JP5813579B2 - 耐火ボックス体及び耐火ボックス体の配置構造 - Google Patents

耐火ボックス体及び耐火ボックス体の配置構造 Download PDF

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Description

本発明は、耐火ボックス体及び耐火ボックス体の配置構造に関する。
建築物の壁に器具を設置するために、壁裏には配線ボックスが取り付けられている。さらに、中空壁を構築する壁材には、器具を設置するための透孔が形成されている。そして、例えば、壁表側で火災等が発生したとき、透孔を経由して炎が壁裏側に流入することを抑制するために、配線ボックスを金属材料で形成して耐火性を持たせたものがある(例えば、特許文献1参照)。以下、耐火性を持たせた配線ボックスを「耐火ボックス体」と示す。
特許文献1の耐火ボックス体は、開口を有する有底四角箱状に形成されており、その開口縁には、開口全周を覆うようにフランジ(鍔板)が形成されている。
そして、耐火ボックス体は、フランジを壁材の裏面に密着させつつ、フランジを貫通したボルト等を壁材に固定することで、壁裏に設置される。
また、フランジの前面が壁材の裏面に押し当てられることで、壁材と耐火ボックス体との間からも炎及び煙等が壁裏側に流入することを抑制している。
特開2010−148183号公報
ところで、フランジを有する耐火ボックス体を、中空壁を構築する柱等の造営材に直接取り付けることがある。この場合、フランジが柱の前面に載るように耐火ボックス体を柱に取り付けると、耐火ボックス体の側面が柱に当接するため、柱と耐火ボックス体との間に隙間が生じない。ただし、柱の前面に壁材を取り付けた際、フランジの前方に位置する箇所だけ、壁材がフランジの厚み分歪んで取り付けられてしまう。そこで、壁材が歪んで取り付けられないようにするために、フランジを柱の前面に載せないようにしつつ、可能な限り耐火ボックス体を柱に寄せることが考えられる。このような場合、フランジの端面が柱に当接した状態が、耐火ボックス体が柱に最も寄せられた状態となる。ただし、フランジは、耐火ボックス体の開口縁から延設されてなるため、フランジの端面が柱に当接した状態では、耐火ボックス体の側面が柱に当接しない。そして、フランジの端面と柱との当接では、その当接面積の狭さから柱と耐火ボックス体との当接状態が不安定となるため、柱と耐火ボックス体との間に生じた隙間を補うように台座等を耐火ボックス体に設ける必要があった。このように、フランジを有する耐火ボックス体を柱に配置する際、フランジによって配置作業を手間取らせてしまう虞があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、フランジによる耐火機能を有しながらも、造営材への取付を好適とする耐火ボックス体の配置構造及び耐火ボックス体を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、底壁と、該底壁の周縁から立設された複数の側壁と、からなる周壁により囲み形成され前面に開口を有する収容部、及び前記側壁から外方に延設され、壁材の裏面に前面が当接するフランジを備え、前記壁材に穿設された透孔により前記開口が壁表に臨むように壁裏の造営材を用いて前記壁裏に配置される耐火ボックス体の配置構造であって、前記複数の側壁のうちの一つが、当接壁として前記造営材の側面に当接し、前記フランジは、前記当接壁を除く残り全ての側壁から外方に延設しているとともに、該フランジの前面が、前記壁材と当接する造営材の前面と同一平面上に配置されていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、底壁と、該底壁の周縁から立設された複数の側壁と、からなる周壁により囲み形成され前面に開口を有する収容部、及び前記側壁から外方に延設され、壁材の裏面に前面が当接するフランジを備え、前記壁材に穿設された透孔により前記開口が壁表に臨むように壁裏の造営材に取り付けられる耐火ボックス体であって、前記フランジには、当該フランジの折り曲げ変形又は除去を可能にする脆弱部が設けられ、前記脆弱部により前記フランジを折り曲げ変形又は除去することで、前記複数の側壁のうち少なくとも一つを前記壁材と当接する造営材の側面に当接する当接壁として機能させ、前記当接壁を除く残りの側壁から外方に延設されたフランジの前面が前記壁材と当接する造営材の前面と同一平面上に位置するように前記壁裏に配置可能であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、底壁と、該底壁の周縁から立設された複数の側壁と、からなる周壁により囲み形成され前面に開口を有する収容部、及び前記側壁から外方に延設され、壁材の裏面に前面が当接するフランジを備え、前記壁材に穿設された透孔により前記開口が壁表に臨むように壁裏の造営材に取り付けられる耐火ボックス体であって、前記複数の側壁のうち少なくとも一つは、前記造営材の側面に当接する当接壁として機能し、前記フランジは、前記当接壁を除く残り全ての側壁から外方に延設される一方、前記当接壁には設けられていないことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の耐火ボックス体において、配線器具が直接取り付けられる配線ボックスであることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の耐火ボックス体において、前記収容部に合成樹脂製の配線ボックスを収容可能としたボックスカバーであることを要旨とする。
本発明によれば、フランジによる耐火機能を有しながらも、造営材への耐火ボックス体の取付を好適とすることができる。
実施形態の耐火性配線ボックスを示す斜視図。 耐火性配線ボックスを示す平面図。 (a)は、フランジを折り曲げる前の耐火性配線ボックスを示す断面図、(b)は、フランジを折り曲げた耐火性配線ボックスを示す断面図。 耐火性配線ボックスを柱に取り付けた状態を示す斜視図。 柱に取り付けた耐火性配線ボックスを示す断面図。 第2の実施形態における耐火性配線ボックスを示す正面図。 第2の実施形態において、耐火性配線ボックスを胴縁材に取り付けた状態を示す斜視図。 第3の実施形態における耐火カバーを示す斜視図。 第3の実施形態において、耐火カバーを柱に取り付けた状態を示す斜視図。 第4の実施形態における耐火性配線ボックスを示す斜視図。 第4の実施形態において、耐火性配線ボックスを柱に取り付けた状態を示す斜視図。 第4の実施形態において、柱に取り付けた耐火性配線ボックスを示す断面図。 第5の実施形態における耐火性配線ボックスを示す斜視図。 第5の実施形態において、耐火性配線ボックスを胴縁材に取り付けた状態を示す斜視図。 第6の実施形態における耐火カバーを示す斜視図。 (a)は、変更例として、耐火性配線ボックスを取り付ける造営材と耐火性配線ボックスを当接させる造営材が異なっていることを示す斜視図、(b)は、耐火性配線ボックスを取り付ける造営材と耐火性配線ボックスを当接させる造営材が異なっていることを示す側面図。 変更例として、耐火性配線ボックスをボックス固定具に取り付けた状態を示す斜視図。 変更例として、耐火性配線ボックスを取り付ける造営材としてボックス固定具を用いるとともに、耐火性配線ボックスを取り付ける造営材と耐火性配線ボックスを当接させる造営材が異なっていることを示す斜視図。
(第1の実施形態)
以下、本発明の耐火ボックス体を耐火性配線ボックスに具体化した第1の実施形態を図1〜図5に従って説明する。
まず、壁Wについて説明する。
図5に示すように、壁Wは、造営材としての柱Hと、柱Hの前後両面に立設される一対の壁材W1とによって構成されている。壁材W1は、石膏ボード製である。また、一対の壁材W1の間には中空部W2が形成される。
次に、壁W内に配設される耐火性配線ボックス10の構成について説明する。
図1に示すように、耐火性配線ボックス10は、矩形板状の底壁11と、この底壁11の周縁から立設された四つの側壁12a〜12dとから前面(一面)に開口13を有する有底四角箱状に形成されている。そして、底壁11及び側壁12a〜12dにより耐火性配線ボックス10の周壁が形成されるとともに、底壁11及び側壁12a〜12dによって収容部14が囲み形成されている。収容部14には、図4に示す配線器具Pが収容される。なお、以下の説明において、図1の上下に対向する側壁を上側壁12a及び下側壁12bとし、図1の左右に対向する側壁を右側壁12c及び左側壁12dとする。耐火性配線ボックス10は、金属材料製である。
上側壁12a及び下側壁12bには、ケーブル貫挿孔15をそれぞれ一つずつ形成できるようになっている。このケーブル貫挿孔15は、図4に示すケーブルCを貫挿する場合に初めて開口され、ケーブルCが貫挿されない場合はノック部15aにより閉鎖されている。上側壁12a及び下側壁12bにおいて、ケーブル貫挿孔15の円周に沿って該側壁12a,12bの厚み方向に貫通するようにミシン目状のスリットを入れることで、ノック部15aが形成される。これにより、ノック部15aは、上側壁12a及び下側壁12bと面一となっている。
左側壁12dには、耐火性配線ボックス10を柱Hに取り付けるために、ビスB(図4参照)が挿通される挿通孔16が複数(実施形態では五つ)形成されている。各挿通孔16は、耐火性配線ボックス10の深さ方向に細長に延びる長孔状に形成されている。
上側壁12a及び下側壁12bの内縁中央には、固定部17が、耐火性配線ボックス10の内方に向かって突出し、かつ対向するように延設されている。さらに、各固定部17には、配線器具Pを、直接、耐火性配線ボックス10に取り付けるために、ビスBが螺入されるビス孔17bが形成されている。
図2に示すように、耐火性配線ボックス10における開口13の周縁全周には、四角環状をなすフランジ18が一体形成されている。このフランジ18は、側壁12a〜12dの開口端部全周、すなわち、開口13の周縁全周から耐火性配線ボックス10の外方に向けて延びるように形成されている。フランジ18の前面は、耐火性配線ボックス10の開口端面(前面)と、固定部17の前面17aと、同一平面上に位置している。
そして、フランジ18には、該フランジ18を耐火性配線ボックス10の底壁11側に向かって折り曲げ変形可能となるよう、各側壁12a〜12dにおける開口13側の周縁に沿って、脆弱部としての溝19が形成されている。フランジ18において、溝19が形成された部位は、その他の部位よりも薄く、強度が劣っている。したがって、図3(b)などに示すように、フランジ18を溝19に沿って底壁11側に折り曲げると、溝19を支点としてフランジ18が折り曲げられる。また、以下の説明では、上側壁12aと連結しているフランジ18を、上フランジ18aと示す。また、下側壁12bと連結しているフランジ18を、下フランジ18bと示す。また、右側壁12cと連結しているフランジ18を、右フランジ18cと示す。また、左側壁12dと連結しているフランジ18を、左フランジ18dと示す。
また、図3(a),(b)に示すように、右側壁12c及び左側壁12dの外面には、挿通孔16よりも開口13側に凹部20が形成されている。凹部20は、右側壁12c及び左側壁12dにおいて、上側壁12aと下側壁12bとの間を上下方向に沿って延びるように形成されている。凹部20の、耐火性配線ボックス10の深さ方向に沿った長さL1は、フランジ18の短辺方向に沿った長さL2よりもやや長く成形されている。また、凹部20の深さ方向への長さL3は、フランジ18の厚みL4よりもやや長く成形されている。
なお、「長さL2よりもやや長い」及び「長さL4よりもやや長い」とは、フランジ18を底壁11側に向かって折り曲げたときに、右フランジ18c及び左フランジ18dを凹部20内に収容可能な長さを示す。これにより、右フランジ18c又は左フランジ18dを底壁11側に向かって折り曲げると、図3(b)のように、右フランジ18c及び左フランジ18dが凹部20内に収容される。また、凹部20の深さ方向への長さL3は、フランジ18の厚みL4よりもやや長く成形されているため、右フランジ18c又は左フランジ18dが凹部20内に収容されると、右フランジ18cと右側壁12cが、略面一となるとともに、左フランジ18dと左側壁12dが、略面一となる。
さらに、図1に示すように、左側壁12dの内面121dには、挿通孔16を覆うようにシート材21が貼着されている。シート材21は、金属層21aと、粘着層21bとを積層して形成されている。なお、金属層21aは、不燃材料であるアルミニウムにより形成されている。また、粘着層21bは、金属層21aに糊などの粘性材料を塗布することで形成される。ちなみに、耐火性配線ボックス10は、シート材21よりも強度の高い金属で形成される。
シート材21は、矩形状をなしており、左側壁12dに形成された全ての挿通孔16を1枚のシート材21で被覆可能な大きさに形成されている。よって、挿通孔16は、シート材21により耐火性配線ボックス10の内面から被覆され、挿通孔16がシート材21によって隙間なく覆われることになる。また、シート材21は、ビスBを耐火性配線ボックス10の内側から柱Hに向けて螺入した際に、ビスBがシート材21を突き破り可能な厚さとされている。
次に、耐火性配線ボックス10の作用を、配線器具Pを壁Wに設置する方法とともに、図4及び図5に従って説明する。
まず、図示しないドライバーなどの工具を用い、ノック部15aを除去して、上側壁12aにケーブル貫挿孔15を一つ開口させる。続いて、図4に示すように、ケーブル貫挿孔15に耐火ブッシング22を配設する。耐火ブッシング22は、熱膨張性耐熱ゴムにより有蓋円筒状に形成されている。
次に、左フランジ18dを、底壁11側に向かって、凹部20の形成位置まで折り曲げ変形させ、該折り曲げ変形させた左フランジ18dを、凹部20内に収容させる。より詳しくは、柱Hと当接する左側壁12dから延設された左フランジ18dを折り曲げる一方で、柱Hと当接しない側壁12a〜12cから延設されたフランジ18a〜18cを、折り曲げない。つまり、柱Hに耐火性配線ボックス10を取り付ける際に当接する虞のあるフランジ18を、必要に応じて折り曲げ、当接する虞がないときは、フランジ18を折り曲げないようになっている。
続いて、耐火性配線ボックス10の左側壁12dの外面及び左フランジ18dを柱Hの側面H2に当接させるとともに、上フランジ18a、下フランジ18b、右フランジ18c、耐火性配線ボックス10の前面、及び固定部17の前面17aが、柱Hの前面H1と同一平面上に位置するように耐火性配線ボックス10を配置する。このとき、左フランジ18dを折り曲げ変形させることで耐火性配線ボックス10の左側壁12dから柱Hに向かってフランジ18が突出していないため、柱Hと左フランジ18dが干渉することなく、柱Hに対して容易に耐火性配線ボックス10を配設することが可能となる。
続いて、挿通孔16にビスBを挿通する。すると、ビスBが、シート材21を突き破って挿通孔16を通過する。そして、挿通孔16を通過したビスBを柱Hに強制的に螺入すると、耐火性配線ボックス10が、柱Hに、直接、取り付けられる。このとき、シート材21は、ビスBの軸部によって突き破られることになるが、ビスBの貫通によって生じたシート材21の貫通孔が、ビスBの頭部によって耐火性配線ボックス10の内側から塞がれる。また、ビスBが挿通されていない挿通孔16は、シート材21によって耐火性配線ボックス10の内側から覆われている。
ビスBを用いて耐火性配線ボックス10が柱Hに取り付けられることで、左側壁12dが、造営材としての柱Hの側面H2に当接する当接壁となる。なお、本実施形態における「当接」とは、左フランジ18dを介した左側壁12dと柱Hの当接を指す。また、左フランジ18dが凹部20内に収容されることで、左側壁12dは、左フランジ18dと略面一となっているため、耐火性配線ボックス10は、柱Hとの間に隙間を生じさせることなく取り付けられる。また、上フランジ18a、下フランジ18b、右フランジ18c、耐火性配線ボックス10の前面、及び固定部17の前面17aは、柱Hの前面H1と同一平面上に位置するように耐火性配線ボックス10が柱Hに取り付けられる。
続いて、ケーブルCを、耐火ブッシング22を介して耐火性配線ボックス10内に貫挿させるとともに、該ケーブルCを耐火性配線ボックス10内に引き込む。次に、柱Hの前面H1側に壁材W1を立設する。すると、左フランジ18dが凹部20内に収容されることで、左フランジ18dと左側壁12dが、略面一となっていることにより、図5に示すように、隙間が生じることなく柱Hの前面H1に壁材W1の裏面が当接した状態で立設されるとともに、耐火性配線ボックス10が壁材W1の裏面に設置される。その一方で、上フランジ18a、下フランジ18b、及び右フランジ18cが、柱Hの前面H1と同一平面上に位置するように耐火性配線ボックス10が柱Hに取り付けられている。これにより、上フランジ18a、下フランジ18b、及び右フランジ18cの前面が、壁材W1の裏面に当接する。そして、図示しない電動穿孔具を用いて、耐火性配線ボックス10が設置されている位置と対向する位置に、壁材W1にて透孔Waを穿設する。すると、耐火性配線ボックス10の開口13が透孔Waを介して壁W表に臨まされる。
さらに、上フランジ18a、下フランジ18b、及び右フランジ18cが壁材W1の裏面に当接している。また、左フランジ18dを折り曲げ変形したことで、耐火性配線ボックス10の左側壁12d及び左フランジ18dが柱Hの側面H2に隙間なく当接する。よって、柱Hが左フランジ18dの機能を果たすことができ、壁W表で火災が発生したとしても、火炎及び煙等が透孔Waを介して壁W裏に流入してしまうことが阻止される。また、左フランジ18dを折り曲げ変形したことで、フランジ18が柱Hと壁材W1との間に挟まれることもないので、フランジ18の厚み分、柱Hの前面から壁材W1が浮くこともない。したがって、壁W表で火災が発生したとしても、火炎及び煙等が透孔Waを介して壁W裏に流入してしまうことが阻止される。さらに、耐火性配線ボックス10の挿通孔16は、金属製のシート材21で内側から被覆されているため、挿通孔16を介して、炎や煙等が壁W裏に流入してしまうことが抑制される。
そして、壁W裏に配設されたケーブルCを、透孔Waから壁W表に引き出し、引き出したケーブルCを、配線器具Pに接続する。そして、配線器具Pを保持した器具保持枠P1に形成された挿通孔P2にビスBを挿通し、さらに該ビスBを耐火性配線ボックス10のビス孔17bに挿通することで、器具保持枠P1を耐火性配線ボックス10に取り付ける。これにより、耐火性配線ボックス10の収容部14に配線器具Pが収容される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)左側壁12dを除く側壁12a〜12cの開口端部全周から、フランジ18を外方に延設するとともに、そのフランジ18の前面が、壁材W1が立設される柱Hの前面H1と同一平面上に位置するよう、耐火性配線ボックス10を柱Hに取り付けた。左側壁12dからはフランジ18が突出していないことで、柱Hに耐火性配線ボックス10の左側壁12dを隙間なく当接させることができるため、柱Hと耐火性配線ボックス10の間からの炎や煙等の壁W裏への流入を防ぐことができる。また、側壁12a〜12cから延設されたフランジ18(上フランジ18a、下フランジ18b、右フランジ18c)は、柱Hに干渉する虞がない。よって、壁材W1が立設される柱Hの前面H1と同一平面上に位置するよう耐火性配線ボックス10を配置することで、フランジ18の前面及び柱Hの前面H1を壁材W1の裏面に当接させることができるため、フランジ18の前面及び柱Hの前面H1と、壁材W1の裏面との間からの炎や煙等の壁W裏への流入を防ぐことができる。つまり、柱Hに、炎や煙等の透孔Waから壁W裏への流入を防ぐフランジの機能を兼任させることができる。
(2)左側壁12dからはフランジ18が突出していないことで、柱Hに耐火性配線ボックス10を取り付ける際、フランジ18(特に、左フランジ18d)が柱Hに干渉することがないため、当接作業を手間取らせることがない。
(3)左側壁12dから外方に延設された左フランジ18dに溝19を設けたことで、柱Hに左側壁12dを当接させる前段階で、溝19を利用して左フランジ18dを折り曲げることができ、結果、耐火性配線ボックス10の柱Hへの当接作業を手間取らせることがない。
(4)右側壁12c及び左側壁12dの外面に、耐火性配線ボックス10側にフランジ18を折り曲げた際、該フランジ18を収容可能とする凹部20を形成した。これによれば、右フランジ18c又は左フランジ18dが凹部20内に収容され、右フランジ18c及び右側壁12cが略面一となるとともに、左フランジ18dと左側壁12dが略面一となる。よって、左側壁12d及び左フランジ18dを柱Hに当接させたときに、耐火性配線ボックス10が傾いて取り付けられることがない。また、台座などを形成しなくても、耐火性配線ボックス10を柱Hに対して傾けることなく取り付けることができる。
(5)凹部20は、右側壁12c及び左側壁12dの外面であって、かつ挿通孔16よりも開口13側に形成されているため、折り曲げたフランジ18が、挿通孔16を塞いでしまうことがない。
(6)挿通孔16を、耐火性配線ボックス10の深さ方向に細長に延びる長孔状としたことで、挿通孔16にビスBを挿通した後であっても、耐火性配線ボックス10を長孔の長辺方向に沿ってスライドさせることが可能となる。これにより、耐火性配線ボックス10の配設位置を、壁W表側からでも調節することが可能となる。
(7)左側壁12dの内面121dにおいて、挿通孔16を覆うようにシート材21を貼着した。これによれば、挿通孔16がシート材21で覆われるため、挿通孔16を介して、炎や煙等が壁W裏に流入してしまうことが抑制される。
(8)左フランジ18dを耐火性配線ボックス10の背面側に向かって折り曲げ、凹部20内に収容させると、左フランジ18d及び左側壁12dが略面一となる。よって、耐火性配線ボックス10を柱Hに取り付ける際、柱Hの前面H1にフランジ18が載り上げてしまい、フランジ18の前方に位置する箇所だけ、壁材W1がフランジ18の厚み分歪んで取り付けられてしまうということもなくなる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の耐火ボックス体を耐火性配線ボックスに具体化した第2の実施形態を図6及び図7に従って説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成については、同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
本実施形態では、耐火性配線ボックス30を柱Hの側面H2に取り付けず、壁材W1を設置するための下地部材としての胴縁材Dに取り付けるようになっている。
以下、胴縁材Dについて、図7に従って説明する。
図7に示すように、柱Hの前面H1には、胴縁材Dが横架され、該胴縁材Dの前面D1に壁材W1が設置される。なお、胴縁材Dの厚み方向への長さL5は、柱Hの厚み方向への長さL6に比して短くなっている。
次に、耐火性配線ボックス30について、図6に従って説明する。
耐火性配線ボックス30の側壁12a〜側壁12dの外面には、凹部31が開口13側に形成されている。凹部31は、耐火性配線ボックス30の全周に亘って形成されている。また、凹部31は、凹部20同様、折り曲げたフランジ18を収容可能な大きさに形成されている。
上側壁12aにおける凹部31の形成位置には、複数(図6では二つ)の取付孔32が形成されている。取付孔32は、ビスBを挿通し、胴縁材Dに耐火性配線ボックス30を取り付けるために使用される。また、ここでは図示しないが、上側壁12aの内面には、取付孔32を覆うようにシート材21が貼着されている。
次に、耐火性配線ボックス30の作用を、耐火性配線ボックス30を壁W裏に設置する方法とともに、図7に従って説明する。
まず、上フランジ18aにおいて、上側壁12aに形成された取付孔32と対向する位置にビス孔33を穿設する。前述したように、胴縁材Dの厚み方向への長さL5は、柱Hの厚み方向への長さL6に比して短い。よって、柱Hに耐火性配線ボックス30を取り付ける場合、耐火性配線ボックス30が柱Hと当接する面積が広いため、左側壁12dのどの位置にも挿通孔16を穿設することができる。一方、胴縁材Dに耐火性配線ボックス30を取り付ける場合、耐火性配線ボックス30が胴縁材Dと当接する面積が狭いため、上側壁12aの開口端部側にしか取付孔32を穿設することができない。これにより、下フランジ18b、右フランジ18c、左フランジ18d、耐火性配線ボックス30の前面、及び固定部17の前面17aを、胴縁材Dの前面D1と同一平面上に位置させるためには、折り曲げられる上フランジ18aにも、取付孔32と対向する位置にビス孔33を穿設しなければならないことになる。また、取付孔32と対向する位置にのみビス孔33を穿設することで、その他のフランジ18にはビス孔が穿設されず、余計な隙間が形成されることがない。
次に、図7に示すように、上フランジ18aを、底壁11側に向かって、凹部31の形成位置まで折り曲げ変形させ、該折り曲げ変形させた上フランジ18aを、凹部31内に収容させる。
続いて、上フランジ18aの外面を胴縁材Dの側面D2に当接させるとともに、下フランジ18b、右フランジ18c、左フランジ18d、耐火性配線ボックス30の前面、及び固定部17の前面17aが、胴縁材Dの前面D1と同一平面上に位置するように耐火性配線ボックス30を配置する。このとき、上フランジ18aを折り曲げ変形させることで耐火性配線ボックス30の上側壁12aから胴縁材D側に向かってフランジ18が突出していないため、胴縁材Dと上フランジ18aが干渉することなく、胴縁材Dに対して容易に耐火性配線ボックス30を配設することが可能となる。また、第2の実施形態では、上側壁12aが、造営材としての胴縁材Dの側面D2に当接する当接壁となる。
上記実施形態では、(1)〜(8)の効果と同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(9)耐火性配線ボックス30の上側壁12aでは、上フランジ18aを折り曲げ変形可能に形成した。これにより、柱Hにその他の部材が取り付けられていたり、柱Hから離間した位置に耐火性配線ボックス30を取り付けたいときなどにおいて、胴縁材Dに耐火性配線ボックス30を取り付けることができる。また、上フランジ18aを折り曲げ変形させることで耐火性配線ボックス30の上側壁12aから胴縁材D側に向かってフランジ18が突出していないため、胴縁材Dと上フランジ18aが干渉することなく、胴縁材Dに対して容易に耐火性配線ボックス30を配設することが可能となる。
(10)ノック部15aを、上側壁12a及び下側壁12bと面一に形成した。これにより、折り曲げたフランジ18がノック部15aに干渉することがない。
(第3の実施形態)
次に、本発明の耐火ボックス体を耐火性ボックスカバーに具体化した第3の実施形態を図8及び図9に従って説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1,2の実施形態と同一構成については、同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
図9に示すように、耐火カバー60は、壁W裏に設置される配線ボックス50を覆うものである。
まず、配線ボックス50について説明する。
図9に示すように、配線ボックス50は、矩形板状の底壁51と、この底壁51の周縁から立設された四つの側壁52a〜52dとから前面(一面)に開口53を有する有底四角箱状に形成されている。なお、以下の説明において、図9の上下に対向する側壁を上側壁52a及び下側壁52bとし、図9の左右に対向する側壁を右側壁52c及び左側壁52dとする。配線ボックス50は、合成樹脂製である。
上側壁52a及び下側壁52bには、ケーブル貫挿孔54が二つ形成されている。上側壁52a及び下側壁52bの内面には、内方に突出したボス部55が設けられている。各ボス部55は、配線器具Pを配線ボックス50に取り付けるために用いられる。
左側壁52dには、ビスBが挿通される挿通孔56が複数(実施形態では五つ)形成されている。各挿通孔56は、配線ボックス50の深さ方向に細長に延びる長孔状に形成されている。
次に、耐火カバー60について説明する。
図8に示すように、耐火カバー60は、前面(一面)に開口61aを有する有底四角箱状に形成されたカバー本体61を備えている。カバー本体61は、金属材料製である。また、カバー本体61は、矩形板状の底壁62と、この底壁62の周縁から立設された四つの側壁62a〜62dとから形成されてなる。そして、底壁62及び側壁62a〜62dによりカバー本体61の周壁が形成されている。さらに、カバー本体61は、底壁62及び側壁62a〜62dによって囲み形成されて配線ボックス50を収容可能とする収容部63を有する。なお、以下の説明において、図8の上下に対向する側壁を上側壁62a及び下側壁62bとし、図8の左右に対向する側壁を右側壁62c及び左側壁62dとする。
図8に示すように、耐火カバー60における開口61aの周縁全周には、四角環状をなすフランジ65が一体形成されている。フランジ65の前面は、耐火カバー60の前面と同一平面上に位置している。
そして、フランジ65には、該フランジ65を耐火カバー60の底壁62側に向かって折り曲げ変形可能となるよう、各側壁62a〜62dにおける開口61a側の周縁に沿って、溝66が形成されている。また、以下の説明では、上側壁62aと連結しているフランジ65を、上フランジ65aと示す。また、下側壁62bと連結しているフランジ65を、下フランジ65bと示す。また、右側壁62cと連結しているフランジ65を、右フランジ65cと示す。また、左側壁62dと連結しているフランジ65を、左フランジ65dと示す。
次に、耐火カバー60の作用を、耐火カバー60を壁W裏に設置する方法とともに、図9に従って説明する。
まず、配線ボックス50を収容部63に向けて強制的に押し込むようにして挿入し、配線ボックス50を耐火カバー60の収容部63に挿入する。なお、配線ボックス50が耐火カバー60の収容部63に収容されている状態では、配線ボックス50の開口53がカバー本体61の開口61aと同一平面上に位置するようになっている。
続いて、左フランジ65dを、底壁62側に向かって、凹部20の形成位置まで折り曲げ変形させ、該折り曲げ変形させた左フランジ65dを、凹部20内に収容させる。
続いて、耐火カバー60の左側壁62dの外面を柱Hの側面H2に当接させるとともに、上フランジ65a、下フランジ65b、右フランジ65c、耐火カバー60の前面が、柱Hの前面H1と同一平面上に位置するように耐火カバー60を配置する。このとき、左フランジ65dを折り曲げ変形させることで耐火カバー60の左側壁62dから柱Hに向かってフランジ65が突出していないため、柱Hと左フランジ65dが干渉することなく、柱Hに対して容易に耐火カバー60を配設することが可能となる。
上記実施形態では、(1)〜(8)の効果と同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(11)耐火カバー60に配線ボックス50を収容するだけで、合成樹脂製の配線ボックス50に耐火性を付加することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の耐火ボックス体を耐火性配線ボックスに具体化した第4の実施形態を図10〜図12に従って説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1〜第3の実施形態と同一構成については、同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
図10に示すように、耐火性配線ボックス70は、左側壁12dにフランジ18が形成されていない。その一方で、上側壁12a、下側壁12b、及び右側壁12cには、耐火性配線ボックス70の外方に延びるよう、フランジ18が延設されている。また、左側壁12dにフランジ18が形成されていないことにより、左側壁12dには、凹部20が形成されておらず、左側壁12dは平坦となっている。
次に、耐火性配線ボックス70の作用を、耐火性配線ボックス70を壁W裏に設置する方法とともに、図11及び図12に従って説明する。
図11に示すように、耐火性配線ボックス70の左側壁12dの外面を柱Hの側面H2に当接させるとともに、上フランジ18a、下フランジ18b、右フランジ18c、及び耐火性配線ボックス70の前面が、柱Hの前面H1と同一平面上に位置するように耐火性配線ボックス70を配置する。なお、耐火性配線ボックス70では、左側壁12dにフランジ18が形成されていないことで、フランジ18の折り曲げ作業を必要とすることなく、柱Hに対して容易に耐火性配線ボックス70を配設することが可能となる。
続いて、ビスBを用いて柱Hに耐火性配線ボックス70を取り付けた後、柱Hの前面H1側に壁材W1を立設する。すると、左側壁12dには、耐火性配線ボックス70の外方に突出するフランジ18が形成されていないことにより、フランジ18が柱Hに干渉することがない。よって、図12に示すように、隙間が生じることなく柱Hの前面H1に壁材W1の裏面が当接した状態で立設されるとともに、耐火性配線ボックス70が壁材W1の裏面に設置される。その一方で、上フランジ18a、下フランジ18b、及び右フランジ18cが、柱Hの前面H1と同一平面上に位置するように耐火性配線ボックス70が柱Hに取り付けられている。これにより、上フランジ18a、下フランジ18b、及び右フランジ18cの前面が、壁材W1の裏面に当接する。
上記実施形態では、(1),(2),(6),(7)の効果と同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(12)左側壁12dにはフランジ18を設けないことで、フランジ18を折り曲げたり、除去したりする手間を省くことができる。
(13)また、左側壁12dにはフランジ18が形成されていないことで、柱Hの前面H1にフランジ18が載り上げてしまい、フランジ18の前方に位置する箇所だけ、壁材W1がフランジ18の厚み分歪んで取り付けられてしまうということもなくなる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の耐火ボックス体を耐火性配線ボックスに具体化した第5の実施形態を図13及び図14に従って説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1〜第4の実施形態と同一構成については、同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
図13に示すように、耐火性配線ボックス80は、上側壁12aにフランジ18が形成されていない。その一方で、下側壁12b、右側壁12c、及び左側壁12dには、耐火性配線ボックス80の外方に延びるよう、フランジ18が延設されている。また、上側壁12aにフランジ18が形成されていないことにより、上側壁12aには、凹部31が形成されておらず、上側壁12aは平坦となっている。
次に、耐火性配線ボックス80の作用を、耐火性配線ボックス80を壁W裏に設置する方法とともに、図14に従って説明する。
図14に示すように、耐火性配線ボックス70の上側壁12aの外面を胴縁材Dの側面D2に当接させるとともに、下フランジ18b、右フランジ18c、左フランジ18d、及び耐火性配線ボックス80の前面が、胴縁材Dの前面D1と同一平面上に位置するように耐火性配線ボックス80を配置する。なお、耐火性配線ボックス80では、上側壁12aにフランジ18が形成されていないことで、フランジ18の折り曲げ作業を必要とすることなく、胴縁材Dに対して容易に耐火性配線ボックス80を配設することが可能となる。
上記実施形態では、(1),(2)の効果と同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(14)上側壁12aにはフランジ18を設けないことで、フランジ18を折り曲げたり、除去したりする手間を省くことができる。
(15)また、上側壁12aにはフランジ18が形成されていないことで、胴縁材Dの前面D1にフランジ18が載り上げてしまい、フランジ18の前方に位置する箇所だけ、壁材W1がフランジ18の厚み分歪んで取り付けられてしまうということもなくなる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の耐火ボックス体を耐火カバーに具体化した第6の実施形態を図15に従って説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1〜第5の実施形態と同一構成については、同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
図15に示すように、耐火カバー90は、左側壁62dにフランジ65が形成されていない。その一方で、上側壁62a、下側壁62b、及び右側壁62cには、耐火カバー90の外方に延びるよう、フランジ65が延設されている。また、左側壁62dにフランジ65が形成されていないことにより、左側壁62dには、凹部20が形成されておらず、左側壁62dは平坦となっている。
これにより、耐火カバー90では、左側壁62dにフランジ18が形成されていないことで、フランジ18の折り曲げ作業を必要とすることなく、柱Hに対して容易に耐火カバー90を配設することが可能となる。
上記実施形態では、(1),(2),(6),(7),(11)〜(13)の効果と同様の効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更しても良い。
○各実施形態では、挿通孔16又は取付孔32を覆う場合、側壁内面に貼着することができるのであれば、どのような方法で金属層21aを貼着しても良い。例えば、金属層21aの裏面に接着剤を塗布して、金属層21aを貼着しても良い。また、金属層21aの表面から粘着層を有するテープなどで貼着しても良い。さらに、金属層21aを溶接しても良い。
○各実施形態において、シート材21の厚みが、フランジの折り曲げに影響しないような厚み(例えば、0.01mm)である場合、側壁外面に貼着しても良い。
○第2の実施形態では、耐火性配線ボックス30を胴縁材Dに取り付ける直前に作業者がフランジ18(特に、上フランジ18a)にビス孔33を穿設させるのではなく、予めフランジ18にビス孔33が穿設されていても良い。
○第2の実施形態では、予めフランジ18にビス孔33を穿設しておき、そのビス孔33をフランジ18の内面からシート材21で覆うようにしても良い。
○第1〜第3の実施形態において、造営材と当接しない側壁から延設されているフランジには、溝を形成せず、折曲不能としても良い。好ましくは、造営材に取り付けられる側壁と対向する側壁から延設されたフランジには、溝を形成しない一方で、残り3つの側壁から延設されたフランジには、溝を形成する構成が良い。例えば、柱Hに耐火性配線ボックスを取り付ける場合、右フランジには溝を形成せず、左フランジ、上フランジ、下フランジに溝を形成することになる。このような構成とする場合、耐火性配線ボックスを取り付けたい造営材(柱H又は胴縁材D)と対向するフランジを適宜折り曲げることで、柱Hと胴縁材Dの配置に合わせて耐火性配線ボックスを取り付けることができるため、耐火性配線ボックスの汎用性が高まる。例えば、柱Hの下方に胴縁材Dが横架されている場合、下フランジを折り曲げることで、耐火性配線ボックスの前面と胴縁材Dの前面が同一平面上に位置するように、耐火性配線ボックスを胴縁材Dに取り付けることができる。
○第1〜第3の実施形態において、フランジを、耐火性配線ボックス又は耐火カバーの内側に折り曲げ、側壁の内面に形成された凹部に折り曲げたフランジを収容し、側壁の内面において、側壁とフランジが略面一となるようにしても良い。このように折り曲げた場合であっても、折り曲げたフランジが造営材と当接することがない。
○第1〜第3の実施形態において、側壁の外面に凹部を形成せず、側壁を平坦としても良い。この場合、フランジを耐火性配線ボックス又は耐火カバーの背面に向けて折り曲げることで、折り曲げられたフランジと、該フランジと対向する側壁が面一とはならないが、フランジと造営材との間に隙間が生じない。そして、フランジを介して、造営材に耐火性配線ボックス又は耐火カバーが間接的に取り付けられることになる。
○各実施形態において、挿通孔16は、長孔形状でなくても良い。
○各実施形態では、ノック部15aを上側壁及び下側壁と同一平面上に形成したが、ノック部15aを、上側壁及び下側壁の内面において、突出する蓋形状としても良い。
○また、第1〜第3の実施形態において、折り曲げたフランジがケーブル貫挿孔15と干渉しないのであれば、ノック部15aを、上側壁及び下側壁の外面において、突出する蓋形状としても良い。
○第1〜第3の実施形態における脆弱部は、ミシン目状に入れられたスリットなどとしても良い。
○第1〜第3の実施形態におけるフランジは、脆弱部を利用することで、耐火性配線ボックス又は耐火カバーから除去可能としても良い。フランジを耐火性配線ボックス又は耐火カバーから除去する場合、ペンチ等でフランジを挟んでもぎ取っても良いし、はさみなどで切り取っても良い。フランジを耐火性配線ボックス又は耐火カバーから除去可能とする場合、側壁の外面に凹部を形成する必要がなくなる。
○第2の実施形態では、耐火性配線ボックス30を胴縁材Dに取り付けることのみを意識し、左側壁12dに挿通孔16を形成しなくても良い。
○各実施形態では、耐火性配線ボックス又は耐火カバーが取り付けられる造営材(例えば、柱H)と、フランジが当接する造営材(例えば、胴縁材D)が異なっていても良い。特に、第2,第5の実施形態では、図16(a),(b)に示すように、耐火性配線ボックス又は耐火カバーが取り付けられる造営材と、耐火性配線ボックス又は耐火カバーが当接する造営材は別体でも良い。ただし、耐火性配線ボックス又は耐火カバーの前面と、壁材に当接する造営材の前面とが同一平面上に位置することが望ましい。図16(a),(b)では、耐火性配線ボックス10を柱Hに取り付ける一方で、上フランジ18aを介して、上側壁12aと胴縁材Dを当接させている。この場合、耐火性配線ボックス10は、柱Hの前面H1よりも前方に位置することで、耐火性配線ボックス10の前面と柱Hの前面H1は同一平面上に位置していない。ただし、柱Hよりも前面に取り付けられている胴縁材Dの前面D1と耐火性配線ボックス10の前面が同一平面上に位置している。つまり、造営材が複数設けられている場合、より壁材W1に近い造営材の前面と耐火性配線ボックス又は耐火カバーの前面が同一平面上に位置するように配置すれば、透孔Waを介して、火炎及び煙等が流入することがない。
○第1〜第3の実施形態では、フランジに脆弱部を構成するが、必要のないときには、フランジを折り曲げたり除去したりせず、全フランジを残しても良い。「必要のないとき」とは、耐火ボックス体を造営材に当接させず、造営材から離間させた状態で壁裏に配置する場合などが該当する。具体的には、図17に示すように、フランジ18を折り曲げることなく、壁材W1の裏面から透孔Waの全周を覆うことができるよう、造営材としてボックス固定具Fを用いて、柱Hに対して間接的に耐火性配線ボックスを取り付けても良い。また、図18に示すように、ボックス固定具Fに取り付けた耐火性配線ボックス又は耐火カバーを胴縁材Dに当接させ、耐火性配線ボックス又は耐火カバーの前面が胴縁材Dの前面D1と同一平面上に位置させても良い。
D…造営材としての胴縁材、D1…胴縁材の前面、D2…胴縁材の側面、H…造営材としての柱、H1…柱の前面、H1…柱の側面、P…配線器具、W…壁、W1…壁材、Wa…透孔、10…耐火ボックス体としての耐火性配線ボックス、11…周壁を構成する底壁、12a〜12d…周壁を構成する側壁、13…開口、14…収容部、18…フランジ、18a,18d…当接壁側フランジ、19…脆弱部としての溝。

Claims (5)

  1. 底壁と、該底壁の周縁から立設された複数の側壁と、からなる周壁により囲み形成され前面に開口を有する収容部、及び前記側壁から外方に延設され、壁材の裏面に前面が当接するフランジを備え、前記壁材に穿設された透孔により前記開口が壁表に臨むように壁裏の造営材を用いて前記壁裏に配置される耐火ボックス体の配置構造であって、
    前記複数の側壁のうちの一つが、当接壁として前記造営材の側面に当接し、
    前記フランジは、前記当接壁を除く残り全ての側壁から外方に延設しているとともに、該フランジの前面が、前記壁材と当接する造営材の前面と同一平面上に配置されている耐火ボックス体の配置構造。
  2. 底壁と、該底壁の周縁から立設された複数の側壁と、からなる周壁により囲み形成され前面に開口を有する収容部、及び前記側壁から外方に延設され、壁材の裏面に前面が当接するフランジを備え、前記壁材に穿設された透孔により前記開口が壁表に臨むように壁裏の造営材に取り付けられる耐火ボックス体であって、
    前記フランジには、当該フランジの折り曲げ変形又は除去を可能にする脆弱部が設けられ、前記脆弱部により前記フランジを折り曲げ変形又は除去することで、前記複数の側壁のうち少なくとも一つを前記壁材と当接する造営材の側面に当接する当接壁として機能させ、
    前記当接壁を除く残りの側壁から外方に延設されたフランジの前面が前記壁材と当接する造営材の前面と同一平面上に位置するように前記壁裏に配置可能である耐火ボックス体。
  3. 底壁と、該底壁の周縁から立設された複数の側壁と、からなる周壁により囲み形成され前面に開口を有する収容部、及び前記側壁から外方に延設され、壁材の裏面に前面が当接するフランジを備え、前記壁材に穿設された透孔により前記開口が壁表に臨むように壁裏の造営材に取り付けられる耐火ボックス体であって、
    前記複数の側壁のうち少なくとも一つは、前記造営材の側面に当接する当接壁として機能し、
    前記フランジは、
    前記当接壁を除く残り全ての側壁から外方に延設される一方、前記当接壁には設けられていない耐火ボックス体。
  4. 配線器具が直接取り付けられる配線ボックスである請求項2又は請求項3に記載の耐火ボックス体。
  5. 前記収容部に合成樹脂製の配線ボックスを収容可能としたボックスカバーである請求項2又は請求項3に記載の耐火ボックス体。
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