JP7017867B2 - 着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び表示装置 - Google Patents

着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、造塩化合物とこれ以外の着色剤とを併用する着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び表示装置に関するものである。
表示装置に用いられるカラーフィルタは着色硬化性樹脂組成物から形成され、着色硬化性樹脂組成物としては、着色剤として、以下の化合物とC.I.ピグメントブルー15:6等の顔料のみと含む組成物が開示されている(特許文献1、2)。
Figure 0007017867000001
特開2013-234319号公報 特開2013-235257号公報
従来から知られる上記の着色硬化性樹脂組成物では、得られるカラーフィルタは耐熱性が必ずしも十分ではない場合があった。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 造塩化合物からなる着色剤(Aa)、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有する化合物(Ab)、前記造塩化合物(Aa)以外の着色剤(Ac)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含み、
前記化合物(Ab)の含有率が前記造塩着色剤(Aa)100質量%に対して0.1~15質量%である着色硬化性樹脂組成物。
[2] 前記造塩化合物(Aa)がトリアリールメタン系造塩化合物、シアニン系造塩化合物、又はスクアリリウム系造塩化合物である[1]記載の着色硬化性樹脂組成物。
[3] 前記トリアリールメタン系造塩化合物が、式(A-I)で表される化合物である[2]記載の着色硬化性樹脂組成物。
Figure 0007017867000002
[式(A-I)中、R41~R44は、互いに独立に、置換もしくは非置換のアミノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルキル基であって、該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されている基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、置換されていてもよいアラルキル基あるいは水素原子を表す。R41とR42とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよく、R43とR44とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
47~R54は、互いに独立に、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホニル基、ヒドロキシ基、又は炭素数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。R48とR52とが互いに結合して、-NH-、-S-又は-SO-を形成していてもよい。
環Tは、置換基を有していてもよい芳香族複素環を表す。
[Y]m-は、タングステン、モリブデン、ケイ素、及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有する任意のm価のアニオンを表す。
mは任意の自然数を表す。
なお、1分子中下記式(A-II)で表されるカチオンが複数含まれる場合、それらは同じ構造であっても異なる構造であってもよい。]
Figure 0007017867000003
[式(A-II)中、環T、R41~R44及びR47~R54は、式(A-I)におけるものと同義である。]
[4] 式(A-I)における[Y]m-が、タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸もしくはイソポリ酸のアニオンである[3]記載の着色硬化性樹脂組成物。
[5] 前記着色剤(Ac)が、キサンテン染料、トリアリールメタン染料、クマリン染料、アントラキノン染料、及びテトラアザポルフィリン染料からなる群より選択される1種である[1]~[4]のいずれか記載の着色硬化性樹脂組成物。
[6] [1]~[5]のいずれか記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
[7] [6]記載のカラーフィルタを含む表示装置。
本発明の着色硬化性樹脂組成物によれば、耐熱性に優れたカラーフィルタを提供することが可能となる。また、本発明の着色硬化性樹脂組成物によれば、異物発生を抑制することが可能となる。
1.着色硬化性樹脂組成物
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、造塩化合物からなる着色剤(Aa)、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有する化合物(Ab)、前記造塩化合物(Aa)以外の着色剤(Ac)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含み、前記化合物(Ab)の含有率が前記造塩化合物(Aa)100質量%に対して0.1~15質量%であることを特徴とする。
前記化合物(Ab)は、造塩化合物(Aa)、これ以外の着色剤(Ac)等の成分と所定量で混合すると、着色剤の分散液を調製しなくとも、耐熱性向上が可能な着色硬化性樹脂組成物を得ることができる。
1-1.造塩化合物(Aa)
本明細書において、造塩化合物とは、イオン結合を有する化合物を意味する。
本発明の造塩化合物(Aa)は、1種または2種以上の造塩化合物からなる着色剤である。
本発明に使用される造塩化合物(Aa)は、トリアリールメタン系造塩化合物、シアニン系造塩化合物、又はスクアリリウム系造塩化合物であることが好ましく、より好ましくはトリアリールメタン系造塩化合物である。
1-1-1.トリアリールメタン系造塩化合物
前記トリアリールメタン系造塩化合物は、式(A-I)で表される化合物(以下、(A-I)ともいう)であることが好ましく、より好ましくはカチオンとアニオンを有する(A-I)、さらに好ましくはカルボカチオンと無機アニオンを有する(A-I)である。
Figure 0007017867000004
[式(A-I)中、R41~R44は、互いに独立に、置換もしくは非置換のアミノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルキル基であって、該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されている基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、置換されていてもよいアラルキル基あるいは水素原子を表す。R41とR42とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよく、R43とR44とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
47~R54は、互いに独立に、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホニル基、ヒドロキシ基、又は炭素数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。R48とR52とが互いに結合して、-NH-、-S-又は-SO-を形成していてもよい。
環Tは、置換基を有していてもよい芳香族複素環を表す。
[Y]m-は、タングステン、モリブデン、ケイ素、及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有する任意のm価のアニオンを表す。
mは任意の自然数を表す。
なお、1分子中下記式(A-II)で表されるカチオンが複数含まれる場合、それらは同じ構造であっても異なる構造であってもよい。
Figure 0007017867000005
[式(A-II)中、環T、R41~R44及びR47~R54は、それぞれ、上記と同義である。]]
前記環Tの芳香族複素環は、単環でも縮合環でもよい。また、芳香族複素環は、5~10員環であることが好ましく、5~9員環であることがより好ましい。単環の芳香族複素環としては、例えば、ピロール環、オキサゾール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環等の窒素原子を含む5員環;フラン環、チオフェン環等の窒素原子を含まない5員環;ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環等の窒素原子を含む6員環;等が挙げられ、縮合環の芳香族複素環としては、インドール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、キノリン環等の窒素原子を含む縮合環;ベンゾフラン環等の窒素原子を含まない環;等が挙げられる。
環Tの芳香族複素環が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基、置換されていてもよいアミノ基等が挙げられる。
中でも、環Tの芳香族複素環は、窒素原子を含む芳香族複素環が好ましく、窒素原子を含む5員環の芳香族複素環がより好ましい。
また環Tは、式(Ab2-x1)で表される環がさらに好ましい。
Figure 0007017867000006

[式(Ab2-xI)中、環Tは、炭素数6~30の芳香族複素環を表す。
45及びR46は、互いに独立に、置換もしくは非置換のアミノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルキル基であって、該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されている基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、置換されていてもよいアラルキル基あるいは水素原子を表す。R45とR46とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
55は、炭素数1~20のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表す。
k1は、0又は1を表す。
*は、カルボカチオンとの結合手を表す。]
環Tとしては、式(Ab2-y1)で表される環がとりわけ好ましい。
Figure 0007017867000007

[式(Ab2-y1)中、R56は、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素数6~30の芳香族炭化水素基を表す。
X2は、酸素原子、-N(R57)-又は硫黄原子を表す。
57は、水素原子又は炭素数1~10のアルキル基を表す。
45及びR46は、上記と同義である。
*は、カルボカチオンとの結合手を表す。]
上記式中、環Tの芳香族複素環は、環Tにおいて例示した芳香族複素環と同様の環が挙げられる。
また環Tは、後述する式(Ab2-x2)で表される環であることも好ましい。
Figure 0007017867000008

[式(Ab2-x2)中、環Tは、窒素原子を有する炭素数6~30の芳香族複素環を表す。
58は、炭素数1~20のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素数6~30の芳香族炭化水素基を表す。
59は、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6~30の芳香族炭化水素基又は置換されていてもよい炭素数6~30のアラルキル基を表す。
k2は、0又は1を表す。
*は、カルボカチオンとの結合手を表す。]
環Tは、式(Ab2-y2)で表される環であることもさらに好ましい。
Figure 0007017867000009

[式(Ab2-y2)中、R60は、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表す。
59は、上記と同義である。
*は、カルボカチオンとの結合手を表す。]
41~R46、R55、R56及びR58~R60で表される炭素数1~20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2-エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等の炭素数3~20の環状アルキル基が挙げられる。
41~R46、R55、R56及びR58~R60で表される炭素数1~20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよい。また、該アルキル基の炭素数は、好ましくは1~10であり、より好ましくは1~8であり、さらに好ましくは1~6であり、とりわけ好ましくは1~4である。
直鎖状アルキル基又は分岐鎖状アルキル基の炭素数は、好ましくは1~8であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4である。また、環状アルキル基の炭素数は、好ましくは3~10であり、より好ましくは6~10である。
41~R46のアルキル基を置換していてもよい、置換もしくは非置換のアミノ基は、アミノ基;N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N-フェニルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基等が挙げられる。
41~R46のアルキル基を置換していてもよい、ハロゲン原子は、塩素原子、フッ素原子、臭素原子等である。
59のアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。
41~R46の炭素数2~20のアルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されている基において、酸素原子に隣接する炭化水素基の炭素数はそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよく、1~4個が好ましく、2~3個がより好ましい。また、酸素原子が2個以上挿入されている場合、酸素原子間の炭素数は、1~4個であることが好ましく、2~3個であることがより好ましい。なお、酸素原子は、アルキル基の末端に結合していないことが好ましい。
前記アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されている基は、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000010
57の炭素数1~10のアルキル基は、R41~R46、R55、R56及びR58~R60で表されるもののうちで、炭素数1~10のものが挙げられる。
41~R46、R55、R56及びR58~R60で表される置換されていてもよい炭素数6~30の芳香族炭化水素基は、炭素数6~20であることが好ましく、より好ましくは炭素数6~15、さらに好ましくは炭素数6~12である。
該芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられる。また該芳香族炭化水素基は、1又は2以上の置換基を有していてもよく、該置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ヒドロキシ基;スルファモイル基;メチルスルホニル基等の炭素数1~6のアルキルスルホニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1~6のアルコキシカルボニル基;等が挙げられる。
41~R46、R59で表される置換されていてもよいアラルキル基としては、上記芳香族炭化水素基として説明した基にメチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1~5のアルカンジイル基が結合した基等が挙げられる。アラルキル基の炭素数は、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~20であり、さらに好ましくは6~15であり、とりわけ好ましくは6~12である。
41とR42とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに形成する環、R43とR44とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに形成する環、並びにR45とR46とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに形成する環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0007017867000011
47~R54で表される炭素数1~8のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよく、鎖状であることが好ましい。R47~R54で表される炭素数1~8のアルキル基は、R41~R46、R55、R56及びR58~R60で例示した直鎖状、分岐鎖状及び環状アルキル基のうち炭素数1~8である基等が挙げられる。該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
48とR52とが互いに結合して、-NH-、-S-又は-SO-を形成していてもよい。
中でも、R41~R44、R55、R58、R59としては、炭素数1~20のアルキル基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、置換されていてもよいフェニル基がより好ましく、メチル基、エチル基、イソブチル基、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、結合手に対してオルト位、パラ位、メタ位の少なくともいずれかにフッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、又はメタンスルホニル基が結合したフェニル基がさらに好ましい。
45及びR46は、互いに独立に、置換もしくは非置換のアミノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルキル基であって、該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されている基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、プロポキシメチル基、プロポキシエチル基、プロポキシプロピル基、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基がより好ましく、さらに好ましくはエチル基、イソプロピル基、ブチル基、フェニル基、o-トリル基、メトキシエチル基である。
また、R47~R54としては、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~8のアルキル基が好ましく、互いに独立に、水素原子、メチル基、フッ素原子又は塩素原子がより好ましい。
さらに、R56としては、炭素数1~10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基が好ましく、より好ましくは、炭素数1~8のアルキル基、又はハロゲン原子、炭素数1~4のハロアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1~4のアルキル基、あるいはメチルスルホニル基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基であり、さらに好ましくはフェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、結合手に対してオルト位、パラ位、メタ位の少なくともいずれかにフッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、又はメタンスルホニル基が結合したフェニル基である。
式(A-I)のカチオンとしては、表1に示すように、式(Ab2-1)で表されるカチオン1~カチオン12等が挙げられる。表中、*は結合手を表す。
Figure 0007017867000012
Figure 0007017867000013
表1中、Ph1~Ph9は、下記式で表される基を意味するものとする。式中、*は結合手を表す。
Figure 0007017867000014
また、式(A-I)のカチオンとしては、表2に示すように、式(Ab2-2)で表されるカチオン13~カチオン16等も挙げられる。表中、*は結合手を表す。
Figure 0007017867000015
Figure 0007017867000016
表2中、Ph1、Ph10、Ph11は、下記式で表される基を意味するものとする。式中、*は結合手を表す。
Figure 0007017867000017
中でも、式(A-I)のカチオンとしては、カチオン1~カチオン6、カチオン11、又はカチオン12が好ましく、カチオン1、カチオン2、又はカチオン12がより好ましく、カチオン12がさらに好ましい。
<アニオン>
アニオンに相当する[Y]m-としては、タングステン、モリブデン、ケイ素、及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンが用いられる。こうしたアニオンは、耐熱性や耐溶剤性を高めることができる。
アニオン[Y]m-としては、タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオン、中でもリンタングステン酸、ケイタングステン酸又はタングステン系イソポリ酸のアニオンが好ましい。
mは、任意の自然数であり、好ましくは1~20であり、より好ましくは2~10であり、さらに好ましくは2~8であり、とりわけ好ましくは3、4又は6である。
この様なタングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンとしては、例えば、ケギン型リンタングステン酸イオンα-[PW12403-、ドーソン型リンタングステン酸イオンα-[P18626-、β-[P18626-、ケギン型ケイタングステン酸イオンα-[SiW12404-、β-[SiW12404-、γ-[SiW12404-、さらにその他の例として[P176110-、[P155612-、[H124812-、[NaP3011014-、α-[SiW3410-、γ-[SiW10368-、α-[SiW11398-、β-[SiW11398-、[W192-、[W10324-、WO 2-及びこれらの混合物が挙げられる。
また、ケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とからなるアニオンも好ましい。
この様なケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とからなるアニオンとしては、SiO 2-、PO 3-が挙げられる。
中でも合成と後処理の容易さから、ケギン型リンタングステン酸イオン、ドーソン型リンタングステン酸イオンなどのリンタングステン酸アニオン;ケギン型ケイタングステン酸イオンなどのケイタングステン酸アニオン、[W10324-等のタングステン系イソポリ酸アニオンが好ましく、リンタングステン酸アニオン、タングステン系イソポリ酸アニオンがより好ましい。
造塩化合物(Aa)としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007017867000018
Figure 0007017867000019
Figure 0007017867000020
Figure 0007017867000021
Figure 0007017867000022
Figure 0007017867000023
Figure 0007017867000024
Figure 0007017867000025
Figure 0007017867000026
Figure 0007017867000027
Figure 0007017867000028
Figure 0007017867000029
Figure 0007017867000030
Figure 0007017867000031
1-1-2.クマリン系造塩化合物
前記造塩化合物(Aa)は、クマリン系造塩化合物(式(AA-I)で表される化合物)であってもよい。
Figure 0007017867000032
[式(AA-I)中、R及びRは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数6~30の芳香族炭化水素基を表す。
は、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基を表す。
は、-S-、-O-又は-NR-を表す。
は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数6~30の芳香族炭化水素基を表す。
g-は、g価のアニオンを表す。
gは、1~14の整数を表す。]
及びRにおける炭素数1~20の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、(2-エチル)ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、3-ペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、(3-エチル)ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5-メチルヘキシル基、(2-エチル)ヘキシル基、ヘプチル基、(3-エチル)ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基等の飽和脂肪族炭化水素基、イソプロペニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-ブテニル基、1,3-ブタジエニル基、2-ペンテニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基等の脂肪族炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1-メチルシクロヘキシル基、2-メチルシクロヘキシル基、3-メチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、1,2-ジメチルシクロヘキシル基、1,3-ジメチルシクロヘキシル基、1,4-ジメチルシクロヘキシル基、2,3-ジメチルシクロヘキシル基、2,4-ジメチルシクロヘキシル基、2,5-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、3,4-ジメチルシクロヘキシル基、3,5-ジメチルシクロヘキシル基、2,2-ジメチルシクロヘキシル基、3,3-ジメチルシクロヘキシル基、4,4-ジメチルシクロヘキシル基、2,4,6-トリメチルシクロヘキシル基、2,2,6,6-テトラメチルシクロヘキシル基、3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキシル基等の飽和脂環式炭化水素基、シクロヘキセニル基等の不飽和脂環式炭化水素基;等が挙げられる。
及びRは、互いに独立に、炭素数1~10の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。前記脂肪族炭化水素基の炭素数は、1~8であることがより好ましく、1~6であることがさらに好ましい。前記脂肪族炭化水素基は飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、さらに好ましくは飽和の脂肪族炭化水素基である。
及びRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、(2-エチル)ヘキシル基及びオクチル基が好ましく、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、(2-エチル)ヘキシル基及びオクチル基が更に好ましい。R及びRがこれらの基であれば、式(AA-I)で表される化合物が溶媒へ溶解しやすい。
及びRにおける炭素数6~30の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、メシチル基、o-クメニル基、m-クメニル基、p-クメニル基、2,6-ビス(2-プロピル)フェニル基等の芳香族炭化水素基;等が挙げられ、この他、ベンジル基、フェネチル基、ビフェニリル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等のアラルキル基;等も含まれてもよい。
及びRは、互いに独立に、炭素数6~20の芳香族炭化水素基であることが好ましい。前記炭素数は6~15がより好ましく、さらに好ましくは6~10である。
及びRは、前記脂肪族炭化水素基、前記芳香族炭化水素基を組合せたものであってもよい。
これらR及びRに含まれる水素原子は置換されていてもよく、置換基としては、上述した炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子が挙げられる。
及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R及びRが一緒になって形成する環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0007017867000033
は、元々中性であったクマリン系化合物をカチオン化するために有用な基であり、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基を表す。
前記脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2-エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の脂環式アルキル基等の飽和炭化水素基が挙げられる。
中でも、式(AA-I)で表される化合物に含まれる第2級アミンの窒素原子(例えば、式(AA-I)で表される化合物のRに結合する窒素原子)をアルキル化すると共にカチオン化する観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の直鎖状アルキル基であることが好ましく、メチル基がより好ましい。
の該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、置換基としての、炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、これらは炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基として例示した基と同様の基が挙げられる。ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等である。
は、-S-、-O-又は-N(R)-を表す。
は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数6~30の芳香族炭化水素基を表す。前記脂肪族炭化水素基、前記芳香族炭化水素基、前記置換基は、前述と同様であってもよい。
-N(R)-のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、1,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、ヘプチル基、1-メチルヘキシル基、1,4-ジメチルペンチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、1,5-ジメチルヘキシル基、1,1,2,2-テトラメチルブチル基等のアルキル基;
ジメチル基、エチルメチル基、ジエチル基、プロピルメチル基、イソプロピルメチル基、tert-ブチルメチル基、ブチルエチル基、ビス(1-メチルプロピル)基、ヘプチルメチル基、ビス(2-エチルヘキシル)基等のジアルキル基;
フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、メシチル基、o-クメニル基、m-クメニル基、p-クメニル基、2,6-ビス(2-プロピル)フェニル基等の芳香族炭化水素基;等が挙げられる。
式(AA-I)で表される化合物におけるAg-は、g価のアニオンを表す。gは、1~14の整数を表し、1~10の整数であることが好ましく、1~8の整数であることがより好ましく、1~6の整数であることがさらに好ましく、1~4の整数であることがとりわけ好ましい。
g-としては、公知のアニオンが挙げられるが、耐熱性向上や昇華性低減の点から、フッ素原子を含むアニオン、又は、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンが好ましい。
フッ素原子を含むアニオンとしては、例えば、下記式(AA-II)、(AA-III)、(AA-IV)、(AA-V)で表される基が挙げられる。
Figure 0007017867000034
[式(AA-II)中、W及びWは、互いに独立に、フッ素原子若しくは炭素数1~4のフッ化アルキル基を表すか、又は、WとWとが一緒になって炭素数1~4のフッ化アルカンジイル基を表す。]
Figure 0007017867000035
[式(AA-III)中、W~Wは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1~4のフッ化アルキル基を表す。]
Figure 0007017867000036
[式(AA-IV)中、Yは炭素数1~4のフッ化アルカンジイル基を表す。]
Figure 0007017867000037
[式(AA-V)中、Yは炭素数1~4のフッ化アルキル基を表す。]
式(AA-II)、(AA-III)、及び(AA-V)において、炭素数1~4のフッ化アルキル基としては、パーフルオロアルキル基が好ましい。該パーフルオロアルキル基としては、-CF、-CFCF、-CFCFCF、-CF(CF、-CFCFCFCF、-CFCF(CF、-C(CF等が挙げられる。
式(AA-II)、(AA-IV)において、炭素数1~4のフッ化アルカンジイル基としては、パーフルオロアルカンジイル基が好ましく、-CF-、-CFCF-、-CFCFCF-、-C(CF-、-CFCFCFCF-等が挙げられる。
式(AA-II)で表されるアニオン(以下「アニオン(AA-II)」という場合がある)としては、それぞれ式(AA-II-1)~式(AA-II-6)で示されるアニオン(以下、「アニオン(AA-II-1)」~「アニオン(AA-II-6)」という場合がある)が挙げられる。
Figure 0007017867000038
式(AA-III)で表されるアニオン(以下「アニオン(AA-III)」という場合がある)としては、下記式で示されるアニオン(AA-III-1)が挙げられる。
Figure 0007017867000039
式(AA-IV)で表されるアニオン(以下「アニオン(AA-IV)」という場合がある)としては、それぞれ式(AA-IV-1)~式(AA-IV-4)で示されるアニオン(以下「アニオン(AA-IV-1)」~「アニオン(AA-IV-4)」という場合がある)が挙げられる。
Figure 0007017867000040
式(AA-V)で表されるアニオン(以下「アニオン(AA-V)」という場合がある)としては、それぞれ式(AA-V-1)~式(AA-V-4)で示されるアニオン(以下「アニオン(AA-V-1)」~「アニオン(AA-V-4)」という場合がある)が挙げられる。
Figure 0007017867000041
フッ素原子を含むアニオンは、アニオン(AA-II)、アニオン(AA-III)、アニオン(AA-IV)及びアニオン(AA-V)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアニオンであってもよい。中でも、アニオン(AA-V-1)、アニオン(AA-V-2)、アニオン(AA-V-3)が好ましく、アニオン(AA-V-1)がより好ましい。
アニオンとして、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンが挙げられる。タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンが好ましく、リンタングステン酸、ケイタングステン酸及びタングステン系イソポリ酸のアニオンがより好ましい。かかるアニオンは、例えばフッ素原子を含むアニオン(好ましくはアニオン(AA-V-1))を有する、式(AA-I)で表される化合物に使用し、アニオン交換すると共に、カチオン価数を例えば1以上、2以上増大させてもよい。
この様なタングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンとしては、例えば、ケギン型リンタングステン酸イオンα-[PW12403-、ドーソン型リンタングステン酸イオンα-[P18626-、β-[P18626-、ケギン型ケイタングステン酸イオンα-[SiW12404-、β-[SiW12404-、γ-[SiW12404-、さらにその他の例として[P176110-、[P155612-、[H124812-、[NaP3011014-、α-[SiW3410-、γ-[SiW10368-、α-[SiW11398-、β-[SiW11398-、[W192-、[W10324-、WO 2-等が挙げられる。中でも、ケギン型リンタングステン酸イオンα-[PW12403-が特に好ましい。
式(AA-I)で表される化合物の具体例を表3~表10に示す。表3~表10中、Metはメチル基、Etはエチル基、Proはプロピル基、Btはブチル基、Penはペンチル基、Octはn-オクチル基を表す。
Figure 0007017867000042
Figure 0007017867000043
Figure 0007017867000044
Figure 0007017867000045
Figure 0007017867000046
Figure 0007017867000047
Figure 0007017867000048
Figure 0007017867000049
合成が容易である観点から、
式(AA-I-1)、式(AA-I-2)、式(AA-I-6)、式(AA-I-7)、式(AA-I-11)、式(AA-I-12)、式(AA-I-16)、式(AA-I-17)、式(AA-I-21)、式(AA-I-22)、式(AA-I-26)、式(AA-I-27)、式(AA-I-31)、式(AA-I-32)、式(AA-I-36)、式(AA-I-37)、式(AA-I-41)、式(AA-I-42)、式(AA-I-46)、式(AA-I-47)、式(AA-I-51)、式(AA-I-52)、式(AA-I-56)、式(AA-I-57)、式(AA-I-61)、式(AA-I-62)、式(AA-I-66)、式(AA-I-67)、式(AA-I-71)、式(AA-I-72)、式(AA-I-76)、式(AA-I-77)、式(AA-I-81)、式(AA-I-82)、式(AA-I-86)、式(AA-I-87)、式(AA-I-91)、式(AA-I-92)、式(AA-I-96)、式(AA-I-97)、式(AA-I-101)、式(AA-I-102)、式(AA-I-106)、式(AA-I-107)、式(AA-I-111)、式(AA-I-112)、式(AA-I-116)、式(AA-I-117)、式(AA-I-121)、式(AA-I-122)、式(AA-I-126)、式(AA-I-127)、式(AA-I-131)、式(AA-I-132)、式(AA-I-136)、式(AA-I-137)、式(AA-I-141)、式(AA-I-142)、式(AA-I-146)、式(AA-I-147)、式(AA-I-151)、式(AA-I-152)、式(AA-I-156)、式(AA-I-157)、式(AA-I-161)、式(AA-I-162)、式(AA-I-166)、式(AA-I-167)、式(AA-I-171)、式(AA-I-172)、式(AA-I-176)、式(AA-I-177)で表される化合物が好ましく、
式(AA-I-1)、式(AA-I-6)、式(AA-I-11)、式(AA-I-16)、式(AA-I-21)、式(AA-I-26)、式(AA-I-31)、式(AA-I-36)、式(AA-I-41)、式(AA-I-46)、式(AA-I-51)、式(AA-I-56)、式(AA-I-61)、式(AA-I-66)、式(AA-I-71)、式(AA-I-76)、式(AA-I-81)、式(AA-I-86)、式(AA-I-91)、式(AA-I-96)、式(AA-I-101)、式(AA-I-106)、式(AA-I-111)、式(AA-I-116)、式(AA-I-121)、式(AA-I-126)、式(AA-I-131)、式(AA-I-136)、式(AA-I-141)、式(AA-I-146)、式(AA-I-151)、式(AA-I-156)、式(AA-I-161)、式(AA-I-166)、式(AA-I-171)、式(AA-I-176)、式(AA-I-177)で表される化合物がより好ましい。特に好ましくは、式(AA-I-46)又は式(AA-I-136)で表される化合物である。
化合物(AA-I)は、式(AA-II’)で表される化合物であってもよい。
Figure 0007017867000050
[式(AA-II’)中、R21及びR22は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数6~30の芳香族炭化水素基を表す。
23は、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基を表す。
m-は、m価のフッ素原子を含むアニオン又はタングステン酸含有アニオンを表す。
mは、1~14の整数を表す。]
前記R21及びR22は、前記R及びRと同様であり、前記R23は、前記Rと同様である。Em-として示されるフッ素原子を含むアニオン又はタングステン酸含有アニオンも前述の通りである。
式(AA-II’)で表される化合物は、式(AA-I)で表される化合物のうち、式(AA-I-1)~式(AA-I-45)、式(AA-I-91)~式(AA-I-135)で表される化合物と同一であってもよい。
前記化合物は、所定のクマリン化合物の2級アミン(好ましくは式(AA-I)で表される化合物のRに結合する窒素原子、又は式(AA-II’)で表される化合物のR23に結合する窒素原子)に対し、アルキル化剤を反応させることにより得られてもよく、また、得られた化合物に対し、ヘテロポリ酸塩、或いはイソポリ酸塩をさらに反応させることにより得られてもよい。
アルキル化剤としては、好ましくは炭素数1~5、より好ましくは炭素数1~3のハロゲン化アルキル等のハロゲン化アルキル(塩化メチル、臭化メチル又はヨウ化メチル等);好ましくは炭素数2~10、より好ましくは炭素数2~6、さらに好ましくは炭素数2~4の等の炭酸ジアルキル(炭酸ジメチル又は炭酸ジエチル等);好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~6、さらに好ましくは炭素数1~4等のジアルキル硫酸(ジメチル硫酸又はジエチル硫酸等);好ましくは炭素数2~10、より好ましくは炭素数2~6、さらに好ましくは炭素数2~4のアルカンスルホン酸アルキル(メタンスルホン酸メチル、エタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸エチル、エタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル等);が挙げられる。
前記アルキル化剤は、メチル化剤、エチル化剤、プロピル化剤、ブチル化剤等が好ましく、より好ましくはメチル化剤である。
アルキル化剤の使用量は、式(AA-I)で表される化合物の前駆体1モルに対して、好ましくは1モル以上20モル以下であり、より好ましくは1モル以上10モル以下である。
反応温度は、0℃~100℃であることが好ましく、50℃~90℃であることがより好ましい。式(AA-I)で表される化合物の前駆体の溶解性を十分なものとするため、70℃~100℃程度で所定の有機溶媒と予め混合しておいてもよい。反応時間は、10分~10時間であることが好ましく、1時間~4時間であることがより好ましい。
反応は、収率の点から、有機溶媒中で行われることが好ましい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール溶媒;ニトロベンゼン等のニトロ炭化水素溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1-メチル-2-ピロリドン等のアミド溶媒;等が挙げられる。有機溶媒の使用量は、式(AA-I)で表される化合物の前駆体1質量部に対して、好ましくは1質量部以上300質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上100質量部以下である。
反応混合物から化合物を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば、反応混合物を濾過し、(例えば、トルエン等)等の溶媒で洗浄し、得られた残渣を乾燥する方法を挙げることができる。得られた化合物は、例えば式(AA-I)で表される化合物となる。
次に、式(AA-I)で表される化合物のアニオンを交換する方法を採用してもよく、当該方法としては、タングステン、ケイ素、及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有する化合物等を添加する方法等が挙げられる。
タングステン、ケイ素、及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有する化合物(本明細書で、以下アニオン交換剤ともいう)は、公知慣用の方法で製造することができるが、市販品をそのまま用いてもよい。この様な化合物としては、例えば、対応するヘテロポリ酸塩、イソポリ酸塩、或いは珪酸塩、燐酸塩等が挙げられ、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸及びケイモリブデン酸等であってもよい。
アニオン交換剤の使用量は、式(AA-I)で表される化合物1モルに対して、好ましくは0.01モル以上5モル以下であり、より好ましくは0.01モル以上1モル以下である。
反応温度は、0~150℃であることが好ましく、10~100℃であることがより0~60℃であることが好ましく、10~40℃であることがより好ましい。反応時間は、10分~36時間が好ましく、10分~24時間がより好ましい。
この反応は、収率の点から、水、有機溶媒又はこれらの混合物中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール溶媒;ニトロベンゼン等のニトロ炭化水素溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1-メチル-2-ピロリドン等のアミド溶媒;等が挙げられる。溶媒の使用量は、式(AA-I)で表される化合物1質量部に対して、好ましくは1質量部以上1000質量部以下であり、より好ましくは10質量部以上500質量部以下である。
かかる方法を採用すると、式(AA-I)で表される化合物のアニオンが交換されると共に、カチオンの価数が、例えば1以上、好ましくは2以上増大することになり、昇華性の低減に好適な化合物とすることができる。かかる反応で得られる化合物は、例えば式(AA-II’)で表される化合物である。
1-1-3.シアニン系造塩化合物
前記造塩化合物(Aa)は、シアニン系造塩化合物であってもよく、下記式(AAA-I)又は下記式(AAA-II)で表されてもよい。なお、本明細書では特定の共鳴構造を有する造塩化合物によって発明を詳述するが、この共鳴構造には、その他全ての共鳴構造が包含されるものとする。
Figure 0007017867000051
Figure 0007017867000052
[式(AAA-I)、(AAA-II)中、
環Z~環Zは、互いに独立に、置換されていてもよい炭素数3~20の複素環を表し、環Z及び/又は環Z、あるいは、環Z、環Z、環Z及び環Zの少なくとも2つ以上は、窒素原子がオニウム化した構造を有する。
a1~Ra9は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素数1~8の1価の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数6~12の芳香族炭化水素基を表し、Ra1、Ra2及びRa3から選ばれる2つが、あるいは、Ra4~Ra6 a7~Ra9のそれぞれから選ばれる2つが、互いに結合して環を形成してもよい。
u、v及びwは、互いに独立に、0以上3以下の整数を表す。
a10、Ra11、Ra14、Ra15、Ra18、Ra19は、互いに独立に、水素原子、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。
a12、Ra13、Ra16、Ra17、Ra20、Ra21は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1~6の1価の脂肪族炭化水素基を表すか、Ra12とRa13、Ra16とRa17、もしくはRa20とRa21とが、互いに結合して炭素数2~6の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
p1~p6は、互いに独立に、0以上2以下の整数を表す。
~A12は、互いに独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。
対アニオンXb1-及びXc1-は、互いに独立に、ホウ素原子を含むアニオン、アルミニウム原子を含むアニオン、並びにタングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオンを表し、b1、c1は1~20の整数を表す。
n及びmは、環Z及び/又は環Z、あるいは、環Z~環Zのオニウム化した窒素原子に起因するプラスの電荷と等しくなるように定められる。
は、置換されていてもよい炭素数1~16の2価の炭化水素基を表す。]
<カチオン>
環Z、環Z、環Z、環Z、環Z、環Zは、互いに独立に、置換されていてもよい炭素数3~20の複素環を表す。前記複素環は少なくとも1つのヘテロ原子を環の構成要素として含むものであり、単環であってもよいし、多環であってもよい。複素環の炭素数は、好ましくは3~12である。
ヘテロ原子は、周期律表における第15族又は第16族の元素から選ばれる原子であればよく、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子やテルル原子が挙げられる。
このような複素環としては、インドール環、ベンゾインドール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環及びキノリン環が挙げられる。
環Z、環Z、環Z、環Z、環Z及び環Zで表される複素環は、インドール環、ベンゾインドール環、インドレニン環又はベンゾインドレニン環が好ましく、インドール環又はインドレニン環がより好ましい。
環Z~環Zで表される複素環が有していてもよい置換基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基等の炭素数1~6の脂肪族炭化水素基;
フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、キシリル基、メシチル基、o-クメニル基、m-クメニル基、p-クメニル基、ナフチル基等の炭素数6~12のアリール基;
ベンジル基等の炭素数7~10のアラルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;
フェノキシ基等の炭素数6~10のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基等の炭素数7~10のアラルキルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のエステル結合を有する基;
メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、n-プロピルスルファモイル基、ジ-n-プロピルスルファモイル基、イソプロピルスルファモイル基、ジイソプロピルスルファモイル基、n-ブチルスルファモイル基、ジ-n-ブチルスルファモイル基、2-エチルヘキシルスルファモイル基等の炭素数1~8のアルキルスルファモイル基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec-ブチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基等の炭素数1~6のアルキルスルホニル基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;
ビニル基、アリル基、プロペン-2-イル基、メタリル基、ブタ-3-エン-1-イル基、ブタ-3-エン-2-イル基、ブタ-3-エン-3-イル基、ペンタ-4-エン-1-イル基等の炭素数2~6のアルケニル基;
ニトロ基;シアノ基;等が挙げられる。
なお、かかる置換基が水素原子を有する場合、該水素原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;カルボキシ基;シアノ基;ニトロ基;アクリロイルオキシ基;メタクリロイルオキシ基などによって置換されていてもよい。
環Z、環Z、環Z、環Z、環Z及び環Zで表される複素環は、置換基として、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6の脂肪族炭化水素基を1個又は2個有することが好ましい。
~A12は、互いに独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。
式(AAA-I)~(AAA-IV)中の*-(CRa1=CRa2-CRa3=*、*-(CRa4=CRa5-CRa6=*、又は*-(CRa7=CRa8-CRa9=*で表される主骨格において、Ra1~Ra9は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素数1~8の1価の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数6~12の芳香族炭化水素基を表し、Ra1~Ra3、Ra4~Ra6、Ra7~Ra9のそれぞれから選ばれる2つは、互いに結合して環を形成してもよい。
a1~Ra9で表される炭素数1~8の1価の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の炭素数1~8の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基及び2-エチルヘキシル基等の炭素数3~20の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3~8の脂環式飽和炭化水素基;などが挙げられる。
a1~Ra9で表される炭素数6~12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
a1~Ra9で表される基のうち、上記脂肪族炭化水素基及び上記芳香族炭化水素基における置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ヒドロキシ基;メチル基、エチル基等の炭素数1~6のアルキル基;スルファモイル基;メチルスルホニル基等の炭素数1~6のアルキルスルホニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1~6のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。
特に、Ra1~Ra9で表される置換基を有していてもよい炭素数6~12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、キシリル基、メシチル基、o-クメニル基、m-クメニル基、p-クメニル基、ナフチル基等が挙げられる。
a1~Ra3、Ra4~Ra6、Ra7~Ra9のそれぞれから選ばれる2つが互いに結合して環を形成する例としては、Ra1とRa3(同様に、Ra4とRa6、Ra7とRa9)が結ばれて環を形成する態様;Ra2とRa3(同様に、Ra5とRa6、Ra8とRa9)が結ばれて環を形成する態様;Ra1とRa2(同様に、Ra4とRa5、Ra7とRa8)が結ばれて環を形成する態様;のいずれであってもよい。
より好ましくはRa1とRa3(同様に、Ra4とRa6、Ra7とRa9)が結ばれて環を形成する態様であり、具体的に例示すると、例えば、下記式(Body-1)~(Body-5)に示されるような、少なくとも炭素-炭素二重結合を1個以上有する4~8員環が好ましく、より好ましくは6員環(Body-3)である。
なお下記式中、Ra2は前記と同様であり、Ra4~Ra6、Ra7~Ra9においては、それぞれ、Ra5、Ra6として読み替えることとする。また(Body-1)~(Body-5)におけるRa2、Ra5及びRa6はハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
Figure 0007017867000053
u、v、wは、互いに独立に、0以上3以下の整数を表し、より好ましくは1以上3以下であり、さらに好ましくは1又は2であり、得られるカラーフィルタの明度の点で、とりわけ好ましくは1である。
中でもRa1~Ra9は、互いに独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~8の1価の脂肪族炭化水素基を表すか、Ra1~Ra3、Ra4~Ra6、Ra7~Ra9のそれぞれから選ばれる2つが互いに結合して環を形成することが好ましく、
a1~Ra9は、互いに独立に、水素原子、シアノ基又はハロゲン原子がより好ましく、
a1、Ra2、Ra4、Ra5、Ra7及びRa8が水素原子であり、Ra3、Ra6及びRa9が水素原子又はシアノ基であることがさらに好ましい。
a10、Ra11、Ra14、Ra15、Ra18及びRa19は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。
a10、Ra11、Ra14、Ra15、Ra18及びRa19における炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基及びイコシル基等の炭素数1~20の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基及び2-エチルヘキシル基等の炭素数3~20の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基及びトリシクロデシル基等の炭素数3~20の脂環式飽和炭化水素基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、3-メチル-ブテニル基、4-メチル-ペンテニル基、5-メチル-ヘキセニル基等の炭素数1~8のアルケニル基;などが挙げられる。
該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)は、-O-、-CO-、-N(R11)-、-OCO-、-COO-、-OCONH-、-NHCOO-、-CONH-又は-NHCO-で置換されていてもよい。
前記R11は、水素原子、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数7~10のアラルキル基を表す。前記炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基としては、Ra10、Ra11、Ra14、Ra15、Ra18及びRa19における炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基と同様の基が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。前記炭素数7~10のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基及びフェニルブチル基等が挙げられる。
該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-O-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000054
該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-CO-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000055
該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-N(R11)-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000056
該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-OCO-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000057
該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-COO-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000058
該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-OCONH-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000059
該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-NHCOO-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000060
該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-CONH-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000061
該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-NHCO-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000062
a10、Ra11、Ra14、Ra15、Ra18及びRa19における芳香族炭化水素基、及び、Ra10、Ra11、Ra14、Ra15、Ra18及びRa19におけるアラルキル基中の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
a10、Ra11、Ra14、Ra15、Ra18及びRa19で表される基のうち、上記脂肪族炭化水素基、上記芳香族炭化水素基及び上記アラルキル基における水素原子の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ヒドロキシ基;メチル基、エチル基等の炭素数1~6のアルキル基;スルファモイル基;メチルスルホニル基等の炭素数1~6のアルキルスルホニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1~6のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。
置換されてもよい脂肪族炭化水素基の具体例としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロピル基及びクロロブチル基等のハロゲン原子で置換された脂肪族炭化水素基;ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシ基で置換された脂肪族炭化水素基;が挙げられる。
置換されてもよい芳香族炭化水素基の具体例としては、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は結合手を表す。
置換されてもよいアラルキル基の具体例としては、下記芳香族炭化水素基の各具体例の結合手にメチレン基が結合した基が挙げられる。
Figure 0007017867000063
Figure 0007017867000064
Figure 0007017867000065
中でもRa10、Ra11、Ra14、Ra15、Ra18及びRa19は、互いに独立に、無置換又はハロゲン原子(より好ましくは塩素原子)で置換されていてもよい炭素数1~10の1価の脂肪族炭化水素基であって、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が-OCO-で置換されていてもよい基であることが好ましく、
より好ましくは、*-(CHx1-CH3、*-(CHx2-CF3、*-(CHx3-CH2OH、*-(CHx4-CH=CH2、又は*-(CHx5-OCO-C(CH3)=CHであり(前記式中、x1~x5は、互いに独立に、0~5の整数であり、0~3の整数がより好ましい)、
更に好ましくは、*-(CHx1-CH3又は*-(CHx2-CF3であり、
特に好ましくは、*-CH3、*-(CH3CH3、*-(CH3CF3、*-(CH)CH=CH、*-(CH)CHOH、*-(CH-OCO-C(CH3)=CHである。
a12、Ra13、Ra15、Ra17、Ra20及びRa21は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1~6の1価の脂肪族炭化水素基を表すか、1個のRa12と1個のRa13とが互いに結合して、1個のRa15と1個のRa17とが互いに結合して、もしくは1個のRa20と1個のRa21とが互いに結合して炭素数2~6の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
a12、Ra13、Ra15、Ra17、Ra20及びRa21におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
a12、Ra13、Ra15、Ra17、Ra20及びRa21における炭素数1~6の1価の脂肪族炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基のいずれであってもよく、好ましくはアルキル基であり、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。
a12、Ra13、Ra15、Ra17、Ra20及びRa21において直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基(好ましくはアルキル基)としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基等の直鎖状のアルキル基;iso-プロピル基、sec-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、1-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、iso-ペンチル基、ネオペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、tert-ペンチル基、1,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-エチル-2-メチルプロピル基、分岐したヘプチル基、1-メチルヘプチル基等の分岐鎖状のアルキル基;プロペニル基、ヘキセニル基等の鎖状アルケニル基等が挙げられる。
a12、Ra13、Ra15、Ra17、Ra20及びRa21における環状の脂肪族炭化水素基(好ましくはシクロアルキル基)としては、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環式のシクロアルキル基等が挙げられる。
なお、脂肪族炭化水素基の一部の炭素原子が酸素原子、窒素原子等に置き換わっていてもよい。
a12、Ra13、Ra15、Ra17、Ra20及びRa21における脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、アリール基(例えば炭素数6~10)、アルキルオキシ基(例えば炭素数1~10)、アリールオキシ基(例えば炭素数6~10)、アシルオキシ基(例えば炭素数1~10)、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アルキルオキシカルボニル基(例えば炭素数2~11)、アミノカルボニル基、ヒドロキシ基、シアノ基等が挙げられる。
また1個のRa12と1個のRa13とが互いに結合して、1個のRa15と1個のRa17とが互いに結合して、もしくは1個のRa20と1個のRa21とが互いに結合して炭素数2~6の2価の脂肪族炭化水素基を表していてもよい。2価の脂肪族炭化水素基としては、特に制限はなく、例えば直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基が好ましい。前記アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、ブチレン基等の直鎖状アルキレン基;イソプロピレン基、分岐したブチレン基等の分岐鎖状アルキレン基;等が挙げられる。
p1~p6は、互いに独立に、0以上2以下の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは2である。
中でもRa12、Ra13、Ra15、Ra17、Ra20及びRa21は、互いに独立に、無置換又はハロゲン原子(より好ましくは塩素原子)で置換されていてもよい炭素数1~6の1価の脂肪族炭化水素基が好ましく、より好ましくは無置換又はハロゲン原子(より好ましくは塩素原子)で置換されていてもよい炭素数1~3の1価の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくはメチル基又はトリフルオロメチル基である。
シアニン系造塩化合物は、式(AAA-II)及び後述する式(AAA-IV)に示すように二量化されていてもよい。式(AAA-II)及び式(AAA-IV)中、Lは、置換されていてもよい炭素数1~16の2価の炭化水素基を表す。Lで表される2価の炭化水素基としては、例えば、
メチレン基、エチレン基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などのアルカンジイル基;
シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロヘキセンジイル基などの2価の脂環式炭化水素基;
o-フェニレン基、m-フェニレン基、p-フェニレン基、ナフチレン基などの2価の芳香族炭化水素基;等が挙げられる。
該2価の炭化水素基が有していてもよい置換基としては、アミノ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基等が挙げられる。
は、環Z及び環Zの何れの位置に結合してもよいが、より好ましくはRa14とRa18とが結合して2価の炭化水素基を形成していることが望ましい。
中でもLは、炭素数1~16のアルカンジイル基が好ましく、炭素数1~10のアルカンジイル基がより好ましく、炭素数3~8のアルカンジイル基がさらに好ましく、炭素数3又は4のアルカンジイル基が特に好ましい。またLは、無置換であることが好ましい。
より好ましい式(AAA-I)で表される造塩化合物は、下記式(AAA-III)又は下記式(AAA-IV)で表される造塩化合物である。
Figure 0007017867000066
Figure 0007017867000067
[式(AAA-III)、式(AAA-IV)中、
環Z~環Z12は、互いに独立に、置換基を有していてもよいベンゼン環又は置換基を有していてもよいナフタレン環を表す。
a1~Ra9、u、v、w、Xb1-、Xc1-、b1、c1、n、m、Ra10~Ra13、Ra15~Ra17、Ra19~Ra21、p1~p6、Lは前記に同じ。]
環Z~環Z12の置換基は、環Z、環Zと同様の置換基が用いられ、中でも、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基等の炭素数1~6の脂肪族炭化水素基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換された炭素数1~6の脂肪族炭化水素基;
などが好ましい。
環Z~環Z12がベンゼン環の場合、下記式(Z-N)、下記式(Z-N)における5位及び/又は6位の水素原子が前記置換基で置換されていることが好ましく、より好ましくは式(Z-N)、(Z-N)における5位の水素原子が置換されていることが好ましい。
Figure 0007017867000068
中でも環Z~環Z12としては、無置換或いはメチル基、エチル基、塩素原子又はトリフルオロメチル基で置換されたベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、より好ましくは無置換のベンゼン環あるいはメチル基、エチル基、塩素原子又はトリフルオロメチル基で置換されたベンゼン環であり、さらに好ましくは5位の水素原子がメチル基で置換されたベンゼン環である。
<対アニオン>
シアニン系造塩化合物における対アニオンXb1-及びXc1-は、ホウ素原子を含むアニオン、アルミニウム原子を含むアニオン、並びに、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオンである。これらの対アニオンは、耐熱性の点から好ましい。
ホウ素原子を含む及びアルミニウム原子を含むアニオンとしては、例えば、下記式(4)で表されるアニオンが挙げられる。
Figure 0007017867000069
[式(4)中、W、Wは、互いに独立に、1価のプロトン供与性置換基からプロトンを放出してなる置換基2つを有する基を表す。Mは、ホウ素原子又はアルミニウム原子を表す。]
1価のプロトン供与性置換基からプロトンを放出してなる置換基2つを有する基としては1価のプロトン供与性置換基(例えばヒドロキシ基、カルボン酸基等)を少なくとも2つ有する化合物から2つのプロトン供与性置換基それぞれからプロトンが放出されてなる基が挙げられる。当該化合物としては、置換基を有していてもよいカテコール、置換基を有していてもよい2,3-ジヒドロキシナフタレン、置換基を有していてもよい2,2’-ビフェノール、置換基を有していてもよい3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、置換基を有していてもよい2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸、置換基を有していてもよい1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、置換基を有していてもよいビナフトール、置換基を有していてもよいサリチル酸、置換基を有していてもよいベンジル酸又は置換基を有していてもよいマンデル酸であることが好ましい。
前記例示の化合物において、置換基としては、飽和炭化水素基(例えば、アルキル基、シクロアルキル基等)、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいサリチル酸としては、サリチル酸、3-メチルサリチル酸、3-tert-ブチルサリチル酸、3-メトキシサリチル酸、3-ニトロサリチル酸、4-トリフルオロメチルサリチル酸、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸、3-アミノサリチル酸、4-アミノサリチル酸、5-アミノサリチル酸、6-アミノサリチル酸などのモノアミノサリチル酸;3-ヒドロキシサリチル酸(2,3-ジヒドロキシ安息香酸)、4-ヒドロキシサリチル酸(2,4-ジヒドロキシ安息香酸)、5-ヒドロキシサリチル酸(2,5-ジヒドロキシ安息香酸)、6-ヒドロキシサリチル酸(2,6-ジヒドロキシ安息香酸)などのモノヒドロキシサリチル酸;4,5-ジヒドロキシサリチル酸、4,6-ジヒドロキシサリチル酸などのジヒドロキシサリチル酸;3-クロロサリチル酸、4-クロロサリチル酸、5-クロロサリチル酸、6-クロロサリチル酸、3-ブロモサリチル酸、4-ブロモサリチル酸、5-ブロモサリチル酸、6-ブロモサリチル酸などのモノハロサリチル酸;3,5-ジクロロサリチル酸、3,5-ジブロモサリチル酸、3,5-ジヨードサリチル酸などのジハロサリチル酸;3,5,6-トリクロロサリチル酸等のトリハロサリチル酸;等が挙げられる。
置換基を有していてもよいベンジル酸としては、
Figure 0007017867000070
置換基を有していてもよいマンデル酸としては、
Figure 0007017867000071
等が挙げられる。
式(4)で表されるアニオンのうち好ましいアニオンとしては、下記式で表されるアニオンであって、表11に記載の置換基を有するアニオン(BC-1)~アニオン(BC-24)、並びに、それぞれ式(BC-25)、式(BC-26)、式(BC-27)及び式(BC-28)で示されるアニオン(BC-25)~アニオン(BC-28)等が挙げられる。
Figure 0007017867000072
Figure 0007017867000073
Figure 0007017867000074
Figure 0007017867000075
Figure 0007017867000076
Figure 0007017867000077
式(4)で表されるアニオンとしては、アニオン(BC-1)、アニオン(BC-2)、アニオン(BC-3)、アニオン(BC-25)、アニオン(BC-26)、アニオン(BC-27)が好ましく、アニオン(BC-1)、アニオン(BC-2)、アニオン(BC-25)がより好ましく、アニオン(BC-1)、アニオン(BC-2)が更に好ましい。
タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオンを対アニオンとして用いると、シアニン系造塩化合物の耐熱性や耐溶剤性を高めることができる。このような対アニオンとしては、タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオン、特に、リンタングステン酸、ケイタングステン酸及びタングステン系イソポリ酸のアニオンが好ましい。
タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンとしては、例えば、ケギン型リンタングステン酸イオンα-[PW1240]3-、ドーソン型リンタングステン酸イオンα-[P1862]6-、β-[P1862]6-、ケギン型ケイタングステン酸イオンα-[SiW1240]4-、β-[SiW1240]4-、γ-[SiW1240]4-、さらにその他の例として[P1761]10-、[P1556]12-、[H1248]12-、[NaP30110]14-、α-[SiW34]10-、γ-[SiW1036]8-、α-[SiW1139]8-、β-[SiW1139]8-、[W19]2-、[W1032]4-、WO 2-及びこれらの混合物が挙げられる。
また、ケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とからなるアニオンも好ましい。
この様なケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とからなるアニオンとしては、SiO 2-、PO 3-が挙げられる。
特に合成と後処理の容易さから、ケギン型リンタングステン酸イオン、ドーソン型リンタングステン酸イオンなどのリンタングステン酸アニオン;ケギン型ケイタングステン酸イオンなどのケイタングステン酸アニオン、[W1032]4-等のタングステン系イソポリ酸アニオンが好ましい。中でもリンタングステン酸アニオン、タングステン系イソポリ酸アニオンが特に好ましい。
対アニオンの価数b1、c1は、1~20の範囲から、好ましくは2~10の範囲から、より好ましくは3~6の範囲から設定できる。
対アニオンのnは、環Z及び/又は環Z2のオニウム化した窒素原子に起因するプラスの電荷と等しくなるように定められ、より好ましくは1である。
対アニオンのmは、環Z~環Zのオニウム化した窒素原子に起因するプラスの電荷と等しくなるように定められ、より好ましくは2である。
中でも対アニオンXb1-及びXc1-は、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンであることが好ましく、タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンがより好ましく、リンタングステン酸のアニオン、ケイタングステン酸のアニオン、又はタングステン系イソポリ酸のアニオンが更に好ましく、[PW1240]3-、[P1862]6-、[SiW1240]4-又は[W1032]4-が特に好ましく、[PW1240]3-、[P1862]6-がより更に好ましい。耐熱性の観点からは、特に、タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンを用いるとよい。
このようなシアニン系造塩化合物として好ましくは、下記式(AAA-1)~(AAA-400)で表される造塩化合物であり、
より好ましくは、下記式(AAA-1)~(AAA-200)、下記式(AAA-241)~(AAA-400)で表される造塩化合物であり、
更に好ましくは、下記式(AAA-9)~(AAA-20)、下記式(AAA-41)~(AAA-44)、下記式(AAA-49)~(AAA-52)、下記式(AAA-89)~(AAA-92)、下記式(AAA-129)~(AAA-132)、下記式(AAA-169)~(AAA-172)、下記式(AAA-249)~(AAA-252)、下記式(AAA-265)~(AAA-268)、下記式(AAA-273)~(AAA-280)、下記式(AAA-289)~(AAA-292)、下記式(AAA-329)~(AAA-332)、下記式(AAA-361)~(AAA-364)、下記式(AAA-369)~(AAA-372)で表される造塩化合物であり、
特に好ましくは、(AAA-41)~(AAA-44)、下記式(AAA-49)~(AAA-52)で表される造塩化合物であり、
より更に好ましくは、下記式(AAA-41)~(AAA-44)で表される造塩化合物である。
Figure 0007017867000078
Figure 0007017867000079
Figure 0007017867000080
Figure 0007017867000081
Figure 0007017867000082
Figure 0007017867000083
Figure 0007017867000084
Figure 0007017867000085
Figure 0007017867000086
Figure 0007017867000087
上記表中、主骨格、対アニオンXb1-、Xc1-はそれぞれ以下の意味である。なお、*は環Z~環Zとの結合手を表す。また式(AAA-II)に相当する二量化されたシアニン系造塩化合物においては、主骨格1が環Zと環Zとをつなぎ、主骨格2が環Zと環Zとをつなぐ。
Figure 0007017867000088
上記表中、環Z~環Zのそれぞれは、以下の置換基を意味する。なお、*は主骨格との結合手を表し、環Zにおける**はLとの結合手を表す。
Figure 0007017867000089
<シアニン系造塩化合物の製造方法>
シアニン系造塩化合物(AAA-I)~(AAA-IV)は、(AAA-I)~(AAA-IV)のカチオン部分を含む塩(以下、化合物(AAA-V)と称する場合がある)と、対アニオンXb1-、Xc1-のアルカリ金属塩又はプロトン酸とを、混合することで製造できる。
化合物(AAA-V)としては、シアニン系造塩化合物(AAA-I)~(AAA-IV)のカチオン部分を含む塩と、ハロゲン化物イオン、ClO 、OH、PO 3-、SO 2-、有機カルボン酸アニオン、有機スルホン酸アニオン、ルイス酸アニオン、有機金属錯体アニオン及び色素由来アニオンから選ばれる少なくとも1種類以上のアニオンとから形成される塩が挙げられる。
ハロゲン化物イオンとしては、Cl、Br、I等が挙げられる。
有機カルボン酸アニオンとしては、安息香酸イオン、アルカン酸イオン、トリハロアルカン酸イオン、ニコチン酸イオン等が挙げられる。
有機スルホン酸アニオンとしては、ベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、アルカンスルホン酸イオン等が挙げられる。
ルイス酸アニオンとしては、BF 、PF 、SbF 等が挙げられる。
色素由来アニオンとしては、フタロシアニン化合物に由来するアニオン、アゾ化合物に由来するアニオン等が挙げられ、好ましくはフタロシアニン化合物に由来するアニオンが挙げられる。
有機金属錯体アニオンは、中心金属と配位子とからなり、配位子としては、アゾ系配位子、ビスフェニルジチオール系配位子、チオカテコールキレート系配位子、チオビスフェノレートキレート系配位子、ビスジオール-α-ジケトン系配位子等が挙げられる。中心金属としては、周期律表における第3族~第11族の遷移金属、例えば、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ヴァナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、カドミウム、水銀等が挙げられる。
上記配位子としては、アゾ系配位子やビスフェニルジチオール系配位子が好ましく、アゾ系配位子がより好ましい。
上記中心金属としては、製造コストと取扱易さの点で、コバルト、ニッケル及び銅が好ましい。
上記有機金属錯体アニオンは、具体的には、中心金属がコバルト、ニッケルもしくは銅であるアゾ金属錯体アニオン又はビスフェニルジチオール金属錯体アニオンであることが好ましく、中心金属がコバルト、ニッケル又は銅であるアゾ金属錯体アニオンであることがより好ましい。
対アニオンXb1-及びXc1-と塩を形成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム及びカリウム等が挙げられる。
化合物(AAA-V)に対する対アニオンXb1-、Xc1-のアルカリ金属塩又はプロトン酸の使用量は、化合物(AAA-V)のカチオンと、対アニオンXb1-、Xc1-の電荷が釣り合うように化学量論比で加えるとよい。
化合物(AAA-V)及び対アニオンXb1-及びXc1-のアルカリ金属塩又はプロトン酸との混合は、両者を溶媒に溶解させて行ってもよいし、溶解させずに行ってもよい。
溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水及びクロロホルムが挙げられる。
中でも、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、イソプロパノール及び水が好ましい。これらの溶媒であると、化合物(AAA-V)及び対アニオンXb1-及びXc1-のアルカリ金属塩の溶解度が高い傾向にある。
溶媒が水である場合、酢酸や塩酸等の酸を加えてもよい。
化合物(AAA-V)と、対アニオンXb1-及びXc1-のアルカリ金属塩又はプロトン酸との混合温度は、好ましくは0~150℃、より好ましくは10~120℃、さらに好ましくは20~100℃である。混合時間は、好ましくは1~72時間、より好ましくは2~24時間、さらに好ましくは3~18時間である。
水と相溶する溶媒を用いた場合は、該溶液を混合し、必要に応じてさらに1~3時間攪拌して、その後、析出物を濾過等の固液分離により取得することで、シアニン系造塩化合物(AAA-I)~(AAA-IV)を得ることができる。必要に応じて、得られたシアニン系造塩化合物(AAA-I)~(AAA-IV)をイオン交換水や上記溶媒で洗浄してもよい。
水と相溶しない溶媒を用いた場合は、反応混合物とイオン交換水を混合し、必要に応じてさらに1~3時間攪拌して、その後、有機層を分液により取得することにより、シアニン系造塩化合物(AAA-I)~(AAA-IV)を含む溶液を得ることができる。必要に応じて、該溶液をイオン交換水や上記溶媒で洗浄してもよい。シアニン系造塩化合物(AAA-I)~(AAA-IV)を含む溶液から溶媒を除去することにより、シアニン系造塩化合物(AAA-I)~(AAA-IV)を得ることができる。
1-1-4.スクアリリウム系造塩化合物
前記造塩化合物(Aa)は、スクアリリウム系造塩化合物であってもよく、スクアリリウム系造塩化合物は、下記式(AAAA-I)で表されることが好ましい。
Figure 0007017867000090
[式(AAAA-I)中、
環Z、環Zは、互いに独立に、置換されていてもよい複素環、置換基を有していてもよいベンゼン環又は置換基を有していてもよいナフタレン環を表し、環Z及び/又は環Zは、窒素原子がオニウム化した構造を有する。
環Z及び/又は環Zは、窒素原子がオニウム化した構造を有する。
a1は、置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)は、-O-、-CO-、-NR11-、-OCO-、-COO-、-OCONH-、-NHCOO-、-CONH-又は-NHCO-で置換されていてもよい。
11は、水素原子、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基、又は前記炭素数7~10のアラルキル基を表す。
対アニオンXa1-は、ホウ素原子を含むアニオン、アルミニウム原子を含むアニオン、フッ素原子を含むアニオン、並びに、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオンを表し、a1は1~20の整数を表す。nは、環Z1及び/又は環Z2のオニウム化した窒素原子に起因するプラスの電荷と等しくなるように定められる。]
環Z及び環Zは、互いに独立に、置換されていてもよい複素環、置換基を有していてもよいベンゼン環又は置換基を有していてもよいナフタレン環を表す。
前記複素環は少なくとも1つのヘテロ原子を環の構成要素として含むものであり、単環であってもよいし、多環であってもよい。
ヘテロ原子は、周期律表における第15族又は第16族の元素から選ばれる原子であればよく、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子やテルル原子が挙げられる。
このような複素環としては、インドール環、ベンゾインドール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環及びキノリン環が挙げられる。
環Z、環Zで表される複素環、ベンゼン環、ナフタレン環が有していてもよい置換基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基等の炭素数1~6の脂肪族炭化水素基;
フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、キシリル基、メシチル基、o-クメニル基、m-クメニル基、p-クメニル基、ナフチル基等の炭素数6~12のアリール基;
ベンジル基等の炭素数7~10のアラルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;
フェノキシ基等の炭素数6~10のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基等の炭素数7~10のアラルキルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のエステル結合を有する基;
メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、n-プロピルスルファモイル基、ジ-n-プロピルスルファモイル基、イソプロピルスルファモイル基、ジイソプロピルスルファモイル基、n-ブチルスルファモイル基、ジ-n-ブチルスルファモイル基、2-エチルヘキシルスルファモイル基等の炭素数1~8のアルキルスルファモイル基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec-ブチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基等の炭素数1~6のアルキルスルホニル基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;
ビニル基、アリル基、プロペン-2-イル基、メタリル基、ブタ-3-エン-1-イル基、ブタ-3-エン-2-イル基、ブタ-3-エン-3-イル基、ペンタ-4-エン-1-イル基等の炭素数2~6のアルケニル基;
ニトロ基;シアノ基等が挙げられる。
なお、かかる置換基が水素原子を有する場合、該水素原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;カルボキシ基;シアノ基;ニトロ基;アクリロイルオキシ基;メタクリロイルオキシ基などによって置換されていてもよい。
a1は、置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)は、-O-、-CO-、-NR11-、-OCO-、-COO-、-OCONH-、-NHCOO-、-CONH-又は-NHCO-で置換されていてもよい。
a1で表される炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基及びイコシル基等の炭素数1~20の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基及び2-エチルヘキシル基等の炭素数3~20の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基及びトリシクロデシル基等の炭素数3~20の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
a1で表される炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
ハロゲン原子で置換された炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基及びクロロブチル基が挙げられる。
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-O-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000091
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-CO-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000092
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-NR11-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000093

該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-OCO-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000094
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-COO-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000095
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-OCONH-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000096
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-NHCOO-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000097
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-CONH-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000098
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)が、-NHCO-で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007017867000099
前記R11は、水素原子、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数7~10のアラルキル基を表す。前記炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基としては、Ra1と同様の基が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。前記炭素数7~10のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基及びフェニルブチル基等が挙げられる。
前記Ra1としては、無置換の炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基が好ましく、無置換の炭素数1~10の1価の飽和炭化水素基がより好ましく、無置換の炭素数1~5の1価の飽和炭化水素基が更に好ましく、特に好ましくはメチル基、エチル基又はプロピル基であり、より更に好ましくはメチル基又はエチル基である。
<対アニオン>
式(AAAA-1)、並びに後述する式(AAAA-II)及び式(AAAA-III)における対アニオンXa1-、Xb1-及びXc1-は、ホウ素原子を含むアニオン、アルミニウム原子を含むアニオン、フッ素原子を含むアニオン、並びに、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオンである。これらの対アニオンは、耐熱性の点から好ましい。対アニオンのnは、環Z1及び/又は環Z2のオニウム化した窒素原子に起因するプラスの電荷と等しくなるように定められ、好ましくはnは1である。
ホウ素原子を含むアニオン及びアルミニウム原子を含むアニオンとしては、例えば、上記式(4)で表されるアニオンが挙げられる。
フッ素原子を含むアニオンとしては、例えば、前記式(AA-II)、(AA-III)、(AA-IV)、(AA-V)で表される基が挙げられる。
タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオンを対アニオンとして用いると、スクアリリウム系造塩化合物(AAAA-I)の耐熱性や耐溶剤性を高めることができる。このような対アニオンとしては、タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオン、特に、リンタングステン酸、ケイタングステン酸及びタングステン系イソポリ酸のアニオンが好ましい。
タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンとしては、例えば、ケギン型リンタングステン酸イオンα-[PW1240]3-、ドーソン型リンタングステン酸イオンα-[P1862]6-、β-[P1862]6-、ケギン型ケイタングステン酸イオンα-[SiW1240]4-、β-[SiW1240]4-、γ-[SiW1240]4-、さらにその他の例として[P1761]10-、[P1556]12-、[H1248]12-、[NaP30110]14-、α-[SiW34]10-、γ-[SiW1036]8-、α-[SiW1139]8-、β-[SiW1139]8-、[W19]2-、[W1032]4-、WO 2-及びこれらの混合物が挙げられる。
また、ケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とからなるアニオンも好ましい。
この様なケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とからなるアニオンとしては、SiO 2-、PO 3-が挙げられる。
特に合成と後処理の容易さから、ケギン型リンタングステン酸イオン、ドーソン型リンタングステン酸イオンなどのリンタングステン酸アニオン;ケギン型ケイタングステン酸イオンなどのケイタングステン酸アニオン、[W1032]4-等のタングステン系イソポリ酸アニオンが好ましい。中でもリンタングステン酸アニオン、タングステン系イソポリ酸アニオンが特に好ましい。
対アニオンの価数a1、b1、c1は、例えば、1~20の範囲から、好ましくは2~10の範囲から、より好ましくは3~6の範囲から設定できる。
前記式(AAAA-I)で表されるスクアリリウム系造塩化合物は、下記式(AAAA-II)又は下記式(AAAA-III)で表されることが好ましい。
Figure 0007017867000100
Figure 0007017867000101
[式(AAAA-II)において、Ra1は前記に同じ。
環Z、環Zは、互いに独立に、置換基を有していてもよいベンゼン環又は置換基を有していてもよいナフタレン環を表す。
a10及びRa11は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。
a12及びRa13は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1~6の1価の脂肪族炭化水素基を表すか、1個のRa12と1個のRa13とが互いに結合して炭素数2~6の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
p1及びp2は、互いに独立に、0以上2以下の整数を表す。
対アニオンXb1-は、ホウ素原子を含むアニオン、アルミニウム原子を含むアニオン、フッ素原子を含むアニオン、並びに、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオンを表し、b1は1~20の整数を表す。
式(AAAA-III)において、Ra1は前記に同じ。
a20~Ra23は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素含有基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、Ra20とRa24、Ra21とRa25、Ra22とRa26、Ra23とRa27は、それぞれ、それらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、Ra20とRa28、Ra21とRa29、Ra22とRa30、Ra23とRa31は、それぞれ、それらが結合する窒素原子及び炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
a24~Ra27は、互いに独立に、水素原子、水酸基、-SH基、-CF基、又は、-NHCO-Ra32を表す。
a28~Ra31は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数8以上の1価の芳香族炭化水素含有基、炭素数8~20の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数8~20の1価の不飽和脂肪族炭化水素基を表し、Ra28とRa29、Ra30とRa31は、それらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい。該1価の飽和炭化水素基、又は1価の不飽和脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、-N(Ra33)-、スルホニル基、又は、カルボニル基に置き換わっていてもよく、該1価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ヒドロキシ基、又は、アミノ基に置換されていてもよい。
a32は、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、該1価の飽和炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、-N(Ra34)-、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該1価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ヒドロキシ基又はアミノ基に置換されていてもよい。
a33及びRa34は、互いに独立に、水素原子、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基、又は、炭素数7~10のアラルキル基を表す。]
対アニオンXc1-は、ホウ素原子を含むアニオン、アルミニウム原子を含むアニオン、フッ素原子を含むアニオン、並びに、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオンを表し、c1は1~20の整数を表す。]
式(AAAA-II)において、環Z、環Zは、互いに独立に、置換基を有していてもよいベンゼン環又は置換基を有していてもよいナフタレン環を表す。環Z、環Zの置換基は、環Z、環Zと同様の置換基が用いられ、中でも、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基等の炭素数1~6の脂肪族炭化水素基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換された炭素数1~6の脂肪族炭化水素基;
などが好ましい。
また環Z及び環Zがベンゼン環の場合、式(Z-N)及び式(Z-N)における5位及び/又は6位の水素原子がこれらの置換基で置換されていることが好ましく、より好ましくは式(Z-N)、(Z-N)における5位の水素原子が置換されていることが好ましい。
Figure 0007017867000102
[Ra10及びRa11は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。]
a10及びRa11における炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基としてはRa1と同様の基が挙げられ、中でも炭素数1~10の1価の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数1~5の1価の脂肪族炭化水素基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基が更に好ましい。前記炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基は、無置換又はハロゲン原子(より好ましくは塩素原子)で置換されていることが望ましい。
a10及びRa11における芳香族炭化水素基、及び、Ra10及びRa11におけるアラルキル基中の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
a10及びRa11で表される基のうち、上記芳香族炭化水素基及び上記アラルキル基における置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ヒドロキシ基;メチル基、エチル基等の炭素数1~6のアルキル基;スルファモイル基;メチルスルホニル基等の炭素数1~6のアルキルスルホニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1~6のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。
置換されてもよい芳香族炭化水素基の具体例としては、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は結合手を表す。置換されてもよいアラルキル基の具体例としては、下記芳香族炭化水素基の各具体例の結合手にメチレン基が結合した基が挙げられる。
Figure 0007017867000103
Figure 0007017867000104
Figure 0007017867000105
a12及びRa13は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1~6の1価の脂肪族炭化水素基を表すか、1個のRa12と1個のRa13とが互いに結合して炭素数2~6の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
a12及びRa13におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
a12及びRa13における炭素数1~6の1価の脂肪族炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基のいずれであってもよく、好ましくはアルキル基であり、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。
a12及びRa13において直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基(好ましくはアルキル基)としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基等の直鎖状のアルキル基;イソプロピル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、1-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、tert-ペンチル基、1,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-エチル-2-メチルプロピル基、分岐したヘプチル基、1-メチルヘプチル基等の分岐鎖状のアルキル基;プロペニル基、ヘキセニル基等の鎖状アルケニル基等が挙げられる。
a12及びRa13における環状の脂肪族炭化水素基(好ましくはシクロアルキル基)としては、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環式のシクロアルキル基等が挙げられる。
なお、脂肪族炭化水素基の一部の炭素原子が酸素原子、窒素原子等に置き換わっていてもよい。
a12及びRa13における脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、アリール基(例えば炭素数6~10)、アルキルオキシ基(例えば炭素数1~10)、アリールオキシ基(例えば炭素数6~10)、アシルオキシ基(例えば炭素数1~10)、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アルキルオキシカルボニル基(例えば炭素数2~11)、アミノカルボニル基、ヒドロキシ基、シアノ基等が挙げられる。
また1個のRa12と1個のRa13とが互いに結合して炭素数2~6の2価の脂肪族炭化水素基を表す。2価の脂肪族炭化水素基としては、特に制限はなく、例えば直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基が好ましい。前記アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、ブチレン基等の直鎖状アルキレン基;イソプロピレン基、分岐したブチレン基等の分岐鎖状アルキレン基;等が挙げられる。
p1及びp2は、互いに独立に、0以上2以下の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは2である。
<式(AAAA-III)>
a20~Ra23におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
a20~Ra23の置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素含有基としては、炭素数6~20であることが好ましく、炭素数6~10であることがより好ましい。
また、前記1価の芳香族炭化水素含有基を置換していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1~6のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の炭素数1~6のアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1~6のアルキルオキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;トリフルオロメチル基等のフッ素原子を含むアルキル基;等が挙げられる。
a20~Ra23の置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素含有基としては、具体的には、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基等のアラルキル基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基;パーフルオロフェニル基、パーフルオロ(o-トリル)基、パーフルオロ(m-トリル)基、パーフルオロ(p-トリル)基、パーフルオロキシリル基、パーフルオロメシチル基、パーフルオロ(o-クメニル)基、パーフルオロ(m-クメニル)基、パーフルオロ(p-クメニル)基、パーフルオロベンジル基、パーフルオロフェネニルエチル基、パーフルオロビフェニリル基、パーフルオロ(1-ナフチル)基、パーフルオロ(2-ナフチル)基、1-トリフルオロメチルフェニル基、2-トリフルオロメチルフェニル基、3-トリフルオロメチルフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基等のフッ素原子を含む芳香族炭化水素含有基;等が挙げられる。
a20~Ra23の炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基は、炭素数1~12であることが好ましく、より好ましくは炭素数1~10、さらに好ましくは炭素数1~8、特に好ましくは炭素数1~7である。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基及びイコシル基等の炭素数1~20の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1-エチルペンチル基、及び、2-エチルヘキシル基等の炭素数3~20の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3~20の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
a20とRa24、Ra21とRa25、Ra22とRa26、Ra23とRa27は、それぞれ、それらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。このような環としては、下記式で表される構造等が挙げられる。式中、RA1はRa20~Ra23と同様の基を表し、RA2はRa24~Ra27と同様の基を表し、RA3はRa28~Ra31と同様の基を表す。*は結合手を表す。
Figure 0007017867000106
また、Ra20とRa28、Ra21とRa29、Ra22とRa30、Ra23とRa31は、それぞれ、それらが結合する窒素原子及び炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。このような環としては、下記式で表される構造等が挙げられる。式中、RA1はRa20~Ra23と同様の基を表し、RA2はRa24~Ra27と同様の基を表し、RA3はRa28~Ra31と同様の基を表す。*は結合手を表す。
Figure 0007017867000107
a24~Ra27は、互いに独立に、水素原子、水酸基、-SH基、-CF基、又は、-NHCO-Ra32を表す。
a32は、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、より好ましくは炭素数1~8の1価の飽和炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1~4の1価の飽和炭化水素基である。
a32における炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、-N(Ra34)-、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。またRa32における1価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ヒドロキシ基又はアミノ基に置換されていてもよい。詳細は後述の通りである。
a34は、水素原子、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基、又は、炭素数7~10のアラルキル基を表す。Ra34としては、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1~8の1価の飽和炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1~4の1価の飽和炭化水素基である。
a28~Ra31における置換基を有していてもよい炭素数8以上の1価の芳香族炭化水素含有基は、炭素数18以下であることがより好ましく、さらに好ましくは炭素数15以下である。Ra28~Ra31の1価の芳香族炭化水素含有基としては、例えば、炭素数8~12のアリール基、及び、炭素数8~12のアラルキル基が好ましい。また、アリール基としてはフェニル基が特に好ましく、アラルキル基としてはベンジル基が特に好ましい。アリール基及びアラルキル基は、置換基を有することが好ましく、置換基としては、炭素数1~5(好ましくは炭素数1~3)の脂肪族炭化水素基(好ましくはアルキル基、アルケニル基)が好ましい。また、アリール基では、結合手のo-位に置換基を有することが好ましく、アラルキル基では、アルキレン基のo-位に置換基を有することが好ましい。Ra28~Ra31の芳香族炭化水素含有基としては、具体的には、下記式で表される基等が挙げられる。式中、*は、結合の手を表す。
Figure 0007017867000108
a28~Ra31における炭素数8~20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、及び、イコシル基等の直鎖状アルキル基;2-エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;が挙げられる。
a28~Ra31における炭素数8~20の1価の不飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、ヘキサデセニル基、及びイコセニル基等の直鎖状アルケニル基;等が挙げられる。
a28とRa29、Ra30とRa31は、それらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい。このような環としては、下記式で表される構造等が挙げられる。
Figure 0007017867000109
a28~Ra31における1価の飽和炭化水素基、又は1価の不飽和脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、-N(Ra33)-、スルホニル基、又は、カルボニル基に置き換わっていてもよい。Ra28~Ra31における1価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ヒドロキシ基、又は、アミノ基に置換されていてもよい。
a33は、水素原子、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基、又は、炭素数7~10のアラルキル基を表す。Ra33としては、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1~8の1価の飽和炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1~4の1価の飽和炭化水素基である。
a28~Ra32の1価の飽和炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子、硫黄原子、-N(Ra33)-、-N(Ra34)-、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わった基、あるいは、1価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子が、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ヒドロキシ基又はアミノ基に置換された基としては、例えば、1価の飽和炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子、硫黄原子、-N(Ra33)-、-N(Ra34)-、スルホニル基、及びカルボニル基の少なくとも1種に置き換わっているか、1価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子が、ハロゲン原子で置換された基等が好ましく、これらを組合せた基であってもよい。
1価の飽和炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子に置き換わった基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基等のアルキルオキシ基;等が挙げられる。
また、1価の飽和炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子、及び、カルボニル基に置き換わった基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニル基;アセトキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基;ベンゾイルオキシ基等のアリールカルボニルオキシ基;等のエステル結合を有する基が挙げられる。
さらに、1価の飽和炭化水素基を構成するメチレン基が、-N(Ra33)-、又は-N(Ra34)-、及び、カルボニル基に置き換わった基としては、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N-プロピルカルバモイル基、N-イソプロピルカルバモイル基、N-ブチルカルバモイル基、N-イソブチルカルバモイル基、N-sec-ブチルカルバモイル基、N-tert-ブチルカルバモイル基、N-ペンチルカルバモイル基、N-(1-エチルプロピル)カルバモイル基、N-(1,1-ジメチルプロピル)カルバモイル基、N-(1,2-ジメチルプロピル)カルバモイル基、N-(2,2-ジメチルプロピル)カルバモイル基、N-(1-メチルブチル)カルバモイル基、N-(2-メチルブチル)カルバモイル基、N-(3-メチルブチル)カルバモイル基、N-シクロペンチルカルバモイル基、N-ヘキシルカルバモイル基、N-(1,3-ジメチルブチル)カルバモイル基、N-(3,3-ジメチルブチル)カルバモイル基、N-ヘプチルカルバモイル基、N-(1-メチルヘキシル)カルバモイル基、N-(1,4-ジメチルペンチル)カルバモイル基、N-オクチルカルバモイル基、N-(2-エチルヘキシル)カルバモイル基、N-(1,5-ジメチルヘキシル)カルバモイル基、N-(1,1,2,2-テトラメチルブチル)カルバモイル基等のN-1置換カルバモイル基;
N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-エチルメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N,N-プロピルメチルカルバモイル基、N,N-イソプロピルメチルカルバモイル基、N,N-tert-ブチルメチルカルバモイル基、N,N-ブチルエチルカルバモイル基、N,N-ビス(1-メチルプロピル)カルバモイル基、N,N-ヘプチルメチルカルバモイル基、N,N-ビス(2-エチルヘキシル)カルバモイル基等のN,N-2置換カルバモイル基;
等が挙げられる。
1価の飽和炭化水素基を構成するメチレン基が、スルホニル基、及び、-N(Ra33)-、又は-N(Ra34)-に置き換わった基としては、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N-プロピルスルファモイル基、N-イソプロピルスルファモイル基、N-ブチルスルファモイル基、N-イソブチルスルファモイル基、N-sec-ブチルスルファモイル基、N-tert-ブチルスルファモイル基、N-ペンチルスルファモイル基、N-(1-エチルプロピル)スルファモイル基、N-(1,1-ジメチルプロピル)スルファモイル基、N-(1,2-ジメチルプロピル)スルファモイル基、N-(2,2-ジメチルプロピル)スルファモイル基、N-(1-メチルブチル)スルファモイル基、N-(2-メチルブチル)スルファモイル基、N-(3-メチルブチル)スルファモイル基、N-シクロペンチルスルファモイル基、N-ヘキシルスルファモイル基、N-(1,3-ジメチルブチル)スルファモイル基、N-(3,3-ジメチルブチル)スルファモイル基、N-ヘプチルスルファモイル基、N-(1-メチルヘキシル)スルファモイル基、N-(1,4-ジメチルペンチル)スルファモイル基、N-オクチルスルファモイル基、N-(2-エチルヘキシル)スルファモイル基、N-(1,5-ジメチルヘキシル)スルファモイル基、N-(1,1,2,2-テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN-1置換スルファモイル基;
N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-エチルメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N,N-プロピルメチルスルファモイル基、N,N-イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N-tert-ブチルメチルスルファモイル基、N,N-ブチルエチルスルファモイル基、N,N-ビス(1-メチルプロピル)スルファモイル基、N,N-ヘプチルメチルスルファモイル基、N,N-ビス(2-エチルヘキシル)スルファモイル基等のN,N-2置換スルファモイル基;
等が挙げられる。
1価の飽和炭化水素基を構成するメチレン基が、-N(Ra33)-、又は-N(Ra34)-に置き換わった基としては、N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N-プロピルアミノ基、N-イソプロピルアミノ基、N-ブチルアミノ基、N-イソブチルアミノ基、N-sec-ブチルアミノ基、N-tert-ブチルアミノ基、N-ペンチルアミノ基、N-(1-エチルプロピル)アミノ基、N-(1,1-ジメチルプロピル)アミノ基、N-(1,2-ジメチルプロピル)アミノ基、N-(2,2-ジメチルプロピル)アミノ基、N-(1-メチルブチル)アミノ基、N-(2-メチルブチル)アミノ基、N-(3-メチルブチル)アミノ基、N-シクロペンチルアミノ基、N-ヘキシルアミノ基、N-(1,3-ジメチルブチル)アミノ基、N-(3,3-ジメチルブチル)アミノ基、N-ヘプチルアミノ基、N-(1-メチルヘキシル)アミノ基、N-(1,4-ジメチルペンチル)アミノ基、N-オクチルアミノ基、N-(2-エチルヘキシル)アミノ基、N-(1,5-ジメチルヘキシル)アミノ基、N-(1,1,2,2-テトラメチルブチル)アミノ基等のN-アルキルアミノ基;
N,N-ジメチルアミノ基、N,N-エチルメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N,N-プロピルメチルアミノ基、N,N-イソプロピルメチルアミノ基、N,N-tert-ブチルメチルアミノ基、N,N-ブチルエチルアミノ基、N,N-ビス(1-メチルプロピル)アミノ基、N,N-ヘプチルメチルアミノ基、N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノ基等のN,N-ジアルキルアミノ基;
N-メチルアミノメチル基、N-エチルアミノメチル基、N-プロピルアミノメチル基、N-イソプロピルアミノメチル基、N-ブチルアミノメチル基、N-イソブチルアミノメチル基、N-sec-ブチルアミノメチル基、N-tert-ブチルアミノメチル基、N-ペンチルアミノメチル基、N-(1-エチルプロピル)アミノメチル基、N-(1,1-ジメチルプロピル)アミノメチル基、N-(1,2-ジメチルプロピル)アミノメチル基、N-(2,2-ジメチルプロピル)アミノメチル基、N-(1-メチルブチル)アミノメチル基、N-(2-メチルブチル)アミノメチル基、N-(3-メチルブチル)アミノメチル基、N-シクロペンチルアミノメチル基、N-ヘキシルアミノメチル基、N-(1,3-ジメチルブチル)アミノメチル基、N-(3,3-ジメチルブチル)アミノメチル基、N-ヘプチルアミノメチル基、N-(1-メチルヘキシル)アミノメチル基、N-(1,4-ジメチルペンチル)アミノメチル基、N-オクチルアミノメチル基、N-(2-エチルヘキシル)アミノメチル基、N-(1,5-ジメチルヘキシル)アミノメチル基、N-(1,1,2,2-テトラメチルブチル)アミノメチル基等のN-アルキルアミノメチル基;
N,N-ジメチルアミノメチル基、N,N-エチルメチルアミノメチル基、N,N-ジエチルアミノメチル基、N,N-プロピルメチルアミノメチル基、N,N-イソプロピルメチルアミノメチル基、N,N-tert-ブチルメチルアミノメチル基、N,N-ブチルエチルアミノメチル基、N,N-ビス(1-メチルプロピル)アミノメチル基、N,N-ヘプチルメチルアミノメチル基、N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル基等のN,N-ジアルキルアミノメチル基;
等が挙げられる。
1価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子が、ハロゲン原子に置換された基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロ(イソプロピル)基、パーフルオロ(イソプロペニル)基、パーフルオロ(1-プロペニル)基、パーフルオロ(2-プロペニル)基、パーフルオロブチル基、パーフルオロ(イソブチル)基、パーフルオロ(sec-ブチル)基、パーフルオロ(tert-ブチル)基、パーフルオロ(2-ブテニル)基、パーフルオロ(1,3-ブタジエニル)基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロ(イソペンチル)基、パーフルオロ(3-ペンチル)基、パーフルオロ(ネオペンチル)基、パーフルオロ(tert-ペンチル)基、パーフルオロ(1-メチルペンチル)基、パーフルオロ(2-メチルペンチル)基、パーフルオロ(2-ペンテニル)基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロ(イソヘキシル)基、パーフルオロ(5-メチルヘキシル)基、パーフルオロ(2-エチルヘキシル)基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロウンデシル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロオクダデシル基等のフッ素原子を含む脂肪族炭化水素基;
パーフルオロシクロプロピル基、パーフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキセニル基、パーフルオロシクロヘプチル基、パーフルオロ(1-メチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(2-メチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(3-メチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(4-メチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(1,2-ジメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(1,3-ジメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(1,4-ジメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(2,3-ジメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(2,4-ジメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(2,5-ジメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(2,6-ジメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(3,4-ジメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(3,5-ジメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(2,2-ジメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(3,3-ジメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(4,4-ジメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(2,4,6-トリメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(2,2,6,6-テトラメチルシクロヘキシル)基、パーフルオロ(3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキシル)基等のフッ素原子を含む脂環式炭化水素基;
等が挙げられる。
1価の飽和炭化水素基を構成するメチレン基が酸素原子に置き換わっており、1価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子がハロゲン原子に置換されている基としては、パーフルオロメトキシ基、パーフルオロエトキシ基、パーフルオロプロポキシ基、パーフルオロ(イソプロポキシ)基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロ(イソブトキシ)基、パーフルオロ(sec-ブトキシ)基、パーフルオロ(tert-ブトキシ)基、パーフルオロペンチルオキシ基、パーフルオロフェノキシ基、パーフルオロベンジルオキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、(パーフルオロエチル)メトキシ基、(パーフルオロプロピル)メトキシ基、(パーフルオロ(イソプロピル))メトキシ基、(パーフルオロ(イソプロペニル))メトキシ基、(パーフルオロ(1-プロペニル))メトキシ基、(パーフルオロ(2-プロペニル))メトキシ基、(パーフルオロブチル)メトキシ基、(パーフルオロ(イソブチル))メトキシ基、(パーフルオロ(sec-ブチル))メトキシ基、(パーフルオロ(tert-ブチル))メトキシ基、(パーフルオロ(2-ブテニル))メトキシ基、(パーフルオロ(1,3-ブタジエニル))メトキシ基、(パーフルオロペンチル)メトキシ基、(パーフルオロ(イソペンチル))メトキシ基、(パーフルオロ(3-ペンチル))メトキシ基、(パーフルオロ(ネオペンチル))メトキシ基、(パーフルオロ(tert-ペンチル))メトキシ基、(パーフルオロ(1-メチルペンチル))メトキシ基、(パーフルオロ(2-メチルペンチル))メトキシ基、(パーフルオロ(2-ペンテニル))メトキシ基、(パーフルオロヘキシル)メトキシ基、(パーフルオロ(イソヘキシル))メトキシ基、(パーフルオロ(5-メチルヘキシル))メトキシ基、(パーフルオロ(2-エチルヘキシル))メトキシ基、(パーフルオロヘプチル)メトキシ基、(パーフルオロオクチル)メトキシ基、(パーフルオロノニル)メトキシ基、(パーフルオロデシル)メトキシ基、(パーフルオロウンデシル)メトキシ基、(パーフルオロドデシル)メトキシ基、(パーフルオロオクタデシル)メトキシ基等のフッ素原子を含むアルキルオキシ基;
ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基;等が挙げられる。
式(AAAA-II)で表されるスクアリリウム系造塩化合物としては、例えば、式(AAAA-II)において、
環Z、環Zが、互いに独立に、置換基を有していてもよいベンゼン環を表し、
a10及びRa11が、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基を表し、
a12及びRa13が、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~6の1価の脂肪族炭化水素基を表し、
p1及びp2が、互いに独立に、2であるスクアリリウム系造塩化合物がより好ましい。
式(AAAA-III)で表されるスクアリリウム系造塩化合物としては、例えば、式(AAAA-III)において、
a20~Ra23、Ra24、Ra27が水素原子であり、Ra25及びRa26が水酸基であるスクアリリウム系造塩化合物がより好ましい。
対アニオンは、フッ素原子を有する含フッ素アニオン、或いは、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンであることが好ましく、前記式(AA-II)で表されるフッ素原子を含むアニオン、前記式(AA-V)で表されるフッ素原子を含むアニオン、又はタングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンがより好ましく、CFSO-N-SOCF、CFSO 、[PW1240]3-、[P1862]6-、[SiW1240]4-又は[W1032]4-が更に好ましく、CFSO 、[PW1240]3-が特に好ましく、[PW1240]3-がさらに好ましい。耐熱性の観点からは、特に、タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンを用いるとよい。
このようなスクアリリウム系造塩化合物としてより好ましくは、下記式(AAAA-1)~(AAAA-228)で表される造塩化合物であり、
より好ましくは下記式(AAAA-1)~(AAAA-36)、下記式(AAAA-37)~(AAAA-72)、下記式(AAAA-181)~(AAAA-204)、下記式(AAAA-205)~(AAAA-228)で表される造塩化合物であり、
更に好ましくは下記式(AAAA-1)~(AAAA-6)、下記式(AAAA-13)~(AAAA-24)、下記式(AAAA-37)~(AAAA-48)、下記式(AAAA-181)~(AAAA-198)、下記式(AAAA-211)~(AAAA-216)で表される造塩化合物であり、
特に好ましくは(AAAA-1)~(AAAA-6)、下記式(AAAA-13)~(AAAA-24)、下記式(AAAA-37)~(AAAA-48)で表される造塩化合物であり、
より更に好ましくは下記式(AAAA-19)~(AAAA-24)で表される造塩化合物である。
Figure 0007017867000110
Figure 0007017867000111
Figure 0007017867000112
Figure 0007017867000113
Figure 0007017867000114
Figure 0007017867000115

Figure 0007017867000116
上記表中、対アニオン、「Ra(下記表中、*は結合手を表す)」はそれぞれ以下の意味である。
Figure 0007017867000117
また上記表中、環Z、環Zはそれぞれ以下の意味である。
Figure 0007017867000118
本発明に使用される造塩化合物(以下、「着色剤(Aa)」ということがある。)は、上記のいずれかの化合物を有効成分として含有する。造塩化合物(Aa)は、これらのいずれかの化合物(以下化合物(Z)ともいう)1種類のみからなってもよいし、これらの化合物(Z)を2種以上組合せて使用してもよい。中でも造塩化合物は、式(A-I)で表されるトリアリールメタン系造塩化合物であることが好ましく、式(Aa2-53)で表されるチアゾール系造塩化合物であることがより好ましい。
着色硬化性樹脂組成物中の前記造塩化合物(着色剤(Aa))の含有率は、固形分の総量に対して、通常10質量%以上80質量%以下であり、好ましくは20質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上60質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以上50質量%以下である。前記造塩化合物(着色剤(Aa))の含有率が前記の範囲内であると、所望とする分光や色濃度をより得やすくなる。なお、本明細書において「固形分の総量」とは、本発明の着色硬化性樹脂組成物から溶剤を除いた成分の合計量をいう。固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段により測定することができる。
特に、式(A-I)で表されるトリアリールメタン系造塩化合物の含有率は、造塩化合物(Aa)100質量%中、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることがさらにより好ましく、90質量%以上であることがとりわけ好ましく、100質量%であることがさらにとりわけ好ましい。
1-2.化合物(Ab)
化合物(Ab)は、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有する。前記化合物(Ab)は、タングステンと酸素を必須元素として含有するヘテロポリ酸もしくはイソポリ酸又はその塩であることが好ましく、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、又はタングステン系イソポリ酸がより好ましく、リンタングステン酸がさらに好ましい。
タングステンと酸素を必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸は、例えば、ケギン型リンタングステン酸H{α-[PW1240]}、ドーソン型リンタングステン酸H{α-[P1862]}、H{β-[P1862]}、ケギン型ケイタングステン酸H{α-[SiW1240]}、H{β-[SiW1240]}、H{γ-[SiW1240]}、さらにその他の例としてH10[P1761]、H12[P1556]、H12[H1248]、H14[NaP30110]、H10{α-[SiW34]}、H{γ-[SiW1036]}、H{α-[SiW1139]}、H{β-[SiW1139]}、H[W19]、H[W1032]、HWO及びこれらの混合物が挙げられる。これらは水和物であってもよい。
前記化合物(Ab)の含有率は、前記造塩化合物(Aa)100質量%に対して0.1~15質量%である。前記化合物(Ab)の含有率は、前記造塩化合物(Aa)100質量%に対して、好ましくは0.2~10質量%であり、より好ましくは0.3~8質量%であり、さらに好ましくは0.5~6質量%である。
1-3.造塩化合物(Aa)以外の着色剤(Ac)
前記着色剤(Ac)は、キサンテン染料、トリアリールメタン染料、アントラキノン染料、及びテトラアザポルフィリン染料からなる群より選択される1種であることが好ましく、前記着色剤(Ac)はキサンテン染料であることがより好ましい。
1-3-1.キサンテン染料
前記キサンテン染料は以下の式(a1-1)で表される化合物(以下、化合物(a1-1)ともいう)であることがさらに好ましい。化合物(a1-1)は、その互変異性体であってもよい。
Figure 0007017867000119

[式(a1-1)中、R~Rは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH-)は、-O-、-CO-又は-N(R11)-で置き換わっていてもよい。R及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
は、-OH、-SO 、-SOH、-SO 、-COH、-CO 、-CO、-SO又は-SON(R)(R10)を表す。
及びRは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
mは、0~5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
aは、0又は1の整数を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
は、N(R11、Na又はKを表し、4つのR11は同一であっても異なっていてもよい。
は、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
及びR10は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-CO-、-NH-又は-N(R)-で置き換わっていてもよく、R及びR10は、互いに結合して窒素原子を含んだ3~10員環の複素環を形成していてもよい。
11は、水素原子、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7~10のアラルキル基を表す。]
式(a1-1)において、-SO が存在する場合、その数は1個である。
~Rにおける炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基及びブチルフェニル基等が挙げられる。中でもR1、R4は、フェニル基であることが好ましい。
該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、-R、-OH、-OR、-SO 、-SOH、-SO 、-COH、-CO、-SR、-SO、-SO又は-SON(R)(R10)が挙げられ、これらの置換基が芳香族炭化水素基に含まれる水素原子を置換していることが好ましい。これらの中でも、置換基としては、-SO 、-SOH、-SO 及び-SON(R)(R10)が好ましく、-SO 及び-SON(R)(R10)がより好ましい。この場合の-SO としては、-SO -+N(R11が好ましい。R~Rがこれらの基であると、化合物(a1-1)を含む本発明の着色硬化性樹脂組成物からは、異物の発生が少なく、且つ耐熱性に優れるカラーフィルタを形成できる。
~R及びR~R11における炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2-エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の炭素数3~20の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。中でもR及びRは、プロピル基であることが好ましい。
~Rにおける該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としての炭素数6~10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。R~Rの飽和炭化水素基の水素原子を置換していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基としては、R~Rにおける炭素数6~10の芳香族炭化水素基として例示した基と同様の基が挙げられる。
及びR10における該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としてのヒドロキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
及びRが一緒になって形成する環、並びにR及びRが一緒になって形成する環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0007017867000120
-ORとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基及びイコシルオキシ基等のアルキルオキシ基等が挙げられる。
-COとしては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニル等が挙げられる。
-SRとしては、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、デシルスルファニル基及びイコシルスルファニル基等のアルキルスルファニル基等が挙げられる。
-SOとしては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基等のアルキルスルホニル基等が挙げられる。
-SOとしては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスルホニル基、tert-ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシルオキシスルホニル基等のアルキルオキシスルホニル基等が挙げられる。
-SON(R)(R10)としては、例えば、スルファモイル基;
N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N-プロピルスルファモイル基、N-イソプロピルスルファモイル基、N-ブチルスルファモイル基、N-イソブチルスルファモイル基、N-sec-ブチルスルファモイル基、N-tert-ブチルスルファモイル基、N-ペンチルスルファモイル基、N-(1-エチルプロピル)スルファモイル基、N-(1,1-ジメチルプロピル)スルファモイル基、N-(1,2-ジメチルプロピル)スルファモイル基、N-(2,2-ジメチルプロピル)スルファモイル基、N-(1-メチルブチル)スルファモイル基、N-(2-メチルブチル)スルファモイル基、N-(3-メチルブチル)スルファモイル基、N-シクロペンチルスルファモイル基、N-ヘキシルスルファモイル基、N-(1,3-ジメチルブチル)スルファモイル基、N-(3,3-ジメチルブチル)スルファモイル基、N-ヘプチルスルファモイル基、N-(1-メチルヘキシル)スルファモイル基、N-(1,4-ジメチルペンチル)スルファモイル基、N-オクチルスルファモイル基、N-(2-エチルヘキシル)スルファモイル基、N-(1,5-ジメチルヘキシル)スルファモイル基、N-(1,1,2,2-テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN-1置換スルファモイル基;
N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-エチルメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N,N-プロピルメチルスルファモイル基、N,N-イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N-tert-ブチルメチルスルファモイル基、N,N-ブチルエチルスルファモイル基、N,N-ビス(1-メチルプロピル)スルファモイル基、N,N-ヘプチルメチルスルファモイル基等のN,N-2置換スルファモイル基等が挙げられる。
としては、-COH、-CO 、-CO、-SO 、-SO 、-SOH又は-SONH(R)が好ましく、-SO 、-SO 、-SOH又は-SONH(R)がより好ましく、-SO がさらに好ましい。
mは、1~4が好ましく、1又は2がより好ましく、1がさらに好ましい。
及びRにおける炭素数1~6のアルキル基としては、上記で挙げたアルキル基のうち、炭素数1~6のものが挙げられる。中でも、R及びRとしては、水素原子が好ましい。
11における炭素数7~10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
は、N(R11、Na又はKであり、好ましくはN(R11である。
前記N(R11としては、4つのR11のうち、少なくとも2つが炭素数5~20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR11の合計炭素数は20~80が好ましく、20~60がより好ましい。化合物(a1-1)中にN(R11が存在する場合、R11がこれらの基であると、化合物(a1-1)を含む本発明の着色硬化性樹脂組成物から、異物が少ないカラーフィルタを形成できる。
キサンテン染料としては、式(a1-2)で表される化合物(以下「化合物(a1-2)」という場合がある。)が好ましい。化合物(a1-2)は、その互変異性体であってもよい。
キサンテン染料としては、例えば、式(1-1)~式(1-43)で表される化合物が挙げられる。なお、式中、R40は、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6~12の分岐鎖状アルキル基、さらに好ましくは2-エチルヘキシル基である。
Figure 0007017867000121
Figure 0007017867000122
Figure 0007017867000123
Figure 0007017867000124
Figure 0007017867000125
Figure 0007017867000126
Figure 0007017867000127
Figure 0007017867000128
これらの中でも、C.I.アシッドレッド289のスルホンアミド化物、C.I.アシッドレッド289の4級アンモニウム塩、C.I.アシッドバイオレット102のスルホンアミド化物又はC.I.アシッドバイオレット102の第四級アンモニウム塩が好ましい。このような化合物としては、例えば、式(1-1)~式(1-8)、式(1-11)又は式(1-12)で表される化合物等が挙げられる。
また、有機溶媒への溶解性に優れる点で、式(1-24)~式(1-33)のいずれかで表される化合物も好ましく、特に好ましくは式(1-32)で表される化合物である。
キサンテン染料は、市販されているキサンテン染料(例えば、中外化成(株)製の「Chugai Aminol Fast Pink R-H/C」、田岡化学工業(株)製の「Rhodamin 6G」)を用いることができる。また、市販されているキサンテン染料を出発原料として、特開2010-32999号公報を参考に合成することもできる。
1-3-2.トリアリールメタン染料
トリアリールメタン染料は、一つの炭素原子に3つの芳香族炭化水素基が結合した構造を有する化合物を含む染料であることが好ましい。トリアリールメタン染料としては、例えば、C.I.Solvent Blue 2、4、5、43、124;C.I.Basic Violet 3、14、25;C.I.Basic Blue 1、5、7、11、26及び特許第4492760号公報に記載のトリアリールメタン染料等が挙げられる。
これらの中でも、トリアリールメタン染料としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007017867000129
Figure 0007017867000130
上記式においてJは、無機カチオン又は有機カチオンであり、具体的には、上述の化合物(a1-1)におけるZと同様のカチオン及び下記式のカチオン等が挙げられる。
Figure 0007017867000131
トリアリールメタン染料には、以下の化合物が含まれていてもよい。
Figure 0007017867000132
1-3-3.クマリン染料
クマリン染料は、分子内にクマリン骨格を有する化合物を含む染料である。クマリン染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー227、250;C.I.ディスパースイエロー82、184;C.I.ソルベントオレンジ112;C.I.ソルベントイエロー160、172;特許第1299948号公報に記載のクマリン染料;等が挙げられる。
Figure 0007017867000133
Figure 0007017867000134
1-3-4.アントラキノン染料
アントラキノン染料としては、公知の物質を用いてもよい。アントラキノン染料としては、例えば、
C.I.ソルベントイエロー117(以下、C.I.ソルベントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、163、167、189、
C.I.ソルベントオレンジ77、86、
C.I.ソルベントレッド111、143、145、146、150、151、155、168、169、172、175、181、207、222、227、230、245、247、
C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、45、47、48、51、59、60、
C.I.ソルベントブルー14、18、35、36、45、58、59、59:1、63、68、69、78、79、83、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、128、132、136、139、
C.I.ソルベントグリーン3、28、29、32、33、
C.I.アシッドレッド80、
C.I.アシッドグリーン25、27、28、41、
C.I.アシッドバイオレット34、
C.I.アシッドブルー25、27、40、45、78、80、112、
C.I.ディスパースイエロー51、
C.I.ディスパースバイオレット26、27、
C.I.ディスパースブルー1、14、56、60、
C.I.ダイレクトブルー40、
C.I.モーダントレッド3、11、
C.I.モーダントブルー8
等が挙げられる。
また、アントラキノン染料は、以下の化合物であってもよい。
Figure 0007017867000135
1-3-5.テトラアザポリフィリン染料
テトラアザポルフィリン染料は、分子内にテトラアザポルフィリン骨格を有する化合物である。また、テトラアザポルフィリン染料が酸性染料又は塩基性染料の場合、任意のカチオン又はアニオンと塩を形成していてもよい。
これらの中でも、テトラアザポルフィリン染料としては、式(2-1)~式(2-38)で表される化合物が挙げることができる。
Figure 0007017867000136
Figure 0007017867000137
Figure 0007017867000138
Figure 0007017867000139
Figure 0007017867000140
この他の染料として、アゾ染料、チアゾール染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、キノフタロン染料等を使用してもよくそれぞれ公知の染料が使用される。
アゾ染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー(以下、C.I.ダイレクトイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)2、33、34、35、39、50、69、70、71、86、93、94、95、98、102、109、129、136、141;
C.I.ダイレクトオレンジ41、46、56、61、64、70、96、97、106、107;
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、97、98、99、106、107、172、173、176、177、179、181、182、204、207、211、213、218、221、222、232、233、243、246、250;
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;
C.I.ダイレクトブルー51、57、71、81、84、85、90、93、94、95、98、100、101、113、149、150、153、160、162、163、164、166、167、170、172、188、192、193、194、196、198、200、207、209、210、212、213、214、222、228、229、237、238、242、243、244、245、247、248、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275;
C.I.ダイレクトグリーン27、34、37、65、67、68、69、72、77、79、82など;
C.I.アシッドレッド1、3、4、6、8、11、12、14、18、26、27、33、37、53、57、88、106、108、111、114、131、137、138、151、154、158、159、173、184、186、215、257、266、296、337;
C.I.アシッドオレンジ7、10、12、19、20、22、28、30、52、56、74、127;
C.I.アシッドバイオレット11、56、58;
C.I.アシッドイエロー1、17、18、23、25、36、38、42、44、54、59、72、78、151;
C.I.アシッドブラウン2、4、13、248;
C.I.アシッドブルー92、102、113、117等;
例えば、C.I.ベーシックレッド17、22、23、25、29、30、38、39、46、46:1、82;C.I.ベーシックオレンジ2、24、25;C.I.ベーシックバイオレット18;C.I.ベーシックイエロー15、24、25、32、36、41、73、80;C.I.ベーシックブラウン1;C.I.ベーシックブルー41、54、64、66、67、129等が挙げられる。
チアゾール染料としては、C.I.ダイレクトイエロー54、C.I.ベーシックイエロー1が挙げられる。
オキサジン染料としては、C.I.ダイレクトブルー97、99、106、107、108、109、190、293などが挙げられる。
フタロシアニン染料としては、C.I.ダイレクトブルー86、87、189、199、C.I.アシッドブルー249、C.I.ベーシックブルー3などが挙げられる。
キノフタロン染料としては、C.I.アシッドイエロー3等が挙げられる。
着色剤(Ac)の含有率は、着色硬化性樹脂組成物の固形分100質量%中、例えば0.01~5質量%であり、好ましくは0.05~4質量%であり、より好ましくは0.1~3質量%であり、さらに好ましくは0.2~2質量%である。着色剤(Ac)の量が少なすぎたり、多すぎたりすると、耐熱性向上の効果が得られない虞がある。
着色剤(Ac)は、前記キサンテン染料(好ましくは式(1-32)で表される化合物)を50質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらにより好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%含む。
着色剤(Ac)には、キサンテン染料に加えて、他の染料を1種類以上組合せて使用してもよい。
前記着色剤(Ac)(固形分換算)/造塩化合物(Aa)(固形分換算)の質量比は、好ましくは0.001~0.5、より好ましくは0.002~0.4、さらに好ましくは0.003~0.3、とりわけ好ましくは0.005~0.2である。上記の数値範囲を満たさない場合には、耐熱性向上の効果が得られない場合がある。
前記着色硬化性樹脂組成物において顔料を使用してもよく、顔料としては、特に限定されず公知の顔料を使用することができる。例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上を組合せて用いることができる。
具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214等の黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等の赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58等の緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25等のブラウン色顔料;及び
C.I.ピグメントブラック1、7等の黒色顔料が挙げられる。
顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。顔料の粒径は、略均一であることが好ましい。顔料は、顔料分散剤を含有させて分散処理を行うことで、顔料分散剤溶液の中で均一に分散した状態の顔料分散液とすることができる。顔料は、それぞれ単独で分散処理してもよいし、複数種を混合して分散処理してもよい。
顔料分散剤としては、界面活性剤等が挙げられ、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性のいずれの界面活性剤であってもよい。具体的にはポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。これらの顔料分散剤は、単独で又は二種以上を組合せて用いてもよい。顔料分散剤としては、商品名で示すと、KP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(登録商標)(ゼネカ(株)製)、EFKA(登録商標)(BASF社製)、アジスパー(登録商標)(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(登録商標)(ビックケミー社製)等が挙げられる。
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料100質量部に対して、好ましくは100質量部以下であり、より好ましくは0質量部以上50質量部以下である。顔料分散剤の使用量が前記の範囲にあると、より均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾向がある。
本発明において、顔料は、着色硬化性樹脂組成物100質量%中、0~40質量%であることが好ましく、より好ましくは0~30質量%、さらに好ましくは0~20質量%である。なお、本発明において、分散剤又は分散剤を含む分散液を実質的に含まない着色硬化性樹脂組成物も好ましい態様である。
前記造塩化合物(Aa)は、式(A-I)で表されるトリアリールメタン系造塩化合物であり、前記化合物(Ab)は、タングステンと酸素を必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸であり、前記造塩化合物(Aa)以外の着色剤(Ac)は、式(a1-1)で表されるキサンテン染料であることが好ましい。
前記造塩化合物(Aa)は、式(Ab2-1)で表されるカチオンと、タングステンと酸素を必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンとを有するトリアリールメタン系造塩化合物であり、前記化合物(Ab)は、リンタングステン酸、ケイタングステン酸又はタングステン系イソポリ酸であり、前記造塩化合物(Aa)以外の着色剤(Ac)は、式(a1-3)で表されるキサンテン染料であることがより好ましい。
前記造塩化合物(Aa)は、式(Aa2-1)~式(Aa2-56)で表されるトリアリールメタン系造塩化合物であり、前記化合物(Ab)は、ケギン型又はドーソン型リンタングステン酸であり、前記造塩化合物(Aa)以外の着色剤(Ac)は、式(1-1)~(1-40)で表されるキサンテン染料であることがさらに好ましい。
前記造塩化合物(Aa)は、式(Aa2-41)~式(Aa2-44)、又は式(Aa2-53)~(Aa2-56)で表されるトリアリールメタン系造塩化合物であり、前記化合物(Ab)は、ケギン型リンタングステン酸であり、前記造塩化合物(Aa)以外の着色剤(Ac)は、式(1-24)~(1-32)で表されるキサンテン染料であることがさらにより好ましい。
これらの組み合わせであれば、分散液を調製しなくても、耐熱性を向上させることが可能となる。
1-4.樹脂(B)
本発明の着色硬化性樹脂組成物に含まれる樹脂(B)は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一種に由来する構造単位を有する付加重合体がより好ましい。このような樹脂としては、下記樹脂[K1]~[K6]が挙げられる。
樹脂[K1]:不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一種(a)(以下「(a)」ということがある)に由来する構造単位と、炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」ということがある)に由来する構造単位を有する共重合体
樹脂[K2]:(a)に由来する構造単位と、(b)に由来する構造単位と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」ということがある)に由来する構造単位を有する共重合体
樹脂[K3]:(a)に由来する構造単位と(c)に由来する構造単位を有する共重合体
樹脂[K4]:(a)に由来する構造単位と(c)に由来する構造単位を有する共重合体と、(b)に由来する構造単位との反応物である樹脂
樹脂[K5]:(b)に由来する構造単位と(c)に由来する構造単位を有する共重合体と、(a)に由来する構造単位との反応物である樹脂
樹脂[K6]:(b)に由来する構造単位と(c)に由来する構造単位を有する共重合体と、(a)に由来する構造単位と、さらにカルボン酸無水物に由来する構造単位との反応物である樹脂。
(a)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸;
マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸;
メチル-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、5-カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物;
無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物;
α-(ヒドロキシメチル)アクリル酸等の同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレートが挙げられる。
なかでも、共重合反応性や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸が好ましい。
(b)は、炭素数2~4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環、及びテトラヒドロフラン環よりなる群より選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、炭素数2~4の環状エーテル構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体であることが好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表わし、「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」の表記も、同様の意味を示す。
(b)としては、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)(以下「(b1)」ということがある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」ということがある)及びテトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」ということがある)が挙げられる。
(b1)としては、直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1-1)(以下「(b1-1)」ということがある)及び脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1-2)(以下「(b1-2)」ということがある)が挙げられる。
(b1-1)としては、グリシジル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体が好ましい。(b1-1)としては、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン及び2,4,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレンが挙げられる。
(b1-2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド(登録商標)2000;(株)ダイセル製)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマー(登録商標)A400;(株)ダイセル製)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーM100;(株)ダイセル製)、式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007017867000141
[式中、R及びRは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。X及びXは、互いに独立に、単結合、*-R-、*-R-O-、*-R-S-又は*-R-NH-を表す。Rは、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。*は、Oとの結合手を表す。]
式(1)で表される化合物としては、式(1-1)~式(1-15)で表される化合物が挙げられ、なかでも、式(1-1)、式(1-3)、式(1-5)、式(1-7)、式(1-9)及び式(1-11)~式(1-15)で表される化合物が好ましく、式(1-1)、式(1-7)、式(1-9)及び式(1-15)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0007017867000142
式(2)で表される化合物としては、式(2-1)~式(2-15)で表される化合物が挙げられ、なかでも、式(2-1)、式(2-3)、式(2-5)、式(2-7)、式(2-9)及び式(2-11)~式(2-15)で表される化合物が好ましく、式(2-1)、式(2-7)、式(2-9)及び式(2-15)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0007017867000143
式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物とを併用してもよい。これらを併用する場合、式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物の比率(式(1)で表される化合物:式(2)で表される化合物)はモル基準で、好ましくは5:95~95:5であり、より好ましくは10:90~90:10であり、さらに好ましくは20:80~80:20である。
(b2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。
(b3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。
得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、(b)が(b1)であることが好ましく、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性が優れるという点で、(b1)が(b1-2)であることが好ましい。
(c)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」ということがある。)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン-8-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチル-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-tert-ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(tert-ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のビシクロ不飽和化合物;
N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチレート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドカプロエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオネート、N-(9-アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド化合物;
スチレン、α-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メトキシスチレン等のビニル基含有芳香族化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル基含有ニトリル;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化炭化水素;アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル基含有アミド;酢酸ビニル等のエステル;1,3-ブタジエン、イソプレン及び2,3-ジメチル-1,3-ブタジエンのジエン;等が挙げられる。
これらの中でも、共重合反応性及び耐熱性の観点から、ビニル基含有芳香族化合物、ジカルボニルイミド化合物、ビシクロ不飽和化合物が好ましい。具体的には、スチレン、ビニルトルエン、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレート、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド及びビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エンが好ましい。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物及び5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物が挙げられる。カルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用量1モルに対して、0.5~1モルであることが好ましい。
樹脂(B)としては、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N-シクロヘキシルマレイミド共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ビニルトルエン共重合体、3-メチル-3-(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/トリシクロデシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、等の樹脂[K3];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K4];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K5];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K6]が挙げられる。
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常3,000~100,000であり、好ましくは5,000~50,000であり、より好ましくは5,000~35,000であり、さらに好ましくは5,000~30,000であり、とりわけ好ましくは6,000~30,000である。分子量が前記の範囲にあると、塗膜硬度が向上し、残膜率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、着色パターンの解像度が向上する傾向がある。
樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1~6であり、より好ましくは1.2~4であり、さらに好ましくは1.3~3である。
樹脂(B)の酸価(固形分換算)は、好ましくは20~170mg-KOH/gであり、より好ましくは30~170mg-KOH/gであり、さらに好ましくは40~170mg-KOH/gであり、さらにより好ましくは50~170mg-KOH/gであり、とりわけ好ましくは150mg-KOH/g以下であり、さらにとりわけ好ましくは135mg-KOH/g以下である。
ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
樹脂(B)の含有率は、固形分の総量に対して、好ましくは7~65質量%であり、より好ましくは10~60質量%であり、さらに好ましくは13~60質量%であり、とりわけ好ましくは17~55質量%である。樹脂(B)の含有量が、前記の範囲にあると、着色パターン形成が容易で、着色パターンの解像度及び残膜率が向上する傾向がある。
1-5.重合性化合物(C)
重合性化合物(C)は、重合開始剤から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物が挙げられ、(メタ)アクリル酸エステル構造を有する化合物が好ましい。重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和結合を5つ~6つ有する重合性化合物であることがより好ましい。
エチレン性不飽和結合を1つ有する重合性化合物としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、N-ビニルピロリドン、上述の(a)、(b)及び(c)が挙げられる。エチレン性不飽和結合を2つ有する重合性化合物としては、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル及び3-メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらのなかでも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
重合性化合物(C)の重量平均分子量は、好ましくは150以上2,900以下であり、より好ましくは250以上1,500以下である。
本発明の着色硬化性樹脂組成物中の重合性化合物(C)の含有率は、固形分の総量に対して、通常1~60質量%であり、好ましくは5~50質量%であり、より好ましくは10~40質量%であり、さらに好ましくは12~30質量%である。樹脂(B)と重合性化合物(C)との含有量比(樹脂(B):重合性化合物(C))は質量基準で、通常20:80~80:20であり、好ましくは35:65~80:20である。重合性化合物(C)の含有量が、前記の範囲内にあると、着色パターン形成時の残膜率及びカラーフィルタの耐薬品性が向上する傾向がある。
1-6-1.重合開始剤(D)
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤(D)は、好ましくは、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O-アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む重合開始剤であり、より好ましくは、O-アシルオキシム化合物を含む重合開始剤である。
O-アシルオキシム化合物としては、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-{2-メチル-4-(3,3-ジメチル-2,4-ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-イミン及びN-ベンゾイルオキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミンが挙げられる。イルガキュア(登録商標)OXE01、OXE02(以上、BASF社製)、N-1919(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。なかでも、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン及びN-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミンがより好ましい。
アルキルフェノン化合物は、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン及び2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]ブタン-1-オンが挙げられる。イルガキュア369、907、379(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
アルキルフェノン化合物は、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-イソプロペニルフェニル)プロパン-1-オンのオリゴマー、α,α-ジエトキシアセトフェノン及びベンジルジメチルケタールであってもよい。
トリアジン化合物としては、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシナフチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(フラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン及び2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジンが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。イルガキュア(登録商標)819(BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
ビイミダゾール化合物としては、具体的には、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2,3-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6-75372号公報、特開平6-75373号公報等参照。)、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48-38403号公報、特開昭62-174204号公報等参照。)及び4,4’5,5’-位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平07-010913号公報等参照)が挙げられる。なかでも、下記式で表される化合物及びこれらの混合物が好ましい。
Figure 0007017867000144
他の重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10-フェナンスレンキノン、2-エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10-ブチル-2-クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。これらは、後述の重合開始助剤(特にアミン系重合開始助剤)と組合せて用いることが好ましい。
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、通常0.1~40質量部であり、好ましくは0.1~30質量部であり、より好ましくは1~30質量部であり、とりわけ好ましくは1~20質量部である。
1-6-2.重合開始助剤
重合開始助剤は、重合開始剤(D)によって重合が開始された重合性化合物(C)の重合を促進するために用いられる化合物又は増感剤である。本発明の着色硬化性樹脂組成物が重合開始助剤を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組合せて用いられる。
重合開始助剤としては、アミン系重合開始助剤、アルコキシアントラセン系重合開始助剤、チオキサントン系重合開始助剤及びカルボン酸系重合開始助剤が挙げられる。
アミン系重合開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン;4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル等のアミノ安息香酸エステル;N,N-ジメチルパラトルイジン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及び4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンが挙げられ、なかでも4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアルキルアミノベンゾフェノン;が好ましい。中でも、アルキルアミノベンゾフェノンが好ましく、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。EAB-F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
アルコキシアントラセン系重合開始助剤としては、9,10-ジメトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン及び2-エチル-9,10-ジブトキシアントラセンが挙げられる。
チオキサントン系重合開始助剤としては、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン及び1-クロロ-4-プロポキシチオキサントンが挙げられる。
カルボン酸系重合開始助剤としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N-フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N-ナフチルグリシン及びナフトキシ酢酸が挙げられる。
重合開始助剤を用いる場合、その含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部であり、より好ましくは1~20質量部である。重合開始助剤の含有量がこの範囲内であると、より高感度で着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの生産性が向上する傾向にある。
1-7.溶剤(E)
溶剤(E)は、限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を単独で、あるいは2種以上を組合せて用いることができる。具体的には、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤及びジメチルスルホキシドが挙げられる。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ-ブチロラクトンが挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール及びメチルアニソールが挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート及びジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートが挙げられる。
ケトン溶剤としては、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、2-ブタノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロンが挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンが挙げられる。
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレンが挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドンが挙げられる。
これらの溶剤は、二種以上を組合せてもよい。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上、210℃以下である有機溶剤が好ましい。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-1-ブタノール、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、N,N-ジメチルホルムアミド及びN-メチルピロリドンが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-1-ブタノール、3-エトキシプロピオン酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド及びN-メチルピロリドンがより好ましい。
溶剤(E)の含有率は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、通常70~95質量%であり、好ましくは75~92質量%であり、より好ましくは75~90質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、また、カラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
<レベリング剤>
レベリング剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF-4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS-718-K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)が挙げられる。
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)が挙げられる。
レベリング剤の含有率は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、通常0.0005質量%以上0.6質量%以下であり、好ましくは0.001質量%以上0.5質量%以下であり、より好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下であり、とりわけ好ましくは0.005質量%以上0.07質量%以下である。レベリング剤の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
<その他の成分>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
2.着色硬化性樹脂組成物の製造方法
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、例えば、造塩化合物(着色剤(Aa))、化合物(Ab)、造塩化合物(Aa)以外の着色剤(Ac)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、溶剤(E)、及び、必要に応じて、レベリング剤、重合開始助剤及びその他の成分を混合することにより調製できる。着色剤(Aa)に加えて、さらに、顔料等の着色剤を混合することもできる。顔料は、予め溶剤(E)の一部又は全部と混合し、顔料の平均粒子径が0.2μm以下程度となるまで、ビーズミルなどを用いて分散させた顔料分散液の状態で用いることが好ましい。この際、必要に応じて前記顔料分散剤、樹脂(B)の一部又は全部を配合してもよい。
混合後の着色硬化性樹脂組成物を、孔径0.01~10μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
3.カラーフィルタの製造方法
本発明の着色硬化性樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。フォトリソグラフ法は、着色硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて着色組成物層を形成し、フォトマスクを介して該着色組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、上記着色組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。このように形成した着色パターンや着色塗膜が本発明のカラーフィルタである。
作製するカラーフィルタの膜厚は、目的や用途等に応じて適宜調整することができ、通常0.1~30μmであり、好ましくは0.1~20μmであり、より好ましくは0.5~6μmである。
基板としては、ガラス板や、樹脂板、シリコン、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜等を形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
フォトリソグラフ法による各色画素の形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことができる。例えば、下記のようにして作製することができる。
まず、着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な着色組成物層を得る。塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法及びスリット アンド スピンコート法が挙げられる。
次に、着色組成物層は、目的の着色パターンを形成するためのフォトマスクを介して露光される。露光面全体に均一に平行光線を照射したり、フォトマスクと着色組成物層が形成された基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。露光後の着色組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色パターンが形成される。現像により、着色組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。現像液としては、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。現像後は、水洗することが好ましい。
得られた着色パターンに、さらにポストベークを行うことが好ましい。この様にして得られた着色パターンや着色塗膜を有するカラーフィルタは、種々の特性を付与するため、さらに表面コート処理に供してもよい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)及び固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
合成例1
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(A-II-18)で表される化合物8部、メタノール396部を投入した後、室温で30分攪拌して青色溶液を調製した。次いで、青色溶液に水396部を投入した後に、さらに室温で30分攪拌して反応溶液を得た。
Figure 0007017867000145
ビーカー中に水53部に投入し、更に、ケギン型リンタングステン酸(Aldrich社製)11.8部及びメタノール53部を該水中に投入し、空気雰囲気下、室温で混合しリンタングステン酸溶液を調製した。
得られたリンタングステン酸溶液を、先に調製した反応溶液中へ1時間かけて滴下した。さらに室温で30分撹拌した後、濾過して青色固体を得た。得られた青色固体をメタノール200部中に投入し1時間分散させた後、濾過する操作を2回繰り返した。該操作により得られた青色固体を水200部中に投入し1時間分散させた後、濾過する操作を2回繰り返した。該操作により得られた青色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(A-I-18)で表される化合物を17.1部得た。
Figure 0007017867000146
樹脂合成例1
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、3-メトキシ-1-ブタノール200部及び3-メトキシブチルアセテート105部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸60部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート(式(1-1)で表される化合物及び式(2-1)で表される化合物の、モル比、50:50の混合物。)240部を、3-メトキシブチルアセテート140部に溶解して溶液を調製し、該溶解液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。一方、重合開始剤2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)30部を3-メトキシブチルアセテート225部に溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、固形分32.6%、酸価110mg-KOH/g(固形分換算)の樹脂B-1b溶液を得た。得られた樹脂B-1bの重量平均分子量Mwは、13,400、分子量分布は2.5であった。
Figure 0007017867000147
実施例1:<着色硬化性樹脂組成物1>
造塩化合物(Aa):式(A-I-18)で表される化合物 41.6部;
化合物(Ab):ケギン型リンタングステン酸 1.3部;
着色剤(Ac):式(*)で表される化合物 0.4部;
Figure 0007017867000148

アルカリ可溶性樹脂(B):樹脂B-1b(固形分換算) 29部;
重合性化合物(C):ジペンタエリストールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 11部;
重合開始剤(D):N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE-01;BASF社製;O-アシルオキシム化合物) 4部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 413部;並びに
レベリング剤(F):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.15部
を混合して着色硬化性樹脂組成物1を得た。
比較例1:<着色硬化性樹脂組成物2>
造塩化合物(Aa):式(A-I-18)で表される化合物 26部;
アルカリ可溶性樹脂(B):樹脂B-1b(固形分換算) 44部;
重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA:日本化薬(株)製) 11部;
重合開始剤(D):N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE-01;BASF社製;O-アシルオキシム化合物) 4部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 68部;
溶剤(E):4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン 561部;並びに
レベリング剤(F):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.15部
を混合して着色硬化性樹脂組成物2を得た。
比較例2:<着色硬化性樹脂組成物3>
造塩化合物(Aa):式(A-I-18)で表される化合物 41.6部;
化合物(Ab):ケギン型リンタングステン酸 6.5部;
着色剤(Ac) :式(*)で表される化合物 0.4部;
アルカリ可溶性樹脂(B):樹脂B-1b(固形分換算) 29部;
重合性化合物(C):ジペンタエリストールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 11部;
重合開始剤(D):N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE-01;BASF社製;O-アシルオキシム化合物) 4部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 413部;並びに
レベリング剤(F):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.15部
を混合して着色硬化性樹脂組成物3を得た。
<カラーフィルタの作製>
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、着色硬化性樹脂組成物1をスピンコート法で塗布した後、100℃で3分間プリベークして着色組成物層を形成した。冷却後、露光機(TME-150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、150mJ/cm2の露光量(365nm基準)で露光した。なお、フォトマスクは使用しなかった。露光後の着色組成物層をオーブン中、180℃で20分間ポストベークを行うことにより、カラーフィルタ1(膜厚2.0μm)を作製した。着色硬化性樹脂組成物1に代えて、着色硬化性樹脂組成物2及び3を用いる以外は、同様にして、カラーフィルタ2及び3を作製した。
<耐熱性の評価>
得られたカラーフィルタ1~3を230℃で20分加熱し、加熱前後の色差(ΔEab*)を測色機(OSP-SP-200;OLYMPUS社製)を用いて測定した。カラーフィルタ1の色差(ΔEab*)は3.2であり、カラーフィルタ2の色差(ΔEab*)は8.5であり、カラーフィルタ3では、異物の発生が見られ、耐熱性の評価が不可能であった。
本発明の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)及び固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。

Claims (4)

  1. 造塩化合物からなる着色剤(Aa)、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有する化合物(Ab)、前記造塩化合物(Aa)以外の着色剤(Ac)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含み、
    前記着色剤(Aa)が、式(A-I)で表される化合物であり、
    前記化合物(Ab)が、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、又はタングステン系イソポリ酸であり、
    前記化合物(Ab)の含有率が前記造塩化合物(Aa)100質量%に対して0.1~15質量%であることを特徴とする着色硬化性樹脂組成物。
    Figure 0007017867000149

    [式(A-I)中、R 41 ~R 44 は、互いに独立に、置換もしくは非置換のアミノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルキル基であって、該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されている基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、置換されていてもよいアラルキル基あるいは水素原子を表す。R 41 とR 42 とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよく、R 43 とR 44 とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
    47 ~R 54 は、互いに独立に、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホニル基、ヒドロキシ基、又は炭素数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。R 48 とR 52 とが互いに結合して、-NH-、-S-又は-SO 2 -を形成していてもよい。
    環T 1 は、置換基を有していてもよい芳香族複素環を表す。
    [Y] m- は、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、又はタングステン系イソポリ酸のアニオンを表す。
    mは任意の自然数を表す。
    なお、1分子中下記式(A-II)で表されるカチオンが複数含まれる場合、それらは同じ構造であっても異なる構造であってもよい。]
    Figure 0007017867000150

    [式(A-II)中、環T 1 、R 41 ~R 44 及びR 47 ~R 54 は、式(A-I)におけるものと同義である。]
  2. 前記着色剤(Ac)が、キサンテン染料、トリアリールメタン染料、クマリン染料、アントラキノン染料、及びテトラアザポルフィリン染料からなる群より選択される1種である請求項1記載の着色硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
  4. 請求項記載のカラーフィルタを含む表示装置。
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