JP5836126B2 - 着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、カラー液晶表示装置及びカラー撮像装置などのカラーフィルタの製造に使用される着色組成物に関する。また、本発明は、この着色組成物を用いて形成してなるフィルタセグメントを備えたカラーフィルタに関する。
液晶表示装置は、例えば、一対の偏光板の間に液晶層が挟まれた構造を有している。そのような液晶表示装置では、一方の偏光板を透過した偏光の状態を、液晶分子の配向を利用して変化させ、これにより、他方の偏光板を透過する光の量を制御する。
液晶表示装置の表示モードには、VA(Vertically Aligned)モード、IPS(In-Plane Switching)モード及びTN(Twisted Nematic)モードがある。これらの中でも、TNモードが主流となっている。
これら液晶表示装置は、偏光板の間にカラーフィルタを設けることにより、カラー画像の表示が可能となる。カラー液晶表示装置は、近年、テレビジョン受像機及びパーソナルコンピュータのモニタなどの様々な機器において用いられるようになった。そのため、カラーフィルタには、高コントラスト化及び高明度化が求められており、広い色再現領域及び高い信頼性への要求も高くなっている。
なお、カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板上に、色相が異なる2種以上のフィルタセグメントを配置した構造を有している。各フィルタセグメントは、幅が数ミクロン乃至数100ミクロンと微細である。フィルタセグメントには、ストライプ配列及びデルタ配列などの様々な形状及び配置が可能である。何れにしても、これらフィルタセグメントは、色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
また、C−MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)又はCCD(Charge Coupled Device)を利用したカラー撮像装置では、一般に、撮像素子の受光面上に、加法混合の三原色、即ち、青(B)、緑(G)及び赤(R)色の、又は、それらの補色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)色のフィルタセグメントを配設してなるカラーフィルタを配置している。近年、カラー撮像装置に用いられるカラーフィルタに対しても、高い透過率、即ち高い明度及び広い色再現領域などの色特性に関する要求が高まっている。
カラーフィルタの製造方法には、例えば、造塩発色を利用する染色法及び染料分散法のように着色剤として染料を使用する方法、着色剤として顔料を使用する顔料分散法、印刷法、及び電着法がある。
顔料分散法では、透明樹脂中に着色剤である顔料粒子を分散させ、これに感光剤及び添加剤などを混合することによって得られるカラーレジストを使用する。そして、このカラーレジストを基板上にスピンコーターなどの塗布装置により塗布し、次いで、アライナー又はステッパーを用い、この塗膜に対して、マスクを介して選択的に露光を行う。この露光後の塗膜を、アルカリ現像及び熱硬化処理に順次供することによって、フィルタセグメントパターンを得る。以上の操作を色毎に繰り返すことによって、カラーフィルタを完成する。
従来から、青色フィルタセグメント及びシアン色フィルタセグメントには、多くの場合、耐性及び色調に優れたフタロシアニン顔料が用いられている。フタロシアニン顔料は、α型、β型、δ型及びε型等の異なる結晶型を持っており、何れも彩度及び着色力が高いという優れた性質を持っていることから、カラーフィルタ用の着色剤として適している。
フタロシアニン顔料としては、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト及びアルミニウム等の種々の中心金属を持つものが知られている。中でも銅フタロシアニン顔料は、最も高彩度であることから広く用いられている。その他には、メタルフリーフタロシアニン顔料、亜鉛フタロシアニン顔料、アルミフタロシアニン顔料、及びコバルトフタロシアニン顔料等の異種金属フタロシアニン顔料も実用化されている。
赤色フィルタセグメント及びマゼンタ色フィルタセグメントには、多くの場合、耐性及び色調に優れたジケトピロロピロール顔料、キナクリドン顔料及びアントラキノン顔料等が用いられている。これらは、何れも彩度及び着色力が高いという優れた性質を持っていることから、カラーフィルタ用の着色剤として適している。
緑色フィルタセグメントの形成には、多くの場合、耐性及び色調に優れたハロゲン化フタロシアニン顔料等が用いられている。これらは、何れも彩度及び着色力が高いという優れた性質を持っていることから、カラーフィルタ用の着色剤として適している。また、青色顔料と同様に、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、及びアルミニウム等の種々の中心金属を持つものが知られている。中でも亜鉛フタロシアニン顔料及びアルミニウムフタロシアニン顔料は、最も高彩度であることから広く用いられている。
冷陰極管タイプのバックライトを用いた従来の液晶表示装置においては、例えば、青色フィルタセグメント又はシアン色フィルタセグメントにおいて、銅フタロシアニン顔料とジオキサジン系顔料との組み合わせを使用し、赤色フィルタセグメントやマゼンタフィルタセグメントにおいて、アントラキノン顔料とジケトピロロピロール顔料との組み合わせを使用し、緑色フィルタセグメントにおいて、ハロゲン化フタロシアニン顔料を用いることで、高い明度と広い色表示領域とを達成できていた。しかしながら、前述のように、カラーフィルタには、更なる高明度化及び広い色再現領域が要求されている。
特開平6−75375号には、上記の課題を解決するべく、着色剤として顔料ではなく染料を樹脂等に溶解させる技術が記載されている。また、特開2001−81348号には、トリアリールメタン系染料、ローダミン系染料及びアゾ染料をレーキ化し、これらレーキをカラーフィルタ用着色剤として用いることが記載されている。しかしながら、染料には、顔料と比較して耐熱性、耐光性及び耐溶剤性に劣るという問題があった。
特開2008−304766号には、耐熱性、耐光性及び耐溶剤性を向上させるため、トリアリールメタン系染料と芳香族スルホン酸との造塩生成物又はトリアリールメタン系塩基性染料をカラーフィルタ用着色剤として用いることが記載されている。しかしながら、トリアリールメタン系塩基性染料と芳香族モノスルホン酸との造塩生成物には、分子量が小さいため耐久性が悪いという欠点がある。また、塩基性染料をそのまま用いても耐久性が悪いことは言うまでもない。
本発明の目的は、色特性、耐熱性、耐光性及び耐溶剤性に優れたカラーフィルタ及びその製造に使用する着色組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、着色組成物の着色剤として、塩基性染料と分子量が特定の範囲内にあるカウンタ化合物とが造塩してなる生成物を使用することにより、高い明度と広い色再現領域とが可能となり、また、耐熱性、耐光性及び耐溶剤性についても優れた性能を達成できることを見出した。そして、この知見に基づいて、以下の第1及び第2側面に係る発明をするに至ったものである。
即ち、本発明の第1側面は、透明樹脂と着色剤とを含有し、前記着色剤は、塩基性染料とアニオン成分であるカウンタ化合物とからなる造塩生成物を含み、前記塩基性染料は、ローダミン系染料、メチレンブルー系染料、及びフラビン系染料からなる群から選択される少なくとも1つであり、前記カウンタ化合物は、有機スルホン酸及び有機カルボン酸からなる群から選択される少なくとも1つであり、前記有機スルホン酸の分子量は223乃至400であり、前記有機カルボン酸の分子量は257乃至400であるカラーフィルタ用着色組成物に関する。
このカラーフィルタ用着色組成物は、光重合性組成物及び/又は光重合開始剤を更に含有していてもよい。
また、本発明の第2側面は、上記カラーフィルタ用着色組成物から形成されたフィルタセグメントを具備したカラーフィルタに関する。
実施例及び比較例において使用したバックライトの発光スペクトルを示すグラフ。
以下、本発明の態様を詳細に説明する。
なお、ここでは、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、及び「(メタ)アクリルアミド」は、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、及び「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。また、「C.I.」は、カラーインデクッス(C.I.)を意味する。
○第1態様
まず、本発明の第1態様について説明する。
<<カラーフィルタ用着色組成物>>
本発明の第1態様に係るカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂と着色剤とを含有している。この着色剤は、塩基性染料とアニオン源であるカウンタ化合物との造塩生成物を含んでいる。そして、このカウンタ化合物の分子量は所定の範囲内にある。即ち、この着色剤は、色素イオンがカチオンである染料のカウンタイオンを、所定の分子量を有しているアニオンで置換してなる塩を含んでいる。それ故、この着色組成物を使用すると、高い明度と広い色再現領域とを有し、耐熱性、耐光性及び耐溶剤性に優れたカラーフィルタを製造することが可能となる。
<着色剤>
この着色組成物において好ましく用いることのできる造塩生成物は、青色、紫色、緑色、赤色、マゼンタ色、シアン色又は黄色を呈するものである。即ち、この着色組成物において好ましく用いることのできる造塩生成物は、C.I.ベーシック ブルー、C.I.ベーシック バイオレット、C.I.ベーシック グリーン、C.I.ベーシック レッド、及びC.I.ベーシック イエロー等に分類される塩基性染料と、分子量が所定の範囲内にあるカウンタ化合物との造塩反応によって得られる造塩生成物である。
塩基性染料とカウンタ化合物とは、例えば、水溶液又はアルコール溶液中に両者を溶解させることで造塩生成物を生成し得る。或いは、両者を加熱しながら溶融混練することで造塩生成物を得ることも可能である。
塩基性染料は、良好な分光特性を持つにも拘らず、一般的な染料と同様に耐光性及び耐熱性が極めて乏しい。即ち、塩基性染料は、高い信頼性が要求されるカラー表示装置又はカラー撮像装置のカラーフィルタに用いるには、特性が不十分である。
そのため、ここでは、塩基性染料の欠点を解消するために、塩基性染料のアニオンを、分子量がより大きなアニオンで置換する。具体的には、塩基性染料と分子量が所定の範囲内にあるカウンタ化合物との造塩生成物を使用する。そして、好ましくは、この造塩生成物を、酸基を有する樹脂によって変性する。
カウンタ化合物の分子量は、200乃至3500の範囲内にある。カウンタ化合物の分子量は、250乃至3500の範囲内にあることが好ましく、300乃至3500の範囲内にあることがより好ましい。或いは、カウンタ化合物の分子量は、200乃至750の範囲内にあることが好ましい。分子量が小さなカウンタ化合物を使用した場合、十分な耐熱性及び耐光性を達成することが難しい。分子量が大きなカウンタ化合物を使用した場合、単位体積中に造塩生成物を大きなモル数で存在させることが難しく、十分な発色が困難である。
[塩基性染料]
塩基性染料としては、トリアリールメタン系塩基性染料、ローダミン系塩基性染料を含むキサンテン系塩基性染料、フラビン系塩基性染料、オーラミン系塩基性染料、サフラニン系塩基性染料、フロキシン系塩基性染料、及びメチレンブルー系塩基性染料等が挙げられる。
具体的なトリアリールメタン系塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、C.I.ベーシック バイオレット3(クリスタルバイオレット)、及びC.I.ベーシック バイオレット14(Magenta);C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、C.I.ベーシック ブルー5(ベーシックシアニンEX)、C.I.ベーシック ブルー7(ビクトリアピュアブルー BO)、及びC.I.ベーシック ブルー26(ビクトリアブルー B conc.);並びにC.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)及びC.I.ベーシック グリーン4(マラカイトグリーン)が挙げられる。中でも、C.I.ベーシック ブルー7、C.I.ベーシック グリーン4、C.I.ベーシック バイオレット1、又はC.I.ベーシック バイオレット3を用いることが好ましい。
また、ローダミン系塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシック レッド1(ローダミン6G、6GCP)及びC.I.ベーシック レッド8(ローダミンG);並びにC.I.ベーシック バイオレット10(ローダミンB)が挙げられる。中でも、C.I.ベーシック レッド1又はC.I.ベーシック バイオレット10を用いることが好ましい。
また、フラビン系塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシック イエロー1が挙げられる。オーラミン系塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシック イエロー2及びC.I.ベーシック イエロー3が挙げられる。サフラニン系塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシック レッド2が挙げられる。フロキシン系塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシック レッド12が挙げられる。メチレンブルー系塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシック ブルー9(メチレンブルーFZ、メチレンブルーB)、C.I.ベーシック ブルー25(ベーシックブルーGO)、及びC.I.ベーシック ブルー24(ニューメチレンブルーNX)が挙げられる。
中でも、C.I.ベーシック イエロー1、C.I.ベーシック ブルー9、C.I.ベーシック ブルー24、又はC.I.ベーシック ブルー25を用いることが好ましい。
中でも、発色性が良好な点において、トリアリールメタン系塩基性染料、ローダミン系塩基性染料、又は、メチレンブルー系塩基性染料を用いることが好ましい。また、赤色画素を形成するうえでは、補色としてのフラビン系塩基性染料は有効な材料である。
メチレンブルー塩基性染料は、鮮明な青色を呈し、上記の造塩生成物とした場合に耐熱性に優れる点で好ましい材料である。また、フラビン系塩基性染料は、鮮明な黄味を呈し、上記の造塩生成物とした場合に耐熱性に優れる点で好ましい材料である。
トリアリールメタン系塩基性染料及びローダミン系塩基性染料については、以下に詳述する。
(トリアリールメタン系塩基性染料)
トリアリールメタン系塩基性染料は、中心の炭素に対してパラ位にあるNH2又はOH基が酸化によりキノン構造をとることによって発色するものである。
トリアリールメタン系塩基性染料は、NH2及びOH基の数によって以下3つの型に分けられる。中でも、トリアミノトリフェニルメタン系の塩基性染料は、青色、赤色及び緑色を良好に発色する点で好ましい。
a)ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
b)トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
c)OH基を有するロゾール酸系塩基性染料
トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料及びジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料は、色調に優れ、他のものよりも日光堅牢性に優れている点で好ましい。また、ジフェニルナフチルメタン塩基性染料及び/又はトリフェニルメタン塩基性染料も好ましい。
ブルー系のトリアリールメタン系塩基性染料は、400乃至440nmの波長範囲において透過率が高い分光特性を有している。
(ローダミン系塩基性染料)
次いで、ローダミン系塩基性染料について説明する。
この着色組成物において好ましく用いることのできるローダミン系塩基性染料は、赤色又はバイオレット色を呈するものである。
赤色又はバイオレット色を呈する塩基性染料は、例えば、C.I.ベーシック レッド及びC.I.ベーシック バイオレットなどの塩基性染料に属するものである。
ローダミン系塩基性染料は、400乃至430nmの波長範囲において透過率が高い分光特性を有している。
ローダミン系塩基性染料は、波長が650nmの光に対する透過率が90%以上であり、波長が600nmの光に対する透過率が75%以上であり、波長が500乃至550nmの範囲内で透過率が5%以下であり、波長が400nmの光に対する透過率が70%以上であるものが好ましい。より好ましくは、波長が650nmの光に対する透過率が95%以上であり、波長が600nmの光に対する透過率が80%以上であり、波長が500乃至550nmの範囲内で透過率が10%以下であり、波長が400nmの光に対する透過率が75%以上である。
上記の塩基性染料を色毎にまとめると、青色の画素に用いることのできるものは、例えば、トリアリールメタン系塩基性染料又はメチレンブルー系塩基性染料であり、具体的には、例えば、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、C.I.ベーシック ブルー5(ベーシックシアニンEX)、C.I.ベーシック ブルー7(ビクトリアピュアブルー BO)、C.I.ベーシック ブルー9(メチレンブルーFZ、メチレンブルーB)、C.I.ベーシック ブルー24(ニューメチレンブルーNX)、C.I.ベーシック ブルー25(ベーシックブルーGO)、及びC.I.ベーシック ブルー26(ビクトリアブルー B conc.)が挙げられる。また、青色画素の補色としては、ローダミン系塩基性染料、並びに、後に述べる赤色を呈するサフラニン系塩基性染料及びフロキシン系塩基性染料が有効である。
例えば、銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメント ブルー15:6)と赤色を呈する塩基性染料由来の造塩生成物とを併用することで、明度の高い青色画素を得ることができる。特に、銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメント ブルー15:6)とローダミン系塩基性染料由来の造塩生成物との組み合わせは、高い明度が得られ好ましい。
赤色の画素に用いることのできる塩基性染料は、例えば、ローダミン系塩基性染料、サフラニン系塩基性染料、又は、フロキシン系塩基性染料であり、具体的には、例えば、C.I.ベーシック レッド1(ローダミン6G及び6GCP)、C.I.ベーシック レッド2(サフラニン系塩基性染料)、C.I.ベーシック レッド8(ローダミンG)、C.I.ベーシック レッド12(フロキシン系塩基性染料)、及びC.I.ベーシック バイオレット10(ローダミンB)が挙げられる。また、赤色画素の補色としては、黄色を呈するフラビン系塩基性染料が好ましい。
緑色の画素に用いることのできる塩基性染料は、例えばトリアリールメタン系塩基性染料であり、具体的には、例えば、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)及びC.I.ベーシック グリーン4(マラカイトグリーン)が挙げられる。
[カウンタ化合物]
この着色組成物において使用するカウンタ化合物は、分子量が200乃至3500の範囲内にあるアニオン性の化合物である。カウンタ化合物の分子量は、好ましくは250乃至3500の範囲内に、更に好ましくは300乃至3500の範囲内にある。或いは、カウンタ化合物の分子量は、好ましくは200乃至750の範囲内にある。また、このカウンタ化合物のアニオンは、分子量が、好ましくは199乃至3499の範囲内に、より好ましくは、249乃至3499の範囲内に又は199乃至749の範囲内にある。具体的なカウンタ化合物は、例えば、ヘテロポリ酸、芳香族スルホン酸などの有機スルホン酸、芳香族カルボン酸及び脂肪酸などの有機カルボン酸、又は酸性染料である。
カウンタ化合物は、有機スルホン酸又は酸性染料であることが好ましい。この場合、カウンタ化合物の分子量は、200乃至750の範囲内にあることが好ましい。
なお、ここで規定する分子量及び平均分子量は、分子構造と原子量とに基づいて算出した理論値の小数第1位を四捨五入することによって得られる値である。また、カウンタ化合物がナトリウム塩である場合、ここで規定する分子量及び平均分子量は、ナトリウムを水素で置換してなる分子の値を意味していることとする。
(ヘテロポリ酸)
ヘテロポリ酸としては、例えば、リンタングステン酸H3(PW12O40)・nH2O(n≒30;≒はニアリーイコールを表す)(分子量3421)、ケイタングステン酸H4(SiW1240)・nH2O(n≒30)(分子量3418)、リンモリブデン酸H3(PMo1240)・nH2O(n≒30)(分子量2205)、ケイモリブデン酸H3(SiMo1240)・nH2O(n≒30)(分子量2202)、リンタングストモリブデン酸H3(PW12―XMoX40)・nH2O(n≒30)(6<X<12)、及びリンバナドモリブデン酸H15-X(PV12-XMoX40)・nH2O(n≒30)が挙げられる。
リンタングストモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸及びケイタングストモリブデン酸は、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸及びケイモリブデン酸などの構成成分の含有量を変えることで、分子量を2202乃至3421の範囲で調整することができる。
ヘテロポリ酸をカウンタ化合物として使用する場合は、その平均分子量は2820乃至3421の範囲内にあることが好ましい。これは、カウンタ化合物がモリブデンとタングステンとを含む場合、タングステンの割合が50%を超えることが好ましいことによるものである。リンタングストモリブデン酸の場合、Moの含有量を減らし、Wを多く含ませることで透過性に優れる色材を得ることができる。
(有機酸:有機スルホン酸及び有機カルボン酸)
有機スルホン酸としては、例えば、芳香族スルホン酸を使用することができる。芳香族スルホン酸として好ましい化合物は、例えば、1−ナフチルアミン−4,8−ジスルホン酸(分子量303)、1−ナフチルアミン−3,8−ジスルホン酸(分子量303)、1−ナフチルアミン−5,7−ジスルホン酸(分子量303)、1−ナフチルアミン−3,6−ジスルホン酸(分子量303)、1−ナフチルアミン−3,6,8−トリスルホン酸(コッホ酸)(分子量383)、2−ナフチルアミン−6,8−ジスルホン酸(分子量303)、2−ナフチルアミン−1,6−ジスルホン酸(分子量303)、2−ナフチルアミン−4,8−ジスルホン酸(分子量303)、2−ナフチルアミン−3,6−ジスルホン酸(アミノ−R酸)(分子量303)、2−ナフチルアミン−5,7−ジスルホン酸(アミノJ酸)(分子量303)、1−ナフトール−4,8−ジスルホン酸(分子量304)、1−ナフトール−3,8−ジスルホン酸(ε酸)(分子量304)、1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(分子量304)、1−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸(分子量384)、2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸(分子量304)、2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(R酸)(分子量304)、2−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸(分子量384)、N−フェニル−1−ナフチルアミン−8−スルホン酸(分子量299)、N−p−トリル−1−ナフチルアミン−8−スルホン酸(分子量313)、N−フェニル−1−ナフチルアミン−5−スルホン酸(分子量299)、N−フェニル−2−ナフチルアミン−6−スルホン酸(分子量299)、N−アセチル−7−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量281)、N−フェニル−7−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量315)、N−アセチル−6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量281)、N−フェニル−6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量315)、1,8−ジハイドロ−3,6−ジスルホン酸(クロモトロープ酸)(分子量320)、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(分子量319)、8−アミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸(分子量319)、1,6−ジアミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸(分子量254)、1−アミノ−2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸(分子量319)、1−アミノ−2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(分子量319)、2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸(分子量334)、2,7−ジアミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量254)、2,6−ジアミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量254)、2,8−ジアミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(分子量334)、及び2−アミノ−7−フェニルアミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量330)が挙げられる。
また、アントラセンスルホン酸(分子量258)、アントラキノン−2−スルホン酸、又はアントラキノン−1−スルホン酸(分子量288)を用いることも好ましい。
1つのアミノ基と1つのスルホン酸基とを有するナフチルアミンスルホン酸を用いると、優れた耐熱性及び耐光性を達成できる。ナフチルアミンスルホン酸としては、例えば、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(トビアス酸、分子量223)、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(ナフチオン酸、分子量223)、8−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(ペリ酸、分子量223)、2−アミノ−6−ナフタレンスルホン酸(ブレンナー酸、分子量223)、1−アミノ−5−ナフタレンスルホン酸(ローレンツ酸、分子量223)、5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(分子量223)、1−アミノ−6−ナフタレンスルホン酸(分子量223)、6−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(分子量223)、及び3−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(分子量223)が挙げられる。これらの中でも、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(トビアス酸)が特に好ましい。
1つの水酸基と1つのスルホン酸基とを有するヒドロキシナフタレンスルホン酸を用いることも好ましい。ヒドロキシナフタレンスルホン酸としては、例えば、2−ヒドロキシ−6−ナフタレンスルホン酸(シェファ酸、分子量224)、1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸(ネビル−ウィンター酸:NW酸、分子量224)、1−ヒドロキシ−5−ナフタレンスルホン酸(L酸、分子量224)、及び2−ヒドロキシ−8−ナフタレンスルホン酸(クロセイン酸、分子量224)が挙げられる。
中でも、発色性が良好で、高明度を達成できる点で、2乃至3個のスルホン酸基を有する有機スルホン酸が好ましい。4個以上のスルホン酸があると環境安定性が悪くなり経時変化を起こしやすく、1個のスルホン酸では塩基性染料とカウンタ化合物とが1:1で反応するために主色とする場合に発色性が悪くなる場合がある。
但し、分子量が200乃至250の範囲内にある有機スルホン酸の場合、カウンタ化合物の分子量が小さいため、1分子当りのスルホン酸基が1つであったとしても、発色性が損なわれることはない。
有機カルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸又は脂肪酸を使用することができる。具体的な有機カルボン酸としては、例えば、テトラクロルフタル酸(分子量304)、パルミチン酸(分子量257)、ステアリン酸(分子量285)、アラキジン酸(分子量313)、ベヘン酸(分子量341)、リグノセリン酸(分子量369)、オレイン酸(分子量282)、エライジン酸(分子量282)、エルカ酸(分子量339)、ネルボン酸(分子量367)、リノール酸(分子量280)、ガモレン酸(分子量278)、アラキドン酸(分子量305)、α−リノレン酸(分子量278)、ステアリドン酸(分子量276)、エイコサペンタエン酸(分子量302)、及びドコサヘキサエン酸(分子量328)が挙げられる。
有機酸の場合、分子量の範囲は、好ましくは200乃至400であり、より好ましくは250乃至400である。分子量をこの範囲にすることで、耐性と着色力とのバランスに優れた着色剤とすることができる。なお、有機酸の場合、分子量の範囲は、300乃至400であってもよい。
(酸性染料)
酸性染料をカウンタ化合物として用いることで、色相をコントロールすることもできる。
赤色画素では、上記の通り、例えば、ローダミン系塩基性染料、サフラニン系塩基性染料、又はフロキシン系塩基性染料由来の造塩生成物を使用することができる。この場合、カウンタ化合物として好ましい酸性染料は、例えば、C.I.アシッド イエロー11(分子量380)、C.I.アシッド イエロー23(分子量534)、C.I.アシッド レッド52(アシッドローダミンB)(分子量580)、C.I.アシッド レッド87(エオシンG)(分子量691.6)、及びC.I.アシッド レッド289(分子量676.7)である。
青色画素では、例えば、トリアリールメタン系塩基性染料又はメチレンブルー系塩基性染料由来の造塩生成物を使用することができる。この場合、カウンタ化合物として好ましい酸性染料は、例えば、C.I.アシッド レッド52(アシッドローダミンB)(分子量580)、C.I.アシッド レッド87(エオシンG)(分子量691.6)、及びC.I.アシッド レッド289(分子量676.7)である。
緑色画素では、例えば、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)及びC.I.ベーシック グリーン4(マラカイトグリーン)等のトリアリールメタン系塩基性染料由来の造塩生成物を使用することができる。この場合、カウンタ化合物として好ましい酸性染料は、例えば、C.I.アシッド グリーン3(食用緑色1号)(分子量690)、C.I.アシッド グリーン5(食用緑色2号)(分子量761)、C.I.アシッド グリーン9(分子量724)、C.I.アシッド グリーン16(分子量560)、C.I.アシッド グリーン19(分子量625)、及びC.I.アシッド グリーン25(分子量622)である。
酸性染料の場合、分子量の範囲は、好ましくは300乃至750であり、より好ましくは350乃至700である。分子量をこの範囲にすると、耐候性と着色力とのバランスに優れた着色剤が得られる。
特に、ローダミン系塩基性染料と黄色の酸性染料との造塩生成物は、赤色の色素を得る上で好ましい材料である。
塩基性染料とカウンタ化合物との造塩生成物は、従来から知られている方法により合成することができる。具体的な手法は、例えば、特開2003−215850号に開示されている。
トリアリールメタン系塩基性染料を用いた例を挙げると、トリアリールメタン系塩基性染料を水に溶解させた後、この溶液に有機スルホン酸溶液を添加し、攪拌することにより、造塩反応を生じさせればよい。これにより、トリアリールメタン系塩基性染料のアミノ基(−NHC25)と有機スルホン酸のスルホン酸基(−SO3H)とが結合した造塩生成物が得られる。
有機スルホン酸は、造塩反応の前に、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液に溶解させておいてもよい。例えば、有機スルホン酸は、スルホン酸ナトリウム(−SO3Na)の形態で用いてもよい。即ち、スルホン酸溶液は、スルホン酸基(−SO3H)の水素原子が未置換の化合物の溶液と、スルホン酸基の水素原子が置換された化合物、例えば、スルホン酸ナトリウムの溶液とを包含している。
[酸基を有している樹脂]
造塩生成物は、酸基を有している樹脂、例えば、ロジン変性マレイン酸樹脂及びロジン変性フマル酸樹脂のように酸基を有している樹脂、ロジンエステル、ポリエステル樹脂、又は酸価を有しているスチレンアクリル共重合体等を添加すると、バインダ樹脂中への相溶性及び分散性並びに溶剤への分散性が大幅に向上する。その結果、更に優れた発色性、耐熱性及び耐光性を実現できる。ここで、酸基としては、カルボキシル基(−COOH)又はスルホン酸基(例えば−SO3H又は−SO3Na)が好ましい。
また、酸基を有している樹脂の重量平均分子量は、400乃至12000の範囲内にあることが好ましく、400乃至6000の範囲内にあることがより好ましく、400乃至2000の範囲内にあることが更に好ましい。このような樹脂は、造塩生成物との相溶性に優れており、それ故、これを使用すると、造塩生成物のバインダ樹脂中への分散が良好になる。
なお、酸基を有する樹脂の重量平均分子量は、以下のようにして測定する。
検体にテトラヒドロフラン(THF)を加え、12時間放置する。その後、検体のTHF溶液を濾過し、濾液中に溶解している検体の分子量を測定する。測定にはゲル・パーミエイション・クロマトグラフィ(GPC)法を用い、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線から分子量を計算する。以下に、測定条件の一例を記載する。
GPC装置:東ソー(株)製 HLC−8120GPC
カラム:東ソー(株)製 TSK Guardcolumn SuperH−HT/SK−GEL/SuperHM−Mの3連結
流速:1.0ml/min(THF)
酸基を有する樹脂としては、ロジン変性マレイン酸樹脂を用いることが好ましい。ロジン変性マレイン酸樹脂は、酸を有する極性基と無極性のロジン骨格とを有している。この酸を有している極性基は、未反応のアビエチン酸由来のカルボキシル基及びマレイン酸のカルボキシル基であり、バインダ樹脂の極性基と反応及び相溶する。他方、無極性のロジン骨格は、バインダ樹脂の非極性部と相溶する。更に、ロジン変性マレイン酸樹脂の酸を有している極性基は、塩基性染料(造塩生成物中の未反応の塩基性染料)のアミノ基と反応する。
酸基を有している樹脂の酸価は、100乃至300mgKOH/gの範囲内にあることが好ましい。酸価が小さいと、樹脂と造塩生成物との相溶性が不十分となることがある。また、酸価が大きいと、この着色組成物を後述するアルカリ現像型着色レジストとして用いた場合に、現像不良を生じ易い。なお、ここで酸価とは、JIS K−0070において規定された方法によって測定される値である。
造塩生成物と酸基を有している樹脂との混合は、例えば、以下の方法で行う。
(1)溶媒に溶解させた樹脂と造塩生成物とを混合する方法
(2)溶融させた樹脂と造塩生成物とを混合する方法
なお、造塩生成物と酸基を有している樹脂との混合は、他の方法で行ってもよい。
上記混合法(1)及び(2)の具体例を、以下に記載する。ここでは、ローダミン系塩基性染料及びロジン変性マレイン酸樹脂を用いた事例を示す。
(1)溶媒に溶解させた樹脂と造塩生成物とを混合する方法
(1−1)
ローダミン系塩基性染料を水に溶解させ、この溶液を攪拌しながら、これに有機スルホン酸等のカウンタ化合物を添加する。こうすると、ローダミン系塩基性染料のアミノ基(−NHC25)とカウンタ化合物の酸基とが結合して、造塩生成物が得られる。なお、カウンタ化合物は、造塩反応に先立って、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液に溶解させて、例えばスルホン酸ナトリウムの形態(−SO3Na)で用いてもよい。
(1−2)
次いで、造塩生成物を含んだ先の液に、ロジン変性マレイン酸樹脂を添加する。具体的には、まず、造塩生成物を含んだ上記液に水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を添加して、この液を中性に調整する。次に、この溶液に、アルカリ水溶液に溶解させたロジン変性マレイン酸樹脂を添加し、これを攪拌する。その後、この溶液に塩酸及び硫酸等の鉱酸を添加して、液を酸性に調整する。これにより、ロジン変性マレイン酸樹脂を不溶化させる。更に、濾過、洗浄及び乾燥を行って、着色組成物を得る。なお、必要な場合には、その後、着色組成物を所望の粒度へと粉砕してもよい。
(2)溶融させた樹脂と造塩生成物とを混合する方法
造塩生成物と、酸基を有している樹脂、ここではロジン変性マレイン酸樹脂とを、加熱ニーダー、バンバリーミキサー、3本ロールミル、2本ロールミル、振動ミル、ボールミル、アトライター、及び押出機等の混練機に投入し、酸基を有している樹脂の軟化点以上の温度で溶融混練を行う。これにより、酸基を有している樹脂中に造塩生成物が均一に分散する。なお、ここで得られる着色組成物は、酸基を有している樹脂が造塩生成物によって被覆された形態にある。更に、この着色組成物を粗砕及び粉砕して所望の粒度に調整する。
造塩生成物と酸基を有している樹脂との質量比(造塩生成物:酸基を有している樹脂)は、70:30乃至95:5の範囲にあることが好ましい。着色組成物に占める酸基を有している樹脂の割合が大きいほど、発色性が低下する。具体的には、酸基を有している樹脂由来の色が着色組成物の色相により大きな影響を及ぼす。また、着色組成物に占める酸基を有している樹脂の割合が小さいほど、バインダ樹脂中への造塩生成物の分散性向上効果が小さくなる。造塩生成物と酸基を有している樹脂との質量比(造塩生成物:酸基を有している樹脂)は、75:25乃至90:10の範囲内にあることがより好ましい。
[その他の着色剤]
この着色組成物には、例えば、耐熱性を更に向上させる目的で、顔料を更に含有させてもよい。
赤色着色組成物においては、例えば、C.I.ピグメント レッド 168、177、179、242及び254等の赤色顔料を用いることができる。また、赤色着色組成物においては、C.I.ピグメント イエロー 13、138、139、150、185及び214等の黄色顔料若しくは黄色染料造塩生成物、又は、C.I.ピグメント オレンジ 38、43、71及び73等のオレンジ顔料若しくはオレンジ染料造塩生成物を併用することができる。
緑色着色組成物においては、例えば、C.I.ピグメント グリーン 7、36及び58等の緑色顔料を用いることができる。また、緑色着色組成物においては、上記の黄色顔料又は黄色造塩生成物を併用することができる。
青色着色組成物においては、例えば、C.I.ピグメント ブルー 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、及び80等の青色顔料を用いることができる。また、青色着色組成物においては、C.I.ピグメント バイオレット 19及び23等の紫色顔料又は紫色染料造塩生成物を併用することができる。
黄色着色組成物においては、上記の黄色顔料又は黄色造塩生成物を用いることができる。
マゼンタ色着色組成物においては、例えば、C.I.ピグメント レッド122、144、146、169、192、202、207、及び209等のマゼンタ色顔料を用いることができる。また、マゼンタ色着色組成物においては、上記の黄色顔料又は黄色造塩生成物を併用することができる。
シアン色着色組成物においては、例えば、C.I.ピグメント ブルー 15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、及び80等の青色顔料を用いることができる。また、シアン色着色組成物においては、C.I.ピグメント バイオレット 19及び23等の紫色顔料又は紫色染料造塩生成物を併用することができる。
十分な明度を保つうえでは、上記造塩生成物100質量部に対して、顔料成分は500質量部以下であることが好ましい。この場合、着色剤が上記造塩生成物と比較して顔料をより多く含んでいたとしても、高い明度を達成できる。
(顔料の微細化)
上述した顔料は、例えば、ソルトミリング処理によって微細化することができる。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、この一次粒子径は、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。一次粒子径の特に好ましい範囲は、25乃至85nmである。
なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から求める。具体的には、まず、TEM像の中から、全体が見えている一次粒子としての顔料粒子を1つ選択する。次に、この顔料粒子像の輪郭上の2点を結ぶ線分の中から、長さが最大のものを選択する。この線分を第1線分とする。次いで、この顔料粒子像の輪郭上の2点を結ぶ線分の中から、第1線分とその中間で直交するものを選択する。この線分を第2線分とする。そして、第1線分の長さL1と第2線分の長さL2との平均を平均長さLavとして求め、更に、一辺の長さが平均長さLavと等しい立方体の体積Vを求める。以上の測定及び計算を100個以上の顔料粒子について行い、体積Vの平均を平均体積Vavとして求める。この平均体積Vavを有している立方体の一辺の長さを、顔料粒子の平均一次粒子径とする。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、及びサンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤とを除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものである。ソルトミリング時には、無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に小さく、また、その分布の幅が狭く、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩として、例えば、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、又は硫酸ナトリウムを用いることができる。価格の点では、塩化ナトリウム(食塩)を用いることが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率との両面から、顔料の全質量を100質量部としたときに、50乃至2000質量部の範囲内の量で用いることが好ましく、300乃至1000質量部の範囲内の量で用いることがより好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤させる働きをするものであり、水に溶解(混和)し、用いる無機塩を実質的に溶解させないものであれば特に限定されない。但し、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、又は液状のポリプロピレングリコールが用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料の全質量を100質量部としたときに、5乃至1000質量部の範囲内の量で用いることが好ましく、50乃至500質量部の範囲内の量で用いることがより好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際に、樹脂を添加してもよい。この樹脂の種類は特に限定されず、例えば、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、又は天然樹脂で変性された合成樹脂を用いることができる。この樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、上記有機溶剤に一部可溶であることが更に好ましい。樹脂の使用量は、顔料の全質量を100質量部としたときに、5乃至200質量部の範囲内にあることが好ましい。
顔料をソルトミリング処理(微細化)する際、これと同時に、上記造塩生成物を添加することも好ましい。かかる造塩生成物は水及びアルコールに不溶であるため、より良好な着色剤が得られる。
<透明樹脂>
透明樹脂は、着色剤、特に造塩生成物を分散及び/又は溶解させるものである。透明樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられる。なお、ここで着色剤は、例えば、造塩生成物又は造塩生成物と顔料との混合物である。
透明樹脂としては、可視光領域、即ち400乃至700nmの全波長領域において、分光透過率が80%以上であるものが好ましく、95%以上であるものがより好ましい。着色組成物をアルカリ現像型着色レジストの形態で用いる場合には、酸性基とエチレン結合とを含んだモノマーを共重合させてなるアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、更に光感度を向上させるために、エチレン結合を有しているエネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂が挙げられる。
酸性基とエチレン結合とを含んだモノマーを共重合させてなるアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基及びスルホン酸基等の酸性基を有している樹脂が挙げられる。具体的なアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、酸性基を有している、アクリル樹脂、α−オレフィン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、及びイソブチレン−(無水)マレイン酸共重合体が挙げられる。中でも、酸性基を有しているアクリル樹脂と酸性基を有しているスチレン−スチレンスルホン酸共重合体とから選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有しているアクリル樹脂は、耐熱性及び透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン結合を有しているエネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基等の反応性の置換基を有している高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基及びエポキシ基等の反応性置換基を有している(メタ)アクリル化合物又はケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基及びスチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物及びα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等の酸無水物を含む高分子を、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有している(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
エチレン結合を有しているエネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、以下の方法(a)又は(b)によってエチレン結合を導入した樹脂が挙げられる。
方法(a)では、例えば、まず、エポキシ基とエチレン結合とを有している単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合させることによって、側鎖にエポキシ基を有している共重合体を得る。次いで、側鎖のエポキシ基に、エチレン結合とカルボキシル基とを有している不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、酸無水物を反応させる。このようにして、エチレン結合とカルボキシル基とを導入した樹脂が得られる。
エポキシ基とエチレン結合とを有している単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、単独で用いても、2種類以上を併用しても構わない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点では、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−又はp−ビニル安息香酸、及び、(メタ)アクリル酸のα位の水素原子をハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基で置換してなる置換体等のモノカルボン酸が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種類以上を併用しても構わない。
酸無水物としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、及び無水マレイン酸等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種類以上を併用しても構わない。
カルボキシ基を2つ有している酸の無水物の代わりに、又は、カルボキシ基を2つ有している酸の無水物に加えて、カルボキシ基を3つ以上有している酸の無水物、例えば、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物又はピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いてもよい。この場合、水酸基と酸無水物との反応後に残留した無水物基は、加水分解してもよい。
酸無水物として、テトラヒドロ無水フタル酸及び無水マレイン酸などのエチレン結合を有している酸無水物を用いてもよい。こうすると、エチレン結合を更に増やすことができる。
なお、方法(a)に類似した方法として、例えば、以下の方法がある。まず、カルボキシル基とエチレン結合とを有している単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合させて、側鎖にカルボキシル基を有している共重合体を得る。次いで、側鎖のカルボキシル基の一部に、エチレン結合とエポキシ基とを有している単量体を付加反応させる。このようにして、エチレン結合とカルボキシル基とを導入した樹脂が得られる。
方法(b)では、例えば、まず、水酸基とエチレン結合とを有している単量体を、カルボキシル基とエチレン結合とを有している不飽和一塩基酸又は他の単量体と共重合させて、側鎖に水酸基を有している共重合体を得る。次いで、側鎖の水酸基に、イソシアネート基とエチレン結合とを有している単量体のイソシアネート基を反応させる。このようにして、エチレン結合とカルボキシル基とを導入した樹脂が得られる。
水酸基とエチレン結合とを有している単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−、3−又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、及びシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種類以上を併用しも構わない。また、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドなどのオキシドを付加重合させてなる化合物、例えばポリエーテルモノ(メタ)アクリレート、又は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸の少なくとも1つを付加させてなる(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜への異物混入を抑制する観点では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基とエチレン結合とを有している単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート及び1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネートが挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
なお、熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものも、カラーフィルタ用着色組成物において好適に使用される。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びフェノール樹脂が挙げられる。
着色剤を分散又は溶解させる観点では、樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10,000乃至100,000の範囲内にあることが好ましく、10,000乃至80,000の範囲内にあることがより好ましい。また、数平均分子量(Mn)は、5,000乃至50,000の範囲内にあることが好ましい。樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnは、10以下であることが好ましい。
透明樹脂は、成膜性及び諸耐性が良好なことから、着色剤の全質量を100質量部としたときに、30質量部以上の量で用いることが好ましい。また、透明樹脂は、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、着色剤の全質量を100質量部としたときに、500質量部以下の量で用いることが好ましい。
<分散>
この着色組成物は、塩基性染料とカウンタ化合物との造塩生成物を含んだ着色剤と、透明樹脂及び必要に応じて使用される溶剤からなる着色剤担体とを、好ましくは色素誘導体などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、及びアトライター等の各種分散手段を用いた処理に供することによって製造することができる。また、この着色組成物は、数種類の着色剤を別々に着色剤担体に分散させ、その後、それらを混合することによって製造することもできる。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、色素誘導体、樹脂型分散剤及び界面活性剤等の分散助剤を適宜用いることができる。分散助剤は、着色剤を分散させる能力に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きい。従って、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散させてなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
色素誘導体としては、例えば、有機顔料及び有機染料などの有機色素、アントラキノン、アクリドン又はトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、又は置換基を有していてもよいフタルイミドメチル基を導入した化合物が挙げられる。
これら中でも顔料誘導体が好ましい。その構造を、下記式(1)で示す。
P−Ln 式(1)
但し、Pは、有機色素残基、アントラキノン残基、アクリドン残基又はトリアジン残基を表し、Lは、塩基性置換基、酸性置換基、又は置換基を有していてもよいフタルイミドメチル基を表し、nは1乃至4の整数である。
有機色素残基を構成する有機顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール系顔料;アゾ、ジスアゾ及びポリアゾ等のアゾ系顔料;銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン及び無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン及びビオラントロン等のアントラキノン系顔料;キナクリドン系顔料;ジオキサジン系顔料;ペリノン系顔料;ペリレン系顔料;チオインジゴ系顔料;イソインドリン系顔料;イソインドリノン系顔料;キノフタロン系顔料;スレン系顔料;並びに金属錯体系顔料が挙げられる。
色素誘導体としては、例えば、特開昭63−305173号、特公昭57−15620号、特公昭59−40172号、特公昭63−17102号、及び特公平5−9469号に記載されているものを使用できる。これらは単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、分散性向上の点から、着色剤100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上、最も好ましくは5質量部以上である。また、色素誘導体の配合量は、耐熱性及び耐光性の観点から、着色剤100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、最も好ましくは25質量部以下である。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。具体的な樹脂型分散剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステル、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミド又はその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂又は水溶性高分子化合物、ポリエステル系分散剤、変性ポリアクリレート系分散剤、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、及び燐酸エステル系分散剤が用いられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。樹脂型分散剤は、必ずしもこれらに限定されるものではない。
界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、及びポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン及びアルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。界面活性剤は、必ずしもこれらに限定されるものではない。
<溶剤>
着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が例えば0.2乃至5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために、溶剤を含有させることができる。
溶剤としては、例えば、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、ベンジルアルコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、及び二塩基酸エステルが挙げられる。
中でも、着色剤の分散性や溶解性が良好なことから、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、シクロヘキサノン等のケトン類又はベンジルアルコール等の芳香族アルコール類を用いることが好ましい。
溶剤は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。また、溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節して、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤の全質量を100質量部としたときに、800乃至4000質量部の量で用いることが好ましい。
この着色組成物は、光重合性組成物及び/又は光重合開始剤を更に添加して、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト)として使用することができる。
<光重合性組成物>
光重合性組成物において使用されるモノマー又はオリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、及びトリシクロデカニル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能(メタ)アクリレート;1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、及びフェノールノボラック樹脂等のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート;ポリエステル、ポリウレタン、イソシアヌレート、及びメチロール化メラミン等を変性した各種(メタ)アクリル酸エステル類;並びに、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等の(メタ)アクリレート以外のモノマーが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上混合して用いることができる。モノマー又はオリゴマーは、必ずしもこれらに限定されない。
<光重合開始剤>
紫外線照射を利用したフォトリソグラフィによりカラーフィルタ用着色組成物からフィルタセグメントを形成する場合、この着色組成物には光重合開始剤等が添加される。
光重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、及びベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、及び3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、及び2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、及び2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕及びO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、及びエチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;並びに、チタノセン系化合物が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、又は、任意の比率で2種以上混合して用いることができる。これらの光重合開始剤は、カラーフィルタ用着色組成物中の着色剤100質量部に対して、5乃至200質量部の量で用いることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10乃至150質量部の量で用いることがより好ましい。
<増感剤>
カラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を更に含有させることができる。
増感剤としては、例えば、カルコン誘導体及びジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジル及びカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、ミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、並びに4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンが挙げられる。
更に具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、及び池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられる。増感剤は、これらに限定されるものではない。また、着色組成物には、紫外乃至近赤外域の光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、任意の比率で二種以上用いてもよい。増感剤を使用する場合、その配合量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤を100質量部としたときに、3乃至60質量部の範囲内にあることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から5乃至50質量部の範囲内にあることがより好ましい。或いは、増感剤は、着色組成物中の光重合開始剤100質量部に対して、例えば、0.1乃至60質量部の量で用いてもよい。
<アミン系化合物>
カラーフィルタ用着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を更に含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジンが挙げられる。
<レベリング剤>
この着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を更に添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、例えば、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122及びビックケミー社製BYK−333が挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、例えば、ビックケミー社製BYK−310及びBYK−370が挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は、通常、着色組成物の全質量を100質量%としたときに、0.003乃至0.5質量%の範囲内とすることが好ましい。
レベリング剤としては、分子内に疎水基と親水基とを有する化合物、所謂界面活性剤の一種であって、親水基を有していながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合に、その表面張力を低下させる能力が低いという特徴を示し、更にガラス板への濡れ性が良好なものが特に有用である。中でも、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤としては、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、例えば、ポリエチレンオキサイド単位及びポリプロピレンオキサイド単位がある。ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位との双方を有していてもよい。
ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、及びポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型の何れであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有しているジメチルポリシロキサンとしては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されている、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、及びFZ−2207が挙げられる。ポリアルキレンオキサイド単位を有しているジメチルポリシロキサンは、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、又は両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、例えば、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、及びフッ素系又はシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤及び硬化促進剤>
この着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤及び硬化促進剤などを含有させてもよい。
硬化剤としては、例えば、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、及びスルホン酸系化合物が有用である。硬化剤は、特にこれらに限定されるものではない。熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、何れの硬化剤を使用してもよい。これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有している化合物とアミン系硬化剤とが好ましい。
硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、及び4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩化合物;ジメチルアミン等のブロックイソシアネート化合物;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、及び1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩;トリフェニルホスフィン等のリン化合物;メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、及びベンゾグアナミン等のグアナミン化合物;並びに、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、及び2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体が挙げられる。効果促進剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。硬化促進剤の含有量は、熱硬化性樹脂全量を基準として、0.01乃至15質量%の範囲内にあることが好ましい。
<その他の添加剤成分>
この着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、この着色組成物には、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド;ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド;乳酸、シュウ酸などの有機酸及びそのメチルエーテル;t−ブチルピロカテコール;テトラエチルホスフィン及びテトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン;並びに亜リン酸塩が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の着色剤100質量部に対して、例えば、0.1乃至10質量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、及びビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類;N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類;並びにγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及びγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100質量部に対して、例えば0.01乃至10質量部の量で、好ましくは0.05乃至5質量部の量で用いることができる。
<粗大粒子の除去>
この着色組成物からは、遠心分離、焼結フィルタ、及びメンブレンフィルタ等の手段を用いて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、更に好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが望ましい。このように、着色組成物は、0.5μm以上の粒子を実質的に含まないことが好ましい。また、着色組成物は、0.3μm以上の粒子を実質的に含まないことがより好ましい。
<<カラーフィルタ>>
次に、本発明の第2態様に係るカラーフィルタについて説明する。
第2態様に係るカラーフィルタは、吸収スペクトルが異なり、典型的には規則的に配列した複数のフィルタセグメントを含んでいる。一形態に係るカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、及び少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備えている。他の形態に係るカラーフィルタは、少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント及び少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを備えている。第2態様に係るカラーフィルタでは、これらフィルタセグメントの少なくとも1つは、上述したカラーフィルタ用着色組成物から形成されている。
<カラーフィルタの製造方法>
このカラーフィルタは、例えば、印刷法又はフォトリソグラフィにより製造することができる。
印刷法によると、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥とを繰り返すだけでパターン化されたフィルタセグメントを形成することができる。それ故、印刷法は、低コストで量産性に優れている。更に、印刷技術の発展により、高い寸法精度及び平滑度を有する微細パターンを印刷によって形成することが可能である。
印刷に使用するインキは、印刷の版又はブランケット上で乾燥及び固化しないような組成を有していることが好ましい。また、印刷法では、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要である。インキの流動性は、分散剤や体質顔料を用いてインキ粘度の調整することによって制御できる。
フォトリソグラフィによれば、印刷法と比較して、カラーフィルタをより高い精度で製造できる。
フォトリソグラフィによりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型又はアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコート、スピンコート、スリットコート及びロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が例えば0.2乃至5μmの範囲内となるように塗布する。塗膜を必要に応じて乾燥させ、この塗膜と接触又は非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して、この塗膜を紫外線で露光する。その後、塗膜を溶剤若しくはアルカリ現像液に浸漬させるか又は溶剤若しくはアルカリ現像液を塗膜に噴霧して、塗膜から未硬化部を除去する。これにより、或る色のフィルタセグメントに対応した薄膜パターンを得る。他の色のフィルタセグメント用の着色組成物を使用すること以外は、上述したのと同様の操作を繰り返して、残りのフィルタセグメントに対応した薄膜パターンを形成する。その後、これら薄膜パターンを焼成することにより、カラーフィルタを得る。なお、焼成は、薄膜パターンを形成する毎に行ってもよい。
現像に際しては、アルカリ現像液として、例えば、炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウム等の水溶液が使用される。ジメチルベンジルアミン及びトリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を高めるために、上記着色レジストを塗布及び乾燥させてなる着色レジスト膜上に、水溶性又はアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコール又は水溶性アクリル樹脂を塗布し、この塗膜を乾燥させ、その後、紫外線露光を行ってもよい。水溶性又はアルカリ可溶性樹脂からなる塗膜は、着色レジスト膜における重合が酸素によって阻害されるのを防止する。
カラーフィルタは、印刷法及びフォトリソグラフィ以外の方法で製造することも可能である。例えば、電着法又は転写法によってカラーフィルタを製造することができる。上述した着色組成物は、何れの方法においても用いることができる。
なお、電着法を利用したカラーフィルタの製造では、一方の主面に透明導電膜が設けられた基板を準備し、この透明導電膜を電極として用いて、コロイド粒子を透明導電膜上へと電気泳動させることによってフィルタセグメントを形成する。また、転写法を利用したカラーフィルタの製造では、一方の主面が離型性を有している転写ベースシートの先の主面上に、フィルタセグメントを予め形成しておき、このフィルタセグメントを転写ベースシートから基板へと転写する。
透明基板上には、フィルタセグメントを形成するのに先立って、遮光パターンであるブラックマトリクスを形成してもよい。ブラックマトリクスとしては、例えば、クロム膜などの金属膜、クロム/酸化クロム膜などの多層膜、窒化チタニウム膜などの無機化合物膜、又は遮光材を樹脂中に分散させてなる樹脂膜が用いられる。
透明基板には、カラーフィルタを形成するのに先立って、回路、例えば薄膜トランジスタ(TFT)を含んだアクティブマトリクス回路を形成してもよい。また、カラーフィルタ上には、必要に応じて、オーバーコート膜及び透明導電膜などの他の層を更に形成してもよい。
カラーフィルタを形成する基板は、透明でなくてもよい。例えば、カラーフィルタは、反射基板上に形成してもよい。
○第2態様
次に、本発明の第2態様について説明する。
特開平11−223720号には、カラーフィルタの青色画素において、トリフェニルメタン系染料とキサンテン系染料とを併用することが提案されている。ここでは、トリフェニルメタン系酸性染料とキサンテン系酸性染料とを混合し、耐性を向上させるために金属錯体を用いることが検討されている。しかしながら、酸性染料を単に混合するだけでは、発色性が十分ではなく、高明度を得ることができないのが現状である。また、この技術は、環境負荷の観点で使用しないことが望まれる重金属錯体を用いなければならず、改善余地を残すものであった。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、カラーフィルタ用青色着色組成物の着色剤として、トリアリールメタン系染料とキサンテン系染料とからの造塩生成物を使用することによって、高い明度と広い色再現領域とが可能となり、また、優れた耐性を達成できることを見出し、この知見に基づいて本態様に係る発明をするに至ったものである。
即ち、本発明の第2態様は、透明樹脂と着色剤とを含有し、前記着色剤は、トリアリールメタン系染料とキサンテン系染料とからなる造塩生成物を含んだカラーフィルタ用青色着色組成物である。
なお、キサンテン系色素は、特開2005−292305号に記載されているように、例えば、マゼンタ色の色素として知られている。マゼンタ色のフィルタセグメントに使用可能な色素は選択の範囲が極めて狭いが、キサンテン系色素は優れた分光特性を有している。具体的には、キサンテン系色素は、マゼンタ色のキナクリドン系色素と比較して、短波長側(400乃至500nm)における透過率が高い。そのため、キサンテン系色素は、多くのマゼンタ色フィルタセグメントにおいて用いられている。
第2態様に係るカラーフィルタ用青色着色組成物は、着色剤として、トリアリールメタン系染料とローダミン系染料とからなる造塩生成物を含んでいる。それ故、この青色着色組成物からカラーフィルタのフィルタセグメントを形成することにより、高い明度及び広い色再現領域に加え、優れた耐性を達成することができる。
また、従来の銅フタロシアニンブルー顔料とジオキサジン系顔料等を組み合わせたカラーフィルタ用青色着色組成物の透過率スペクトルは、ピーク位置が450nm付近に存在し、450nm以下の短波長側では透過率が急激に低下している。
これに対し、本態様に係るカラーフィルタ用青色着色組成物は、着色剤の少なくとも一部として、トリアリールメタン系色素とキサンテン系色素との造塩生成物を用いている。それ故、本態様に係るカラーフィルタ用青色着色組成物を用いた場合、銅フタロシアニンブルー顔料とジオキサジン系顔料との組み合わせを使用した場合と比較して、450nm以下の短波長側において高い透過率を達成する。そして、冷陰極管等の多くのバックライトの発光スペクトルは、425乃至440nmの波長範囲内又はその近傍にピーク波長を有している。それ故、本態様に係るカラーフィルタ用青色着色組成物から得られるフィルタセグメントは、高い明度を達成し得る。
<<カラーフィルタ用着色組成物>>
上記の通り、本発明の第2態様に係るカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂と着色剤とを含有したカラーフィルタ用青色着色組成物である。この着色剤は、トリアリールメタン系染料とキサンテン系染料との造塩生成物を含んでいる。キサンテン系染料は、例えば、第1態様における塩基性染料、カウンタ化合物又はそれらの混合物である。他方、トリアリールメタン系染料も、例えば、第1態様における塩基性染料、カウンタ化合物又はそれらの混合物である。なお、第2態様において、カウンタ化合物は、典型的には、第1態様においてカウンタ化合物について上述した範囲内の分子量を有しているが、この範囲外の分子量を有していてもよい。
<着色剤>
第2態様において使用する着色剤は、トリアリールメタン系染料とキサンテン系染料とからなる造塩生成物を含んでいる。
トリアリールメタン系染料とキサンテン系染料との造塩によって、前述のように、425乃至440nmの波長範囲内又はその近傍において高い透過率を達成できる。それ故、銅フタロシアニン顔料とジオキサジン顔料とを組み合わせた従来のフィルタセグメントと比較して、高い明度と広い色再現性とを実現することができる。更に、高い耐熱性、耐光性及び耐溶剤性も実現することができる。
[トリアリールメタン系染料]
まず、トリアリールメタン系染料について説明する。
ここで好ましく用いることのできるトリアリールメタン系染料は、青色、紫色又は緑色を呈するものであって、酸性染料の形態及び/又は塩基性染料の形態を有するものである。
青色、紫色又は緑色を呈する染料とは、例えば、C.I.ベーシック ブルー、C.I.ベーシック バイオレット及びC.I.ベーシック グリーン等の塩基性染料、C.I.アシッド ブルー、C.I.アシッド バイオレット及びC.I.アシッド グリーン等の酸性染料、C.I.ダイレクト ブルー、C.I.ダイレクト バイオレット及びC.I.ダイレクト グリーン等の直接染料に属するものである。ここで、直接染料は、構造中にスルホン酸基を有している染料である。本態様においては、直接染料は酸性染料として見なすこととする。
トリアリールメタン系塩基性染料は、中心の炭素に対してパラ位にあるNH2又はOH基が酸化によりキノン構造をとることによって発色するものである。トリアリールメタン系染料は、主として塩基性染料であるが、スルホン酸基を導入することにより酸性染料となる。
トリアリールメタン系染料は、NH2及びOH基の数によって以下3つの型に分けられる。中でも、トリアミノトリアリールメタン系染料は、青色を良好に発色する点で好ましい。
a)ジアミノトリアリールメタン系染料
b)トリアミノトリアリールメタン系染料
c)OH基を有するロゾール酸系染料
トリアミノトリアリールメタン系染料は、色調に優れ、他のものよりも日光堅牢性に優れている点で好ましい。その中でも、塩基性染料であるジフェニルナフチルメタン染料が特に好ましい。
トリアリールメタン系染料は、400乃至430nmの波長範囲において透過率が高い分光特性を有している。しかしながら、トリアリールメタン系染料は、一般的な染料と同様に耐光性及び耐熱性が極めて乏しい。即ち、トリアリールメタン系染料は、高い信頼性が要求されるカラー表示装置又はカラー撮像装置のカラーフィルタに用いるには、特性が不十分である。ここでは、この欠点を改善するために、トリアリールメタン系染料を、キサンテン系染料との塩として使用する。
トリアリールメタン系塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシック ブルー 1(ベーシックシアニン6G)、C.I.ベーシック ブルー 5(ベーシックシアニンBX)、C.I.ベーシック ブルー 7(ビクトリアピュアブルー)、C.I.ベーシック ブルー 26、C.I.ベーシック バイオレット 1(メチルバイオレット)、及びC.I.ベーシック バイオレット 3(クリスタルバイオレット)が挙げられる。中でも、発色性に優れている点で、C.I.ベーシック ブルー 7を用いることが好ましい。
トリアリールメタン系酸性染料としては、例えば、C.I.アシッド ブルー 1(食用青色101号)、C.I.アシッド ブルー 3(アシッドピュアブルー)、C.I.アシッド ブルー 5(レーキブルーI)、C.I.アシッド ブルー 7(レーキブルーII)、C.I.アシッド ブルー 9(食用青色1号)、C.I.アシッド ブルー 22、CC.I.アシッド ブルー 83、C.I.アシッド ブルー 90、C.I.アシッド ブルー 93、C.I.アシッド ブルー 100、C.I.アシッド ブルー 103、C.I.アシッド ブルー 104、又はC.I.アシッド ブルー 109を用いることが好ましい。
中でも、C.I.アシッド ブルー1、C.I.アシッド ブルー 3、又はC.I.アシッド ブルー 93を用いることが特に好ましい。
[キサンテン系染料]
次いで、キサンテン系染料について説明する。
本態様において好ましく用いることができるキサンテン系染料は、赤色又は紫色を呈するものであって、酸性染料の形態及び/又は塩基性染料の形態を有するものである。
赤色又は紫色を呈するとは、例えば、C.I.ベーシック レッド及びC.I.ベーシック バイオレット等の塩基性染料、C.I.アシッド レッド及びC.I.アシッド バイオレット等の酸性染料、又はC.I.ダイレクト レッド及びC.I.ダイレクト バイオレット等の直接染料に属するものである。ここで、直接染料は、構造中にスルホン酸基を有している染料である。本態様においては、直接染料は酸性染料として見なすこととする。
キサンテン系染料は、400乃至430nmの波長範囲において透過率が高い分光特性を有している。しかしながら、キサンテン系染料は、一般的な染料と同様に、耐光性及び耐熱性が極めて乏しい。即ち、キサンテン系染料は、高い信頼性が要求されるカラー表示装置又はカラー撮像装置のカラーフィルタに用いるには、特性が不十分である。ここでは、この欠点を改善するために、キサンテン系染料を、トリアリールメタン系染料との塩として使用する。
キサンテン系染料は、波長が650nmの光に対する透過率が90%以上であり、波長が600nmの光に対する透過率が75%以上であり、波長が500乃至550nmの範囲内で透過率が5%以下であり、波長が400nmの光に対する透過率が70%以上であるものが好ましい。より好ましくは、波長が650nmの光に対する透過率が95%以上であり、波長が600nmの光に対する透過率が80%以上であり、波長が500乃至550nmの範囲内で透過率が10%以下であり、波長が400nmの光に対する透過率が75%以上である。
キサンテン系酸性染料としては、C.I.アシッド レッド 51(エリスロシン:食用赤色3号)、アシッド レッド 52(アシッドローダミン)、C.I.アシッド レッド 87(エオシンG:食用赤色103号)、C.I.アシッド レッド 92(アシッドフロキシンPB:食用赤色104号)、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、アシッド レッド 289、又はC.I.アシッド バイオレット 9を用いることが好ましい。
中でも、C.I.アシッド レッド 52、C.I.アシッド レッド 87、又はC.I.アシッド レッド 289を用いることが特に好ましい。
キサンテン系塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシック レッド 1(ローダミン6GCP)、C.I.ベーシック レッド 8(ローダミンG)、及びC.I.ベーシック バイオレット 10(ローダミンB)が挙げられる。
中でも、C.I.ベーシック レッド 1又はC.I.ベーシック バイオレット 10を用いることが好ましい。
キサンテン系染料の中でも、ローダミン系染料は発色性及び耐性に優れているため好ましい。
[トリアリールメタン系染料とキサンテン系染料とからなる造塩生成物]
トリアリールメタン系染料とキサンテン系染料とからなる造塩生成物は、以下の2つの形態の何れかであることが好ましい。
(A)トリアリールメタン系塩基性染料とキサンテン系酸性染料とからなる造塩生成物
(B)トリアリールメタン系酸性染料とキサンテン系塩基性染料とからなる造塩生成物
これらは、前述した酸性染料と塩基性染料との組み合わせから得られる。
形態(A)の場合、具体的には、C.I.ベーシック ブルー 7とC.I.アシッド レッド 289との組み合わせ、C.I.ベーシック ブルー 7とC.I.アシッド レッド 52との組み合わせ、C.I.ベーシック ブルー 7とC.I.アシッド レッド 87との組み合わせ、C.I.ベーシック ブルー 7とC.I.アシッド レッド 92との組み合わせ、C.I.ベーシック バイレット 3とC.I.アシッド レッド 87との組み合わせ、及びC.I.ベーシック バイレット 3とC.I.アシッド レッド 52との組み合わせは、反応安定性及び発色性に特に優れている。勿論、他の組み合わせから得られる造塩生成物を用いてもよい。
形態(B)の場合、具体的には、C.I.ベーシック レッド 1とC.I.アシッド ブルー 1との組み合わせ、C.I.ベーシック レッド 1とC.I.アシッド ブルー 93との組み合わせ、C.I.ベーシック バイオレット 10とC.I.アシッド ブルー 1とも組み合わせ、及びC.I.ベーシック レッド 1とC.I.アシッド ブルー 3との組み合わせは、反応安定性及び発色性に特に優れている。勿論、例えば、前述した染料の組み合わせから得られる他の造塩生成物を用いてもよい。
中でも、トリアリールメタン系酸性染料とローダミン系塩基性染料とからなる造塩生成物は、耐性に優れており、特に好ましい。
トリアリールメタン系染料とキサンテン系染料との造塩生成物は、従来から知られている方法により合成することができる。
例えば、トリアリールメタン系酸性染料とキサンテン系塩基性染料とを用いる場合は、トリアリールメタン系酸性染料を水に溶解させた後、これに、キサンテン系塩基性染料又はその水溶液を添加し、攪拌することにより、造塩反応を生じさせればよい。これにより、トリアリールメタン系酸性染料のスルホン酸基(例えば−SO3H又は−SO3Na)とキサンテン系塩基性染料のアミノ基とが結合した造塩生成物が得られる。
また、キサンテン系酸性染料とトリアリールメタン系塩基性染料とを用いる場合は、キサンテン系酸性染料を水に溶解させた後、これに、トリアリールメタン系塩基性染料又はその水溶液を添加し、攪拌することにより、造塩反応を生じさせればよい。これにより、キサンテン系酸性染料のスルホン酸基(例えば−SO3H又は−SO3Na)とトリアリールメタン系塩基性染料のアミノ基とが結合した造塩生成物が得られる。
[酸基を有している樹脂]
上記の造塩生成物は、第1態様において説明したのと同様に、酸基を有している樹脂で変性することで、より安定な色材とすることができる。
この造塩生成物は、酸基を有している樹脂、例えば、カルボキシル基などの酸基を有している樹脂、又は、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂若しくはロジン変性フマル酸樹脂を添加すると、バインダ樹脂中への相溶性及び分散性並びに溶剤への分散性が大幅に向上する。その結果、更に優れた発色性、耐熱性及び耐光性を実現できる。ここで、酸基としては、カルボキシル基(−COOH)又はスルホン酸基(例えば−SO3H又は−SO3Na)が好ましい。
中でも、ロジン変性マレイン酸樹脂を用いることが好ましい。ロジン変性マレイン酸樹脂は、酸を有している極性基と無極性のロジン骨格とを含んでいる。この酸を有している極性基は、未反応のアビエチン酸由来のカルボキシル基及びマレイン酸のカルボキシル基であり、バインダ樹脂の極性基の部分と反応及び相溶する。他方、無極性のロジン骨格は、バインダ樹脂の非極性部と相溶する。更に、ロジン変性マレイン酸樹脂の酸を有している極性基は、塩基性染料(造塩生成物中の未反応の塩基性染料)のアミノ基と反応する。
また、酸基を有している樹脂の重量平均分子量は、典型的には、第1態様において説明した範囲内にある。但し、ここでは、酸基を有している樹脂の重量平均分子量は、第1態様において説明した範囲外であってもよい。
造塩生成物と酸基を有している樹脂との混合は、例えば、以下の方法で行う。ここでは、一例として、酸基を有している樹脂は、ロジン変性マレイン酸樹脂であることとする。
(1)ロジン変性マレイン酸樹脂を溶媒中に溶解させ、この溶液に造塩生成物を添加して混合する方法
(2)混練機等を用いて、溶融させたロジン変性マレイン酸樹脂と造塩生成物とを混合する方法
なお、造塩生成物と酸基を有している樹脂との混合は、他の方法で行ってもよい。
造塩生成物と酸基を有している樹脂、例えばロジン変性マレイン酸樹脂との質量比(造塩生成物:酸基を有している樹脂)は、70:30乃至95:5の範囲内にあることが好ましい。着色組成物に占める酸基を有している樹脂の割合が大きいほど、発色性が低下する。具体的には、酸基を有している樹脂由来の色が着色組成物の色相により大きな影響を及ぼす。また、着色組成物に占める酸基を有している樹脂の割合が小さいほど、バインダ樹脂中への造塩生成物の分散性向上効果が小さくなる。造塩生成物と酸基を有している樹脂との質量比(造塩生成物:酸基を有している樹脂)は、75:25乃至90:10の範囲内にあることがより好ましい。
酸基を有している樹脂、例えば、ロジンエステル又はロジン変性マレイン酸樹脂の酸価は、20乃至200mgKOH/gの範囲内にあることが好ましい。この着色組成物をアルカリ現像型着色レジスト材として用いた場合、樹脂のカルボキシル基は、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶基としての役割を果たし、脂肪族基及び芳香族基は、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基としての役割を果たす。それ故、樹脂の酸価は、顔料及び造塩生成物の分散性又は溶解性、現像性、及び耐久性に影響を及ぼす。具体的には、酸価が小さいと、樹脂と造塩生成物との相溶性が不十分となることがある。また、酸価が小さいと、この着色組成物を例えばアルカリ現像型着色レジスト材として用いた場合、未硬化の着色組成物の現像液に対する溶解性が不十分となることがある。他方、酸価が大きいと、この着色組成物を例えばアルカリ現像型着色レジスト材として用いた場合に、露光部までもが現像によって除去される可能性がある。なお、ここで酸価とは、JIS K−0070において規定された方法によって測定される値である。
[その他の着色剤]
この着色組成物には、効果に支障を来たさない範囲で、その他の着色剤を更に添加することができる。中でも、造塩生成物と有機顔料とを併用すると、より優れた耐性を達成できる。
有機顔料としては、フタロシアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、アゾ系顔料、又はキナクリドン系顔料を使用することが好ましい。
中でも、フタロシアニン系顔料又はジオキサジン系顔料を使用することが特に好ましい。
フタロシアニンブルー顔料としては、例えばC.I.ピグメント ブルー 15、C.I.ピグメント ブルー 15:1、C.I.ピグメント ブルー 15:2、C.I.ピグメント ブルー 15:3、C.I.ピグメント ブルー 15:4、及びC.I.ピグメント ブルー 15:6が挙げられる。中でも、ε型、β型又はα型の構造を有している銅フタロシアニンブルー顔料が好ましい。これらの好ましい顔料は、具体的には、C.I.ピグメント ブルー 15:6、C.I.ピグメント ブルー 15:3、及びC.I.ピグメント ブルー 15:1である。
また、ジオキサジン系顔料としては、C.I.ピグメント バイオレット 23を用いることが好ましい。
これら顔料は、上述した造塩生成物の量を100質量部とした場合、50質量部以下の量で使用することが好ましい。
特に、上記の造塩生成物と、銅フタロシアニン系顔料及び/又はジオキサジン系顔料とを併用すると、良好な耐侯性が得られるのに加え、顔料単体で用いた場合を上回る明度が得られる。
(顔料の微細化)
上述した顔料は、例えば、ソルトミリング処理によって微細化することができる。顔料の一次粒子径は、第1態様において説明した範囲内とすることが好ましい。ソルトミリング処理は、例えば、第1態様において説明したのと同様の方法により行うことができる。また、ソルトミリング処理には、例えば、第1態様において説明したのと同様の水溶性有機無機塩、水溶性有機溶剤及び樹脂を使用することができる。各種材料の使用量は、第1態様において説明した範囲内とすることが好ましい。
<透明樹脂>
透明樹脂は、着色剤、特に造塩生成物を分散及び又は溶解させるものである。透明樹脂としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。また、透明樹脂の使用量は、第1態様において説明した範囲内とすることが好ましい。
<溶剤>
この着色組成物には、第1態様に係る着色組成物と同様に、着色剤を充分に着色剤担体中に分散させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が例えば0.2乃至5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために、溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。また、溶剤の使用量は、第1態様において説明した範囲内とすることが好ましい。
<分散>
この着色組成物は、第1態様において説明したのと同様の方法により製造することができる。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、第1態様と同様に、色素誘導体、樹脂型分散剤及び界面活性剤等の分散助剤を使用することができる。
色素誘導体としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。色素誘導体の配合量は、分散性向上の点から、着色剤100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、最も好ましくは3質量部以上である。また、色素誘導体の配合量は、耐熱性及び耐光性の観点から、着色剤100質量部に対して、好ましくは40質量部以下、最も好ましくは35質量部以下である。
樹脂型分散剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。市販の樹脂型分散剤としては、例えば、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150及び2155、Anti−Terra−U、203及び204、BYK−P104、P104S、220S及び6919、Lactimon、Lactimon−WS並びにBykumenと、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000及び76500と、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502及び1503と、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822及びPB824とが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。
樹脂型分散剤及び/又は界面活性剤を添加する場合には、それらの合計量は、着色剤の全量を100質量部としたときに、0.1乃至55質量部の範囲内とすることが好ましく、0.1乃至45質量部の範囲内とすることがより好ましい。樹脂型分散剤及び界面活性剤の合計配合量が少ない場合には、それらを添加した効果が得られ難い。また、この合計配合量が多い場合には、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
この着色組成物は、光重合性組成物及び/又は光重合開始剤を更に添加して、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト)として使用することができる。
<光重合性組成物>
光重合性組成物において使用されるモノマー又はオリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸;スチレン;酢酸ビニル;ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル及びペンタエリスリトールトリビニルエーテル等のビニルエーテル;(メタ)アクリルアミド;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;N−ビニルホルムアミド;並びにアクリロニトリルが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上混合して用いることができる。モノマー又はオリゴマーは、必ずしもこれらに限定されない。
これらモノマー及びオリゴマーの合計配合量は、着色剤の全質量を100質量部としたときに、5乃至400質量部の範囲内とすることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10乃至300質量部の範囲内とすることがより好ましい。
<光重合開始剤>
紫外線照射を利用したフォトリソグラフィによりカラーフィルタ用青色着色組成物からフィルタセグメントを形成する場合、この着色組成物には光重合開始剤等が添加される。光重合開始剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。光重合開始剤を使用する場合、その配合量は、第1態様において説明したのと同様とすることが好ましい。
<増感剤>
カラーフィルタ用青色着色組成物には、増感剤を更に含有させることができる。
増感剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。増感剤を使用する場合、その配合量は、第1態様において説明したのと同様とすることが好ましい。
<アミン系化合物>
カラーフィルタ用青色着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を更に含有させることができる。アミン系化合物としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。
<レベリング剤>
この青色着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を更に添加することが好ましい。
レベリング剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。レベリング剤を使用する場合、その配合量は、第1態様において説明したのと同様とすることが好ましい。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、又は両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。これら界面活性剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。
<硬化剤及び硬化促進剤>
この青色着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤及び硬化促進剤などを含有させてもよい。硬化剤及び硬化促進剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。硬化促進剤を使用する場合、その配合量は、第1態様において説明したのと同様とすることが好ましい。
<その他の添加剤成分>
この青色着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、この青色着色組成物には、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤及び密着向上剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。貯蔵安定剤及び/又は密着向上剤を使用する場合、その配合量は、第1態様において説明したのと同様とすることが好ましい。
<着色組成物の製法>
この青色着色組成物は、溶剤現像型又はアルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、着色剤を、透明樹脂と任意に有機溶剤とを含んだ着色剤担体と混合する。次いで、これを、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー及びアトライター等の分散手段で処理して、着色剤を着色剤担体中に均一に分散させる。更に、このようにして得られた着色剤分散体に、光重合性モノマー及び/又はオリゴマー、光重合開始剤、並びに、必要に応じて使用するその他の樹脂、溶剤、分散剤及び添加剤等を混合する。以上のようにして、青色着色組成物が得られる。
<粗大粒子の除去>
この着色組成物からは、第1態様において説明したのと同様に、粗大粒子及び混入した塵を除去することが望ましい。即ち、この着色組成物は、0.5μm以上の粒子を実質的に含まないことが好ましく、0.3μm以上の粒子を実質的に含まないことがより好ましい。
<<カラーフィルタ>>
次に、本発明の第2態様に係るカラーフィルタについて説明する。
第2態様に係るカラーフィルタは、吸収スペクトルが異なり、典型的には規則的に配列した複数のフィルタセグメントを含んでいる。一形態に係るカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、及び少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備えている。第2態様に係るカラーフィルタでは、少なくとも1つの青色フィルタセグメントは、上述したカラーフィルタ用青色着色組成物から形成されている。
赤色フィルタセグメントは、例えば、赤色顔料と顔料担体とを含んだ通常の赤色着色組成物を用いて形成することができる。赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメント レッド 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、168、169、177、178、184、185、187、200、202、208、210、242、246、254、255、264、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、又は287を使用することができる。赤色顔料の代わりに、又は、赤色顔料に加えて、塩基性染料と酸性染料との赤色を呈する造塩生成物を使用してもよい。例えば、第1態様において説明した造塩生成物を使用してもよい。
赤色着色組成物では、C.I.ピグメント オレンジ 43、71及び73等の橙色顔料;C.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220及び221等の黄色顔料;又はそれらの混合物を併用することができる。また、塩基性染料と酸性染料との橙色及び/又は黄色を呈する造塩生成物を使用することもできる。例えば、第1態様において説明した造塩生成物を使用してもよい。
緑色フィルタセグメントは、例えば、緑色顔料と顔料担体とを含んだ通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメント グリーン7、10、36、37又は58が用いられる。
緑色着色組成物では、黄色顔料を併用することができる。併用可能な黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、及び221を挙げることができる。黄色顔料の代わりに、又は、黄色顔料に加えて、塩基性染料と酸性染料との黄色を呈する造塩生成物を使用してもよい。例えば、第1態様において説明した造塩生成物を使用してもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
このカラーフィルタは、例えば、第1態様において説明したのと同様の方法により製造することができる。
○第3態様
次に、本発明の第3態様について説明する。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、カラーフィルタ用着色組成物の着色剤として、キサンテン系塩基性染料とキサンテン系酸性染料とからなる造塩生成物を使用することによって、高い明度と広い色再現領域とが可能となり、また、優れた耐性を達成できること見出し、この知見に基づいて本態様に係る発明をするに至ったものである。
即ち、本発明の第3態様は、透明樹脂と着色剤と含有し、前記着色剤は、キサンテン系塩基性染料とキサンテン系酸性染料とからなる造塩生成物を含んだカラーフィルタ用着色組成物である。
第3態様に係るカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤として、キサンテン系塩基性染料とキサンテン系酸性染料とからなる造塩生成物を含んでいる。それ故、この着色組成物から、カラーフィルタの少なくとも1つのフィルタセグメントを形成することにより、高い明度及び広い色再現領域に加え、優れた耐性を達成することができる。このカラーフィルタ用着色組成物は、特に青色又はマゼンタ色のフィルタセグメントに用いることが好適である。
なお、従来の青色フィルタセグメントでは、例えば、銅フタロシアニンブルー顔料とジオキサジン系顔料との組み合わせが用いられていた。銅フタロシアニンブルー顔料とジオキサジン系顔料等を組み合わせたカラーフィルタ用青色着色組成物の透過率スペクトルは、ピーク位置が450nm付近に存在し、450nm以下の短波長側では透過率が急激に低下している。
これに対し、本態様に係るカラーフィルタ用組成物は、着色剤の少なくとも一部として、キサンテン系塩基性染料とキサンテン系酸性染料とからなる造塩生成物を、好ましくはフタロシアニン系顔料とともに用いている。それ故、本態様に係るカラーフィルタ用組成物を用いた場合、450nm以下の短波長側において、銅フタロシアニンブルー顔料とジオキサジン系顔料との組み合わせを用いた場合と比較して高い透過率を達成する。そして、冷陰極管等の多くのバックライトの発光スペクトルは、425乃至440nmの波長範囲内又はその近傍にピーク波長を有している。従って、本態様に係るカラーフィルタ用着色組成物から得られるフィルタセグメントは、高い明度を達成し得る。
また、補色のカラーフィルタに用いる補色顔料は、選択の範囲が極めて狭く、優れた分光特性を有する補色顔料は得難いのが現状であった。その点が、補色のカラーフィルタを採用した撮像素子において優れた色再現性が得難い理由の一つになっていた。特にマゼンタ色フィルタセグメントについて、十分な分光特性を得ることが困難であった。例えば、キナクリドン系のマゼンタ色顔料であるC.I.ピグメント レッド122は、短波長側(400乃至450nm)における透過率が低いため、カラーフィルタの色バランスを最適化することが難しかった。
キサンテン系染料は、例えば、マゼンタ色を示す染料として知られている。キサンテン系染料は、優れた分光特性を有している。具体的には、キサンテン系色素は、キナクリドン系色素と比較して、400乃至450nmの波長範囲又はその付近における透過率が高い。そのため、キサンテン系色素は、特開2005−292305号に記載されているように、多くのマゼンタ色フィルタセグメントにおいて使用されている。しかしながら、上記の通り、染料は、顔料と比較して耐性に劣る。
本態様に係る着色組成物は、キナクリドン系色素と比較して、短波長側(400乃至450nm)における透過率が高い。そして、本態様に係る着色組成物を使用すると、耐性に優れたフィルタセグメントが得られる。それ故、本態様に係る着色組成物をマゼンタ色のフィルタセグメントにおいて使用すると、例えば、色バランスと耐性とに優れた補色のカラーフィルタを得ることができる。
<<カラーフィルタ用着色組成物>>
上記の通り、本発明の第3態様に係るカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂と着色剤とを含有したカラーフィルタ用着色組成物である。この着色剤は、キサンテン系塩基性染料とキサンテン系酸性染料とからなる造塩生成物を含んでいる。例えば、キサンテン系塩基性染料及びキサンテン系酸性染料は、それぞれ、第1態様における塩基性染料及びカウンタ化合物である。なお、第3態様において、カウンタ化合物は、典型的には、第1態様においてカウンタ化合物について上述した範囲内の分子量を有しているが、この範囲外の分子量を有していてもよい。
<着色剤>
第3態様において使用する着色剤は、キサンテン系酸性染料とキサンテン系塩基性染料とからなる造塩生成物を含んでいる。
この着色剤は、例えば銅フタロシアニン顔料と併用した場合、425乃至440nmの波長範囲内又はその近傍において高い透過率を達成できる。それ故、銅フタロシアニン顔料及びジオキサジン顔料のみを組み合わせた従来の青色フィルタセグメントと比較して、高い明度と広い色再現性とを実現することができる。また、400乃至450nmの波長範囲における透過率が高いため、色バランスに優れた補色のカラーフィルタを得ることができる。
[キサンテン系酸性染料及びキサンテン系塩基性染料]
以下に、キサンテン系酸性染料及びキサンテン系塩基性染料について説明する。
(キサンテン系染料)
ここで好ましく用いることのできるキサンテン系染料は、赤色又は紫色を呈するものであって、酸性染料の形態及び/又は塩基性染料の形態を有するものである。
赤色又紫色を呈するとは、例えば、C.I.ベーシック レッド及びC.I.ベーシック バイオレット等の塩基性染料、C.I.アシッド レッド及びC.I.アシッド バイオレット等の酸性染料、又は、C.I.ダイレクト レッド及びC.I.ダイレクト バイオレット等の直接染料に属するものである。ここで直接染料は、構造中にスルホン酸基(−SO3H,−SO3Na)を有している染料である。本態様においては、直接染料は酸性染料として見なすこととする。また、油溶性染料のうち、スルホン酸基を有し、実質的に酸性染料の如く機能するものも、本態様においては酸性染料として見なすこととする。
キサンテン系酸性染料及びキサンテン系塩基性染料は、400乃至450nmの波長範囲において高い透過率を持つ分光特性を有している。しかしながら、キサンテン系酸性染料及びキサンテン系塩基性染料は、一般的な染料と同様に耐光性及び耐熱性が極めて乏しい。即ち、キサンテン系酸性染料及びキサンテン系塩基性染料は、高い信頼性が要求されるカラーフィルタに用いるには、特性が十分である。ここでは、この欠点を改善するために、キサンテン系酸性染料とキサンテン系塩基性染料との塩を使用する。かかる塩は、発色基を有するもの同士の造塩生成物であるので、発色性に優れている。
キサンテン系酸性染料及びキサンテン系塩基性染料は、波長が650nmの光に対する透過率が90%以上であり、波長が600nmの光に対する透過率が75%以上であり、波長が500乃至550nmの範囲内で透過率が5%以下であり、波長が400nmの光に対する透過率が70%以上であるものが好ましい。より好ましくは、波長が650nmの光に対する透過率が95%以上であり、波長が600nmの光に対する透過率が80%以上であり、波長が500乃至550nmの範囲内で透過率が10%以下であり、波長が400nmの光に対する透過率が75%以上である。
(キサンテン系酸性染料)
キサンテン系酸性染料としては、C.I.アシッド レッド 51(エリスロシン:食用赤色3号)、C.I.アシッド レッド 52(アシッドローダミン)、C.I.アシッド レッド 87(エオシンG:食用赤色103号)、C.I.アシッド レッド 92(アシッドフロキシンPB:食用赤色104号)、C.I.アシッド レッド 289、C.I.アシッド レッド 388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、又はC.I.アシッド バイオレット 9を用いることが好ましい。
中でも、C.I.アシッド レッド 52、C.I.アシッド レッド 87、C.I.アシッド レッド 92、C.I.アシッド レッド 289、又はC.I.アシッド レッド 388を用いることが特に好ましい。
(キサンテン系塩基性染料)
キサンテン系塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシック レッド 1(ローダミン6GCP)、C.I.ベーシック レッド 8(ローダミンG)、及びC.I.ベーシック バイオレット 10(ローダミンB)が挙げられる。
中でも、C.I.ベーシック レッド 1又はC.I.ベーシック バイオレット 10を用いることが特に好ましい。
キサンテン系塩基性染料の中でも、ローダミン系塩基性染料は、発色性及び耐性に優れているため特に好ましい。
[キサンテン系酸性染料とキサンテン系塩基性染料とからなる造塩生成物]
キサンテン系酸性染料とキサンテン系塩基性染料との造塩生成物は、高い耐熱性、耐光性及び耐溶剤性を有している。この造塩生成物は、以下の組み合わせの少なくとも1つであることが好ましい。
具体的には、C.I.ベーシック レッド 1とC.I.アシッド レッド 52との組み合わせ、C.I.ベーシック レッド 1とC.I.アシッド レッド 87との組み合わせ、C.I.ベーシック レッド 1とC.I.アシッド レッド 92との組み合わせ、C.I.ベーシック レッド 1とC.I.アシッド レッド 289との組み合わせ、C.I.ベーシック レッド 1とC.I.アシッド レッド 388との組み合わせ、C.I.ベーシック バイオレット 10とC.I.アシッド レッド 52との組み合わせ、C.I.ベーシック バイオレット 10とC.I.アシッド レッド 87との組み合わせ、C.I.ベーシック バイオレット 10とC.I.アシッド レッド 92との組み合わせ、C.I.ベーシック バイオレット 10とC.I.アシッド レッド 289との組み合わせ、C.I.ベーシック バイオレット 10とC.I.アシッド レッド 388との組み合わせ、C.I.ベーシック レッド 8とC.I.アシッド レッド 52との組み合わせ、C.I.ベーシック レッド 8とC.I.アシッド レッド 87との組み合わせ、C.I.ベーシック レッド 8とC.I.アシッド レッド 92との組み合わせ、C.I.ベーシック レッド 8とC.I.アシッド レッド 289との組み合わせ、及びC.I.ベーシック レッド 8とC.I.アシッド レッド 388との組み合わせは、反応安定性及び発色性に特に優れている。勿論、他の組み合わせから得られる造塩生成物を用いてもよい。
キサンテン系塩基性染料とキサンテン系酸性染料との造塩生成物は、従来から知られている方法により合成することができる。
例えば、キサンテン系酸性染料を水に溶解させた後、これに、キサンテン系塩基性染料又はその水溶液を添加し、攪拌することにより、造塩反応を生じさせればよい。これにより、キサンテン系酸性染料のスルホン酸基(例えば−SO3H又は−SO3Na)とキサンテン系塩基性染料のアミノ基とが結合した造塩生成物が得られる。
[酸基を有している樹脂]
上記の造塩生成物は、酸基を有している樹脂で変性することで、より安定な色材とすることができる。酸基を有している樹脂に関する事項は、第2態様において説明したのと同様である。
[その他の着色剤]
この着色組成物には、効果に支障を来たさない範囲で、その他の着色剤を更に添加することができる。中でも、造塩生成物と有機顔料とを併用すると、より優れた耐性を達成できる。
この着色組成物から青色又はシアン色フィルタセグメントを形成する場合、造塩生成物と併用する有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、アゾ系顔料、及びキナクリドン系顔料が挙げられる。中でも、フタロシアニン系顔料又はジオキサジン系顔料を使用することが好ましい。
フタロシアニン系顔料としては、例えば、C.I.ピグメント ブルー 15、C.I.ピグメント ブルー 15:1、C.I.ピグメント ブルー 15:2、C.I.ピグメント ブルー 15:3、C.I.ピグメント ブルー 15:4、及びC.I.ピグメント ブルー 15:6が挙げられる。中でも、ε型、β型又はα型の構造を有する銅フタロシアニン顔料が好ましい。これらの好ましい顔料は、具体的には、C.I.ピグメント ブルー 15:6、C.I.ピグメント ブルー 15:3、及びC.I.ピグメント ブルー 15:1である。
また、ジオキサジン系顔料としては、C.I.ピグメント バイオレット 23を用いることが好ましい。
これら顔料は、分光特性の観点で、上述した造塩生成物の量を100質量部とした場合、2乃至100質量部の範囲内の量で用いることが好ましい。
特に、上記着色組成物を青色又はシアン色着色組成物として使用する場合、上述した造塩生成物と銅フタロシアニン系顔料及び/又はジオキサジン系顔料とを併用することで、良好な耐性を達成できるのに加え、より高い明度を実現することができる。
上記着色組成物からマゼンタ色フィルタセグメントを形成する場合には、色調整の目的で、上述した造塩生成物と他の赤色又はマゼンタ色顔料とを併用することができる。併用可能な他の顔料としては、例えば、C.I.ピグメント レッド122、C.I.ピグメント レッド192、C.I.ピグメント レッド202、C.I.ピグメント レッド207、及びC.I.ピグメント レッド209が挙げられる。中でも、耐熱性、耐光性及び耐溶剤性に優れる点で、キナクリドン顔料を使用することが好ましい。
これら顔料は、色度領域を広げ、優れた分光特性を得る観点で、上記造塩生成物の質量を100質量部としたときに、40質量部以下の量で使用することが好ましい。
(顔料の微細化)
上述した顔料は、例えば、ソルトミリング処理によって微細化することができる。顔料の一次粒子径は、第1態様において説明した範囲内とすることが好ましい。ソルトミリング処理は、例えば、第1態様において説明したのと同様の方法により行うことができる。また、ソルトミリング処理には、例えば、第1態様において説明したのと同様の水溶性有機無機塩、水溶性有機溶剤及び樹脂を使用することができる。各種材料の使用量は、第1態様において説明した範囲内とすることが好ましい。
<透明樹脂>
透明樹脂は、着色剤、特に造塩生成物を分散及び又は溶解させるものである。透明樹脂としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。透明樹脂の使用量等も、例えば、第1態様において説明したのと同様とすることができる。
<分散>
この着色組成物は、第1態様において説明したのと同様の方法により製造することができる。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、第1態様と同様に、色素誘導体、樹脂型分散剤及び界面活性剤等の分散助剤を使用することができる。
色素誘導体としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。色素誘導体の配合量は、分散性向上の点から、第2態様において説明したのと同様とすることが好ましい。
樹脂型分散剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。市販の樹脂型分散剤としては、例えば、第2態様において例示したものを使用することができる。
界面活性剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。
樹脂型分散剤及び/又は界面活性剤を添加する場合には、それらの合計量は、第2態様において説明した範囲内とすることが好ましい。
この着色組成物は、光重合性組成物及び/又は光重合開始剤を更に添加して、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト)として使用することができる。
<光重合性組成物>
光重合性組成物においては、例えば、第2態様において例示したモノマー又はオリゴマーを使用することができる。これらモノマー及びオリゴマーの合計配合量は、第2態様において説明した範囲内とすることが好ましい。
<光重合開始剤>
紫外線照射を利用したフォトリソグラフィによりカラーフィルタ用着色組成物からフィルタセグメントを形成する場合、この着色組成物には光重合開始剤等が添加される。光重合開始剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。光重合開始剤を使用する場合、その配合量は、第1態様において説明したのと同様とすることが好ましい。
<増感剤>
カラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を更に含有させることができる。
増感剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。増感剤を使用する場合、その配合量は、第1態様において説明したのと同様とすることが好ましい。
<アミン系化合物>
カラーフィルタ用着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を更に含有させることができる。アミン系化合物としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。
<レベリング剤>
この着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を更に添加することが好ましい。
レベリング剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。レベリング剤を使用する場合、その配合量は、第1態様において説明したのと同様とすることが好ましい。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、又は両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。これら界面活性剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。
<硬化剤及び硬化促進剤>
この着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤及び硬化促進剤などを含有させてもよい。硬化剤及び硬化促進剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。硬化促進剤を使用する場合、その配合量は、第1態様において説明したのと同様とすることが好ましい。
<その他の添加剤成分>
この着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、この着色組成物には、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤及び密着向上剤としては、例えば、第1態様において説明したのと同様のものを使用することができる。貯蔵安定剤又は密着向上剤を使用する場合、その配合量は、第1態様において説明したのと同様とすることが好ましい。
<粗大粒子の除去>
この着色組成物からは、第1態様において説明したのと同様に、粗大粒子及び混入した塵を除去することが望ましい。即ち、この着色組成物は、0.5μm以上の粒子を実質的に含まないことが好ましく、0.3μm以上の粒子を実質的に含まないことがより好ましい。
<<カラーフィルタ>>
次に、本発明の第3態様に係るカラーフィルタについて説明する。
第2態様に係るカラーフィルタは、吸収スペクトルが異なり、典型的には規則的に配列した複数のフィルタセグメントを含んでいる。一形態に係るカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、及び少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備えている。他の形態に係るカラーフィルタは、少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント及び少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを備えている。第1態様に係るカラーフィルタでは、これらフィルタセグメントの少なくとも1つは、上述したカラーフィルタ用着色組成物から形成されている。
赤色フィルタセグメントは、例えば、赤色顔料と顔料担体とを含んだ赤色着色組成物から形成することができる。赤色着色組成物には、例えば、C.I.ピグメント レッド 7、C.I.ピグメント レッド 14、C.I.ピグメント レッド 41、C.I.ピグメント レッド 48:1、C.I.ピグメント レッド 48:2、C.I.ピグメント レッド 48:3、C.I.ピグメント レッド 48:4、C.I.ピグメント レッド 57:1、C.I.ピグメント レッド 81、C.I.ピグメント レッド 81:1、C.I.ピグメント レッド 81:2、C.I.ピグメント レッド 81:3、C.I.ピグメント レッド 81:4、C.I.ピグメント レッド 122、C.I.ピグメント レッド 146、C.I.ピグメント レッド 168、C.I.ピグメント レッド 169、C.I.ピグメント レッド 177、C.I.ピグメント レッド 178、C.I.ピグメント レッド 184、C.I.ピグメント レッド 185、C.I.ピグメント レッド 187、C.I.ピグメント レッド 200、C.I.ピグメント レッド 202、C.I.ピグメント レッド 208、C.I.ピグメント レッド 210、C.I.ピグメント レッド 242、C.I.ピグメント レッド 246、C.I.ピグメント レッド 254、C.I.ピグメント レッド 255、C.I.ピグメント レッド 264、C.I.ピグメント レッド 270、C.I.ピグメント レッド 272、C.I.ピグメント レッド 273、C.I.ピグメント レッド 274、C.I.ピグメント レッド 276、C.I.ピグメント レッド 277、C.I.ピグメント レッド 278、C.I.ピグメント レッド 279、C.I.ピグメント レッド 280、C.I.ピグメント レッド 281、C.I.ピグメント レッド 282、C.I.ピグメント レッド 283、C.I.ピグメント レッド 284、C.I.ピグメント レッド 285、C.I.ピグメント レッド 286、及びC.I.ピグメント レッド 287等の赤色顔料が用いられる。また、例えば、各々が赤色を呈する塩基性染料と酸性染料との造塩生成物を使用することもできる。
赤色着色組成物は、C.I.ピグメント オレンジ 43、71及びC.I.ピグメント オレンジ 73等の橙色顔料、C.I.ピグメント イエロー 1、C.I.ピグメント イエロー 2、C.I.ピグメント イエロー 3、C.I.ピグメント イエロー 4、C.I.ピグメント イエロー 5、C.I.ピグメント イエロー 6、C.I.ピグメント イエロー 10、C.I.ピグメント イエロー 12、C.I.ピグメント イエロー 13、C.I.ピグメント イエロー 14、C.I.ピグメント イエロー 15、C.I.ピグメント イエロー 16、C.I.ピグメント イエロー 17、C.I.ピグメント イエロー 18、C.I.ピグメント イエロー 24、C.I.ピグメント イエロー 31、C.I.ピグメント イエロー 32、C.I.ピグメント イエロー 34、C.I.ピグメント イエロー 35、C.I.ピグメント イエロー 35:1、C.I.ピグメント イエロー 36、C.I.ピグメント イエロー 36:1、C.I.ピグメント イエロー 37、C.I.ピグメント イエロー 37:1、C.I.ピグメント イエロー 40、C.I.ピグメント イエロー 42、C.I.ピグメント イエロー 43、C.I.ピグメント イエロー 53、C.I.ピグメント イエロー 55、C.I.ピグメント イエロー 60、C.I.ピグメント イエロー 61、C.I.ピグメント イエロー 62、C.I.ピグメント イエロー 63、C.I.ピグメント イエロー 65、C.I.ピグメント イエロー 73、C.I.ピグメント イエロー 74、C.I.ピグメント イエロー 77、C.I.ピグメント イエロー 81、C.I.ピグメント イエロー 83、C.I.ピグメント イエロー 93、C.I.ピグメント イエロー 94、C.I.ピグメント イエロー 95、C.I.ピグメント イエロー 97、C.I.ピグメント イエロー 98、C.I.ピグメント イエロー 100、C.I.ピグメント イエロー 101、C.I.ピグメント イエロー 104、C.I.ピグメント イエロー 106、C.I.ピグメント イエロー 108、C.I.ピグメント イエロー 109、C.I.ピグメント イエロー 110、C.I.ピグメント イエロー 113、C.I.ピグメント イエロー 114、C.I.ピグメント イエロー 115、C.I.ピグメント イエロー 116、C.I.ピグメント イエロー 117、C.I.ピグメント イエロー 118、C.I.ピグメント イエロー 119、C.I.ピグメント イエロー 120、C.I.ピグメント イエロー 123、C.I.ピグメント イエロー 126、C.I.ピグメント イエロー 127、C.I.ピグメント イエロー 128、C.I.ピグメント イエロー 129、C.I.ピグメント イエロー 138、C.I.ピグメント イエロー 139、C.I.ピグメント イエロー 147、C.I.ピグメント イエロー 150、C.I.ピグメント イエロー 151、C.I.ピグメント イエロー 152、C.I.ピグメント イエロー 153、C.I.ピグメント イエロー 154、C.I.ピグメント イエロー 155、C.I.ピグメント イエロー 156、C.I.ピグメント イエロー 161、C.I.ピグメント イエロー 162、C.I.ピグメント イエロー 164、C.I.ピグメント イエロー 166、C.I.ピグメント イエロー 167、C.I.ピグメント イエロー 168、C.I.ピグメント イエロー 169、C.I.ピグメント イエロー 170、C.I.ピグメント イエロー 171、C.I.ピグメント イエロー 172、C.I.ピグメント イエロー 173、C.I.ピグメント イエロー 174、C.I.ピグメント イエロー 175、C.I.ピグメント イエロー 176、C.I.ピグメント イエロー 177、C.I.ピグメント イエロー 179、C.I.ピグメント イエロー 180、C.I.ピグメント イエロー 181、C.I.ピグメント イエロー 182、C.I.ピグメント イエロー 185、C.I.ピグメント イエロー 187、C.I.ピグメント イエロー 188、C.I.ピグメント イエロー 193、C.I.ピグメント イエロー 194、C.I.ピグメント イエロー 198、C.I.ピグメント イエロー 199、C.I.ピグメント イエロー 213、C.I.ピグメント イエロー 214、C.I.ピグメント イエロー 218、C.I.ピグメント イエロー 219、C.I.ピグメント イエロー 220、及びC.I.ピグメント イエロー 221等の黄色顔料、又はそれらの2つ以上の組み合わせを更に含んでいてもよい。また、各々が橙色及び/又は黄色を呈する塩基性染料と酸性染料との造塩生成物を使用することもできる。
緑色フィルタセグメントは、例えば、緑色顔料と顔料担体とを含んだ緑色着色組成物から形成することができる。緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメント グリーン 7、C.I.ピグメント グリーン 10、C.I.ピグメント グリーン 36、C.I.ピグメント グリーン 37、又はC.I.ピグメント グリーン 58が用いられる。
緑色着色組成物は、黄色顔料を更に含んでいてもよい。併用可能な黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメント イエロー 1、C.I.ピグメント イエロー 2、C.I.ピグメント イエロー 3、C.I.ピグメント イエロー 4、C.I.ピグメント イエロー 5、C.I.ピグメント イエロー 6、C.I.ピグメント イエロー 10、C.I.ピグメント イエロー 12、C.I.ピグメント イエロー 13、C.I.ピグメント イエロー 14、C.I.ピグメント イエロー 15、C.I.ピグメント イエロー 16、C.I.ピグメント イエロー 17、C.I.ピグメント イエロー 18、C.I.ピグメント イエロー 24、C.I.ピグメント イエロー 31、C.I.ピグメント イエロー 32、C.I.ピグメント イエロー 34、C.I.ピグメント イエロー 35、C.I.ピグメント イエロー 35:1、C.I.ピグメント イエロー 36、C.I.ピグメント イエロー 36:1、C.I.ピグメント イエロー 37、C.I.ピグメント イエロー 37:1、C.I.ピグメント イエロー 40、C.I.ピグメント イエロー 42、C.I.ピグメント イエロー 43、C.I.ピグメント イエロー 53、C.I.ピグメント イエロー 55、C.I.ピグメント イエロー 60、C.I.ピグメント イエロー 61、C.I.ピグメント イエロー 62、C.I.ピグメント イエロー 63、C.I.ピグメント イエロー 65、C.I.ピグメント イエロー 73、C.I.ピグメント イエロー 74、C.I.ピグメント イエロー 77、C.I.ピグメント イエロー 81、C.I.ピグメント イエロー 83、C.I.ピグメント イエロー 93、C.I.ピグメント イエロー 94、C.I.ピグメント イエロー 95、C.I.ピグメント イエロー 97、C.I.ピグメント イエロー 98、C.I.ピグメント イエロー 100、C.I.ピグメント イエロー 101、C.I.ピグメント イエロー 104、C.I.ピグメント イエロー 106、C.I.ピグメント イエロー 108、C.I.ピグメント イエロー 109、C.I.ピグメント イエロー 110、C.I.ピグメント イエロー 113、C.I.ピグメント イエロー 114、C.I.ピグメント イエロー 115、C.I.ピグメント イエロー 116、C.I.ピグメント イエロー 117、C.I.ピグメント イエロー 118、C.I.ピグメント イエロー 119、C.I.ピグメント イエロー 120、C.I.ピグメント イエロー 123、C.I.ピグメント イエロー 126、C.I.ピグメント イエロー 127、C.I.ピグメント イエロー 128、C.I.ピグメント イエロー 129、C.I.ピグメント イエロー 138、C.I.ピグメント イエロー 139、C.I.ピグメント イエロー 147、C.I.ピグメント イエロー 150、C.I.ピグメント イエロー 151、C.I.ピグメント イエロー 152、C.I.ピグメント イエロー 153、C.I.ピグメント イエロー 154、C.I.ピグメント イエロー 155、C.I.ピグメント イエロー 156、C.I.ピグメント イエロー 161、C.I.ピグメント イエロー 162、C.I.ピグメント イエロー 164、C.I.ピグメント イエロー 166、C.I.ピグメント イエロー 167、C.I.ピグメント イエロー 168、C.I.ピグメント イエロー 169、C.I.ピグメント イエロー 170、C.I.ピグメント イエロー 171、C.I.ピグメント イエロー 172、C.I.ピグメント イエロー 173、C.I.ピグメント イエロー 174、C.I.ピグメント イエロー 175、C.I.ピグメント イエロー 176、C.I.ピグメント イエロー 177、C.I.ピグメント イエロー 179、C.I.ピグメント イエロー 180、C.I.ピグメント イエロー 181、C.I.ピグメント イエロー 182、C.I.ピグメント イエロー 185、C.I.ピグメント イエロー 187、C.I.ピグメント イエロー 188、C.I.ピグメント イエロー 193、C.I.ピグメント イエロー 194、C.I.ピグメント イエロー 198、C.I.ピグメント イエロー 199、C.I.ピグメント イエロー 213、C.I.ピグメント イエロー 214、C.I.ピグメント イエロー 218、C.I.ピグメント イエロー 219、C.I.ピグメント イエロー 220、及びC.I.ピグメント イエロー 221が挙げられる。また、各々が黄色を呈する塩基性染料と酸性染料との造塩生成物を併用することもできる。
シアン色フィルタセグメントは、例えば、青色顔料又はシアン色顔料と顔料担体とを含んだシアン色着色組成物から形成することができる。青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメント ブルー 15、C.I.ピグメント ブルー 15:1、C.I.ピグメント ブルー 15:2、C.I.ピグメント ブルー 15:3、C.I.ピグメント ブルー 15:4、C.I.ピグメント ブルー 15:6、C.I.ピグメント ブルー 16、C.I.ピグメント ブルー 22、C.I.ピグメント ブルー 60、又はC.I.ピグメント ブルー 64を用いることができる。この中でも、銅フタロシアニン系顔料であるC.I.ピグメント ブルー 15、C.I.ピグメント ブルー 15:1、C.I.ピグメント ブルー 15:2、C.I.ピグメント ブルー 15:3、C.I.ピグメント ブルー 15:4、及びC.I.ピグメント ブルー 15:6が好ましい。また、各々が青色を呈する塩基性染料と酸性染料との造塩生成物を使用することもできる。
イエロー色フィルタセグメントは、例えば、黄色顔料と顔料担体とを含んだ黄色着色組成物から形成することができる。黄色顔料としては、例えば、緑色顔料と併用可能な黄色顔料として例示した顔料を用いることができる。また、各々が黄色を呈する塩基性染料と酸性染料との造塩生成物を使用することもできる。
<カラーフィルタの製造方法>
このカラーフィルタは、例えば、第1態様において説明したのと同様の方法により製造することができる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、断り書きがない限り、「部」は「質量部」を意味する。
まず、実施例及び比較例において行った各種測定方法等について説明する。
アクリル樹脂の重合平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。この重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)により、展開溶媒としてTHFを使用して測定した。
造塩生成物及びローダミン系化合物の粉砕後における平均粒径は、ベックマンコールター社製マルチサイザー3を用い、アパチャー径100μmの条件で得られた体積平均粒径である。
また、顔料の微細化度は顔料粒子の比表面積で評価した。比表面積の測定は、自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)を使用して、窒素を用いたBET(Brunauer-Emmett-Teller)法により行った。
次に、実施例及び比較例に用いたアクリル樹脂溶液、造塩生成物、及びローダミン系化合物の製造方法、並びに顔料の微細化方法を説明する。
<<試験1>>
試験1は、第1態様に関する。試験1では、第1態様に対応した例を「実施例」として記載し、その他の例を「比較例」として記載する。
<アクリル樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに、温度計、冷却管、窒素ガス導入管及び撹拌装置を取り付け、この反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込んだ。80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応を更に3時間継続し、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングした。これを180℃で20分間に亘る加熱によって乾燥させ、不揮発分を測定した。このようにして得られた不揮発成分含有量に基づいて、先に合成した樹脂溶液に、不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)を添加して、アクリル樹脂溶液1を調製した。
<造塩生成物の製造方法>
(ローダミン系造塩生成物1、1−1、1−2及び1−3の生成)
2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸(分子量334)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。この2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、これにローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6GCP染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミン6GCP染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、この溶液を70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6GCP染料と2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸との造塩生成物であるローダミン系造塩生成物1を得た。
次に、100質量部のローダミン系造塩生成物1に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価130、重量平均分子量1000、荒川化学社製マルキードNo.32)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、ローダミン系造塩生成物1−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
また、100質量部のローダミン系造塩生成物1に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価35、重量平均分子量3500、荒川化学社製マルキードNo.8)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、ローダミン系造塩生成物1−2として、平均粒径10μmの粒子を得た。
更に、100質量部のローダミン系造塩生成物1に、熱可塑性ポリエステル樹脂を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。熱可塑性ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA、及びエチレングリコールから構成されたポリエステル樹脂(酸価10mgKOH/g、OH価43mgKOH/g、重量平均分子量3500)を使用した。なお、この分子量は、ロジン変性マレイン酸樹脂と同様の条件で求めた。また、この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、ローダミン系造塩生成物1−3として、平均粒径10μmの粒子を得た。
(ローダミン系造塩生成物2及び2−1の生成)
1−ナフチルアミン−3,6,8−トリスルホン酸(コッホ酸)(分子量383)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。この1−ナフチルアミン−3,6,8−トリスルホン酸(コッホ酸)ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、これにローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6GCP染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミン6GCP染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、この溶液を70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6GCP染料と1−ナフチルアミン−3,6,8−トリスルホン酸(コッホ酸)との造塩生成物であるローダミン系造塩生成物2を得た。
次に、100質量部のローダミン系造塩生成物2に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価100、重量平均分子量1600、荒川化学社製マルキードNo.3002)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、ローダミン系造塩生成物2−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
(ローダミン系造塩生成物3及び3−1の生成)
アントラセンスルホン酸(分子量258)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。このアントラセンスルホン酸ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、これにローダミンB染料(C.I.ベーシック バイオレット10)を少しずつ滴下した。ローダミンB染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミンB染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、この溶液を70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミンB染料とアントラセンスルホン酸との造塩生成物であるローダミン系造塩生成物3を得た。
次に、100質量部のローダミン系造塩生成物3に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価100、重量平均分子量1600、荒川化学社製マルキードNo.3002)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、ローダミン系造塩生成物3−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
(ローダミン系造塩生成物4及び4−1の生成)
リンタングステン酸(分子量2880)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。このリンタングステン酸ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、ローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6GCP染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミン6GCP染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、この溶液を70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6GCP染料とリンタングステン酸との造塩生成物であるローダミン系造塩生成物4を得た。
次に、100質量部のローダミン系造塩生成物4に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価100、重量平均分子量1600、荒川化学社製マルキードNo.3002)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、ローダミン系造塩生成物4−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
(ローダミン系造塩生成物5及び5−1の生成)
タートラジン(食用黄色4号:C.I.アシッド イエロー23)(分子量534)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。このタートラジンナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、これにローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6GCP染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミン6GCP染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、この溶液を70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6GCP染料とタートラジンとの造塩生成物であるローダミン系造塩生成物5を得た。
次に、100質量部のローダミン系造塩生成物5に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価100、重量平均分子量1600、荒川化学社製マルキードNo.3002)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、ローダミン系造塩生成物5−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
(ローダミン系造塩生成物10及び10−1の生成)
2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(トビアス酸)(分子量223)を9モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。この2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(トビアス酸)ナトリウム塩水溶液を85℃に加熱した後、ローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6GCP染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミン6GCP染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、85℃で55分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6GCP染料と2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(トビアス酸)との造塩生成物であるローダミン系造塩生成物10を得た。
次に、100質量部のローダミン系造塩生成物10に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価100、重量平均分子量1600、荒川化学社製マルキードNo.3002)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、ローダミン系造塩生成物10−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
(トリアリールメタン系造塩生成物1及び1−1の生成)
2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸(分子量334)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。この2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、これにビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)を少しずつ滴下した。ビクトリアピュアブルー染料は、水溶液として用いてもよい。ビクトリアピュアブルー染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、この溶液を70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ビクトリアピュアブルー染料と2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸との造塩生成物であるトリアリールメタン系造塩生成物1を得た。
次に、100質量部のトリアリールメタン系造塩生成物1に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価130、重量平均分子量1000、荒川化学社製マルキードNo.32)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、トリアリールメタン系造塩生成物1−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
(トリアリールメタン系造塩生成物2及び2−1の生成)
1−ナフチルアミン−3,6,8−トリスルホン酸(コッホ酸)(分子量383)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。この1−ナフチルアミン−3,6,8−トリスルホン酸(コッホ酸)ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、マラカイトグリーン染料(C.I.ベーシック グリーン 4)を少しずつ滴下した。マラカイトグリーン染料は、水溶液として用いてもよい。マラカイトグリーン染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、この溶液を70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、マラカイトグリーン染料と1−ナフチルアミン−3,6,8−トリスルホン酸(コッホ酸)との造塩生成物であるトリアリールメタン系造塩生成物2を得た。
次に、100質量部のトリアリールメタン系造塩生成物2に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価200、重量平均分子量750、荒川化学社製マルキードNo.31)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、トリアリールメタン系造塩生成物2−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
(トリアリールメタン系造塩生成物10及び10−1の生成)
2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(トビアス酸)(分子量223)を9モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。この2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(トビアス酸)(分子量223)ナトリウム塩水溶液を85℃に加熱した後、ビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)を少しずつ滴下した。ビクトリアピュアブルー染料は、水溶液として用いてもよい。ビクトリアピュアブルー染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、85℃で55分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ビクトリアピュアブルー染料と2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(トビアス酸)との造塩生成物であるトリアリールメタン系造塩生成物10を得た。
次に、100質量部のトリアリールメタン系造塩生成物10に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価200、重量平均分子量750、荒川化学社製マルキードNo.31)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、トリアリールメタン系造塩生成物10−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
(トリアリールメタン系造塩生成物11及び11−1の生成)
1−アミノ−5−ナフタレンスルホン酸(ローレンツ酸)(分子量223)を9モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。この1−アミノ−5−ナフタレンスルホン酸(ローレンツ酸)(分子量223)ナトリウム塩水溶液を85℃に加熱した後、ビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)を少しずつ滴下した。ビクトリアピュアブルー染料は、水溶液として用いてもよい。ビクトリアピュアブルー染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、85℃で55分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ビクトリアピュアブルー染料と1−アミノ−5−ナフタレンスルホン酸(ローレンツ酸)との造塩生成物であるトリアリールメタン系造塩生成物11を得た。
次に、100質量部のトリアリールメタン系造塩生成物11に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価200、重量平均分子量750、荒川化学社製マルキードNo.31)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、トリアリールメタン系造塩生成物11−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
(トリアリールメタン系造塩生成物12及び12−1の生成)
1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸(NW酸)(分子量224)を9モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。この1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸(NW酸)(分子量224)ナトリウム塩水溶液を85℃に加熱した後、ビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)を少しずつ滴下した。ビクトリアピュアブルー染料は、水溶液として用いてもよい。ビクトリアピュアブルー染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、85℃で55分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ビクトリアピュアブルー染料と1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸(NW酸)との造塩生成物であるトリアリールメタン系造塩生成物12を得た。
次に、100質量部のトリアリールメタン系造塩生成物12に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価200、重量平均分子量750、荒川化学社製マルキードNo.31)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、トリアリールメタン系造塩生成物12−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
(フラビン系造塩生成物1及び1−1の生成)
アントラセンスルホン酸(分子量258)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。このアントラセンスルホン酸ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、フラビン染料(C.I.ベーシック イエロー1)を少しずつ滴下した。フラビン染料は、水溶液として用いてもよい。フラビン染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、この溶液を70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、フラビン染料とアントラセンスルホン酸との造塩生成物であるフラビン系造塩生成物1を得た。
次に、100質量部のフラビン系造塩生成物1に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価300、重量平均分子量450、荒川化学社製マルキードNo.33)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、フラビン系造塩生成物1−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
(メチレンブルー系造塩生成物1及び1−1の生成)
2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸(分子量334)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。この2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、メチレンブルーFZ染料(C.I.ベーシック ブルー 9)を少しずつ滴下した。メチレンブルーFZ染料は、水溶液として用いてもよい。メチレンブルーFZ染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、この溶液を70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、メチレンブルーFZ染料と2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸との造塩生成物であるメチレンブルー系造塩生成物1を得た。
100質量部のメチレンブルー系造塩生成物1に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価130、重量平均分子量1000、荒川化学社製マルキードNo.32)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、メチレンブルー系造塩生成物1−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
(ローダミン系造塩生成物6及び6−1の生成)
3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(分子量188)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。この3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、ローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6GCP染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミン6GCP染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、この溶液を70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6GCP染料と3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との造塩生成物であるローダミン系造塩生成物6を得た。
次に、100質量部のローダミン系造塩生成物6に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価130、重量平均分子量1000、荒川化学社製マルキードNo.32)を20質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、ローダミン系造塩生成物6−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
<ローダミン系化合物の製造方法>
(ローダミン系化合物1−1の生成)
ローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)100質量部に、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価35、重量平均分子量3600、荒川化学社製マルキードNo.8)を50質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、45分間に亘って行った。冷却後、機械式粉砕機(アーステクニカ社製クリプトロンKTM1型)を用いて微粉砕を行い、ローダミン系化合物1−1として、平均粒径10μmの粒子を得た。
<微細化顔料の製造方法>
(赤色微細顔料1の生成)
ジケトピロロピロール系赤色顔料であるC.I.ピグメント レッド 254(チバ・ジャパン社製「IRGAZIN RED 2030」、比表面積65m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させて、190部の赤色微細顔料1を得た。赤色微細顔料1の比表面積は80m2/gであった。
(緑色微細顔料1の生成)
フタロシアニン系緑色顔料であるC.I.ピグメント グリーン 36(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン 6YK」、比表面積60m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の緑色微細顔料1を得た。緑色微細顔料1の比表面積は75m2/gであった。
(黄色微細顔料1の生成)
ニッケル錯体系黄色顔料であるC.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」、比表面積100m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の黄色微細顔料1を得た。黄色微細顔料1の比表面積は130m2/gであった。
(青色微細顔料1の生成)
フタロシアニン系青色顔料であるC.I.ピグメント ブルー 15:6(東洋インキ製造株式会社製「LIONOL BLUE ES」、比表面積60m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の青色微細顔料1を得た。青色微細顔料1の比表面積は80m2/gであった。
(紫色微細顔料1の生成)
ジオキサジン系紫色顔料であるC.I.ピグメント バイオレット 23(東洋インキ製造株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」、比表面積75m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の紫色微細顔料1を得た。紫色微細顔料1の比表面積は95m2/gであった。
[実施例1乃至16及び比較例1乃至7]
(実施例1:カラーフィルタ用着色組成物(D−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)により5時間に亘る分散処理を行った。その後、分散液を5.0μmのフィルタで濾過して、カラーフィルタ用着色組成物(D−1)を得た。
ローダミン系造塩生成物1 :11.0部
アクリル樹脂溶液1 :40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC):48.0部
樹脂型分散剤(EFKA4300) : 1.0部
(実施例2乃至16及び比較例1乃至7:カラーフィルタ用着色組成物(D−2)乃至(D−23))
ローダミン系造塩生成物1を表1に示す着色剤で置き換えたこと以外は、実施例1の着色組成物(D−1)と同様にして、カラーフィルタ用着色組成物(D−2)乃至(D−23)を調製した。
Figure 0005836126
[着色組成物の評価]
着色組成物(D−1)乃至(D−23)の色特性の評価及び耐熱性試験を下記の方法で行った。
(色特性及び耐熱性の評価方法)
ガラス基板上に、着色組成物(D−1)乃至(D−23)の各々を、C光源のもとで表2に示す色相を呈するように塗布し、基板を230℃で20分間に亘って加熱した。その後、このようにして着色層を形成した基板の明度Yを、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。
Figure 0005836126
また、着色層を形成した上記基板について、C光源のもとでの色差1(L*(1),a*(1),b*(1))を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、着色層を形成した上記基板を、オーブンにおいて250℃で1時間に亘って加熱する耐熱試験に供し、更に、C光源のもとでの色差2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定した。
これら色差値を用いて、下記計算式により、色差変化率ΔEab*を算出した。そして、この色差変化率ΔEab*に基づいて、塗膜の耐熱性を下記の4段階で評価した。
Figure 0005836126
◎:ΔEab*が1.5未満
○:ΔEab*が1.5以上、3.0未満
△:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
×:ΔEab*が5.0以上
色特性及び耐熱性の評価結果を表3に示す。
Figure 0005836126
(色特性及び耐熱性の評価結果)
着色剤として造塩生成物を含んだ着色組成物(D−1)乃至(D−12)及び(D−20)乃至(D−23)を用いた場合、着色剤として顔料のみを含んだ着色組成物(D−15)乃至(D−19)を用いた場合と比較して、より高い明度Yが得られた。比較例2の着色組成物(D−14)では、カウンタ化合物(アニオン成分)と造塩していない着色剤を用いたため発色が弱く、着色力がないために、明度が低い結果となった。
また、耐熱性についても、造塩生成物を含んだ着色組成物(D−1)乃至(D−12)及び(D−20)乃至(D−23)を用いた場合、良好な結果が得られた。ローダミン系造塩生成物1を含んだ着色組成物(D−1)乃至(D−4)を用いた場合に得られた結果を比較すると、分子量が400乃至12000の範囲内にあり、酸価が100乃至300mgKOH/mgの範囲内にあるロジン変性マレイン酸樹脂を使用した場合、他の場合とほぼ同等の明度を達成でき、より優れた耐熱性を達成できた。
上記の結果から、特定の造塩生成物を含んだ着色組成物は、色特性及び耐熱性の両方において優れた性能を発揮することが明らかになった。
[実施例17乃至46及び比較例8乃至12]
(実施例13:レジスト材(R−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材(R−1)を得た。
着色組成物(D−8) :50.0部
着色組成物(D−11) :10.0部
アクリル樹脂溶液1 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」 ) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :23.2部
(実施例17乃至46及び比較例8乃至12:レジスト材(R−2)乃至(R−35))
着色組成物を表4に示す着色組成物で置き換え、その配合量を表4に示すように変更したこと以外は、レジスト材(R−1)と同様にしてアルカリ現像型レジスト材(R−2)乃至(R−35)を得た。なお、複数の着色組成物を併用しているが、レジスト材の全体を100部とした場合、着色組成物の合計量は60部である。
Figure 0005836126
[レジスト材の評価]
レジスト材(R−1)乃至(R−35)の色特性の評価及び耐性(耐熱性、耐光性及び耐溶剤性)試験を下記の方法で行った。
(色特性の評価)
ガラス基板上に、レジスト材を塗布した。具体的には、赤色レジスト材(R−1)乃至(R−12)、(R−27)乃至(R−29)及び(R−32)は、C光源のもとでの色度がx=0.640、y=0.330となるような膜厚に塗布した。緑色レジスト材(R−13乃至18)及び(R−30)は、C光源のもとでの色度がx=0.300、y=0.600となるような膜厚に塗布した。青色レジスト材(R−19)乃至(R−26)、(R−31)及び(R−33)乃至(R−35)は、C光源のもとでの色度がx=0.150、y=0.060となるような膜厚に塗布した。次いで、基板を230℃で20分間に亘って加熱することにより、基板上に着色層を形成した。その後、着色層を形成した基板の明度Yを、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。評価結果を表5に示す。
Figure 0005836126
赤色レジスト材(R−1)乃至(R−12)、(R−27)乃至(R−29)及び(R−32)については、耐性(耐熱性、耐光性及び耐溶剤性)の試験を下記手順で行った。
(塗膜耐熱性試験の方法)
透明基板上にレジスト材を乾燥塗膜が約2.5μmとなるように塗布し、この塗膜を、所定のパターンを有するマスクを介して紫外線で露光した。この塗膜にアルカリ現像液を噴霧して未硬化部を除去することによって、所望のパターンを形成した。その後、これをオーブンにおいて230℃で1時間に亘って加熱した。放冷後、得られた塗膜のC光源のもとでの色差1(L*(1),a*(1),b*(1))を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、これをオーブンにおいて250℃で1時間に亘って加熱する耐熱試験に供し、更に、C光源のもとでの色差2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定した。
これら色差値を用いて、下記計算式により、色差変化率ΔEab*を算出した。そして、色差変化率ΔEab*に基づいて、塗膜の耐熱性を下記の4段階で評価した。
Figure 0005836126
◎:ΔEab*が1.5未満
○:ΔEab*が1.5以上、3.0未満
△:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
×:ΔEab*が5.0以上
(塗膜耐光性試験の方法)
塗膜耐熱性試験と同じ手順で試験用基板を作製し、C光源のもとでの色差1(L*(1),a*(1),b*(1))を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、基板を耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、500時間放置した。基板を取り出した後、C光源のもとでの色差2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定した。これら色差値を用いて、塗膜耐熱性試験と同様にして色差変化率ΔEab*を算出し、耐熱性と同様の基準により塗膜の耐光性を4段階で評価した。
(塗膜耐溶剤性試験の方法)
耐熱性試験と同じ手順で試験用基板を作製し、C光源のもとでの色差1(L*(1),a*(1),b*(1))を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、基板をN−メチルピロリドンに30分間に亘って浸漬させた。基板を取り出した後、C光源のもとでの色差2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定した。これら色差値を用いて、塗膜耐熱性試験と同様にして色差変化率ΔEab*を算出し、耐熱性と同様の基準により塗膜の耐溶剤性を4段階で評価した。
耐性(耐熱性、耐光性、耐溶剤性)試験の結果を表6に示す。
Figure 0005836126
(色特性及び耐性の評価結果)
赤色レジスト材(R−1)乃至(R−12)、(R−27)乃至(R−29)及び(R−32)について得られた結果を比較すると、レジスト材(R−1)乃至(R−12)、(R−27)及び(R−32)を用いた場合、着色剤が顔料のみでレジスト材(R−29)を用いた場合と比較して、明度Yが高い値となっていた。緑色レジスト材(R−13)乃至(R−18)及び(R−18)についても、着色剤が顔料のみで構成されたレジスト材を用いた場合、着色剤が造塩生成物を含んだレジスト材を用いた場合と比較して明度がより低かった。同様に、青色レジスト(R−19)乃至(R−26)、(R−31)及び(R−33)乃至(R−35)についても、着色剤が顔料のみで構成されたレジスト材を用いた場合、着色剤が造塩生成物を含んだレジスト材を用いた場合と比較して明度がより低かった。また、レジスト材(R−28)を使用した場合、カウンタ化合物(アニオン成分)と造塩していない着色剤を用いたため発色が弱く、着色力がないために明度が低い結果となった。
また、レジスト材(R−1)乃至(R−12)、(R−27)乃至(R−29)及び(R−32)を使用した場合、耐熱性についても良好な結果が得られた。レジスト材(R−3)乃至(R−6)について得られた結果を比較すると、分子量が400乃至12000の範囲内にあり、酸価が100乃至300mgKOH/mgの範囲内にあるロジン変性マレイン酸樹脂を含んだ着色組成物(D−2)を含んだレジスト材(R−4)を使用した場合、レジスト材(R−3)、(R−5)及び(R−6)を使用した場合よりも優れた明度及び耐熱性を達成できた。レジスト材(R−27)を用いた場合、良好な色特性を達成できたが、造塩に用いるカウンタ化合物の分子量が250を下回っていたため、耐性が悪かった。レジスト材(R−28)を用いた場合、レジスト材(R−27)を用いた場合よりも若干優れた耐性を達成できたが、前述のように明度が低い値であった。また、レジスト材(R−29)を用いた場合、良好な耐性を達成できたが、明度が低く、色特性が劣っていた。
(カラーフィルタの作製)
ガラス基板上に、遮光パターンであるブラックマトリクスを形成し、次いで、スピンコーターを用いて赤色レジスト材(レジスト材(R−1))を塗布した。赤色レジスト材は、C光源のもとでの色度がx=0.640、y=0.330となるような膜厚に塗布した。この塗膜に、フォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで、この塗膜を、0.2質量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液を用いたスプレー現像に供して未露光部を除去し、イオン交換水で洗浄した。更に、この基板を230℃で20分間に亘って加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。
次に、この基板上に、上記と同様の方法により、緑色レジスト材(レジスト材(R−13))を塗布した。緑色レジスト材は、C光源のもとでの色度がx=0.300、y=0.600となるような膜厚に塗布した。この塗膜を、赤色フィルタセグメントについて上述したのと同様の露光、現像、洗浄及び焼成に供して、緑色フィルタセグメントを形成した。更に、この基板上に、上記と同様の方法により、青色レジスト材(レジスト材(R−19))を塗布した。青色レジスト材は、C光源のもとでの色度がx=0.150、y=0.06となるような膜厚に塗布した。この塗膜を、赤色フィルタセグメントについて上述したのと同様の露光、現像、洗浄及び焼成に供して、青色フィルタセグメントを形成した。以上のようにして、カラーフィルタを得た。
以上の通り、所定の造塩生成物を用いることにより、色特性並びに耐熱性、耐光性及び耐溶剤性の全てに優れたカラーフィルタを得ることが可能になる。
<<試験2>>
試験2は、第2態様に関する。試験2では、第2態様に対応した例を「実施例」として記載し、その他の例を「比較例」として記載する。
<アクリル樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1Aの調製)
セパラブル4口フラスコに、温度計、冷却管、窒素ガス導入管及び撹拌装置を取り付け、この反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込んだ。80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応を更に3時間継続し、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングした。これを180℃で20分間に亘る加熱によって乾燥させ、不揮発分を測定した。このようにして得られた不揮発成分含有量に基づいて、先に合成した樹脂溶液に、不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)を添加して、アクリル樹脂溶液1Aを調製した。
<造塩生成物の製造方法>
(造塩生成物1A)
下記の手順でビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)とキサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 289)とからなる造塩生成物1Aを合成した。
キサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 289)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。このキサンテン系酸性染料ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、これにビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)を少しずつ滴下した。ビクトリアピュアブルー染料は、水溶液として用いてもよい。ビクトリアピュアブルーの滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)とキサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 289)との造塩生成物である造塩生成物1Aを得た。
(造塩生成物2A)
下記の手順でビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)とローダミン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 52:アシッドローダミンB)とからなる造塩生成物2Aを合成した。
ローダミン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 52)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。このローダミン系酸性染料ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、ビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)を少しずつ滴下した。ビクトリアピュアブルー染料は、水溶液として用いてもよい。ビクトリアピュアブルーの滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)とローダミン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 52)との造塩生成物である造塩生成物2Aを得た。
(造塩生成物3A)
下記の手順でビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)とキサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 87:エオシン)とからなる造塩生成物3Aを合成した。
キサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 87)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。このキサンテン系酸性染料ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、ビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)を少しずつ滴下した。ビクトリアピュアブルー染料は、水溶液として用いてもよい。ビクトリアピュアブルーの滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)とキサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 87)との造塩生成物である造塩生成物3Aを得た。
(造塩生成物4A)
下記の手順でビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)とキサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 92:フロキシンB)とからなる造塩生成物4Aを合成した。
キサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 92)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。このキサンテン系酸性染料ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、ビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)を少しずつ滴下した。ビクトリアピュアブルー染料は、水溶液として用いてもよい。ビクトリアピュアブルーの滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)とキサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 92)との造塩生成物である造塩生成物4Aを得た。
(造塩生成物5A)
下記の手順でローダミン6G染料(C.I.ベーシック レッド 1)とトリフェニルメタン系酸性染料(C.I.アシッド ブルー 1)とからなる造塩生成物5Aを合成した。
トリフェニルメタン系酸性染料(C.I.アシッド ブルー 1)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。このトリフェニルメタン系酸性染料ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、ローダミン6G染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6G染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミン6Gの滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6G染料(C.I.ベーシック レッド 1)とトリフェニルメタン系酸性染料(C.I.アシッド ブルー 1)との造塩生成物である造塩生成物5Aを得た。
(造塩生成物6A)
下記の手順でローダミン6G染料(C.I.ベーシック レッド 1)とトリフェニルメタン系酸性染料(C.I.アシッド ブルー 93)とからなる造塩生成物6Aを合成した。
トリフェニルメタン系酸性染料(C.I.アシッド ブルー 93)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。このトリフェニルメタン系酸性染料ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、ローダミン6G染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6G染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミン6Gの滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6G染料(C.I.ベーシック レッド 1)とトリフェニルメタン系酸性染料(C.I.アシッド ブルー 93)との造塩生成物である造塩生成物6Aを得た。
(造塩生成物7A)
下記の手順でローダミンB染料(C.I.ベーシック バイオレット 10)とトリフェニルメタン系酸性染料(C.I.アシッド ブルー 1)とからなる造塩生成物7Aを合成した。
トリフェニルメタン系酸性染料(C.I.アシッド ブルー 1)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。このトリフェニルメタン系酸性染料ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、ローダミンB染料(C.I.ベーシック バイオレット 10)を少しずつ滴下した。ローダミンB染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミンBの滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6G染料(C.I.ベーシック レッド 1)とトリフェニルメタン系酸性染料(C.I.アシッド ブルー 1)との造塩生成物である造塩生成物7Aを得た。
(造塩生成物8A及び9A)
下記の手順でローダミン6G染料(C.I.ベーシック レッド 1)とトリフェニルメタン系酸性染料(C.I.アシッド ブルー 3)とからなる造塩生成物8Aを合成した。
トリフェニルメタン系酸性染料(C.I.アシッド ブルー 3)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。このトリフェニルメタン系酸性染料ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、ローダミン6G染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6G染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミン6Gの滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6G染料(C.I.ベーシック レッド 1)とトリフェニルメタン系酸性染料(C.I.アシッド ブルー 3)との造塩生成物である造塩生成物8Aを得た。
次に、100質量部の造塩生成物8Aに、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価130、荒川化学社製マルキードNo.32)を30質量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、ジェット気流式粉砕機(日本ニューマチック工業社製IDS−2型)を用いて微粉砕を行い、造塩生成物9Aとして、平均粒径10μmの粒子を得た。
(造塩生成物10A)
下記の手順でビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)と1−ナフタレンスルホン酸とからなる造塩生成物10Aを合成した。
1−ナフタレンスルホン酸を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。この1−ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、ビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)を少しずつ滴下した。ビクトリアピュアブルー染料は、水溶液として用いてもよい。ビクトリアピュアブルー染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ビクトリアピュアブルー染料と1−ナフタレンスルホン酸との造塩生成物である造塩生成物10Aを得た。
(造塩生成物11A)
下記の手順でローダミン6G染料(C.I.ベーシック レッド 1)と1−ナフタレンスルホン酸とからなる造塩生成物11Aを合成した。
1−ナフタレンスルホン酸を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌することにより、そのナトリウム塩を得た。この1−ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩水溶液を70乃至90℃に加熱した後、ローダミン6G染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6G染料は、水溶液として用
いてもよい。ローダミン6G染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6G染料と1−ナフタレンスルホン酸との造塩生成物である造塩生成物11Aを得た。
<微細化顔料の製造方法>
(青色微細顔料1Aの生成)
フタロシアニン系青色顔料であるC.I.ピグメント ブルー 15:6(東洋インキ製造株式会社製「LIONOL BLUE ES」、比表面積60m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の青色微細顔料1Aを得た。青色微細顔料1Aの比表面積は80m2/gであった。
(紫色微細顔料1Aの生成)
ジオキサジン系紫色顔料であるC.I.ピグメント バイオレット 23(東洋インキ製造株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」、比表面積75m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の紫色微細顔料1Aを得た。紫色微細顔料1Aの比表面積は95m2/gであった。
(赤色微細顔料1Aの生成)
ジケトピロロピロール系赤色顔料であるC.I.ピグメント レッド 254(チバ・ジャパン社製「IRGAZIN RED 2030」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の赤色微細顔料1Aを得た。
(緑色微細顔料1Aの生成)
フタロシアニン系緑色顔料であるC.I.ピグメント グリーン 36(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン 6YK」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の緑色微細顔料1Aを得た。
(黄色微細顔料1Aの生成)
イソインドリン系黄色顔料であるC.I.ピグメント イエロー 139(チバ・ジャパン社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)500部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間に亘って混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、490部の黄色微細顔料1Aを得た。
(黄色微細顔料2Aの生成)
ニッケル錯体系黄色顔料であるC.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の黄色微細顔料2Aを得た。
<顔料分散体の製造方法>
(顔料分散体(P−1A)の調製)
下記の混合物を均一になるように攪拌した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)により5時間に亘る分散処理を行った。その後、分散液を5.0μmのフィルタで濾過して、顔料分散体(P−1A)を得た。
青色微細顔料1A :11.0部
(C.I.ピグメント ブルー15:6)
アクリル樹脂溶液1A :40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC):48.0部
樹脂型分散剤 : 1.0部
(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」)
(顔料分散体(P−2A)乃至(P−6A)の調製)
青色微細顔料1Aを表7に示す顔料に変更したこと以外は、上記の顔料分散体(P−1A)と同様にして、顔料分散体(P−2A)乃至(P−6A)を調製した。
Figure 0005836126
<赤色及び緑色レジスト材の製造方法>
(赤色レジスト材の調製)
下記の混合物を均一になるように攪拌した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色レジスト材を得た。
顔料分散体(P−3A) :50.0部
顔料分散体(P−4A) :10.0部
アクリル樹脂溶液1A :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート :23.2部
(緑色レジスト材の調製)
下記の混合物を均一になるように攪拌した後、1.0μmのフィルタで濾過して、緑色レジスト材を得た。
顔料分散体(P−5A) :45.0部
顔料分散体(P−6A) :15.0部
アクリル樹脂溶液1A :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート :23.2部
[実施例47乃至55及び比較例13乃至16]
(実施例47:カラーフィルタ用青色着色組成物(D−1A))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)により5時間に亘る分散処理を行った。その後、5.0μmのフィルタで濾過して、カラーフィルタ用青色着色組成物(D−1A)を得た。
造塩生成物1A :11.0部
アクリル樹脂溶液1A :40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC):48.0部
樹脂型分散剤 : 1.0部
(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」)
(実施例48乃至55及び比較例13乃至16:カラーフィルタ用青色着色組成物(D−2A)乃至(D−13A))
造塩生成物1Aを表8に示す着色剤に変更した以外は、カラーフィルタ用青色着色組成物(D−1A)と同様にして、カラーフィルタ用青色着色組成物(D−2A)乃至(D−13A)を調製した。
Figure 0005836126
[カラーフィルタ用青色着色組成物の評価]
カラーフィルタ用青色着色組成物(D−1A)乃至(D−13A)の耐熱性試験を下記の方法で行った。
(耐熱性試験の方法)
ガラス基板上に、着色組成物(D−1A)乃至(D−13A)の各々を膜厚が2.0μmになるように塗布し、基板を230℃で20分間に亘って加熱した。着色層を形成した上記基板について、C光源のもとでの色差1(L*(1),a*(1),b*(1))を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、着色層を形成した上記基板を、オーブンにおいて250℃で1時間に亘って加熱する耐熱試験に供し、更に、C光源のもとでの色差2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定した。
これら色差値を用いて、下記計算式により、色差変化率ΔEab*を算出し、そして、この色差変化率ΔEab*に基づいて、塗膜の耐熱性を下記の4段階で評価した。
Figure 0005836126
◎:ΔEab*が1.5未満
○:ΔEab*が1.5以上、3.0未満
△:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
×:ΔEab*が5.0以上
色特性及び耐熱性の評価結果を表9に示す。
Figure 0005836126
(耐熱性の評価結果)
着色剤として特定の造塩生成物を含んだ着色組成物(D−1A)乃至(D−9A)を用いた場合、耐熱性について良好な結果が得られた。そして、ローダミン系染料から得られた造塩生成物を使用した場合、特に良好な結果が得られた。これに対し、染料と無色のカウンタ成分との造塩生成物を又は染料を着色剤として含んだ着色組成物(D−10A)乃至(D−13A)を使用した場合、色差変化は5を超え、耐熱性は相対的に低かった。
上記の結果から、特定の造塩生成物を含んだ着色組成物は、耐熱性において優れた性能を達成することが明らかになった。
[実施例56乃至67及び比較例17乃至21]
(実施例56:レジスト材(R−1A))
下記の混合物を均一になるように攪拌した後、1.0μmのフィルタで濾過して、レジスト材(R−1A)を得た。
着色組成物(D−1A) :60.0部
アクリル樹脂溶液1A :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート :23.2部
(実施例57乃至67及び比較例17乃至21:レジスト材(R−2A)乃至(R−17A))
着色組成物を表10に示す着色組成物又は顔料分散体で置き換え、その配合量を表10に示すように変更したこと以外は、レジスト材(R−1A)と同様にしてアルカリ現像型レジスト材(R−2A)乃至(R−17A)を得た。なお、一部のレジスト材では着色剤として顔料を使用しているが、レジスト材の全体を100部とした場合、着色組成物及び/又は顔料分散体の合計量は60部である。
Figure 0005836126
[レジスト材の評価]
レジスト材(R−1A)乃至(R−17A)の色特性(明度)の評価及び耐性(耐熱性、耐光性及び耐溶剤性)試験を下記の方法で行った。
(色特性の評価)
ガラス基板上に、レジスト材を塗布した。具体的には、レジスト材(R−1A)乃至(R−17A)は、C光源のもとでの色度がx=0.150、y=0.060となるような膜厚に塗布した。これら基板を230℃で20分間に亘って加熱することにより、基板上に着色層を形成した。その後、着色層を形成した基板の明度Yを、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。
(塗膜耐熱性試験の方法)
透明基板上にレジスト材を乾燥塗膜が約2.5μmとなるように塗布し、この塗膜を、所定のパターンを有するマスクを介して紫外線で露光した。この塗膜にアルカリ現像液を噴霧して未硬化部を除去することによって、所望のパターンを形成した。その後、これをオーブンにおいて230℃で1時間に亘って加熱した。放冷後、得られた塗膜のC光源のもとでの色差1(L*(1),a*(1),b*(1))を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、これをオーブンにおいて250℃で1時間に亘って加熱する耐熱試験に供し、更に、C光源のもとでの色差2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定した。
これら色差値を用いて、下記計算式により、色差変化率ΔEab*を算出した。そして、色差変化率ΔEab*に基づいて、塗膜の耐熱性を下記の4段階で評価した。
Figure 0005836126
◎:ΔEab*が1.5未満
○:ΔEab*が1.5以上、3.0未満
△:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
×:ΔEab*が5.0以上
(塗膜耐光性試験の方法)
塗膜耐熱性試験と同じ手順で試験用基板を作製し、C光源のもとでの色差1(L*(1),a*(1),b*(1))を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、基板を耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、500時間放置した。基板を取り出した後、C光源のもとでの色差2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定した。これら色差値を用いて、塗膜耐熱性試験と同様にして色差変化率ΔEab*を算出し、耐熱性と同様の基準により塗膜の耐光性を4段階で評価した。
(塗膜耐溶剤性試験の方法)
耐熱性試験と同じ手順で試験用基板を作製し、C光源のもとでの色差1(L*(1),a*(1),b*(1))を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、基板をN−メチルピロリドンに30分間に亘って浸漬させた。基板を取り出した後、C光源のもとでの色差2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定し、これら色差値を用いて、塗膜耐熱性試験と同様にして色差変化率ΔEab*を算出し、耐熱性と同様の基準により塗膜の耐溶剤性を4段階で評価した。
耐性(耐熱性、耐光性、耐溶剤性)試験の結果を表11に示す。
Figure 0005836126
(色特性及び耐性の評価結果)
造塩生成物と染料とを用いたレジスト材(R−1A)乃至(R−15A)を使用した場合、着色剤が顔料のみで構成されたレジスト材(R−17A)を使用した場合と比較して、明度Yが高い値となっていた。そして、レジスト材(R−9A)を使用した場合、明度が特に高かった。これは、着色剤の表面を樹脂処理したことにより、着色剤の分散性及び溶解性が向上し、高い明度が得られたと推測される。
また、レジスト材(R−1A)乃至(R−12A)を使用した場合、耐熱性についても良好な結果が得られた。そして、ローダミン系染料を用いて得られた造塩生成物を使用した場合、耐熱性について、特に良好な結果が得られた。
なお、着色剤が顔料のみで構成されたレジスト材(R−17)を使用した場合でも、耐熱性についはて、良好な結果が得られた。これに対し、染料と無色のカウンタ成分との造塩生成物を又は染料を着色剤として含んだレジスト材(R−13A)乃至(R−16A)を使用した場合、色差の変化は5を超えており、耐熱性は相対的に低かった。
上記の結果から、特定の造塩生成物を含んだレジスト材は、色特性(明度)及び耐候性の両方において優れた性能を発揮することが明らかになった。
[実施例68乃至79及び比較例22乃至26]
以下の方法により、カラーフィルタを作製した。
(実施例68:カラーフィルタ(CF−1A))
ガラス基板上に、遮光パターンであるブラックマトリクスを形成し、次いで、スピンコーターを用いて、赤色レジスト材を塗布した。赤色レジスト材は、C光源のもとでの色度がx=0.640、y=0.330となるような膜厚に塗布した。この塗膜に、フォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで、この塗膜を、0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液を用いたスプレー現像に供して未露光部分を除去し、イオン交換水で洗浄した。更に、この基板を230℃で20分間に亘って加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。
次に、この基板上に、上記と同様の方法により、緑色レジスト材を塗布した。緑色レジスト材は、C光源のもとでの色度がx=0.300、y=0.600となるような膜厚に塗布した。この塗膜を、赤色フィルタセグメントについて上述したのと同様の露光、現像、洗浄及び焼成に供して、緑色フィルタセグメントを形成した。更に、この基板上に、上記と同様の方法により、青色レジスト材を塗布した。青色レジスト材は、C光源のもとでの色度がx=0.150、y=0.06となるような膜厚に塗布した。この塗膜を、赤色フィルタセグメントについて上述したのと同様の露光、現像、洗浄及び焼成に供して、青色フィルタセグメントを形成した。以上のようにして、カラーフィルタ(CF−1A)を得た。
(液晶表示装置の作製)
カラーフィルタ(CF−1A)上に、インジウム錫酸化物(ITO)からなる電極を形成し、その上にポリイミドからなる配向層を形成した。また、別途準備したガラス基板の一方の面に、TFTアレイ及び画素電極を形成し、その上にポリイミドからなる配向層を形成した。
次に、一方のガラス基板の電極を設けた面に、封止剤を用いて、枠の内側と外側とを連絡する通路を有している枠状のパターンを形成した。続いて、これら基板を、電極同士が向き合うように、スペーサビーズを間に挟んで貼り合せた。
次いで、このようにして得られたセルの内部空間に、先の通路から液晶組成物を注入した。通路を封止した後、セルの両面に偏光板を貼り付けて、液晶表示パネルを得た。
その後、液晶表示パネルとバックライトユニット等とを組み合わせて、液晶表示装置を完成した。
(実施例69乃至79及び比較例22乃至26:カラーフィルタ(CF−2A)乃至(CF−17A))
レジスト材を表6に示すレジスト材に変更したこと以外は、カラーフィルタ(CF−1A)及び上記液晶表示装置と同様にして、カラーフィルタ(CF−2A)乃至(CF−17A)及び液晶表示装置をそれぞれ作製した。なお、使用したバックライトの発光スペクトルを図1に示す。
[カラーフィルタ(CF−1A)乃至(CF−17A)の評価]
上記液晶表示装置にカラー画像を表示させて、赤色、緑色及び青色フィルタセグメントに対応した領域の明度を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。そして、これら明度から、白色表示の明度を求めた。結果を表12に示す。
Figure 0005836126
カラーフィルタ(CF−17A)の青色フィルタセグメントでは、そのようなフィルタセグメントにおいて従来から好適に用いられていた銅フタロシアニン顔料とジオキサジン系顔料との組み合わせを使用している。他方、カラーフィルタ(CF−1A)乃至(CF−12A)の青色フィルタセグメントでは、特定の造塩生成物を使用している。カラーフィルタ(CF−1A)乃至(CF−12A)とカラーフィルタ(CF−17A)とを比較すると、カラーフィルタ(CF−1A)乃至(CF−12A)では、青色及び白色の各々について、カラーフィルタ(CF−17A)と比較してより高い明度が得られた。
また、カラーフィルタ(CF−13A)乃至(CF−16A)の青色フィルタセグメントでは、染料と無色のカウンタ成分との造塩生成物と染料との組み合わせを使用している。それ故、明度は高いものの、耐性は相対的に低い。
以上の通り、所定の造塩生成物を用いることにより、色特性(明度)並びに耐熱性、耐光性及び耐溶剤性の全てに優れた青色フィルタセグメントを得ることが可能になる。
<<試験3>>
試験3は、第3態様に関する。試験3では、第3態様に対応した例を「実施例」として記載し、その他の例を「比較例」として記載する。
<アクリル樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1Bの調製)
セパラブル4口フラスコに、温度計、冷却管、窒素ガス導入管及び撹拌装置を取り付け、この反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込んだ。80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応を更に3時間継続し、重量平均分子量(Mw)26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングした。これを180℃で20分間に亘る加熱によって乾燥させ、不揮発分を測定した。このようにして得られた不揮発分含有量に基づいて、先に合成した樹脂溶液に、不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリル樹脂溶液1Bを調製した。
(アクリル樹脂溶液2Bの調製)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を取り付けたセパラブル4口フラスコに、シクロヘキサノン207部を仕込んだ。80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応を更に3時間継続して共重合体溶液を得た。
次に、窒素ガスの供給を停止し、この共重合体溶液全量に対して、攪拌しながら乾燥空気を1時間注入した。その後、室温まで冷却し、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、及びシクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。
この樹脂溶液の約2gをサンプリングし、180℃で20分間に亘る加熱によって乾燥させて、不揮発分を測定した。このようにして得られた不揮発成分含有量に基づいて、先に合成した樹脂溶液に、不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリル樹脂溶液2Bを調製した。なお、この樹脂溶液2Bが含んでいるアクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は18000であった。
(アクリル樹脂溶液3Bの調製)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を取り付けたセパラブル4口フラスコに、シクロヘキサノン207部を仕込んだ。80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、グリセロールモノメタクリレート8.5部及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応を更に3時間継続して共重合体樹脂溶液を得た。
次に、窒素ガスを停止し、この共重合体溶液全量に対して、攪拌しながら乾燥空気を1時間注入した。その後、室温まで冷却し、2−メタクリロイオキシルエチルイソシアネート6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、及びシクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。
この樹脂溶液の約2gをサンプリングし、180℃で20分間に亘る加熱によって乾燥させて、不揮発分を測定した。このようにして得られた不揮発成分含有量に基づいて、先に合成した樹脂溶液に、不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリル樹脂溶液3Bを調製した。なお、この樹脂溶液3Bが含んでいるアクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は19000であった。
(アクリル樹脂溶液4Bの調製)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を取り付けたセパラブル4口フラスコに、シクロヘキサノン370部を仕込んだ。80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃で更に3時間反応させた。次いで、この溶液に、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させてなる溶液を添加し、100℃で更に1時間反応させた。その後、反応容器内を空気で置換し、この容器内に、アクリル酸9.3部(グリシジル基の100%)とトリスジメチルアミノフェノール0.5部とハイドロキノン0.1部とを投入した。120℃で6時間に亘って反応を継続し、固形分の酸価が0.5となった時点で反応を終了した。続いて、このようにして得られた溶液に、テトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の100%)及びトリエチルアミン0.5部を加え、120℃で3.5時間に亘って反応させて、アクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、この溶液の約2gをサンプリングし、180℃で20分間に亘る加熱によって乾燥させて、不揮発分を測定した。このようにして得られた不揮発成分含有量に基づいて、先に合成した樹脂溶液に、不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリル樹脂溶液4Bを調製した。なお、この樹脂溶液4Bが含んでいるアクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は19000であった。
<造塩生成物の製造方法>
(造塩生成物1B)
下記の手順でローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)とキサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 289)とからなる造塩生成物1Bを合成した。
キサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 289)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌した。次いで、この溶液を70乃至90℃に加熱し、これにローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6GCP染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミン6GCP染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)とキサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 289)との造塩生成物である造塩生成物1Bを得た。
(造塩生成物2B)
下記の手順でローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)とアシッドローダミン(C.I.アシッド レッド 52)とからなる造塩生成物2Bを合成した。
アシッドローダミン(C.I.アシッド レッド 52)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌した。次いで、この溶液を70乃至90℃に加熱し、これにローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6GCP染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミン6GCP染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)とアシッドローダミン(C.I.アシッド レッド 52)との造塩生成物である造塩生成物2Bを得た。
(造塩生成物3B)
下記の手順でローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)とエオシンG(C.I.アシッド レッド 87)とからなる造塩生成物3Bを合成した。
エオシンG(C.I.アシッド レッド 87)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌した。次いで、この溶液を70乃至90℃に加熱し、ローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6GCP染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミン6GCP染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)とエオシンG(C.I.アシッド レッド 87)との造塩生成物である造塩生成物3Bを得た。
(造塩生成物4B)
下記の手順でローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)とC.I.アシッド レッド 388とからなる造塩生成物4Bを合成した。
C.I.アシッド レッド 388を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌した。次いで、この溶液を70乃至90℃に加熱し、これにローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)を少しずつ滴下した。ローダミン6GCP染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミン6GCP染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミン6GCP染料(C.I.ベーシック レッド 1)とC.I.アシッド レッド 388との造塩生成物である造塩生成物4Bを得た。
(造塩生成物5B)
下記の手順でローダミンB染料(C.I.ベーシック バイオレット 10)とキサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 289)とからなる造塩生成物5Bを合成した。
キサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 289)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌した。次いで、この溶液を70乃至90℃に加熱し、これにローダミンB染料(C.I.ベーシック バイオレット 10)を少しずつ滴下した。ローダミンB染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミンB染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミンB染料(C.I.ベーシック バイオレット 10)とキサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 289)との造塩生成物である造塩生成物5Bを得た。
(造塩生成物6B)
下記の手順でローダミンB染料(C.I.ベーシック バイオレット 10)とキサンテン系酸性染料(アシッドフロキシンPB:C.I.アシッド レッド 92)とからなる造塩生成物6Bを合成した。
アシッドフロキシンPB染料(C.I.アシッド レッド 92)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌した。次いで、この溶液を、70乃至90℃に加熱し、これにローダミンB染料(C.I.ベーシック バイオレット 10)を少しずつ滴下した。ローダミンB染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミンB染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミンB染料(C.I.ベーシック バイオレット 10)とアシッドフロキシンPB染料(C.I.アシッド レッド 92)との造塩生成物である造塩生成物6Bを得た。
(造塩生成物7B)
下記の手順でローダミンG染料(C.I.ベーシック レッド 8)とキサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 289)とからなる造塩生成物7Bを合成した。
キサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 289)を7乃至15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に添加し、この液を十分に攪拌した。次いで、この溶液を70乃至90℃に加熱し、これにローダミンG染料(C.I.ベーシック レッド 8)を少しずつ滴下した。ローダミンG染料は、水溶液として用いてもよい。ローダミンG染料の滴下終了後、十分に反応させるべく、70乃至90℃で40乃至60分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、ローダミンG染料(C.I.ベーシック レッド 8)とキサンテン系酸性染料(C.I.アシッド レッド 289)との造塩生成物である造塩生成物7Bを得た。
(造塩生成物8B)
100質量部の造塩生成物1Bに、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価130mgKOH/g、荒川化学社製マルキードNo.32)を30重量部添加して、加圧ニーダーで混合した。この混合は、材料温度を120℃に設定して、30分間に亘って行った。冷却後、ジェット気流式粉砕機(日本ニューマチック工業社製IDS−2型)を用いて微粉砕を行い、造塩生成物8Bとして、平均粒径8μmの粒子を得た。
<微細化顔料の製造方法>
(赤色微細顔料1Bの生成)
ジケトピロロピロール系赤色顔料であるC.I.ピグメント レッド 254(チバ・ジャパン社製「IRGAZIN RED 2030」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の赤色微細顔料を得た。赤色微細顔料の比表面積は65m2/gであった。
(マゼンタ色微細顔料1Bの生成)
キナクリドン系マゼンタ色顔料であるC.I.ピグメント レッド 122(クラリアント社製「ホスタパームピンクE」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部のマゼンタ色微細顔料1Bを得た。マゼンタ色微細顔料1Bの比表面積は90m2/gであった。
(緑色微細顔料1Bの生成)
フタロシアニン系緑色顔料であるC.I.ピグメント グリーン 36(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン 6YK」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の緑色微細顔料1Bを得た。緑色微細顔料1Bの比表面積は75m2/gであった。
(青色微細顔料1Bの生成)
フタロシアニン系青色顔料であるC.I.ピグメント ブルー 15:6(東洋インキ製造株式会社製「LIONOL BLUE ES」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の青色微細顔料1Bを得た。青色微細顔料1Bの比表面積は80m2/gであった。
(シアン色微細顔料1Bの生成)
フタロシアニン系シアン色顔料であるC.I.ピグメント ブルー 15:3(東洋インキ製造株式会社製「LIONOL BLUE FG−7351」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部のシアン色微細顔料1Bを得た。シアン色微細顔料1Bの比表面積は85m2/gであった。
(黄色微細顔料1Bの生成)
イソインドリン系黄色顔料であるC.I.ピグメント イエロー 139(チバ・ジャパン社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)500部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間に亘って混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、490部の黄色微細顔料1Bを得た。黄色微細顔料1Bの比表面積は80m2/gであった。
(黄色微細顔料2Bの生成)
ニッケル錯体系黄色顔料であるC.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の黄色微細顔料2Bを得た。黄色微細顔料2Bの比表面積は70m2/gであった。
(紫色微細顔料1Bの生成)
ジオキサジン系紫色顔料であるC.I.ピグメント バイオレット 23(東洋インキ製造株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間に亘って混練した。次に、この混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間に亘って攪拌してスラリー状とした。濾過及び水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥させ、190部の紫色微細顔料1Bを得た。紫色微細顔料1Bの比表面積は95m2/gであった。
<顔料分散体の製造方法>
(顔料分散体(P−1B)の調製)
下記の混合物を均一になるように攪拌した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)により5時間に亘る分散処理を行った。その後、分散液を5.0μmのフィルタで濾過して、顔料分散体(P−1B)を作製した。
赤色微細顔料1B :11.0部
(C.I.ピグメント レッド254)
アクリル樹脂溶液1B :40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC):48.0部
樹脂型分散剤 : 1.0部
(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」)
(顔料分散体(P−2B)乃至(P−8B)の調製)
赤色微細顔料1Bを表13に示す顔料に変更した以外は、上記の顔料分散体(P−1B)と同様にして、顔料分散体(P−2B)乃至(P−8B)を調製した。
Figure 0005836126
<レジスト材の製造方法>
(赤色レジスト材の調製)
下記の混合物を均一になるように攪拌した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色レジスト材を得た。
顔料分散体(P−1B) :50.0部
顔料分散体(P−6B) :10.0部
アクリル樹脂溶液1B :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート :23.2部
(緑色レジスト材の調製)
下記の混合物を均一になるように攪拌した後、1.0μmのフィルタで濾過して、緑色レジスト材を得た。
顔料分散体(P−3B) :45.0部
顔料分散体(P−7B) :15.0部
アクリル樹脂溶液1B :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート :23.2部
(シアン色レジスト材の調製)
下記の混合物を均一になるように攪拌した後、1.0μmのフィルタで濾過して、シアン色レジスト材を得た。
顔料分散体(P−5B) :60.0部
アクリル樹脂溶液1B :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート :23.2部
(黄色レジスト材の調製)
下記の混合物を均一になるように攪拌した後、1.0μmのフィルタで濾過して、黄色レジスト材を得た。
顔料分散体(P−6B) :45.0部
顔料分散体(P−7B) :15.0部
アクリル樹脂溶液1B :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート :23.2部
[実施例80乃至87並びに比較例27及び28]s
(実施例80:カラーフィルタ用着色組成物(D−1B))
下記の混合物を均一になるように攪拌した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)により5時間に亘る分散処理を行った。その後、分散液を5.0μmのフィルタで濾過して、カラーフィルタ用着色組成物(D−1B)を得た。
造塩生成物1B :11.0部
アクリル樹脂溶液1B :40.0部
シクロヘキサノン :48.0部
樹脂型分散剤 : 1.0部
(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」)
(実施例81乃至87並びに比較例27及び28:カラーフィルタ用着色組成物(D−2B)乃至(D−10B))
造塩生成物1Bを表14に示す着色剤に変更した以外は、カラーフィルタ用青色着色組成物(D−1B)と同様にして、カラーフィルタ用着色組成物(D−2B)乃至(D−10B)を調製した。
Figure 0005836126
[カラーフィルタ用着色組成物の評価]
カラーフィルタ用着色組成物(D−1B)乃至(D−10B)の耐熱性試験を、試験2と同様の方法で行った。耐熱性試験の結果を表15に示す。
Figure 0005836126
特定の造塩生成物を含んだ着色組成物(D−1B)乃至(D−8B)を使用した場合、優れた耐熱性を達成できた。そして、ロジン変性マレイン酸樹脂により処理を行なった着色剤を含んだ着色組成物(D−8B)を使用した場合、特に優れた性能を達成できた。これに対し、着色剤として染料を含んだ着色組成物(D−9B)乃至(D−10B)を使用した場合、色度変化は5を超え、耐熱性は低かった。
上記の結果から、特定の造塩生成物を含んだ着色組成物は、耐熱性において優れた性能を達成することが明らかになった。
[実施例88乃至108及び比較例29乃至32]
(実施例88;レジスト材(R−1B))
下記の混合物を均一になるように攪拌した後、1.0μmのフィルタで濾過して、レジスト材(R−1B)を得た。
着色組成物(D−1B) :10.0部
顔料分散体(P−4B) :50.0部
アクリル樹脂溶液1B :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート :23.2部
(実施例89乃至108及び比較例29乃至32:レジスト材(R−2B)乃至(R−25B))
着色組成物(D−1B)及び顔料分散体(P−4B)を表16に示す着色組成物又は顔料分散体で置き換え、その配合量を表16に示すように変更したこと以外は、レジスト材(R−1B)と同様にしてアルカリ現像型レジスト材(R−2B)乃至(R−12B)、(R−24B)乃至(R−26B)及び(R−23B)乃至(R−25B)を得た。なお、一部のレジスト材では着色組成物と顔料分散体とを併用しているが、レジスト材の全体を100部とした場合、着色組成物及び/又は顔料分散体の合計量は60部である。
また、アクリル樹脂溶液1Bをアクリル樹脂溶液2B乃至4Bで置き換えたこと以外は、レジスト材(R−1B)と同様にしてアルカリ現像型レジスト材(R−13B)乃至(R−15B)をそれぞれ得た。更に、アクリル樹脂溶液1Bをアクリル樹脂溶液2B乃至4Bで置き換えたこと以外は、レジスト材(R−16B)と同様にしてアルカリ現像型レジスト材(R−19B)乃至(R−21B)をそれぞれ得た。
Figure 0005836126
[レジスト材(R−1B)乃至(R−25B)の評価]
レジスト材(R−1B)乃至(R−25B)の色特性(明度)の評価及び耐性(耐熱性、耐光性及び耐溶剤性)試験を下記の方法で行った。
(色特性の評価)
ガラス基板上に、レジスト材を塗布した。具体的には、青色レジスト材は、C光源のもとでの色度がy=0.06となるような膜厚に塗布した。マゼンタ色レジスト材は、C光源のもとでの色度がx=0.348となるような膜厚に塗布した。これら基板を230℃で20分間に亘って加熱することにより、基板上に着色層を形成した。その後、着色層を形成した基板の明度Yを顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
(耐性試験)
試験2において行ったのと同様の塗膜耐熱性試験、塗膜耐光性試験及び塗膜耐溶剤性試験を行った。
(レジスト材の評価結果)
レジスト材(R−1B)乃至(R−25B)の評価結果を表17に示す。
Figure 0005836126
造塩生成物と染料とを含んだレジスト材(R−1B)乃至(R−22B)及び(R−24B)を使用した場合、着色剤として顔料のみを含んだレジスト材(R−23B)及び(R−25B)を使用した場合と比較して、より高い明度Yを達成できた。そして、レジスト材(R−8B)を使用した場合、特に高い明度を達成できた。これは、着色剤の表面を樹脂処理したことにより、着色剤の分散性及び溶解性が向上し、高い明度が得られたと推測される。
また、特定の造塩生成物を含んだレジスト材(R−1B)乃至(R−21B)を使用した場合、耐性試験においても良好な結果が得られた。そして、造塩生成物と顔料とを含んだレジスト材を使用した場合、特に良好な結果が得られた。なお、造塩生成物と染料とを含んだレジスト材(R−12B)及び(R−18B)を使用した場合、耐性試験の結果はやや劣るものの、実用上問題ないレベルであった。
また、着色剤として顔料のみを含んだレジスト材(R−23B)及び(R−25B)を使用した場合、耐性試験の結果は良好であったが、明度Yが低かった。これに対し、着色剤として染料のみを含んだレジスト材(R−22B)及び(R−24B)を使用した場合、色差の変化は5を超えており、耐性が低かった。
また、レジスト材(R−13B)乃至(R−15B)及び(R−19B)乃至(R−21B)を使用した場合も、耐性試験の結果は良好であった。これは、エチレン結合を有している活性エネルギー線硬化樹脂を用いることで、塗膜の硬化性が向上したためであると考えられる。
上記の結果から、特定の造塩生成物を含んだレジスト材は、色特性(明度)及び耐性の両方において優れた性能を発揮することが明らかになった。
[実施例109乃至129及び比較例36乃至39]
以下に記載する方法により、原色系及び補色系のカラーフィルタを作製した。
(実施例109:原色系カラーフィルタ(CF−1B))
ガラス基板上に、遮光パターンであるブラックマトリクスを形成し、次いで、スピンコーターを用いて、赤色レジスト材を塗布した。赤色レジスト材は、C光源のもとでの色度がx=0.640となるような膜厚に塗布した。この塗膜に、フォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで、この塗膜を、0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液を用いたスプレー現像に供しして未露光部分を除去し、イオン交換水で洗浄した。更に、この基板を230℃で20分間に亘って加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。
次に、この基板上に、上記と同様の方法により、緑色レジスト材を塗布した。緑色レジスト材は、C光源のもとでの色度がy=0.600となるような膜厚に塗布した。この塗膜を、赤色フィルタセグメントについて上述したのと同様の露光、現像、洗浄及び焼成に供して、緑色フィルタセグメントを形成した。更に、この基板上に、上記と同様の方法により、青色レジスト材(R−1B)を塗布した。青色レジスト材は、C光源のもとでの色度がy=0.06となるような膜厚に塗布した。この塗膜を、赤色フィルタセグメントについて上述したのと同様の露光、現像、洗浄及び焼成に供して、青色フィルタセグメントを形成した。以上のようにして、カラーフィルタ(CF−1B)を得た。
(液晶表示装置の作製)
カラーフィルタ(CF−1A)の代わりにカラーフィルタ(CF−1B)を使用したこと以外は、実施例68において説明したのと同様の方法により液晶表示装置を作製した。
(実施例110乃至123並びに比較例36及び37:原色系カラーフィルタ(CF−2B)乃至(CF−17B))
レジスト材を表18に示すレジスト材に変更したこと以外は、カラーフィルタ(CF−1B)及び上記液晶表示装置と同様にして、原色系カラーフィルタ(CF−2B)乃至(CF−17B)及び液晶表示装置をそれぞれ作製した。
(実施例124:補色系カラーフィルタ(CF−18B))
ガラス基板上に、遮光パターンであるブラックマトリクスを形成し、次いで、スピンコーターを用いて、マゼンタ色レジスト材(R−16B)を塗布した。マゼンタ色レジスト材(R−16B)は、C光源のもとでの色度がx=0.348となるような膜厚に塗布した。この塗膜に、フォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで、この塗膜を、0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液を用いたスプレー現像に供して未露光部分を除去し、イオン交換水で洗浄した。更に、この基板を230℃で20分間に亘って加熱して、マゼンタ色フィルタセグメントを形成した。
次に、この基板上に、上記と同様の方法により、黄色レジスト材を塗布した。黄色レジスト材は、C光源のもとでの色度がx=0.440となるような膜厚に塗布した。この塗膜を、マゼンタ色フィルタセグメントについて上述したのと同様の露光、現像、洗浄及び焼成に供して、黄色フィルタセグメントを形成した。更に、この基板上に、上記と同様の方法により、シアン色レジスト材を塗布した。シアン色レジスト材は、C光源のもとでの色度がy=0.06となるような膜厚に塗布した。この塗膜を、マゼンタ色フィルタセグメントについて上述したのと同様の露光、現像、洗浄及び焼成に供して、シアン色フィルタセグメントを形成した。以上のようにして、カラーフィルタ(CF−18B)を得た。
(液晶表示装置の作製)
カラーフィルタ(CF−1A)の代わりにカラーフィルタ(CF−18B)を使用したこと以外は、実施例68において説明したのと同様の方法により液晶表示装置を作製した。
(実施例125乃至129並びに比較例38及び39:補色系カラーフィルタ(CF−19B)乃至(CF−25B))
マゼンタ色レジスト材を表19に示すレジスト材に変更したこと以外は、カラーフィルタ(CF−18B)及び上記液晶表示装置と同様にして、補色系カラーフィルタ(CF−19B)乃至(CF−25B)及び液晶表示装置をそれぞれ作製した。
[カラーフィルタ(CF−1B)乃至(CF−25B)の評価]
上記液晶表示装置に、カラー画像を表示させた。そして、原色系カラーフィルタを含んだ液晶表示については、赤色、緑色及び青色フィルタセグメントに対応した領域の明度を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。また、補色系カラーフィルタを含んだ液晶表示については、シアン色、マゼンタ色及び黄色フィルタセグメントに対応した領域の明度を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。そして、これら明度から、白色表示の明度を求めた。
原色系カラーフィルタを含んだ液晶表示装置について得られた結果を表18に示す。また、補色系カラーフィルタを含んだ液晶表示装置について得られた結果を表19に示す。
Figure 0005836126
Figure 0005836126
原色系カラーフィルタ(CF−17B)の青色フィルタセグメントでは、青色フィルタセグメントにおいて従来から好適に用いられていた銅フタロシアニン顔料とジオキサジン系顔料との組み合わせを使用している。他方、カラーフィルタ(CF−1B)乃至(CF−15B)では、青色フィルタセグメントにおいて特定の造塩生成物を使用している。カラーフィルタ(CF−1B)乃至(CF−15B)とカラーフィルタ(CF−17B)とを比較すると、カラーフィルタ(CF−1B)乃至(CF−15B)では、青色及び白色の各々について、カラーフィルタ(CF−17B)と比較してより高い明度が得られた。
また、カラーフィルタ(CF−16B)の青色フィルタセグメントでは、着色剤として染料を使用している。それ故、明度は高いものの、耐性は相対的に低い。
補色系カラーフィルタのマゼンタ色フィルタセグメントについても、原色系カラーフィルタの青色フィルタセグメントについて説明したのと同様の結果が得られた。
以上の通り、所定の造塩生成物を用いることにより、色特性(明度)並びに耐熱性、耐光性及び耐溶剤性の全てに優れたフィルタセグメントを得ることが可能になる。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
透明樹脂と着色剤とを含有し、前記着色剤は、塩基性染料とアニオン成分であるカウンタ化合物とからなる造塩生成物を含み、前記カウンタ化合物の分子量は200乃至3500の範囲内にあるカラーフィルタ用着色組成物。
[2]
前記カウンタ化合物の分子量は250乃至3500の範囲内にある[1]に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[3]
前記カウンタ化合物は、ヘテロポリ酸、有機スルホン酸、有機カルボン酸、及び酸性染料からなる群から選択される少なくとも1つである[1]又は[2]に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[4]
前記着色剤は、酸基を有している樹脂を更に含んだ[1]乃至[3]の何れか1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[5]
前記酸基を有している樹脂の重量平均分子量は400乃至12000の範囲内にある[4]に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[6]
前記酸基を有している樹脂はロジン変性マレイン酸樹脂である[4]又は[5]に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[7]
前記酸基を有している樹脂の酸価は100乃至300mgKOH/gの範囲内にある[4]乃至[6]の何れか1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[8]
前記塩基性染料は、トリアリールメタン系染料、ローダミン系染料、メチレンブルー系染料、及びフラビン系染料からなる群から選択される少なくとも1つである[1]乃至[7]の何れか1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[9]
光重合性組成物及び光重合開始剤の少なくとも一方を更に含有した[1]乃至[8]の何れか1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[10]
前記カラーフィルタ用着色組成物はカラーフィルタ用青色着色組成物であり、前記造塩生成物は、トリアリールメタン系染料とキサンテン系染料とからなる造塩生成物を含んだ[1]乃至[9]の何れか1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[11]
前記トリアリールメタン系染料はトリアリールメタン系塩基性染料であり、前記キサンテン系染料はキサンテン系酸性染料である[10]に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[12]
前記トリアリールメタン系染料はトリアリールメタン系酸性染料であり、前記キサンテン系染料はキサンテン系塩基性染料である[10]に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[13]
前記キサンテン系染料はローダミン系染料である[10]乃至[12]の何れか1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[14]
前記着色剤はフタロシアニン系顔料を更に含んだ[10]乃至[13]の何れか1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[15]
前記着色剤はジオキサジン系顔料を更に含んだ[10]乃至[14]の何れか1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[16]
前記造塩生成物は、キサンテン系塩基性染料とキサンテン系酸性染料とからなる造塩生成物を含んだ[1]乃至[9]の何れか1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[17]
前記キサンテン系塩基性染料はローダミン系塩基性染料である[16]に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[18]
前記着色剤はフタロシアニン系顔料を更に含有した[16]又は[17]に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[19]
前記着色剤はジオキサジン系顔料を更に含有した[16]乃至[18]の何れか1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[20]
透明樹脂と着色剤とを含有し、前記着色剤は、トリアリールメタン系染料とキサンテン系染料とからなる造塩生成物を含んだカラーフィルタ用青色着色組成物。
[21]
透明樹脂と着色剤とを含有し、前記着色剤は、キサンテン系塩基性染料とキサンテン系酸性染料とからなる造塩生成物を含んだカラーフィルタ用着色組成物。
[22]
[1]乃至[21]の何れか1に記載のカラーフィルタ用着色組成物から形成されたフィルタセグメントを具備したカラーフィルタ。

Claims (3)

  1. 透明樹脂と着色剤とを含有し、前記着色剤は、塩基性染料とアニオン成分であるカウンタ化合物とからなる造塩生成物を含み、
    前記塩基性染料は、ローダミン系染料、メチレンブルー系染料、及びフラビン系染料からなる群から選択される少なくとも1つであり、
    前記カウンタ化合物は、有機スルホン酸及び有機カルボン酸からなる群から選択される少なくとも1つであり、
    記有機スルホン酸の分子量は223乃至400であり、前記有機カルボン酸の分子量は257乃至400であるカラーフィルタ用着色組成物。
  2. 光重合性組成物及び光重合開始剤の少なくとも一方を更に含有した請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用着色組成物から形成されたフィルタセグメントを具備したカラーフィルタ。
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