JP2008012705A - スタンパー修復方法およびスタンパー製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度な凹凸パターンを有するスタンパーを大量に製造し得るスタンパー修復方法を提供する。
【解決手段】マザースタンパー1における凹凸パターン5の形成面に導電性薄膜を形成する薄膜形成処理と、形成面に剥離層12を形成する剥離層形成処理とをこの順で実行しててマザースタンパー1を修復する。この場合、上記の剥離層形成処理として、導電性薄膜の表面を改質する改質処理を実行して剥離層12を形成する、または、導電性薄膜の上に剥離層形成用材料からなる層を剥離層12として形成する。また、マザースタンパー1における凹凸パターン5の形成面に剥離層形成用材料からなりマザースタンパー1の減耗分の厚みの剥離層を形成する剥離層形成処理を実行してマザースタンパー1を修復する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インプリント法や射出成形法による情報媒体の製造時に用いるスタンパーの修復方法、およびスタンパーの製造方法に関するものである。
インプリント法による磁気ディスクの製造時や、射出成形法による光ディスクおよび光磁気ディスクの製造時には、情報媒体製造用の中間体に凹凸パターンを転写するためのスタンパーが使用される。この場合、レーザービーム描画装置や電子ビーム描画装置を用いたパターン描画処理、および描画処理後の現像処理を必要とするマスタースタンパーは、パターン描画処理および現像処理に要する時間の分だけ1枚当りの製造時間が長く、これに起因して、その製造コストの低減が困難となっている。したがって、マスタースタンパーの凹凸パターンをスタンパー形成用材料に転写して複数枚のマザースタンパーを製造し、このマザースタンパーの凹凸パターンをスタンパー形成用材料に転写して複数枚のチャイルドスタンパーを製造することにより、1枚のマスタースタンパーから多数のチャイルドスタンパーを低コストで複製する(製造する)方法が提案されている。
例えば、特開平6−111384号公報には、電鋳処理によってスタンパー形成用材料に凹凸パターンを転写してスタンパーを製造するスタンパー複製方法が開示されている。この複製方法では、まず、ニッケル電鋳処理によって製造されたマスタースタンパーの表面(凹凸パターンの形成面)に対して酸素プラズマアッシング処理を行うことにより、その表面を洗浄すると共に酸化膜からなる剥離皮膜を形成する。次いで、このマスタースタンパーを電極としてニッケル電鋳処理を行うことによってマスタースタンパーの表面に上記のスタンパー形成用材料としてのニッケルを堆積させてニッケル層を形成した後に、このニッケルの層をマスタースタンパーから剥離する。これにより、マスタースタンパーの凹凸パターンがニッケルの層に転写され、マスタースタンパーの凹凸パターンとは凹凸形状が反転した凹凸パターンを有するマザースタンパーが製造される。この場合、マザースタンパー(ニッケルの層)の剥離が完了したマスタースタンパーに対して上記の酸素プラズマアッシング処理およびニッケル電鋳処理を行うことにより、1枚のマスタースタンパーから複数枚のマザースタンパーが製造される。具体的には、一例として、1枚のマスタースタンパーから10枚〜30枚程度のマザースタンパーが製造される。
続いて、マザースタンパーの表面(凹凸パターンの形成面)に対して酸素プラズマアッシング処理を行うことにより、その表面を洗浄すると共に酸化膜からなる剥離皮膜を形成する。次いで、このマザースタンパーを電極としてニッケル電鋳処理を行うことによってマザースタンパーの表面にスタンパー形成用材料としてのニッケルを堆積させてニッケル層を形成した後に、このニッケルの層をマザースタンパーから剥離する。これにより、マザースタンパーの凹凸パターンがニッケルの層に転写され、マザースタンパーの凹凸パターンとは凹凸形状が反転し、かつ、マスタースタンパーの凹凸形状と同様の凹凸パターンを有するチャイルドスタンパー(サンスタンパー)が製造される。この場合、チャイルドスタンパー(ニッケルの層)の剥離が完了したマザースタンパーに対して上記の酸素プラズマアッシング処理およびニッケル電鋳処理を行うことにより、1枚のマザースタンパーから複数枚のチャイルドスタンパーが製造される。具体的には、一例として、1枚のマザースタンパーから10枚〜30枚程度のチャイルドスタンパーが製造される。
特開平6−111384号公報(第2−3頁、第1−2図)
ところが、従来のスタンパー複製方法には、以下の問題点がある。すなわち、従来の複製方法では、マザースタンパーの剥離が完了したマスタースタンパーに対してプラズマアッシング処理および電鋳処理を行うことで1枚のマスタースタンパーから複数枚のマザースタンパーを製造すると共に、チャイルドスタンパーの剥離が完了したマザースタンパーに対してプラズマアッシング処理および電鋳処理を行うことで1枚のマザースタンパーから複数枚のチャイルドスタンパーを製造している。この場合、例えばマザースタンパーからチャイルドスタンパーを製造する際には、上記のニッケル電鋳処理時や剥離処理時において、マザースタンパーの凹凸パターンにおける凸部の幅(凹凸パターンの形成面に沿った長さ)が短くなる現象が生じる。
具体的には、図10に示すマザースタンパー1X(以下、従来の複製方法において使用するスタンパーや製造されるスタンパーについては、符号の末尾に「X」を付すと共に、その構成要素については、符号の末尾に「x」を付して説明する)は、マスタースタンパー(図示せず)を電極として用いたニッケル電鋳処理によって形成されたニッケル電鋳層11xの表面に酸素プラズマアッシング処理によって厚みT1xの剥離層12xが形成されて構成されている。この場合、マザースタンパー1Xの表面には、複数の凸部5axおよび凹部5bxを有する凹凸パターン5xが形成され、凸部5axの幅は幅L1xとなっている。このマザースタンパー1Xを電極として用いて上記のニッケル電鋳処理を実行したときには、図11に示すように、凹凸パターン5xにおける各凹部5bx内がニッケルで埋め尽くされることにより、凹凸パターン5xの形成面に沿った向き(矢印Aの向き)で凸部5axを押し縮める力(応力)が生じる。この結果、マザースタンパー1Xにおける各凸部5axが凹凸パターン5xの形成面に沿って押し縮められて、電鋳処理の開始以前に幅L1xであった各凸部5axが、幅L1xよりも狭い幅L2xとなる。
また、電鋳処理の完了後にマザースタンパー1Xからニッケル電鋳層13x(チャイルドスタンパー1AX)を剥離した際には、図12に示すように、マザースタンパー1Xにおける剥離層12の表面部位が、チャイルドスタンパー1AXに付着した状態でマザースタンパー1Xから剥がれることがある。この結果、チャイルドスタンパー1AXの剥離以前に幅L2xであった各凸部5axが、幅L2xよりもさらに狭い幅L3xとなる。したがって、各凸部5axが幅L3xとなったマザースタンパー1Xを用いて2枚目のチャイルドスタンパー1AXを製造した場合には、その凹凸パターン6xにおける凹部6bxの開口長が1枚目のチャイルドスタンパー1AXにおける凹部6bxの開口長L3axよりも短く、かつ、2枚目のチャイルドスタンパー1AXにおける凸部6axの幅が1枚目のチャイルドスタンパー1AXにおける凸部6axの幅L3bxよりも長くなる。
より具体的には、一例として、未使用状態における凸部5axの形成ピッチが300nmで、凸部5axの幅と凹部5bxの開口長とが1:1のマザースタンパー1Xを用いて複数枚のチャイルドスタンパー1AXを製造した場合、図13に示すように、1枚目のチャイルドスタンパー1AXを製造した直後のマザースタンパー1Xにおける凸部5axの幅L3xを基準としたときに、2枚目のチャイルドスタンパー1AXを製造した直後のマザースタンパー1Xにおける凸部5axの幅L3xは、1.7nmも短くなっている。また、3枚目のチャイルドスタンパー1AXを製造した直後のマザースタンパー1Xにおける凸部5axの幅L3xは、1枚目のチャイルドスタンパー1AXを製造した直後のマザースタンパー1Xよりも2.3nmも短くなり、8枚目のチャイルドスタンパー1AXを製造した直後のマザースタンパー1Xにおける凸部5axの幅L3xに至っては、1枚目のチャイルドスタンパー1AXを製造した直後のマザースタンパー1Xよりも9.8nmも短くなっている。
この場合、マスタースタンパーからマザースタンパーを製造する際にも、そのニッケル電鋳処理時や剥離処理時において、上記の凸部5axの寸法変化と同様の寸法変化が生じる。このように、1枚のスタンパーから複数枚のスタンパーを製造する際に、製造されるスタンパーにおける凹部の開口長、および凸部の幅が徐々に変化する従来の複製方法には、凹部6bxの開口長L3axや凸部6axの幅L3bxが基準範囲内の高精度な凹凸パターン6xを有するチャイルドスタンパー1AXを大量に製造するのが困難となっているという問題点がある。この場合、図14に示すように、凸部5axの幅に対する寸法変化量の割合は、凸部5axの形成ピッチが小さくなるほど(凸部5axの幅が狭くなるほど)大きくなる傾向がある。このため、高密度記録化を図るべく、その凹凸パターンにおける凹部や凸部の形成ピッチが小さくなる傾向にある今日の情報記録媒体の製造に際しては、上記のようにマスタースタンパーからマザースタンパーを製造する際や、マザースタンパーからチャイルドスタンパーを製造する際に、凹凸パターンの転写元となるスタンパーに生じる凸部および凹部の寸法変化が大きな問題となる。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、高精度な凹凸パターンを有するスタンパーを大量に製造し得るスタンパー修復方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係るスタンパー修復方法は、スタンパーにおける凹凸パターンの形成面に導電性薄膜を形成する薄膜形成処理と、当該形成面に剥離層を形成する剥離層形成処理とをこの順で実行して前記スタンパーを修復する。なお、本明細書における「凹凸パターンの形成面」とは、スタンパーの表面および裏面のうちの凹凸パターンが形成されている側の面をいう。
また、本発明に係るスタンパー修復方法は、前記剥離層形成処理として、前記導電性薄膜の表面を改質する改質処理を実行して前記剥離層を形成する。
さらに、本発明に係るスタンパー修復方法は、前記改質処理として、前記導電性薄膜の表面を酸化させる酸化処理を実行して前記剥離層を形成する。
また、本発明に係るスタンパー修復方法は、前記剥離層形成処理時において、前記導電性薄膜の上に剥離層形成用材料からなる層を前記剥離層として形成する。
さらに、本発明に係るスタンパー修復方法は、前記薄膜形成処理時において、イオンビームデポジション法によって前記形成面に対して斜めから導電性薄膜形成用材料の粒子を照射して前記導電性薄膜を形成する。
なお、本明細書における「イオンビームデポジション法」とは、イオンビームを利用して被加工体に対して成膜材料の粒子を一方向で直線的に照射する成膜法を意味する。具体的には、成膜材料としてのターゲットに対して希ガス等のイオンビームを所定の一方向で直線的に衝突させてターゲットの粒子を被加工体に飛散させて照射するイオンビームスパッタリング法、成膜材料の粒子のイオンビームを被加工体に対して一方向で直線的に照射する質量分離方式または質量非分離方式のイオンビーム法、および成膜材料の粒子をクラスター化したクラスターのイオンビームを被加工体に対して一方向で直線的に照射するクラスターイオンビーム法などの各種成膜法がこれに含まれる。この場合、イオンビームスパッタリング法は、ターゲットに対して所定の一方向から直線的にイオンビームを照射する(イオンを衝突させる)という点において、ターゲットに対して様々な方向からイオンを照射する(衝突させる)一般的なスパッタリング法とは相違する。
また、本発明に係るスタンパー修復方法は、前記薄膜形成処理に先立ち、前記形成面に残存している剥離層を除去する剥離層除去処理を実行する。なお、本発明における剥離層除去処理には、剥離層を構成している材料をスタンパー上から取り除いて除去する処理、剥離層を構成している材料を化学的に変化させることでスタンパー上から剥離層を実質的に除去する処理、およびこれらの処理を組み合わせて行う処理が含まれる。
さらに、本発明に係るスタンパー修復方法は、前記剥離層除去処理時において、水素元素を含むガスのプラズマに前記スタンパーを曝して前記剥離層を除去する。
また、本発明に係るスタンパー修復方法は、前記薄膜形成処理時において、前記剥離層除去処理の完了後の前記スタンパーにおける前記形成面の表面部位を構成する材料と同種の材料を用いて前記導電性薄膜を形成する。なお、本明細書における「表面部位を構成する材料」とは、例えば、剥離層除去処理の完了後から薄膜形成処理の開始時点までの間にスタンパーが大気に晒されることでその表面が極く僅かに酸化した場合においては、その表面部位の酸化した材料を意図するものではなく、酸化以前の材料を意図するものである。また、本発明における「同種の材料」とは、組成が実質的に同一である材料を意味する。
さらに、本発明に係るスタンパー修復方法は、スタンパーにおける凹凸パターンの形成面に剥離層形成用材料からなり当該スタンパーの減耗分の厚みの剥離層を形成する剥離層形成処理を実行して当該スタンパーを修復する。
また、本発明に係るスタンパー修復方法は、前記剥離層形成処理時において、イオンビームデポジション法によって前記形成面に対して斜めから前記剥離層形成用材料の粒子を照射して前記剥離層を形成する。
また、本発明に係るスタンパー製造方法は、上記のいずれかのスタンパー修復方法に従って修復した前記スタンパーの凹凸パターンをスタンパー形成用材料に転写して当該修復したスタンパーの凸部に対応する凹部と当該修復したスタンパーにおける凹部に対応する凸部とを有するスタンパーを製造する。
本発明に係るスタンパー修復方法によれば、凹凸パターンの形成面に導電性薄膜を形成する薄膜形成処理と剥離層を形成する剥離層形成処理とをこの順で実行してスタンパーを修復することにより、例えばマザースタンパーの凹凸パターンを転写して複数のチャイルドスタンパーを製造する場合において、このスタンパー修復方法に従ってマザースタンパーを修復することで、マザースタンパーに生じる減耗(凸部および凹部の寸法変化)に起因して、製造したチャイルドスタンパーにおける凸部の幅や凹部の開口長が変化する事態を回避して、凸部の幅や凹部の開口長が一定範囲内のチャイルドスタンパーを大量に製造することができる。したがって、高価なマスタースタンパーを大量に製造することなく、修復したマザースタンパーから製造したチャイルドスタンパーを用いて、凸部の幅や凹部の開口長が均一な凹凸パターンを有する情報媒体を低コストで大量に製造することができる。
また、本発明に係るスタンパー修復方法によれば、導電性薄膜の表面を改質する改質処理を剥離層形成処理として実行して剥離層を形成することにより、導電性薄膜を構成している材料とは全く相違する種類の材料で剥離層を形成する方法とは異なり、導電性薄膜との密着性が十分に高い剥離層を形成することができる。したがって、このスタンパー修復方法に従って例えばマザースタンパーを修復することで、チャイルドスタンパーの製造時(例えば、電鋳処理時)においてマザースタンパーの導電性薄膜から剥離層が剥がれる事態を回避することができる。
さらに、本発明に係るスタンパー修復方法によれば、導電性薄膜の表面を酸化させる酸化処理を改質処理として実行することにより、このスタンパー修復方法に従って例えばマザースタンパーを修復することで、チャイルドスタンパーの剥離性が良好な剥離層を確実かつ容易に形成することができる。また、チャイルドスタンパーのスムーズな剥離が可能となるため、マザースタンパーの凹凸パターンやチャイルドスタンパーの凹凸パターンに破損が生じる事態を回避することができる。
また、本発明に係るスタンパー修復方法によれば、剥離層形成処理時において、導電性薄膜の上に剥離層形成用材料からなる層を剥離層として形成することにより、このスタンパー修復方法に従って例えばマザースタンパーを修復することで、チャイルドスタンパーの母材に対する剥離性が良好な材料を剥離層形成用材料として採用してマザースタンパーに剥離層を形成することができる。これにより、チャイルドスタンパーのスムーズな剥離が可能となるため、マザースタンパーの凹凸パターンやチャイルドスタンパーの凹凸パターンに破損が生じる事態を回避することができる。
さらに、本発明に係るスタンパー修復方法によれば、薄膜形成処理時において、イオンビームデポジション法によって凹凸パターンの形成面に対して斜めから導電性薄膜形成用材料の粒子を照射して導電性薄膜を形成することにより、このスタンパー修復方法に従って例えばマザースタンパーを修復することで、マザースタンパーの各凸部の突端面や各凹部の底面のみならず、各凸部の側面(各凹部の内壁面)に対して導電性薄膜を確実に成膜することができる。したがって、チャイルドスタンパーの製造よって各凸部の幅が短くなっているマザースタンパーを確実に修復することができる。また、他の成膜方法と比較して、修復対象のスタンパーに対する密着性が良好な導電性薄膜を形成することができる。
また、本発明に係るスタンパー修復方法によれば、薄膜形成処理に先立ち、凹凸パターンの形成面に残存している剥離層を除去する剥離層除去処理を実行することにより、剥離層を除去することなく導電性薄膜を形成する方法と比較して、修復対象のスタンパーにおける母材(剥離層を除去した状態において凹凸パターンの形成面を構成している材料)に対する導電性薄膜の密着性を十分に向上させることができる。
さらに、本発明に係るスタンパー修復方法によれば、剥離層除去処理時において、水素元素を含むガスのプラズマにスタンパーを曝して剥離層を除去することにより、修復対象のスタンパーにおける母材自体を侵すことなく、また、修復対象のスタンパー表面を荒らすことなく、剥離層のみを選択的に除去することができる。したがって、本発明における剥離層除去処理によって修復対象のスタンパーにおける凹凸パターンに大きな寸法変化が生じる事態を回避することができる。
また、本発明に係るスタンパー修復方法によれば、薄膜形成処理時において、剥離層除去処理の完了後のスタンパーにおける凹凸パターンの形成面の表面部位を構成する材料と同種の材料を用いて導電性薄膜を形成することにより、修復対象のスタンパーにおける母材(剥離層を除去した状態において凹凸パターンの形成面を構成している材料)との密着性が良好な導電性薄膜を形成することができる。
さらに、本発明に係るスタンパー修復方法によれば、スタンパーにおける凹凸パターンの形成面に剥離層形成用材料からなりスタンパーの減耗分の厚みの剥離層を形成する剥離層形成処理を実行してスタンパーを修復することにより、例えばマザースタンパーの凹凸パターンを転写して複数のチャイルドスタンパーを製造する場合において、このスタンパー修復方法に従ってマザースタンパーを修復することで、マザースタンパーに生じる減耗(凸部および凹部の寸法変化)に起因して、製造したチャイルドスタンパーにおける凸部の幅や凹部の開口長が変化する事態を回避して、凸部の幅や凹部の開口長が一定範囲内のチャイルドスタンパーを大量に製造することができる。したがって、高価なマスタースタンパーを大量に製造することなく、修復したマザースタンパーから製造したチャイルドスタンパーを用いて、凸部の幅や凹部の開口長が均一な凹凸パターンを有する情報媒体を低コストで大量に製造することができる。
また、本発明に係るスタンパー修復方法によれば、剥離層形成処理時において、イオンビームデポジション法によって凹凸パターンの形成面に対して斜めから剥離層形成用材料の粒子を照射して剥離層を形成することにより、スタンパーにおける各凸部の突端面や各凹部の底面のみならず、各凸部の側面(各凹部の内壁面)に対して剥離層を確実に形成することができる。したがって、このスタンパー修復方法に従って例えばマザースタンパーを修復することで、チャイルドスタンパーの製造よって各凸部の幅が短くなっているマザースタンパーを確実に修復して新たなマザースタンパーを製造することができる。また、他の成膜方法と比較して、修復対象のスタンパーに対する密着性が良好な剥離層を形成することができる。
また、本発明に係るスタンパー製造方法によれば、上記のいずれかのスタンパー修復方法に従って修復したスタンパーを用いてスタンパーを製造することにより、凸部の幅や凹部の開口長が一定範囲内のマザースタンパーやチャイルドスタンパーを大量に製造することができる。したがって、高価なマスタースタンパーを大量に製造することなく、修復したスタンパーを用いて製造したスタンパーを用いて、凸部の幅や凹部の開口長が均一な凹凸パターンを有する情報媒体を低コストで大量に製造することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るスタンパー修復方法およびスタンパー製造方法の最良の形態について説明する。なお、本発明に係るスタンパー修復方法は、マスタースタンパーからマザースタンパーを製造するとき、マザースタンパーからチャイルドスタンパーを製造するとき、および、チャイルドスタンパーからグランドチャイルドスタンパーを製造するときなどの各種のスタンパー製造時において実施することができるが、本発明についての理解を容易とするために、まず、マザースタンパーを用いてチャイルドスタンパーを製造する際に本発明に係るスタンパー修復方法に従ってマザースタンパーを修復する例について、図面を参照して説明する。
図1に示すマザースタンパー1は、一例として、インプリント法によってディスクリートトラック型等のパターンド媒体(磁気ディスク)を製造する際に用いるチャイルドスタンパー1A(図2,3参照)を製造可能なスタンパーであって、チャイルドスタンパー1Aにおける凹凸パターン6の各凹部6bに対応して形成された複数の凸部5aと、凹凸パターン6の各凸部6aに対応して形成された複数の凹部5bとを有する凹凸パターン5が形成されている。このマザースタンパー1は、一例として、図9に示すマスタースタンパー1Cの凹凸パターン4をスタンパー形成材料に転写することによって上記の凹凸パターン5が形成されている。
具体的には、マザースタンパー1は、マスタースタンパー1Cを電極として用いてスタンパー形成用材料の一例であるニッケルを用いた電鋳処理(ニッケル電鋳処理)によって形成されたニッケル電鋳層11と、ニッケル電鋳層11の表面に形成された剥離層12とを備えて、全体として円板状に形成されている。なお、同図では、凹凸パターン5における凸部5aの幅L1(凹凸パターンの形成面に沿った長さ)と、凹部5bの開口長とが1:1となっている状態を図示しているが、実際には、情報媒体に形成すべき凹凸パターン(図示せず)における凸部の幅や凹部の開口長に応じて、凸部5aの幅L1および凹部5bの開口長が凹凸パターン5の各部において相違するように形成されている。この場合、上記のマスタースタンパー1Cの製造方法については、公知の各種のスタンパー製造方法を採用することができる。
このマザースタンパー1を用いてチャイルドスタンパー1Aを製造する際には、まず、マスタースタンパー1Cから剥離した状態の(剥離層12が形成されていない状態の)マザースタンパー1に対して、厚みT1が4nm程度の剥離層12を形成する。具体的には、一例として、リアクティブイオンエッチング装置を用いてArおよびOの混合ガスを用いたプラズマ処理によってニッケル電鋳層11の表面(凹凸パターン5の形成面)を酸化処理することによってニッケル電鋳層11の表面を改質処理して剥離層12を形成する。この際に、マザースタンパー1(ニッケル電鋳層11)に対するプラズマ処理条件は、一例として、ソースパワーを1000Wとし、バイアスパワーを0Wとし、ArとOとの混合比を3:7とし、混合ガスの圧力を1.0Paとし、処理時間を15秒とする。
次いで、図2に示すように、ニッケル電鋳層11を電極として用いたニッケル電鋳処理を実行することにより、剥離層12の上に厚み0.3mm程度のニッケル電鋳層13を形成する。この際には、前述したように、マザースタンパー1の凹凸パターン5における各凹部5b内がニッケルで埋め尽くされることにより、凹凸パターン5の形成面に沿った向き(矢印Aの向き)で各凸部5aを押し縮める力(応力)が生じる。この結果、マザースタンパー1における各凸部5aが凹凸パターン5の形成面に沿って押し縮められて、電鋳処理の開始以前に幅L1であった各凸部5aが、幅L1よりも狭い幅L2となる。
続いて、図3に示すように、マザースタンパー1からニッケル電鋳層13を剥離する。これにより、マザースタンパー1における凹凸パターン5の各凸部5aに対応する複数の凹部6bと、凹凸パターン5の各凹部5bに対応する複数の凸部6aとを有する凹凸パターン6がニッケル電鋳層13に転写されて、1枚目のチャイルドスタンパー1Aが完成する。この際には、マザースタンパー1における剥離層12の表面部位がチャイルドスタンパー1Aにおける凹凸パターン6の表面に厚みT2だけ付着した状態でマザースタンパー1から剥がれる。この結果、チャイルドスタンパー1Aの剥離以前に幅L2であったマザースタンパー1の各凸部5aが、幅L2よりもさらに狭い幅L3となる。また、マザースタンパー1の剥離層12は、チャイルドスタンパー1Aの製造に使用する以前の厚みT1よりも薄い厚みT3となる。
次いで、チャイルドスタンパー1Aの剥離が完了したマザースタンパー1をアルカリ洗浄処理した後に、洗浄処理後のマザースタンパー1を用いて1枚目のチャイルドスタンパー1Aの製造方法と同様の手順でプラズマ処理(剥離層形成処理)、ニッケル電鋳処理および剥離処理することにより、2枚目のチャイルドスタンパー1Aおよび3枚目のチャイルドスタンパー1Aを順次製造する。この場合、この種のスタンパー製造方法では、前述したように、チャイルドスタンパー1Aを1枚製造する毎に、マザースタンパー1における各凸部5aの幅L3が徐々に狭くなる。したがって、3枚目のチャイルドスタンパー1Aの製造が完了した時点において、本発明に係るスタンパー修復方法に従い、マザースタンパー1を修復する。
具体的には、3枚目のチャイルドスタンパー1Aの剥離が完了したマザースタンパー1に対して、凹凸パターン5の表面をアルカリ洗浄によって洗浄処理した後に、リアクティブイオンエッチング装置によって凹凸パターン5の表面に残存している剥離層12を除去する(本発明における「剥離層除去処理」)。この際には、図4に示すように、洗浄処理後のマザースタンパー1を水素ガスプラズマ中に曝すことにより、マザースタンパー1(ニッケル電鋳層11上)から剥離層12を除去する。なお、マザースタンパー1に対するプラズマ処理条件は、一例として、ソースパワーを1000Wとし、バイアスパワーを0Wとし、水素ガスの圧力を2.0Paとし、処理時間を15秒とする。この際に、エッチングガスとして水素ガス(本発明における「水素元素を含むガス」の一例)を用いることにより、ニッケル電鋳層11の表面を酸化処理して形成された剥離層12に対して水素ガスが還元性を有するため、剥離層12の下のニッケル電鋳層11が除去されることなく、剥離層12のみが還元または消失によってマザースタンパー1上から選択的に除去される。これにより、マザースタンパー1における凸部5aが幅L4となる。なお、本発明における「水素元素を含むガス」は、上記の水素ガスに限定されず、例えばNHガスやこれらを含む各種ガスを使用することもできる。
次いで、剥離層12の剥離が完了したマザースタンパー1(ニッケル電鋳層11)に対して、本発明における導電性薄膜に相当するニッケル薄膜11a(図7参照)を形成する処理(本発明における「薄膜形成処理」)を実行する。具体的には、図5に示すように、ニッケル電鋳層11を構成する材料(この例では、ニッケル)と同種の材料(この例では、ニッケル)を凹凸パターン5の表面にイオンビームデポジション装置50を用いて付着させることでニッケル薄膜11aを形成する。
この場合、イオンビームデポジション装置50は、本発明におけるイオンビームデポジション法のうちのイオンビームスパッタリング法による導電性薄膜の形成が可能な装置の一例であって、図5に示すように、真空チャンバ51、保持機構52、照射源53およびイオンビーム発生源54を備えて構成されている。真空チャンバ51は、保持機構52や照射源53などを収容可能な箱体で構成されると共に、その排気口に接続された真空ポンプ51aによって真空引きされることにより、内部空間を真空状態に維持することができるように構成されている。保持機構52は、マザースタンパー1を保持する保持用治具52aと、保持用治具52aと共にマザースタンパー1を回転させる回転機構52bとを備えている。この場合、保持機構52は、後述するように照射源53から照射される導電性薄膜形成用材料の粒子(この例では、ニッケル粒子)を保持用治具52aによって保持しているマザースタンパー1に対して所望の角度で照射できるように、照射源53に対する角度を調整可能に構成されている。
照射源53は、本発明における導電性薄膜形成用材料に相当するニッケルをターゲットとして備え、イオンビーム発生源54からのイオンビームの照射によって生じるニッケルの粒子を保持機構52によって保持されているマザースタンパー1に向けて放出する。イオンビーム発生源54は、一例として、Arのイオンビームを照射可能に構成されている。なお、ニッケル薄膜11aの形成時における処理条件としては、一例として、イオンビーム発生源54における高圧側のグリッド電圧を1200Vとし、低圧側のグリッド電圧を325Vとし、ビーム電流を178mAとする。また、図6に示すように、マザースタンパー1の凹凸パターンの形成面に対するニッケル粒子の照射角(同図に示すマザースタンパー1の凹凸パターンの形成面と照射方向との成す角度θ)については、一例として、45°とする(凹凸パターン5の形成面に対して斜めから導電性薄膜形成用材料の粒子を照射する方法の一例)。
この場合、マザースタンパー1における凹凸パターン5の形成面と直交する向きでマザースタンパー1(ニッケル電鋳層11)に対してニッケル粒子を照射した場合には、凹凸パターン5における各凸部5aの突端面および各凹部5bの底面(凹凸パターン5の形成面と平行な面)のみにニッケル薄膜11aが成膜されて各凸部5aの側面(各凹部5bの内壁面:凹凸パターン5の形成面と交差する面)にニッケル薄膜11aが成膜されない事態が生じるおそれがある。これに対して、保持機構52によって照射源53に対してマザースタンパー1を斜めに傾けて保持した状態においてニッケル粒子を照射することにより、図6に示すように、各凸部5aの突端面、および各凹部5bの底面のみならず、各凸部5aの側面(各凹部5bの内壁面)にもニッケル薄膜11aを確実に成膜することが可能となっている。また、回転機構52bによってマザースタンパー1(保持用治具52a)を回転させつつ成膜処理することにより、各凸部5aにおけるいずれかの側面にニッケル薄膜11aが成膜されずにニッケル電鋳層11が露出した状態となる不具合、およびいずれかの側面においてニッケル薄膜11aの厚みが極端に薄くなるという不具合を招くことなく、各凸部5aのすべての側面に対してほぼ均等な厚みでニッケル薄膜11aを成膜することが可能となっている。
また、このマザースタンパー1の修復方法では、ニッケル薄膜11aの成膜に先立ち、マザースタンパー1に残存していた剥離層12を除去する剥離層除去処理を実行して凹凸パターン5の全域に亘ってニッケル電鋳層11を露出させると共に、この剥離層除去処理の完了後のマザースタンパー1における凹凸パターン5の形成面の表面部位を構成する材料(ニッケル電鋳層11を構成している材料:この例では、ニッケル)と同種の材料(ニッケル)を用いてニッケル薄膜11aを成膜している。したがって、ニッケル電鋳層11とニッケル薄膜11aとの間に他の材料が介在せず、しかも、ニッケル電鋳層11からニッケル薄膜11aにかけて同種の材料が連続するため、ニッケル電鋳層11に対するニッケル薄膜11aの密着性が十分に高くなっている。これにより、図7に示すように、凹凸パターン5を覆うようにして厚みT4のニッケル薄膜11a(本発明における「導電性薄膜」)が形成される。
この場合、上記のニッケル薄膜11aの成膜に際しては、ニッケル薄膜11aの厚みT4が、各チャイルドスタンパー1Aの製造時にマザースタンパー1に生じた寸法変化の分(各チャイルドスタンパー1Aの製造によってマザースタンパー1に生じた減耗分)の厚みとなるまでマザースタンパー1に対する成膜処理を継続する。また、上記の剥離層除去処理時において、処理以前に剥離層12を構成していた材料の一部または全部がマザースタンパー1上から取り除かれてマザースタンパー1が減耗した場合には、この剥離層除去処理によってマザースタンパー1に生じた減耗分と、上記のように各チャイルドスタンパー1Aの製造によってマザースタンパー1に生じた減耗分との和と等しい厚みとなるまでマザースタンパー1に対する成膜処理を継続する。これにより、マザースタンパー1における各凸部5aの幅L5は、修復以前の幅L4よりも広く、かつ、未使用のマザースタンパー1における凸部5aの幅L1と等しい幅となる。
続いて、ニッケル薄膜11aの表面に対する改質処理を実行することにより、剥離層12を形成する。具体的には、マスタースタンパー1Cから剥離した直後のマザースタンパー1に対して剥離層12を形成した際の処理と同様にして、リアクティブイオンエッチング装置を用いてArおよびOの混合ガスを用いたプラズマ処理によってニッケル電鋳層11の表面(凹凸パターン5の形成面)を酸化処理することにより、厚みT1が4nm程度の剥離層12を形成する。この際に、マザースタンパー1(ニッケル電鋳層11)に対するプラズマ処理の条件は、一例として、ソースパワーを1000Wとし、バイアスパワーを0Wとし、ArとOとの混合比を3:7とし、混合ガスの圧力を1.0Paとし、処理時間を15秒とする。これにより、図1に示すように、マザースタンパー1の修復が完了する。なお、同図では、ニッケル電鋳層11の上に形成したニッケル薄膜11aがニッケル電鋳層11と同化した状態を図示している。
この後、前述した手順に従い、修復が完了したマザースタンパー1を用いてチャイルドスタンパー1Aを製造する(本発明に係る「スタンパー製造方法」の実施)。また、3枚のチャイルドスタンパー1Aを製造する都度、上記の一連の修復処理を実行する。これにより、凸部6aの幅や凹部6bの開口長が大きく変化することなく一定範囲内となるように形成された凹凸パターン6を有するチャイルドスタンパー1Aを大量に製造することができる。この場合、図14に示すように、凸部5aの形成ピッチが50nmのチャイルドスタンパー1Aを1枚のマザースタンパー1から製造したときに、1枚目から3枚目のチャイルドスタンパー1Aについては、凸部の幅に対する寸法変化量の割合が5%未満であるのに対し、4枚目のチャイルドスタンパー1Aでは、凸部の幅に対する寸法変化量の割合が8%程度と非常に大きくなる。したがって、3枚のチャイルドスタンパー1Aを製造する都度、上記の一連の修復処理を実行することにより、凸部の幅に対する寸法変化量の割合が5%未満のチャイルドスタンパー1Aを製造することができる。
このように、上記のマザースタンパー1の修復方法によれば、凹凸パターン5の形成面にニッケル薄膜11a(導電性薄膜)を形成する薄膜形成処理と剥離層12を形成する剥離層形成処理とをこの順で実行してマザースタンパー1を修復することにより、チャイルドスタンパー1Aの製造によってマザースタンパー1に生じる減耗(凸部5aおよび凹部5bの寸法変化)に起因して製造したチャイルドスタンパー1Aにおける凸部6aの幅や凹部6bの開口長が変化する事態を回避して、凸部6aの幅や凹部6bの開口長が一定範囲内のチャイルドスタンパー1Aを大量に製造することができる。したがって、高価なマスタースタンパー1Cを大量に製造することなく、マザースタンパー1を用いて製造したチャイルドスタンパー1Aを用いて、凸部の幅や凹部の開口長が均一な凹凸パターンを有する情報媒体を低コストで大量に製造することができる。
また、上記のマザースタンパー1の修復方法によれば、本発明における剥離層形成処理として、ニッケル薄膜11a(導電性薄膜)の表面を改質する改質処理を実行して剥離層12を形成することにより、ニッケル電鋳層11を構成している材料とは全く相違する種類の材料で剥離層12を形成する方法とは異なり、ニッケル薄膜11aとの密着性が十分に高い剥離層12を形成することができる。したがって、チャイルドスタンパー1Aの製造時(例えば、ニッケル電鋳処理時)において、マザースタンパー1のニッケル薄膜11aから剥離層12が剥がれる事態を回避することができる。
さらに、上記のマザースタンパー1の修復方法によれば、ニッケル薄膜11a(導電性薄膜)の表面を酸化させる酸化処理を本発明における改質処理として実行することにより、ニッケル電鋳層13(チャイルドスタンパー1A)の剥離性が良好な剥離層12を確実かつ容易に形成することができる。また、チャイルドスタンパー1Aのスムーズな剥離が可能となるため、マザースタンパー1の凹凸パターン5やチャイルドスタンパー1Aの凹凸パターン6に破損が生じる事態を回避することができる。
また、上記のマザースタンパー1の修復方法によれば、本発明における薄膜形成処理時において、イオンビームデポジション法によって凹凸パターン5の形成面に対して斜め(この例では、45°)から導電性薄膜形成用材料の粒子(この例では、ニッケル粒子)を照射してニッケル薄膜11a(導電性薄膜)を形成することにより、マザースタンパー1の各凸部5aの突端面や各凹部5bの底面のみならず、各凸部5aの側面(各凹部5bの内壁面)に対してニッケル薄膜11aを確実に成膜することができる。したがって、チャイルドスタンパー1Aの製造よって各凸部5aの幅が短くなっているマザースタンパー1を確実に修復することができる。また、他の成膜方法と比較して、修復対象のマザースタンパー1(この例では、ニッケル電鋳層11)に対する密着性が良好なニッケル薄膜11aを形成することができる。
さらに、上記のマザースタンパー1の修復方法によれば、本発明における薄膜形成処理に先立ち、凹凸パターン5の形成面に残存している剥離層12を除去する剥離層除去処理を実行することにより、剥離層12を除去することなくニッケル薄膜11aを形成する方法と比較して、修復対象のマザースタンパー1における母材(剥離層12を除去した状態において凹凸パターン5の形成面を構成している材料:この例では、ニッケル電鋳層11)に対するニッケル薄膜11aの密着性を十分に向上させることができる。
また、上記のマザースタンパー1の修復方法によれば、本発明における剥離層除去処理時において、水素元素を含むガス(この例では、水素ガス)のプラズマにマザースタンパー1を曝して剥離層12を除去することにより、マザースタンパー1の母材であるニッケル電鋳層11自体を侵すことなく、また、マザースタンパー1の表面を荒らすことなく、剥離層12のみを選択的に除去することができる。したがって、本発明における剥離層除去処理によってマザースタンパー1の凹凸パターン5に大きな寸法変化が生じる事態を回避することができる。
さらに、上記のマザースタンパー1の修復方法によれば、本発明における薄膜形成処理時において、上記した剥離層12の除去処理完了後のマザースタンパー1(ニッケル電鋳層11)における凹凸パターン5の形成面の表面部位を構成する材料(この例では、ニッケル)と同種の材料を用いて本発明における導電性薄膜としてのニッケル薄膜11aを形成することにより、マザースタンパー1の母材(剥離層12を除去した状態において凹凸パターン5の形成面を構成している材料)であるニッケル電鋳層11との密着性が良好なニッケル薄膜11aを形成することができる。
また、上記のチャイルドスタンパー1Aの製造方法によれば、凹凸パターン5の形成面にニッケル薄膜11a(導電性薄膜)を形成する薄膜形成処理と剥離層12を形成する剥離層形成処理とをこの順で実行して修復したマザースタンパー1を用いてチャイルドスタンパー1Aを製造することにより、凸部6aの幅や凹部6bの開口長が一定範囲内のチャイルドスタンパー1Aを大量に製造することができる。したがって、高価なマスタースタンパーを大量に製造することなく、修復したマザータンパー1を用いて製造したチャイルドスタンパー1Aを用いて、凸部の幅や凹部の開口長が均一な凹凸パターンを有する情報媒体を低コストで大量に製造することができる。
なお、本発明は、上記した本発明の構成および方法に限定されない。例えば、ニッケル薄膜11aの形成が完了したマザースタンパー1の表面を酸化処理することで剥離層12を形成する方法について説明したが、本発明における剥離層形成処理はこの方法に限定されない。具体的には、上記の酸化処理に代えて、本発明における導電製薄膜の表面を窒化する窒化処理、フッ化するフッ化処理、および水酸化する水酸化処理などを実行することで、上記の剥離層12と同様にしてニッケル電鋳層13に対する剥離性が良好な剥離層を形成する方法を採用することができる。この場合、剥離層を形成するための表面改質処理としては、リアクティブイオンエッチング装置を用いるようなプラズマ処理に限定されず、過マンガン酸水溶液や重クロム酸水溶液にマザースタンパー1を浸漬することで凹凸パターン5の表面を改質して剥離層を形成する方法を採用することもできる。
また、本発明における剥離層形成処理は、上記の酸化処理、窒化処理、フッ化処理および水酸化処理などの表面改質処理による剥離層の形成方法に限定されず、本発明における導電性薄膜の表面に剥離層形成用材料(一例として、酸化ニッケルや酸化クロム等)からなる層を剥離層として形成する方法を採用することができる。このように、マザースタンパーの修復に際して、本発明における剥離層形成処理として導電性薄膜の上に剥離層形成用材料からなる層を形成して剥離層を形成することにより、ニッケル電鋳層13に対する剥離性が良好な材料を剥離層形成用材料として採用して剥離層を形成することができる。これにより、チャイルドスタンパー1Aのスムーズな剥離が可能となるため、マザースタンパー1の凹凸パターン5やチャイルドスタンパー1Aの凹凸パターン6に破損が生じる事態を回避することができる。
この場合、本発明における薄膜形成処理に先立ち、凹凸パターンの形成面に残存している剥離層を除去する剥離層除去処理を実行することにより、剥離層12を除去することなくニッケル薄膜11aを形成する方法と比較して、修復対象のスタンパーにおける母材(剥離層12を除去した状態において凹凸パターンの形成面を構成している材料)に対するニッケル薄膜11aの密着性を十分に高めることができる。
さらに、剥離層12の剥離処理が完了した状態におけるマザースタンパー1(ニッケル電鋳層11)と同種の材料で本発明における導電性薄膜としてのニッケル薄膜11aを形成する例について説明したが、導電性薄膜を形成するための材料は、剥離層剥離処理後のマザースタンパー1における表面部位の材料と同種の材料に限定されず、チャイルドスタンパー1Aの製造に際してニッケル電鋳処理を実行する際に、修復したマザースタンパー1を電極として利用することが可能である限り、ニッケル電鋳層11を構成する材料とは相違する各種の導電性材料で本発明における導電性薄膜を形成することができる。具体的には、一例として、クロム、銅および金等の導電性材料で導電性薄膜を形成することにより、上記したニッケル薄膜11aの形成によるマザースタンパー1の修復方法と同様にして、チャイルドスタンパー1Aの製造に際してニッケル電鋳層13を形成するためのニッケル電鋳処理時に電極として使用可能なようにマザースタンパー1を十分に修復することができる。
また、本発明における剥離層除去処理として、水素ガスプラズマを用いたリアクティブイオンエッチング法によって剥離層12を除去する方法について説明したが、本発明はこれに限定されず、水素ガスプラズマ以外の各種不活性ガスを用いたプラズマ(一例として、ArやNを用いたプラズマ)によるプラズマ処理、および各種の酸性溶液(一例として、スルファミン酸ニッケル溶液)にマザースタンパー1を浸漬することで剥離層12を除去する方法などを採用することができる。この場合、上記のプラズマ処理としては、一例として、イオンビームエッチング(イオンミリング)や、スタンパー側にバイアス電圧を印加してスタンパー表面をプラズマ処理する逆スパッタ法などを実施することができる。さらに、本発明における薄膜形成処理に先立って剥離層を除去する剥離層除去処理を実行するスタンパー修復方法について説明したが、この剥離層除去処理はスタンパーの修復時における必須の工程ではなく、剥離層除去処理を実行することなく、薄膜形成処理を直ちに実行してスタンパーを修復することもできる。
また、チャイルドスタンパー1Aの製造によって生じた減耗量に応じてニッケル薄膜11a(導電性薄膜)を形成した後に剥離層12を形成してマザースタンパー1を修復する方法について説明したが、マザースタンパー1の修復方法はこれに限定されない。例えば、上記のマザースタンパー1の修復時に形成したニッケル薄膜11aに代えて、図8に示すように、剥離層形成用材料(一例として、酸化ニッケルや酸化クロム等)で所望の厚みの剥離層22を形成することにより、マザースタンパー1の修復物としてのマザースタンパー1Bを製造する方法を採用することもできる。具体的には、一例として、前述したマザースタンパー1の修復方法において剥離層除去処理が完了した状態のマザースタンパー1をイオンビームデポジション装置50にセットして、イオンビームスパッタリング法によって厚みT4の剥離層22を形成する。なお、剥離層22の形成方法は、イオンビームデポジション法に限定されず、各種の形成方法を採用することができる。
この場合、剥離層22の厚みT4については、各チャイルドスタンパー1Aの製造時にマザースタンパー1(または、マザースタンパー1の修復物としてのマザースタンパー1B)に生じた寸法変化の分(各チャイルドスタンパー1Aの製造によって生じた減耗分)の厚みとする。また、剥離層除去処理時において、処理以前に剥離層12を構成していた材料の一部または全部がマザースタンパー1上から取り除かれてマザースタンパー1が減耗している場合には、剥離層22の厚みT4については、剥離層除去処理によってマザースタンパー1に生じた減耗分と、各チャイルドスタンパー1Aの製造によってマザースタンパー1に生じた減耗分との和と等しい厚みとする。したがって、本発明における剥離層除去処理を実行することなくマザースタンパー1Bを製造する場合には、ニッケル電鋳層11上に残存している厚みT3の剥離層12の上に、各チャイルドスタンパー1Aの製造時においてマザースタンパー1(1B)に生じた寸法変化の分(各チャイルドスタンパー1Aの製造によって生じた減耗分)の厚みT5の剥離層22を形成すればよい。これにより、各凸部5aの幅L5が修復以前のマザースタンパー1における凸部5aの幅L4よりも広く、かつ、マスタースタンパー1Cから剥離した直後のマザースタンパー1における凸部5aの幅L1と等しい幅のマザースタンパー1Bが完成する。
この後、前述した手順に従い、製造したマザースタンパー1B(修復が完了したマザースタンパー1)を用いてチャイルドスタンパー1Aを製造する。また、3枚のチャイルドスタンパー1Aを製造する都度、上記の一連の修復処理(マザースタンパー1Bの製造処理)を実行する。これにより、凸部6aの幅や凹部6bの開口長が大きく変化することなく一定範囲内となるように形成された凹凸パターン6を有するチャイルドスタンパー1Aを大量に製造することができる。
このように、上記のマザースタンパー1Bの修復方法によれば、マザースタンパー1,1Bにおける凹凸パターン5の形成面に剥離層形成用材料(この例では、酸化ニッケルや酸化クロム等)からなりマザースタンパー1,1Bの減耗分の厚みの剥離層22を形成する剥離層形成処理を実行してマザースタンパー1,1Bを修復することにより、チャイルドスタンパー1Aの製造によってマザースタンパー1に生じる減耗(凸部5aおよび凹部5bの寸法変化)に起因してチャイルドスタンパー1Aにおける凸部6aの幅や凹部6bの開口長が変化する事態を回避して、凸部6aの幅や凹部6bの開口長が一定範囲内のチャイルドスタンパー1Aを大量に製造することができる。したがって、高価なマスタースタンパー1Cを大量に製造することなく、マザースタンパー1Bを用いて製造したチャイルドスタンパー1Aを用いて、凸部の幅や凹部の開口長が均一な凹凸パターンを有する情報媒体を低コストで大量に製造することができる。
また、上記のマザースタンパー1Bの修復方法によれば、本発明における剥離層形成処理時において、イオンビームデポジション法によって凹凸パターン5の形成面に対して斜めから剥離層形成用材料の粒子を照射して剥離層22を形成することにより、マザースタンパー1,1Bの各凸部5aの突端面や各凹部5bの底面のみならず、各凸部5aの側面(各凹部5bの内壁面)に対して剥離層22を確実に形成することができる。したがって、チャイルドスタンパー1Aの製造よって各凸部5aの幅が短くなっているマザースタンパー1を確実に修復してマザースタンパー1Bを製造することができる。また、他の成膜方法と比較して、修復対象のスタンパー(この例では、マザースタンパー1のニッケル電鋳層11)に対する密着性が良好な剥離層22を形成することができる。
また、前述した修復方法に従って修復したマザースタンパー1に代えて、上記の修復方法に従って修復したマザースタンパー1Bを用いてチャイルドスタンパー1Aを製造することにより、マザースタンパー1を用いてチャイルドスタンパー1Aを製造した場合と同様にして、凸部6aの幅や凹部6bの開口長が一定範囲内のチャイルドスタンパー1Aを大量に製造することができる。したがって、高価なマスタースタンパーを大量に製造することなく、修復したマザースタンパー1Bを用いて製造したチャイルドスタンパー1Aを用いて、凸部の幅や凹部の開口長が均一な凹凸パターンを有する情報媒体を低コストで大量に製造することができる。
さらに、3枚のチャイルドスタンパー1Aを製造する都度マザースタンパー1を修復する各種の修復方法について説明したが、マザースタンパー1の修復を行う頻度については、チャイルドスタンパー1Aの製造によってマザースタンパー1に生じる減耗量に応じて適宜変更することができる。したがって、減耗の度合いが大きいときには、1枚のチャイルドスタンパー1Aを製造する都度、本発明に係るスタンパー修復方法に従ってマザースタンパー1を修復し、減耗の度合いが小さいときには、例えば10枚のチャイルドスタンパー1Aを製造する都度、マザースタンパー1を修復すればよい。
また、マザースタンパーからチャイルドスタンパーを製造する際にマザースタンパーを修復する修復方法について説明したが、本発明はこれに限定されず、前述したように、マスタースタンパーからマザースタンパーを製造するときや、チャイルドスタンパーからグランドチャイルドスタンパーを製造するときなどの各種のスタンパー製造時において本発明に係るスタンパー修復方法を実施することができる。具体的には、図9に示すマスタースタンパー1Cを用いて前述したマザースタンパー1を製造する際に、一例として、3枚のマザースタンパー1を製造する都度、マスタースタンパー1Cに対する修復処理を実行する。この場合、マスタースタンパー1Cは、蒸着ニッケル薄膜10aを電極として用いたニッケル電鋳処理によって形成されたニッケル電鋳層10と、蒸着ニッケル薄膜10aの表面を改質処理(一例として、酸化処理)することで形成された剥離層12とを備えて全体として円板状に形成されている。また、このマスタースタンパー1Cには、マザースタンパー1の各凹部5bを形成するために複数の凸部4aと、マザースタンパー1の各凸部5aを形成するための複数の凹部4bとを有する凹凸パターン4が形成されている。
このマスタースタンパー1Cの修復に際しては、前述したマザースタンパー1の修復時と同様にして、まず、凹凸パターン4の表面をアルカリ洗浄によって洗浄処理した後に、リアクティブイオンエッチング装置によって凹凸パターン4の表面に残存している剥離層12を除去する(本発明における「剥離層除去処理」)。この際には、一例として、洗浄処理後のマザースタンパー1を水素ガスプラズマ中に曝すことにより、マスタースタンパー1Cから剥離層12を選択的に除去する。次いで、剥離層12の剥離が完了したマスタースタンパー1C(ニッケル電鋳層10および蒸着ニッケル薄膜10aの積層体)に対して、本発明における導電性薄膜に相当するニッケル薄膜の形成処理(本発明における「薄膜形成処理」)を実行する。具体的には、この際には、蒸着ニッケル薄膜10aを構成する材料(この例では、ニッケル)と同種の材料(同種の材料:この例では、ニッケル)を凹凸パターン4の表面にイオンビームデポジション法によって付着させることでニッケル薄膜(図示せず)を形成する。続いて、形成したニッケル薄膜の表面に対する改質処理(一例として、酸化処理)を実行することにより、剥離層12を形成する。これにより、図9に示すように、マスタースタンパー1Cの修復が完了する。
さらに、インプリント処理によって磁気ディスクを製造するためのスタンパーの製造時に本発明に係るスタンパー修復方法を実施する例について説明したが、修復対象のスタンパーは、インプリント処理用のスタンパーに限定されず、射出成形法によって光ディスクや光磁気ディスクの基材を成形するためのスタンパーがこれに含まれる。
マザースタンパー1の断面図である。 マザースタンパー1を電極として用いた電鋳処理によってチャイルドスタンパー1Aを製造している際のマザースタンパー1およびチャイルドスタンパー1Aの断面図である。 電鋳処理後にマザースタンパー1からチャイルドスタンパー1Aを剥離した状態のマザースタンパー1およびチャイルドスタンパー1Aの断面図である。 剥離層12を剥離した状態のマザースタンパー1の断面図である。 イオンビームデポジション装置50の構成を示す構成図である。 イオンビームデポジション装置50によってニッケル薄膜11aを形成している状態のマザースタンパー1の断面図である。 ニッケル薄膜11aの形成が完了した状態のマザースタンパー1の断面図である。 マザースタンパー1Bの断面図である。 マスタースタンパー1Cの断面図である。 従来の複製方法において使用されるマザースタンパー1Xの断面図である。 従来の複製方法に従い、マザースタンパー1Xを電極として用いた電鋳処理によってチャイルドスタンパー1AXを製造している際のマザースタンパー1Xおよびチャイルドスタンパー1AXの断面図である。 従来の複製方法に従い、電鋳処理後にマザースタンパー1Xからチャイルドスタンパー1AXを剥離した状態のマザースタンパー1Xおよびチャイルドスタンパー1AXの断面図である。 チャイルドスタンパーの製造枚数とマザースタンパーにおける凸部の寸法変化量との関係を説明するための説明図である。 凸部の形成ピッチが相違する各種のマザースタンパーについて、凸部の幅に対する寸法変化量の割合と、チャイルドスタンパーの製造枚数との関係を説明するための説明図である。
符号の説明
1,1B マザースタンパー
1A チャイルドスタンパー
1C マスタースタンパー
4〜6 凹凸パターン
4a〜6a 凸部
4b〜6b 凹部
10,11,13 ニッケル電鋳層
10a 蒸着ニッケル薄膜
11a ニッケル薄膜
12,22 剥離層
50 イオンビームデポジション装置
51 真空チャンバ
51a 真空ポンプ
52 保持機構
52a 保持用治具
52b 回転機構
53 照射源
54 イオンビーム発生源
L1〜L5 幅
T1〜T5 厚み

Claims (11)

  1. スタンパーにおける凹凸パターンの形成面に導電性薄膜を形成する薄膜形成処理と、当該形成面に剥離層を形成する剥離層形成処理とをこの順で実行して前記スタンパーを修復するスタンパー修復方法。
  2. 前記剥離層形成処理として、前記導電性薄膜の表面を改質する改質処理を実行して前記剥離層を形成する請求項1記載のスタンパー修復方法。
  3. 前記改質処理として、前記導電性薄膜の表面を酸化させる酸化処理を実行して前記剥離層を形成する請求項2記載のスタンパー修復方法。
  4. 前記剥離層形成処理時において、前記導電性薄膜の上に剥離層形成用材料からなる層を前記剥離層として形成する請求項1記載のスタンパー修復方法。
  5. 前記薄膜形成処理時において、イオンビームデポジション法によって前記形成面に対して斜めから導電性薄膜形成用材料の粒子を照射して前記導電性薄膜を形成する請求項1から4のいずれかに記載のスタンパー修復方法。
  6. 前記薄膜形成処理に先立ち、前記形成面に残存している剥離層を除去する剥離層除去処理を実行する請求項1から5のいずれかに記載のスタンパー修復方法。
  7. 前記剥離層除去処理時において、水素元素を含むガスのプラズマに前記スタンパーを曝して前記剥離層を除去する請求項6記載のスタンパー修復方法。
  8. 前記薄膜形成処理時において、前記剥離層除去処理の完了後の前記スタンパーにおける前記形成面の表面部位を構成する材料と同種の材料を用いて前記導電性薄膜を形成する請求項6または7記載のスタンパー修復方法。
  9. スタンパーにおける凹凸パターンの形成面に剥離層形成用材料からなり当該スタンパーの減耗分の厚みの剥離層を形成する剥離層形成処理を実行して当該スタンパーを修復するスタンパー修復方法。
  10. 前記剥離層形成処理時において、イオンビームデポジション法によって前記形成面に対して斜めから前記剥離層形成用材料の粒子を照射して前記剥離層を形成する請求項9記載のスタンパー修復方法。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のスタンパー修復方法に従って修復した前記スタンパーの凹凸パターンをスタンパー形成用材料に転写して当該修復したスタンパーの凸部に対応する凹部と当該修復したスタンパーにおける凹部に対応する凸部とを有するスタンパーを製造するスタンパー製造方法。
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