JP7324045B2 - 着色硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
[1] 着色剤、樹脂、重合性化合物、重合開始剤及びコバルト(III)を含む化合物を含有し、着色剤がトリアリールメタンレーキを含み、コバルト(III)を含む化合物の可視光領域におけるモル吸光係数の最大値が、着色剤の可視光領域におけるモル吸光係数の最大値よりも小さい着色硬化性樹脂組成物。
[2] トリアリールメタンレーキが、式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である[1]記載の着色硬化性樹脂組成物。
[式(I)中、
R11~R14は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数7~30のアラルキル基を表し、該炭素数1~20の飽和炭化水素基において、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、置換若しくは非置換のアミノ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基の炭素数が2~20である場合、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子又は-CO-に置換されていてもよい。ただし、該炭素数2~20の飽和炭化水素基において、隣接するメチレン基が同時に酸素原子に置換されることはない。R11とR12とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよく、R13とR14とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
R17~R24は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基を構成するメチレン基は酸素原子又は-CO-に置換されていてもよい。R18とR22とが互いに結合して、-NH-、-O-、-S-又は-SO2-を形成していてもよい。
環T1は、置換基を有していてもよい炭素数3~10の芳香族複素環又は置換基を有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素環を表す。
[Y]m-は、タングステン、モリブデン、ケイ素、及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを含有する任意のm価のアニオンを表す。
mは任意の自然数を表す。
なお、1分子中に下記式で表される構造が複数含まれる場合、それらは同じ構造であっても異なる構造であってもよい。
[式中、環T1、R11~R14及びR17~R24は、それぞれ、上記と同義である。]]
[式(II)中、
R41~R44は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい炭素数7~30のアラルキル基を表し、該芳香族炭化水素基及び該アラルキル基が有していてもよい置換基は、-SO3 -又は-SO2-N--SO2-Rfであってもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、置換若しくは非置換のアミノ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基の炭素数が2~20である場合、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又は-CO-に置き換わっていてもよい。ただし、該炭素数2~20の飽和炭化水素基において、隣接するメチレン基が同時に酸素原子に置き換わることはない。R41とR42とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよく、R43とR44とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
R47~R54は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、-SO3 -、-SO2-N--SO2-Rf、又は炭素数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基を構成するメチレン基は、酸素原子又は-CO-に置き換わっていてもよく、R48とR52とが互いに結合して、-NH-、-S-、又は-SO2-を形成していてもよい。ただし、該アルキル基において、隣接するメチレン基が同時に酸素原子に置換されることはない。
環T2は、炭素数3~10の芳香族複素環又は炭素数6~10の芳香族炭化水素環を表し、該芳香族複素環及び該芳香族炭化水素環は、炭素数1~20の飽和炭化水素基、置換若しくは非置換のアミノ基又は置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基を有していてもよい。該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基は、-SO3 -又は-SO2-N--SO2-Rfであってもよい。
Mr+は、r価の金属イオンを表す。
kは、R41~R44、R47~R54及び環T2が有する-SO3 -の個数及び-SO2-N--SO2-Rfの個数の和を表す。
rは、1以上の整数を表す。
Rfは、炭素数1~12のフルオロアルキル基を表す。
ただし、R41~R44、R47~R54及び環T2は、-SO3 -又は-SO2-N--SO2-Rfを少なくとも1つ有する。
なお、1分子中に下記式で表される構造が複数含まれる場合、それらは同じ構造であっても異なる構造であってもよい。
[式中、環T2、R41~R44及びR47~R54は、それぞれ、上記と同義である。]]
[3] トリアリールメタンレーキとは異なる色素をさらに含む[1]又は[2]記載の着色硬化性樹脂組成物。
[4] [1]~[3]のいずれか記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
[5] [4]記載のカラーフィルタを含む表示装置。
着色剤(A)は、トリアリールメタンレーキ(以下着色剤(A1)ともいう)を含む。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、さらに溶剤を含むことが好ましい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、レベリング剤を含んでもよい。
本明細書において、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組合せて使用することができる。
トリアリールメタンレーキとは、トリアリールメタン骨格を有し、かつ、有機溶剤(好ましくは本発明の着色硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤)に不溶又は難溶な色素のことをいう。
トリアリールメタン骨格とは、1つの炭素に3つの芳香族環が結合した骨格のことをいい、3つの芳香族環のうち、2つが芳香族炭化水素環であり1つが芳香族複素環である骨格が好ましい。
R11~R14は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数7~30のアラルキル基を表し、該炭素数1~20の飽和炭化水素基において、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、置換若しくは非置換のアミノ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基の炭素数が2~20である場合、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子又は-CO-に置換されていてもよい。ただし、該炭素数2~20の飽和炭化水素基において、隣接するメチレン基が同時に酸素原子に置換されることはない。R11とR12とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよく、R13とR14とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
R17~R24は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基を構成するメチレン基は酸素原子又は-CO-に置換されていてもよい。R18とR22とが互いに結合して、-NH-、-O-、-S-又は-SO2-を形成していてもよい。
環T1は、置換基を有していてもよい炭素数3~10の芳香族複素環又は置換基を有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素環を表す。
[Y]m-は、タングステン、モリブデン、ケイ素、及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを含有する任意のm価のアニオンを表す。
mは任意の自然数を表す。
なお、1分子中に下記式で表される構造が複数含まれる場合、それらは同じ構造であっても異なる構造であってもよい。
環T1の芳香族複素環が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基等が挙げられる。環T1は、炭素数1~10のアルキル基等の置換基を有していてもよいアミノ基を有していることが好ましい。
中でも、環T1の芳香族複素環は、窒素原子を含む芳香族複素環であることが好ましく、窒素原子を含む5員環の芳香族複素環であることがより好ましい。
X1は、酸素原子、-NR27-又は硫黄原子を表す。
R27は、水素原子又は炭素数1~10のアルキル基を表す。
R15及びR16は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~20の飽和炭化水素基、炭素数2~20のアルキル基であって、該アルキル基に含まれるメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいアラルキル基あるいは水素原子を表す。R15とR16とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
ただし、隣接するメチレン基が同時に酸素原子に置換されることはなく、また、Nに結合するメチレン基が酸素原子に置換されることもない。
*は、カルボカチオンとの結合手を表す。]
環T1の芳香族炭化水素環が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基等が挙げられる。
また、R27で表される炭素数1~10のアルキル基としては、R11で表される飽和炭化水素基として例示した直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基のうち炭素数1~10の基が挙げられる。
mは、より好ましくは1~20、さらに好ましくは1~10、さらにより好ましくは2~6である。
アニオンは、タングステンを含有するヘテロポリ酸及びイソポリ酸のアニオン、リンタングステン酸、ケイタングステン酸及びタングステン系イソポリ酸のアニオンが好ましい。
ケイ素およびリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とからなるアニオンとしては、SiO3 2-、PO4 3-が挙げられる。
R41~R44は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい炭素数7~30のアラルキル基を表し、該芳香族炭化水素基及び該アラルキル基が有していてもよい置換基は、-SO3 -又は-SO2-N--SO2-Rfであってもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、置換若しくは非置換のアミノ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基の炭素数が2~20である場合、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又は-CO-に置き換わっていてもよい。ただし、該炭素数2~20の飽和炭化水素基において、隣接するメチレン基が同時に酸素原子に置き換わることはない。R41とR42とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよく、R43とR44とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
R47~R54は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、-SO3 -、-SO2-N--SO2-Rf、又は炭素数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基を構成するメチレン基は、酸素原子又は-CO-に置き換わっていてもよく、R48とR52とが互いに結合して、-NH-、-S-、又は-SO2-を形成していてもよい。
ただし、該アルキル基において、隣接するメチレン基-が同時に酸素原子に置換されることはない。
環T2は、炭素数3~10の芳香族複素環又は炭素数6~10の芳香族炭化水素環を表し、該芳香族複素環及び該芳香族炭化水素環は、炭素数1~20の飽和炭化水素基、置換若しくは非置換のアミノ基又は置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基を有していてもよい。該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基は、-SO3 -又は-SO2-N--SO2-Rfであってもよい。
Mr+は、r価の金属イオンを表す。
kは、R41~R44、R47~R54及び環T2が有する-SO3 -の個数及び-SO2-N--SO2-Rfの個数の和を表す。
rは、1以上の整数を表す。
Rfは、炭素数1~12のフルオロアルキル基を表す。
ただし、R41~R44、R47~R54及び環T2は、-SO3 -又は-SO2-N--SO2-Rfを少なくとも1つ有する。]
なお、1分子中に下記式で表される構造が複数含まれる場合、それらは同じ構造であっても異なる構造であってもよい。
[式中、環T2、R41~R44及びR47~R54は、それぞれ、上記と同義である。]]
環T2の芳香族複素環が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素数1~20の飽和炭化水素基、置換若しくは非置換のアミノ基又は置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基等が挙げられ、好ましくは炭素数1~20の飽和炭化水素基、置換若しくは非置換のアミノ基又は置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基が挙げられる。環T2は、置換基を有していてもよいアミノ基を有していることが好ましく、該アミノ基が有していてもよい置換基としては、炭素数1~20の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7~30のアラルキル基等が好ましい。
中でも、環T2の芳香族複素環としては、窒素原子を含む芳香族複素環が好ましく、窒素原子を含む5員環の芳香族複素環がより好ましい。
環T2は、式(t1)で表される環であることが好ましい。
R56は、水素原子、炭素数1~20の飽和炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基を表す。
X2は、-O-、-N(R57)-又は-S-を表す。
R57は、水素原子又は炭素数1~10のアルキル基を表す。
R45及びR46は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数7~30のアラルキル基を表し、該飽和炭化水素基の炭素数が2~20である場合、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子又は-CO-に置き換わっていてもよい。ただし、該炭素数2~20の飽和炭化水素基において、隣接するメチレン基が同時に酸素原子に置換されることはない。R45とR46とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
*は、カルボカチオンとの結合手を表す。]
R60は、水素原子、炭素数1~20の飽和炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基を表す。
R61は、水素原子、-SO3 -、又は-SO2-N--SO2-Rfを表す。
R59は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数7~30のアラルキル基を表す。
*は、カルボカチオンとの結合手を表す。]
環T2で表される芳香族炭化水素環が有していてもよい置換基としては、上述した芳香族複素環が有していてもよい置換基が挙げられる。
R41~R46、R56及びR58~R60で表される飽和炭化水素基並びに環T2が有していてもよいアミノ基が有していてもよい飽和炭化水素基は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソブチル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等であることが好ましい。
また、R57で表される炭素数1~10のアルキル基としては、R41で表される飽和炭化水素基として例示した直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基のうち炭素数1~10の基が挙げられる。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基の具体例としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は窒素原子との結合手を表す。
中でも、R41~R44、R56、R58~R60としては、炭素数1~20の飽和炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基が好ましく、それぞれ独立して、炭素数1~8の飽和炭化水素基又は下記式で表される基であることがより好ましい。R56、R58~R60は、さらに好ましくは下記式で表される基である。下記式中、*は窒素原子との結合手を表す。
また、R57としては、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基が好ましい。
R61としては、水素原子が好ましい。
Mr+としては、アルカリ土類金属イオン、典型金属イオン等がより好ましく、アルカリ土類金属イオン、亜鉛イオンがさらに好ましく、アルカリ土類金属イオンがよりいっそう好ましい。
(Ia)前記R47~R54のいずれかに含まれる
(Ib)R41~R44で表される置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基のいずれかに結合している
(Ic)R41~R44で表される置換基を有していてもよい炭素数7~30のアラルキル基のいずれかに結合している
(Id)T2で表される芳香族複素環の水素原子を置換する炭素数6~20の芳香族炭化水素基のいずれかに結合している
-SO3 -又は-SO2-N--SO2-Rfは、R41~R44を表す置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基又はR41~R44を表す置換基を有していてもよい炭素数7~30のアラルキル基における芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環)において、窒素原子との結合位置に対してパラ位に結合していることが好ましい。
化合物(II)に複数の-SO3 -又は-SO2-N--SO2-Rfが含まれる場合、複数の-SO3 -又は-SO2-N--SO2-Rfは、同一の芳香族炭化水素環に結合していてもよいが、異なる芳香族炭化水素環に結合していることが好ましい。
R81~R90は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20の飽和炭化水素基、ハロゲン原子、-SO3 -又は-SO2-N--SO2-Rfを表す。
k1は、R41、R43、R47~R54、R81~R90及び環T2が有する-SO3 -の個数及び-SO2-N--SO2-Rfの個数の和を表す。
R41、R43、R47~R54、T2、Mr+、r、Rfは上記と同義である。
ただし、R41、R43、R47~R54、R81~R90及び環T2は、-SO3 -又は-SO2-N--SO2-Rfを少なくとも1つ有する。]
(Ie)R47~R54のいずれかに含まれる
(If)R81~R90のいずれかに含まれる
(Ig)T2で表される芳香族複素環の水素原子を置換する炭素数6~20の芳香族炭化水素基に結合している
(If’)R86及びR89のいずれか一方または両方に含まれる
本発明の着色硬化性樹脂組成物を製造するにあたり、着色剤(A1)は、溶剤に分散させて着色分散液を調製することが好ましい。着色分散液は、着色剤(A1)、溶剤、分散剤、及び必要に応じて樹脂を含んでいてもよく、この着色分散液と、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)などとを混合して着色硬化性樹脂組成物を調製することができる。
着色分散液中、溶剤の含有量は、着色剤(A1)1質量部に対して、例えば、1~50質量部、好ましくは2~30質量部、より好ましくは3~12質量部である。
なお、本明細書において「固形分の総量」とは、本発明の着色硬化性樹脂組成物から溶剤を除いた成分の合計量をいう。固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段により測定することができる。
染料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)において顔料以外で色相を有するものに分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。特にキサンテン染料が好ましい。
Ra5は、-OH、-SO3 -、-SO3H、-SO3 -Z+、-CO2H、-CO2 -Z+、-CO2Ra8、-SO3Ra8又は-SO2NRa9Ra10を表す。
Ra6及びRa7は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
mは、0~5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のRa5は同一でも異なってもよい。
aは、0又は1の整数を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
Z+は、+N(Ra11)4、Na+又はK+を表し、4つのRa11はそれぞれ同一でも異なってもよい。
Ra8は、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
Ra9及びRa10は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、-O-、-CO-、-NH-又は-NRa8-で置き換っていてもよく、Ra9及びRa10は、互いに結合して窒素原子を含んだ3~10員環の複素環を形成していてもよい。
Ra11は、水素原子、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7~10のアラルキル基を表す。]
Ra1~Ra4における該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、炭素数6~10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
Ra9及びRa10における該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、ヒドロキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
-SO2Ra8としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基等が挙げられる。
-SO3Ra8としては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスルホニル基、tert-ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシルオキシスルホニル基等が挙げられる。
N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N-プロピルスルファモイル基、N-イソプロピルスルファモイル基、N-ブチルスルファモイル基、N-イソブチルスルファモイル基、N-sec-ブチルスルファモイル基、N-tert-ブチルスルファモイル基、N-ペンチルスルファモイル基、N-(1-エチルプロピル)スルファモイル基、N-(1,1-ジメチルプロピル)スルファモイル基、N-(1,2-ジメチルプロピル)スルファモイル基、N-(2,2-ジメチルプロピル)スルファモイル基、N-(1-メチルブチル)スルファモイル基、N-(2-メチルブチル)スルファモイル基、N-(3-メチルブチル)スルファモイル基、N-シクロペンチルスルファモイル基、N-ヘキシルスルファモイル基、N-(1,3-ジメチルブチル)スルファモイル基、N-(3,3-ジメチルブチル)スルファモイル基、N-ヘプチルスルファモイル基、N-(1-メチルヘキシル)スルファモイル基、N-(1,4-ジメチルペンチル)スルファモイル基、N-オクチルスルファモイル基、N-(2-エチルヘキシル)スルファモイル基、N-(1,5-ジメチル)ヘキシルスルファモイル基、N-(1,1,2,2-テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN-1置換スルファモイル基;
N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-エチルメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N,N-プロピルメチルスルファモイル基、N,N-イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N-tert-ブチルメチルスルファモイル基、N,N-ブチルエチルスルファモイル基、N,N-ビス(1-メチルプロピル)スルファモイル基、N,N-ヘプチルメチルスルファモイル基等のN,N-2置換スルファモイル基等が挙げられる。
mは、1~4が好ましく、1又は2がより好ましい。
前記+N(Ra11)4としては、4つのRa11のうち、少なくとも2つが炭素数5~20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのRa11の合計炭素数は20~80が好ましく、20~60がより好ましい。化合物(1a)中に+N(Ra11)4が存在する場合、Ra11がこれらの基であると、化合物(1a)を含む本発明の着色硬化性樹脂組成物から、異物が少ないカラーフィルタを形成できる。
Ra33及びRa34は、互いに独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルキルスルファニル基又は炭素数1~4のアルキルスルホニル基を表す。
Ra31及びRa33は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、Ra32及びRa34は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
p及びqは、互いに独立に、0~5の整数を表す。pが2以上のとき、複数のRa33は同一でも異なってもよく、qが2以上のとき、複数のRa34は同一でも異なってもよい。
Ra11は、上記と同じ意味を表す。]
置換基として有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基としては、Ra1におけるものと同じ基が挙げられる。
炭素数1~3のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
Ra31及びRa32は、互いに独立に、炭素数1~3の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。
Ra33及びRa34における炭素数1~4のアルキルスルファニル基としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基及びイソプロピルスルファニル基等が挙げられる。
Ra33及びRa34における炭素数1~4のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基及びイソプロピルスルホニル基等が挙げられる。
Ra33及びRa34は、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
このような染料としては、具体的には、C.I.ソルベントイエロー4(以下、C.I.ソルベントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、117、162、163、167、189;
C.I.ソルベントレッド45、49、111、125、130、143、145、146、150、151、155、168、169、172、175、181、207、222、227、230、245、247;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56、77、86;
C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、45、47、48、51、59、60;
C.I.ソルベントブルー4、5、14、18、35、36、37、45、58、59、59:1、63、67、68、69、70、78、79、83、90、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、128、132、136、139;
C.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35等のC.I.ソルベント染料、
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、33、34、35、37、40、42、44、50、57、66、73、76、80、88、91、95、97、98、103、106、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、155、158、160、172、176、182、183、195、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、394、401、412、417、418、422、426;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173;
C.I.アシッドバイオレット6B、7、15、16、17、19、21、23、24、25、34、38、49、72;
C.I.アシッドブルー1、3、5、7、9、11、13、15、17、18、22、23、24、25、26、27、29、34、38、40、41、42、43、45、48、51、54、59、60、62、70、72、74、75、78、80、82、83、86、87、88、90、90:1、91、92、93、93:1、96、99、100、102、103、104、108、109、110、112、113、117、119、120、123、126、127、129、130、131、138、140、142、143、147、150、151、154、158、161、166、167、168、170、171、175、182、183、184、187、192、199、203、204、205、210、213、229、234、236、242、243、256、259、267、269、278、280、285、290、296、315、324:1、335、340;
C.I.アシッドグリーン1、3、5、6、7、8、9、11、13、14、15、16、22、25、27、28、41、50、50:1、58、63、65、80、104、105、106、109等のC.I.アシッド染料、
C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141;
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250;
C.I.ダイレクトオレンジ26、34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;
C.I.ダイレクトブルー1、2、3、6、8、15、22、25、28、29、40、41、42、47、52、55、57、71、76、77、78、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、120、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、195、196、198、199、200、201、202、203、207、209、210、212、213、214、222、225、226、228、229、236、237、238、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275、293;
C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、77、79、82等のC.I.ダイレクト染料、
C.I.ディスパースイエロー51、54,76;
C.I.ディスパースバイオレット26、27;
C.I.ディスパースブルー1、14、56、60等のC.I.ディスパース染料、
C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、19、21、22、24、25、26、28、29、40、41、45、47、54、58、59、60、64、65、66、67、68、81、83、88、89;
C.I.ベーシックバイオレット2;
C.I.ベーシックレッド9;
C.I.ベーシックグリーン1;等のC.I.ベーシック染料、
C.I.リアクティブイエロー2、76、116;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.リアクティブレッド36;等のC.I.リアクティブ染料、
C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65;
C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、29、30、32、33、36、37、38、39、41、42、43、45、46、48、52、53、56、62、63、71、74、76、78、85、86、88、90、94、95;
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;
C.I.モーダントバイオレット1、1:1、2、3、4、5、6、7、8、10、11、14、15、16、17、18、19、21、22、23、24、27、28、30、31、32、33、36、37、39、40、41、44、45、47、48、49、53、58;
C.I.モーダントブルー1、2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83、84;
C.I.モーダントグリーン1、3、4、5、10、13、15、19、21、23、26、29、31、33、34、35、41、43、53等のC.I.モーダント染料、 C.I.バットグリーン1等のC.I.バット染料等が挙げられる。
黄色顔料:C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、185、194、214等
オレンジ色顔料:C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等
赤色顔料:C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等
青色顔料:C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等
紫色顔料:C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等
これらの顔料は、各色について1種の顔料又は複数の顔料を使用してもよく、各色の顔料を組み合わせてもよい。
樹脂(B)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。樹脂(B)としては、以下の樹脂[K1]~[K6]等が挙げられる。
樹脂[K1];不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)(以下「(a)」という場合がある)に由来する構造単位と、炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K2];(a)に由来する構造単位と(b)に由来する構造単位と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K3];(a)に由来する構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K4];(a)に由来する構造単位に(b)を付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K5];(b)に由来する構造単位に(a)を付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K6];(b)に由来する構造単位に(a)を付加させ、カルボン酸無水物をさらに付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体。
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3-ビニルフタル酸、4-ビニルフタル酸、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1,4-シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、5-カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
こはく酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α-(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチル-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-tert-ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(tert-ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチレート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドカプロエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオネート、N-(9-アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等が好ましい。
(a)に由来する構造単位;2~60モル%
(b)に由来する構造単位;40~98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10~50モル%
(b)に由来する構造単位;50~90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、及び得られるカラーフィルタの耐溶剤性に優れる傾向がある。
(a)に由来する構造単位;2~45モル%
(b)に由来する構造単位;2~95モル%
(c)に由来する構造単位;1~65モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;5~40モル%
(b)に由来する構造単位;5~80モル%
(c)に由来する構造単位;5~60モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるカラーフィルタの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
(a)に由来する構造単位;2~60モル%
(c)に由来する構造単位;40~98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10~50モル%
(c)に由来する構造単位;50~90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K3]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
まず(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]で挙げたもの同じ比率であることが好ましい。
(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等をフラスコ内に入れて、例えば、60~130℃で、1~10時間反応することにより、樹脂[K4]を製造することができる。
(b)の使用量は、(a)100モルに対して、5~80モルが好ましく、より好ましくは10~75モルである。この範囲にすることにより、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるパターンの耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K4]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1-1)が好ましい。
前記反応触媒の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001~5質量部が好ましい。前記重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001~5質量部が好ましい。
仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
(b)及び(c)に由来する構造単位の比率は、前記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、それぞれ、
(b)に由来する構造単位;5~95モル%
(c)に由来する構造単位;5~95モル%
であることが好ましく、
(b)に由来する構造単位;10~90モル%
(c)に由来する構造単位;10~90モル%
であることがより好ましい。
前記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)100モルに対して、5~80モルが好ましい。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K5]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1-1)が好ましい。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等が挙げられる。カルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用量1モルに対して、0.5~1モルが好ましい。
中でも、樹脂(B)としては、樹脂[K1]及び樹脂[K2]が好ましく、樹脂[K2]が特に好ましい。
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。活性ラジカルを発生する重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O-アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物が挙げられる。
感度の点で、アルキルフェノン化合物としては、式(d2)で表される部分構造を有する化合物が好ましい。
重合開始助剤(D1)は、重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(D1)を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤(D1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物及びカルボン酸化合物等が挙げられる。
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
レベリング剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、コバルト(III)を含む化合物を含有する。化合物(G)は、炭素原子を含み、該コバルト(III)を含む化合物の可視光領域におけるモル吸光係数の最大値は、着色剤の可視光領域におけるモル吸光係数の最大値よりも小さい。該コバルト(III)を含む化合物を含有することで、現像液への溶解性を向上させ、剥離片の残存性を改善することが可能となる。
コバルト(III)を含む化合物は、金属錯体、金属塩等であってもよく、有機溶剤に溶解するものであってもよい。
なお、本発明の着色硬化性樹脂組成物は、コバルト(II)を含む化合物を含まないことが好ましいが、現像液への溶解性、剥離片生成の抑制の効果を呈する限り、コバルトを含む着色剤を含んでいてもよい。
可視光領域におけるモル吸光係数εの最大値が1000以下であると、カラーフィルタの明度が高くなる傾向にあり好ましい。
着色剤の可視光領域におけるモル吸光係数εの最大値は、着色剤0.01gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで0.100Lに希釈して溶液を調製し、該溶液を紫外可視分光光度計で可視光領域の吸収スペクトルを測定し、Lambert-Beerの法則を用いて算出することで求められる。
着色剤(好ましくはトリアリールメタンレーキ、より好ましくは式(I)で表される化合物又は式(II)で表される化合物)の可視光領域におけるモル吸光係数εの最大値は、例えば1000超500000以下、好ましくは5000以上300000以下、より好ましくは7000以上200000以下、さらに好ましくは9000以上150000以下である。
R1は水素原子がハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基又は1価の置換基を有してもよいアミノ基を表す。
R2及びR3は、互いに独立に、炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基を表す。
X3及びX4は、互いに独立に、酸素原子、窒素原子又はカルボニル含有基を表す。
R4~R7は、互いに独立に、炭素数1~8の1価の脂肪族炭化水素基を表す。また、R4及びR5、又はR5及びR6、又はR6及びR7の隣り合う置換基同士が閉環して環を形成してもよい。
M1~M3は、コバルト(III)を表す。
a、b及びdは、3の整数を表し、aが3の整数である場合、複数のR1は互いに同一であっても異なってもよく、bが3の整数である場合、複数のR2及びR3は互いに同一であっても異なってもよく、dが3の整数である場合、複数のR4~R7は互いに同一であっても異なってもよい。cは、0~6の整数を表す。]
R1は、炭素数1~20のアルキル基であることが好ましい。
R1で表される上記アミノ基としては、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基等が挙げられる。モノアルキルアミノ基及びジアルキルアミノ基におけるアルキル基としては、炭素数1~8のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)が挙げられる。
R2及びR3における脂肪族炭化水素基は、炭素数1~20のアルキル基であることが好ましい。該アルキル基は、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。該アルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基及びドデシル基等が挙げられる。
R2及びR3における上記芳香族炭化水素基は、フェニル基、ナフチル基であることが好ましい。
R2及びR3は、それぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1~8のアルキル基であることがさらに好ましく、炭素数1~6のアルキル基であることがさらにより好ましい。R2及びR3は、同じであってもよく異なっていてもよい。
cは0~1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
X3及びX4で示されるカルボニル含有基としては、-(CO)m1-(O)m2-(CH2)m3-[m1及びm2は、0又は1を表し、m3は0~4の整数を表す。ただし、m1、m2及びm3の合計は、1~6の整数を表し、-(CO)m1-はベンゼン環に結合する。]、-(O)m4-(CO)m5-(CH2)m6-[m4及びm5は、0又は1を表し、m6は0~4の整数を表す。ただし、m4、m5及びm6の合計は1~6の整数を表し、-(O)m4-は、ベンゼン環に結合する。]等が挙げられる。
X3及びX4としては、互いに独立に、-CO-O-又は-O-であることが好ましい。
R4~R7のうち互いに隣り合う2つの置換基同士が結合することにより形成する環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、シクロアルカン環等が挙げられる。
R4~R7で表される脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1~8のアルキル基が挙げられる。
中でも、コバルト(III)を含む化合物は、式(F2)で表される化合物であることが特に好ましい。
上記コバルト(III)を含む化合物の分子量は、好ましくは260以上、より好ましくは270以上、さらに好ましくは295以上である。当該分子量の上限は、特に限定されず、例えば5000以下、3000以下、又は1000以下程度である。
コバルト(III)を含む化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、コバルト(III)を含む化合物の含有量は、着色剤の合計量を100質量部とした場合、好ましくは0.1~20質量部であり、より好ましくは0.3~17質量部であり、さらに好ましくは0.5~15質量部である。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、例えば、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、化合物(G)、並びに必要に応じて用いられる溶剤(E)、レベリング剤(F)、重合開始助剤(D1)及びその他の成分を混合することにより調製できる。
着色剤(A)は、上述の着色分散液や顔料分散液を用いて調製することが好ましい。着色分散液や顔料分散液に、残りの成分を、所定の濃度となるように混合することにより、目的の着色硬化性樹脂組成物を調製できる。
染料を含む場合の染料は、予め溶剤(E)の一部又は全部にそれぞれ溶解させて溶液を調製してもよい。該溶液を、孔径0.01~1μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
混合後の着色硬化性樹脂組成物を、孔径0.01~10μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。フォトリソグラフ法は、前記着色硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて着色組成物層を形成し、フォトマスクを介して該着色組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、上記着色組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。このように形成した着色パターンや着色塗膜が本発明のカラーフィルタである。
作製するカラーフィルタの膜厚は、特に限定されず、目的や用途等に応じて適宜調整することができ、例えば、0.1~30μm、好ましくは0.1~20μm、さらに好ましくは0.5~6μmである。
まず、着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な着色組成物層を得る。
塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。
加熱乾燥を行う場合の温度は、30~120℃が好ましく、50~110℃がより好ましい。また加熱時間としては、10秒間~60分間であることが好ましく、30秒間~30分間であることがより好ましい。
減圧乾燥を行う場合は、50~150Paの圧力下、20~25℃の温度範囲で行うことが好ましい。
着色組成物層の膜厚は、特に限定されず、目的とするカラーフィルタの膜厚に応じて適宜選択すればよい。
露光に用いられる光源としては、250~450nmの波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。具体的には、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
露光面全体に均一に平行光線を照射したり、フォトマスクと着色組成物層が形成された基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
現像後は、水洗することが好ましい。
以下において、化合物の構造は質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で確認した。
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び撹拌装置を備えたフラスコに式(C-I-2)で表される化合物50部及びN,N-ジメチルホルムアミド188部を投入し、氷浴にて冷却しながら30分撹拌した。該フラスコにカリウム tert-ブトキシド(東京化成工業(株)製)40部を投入し、氷浴にて冷却しながらさらに1時間撹拌した。反応液を氷冷したままヨードエタン(東京化成工業(株)製)55.6部を滴下した。反応液をオイルバスを用いて35℃に昇温し5時間撹拌した後、室温まで放冷した。撹拌装置を備えた別のフラスコに10%塩化ナトリウム水溶液1000部を投入し、撹拌しながら前記反応液を滴下した。30分撹拌した後ろ過し固体を得た。得られた固体をイオン交換水500部にて3回洗浄し、減圧下60℃にて乾燥し式(BP-2)で表される化合物53.0部を得た(収率93.5%)。
(質量分析)イオン化モード=ESI-: m/z=949.5[M-Ba+2H]-
Exact Mass[M-Ba]:947.28
還流冷却器、滴下ロート及び撹拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、エチルラクテート141部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート178部を入れ、撹拌しながら85℃まで加熱した。次いで、アクリル酸38部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-8-イルアクリレート及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-9-イルアクリレートの混合物(含有率は1:1)25部、シクロヘキシルマレイミド137部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート50部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート338部の混合溶液を5時間かけて滴下した。一方、2,2-アゾビスイソブチロニトリル5部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート88部に溶解した混合溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、固形分25.6%の共重合体(樹脂(B-1))溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは8000、分散度2.1、固形分換算の酸価は111mg-KOH/gであった。樹脂(B-1)は下記構造単位を有する。
還流冷却器、滴下ロート及び撹拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート280部を入れ、撹拌しながら80℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、アクリル酸38部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルアクリレート及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イルアクリレートの混合物(含有率は1:1)289部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート125部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約5時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)33部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート235部に溶解した溶液を別の滴下ポンプを用いて約6時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、固形分35.1%の共重合体(樹脂(B-2))を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは9200、分散度2.08、固形分換算の酸価は77mg-KOH/gであった。樹脂(B-2)は下記構造単位を有する。
装置 ;HLC-8120GPC(東ソー(株)製)
カラム ;TSK-GELG2000HXL
カラム温度 ;40℃
溶媒 ;THF
流速 ;1.0mL/min
被検液固形分濃度;0.001~0.01質量%
注入量 ;50μL
検出器 ;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE
F-40、F-4、F-288、A-2500、A-500
(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分散度とした。
式(a1)で表される化合物(特開2015-38201号公報記載の方法に従って合成)を51.2部、分散剤(BYK製 BYKLPN-6919;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60%溶液)を21.4部、樹脂(B-2)(固形分換算)を20.5部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート334部を混合し、0.4μmのジルコニアビーズ600部を加え、ペイントコンディショナー(LAU製)を使用して1時間振盪した。その後、ジルコニアビーズをろ過により除去して着色分散液1を得た。
式(a2)で表される化合物を21.3部、分散剤(BYK製 BYKLPN-6919;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60%溶液)を26.7部、樹脂(B-2)(固形分換算)を5.3部、ジアセトンアルコールを26.7部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート187部を混合し、0.4μmのジルコニアビーズ600部を加え、ペイントコンディショナー(LAU製)を使用して1時間振盪した。その後、ジルコニアビーズをろ過により除去して着色分散液2を得た。
C.I.ピグメントブルー15:6(顔料)を26.2部、アクリル系顔料分散剤(固形分換算)を9.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを197部、乳酸エチル20部を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ顔料分散液3を得た。
〔着色硬化性樹脂組成物の調製〕
表4に示す成分を混合して、各々の着色硬化性樹脂組成物を得た。
・重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製)
・重合開始剤(D):N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE-01;BASF製;オキシム化合物)
・溶剤(E):
溶剤(E-1):乳酸エチル
溶剤(E-2):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・レベリング剤(F):ポリエーテル変性シリコーンオイル(固形分換算)
(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製)
・化合物(G):
化合物(G-1):トリス(2,4-ペンタンジオナト)コバルト(III);東京化成工業(株)製)
化合物(g-1):ビス(2,4-ペンタンジオナト)コバルト(II);東京化成工業(株)製)
メスフラスコに、表4に示した化合物(G-1)をそれぞれ0.1g量り入れ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで0.10Lになるように希釈した。同様に、式(a1)、(a2)で表される化合物をそれぞれ0.01g量り入れ、次いでジアセトンアルコールで0.10Lになるように希釈した。これらの溶液について、紫外可視分光光度計(V-650DS;日本分光(株)製)(石英セル、光路長;1cm)で吸収スペクトルを測定し、Lambert-Beerの法則を用いて、可視光領域(400nm~780nm)におけるモル吸光係数εの最大値を算出した。結果を表5に示す。
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング製)上に、着色硬化性樹脂組成物を、ポストベーク後の膜厚が2.0μmになるようにスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして、組成物層を形成した。
非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液50mlを入れたシャーレに、前記組成物層が形成された基板を24℃で浸漬現像し、基板の中心から20mmの部分が溶解し終わる時間を現像時間とした。
また、浸漬後の現像液を目視で観察を行い、現像液中に着色硬化性樹脂組成物由来の剥離片が認められない場合は○、剥離片が認められた場合は×とした。現像液中に着色硬化性樹脂組成物由来の剥離片が認められると、パターン上に異物として付着して、不良の原因となるため好ましくない。結果を表4に示す。
Claims (4)
- 着色剤、樹脂、重合性化合物、重合開始剤及びコバルト(III)を含む化合物を含有し、コバルト(II)を含む化合物を含まず、着色剤がトリアリールメタンレーキを含み、コバルト(III)を含む化合物の可視光領域におけるモル吸光係数の最大値が、着色剤の可視光領域におけるモル吸光係数の最大値よりも小さく、
トリアリールメタンレーキが、式(I-a)で表されるカチオン部分と[Y] m- で表されるアニオン部分とを含む化合物及び式(A-I-1)~(A-I-13)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
コバルト(III)を含む化合物が、式(F1)~式(F3)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする着色硬化性樹脂組成物。
[式(I-a)中、
R 11 およびR 13 は、それぞれ独立して、炭素数1~2の飽和炭化水素基を表す。
R 12 およびR 14 は、それぞれ独立して、炭素数1~2の飽和炭化水素基又はPh1で表される基を表す。
R 15 は、飽和炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子に置換または非置換の炭素数1~5の飽和炭化水素基を表す。
R 16 は、飽和炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子に置換または非置換の炭素数1~5の飽和炭化水素基、Ph1で表される基又はPh2で表される基を表す。
R 15 とR 16 とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
R 26 は、Ph1~Ph9で表される基のいずれか1つの基を表す。
X1は、硫黄原子を表す。
なお、1分子中に式(I-a)で表されるカチオン構造が複数含まれる場合、それらは同じ構造であっても異なる構造であってもよい。
[Y] m- は、タングステンを含有するヘテロポリ酸及びイソポリ酸のアニオンである。
式(I-a)で表されるカチオン部分と[Y] m- で表されるアニオン部分とを含む化合物は、全体として中性化合物である。
[式(F1)~式(F3)中、X 1 及びX 2 は、互いに独立に、酸素原子又は硫黄原子を表し、Z 1 は炭素原子又は硫黄原子を表す。
R 1 は水素原子がハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基又は1価の置換基を有してもよいアミノ基を表す。
R 2 及びR 3 は、互いに独立に、炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基を表す。
X 3 及びX 4 は、互いに独立に、酸素原子、窒素原子又はカルボニル含有基を表す。
R 4 ~R 7 は、互いに独立に、炭素数1~8の1価の脂肪族炭化水素基を表す。また、R 4 及びR 5 、又はR 5 及びR 6 、又はR 6 及びR 7 の隣り合う置換基同士が閉環して環を形成してもよい。
M 1 ~M 3 は、コバルト(III)を表す。
a、b及びdは、3の整数を表し、aが3の整数である場合、複数のR 1 は互いに同一であっても異なってもよく、bが3の整数である場合、複数のR 2 及びR 3 は互いに同一であっても異なってもよく、dが3の整数である場合、複数のR 4 ~R 7 は互いに同一であっても異なってもよい。cは、0~6の整数を表す。] - トリアリールメタンレーキとは異なる色素をさらに含む請求項1記載の着色硬化性樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
- 請求項3記載のカラーフィルタを含む表示装置。
Priority Applications (4)
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