JP5826094B2 - p型半導体材料、および光電変換装置の作製方法 - Google Patents

p型半導体材料、および光電変換装置の作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、p型半導体材料、および該半導体材料を含む光電変換装置の作製方法に関する。
半導体薄膜を用いて光電変換装置やトランジスタを構成する技術が注目されている。該トランジスタは集積回路(IC)や画像表示装置(単に表示装置とも表記する)のような半導体電子デバイスに広く応用されている。光電変換装置やトランジスタに適用可能な半導体薄膜としてシリコン系半導体材料が広く知られているが、その他の材料として酸化物半導体が注目されている。
例えば、酸化物半導体として、Zn−O系酸化物、またはIn−Ga−Zn−O系酸化物を用いてトランジスタを作製する技術が開示されている(特許文献1および特許文献2参照)。
多くの酸化物半導体は、n型の導電型を有することが知られている。例えば、n型の導電型を有する酸化物半導体としては、ZnO、In、SnO、GaO、TeO、GeO、WO、MoOなどの材料がある。
一方、p型の導電型を有する酸化物半導体としては、ZnO、CuAlO、NiO、IrOなどの材料が知られている。
特開2007−123861号公報 特開2007−96055号公報
上述のように、酸化物半導体材料はn型の導電型のみを有する材料が多く、p型の導電型を有する材料、またはn型およびp型の両方の導電型を有する材料として知られているものは非常に少ない。酸化物半導体材料は一般的にワイドギャップであり、シリコン系半導体材料とは異なる光学特性や電気特性を有するため、その特性を活かした半導体装置を形成するには、新たなp型の酸化物半導体材料が望まれている。
したがって、本発明の一態様では、p型の導電型を有する酸化物半導体材料の作製方法を提供することを目的の一つとする。また、該p型の酸化物半導体材料を含む光電変換装置の作製方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の一態様は、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO(2<y<3))を含有する酸化モリブデン材料の作製方法に関する。
本発明の一態様は、三酸化モリブデン(MoO)および還元剤の混合物を減圧下において加熱して三酸化モリブデンの一部を還元し、三酸化モリブデンおよび還元された酸化モリブデンを気化させて、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO(2<y<3))が含有された酸化モリブデンを基板上に形成することを特徴とするp型半導体材料の作製方法である。
また、本発明の他の一態様は、三酸化モリブデン(MoO)および還元剤の混合物を加熱して三酸化モリブデンの一部を還元し、三酸化モリブデンと還元された酸化モリブデンを減圧下において加熱して気化させ、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO(2<y<3))が含有された酸化モリブデンを基板上に形成することを特徴とするp型半導体材料の作製方法である。
上記還元剤は、チタン、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、イットリウム、マンガン、ハフニウム、タングステン、モリブデン、シリコンの中から選ばれた一つ以上の材料であることが好ましい。
また、上記酸化モリブデン膜は、三酸化モリブデンと、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO(2<y<3))との混合物であることが好ましい。
また、本発明の他の一態様は、n型の導電型を有するシリコン基板の一方の面にシリコン基板よりもキャリア濃度の高いn型の導電型を有する領域を形成し、シリコン基板の他方の面に、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO(2<y<3))が含有された酸化モリブデン膜を形成し、n型の導電型を有する領域上に第2の電極を形成し、酸化モリブデン膜上に透光性導電膜を形成し、透光性導電膜上に第1の電極を形成することを特徴とする光電変換装置の作製方法である。
また、本発明の他の一態様は、n型の導電型を有するシリコン基板の一方の面上に、i型またはn型の導電型を有しシリコン基板よりもキャリア濃度の低い第1の半導体層を形成し、第1の半導体層上に、n型の導電型を有しシリコン基板よりもキャリア濃度の高い第2の半導体層を形成し、シリコン基板の他方の面上に、i型またはp型の導電型を有する第3の半導体層を形成し、第3の半導体層上に、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO(2<y<3))が含有された酸化モリブデン膜を形成し、酸化モリブデン膜上に透光性導電膜を形成し、第2の半導体層上に第2の電極を形成し、透光性導電膜上に第1の電極を形成することを特徴とする光電変換装置の作製方法である。
上記光電変換装置における酸化モリブデン膜は、三酸化モリブデン(MoO)および還元剤の混合物を減圧下において加熱して三酸化モリブデンの一部を還元し、三酸化モリブデンおよび還元された酸化モリブデンを気化させることによって形成することができる。
また、上記光電変換装置における酸化モリブデン膜は、三酸化モリブデン(MoO)および還元剤の混合物を加熱して三酸化モリブデンの一部を還元し、三酸化モリブデンと還元された酸化モリブデンを減圧下において加熱して気化させることによって形成してもよい。
本発明の一態様を用いることにより、p型の導電型を有する酸化物半導体材料の作製方法を提供することができる。また、該p型の酸化物半導体材料を含む光電変換装置の作製方法を提供することができる。
酸化モリブデン膜を作製するためのフローチャート。 酸化モリブデン膜と非晶質シリコン膜との光吸収係数を比較する図。 酸化モリブデン膜とシリコン基板を接合したダイオードの特性を示す図。 酸化モリブデンの光学特性を示す図。 酸化モリブデンの内殻準位Mo3d付近のXPSスペクトル。 酸化モリブデンの価電子帯付近のXPSスペクトル。 酸化モリブデンの組成比とギャップ準位の相関図。 光電変換装置の構造を説明する図。 光電変換装置の作製方法を説明する工程断面図。 光電変換装置の作製方法を説明する工程断面図。 光電変換装置の構造を説明する図。 光電変換装置の作製方法を説明する工程断面図。 光電変換装置の作製方法を説明する工程断面図。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略することがある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である酸化物半導体材料、およびその作製方法について説明する。
本発明の一態様におけるp型の酸化物半導体材料は、酸化モリブデンである。該酸化モリブデンとしては、三酸化モリブデン(以下、MoO)と、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(以下、MoO(2<y<3)と示す。)とが混合された材料(以下、MoO+MoO(2<y<3)と示す。)であることが好ましい。
なお、本明細書におけるp型の導電型を有する材料とは、フェルミ準位が伝導帯より価電子帯に近い材料、あるいはp型の導電型のキャリアであるホールを伝導することができることを指す材料以外に、n型の導電型を有する材料と接続した際に生じる仕事関数の差によるバンドベンディングによって、電流−電圧(I−V)特性が整流性を示す材料を含むこととする。
上記のMoO(2<y<3)には、例えば、Mo、Mo、Mo23、Mo26、Mo11、Mo1747、Mo14などや、MoO中の一部の酸素原子が欠損してMoOとMoOの中間的な組成となったものを用いることができる。
また、MoO+MoO(2<y<3)膜はパッシベーション効果が高く、シリコン表面の欠陥を低減させることができ、キャリアのライフタイムを向上させることができる。
例えば、MoO+MoO(2<y<3)膜を抵抗率約9Ω・cmのn型の単結晶シリコン基板の両面に成膜し、パッシベーション膜としたときのμPCD(microwave detected photoconductivity decay)法測定による実効ライフタイムは、約400μsecであることが確かめられている。また、単結晶シリコン基板のバルクライフタイムを指すヨウ素アルコール溶液によるケミカルパッシベーションを行った際のn型の単結晶シリコン基板のライフタイムも約400μsecである。なお、パッシベーション膜を形成しない場合のn型単結晶シリコン基板の実効ライフタイムは、約40μsecである。
また、図2は、上記蒸着法でガラス基板上に形成した酸化モリブデン(MoO+MoO(2<y<3))膜および比較例であるプラズマCVD法で形成した非晶質シリコン(a−Si)膜の光吸収係数の比較である。MoO+MoO(2<y<3)膜は、広い波長範囲で光吸収係数が小さくなるため、透光性が高いことがわかる。
したがって、MoO+MoO(2<y<3)膜は、シリコン基板表面のパッシベーション効果が高く、広い波長範囲に渡って透光性が高いため、光電変換装置の接合形成層(窓層)などに用いることによって、キャリアの再結合の低減、および光電変換領域への光の入射効率を向上させることができ、光電変換装置の電気特性を向上させることができる。
図3(a)はn型のシリコン基板上に、図3(b)はp型のシリコン基板上に、それぞれ三酸化モリブデンを原料として抵抗加熱による蒸着法で酸化モリブデン膜を形成した素子のI−V特性である。図3(a)は整流性を示し、図3(b)はオーム性を示していることから、図3(a)の特性を示す素子はp−n接合が形成されているといえる。したがって、上記方法で成膜した酸化モリブデン膜の導電型はヘテロ接合でもn型のシリコンだけ整流性を示すことから高濃度のキャリアを有するp型であることがわかる。
なお、上記蒸着法によって形成した酸化モリブデン膜の電気伝導度は、1×10−6〜3.8×10−3S/cm(暗伝導度)、屈折率1.6〜2.2(波長550nm)、消衰係数6×10−4〜3×10−3(波長550nm)、Taucプロットから求めた光学バンドギャップは、2.8〜3eVである。
酸化モリブデン膜を高濃度のキャリアを有するp型の半導体材料とするには、MoO+MoO(2<y<3)の組成におけるMoO(2<y<3)の混合比率を4%以上とすることが好ましい。
本発明の一態様では、MoOを出発原料とし、該MoOの一部を還元することによりMoO(2<y<3)とする。そして、該MoOおよび該MoO(2<y<3)を気化させることにより基板上に酸化モリブデン膜を蒸着する。
図1は、本発明の一態様であるp型酸化モリブデン膜の作製工程を説明するフローチャートである。
まず、出発材料であるMoOと還元剤を混合する(S101)。ここで、MoOおよび還元剤は、粉末であることが好ましい。粉末とすることで両者が接触する面積が増加し、効率良くMoOを還元することができる。なお、還元剤の材料、接触面積、および後の加熱温度などによって還元量が異なる。したがって、両者の比率は、目的とする還元量に応じて実施者が適宜決定すればよい。
還元剤には、酸化還元電位が0Vより小さい材料を用いることができる。例えば、チタン、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、イットリウム、マンガン、ハフニウム、タングステン、モリブデン、シリコンなどから選ばれた一つ以上の材料を用いることができる。これらの材料の中でも、MoOおよびMoO(2<y<3)よりも気化温度の高い材料を用いることがより好ましい。
次に、上記のMoOと還元剤の混合物を焼成して、MoOの還元を助長させる工程(予備還元)を行ってもよい(S102)。例えば、窒素や希ガスなどの不活性雰囲気下において、MoOの融点以下の温度で焼成を行う。また、雰囲気は、水素や一酸化炭素などの還元雰囲気であってもよい。なお、還元反応が容易に進行するような条件を用いる場合は、焼成工程を省くことができる。
次に、減圧下において、MoOと還元剤の混合物を昇温し、MoOの一部を還元してMoO(2<y<3)とする(S103)。例えば、モリブデンボートやタングステンボートなどに該混合物を設置し、抵抗加熱によって昇温すればよい。なお、MoOの還元量を制御するために昇温速度の調整や一定温度での維持などを行ってもよい。
そして、MoO、MoO(2<y<3)および還元剤の混合物をMoOおよびMoO(2<y<3)が気化する温度まで昇温し、基板上に酸化モリブデン膜を蒸着する(S104)。ここで、還元剤に、MoOおよびMoO(2<y<3)よりも気化温度の高い材料を用いていれば、蒸着された酸化モリブデン膜に還元剤成分はほとんど含まれない。また、還元剤がMoOおよびMoO(2<y<3)よりも気化温度の低い材料であっても、還元剤が酸化されることにより還元剤成分が気化されにくくなり、蒸着された酸化モリブデン膜に還元剤はほとんど含まれない。なお、光学特性および/または電気特性に影響を与えない範囲であれば、蒸着された酸化モリブデン膜に還元剤成分が含まれていてもよい。
なお、上述した減圧下でのMoOと還元剤の混合物の昇温から基板への酸化モリブデン膜の蒸着までの工程(S103、S104)は、一般的に蒸着工程と呼ばれる連続した工程である。
以上の工程によって、MoO+MoO(2<y<3)の組成を有する酸化モリブデン膜を形成することができる。
なお、還元剤を用いずに形成した酸化モリブデン膜においてもMoO(2<y<3)が含まれることが確認できているが、これは、抵抗加熱用ボートの還元剤として作用や加熱によるMoOからの酸素の脱離が起きているためである。本発明の一態様は、酸化モリブデン膜中のMoO(2<y<3)の割合を高めるために開発された方法である。
本実施の形態は、他の実施の形態、および実施例の構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態は、開示する発明の一態様である光電変換装置の構成およびその作製方法について説明する。
図8(a)に、本発明の一態様における光電変換装置の断面模式図の例を示す。該光電変換装置は、シリコン基板100、該シリコン基板の一方の面に形成された酸化物半導体層110、該シリコン基板の他方の面に形成された不純物領域130、酸化物半導体層110上に形成された透光性導電膜150、該透光性導電膜と接する第1の電極170、および不純物領域130と接する第2の電極190を含んで構成される。なお、第1の電極170はグリッド電極であり、第1の電極170側が受光面となる。
シリコン基板100は一導電型を有し、酸化物半導体層110は、シリコン基板100の導電型とは逆の導電型を有する半導体層である。したがって、シリコン基板100と酸化物半導体層110との間には、p−n接合が形成される。
ここで、本発明の一態様における光電変換装置では、酸化物半導体層110に実施の形態1で説明したp型の導電型を有する二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO(2<y<3))を含有する酸化物半導体層を用いる。したがって、シリコン基板100には、n型の導電型を有するシリコン基板を用いる。
従来の光電変換装置では、シリコン材料を窓層としていたため、窓層における光吸収は大きな損失となっていた。本発明の一態様では、光電変換装置の窓層として透光性を有する金属酸化物を用いることにより、窓層での光吸収損失が低減し、光吸収領域において効率良く光電変換を行うことできるようになる。
酸化物半導体層110上には透光性導電膜150を形成することが好ましい。透光性導電膜150を設けることによって、酸化物半導体層110と第1の電極170との間における抵抗損失を低減させることができる。ただし、酸化物半導体層110の抵抗が十分に低い場合や、作製する光電変換装置が抵抗損失を無視できる低電流用途で用いられる場合は、透光性導電膜150を設けない構造としてもよい。
不純物領域130は、BSF(Back Surface Field)層であり、シリコン基板100と同じ導電型を有し、かつシリコン基板100よりも高濃度のキャリアを有する領域である。BSF層を設けることにより、n−n接合またはp−p接合が形成され、バンドベンディングによる電位障壁により第2の電極190近傍での少数キャリアの再結合を防止することができる。
なお、本明細書では、同じ導電型でキャリア濃度の異なる材料を区別する必要がある場合には、n型またはp型シリコン基板に対して、相対的にキャリア濃度の高い材料の導電型をn型またはp型と呼称するのに対し、相対的にキャリア濃度の低い材料の導電型をn型またはp型と呼称する。
また、図示しているように、シリコン基板100は、凹凸加工を施したテクスチャ構造とすることが好ましい。受光面側に設けたテクスチャ構造は、入射光が多重反射することで表面反射損失を低減することができる。また、テクスチャ構造では、屈折率の高い光電変換領域のシリコン基板と屈折率の低い入射側媒質である空気との屈折率差により光電変換領域内を光が斜めに入射されることから光路長が増大し、光電変換領域内の裏面と表面で反射を繰り返すことで、所謂光閉じ込め効果を起こさせることもできる。シリコン基板中に入射された光は、入射媒質である空気と屈折率の高いシリコン基板との間においてスネルの法則により、シリコン基板表面凹凸形状に対して法線方向近傍となる方向に進行する。そのため、テクスチャ構造によりシリコン基板表面に凹凸形状を設けて角度をつけておくことにより、角度のついたテクスチャ構造表面に対して法線方向近傍に屈折して、入射光は進行する。このことによりシリコン基板の厚さ方向に対して斜めに入射光が進行し、入射光の光路長を増加させることができる。テクスチャ構造は、表裏両面に限らず、表面のみ、または裏面のみに設けてもよい。
また、本発明の一態様における光電変換装置は、図8(b)に示すような、シリコン基板100と酸化物半導体層110との間に酸化物絶縁層111を有するSIS(Semiconductor−Insulator−Semiconductor)構造であってもよい。
酸化物絶縁層111には、二酸化シリコン(SiO)、一酸化シリコン(SiO)、二酸化シリコンとシリコンの組成が混合された酸化シリコンなどの酸化シリコン(SiO(x>0))、ならびに、シリコン、酸素および酸化物半導体層110を構成する金属の化合物を用いることができる。酸化物絶縁層111の形成方法としては、電気炉、プラズマCVD、プラズマ酸化などで酸化または成膜することで形成することができる。また、シリコン基板100と酸化物半導体層110を熱、赤外線、または酸化物半導体層110の成膜時のエネルギーなどで反応させることにより形成することもできる。なお、酸化物絶縁層111は半導体レベルの抵抗を有していてもよい。
酸化物絶縁層111の膜厚は、0.5〜10nmとすることができる。より好ましくは、0.5〜5nmにする。酸化物絶縁層111は、上記シリコン基板100と酸化物半導体層110との間に形成されたp−n接合間に介在するため、酸化物絶縁層111はトンネル電流が流れる極薄膜とすることが好ましい。また、酸化物絶縁層111は、シリコン基板100と酸化物半導体層110の接合における格子ミスマッチの緩衝層としての作用も有する。
次に、図8(a)に示した光電変換装置の作製方法について、図9および図10を用いて説明する。
本発明の一態様に用いることのできるシリコン基板100には、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いることができる。これらのシリコン基板の製造方法は、特に限定されない。本実施の形態においては、MCZ(Magnetic Czochralski)法で製造された(100)面を表面に有するn型の単結晶シリコン基板を用いる例を説明する。
初期の単結晶シリコン基板がスライス加工のみである基板の場合は、単結晶シリコン基板の表面から10〜20μmに残留するダメージ層をウエットエッチング工程にて取り除く。エッチング液には、比較的高濃度のアルカリ溶液、例えば、10〜50%の水酸化ナトリウム水溶液、または同濃度の水酸化カリウム水溶液を用いることができる。または、フッ酸と硝酸を混合した混酸や、それらに酢酸を混合した混酸を用いても良い。
次に、ダメージ層除去後の単結晶シリコン基板表面に付着している不純物を酸洗浄で取り除く。酸としては、例えば、0.5%フッ酸と1%過酸化水素水の混合液(FPM)などを用いることができる。またはRCA洗浄などを行っても良い。なお、この酸洗浄工程は省いても良い。
シリコン基板100における表面の多重反射による反射損失低減、光路長増加のための光閉じ込めを行うために、ここでは、シリコン基板100に凹凸加工を施したテクスチャ構造を形成する例を説明する。上述したように(100)面を表面に有する単結晶シリコン基板を用いる場合は、アルカリ溶液による面方位に対するエッチングレートが異なることを利用した異方性エッチングによりピラミッド形状のテクスチャ構造を形成することができる。
(100)面を表面に有する単結晶シリコンにピラミッド形状のテクスチャ構造を形成するエッチング液には、水酸化ナトリウム水溶液、または水酸化カリウム水溶液のアルカリ溶液を用いることができる。例えば、1〜5%の水酸化ナトリウム水溶液、または同濃度の水酸化カリウム水溶液を用いることができ、好ましくは、数%のイソプロピルアルコールを添加する。エッチング液の温度は70〜90℃とし、30〜60分間、単結晶シリコン基板をエッチング液に浸漬する。この処理により、単結晶シリコン基板表面に、微細な略四角錐状の複数の凸部、および隣接する凸部間で構成される凹部からなるピラミッド形状の凹凸を形成することができる。
なお、シリコン基板100として、(100)面を表面に有する単結晶シリコン以外の単結晶シリコン基板、または多結晶シリコン基板などを用いる場合は、ドライエッチング法や、銀などの金属触媒を利用したウエットエッチングなどを用いて凹凸加工を行えばよい。
次に、上述の凹凸を形成するためのエッチング工程では、シリコンの表層に不均一な酸化層が形成されるため、該酸化層を取り除く。また、該酸化層にはアルカリ溶液の成分が残存しやすいため、それを取り除く目的もある。アルカリ金属、例えばNaイオンやKイオンがシリコン中に侵入するとライフタイムが劣化するため、光電変換装置の電気特性が著しく低下してしまう。なお、この酸化層を除去するには、1〜5%の希フッ酸を用いれば良い。
次に、フッ酸と硝酸を混合した混酸、または、それらに酢酸を混合した混酸を用いて単結晶シリコン基板の表面をエッチングし、金属成分などの不純物を除去することが好ましい。酢酸を混合することで、硝酸の酸化力を維持し、エッチング工程を安定にする効果、およびエッチングレートを調整する効果が得られる。例えば、各酸の体積比率は、フッ酸:硝酸:酢酸=1:(1.5〜3):(2〜4)とすることができる。なお、本明細書では、フッ酸、硝酸および酢酸の混酸液をフッ硝酢酸と呼ぶ。なお、このフッ硝酢酸を用いたエッチングを行う場合は、上述の希フッ酸を用いた酸化層の除去工程を省くこともできる。これらの工程により、シリコン基板100の表面に凹凸形状のテクスチャ構造を形成することができる(図9(a)参照)。
次いで、シリコン基板100と同じ導電型を付与する不純物をシリコン基板100の受光面とは逆側となる裏面の表層に拡散させて、不純物領域130を形成する(図9(b)参照)。n型の導電型を有するシリコン基板100を用いた場合、n型を付与する不純物としては、リン、ヒ素、アンチモンなどがあり、例えば、シリコン基板100をオキシ塩化リン雰囲気中で800℃以上900℃以下の温度で熱処理することにより、リンをシリコン基板の表面から0.5μm程度の深さに拡散させることができる。
不純物領域130の形成は、受光面とは逆の裏面にのみ形成する。このため、受光面側に不純物を拡散させないようにするには、受光面側を無機絶縁膜などの耐熱性材料でマスクし、不純物領域130形成後に該マスクを取り除く工程を行えばよい。または、表面、裏面ともに不純物を拡散させて不純物領域を形成して、裏面側をマスクし、受光面側の不純物層をエッチング処理して取り除いてもよい。
次いで、適切な洗浄の後、受光面となるシリコン基板100の面上にシリコン基板100とは逆の導電型である酸化物半導体層110を形成する(図9(c)参照)。ここでは、酸化物半導体層110として、酸化モリブデン膜を用いる。
酸化モリブデン膜の作製方法は、実施の形態1で説明した方法を参照することができる。
次に、不純物領域130上に第2の電極190を形成する(図10(a)参照)。第2の電極190には、銀、アルミニウム、銅などの低抵抗金属や、インジウム錫酸化物、珪素を含むインジウム錫酸化物、亜鉛を含む酸化インジウム、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛、アルミニウムを含む酸化亜鉛、酸化錫、フッ素を含む酸化錫、アンチモンを含む酸化錫、またはグラフェン等の導電性膜を、単層または積層して用いることができる。成膜方法は、スパッタ法や真空蒸着法などを用いることができる。または、スクリーン印刷法を用いて、銀ペーストや、銅ペースト、アルミニウムペーストなどの導電性樹脂を供給し、焼成して形成してもよい。
次に、酸化物半導体層110上に透光性導電膜150を形成する(図10(b)参照)。該透光性導電膜には、例えば、インジウム錫酸化物、珪素を含むインジウム錫酸化物、亜鉛を含む酸化インジウム、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛、アルミニウムを含む酸化亜鉛、酸化錫、フッ素を含む酸化錫、アンチモンを含む酸化錫、またはグラフェン等を用いることができる。また、該透光性導電膜は単層に限らず、異なる膜の積層でもよい。例えば、インジウム錫酸化物とアンチモンを含む酸化錫の積層や、インジウム錫酸化物とフッ素を含む酸化錫の積層などを用いることができる。該透光性導電膜はスパッタ法などを用いて形成することができる。膜厚は総厚で10nm以上1000nm以下とすることが好ましい。例えば、透光性導電膜150としてインジウム錫酸化物を用い、光学反射率を下げるために、膜厚は70nmとする。
次に、透光性導電膜150上に第1の電極170を形成する(図10(C)参照)。第1の電極170はグリッド電極であり、銀ペースト、銅ペースト、ニッケルペースト、モリブデンペースト、アルミニウムペーストなどの導電性樹脂を用いて、スクリーン印刷法で供給し、焼成して形成することが好ましい。また、第1の電極170は、銀ペーストと銅ペーストを積層するなど、異なる材料の積層であっても良い。また、導電性樹脂の供給は、ディスペンス法やインクジェット法を用いてもよい。
なお、図9および図10に示した工程順序は、適宜変更してもよい。
以上により、本発明の一態様である光電変換装置を作製することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態、および実施例と自由に組み合わすことができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2とは異なる構造の光電変換装置、およびその作製方法について説明する。なお、実施の形態2と共通する内容については、その詳細を省略する。
図11(a)は、本発明の一態様における光電変換装置の断面図である。該光電変換装置は、シリコン基板200、該シリコン基板の一方の面上に形成された第1のシリコン半導体層201、酸化物半導体層210、透光性導電膜250、および第1の電極270、並びに、該シリコン基板の他方の面上に形成された第2のシリコン半導体層202、第3のシリコン半導体層203、および第2の電極290を含んで構成される。なお、第1の電極270はグリッド電極であり、第1の電極270側が受光面となる。
なお、酸化物半導体層210には、実施の形態1で説明したp型の導電性を有する酸化物半導体層110と同じ材料を用いることができる。例えば、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO(2<y<3))を含有する酸化物半導体を用いればよい。
従来の光電変換装置では、シリコン材料を窓層としていたため、窓層における光吸収は大きな損失となっていた。本発明の一態様では、光電変換装置の窓層として透光性を有する金属酸化物を用いることにより、窓層での光吸収損失が低減し、光吸収領域において効率良く光電変換を行うことできるようになる。
なお、シリコン基板200の表裏に凹凸加工を施した構造を例示しているが、シリコン基板200の表裏のどちらか一方のみに凹凸加工を施した構成であっても良い。凹凸加工によってシリコン基板の表面積が増大するため、上記光学的効果が得られる一方で、表面欠陥の絶対量が増大してしまう。したがって、光学的効果と表面欠陥量のバランスを考慮し、より良好な電気特性が得られるように実施者が構造を決定すればよい。
また、第2の電極290もグリッド電極とし、第3のシリコン半導体層203と第2の電極290との間に透光性導電膜を形成して両面を受光面とする構造としてもよい。
また、第1のシリコン半導体層201を設けずに、シリコン基板200と酸化物半導体層210が直接接する構造としてもよい。本発明の一態様の光電変換装置に用いることのできる酸化物半導体層は、シリコン表面のパッシベーション効果が高く、シリコン基板200と良好な接合を形成することができる。
第1のシリコン半導体層201および第2のシリコン半導体層202には、水素を含む欠陥の少ない半導体層を用いることができ、シリコン基板200の表面の欠陥を終端することができる。該半導体層には、非晶質シリコン半導体を用いることが好ましい。
第1のシリコン半導体層201および第2のシリコン半導体層202には、例えば、i型のシリコン半導体層を用いることができる。また、本実施の形態においては、シリコン基板200にn型のシリコン基板を用いるため、第1のシリコン半導体層201および第2のシリコン半導体層202にはp型のシリコン半導体層を用いることもできる。
なお、本明細書において、i型の半導体とは、フェルミ準位がバンドギャップの中央に位置する所謂真性半導体の他、半導体に含まれるp型若しくはn型を付与する不純物が1×1018cm−3以下の濃度であり、暗伝導度に対して光伝導度が高い半導体を指す。
また、第1のシリコン半導体層201および第2のシリコン半導体層202にp型のシリコン半導体層を用いる場合には、p型のシリコン半導体層を用いることが好ましい。p型シリコン半導体を用いる場合には、該半導体層の暗伝導度を1×10−10S/cm〜1×10−5S/cm、好ましくは1×10−9S/cm〜1×10−6S/cm、さらに好ましくは1×10−9S/cm〜1×10−7S/cmとする。
本実施の形態において、シリコン基板200の導電型はn型であり、酸化物半導体層210の導電型はp型である。したがって、シリコン基板200と酸化物半導体層210との間には、第1のシリコン半導体層201を介したp−n接合が形成される。
また、裏面側に設けられる第3のシリコン半導体層203は、シリコン基板200と同じ導電型で、該シリコン基板よりもキャリア濃度が高い半導体層である。したがって、シリコン基板200と第3のシリコン半導体層203との間には、第2のシリコン半導体層202を介してn−n接合が形成される。つまり、第3のシリコン半導体層203は、BSF層として作用する。BSF層を設けることにより、n−n接合のバンドベンディングによる電位障壁により第2の電極290近傍での少数キャリアの再結合を防止することができる。
なお、第3のシリコン半導体層203の代替として、導電型がn型の透光性導電膜を用いてもよい。該透光性導電膜には、例えば、インジウム錫酸化物、珪素を含むインジウム錫酸化物、亜鉛を含む酸化インジウム、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛、アルミニウムを含む酸化亜鉛、酸化錫、フッ素を含む酸化錫、アンチモンを含む酸化錫、またはグラフェン等を用いることができる。また、透光性導電膜は単層に限らず、異なる膜の積層でも良い。該透光性導電膜は、電界形成層として作用するだけでなく、第2の電極290に到達した光の反射を助長させる効果も有する。
また、本発明の一態様における光電変換装置は、図11(b)に示すような、シリコン基板200と酸化物半導体層210との間に酸化物絶縁層211を有するSIS(Semiconductor−Insulator−Semiconductor)構造であってもよい。
次に、図11(a)に示した光電変換装置の作製方法について、図12および図13を用いて説明する。
本発明の一態様に用いることのできるシリコン基板200には、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いることができる。これらのシリコン基板の製造方法は特に限定されない。本実施の形態においては、MCZ法で製造された(100)面を表面に有するn型の単結晶シリコン基板を用いる例を説明する。
次に、シリコン基板200の表裏にテクスチャ構造を形成するため凹凸加工を行う(図12(a)参照)。凹凸加工の方法については、実施の形態2に示した図9(a)のシリコン基板100を凹凸加工する工程の説明を参照することができる。
次に、適切な洗浄の後、受光面とは逆側となるシリコン基板200の面上にプラズマCVD法を用いて第2のシリコン半導体層202を形成する。第2のシリコン半導体層202の厚さは、3nm以上50nm以下とすることが好ましい。本実施の形態において、第2のシリコン半導体層202はi型の非晶質シリコンであり、膜厚は5nmとする。なお、第2のシリコン半導体層202としては、微結晶シリコンを用いてもよい。また、導電型はi型に限らず、n型であってもよい。
第2のシリコン半導体層202の成膜条件としては、例えば、反応室に流量5sccm以上200sccm以下のモノシランを導入し、反応室内の圧力を100Pa以上200Pa以下、電極間隔を10mm以上40mm以下、カソード電極の面積を基準とする電力密度を8mW/cm以上120mW/cm以下、基板温度を150℃以上300℃以下とすればよい。
次に、第2のシリコン半導体層202上に第3のシリコン半導体層203を形成する(図12(b)参照)。第3のシリコン半導体層203の厚さは3nm以上50nm以下とすることが好ましい。本実施の形態において、第3のシリコン半導体層203はn型の微結晶シリコンまたは非晶質シリコンであり、膜厚は10nmとする。
第3のシリコン半導体層203の成膜条件としては、例えば、反応室にモノシランおよび水素ベースのホスフィン(0.5%)を1:(1〜15)の流量比率で導入し、反応室内の圧力を100Pa以上200Pa以下とし、電極間隔を10mm以上40mm以下とし、カソード電極の面積を基準とする電力密度を8mW/cm以上120mW/cm以下、基板温度を150℃以上300℃以下するとすればよい。
次に、受光面側となるシリコン基板200の面上にプラズマCVD法を用いて第1のシリコン半導体層201を形成する(図12(c)参照)。第1のシリコン半導体層201の厚さは、3nm以上50nm以下とすることが好ましく、本実施の形態において、第1のシリコン半導体層201はi型の非晶質シリコンであり、膜厚は5nmとする。なお、第1のシリコン半導体層201としては、微結晶シリコンを用いてもよい。また、導電型はi型に限らず、p型であってもよい。なお、第1のシリコン半導体層201は、第3のシリコン半導体層203と同様の成膜条件にて形成することができる。
なお、第1のシリコン半導体層201に、p型のシリコン半導体層を用いる場合の成膜条件は、例えば、反応室にモノシラン:水素ベースのジボラン(0.1%)を1:(0.01〜1未満)の流量比率で導入し、反応室内の圧力を100Pa以上200Pa以下、電極間隔を10mm以上40mm以下、カソード電極の面積を基準とする電力密度を8mW/cm以上120mW/cm以下、基板温度を150℃以上300℃以下とすればよい。
なお、本実施の形態において、第1のシリコン半導体層201、第2のシリコン半導体層202、および第3のシリコン半導体層203の成膜に用いる電源には周波数13.56MHzのRF電源を用いるが、27.12MHz、60MHz、または100MHzのRF電源を用いても良い。また、連続放電だけでなく、パルス放電にて成膜を行っても良い。パルス放電を行うことで、膜質の向上や気相中で発生するパーティクルを低減することができる。
次に、第1のシリコン半導体層201上に酸化物半導体層210を形成する(図13(a)参照)。酸化物半導体層210の形成方法については、実施の形態1で説明した酸化モリブデン膜の作製方法を参照することができる。本実施の形態において、酸化物半導体層210には、p型の酸化モリブデン膜を用い、膜厚は1〜100nmとする。なお、酸化物半導体層210は、第1のシリコン半導体層201よりもキャリア濃度が高くなるように形成する。
次に、酸化物半導体層210上に透光性導電膜250を形成する(図13(b)参照)。透光性導電膜250の厚さは10nm以上1000nm以下とすることが好ましい。透光性導電膜250については、実施の形態2に示した図10(b)の透光性導電膜150を形成する工程の説明を参照することができる。例えば、透光性導電膜250としてインジウム錫酸化物を用い、光学反射率を下げるため、膜厚は70nmとする。
なお、シリコン基板200の表裏に設ける膜の形成順序は、上記の方法に限らず、図13(b)に示した構造が形成できればよい。例えば、第2のシリコン半導体層202を形成し、その次に第1のシリコン半導体層201を形成してもよい。
次に、第3のシリコン半導体層203上に第2の電極290を形成する。第2の電極290には、銀、アルミニウム、銅などの低抵抗金属を用いることができ、スパッタ法や真空蒸着法などで形成することができる。または、スクリーン印刷法を用いて、銀ペーストや、銅ペーストなどの導電性樹脂で形成しても良い。
次に、透光性導電膜250上に第1の電極270を形成する(図13(c)参照)。第1の電極270はグリッド電極であり、銀ペースト、銅ペースト、ニッケルペースト、モリブデンペーストなどの導電性樹脂を用いて、スクリーン印刷法で形成することが好ましい。また、第2の電極290は、銀ペーストと銅ペーストを積層するなど、異なる材料の積層であっても良い。
以上により、本発明の一態様である酸化物半導体層を窓層に用いた光電変換装置を作製することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態、および実施例と自由に組み合わすことができる。
本実施例では、実施の形態において説明した酸化モリブデン膜の作製方法を用いて作製した酸化モリブデン膜(MoO+MoO(2<y<3))に関して説明する。
実施の形態において詳細を説明した方法に従って酸化モリブデン膜を作製し、光学特性および結合状態を調べた。
出発材料であるMoOには、高純度化学研究所社製三酸化モリブデン粉末(4N MOO03PB)、還元剤には金属チタン粉末(3N)を用い、乳鉢で両者を混合し、混合物を作製した。なお、三酸化モリブデン粉末と金属チタン粉末の比率は、2:1とした。該混合物を予備還元の焼成無し(図1のS102の工程無し)でフルウチ化学社製タングステンボート(BB−3)に入れ、1×10−4Pa以下の真空下で抵抗加熱によって気化し、シリコンウェハ上に50nmの酸化モリブデン膜(サンプルA)を形成した。また、還元剤を含まない材料(三酸化モリブデン粉末のみ)を用いて上記同様の方法でシリコンウェハ上に50nmの酸化モリブデン膜(サンプルB)を作製した。
図4(A)、(B)、(C)は、サンプルAおよびサンプルBの光吸収係数、屈折率、および消衰係数である。これらに大きな違いはなく、サンプルAおよびサンプルBの光学特性はほぼ同等であることがわかる。
MoO+MoO(2<y<3)に含まれるMoOと、MoO(2<y<3)との割合は、XPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)にて、内殻準位Mo3dを調べることで判明する。ここで割合とは、MoOの結合を有するMo元素と、MoO(2<y<3)の結合を有するMo元素との比率を意味する。
図5は、サンプルAおよびサンプルBについて、入射エネルギー1486.6eV(X線源 単色化Al)、取出角45°で測定した内殻準位Mo3d付近のXPSスペクトルである。
モリブデンの内殻準位Mo3d5/2の束縛エネルギーのピーク位置が約227.9eV、二酸化モリブデン(MoO)のMo3d5/2が約229.6eV、三酸化モリブデン(MoO)のMo3d5/2が約232.8eVであることが知られている。したがって、XPSのMo3d5/2のピーク位置(ケミカルシフト)により酸化モリブデン膜の組成を特定することができる。
図5に示したXPSスペクトルにおいて、Mo3d5/2のピーク位置は232.8eVほどのところにあり、サンプルA、サンプルBともに主成分は三酸化モリブデン(MoO)であることがわかる。
また、各サンプルの酸化モリブデン膜には、XPSピーク形状から三酸化モリブデン(MoO)以外の成分が含まれていることがわかる。各サンプルのスペクトルのピーク分離により、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO(2<y<3))の成分が含まれていることが判明している。なお、二酸化モリブデン(MoO)の成分はほとんど含まれない。
XPSのピーク強度は、組成の割合、元素密度に比例する。したがって、酸化モリブデン膜に含まれるMoOと、MoO(2<y<3)との割合は、MoO成分を示すピークとMoO(2<y<3)成分を示すピークの積算強度の割合を調べることによって特定することができる。サンプルAのXPSスペクトルから読み取れるMoO(2<y<3)の割合は約13%、サンプルBでは約9%である。
酸化モリブデン膜のp型化には、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO(2<y<3))が含まれることが寄与する。図6にXPSにて測定した、サンプルAおよびサンプルBの価電子帯の状態を表すスペクトルを示す。図6のXPSスペクトルは、入射エネルギー1486.6eV(X線源 単色化Al)、取出角45°で測定した価電子帯付近のスペクトルであり、束縛エネルギーはフェルミ準位(E)を基準としたエネルギーである。
価電子帯のXPSスペクトルは、価電子帯の状態密度に比例したピーク強度を有する。図6に示した束縛エネルギー1.7eV付近のピークは、ギャップ準位のピークである。また、束縛エネルギー3.5eV以上にみられるピークは、MoOを主とするバルクからのピークである。
図6に示したように、酸化モリブデン膜中に含まれるMoO(2<y<3)の割合が多い方が、ギャップ準位のピーク強度が高くなる。また、MoO(2<y<3)の割合が多いほど、ギャップ準位で構成されるエネルギーバンドとフェルミ準位(E)間のエネルギーが近づき、よりp型の導電型を有しやすくなる。
ギャップ準位は、XPSで観測されることから電子で満たされているといえる。図6中に示されていない伝導帯は、電子が詰まっていないためXPSでは観測されない。しかし、フェルミ準位(E)は、伝導帯と電子の詰まったギャップ準位間に存在している。伝導帯とギャップ準位間で、熱的に、または光照射下の平衡状態において同数のキャリアが励起されていれば、ギャップ準位よりバルクの準位である伝導帯の状態密度が高いことから、フェルミ準位(E)は、ギャップ準位側に近づいていることになるといえる。また、ギャップ準位は、XPSで観測されるほど状態密度が高く、これがホールを伝導する価電子帯のエネルギーバンドの一つとして振る舞うことで、p型の導電型を有することができる。したがって、ギャップ準位の状態密度を増やすことに寄与するMoO(2<y<3)を含有する酸化モリブデン膜はp型の導電型を示すことができる。
図5に示した酸化モリブデン膜中に含まれるMoO(2<y<3)の成分割合と、図6に示した価電子帯中の束縛エネルギー1.7eV付近のギャップ準位のXPSピーク強度の積分値は、図7のような相関関係を有している。なお、図7のグラフには、MoO(2<y<3)の成分割合が異なる複数の酸化モリブデン膜から得られたデータも含まれる。また、MoOおよびMoO(2<y<3)を含む酸化モリブデン膜がp型の導電型を有するには、素子の整流性確認実験よりMoO(2<y<3)を含有する割合を4%以上とすることが好ましいことがわかっている。
以上により、本発明の一態様を用いることで、MoO(2<y<3)の割合が多く、高濃度のキャリアを有するp型の酸化モリブデン膜が形成できることが示された。
本実施例は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
100 シリコン基板
110 酸化物半導体層
111 酸化物絶縁層
130 不純物領域
150 透光性導電膜
170 第1の電極
190 第2の電極
200 シリコン基板
201 シリコン半導体層
202 シリコン半導体層
203 シリコン半導体層
210 酸化物半導体層
211 酸化物絶縁層
250 透光性導電膜
270 第1の電極
290 第2の電極

Claims (7)

  1. 三酸化モリブデン(MoO)および還元剤の第1の混合物を減圧下において加熱して前記三酸化モリブデンの一部を還元して前記三酸化モリブデン及び二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO (2<y<3))の第2の混合物を作製し
    前記第2の混合物を気化させて、前記第2の混合物を有する膜を基板上に形成することを特徴とするp型半導体材料の作製方法。
  2. 三酸化モリブデン(MoO)および還元剤の第1の混合物を加熱して前記三酸化モリブデンの一部を還元して前記三酸化モリブデン及び二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO (2<y<3))の第2の混合物を作製し
    前記第2の混合物を減圧下において加熱して気化させ、前記第2の混合物を有する膜を基板上に形成することを特徴とするp型半導体材料の作製方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記還元剤は、チタン、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、イットリウム、マンガン、ハフニウム、タングステン、モリブデン、シリコンの中から選ばれた一つ以上の材料であることを特徴とするp型半導体材料の作製方法。
  4. n型の導電型を有するシリコン基板の一方の面に前記シリコン基板よりもキャリア濃度の高いn型の導電型を有する領域を形成し、
    前記n型の導電型を有する領域上に第2の電極を形成し、
    前記シリコン基板の他方の面に、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO(2<y<3))が含有された酸化モリブデン膜を形成し、
    前記酸化モリブデン膜上に透光性導電膜を形成し、
    前記透光性導電膜上に第1の電極を形成することを特徴とする光電変換装置の作製方法。
  5. n型の導電型を有するシリコン基板の一方の面に、i型またはn型の導電型を有し前記シリコン基板よりもキャリア濃度の低い第1の半導体層を形成し、
    前記第1の半導体層上に、n型の導電型を有し前記シリコン基板よりもキャリア濃度の高い第2の半導体層を形成し、
    前記第2の半導体層上に第2の電極を形成し、
    前記シリコン基板の他方の面に、i型またはp型の導電型を有する第3の半導体層を形成し、
    前記第3の半導体層上に、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO(2<y<3))が含有された酸化モリブデン膜を形成し、
    前記酸化モリブデン膜に透光性導電膜を形成し
    前記透光性導電膜上に第1の電極を形成することを特徴とする光電変換装置の作製方法。
  6. 請求項またはにおいて、
    前記酸化モリブデン膜は、三酸化モリブデン(MoO)および還元剤の第1の混合物を減圧下において加熱して前記三酸化モリブデンの一部を還元して前記三酸化モリブデン及び二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO (2<y<3))の第2の混合物を作製し
    前記第2の混合物を気化させることによって形成することを特徴とする光電変換装置の作製方法。
  7. 請求項またはにおいて、
    前記酸化モリブデン膜は、三酸化モリブデン(MoO)および還元剤の第1の混合物を加熱して前記三酸化モリブデンの一部を還元して前記三酸化モリブデン及び二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデンの中間組成を有する酸化モリブデン(MoO (2<y<3))の第2の混合物を作製し
    前記第2の混合物を減圧下において加熱して気化させることによって形成することを特徴とする光電変換装置の作製方法。
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