JP5818962B2 - 能動式電気吸着清掃 - Google Patents

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Description

関連出願への相互参照
本出願は、あらゆる目的のために、その全体を参照によって本明細書に組み込まれる、2011年3月23日に出願された、発明の名称を「ELECTROADHESIVE CLEANING METHOD AND APPARATUS(電気吸着清掃方法及び装置」とする米国仮特許出願第61/466,907号に基づく優先権を主張する。
本発明は、総じて、電気吸着及びその他の静電の応用に関し、特に、異物を清掃する又はそれ以外の形で処理するために電気吸着を使用することに関する。
あらゆるタイプの家庭環境、商業環境、産業環境のなかで床及び表面を清掃するものとして、ふきん、スポンジ、ブラシ、ほうき、モップ、はたき、掃除機などの清掃器具が一般によく知られ、広く使用されている。このような器具は、室内及び室外の両方の場の清掃に使用することができ、更に、熊手、芝刈り機、送風機などの従来の室外用道具は、その他の数々の場においても様々な応用性を有する。これらの器具及び道具の多くは、活用するためにはかなりの肉体的労力(手作業)を要し、したがって、この点に関してユーザを補助するために、このような清掃器具の多くでは、長年にわたり、多種多様な動力の実装、機能、及びその他の改良が提供されてきた。
提供された機能のうち、様々な清掃器具にとって有用であったものは、静電気の使用を伴ってきた。例えば、帯電式又は静電式はたきは、少しの電荷を用いて住居清掃応用及びその他の室内清掃応用における埃及びその他の小粒子の除去を補助するものとして、よく知られている器具である。このような少しの電荷は、一般的に、清掃されている物体などの別の物体の表面に幾千本もの細い繊維又は毛が触れる又はその他の形で表面沿いを移動することによって生成される。このような応用は、埃及びその他の小粒子に対しては有用であるが、このような静電式はたきによって生成される小さい静電気力は、多くの場合、大きな粒状アイテムを清掃する又はその他の形で除去するには不十分である。当然ながら、極端に大きい電気力の使用は、対処を必要とする安全上の問題を提示する可能性が高いだろう。
あいにく、埃取り及び清掃の応用における従来の小さい静電力の使用は、静電力に対する制御が欠如している、清掃されている粒子又は物体を区別できない、及び電荷を帯びた要素の清掃が難しい又は時間がかかる又はそうでなければ残留してしまう傾向があるなどの、更なる欠点をも有する恐れがある。この最後の欠点は、多くの場合、より頻繁なコンポーネント又は器具の交換を必要にするかもしれず、これは、このような器具の使用の全体費用を大幅にかさませる恐れがある。
多くの清掃器具及び方法は、総じてこれまでも十分に機能してきたが、改良を求める声は、常にある。特に、より多様なアイテムを、より違いの判る制御された安全なやり方で清掃する大きい電気力を用いることができる清掃器具及び方法が、望まれている。
本発明の利点は、より短い時間で且つより少ない付随する肉体的労力で、より優れた清掃を可能にする、改良された清掃器具及び方法を提供することにある。このような改良された器具及び方法は、より多様なアイテムを、より識別力のある制御された安全なやり方で清掃する大きい電気力を用いることができることが好ましい。特に、制御された能動式電気吸着の使用は、このような器具及び方法による清掃の改良を促すことができる。
本発明の様々な実施形態では、能動式電気吸着清掃器具又はシステムを、汚れた領域から1つ以上の異物を除去のような清掃に適応させることができる。器具又はシステムは、入力電圧から1つ以上の電気吸着力を生じさせるように適応された1つ以上の電極と、ユーザ入力を受け取り、そのユーザ入力による入力電圧の制御を促すように(そのユーザ入力による入力電圧を制御させるように)適応された1つ以上の入力コンポーネントと、(1つ以上の)電極に近接して及び/又はその末端に配置され、清掃されるべき1つ以上の異物と相互作用するように構成されている少なくとも1つの相互作用表面とを含むことができる。清掃されるべき各異物に対し、対応する個別の電気吸着力を生成することができ、このような各電気吸着力は、その対応する異物を相互作用表面に又は清掃器具上のどこかに適切に吸着させることができる。1つ以上の相互作用表面は、そこに(1つ以上の)異物が吸着されるように(1つ以上の)電気吸着力を通過させるように構成することができる。また、(1つ以上の)相互作用表面は、(1つ以上の)電気吸着力が制御可能に変更されたときなどに、そこからの(1つ以上の)異物の容易な除去を促すように更に適応させることができる。このような変更は、(1つ以上の)電気吸着力の低減、排除、又は逆転であることができる。(1つ以上の)異物は、必ずしも(1つ以上の)電気吸着力を変更させなくても、例えば、(1つ以上の)相互作用表面に接触する埃取りブラシ、相互作用表面上の埃を自身に引き付ける非接触式静電板、アイテムを洗い流す若しくは吹き飛ばす流体ジェット、又は相互作用表面から埃を吸い取る局所的真空によって提供されるような、機械的な力を使用するなどによって、物理的に除去することもできる。
様々な詳細な実施形態では、(1つ以上の)異物として、埃、汚れ、小石、パンくず、毛髪、生ごみ、及び/又は清掃されるべきその他の粒状物質が挙げられる。一部の実施形態では、相互作用表面は、複数の細毛、複数のフラップ(折り返し)、1つ以上の軽量の吸着剤、並びに/又は柔らかい材料、粘着性材料、織物材料、繊維材料、布材料、プラスチック材料、及び/若しくはその他の適切な材料などの、多様な材料のうちの、任意を含むことができる。一部の実施形態では、相互作用表面の少なくとも一部分が、変形可能表面を構成することができ、したがって、電気吸着力が加えられたときに、変形可能表面の一対応部分は、異物の少なくとも1つに接近することができる。
様々な実施形態では、能動式電気吸着清掃器具又はシステムは、1つ以上の入力コンポーネントに及び1つ以上の電極に結合された能動電源を含むことができ、この能動電源は、1つ以上の電極への入力電圧の提供を促すように適応されることが好ましい。また、一部の実施形態は、相互作用表面に結合された1つ以上のコントローラであって、清掃されるべき(1つ以上の)異物が位置している異質表面を横切るように能動式電気吸着道具又はシステムを移動させるように動作可能である1つ以上のローラを含むことができる。このような構成では、(1つ以上の)相互作用表面は、1つ以上のローラの回転運動に伴い移動する連続した軌道として構成することができる。
一部の実施形態では、1つ以上の除去コンポーネントを、汚れた領域から1つ以上の異物が離された後にその1つ以上の異物を相互作用表面から除去することを促すように適応させることができる。このような除去コンポーネントの場合は、例えば、制御可能に電荷が逆転されたときに1つ以上の反発力が1つ以上の異物を能動式電気吸着清掃器具から適切に反発させるように、(1つ以上の)電極を1つ以上の逆極性パルスを集合的に生じさせるように更に適応させることができる。
詳述される一部の実施形態では、電極は、パターン配置された逆帯電可能な複数の電極を含むことができる。このようなパターンは、異なる複数のピッチを有する噛み合わせパターン又は部分を伴うことができる。このような異なるピッチは、相応して異なるサイズの異物を清掃するように適応させることができ、噛み合わせ電極パターンは、異なる複数のピッチを選択的に作動させるように動作可能であることができる。このようにすれば、清掃されるべき異物のサイズをユーザ入力などによって指定することができる。一部の実施形態では、1つ以上のセンサを相互作用表面に結合し、そこに吸着された異物の量を検出するように適応させることができる。このようなセンサは、場合によっては、相互作用表面からの特定の物質の除去を補助するために使用することができる。あるいは又は加えて、このようなセンサは、(1つ以上の)相互作用表面を徹底的に清掃する又は交換するときだということをユーザに対して示すことができる。
詳述される尚も更なる実施形態では、器具又はシステムは、相互作用表面に近接して位置決めされたたイオン電荷散布器であって、(1つ以上の)対応する電気吸着力の少なくとも一部分が(1つ以上の)異物上にイオン電荷が存在する結果としてもたらされるように(1つ以上の)異物に複数のイオン電荷を噴き付けるように適応されたイオン電荷散布器を含むことができる。このような実施形態では、厳密に1つの電極を使用することができ、その厳密に1つの電極は、複数のイオン電荷とは逆の極性の電荷を帯びるように適応される。
尚も更なる実施形態では、1つ以上の異物を物理的に清掃する様々な方法が提供される。このような方法は、例えば、汚れた領域から複数の異物を清掃することを伴うことができる。プロセス工程は、汚れた表面付近に位置する複数の異物のそれぞれに相互作用表面を接触させることと、相互作用表面に近接して位置付けられた1つ以上の電極に制御された静電吸着電圧を印加することと、複数の異物のそれぞれを対応する静電引力を介して相互作用表面に吸着させることと、相互作用表面を、そこに複数の異物が吸着された状態のままで汚れた表面から遠ざけることと、制御された方法で静電吸着電圧を変更することと、静電吸着電圧が変更された後に、相互作用表面から複数の異物を除去することとを含むことができる。上記と同様に、静電吸着電圧は、汚れた表面付近に位置する複数の異物のそれぞれに対して相互作用表面の少なくとも一部分を通じて対応する個別の静電引力を生成するのに十分であることが好ましい。一部の実施形態では、汚れた表面は、清掃されるべき地面、床、壁、又はその他の関連の表面であることができる。一部の実施形態では、静電吸着電圧を変更する工程は、電圧の極性を逆転させることを含むことができる。このような特徴は、望ましい時点で相互作用表面から制御方式で(1つ以上の)異物を反発させることができる。
以下の図面及び詳細な説明を吟味することによって、当業者にならば、本発明のその他の装置、方法、特徴、及び利点が明らかである又は明らかになる。このような更なるシステム、方法、特徴、及び利点は、全て、本説明に含まれること、本発明の範囲内であること、及び添付の特許請求の範囲によって保護されることを意図している。
本出願に含められた図面は、例示を目的としたものであり、開示された本発明の能動式電気吸着清掃器具、システム、及び方法として考えられる構造及び配置の例を提供する役目を果たしているに過ぎない。これらの図面は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく当業者によって本発明に対してなされうる形態及び詳細に対するいかなる変更も、決して制限することはない。
代表的な電気吸着器具を示す側断面図である。
異物に吸着された図1Aの代表的な電気吸着器具を示す側断面図である。
吸着された代表的な電気吸着器具における電極間の電圧差の結果として図1Bの異物内に発生した電界を示す拡大側断面図である。
1つの電極を有する代表的な1対の電気吸着把持表面又は器具を示す側断面図である。
電圧を印加された図2Aの代表的な1対の電気吸着把持表面又は器具を示す側断面図である。
上面及び底面に電極をパターン形成されたシートの形態をとる代表的な電気吸着把持表面を示す上面斜視図である。
片面に電極をパターン形成されたシートの形態をとる代替の代表的な電気吸着把持表面を示す上面斜視図である。
異物上の粗い表面の形状に適合する変形可能な電気吸着器具を示す通常の及び拡大された側断面図である。
構造又は異物の表面上に接触された初期における、変形可能な電気吸着器具の表面を示す部分側断面図である。
初期の静電引力及びコンプライアンスゆえに電気吸着器具が幾らか変形した後における、図4Bの電気吸着器具の表面形状及び異物の表面を示す部分側断面図である。
本発明の一実施形態に従う、複数の小さな異物が吸着された代表的な電気吸着器具を示す側断面図である。
本発明の一実施形態に従う、電力供給をオフにされた状態の代表的な能動式電気吸着清掃パッドを示す正面斜視図である。
本発明の様々な実施形態に従う、電力供給をオンにされ且つ様々な種類の粒状物質が吸着されている状態の図6Aの代表的な能動式電気吸着清掃パッドを示す正面斜視図である。 本発明の様々な実施形態に従う、電力供給をオンにされ且つ様々な種類の粒状物質が吸着されている状態の図6Aの代表的な能動式電気吸着清掃パッドを示す正面斜視図である。 本発明の様々な実施形態に従う、電力供給をオンにされ且つ様々な種類の粒状物質が吸着されている状態の図6Aの代表的な能動式電気吸着清掃パッドを示す正面斜視図である。 本発明の様々な実施形態に従う、電力供給をオンにされ且つ様々な種類の粒状物質が吸着されている状態の図6Aの代表的な能動式電気吸着清掃パッドを示す正面斜視図である。
本発明の一実施形態に従う、相互作用表面に沿って毛又は繊維を有する代表的な能動式電気吸着清掃器具を示す側面図である。
本発明の一実施形態に従う、相互作用表面に沿って複数の可変長フラップを有する代表的な能動式電気吸着清掃器具を示す側面図である。
本発明の一実施形態に従う、適切な相互作用表面に対して使用するための代表的な碁盤の目状タイプの電極パターンを示す上平面図である。
本発明の一実施形態に従う、交互に帯電された構成を有する図8Aの代表的な碁盤の目状タイプの電極パターンを示す上平面図である。
本発明の一実施形態に従う、適切な相互作用表面に対して使用するための代表的な噛み合わせ電極パターンを示す上平面図である。
本発明の一実施形態に従う、図9Aのパターンの複数の反復を組み入れた代表的な噛み合わせ電極パターンを示す上平面図である。
本発明の一実施形態に従う、図9Bのパターンの複数の反復を組み入れた拡張電極パターンを有する能動式電気吸着清掃器具の代表的な相互作用表面を示す上平面図である。
本発明の一実施形態に従う、代表的な走路ベースの能動式電気吸着清掃器具を示す側面斜視図である。
本発明の一実施形態に従う、イオン電荷散布器を有する代替の代表的な走路ベースの能動式電気吸着清掃器具を示す側面斜視図である。
本発明の一実施形態に従う、代表的なコンベヤベルトベースの能動式電気吸着清掃システムを示す側面図である。
本発明の一実施形態に従う、複数の異物を清掃する代表的な方法を示すフローチャートである。
本発明の一実施形態に従う、相互作用表面を再利用することを伴う代表的な能動式電気吸着清掃方法を示すフローチャートである。
ここでは、本発明に従う装置及び方法の代表的な応用が説明される。これらの例は、前後関係を追加する及び本発明の理解を助けるためにのみ提供されている。したがって、当業者にならば、本発明がこれらの具体的詳細の一部又は全部を伴わずとも実施されてよいことが明らかである。また、本発明を不必要に不明瞭にする事態を回避するために、周知のプロセス工程の詳細な説明は省略されている。その他の応用が可能であり、したがって、以下の例は、限定的なものとみなされるべきでない。
以下の詳細な説明では、本発明の一部を構成しており尚且つ本発明の具体的な実施形態を例として示されている添付の図面が参照される。これらの実施形態は、当業者が本発明を実行に移すことを可能にする十分な詳細さで説明されているが、これらの例は、限定的なものではなく、その他の実施形態がなされてよいこと、並びに本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく変更がなされてよいことが理解される。
様々な実施形態において、本発明は、能動式静電清掃応用を伴う道具、システム、及び方法に関する。様々な特定の実施形態において、対象とされる清掃器具、システム、又は方法は、実電源と、清掃対象とされる1つ以上の粒子又はその他の異物に対して特定の且つ制御可能な電気吸着力を生じるように配置された1つ以上の電極とを含む、能動式電気吸着コンポーネントを用いることができる。「能動式」という用語は、総じて、従来の静電式はたき及びその他の類似物品によって元来生成され且つそのような物品の特徴でもある静電気による貼り付きが持つ、総じて制御不能で且つ通常は低帯電性である性質と異なり、より制御され、電源をベースとし、且つ/又はより強力な/高帯電性である、電気吸着原理及び静電原理の応用を言う。
本明細書で開示される様々な例は、具体的な電気吸着応用の特定の態様に着目しているが、本明細書で開示される様々な発明原理及び実施形態は、その他の静電応用及び構成にも同様に適用可能であることが理解される。例えば、1枚以上の静電的に帯電されたシートを伴う電気積層応用は、同じタイプの電極と、粒子及びその他の異物を清掃する及びその他の形で制御するための一般的な静電原理とを用いることができる。更に、本明細書で説明される特定の応用は、電気吸着力によって粒子及びその他のアイテムを清掃する又は処理することに適用されているが、そのために本明細書で提供されている様々な電極及び材料は、このような環境に必ずしも限定されないその他の多様な応用でも使用可能であることが容易にわかる。
考えられる実施形態に関する様々な詳細を提供するにあたり、以下の開示は、先ず、電気吸着に関して論じ、次いで、静電特性について簡単に説明し、次いで、能動式電気吸着清掃器具及びその方法についての様々な詳細を提供する。能動式電気吸着清掃システムを動作させる特定の方法が、次いで、提供される。
電気吸着
本明細書で使用される「電気吸着」という用語は、静電力を使用して2つの物体を機械的に結合させることを言う。電気吸着は、本明細書で説明されるように、これらの静電力の電気的制御を使用して2つの物体同士が一時的に且つ分離可能に付着することを可能にする。この静電吸着は、これらの物体の2つの表面を合わさった状態に保持する、すなわち、印加された電界によって形成される静電力ゆえに2つの表面間の牽引力すなわち摩擦を増加させる。静電クランプは、従来、高絶縁性の材料によって隔てられた平坦で滑らかで総じて導電性の2つの表面を合わさった状態に保持することに限られていたが、本明細書で提供される様々な実施形態は、電気吸着力及処理を受ける物体の材料特性、曲率、サイズ、又は表面粗さを限定しない電気吸着器具及び技術を伴うことができる。更に、本明細書で提供される様々な例及び議論は、概して、粒子又はその他の異質アイテムを清掃器具に静電的に吸着させることに関わっているが、開示された実施形態には、多くのその他のタイプの静電応用の使用も総じて含まれてよいことも理解される。例えば、電気積層構成又はその他のタイプの構成などにおいて、同じ器具の2つのコンポーネントが静電的に吸着されてもよい。
まず、図1Aを見ると、代表的な電気吸着器具が、立断面図で示されている。電気吸着器具10は、その「電気吸着把持表面」11に又はその「電気吸着把持表面」11の近くに配置されている1つ以上の電極18と、電極18と裏当て24又はその他の支持構造コンポーネントとの間の絶縁材料20とを含む。例示を目的として、電気吸着器具10は、3つの対をなす6つの電極を有するものとして示されているが、所与の電気吸着器具では、これよりも少ない又は多い電極も使用可能であることが容易にわかる。所与の電気吸着器具で1つの電極のみが使用される場合は、それと併せて、少なくとも1つの逆極性電極を有する相補的な電気吸着器具が使用されることが好ましい。サイズに関しては、電気吸着器具10は、実質的に、規模による影響を受けない。すなわち、電気吸着器具のサイズは、表面積にして、1平方センチメートル未満から数平方メートル以上の範囲に及んでいてよい。更に大きい又は小さい表面積も可能であり、所与の応用における必要に応じてサイズ決定されてよい。
図1Bは、異物14に吸着されたた図1Aの代表的な電気吸着器具10を立断面図で示している。異物14は、表面12と、内部材料16とを含む。電気吸着器具10の電気吸着把持表面11は、異物14の表面12にあてがわれる、又は異物14の表面12の近くに配置される。次いで、電極18と電気的に通信している外部の制御電子装置(不図示)を使用して、電極18を介して静電吸着電圧が印加される。図1Bに示されるように、静電吸着電圧は、隣り合う電極18に対して互いに違いに正電荷と負電荷とを使用する。電極18間の電圧差の結果、1つ以上の電気吸着力が形成され、この電気吸着力は、電気吸着器具10と異物14とを互いに対して保持する働きをする。加えられる力の性質ゆえに、電気吸着器具10と異物14との間に実際の接触は不要であることが容易にわかる。例えば、電気吸着器具10と異物14との間には、1枚の紙、薄膜、又はその他の材料若しくは基板が配されてよい。更に、本明細書では、電気吸着器具と異物との間の相互作用を意味するものとして、「接触」という用語が使用されているが、表面どうしの直接的な接触が必ずしも常に必要とは限らないことが理解され、したがって、電気吸着把持表面と異物との間には、絶縁体などの1つ以上の薄い物体を配置することができる。実施形態次第で、把持表面と異物との間のこのような絶縁体は、器具の一部であってもよいし、又は別個の物品若しくは器具であってもよい。
図1Cは、吸着された代表的な電気吸着器具10における電極間の電圧差の結果として図1Bの異物内に発生した電界を、拡大された立断面図で示している。電気吸着器具10が異物14にあてがわれ、静電吸着電圧が印加されている間に、異物14の内部材料16の中に、電界22が発生する。電界22は、内部材料16を局所的に分極させる、すなわち器具の電極18上の電荷とは反対の直流電荷(直接電荷)を材料16上に局所的に誘導し、そうして、電極18(及び器具10全体)と、異物14上の誘導電荷との間に静電吸着を生じさせる。誘導電荷は、誘電分極の結果として生じてもよいし、又は弱伝導性の材料と、電荷の静電誘導とから生じてもよい。内部材料16が、例えば銅などの強い導体である場合は、誘導電荷は、電界22を完全に打ち消すだろう。この場合は、内部電界22はゼロであるが、それでも尚、誘導電荷は形成され、器具10に静電力を提供する。繰り返し述べるが、材料16が銅又はその他の強い導体である場合は、器具10と異物14との間に絶縁体が提供されてもよい。
したがって、静電吸着電圧は、電気吸着器具10と、異物14の表面12下の内部材料16との間に全体的静電力を提供し、この静電力は、異物の表面に相対的に電気吸着器具の現行位置を維持する。全体的静電力は、異物14にかかる重力に打ち勝つのに十分であってよく、したがって、電気吸着器具10は、異物を高く持ち上げるために使用されてよい。様々な実施形態では、物体に対して更なる静電力が提供されるように、複数の電気吸着器具が異物14にあてがわれてよい。更に、異物は、全ての寸法又は任意の寸法が電気吸着器具よりも大きい必要はなく、具体的には、異物は、一部の実施形態では、電気吸着器具よりも大幅に小さくてよいと考えられる。静電力の組み合わせは、異物を持ち上げる、動かす、ピック・アンド・プレースする(拾い上げて運んで下ろす)、又はその他の形で処理するのに十分であってよい。電気吸着器具10は、また、その他の構造に付着されて、それらの追加構造を高く持ち上げてもよいし、又は垂直摩擦力を増加させるために、傾斜した若しくは滑りやすい表面に対して使用されてもよい。
電極18からの静電吸着電圧の排除は、電気吸着器具10と、異物14の表面12との間の静電吸着力を無くならせる。したがって、電極18間に静電吸着電圧がかかっていないときは、電気吸着器具10は、より容易に表面12に相対的に動くことができる。この条件は、静電吸着電圧が印加される前後に電気吸着器具10が動くことを可能にする。優れた制御された電気的作動及び作動停止は、電力消費を比較的少量に抑えつつ、例えば約50ミリ秒未満の応答時間のような迅速な吸着及び分離を可能にする。多くの応用では、長めの解放時間が有益なこともある。
電気吸着器具10は、絶縁材料20の外表面11上に、電極18を有している。この実施形態は、様々な異物14の絶縁性及び弱伝導性内部材料16に制御して付着させるのによく適している。電極18と絶縁材料20との間における他の電気吸着器具10が考えられ、また、伝導性材料を含む更に広範囲の材料と使用され得る。例えば、表面12が金属物体上である場合は、電極の表面上に、薄い電気絶縁材料(不図示)を位置付けることができる。容易にわかるように、表面11と表面12との間の距離が短いほど、それら物体間の電気吸着力が強くなる。したがって、異物14の表面12に少なくとも部分的に適合するように適応された変形可能表面11を使用することができる。
本明細書で使用される静電吸着電圧という用語は、電気吸着器具10を異物14に結合させるのに適した静電力を生じさせる電圧を言う。電気吸着器具10に必要とされる最小の電圧は、電気吸着器具10のサイズ、電極18の材料伝導度及び間隔、絶縁材料20、異物14のサイズ、異物材料16、埃、その他の微粒子、又は水分など電気吸着を乱れさせるものの存在、電気吸着力によって支えられる物体の重さ、電気吸着器具のコンプライアンス、異物の誘電特性及び抵抗特性、並びに電極と異物表面との間の関連の隙間などの、数々の要因に応じて変化する。一実施形態では、静電吸着電圧は、電極18間に、約500ボルトから約15キロボルトまでの間の差動電圧を含む。ミクロ規模の応用では、更に低い電圧が使用されてよい。一実施形態では、差動電圧は、約2キロボルトから約5キロボルトまでの間である。1つの電極に対する電圧は、ゼロであってよい。隣り合う電極18に対し、正電荷と負電荷とが交互に印加されてもよい。1つの電極にかかる電圧は、時間とともに変化してよく、具体的には、異物を長期にわたって大きく帯電させないように、正電荷と負電荷とが交替で印加されてよい。結果得られるクランプ力は、特定の電気吸着器具10の仕様、それが吸着する材料、微粒子による乱れ、表面粗さなどに応じて変化する。総じて、本明細書で説明される電気吸着は、広範囲のクランプ圧力を提供する。このようなクランプ力は、一般に、電気吸着器具によって加えられる引力を、異物に接触しているその面積で割ったものとして定義される。
実際の電気吸着力及び電気吸着圧力は、設計及び数々の要因に応じて変化する。一実施形態では、電気吸着器具10は、約0.7kPa(約0.1psi)から約70kPa(約10psi)までの間の電気吸着引力圧力を提供しているが、その他の量及び範囲も、もちろん可能である。特定の応用で必要とされる力の量は、接触表面の面積を変化させる、印加される電圧を変化させる、及び/又は電極と異物表面との間の距離を変化させることによって容易に達成されるだろう。ただし、その他の関連要因もまた、必要に応じて操作されてよい。
図1Aの、電気吸着把持表面11を有する電気吸着器具10は、6つの電極を有するものとして示されているが、所与の電気吸着器具又は電気吸着把持表面は、1つの電極のみを有することもできることが理解される。更に、所与の電気吸着器具は、それぞれ少なくとも1つの電極を有し且つ把持されるべき異物にあてがわれるように又は把持されるべき異物に極めて近接して配されるように個別に適応された、複数の異なる電気吸着把持表面を有することができることが容易に理解される。電気吸着器具、電気吸着把持ユニット、及び電気吸着把持表面という用語は、本明細書では、全て、対象とされる電気吸着コンポーネントを指すものとして使用されているが、これらの様々な用語は、様々な文脈のなかで区別なく使用可能であることが理解される。具体的には、所与の電気吸着器具は、数々の特徴的な「把持表面」を含むかもしれないが、これらの複数の異なる把持表面自体もまた、個別の「器具」又はあるいは「エンドエフェクタ」であると見なされるかもしれない。
図2A及び図2Bを参照すると、1つの電極を有する代表的な1対の電気吸着器具又は把持表面が、側断面図で示されている。図2Aが、異物の表面16に接触している電気吸着器具又は把持表面30、31を有する電気吸着把持システム50を図示している一方で、図2Bは、器具又は把持表面に電圧を印加された作動された状態の電気吸着把持システム50’を図示している。電気吸着把持システム50は、異物14に直接接触する2つの電気吸着器具又は把持表面30、31を含む。各電気吸着器具又は把持表面30、31には、1つの電極18が結合されている。このようなケースでは、電気吸着把持システムは、異物を絶縁材料として使用するように設計することができる。電圧が印加されると、異物14内に電界22が発生し、電気吸着器具又は把持表面30、31と異物との間に静電力が形成される。これら単一電極式の電気吸着器具を多数含む様々な実施形態が可能であることが容易にわかるだろう。
一部の実施形態では、電気吸着把持表面は、その上に複数の電極を有するフラットパネル又はシートの形態をとることができる。その他の実施形態では、把持表面は、最も一般的に持ち上げられる又は処理される異物の幾何学形状に一致した一定の形状をとることができる。例えば、円筒状の塗料缶又はジュース缶の幾何学形状に一致させるために、湾曲した幾何学形状を使用することができる。電極は、電気吸着性能を向上させるために、吸着器具表面上にパターン形成する、又はコンプライアンスを高めそうして異物上の不規則表面に対する適合性を高めるために、柔らかいすなわち可撓性の材料を使用して作成するなどの、様々なやり方によって強化されてよい。
続いて、図3A及び図3Bに進むと、表面上に電極をパターン形成されたフラットパネル又はシートの形態をとる電気吸着把持表面の2つの例が、上面斜視図で示されている。図3Aは、上面及び底面に電極をパターン形成されたシート又はフラットパネルの形態をとる電気吸着把持表面60を示している。上部電極セット40及び底部電極セット42が、絶縁層44の両側の表面上で互いに噛み合わされている。場合によっては、絶縁層44は、堅いすなわち剛性の材料で形成することができる。場合によっては、絶縁層44はもちろん電極もまた、コンプライアントであってよく、コンプライアンス(適合性)を高めるために、アクリル弾性体などのポリマで構成することができる。好ましい一実施形態では、ポリマの弾性率は、約10MPa未満であり、別の好ましい一実施形態では、更に具体的に、約1MPa未満である。本発明に使用するのに適した様々なタイプのコンプライアントな電極が、一般的に知られており、それらの例は、共同所有の米国特許第7,034,432号に記載されている。該特許は、あらゆる目的のために、その全体を参照によって本明細書に組み込まれる。
電極セット42は、絶縁層44の上面23上に配置されており、直線状にパターン形成された電極18の配列を含む。共通の電極41が、セット42内の電極18を電気的に結合しており、共通の電極41への1本の入力リード線を使用して、セット42内の全ての電極18との電気的通信を可能にしている。電極セット40は、絶縁層44の底面25上に配置されており、上面上の電極18から横方向にずらして直線状にパターン形成された第2の電極18の配列を含む。底部電極セット40もやはり、共通の電極(不図示)を含んでいてよい。容易にわかるように、電極は、電気吸着エンドエフェクタ60が電極間の空隙における断絶による制限を受けることなく高い電圧差に耐えるための能力を高めるために、絶縁層44の両側にパターン形成することができる。
あるいは、図3Bに示されるように、電極は、絶縁層の同じ表面上にパターン形成されてもよい。図に示されるように、電気吸着把持表面61は、その片側の表面上にのみ電極18をパターン形成されたシート又はフラットパネルを含む。電気吸着把持表面61は、コンプライアントな絶縁層44の同じ表面23上で電極セット46と電極セット48とが互いに噛み合わされていることを除き、図3Aの電気吸着把持表面60と実質的に同様であってよい。絶縁層44の底面25には、電極が配されていない。この特定の実施形態は、セット46内の正電極18と、セット48内の負電極18との間の距離を短くし、両方の電極セットを電気吸着把持表面61の同じ表面上に配することを可能にする。機能的に言うと、これは、実施形態60のような、絶縁層44ゆえの電極セット46と電極セット48との間の隔たりを排除する。これは、また、上面23が異物表面に吸着するときの、(これまでは底面25上にあった)一方の電極セットと異物表面との間の間隔も排除する。実施形態60及び実施形態61は、そのいずれが使用されてもよいが、後者の実施形態61におけるこれらの変更は、電気吸着把持表面61と、処理されるべき対象異物との間の電気吸着力を確実に増加させる。
本明細書で説明される電気吸着器具の、もう1つの際立った特徴は、図4A〜4Cに示されるように、変形可能な表面及び材料を電気吸着器具10に使用するという選択肢である。一実施形態では、電気吸着器具10の1つ以上の部分が変形可能である。具体的な一実施形態では、これは、器具10上の表面32を含む。別の一実施形態では、電極18間の絶縁材料20が変形可能である。電気吸着器具10は、材料のコンプライアンス(例えば、絶縁材料20などの柔らかい材料)又は構造的な設計(例えば、細毛状又は毛髪状の構造)を使用して変形能力を実現してよい。具体的な一実施形態では、絶縁材料20は、曲がることはできるが実質的に弾性的に伸長可能ではない材料を含む(例えば、マイラの薄い層)。別の一実施形態では、絶縁材料20は、約10MPa未満の、より具体的には約1MPa未満の柔らかいポリマである。
電極18も、コンプライアントであってよい。絶縁材料20及び電極18におけるコンプライアンスは、上述されたいずれの構成の電気吸着器具10でも使用されてよい。電気吸着器具10におけるコンプライアンスは、器具10の吸着表面32がその付着先の物体の表面12特徴に適合することを可能にする。図4Aは、本発明の具体的な一実施形態に従う、粗い表面12の形状に適合するコンプライアントな電気吸着器具10を示している。
吸着表面32は、その吸着先である基板表面12に接触する電気吸着器具の表面として定義される。吸着表面32は、電極を含んでいてもよいし、又は含んでいなくてもよい。一実施形態では、吸着表面32は、そうでなければ露出されるだろう電極を保護するために追加された薄いコンプライアントな保護層を含む。別の一実施形態では、吸着表面32は、(例えば静電力が排除されたときに)そこに砕片が付いたままになることを回避するための材料を含む。或いは、吸着表面32は、壁面への吸着を助けるために、粘着性の若しくは吸着性の材料を含んでいてよい、又は所与の垂直力に対する滑動を阻止しやすくするために、高摩擦材料を含んでいてよい。
電気吸着器具10におけるコンプライアンスは、多くの場合、吸着性を向上させる。電極18及び絶縁材料20がともに変形可能であるときは、吸着表面32は、初期電荷が印加された初期にも、初期電荷が印加された後に動的にも、粗い表面12のミクロな及びマクロな輪郭に適合するだろう。この動的なコンプライアンスは、図4Bに関連して更に詳細に説明される。電気吸着器具10のこの表面コンプライアンスは、電極18が表面12に更に接近することを可能にし、これは、器具10によって提供される全体的クランプ力を増加させる。場合によっては、静電力は、(電極と壁面との間の)距離の二乗に伴い(比例して)減少するだろう。電気吸着器具10におけるコンプライアンスは、しかしながら、器具10が、表面14との密な接触を確立すること、動的に向上させること、及び維持することを可能にし、そうして、電極18によって印加され適用された保持力を増加させる。コンプライアンスの増加は、また、表面12と表面32との間におけるミクロ規模での機械的連結を強化し、有効摩擦を増加させるとともに滑動を抑制することもできる。
コンプライアンスは、電気吸着器具10が、電気エネルギが印加される初期にも、電気エネルギが印加された後に動的にも、壁面12に適合することを可能にする。電気吸着を向上させるこの動的方法は、本発明の別の一実施形態に従う、図4B及び図4Cに示されている。図4Bは、材料16を伴う構造の表面12に電気吸着器具10が接触された初期における、器具10の表面32を示している。表面12は、マクロなすなわち可視のレベル(例えば、具体的な粗さが容易にわかる)及びミクロなレベル(材料の大半)の両方における粗さ及び不均一性を含んでいるだろう。
図4Bに示されるように両者が接触しているある時点において、電極18に電気吸着電気エネルギが加えられる。これは、電極18と壁面12との間に引力を形成する。しかしながら、初期の段階では、図4Bに見られるように、多くの粗い表面における実際問題であるように、器具表面32と壁面12との間に数々の間隙70が存在する。これらの間隙70の数及びサイズは、電気吸着クランプ圧力に影響を及ぼす。例えば、マクロ規模では、静電クランプは、基板16と帯電電極18との間の間隙の二乗に反比例する。また、電極の場所の数が多いほど、器具表面32が、より局所的な表面粗さに適合しそうして全体的吸着を向上させることが可能になる。ミクロ規模では、しかしながら、間隙が小さくされた際のクランプ圧力の増加が、よりいっそう劇的である。この増加は、小さな間隙では空気の破壊強度が劇的に増すことを述べたパッシェンの法則ゆえである。破壊強度が高いほど、そして間隙が小さいほど、電界が大幅に大きくなる、そしてそれゆえにクランプ圧力が大幅に高くなることを意味する。クランプ圧力の増加及び電気吸着の向上は、電気吸着器具10のコンプライアント表面32、又は表面粗さに適合するような電気吸着メカニズムを使用することによって達成されるだろう。
引力が電気吸着器具10のコンプライアンスに打ち勝つと、これらコンプライアントな部分は変形し、表面32の部分は表面12に接近する。この変形は、電気吸着器具10と壁面12との間の接触面積を増大させ、電気吸着クランプ圧力を増加させ、器具10と壁14との間の電気吸着を強くする。図4Cは、初期の静電引力及びコンプライアンスゆえに電気吸着器具10が幾らか変形した後における、電気吸着器具10の表面形状及び壁の表面12を示している。間隙70の多くは、小さくなっている。
この適応性の形状形成は、続くだろう。器具表面32と壁面12とが接近するにつれて、多くの場所における両者間の距離の減少が、電気吸着力を更に増加させ、これは、電気吸着器具10の多くの部分を更に変形させ、そうして、器具表面32の更に多くの部分を更に壁面12に接近させる。繰り返し述べるが、この接触面積の増大は、クランプ圧力を増加させ、器具10と壁14との間の電気吸着を強くする。電気吸着器具10のコンプライアンスが更なる変形を阻止し、器具表面32が変形を停止すると、器具10は、安定状態に達する。
一部の実施形態では、電気吸着器具10は、電極18、絶縁材料20、及び裏当て24のうちの1つ以上において多孔性を含んでいる。表面12と表面32との間には、エアポケットが捕えられているかもしれず、これらのエアポケットは、適応性の形状形成を抑制する恐れがある。絶縁体20、裏当て24、及び/又は電極18における微小な穴又は多孔性材料は、動的変形の最中に、捕えられた空気を逃すことを可能にする。ゆえに、電気吸着器具10は、粗い表面、又はマクロ規模の湾曲若しくは複雑な形状を有する表面に使用するのに良く適している。一実施形態では、表面12は、約100ミクロンを超える粗さを含んでいる。具体的な一実施形態では、表面12は、約3ミリメートルを超える粗さを含んでいる。
図1A及び図4Aに示されるような随意の裏当て構造24を、絶縁材料20に取り付けることができ、該構造は、剛性のすなわち非伸長性の材料を含む。裏当て層又は構造24は、コンプライアントな電気吸着器具に対して構造的な支えを提供することができる。裏当て層24は、また、壁を這うロボットや後述されるその他の器具及び応用などの大きい器具における電気吸着器具の使用を可能にするための、外部から電気吸着器具への機械的連結も可能にする。
幾つかの電気吸着器具10では、機械的な負荷のもとで、柔らかい材料が過度に反って変形し、クランプを準最適にする恐れがある。これらの効果を軽減するために、電気吸着器具10は、段階的な一連の層又は材料を含んでよく、第1の材料は、壁面及び第2の材料への結合のために低い剛性係数を有し、それよりも厚い且つ/又は堅い材料である第2の材料は、第1の受動層に取り付けられる。堅い材料である第2の材料には、裏当て構造24が取り付けられてよい。具体的な一実施形態では、電気吸着器具10は、柔らかい層として、厚さがおおよそ50ミクロンのアクリル弾性体を含んでおり、第2の支持層として、厚さが1000ミクロンの厚いアクリル弾性体を含んでいた。その他の厚さが使用されてもよい。
図4B及び図4Cの変化にかかる時間は、電気吸着器具10材料、電気吸着器具10設計、印加される制御信号、及び電気吸着力の大きさに応じて変化してよい。電気吸着器具によっては、動的変化が視覚的に見えることがある。一実施形態では、器具表面32が変形を停止させるのにかかる時間は、約0.01秒から約10秒までの間であってよい。その他のケースでは、適合停止時間は、約0.5秒から約2秒までの間である。
一部の実施形態では、本明細書で説明される電気吸着は、高速のクランプ時間及びクランプ解除時間を可能にし、これは、ほぼ瞬時だと見なせるだろう。一実施形態では、クランプ又はクランプ解除は、約50ミリ秒未満で達成されてよい。具体的な一実施形態では、クランプ又はクランプ解除は、約10ミリ秒未満で達成されてよい。速度は、幾つかの手段によって増加されてよい。電極が、線幅が狭く且つ間隔が近いものとして構成されているならば、電荷が流れて電気吸着力を確立するために必要とされる時間が短縮される(基本的に、電気吸着器具及び基板の両方を含む分布抵抗容量回路の「RC」時定数が小さくなる)ので、速度は、伝導性の又は弱伝導性の基板を使用して増加される。より柔らかく、より軽く、且つより適応性の材料を器具10に使用することでも、速度が増加する。また、所定のレベルの電気吸着力を、より速く確立するために、より高い電圧を使用することも可能であり、また、電荷の分布及び適応を、より速く確立するために、電圧を一時的に過剰に駆動して速度を増加させることも可能である。クランプ解除速度を増加させるためには、電極18の極性を一定速度で効果的に逆転させる駆動電圧が用いられてよい。このような電圧は、基板材料16内における電荷の蓄積を阻止し、そうして、より高速なクランプ解除を可能にする。或いは、必要とされる更なる駆動電力の幾らかを犠牲にして、より速い放電時間を提供するために、中程度に伝導性の材料20を電極18間に使用することができる。
本明細書で使用される電気吸着電圧とは、電気吸着器具10を壁、基板、又はその他の物体に結合するための適切な静電力を生じさせる電圧を言う。電気吸着器具10に必要とされる最小電圧は、電気吸着器具10のサイズ、電極18の材料伝導度及び間隔、絶縁材料20、壁又は物体の材料16、埃、その他の微粒子、又は水分など電気吸着を乱れさせるものの存在、電気吸着器具10に機械的に結合される構造の重量、電気吸着器具のコンプライアンス、基板の誘電特性及び抵抗特性、並びに電極と基板との間の関連の隙間などの、数々の要因に応じて変化する。一実施形態では、静電吸着電圧は、電極18間に、約500ボルトから約10キロボルトまでの間の差動電圧を含む。具体的な一実施形態では、差動電圧は、約2キロボルトから約5キロボルトまでの間である。1つの電極に対する電圧は、ゼロであってよい。隣り合う電極18に対し、正電荷と負電荷とが交互に印加されてもよい。
電気吸着、電気積層、電気活性ポリマ、壁を這うロボット、及びそれらの応用に関する様々な更なる詳細及び実施形態は、例えば、米国特許第6,586,859号、第6,911,764号、第6,376,971号、第7,411,332号、第7,551,419号、第7,554,787号、及び第7,773,363号、並びに国際特許出願第PCT/US2011/029101号、並びに米国特許出願第12/762,260号に見いだすことができ、これらは、それぞれ、参照によって本明細書に組み込まれる。
能動式静電清掃
上記のように、電気吸着は、様々な異物に対する逆転可能な吸着を実現するために、多くの場合、1つ以上の電極を伴うコンプライアントな又は可撓性のパッド又はその他の表面の使用を伴っている。このような構成は、総じて、壁面又はその他の基板への電気吸着器具の付着、並びに小さい異物の拾い上げ、配置、及びそれ以外の処理を促すために使用することができる。上記の例示は、主に、壁又は同様に大きいその他の基板への電気吸着器具の付着に焦点を合わせているが、比較的小さい物体をそれよりも大きい静電器具に静電的に吸着させることができるという意味で、逆転した構成も適用可能であることが容易にわかるだろう。
このように、以上の様々な電気吸着概念は、総じて、埃、葉っぱ、並びにその他の類似の粒子及び物体の清掃又は拾い上げにも適用することができる。実際、様々な電気吸着シート、パッド、電気積層器具、及びその他の類似の電気吸着応用が、埃、毛髪、葉っぱ、汚れ、小石、ガラス破片、パンくず、その他の有機物、類似の小物体などの多様な住居粒子と適切に相互作用することがわかっている。このような相互作用は、制御方式で都合良く操作可能であり、その結果、多種多様な効率的な清掃器具、システム、及び技術が可能である。
様々な特定の応用として、例えば、はたき、ほうき、掃除機、又はその他の住居内装クリーナなどの室内用途が挙げられる。その他の特定の応用として、例えば葉っぱ収集器、又はゴミ収集若しくはリサイクル収集システムなどの屋外用途が挙げられる。また、以下で更に詳述されるように、細かい又は微小な粒子の収集又は清掃を伴う埃取り及びその他の応用に合わせて器具を最適化するやり方が、多数ある。
次に、図5に進む。図5には、小さいアイテムに吸着するために使用することができる比較的大きい器具の一般的応用として、本発明の一実施形態に従う、複数の小さい異物を吸着された代表的な電気吸着器具が、側面図で提示されている。全体の実施形態100は、そこに複数の異物114を吸着させるように構成された電気吸着器具110を含むことができる。異物114の任意又は全部として、例えば、埃、汚れ、小石、パンくず、毛髪、生ごみ、及び/又は多種多様なその他の粒状物質が挙げられる。容易にわかるように、電気吸着器具110には、その他の多くのアイテムも吸着させることができる。
上記の一般的な実施形態と同様に、電気吸着器具110は、その「電気吸着把持表面」111に又はその「電気吸着把持表面」111の近くに位置付けられた1つ以上の電極118と、電極118と裏当て124又はその他の支持構造コンポーネントとの間の絶縁材料120とを含むことができる。このような裏当ては、必ずしも全ての実施形態で使用されなくてもよく、絶縁材料120及び/又は裏当て124は、特定の応用における必要に応じ、剛性又は可撓性であることができる。例えば、全体の器具110は、場合によっては、可撓性のシートであることができる。例示を目的として、電気吸着器具110は、9つの対をなす18個の電極を有するものとして示されているが、所与の電気吸着器具では、これよりも少ない又は多い電極も使用可能であることが容易にわかるだろう。更に、このような電極118は、二次元表面の全体にわたってなどのように、二次元以上に散りばめることもできる。
やはり上記の一般的な実施形態と同様に、電気吸着力は、表面111に吸着された個々の各異物又は各粒子114によって「感じる」又は体感することができる。総じて、所与の個々の粒子は、異物又は粒子114が、逆に帯電した少なくとも2つの電極118に匹敵するサイズであるのに及び/又は逆に帯電した少なくとも2つの電極118に跨るのに十分に大きい場合に、個々の電気吸着力を受けやすい傾向がある。一部の実施形態では、様々な異物又は粒子115が、電気吸着器具110に効果的に吸着されるには小さすぎるかもしれない。これは、このような粒子が、複数の電極118に跨るのに十分な大きさでないことが原因である。所与の粒子115が、1つの電極118にしか接近できない小ささである場合は、結果得られる電気吸着力は、このような小さい異物又は粒子に対しては最小になる又は存在しないだろう。
したがって、総じて、電極118及び電極間の間隔が小さいほど、より小さい異物及び粒子114、115に吸着する能力が得られる。このような電極118のサイズ及び間隔は、全体的な電極パターンにおける「ピッチ」と呼ぶことができ、ピッチが小さいほど、より小さい異物及び粒子に吸着する能力が強化される。可変ピッチに関する様々な設計上及び動作上検討事項は、以下で更に詳述されるように、様々なサイズの物体及び粒子を清掃する及び/又は制御する能力に役立つことができる。
次に、図6Aに進むと、電力供給をオフにされた状態の代表的な能動式電気吸着清掃パッドが、正面斜視図で示されている。全体の実施形態600は、多くの点で上記の電気吸着器具110と同一である又は大きく類似している能動式電気吸着清掃パッドを含むことができる。この能動式電気吸着清掃パッドは、例えば、相互作用前表面と、該相互作用表面に、又は該相互作用表面に接近して、又は該相互作用表面の後ろに配置された複数の電極(不図示)とを有することができる。電池、コンデンサ、A/C源、又はその他の適切な可制御式の電源(不図示)などの能動電源が、例えばユーザ入力による作動を受けて、制御方式で電圧を電極に供給することができる。このようなユーザ入力は、容易にわかるように、スイッチ、ボタン、つまみ、ダイヤル、又はその他の類似のコンポーネントなどのユーザ入力コンポーネントによって行うことができる。環境600に示されるように、電力が印加されておらず、したがって、電極には電圧が存在しておらず、相互作用表面には電気吸着力が存在していない。予期されるとおり、その結果、相互作用表面には、異物又は粒子は吸着されていない。
図6B〜6Eは、それぞれ、電力供給をオンにされ且つ様々な種類の粒状物質が吸着されている状態の図6Aの代表的な能動式電気吸着清掃パッドを、同様な正面斜視図で示している。第1の例として、図6Bの環境601は、電気吸着清掃パッドに複数の小石がどのように吸着するかを描いている。図6Cは、清掃パッドに汚れの塊が吸着されている環境602を示しており、図6Dは、清掃パッドに大量の埃が吸着されている環境603を示している。これらの例に加えて、清掃パッドには、毛髪、パンくず、生ごみ、並びに種々様々なその他の粒状物質及び異物が吸着可能であることが容易にわかるだろう。
実際、図6Eは、小石、汚れ、埃、及び毛髪の多種混合が全て同時に電気吸着清掃パッドに吸着された状態の環境604を描いている。注目すべきは、印加電圧がオンにされている間に、このような粒状物質及びその他の異物の、電気吸着パッドへの強固な吸着が観察されていたことである。このような強固な吸着は、電気吸着パッドがかなり震動している最中でも又は電気吸着パッドと強く接触している最中でも様々な物体及び粒状物質の位置を維持するのに十分である。電圧が排除され(例えば電力が遮断され)、それゆえに粒状物質アイテムに対する様々な電気吸着力が減少した又は排除されたときに、これらの異物及びアイテムは、電気吸着パッドから容易に脱落する傾向がある。このように、印加電圧の制御は、電気吸着パッド、器具、又はシステムに吸着された様々な粒状物質及びその他の異物の有意な制御をもたらすことができる。
必要とされる様々な具体的効果に応じ、相互作用表面に使用される(1つ以上の)材料は、可変であってよい。追加の受動的吸着力が形成可能であるように、相互作用表面材料は、例えば、柔らかいポリウレタン又はシリコーンの形態などのように性質が柔らかく且つ粘着性であってよい。あるいは、より容易に表面が清掃可能であるように、相互作用表面材料として、より滑りやすい表面が使用されてもよい。このような滑りやすい表面材料としては、例えば、1枚上のポリウレタンシートが挙げられる。必要に応じ、相互作用表面の全部又は一部がその他の種類の材料を使用して形成されてもよく、そのようなその他の材料としては、様々な織物、繊維、布、プラスチックなどが挙げられる。
使用されているこれらの種類の材料に加えて、(1つ以上の)相互作用表面の様々な形状、配置、及び構成もまた、相互作用表面と、清掃されるべき様々な異物及び粒状物質との間のコンプライアンスの程度に大きく影響を及ぼすことができる。例えば、複雑な形状を有する比較的乾いた平坦な葉っぱを相互作用表面上に拾い上げるときは、相互作用表面が可撓性であることが重要なことがある。このように、これらの特化された応用には、乾燥した葉っぱなど比較的薄くて大きく且つ複雑な異物を柔軟に包み込む薄いシートが有用であることがある。非常に小さい物体を平坦な相互作用表面上に拾い上げるとき、又は新しいしなやかな葉っぱを拾い上げるときは、しかしながら、より剛性の裏当てを有する電気吸着パッドが適切であるとがわかっている。コンプライアンスは、また、相互作用表面上の毛、フラップ、及び/又はその他の類似の特徴を通じても実現することができる。このように、全体的に大きいパッド又はその他の電気吸着清掃器具は、清掃されるべき異物の周囲に適合するのに必要なコンプライアンスを提供するために、相互表面上自体の数々の小さい毛又はフラップに結合された比較的剛性の裏当てを含むことができる。このような特徴は、モップ、ほうき、ブラシ、はたきなどの、機械的清掃と電気吸着清掃とを組み合わせた異物清掃用のよくある清掃用具に見られる毛又は繊維に似せることができる。
次に、図7Aを見ると、相互作用表面に沿って毛又は繊維を有する代表的な能動式電気吸着器具が、側面図で示されている。図に示されるように、環境700は、地面又は床表面705に散りばめられた複数の異物714を含む。能動式電気吸着清掃器具710は、様々な異物714と相互作用するように適応された相互作用表面711を前面とした多様なコンポーネントを含むことができる。異物714を相互作用表面に吸着させるためのコンプライアンスを強化するために、相互作用表面711には、1本以上の毛又は細毛717を分散配置することができる。
もちろん、相互作用表面が異物に接触するときに又は相互作用表面が異物に適度に極めて近接して配置されたときに各異物714に対して電気吸着力を生じさせるために、相互作用表面の後ろに配置された又はそれ以外の形で相互作用表面に近接して位置付けられた1つ以上の電極(不図示)を使用することもできる。上記のように、相互作用表面711に又は相互作用表面711の付近に位置付けられた細毛714及び/又は1つ以上のその他の特徴は、表面又は表面領域を変形可能にすることができ、したがって、該変形可能な表面部分は、そこに電気吸着力が加えられたときに、対応する異物714に接近することができる。
図7Bは、相互作用表面に沿って複数の可変長フラップを有する能動式電気吸着清掃器具の形態をとる別のコンプライアンスの例を、側面図で示している。代替の環境701は、地面又は床表面705に沿って、同じ又は実質的に同様な粒状物質又は異物714を含むことができる。類似の能動式電気吸着清掃器具710は、上記の実施形態と同様に、清掃されるべき異物に近接して配される相互作用表面711を有することができる。しかしながら、細毛の代わりに(又は細毛に加えて)、代替の環境701における相互作用表面711は、相互作用表面に部分的に結合されて相互作用表面から伸長可能である複数のフラップ719を含むことができる。このようなフラップは、上記の相互作用表面と同様に、電気吸着電荷を帯びるように適応させることができ、ただし、容易にわかるように、清掃されるべき異物への接触に関しては、もっとずっと可撓性で且つコンプライアントである。
清掃されるべき粒状物質及びその他の異物を効果的に制御及び操作するために使用することができる別の特徴は、パターン形成された電極の使用を伴うことができる。上記のように、小さいサイズの粒子にとっては、個々の各粒子が、1つの電極のみに及びそれゆえに通常は1つの極性のみに曝されるのではなく、逆帯電した複数の電極に跨る電界を「感じる」ように、細かい電極パターンであるほど最適であると考えられる。大きい電極パターンは、例えば葉っぱ又は大きいゴミなど相応に大きい又は高伝導度の物体とのみ相互作用するのが一般的である。電極パターンを適切に設計することによって、どのタイプの物体を清掃のために運ぶ又はそれ以外の形で操作することができるかを調整することが可能である。また、電極パターンを比較的細かくし、接続を変更する又は適切な電極領域を指定することによって、電気吸着を対象サイズの物体に合わせて調整することも可能である。したがって、電気吸着は、汎用のクリーナとしてのみならず、堆積物又は「汚れた」領域のなかの特定のサイズ又は材料の物体をその他から分離するための特殊なクリーナとして使用することもできる。
この概念は、図8A〜9Cに関連して示されている。先ず、図8Aには、適切な相互作用表面に対して使用するための代表的な碁盤の目状タイプの電極パターンが、上平面図で示されている。電極パターン800に示された電極と併せて、適切な電源、1つ以上のユーザ入力デバイス又はコンポーネント、(1つ以上の)相互作用表面、及びその他のコンポーネントが使用可能であることが容易にわかるだろうが、このような物品は、例示及び議論をわかりやすくするために、ここでは図示されていない。
電極パターン800は、正に帯電した領域と負に帯電した領域とを交互に有する碁盤の目状の配置を伴うことができる。これは、例えば、パターン内の電極ごとに正電荷と負電荷とを交替させることによって達成することができる。図に示されるように、電極818が、正に帯電可能である一方で、隣接する電極819は、負に帯電可能である。繰り返し述べるが、この交互に帯電されたパターンは、電極パターン800全体にわたって二次元に続くことができる。パターン800にあるように、これが個々の電極レベルでなされるときは、そのパターンで可能な最小ピッチを観察することができる。すなわち、パターン800は、それが可能である限り最小の異物を引き付けることができるように構成されている。この特定のパターンの単純な幾何学形状を前提とすると、このような可能な限り最小の異物は、総じて、ほぼ1つの電極のサイズであるだろうことが容易にわかるだろう。
続いて、図8Bには、交互に帯電された構成を有する図8Aの代表的な碁盤の目状タイプの電極パターンが、やはり上平面図で示されている。注目すべきは、代替構成の電極パターン800’が、パターン800と全く同じ電極及びコンポーネントに形成されていることである。すなわち、パターン800及び代替のパターン800’の形成には、同じ64個の電極が使用されている。細かいピッチ64で領域が交互する前述のパターン800と異なり、代替のパターン800’は、交互する領域が4つのみであるように構成されている。これは、幾つかの電極における電荷を操作して、大幅に大きいピッチを形成させることによって達成することができる。例えば、電極818における電荷が同じにとどまる一方で、隣接する電極819’は、その電荷を負から正に切り替えられている。より単純な4領域パターンを実現するために、同様の電荷の切り替えが、64電極パターンのなかのその他の様々な電極に対してもなされたことが容易にわかるだろう。
もちろん、各電極における電荷を同様なやり方で操作することによって、代替の多種多様なその他の電極パターンも実現することができる。例えば、図8A及び図8Bに示された8×8パターン及び2×2パターンに加えて、4×4パターンも同様に実現することができる。或いは、4×2、1×1、及び2×1などのその他のパターンも構成することができる。更に、電極又は有効電極領域の数は、64に限定されず、この数よりも小さくても又は大幅に大きくてもよい。このように、無限の電極配置の可能性が考えられ、このような配置の多くは、数々の異なる電極パターンに構成可能である。このような様々な電極パターンは、異なるピッチも有することができる。
次に、図9A〜9Cに進むと、噛み合わせ電極配置を伴う更に複雑な電極パターン例が、提供されている。先ず、図9Aには、適切な相互作用表面に対して使用するための代表的な噛み合わせ電極パターンが、やはり上平面図で示されている。繰り返し述べるが、わかりやすくするために、電極パターンのみが示されている。電極パターン又は配置900に示されるように、2つの電極918、919のみが存在している。電極918が、正に帯電可能である一方で、電極919は、負に帯電可能であり、両電極の極性は、好ましくは、必要に応じて逆転可能であることができる。
電極918及び919は、電気吸着力が生じるための数々の異なる領域をこれら2つの電極のみから観察することができるように、互いに噛み合わされている。電極918及び919の特定の幾何学形状ゆえに、この特定のパターン配置におけるピッチは、多くの場合、事実上、互いに噛み合わされた「指」の幅であると考えられる。これらの指が比較的狭い場合は、パターン配置900を使用して電気吸着清掃器具若しくはシステムに吸着させることができる又は同器具若しくは同システムによって処理することができる粒状物質又はその他の異物のサイズは、比較的小さくなると考えられる。
図9Bは、図9Aのパターンの複数の反復を組み入れた代表的な噛み合わせ電極パターンを、やはり上平面図で示している。全体の電極パターン950は、図9Aからのパターン900を6つ、反復又は複製されている。これらパターン900の「複製」は、効果的に互いに噛み合わされ、次いで、共通のバス又はコネクタ951によって接続される。このような共通のバス又はコネクタ951は、それぞれ、パターン900の6つの部分集合のうちの、反復複製の片側などの同様に帯電された領域を接続するために使用することができる。この特定の例では、各コネクタ951は、全体パターン950の交互する「指」のうちの、同様に帯電可能な領域のみを接続するように配置することができる。すなわち、1つのコネクタ951は、全体パターン950のなかの第1、第3、及び第5の部分パターン900の、正(あるいは負)に帯電された領域のみを接続すると考えられる。そして、第2、第4、及び第6のそれぞれの部分パターンに対しても、同様な接続951が成されると考えられる。
コネクタ951によってこのように全体的に接続されたら、全体パターン950は、次いで、パターンの可観察ピッチを変更するために操作することができる。例えば、ピッチを細かくするためには、図に示されるような全ての正電極領域及び負電極領域を、可能な限り最も細かいレベルでパターン950の全体にわたって帯電させることができる。ピットを大きくするためには、しかしながら、第1、第3、及び第5の部分パターン900上の全ての相互接続領域を同じ正又は負の電荷に設定し、その一方で、第2、第4、及び第6の部分パターン900上の全ての相互接続領域をその他の3つの部分パターンとは反対の同じ電荷に設定することができる。例えば、第1、第3、及び第5の部分パターン900は、全体的に正であってよく、その一方で、第2、第4、及び第6の部分パターンは、全体的に負であってよい。これは、すると、全体ピッチを大きくする結果となり、電極918の1本の指の幅よりは大きいが部分パターン900の全体幅よりは小さいようなサイズの粒子を無視する傾向を有すると考えられる。
図9Cは、この概念を、図Bのパターンの複数の反復を組み入れた更に拡張された電極パターンに当てはめている。図に示されるように、全体の電極パターン990は、電気吸着清掃器具の相互作用表面910の後ろに又は同相互作用表面に近接して配置することができる。図9Bに示された全体パターンに対応する複数の部分パターン950は、それら自体が互いに噛み合わされたパターンで、全体の電極パターン990にわたって複数方向に提供されている。繰り返し述べるが、全体パターン990のピッチ指定に関して更なる制御が可能であるように、各部分パターン950の間に更なる共通のバス又はコネクタを形成することができる。このプロセスは、ピッチサイズ指定に対する更なる制御を可能にするために、更なる繰り返しも可能であることが容易にわかるだろう。
図10Aは、本発明の一実施形態に従う、代表的な無限軌道式の能動式電気吸着清掃器具を、側面斜視図で示している。無限軌道式の能動式電気吸着清掃器具1000は、地面又は床1005を横切るように移動しそこから砕片又は異物1014を清掃するように適応させることができる。電力供給又は電源と、(1つ以上の)入力コンポーネントと、詳しく上述されたものと同様な様々な電極とを有することに加えて、清掃器具1000は、幾つかの追加の機能(特徴)も含む。器具のフレーム(不図示)には、ユーザが器具全体1000を、表面1005を横切る(矢印で示される)進行方向に手動で操縦する又は操作することができるように、持ち手1032を結合することができる。一部の実施形態では、1つ以上のローラ1034が、電池などの電力供給や、高電圧DC−CD変換器などの駆動エレクトロニクス、その他の付属のスイッチ及び回路などを収容していてよい。
相互作用表面は、連続ループ、すなわち1つ以上のローラ1034に渡る無限軌道の形態で構成することができ、様々な電極(不図示)が、相互作用表面の後ろに又は相互作用表面に隣接して配置することができることが容易にわかるだろう。器具1000が、汚れた異質表面又は領域1005を横切るように移動するのに伴って、器具の下にくる部分の相互作用表面に近接する電極に、電圧が印加され、したがって、全体器具の下にあって電気吸着力を伝わらせる部分の相互作用表面に、異質表面上の粒状物質及び/又は異物1014が吸着される。一部の実施形態では、器具の下にくる部分も器具の上側にくる部分も表面全体が常に帯電されているように、連続ループ走路状の相互作用表面を「常時オン」状態にとどめることも可能である。このようにすれば、例えば振動、摩擦、又は減圧などの1つ以上の機械的プロセスの全体を通して連続的に埃除去を行うことができる。
器具全体が前進している最中に、移動走路状の相互作用表面が器具の裏側で異質表面1005から離れて行くのに伴って、異物1014の少なくとも一部は、相互作用表面に吸着された状態のままになり、したがって、異質表面すなわち汚れた領域から運び上げられ、器具1000の上側走路部分を横切って行く。清掃器具1000上には、粒状物質又は異物のためのゴミ箱1036又はその他の入れ物を配することができ、このゴミ箱又は入れ物は、相互作用表面から埃及びその他の異物を集めるように構成することができる。1つ以上のブラシ、ローラ、又はその他の誘導部1038が、異物1014及びその他の粒状物質を相互作用表面から入れ物1036に入らせる働きをすることができる。
図10Bは、本発明の一実施形態に従う、イオン電荷散布器を有する代替の代表的な無限軌道式の能動式電気吸着清掃器具を、側面斜視図で示している。代替の無限機器道式の電気吸着清掃器具又はシステム1050は、幾つかの点では上記の器具1000と同様であってよい。同一の又は類似の持ち手、ローラ、連続走路状の相互作用表面1011、入れ物、及び誘導部を有することに加えて、器具又はシステム1050は、1つ以上のイオン電荷散布器1052も有することができる。このような(1つ以上の)イオン電荷散布器は、イオン電荷を全体の能動式清掃器具又はシステムの前方に噴き付ける又はそれ以外の形で分散させることができる。
この構成又はシステムでは、実際の相互作用表面又はシートは、正又は負に帯電した1つの電極のみを関連付けられているかもしれない。したがって、噴き付けられるイオン電荷は、走路状の相互作用表面又は電気吸着シート全体にわたる単一の電荷とは反対の極性であってよい。例えば、イオン電荷散布器1052は、異質埃粒子に負の電荷を噴き付けることができ、その一方で、相互作用表面は、肯定的に負に帯電した埃粒子を全て拾い上げることができるように、正に帯電されているだろう。この実施形態の利点は、1つには、清掃されるべき埃粒子及びその他の異物にかかる電荷の極性を、それを趣旨とした特定のイオン電荷が噴き付けられているゆえに、正確に予測可能であることである。このようにすれば、相互作用表面は、噴き付けられる電荷とは反対の極性を持つ1つの電極のみを必要とすればよいという意味で、大幅に単純であることができる。
これらの特定の走路状電気吸着清掃器具の実施形態、及びその他の様々な実施形態では、器具及びシステムの幾つかの追加態様を適用することができる。例えば、具体的に対象とされる様々な物体を、そのサイズ及び/又は重さなどに基づいて拾い上げるために、1つ以上の電気吸着クランプコンポーネントにかかる電圧の大きさを変化させることができる。このような対象化は、上述のように、可変ピッチのパターン電極配置を使用して実現することもできる。
また、電気吸着クランプコンポーネントの極性の交替は、幾つかの利点をもたらせるとも考えらえる。例えば、粒子又はその他の異物は、印加された電荷の極性を低減させる、遮断する、又は逆転させるなどによって先ずクランプされ次いで解放されるときに、損傷を受ける又は自身が不利に帯電されることが起こりにくい。場合によっては、この現象を使用し、望ましい又はそれ以外の可制御式のやり方で粒子又は異物を相互作用表面から分散させる又は反発させることができるだろう。例えば、直流パルスが使用される場合は、持続時間が短い負極性パルスによって、電気吸着表面からの汚及びその他の異物の迅速な解放又は反発を助けることができる。
様々な実施形態において、開示された電気吸着清掃器具及びシステムは、電圧が完全オン状態にある、引き下げられる、オフ切り替えされる、又はひいては逆転されるなどの異なる段階にあるときに、埃又はその他の異物をより完全に解放するための、機械的に手段を用いることができる。相互作用表面からの粒子及び異物の除去を助ける幾つかのアプローチとして、例えば電磁ソレノイドなどによって器具に衝撃を与える、例えば電磁コイル若しくは埋め込み式電気活性ポリマデバイスなどによって器具を振動させる、又は相互作用表面の面に平行に噴出される空気ジェット若しくは水ジェットを使用するなどが挙げられる。入力電圧の引き下げ又はオフ切り替えは、粒子の完全な解放には至らないことが多く、特に、埃などの軽い粒子の場合は、相互作用表面の清掃又は再利用を助けるために、機械的なワイパー又はブラシを使用することが望ましいだろう。
これを継続的に行う方法の1つは、上記の清掃器具1000などの、ローラ式又は連続軌道状の実施形態においてである。相互作用表面は、その長さに沿って幾つかの特徴的なパターン又は区画を有することができる電気吸着軌道又はベルトの形態をとることができる。このような構成では、清掃されるべき異質表面に相互作用表面が接触し始めるのに伴って、相互作用表面を帯電させるために、前方のローラを使用することができ、相互作用表面又は吸着された異物が巻き上げられて、清掃されるべき異質表面から離れた後に、相互作用表面又はベルトを放電するために、後方ローラを使用することができる。これは、前方ローラの内部に電気吸着エレクトロニクスが完全に搭載されている場合などに、器具の前方から後方に走る1本の連続した電極に沿って短絡を生じさせることなく達成することができる。このような構成では、滑り接触の代わりに回転電気接触が生じうる。目的とされるこのような清掃には、上記で組み込まれた米国特許第7,554,787号に記載されるような「平たくされたタイヤ」及び「フラップ付きの車輪」設計などの、その他のタイプの電気吸着相互作用表面も使用することができる。
様々な実施形態において、図6A〜6Eに示された電気吸着パッドなどの相互作用表面、及び図10A〜10Bに示された連続した電気吸着ベルト又は走路は、幾度かの清掃動作後に取り換えることができる消耗品又は使い捨てとして扱うことができる。幾つかの実施形態では、最も外側のパッド層又は走路層が古くなりすぎた、損傷を受けた、又は汚れたときに、その層をユーザが単純に剥がして捨てることができるように、薄い層状のパッド又は走路を互いに多数積み重ねることができる。このような場合は、最も外側のパッド又は走路が、電気吸着を成し遂げるのに十分な電力を確実に受け取ることができるように、好ましくはしかるべき注意が払われるべきである。
以上に挙げられた具体的な実施形態に加えて、その他のタイプの清掃器具も考えられる。例えば、埋め込み式モータを伴う転がり器具は、市販の自走式掃除機ロボットと同様に、自身で動くように適応させることができる。例えば、壁面走行ロボットは、異質表面を這い上がるのに伴ってその異質表面を清掃し、場合によっては検査などのその他の動作を行うこともできる。転がり運動が必要でない又は望ましくない応用では、図6A〜6Eに示されたのと同様な平らな能動式電気吸着清掃パッドを清掃パッチとして使用することができる。著しく大きい能動式電気吸着清掃パッドは、例えば室内を効果的に覆う取り剥がし可能な(例えば透明な、単色の、又は装飾的な)壁紙として構成することができる。ブラウン運動ゆえに埃又は花粉及びその他のアレルギー源が室内を飛び回るのに伴って、そのような粒子は、能動式電気吸着清掃壁紙に選択的に引っ付くだろう。定期的に、ユーザは、単純に能動式電気吸着をオフに切り替えて、布などの別個の従来の清掃道具によって壁紙を拭くことができる。電気吸着は、また、適合性も可能にし、自身をマスク若しくは人工呼吸器などの装着型器具に役立てたり、又は衣服に埋め込んだりすることができる。このような場合は、電気吸着は、マスクを構成している織物及び/又はその他の素材に織り込み可能なフィルタに加えて、埃を自身に捕えるように機能することができる。
所与の能動式電気吸着清掃器具のための電力は、例えば、電池、コンデンサ、又はその他の記憶装置から来ていてよい。場合によっては、電力は、例えばファンデグラーフ発電機で使用されるものと同様に、清掃器具自体の運動によって生成することができる。場合によっては、清掃器具を対象表面に対して又は内部で清掃器具本体に対して擦り付けることによる摩擦電気効果から所要の電荷を生成することも可能だろう。例えば、このような結果は、電気吸着ベルト又は走路の形態をとる相互作用表面が前進されるような場合に得ることができる。所与の相互作用表面が、(例えば大半の家庭用電気掃除機やカーペット用掃除機がそうであるように)前後運動で使用されることが望ましい場合は、清掃されるべき表面に接触している電気吸着走路又はベルトの表面を高電圧に維持しつつ、汚れた表面から離れている走路の上面を地電位に維持することができる。これは、電気吸着走路の動きの方向にかかわらず能動式電気吸着清掃器具が対象表面を清掃することを可能にすることができる。このような実施形態では、異類の材料で形成されたローラ又はその他の類似コンポーネントの周りで回転することによって電荷を収集する収集ベルト又はその他の類似コンポーネントを、器具又はシステムの入力コンポーネントだと見なすことができる。
考えられる更に別の特徴として、埃、汚れ、又はその他の異質粒子若しくはアイテムを感知する追加の能力が役立つことがある。このような感知は、相互作用表面上又は電極表面上の1つ以上の場所で静電容量及び/又は抵抗を測定することによって達成することができる。静電容量及び/又は抵抗の変化は、相互作用表面上に過剰な汚れ又は粒状物質があることを示すことができる。このような感知結果は、数々のやり方で機能させることができる。指示灯又は指示音の形態をとる警報は、表面が清掃又は交換を必要としているだろうことをユーザに知らせることができる。或いは又は加えて、汚れ又は粒状物質の量の増加は、逆極性のバースト又はパルスなどによって汚れを反発させるような自動応答をもたらすこともできる。バースト又はパルスのレベル又は反復は、感知される表面上の汚さが増すのに応じて増加させることが望ましいだろう。また、感知は、清掃又は操作されるべき材料の種類及び/又はサイズを区別するために使用することもできる。
次に、図10Cに進むと、本発明の一実施形態に従う、代表的なコンベヤベルトベースの能動式電気吸着清掃システムが、側面図で示されている。図に示されているこの能動式電気吸着清掃システム1090は、複数のローラ1094又はその他の類似コンポーネントに沿って処理を行う電気吸着帯電コンベヤベルト1092を含むことができる。このコンベヤベルト1092は、実際上システムの相互作用表面である上表面と、ベルトの下に又はベルトに近接してパターン形成された複数の電極(不図示)とを含むことができる。
汚れ又は埃で覆われた所与の異物1014が電気吸着帯電ベルト1092に遭遇すると、この異物は、ベルト上をベルトに沿ってごちゃまぜの状態で進むのに伴って、電気吸着プロセスを通じて清掃される。このような清掃は、例えば、異物がベルトに沿って進む間ずっとベルト全体にわたって印加されるパルス状の電気吸着力によって成し遂げることができる。異物1014は、図の左側で電気吸着帯電コンベヤベルト1092に最初に遭遇したときは、ひどく汚れており又は埃まみれであり、ベルト沿いの途中の場所では、幾らかの汚れ又は埃を異物1014’から除去されている。一部の実施形態では、異物が、ベルト1092に沿って終点に達する頃には、汚れ又は埃の全部又は大部分が、異物1014”から除去されている。したがって、ベルト1092自体は、清掃プロセスの開始から終了にかけて、次第に汚れていく。幾つかの代替の実施形態では、ベルトに沿って進む物体をコーティングする目的で、ベルトによって埃が収集されるような、逆のプロセスも有用であることがある。このようなコーティングプロセスの一例として、ガラスシートを、それらが積み重ねられたときに互いにあまり引っ付き合わないように粉末でコーティングすることが挙げられる。
方法
電気吸着を使用して、粒状物質及び異物の清掃、埃取り、及びそれ以外の操作を伴うものとして、多種多様な応用が考えられるが、ここでは、一例として、基本的な方法が提供される。次に、図11を見ると、複数の異物を物理的に清掃する代表的な方法を示すフローチャートが提供される。具体的には、このような方法は、上述された様々な清掃パッド、走路ベースの又はコンベヤベルトベースのコンポーネント、器具、及びシステムのいずれかなどの、能動式電気吸着器具又はシステムを使用する又は動作させることを伴うことができる。このフローチャートに明記された必ずしも全ての方法工程が常に必要とは限らないこと、並びに本明細書に明記されていない更なる工程も含まれてよいことが容易にわかる。例えば、接触表面積を増大させることも、異物が吸着されているかどうかをチェックすることも、必ずしも全ての実施形態で必要とは限らない。更に、厳密な工程順序は、様々な応用における必要に応じて変更されてよい。
開始工程1100から始まり、プロセス工程1102では、清掃されるべき汚れた領域又は表面に、相互作用表面が接触される。次いで、プロセス工程1104では、静電吸着電圧が印加され又は引き上げられ、その後、プロセス工程1106では、清掃されるべき異質粒子又は物体が相互作用表面に吸着される。続く随意のプロセス工程1108では、相互作用表面と複数の異物のそれぞれとの間の接触表面積を増大させることができる。
続く判定工程1110では、異物が相互作用表面に適切に吸着されたかどうかに関する問い合わせがなされる。このような状態の検出は、例えば、1つ以上のセンサによって達成することができる。異物が適切に吸着されていない場合は、方法は、プロセス工程1104に戻り、静電力が再印加される又は増加される。工程1110において、異物が適切に吸着されている場合は、方法は、プロセス工程1112に進み、汚れた表面又は領域から、相互作用表面が遠ざけられる。
次のプロセス工程1114では、入力電圧を調整するなどによって、静電力を変更することができる。このような変更は、静電力の低減若しくは完全除去であってよい、又はひいては逆極性パルス若しくは反発力の適用を伴ってもよい。続くプロセス工程1116では、多くはその他の異物の清掃又は除去のために相互作用表面をもう一度又は二度以上使用できるようにするために、相互作用表面から異物を除去することができる。続く判定工程1118では、清掃が終了したかどうかに関する問い合わせがなされる。終了していないならば、方法は、プロセス工程1120に進み、汚れた領域又は表面に対して相互作用表面を再度位置決めする(位置決めしなおす)ことができる。方法は、次いで、プロセス工程1102に戻り、方法全体が繰り返される。
工程1118において、清掃が終了している場合は、しかしながら、方法は、工程1122に進み、終了する。図示されていない更なる工程としては、例えば、相互作用表面に吸着される粒子又は異物のサイズ及び/又は量を感知すること、並びにこのような物品の感知されたときの除去に関連して追加の力又は工程を提供することが挙げられる。その他の工程としては、清掃されるべき異物のサイズに関する入力を提供する及び/又は検出すること、並びにパターン電極セットのなかでの電極の作動によって、吸着される異物のサイズを調整することが挙げられる。開示されていないその他のプロセス工程もまた、必要に応じて含められてよい。
最後に、図12を参照すると、相互作用表面の再利用を伴う能動式電気吸着清掃の代表的な方法を示すフローチャートが提供されている。繰り返し述べるが、このような方法は、上述された様々な清掃パッド、軌道ベースの又はコンベヤベルトベースのコンポーネント、器具、及びシステムのいずれかなどの、能動式電気吸着器具又はシステムを使用する又は動作させることを伴うことができる。やはり繰り返し述べるが、明記された必ずしも全ての方法工程が常に必要とは限らず、本明細書に明記されていない更なる工程も含まれてよく、厳密な工程順序は、様々な応用における必要に応じて変更されてよい。
開始工程1200から始まり、プロセス工程1202では、汚れた表面又は領域が清掃される。このような清掃プロセスは、例えば上記の図11に明記されたものと同一又は実質的に同様であってよい。続くプロセス工程1204では、相互作用表面上の汚れのレベル又は量を感知することができる。繰り返し述べるが、これは、1つ以上のセンサが、1つ以上の選択場所で相互作用表面の静電容量又は抵抗を測定することによって達成することができる。続く判定工程1206では、相互作用表面に過剰な汚れ又はその他の異物が吸着されているかどうかに関する問い合わせがなされる。過剰でないならば、方法は、判定工程1208に進み、清掃が終了したかどうかに関する別の問い合わせがなされる。終了しているならば、方法は、終了し、しかしながら、終了していないならば、方法は、プロセス工程1202に戻り、新たに開始する。
判定工程1206において、過剰な汚れが検出されない場合は、方法は、プロセス工程1210に進み、1つ以上の逆極性パルスを提供することができる。続くプロセス工程1212では、1つ以上の逆極性パルスなどによる結果として、汚れ及び/又は異物が相互作用表面から除去(反発)される。続くプロセス工程1214では、相互作用表面上の汚れ又はその他の異物のレベルが再び感知される。同様な続く判定工程1216では、尚も相互作用表面上に過剰な汚れ又はその他の異物が残っているかに関する問い合わせがなされる。残っていないならば、方法は、判定工程1208に進むことができる。これ以降のプロセスは、既に上で述べられている。
しかしながら、工程1216において、尚も過剰な汚れがあると決定されたならば、プロセス工程1218では、光又は音などによって視覚的又は聴覚的な警告又は警報がユーザに提供される。相互作用表面は、すると、プロセス工程1220において、特別に清掃する又はひいては交換することができ、方法は、そこで終了する。
上記の発明は、明瞭さ及び理解を目的として、実例及び例示によって詳細に説明されているが、説明された上記の発明は、本発明の趣旨又は本質的特性から逸脱することなく数々のその他の具体的なヴァリエーション及び実施形態で具現化されてよいことが認識される。様々な変更及び修正がなされてよく、本発明は、上記の詳細によって限定されず、むしろ、特許請求の範囲によって定められることが理解される。
適用例1:能動式電気吸着清掃器具であって、前記能動式電気吸着清掃器具と、清掃されている複数の異物のそれぞれとの間に、印加された入力電圧から個別の電気吸着力を集合的に生じさせるように適応された1つ以上の電極であって、各個別の対応する電気吸着力は、前記複数の異物の1つを前記能動式電気吸着清掃器具に適切に吸着させ、前記能動式電気吸着器具のユーザからユーザ入力を受け取り、前記ユーザ入力を使用して前記1つ以上の電極への前記入力電圧を制御することを促すように適応された1つ以上の入力コンポーネントと、前記1つ以上の電極に又は前記1つ以上の電極に近接して位置決めされ、前記複数の異物と相互作用するように構成されている少なくとも1つの相互作用表面と、前記少なくとも1つの相互作用表面は、そこに前記複数の異物が吸着されるように前記電気吸着力を通過させるように構成され、前記少なくとも1つの相互作用表面は、前記電気吸着力が制御可能に変更されたときに、そこからの前記複数の異物の容易な除去を促すように適応される、ことを備える能動式電気吸着清掃器具。
適用例2:適用例1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、前記複数の異物は、埃を含む、能動式電気吸着清掃器具。
適用例3:適用例1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、前記相互作用表面は、複数の細毛を含む、能動式電気吸着清掃器具。
適用例4:適用例1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、前記相互作用表面は、変形可能表面を含み、前記変形可能表面の少なくとも一対応部分は、前記電気吸着力が加えられたときに、前記複数の異物の少なくとも1つに接近する、能動式電気吸着清掃器具。
適用例5:適用例1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、更に、前記1つ以上の入力コンポーネント及び前記1つ以上の電極に結合された能動電源であって、前記1つ以上の電極への前記入力電圧の提供を促すように適応された能動電源を備える能動式電気吸着清掃器具。
適用例6:適用例1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、更に、前記相互作用表面に結合された1つ以上のローラであって、前記複数の異物が位置している異質表面を横切るように前記能動式電気吸着器具を移動させるように動作可能である1つ以上のローラを備える能動式電気吸着清掃器具。
適用例7:適用例6に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、前記相互作用表面は、前記1つ以上のローラの回転運動に伴い移動する連続した軌道として構成される、能動式電気吸着清掃器具。
適用例8:適用例1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、前記1つ以上の電極は、パターン配置された逆帯電可能な複数の電極を含む、能動式電気吸着清掃器具。
適用例9:適用例8に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、前記パターンは、異なる複数のピッチを有する噛み合わせパターンを含む、能動式電気吸着清掃器具。
適用例10:適用例9に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、前記異なる複数のピッチは、相応に異なるサイズの異物を清掃するように適応され、前記噛み合わせ電極パターンは、前記異なる複数のピッチを選択的に作動させるように動作可能である、能動式電気吸着清掃器具。
適用例11:適用例1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、更に、前記相互作用表面に近接して位置決めされ、前記複数の異物に複数のイオン電荷を噴き付けるように適応されたイオン電荷散布器であって、前記対応する電気吸着力の少なくとも一部分は、前記複数の異物上に前記イオン電荷が存在する結果としてもたらされる、イオン電荷散布器。
適用例12:適用例11に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、前記1つ以上の電極は、厳密に1つの電極を含み、前記厳密に1つの電極は、前記複数のイオン電荷とは逆の極性の電荷を帯びるように適応される、能動式電気吸着清掃器具。
適用例13:適用例1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、前記1つ以上の電極は、更に、1つ以上の逆極性パルスを集合的に生じさせるように適応され、前記1つ以上の逆極性パルスは、前記複数の異物の1つ以上を前記能動式電気吸着清掃器具から適切に反発させる1つ以上の反発力をもたらす、能動式電気吸着清掃器具。
適用例14:適用例1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、更に、前記相互作用表面に結合され、そこに吸着された異物の量を検出するように適応された1つ以上のセンサを備える能動式電気吸着清掃器具。
適用例15:適用例1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、前記1つ以上の入力コンポーネントは、異なる種類の材料で形成されたローラの周りで回転することによって電荷を収集する電荷収集ベルトを含む、能動式電気吸着清掃器具。
適用例16:汚れた領域から1つ以上の異物を清掃するように適応された能動式電気吸着清掃システムであって、入力電圧を提供するように適応された能動電源と、前記能動式電気吸着器具のユーザから1つ以上のユーザ入力を受け取るための1つ以上の入力コンポーネントと、前記1つ以上のユーザ入力は、前記入力電圧を制御するために、清掃されている異物のサイズを指定するために、又はその両方のために使用され、前記電源に結合され、前記入力電圧から、前記能動式電気吸着清掃システムと、清掃されている1つ以上の異物のそれぞれとの間に個別の電気吸着力を集合的に生じさせるように適応されている複数の電極と、各個別の対応する電気吸着力は、前記1つ以上の異物の1つを前記能動式電気吸着清掃システムに適切に吸着させ、前記複数の電極に近接して位置決めされ、前記1つ以上の異物と相互作用するように構成された少なくとも1つの相互作用表面と、前記少なくとも1つの相互作用表面は、そこに前記1つ以上の異物が吸着されるように前記電気吸着力を通過させるように構成されている、を備える能動式電気吸着清掃システム。
適用例17:適用例16に記載の能動式電気吸着清掃システムであって、前記少なくとも1つの相互作用表面は、変形可能表面を含み、前記変形可能表面の少なくとも一対応部分は、前記電気吸着力が加えられたときに、前記1つ以上の異物の少なくとも1つに接近する、能動式電気吸着清掃システム。
適用例18:適用例16に記載の能動式電気吸着清掃システムであって、更に、前記相互作用表面に結合され、前記1つ以上の異物が位置している異質表面を横切るように前記能動式電気吸着器具を移動させるように動作可能である1つ以上のローラと、前記相互作用表面は、前記1つ以上のローラの回転運動に伴い移動する連続した軌道を含み、前記汚れた領域から前記1つ以上の異物が離された後に前記1つ以上の異物を前記相互作用表面から除去することを促すように適応されている除去コンポーネントと、を備える能動式電気吸着清掃システム。
適用例19:汚れた表面から複数の異物を物理的に清掃する方法であって、前記汚れた表面付近に位置する複数の異物のそれぞれに相互作用表面を接触させることと、前記相互作用表面に近接して位置付けられた1つ以上の電極に制御方式で静電吸着電圧を印加することと、前記静電吸着電圧は、前記汚れた表面付近に位置する前記複数の異物のそれぞれに対して前記相互作用表面の少なくとも一部分を通じて個別の対応する静電引力を生成するのに十分であことと、前記複数の異物のそれぞれを、前記対応する静電引力を介して前記相互作用表面に吸着させることと、前記相互作用表面を、そこに前記複数の異物が吸着された状態のままで前記汚れた表面から遠ざけることと、前記複数の異物を前記相互作用表面から除去することと、を備える方法。
適用例20:適用例19に記載の方法であって、前記汚れた表面は、壁、床、又は地面である、方法。
適用例21:適用例19に記載の方法であって、更に、前記除去に先立って制御された前記静電吸着電圧を変更する工程を備える方法。

Claims (15)

  1. 能動式電気吸着清掃器具であって、
    前記能動式電気吸着清掃器具と、清掃されている複数の異物のそれぞれとの間に、印加された入力電圧から個別の電気吸着力を集合的に生じさせるように適応された1つ以上の電極であって、各個別の対応する電気吸着力は、前記複数の異物の1つを前記能動式電気吸着清掃器具に適切に吸着させ、前記1つ以上の電極は、パターン配置された逆帯電可能な複数の電極を含み、前記パターンは、異なる複数のピッチを有する噛み合わせパターンを含み、
    前記能動式電気吸着器具のユーザからユーザ入力を受け取り、前記ユーザ入力を使用して前記1つ以上の電極への前記入力電圧を制御することを促すように適応された1つ以上の入力コンポーネントと、
    前記1つ以上の電極に又は前記1つ以上の電極に近接して位置決めされ、前記複数の異物と相互作用するように構成されている少なくとも1つの相互作用表面と、前記少なくとも1つの相互作用表面は、そこに前記複数の異物が吸着されるように前記電気吸着力を通過させるように構成され、前記少なくとも1つの相互作用表面は、前記電気吸着力が制御可能に変更されたときに、そこからの前記複数の異物の容易な除去を促すように適応される、こと
    を備える能動式電気吸着清掃器具。
  2. 請求項1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、
    前記複数の異物は、埃を含む、能動式電気吸着清掃器具。
  3. 請求項1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、
    前記相互作用表面は、複数の細毛を含む、能動式電気吸着清掃器具。
  4. 請求項1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、
    前記相互作用表面は、変形可能表面を含み、前記変形可能表面の少なくとも一対応部分は、前記電気吸着力が加えられたときに、前記複数の異物の少なくとも1つに接近する、能動式電気吸着清掃器具。
  5. 請求項1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、更に、
    前記1つ以上の入力コンポーネント及び前記1つ以上の電極に結合された能動電源であって、前記1つ以上の電極への前記入力電圧の提供を促すように適応された能動電源を備える能動式電気吸着清掃器具。
  6. 請求項1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、更に、
    前記相互作用表面に結合された1つ以上のローラであって、前記複数の異物が位置している異質表面を横切るように前記能動式電気吸着器具を移動させるように動作可能である1つ以上のローラを備える能動式電気吸着清掃器具。
  7. 請求項6に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、
    前記相互作用表面は、前記1つ以上のローラの回転運動に伴い移動する連続した軌道として構成される、能動式電気吸着清掃器具。
  8. 請求項に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、
    前記異なる複数のピッチは、相応に異なるサイズの異物を清掃するように適応され、前記噛み合わせ電極パターンは、前記異なる複数のピッチを選択的に作動させるように動作可能である、能動式電気吸着清掃器具。
  9. 請求項1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、更に、
    前記相互作用表面に近接して位置決めされ、前記複数の異物に複数のイオン電荷を噴き付けるように適応されたイオン電荷散布器であって、前記対応する電気吸着力の少なくとも一部分は、前記複数の異物上に前記イオン電荷が存在する結果としてもたらされる、能動式電気吸着清掃器具
  10. 請求項1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、
    前記1つ以上の電極は、更に、1つ以上の逆極性パルスを集合的に生じさせるように適応され、前記1つ以上の逆極性パルスは、前記複数の異物の1つ以上を前記能動式電気吸着清掃器具から適切に反発させる1つ以上の反発力をもたらす、能動式電気吸着清掃器具。
  11. 請求項1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、更に、
    前記相互作用表面に結合され、そこに吸着された異物の量を検出するように適応された1つ以上のセンサを備える能動式電気吸着清掃器具。
  12. 請求項1に記載の能動式電気吸着清掃器具であって、
    前記1つ以上の入力コンポーネントは、異なる種類の材料で形成されたローラの周りで回転することによって電荷を収集する電荷収集ベルトを含む、能動式電気吸着清掃器具。
  13. 汚れた領域から1つ以上の異物を清掃するように適応された能動式電気吸着清掃システムであって、
    入力電圧を提供するように適応された能動電源と、
    前記能動式電気吸着器具のユーザから1つ以上のユーザ入力を受け取るための1つ以上の入力コンポーネントと、前記1つ以上のユーザ入力は、前記入力電圧を制御するために、清掃されている異物のサイズを指定するために、又はその両方のために使用され、
    前記電源に結合され、前記入力電圧から、前記能動式電気吸着清掃システムと、清掃されている1つ以上の異物のそれぞれとの間に個別の電気吸着力を集合的に生じさせるように適応されている複数の電極と、各個別の対応する電気吸着力は、前記1つ以上の異物の1つを前記能動式電気吸着清掃システムに適切に吸着させ、
    前記複数の電極に近接して位置決めされ、前記1つ以上の異物と相互作用するように構成された少なくとも1つの相互作用表面と、前記少なくとも1つの相互作用表面は、そこに前記1つ以上の異物が吸着されるように前記電気吸着力を通過させるように構成されている、
    を備える能動式電気吸着清掃システム。
  14. 請求項13に記載の能動式電気吸着清掃システムであって、
    前記少なくとも1つの相互作用表面は、変形可能表面を含み、前記変形可能表面の少なくとも一対応部分は、前記電気吸着力が加えられたときに、前記1つ以上の異物の少なくとも1つに接近する、能動式電気吸着清掃システム。
  15. 請求項13に記載の能動式電気吸着清掃システムであって、更に、
    前記相互作用表面に結合され、前記1つ以上の異物が位置している異質表面を横切るように前記能動式電気吸着器具を移動させるように動作可能である1つ以上のローラと、前記相互作用表面は、前記1つ以上のローラの回転運動に伴い移動する連続した軌道を含み、
    前記汚れた領域から前記1つ以上の異物が離された後に前記1つ以上の異物を前記相互作用表面から除去することを促すように適応されている除去コンポーネントと、
    を備える能動式電気吸着清掃システム。
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