JP5838927B2 - 積層セラミック電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、積層セラミック電子部品に関し、小型で信頼性が良好な積層セラミック電子部品に関する。

近年、電子回路の高密度化に伴う電子部品の小型化および高性能化に対する要求は高く、これに伴い、たとえば積層セラミックコンデンサの小型・大容量化が求められている。

積層セラミックコンデンサはセラミック素体の内部に、微小厚みの誘電体セラミック層を介して対向する複数の内部電極層を埋設してある。セラミック素体は、厚み方向の両側が内部電極間の誘電体セラミック層(誘電体層)の厚みよりも十分に厚い外層部に覆われており、また長さ方向の両側端面に、内部電極層に導通する端子電極を付着させてある。

積層セラミックコンデンサの小型・大容量化を実現するには、誘電体層の比誘電率を高める方法、誘電体層や内部電極層、および外層部を薄層化する方法が考えられる。

しかしながら、外層部を薄くすると、焼成後の外部電極形成工程においてめっき処理を施す際や、耐湿負荷試験下において、水分が外層部に存在する空隙を介して素体内部に浸入することにより、絶縁抵抗劣化不良を生じる、という問題がある。

上述した問題点を解決するには、外層部の緻密化を進める方法が有効である。特許文献1では、セラミック焼結体に外部電極(端子電極)を形成した後、外表面全体を酸化物ガラスでコーティングしてガラスコート層を形成し、次に、端子電極の電極被り部よりも外側においてガラスコート層を研磨し、端子電極表面を露出させる技術を開示している。

しかし、この従来技術の場合は、セラミック焼結体に端子電極を形成した後、酸化物ガラスでコーティングしてガラスコート層を形成し、その後、端子電極の電極被り部よりも外側において、ガラスコート層を研磨し、端子電極表面を露出させるという面倒で複雑な工程を必要とする。また、小型形状品への適用が困難である。

特許文献2では、内部電極の側部とセラミック焼結体側面側ギャップ部との境界部に、
Mgと内部電極を構成する金属であるNiとを含む酸化化合物を充填させることで、耐湿性を高めるようにした方法が提案されている。

しかしながら、上記方法の場合、セラミック素体内部にMg成分を拡散させてしまうの
で、誘電特性を維持しながら耐湿性を改善する事が困難となる。

さらに、特許文献3では、外層部と内層部の焼結ムラを抑制することを目的として、外層部用セラミック材料ペーストに誘電体被覆Ni粉を添加する製造方法が記載されている。しかしながら、Niは焼成工程中において誘電体層を拡散する性質があり、外層部を構成する誘電体層から内層部へのNiの拡散による影響で、電気特性を悪化させてしまうという問題がある。

特許文献4には、内部電極層が設けられている層間であって、内部電極層と外部電極との接続端以外の周囲に、当該内部電極層の主成分と同じ成分を含む金属部を島状に点在させる事で、内部電極層の形成されていない周囲の誘電体層同士の密着を強め、クラックやデラミネーション発生を減らすことが出来、耐湿性が改善する事が記載されているが、特許文献3と同様、内層部へのNi拡散が懸念される。

特許文献5には、内層部の誘電体層におけるNi濃度が、外層部および、内部電極層と、外部電極との接続端の間の領域に比べて低く制御されている積層コンデンサが記載されている。

特許文献5における誘電体に拡散するNiの濃度は、誘電体層に偏析するNi粒子を示すものではない。また、特許文献5の実験例の試料にはNiが偏在していない事が記載されている。

特許第3531543 号公報 特開2010−103566号公報 特許第4293615号公報 特開2011−29533号公報 特開2000−331867号公報

外層部の耐湿性を上げる為に、ガラス成分や焼結温度を低下させる添加元素を内層部誘電体組成よりも高濃度に外層部誘電体層に加える方法では、添加成分の内層部への拡散に起因する電気特性悪化を防ぐ事が困難である。

本発明は、このような実状に鑑みてなされ、外層部誘電体層に焼結助剤を高濃度に存在させることなく外層部が緻密であり、小型化しても、優れた耐湿性と電気特性を有する積層型セラミック電子部品を提供する事を目的とする。

本発明の積層セラミック電子部品は、Niを主成分とする内部電極層と誘電体層とが交互に複数積層された内層部と、前記内層部を挟む一対の誘電体外層部とを備え、前記誘電体外層部にはNi粒子が偏析していることを特徴としている。

好ましくは、内部電極層間の距離をaとした場合、前記誘電体外層部に偏析しているNi粒子が最外の内部電極層の位置からa/2以上離れた位置に存在することを満足する。このようにする事で、耐湿性向上と共に、高温加速寿命の信頼性が向上した積層型セラミック電子部品が得られる。

本発明の積層セラミック電子部品は、Niを主成分とする内部電極層と誘電体層とが交互に複数積層された内層部と、前記内層部を挟む一対の誘電体外層部とを備え、前記誘電体層に存在するNi粒子の量が前記誘電体外層部に比べて少ないことを特徴としている。

通常、焼結後の内層部および外層部には、誘電体粒子の充填されていない空間である、空隙が存在する。空隙が多数存在すると、湿度の高い条件下において、水分がセラミック素体内部に浸入することによって絶縁性が劣化してしまう。

本発明者等は、焼成工程において、誘電体粒子に拡散するNi元素に着目した。
通常、焼成後の内層部および外層部には、誘電体粒子(主成分粒子)と、それらの間に形成される粒界とが存在している。内部電極層に含まれるNiは、焼成時あるいは焼成後の熱処理時に誘電体層へ拡散する。誘電体層へ拡散したNiは、誘電体粒子にはほとんど固溶しないため、その大部分が粒界に留まる傾向にある。粒界に留まるNiは酸化物として存在するので、積層セラミック電子部品はショート不良にはならない。しかし、Niが粒界に多く残留すると、誘電体粒子と比較して比誘電率が低い粒界層が厚くなる事により、静電容量の低下や、信頼性の低下を生ずる事がある。

本発明は、誘電体層に拡散するNiを、Ni粒子として析出させることで、外層部に存在する空隙量を減少させる事が可能となり、耐湿性の高い積層型セラミック電子部品を得るものである。

本願発明者は、焼結を目的とした熱処理の後に、再び焼結が進行しない温度域で熱処理を施す事により、粒界に酸化物として拡散していたNiが還元され、金属Ni粒子として析出させることが可能である事を見出した。
また、さらなる鋭意検討の結果、前記の焼結後の熱処理条件をコントロールする事で、誘電体の焼結を進行させずに、空隙の量を減少させることが出来る事を見出した。

前記焼結後の熱処理の条件をコントロールすることで、積層セラミック電子部品の耐湿性および電気特性をさらに向上させることが出来る。

熱処理条件によっては、Ni粒子が、内層中や、最外の内部電極層と外層の近傍に高頻度に析出する場合がある。
内層中にNiが多く析出すると、内層部の誘電体層に生じる電界強度のばらつきが大きくなり、信頼性が悪化する傾向がある。

熱処理温度、保持時間、及び雰囲気をコントロールする事により、素体内部における空隙の多く存在する領域に、Ni粒子を優先的に析出させることができる。
素体内部における空隙とは、誘電体層における空隙と、内部電極層に存在する電極が途切れた空間を示す。

焼結工程で外層部に拡散したNiの一部は、熱処理中において、拡散元である内部電極層に再び移動し、内部電極層間の距離をaとした場合、誘電体層中に拡散していたNiがa/2以上の距離の移動が可能な熱処理条件に制御する事で、内層部の誘電体層中に析出するNi粒子を少なくすることが出来る。

一方、外層部では最外の内部電極層からa/2以下の位置にあるNiは最外の内部電極層に移動し、a/2以上に位置するNiは外層部中に析出する傾向になる。
内部電極層間の距離をaとした場合、誘電体外層部に偏析しているNi粒子が最外の内部電極層の位置からa/2以上離れた位置に存在することを満足させる事で、耐湿性向上と共に、高温加速寿命の信頼性が向上した積層型セラミック電子部品が得られる。

Ni粒子の量を上記のように制御する事で、信頼性の高い積層型セラミック電子部品が得られる。焼成工程において、Niは外層部だけでなく、内層部においても拡散している。内層部に析出するNi粒子の析出頻度が外層部と同等もしくはそれ以上であると、高温加速寿命が低下してしまう。

図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図2は、図1に示す誘電体層および外層の拡大断面図である。 図3は、図1に示す積層セラミックコンデンサの拡大断面図である。

以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。

<積層セラミックコンデンサ1>
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2aと、内部電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。最外に位置する内部電極層を挟み込むように外層部2bがある。コンデンサ素子本体10の両端部には、コンデンサ素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよい。

<誘電体層2a>
誘電体層2aは、本発明の実施形態に係る誘電体磁器組成物から構成されている。前記誘電体磁器組成物は、主成分として、一般式ABO3で表され、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物である誘電体粒子から構成される。前記一般式ABO3において、Aサイト原子は、好ましくはBa、CaおよびSrからなる群から選ばれる少なくとも1種類であり、Bサイト原子は、好ましくは、Ti、ZrおよびHfからなる群から選ばれる少なくとも1種類である。なお、酸素(O)量は、上記式の化学量論組成から若干偏倚してもよい。

また、Aサイト原子と、Bサイト原子と、のモル比は、A/B比として表され、本実施形態では、A/B比は、0.98〜1.02であることが好ましい

本実施形態では、上記の誘電体磁器組成物は、さらに、所望の特性に応じて、副成分元素を含有してもよい。前記副成分元素としては特に限定されないが、Mgおよび/または、希土類元素から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。さらにSiを含む酸化物を含有してもよい。

Mgの酸化物の含有量は、所望の特性に応じて決定すればよいが、ABO3 100モルに対して、MgO換算で、好ましくは0.2〜2.5モルである。該酸化物を含有させることで、所望の容量温度特性およびIR寿命が得られるという利点を有する。

希土類元素の酸化物の含有量は、所望の特性に応じて決定すればよいが、Rを希土類元素で表した場合、ABO3 100モルに対して、R2O3換算で、好ましくは0.2〜2.5モルである。該酸化物を含有させることで、IR寿命を向上させるという利点を有する。R元素は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群から選ばれる少なくとも1つであり、Y、Dy、GdおよびHoからなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。

Siを含む酸化物の含有量は、所望の特性に応じて決定すればよいが、ABO3 100モルに対して、SiO2換算で、好ましくは0.2〜3.0モルである。該酸化物を含有させることで、主に誘電体磁器組成物の焼結性を向上させる。なお、Siを含む酸化物としては、Siと他の金属元素(たとえば、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属)との複合酸化物等であってもよいが、本実施形態では、SiとBaおよびCaとの複合酸化物である(Ba,Ca)SiO3が好ましい。

本実施形態では、上記の誘電体磁器組成物は、さらに、所望の特性に応じて、その他の副成分を含有してもよい。

たとえば、本実施形態に係る誘電体磁器組成物には、Mnおよび/またはCrの酸化物が含有されていてもよい。該酸化物の含有量は、ABO3 100モルに対して、各酸化物換算で、0.02〜0.30モルであることが好ましい。

また、本実施形態に係る誘電体磁器組成物には、V、Ta、Nb、MoおよびWから選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物が含有されていてもよい。該酸化物の含有量は、ABO3 100モルに対して、各酸化物換算で、0.02〜0.30モルであることが好ましい。

誘電体層2aの厚みは、特に限定されず、所望の特性や用途等に応じて適宜決定すればよいが、好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下、特に好ましくは1μm以下である。また、誘電体層2aの積層数は、特に限定されないが、20以上であることが好ましく、より好ましくは50以上、特に好ましくは、100以上である。

<外層部2b>
外層部2bは、本発明の実施形態に係る誘電体磁器組成物から構成されている。前記誘電体磁器組成物は、誘電体層2aに含まれる、誘電体磁器組成物と同一ある事が好ましい。外層部2bの厚みは、特に限定されず、所望の特性や用途等に応じて適宜決定すればよいが、好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下、特に好ましくは20μm以下である。このような構成により、耐湿性改善への効果が大きい。

<析出するNi粒子>
図2に示すように、Ni粒子25は、内部電極層間の距離をaとした場合、最外の内部電極層の位置からa/2以上の位置に配置される事が好ましい。

外層部におけるNi粒子の析出頻度は、たとえば以下のようにして測定される。
すなわち、コンデンサ素子本体10を誘電体層2aおよび内部電極層3の積層方向に切断し、
その断面の、最外の内部電極層の位置からa/2以上の領域において存在するNi粒子の総量を、測定領域に対する面積分率として算出した値とする。

Ni粒子の析出頻度は特に限定されないが、外層部測定領域に対して、0.04%以上存在することが好ましい。0.04%以上存在する事で積層セラミック電子部品の耐湿性が良好になる。より好ましくは0.20%以上、特に好ましくは0.30%以上である。

測定視野の大きさは、特に限定されないが、1500μm2以上である事が好ましい。

Ni粒子25の粒子径は、たとえば、以下のようにして測定される。すなわち、コンデンサ素子本体10を誘電体層2aおよび内部電極層3の積層方向に切断し、その断面においてNi粒子の平均面積を測定し、円相当径として直径を算出し1.27倍した値とする。

Ni粒子25の粒子径は、特に限定されないが、20nm以上である事が好ましい。より好ましくは50nm以上、特に好ましくは80nm以上である。

<誘電体粒子および粒子間構造>
図3に示すように、誘電体層2aおよび、外層部2bは、誘電体粒子20と、空隙24と、Ni粒子25と、隣接する複数の誘電体粒子20間に形成される粒界22と、を含む。本実施形態では、誘電体粒子20は、主成分粒子(ABO3粒子)に対し、R元素、MgやSiなどの副成分元素が固溶(拡散)した粒子であってもよい。

また、本実施形態の誘電体粒子20の平均結晶粒子径は、特に限定されないが、好ましくは0.25μm以下である。誘電体粒子の粒径が小さいほど、焼成工程で拡散するNi量は多くなる傾向がある。平均結晶粒子径が0.25μm以下であると、誘電体に拡散するNi量が増える事で、析出するNi粒子の量が増える。
その結果、耐湿性がさらに良好になる。

誘電体粒子20の結晶粒子径は、たとえば、以下のようにして測定される。すなわち、コンデンサ素子本体10を外層部2b誘電体層2aおよび内部電極層3の積層方向に切断し、その断面において誘電体粒子の平均面積を測定し、円相当径として直径を算出し1.27倍した値とする。そして、結晶粒子径を200個以上の誘電体粒子について測定し、得られた結晶粒子径の累積度数分布から累積が50%となる値を平均結晶粒子径(単位:μm)とすればよい。なお、結晶粒子径は、外層部2b誘電体層2aの厚さなどに応じて決定すればよい。

粒界22は、主として、誘電体層に含有される元素の酸化物から構成されているが、工程中に不純物として混入する元素の酸化物あるいは内部電極層を構成する元素の酸化物などが含まれていてもよい。また、粒界22は、通常、主としてアモルファス質で構成されているが結晶質で構成されていてもよい。

本実施形態では、粒界22にNiが特定の割合で含まれるように制御されている。
また、粒界22におけるNiの含有割合は、所望の特性に応じて決定すればよいが、NiO換算で、好ましくは0.2〜1.4質量%である。

内部電極層3がNiを含む導電材から構成されており、焼成工程あるいはその後の熱処理工程等において、Niが外層部2bおよび誘電体層2aに拡散する。しかしながら、この場合、Niは誘電体粒子20に固溶し難いため、粒界22に留まる傾向にある。また、副成分として、Niの酸化物が含まれている場合にも、Niは粒界22に留まる傾向にある。

粒界22におけるNiO濃度を上記の範囲内にすることで、積層型セラミック電子部品としての信頼性(絶縁抵抗寿命)をさらに向上させることができる。

粒界22におけるNiの含有割合を測定する方法としては、特に制限されないが、たとえば、以下のようにして測定すればよい。

本実施形態では、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて誘電体層2a及び外層部2bを観察することにより、誘電体粒子20と粒界22とを判別し、さらに、STEMに付属のエネルギー分散型X線分光装置(EDS)を用いて、粒界22における点分析を行い、粒界22における各元素の含有割合を算出する。

具体的には、誘電体層2a及び外層部2bの断面をSTEMにより撮影し、明視野(BF)像を得る。この明視野像において誘電体粒子20と誘電体粒子20との間に存在し、該誘電体粒子とは異なるコントラストを有する領域を粒界22とする。異なるコントラストを有するか否かの判断は、目視により行ってもよいし、画像処理を行うソフトウェア等により判断してもよい。

続いて、EDSを用いて、粒界22であると判断した領域において点分析を行う。このとき、粒界以外の領域、たとえば誘電体粒子などに含まれる元素の情報が検出されないように、ビーム径、加速電圧、CL絞り等の測定条件を調整する。なお、測定点の数は特に制限されないが、10点以上であることが好ましい。

Niの含有割合は、測定点において検出された全ての元素の含有比を酸化物に換算し、その合計を100質量%としたときに、NiO換算での質量割合と定義される。そして、各測定点におけるNiの含有割合の平均値を算出し、この値を粒界におけるNiの含有割合とする。

なお、本実施形態では、粒界は、2つの粒子の間に存在する境界領域と定義される。したがって、3つ以上の粒子の間に存在する領域23(三重点など)における元素の含有割合は、上述した粒界における元素の含有割合には考慮されない。

<内部電極層3>
内部電極層3に含有される導電材は、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95質量%以上であることが好ましい。なお、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1質量%程度以下含まれていてもよい。内部電極層3の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよい。

内部電極層3を拡大すると、通常、内部電極が形成されるべき部分に、実際には内部電極が形成されていない部分(電極不存在部)が存在する。この電極不存在部は、焼成時において、導電材粒子(主にNi粒子)が粒成長により球状化した結果、隣接していた導電材粒子との間隔が開き、導電材が存在しなくなった領域である。

<外部電極4>
外部電極4に含有される導電材は特に限定されないが、本発明では安価なNi,Cuや、これらの合金を用いることができる。外部電極4の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよい。

<積層セラミックコンデンサ1の製造方法>
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、従来の積層セラミックコンデンサと同様に、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を印刷または転写して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。

まず、誘電体層(外層部2bおよび誘電体層2a)を形成するための誘電体原料を準備し、これを塗料化して、誘電体層用ペーストを調製する。

誘電体原料として、まずABO3の原料と、Mgの酸化物の原料と、希土類元素の酸化物の原料と、Siを含む酸化物の原料と、を準備する。これらの原料としては、上記した成分の酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができるが、その他、焼成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、たとえば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等から適宜選択し、混合して用いることもできる。

なお、ABO3の原料は、いわゆる固相法の他、各種液相法(たとえば、シュウ酸塩法、水熱合成法、アルコキシド法、ゾルゲル法など)により製造されたものなど、種々の方法で製造されたものを用いることができる。

さらに、誘電体層に、上記の主成分および副成分以外の成分が含有される場合には、該成分の原料として、上記と同様に、それらの成分の酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができる。また、その他、焼成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物を用いることができる。

誘電体原料中の各化合物の含有量は、焼成後に上述した誘電体磁器組成物の組成となるように決定すればよい。塗料化する前の状態で、誘電体原料の粒径は、通常、平均粒径0.08〜1μm程度である。

誘電体層用ペーストは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。

有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。バインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法などに応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。

また、誘電体層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよい。水溶性バインダは特に限定されず、たとえば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。

内部電極層用ペーストは、上記したNiやNi合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記したNiやNi合金となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製すればよい。また、内部電極層用ペーストには、共材が含まれていてもよい。共材としては特に制限されないが、誘電体層の主成分と同様の組成を有していることが好ましい。

外部電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製すればよい。

上記した各ペースト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の含有量、たとえば、バインダは1〜5質量%程度、溶剤は10〜50質量%程度とすればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、10質量%以下とすることが好ましい。

印刷法を用いる場合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを、PET等の基板上に印刷、積層し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグリーンチップとする。

また、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを印刷した後、これらを積層し、所定形状に切断してグリーンチップとする。

焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処理を施す。脱バインダ条件としては、昇温速度を好ましくは5〜300℃/時間、保持温度を好ましくは180〜400℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜24時間とする。また、脱バインダ処理における雰囲気は、空気もしくは還元性雰囲気とする。

脱バインダ後、グリーンチップの焼成を行う。焼成工程は、昇温速度を好ましくは200℃/時間以上とする。保持温度は、好ましくは1100〜1300℃であり、その保持時間は、好ましくは0.1〜4時間である。

焼成時の雰囲気は、還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、N2 とH2 との混合ガスを加湿して用いることができる。

また、焼成時の酸素分圧は、1.0×10−6〜1.0×10−2Paとすることが好ましい。降温速度は、好ましくは50℃/時間以上である。

本実施形態では、焼成後の素子本体に対し、アニール工程は、第1アニール工程と第2アニール工程とから構成される。第1アニール工程時の保持温度は、好ましくは800〜1000℃であり、その保持時間は、好ましくは2〜200時間である。昇温速度は、好ましくは200℃/時間以上であり、降温速度は、50℃/時間以上である。

また、第1アニール工程の雰囲気は、還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、N2とH2との混合ガスを加湿して用いることができる。酸素分圧は、10−8〜10−14Paとすることが好ましい。

第2アニール工程における保持温度は、好ましくは650〜1000℃であり、保持時間は、好ましくは0.1〜4時間である。また、酸化処理時の雰囲気は、加湿したN2ガス(酸素分圧:1.0×10−3〜1.0Pa)とすることが好ましい。

上記した脱バインダ処理、焼成およびアニール(第1アニールおよび第2アニール)処理において、N2ガスや混合ガス等を加湿する場合には、たとえばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。

脱バインダ処理、焼成およびアニール(第1アニールおよび第2アニール)処理は、連続して行なっても、独立に行なってもよい。

焼成条件およびアニール条件を上記のように制御することで、粒界におけるNi元素の含有割合や、外層に析出するNi個数を所望のものとすることができる。その結果、良好な誘電特性を示す積層型セラミック電子部品を得ることができる。

上記のようにして得られたコンデンサ素子本体に、たとえばバレル研磨やサンドブラストなどにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを塗布して焼成し、外部電極4を形成する。そして、必要に応じ、外部電極4の表面に、めっき等により被覆層を形成する。

このようにして製造された本実施形態の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。

以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。

上述した実施形態では、本発明に係る積層型セラミック電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係る積層型セラミック電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、上記構成を有する電子部品であれば何でも良い。

以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。

<実験例1>
〔試料No.a−1〜5〕
まず、主成分であるABO3の原料としてBaTiO3 粉末を準備した。また、副成分の原料としては、Mgの酸化物の原料としてMgCO3粉末、R元素の酸化物の原料としてR2O3粉末、Siを含む酸化物の原料として(Ba0.6Ca0.4)SiO3(以下、BCGともいう)粉末、Mnの酸化物の原料としてMnO粉末、Vの酸化物の原料としてV2O5粉末を、それぞれ準備した。なお、MgCO3は、焼成後には、MgOとして誘電体磁器組成物中に含有されることとなる。

次に、上記で準備したBaTiO3粉末(平均粒子径:0.20μm)と副成分の原料とをボールミルで15時間湿式粉砕し、乾燥して誘電体原料を得た。なお、各副成分の添加量は、焼成後の誘電体磁器組成物において主成分であるBaTiO3 100モルに対して、各酸化物換算で、MgOが1.5モル、Y2O3が0.4モル、Dy2O3が0.4モル、BCGが0.9モル、MnOが0.1モル、V2O5が0.1モルとなるようにした。

次いで、得られた誘電体原料:100質量部と、ポリビニルブチラール樹脂:10質量部と、可塑剤としてのジオクチルフタレート(DOP):5質量部と、溶媒としてのアルコール:100質量部とをボールミルで混合してペースト化し、誘電体層用ペーストを得た。

また、上記とは別に、Ni粉末:44.6質量部と、テルピネオール:52質量部と、エチルセルロース:3質量部と、ベンゾトリアゾール:0.4質量部とを、3本ロールにより混練し、スラリー化して内部電極層用ペーストを作製した。

そして、上記にて作製した誘電体層用ペーストを用いて、PETフィルム上にグリーンシートを形成した。次いで、この上に内部電極層用ペーストを用いて、電極層を所定パターンで印刷した後、PETフィルムからシートを剥離し、電極層を有するグリーンシートを作製した。次いで、電極層を有するグリーンシートを複数枚積層し、加圧接着することによりグリーン積層体とし、このグリーン積層体を所定サイズに切断することにより、グリーンチップを得た。

次いで、得られたグリーンチップについて、脱バインダ処理、焼成、第1アニール、および第二アニール処理を下記条件にて行って、焼結体としてのコンデンサ素子本体を得た。

脱バインダ処理条件は、昇温速度:15℃/時間、保持温度:280℃、温度保持時間:8時間、雰囲気:空気中とした。

焼成条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1200℃、保持時間を2時間、降温速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したN2+H2 混合ガス(酸素分圧が1.0×10−4Pa)とした。

第1アニール条件は、昇温速度:200℃/時間、保持時間:50時間、降温速度:200℃/時間とし、雰囲気ガスの酸素分圧と保持温度を、表1に示すとおりとした。

第2アニール条件は、昇温速度:200℃/時間、保持時間:2時間、降温速度:200℃/時間とし、雰囲気ガスの酸素分圧と保持温度は、表1に示すとおりとした。

雰囲気ガスは、加湿したN2+H2ガスにより制御した。
なお、焼成および第1、第2アニール工程の際の雰囲気ガスの加湿には、ウェッターを用いた。

次いで、得られた素子本体の端面をサンドブラストにて研磨した後、外部電極としてCuを塗布し、図1に示す積層セラミックコンデンサの試料を得た。得られたコンデンサ試料のサイズは、1.0mm×0.5mm×0.5mmであり、誘電体層2aの厚みが0.8μm、内部電極層3の厚みが0.7μmであった。また、内部電極層に挟まれた誘電体層の数は300とした。本実験例において、誘電体層2aの厚みを内部電極層間距離aとする。

得られたコンデンサ試料について、外層部に析出するNi量、耐湿負荷試験、高温加速寿命(HALT)試験を、それぞれ下記に示す方法で行った。

<外層部に析出するNi量>
誘電体外層部に偏析しているNi粒子が最外の内部電極層の位置から外層最外部までの切断面領域において、STEMによる観察を倍率5000倍で5視野おこなった。EDS装置を用いて、誘電体粒子とNi粒子との判別を行った。

次いで、測定対象の断面領域に対するNi粒子の面積分率を求めた。結果を表2に示す。

Ni粒子径の分布は80〜100nmの範囲内であるものが最も多く、40nm以下、および、200nm以上の粒子径をもつNi粒子は、Ni粒子数に対して5%未満である事を確認した。

次いで、測定対象の断面領域に対するNi粒子の位置を求めた。最外の内部電極層の位置から、最も近い位置にあるNi粒子までの距離を計測した。結果を表2に示す。

<耐湿負荷試験>
100個のコンデンサ試料を、120℃、相対湿度95%の雰囲気中に置き、5V/μmの電界を印加し、20時間経過後において、試験開始から絶縁抵抗値が1ケタ以上下がった試料を故障とみなし、故障した試料の個数を調べた。尚、本試験においては、故障した試料の個数が5個以下の場合を良好としている。結果を表2に示す。

<高温加速寿命(HALT)試験>
コンデンサ試料に対し、180℃にて、6Vの直流を印加状態に保持し、絶縁抵抗の経時変化を測定することにより、高温加速寿命を評価した。本実施例においては、印加開始から絶縁抵抗値が1桁下がるまでの時間を破壊時間とし、これをワイブル解析することにより平均故障時間を算出した。本実施例では、この評価を20個のコンデンサ試料について行い、平均故障時間の平均値を寿命(MTTF)とした。本実施例では、寿命(MTTF)が20時間以上を良好とし、30時間以上を極めて良好とした。結果を表2に示す。

試料No.a−1に示すように、第1のアニール処理を行わない場合、外層部の三重点にはNiの存在が確認できず、耐湿性が不十分であることが確認できた。それに対し、試料No.a−2〜5の場合は、外層部の三重点にNiの存在が確認でき、耐湿性が良好であることが確認できた。

さらに、最外内部電極からNi粒子が存在する位置までの距離が、最外内部電極層の位置からa/2以上である事を満たす試料No.a−2、a−3、及びa−4は、さらに高温加速寿命が向上する事が確認できる。

<実験例2>
〔試料No.b−1〜5〕
準備するBaTiO3粉末の平均粒子径を0.50μmとし、誘電体層の厚みを2.5μm、内部電極層の厚みを0.7μm、内部電極層に挟まれた誘電体層の数を130とした以外は、試料No.a−1〜5と同様にしてグリーンチップを得た。グリーンチップに対する熱処理条件は、第1焼成条件を、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1250℃、保持時間を2時間、降温速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したN2+H2 混合ガス(酸素分圧が1.0×10−5Pa)とした以外は、試料No.a−1〜5と同様にして積層セラミックコンデンサの試料を得た。

〔試料No.c−1〜5〕
準備するBaTiO3粉末の平均粒子径を0.15μmとし、誘電体層の厚みを0.65μm、内部電極層の厚みを0.7μm、とした以外は、試料No.a−1〜5と同様にしてグリーンチップを得た。第1焼成条件を、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1150℃、保持時間を2時間、降温速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したN2+H2 混合ガス(酸素分圧が1.0×10−5Pa)とした以外は、試料No.a−1〜5と同様にして積層セラミックコンデンサの試料を得た。

得られたコンデンサ試料について、外層部に析出するNi量の単位面積あたりの個数、耐湿負荷試験を、実験例1と同様に行った。結果を表3に示す。

外層部における誘電体粒子の平均結晶粒子径、外層部の粒界におけるNi含有量、および高温加速寿命(HALT)試験それぞれ下記に示す方法で行った。

<誘電体層における誘電体粒子の平均結晶粒子径>
まず、コンデンサ試料を誘電体層に対して垂直な面で切断した。この切断面について、STEM観察を行い、誘電体粒子を判別する。粒子の平均面積を測定し、円相当径として直径を算出し、1.27倍した値を粒子径とする。そして、粒子径を200個以上の誘電体粒子について測定し、得られた結晶粒子径の累積度数分布から累積が50%となる値を平均結晶粒子径(単位:μm)とする。結果を表3に示す。

<粒界におけるNiの含有割合>
外層部切断面に対してSTEM観察を行い、誘電体粒子と粒界との判別を行った。
次いで、STEMに付属のEDS装置を用いて、点分析を行った。
測定対象の断面に存在する粒子のうち5個の粒子に関し、粒界中の4個の点におけるNi濃度を測定し、5×4個の測定点における平均のNi含有割合を求めた。結果を表3に示す。

<高温加速寿命(HALT)試験>
〔試料No.a−1〜5〕および〔試料No.c−1〜5〕に対しては、実験例1と同様の条件により行った。〔試料No.b−1〜5〕に対しては、印加電圧を50Vとして試験する他は実験例1と同様におこなった。結果を表3に示す。

表3に示すように、Ni析出による耐湿性改善効果は、誘電体粒子の平均結晶粒子径とは関係しない。第1アニールを行わない場合を除いて、外層におけるNi粒子の存在が確認でき、耐湿性が良好であることが確認できた。

さらに、誘電体厚みaに対して、最外内部電極からNi粒子が存在する位置までの距離が、内部電極層の位置からa/2以上である事を満たす試料No.a−2〜4、試料No.b−2〜3、及び、試料No.c−2〜4は、高温加速寿命が優れている事が確認できる。内部電極層間距離aに因らず、最外内部電極からNi粒子が存在する位置までの距離が、内部電極層の位置からa/2以上である事を満たす事により、優れた信頼性が得られる。

さらに、誘電体粒子の平均結晶粒子径が小さいほど、耐湿性が改善される傾向である。
平均結晶粒子径が小さい場合、粒界に十分なNiが拡散するので、Ni粒子の析出頻度も高くなる事が分かる。

<実験例3>
〔試料No.a−1〜7〕
試料No.a−1〜5と同様に、表1のアニール条件に対応した試料No.a−6、a−7を実験例1と同様に得た。
試料No.a−1〜7に対し、外層部に析出するNi面積分率測定、耐湿負荷試験、高温加速寿命(HALT)試験を実験1と同様に行った。結果を表4に示す。
誘電体層部に析出するNi量の測定は下記に示す方法で行った。

<誘電体層部に析出するNi量>
内層部領域について、STEMによる観察を倍率5000で10視野おこなった。
EDS装置を用いて、誘電体粒子とNi粒子との判別を行った。
次いで、測定対象断面の誘電体領域に対するNi粒子の面積分率を求めた。
結果を表4に示す。

試料No.a−6、a−7に示すように、誘電体層部(誘電体層2a)に存在するNi量が、外層部に存在するNi量に比べて多くなると、高温加速寿命が悪化する。
一方、試料No.a−2〜5に示すように、誘電体層部に存在するNi量が、外層部に存在するNi量に比べて少ないと、高温加速寿命が向上することが確認できた。

本発明により、外層部にNi粒子を析出させることにより耐湿性に優れた積層セラミック電子部品を提供できる。

1… 積層セラミックコンデンサ
10… コンデンサ素子本体
2a… 誘電体層
2b… 外層部
20… 誘電体粒子
22… 粒界
23… 三重点
24… 空隙
25… Ni粒子
3… 内部電極層
4… 外部電極

Claims (3)

  1. 誘電体層とNiを主成分とする内部電極層とが交互に複数積層された内層部と、前記内層部を挟む一対の誘電体外層部とを備え、前記誘電体外層部にはNi粒子が偏析していることを特徴とする積層型セラミック電子部品。
  2. 内部電極層間の距離をaとした場合、前記誘電体外層部に偏析しているNi粒子が最外の内部電極層の位置からa/2以上離れた位置に存在することを特徴とする請求項1に記載の積層型セラミック電子部品。
  3. 誘電体層とNiを主成分とする内部電極層とが交互に複数積層された内層部と、前記内層部を挟む一対の誘電体外層部とを備え、前記誘電体層に単位面積あたりに析出して存在するNi粒子の面積が、前記誘電体外層部に析出して存在する単位面積あたりのNi粒子の面積に比べて少ないことを特徴とする積層型セラミック電子部品。
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