JP2701363B2 - 半導体装置の製造方法及びそれに使用する薄膜形成装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及びそれに使用する薄膜形成装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、半導体装置の製造方法及びそれに使用す
る薄膜形成装置に関するものである。
〔従来の技術〕
半導体装置の進歩は目ざましく、高集積化にともなつ
て微細化・薄膜化が急速に進んでおり、それにともない
異物に起因するパターン欠陥により信頼性が低下するこ
とが問題となつてきている。
第4図は従来の薄膜形成装置の概略側面構造を示す図
である。この場合、縦型の常圧化学気相成長装置(以
下、常圧CVD装置と略す)を示してある。図において、
(1)は薄膜を形成させる反応室、(2)は反応室
(1)上部にとりつけられ、薄膜形成用のガスを反応室
(1)内部に供給させるガス分散ヘツド、(3)はガス
分散ヘツド(2)に接続されるガス供給配管、(4)は
ガス分散ヘツド(2)と対向し、反応室(1)の下部に
設けられたステージ、(5)はステージ(4)に内設さ
れたヒーターである。(6)は薄膜が形成される被処理
基板であつて、例えばシリコン単結晶よりなるウエハで
ある。(7)は反応室(1)の底面部の周辺側に設けら
れた排気部より排出される排気、(8)は反応室(1)
内におけるガスの流れである。
次に、この常圧CVD装置により、例えばシリコン酸化
膜を形成する方法について説明する。
まず、ウエハ(6)が反応室(1)内に搬入口(図示
省略)を通して搬入され、ステージ(4)上に所定状態
に載置される。上記ステージ(4)はヒーター(5)に
より、予め所定温度、例えば350〜450℃位の温度に設定
されている。
次に、ガス供給源(図示省略)より、薄膜形成に使用
されるガスをガス供給配管(3)に供給し、ガス分散ヘ
ツド(2)を介して反応室(1)内に上記ガスを導入す
る。シリコン酸化膜の場合、使用されるガスは、例えば
反応ガスとしてモノシラン(SiH4)と酸素(O2)とであ
り、キヤリアガスとして、例えば窒素(N2)である。こ
れらモノシラン(SiH4),酸素(O2)および窒素(N2
ガスは、この場合、それぞれガス供給配管(3a)(3b)
および(3c)に供給される。そして、ガス分散ヘツド
(2)のノズル部よりミキシングされた状態で下方向の
ウエハ(6)側に向かつて供給される。
一方、ステージ(4)の周辺から反応室(1)外部へ
反応ガスなどの排気(7)が行われている。このとき、
反応室(1)内におけるガスは、ガスの流れ(8)に示
すような状態となつており、ウエハ(6)表面では均等
に反応性ガスが供給されるようになつている。これによ
りウエハ(6)上では、次のような反応が起こることに
なる。
SiH4+O2→SiO2+2H2 このようにして、熱によるCVDを所定時間施すことに
より、ウエハ(6)上に、シリコン酸化膜が所定膜厚に
形成される。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の常圧CVD装置は以上のように構成されており、
供給されたガスは、反応室(1)内の全体を充たしてお
り、第5図に示すようにウエハ(1)の主面部にシリコ
ン酸化膜(12)が形成されるとともに、反応室(1)の
内壁面にもシリコン酸化物を付着させることになる。こ
の内壁面に付着したシリコン酸化物は順次付着されるこ
とによつて堆積物(11)を形成することになる。さら
に、反応室(1)内では、反応によりシリコン酸化物が
形成され、それら粒子(9)が凝集してウエハ(6)上
に付着してしまう。これらウエハ(6)上に直接付着し
たものや、堆積物(11)の一部が剥離してウエハ(6)
上に付着したものは、欠陥を生じさせる異物(10)とな
る。これら異物(10)のためシリコン酸化膜(12)の正
常な形成が行なえず、半導体装置の歩留を低下させてし
まうという問題点があつた。
この発明は、上記のような問題点を解消するためにな
されたもので、薄膜形成における基板への異物付着が抑
制され、半導体装置の歩留が向上される薄膜形成装置を
得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る薄膜形成装置は、被処理基板を収納
し、熱反応を利用する化学気相成長法により基板に薄膜
を形成する反応室の内部に、単一極性の直流電圧を印加
させて反応室内の荷電粒子を付着させうる電極が配設さ
れるようになされている。
また、この発明に係る半導体装置の製造方法は、被処
理基板を収納し、熱反応を利用する化学気相成長法によ
り基板上に薄膜を形成しながら、反応室の内部に配設さ
れた電極に単一極性の直流電圧を印加し、反応室内の荷
電粒子を電極に付着させる工程を有している。
[作用] この発明における電極部は、単一極性の直流電圧が印
加されることにより、熱反応を利用する化学気相成長法
において、基板に薄膜を形成する際に発生する薄膜形成
に寄与せず、気相中で衝突して生成された荷電粒子を静
電的に捕獲し、付着させる。そのため、異物となるべき
荷電粒子が基板に付着するのを抑制させる作用を有す
る。
〔発明の実施例〕
以下、この発明の一実施例を図について説明する。な
お、従来の技術の説明と重複する部分は、適宜その説明
を省略する。
第1図は、この発明の一実施例の薄膜形成装置の概略
断面構造を示す図である。この場合、縦型の常圧CVD装
置を示してある。図において、(1)〜(8)は従来の
ものと同一のもの、(21)は開口(21a)が形成され、
反応室(1)内の薄膜形成領域におけるウエハ(6)周
辺部に配設される静電プレート電極、(22)はこの静電
プレート電極(21)に直流電圧を印加する直流高圧電源
である。
このように構成される常圧CVD装置を用いて薄膜は次
のように形成される。
まず、ウエハ(6)は、反応室(1)の搬入口(図示
省略)を通して内部に搬入され、ステージ(4)上に所
定状態に載置される。このステージ(4)は予め所定温
度、例えば350〜450℃程度に設定されている。
次いで、ガス供給源(図示省略)より、薄膜形成用の
ガスがガス供給配管(3)に供給され、さらにガス分散
ヘツド(2)を介して上記ガスが反応室(1)内に導入
される。例えば、薄膜としてシリコン酸化膜を形成する
場合、使用されるガスは、反応ガスとして、例えばモノ
シラン(SiH4)と酸素(O2)とが用いられ、キヤリアガ
スとして、例えば窒素(N2)が用いられる。これらモノ
シラン(SiH4),酸素(O2)および窒素(N2)ガスは、
それぞれガス供給管(3a)(3b)および(3c)に供給さ
れる。そしてガス分散ヘツド(2)のノズル部よりミキ
シングされた状態でウエハ(6)側に向けて供給され
る。薄膜形成に寄与しないガスは、静電プレート電極
(21)の開口(21a)を通してガスの流れ(8b)のよう
に反応室(1)外へ排気(7)される。反応に寄与する
ガスは、ウエハ(6)に向けてほゞ垂直状のガスの流れ
(8a)となり、ウエハ(6)の一主面に均等にガスが供
給されるようになる。このとき、ウエハ(6)上では、
次のような反応が起こり、熱によるCVDを所定時間施し
て、所定膜厚のシリコン酸化膜(12)が形成される。
SiH4+O2→SiO2+2H2 第2図は、シリコン酸化分子(9)の形成,解離およ
び解離したシリコン酸化分子(9)の荷電粒子が静電プ
レート電極(21)に付着される状態を説明するために模
式的に示す図である。ウエハ(6)上部の気相中では、
上記反応により、シリコン酸化分子(SiO2)(9)が形
成される。これら分子は、反応室(1)のある温度条件
における熱運動が行なわれ、一部が相互に衝突すること
になる。
これにより、衝突分子はその最外殻電子が励起されて
正荷電粒子(SiO2 +)となる。
ところで、静電プレート電極(21)には所定直流電
圧、例えば500V〜10kV程度の負電圧が印加されており、
その表面では負に帯電されている。そののため、上記静
電プレート電極(21)近傍の上記正荷電粒子(SiO2 +
は、上記静電プレート電極(21)に引き寄せられ、捕獲
される。この捕獲されたものはクーロン力によつて保持
された状態となる。
従つて、この作用によつて、上記静電プレート電極
(21)近傍でのシリコン酸化分子(SiO2)(9)の密度
分布が小さくなつてしまう。そこで、上記シリコン酸化
分子(SiO2)(9)は、均等な密度分布になろうとし
て、熱運動により密度の小さい方向に拡散する現象が起
こる。これが順次行なわれて、上記静電プレート電極
(21)への正荷電粒子(SiO2 +)の付着が行なわれるこ
とになる。このように付着されたものは、クーロン力に
よつて保持され、再び剥離されることも抑止される。
なお、この場合においても、上記静電プレート電極
(21)の開口(21a)を通り抜けたガスは、反応室
(1)の内壁に達して、シリコン酸化分子(SiO2)によ
る堆積物(11)を形成させるが、その量が低減されるば
かりでなく、この内壁より剥離した場合でも上記静電プ
レート電極(21)が防護の役目を果たし、それらは排気
されることになり、ウエハ(6)上に達することはな
い。また、上記静電プレート電極(21)の設置により、
ウエハ(6)上部の気相中において、シリコン酸化膜
(12)の形成に寄与しないシリコン酸化分子(SiO2
(9)が凝集することにより異物(10)となつてウエハ
(6)に付着することが抑制される。
このように、気相中のシリコン酸化分子(9)の凝集
によるウエハ(6)上への異物付着および反応室(1)
内壁面の堆積物(11)からのウエハ(6)上への異物付
着が抑制されることになり、ウエハ(6)上に高品質の
シリコン酸化膜(12)の形成が行なわれることになる。
ところで、上記静電プレート電極(21)は、着脱自在
に形成されているものであり、清掃時等においては、動
作時に上記静電プレート電極(21)への印加電圧を遮断
し、予め準備した他の静電プレート電極(21)と交換さ
れるようになされる。これによつて作業時間の短縮が図
られるばかりか、清掃時等に反応室(1)内部からの異
物発散による装置周辺の清浄度の低下の防止が図られる
ことにもなる。
また、上記静電プレート電極(21)は、代表的にはス
テンレス,アルミニウム,銅,モリブデン等よりなる金
属板で形成されるものであるが、カーボン等よりなる導
体板の表面に数μm〜数百μmの絶縁膜、例えばシリコ
ン酸化膜,アルミナ等をコーテイングさせたものであつ
てもよい。この場合には、第2図に示す如く、直流電圧
を印加することによつて、絶縁膜内部で両荷電状態とな
り、その表面部では負に荷電され、正荷電粒子(Si
O2 +)の捕獲効率がさらに大きなものとなる。
ところで、第3図はこの発明の他の実施例を示す図で
ある。このものは、他の静電プレート電極(23)が、上
記反応室(1)の内壁に沿うように配設されている。こ
の場合には、上記他の静電プレート電極(23)の面積を
大きく形成可能となり、さらに正荷電粒子(SiO2 +)の
捕獲効率の向上が期待される。
なお、上記実施例の説明において、シリコン酸化分子
(SiO2)(9)の衝突により生成される正荷電粒子(Si
O2 +)を、逆荷電となされた静電プレート電極(21)に
付着させる場合について述べたが、負荷電粒子を生成さ
せるものにあつては、上記静電プレート電極(21)の表
面が正に荷電されるものとなされればよい。
また、基板(6)がシリコン単結晶よりなるものにつ
いて述べたが、ガリウム・ヒ素等よりなる他の基板であ
つてもよく、上記と同様の効果が得られるものである。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によれば、薄膜を形成させる
反応室の内部に、直流電圧を印加させて薄膜形成に寄与
しない粒子を付着させる電極を配設させるようにしたの
で、気相中の異物となりうる粒子を有効に捕獲すること
ができ、被処理基板への異物付着が抑制されて高品質の
薄膜形成が行なわれ、半導体装置の高信頼度化が図られ
る効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の薄膜形成装置の概略断面
構造を示す図、第2図はシリコン酸化膜分子からの正荷
電粒子の生成機構と静電プレート電極への正荷電粒子の
付着機構とを説明するために模式的に示す図、第3図は
この発明の他の実施例の薄膜形成装置の概略断面構造を
示す図、第4図は従来の薄膜形成装置の概略断面構造を
示す図、第5図は第4図に示す装置を用いて基板へのシ
リコン酸化膜形成と異物付着とを説明するために模式的
に示す図である。 図において、(1)は反応室、(6)はウエハ、(8)
はガスの流れ、(12)はシリコン酸化膜、(21)は静電
プレート電極、(22)は直流高電圧電源、(23)は他の
静電プレート電極である。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応室に被処理基板を収納し、熱反応を利
    用する化学気相成長法により上記基板上に薄膜を形成す
    る薄膜形成装置において、 上記反応室の内部に、単一極性の直流電圧を印加させて
    上記反応室内の荷電粒子を付着させうる電極が配設され
    ることを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】反応室に被処理基板を収納し、熱反応を利
    用する化学気相成長法により上記基板上に薄膜を形成す
    る半導体装置の製造方法において、 熱反応を利用する化学気相成長法により上記基板上に薄
    膜を形成しながら、上記反応室の内部に配設された電極
    に単一極性の直流電圧を印加し、上記反応室内の荷電粒
    子を上記電極に付着させる工程を含むことを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
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