JPH1154441A - 触媒化学蒸着装置 - Google Patents

触媒化学蒸着装置

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JPH1154441A
JPH1154441A JP22100897A JP22100897A JPH1154441A JP H1154441 A JPH1154441 A JP H1154441A JP 22100897 A JP22100897 A JP 22100897A JP 22100897 A JP22100897 A JP 22100897A JP H1154441 A JPH1154441 A JP H1154441A
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JP
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gas
catalyst
space
thermal catalyst
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JP22100897A
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English (en)
Inventor
Shunichi Murakami
俊一 村上
Hideji Nomura
秀二 野村
Hideki Matsumura
英樹 松村
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Canon Anelva Corp
Original Assignee
Anelva Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒化学蒸着法により薄膜を作成する実用的
な装置を提供する。 【解決手段】 排気系11によって排気される成膜チャ
ンバー1内には、成膜する基板9を保持する基板ホルダ
ー4と、基板9が配置された空間に対して隔絶された内
部空間に熱触媒体3が配置される触媒容器5とが設けら
れる。ガス供給手段2は、ヒータ電源31によって所定
温度に加熱維持された熱触媒体3に接触させるようにし
て原料ガスを供給し、原料ガスの熱触媒体3との触媒反
応により生成された化学種がガス吹き出し孔50から吹
き出して基板9の表面に供給され、所定の薄膜が堆積す
る。基板9以外の成膜チャンバー1内の露出部分に対す
る膜堆積が抑えられるとともに、熱触媒体3による基板
9の加熱が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、LSI(大規
模集積回路)を始めとする各種半導体デバイス等の製作
に関するものであり、特に、触媒化学蒸着(CAT−C
VD)法によって所定の薄膜を作成する薄膜作成プロセ
スに関するものである。
【0002】
【従来の技術】LSIを始めとする各種半導体デバイス
やLCD(液晶ディスプレイ)等の製作においては、基
板上に所定の薄膜を作成するプロセスが存在する。この
うち、所定の組成の薄膜を比較的容易に作成できること
から、従来から化学蒸着(Chemical Vapo
r Deposition, CVD)法による成膜が
多く用いられている。このようなCVD法による成膜の
うち、比較的低温で成膜できるところから、プラズマに
よるエネルギーを反応に利用するプラズマCVD法が主
流になっている。
【0003】しかしながら、プラズマCVD法には、プ
ラズマを使用することに起因した特有の問題がある。即
ち、プラズマ中で生成される高エネルギー荷電粒子が基
板に入射し、基板に損傷を与える問題がある。例えば、
高エネルギーイオンの入射によって基板の表面にピンホ
ール等の局所的な形状欠陥が発生したり、プラズマ中の
イオンや電子が基板の表面層に混入して電気特性を阻害
してしまったりする問題がある。
【0004】特に、最近注目されているHEMT(高電
子移動電界効果トランジスタ)では、Siをドープした
電子親和力の小さなN型半導体(N−AlGaAs)と
電子親和力の大きなノンドープ半導体(ノンドープGa
As)とのヘテロ接合界面のGaAs側の三角ポテンシ
ャル内に閉じこめられた二次元電子をチャンネル電子し
て使用しているが、その保護膜(絶縁膜)をプラズマC
VD法で作成すると、プラズマダメージによって二次元
電子が30%程度も減少してしまう。この結果、素子の
電気抵抗が高くなり、素子の本来の性能を消滅させてし
まう。
【0005】また、プラズマCVD法は、熱CVD法に
比べ比較的低温で成膜できるとはいっても、プラズマに
基板が晒されるため、成膜温度(成膜中の基板温度)の
低下には限度がある。従って、より一層の成膜温度の低
下が要求される場合に、プラズマCVD法では充分対応
できない可能性もある。例えば、ガリウム砒素系の化合
物半導体は、400℃程度以上になると砒素が遊離して
抜け出てしまう問題があるが、従来のプラズマCVD法
では、この温度以下に維持して成膜を行うことが困難な
場合もあった。
【0006】このような中、発明者は、プラズマを使用
しないCVD法として、熱触媒体を使用した触媒化学蒸
着(Catalytic CVD,CAT−CVD)法
を見いだし、鋭意研究を行ってきた。このCAT−CV
D法は、所定の温度に加熱した熱触媒体を成膜チャンバ
ー内に配置し、成膜チャンバー内に供給した原料ガスを
この熱触媒体に接触させ、熱接触体との接触反応を利用
しながら基板に所定の薄膜を堆積させる手法である。
【0007】例えば、タングステン線を熱触媒体として
使用して1600〜1700℃程度に加熱し、シラン
(SiH4)及びアンモニア(NH3)を原料ガスとして
供給して熱触媒体に接触させると、シラン及びアンモニ
アが熱触媒体との接触によって分解し、基板上に窒化シ
リコン膜が堆積する。この際の基板の温度は300℃以
下に保たれ、比較的低温での成膜が可能になっている。
このようなことから、CAT−CVD法は、高品位の成
膜方法として最近特に注目されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】しかしながら、上記CAT−CVD法を行
う装置として実用的な装置は未だ開発されておらず、実
用上の課題が多く残っている。この点を以下に説明す
る。
【0009】図5は、CAT−CVD法を行う実験装置
の構成を説明する正面概略図である。この図5に示す装
置は、内部で成膜が行われる成膜チャンバー1と、成膜
チャンバー1内に所定の原料ガスを供給するガス供給手
段2と、供給された原料ガスが接触するように成膜チャ
ンバー1内に設けられた熱触媒体3と、熱触媒体3の作
用によって所定の薄膜が堆積する位置に基板9を保持す
る基板ホルダー4とから主に構成されている。
【0010】ガス供給手段2は、成膜チャンバー1内に
設けたガス分配器20を介して原料ガス200を供給す
るようになっている。ガス分配器20は、基板9に平行
に対向した面にガス吹き出し孔210を多数均等に有し
ている。また、熱触媒体3としては、前述したように例
えばタングステン線が使用される。線の形状は、特に要
求されるものではないが、コイル状になっている。尚、
基板ホルダー4内に基板用ヒータ41が設けられてお
り、基板9は所定の温度に加熱維持される。
【0011】図5に示す装置において、ガス分配器20
に供給された原料ガス200はガス吹き出し孔210か
ら吹き出し、熱触媒体3に接触して触媒反応を生ずる。
触媒反応の結果生成された化学種201は基板9に達
し、基板9の表面に所定の薄膜を堆積させる。触媒反応
により生成された化学種201は、薄膜の前駆体ともい
うべきものであるが、その内部エネルギーが高いところ
から、成膜の際の基板9の温度は比較的低くて足りる。
【0012】上記装置において、熱触媒体3に接触して
生成された化学種201は、基板9に向かう方向のみな
らず、他の方向にも拡散していく。このため、この化学
種21による薄膜堆積は、基板9の表面のみならず、成
膜チャンバー1の内壁面等の他の成膜チャンバー1内の
露出部分にも生ずる。このような基板9の表面以外の場
所の堆積膜は、基板9への成膜処理を繰り返すうちにか
なりの厚さに達し、内部ストレス等が原因で剥離する場
合がある。剥離した薄膜はパーティクルとなって成膜チ
ャンバー1内を浮遊し、時として基板9の表面に付着す
る。パーティクルが付着すると、局所的な膜厚異常等の
欠陥を生じ、製品欠陥の原因となり易い。
【0013】また、CAT−CVD法では成膜中の基板
9の温度が比較的低く済むという長所があるものの、上
記装置では、熱触媒体3と基板9とが比較的接近してお
り、両者の間には特に隔てるものがない。このため、熱
触媒体3の熱が基板9に伝わり易く、基板9が限度以上
に加熱され易い。例えば、基板9から30〜100mm
程度の位置に熱触媒体3を配置し、熱触媒体3を170
0℃程度に維持すると、基板9は350℃程度まで加熱
されてしまう。この加熱は、真空中であるため、輻射に
よって伝わる分が多いが、350℃程度まで基板9が加
熱されると、例えばGaAs基板9上に設けた電極用金
属がGaAsと合金化してしまい、素子が破壊される問
題が生ずる。
【0014】本願発明は、このような課題を解決するた
めになされたものであり、CAT−CVD法により薄膜
を作成する実用的な装置を提供することを目的としてい
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、所定温度に加熱維持
された熱触媒体に接触させるように原料ガスを供給し、
熱触媒体との接触によって生成された化学種を基板の表
面に供給して当該表面に所定の薄膜を堆積させる触媒化
学蒸着装置であって、内部に前記熱触媒体が配置される
触媒容器と、当該触媒容器内に所定の原料ガスを供給す
るガス供給手段とを備えており、当該触媒容器は、その
内部空間が前記基板が配置された空間に対して隔絶され
ているとともに前記基板を臨む場所にガス吹き出し部を
有しており、前記熱触媒体との接触によって生成された
化学種が、触媒容器内の空間と前記基板が配置された空
間との差圧によってガス吹き出し部から吹き出して前記
基板に供給されるようになっているという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発
明は、上記請求項1の構成において、前記触媒容器は、
前記基板に対して平行な姿勢の板状部分を有し、前記ガ
ス吹き出し部は、この板状部分に均等に形成された複数
のガス吹き出し孔であるという構成を有する。また、上
記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、所定温
度に加熱維持された熱触媒体に接触させるように原料ガ
スを供給し、原料ガスが熱触媒体と接触することによっ
て生成された化学種を基板の表面に供給して当該表面に
所定の薄膜を堆積させる触媒化学蒸着装置であって、内
部が隔壁によって二つに区画され、その区画された一方
の空間内に基板が配置される成膜チャンバーと、この成
膜チャンバーの区画された他方の空間に所定の原料ガス
を供給するガス供給手段とを備えており、前記熱触媒体
は当該他方の空間に配置されているとともに、前記隔壁
は、前記成膜チャンバーの他方の空間から一方の空間に
ガスを吹き出すガス吹き出し部を有しており、前記熱触
媒体との接触によって生成された化学種が、一方の空間
と他方の空間との差圧によってガス吹き出し部から吹き
出して前記基板に供給されるようになっているという構
成を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。まず、請求項1及び2の発明に対応した
本願発明の第一の実施形態について説明する。図1は、
本願発明の第一の実施形態の触媒化学蒸着装置の構成を
説明する正面概略図である。図1に示す装置は、内部で
成膜が行われる成膜チャンバー1と、成膜チャンバー1
内に所定の原料ガスを供給するガス供給手段2と、供給
された原料ガスが接触するように成膜チャンバー1内に
設けられた熱触媒体3と、熱触媒体3の作用によって所
定の薄膜が堆積する位置に基板9を保持する基板ホルダ
ー4とを備えている。
【0017】まず、成膜チャンバー1は、排気系11を
備えた気密な容器である。排気系11は、拡散ポンプ等
を含む多段の排気システムであり、成膜チャンバー1内
を例えば5×10-5程度まで排気できるよう構成されて
いる。この成膜チャンバー1には、基板9の出し入れを
行う不図示のゲートバルブが設けられる。また、成膜チ
ャンバー1に隣接して基板搬送チャンバーやロードロッ
クチャンバー等が設けられる。
【0018】ガス供給手段2は、複数種の原料ガスを切
り替えて又は同時に供給できるよう構成されている。本
実施形態では、モノシランと、アンモニアと、水素とを
供給できるよう構成されている。各々のガス供給系に
は、バルブ21や流量調整器22が設けられており、所
定のガスの所定の流量(比)で供給できるようになって
いる。
【0019】この実施形態の装置の大きな特徴点は、基
板9が配置された空間と、熱触媒体3が配置された空間
とが隔絶されている点である。即ち、成膜チャンバー1
内には、触媒容器5が設けられ、熱触媒体3は触媒容器
5内に設けられている。そして、基板9を保持する基板
ホルダー4は、成膜チャンバー1内ではあるが、触媒容
器5の外に設けられている。
【0020】また、触媒容器5は、基板9より少し大き
な径の円筒状である。触媒容器5の上板部には、ガス供
給管51が接続されている。ガス供給管51は成膜チャ
ンバー1の上面部に設けられたガス供給口12に気密に
接続されている。そして、ガス供給手段2は、ガス供給
口12を通してガス供給管51内に所定のガスを供給
し、ガス供給管51を経由して触媒容器5内に原料ガス
200を供給するよう構成されている。尚、ガス供給管
51や触媒容器5は、モリブデン、タンタル又はタング
ステン等で形成されている。また、ガス供給管51や触
媒容器5の表面は、不純物を発生させないよう、電解研
磨処理されている。
【0021】また、触媒容器5の基板9に対して平行な
姿勢の板状部分、即ち、本実施形態でいえば、円筒状の
触媒容器5の底板部には、ガス吹き出し部が設けられて
いる。このガス吹き出し部は、底板部に均等に形成され
た複数のガス吹き出し孔50で構成されている。ガス吹
き出し孔50は、直径0.5mmから1mm程度の円形
の孔であり、10〜20mm程度の間隔で設けられてい
る。
【0022】排気系11によって成膜チャンバー1が全
体に排気されるとともに、ガス供給手段2によって原料
ガスが供給されると、触媒容器5内は触媒容器5外に対
して圧力が高くなり、差圧が生ずる。この差圧によっ
て、ガス吹き出し孔50からガスが吹き出すようになっ
ている。尚、このガスには、原料ガス200が熱触媒体
3に接触することにより生成された化学種が多く含ま
れ、この化学種201が基板9に到達することによって
薄膜が堆積することになる。
【0023】熱触媒体3は、触媒容器5内のほぼ中央に
配置され、不図示の保持具を介して触媒容器5に保持さ
れている。熱触媒体3は、前述と同様にタングステン線
が使用されている。タングステン線は、例えば直径0.
5mm程度の太さのものであり、約130cm程度の長
さのものが内径約3mm程度のコイル状に形成されてい
る。尚、コイル状等に形成するのは、限られた空間内で
熱触媒体3の表面積を大きくして、原料ガスの熱触媒体
3に対する接触確率を高くするためである。また、さら
に長いタングステン線を用い、上記のようにコイル状の
部分をつなげて複数形成し、このコイル状の部分を基板
9と平行な面上に並べるように構成するとさらに好適で
ある。
【0024】このような熱触媒体3には、ヒータ電源3
1が接続されている。ヒータ電源31としては、通電に
よりジュール熱を発生させるものが通常使用される。例
えば、出力電圧30〜70Vに調整できる程度の商用周
波数の交流電源が使用され、タングステン線には5〜1
5A程度の電流が流れるようになっている。このような
ヒータ電源31によって、熱触媒体3は、1600〜2
000℃程度に加熱維持されるようになっている。熱触
媒体3の温度制御は、熱触媒体3の温度を検出する不図
示の温度センサからの信号を利用して行われる。本実施
形態では、温度センサとして放射温度計が用いられてい
る。放射温度計の検出信号はヒータ電源31に送られ、
ヒータ電源31の出力電圧が調整されて熱触媒体3の温
度がフィードバック制御されるようになっている。
【0025】基板ホルダー4は、上面に基板9を載置し
て保持するようになっており、この上面は、触媒容器5
の底板部と平行になっている。この基板ホルダー4に
は、基板温度制御機構が設けられている。基板温度制御
機構は、基板ホルダー4内に埋設された基板用ヒータ4
1と、基板用ヒータ41を制御するコントローラ42
と、基板ホルダー4に設けた熱電対等の温度モニタ43
とから主に構成されている。基板用ヒータ41は、通電
によりジュール熱を発生させるカートリッジヒータ等が
使用されている。温度モニタ43からの信号はコントロ
ーラ42にフィードバックされ、基板ホルダー4の温
度、最終的には基板9の温度を所定の温度に制御するよ
うになっている。
【0026】尚、基板ホルダー4には、基板9と基板ホ
ルダー4との接触性を高めて温度制御の精度を向上させ
る基板密着手段が必要に応じて設けられる。基板密着手
段には、静電気によって基板9を基板ホルダー4に密着
させる機構や基板9の周縁部分を押さえるクランパーに
よって基板9を基板ホルダー4に密着させるメカクラン
プ機構等が採用される。
【0027】上記構成に係る本実施形態の装置の動作に
ついて説明する。排気系11によって成膜チャンバー1
を所定の圧力まで予め排気した状態で、不図示のゲート
バルブを通して基板9を成膜チャンバー1内に搬送し、
基板ホルダー4上に載置する。基板ホルダー4に設けら
れた基板温度制御機構が予め動作しており、基板ホルダ
ー4に載置されることによって基板9は所定温度に加熱
され、その温度が維持される。必要に応じて基板密着手
段によって基板9を基板ホルダー4に密着させ、温度制
御の精度を向上させる。また、熱触媒体3のヒータ電源
31も予め動作しており、所定の温度に加熱維持されて
いる。
【0028】この状態でガス供給手段2が動作し、ガス
供給管51を介して触媒容器5内に所定の原料ガス20
0を供給する。供給された原料ガス200は熱触媒体3
に接触し、触媒反応によって特定の化学種201が生成
される。この化学種201は、ガス吹き出し孔50を通
って触媒容器5外に吹き出し、基板9に到達することで
所定の薄膜を堆積することになる。薄膜が所定の厚さに
達すると、原料ガスの供給を止め、成膜チャンバー1内
を再度排気した後、基板9を成膜チャンバー1から取り
出す。
【0029】具体的な成膜例を説明すると、例えば原料
ガスとしてモノシランとアンモニアの混合ガスを使用
し、モノシラン1.0cc/分、アンモニア100cc
/分の流量で触媒容器5に供給し、熱触媒体3の温度を
1600〜1700℃程度に維持するとともに、基板9
の温度を280〜300℃程度に維持すると、窒化シリ
コン膜を100オングストローム/分程度の成膜速度で
作成することができる。また、アンモニアに代えて水素
を使用し、モノシランと水素の混合ガスを所定流量比で
供給すれば、水素化アモルファスシリコン膜等を作成す
ることも可能である。
【0030】上記成膜に利用されている触媒反応につい
て、補足して説明を行う。図2は、CAT−CVD法の
成膜メカニズムを説明する概略図である。上記窒化シリ
コン膜を作成する場合を例にとると、導入されたモノシ
ランガスが、所定温度に加熱された熱触媒体3の表面
(タングステン表面)を通過する際、水素分子の吸着解
離反応に類似したシランの接触分解反応が生じ、SiH
3 *及びH* という分解活性種が生成される。詳細なメカ
ニズムは明かではないが、モノシランを構成する一つの
水素がタングステン表面に吸着することで、その水素と
シリコンの結合が弱まってモノシランが分解し、タング
ステン表面への吸着が熱によって解かれてSiH3 *及び
* という分解活性種が生成されると考えられる。アン
モニアガスにも同様な接触分解反応が生じ、NH2 *及び
* という分解活性種が生成される。そして、これらの
分解活性種が基板9に到達してシリコン窒化膜の堆積に
寄与する。即ち、反応式で示すと、 SiH4(g)→SiH3 * (g)+H* (g) NH3(g)→NH2 * (g)+H* (g) aSiH3 * (g)+bNH2 * (g)→cSiNx(s) となる。尚、gの添え字はガス状態、sの添え字は固体
状態であることを意味する。
【0031】上記構成及び動作に係る本実施形態の装置
において、熱触媒体3は触媒容器5内に配置され、触媒
反応によって生成された化学種はガス吹き出し孔50を
通って基板9に供給されるようになっており、ガス吹き
出し孔50以外に化学種の拡散経路は存在しない。従っ
て、図5に示す装置に比べて、成膜チャンバー1の内壁
面等に堆積する薄膜の量が格段に少なくなっている。こ
のため、堆積膜の剥離によりパーティクルの発生も極め
て少なくなっている。尚、触媒容器5の内面には薄膜が
堆積するが、この薄膜が剥離してパーテチィクルになっ
たとしても、ガス吹き出し孔50を通らなければ基板9
に達しないので、図5に示す装置に比べ、基板9に与え
る影響は非常に少ない。また、触媒容器5を着脱自在と
し、成膜処理を所定回数繰り返した後、触媒容器5を交
換するようにすると、パーティクルの問題は完全に解消
される。
【0032】また、熱触媒体3の輻射熱は、触媒容器5
に与えられるため、基板9を直接加熱することはない。
触媒容器5は熱触媒容体3の輻射熱を受けて加熱され、
触媒容器5の輻射熱が基板9に対して与えられるが、触
媒容器5は熱容量が大きく、触媒容器5から基板9に与
えられる輻射熱は、図5に装置において熱触媒体3から
直接基板9に与えられる輻射熱に比べて遥かに小さい。
このため、従来のように基板9が限度以上に加熱される
ことがなく、合金化による素子破壊等が未然に防止され
る。
【0033】より具体的に数値を示しながら、上記の点
をさらに詳しく説明する。図3は、図1の装置の効果を
確認した実験の結果を示す図である。この実験では、上
述した装置において、水素ガスを50cc/分導入し、
熱触媒体3の温度を1700℃に維持するとともに、基
板9が配置された空間の圧力を0.8Paに維持しなが
ら、基板9がどの程度の温度まで加熱されるかを調べて
いる。尚、触媒容器5としては、直径200mm、高さ
50mm、厚さ3.0〜5.0mm程度のものが使用さ
れており、材質はタングステン、チタン、モリブデンな
どである。基板9と熱触媒体3との距離は、30〜70
mm程度である。尚、この実験では、基板ホルダー4の
加熱温度は350℃に維持された。
【0034】この図3から分かるように、熱触媒体3の
加熱を開始すると、基板9の温度は急激に上昇するが、
380〜390℃程度で上昇は止まり、10分以上経過
しても400℃を越えることはない。基板ホルダー4の
加熱温度が350℃であるところから、基板ホルダー4
からの加熱が無い場合、基板9の温度は100℃以下に
抑えられると予想される。つまり、熱触媒体3から正味
の加熱温度は100℃以下であると考えられる。従っ
て、例えば基板ホルダー4の加熱温度を200〜250
℃程度に設定することで、基板9の温度は280〜30
0℃程度となり、前述した窒化シリコンの成膜条件とし
ては最適なものとなる。
【0035】尚、基板9の加熱防止のためには、触媒容
器5の熱容量を大きくするが重要である。底板部の大き
さ(円形であれば直径、方形であれば対角線の長さ)で
いうと、基板9の大きさに対して1.2倍以上の大きさ
があると好適である。また、熱触媒体3に多くの原料ガ
スを供給するとともに、生成された化学種を確実に基板
9に到達させるには、触媒容器5内外の差圧を大きくす
ることが重要である。例えば、前記寸法例でいうと、ガ
ス吹き出し孔50全体のコンダクタンスを0.1リット
ル/秒程度とし、触媒容器5への原料ガスの流量を5c
c/分とするとともに、排気系11の排気速度を500
リットル/秒程度とすると、触媒容器5の内部圧力35
Paに対して、成膜チャンバー1内の圧力は0.1Pa
程度となる。この0.1Paの圧力下では、平均自由行
程は約5cmになり、従って、生成された化学種は、他
のガス分子との衝突によって散乱されることなく、確実
に基板9に供給される。
【0036】次に、請求項3に対応した本願発明の第二
の実施形態について説明する。図4は、第二の実施形態
の触媒化学蒸着装置の構成を説明する正面概略図であ
る。この第二の実施形態では、成膜チャンバー1内の空
間は隔壁13によって二つの空間に区画されている。隔
壁13は、成膜チャンバー1の内側面に周状にフランジ
部131を形成し、このフランジ部131に気密に隔壁
板132を填め込むことにより構成される。具体的に
は、フランジ部131の周縁には段差が形成されてお
り、この段差の部分に填め込むようにして隔壁板132
が設けられている。そして、段差131と隔壁板132
との間には、O−リングのようなシール部材133が設
けられる。但し、充分な差圧が得られる限り、シール部
材133は不要な場合もある。
【0037】そして、隔壁13によって区画された一方
の空間内に基板ホルダー4が設けられており、他方の空
間内に熱触媒体3が設けられている。そして、ガス供給
手段2は他方の空間に所定の原料ガスを供給するよう構
成されている。また、隔壁板131はガス吹き出し部を
有している。ガス吹き出し部は、前記第一の実施形態の
場合と同様に、ガス吹き出し孔50を多数均等に設ける
ことによって構成できる。
【0038】この第二の実施形態の装置も、第一の実施
形態の装置と同様に動作で、また同様の効果を有する。
この第二の実施形態の装置では、成膜チャンバー1内を
隔壁13によって区画するという簡易な構成によって基
板9の配置空間と熱触媒体3の配置空間とを隔絶してい
るので、触媒容器5を設ける場合に比べ、成膜チャンバ
ー1内の構成が簡略化される。従って、構造的にコンパ
クトになり、製作コストも比較的安くて済む。
【0039】上記各実施形態において、ガス吹き出し部
は、小さな円形のガス吹き出し孔50を多数均等に設け
た構成であったが、底板部の代わりに緻密なメッシュ状
の部材を設ける等の構成でもよい。また、熱触媒体3の
材質としては、前述したタングステンの他、モリブデ
ン、タンタル、チタン又はバナジウムを使用することが
可能である。発明者の研究によれば、これらの材料によ
る熱触媒作用が確認されている。また、熱触媒体3の形
状としては、前述したコイル状の他、鋸波状、渦巻き状
やメッシュ状等の他の任意の形状を採用することができ
る。また、線状のものから形成される必要はなく、板状
や棒状等の他の形状のものを使用して熱触媒体3とする
ことも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明した通り、本願発明によれば、
基板以外の成膜チャンバー内の露出部分に対する膜堆積
が最小限に抑えられるので、パーティクルの発生に起因
した問題が未然に防止される。また、熱触媒体による基
板の加熱が抑制されるので、基板が限度以上に加熱され
てしまう問題もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態の触媒化学蒸着装置の構成
を説明する正面概略図である。
【図2】触媒CVD法の成膜メカニズムを説明する概略
図である。
【図3】図1の装置の効果を確認した実験の結果を示す
図である。
【図4】第二の実施形態の触媒化学蒸着装置の構成を説
明する正面概略図である。
【図5】CAT−CVD法を行う実験装置の構成を説明
する正面概略図である。
【符号の説明】
1 成膜チャンバー 11 排気系 13 隔壁 2 ガス供給手段 3 熱触媒体 31 ヒータ電源 4 基板ホルダー 5 触媒容器 50 ガス吹き出し孔 51 ガス供給管 9 基板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定温度に加熱維持された熱触媒体に接
    触させるように原料ガスを供給し、原料ガスが熱触媒体
    と接触することによって生成された化学種を基板の表面
    に供給して当該表面に所定の薄膜を堆積させる触媒化学
    蒸着装置であって、 内部に前記熱触媒体が配置される触媒容器と、当該触媒
    容器内に所定の原料ガスを供給するガス供給手段とを備
    えており、当該触媒容器は、その内部空間が前記基板が
    配置された空間に対して隔絶されているとともに前記基
    板を臨む場所にガス吹き出し部を有しており、前記熱触
    媒体との接触によって生成された化学種が、触媒容器内
    の空間と前記基板が配置された空間との差圧によってガ
    ス吹き出し部から吹き出して前記基板に供給されるよう
    になっていることを特徴とする触媒化学蒸着装置。
  2. 【請求項2】 前記触媒容器は、前記基板に対して平行
    な姿勢の板状部分を有し、前記ガス吹き出し部は、この
    板状部分に均等に形成された複数のガス吹き出し孔であ
    ることを特徴とする請求項1記載の触媒化学蒸着装置。
  3. 【請求項3】 所定温度に加熱維持された熱触媒体に接
    触させるように原料ガスを供給し、原料ガスが熱触媒体
    と接触することによって生成された化学種を基板の表面
    に供給して当該表面に所定の薄膜を堆積させる触媒化学
    蒸着装置であって、 内部が隔壁によって二つに区画され、その区画された一
    方の空間内に基板が配置される成膜チャンバーと、この
    成膜チャンバーの区画された他方の空間に所定の原料ガ
    スを供給するガス供給手段とを備えており、前記熱触媒
    体は当該他方の空間に配置されているとともに、前記隔
    壁は、前記成膜チャンバーの他方の空間から一方の空間
    にガスを吹き出すガス吹き出し部を有しており、前記熱
    触媒体との接触によって生成された化学種が、一方の空
    間と他方の空間との差圧によってガス吹き出し部から吹
    き出して前記基板に供給されるようになっていることを
    特徴とする触媒化学蒸着装置。
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