいずれかに記載のポリプロピレンフィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のポリプロピレンフィルムを用いてなる離型用フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のポリプロピレンフィルムを用いてなる、繊維強化複合材料の金型プレス用の離型用フィルム。
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