JP5841618B2 - 金型のリペア方法およびこれを用いた機能性フィルムの製造方法 - Google Patents

金型のリペア方法およびこれを用いた機能性フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金型のリペア方法およびこれを用いた機能性フィルムの製造方法に関し、特に、多孔質膜を表面に有する金型のリペア方法に関する。
近年、サブ波長構造(SWS)とも呼ばれる、可視光の波長(約380〜780nm)オーダーのサイズを有する微細な構造体から構成される光学素子が開発されている。入射光の波長以下のサイズを有する凹凸のパターンを基板表面に形成すれば、表面での光の反射を抑制することができる。個々の凹凸のサイズは、例えば、10nm以上500nm未満に設定される。
なかでも、モスアイ(Motheye、蛾の目)構造の原理を用いた反射防止技術に注目が集まっている。モスアイ構造を利用すれば、凹凸の深さ(高さ)方向に沿って、疑似的に、屈折率を連続変化させることができる。つまり、モスアイ構造が形成された表面では、光の進行方向において実質的な屈折率差を有する界面が存在しないので、光の反射を好適に防止できる。
モスアイ構造は、広い波長域にわたって入射角依存性の小さい反射防止作用を発揮できるほか、多くの材料に適用でき、凹凸パターンを基板に直接形成できるなどの利点を有している。このため、低コストで高性能の反射防止膜を提供することが可能になる。
モスアイ構造は、例えば、アルミニウム基材を陽極酸化することによって得られる陽極酸化ポーラスアルミナ層(多孔質型酸化皮膜)を用いて作製することができる(例えば、特許文献1)。以下、アルミニウム基材を陽極酸化することによって形成される陽極酸化ポーラスアルミナ層について簡単に説明する。
アルミニウム基材を、例えば、硫酸、シュウ酸、またはリン酸等の酸性電解液中に浸漬し、これを陽極として電圧を印加すると、基材の表面で酸化と溶解が同時に進行する。その結果、基材の表面には、複数の細孔を有する酸化皮膜(ポーラスアルミナ層)が形成される。
この円柱状の細孔は、酸化皮膜に対して垂直に形成されるとともに、陽極酸化プロセスを所定条件下で行うことで、自己組織化によって規則的に配列される。アルミニウムの陽極酸化を用いれば、種々の規則性パターンを有する微細構造体を、比較的容易かつ安価に形成することができる。
本願出願人は、特許文献1において、陽極酸化ポーラスアルミナ膜を表面に有するスタンパを用いて、反射防止膜(反射防止表面)を形成する方法を開示している。また、特許文献1には、微細な凹部が階段状の側面を有するアルミナ層を用いて反射防止膜を形成する技術が記載されている。
ポーラスアルミナ膜を利用すれば、モスアイ構造を表面に形成するための型(以下、「モスアイ用型」という。)を容易に製造することができる。特に、特許文献1に記載されているように、アルミニウムの陽極酸化膜の表面をそのまま型として利用すると、製造コストを低減する効果が大きい。
モスアイ用型を、例えば、透明フィルム上に付与された光硬化性樹脂に対して押し付けることによって反射防止膜を製造することができる。より具体的には、モスアイ用型の凹凸表面を光硬化性樹脂に真空中で押圧し、押圧した状態で光硬化性樹脂に紫外線を照射することによりこれを硬化させ、その後、硬化した樹脂をモスアイ用型から分離する。このように型の表面形状を、紫外線で硬化させながら樹脂に転写する方法は、UVインプリント技術と呼ばれる。
国際公開第2006/059686号 特開2004−009559号公報 特開平11−254454号公報 特開2005−111775号公報 特開2003−109757号公報 特開2006−79988号公報 特開2006−113127号公報
金型を用いた樹脂への転写工程を継続すると、金型表面の特に凹部において樹脂が残留し、いわゆる樹脂詰まりが発生する。樹脂詰まりが生じた金型では、所望の形状の成形品を作製することができなくなる。
UVインプリント技術によりモスアイフィルムを製造する際にも、モスアイ用型に樹脂詰り(欠陥部分)が発生する。樹脂詰まりを防止するために、モスアイ用型にフッ素コート(離型剤)を施しているが、成型回数の増加に伴い、離型剤の消費などによって欠陥部分の数も増加する。これまで、欠陥部分の発生したモスアイ用型は、破棄されるか、あるいは、表面を切削またはエッチングすることによる再生処理が施されていた。このことが、モスアイフィルム製造のコストアップの要因となっていた。
量産性を向上させ、製造コストを抑えるためには、金型に残留した樹脂を適切に除去できることが望ましい。しかし、ポーラスアルミナ層を用いて形成されるモスアイ用型のように、非常に微細な凹凸構造が形成された表面をもつ金型の場合、樹脂の除去が容易ではない。
特許文献2に、樹脂などの異物を金型から取り除く方法が記載されている。この方法では、金型に残留した異物に熱可塑性樹脂を吸着させ、その後、熱硬化性樹脂を衝突させることによって、異物を熱可塑性樹脂ごと除去している。なお、この方法では熱可塑性樹脂を用いているが、例えば、除去対象が有機物の場合は、有機物と反応性の高い不活性ガス、若しくは固形物を衝突させることにより除去することも可能である。
しかし、このような方法を用いたとしても、モスアイ用型のような、多数の微細孔を有するような金型では、孔の内部や凹凸の狭間で金型に固着している樹脂材料を適切に取り除くことは非常に困難である。金型の表層に残存する樹脂は除去できたとしても、例えば径が数100nm程度の孔の内壁に固着しているような樹脂を、物理的な衝突により除去することは難しい。
このため、モスアイ用型のような、多孔質膜を表面に有する金型から残留樹脂を取り除き、適切に修復する方法が求められていた。なお、モスアイ用型に限らず、例えばサブミクロンオーダーまたはナノオーダー程度の微細な凹部を含む多孔質膜を表面に有する型を用いるときにも、型に残った樹脂材料を適切に除去することが望まれる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の微細な凹部が形成された多孔質表面を有する金型において、残留した樹脂材料を適切に除去することによって、金型としての機能を修復することが可能になる金型リペア方法を提供することをその目的とする。
本発明の実施形態による金型リペア方法は、陽極酸化によって形成された複数の凹部を含む多孔質膜を表面に有する金型に付着した樹脂材料を除去する、金型のリペア方法であって、前記複数の凹部上の金型表層に露出した前記樹脂材料を除去する第1工程であって、大気圧プラズマ処理を用いない第1工程と、前記第1工程の後に行われ、前記複数の凹部内に残存する前記樹脂材料の少なくとも一部を大気圧プラズマ処理により除去する第2工程とを包含する。
ある実施形態において、前記金型はアルミニウム材料を含み、前記多孔質膜はポーラスアルミナ層を有する。
ある実施形態において、前記第2工程では、前記金型上に局所的に残存する前記樹脂材料に対して、局所的に大気圧プラズマ処理が行われる。
ある実施形態において、前記第1工程は、薬液処理によって前記樹脂材料を除去する工程を含む。
ある実施形態において、前記第1工程は、ドライアイスの噴射によって前記樹脂材料を除去する工程を含む。
ある実施形態において、前記第1工程は、レーザアブレーションによって前記樹脂材料を除去する工程を含む。
ある実施形態において、前記金型の前記表面は曲面からなる。
ある実施形態において、前記金型の前記表面には離型材が付与されている。
本発明の実施形態による金型は、上記のいずれかに記載のリペア方法によってリペアされた金型である。
本発明の実施形態によるモスアイフィルムは、上記のリペアされた金型を用いて作製される。
本発明の実施形態による機能性フィルムの製造方法は、陽極酸化によって形成された複数の凹部を含む多孔質膜を表面に有する金型を用意する工程と、前記金型の前記表面の形状を光硬化性樹脂材料にインプリントする工程と、前記インプリントする工程の後に、前記金型に付着した前記光硬化性樹脂材料を除去する工程と、前記付着した樹脂材料を除去する工程の後に、前記金型の前記表面の形状を光硬化性樹脂にインプリントする工程とを包含し、前記光硬化性樹脂材料を除去する工程は、前記複数の凹部上の金型表層に露出した前記樹脂材料を除去する第1工程であって、大気圧プラズマ処理を用いない第1工程と、前記第1工程の後に行われ、前記複数の凹部内に残存する前記樹脂材料の少なくとも一部を大気圧プラズマ処理により除去する第2工程とを含む。
ある実施形態において、前記金型を用意する工程は、前記多孔質膜からなる前記表面に離型剤を付与する工程を包む。
本発明の実施形態によれば、多孔質膜を表面に有する金型のリペアを適切に行うことができる。本発明の実施形態によって、例えば、ポーラスアルミナ層を有するモスアイ用型を適切にリペアすることができるので、モスアイフィルムなどの機能性フィルムの量産性が向上し、製造コストを低減することができる。
種々の樹脂膜除去プロセスにおける除去可能膜厚(横軸)および処理面積(縦軸)の関係を示す図である。 大気圧プラズマ処理によって樹脂膜の除去を行ったときの、処理前および処理後の様子を示す。 CIP方式によるプラズマエッチングにより樹脂膜の除去を行ったときの、処理前および処理後の様子を示す。 大気圧プラズマ処理によって樹脂膜の除去を行ったときに生じ得るアーク放電による金型への損層部分を示す図である。 (a)および(b)は、それぞれ、薬液処理によって樹脂膜の除去を行ったときの、処理前および処理後の様子を示す。 (a)および(b)は、それぞれ、本発明の実施形態にかかる大気圧プラズマ処理装置の断面図である。 ドライアイススノー噴射により樹脂膜の除去を行ったときの、処理前および処理後の様子を示す。 本発明の実施形態によるリペア装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態によるリペア方法によりリペアされた金型を用いて行うモスアイフィルムの製造方法を説明するための断面図である。 凹凸により形成されるモスアイ構造の断面を示す図である。
以下の実施形態では、陽極酸化により得られるポーラスアルミナ層を表面に有するモスアイ用型を、紫外線硬化性樹脂にUVインプリントしてモスアイフィルムを作製する場合について説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
まず、モスアイ用型を使用した際に生じる樹脂詰まりについての本発明者の考察、および、樹脂の除去方法についての検討の結果を説明する。
モスアイ用型は、表面に離型剤を付与した上で使用されることが多い。この離型剤として、典型的には、フッ素系の材料(例えば、フロロテクノロジー社製のフロロサーフ)が用いられる。フッ素系離型剤は、フッ素系離型剤以外の、例えばシリコーン系の離型剤等の離型剤に比べ、紫外線硬化性樹脂に対する離型性が高いという利点がある。また、フッ素系の離型剤は、紫外線に対する耐性が高いという利点がある。
しかし、離型剤を付与していたとしても、離型剤が消費されることなどによって、次第にモスアイ用型と樹脂との密着性が上昇する。その結果、モスアイ用型には、フィルム剥離後に樹脂の一部が残留することになる。このような残留樹脂は、例えば、数ミリ程度のサイズを有し、例えば、半径数十センチで幅1m程度のロール状のモスアイ用型(図9参照)を用いる場合に、1000m処理あたり樹脂残留箇所が20〜30箇所程度発生する。なお、残留樹脂の固着が生じる前に、離型剤を塗り直すことも考えられるが、ロール状の金型を用いる場合には、離型剤の再塗布も容易ではない。
本発明者の考察によれば、残留物としてモスアイ用型に付着した樹脂などの異物は、大きく分けて、2つの層から構成されていると考えられる。第1の層は、型の表層に付着しているUV樹脂の硬化物(厚膜)であり、その厚さは、例えば、5μm〜10μm程度である。また、第2の層は、特にポーラスアルミナ層の微細凹部において固着していると考えられる層であり、UV樹脂、UV樹脂と離型剤、あるいは、UV樹脂とアルミナとの反応物が含まれ得る層(薄膜)である。第2の層の厚さは、微細凹部のサイズから考えると、数ミクロン以下である。
このように、厚膜と薄膜とで構成される残留樹脂に対して、本発明者は、種々の除去方法を検討した。図1は、本発明者の実験により得られた各種除去方法についての処理結果を示す。図1において、横軸に除去可能膜厚、縦軸に処理面積を示す。
図1に示すように、薬液(剥離液)処理は、厚膜の除去には向いているが、薄膜の除去には不向きである。これは、薬液処理によって薄膜の除去を試みると、型へのダメージが大きくなるからである。このため、薬液処理は、表層の厚膜の除去には好適であるが、薄膜の除去には不向きである。
また、ドライアイススノー処理も、厚膜の除去は可能であったが、薄膜の除去は不可能であった。モスアイ用型の場合、ナノオーダー(あるいはサブミクロンオーダー)の凹部が表面に設けられており、そこに詰まった樹脂を、他の粒子を衝突させることで物理的に除去しようとすると、それよりも小さい粒子を衝突させることが必要である。ドライアイススノーの粒子径は数100μmのオーダーであることから、薄膜の除去には適さないことが分かる。
一方、ドライ処理(ICP(誘導結合型プラズマ)方式によるドライエッチングや大気圧プラズマ処理など)は、導入するガス種により、エッチングする材料の選択性を高めることができるため、薄膜の除去も可能である。また、条件によっては厚膜の除去も可能である。
ただし、ICP方式などの一般的なプラズマエッチング装置を用いたドライエッチングでは、全面に対して処理が行われるので、樹脂残りが生じていない部分にもプラズマエッチングが施される。このため、金型の一部において、残留樹脂が存在するような場合には、全面に対して処理すると、不必要に金型の表面を荒らす結果となり、好ましくないという一面がある。また、一般的なプラズマエッチング装置では、真空チャンバ内で処理が行われるので、処理装置や処理工程が大掛かりになるという点も問題となり得る。
これに対して、大気圧プラズマ処理を用いる場合、比較的簡便に樹脂の除去を行うことができる。また、公知のスポット型大気圧プラズマ(プラズマジェット)装置を用いれば、不必要な部分にまでプラズマ処理を施す必要がなく、局所的に存在する残留樹脂部分のみを処理することも可能になる。このような大気圧プラズマ処理による金型洗浄工程は、例えば、特許文献4に記載されている。また、プラズマジェット装置は、特許文献5に記載されている。
しかし、本発明者による実験の結果、大気圧プラズマ処理(プラズマジェット)によって厚膜を除去しようとすると、樹脂膜の除去レートが処理途中から著しく低下することがわかった。すなわち、残留樹脂の残部が少なくなるにつれ、それ以上の除去が進みにくくなり、結果として、長時間のプラズマ処理が必要になる。また、図2に示すように、大気圧プラズマ処理を用いて比較的長い時間処理を行ったとしても、樹脂が残留してしまうこともあった。
金型に対して、長時間(例えば、60min以上)のプラズマ処理を行うことは好ましくない。プラズマ処理時間が長くなるにつれ、アーク放電が発生する確率が高くなるからである。アーク放電が生じた場合には、モスアイ用型へのダメージが非常に大きいものとなってしまう。つまり、長時間にわたるプラズマ処理を行うと、樹脂除去を効率的に行えない上に、金型を損傷させる可能性を高めてしまうことになる。したがって、残留樹脂の除去を、大気圧プラズマ処理のみによって行うことも好適ではない。
以上に説明したように、表面に微細孔を有する金型から残存樹脂を1度(1種類)のプロセスで除去しようとすると、樹脂残り、あるいは、金型へのダメージが発生してしまう。特に、モスアイ用型のように、金型表面に微細孔や微細凹凸構造が形成されている場合、異物を除去した後に、求められる形状精度を有する成形品が得られなくなる(すなわち、金型としての機能を失う)ので、成形品の量産性が著しく低下する。
これに対し、まず、微細孔の外側に付着している残存樹脂を大気圧プラズマ処理以外の適切な処理(例えば、薬液処理、ドライアイススノー処理、あるいは、レーザ照射処理)で除去し、その後に、微細孔の内部に残存する樹脂を大気圧プラズマ処理で除去すれば、金型へのダメージを低減しながら、樹脂の除去を適切に行うことができることが、本発明者によってわかった。
すなわち、本発明の実施形態にかかるリペア方法では、まず、金型に対して大気圧プラズマ処理以外の樹脂除去処理が行われ、その後に、大気圧プラズマ処理が行われる。このような2段階の除去工程によって、モスアイ用型のような非常に微細な孔(あるいは凹凸)が表面に形成された金型であっても、適切にリペアすることができる。特に、下記の(1)〜(3)のそれぞれに示す前段処理(ステップI)と後段処理(ステップII)との組み合わせによって金型のリペア処理を行うことが好ましい。
(1)ステップI:薬液(剥離液)処理(ウェット方式)
ステップII:大気圧プラズマ処理
(2)ステップI:ドライアイススノー処理
ステップII:大気圧プラズマ処理
(3)ステップI:レーザ照射処理
ステップII:大気圧プラズマ処理
ステップIでの各処理により、金型表面に残留した樹脂の表層部分(厚膜)は除去される。このため、後続するステップIIの大気圧プラズマ処理は、型表面に損傷を与えることなく、比較的短時間で残りの薄膜樹脂(または樹脂と離型剤やアルミナとの化合物)を除去することができる。好ましくは、離型剤がとれない程度に、大気圧プラズマ処理が施される。
また、スポット型大気圧プラズマ処理を用いて、局所的に残留する樹脂に対して局所的にプラズマ処理することが好ましい。このようなスポット型大気圧プラズマ処理は、例えば、公知の走査型マイクロプラズマジェットエッチング装置を用いて行うことができる。
上記(1)〜(3)に示す各プロセスでは、後段処理として、いずれも大気圧プラズマ処理を用いている。ただし、例えば、大気圧プラズマのみで長時間処理した場合、アーク放電の発生や、熱電子および酸素プラズマの影響により、金型が損傷を受けてしまうことが確認されている。このため、本発明の実施形態では、大気圧プラズマ処理の前に、大気圧プラズマ処理とは異なる手法による前段処理を行っている。
参考までに、ICP方式によるプラズマ発生装置および大気圧プラズマ処理(ライン電極式)を用いてドライエッチングを行った場合の実験の結果を図3および図4に示す。
図3は、ICP方式によるプラズマ発生装置を用いてドライエッチングを行ったときの様子を示す。この例では、エッチング条件を、プラズマ発生源と処理表面との距離Gap=200mm、チャンバ内圧力20mTorr、高周波電力1000Wに設定し、反応ガスとしてO2ガスを流量1000sccmで供給することにより樹脂の除去を行っている。図3からわかるように、ICP方式によるプラズマ発生装置を用いたところ、20分後には残留樹脂を除去することができた。しかし、上述したように、一般的なドライエッチング処理は、真空チャンバ内で行われるため、金型の形状や寸法によっては特別な装置を用意する必要が生じる。また、金型の全体にプラズマ処理を施すと、反応熱などによって金型全体を損傷させる可能性がある。これらの理由から、本発明の実施形態では、ICP方式などのドライエッチング処理を採用せずに、大気圧プラズマ処理を採用している。
図4は、大気圧プラズマ処理(ライン電極式)で樹脂除去工程を行った場合を示している。図4に示すように、比較的高い高周波出力(1.4kW)で大気圧プラズマ処理を比較的長い時間行ったときに、アーク放電によるダメージArcが金型上に形成された。また、より低い出力(1kW)で大気圧プラズマ処理を行ったときには、同時間であれば金型に供与される熱量は低くなるので、アーク放電によるダメージの発生の確率は抑制される。しかし、長時間行えばやはりアーク放電が発生する可能性があるので好ましくない。したがって、大気圧プラズマ処理は、短時間だけ行われることが好ましい。なお、ライン電極式の場合には、金型の樹脂がない部分も不必要に荒らすおそれがある。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明は例示する実施形態に限定されない。以下では、表面にポーラスアルミナ層を有するモスアイ用型(以下、単に「金型」と呼ぶことがある)をリペアする方法を説明する。モスアイ用型は、平板状であっても良く、ロール状であっても良い。
<実施形態1>
実施形態1では、前段処理(ステップI)を薬液処理で行い、後段処理(ステップII)を大気圧プラズマ処理で行う。
まず、ステップIの薬液処理を説明する。薬液処理は、例えば、以下の(剥離液A)または(剥離液B)を用いて行われる。
(剥離液A)
モノエタノールアミン 70%
DMSO (dimethyl sulfoxide) 30%
上記の剥離液Aを用い、剥離液の温度を95℃に設定して10分間接触(浸漬)させるという処理条件で、金型を処理したところ、金型表面に損失を与えることなく、金型表層上の樹脂の大部分を除去することができた。図5(a)は、剥離液Aを用いて樹脂除去を行ったときの、処理前と処理後との様子を示す。図5(a)からわかるように、薬液処理により表層の樹脂は除去されるものの、金型の凹凸面に固着した樹脂(あるいは、離型剤などとの化合物)が残存する。
なお、ポーラスアルミナ層上に残存する樹脂の厚さは、例えば、5〜10μm程度であり、樹脂のサイズ(径)は、例えば数mm〜数cmに及ぶ。前段処理では、このような膜厚の樹脂の大部分が除去されると考えられ、残存する樹脂は、ポーラスアルミナ層における凹部に薄膜として残っている。前段処理後に残る樹脂の厚さは数10nm〜数ミクロン程度であると考えられる。
(剥離液B)
芳香族炭化水素 60%
フェノール 20%
アルキルベンゼンスルホン酸 20%
上記の剥離液Bを用い、剥離液の温度150℃で40分間という処理条件で、金型を洗浄したところ、金型表面に損失を与えることなく、金型表層上の樹脂の大部分を除去することができた。図5(b)は、剥離液Bを用いて樹脂除去を行ったときの、処理前と処理後との様子を示す。図5(b)からわかるように、薬液処理により表層の樹脂は除去されるものの、一部の樹脂(あるいは、離型剤などとの化合物)が残存する。
ここで、上記剥離液AまたはBを用いて、樹脂を完全に除去しようとすると、型の表面に形成された例えば10〜500nmのサイズの凹凸が変形してしまう。このため、完全に樹脂を除去するまでこの工程を行うことは好ましくない。
また、金型のサイズが大きい場合などにおいては、金型全体を薬液に浸漬させることが容易はでないこともある。このようなときには、薬液をインクジェット装置などを用いて樹脂が付着している箇所に滴下することでこれを除去し、その後、全体を洗浄するようにしても良い。
次に、ステップIIの大気圧プラズマ処理を行う。
図6(a)は、本発明の実施形態で用いられる大気圧プラズマ処理装置10の構成を示す。大気圧プラズマ処理装置10は、電極ユニット8と、反応ガス供給路(図示せず)に接続された反応ガス供給口3とを備える。なお、反応ガス供給路はガスタンクや流量調整装置などに接続されている。
電極ユニット8は、内側電極4と、絶縁体5と、外側電極6とを含む。外側電極6は、内側電極4と絶縁体5を挟んで対向しており、内側電極4および外側電極6は電源7と接続されている。外側電極6はまた、グランドに接続されている。
反応ガス供給路および反応ガス供給口3によって、プラズマを発生させるための反応ガスが、電極ユニット8と金型(表面部)2との間の空間に供給される。このとき、内側電極4の先端部を外側電極6の先端よりも金型2から離れた位置に設けることで、ガス流が乱れることを防止し、好適にプラズマを発生させることができる。
また、図6(b)は、変形例の大気圧プラズマ処理装置10’を示す。大気圧プラズマ処理装置10’は、上記のプラズマ処理装置10に加えて、ガス吸引口3’および、金型2の背面に設けられた電極9をさらに有している。
ガス吸引口3’を設けることにより、プラズマの発生範囲をさらに絞りやすくなるので、必要な箇所に限定してプラズマ処理(スポット処理)を行うことがより容易になる。また、電極9を設けて放電を行うことにより、金型へのダメージの原因となるアーク放電の発生を防止することができる。
このように金型に対して局所的にプラズマ処理を行うための大気圧プラズマ処理装置としては、例えば、特許文献5に記載されているプラズマジェット発生装置を利用することができる。また、特許文献6に示されるプラズマ処理装置を用いることも好適である。大気圧プラズマ処理を20分間行ったところ、残留していた樹脂等の異物を完全に取り除くことができ、金型の修復が完了した。
<実施形態2>
実施形態2では、ステップIの樹脂除去処理として、ドライアイスの噴射(ドライアイススノー処理)を行う。
ドライアイススノー処理は、例えば、特許文献3に記載されている装置を用いて行うことができる。ドライアイススノー処理は、例えば、Liquid CO2を用いて、11分間行えばよい。図7に、処理前の様子と処理後の様子とを示している。
その後、後段のステップIIとして、大気圧プラズマ処理を行う。大気圧プラズマ処理は、実施形態1と同様に行うことができる。例えば、ノズルと基板間との距離を13.5mmに設定し、エア流量を25リットル/minに設定して、樹脂が残存する領域を静止状態でスポット処理すればよい。なお、プラズマ処理は断続的に行われても良く、例えば、10秒間プラズマ処理工程を行った後に10秒間の冷却工程を設ける工程を30回繰り返すようにしても良い。
このような方法であっても、ドライアイススノー処理によって金型の表層に付着した樹脂材料(厚膜)を前もって除去しておくことで、後段の大気圧プラズマ処理によって、金型を適切にリペアすることができる。
<実施形態3>
実施形態3では、前段の樹脂除去処理として、レーザ光の照射による除去処理(レーザアブレーション)を行う。レーザアブレーションによる前段処理を行えば、以下に説明するように、局所的に金型に残留した樹脂を容易に除去することができるため、金型へのダメージを低減することができる。
図8は、実施形態3で用いられるレーザ発生装置を含む、リペア(除去処理)装置20の構成を示す。リペア装置20は、レーザユニットと、金型表面を検査するための観察ユニットとを有している。レーザユニットとしては、種々の半導体レーザ装置などを用いることができ、例えば、コヒレント・ジャパン株式会社製のHighLight1000Fを用いることができる。また、特許文献7に記載されているレーザ照射装置を用いることもできる。
リペア装置20は、後段の大気圧プラズマ処理を行うためのプラズマユニットを備えている。プラズマユニットには、ガス供給システムが接続されており、プラズマを発生させるための反応ガスなどがガス供給システムからプラズマユニットに供給される。プラズマユニットは、前述の図6(a)および(b)に示した大気圧プラズマ処理装置10であってよい。リペア装置20は、さらに、レーザユニットおよびプラズマユニットの動作を制御するコントロールユニットを有している。
リペア装置20において、コントロールユニットの制御のもと、まず、観察ユニットによって検出された金型の欠陥個所(樹脂詰まりの発生箇所)を、レーザユニットを用いてレーザ照射することでステップIの樹脂除去工程が行われる。その後、プラズマユニットを用いてステップIIの大気圧プラズマ処理が行われる。大気圧プラズマ処理は、実施形態1と同様にして行うことができる。このようにして、金型を修復することができる。
<モスアイ用型およびモスアイフィルムの製造方法>
以下、本発明の実施形態にかかるリペア方法によってリペアされる金型の例として、モスアイ用型の作製方法を説明する。
まず、アルミニウム膜を表面に有する被加工物を用意する。次に、硫酸・シュウ酸・リン酸等の酸性電解液またはアルカリ性電界溶液中に被加工物を浸漬し、これを陽極として電圧を印加(陽極酸化)すると、被加工物の表面で酸化と溶解が同時に進行し、その表面に微細な孔をもった酸化皮膜が形成される。
ところで、表面に形成されているアルミニウム層は大気中のコンタミネーションを多く含んでおり、欠陥の発生比率が多い。そのため、初期の陽極酸化により形成した膜(初期酸化膜層)はエッチングにより全て除去する。その後、数回の陽極酸化、エッチング処理を繰り返すことにより、所望の形状からなるポーラスアルミナ層を形成する。
本実施例における、陽極酸化処理条件は以下の通りである。
電極−サンプル間距離:150mm(電極:Ptプレート)
(a)陽極酸化条件:処理液:シュウ酸(0.05mol/L)、処理温度:5℃、電圧:80V、処理時間:1min
(b)エッチング条件:処理液:リン酸( 8mol/L)、処理温度:30℃、処理時間:20min
このようにして、陽極酸化によって形成された複数の凹部を含む多孔質膜を表面に有するモスアイ用の金型が形成される。金型は、図9を用いて後述するようなロール状であってもよいし、平板状であってもよい。
また、金型の表面には、好適には、フッ素系の材料からなる離型剤(フッ素系離型剤)が塗布される。フッ素系離型剤は、離型性を有するフッ素系化合物(フッ素含有有機化合物)と溶剤とを含む混合物であり、一般に、フッ素系コーティング剤またはフッ素系表面処理剤などの名称で市販されているものを広く含む。この離型剤は、複数回、塗布されていても良い。離型剤の塗布は、例えば、スプレーコート法により行うことができる。
以下、上述のようにして作製されたモスアイ用型、あるいは、上述のようにしてリペアされたモスアイ用型を用いて行うモスアイフィルムの作製方法を説明する。
図9は、リペア前、および、リペア後のモスアイ用型30を用いて行うモスアイフィルム(反射防止膜)の製造方法(ロール・ツー・ロール方式)を説明するための図である。
図9に示すように、外周面にポーラスアルミナ層を有するロール状のモスアイ用型30をローラ36にセットした後、紫外線硬化樹脂32’が表面に付与された被加工物42を、モスアイ用型30に押し付けた状態で、紫外線硬化樹脂32’に紫外線(UV)を照射することによって紫外線硬化樹脂32’を硬化させる。
紫外線硬化樹脂32’としては、例えばアクリル系樹脂を用いることができる。被加工物42は、例えば、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムである。被加工物42は、図示しない巻き出しローラから巻き出された後、例えば図示しないスリットコータ等により紫外線硬化樹脂32’がその表面に付与される。
被加工物42は、図9に示すように、支持ローラ46および48によって支持されている。支持ローラ46および48は、回転機構を有し、被加工物42を搬送する。また、ロール状のモスアイ用型30は、被加工物42の搬送速度に対応する回転速度で、図9に矢印で示す方向に回転される。
その後、被加工物42からモスアイ用型30を分離することによって、モスアイ用型30の凹凸構造(反転されたモスアイ構造)が転写された硬化物層32が被加工物42の表面に形成される。表面に硬化物層32が形成された被加工物42は、図示しない巻き取りローラにより巻き取られる。
なお、反射防止性能の優れた反射防止膜を形成するためには、モスアイ用型30の細孔30p(または微細な凹部)は、表面の法線方向から見たときの大きさ(あるいは隣接する細孔30pの中心間距離)が10nm以上500nm未満であることが好ましく、50nm以上500nm未満であることがさらに好ましい。細孔30pの断面形状は好ましくは、概ね円錐状であり、細孔30pの先端(最下点)が尖っている。また、細孔30pの深さは、10nm以上1000nm(1μm)未満程度であることが好ましい。
また、ポーラスアルミナ層の法線方向から見たときの細孔30pの形状を円と仮定とすると、隣接する円は互いに重なり合い、隣接する細孔30pの間(境界)に鞍部が形成されることが好ましい。本明細書では、このような、複数の細孔30pが近接して形成されることで凹凸の規則的(または不規則的)パターンが形成されている膜であっても、「多孔質膜」と呼ぶことにする。図10は、このような凹凸パターンを有する多孔質膜(モスアイ構造)を示す。
以上、モスアイ用型のリペア方法を例に説明したが、本発明による実施形態の金型リペア方法は、モスアイ用型以外の、多孔質表面を有する型のリペアにも用いることができる。また、リペアされた型を用いて、種々の機能性フィルム(典型的には、反射防止膜)を作製することができる。本発明の実施形態によるリペア方法は、例えば、フォトニック液晶を形成する型のリペアに適用することができる。また、ワイヤグリッド型偏光板やプリズムシートを作製するために用いる型のリペアにも適用することができる。
また、本発明の実施形態のリペア方法として、前段処理と後段処理との2段階での樹脂除去処理が行われる例を説明したが、前段処理は、薬液処理とレーザアブレーション処理との組み合わせなど、複数種類の除去処理の組み合わせにより行われても良い。
本発明は、金型を用いて行われる、種々の機能性フィルム(例えばモスアイフィルム)の製造に利用される。
2 金型
3 ガス供給口
4 内側電極
5 絶縁層
7 電源
8 電極ユニット
10 大気圧プラズマ処理装置(スポット型)

Claims (9)

  1. 陽極酸化によって形成された複数の凹部を含む多孔質膜を表面に有する金型に付着した樹脂材料を除去する、金型のリペア方法であって、
    前記複数の凹部上の金型表層に露出した前記樹脂材料を除去する第1工程であって、ドライアイスの噴射によって前記樹脂材料を除去する工程を含み、大気圧プラズマ処理を用いない第1工程と、
    前記第1工程の後に行われ、前記複数の凹部内に残存する前記樹脂材料の少なくとも一部を大気圧プラズマ処理により除去する第2工程と
    を包含する、金型のリペア方法。
  2. 陽極酸化によって形成された複数の凹部を含む多孔質膜を表面に有する金型に付着した樹脂材料を除去する、金型のリペア方法であって、
    前記複数の凹部上の金型表層に露出した前記樹脂材料を除去する第1工程であって、レーザアブレーションによって前記樹脂材料を除去する工程を含み、大気圧プラズマ処理を用いない第1工程と、
    前記第1工程の後に行われ、前記複数の凹部内に残存する前記樹脂材料の少なくとも一部を大気圧プラズマ処理により除去する第2工程と
    を包含する、金型のリペア方法。
  3. 前記金型はアルミニウム材料を含み、前記多孔質膜はポーラスアルミナ層を有する請求項1または2に記載のリペア方法。
  4. 前記第2工程において、前記金型上に局所的に残存する前記樹脂材料に対して、局所的に大気圧プラズマ処理が行われる請求項1から3のいずれかに記載のリペア方法。
  5. 前記金型の前記表面は、曲面からなる請求項1からのいずれかに記載のリペア方法。
  6. 前記金型の前記表面には離型材が付与されている請求項1からのいずれかに記載のリペア方法。
  7. 陽極酸化によって形成された複数の凹部を含む多孔質膜を表面に有する金型を用意する工程と、
    前記金型の前記表面の形状を光硬化性樹脂材料にインプリントする工程と、
    前記インプリントする工程の後に、前記金型に付着した前記光硬化性樹脂材料を除去する工程と、
    前記付着した樹脂材料を除去する工程の後に、前記金型の前記表面の形状を光硬化性樹脂にインプリントする工程と
    を包含し、
    前記光硬化性樹脂材料を除去する工程は、
    前記複数の凹部上の金型表層に露出した前記樹脂材料を除去する第1工程であって、ドライアイスの噴射によって前記樹脂材料を除去する工程を含み、大気圧プラズマ処理を用いない第1工程と、
    前記第1工程の後に行われ、前記複数の凹部内に残存する前記樹脂材料の少なくとも一部を大気圧プラズマ処理により除去する第2工程と
    を含む機能性フィルムの製造方法。
  8. 陽極酸化によって形成された複数の凹部を含む多孔質膜を表面に有する金型を用意する工程と、
    前記金型の前記表面の形状を光硬化性樹脂材料にインプリントする工程と、
    前記インプリントする工程の後に、前記金型に付着した前記光硬化性樹脂材料を除去する工程と、
    前記付着した樹脂材料を除去する工程の後に、前記金型の前記表面の形状を光硬化性樹脂にインプリントする工程と
    を包含し、
    前記光硬化性樹脂材料を除去する工程は、
    前記複数の凹部上の金型表層に露出した前記樹脂材料を除去する第1工程であって、レーザアブレーションによって前記樹脂材料を除去する工程を含み、大気圧プラズマ処理を用いない第1工程と、
    前記第1工程の後に行われ、前記複数の凹部内に残存する前記樹脂材料の少なくとも一部を大気圧プラズマ処理により除去する第2工程と
    を含む機能性フィルムの製造方法。
  9. 前記金型を用意する工程は、前記多孔質膜からなる前記表面に離型剤を付与する工程を含む請求項7または8に記載の機能性フィルムの製造方法。
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