JP2010052175A - ナノインプリント用マスターモールドの製造方法およびレプリカモールドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細な形状の構造体を形成するためのパターン転写技術であるナノインプリント法において、微細構造が形成されたモールドに損傷を与えることなく洗浄を行うことにより、電鋳法を用いて精密なレプリカモールドを作製することを可能にするモールドの製造方法を提供する。
【解決手段】レジストを塗布したシリコン基板に電子線描画によってパターンを形成してシリコン原盤を作製した後、電鋳により形成された前記シリコン原盤のレジストパターンと逆の凹凸パターンを有するマスターモールドを前記シリコン原盤から剥離した後、原子状水素を含むプラズマの照射で前記マスターモールドの表面のレジスト残渣を除去することを特徴とするナノインプリント用マスターモールドの製造方法。
【選択図】図2
【解決手段】レジストを塗布したシリコン基板に電子線描画によってパターンを形成してシリコン原盤を作製した後、電鋳により形成された前記シリコン原盤のレジストパターンと逆の凹凸パターンを有するマスターモールドを前記シリコン原盤から剥離した後、原子状水素を含むプラズマの照射で前記マスターモールドの表面のレジスト残渣を除去することを特徴とするナノインプリント用マスターモールドの製造方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、ナノインプリント用マスターモールドの製造方法、ナノインプリント用酸化被膜つきマスターモールドの製造方法、およびレプリカモールドの製造方法に関する。
数10nmの微細な構造体を形成するためのパターン転写技術であるナノインプリント法に用いるモールド(金型、或いはスタンパとも言う)は、まず、レジストを塗布したシリコン原盤上に電子線描画装置などで正凹凸パターンを形成し、次にその正凹凸パターン上に電鋳を行うことで逆凹凸パターンを有するマスターモールド(Fatherモールドとも言う)を作製する。
このマスターモールドに再度電鋳を行うことにより、最初にシリコンウェハ上に形成した正凹凸パターンと同じ凹凸を有するレプリカモールド(Motherモールドとも言う)を作製することもできる。
この作製過程において、マスターモールドの表面にレジスト残渣などの汚染物があるとレプリカモールド複製時の欠陥となるため、高精度に汚染物の除去を行う必要がある。また、電鋳によりマスターモールドからレプリカモールドを得ようとした場合、マスターモールドとレプリカモールドの剥離性を向上させるためにマスターモールドのパターン表面に酸化膜を形成する必要があるが、効率的な汚染物洗浄と精密な膜厚の酸化膜の形成を行う手法はなかった。
モールドの洗浄方法として、溶剤を使用する方法が行われている。例えば、特許文献1には、レンズシート成型に用いられる金型の鍍金の前処理法であるが、金型切削に使用された切削油を除去する切削油除去工程と、切削油除去工程に起因するレンズシート表面にしみが発生するのを防止するしみ発生防止工程を備えた手法が記載され、切削油除去工程には溶剤を用いた洗浄工程を設けてもよいことが記載されている。
また、特許文献2には、局所的に存在する光学ディスク用スタンパ上の異物をより効率的に洗浄できる電解脱脂洗浄装置を提供することを目的として、被洗浄物であるスタンパの幾何表面積よりも、対極の幾何表面積の方が小さいことを特徴とする光学ディスク用スタンパの電解脱脂洗浄装置の製法が記されている。電解脱脂洗浄法は、アルカリ性電解洗浄液中で電極間に電流を流すことにより水の電気分解反応を起こし、発生する水素ガスあるいは酸素ガスの物理作用でスタンパ信号面上のレジストや異物を除去しようというものである。
また、特許文献3には、低い処理温度でスタンパ上のフォトレジスト層や複製基板の成形中に付着した樹脂や樹脂中の成分を実用的な処理速度で除去することができ、且つ処理することによりピットやグルーブの形状の変化を来さぬようスタンパの損傷を最小限に留めることの可能な洗浄方法として、ディスク状のアノード電極とリング状のカソード電極とからなる電極を真空チャンバー上に配置し、該チャンバー内の電極下方にスタンパを保持し処理ガスを導入しながら両電極間に直流電圧を印加してグロー放電状態を発現させ、処理ガスに応じて発生する固有の紫外線スペクトルのエネルギと処理ガスとの化学反応によりスタンパ上のフォトレジストや複製基板の成形中に付着した樹脂や樹脂中の成分を分解除去するスタンパ洗浄方法が記されている。
特許文献4には、インプリント用スタンパ及びその原盤が記載されており、レジスト原盤を用いて例えばニッケル電鋳を行い、導電膜を形成した後、電鋳膜と導電膜をレジスト残渣がついたまま剥離し、付着したレジスト残渣を酸素プラズマアッシングしてファーザースタンパ(マスターモールド)を得ることが記載されている。
特許文献5には、水素原子を有する分子を含む剥離ガスと、加熱した高融点触媒体とを接触させる接触分解反応で原子状水素を生成し、生成した原子状水素とレジストの接触により、レジストをガス化して剥離することが記載されている。
特許文献6には。温度を1600〜2000℃に維持した熱触媒に水素を作用させて所定密度の水素ラジカルを発生させ、基板の温度を150〜300℃に維持して基板上のレジスト膜をエッチング除去することが記載されている。
しかし、洗浄除去すべき対象が異なることから当然のことではあるが、特許文献1に示されたような溶剤による洗浄では付着したレジストを溶解除去することは困難である。
特許文献2に記載の洗浄法も、水の電気分解反応を起こし、発生する水素ガスあるいは酸素ガスからなる泡の物理作用でスタンパ信号面上のレジストや異物を除去しようというものであり、洗浄効果はさほど大きくは期待できないものである。
特許文献3には処理ガスを導入しながらグロー放電状態を発現させ、処理ガスに応じて発生する固有の紫外線スペクトルのエネルギと処理ガスとの化学反応によりスタンパ上のフォトレジストや複製基板の成形中に付着した樹脂や樹脂中の成分を分解除去するスタンパ洗浄方法が記されているが、ここで用いているガスは酸素、酸素を希ガスで希釈した混合ガス、あるいは減圧下における酸素ガスであり、表面に付着したレジストを分解できる能力があれば同時にスタンパ表面を酸化して酸化被膜を形成しやすくなり、酸化被膜が形成されないように希ガスによる希釈を行ったり、減圧にしたりするとレジスト分解能が低下するという問題がある。
特許文献4に記載のインプリント用モールドの製造方法においても酸素プラズマアッシングによりレジスト残渣を除去している。しかし、酸素プラズマアッシングではレジストの分解とともにモールド表面を攻撃して酸化被膜を形成する。
即ち、特許文献1、2に記載の洗浄法ではレジスト残渣の除去は十分ではなく、レジスト残渣が残ったモールドを用いてレプリカモールドを製造しても所望のパターンのモールドは得られず、レジスト残渣によってパターンに異常が生じたモールドしか得られない。一方、特許文献3、4に記載の洗浄法でレジスト残渣の除去を十分に行った場合は同時にマスターモールド表面を攻撃するため洗浄対象のモールドのパターン寸法に異常が生じ、これを用いてレプリカモールドを製造しても所定の寸法のモールドが得られないという問題が生じる。即ち、従来公知のモールド洗浄方法では寸法精度に優れたパターン形状を有すモールドを得ることは困難であった。
レプリカモールドの製造に当たっては、マスターモールドに付着したレジスト残渣を除去した後、表面がきれいになったマスターモールドの表面に均一な酸化被膜を形成するが、レジスト残渣の除去と酸化被膜の形成を同時に行おうとすると、レジスト残渣が付着していた箇所は薄い酸化被膜が形成され、レジスト残渣が付着していない、あるいは少量しか付着していないところは厚い酸化被膜が形成され、酸化被膜が不均一になりモールドパターン形状のそれに合わせて不均一になる。
特許文献5に記載の方法では、基板全面に原子状水素を均一に照射することは困難で、レジスト残渣を完全に除去しきれずにレジスト残渣が部分的に残ってしまう可能性が高い。
特許文献6に記載の方法では、基板を150℃から250℃に加熱しているため、レジスト爆発という特異な現象が起こりやすい。レジスト爆発のメカニズムは以下のように説明される。不純物が高濃度に導入されたレジスト表面は変質層となり、その直下には無変質層が残る。無変質層内には水分が存在し、その水分が加熱されることにより揮発し膨張し始める。変質層は緻密でガスを通さない構造をしているため、加熱膨張した揮発成分の圧力により、ついには変質層が破壊され飛び散る。これをレジスト爆発という。
本発明の目的は、微細な形状の構造体を形成するためのパターン転写技術であるナノインプリント法において、微細構造が形成されたモールドに損傷を与えることなく洗浄を行うことにより、電鋳法を用いて精密なレプリカモールドを作製することを可能にするモールドの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のナノインプリント用マスターモールドの製造方法は、レジストを塗布したシリコン基板に電子線描画によってパターンを形成してシリコン原盤を作製した後、電鋳により形成された前記シリコン原盤のレジストパターンと逆の凹凸パターンを有するマスターモールドを前記シリコン原盤から剥離した後、原子状水素を含むプラズマの照射で前記マスターモールドの表面のレジスト残渣を除去することを特徴とする。
また、本発明の酸化被膜付きナノインプリント用モールドの製造方法は、上記ナノインプリント用マスターモールドの製造方法で表面のレジスト残渣が除去されたマスターモールドの表面に酸素プラズマを照射することにより、マスターモールドの表面に酸化被膜を形成することを特徴とする。
また、本発明のレプリカモールドの製造方法は、前記ナノインプリント用マスターモールドの製造方法により製造されたナノインプリント用マスターモールドに、あるいは前記酸化被膜付きナノインプリント用モールドの製造方法で製造された酸化被膜付きナノインプリント用モールドに電鋳を行うことにより前記シリコン原盤のレジストパターンと同じ凹凸パターンを有するモールドを製造することを特徴とする。
本発明によれば、マスターモールドのレジスト残渣除去に原子状水素を含むプラズマを用いることで酸化ニッケル皮膜の不均一な生成を回避できる。この様な洗浄を施したマスターモールドを金型として電鋳を行って得られるレプリカモールドは、元のレジストパターンの凹凸を忠実に復元することが出来る。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。図1(a)〜(j)は、従来技術におけるように、マスターモールドの洗浄に酸素プラズマを用いた、マスターモールド及びレプリカモールドの製造方法である。
この実施形態では、図1(a)に示すレジスト2を塗布したシリコン基板1に、電子線描画装置、コンタクト露光装置、ステッパなどを用いてパターンの露光を行い、図1(b)に示すレジストパターン3を得る。
このレジストパターン3上にスパッタ、蒸着、無電解めっきなどを用いて、電鋳を行うための電流シード層4を形成する(図1(c))。
ニッケル電鋳を行うことにより、レジストパターン(正凹凸パターン)3と逆の凹凸をもつマスターモールド5が得られる(図1(d))。ニッケル電鋳後は、電流シード層4はマスターモールド5と一体化してしまうので、電流シード層4として区別表示する意味がなくなるので区別表示せず、これらを併せてマスターモールド5として示す。
ニッケル電鋳後にシリコン原盤からマスターモールドを剥離する際、マスターモールド5の表面にはレジスト残渣6が付着してしまう(図1(e))。
図1(f)は剥離したマスターモールド5の凹凸パターンを有する面にレジスト残渣6が付着している状況を示す図である。
図1(f)は剥離したマスターモールド5の凹凸パターンを有する面にレジスト残渣6が付着している状況を示す図である。
このレジスト残渣6を除去するために酸素プラズマを用いると、レジスト残渣6が除去されると共に、レジスト非被覆面は酸化されて酸化ニッケルを生成してしまう(図1(g))。図1(g)は付着したレジストをちょうど除去できるだけの量の酸素プラズマを照射したときの例を示したものであり、レジスト残渣に覆われていた部分のモールド表面には酸化被膜がなく、もともと露出していたモールド表面のみが酸素プラズマの照射を受けて形状が極めて不規則な酸化ニッケル膜7が形成されている状況を示す。
ニッケルからなるモールドの表面が酸化された場合、ニッケル(Ni)の原子量58.71g/mol、密度8.9g/cm3、また酸化ニッケル(NiO)の分子量74.71g/mol、密度6.96g/cm3であることを考慮すると、酸化反応によって体積が約60%膨張することが分かる。即ち、単位体積あたり約17%の長さ変動を生じる。
レジスト残渣6はマスターモールド5上に不均一に存在するため、レジスト残渣5除去後の表面は形状が極めて不規則な酸化ニッケル膜7を有する。上述のように酸化ニッケル膜は元のニッケルに比べて膨張するので、このようなマスターモールド5に電鋳を行って得られるレプリカモールド8の正凹凸形状は,元のレジスト正凹凸パターンとは大きく異なってしまう。
ちなみに、付着したレジストをちょうど除去できるだけの量より酸素プラズマの照射量を増やすと、レジスト残渣に覆われていた部分のモールド表面にも酸化被膜(酸化ニッケル膜)が形成されるが、レジスト残渣に覆われていた部分と、もともと露出していたモールド表面では酸化被膜の厚さが異なり、上記と同様、モールドパターンが正規のものとは異なるパターンになる。
さらに、図1(g)の例では酸化形成被膜が形成されていなかった面(レジスト残渣6に覆われていた表面)にも酸化ニッケル膜が形成されるように酸素プラズマの照射量を増やした場合、例えば、ラインアンドスペースが50nm/50nmのパターン上に厚さ10nmの酸化ニッケル膜が生成した場合に、ライン間隔が約3.4nm縮小してしまう。
図1(h)、(i)に示すようにこのようなマスターモールド5に電鋳を行って得られるレプリカモールド8の正凹凸形状は、図1(j)に示すように、元のレジスト正凹凸パターンとは大きく異なってしまう。
以上述べたように、酸素プラズマを用いてレジスト残渣の除去を行う従来技術のレジスト残渣除去法ではレプリカモールドの正凹凸形状が、元のレジスト正凹凸パターンとは大きく異なってしまうことがわかる。
これに対して、ナノインプリント用マスターモールドの製造方法では、原子状水素を含むプラズマの照射で前記マスターモールドの表面のレジスト残渣を除去する。
以下、本発明のナノインプリント用マスターモールドの製造方法を、図2を参照しながら説明する。
図2(a)〜(k)は,マスターモールドの洗浄に原子状水素を含むプラズマを用いた場合の、マスターモールド及びレプリカモールドの製造方法である。
図2(a)〜(k)は,マスターモールドの洗浄に原子状水素を含むプラズマを用いた場合の、マスターモールド及びレプリカモールドの製造方法である。
図2(a)〜(f)はシリコン基板1へのレジスト2塗布:電子線描画装置、コンタクト露光装置、ステッパなどを用いたパターンの露光・現像によるレジストパターン3の形成:電流シード層4形成:ニッケル電鋳:形成されたマスターモールド5の剥離までの工程は先に図1において示した従来技術である酸素プラズマを用いたマスターモールド及びレプリカモールドの製造方法における同様の工程と同一であり、従って、図1(a)〜(f)と同じであるので説明を省略する。
次いで、レジスト塗布、露光・現像、シード層形成、電鋳、形成されたマスターモールドの剥離により得られた、凹凸パターン表面にレジスト残渣6の付着したマスターモールド5に原子状水素を含むプラズマを照射して、マスターモールド5の表面のレジスト残渣6を除去する。
原子状水素を含むプラズマは、水素雰囲気中でマイクロ波を照射して励起することにより表面はプラズマを発生させることで得られる。原子状水素(中性原子)はプラズマ中に含まれる他の成分に比べて寿命が長いので、マスターモールド5をプラズマ発生源から比較的離して設置すれば、中性原子のみをマスターモールドに照射することができる。図2(g)は、原子状水素を含むプラズマにより、表面のレジスト残渣6を分解除去した状態のマスターモールド5を示す。酸素プラズマによるレジスト残渣6の除去では図1(g)のように部分的に酸化被膜が形成されるが、原子状水素を含むプラズマでは、レジスト残渣6を完全に除去することができ、当然のことながら酸化被膜が形成されることはなく、電鋳されたマスターモールドは損傷されることなく、レジストパターン(正凹凸パターン)と逆の凹凸をもつマスターモールド5が得られる。
次いで、原子状水素を含むプラズマで付着したレジスト残渣6を分解除去したマスターモールド5の凹凸表面に酸素プラズマを照射することにより、酸化被膜9を形成する。この酸化被膜9の厚さは原理的には表面原子数層分、実用上でも厚さ1〜2nm程度で十分である。図2(h)は表面に酸化被膜9を形成したマスターモールド5を示す。
次いで、この表面に酸化被膜9を形成したマスターモールド5を用いて図2(i)に示すように、ニッケル電鋳を行い、電鋳により得られたレプリカモールド8を剥離する(図2(j))。これにより得られるレプリカモールド(図2(k)参照)は、元のレジスト正凹凸パターンに忠実な凹凸パターンを有するものとなる。
<実施例1>
8インチ系のシリコン基板1を用意し、基板表面を洗浄後、レジスト2を40nmの厚さになるようスピンコートし、プリベークしたのち、電子線描画、露光、現像によってラインアンドスペース50nm/50nmのレジストパターン3(正凹凸パターン)を形成して、シリコン原盤を得た。
8インチ系のシリコン基板1を用意し、基板表面を洗浄後、レジスト2を40nmの厚さになるようスピンコートし、プリベークしたのち、電子線描画、露光、現像によってラインアンドスペース50nm/50nmのレジストパターン3(正凹凸パターン)を形成して、シリコン原盤を得た。
このシリコン原盤上に、ターゲットとして純ニッケルを用いたDC電圧を印加してスパッタリングを行い、厚さ約30nmのニッケルからなる電流シード層4を形成した。
この電流シード層4を形成したシリコン原盤を下記の電鋳浴に浸漬してNi電鋳を行い、厚さ約300μmの電鋳膜を形成することにより、シリコン原盤の正凹凸パターンとは逆の凹凸パターンを有するマスターモールド5を作製した。
スルファミン酸ニッケル:600g/L
ホウ酸:40g/L
ラウリル硫酸ナトリウム:0.15g/L
液温:55℃
pH:4.0
電流密度:20A/dm2
スルファミン酸ニッケル:600g/L
ホウ酸:40g/L
ラウリル硫酸ナトリウム:0.15g/L
液温:55℃
pH:4.0
電流密度:20A/dm2
このマスターモールド5をシリコン原盤から剥離すると、マスターモールド5の凹凸パターン上にレジスト残渣6が付着していた。
2.45GHzのマイクロ波を12インチ径(300mm)試料全体に均一に照射できるよう導波管をテーパー(コーン)構造にし、反応チャンバーと導波部を分離させて、マイクロ波励起によりTM01モードの表面波プラズマが発生するよう設計した中性原子発生装置を用い、チャンバー内圧力133Pa、マイクロ波投入電力3.0kW、水素ガス流量1〜5slmで、水素原子プラズマによるレジスト残渣6のアッシングを行った。
アッシングによりレジスト残渣6が除去されたマスターモールド5の表面を観察したところ、レジスト残渣6の付着はなく、酸化被膜の形成もなく、シリコン原盤の正凹凸パターンとは逆のきれいな凹凸パターンを有していた。
アッシングによりレジスト残渣6が除去されたマスターモールド5の表面を観察したところ、レジスト残渣6の付着はなく、酸化被膜の形成もなく、シリコン原盤の正凹凸パターンとは逆のきれいな凹凸パターンを有していた。
このマスターモールド5に酸素プラズマを照射して、マスターモールド5の表面に約4nmの酸化被膜9を形成した。
この表面に酸化被膜9を形成したマスターモールド5を用い、マスターモールド電鋳と同様の条件で、Ni電鋳を行い、約200μmの厚さの電鋳膜を形成し、マスターモールドから剥離することによりレジスト原盤の正凹凸パターンと同じ正凹凸パターンを有するレプリカモールド8を作製した。このレプリカモールド8は凹凸パターン及びその表面形状に乱れもなく、シリコン原盤の正凹凸パターンとは所定の寸法差を有しており、目的とする寸法形状の凹凸パターンを有していた。
本発明によれば、マスターモールドのレジスト残渣除去に原子状水素を含むプラズマを用いることで酸化ニッケル皮膜の不均一な生成を回避できる。この様な洗浄を施したマスターモールドを金型として電鋳を行って得られるレプリカモールドは、元のレジストパターンの凹凸を忠実に復元することが出来、かつ、得られるマスターモールド及びレプリカモールドにおけるパターン異常がないため、精密なレプリカモールドを効率よく作製することができる。
1:シリコン基板
2:レジスト
3:レジストパターン
4:電流シード層
5:マスターモールド
6:レジスト残渣
7:形状が極めて不規則な酸化ニッケル膜
8:レプリカモールド
9:酸化被膜
2:レジスト
3:レジストパターン
4:電流シード層
5:マスターモールド
6:レジスト残渣
7:形状が極めて不規則な酸化ニッケル膜
8:レプリカモールド
9:酸化被膜
Claims (7)
- レジストを塗布したシリコン基板に電子線描画によってパターンを形成してシリコン原盤を作製した後、電鋳により形成された前記シリコン原盤のレジストパターンと逆の凹凸パターンを有するマスターモールドを前記シリコン原盤から剥離した後、原子状水素を含むプラズマの照射で前記マスターモールドの表面のレジスト残渣を除去することを特徴とするナノインプリント用マスターモールドの製造方法。
- 前記原子状水素を含むプラズマが、DC放電、高周波放電およびECR放電から選ばれる1種以上の放電により水素原子を含有する分子から発生するものであることを特徴とする請求項1記載のナノインプリント用マスターモールドの製造方法。
- 照射時の原子状水素を含むプラズマの温度が、60〜100℃であることを特徴とする請求項1または2に記載のナノインプリント用マスターモールドの製造方法。
- 前記マスターモールドが、ニッケル、ニッケル−コバルト合金またはニッケル−リン合金であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のナノインプリント用マスターモールドの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法で表面のレジスト残渣が除去されたマスターモールドの表面に酸素プラズマを照射することにより、マスターモールドの表面に酸化被膜を形成することを特徴とする酸化被膜付きナノインプリント用モールドの製造方法。
- 形成される酸化被膜の膜厚が1〜10nmであることを特徴とする請求項5記載の酸化被膜付きナノインプリント用モールドの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたナノインプリント用マスターモールドに、あるいは請求項5または6に記載の製造方法で製造された酸化被膜付きナノインプリント用モールドに電鋳を行うことにより前記シリコン原盤のレジストパターンと同じ凹凸パターンを有するモールドを製造することを特徴とするレプリカモールドの製造方法。
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