JP6323285B2 - 二軸延伸ポリプロピレンフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、剥離性に優れる二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関する。本発明は、特に、電子部品又は電子基板の製造工程、あるいは繊維強化プラスチック等の熱硬化性樹脂部材の製造工程等において使用される剥離用のフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、表面保護フィルム及び粘着テープ等に使用する剥離フィルム、剥離ライナー又はセパレータフィルム、ならびに複合材料製造時のキャリアー等として特に有用な、剥離性に優れた二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関する。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、軽量性、熱的安定性及び機械特性に優れているため、包装用フィルム等の工業用材料フィルムとして広く用いられている。特に近年は、ポリプロピレンフィルムの低い表面エネルギーを利用して、電子部品、電子基板の製造工程、繊維強化プラスチック等の熱硬化性樹脂部材の製造工程等において、表面保護フィルムや、表面保護フィルムの剥離用フィルム及びキャリアー等の、非シリコーン系の離型材料等として広く使用されている。
表面保護フィルムとして使用されるポリプロピレンフィルムとして、例えば、ポリプロピレン系樹脂に、非晶質のα−オレフィン共重合体エラストマーを配合した無延伸フィルムが提案されている(特許文献1)。しかしながら、このフィルムは、剥離用のフィルムとして使用するには剥離性が不十分であった。
その剥離性の向上を目指し、ポリプロピレンにポリメチルペンテン重合体を配合し、剥離性をより一層高めたフィルムが知られている(特許文献2及び3)。
しかしながら、これらの技術においては、ポリメチルペンテンの含量を増やすと、フィルムの破断伸度が低くなり、通常の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの延伸条件では延伸できなくなるという問題があった。
すなわち、ポリプロピレンフィルムの剥離性を高めようとすると、二軸延伸加工性が低下し、二軸延伸後のフィルムの十分に優れた機械特性を得ることが困難であった。そのため、剥離性と二軸延伸加工性とを兼ね備えた二軸延伸フィルムが求められていた。
さらに、剥離用のフィルムは、例えば表面保護フィルムの粘着面等の被着面に対して貼付した状態で保管、流通等され、表面保護フィルム等を使用する際には被着面から剥離される剥離フィルム等として使用される。剥離フィルムを表面保護フィルム等の被着面から剥離する際に、剥離フィルムの一部が被着面に移行する場合がある。また、剥離フィルムの平滑性が低いと、剥離フィルムの表面形状が被着面に転写される場合がある。この場合、当該被着面を有する表面保護フィルム等をさらに別の面に貼付して使用する際に、移行した剥離フィルムの一部が別の面にさらに移行することが問題となったり、被着面に転写された剥離フィルムの形状のために表面保護フィルム等の粘着性が低下したりする場合がある。
さらに、剥離用のフィルムは、例えば部材の製造工程等におけるキャリアーとして使用される場合にも、部材を製造後に、部材の被着面から剥離される。キャリアーを部材等の被着面から剥離する際にも、キャリアーの一部が被着面に移行したり、キャリアーの形状が被着面に転写されたりすることが問題となる場合がある。
特開2010−184990号公報 特開平7−70384号公報 特開2008−189795号公報
本発明の課題は、剥離性と二軸延伸加工性とを兼ね備えた二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することである。本発明のさらなる課題は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの被着面への移行が低減された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために二軸延伸ポリプロピレンフィルムについて詳細に検討を重ね、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕プロピレン系重合体を含有する樹脂組成物bから形成されたB層と、該B層の少なくとも一方の面に積層され、樹脂組成物aから形成されたA層とを含む二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、該樹脂組成物aはプロピレン系重合体と160〜190℃の融点及び230℃における3〜10g/10分のメルトフローレートを有する4−メチルペンテン−1系重合体とを含有する、二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
〔2〕A層側のフィルム表面の粗さ曲線から得られる負荷曲線における突出山部高さ(Rpk)は0.1μm以下である、前記〔1〕に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
〔3〕樹脂組成物aは、樹脂組成物aの総量に基づいて5〜50質量%の4−メチルペンテン−1系重合体を含有する、前記〔1〕又は〔2〕に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
〔4〕樹脂組成物aは、樹脂組成物aの総量に基づいて0.1〜5質量%の1−ブテン系重合体をさらに含有する、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
〔5〕樹脂組成物a及び/又は樹脂組成物bに含まれるプロピレン系重合体は、92%以上のアイソタクチックメソペンタッド分率及び50ppm以下の灰分を有するアイソタクチックポリプロピレンホモポリマーである、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
〔6〕樹脂組成物aは溶融混合により得られた組成物である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、剥離性と二軸延伸加工性とを兼ね備える。また、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの一部の被着面への移行が低減されたフィルムである。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、プロピレン系重合体を含む樹脂組成物bから形成されたB層と、該B層の少なくとも一方の面に積層され、樹脂組成物aから形成されたA層とを含む。
A層は、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも1方の表面となる層であり、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに剥離性を付与するために設けられる層である。A層は、プロピレン系重合体と4−メチルペンテン−1系重合体とを含有する樹脂組成物aから形成される。
樹脂組成物aに含有されるプロピレン系重合体は、プロピレンに由来する構造単位を含む重合体であり、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)又はプロピレンの共重合体である。樹脂組成物aはプロピレン系重合体として1種類のプロピレン系重合体を含有してもよいし、2種以上のプロピレン系重合体を組み合わせて含有してもよい。プロピレン系重合体におけるプロピレンに由来する構造単位の割合は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの透明性及び機械物性の観点から、プロピレン系重合体を構成する全構造単位に基づいて好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上である。また、該割合は、100モル%以下であってよい。
ホモポリプロピレンとしては、立体規則性の観点から、アイソタクチックポリプロピレンホモポリマーが好ましい。アイソタクチックポリプロピレンのアイソタクチックメソペンタッド分率(mmmm)は、好ましくは92%以上であり、より好ましくは93%以上であり、さらに好ましくは94%以上である。
アイソタクチックメソペンタッド分率(mmmm)は、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT−NMR)測定によって得ることができる立体規則性の指標である。具体的には、例えば、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(例えば、日本電子株式会社製「JNM−ECP500」)を用いて測定することができる。観測核は、13C(125MHz)である。高温FT−NMRによる測定方法は、例えば、「日本分析化学・高分子分析研究懇談会編、新版 高分子分析ハンドブック、紀伊国屋書店、1995年、第610頁」に記載の方法を参照して行うことができる。例えば、実施例に記載するような測定温度、溶媒、測定モード、パルス幅、パルス間隔、積算回数及びシフト基準を用いて測定することができる。
立体規則性度を表すペンタッド分率は、同方向の並びの連子「メソ(m)」と異方向の並びの連子「ラセモ(r)」の5連子(ペンタッド)の組み合わせ(mmmm及びmrrm等)に由来する各シグナルの強度の積分値に基づいて百分率(%)で算出される。mmmm及びmrrm等に由来する各シグナルは、例えば、「T.Hayashi et al.,Polymer,29巻,138頁(1988)」等を参照して帰属することができる。
プロピレンの共重合体としては、プロピレンと、エチレン及び炭素数3〜20の少なくとも1種のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンとの共重合体等が挙げられる。該共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択されるオレフィンは、例えば、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等であり、エチレンであることが二軸延伸ポリプロピレンフィルムの透明性、機械物性、成形温度の観点から好ましい。プロピレン系重合体は、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択されるオレフィンの1種を含む共重合体であってもよいし、2種以上の上記オレフィンを含む共重合体であってもよい。
プロピレンの共重合体におけるエチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択されるオレフィンの共重合比率は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの透明性の観点から、プロピレン系重合体の総量に基づいて、5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましい。
樹脂組成物aに含有されるプロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR)は、押出成形性の観点から、好ましくは0.5〜25g/10分であり、より好ましくは2〜10g/10分である。上記MFRは、JIS K7210に準じて、温度230℃、荷重21.18Nの測定条件で測定した値である。
樹脂組成物aに含有されるプロピレン系重合体に含まれる重合触媒残渣等に起因する灰分の含量は、微小異物(フィッシュアイ)を低減しやすい観点から、可能な限り少ないことが好ましく、より好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは40ppm以下である。灰分の含量が50ppm以下の場合、微小異物・欠点が顕著に低減され、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを電子部品用途に用いる際の電子部品の汚染を低減しやすい。
樹脂組成物a中のプロピレン系重合体の含量は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面平滑性と離型性とを両立しやすい観点から、樹脂組成物aの総量に基づいて好ましくは95〜50質量%、より好ましくは85〜50質量%、さらに好ましくは80〜50質量%である。
樹脂組成物aに含有される4−メチルペンテン−1系重合体は、4−メチルペンテン−1に由来する構造単位を含む重合体であり、4−メチルペンテン−1単独重合体又は4−メチルペンテン−1の共重合体である。樹脂組成物aは、4−メチルペンテン−1系重合体として1種類の4−メチルペンテン−1系重合体を含有してもよいし、2種以上の4−メチルペンテン−1系重合体を組み合わせて含有してもよい。
4−メチルペンテン−1の共重合体としては、4−メチルペンテン−1と、エチレン及び炭素原子数3〜4のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンとの共重合体が挙げられる。エチレン及び炭素原子数3〜4のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンは、好ましくはプロピレン、1−ブテンである。4−メチルペンテン−1の共重合体は、エチレン及び炭素原子数3〜4のα−オレフィンからなる群から選択される1種のオレフィンを含む共重合体であってもよいし、2種以上の上記オレフィンを含む共重合体であってもよい。
4−メチルペンテン−1の共重合体における4−メチルペンテン−1に由来する構造単位の割合は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの成形性及び成形温度の観点から、4−メチルペンテン−1系重合体を構成する全構造単位に基づいて好ましくは99モル%以下、より好ましくは98モル%以下である。また、該割合は、4−メチルペンテン−1系重合体による特徴である、フィルムの離型性を発現しやすい観点から、好ましくは80モル%以上、より好ましくは85モル%以上、さらに好ましくは87モル%以上である。
4−メチルペンテン−1の共重合体におけるエチレン及び炭素原子数3〜4のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の割合は、4−メチルペンテン−1系重合体とプロピレン系重合体との混和性の観点から、4−メチルペンテン−1系重合体を構成する全構造単位に基づいて好ましくは20モル%以下、より好ましくは15モル%以下、さらに好ましくは13モル%以下である。また、該割合は、4−メチルペンテン−1系重合体による、フィルムの離型性を発現しやすい観点から、好ましくは1モル%以上、より好ましくは2モル%以上である。
例えば、99〜80モル%の4−メチルペンテン−1と、1〜20モル%のエチレン及び炭素原子数3〜4のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンとの共重合体が好ましい。
樹脂組成物aに含有される4−メチルペンテン−1系重合体の融点は、4−メチルペンテン−1系重合体とプロピレン系重合体との混和性の観点から、160〜190℃であり、好ましくは160〜180℃、より好ましくは160〜170℃である。上記融点は、DSC測定装置(例えばパーキン・エルマー社製、入力補償型DSC Diamond DSC)を用いて測定することができる。具体的には、実施例に記載するようなサンプルを用いて、0℃から280℃まで10℃/分の速度で昇温し、280℃で5分間保持し、10℃/分で30℃まで冷却後、再び10℃/分で280℃まで昇温する際の吸熱ピークとして測定することができる。4−メチルペンテン−1系重合体の融点は、4−メチルペンテン−1系重合体を構成するモノマーの種類や構成割合、重合体の規則性を調整することにより、上記範囲に調整することができる。
樹脂組成物aに含有される4−メチルペンテン−1系重合体のメルトフローレート(MFR)は、4−メチルペンテン−1系重合体とプロピレン系重合体との混和性及び二軸延伸ポリプロピレンフィルムの成形性の観点から、3〜10g/10分であり、好ましくは3〜6g/10分である。上記MFRは、JIS K7210に準じて、温度230℃、荷重21.18Nの測定条件で測定した値である。4−メチルペンテン−1系重合体のMFRは、4−メチルペンテン−1系重合体を構成するモノマーの種類や構成割合、重合体の規則性を調整することにより、上記範囲に調整することができる。
上記範囲の融点及びMFRを有する4−メチルペンテン−1系重合体は、従来公知の方法で製造することができる。例えば、特開2013−227421号公報及び特開2013−32005号公報等に記載の方法により製造してよい。4−メチルペンテン−1系重合体として、市販品を用いてもよく、例えば三井化学株式会社製、TPX(登録商標)EP0518等を用いてよい。
樹脂組成物a中の4−メチルペンテン−1系重合体の含量は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面平滑性と離型性とを両立しやすい観点から、樹脂組成物aの総量に基づいて好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜45質量%、さらに好ましくは15〜40質量%である。
樹脂組成物aは、プロピレン系重合体及び4−メチルペンテン−1系重合体に加えて、1−ブテン系重合体をさらに含有してよい。樹脂組成物aが1−ブテン系重合体をさらに含有する場合、プロピレン系重合体と4−メチルペンテン−1系重合体との相溶化を促進し、層間接着性を向上させる効果があるため好ましい。1−ブテン系重合体は、1−ブテンに由来する構造単位を含む重合体であり、1−ブテンの単独重合体及び1−ブテンと1−ブテンとは異なる他のオレフィンとの共重合体が挙げられる。1−ブテンとは異なる他のオレフィンとしては、例えばエチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィン、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン等を挙げることができる。1−ブテン系重合体は、1−ブテンに由来する構造単位と共に、これらの他のオレフィンの1種又は2種以上に由来する構造単位を含んでよい。1−ブテン系重合体は、1−ブテンと、エチレン及び/又はプロピレンとの共重合体であることが、1−ブテン系重合体とプロピレン系重合体及び4−メチルペンテン−1系重合体との混和性の観点から好ましい。1−ブテン系重合体としては、1−ブテン系重合体の全構造単位に基づいて30〜90モル%の1−ブテン由来の構造単位を有する共重合体が好ましい。このような1−ブテン系重合体は市販されており、具体的には、タフマーBL3450(三井化学株式会社製)、タフマーBL3450M(三井化学株式会社製)、タフマーXM7070(三井化学株式会社製)等を挙げることができる。
樹脂組成物aは、1−ブテン系重合体として1種類の1−ブテン系重合体を含有してもよいし、2種以上の1−ブテン系重合体を組み合わせて含有してもよい。
1−ブテン系重合体のメルトフローレート(MFR)は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの成形性の観点から、好ましくは5〜15g/10分、より好ましくは6〜13g/10分である。上記MFRは、JIS K7210に準じ、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定した値である。
樹脂組成物a中の1−ブテン系重合体の含量は、樹脂組成物aの総量に基づいて好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜4質量%である。上記範囲の含量で樹脂組成物aが1−ブテン系重合体を含有する場合、得られるフィルムの層間剥離を防止しやすいため好ましい。
樹脂組成物aは、化学的な安定性を高める観点から、熱安定剤、酸化防止剤等をさらに含有してもよい。例えば、フェノール系、ヒンダードアミン系、フォスファイト系、ラクトン系、トコフェロール系の熱安定剤及び酸化防止剤が挙げられる。具体的には、ジブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシ)ベンゼン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等を挙げることができる。より具体的には、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製のIrganox(登録商標)1010、Irganox(登録商標)1330、Irgafos(登録商標)168等が挙げられる。中でも、フェノール系酸化防止剤系から選ばれた少なくとも1種あるいはそれらの組み合わせ、フェノール系とフォスファイト系との組み合わせ、フェノール系とラクトン系との組み合わせ、フェノール系とフォスファイト系とラクトン系の組み合わせが、プロピレン系重合体に化学的な安定性を付与する観点から好ましい。
樹脂組成物aは、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、結晶化核剤、有機及び/又は無機のすべり剤、塩素捕獲剤、帯電防止剤等をさらに含有してもよい。
結晶化核剤としては、特に限定されないが、例えば各種無機化合物、各種カルボン酸又はその金属塩、ジベンジリデンソルビトール系化合物、アリールフォスフェート系化合物、環状多価金属アリールフォスフェート系化合物と脂肪族モノカルボン酸アルカリ金属塩又は塩基性アルミニウム・リチウム・ヒドロキシ・カーボネート・ハイドレートとの混合物、各種高分子化合物等のα晶核剤等が挙げられる。
すべり剤としては、特に限定されないが、例えばステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪族アミド、ラウリル酸ジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミン、脂肪族モノグリセライド、脂肪族ジグリセライド、シリカ、アルミナ、シリコーン架橋ポリマー等が挙げられる。
塩素捕獲剤としては、特に限定されないが、例えばステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
帯電防止剤としては、特に限定されないが、例えばアルキルメチルジベタイン、アルキルアミンジエタノール、アルキルアミンエタノールエステル、アルキルアミンジエタノールジエステル等が挙げられる。
B層は、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに優れた機械特性を付与するために設けられる層である。B層は、プロピレン系重合体を含有する樹脂組成物bから形成される。
樹脂組成物bに含有されるプロピレン系重合体は、プロピレンに由来する構造単位を含む重合体であり、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)及びプロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィン(例えば、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセンなど)との共重合体等が挙げられる。樹脂組成物bはプロピレン系重合体として1種類のプロピレン系重合体を含有してもよいし、2種以上のプロピレン系重合体を組み合わせて含有してもよい。プロピレン系重合体におけるプロピレンに由来する構造単位の割合は、プロピレン系重合体を構成する全構造単位に基づいて、好ましくは85モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上である。該割合は100モル%以下であってよい。
樹脂組成物bに含有されるプロピレン系重合体と、樹脂組成物aに含有される上記プロピレン系重合体とは、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。A層とB層との接着性の観点からは、樹脂組成物bに含有されるプロピレン系重合体と、樹脂組成物aに含有されるプロピレン系重合体とが同一であることが好ましい。
また、樹脂組成物bは、樹脂組成物aについて上記に記載したものと同様の熱安定剤、酸化防止剤、結晶化核剤、すべり剤、塩素捕獲剤、帯電防止剤等を含有してもよい。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、B層と該B層の少なくとも一方の面に積層されたA層とを含む。具体的には、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、A層とB層とが積層された2層構成、A層/B層/A層の順に積層されてなる3層構成、A層及びB層のいずれとも異なるC層(例えば、エチレン変性アイソタクチックポリプロピレン樹脂(ランダムコポリマーやブロックコポリマー)、アタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピン等を含む組成物から形成される層)が、A層/B層/C層の順に積層されてなる3層構成等が挙げられる。積層時における成形性の観点からは、A層/B層/A層の3層構造が好ましい。本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムがA層/B層/A層の順に積層されてなる3層構成を含む本発明の一態様において、2つのA層は同一の組成を有する同一の樹脂組成物aから形成されてもよいし、上記の樹脂組成物aの範疇に属するものの、その成分組成が互いに異なる樹脂組成物aから形成されてもよい。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの総厚みは、好ましくは3〜60μm、より好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは20〜50μmである。フィルムの総厚みが上記範囲内であることにより、機械特性及び延伸性に優れたフィルムを得やすくなる。A層1層の厚みは、B層1層の厚みに対し、2〜10%であることが好ましく、2〜5%であることがより好ましい。本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムが2つ以上のA層を含有する場合、各A層の厚みは同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの、剥離速度1000mm/分におけるテープ剥離力は、フィルムの剥離性の観点から、好ましくは95mN/mm以下、より好ましくは10〜90mN/mmである。テープ剥離力は、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに粘着テープを貼り付けたサンプルを用いて、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを引張試験機にて上記剥離速度で剥離する際に計測される剥離力である。当該テープ剥離力は、樹脂組成物a中の4−メチルペンテン−1系重合体の含量により調節できる。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムのA層側のフィルム表面の粗さ曲線から得られる負荷曲線における突出山部高さ(Rpk)は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの平滑性の観点から、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、さらに好ましくは0.03μm以下である。該突出山部高さ(Rpk)は、通常、0.005μm以上であり、好ましくは0.007μm以上である。
突出山部高さ(Rpk)とは、JIS B−0671−2:2002で、線形負荷曲線による高さ特性より計算される、粗さ曲線のコア部の上にある突出山部の平均高さであって、フィルム表面の連続した起伏の影響を取り除きながら、被着体との接触に影響が大きい、突出した凸部、すなわち異常突出部の状態を、正確に判定することを可能とする指標である。
突出山部高さ(Rpk)は、触針による接触式や可視光反射、レーザー光干渉による非接触式、走査プローブ顕微鏡(SPM/AFM)等による原子間力位相差測定等により測定することができる。
このようなRpk値は、粗さ曲線のコア部の外にはみ出る異常突出部の平均高さを意味し、この値が大きいほど、フィルム表面の異常突出部が多い、すなわち、被着体に対する食いつきが大きく、剥離力が重くなる原因の固着が生じやすい形状であることを表す。この値が小さいと、異常突出部が少なく被着体への固着を生じにくい突出山部が平滑なプラトー(丘陵)構造となり、剥離用のフィルムの表面として好ましい。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムのヘーズは、好ましくは30%以下、より好ましくは15%以下である。ヘーズ値(曇り度)は、公知のヘーズメーター等を用いて測定することができる。ヘーズ値(曇り度)が高いフィルムは(一般的に内部ヘーズが低い薄いフィルムの場合には)、表面の粗さが粗い状態を示す。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、少なくともA層とB層とを積層し、二軸延伸することによって得ることができる。
各層を形成する樹脂組成物a及びbは、公知の方法で混合して得ることができる。混合方法は特に限定されないが、例えば各重合体の重合粉又はペレットを、ミキサー等を用いてドライブレンドする方法、各重合体の重合粉又はペレットを混練機に供給して溶融混練してブレンド樹脂を得る方法等が挙げられる。混合に使用するミキサーや混練機も特に限定されない。例えば、一軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプ、あるいはそれ以上の多軸スクリュータイプのいずれの混練機を使用してもい。2軸以上のスクリュータイプの混練機を使用する場合、同方向回転タイプ、異方向回転タイプのいずれの混練機を使用してもよい。各重合体の重合粉又はペレットを混練機に供給して溶融混練する場合の溶融混練温度は、特に限定されないが、樹脂が完全に溶融しかつ樹脂の劣化が起こりにくい成型温度域に設定する観点から、好ましくは200〜300℃、より好ましくは230〜270℃である。混練時の樹脂の劣化を防止するため、混練機に窒素等の不活性ガスをパージしてもよい。溶融混練によりブレンドされた樹脂組成物を冷却することなく積層に用いてもよいし、樹脂組成物を、公知の造粒機を用いて、適当な大きさにペレタイズして樹脂組成物のペレットを得てもよい。樹脂組成物a及び/又はbは、樹脂の混合性が高まり、フィルムの剥離性を得やすい観点から、溶融混合により得られた樹脂組成物であることが好ましい。
二軸延伸方法としては、厚み斑・平面性が良好であるテンター法が好ましい。テンター法としては、同時二軸延伸法又は逐次二軸延伸法のいずれの方法でもよい。以下において、逐次二軸延伸法を用いてA層/B層/A層の層構造を有するポリプロピレンフィルムを製造する方法を例として、二軸延伸方法を説明する。
まず、前記のように調製した樹脂組成物を、230〜270℃で押出機にて溶融し、Tダイよりシート状に溶融押出する。A層及びB層を形成する樹脂組成物a及びbを、それぞれ押出機内にて溶融混練し、樹脂の合流装置を用いてA層/B層/A層の構成を形成する。該合流装置としては、樹脂を口金前のポリマー管内で合流する方法、口金の樹脂導入部に設けられた積層ユニットで合流するフィードブロック法、口金内で拡幅後に両樹脂を積層するマニホールド積層法等が例示されるが、特に限定されない。
このようにして得られたA層/B層/A層の構成を有する積層シートを、20〜60℃にコントロールした、少なくとも1個以上の金属ドラム上に、エアーナイフにより密着させてシート状に成形し、キャスト原反シートを得る。
次に、得られたキャスト原反シートに、逐次二軸延伸を施す。キャスト原反シートを100〜160℃に保ち、速度差を設けたロール間に通して流れ方向に4〜5倍に延伸し、直ちに室温に冷却する。次いで、当該フィルムをテンターに導き、160℃以上の温度で幅方向に8〜10倍に延伸した後、緩和、熱固定を施し巻き取る。
巻き取られたフィルムは、20〜45℃程度の雰囲気中でエージング処理を施された後、所望の製品幅に断裁して、二軸延伸ポリプロピレンフィルムとすることができる。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、上述のとおり、剥離性に優れているため、剥離用のフィルムとして優れている。本発明の二軸延伸フィルムは、表面保護フィルム及び粘着テープ等に使用する剥離フィルム、剥離ライナー又はセパレータフィルム、ならびに複合材料製造時のキャリアー等として好適に使用される。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、部及び%はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
[測定方法及び評価方法]
実施例及び比較例における、各種測定方法及び評価方法は、次のとおりである。
(1)プロピレン系重合体の230℃におけるメルトフローレート(MFR)
JIS K−7210(1999)に従い測定した。
(2)4−メチルペンテン−1系重合体の20℃におけるメルトフローレート(MFR)
JIS K−7210(1999)に従い測定した。

(3)アイソタクチックメソペンタッド分率([mmmm])
プロピレン系重合体を溶媒に溶解し、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT−NMR)を用いて、以下の条件で、アイソタクチックメソペンタッド分率([mmmm])を求めた。
測定機:日本電子株式会社製、高温FT−NMR JNM−ECP500
観測核:13C(125MHz)
測定温度:135℃
溶媒:オルト−ジクロロベンゼン〔ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(4/1)〕
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:9.1μsec(45°パルス)
パルス間隔:5.5sec
積算回数:4500回
シフト基準:CH(mmmm)=21.7ppm
(4)灰分
プロピレン系重合体の灰分は、ISO3451−1に準拠し、樹脂 1kgをるつぼに入れ、マッフル炉にて750℃で1時間溶融加熱した前後の重量より算出した。
(5)融点
4−メチルペンテン−1系重合体の融点は、パーキン・エルマー社製、入力補償型DSC Diamond DSCを用い、以下の手順により算出した。
まず、4−メチルペンテン−1系重合体を2mg量りとり、アルミニウム製のサンプルホルダーに詰め、DSC装置にセットし、窒素流下0℃から280℃まで10℃/分の速度で昇温し、280℃で5分間保持、10℃/分で30℃まで冷却後、再び10℃/分で280℃まで昇温する際の吸熱ピークを融点とした。
(6)フィルム厚みの評価
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの総厚みは、マイクロメーター(JIS B−7502)を用いて、JIS C−2151に準拠して測定した。
(7)テープ剥離力
二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、日東電工(株)製ポリエステル粘着テープNO.31B をローラーで貼付した後、25mm幅にカットしてサンプルを作製した。そのサンプルを、引っ張り試験機を用いて1000mm/分の速度で剥離し、剥離力を計測した。測定数は3とし、その平均値を採用した。
(8)層間接着性
二軸延伸ポリプロピレンフィルムに 日東電工(株)製ポリエステル粘着テープNO.31B をローラーで貼付し、荷重:5g/mm2、温度:100℃の条件で30分エージングした後、それを25mm幅にカットしてサンプルを作製した。得られたサンプルを、引っ張り試験機を用いて1000mm/分の速度で剥離し、サンプルの剥離状態を以下の基準で評価した。
◎:A層の剥離がなく良好
○:A層に一部剥離が見られるが使用可能
×:A層が完全に剥離し使用不可能
(9)突出山部高さ(Rpk)
測定機:菱化システム社製 光干渉方式表面・層断面形状計測器 VertScan(登録商標)2.0
JIS B−0671-2:2002に規定されるコア部のレベル差(Rk)、突出山部高さRpk、突出谷部深さ(Rvk)のうち、コア部のレベル差(Rk)及び突出山部高さ(Rpk)を指標とした。
(10)ヘーズ(曇り)度
日本電色社製 ヘーズメーター NDH−5000を用い、50mm×100mmにカットしたサンプルを測定した。測定数は3とし、その平均値を採用した。
(11)微小転移物
二軸延伸ポリプロピレンフィルムに 日東電工(株)製ポリエステル粘着テープNO.31B をローラーで貼付した後、25mm幅にカットしてサンプルを作製した。そのサンプルをクリーン環境下Class1000(FED-STD-209D、米国連邦規格)にて粘着テープを剥離し、シリコンウェーハ(株式会社SUMCO製、ポリッシュトウェーハ(PW)、4インチ)にローラーで貼付し、24時間後粘着テープを剥離、シリコンウェーハ表面を偏光顕微鏡(株式会社NICON製、ECLIPSE LV100N POL)にて倍率800倍、反射照明下で観察し、1μm〜100μmの異物を計測した。1cm辺りの異物(微小転移物)数を以下の基準で評価した。測定数は3とし、その平均値を採用した。
◎:5個未満
〇:5個以上10個未満
×:10個以上
実施例1
プロピレン系重合体としてのプライムポリマー社製ホモポリプロピレン樹脂(MFR=3g/10分(荷重21.18N、230℃)、[mmmm]=94%、総灰分=25ppm)69部、4−メチルペンテン−1系重合体としての三井化学株式会社製 TPX(登録商標)EP0518(MFR=4g/10分(P=2.16Kg、230℃)、融点180℃)30部、及び1−ブテン系重合体としての三井化学株式会社製 タフマー(登録商標)BL3450(MFR=12g/10分(荷重21.18N、230℃)、1−ブテン由来の構造単位:87%)1部をドライブレンドし、樹脂組成物aを得た。
(メルトブレンド)
東洋精機社製ラボプラストミル(モデル4C150)に2軸押出機(ストランドダイ装備、L/D=25)を接続した試験機構成にて、得られた樹脂組成物aのドライブレンド物をホッパーから投入し、最高温度250℃にて溶融混合した。次いで、樹脂ストランドを生成させ、連続して水冷後ストランドカッターを用いてペレットを作製し、メルトブレンド(溶融混合)された樹脂組成物aのペレットを得た。
(キャスト成型)
得られた樹脂組成物aを、直径50mmのGMエンジニアリング社製 単軸押出機 GM50にホッパーから投入し(A層)、一方、上記プロピレン系重合体のみを樹脂組成物bとして直径65mmのGMエンジニアリング社製 単軸押出機 GM65に投入して(B層)、250℃にて、マルチマニホールドダイ(幅300mm)からA層/B層/A層の構成となるようにシートとして押出したのち、冷却ドラム上でエアーナイフを用い空気圧で押しつけながら、冷却固化させ、キャスト原反シートを得た。
(二軸延伸フィルム化)
次いで、ブルックナー社製バッチ式二軸延伸機 KARO IVを用いて、予熱温度162℃、予熱時間2分、延伸温度162℃、延伸速度100%/秒の延伸条件、熱セット条件162℃、30秒にて、得られたキャスト原反シートを、流れ方向(MD)に5倍、幅方向の延伸倍率を9倍延伸し、フィルム総厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例2
ドライブレンドされた樹脂組成物aをキャスト成型に使用し、メルトブレンドを行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例3
フィルム総厚みを50μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例4
樹脂組成物a中、1−ブテン系重合体を使用せず、プロピレン系重合体の量を70質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例5
樹脂組成物a中、4−メチルペンテン−1系重合体を20質量部、プロピレン系重合体を79質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例6
樹脂組成物a中、4−メチルペンテン−1系重合体を15質量部、プロピレン系重合体を84質量部とし、フィルム総厚みを30μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例7
樹脂組成物a中、4−メチルペンテン−1系重合体を40質量部、プロピレン系重合体を59質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例1
樹脂組成物a中、4−メチルペンテン−1系重合体として224℃の融点を有する4−メチルペンテン−1系重合体を30質量部使用し、1−ブテン系重合体の量を2質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例2
樹脂組成物a中、4−メチルペンテン−1系重合体として224℃の融点を有する4−メチルペンテン−1系重合体を40質量部使用し、1−ブテン系重合体の量を2質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例3
樹脂組成物a中、4−メチルペンテン−1系重合体として224℃の融点を有する4−メチルペンテン−1系重合体を52質量部使用し、1−ブテン系重合体の量を2質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例4
樹脂組成物aとしてプロピレン系重合体100質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
得られたフィルムの各種物性を表1に示した。
Figure 0006323285
実施例1〜7に示される本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、良好な二軸延伸加工性を有していた。また、本発明の二軸延伸フィルムは、表1に示されるように、良好な剥離性、平滑性を示した。さらに、本発明の二軸延伸フィルムにおいては、微小転移物が抑制された。
これに対し、高融点の4−メチルペンテン−1系重合体を用いた比較例1〜3のフィルムは、十分な平滑性を示さなかった。また、微小転移物も多かった。さらに、樹脂組成物a中に4−メチルペンテン−1系重合体を含有しない比較例4のフィルムは十分な剥離性を示さなかった。

Claims (5)

  1. プロピレン系重合体を含有する樹脂組成物bから形成されたB層と、該B層の少なくとも一方の面に積層され、樹脂組成物aから形成されたA層とを含む二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、該樹脂組成物aはプロピレン系重合体と160〜190℃の融点及び230℃における3〜10g/10分のメルトフローレートを有する4−メチルペンテン−1系重合体とを含有
    A層側のフィルム表面の粗さ曲線から得られる負荷曲線における突出山部高さ(Rpk)は0.1μm以下であり、
    樹脂組成物a及び/又は樹脂組成物bに含まれるプロピレン系重合体は、92%以上のアイソタクチックメソペンタッド分率及び50ppm以下の灰分を有するアイソタクチックポリプロピレンホモポリマーである、二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  2. 樹脂組成物aは、樹脂組成物aの総量に基づいて5〜50質量%の4−メチルペンテン−1系重合体を含有する、請求項1に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  3. 樹脂組成物aは、樹脂組成物aの総量に基づいて0.1〜5質量%の1−ブテン系重合体をさらに含有する、請求項1〜のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  4. 樹脂組成物aは溶融混合により得られた組成物である、請求項1〜のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  5. 樹脂組成物aは、樹脂組成物aの総量に基づいて10〜25質量%の4−メチルペンテン−1系重合体を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
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