JP2010191304A - カラーフィルタ用着色組成物、及びそれを用いたカラーフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料成分の分光特性、分散性、耐候性に優れたカラーフィルタ用着色組成物、並びに色再現領域が広く、耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れるカラーフィルタの提供。
【解決手段】透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、ローダミン系染料の金属レーキ顔料とを含むカラーフィルタ用着色組成物であって、前記金属レーキ顔料のレーキ化に用いる沈殿剤がリン(P)を含有するコンプレックスアシッドであるカラーフィルタ用着色組成物、並びに赤色、緑色、青色のフィルタセグメントを備えるカラーフィルタまたはマゼンタ色、シアン色、イエロー色のフィルタセグメントを備えるカラーフィルタであって、赤色フィルタセグメントまたはマゼンタ色フィルタセグメントが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタ。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、及びこれを用いて形成されてなる赤色またはマゼンタ色フィルタセグメントを備えるカラーフィルタに関するものである。
カラー液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高コントラスト化、高明度化とともに、広い色再現領域や高い信頼性の要求も高くなっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
顔料分散法は、透明樹脂中に色素である顔料粒子を分散させたものに感光剤や添加剤などを混合・調合することによってカラーレジスト化し、このカラーレジストを基板上にスピンコーターなどの塗布装置により塗膜形成し、アライナーやステッパー等によりマスクを介して選択的に露光を行い、アルカリ現像、熱硬化処理をすることによりパターニングし、この操作を繰り返すことによってカラーフィルタを作製する方法である。
カラーフィルタ基板の3原色(赤・青・緑;RGB)の一つである赤色フィルタセグメントには、主顔料として、ジケトピロロピロール系顔料(例えば、C.I.ピグメントレッド254)やアントラキノン系顔料(例えばC.I.ピグメントレッド177)を用いることが一般的である。しかしながら、これらの顔料は高コントラスト化や高明度化には有利であるが、色材としては色再現領域に限界があった。
色再現領域を広げるために、顔料ではなく染料を樹脂等に溶解させる技術が提案されている(例えば特許文献1)。しかし、染料は顔料に比較して耐熱性、耐光性、耐溶剤性に劣るという問題がある。
また、カラー撮像管素子は、その受光素子上に赤・青・緑(RGB)の加法混合の三原色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタをそれぞれ配設して色分解するのが一般的である。近年においては、カラー撮像素子の小型化および高画素化によって1画素当たりの面積が減少する方向にある。
この加法混合の三原色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタを用いることにより、色分解の容易さと良好な色再現が得られるものの、三原色のフィルタセグメントは、それぞれ主波長付近の狭い範囲での光の透過領域しかないことや、高画素化による1画素当たりの面積の減少が感度低下の原因となっていた。
この問題を解決するために、カラー撮像管素子等には、3原色の補色に相当する、イエロー・マゼンタ・シアン(YMC)のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタが用いられている。補色のカラーフィルタは、原色のカラーフィルタに比べ高感度が得られるため、フラッシュなどの補助光源を利用しにくいビデオカメラ等で採用される場合が多い。
しかしながら、補色のカラーフィルタに用いる補色顔料は、選択できる範囲が極めて狭く、優れた分光特性を有する補色顔料は得にくいのが現状であった。その点が補色のカラーフィルタを採用した撮像素子において優れた色再現性が得にくい理由の一つになっていた。特にマゼンタにおける分光特性が十分では無く、例えば、キナクリドン系のマゼンタ顔料であるC.I.ピグメントレッド122は、短波長側(400〜450nm)の透過率が低いため、色バランスを崩してしまう傾向にあった。また、補色のカラーフィルタに用いるマゼンタ染料としては、塩基性染料であるローダミン6G(C.I.ベーシックレッド1)等が前記キナクリドン系のマゼンタ顔料に比べて短波長側においても高透過率が得られるが、カラー液晶表示装置のカラーフィルタに用いる染料と同様に顔料と比較して耐熱性、耐光性、耐溶剤性に劣るという問題があった。
上記のマゼンタ顔料およびマゼンタ染料の欠点を改善する方法として、染料のレーキ化が知られている(例えば特許文献2、3)。これは、染料を体質顔料上に適当な沈殿剤で沈殿固着させ、水に不溶性な形にしたもので、染色レーキ顔料または染付けレーキ顔料として一般的である。しかし、染色レーキ顔料を樹脂溶液に分散した着色組成物においても色特性(着色性、透過性)が十分満足いくレベルではないという問題があった。また、耐熱性、耐光性、耐溶剤性に関しても、近年要求されている高い信頼性を満足するレベルでもなかった。
特開平6−75375号公報 特開2001−81348号公報 特開2005−292305号公報
本発明の目的は、色特性及び耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れる安定なカラーフィルタ用着色組成物、並びにそれを用いた色再現領域が広く、耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れるカラーフィルタを提供することである。
また、特に、色素成分の分散性、透過性に優れ、色特性及び耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れる安定なカラーフィルタ用着色組成物を提供することである。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、ローダミン系染料の金属レーキ顔料とを含むカラーフィルタ用着色組成物であって、前記金属レーキ顔料のレーキ化に用いる沈殿剤がリン(P)を含有するコンプレックスアシッドであることを特徴とする。
また、本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントおよび少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備えるカラーフィルタにおいて、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなることを特徴とする。
また、本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメントおよび少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを備えるカラーフィルタにおいて、少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメントが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなることを特徴とする。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、色材として、レーキ化に用いる沈殿剤がリン(P)を含有するコンプレックスアシッドであるローダミン系染料の金属レーキ顔料を用いているため、透過性に優れ、広い色再現領域をもつと共に、耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物を使用することより、色再現領域が広く、耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れるカラーフィルタを形成することが可能になる。
まず、本発明のカラーフィルタ用着色組成物について詳細に説明する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、レーキ化に用いる沈殿剤がリン(P)を含有するコンプレックスアシッドであるローダミン系染料の金属レーキ顔料とを含む。
(顔料)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、ローダミン系染料の金属レーキ顔料を着色剤として含有する。ここで、該顔料のレーキ化に用いる沈殿剤は、リン(P)を含有するコンプレックスアシッドである。
ローダミン系染料の金属レーキ顔料は、ローダミン系染料溶解液に沈殿剤を添加し、ローダミン系染料を不溶性微粒子にして沈殿させ、濾過、乾燥し、粉砕することにより得られる。ローダミン系染料溶解液は、ローダミン系染料を溶媒に溶解したものである。
ローダミン系染料の金属レーキ顔料を構成する染料成分としては、例えば、ローダミンB、ローダミン3B、ローダミン3G、ローダミン6G、ローダミン6GCP、ローダミBベースなどのローダミン染料が挙げられる。これらのローダミン染料の中では、発色性が良好である点から、ローダミン6G、6GCP(C.I.ベーシックレッド1、C.I.ベーシックレッド1:1)、ローダミンB(C.I.ベーシックバイオレット10)が好ましい。
また、これらのローダミン染料は、適宜併用することも可能である。例えば、ローダミン6GとローダミンBとを併用することで、蛍光性のあるマゼンタ色、赤色、バイオレット色の金属レーキ顔料を得ることが可能である。
ローダミン系染料をレーキ化するための沈澱剤としては、リン(P)を含有するコンプレックスアシッドを用いる。
本発明において、リン(P)を含有するコンプレックスアシッド(COMPLEX ACID)とは、タングステン、モリブデン、バナジウム等の金属からなるイソポリ酸骨格に、ヘテロ原子であるリン(P)が含まれるヘテロポリ酸である。リン(P)を含有するコンプレックスアシッドとしては、リン・モリブデン酸、リン・タングステン酸、リン・タングステン・モリブデン酸等の無機酸素酸であるヘテロポリ酸が挙げられる。具体的に構造式を例示すると、リン・タングステン酸 H[PW1240]・nHO(n≒30) 、リン・モリブデン酸H[PMo1240]・nHO(n≒30)、リン・タングステン・モリブデン酸H[PW12−XMo40]・nHO(0<X<12、n≒30)、 リン・モリブデン酸ナトリウムNa[PMo1240]・nHO(n≒30)等があげられる。
これらの沈殿剤を染料溶液中に加え、沈殿させレーキ化を行なうことでローダミン系染料の金属レーキ顔料が得られる。
このとき沈殿剤は所望の組成になるようにタングステン酸ソーダ、第二リン酸ソーダ、モリブデン酸ソーダ等のヘテロポリ酸を組み合わせて添加すればよい。
即ち、ローダミン系染料の金属レーキ顔料は、リン(P)を含有するコンプレックスアシッドを用いてローダミン系染料を不溶性塩として沈着させたものである。
リン(P)を含有するコンプレックスアシッドを沈殿剤とするローダミン系染料の金属レーキ顔料は、透過性に優れ、耐光性が著しく向上し、好ましいものである。これは、リン(P)成分が耐溶剤性に優れていることに起因する。一方、リン(P)ではなくケイ素(Si)をヘテロ原子として含有する沈殿剤を用いると、ローダミン系染料の金属レーキ顔料の耐溶剤性が低下してしまい、溶剤、樹脂中への分散が悪くなってしまい、着色組成物として濁りが生じ、カラーフィルタ用の材料としては好ましくない。
また、モリブデン(Mo)は顔料の着色性の安定化、濃度アップに寄与し、タングステン(W)は顔料の透過性を向上させるものである。これは、タングステン(W)のイオン半径がモリブデン(Mo)のイオン半径よりも大きいからである。カラーフィルタ用途である本発明の場合は、透過性を考慮する必要があることから、リン(P)およびタングステン(W)を含有するコンプレックスアシッドを沈殿剤として用いることが好ましい。
また、本発明のローダミン系染料の金属レーキ顔料においては、モリブデン(Mo)よりもタングステン(W)の比率が多い方が透過性において良好となり好ましいものである。
本発明において好ましく使用されるローダミン系染料の金属レーキ顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、C.I.ピグメントレッド81(沈殿剤:P、W、Moを含有するリン・タングステン・モリブデン酸)、81:3(同:P、Moを含有するリン・モリブデン酸)、81:4(同:P、W、Moを含有するリン・タングステン・モリブデン酸)、C.I.ピグメントバイオレット1(同:P、W、Moを含有するリン・タングステン・モリブデン酸)、2(同:P、W、Moを含有するリン・タングステン・モリブデン酸)、2:2(同:P、W、Moを含有するリン・タングステン・モリブデン酸)等の赤色や赤みがかった紫色の顔料を挙げることができる。
中でも、C.I.ピグメントレッド81、81:4、C.I.ピグメントバイオレット1、2は、優れた透過性を有する顔料であることから好ましい。
これらのローダミン系染料の金属レーキ顔料を使用することによって、他の赤色系顔料では得られなかった広い色再現領域を得ることができる。
本発明の着色組成物を用いて赤色フィルタセグメントを形成する場合には、色調整や補色目的で、他の赤色顔料や橙色顔料、黄色顔料を併用することができる。
併用することのできる他の赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、146、168、177、178、184、185、187、200、208、210、242、246、254、255、264、270、272、279等の顔料を挙げることができる。
橙色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ43、71、73等の顔料を挙げることができる。
また、黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等を挙げることができる。
また、本発明の着色組成物を用いてマゼンタ色フィルタセグメントを形成する場合には、色調整目的で他の赤色顔料を併用することができる。
併用することのできる他の赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド122、192、202、207、209等の顔料を挙げることができる。
着色組成物を構成する全不揮発成分中において、好ましい顔料の濃度(他の顔料を併用する場合は、全顔料成分の濃度)は、充分な色再現性を得る観点から10重量%以上であり、より好ましくは15重量%以上、最も好ましくは20重量%以上である。また、着色組成物の安定性を得る観点から、好ましい顔料の濃度は90重量%以下であり、より好ましくは80重量%以下、最も好ましくは70重量%以下である。
本発明の着色組成物を用いて赤色フィルタセグメントを形成する場合の好ましい顔料の比率は、色度領域を広げ、優れた分光特性を得ることが可能となることから、顔料の全量を基準(100重量%)として、上記ローダミン系染料の金属レーキ顔料が40〜100重量%、他の赤色顔料が0〜60重量%、橙色顔料が0〜60重量%、黄色顔料が0〜50重量%である。
より好ましくは、顔料の全量を基準(100重量%)として、上記ローダミン系染料の金属レーキ顔料が50〜90重量%、他の赤色顔料が0〜50重量%、橙色顔料が0〜45重量%、黄色顔料が5〜45重量%である。
また、本発明の着色組成物を用いてマゼンタ色フィルタセグメントを形成する場合の好ましい顔料の比率は、色度領域を広げ、優れた分光特性を得ることが可能となることから、顔料の全量を基準(100重量%)として、上記ローダミン系染料の金属レーキ顔料が60〜100重量%、他の赤色顔料が0〜40重量%である。
より好ましくは、顔料の全量を基準(100重量%)として、上記ローダミン系染料の金属レーキ顔料が70〜100重量%、他の赤色顔料が0〜30重量%である。
(顔料の微細化)
本発明の着色組成物に使用するローダミン系染料の金属レーキ顔料および他の顔料は、ソルトミリング処理を行い微細化することができる。顔料の一次粒子径は、顔料担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とする。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料の全重量を基準(100重量%)として、50〜2000重量%用いることが好ましく、300〜1000重量%用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料の全重量を基準(100重量%)として、5〜1000重量%用いることが好ましく、50〜500重量%用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料の全重量を基準(100重量%)として、5〜200重量%の範囲であることが好ましい。
(顔料担体)
本発明の着色組成物に含まれる顔料担体は、顔料を分散させるものであり、透明樹脂、その前駆体、またはそれらの混合物により構成される。
透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び活性エネルギー線硬化性樹脂が含まれ、その前駆体には、活性エネルギー線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマー若しくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。顔料担体は、成膜性及び諸耐性が良好なことから、顔料の全重量を基準(100重量%)として、30重量%以上の量で用いることが好ましく、顔料濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量%以下の量で用いることが好ましい。
顔料担体が透明樹脂およびその前駆体の混合物からなる場合には、本発明の着色組成物は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストの形態で調製することができる。アルカリ現像型着色レジストの形態で調製する場合は、顔料担体の一部に、(メタ)アクリル酸共重合体樹脂(アルカリ可溶性アクリル樹脂)等の酸性基を有するアルカリ可溶性樹脂を使用する。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びフェノール樹脂等が挙げられる。
活性エネルギー線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマー若しくはオリゴマーとしては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、及びトリシクロデカニル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能(メタ)アクリレート;
1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、及びフェノールノボラック樹脂等のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート;
ポリエステル、ポリウレタン、イソシアヌレート、メチロール化メラミン等を変性した各種(メタ)アクリル酸エステル類;並びに
(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等の(メタ)アクリレート以外の単量体が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されない。
(光重合開始剤)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、顔料担体が透明樹脂の前駆体を含み、該組成物を紫外線照射により硬化したり、フォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成したりする場合は、光重合開始剤等が添加される。光重合開始剤を使用する際の配合量は、光硬化性及び現像性の観点から、顔料の全重量を基準(100重量%)として5〜200重量%であることが好ましく、10〜150重量%であることがより好ましい。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
増感剤を使用する際の配合量は、光硬化性、現像性の観点から、着色組成物中に含まれる光重合開始剤の配合重量を基準(100重量%)として3〜60重量%であることが好ましく5〜50重量%であることがより好ましい。
(分散助剤)
顔料を顔料担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられる。
本発明においては、中でも顔料誘導体が好ましく、その構造は、下記一般式(1)で示される化合物である。
P−Ln 式(1)
(ただし、
P:有機顔料残基、アントラキノン残基、アクリドン残基またはトリアジン残基
L:塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基
n:1〜4の整数である)
Pの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール系顔料;アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料;銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料;キナクリドン系顔料;ジオキサジン系顔料;ペリノン系顔料;ペリレン系顔料;チオインジゴ系顔料;イソインドリン系顔料;イソインドリノン系顔料;キノフタロン系顔料;スレン系顔料;金属錯体系顔料等が挙げられる。
色素誘導体としては、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、分散性向上の点から、顔料100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、更に好ましくは3重量部以上、最も好ましくは5重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、顔料100重量部に対して、好ましくは50重量部以下、更に好ましくは30重量部以下、最も好ましくは25重量部以下である。
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
(溶剤)
本発明の着色組成物には、顔料を充分に顔料担体中に分散させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。
溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
中でも、本発明の顔料の分散が良好なことから、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。
溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、顔料の全重量を基準(100重量%)にして、800〜4000重量%の量で用いることが好ましい。
(その他添加剤)
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジエチルヒドロキシアミン等の4級アンモニウムクロライド類;乳酸、シュウ酸等の有機酸類;前記有機酸のメチルエステル類;t−ブチルピロカテコール等のカテコール類;トリフェニルホスフィン、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィン等の有機ホスフィン類;亜リン酸塩類等が挙げられる。
(着色組成物の製造方法)
本発明の着色組成物は、上記ローダミン系染料の金属レーキ顔料および必要に応じて併用顔料を、透明樹脂、その前駆体又はそれらの混合物からなる顔料担体中に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。本発明の着色組成物が2種以上の顔料を含有する場合には、顔料を別々に顔料担体に分散したものを混合して製造することもできる。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。粗大粒子が存在すると、カラーフィルタに異物が残り、実用上の問題が生じるだけでなく、塗布工程において、配管やノズルに異物が詰まり、製造上の重大な問題が生じる。
次に、本発明のカラーフィルタについて詳細に説明する。
本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントおよび少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備えるカラーフィルタであって、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるものである。
また、本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメントおよび少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを備えるカラーフィルタであって、少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメントが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるものである。
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。更に、印刷技術の発展により高い寸法精度及び平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するか若しくはスプレー等により現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。更に、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。又、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法等により製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。
又、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
緑色フィルタセグメントは、緑色顔料と顔料担体を含む通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、58等が用いられる。
緑色顔料には、黄色顔料を併用することができる。併用可能な黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等を挙げることができる。
青色フィルタセグメントは、青色顔料と顔料担体を含む通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等が用いられる。
青色顔料には、C.I.ピグメントバイオレット19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
シアン色フィルタセグメントは、青色顔料と顔料担体を含む通常のシアン色着色組成物を用いて形成することができる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができ、この中でも銅フタロシアニン系顔料のC.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6が好ましい。
イエロー色フィルタセグメントは、黄色顔料と顔料担体を含む通常の黄色着色組成物を用いて形成することができる。黄色顔料としては、緑色顔料と併用可能な黄色顔料として例示した顔料を用いることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
まず、実施例及び比較例に用いたアクリル樹脂溶液と顔料分散体について説明する。
(アクリル樹脂の合成とその溶液の調製)
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で、スチレン80.0部、メタクリル酸40.0部、メチルメタクリレート85.0部、n−ブチルメタクリレート95.0部、及びアゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下後、更に、100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に、100℃で1時間反応を続けて、重量平均分子量が約30000、酸価が87mgKOH/gのアクリル樹脂のシクロヘキサン溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、測定結果に基づき、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂の溶液を調製した。
ここで、アクリル樹脂の重合平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
また、アクリル樹脂の酸価は、JIS K 0070の電位差滴定法に準拠し、測定した酸価(mgKOH/g)である。
(顔料分散体1の調製)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で2時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し顔料分散体1を調製した。
C.I.ピグメントレッド81 :11.0部
分散剤(日本ルーブリゾール社「ソルスパーズ20000」) : 1.0部
アクリル樹脂溶液 :40.0部
シクロヘキサノン :48.0部
(顔料分散体2〜19の調製)
C.I.ピグメントレッド81を表1に示す顔料に置き換えた以外は、顔料分散体1と同様にして顔料分散体2〜19を作製した。表1には、顔料分散体の調製にローダミン系染料の金属レーキ顔料を使用した場合には、沈殿剤も合わせて記載した。
Figure 2010191304
(レジスト材1の調製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材1を得た。
顔料分散体1 :60.0部
先に調製したアクリル樹脂溶液 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート :23.2部
(レジスト材2〜28の調整)
以下、顔料分散体1を表2に示す顔料分散体と配合量に変えた以外は、レジスト材1と同様にしてアルカリ現像型レジスト材2〜28を得た。なお一部のレジスト材では顔料分散体を併用しているが、顔料分散体の全量は全てのレジスト材において60部である。
Figure 2010191304
[実施例1〜16および比較例1〜5:レジスト材の評価]
得られたレジスト材の中で、ローダミン系染料の金属レーキ顔料を使用した赤色レジスト材とマゼンタ色レジスト材塗膜の耐候性(耐熱性、耐光性、耐溶剤性)試験を下記の方法で行った。耐候性試験の結果を表3に示す。
(塗膜耐熱性試験の方法)
透明基板上に乾燥塗膜が約2.5μmとなるようにレジスト材を塗布し、所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行った後、スプレーによりアルカリ現像液を噴霧して未硬化部を除去し、所望のパターンを形成した。その後、オーブンで230℃1時間加熱、放冷後、得られた塗膜のC光源での色差1(L*(1),a*(1),b*(1))を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱試験としてオーブンで250℃1時間加熱し、C光源での色差2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定した。
測定した色差値を用いて、下記計算式により、色差変化率ΔEab*を算出し、塗膜の耐熱性を下記の3段階で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
○:ΔEab*が2.5未満
△:ΔEab*が2.5以上、5.0未満
×:ΔEab*が5.0以上
(塗膜耐光性試験の方法)
塗膜耐熱性試験と同じ手順で試験用基板を作製し、C光源での色差1(L*(1),a*(1),b*(1))を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、基板を耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、500時間放置した。基板を取り出した後、C光源での色差2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定し、塗膜耐熱性試験と同様にして色差変化率ΔEab*を算出し、耐熱性と同様の基準により塗膜の耐光性を3段階で評価した。
(塗膜耐溶剤性試験の方法)
耐熱性試験と同じ手順で試験用基板を作製し、C光源での色差1(L*(1),a*(1),b*(1))を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、基板をN−メチルピロリドンに30分間浸漬した。基板を取り出した後、C光源での色差2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定し、塗膜耐熱性試験と同様にして色差変化率ΔEab*を算出し、耐熱性と同様の基準により塗膜の耐溶剤性を3段階で評価した。
Figure 2010191304
沈殿剤がリンを含有するコンプレックスアシッドであるローダミン系染料の金属レーキ顔料を使用した実施例1〜15のレジスト材は、耐候性が良好な結果であった。実施例16のレジスト材は、沈殿剤がリンを含有しないコンプレックスアシッドであるローダミン系染料の金属レーキ顔料(C.I.ピグメントバイオレット1:2)を併用しているため、耐候性がやや悪い結果となっているが、カラーフィルタに用いるには問題無い品位であった。これに対し比較例1〜5のレジスト材は、ローダミン系染料の金属レーキ顔料として、沈殿剤がリンを含有しないコンプレックスアシッドであるローダミン系染料の金属レーキ顔料のみを使用しているため、耐候性が悪い結果となった。
[実施例17〜33、および比較例6〜12:カラーフィルタの評価]
表4に示すレジスト材を用いてカラーフィルタを作製し、その品位を確認した。まず、カラーフィルタの作製方法について説明する。
(カラーフィルタの作製)
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターでレジスト材1を塗布し、着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、膜厚2.5μmの赤色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、レジスト材12、13を用いて膜厚2.5μmの緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成し、原色系カラーフィルタを得た(実施例17)。以下、同様の方法により、表4に示すレジスト材の組み合わせで実施例18〜24、比較例6〜8の原色系カラーフィルタを得た。さらに同様の方法により、表4に示すレジスト材の組み合わせで膜厚2.5μmのシアン色、黄色、マゼンタ色のフィルタセグメントを形成して、実施例25〜33、比較例9〜12の補色系カラーフィルタを得た。
Figure 2010191304
実施例17〜24及び比較例6〜8で得られた原色系カラーフィルタにおいて、下記の方法で色再現性の評価を行った。また、実施例25〜33及び比較例9〜12で得られた補色系カラーフィルタにおいて、下記の方法で分光特性の評価を行った。
(原色系カラーフィルタにおける色再現性の評価)
得られたカラーフィルタに、冷陰極蛍光管光源を用いて光を照射した際のRGB3色の色度を求めた。このRGB3色の色度を頂点とした三角形の面積を、カラーフィルタのNTSC比(アメリカNational Television System Committee(NTSC)により定められた標準方式の3原色、赤(0.67, 0.33)、緑(0.21, 0.71)、青(0.14, 0.08)により囲まれる面積)で定められたRGB3色の三角形の面積を100とした際の比率で色再現性(色再減領域)の評価を行った。
(補色系カラーフィルタにおける分光特性の評価方法)
分光特性は、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて分光スペクトルの測定を行った。分光特性の評価は波長400〜450nmにおける最大透過率の値により、下記の3段階で評価した。
○:400〜450nmにおける最大透過率の値が80%以上
△:400〜450nmにおける最大透過率の値が70%以上、80%未満
×:400〜450nmにおける最大透過率の値が70%未満
得られたカラーフィルタの色再現性と分光特性の評価結果を表5に示す。なお、表5には、それぞれのカラーフィルタに使用した赤色レジスト材もしくはマゼンタ色レジスト材の番号と耐候性評価の結果も合わせて記載した。
Figure 2010191304
沈殿剤がリンを含有するコンプレックスアシッドであるローダミン系染料の金属レーキ顔料を含むレジスト材を用いて作製された実施例17〜24のカラーフィルタは色再現性が良く、実施例25〜32のカラーフィルタは分光特性が良好であった。実施例33のカラーフィルタ作製に用いたレジスト材22は、C.I.ピグメントレッド122を併用しているため、分光特性が若干劣っているが、カラーフィルタとしては使用上、問題ない品位であった。これに対し、比較例6、7、9〜11のカラーフィルタは、作製に用いたレジスト材がローダミン系染料の金属レーキ顔料を使用しており色再現性は良好であるが、レーキ化に用いる沈殿剤がリン(P)ではなくケイ素(Si)を含有しているため、耐候性に劣るカラーフィルタであった。また、比較例8と12のカラーフィルタは、作製に用いたレジスト材にローダミン系染料の金属レーキ顔料が含まれていないため、色再現性や分光特性が良好ではなかった。
これらの結果より、赤色またはマゼンタ色のレジスト材において、レーキ化に用いる沈殿剤がリンを含有するコンプレックスアシッドであるローダミン系染料の金属レーキ顔料を用いると、色再現性、分光特性が良く、耐候性も良好なカラーフィルタが得られる。

Claims (7)

  1. 透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、ローダミン系染料の金属レーキ顔料とを含むカラーフィルタ用着色組成物であって、前記金属レーキ顔料のレーキ化に用いる沈殿剤がリン(P)を含有するコンプレックスアシッドであることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
  2. ローダミン系染料の金属レーキ顔料が、C.I.ピグメントレッド81、81:3、81:4、C.I.ピグメントバイオレット1、2、2:2のいずれかであることを特徴とする、請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 沈殿剤が、タングステン(W)をさらに含有するコンプレックスアシッドであることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  4. 顔料担体が透明樹脂の前駆体を含み、光重合開始剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. 波長575〜585nmの範囲内で透過率50%となる塗膜を形成したとき、前記塗膜の厚さが0.5〜2.5μmの範囲であり、前記塗膜の波長500〜550nmの分光透過率が10%以下、波長400〜450nmの分光透過率が70%以上、波長600〜700nmの分光透過率が80%以上となる請求項1〜4いずれかに記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. 少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントおよび少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備えるカラーフィルタにおいて、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、請求項1〜5いずれかに記載のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタ。
  7. 少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメントおよび少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを備えるカラーフィルタにおいて、少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメントが、請求項1〜5いずれかに記載のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタ。

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