JP5830064B2 - 高分子量ポリエチレンパウダー、微多孔膜、及び高強度繊維 - Google Patents
高分子量ポリエチレンパウダー、微多孔膜、及び高強度繊維 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5830064B2 JP5830064B2 JP2013163252A JP2013163252A JP5830064B2 JP 5830064 B2 JP5830064 B2 JP 5830064B2 JP 2013163252 A JP2013163252 A JP 2013163252A JP 2013163252 A JP2013163252 A JP 2013163252A JP 5830064 B2 JP5830064 B2 JP 5830064B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- polyethylene powder
- compound
- carbon atoms
- formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Description
また、二次電池セパレータ用微多孔膜及び高強度繊維では、長期信頼性の観点から製品寸法(膜厚や繊維径等)は重要な特性であり、これらの特性が安定的に得られること(製品寸法安定性に優れること)が強く望まれている。
また、微多孔膜や高強度繊維等を製造する際の連続加工生産性及び微多孔膜等の膜厚安定性や高強度繊維の繊維径安定性等についての記載がなく、これらを向上させるための手段についても記載もない。
〔1〕
短径が50μm以上であり、かつ比重が1.31(20℃)を超える物質の含有量が、ポリエチレンパウダー500g中10個以下であり、
粘度平均分子量が100,000以上であり、
前記物質が、アルミニウム化合物を含む無機化合物を含む、
ポリエチレンパウダーであって、
該ポリエチレンパウダーがアルミニウムを含み、
アルミニウム量が0.2ppm以上100ppm以下である、
ポリエチレンパウダーの製造方法であって、
オレフィン重合用触媒の存在下にエチレンを重合させてポリエチレンパウダーを得る工程、
オレフィン重合用触媒を失活する工程、および
ポリエチレンパウダーを乾燥する工程を含み、
前記オレフィン重合用触媒を失活する工程において、触媒失活剤をポリエチレンパウダーに噴霧する、ポリエチレンパウダーの製造方法。
〔2〕
前記アルミニウム化合物が、水酸化アルミニウムを含む、〔1〕に記載のポリエチレンパウダーの製造方法。
〔3〕
前記触媒失活剤が水であり、該水をスチーム状で噴霧する、〔1〕又は〔2〕に記載のポリエチレンパウダーの製造方法。
〔4〕
前記触媒失活剤が水であり、該水をスチーム状で、不活性ガスとの混合ガスとして噴霧する、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のポリエチレンパウダーの製造方法。
本実施形態のポリエチレンパウダーは、
短径が50μm以上であり、かつ比重が1.31(20℃)を超える物質の含有量が、ポリエチレンパウダー500g中10個以下であり、
粘度平均分子量が100,000以上である。
例えば、二次電池セパレータに代表される微多孔膜を加工する場合、押出機等を用い、ポリエチレンパウダーを溶媒に溶解させて膜を成形加工するが、その際、不溶物等の除去を目的として、ダイスの上流側にフィルター等が設けられる。このとき、フィルターに蓄積するものが存在すると、徐々にフィルター直近の圧力が上昇し、押出機のトルク限界に近づいたり、得られる膜の膜厚が不均一となってくる。そのためフィルターの交換が必要となり、押出機の運転停止や、スクリーンチェンジャー等でフィルターを交換することが必要となり、製品加工の連続生産が妨げられ、製品収率が低下する。
本発明において「連続加工生産性」は、例えば微多孔膜や高強度繊維を加工する際の、フィルター直近の圧力上昇で示されるものであり、フィルター直近の圧力の上昇が遅いか、ほとんど圧力上昇が見られないことを、連続加工生産性に優れることとする。また、「製品寸法安定性」は、微多孔膜であれば膜厚、高強度繊維であれば糸径の安定性で示されるものであり、これらのムラが少ないことを製品寸法安定性に優れることとする。
ポリエチレンパウダー中に含まれるアルミニウムは主に後述の触媒あるいは助触媒由来のものであり、これらの配合量を調整することにより、ポリエチレンパウダー中に含まれるアルミニウム量を制御することができる。
本実施形態に係るポリエチレンとしては、特に限定されないが、具体的には、エチレンの単独重合体、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィン、炭素数3〜20の環状オレフィン、式CH2=CHR1(ここで、R1は炭素数6〜20のアリール基である。)で表される化合物、及び炭素数4〜20の直鎖状、分岐状又は環状のジエンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンと、の共重合体も含まれる。共重合されるオレフィンとしては、膜や繊維に代表される成形体の耐熱、強度の観点から、プロピレン及び1−ブテンが好ましい。ポリエチレン中に占めるエチレンのモル比は、典型的には、50%以上100%以下が好ましく、80%以上100%以下がより好ましく、90%以上100%以下がさらに好ましい。
Mv=(5.34×104)×[η]1.49 ・・・数式A
本実施形態に係るポリエチレンは、エチレン(またはエチレンとエチレン以外のオレフィン)を、オレフィン重合用触媒の存在下重合して得られる。
本実施形態に係るポリエチレンの製造に使用される触媒成分には特に限定されないが、一般的なチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒を用い製造することが可能である。
(A−1):(M1)α(Mg)β(R2)a(R3)bY1 c ・・・式1
(式中、M1は周期律表第12族、第13族及び第14族からなる群に属する金属原子であり、R2及びR3は炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、Y1はアルコキシ、シロキシ、アリロキシ、アミノ、アミド、−N=C−R4、R5、−SR6(ここで、R4、R5及びR6は炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。cが2の場合には、Y1はそれぞれ異なっていてもよい。)、β−ケト酸残基のいずれかであり、α、β、a、b及びcは次の関係を満たす実数である。0≦α、0<β、0≦a、0≦b、0≦c、0<a+b、0≦b/(α+β)≦2、nα+2β=a+b+c(ここで、nはM1の原子価を表す。))
(A−2):Ti(OR7)dX1 (4−d)・・・・・式2
(式中、dは0以上4以下の実数であり、R7は炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、X1はハロゲン原子である。)
群(2)R2とR3とが炭素原子数の互いに相異なるアルキル基であること、好ましくはR2が炭素原子数2又は3のアルキル基であり、R3が炭素原子数4以上のアルキル基であること。
群(3)R2、R3の少なくとも一方が炭素原子数6以上の炭化水素基であること、好ましくはR2、R3に含まれる炭素原子数を加算すると12以上になるアルキル基であること。
(A−2):Ti(OR7)dX1 (4−d)・・・・・式2
(式中、dは0以上4以下の実数であり、R7は炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、X1はハロゲン原子である。)
(C−1):(M2)γ(Mg)δ(R8)e(R9)f(OR10)g・・・・・式3
(式中、M2は周期律表第12族、第13族及び第14族からなる群に属する金属原子であり、R8、R9及びR10はそれぞれ炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、γ、δ、e、f及びgは次の関係を満たす実数である。0≦γ、0<δ、0≦e、0≦f、0≦g、0<e+f、0≦g/(γ+δ)≦2、kγ+2δ=e+f+g(ここで、kはM2の原子価を表す。))
(C−2):HhSiCliR11 (4−(h+i)) ・・・式4
(式中、R11は炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、hとiは次の関係を満たす実数である。0<h、0<i、0<h+i≦4)
(C−4):(M1)α(Mg)β(R2)a(R3)bY1 c ・・・式5
(式中、M1は周期律表第12族、第13族及び第14族からなる群に属する金属原子であり、R2及びR3は炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、Y1はアルコキシ、シロキシ、アリロキシ、アミノ、アミド、−N=C−R4,R5、−SR6(ここで、R4、R5及びR6は炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。cが2の場合には、Y1はそれぞれ異なっていてもよい。)、β−ケト酸残基のいずれかであり、α、β、a、b及びcは次の関係を満たす実数である。0≦α、0<β、0≦a、0≦b、0≦c、0<a+b、0≦b/(α+β)≦2、nα+2β=a+b+c(ここで、nはM1の原子価を表す。))
(C−5):Ti(OR7)dX1 (4−d) ・・・式6
(式中、dは0以上4以下の実数であり、R7は炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、X1はハロゲン原子である。)
群(2)R8とR9とが炭素数の互いに相異なるアルキル基であること、好ましくはR8が炭素数2又は3のアルキル基であり、R9が炭素数4以上のアルキル基であること。
群(3)R8、R9の少なくとも一方が炭素数6以上の炭化水素基であること、好ましくはR8、R9に含まれる炭素数の和が12以上になるアルキル基であること。
(C−2):HhSiCliR11 (4−(h+i))・・・・・式4
(式中、R11は炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、hとiは次の関係を満たす実数である。0<h、0<i、0<h+i≦4)
(C−4):(M1)α(Mg)β(R2)a(R3)bY1 c ・・・式5
(式中、M1は周期律表第12族、第13族及び第14族からなる群に属する金属原子であり、R2及びR3は炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、Y1はアルコキシ、シロキシ、アリロキシ、アミノ、アミド、−N=C−R4,R5、−SR6(ここで、R4、R5及びR6は炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。cが2の場合には、Y1はそれぞれ異なっていてもよい。)、β−ケト酸残基のいずれかであり、α、β、a、b及びcは次の関係を満たす実数である。0≦α、0<β、0≦a、0≦b、0<a+b、0≦b/(α+β)≦2、nα+2β=a+b+c(ここで、nはM1の原子価を表す。))
(C−5):Ti(OR7)dX1 (4−d)・・・・・式6
(式中、dは0以上4以下の実数であり、R7は炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、X1はハロゲン原子である。)
AlR12 jZ1 (3−j) ・・・式7
(式中、R12は炭素数1以上20以下の炭化水素基、Z1は水素、ハロゲン、アルコキシ、アリロキシ、シロキシ基からなる群に属する基であり、jは2以上3以下の数である。)
(M2)γ(Mg)δ(R8)e(R9)f(OR10)g・・・・・式3
(式中、M2は周期律表第12族、第13族及び第14族からなる群に属する金属原子であり、R8、R9及びR10はそれぞれ炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、γ、δ、e、f及びgは次の関係を満たす実数である。0≦γ、0<δ、0≦e、0≦f、0≦g、0<e+f、0≦g/(γ+δ)≦2、kγ+2δ=e+f+g(ここで、kはM2の原子価を表す。))
L1 jWkM3X2 pX3 q ・・・式8
[L2−H]d+[M5 mQp]d− ・・・式10
(式中、[L2−H]d+はプロトン供与性のブレンステッド酸を表し、但し、L2は中性のルイス塩基を表し、dは1〜7の整数であり;[M5 mQp]d−は両立性の非配位性アニオンを表し、ここで、M5は、周期表第5族〜第15族のいずれかに属する金属又はメタロイドを表し、Qは、各々独立して、ヒドリド、ハライド、炭素数2〜20のジヒドロカルビルアミド基、炭素数1〜30のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜30の炭化水素基、及び炭素数1〜40の置換された炭化水素基からなる群より選ばれ、ここで、ハライドであるQの数は1以下であり、mは1〜7の整数であり、pは2〜14の整数であり、dは上で定義した通りであり、p−m=dである。)
本実施形態においては、活性化剤成分を単独で使用してもよいし組み合わせて使用してもよい。
本実施形態のポリエチレンパウダーの製造方法は、前記の方法によりポリエチレンパウダーを得る工程、オレフィン重合用触媒を失活する工程、およびポリエチレンパウダーを乾燥する工程を含む。
本実施形態のポリエチレンパウダーは、必要に応じて公知の各種添加剤と組み合わせて用いてもよい。熱安定剤としては、例えば、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン、ジステアリルチオジプロピオネート等の耐熱安定剤、或いはビス(2,2’,6,6’−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、2−(2−ヒドロキシ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の耐候安定剤等が挙げられる。また、着色剤として無機系、有機系のドライカラーを添加してもよい。また、滑剤や塩化水素吸収剤等として公知であるステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩も、好適な添加剤として挙げることができる。
上記により得られるポリエチレンパウダーは、高い連続加工生産性と優れた製品寸法安定性を有している。そのため種々の加工方法により、種々の用途に応用されることができる。例えば二次電池用セパレータ用、特にはリチウムイオン二次電池セパレータ用、高強度繊維用、微多孔膜用やゲル紡糸用として好適である。具体的には、溶剤を用いた湿式法でのTダイを備え付けた押出し機にて、押出し、延伸、抽出、乾燥を経る加工方法により、微多孔膜を得ることができる。このような微多孔膜は、リチウムイオン二次電池や鉛蓄電池に代表される二次電池用セパレータ、特にはリチウムイオン二次電池セパレータに好適に使用できる。さらに、溶剤を用いた湿式法での円形ダイスを備え付けた押出し機にて、ゲル状に押出し、延伸、抽出、乾燥を経る加工方法により、糸を得て、これをさらに延伸する加工方法により、高強度繊維を得ることができる。このような高強度繊維は、釣り糸、防刃手袋、船舶用ロープ、防弾チョッキ、装甲車の防弾カバー、魚網、スポーツ用品、縫合糸等に使用できる。
(1)分子量(粘度平均分子量:Mv) (表中、「分子量」と記した。)
高分子量ポリエチレンパウダーの粘度平均分子量は、ISO1628−3(2010)に従って、以下に示す方法によって求めた。まず、20mLのデカリン(デカヒドロナフタレン)中にポリエチレン20mgを加え、150℃で2時間攪拌してポリマーを溶解させた。その溶液を135℃の恒温槽で、キャノン−フェンスケの粘度計(柴田科学器械工業社製:製品番号−100)を用いて、標線間の落下時間(ts)を測定した。同様に、ポリエチレン5mgの場合についても測定した。ブランクとしてポリエチレンを入れていない、デカリンのみの落下時間(tb)を測定した。以下の式に従って求めたポリマーの比粘度(ηsp/C)をそれぞれプロットして濃度(C)(単位:g/dL)とポリマーの比粘度(ηsp/C)の直線式を導き、濃度0に外挿した極限粘度(η)を求めた。
ηsp/C=(ts/tb−1)/0.1 (単位:dL/g)
次に下記式Aを用いて、上記極限粘度(η)の値を用い、粘度平均分子量(Mv)を算出した。
Mv=(5.34×104)×[η]1.49 ・・・数式A
3Lのガラス製ビーカーにエタノール500mLを投入し、長さが75mm、深さ22mmのテフロン(登録商標)製撹拌羽根を有するメカニカルスターラーを用いて、常温で200rpmにて撹拌した。そこへポリエチレンパウダー500gを徐々に投入し、投入後10分間撹拌を継続した。その後、撹拌しながら、クロロホルムを1500mL投入し、さらに、10分間撹拌した。その後、撹拌を停止し、0.5〜2.0時間静置し、主にポリエチレンパウダーが浮いたことを目視で確認した。この浮かんだポリエチレンパウダーを目開き54μm(280メッシュ)の金属製網で静かにすくい上げて除去した。さらに上澄み液をデカンターにより廃棄し、ビーカー中の溶液残量が約50mL〜100mL程度になるまで静かにデカンテーションを継続し、上澄み液を廃棄した。残った溶液を200mLのガラス製ビーカーへクロロホルム約10mL用いて、定量的に移し、再度静置した。さらに静かにデカンテーションにより溶液量を約50mLにし、分液ロートに移した。分液ロートでさらに静置し、溶液部分(沈殿物を含む)の下部溶液を約10−20mL、ガラス製スクリュー管に確保した。このスクリュー管にごみが入らないように、ろ紙でふたをして、一昼夜排気設備のあるドラフトに設置して溶媒を蒸発させた。さらに、これを常温にて真空乾燥した。
ポリエチレンパウダーをマイクロウェーブ分解装置(型式ETHOS TC、マイルストーンゼネラル社製)を用い加圧分解し、内部標準法にて、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析装置、型式Xシリーズ X7、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、検出限界0.01ppm)にて、ポリエチレンパウダー中のアルミニウム量を測定した。なお、この方法では、膜や糸等の成形体を切り出し、上記測定によって、成形体中のアルミニウム量を測定することもできる。
(4)−1 膜の連続加工生産性 (表中、「連続加工生産性」と記した。)
ポリエチレンパウダーに、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1質量%添加し、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られたポリマー等混合物は窒素で置換を行った後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給した。また流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5m2/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。溶融混練し、押し出される全混合物中に占める流動パラフィン量比が65質量%となるように即ち、ポリマー濃度が35質量%となるように、フィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定温度200℃であり、スクリュー回転数240rpm、吐出量12kg/hrで行った。
増加率(%)=(P−P0)/P0 ×100
◎:120時間後の樹脂圧力の増加率が±5%以内であるもの。
○:72時間後の樹脂圧力の増加率が5%以下で、かつ120時間後の樹脂圧力の増加率が5%を超え、10%以内であるもの。
△:72時間後の樹脂圧力の増加率が5%以下で、かつ120時間後の樹脂圧力の増加率が10%を超えるもの。
×:72時間後の樹脂圧力の増加率が5%を超えるもの。
ポリエチレンパウダーに、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.3質量%添加し、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られたポリマー等混合物は窒素で置換を行った後に、事前混合槽に、ポリマー濃度が8質量%になるように、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5m2/s)を投入し、室温にて撹拌することにより、均一なスラリーを得た。これをポンプにより、窒素雰囲気下にて二軸押出機へ供給して、溶融混練した。溶融混練条件は、設定温度250℃であり、スクリュー回転数200rpm、吐出量12kg/hrで行った。押し出し機の下流側に吐出安定性を付与するため、ギアポンプを介し、JIS Z8801規格に準拠した目開き250μmと、106μmと、45μmと、106μmと、250μmのステンレス製平織スクリーンとを重ねて設置した。その直近の樹脂圧力を圧力計にて計測した。その後に紡糸用ダイスを経て、ゲル紡糸を加工した。そして、以下の判断基準に従って、連続加工生産性を判断した。すなわち、押し出し開始後1時間経過時の樹脂圧力(P0)を基準とし、ある経過時間の樹脂圧力をPとしたとき、増加率を以下にて定義した。
増加率(%)=(P−P0)/P0 ×100
◎:120時間後の樹脂圧力の増加率が±5%以内であるもの。
○:72時間後の樹脂圧力の増加率が5%以下で、かつ120時間後の樹脂圧力の増加率が5%を超え、10%以内であるもの。
△:72時間後の樹脂圧力の増加率が5%以下で、かつ120時間後の樹脂圧力の増加率が10%を超えるもの。
×:72時間後の樹脂圧力の増加率が5%を超えるもの。
原料ポリエチレンパウダーを用い、無機フィラーとして球状の粉体状シリカ粒子(PPG社製「Hi−Sil SBG」)を用い、ポリエチレン成分を40質量部、シリカ粒子を60質量部、に対し、流動パラフィンを140質量部の割合にし、ステンレス製平織スクリーンの目開きを180μmと、150μmと、180μmにしたこと以外は、(4)−1と同様に、ゲル状シートを成形した。そのスクリーンの直近の樹脂圧力を圧力計にて計測した。そして、以下の判断基準に従って、連続加工生産性を判断した。すなわち、押し出し開始後1時間経過時の樹脂圧力(P0)を基準とし、ある経過時間の樹脂圧力をPとしたとき、増加率を以下にて定義した。
増加率(%)=(P−P0)/P0 ×100
◎:120時間後の樹脂圧力の増加率が±5%以内であるもの。
○:72時間後の樹脂圧力の増加率が5%以下で、かつ120時間後の樹脂圧力の増加率が5%を超え、10%以内であるもの。
△:72時間後の樹脂圧力の増加率が5%以下で、かつ120時間後の樹脂圧力の増加率が10%を超えるもの。
×:72時間後の樹脂圧力の増加率が5%を超えるもの。
(5)−1 膜厚安定性
(4)−1で得た原反膜厚1400μmのゲルシートを同時二軸テンター延伸機に設置し、二軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率7.0倍(即ち、7×7倍)、二軸延伸温度125℃であった。次に、メチルエチルケトン槽にて、メチルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
(厚みムラ)(%)=(T(max)−T(min))/(2×T(ave))×100
○:厚みムラ(%)が、0%以上2%以下である。
△:厚みムラ(%)が、2%を超え4%以下である。
×:厚みムラ(%)が、4%を超える。
(4)−2で得られたゲル紡糸を用いて、還流しているトリクロロトリフルオロエタン(TCTFE)を用いてSohxlet装置中において、そのゲル紡糸から流動パラフィンを抽出した。次に、ゲル紡糸を風乾してキセロゲルを生成させ、最初に120℃で、次に150℃において、二段階で熱間延伸した。延伸比は、ゲル紡糸及びキセロゲル紡糸を延伸する各段階で最大化し、トータル延伸倍率を500倍にした。
(糸径ムラ)(%)=(T(max)−T(min))/(2×T(ave))×100
○:糸径ムラ(%)が、0%以上3%以下である。
△:糸径ムラ(%)が、3%を超え5%以下である。
×:糸径ムラ(%)が、5%を超える。
(4)−3で得たゲルシートを用い、さらに、一方のロールにリブ形成用の所定形状・所定寸法の溝を刻設した成形ロール間を通して成形して、所定厚さ、所定形状のシートを得た。次に、該シートを、nーヘキサン中に浸漬し、前記シート中の流動パラフィンの所定量を抽出除去し、乾燥して、微多孔フィルムを得た。微多孔膜は、ポリエチレン樹脂の三次元網目構造内に三次元鎖状連結構造粉体状シリカ粒子が均一分散状態に混在して三次元網目構造を形成していた。流動パラフィンの含有量は13質量%であった。また、一方の面にリブ高さ0.65mmの直線リブを多数条平行に突設されたベース厚さ0.25mm、リブを含む総厚さ0.90mmの微多孔フィルムであった。このフィルムをTD×MD(30cm×30cm)サイズに切り出し、微多孔膜を得た。この膜に対し、ほぼ等間隔にて、角の4点、各々の辺の中央部4点、中央部1点の合計9点の膜厚を膜厚ゲージ(テクロック社製、型番SM−1201)を用いて測定した。上記サイズの膜を3枚用いて、合計27点の膜厚を測定した。この27点のうち、膜厚の最大値をT(max)、最小値をT(min)とし、平均値をT(ave)としたとき、次のように厚みムラを定義して、以下の判断基準に基づいて、膜厚安定性を評価した。
(厚みムラ)(%)=(T(max)−T(min))/(2×T(ave))×100
○:厚みムラ(%)が、0%以上2%以下である。
△:厚みムラ(%)が、2%を超え4%以下である。
×:厚みムラ(%)が、4%を超える。
膜の場合、90mm×5mmのサイズに切り出した。糸の場合、90mmの長さに切り出し、単糸にて評価に供した。各々、80℃、40質量%硫酸水溶液に3日間浸漬し、浸漬前後の引張り強度を測定し、以下の判断基準に基づいて、耐酸性を判断した。引張り試験は、膜はISO527−3、糸はISO2062規格に準拠して、測定を実施した。浸漬前の引張り強度TS0、浸漬後の引張り強度TS1とした。
強度保持率(%)=TS1/TS0×100
○:強度保持率が90%以上である。
△:強度保持率が90%未満である。
〔固体触媒成分[A]の調製〕
充分に窒素置換された8Lステンレス製オートクレーブにヘキサン1600mLを添加した。10℃で攪拌しながら1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液800mLと1mol/Lの組成式AlMg5(C4H9)11(OSiH)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液800mLとを4時間かけて同時に添加した。添加後、ゆっくりと昇温し、10℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を1600mL除去し、ヘキサン1600mLで5回洗浄することにより、固体触媒成分[A]を調製した。この固体触媒成分[A]1g中に含まれるチタン量は3.05mmolであった。
(1)(B−1)担体の合成
充分に窒素置換された8Lステンレス製オートクレーブに2mol/Lのヒドロキシトリクロロシランのヘキサン溶液1000mLを仕込み、65℃で攪拌しながら組成式AlMg5(C4H9)11(OC4H9)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液2550mL(マグネシウム2.68mol相当)を4時間かけて滴下し、さらに65℃で1時間攪拌しながら反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を除去し、1800mLのヘキサンで4回洗浄した。この固体((B−1)担体)を分析した結果、固体1g当たりに含まれるマグネシウムが8.31mmolであった。
上記(B−1)担体110gを含有するヘキサンスラリー1970mLに10℃で攪拌しながら1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液110mLと1mol/Lの組成式AlMg5(C4H9)11(OSiH)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液110mLとを同時に1時間かけて添加した。添加後、10℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を1100mL除去し、ヘキサン1100mLで2回洗浄することにより、固体触媒成分[B]を調製した。この固体触媒成分[B]1g中に含まれるチタン量は0.75mmolであった。
(担体[C−1]の調製)
担体[C−1]の前駆体として、シリカQ6[富士シリシア製]を使用した。シリカQ6を窒素雰囲気下、400℃で5時間加熱処理した。加熱処理後のシリカQ6の比表面積は480m2/g、平均粒径は9.5μmであった。加熱処理後のシリカの表面水酸基の量は、1.85mmol/gであった。窒素置換した容量1.8Lオートクレーブで加熱処理後のシリカQ6(40g)をヘキサン800mL中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを攪拌下20℃に保ちながら、トリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1mol/L)を80mL加え、その後2時間攪拌し、トリエチルアルミニウムを吸着させた担体[C−1]のヘキサンスラリー880mLを調製した。
遷移金属化合物(D−1)として、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウム−1,3−ペンタジエン(以下、「チタニウム錯体」と略称する)を使用した。有機マグネシウム化合物(D−2)として、組成式AlMg6(C2H5)3(C4H9)12(以下、「Mg1」と略称する)を使用した。なお、このMg1は、ヘキサン中、25℃で所定量のトリエチルアルミニウムとジブチルマグネシウムとを混合することにより合成した。
活性化化合物(F−1)として、ビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム−トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレート(以下、「ボレート」と略称する)を使用した。(F−2)の有機アルミニウム化合物として、エトキシジエチルアルミニウムを使用した。ボレート5.7gをトルエン50mLに添加して溶解し、ボレートの100mmol/Lトルエン溶液を得た。このボレートのトルエン溶液にエトキシジエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1mol/L)5mLを25℃で加え、さらにヘキサンを加えてトルエン溶液中のボレート濃度を80mmol/Lに調節した。その後、25℃で1時間攪拌することにより活性化剤[F]を調製した。
上記操作により得られた担体[D−1]のスラリー880mLに、上記操作により得られた活性化剤[F]を50mLと上記操作により得られた遷移金属化合物成分[D]40mLを20℃で攪拌しながら同時に添加し、3時間反応を継続することにより、固体触媒成分[C]を調製した。
ヘキサン、エチレン、水素、触媒を、攪拌装置が付いたベッセル型300L重合反応器に連続的に供給した。重合圧力は0.5MPaであった。重合温度はジャケット冷却により83℃に保った。ヘキサンは40L/hrで供給した。助触媒としてトリイソブチルアルミニウムと、固体触媒成分[A]とを使用した。固体触媒成分[A]は0.2g/hrの速度で重合器に添加し、トリイソブチルアルミニウムは10mmol/hrの速度で重合器に添加した。エチレン系重合体の製造速度は10kg/hrであった。水素を、気相のエチレンに対する水素濃度が14mol%になるようにポンプで連続的に供給した。触媒活性は80,000g−PE/g−固体触媒成分[A]であった。重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように連続的に圧力0.05Mpa、温度70℃のフラッシュドラムに抜き、未反応のエチレン及び水素を分離した。
重合工程において、水素を、気相のエチレンに対する水素濃度が5mol%になるようにポンプで連続的に供給し、乾燥工程後においてステアリン酸カルシウム(大日化学社製、C60)を500ppm添加したこと以外は、製造例1と同様の操作により、製造例2のポリエチレンパウダー(PE2)を得た。
重合工程において、固体触媒成分[B]を用い、重合温度を85℃とし、分子量調整用の水素を用いないこと、エチレン、ヘキサンを重合反応器へ供給する直前にモレキュラーシーブ(エチレンはユニオン昭和(株)製MS−3Aを、ヘキサンは東ソー(株)製F−9)を通したこと、トリイソブチルアルミニウムを5mmol/hrの速度で重合器に添加したこと以外は製造例1と同様の操作により、製造例3の重合後のパウダーを得た。
重合工程において、固体触媒成分[C]と、助触媒としてAlMg5(C4H9)11(OSiH)2で表される有機マグネシウム化合物用いたこと以外は、製造例3と同様の操作により、製造例4のポリエチレンパウダー(PE4)を得た。
重合工程において、重合温度を70℃としたこととトリイソブチルアルミニウムを13mmol/hrの速度で重合器に添加したこと以外は、製造例3と同様の操作により、製造例5のポリエチレンパウダー(PE5)を得た。
重合工程において、重合温度を60℃としたこと以外は、製造例3と同様の操作により、製造例6の重合後のパウダーを得た。
失活・乾燥工程において、失活方法を、スチームと窒素の混合ガスを用いる代わりに、スチームのみを用いたこと以外は、製造例1と同様の操作により、製造例7のポリエチレンパウダー(PE7)を得た。
失活・乾燥工程において、失活方法を、スチームと窒素の混合ガスを用いる代わりに、水を10mL/hrの流量にてフィードしたこと以外は、製造例1と同様の操作により、製造例8のポリエチレンパウダー(PE8)を得た。
失活・乾燥工程において、失活方法を、スチームと窒素の混合ガスを用いる代わりに、水を10mL/hrの流量にてフィードしたこと以外は、製造例5と同様の操作により、製造例9のポリエチレンパウダー(PE9)を得た。
失活・乾燥工程において、失活方法を、スチームと窒素の混合ガスを用いる代わりに、フラッシュドラムにメチルアルコールを添加することで行い、乾燥工程では窒素のみで行った以外は、製造例1と同様の操作により、製造例10のポリエチレンパウダー(PE10)を得た。
原料ポリエチレンパウダーとして、PE1を用い、上述した方法に従い、(1)分子量、(2)物質の個数、(3)アルミニウム量を測定した。原料ポリエチレンパウダー(PE1)は、短径50μm以上の物質および短径50μm未満の物質を含んでいた。
電解液として、濃度1.0mol/LのLiPF6のエチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)混合溶液を用い、負極として、主成分に人造グラファイトを用い、正極として、主成分にリチウムコバルト複合酸化物LiCoO2を用いて、さらに得られた微多孔膜を用い、負極、微多孔膜、正極、微多孔膜の順に積層した後、渦巻状に12回捲回することで電極板積層体を作製した。この電極板積層体を70℃の温度条件下、2MPaで30秒間平板状にプレスし、電池捲回体を得た。次いで、作製した電池捲回体をアルミニウム製電池缶の内部に挿入した。その後、正極から導出したアルミニウム製リードを容器壁に、負極から導出したニッケル製リードを電池缶の蓋端子部に接続した。次に、この電池缶内に非水電解液を注入して密閉した。こうして作製されたリチウムイオン電池は充放電を繰り返すことのできる二次電池として機能した。したがって、得られた微多孔膜はリチウムイオン二次電池のセパレータとして利用できた。
なお、上記(2)の方法に従ってPE1から得られた物質をサンプルとして、赤外吸収スペクトルを測定し、そのスペクトル(a)を図1に示した。なお、機種として日本分光社製IR−410を用い、ATR法(Dura Scope(ATR結晶板:ダイヤモンド/ZnSe))にて、分解能は4cm−1、スキャン数は32回にて測定を実施した。比較の為に、標準物質としてシグマアルドリッチ社製水酸化アルミニウムを用いて、同様に赤外吸収スペクトルを測定し、そのスペクトル(b)を図1に示した。さらに、標準物質として、三津和化学社製酸化アルミニウムを用いて、同様に赤外吸収スペクトルを測定し、そのスペクトル(c)を図1に示した。以上のことから、PE1中から得られた物質は、ポリエチレン由来の微小ピーク(d)は認められるが、主成分は、酸化アルミニウムではなく、水酸化アルミニウムであることがわかった。
原料ポリエチレンパウダーとして、PE1の代わりにPE2を用いたこと以外は、実施例1と同様に実施した。(1)分子量、(2)物質の個数、(3)アルミニウム量を測定し、(4)−1膜の連続加工生産性、(5)−1膜厚安定性、(6)耐酸性を評価し、結果を表1に示した。なお、実施例1と同様の方法で得られた物質を同定したところ、主成分は水酸化アルミニウムであった。
原料ポリエチレンパウダーとして、PE1の代わりに、PE1/PE2を50質量%/50質量%でヘンシェルミキサーで混合したパウダーを用いたこと以外は、実施例1と同様に実施した。(1)分子量、(2)物質の個数、(3)アルミニウム量を測定し、(4)−1膜の連続加工生産性、(5)−1膜厚安定性、(6)耐酸性を評価し、結果を表1に示した。なお、実施例1と同様の方法で得られた物質を同定したところ、主成分は水酸化アルミニウムであった。
原料ポリエチレンパウダーとして、PE3を用い、(4)−2糸の連続加工生産性に記載した方法に従って、実施例4のゲル紡糸を得て、連続加工生産性を評価した。さらに得られたこのゲル紡糸を用いて、(5)−2糸径安定性に記載した方法に従って、実施例4の糸を得て、寸法安定性を評価した。(4)−2糸の連続加工生産性、(5)−2糸径安定性の評価結果を表1に示した。
原料ポリエチレンパウダーとして、PE3の代わりにPE4を用いたこと以外は、実施例4と同様に実施した。(1)分子量、(2)物質の個数、(3)アルミニウム量を測定し、(4)−2糸の連続加工生産性、(5)−2糸径安定性、(6)耐酸性を評価し、結果を表1に示した。なお、実施例5と実施例1〜4、6〜8の対比によりアルミニウム量(ppm)が0.2ppm以上であると、より耐酸性に優れる傾向にあることが分かった。
原料ポリエチレンパウダーとして、PE3の代わりにPE5を用いたこと以外は、実施例4と同様に実施した。(1)分子量、(2)物質の個数、(3)アルミニウム量を測定し、(4)−2糸の連続加工生産性、(5)−2糸径安定性、(6)耐酸性を評価し、結果を表1に示した。
原料ポリエチレンパウダーとして、PE1の代わりにPE6を用い、(4)−3および(5)−3の記載に従って、ゲル状シートおよび微多孔フィルムを作製した。
原料ポリエチレンパウダーとして、PE1の代わりにPE7を用いたこと以外は、実施例1と同様に実施した。(1)分子量、(2)物質の個数、(3)アルミニウム量を測定し、(4)−1膜の連続加工生産性、(5)−1膜厚安定性、(6)耐酸性を評価し、結果を表1に示した。なお、実施例1と同様の方法で得られた物質を同定したところ、主成分は水酸化アルミニウムであった。
原料ポリエチレンパウダーとして、PE1の代わりにPE8を用いたこと以外は、実施例1と同様に実施した。(1)分子量、(2)物質の個数、(3)アルミニウム量を測定し、(4)−1膜の連続加工生産性、(5)−1膜厚安定性、(6)耐酸性を評価し、結果を表1に示した。なお、実施例1と同様の方法で得られた物質を同定したところ、主成分は水酸化アルミニウムであった。
原料ポリエチレンパウダーとして、PE5の代わりにPE9を用いたこと以外は、実施例6と同様に実施した。(1)分子量、(2)物質の個数、(3)アルミニウム量を測定し、(4)−2糸の連続加工生産性、(5)−2糸径安定性、(6)耐酸性を評価し、結果を表1に示した。なお、実施例1と同様の方法で得られた物質を同定したところ、主成分は水酸化アルミニウムであった。
原料ポリエチレンパウダーとして、PE1の代わりにPE10を用いたこと以外は、実施例1と同様に実施した。(1)分子量、(2)物質の個数、(3)アルミニウム量を測定し、(4)−1膜の連続加工生産性、(5)−1膜厚安定性、(6)耐酸性を評価し、結果を表1に示した。なお、実施例1と同様の方法で得られた物質を同定したところ、主成分は水酸化アルミニウムであった。
Claims (4)
- 短径が50μm以上であり、かつ比重が1.31(20℃)を超える物質の含有量が、ポリエチレンパウダー500g中10個以下であり、
粘度平均分子量が100,000以上であり、
前記物質が、アルミニウム化合物を含む無機化合物を含む、
ポリエチレンパウダーであって、
該ポリエチレンパウダーがアルミニウムを含み、
アルミニウム量が0.2ppm以上100ppm以下である、
ポリエチレンパウダーの製造方法であって、
オレフィン重合用触媒の存在下にエチレンを重合させてポリエチレンパウダーを得る工程、
オレフィン重合用触媒を失活する工程、および
ポリエチレンパウダーを乾燥する工程を含み、
前記オレフィン重合用触媒を失活する工程において、触媒失活剤をポリエチレンパウダーに噴霧する、ポリエチレンパウダーの製造方法。 - 前記アルミニウム化合物が、水酸化アルミニウムを含む、請求項1に記載のポリエチレンパウダーの製造方法。
- 前記触媒失活剤が水であり、該水をスチーム状で噴霧する、請求項1又は2に記載のポリエチレンパウダーの製造方法。
- 前記触媒失活剤が水であり、該水をスチーム状で、不活性ガスとの混合ガスとして噴霧する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエチレンパウダーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013163252A JP5830064B2 (ja) | 2012-08-10 | 2013-08-06 | 高分子量ポリエチレンパウダー、微多孔膜、及び高強度繊維 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012178863 | 2012-08-10 | ||
JP2012178863 | 2012-08-10 | ||
JP2013163252A JP5830064B2 (ja) | 2012-08-10 | 2013-08-06 | 高分子量ポリエチレンパウダー、微多孔膜、及び高強度繊維 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015181095A Division JP6117303B2 (ja) | 2012-08-10 | 2015-09-14 | 高分子量ポリエチレンパウダー、微多孔膜、及び高強度繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014055287A JP2014055287A (ja) | 2014-03-27 |
JP5830064B2 true JP5830064B2 (ja) | 2015-12-09 |
Family
ID=50612876
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013163252A Active JP5830064B2 (ja) | 2012-08-10 | 2013-08-06 | 高分子量ポリエチレンパウダー、微多孔膜、及び高強度繊維 |
JP2015181095A Active JP6117303B2 (ja) | 2012-08-10 | 2015-09-14 | 高分子量ポリエチレンパウダー、微多孔膜、及び高強度繊維 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015181095A Active JP6117303B2 (ja) | 2012-08-10 | 2015-09-14 | 高分子量ポリエチレンパウダー、微多孔膜、及び高強度繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP5830064B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108290976A (zh) * | 2016-11-08 | 2018-07-17 | 旭化成株式会社 | 乙烯聚合物、拉伸成型体和微孔膜 |
CN108602685A (zh) * | 2016-11-14 | 2018-09-28 | 住友化学株式会社 | 氧化铝和含有其的浆料、以及使用其的氧化铝多孔膜、层叠隔板、非水电解液二次电池和非水电解液二次电池的制造方法 |
Families Citing this family (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101707306B1 (ko) | 2014-04-18 | 2017-02-15 | 아사히 가세이 케미칼즈 가부시키가이샤 | 섬유용 폴리에틸렌 파우더, 섬유 및 성형체 |
CN105820420A (zh) * | 2016-05-04 | 2016-08-03 | 巢湖市强力渔业有限责任公司 | 一种表面改性hdpe树脂制备的渔网 |
JP6868355B2 (ja) * | 2016-07-29 | 2021-05-12 | 旭化成株式会社 | 超高分子量ポリエチレンパウダー |
JP6896397B2 (ja) * | 2016-11-07 | 2021-06-30 | 旭化成株式会社 | エチレン系重合体、延伸成形体及び微多孔膜 |
PL3401282T3 (pl) * | 2016-11-14 | 2023-05-29 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Tlenek glinu i gęsta zawiesina go zawierająca oraz porowata folia z tego tlenku glinu, laminowany separator, bateria wtórna z niewodnym elektrolitem i sposób wytwarzania baterii wtórnej z niewodnym elektrolitem |
JP6387176B2 (ja) * | 2016-12-12 | 2018-09-05 | 旭化成株式会社 | ポリエチレンパウダー |
JP6867187B2 (ja) * | 2017-02-24 | 2021-04-28 | 旭化成株式会社 | ポリエチレン粒子及び成形体 |
JP6340448B1 (ja) * | 2017-03-21 | 2018-06-06 | 旭化成株式会社 | ポリエチレン系重合体パウダー及びその製造方法 |
JP6843660B2 (ja) * | 2017-03-22 | 2021-03-17 | 旭化成株式会社 | エチレン系重合体パウダー及びその成形体 |
JP7001382B2 (ja) * | 2017-07-20 | 2022-02-03 | 旭化成株式会社 | ポリエチレンパウダー |
JP6539329B2 (ja) | 2017-11-15 | 2019-07-03 | 旭化成株式会社 | 超高分子量ポリエチレン繊維 |
JP2019123777A (ja) * | 2018-01-12 | 2019-07-25 | 旭化成株式会社 | エチレン系重合体及びそれを用いた成形体 |
ES2945349T3 (es) * | 2018-04-24 | 2023-06-30 | Asahi Chemical Ind | Polvo de polietileno, cuerpo moldeado y membrana microporosa |
JP7353066B2 (ja) | 2018-07-13 | 2023-09-29 | 旭化成株式会社 | ポリエチレン繊維 |
CN110714231A (zh) * | 2018-07-13 | 2020-01-21 | 旭化成株式会社 | 乙烯聚合物纤维 |
Family Cites Families (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11106417A (ja) * | 1997-10-06 | 1999-04-20 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 摩耗特性に優れた超高分子量エチレン重合体及びその組成物 |
JP2004143404A (ja) * | 2002-08-28 | 2004-05-20 | Sekisui Chem Co Ltd | ポリオレフィン系樹脂微粒子 |
WO2004081064A1 (ja) * | 2003-03-10 | 2004-09-23 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | 超高分子量エチレン系重合体 |
JP2005029731A (ja) * | 2003-07-10 | 2005-02-03 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 超高分子量ポリエチレン |
JP2005314544A (ja) * | 2004-04-28 | 2005-11-10 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 超高分子量ポリエチレン樹脂組成物およびそれから得られる成形体 |
JP2006002146A (ja) * | 2004-05-19 | 2006-01-05 | Asahi Kasei Chemicals Corp | オレフィン重合用触媒およびポリオレフィンパウダー |
CN1965020B (zh) * | 2004-06-07 | 2011-05-04 | 提克纳有限责任公司 | 聚乙烯模塑粉末及由其制得的多孔制品 |
KR100873899B1 (ko) * | 2004-11-19 | 2008-12-15 | 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 | 에틸렌계 중합체 미립자, 관능기 함유 에틸렌계 중합체미립자 및 그 제조용 촉매 담체 |
JP2006274175A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 超高分子量エチレン系共重合体 |
JP5152826B2 (ja) * | 2006-03-22 | 2013-02-27 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 超高分子量エチレン系共重合体 |
JP2008144149A (ja) * | 2006-11-17 | 2008-06-26 | Asahi Kasei Chemicals Corp | オレフィン重合触媒およびポリオレフィンパウダーの製造方法 |
JP2008144148A (ja) * | 2006-11-17 | 2008-06-26 | Asahi Kasei Chemicals Corp | オレフィン重合触媒およびポリオレフィンパウダーの製造方法 |
JP2008144147A (ja) * | 2006-11-17 | 2008-06-26 | Asahi Kasei Chemicals Corp | オレフィン重合触媒およびポリオレフィンパウダーの製造方法 |
US20100196711A1 (en) * | 2007-07-13 | 2010-08-05 | Kazuaki Yasuda | Ultra-high molecular weight polyolefin fine particles, process for producing the same and molded articles of the same |
JP5541948B2 (ja) * | 2009-03-06 | 2014-07-09 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 超高分子量ポリエチレンパウダー及びその製造方法 |
JP2011080013A (ja) * | 2009-10-09 | 2011-04-21 | Mitsui Chemicals Inc | ポリオレフィン微粒子ならびに変性ポリオレフィン微粒子、これらを含む樹脂組成物、およびその用途 |
JP5685056B2 (ja) * | 2009-11-06 | 2015-03-18 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | ポリオレフィン延伸成形体の製造方法 |
-
2013
- 2013-08-06 JP JP2013163252A patent/JP5830064B2/ja active Active
-
2015
- 2015-09-14 JP JP2015181095A patent/JP6117303B2/ja active Active
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108290976A (zh) * | 2016-11-08 | 2018-07-17 | 旭化成株式会社 | 乙烯聚合物、拉伸成型体和微孔膜 |
CN108602685A (zh) * | 2016-11-14 | 2018-09-28 | 住友化学株式会社 | 氧化铝和含有其的浆料、以及使用其的氧化铝多孔膜、层叠隔板、非水电解液二次电池和非水电解液二次电池的制造方法 |
US10662071B2 (en) | 2016-11-14 | 2020-05-26 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Alumina and slurry containing the same, and alumina porous film using the same, laminated separator, nonaqueous electrolyte secondary battery and method for manufacturing nonaqueous electrolyte secondary battery |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6117303B2 (ja) | 2017-04-19 |
JP2016035063A (ja) | 2016-03-17 |
JP2014055287A (ja) | 2014-03-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6117303B2 (ja) | 高分子量ポリエチレンパウダー、微多孔膜、及び高強度繊維 | |
JP5830187B2 (ja) | ポリエチレンパウダー、微多孔膜、及び繊維 | |
JP6578124B2 (ja) | 繊維用ポリエチレンパウダー、繊維、及び物品 | |
US9469701B2 (en) | Polyethylene powder | |
KR102368240B1 (ko) | 초고분자량 폴리에틸렌 파우더 | |
JP6387176B2 (ja) | ポリエチレンパウダー | |
US10808108B2 (en) | Ultra-high molecular weight polyethylene powder and ultra-high molecular weight polyethylene fiber | |
JP2019019265A (ja) | ポリエチレンパウダー | |
CN108752607B (zh) | 高分子量聚乙烯粉体、微孔膜以及高强度纤维 | |
JP2014133873A (ja) | ポリエチレンパウダー、成形体、及びリチウムイオン二次電池用セパレーター | |
JP6539329B2 (ja) | 超高分子量ポリエチレン繊維 | |
JP2021091896A (ja) | ポリエチレン樹脂組成物 | |
JP6437591B1 (ja) | ポリエチレンパウダー及びその成形物 | |
WO2019022058A1 (ja) | ポリエチレン組成物 | |
JP2023154406A (ja) | 超高分子量ポリエチレンパウダー及び成形体 | |
WO2023191080A1 (ja) | ポリエチレンパウダーとその製造方法及び、オレフィン重合用触媒とその製造方法 | |
WO2023054514A1 (ja) | 超高分子量ポリエチレンパウダー及びこれを成形してなる成形体 | |
JP7051395B2 (ja) | エチレン重合体、及びその成形体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141204 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150130 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150331 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150615 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150914 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20150924 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151013 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151023 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5830064 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |