JP5810600B2 - カード製造方法 - Google Patents
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Description
まず、基材フィルムに、受像層を積層し、該受像層の上部に接着層を積層し、転写箔フィルムを形成する。
また、「塩化ビニル樹脂または塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする樹脂」を用いた場合、剥離性や発色性を保つために、受像層の厚みは0.2μm以上2.0μm以下程度の範囲にあることが好ましい。なお、「塩化ビニル樹脂または塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする樹脂」において、主成分とは、受像層に用いる材料において塩化ビニル樹脂または塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂の割合が90重量%以上であることをいう。
多孔質シリカフィラーを含有することにより、接着層が熱溶融しカード基材と接着する<熱転写工程>において、多孔質のシリカフィラーの嵩高さ及びチクソ性により、接着層に用いた樹脂が過度にカード基材内部に浸透することを抑制することが出来る。このため、カード基材表面の凹凸が最終的に製造されるカードの表面に反映されること抑制することが出来、平滑性を向上させることが出来る。また、カード基材内部に浸透することを抑制することから、カード基材の目止めにも効果的である。
このとき、多孔質シリカフィラーの割合が少ないと樹脂が過度にカード基材内部に浸透することを抑制できず、多孔質シリカフィラーの割合が多いとカード基材との接着性が低下し好ましくない。よって、多孔質シリカフィラーの添加は、5重量%以上20重量%以下程度の範囲内にあることが好ましい。また、多孔質シリカフィラーは選択した接着層の樹脂および接着層の積層方法などに応じて適宜粒径などの物性を調整して配合することが好ましい。例えば、グラビア印刷方法にて接着層を積層する場合、シリカフィラーの粒径は、1μm以上30μm以下程度、より好ましくは、5μm以上15μm以下程度の範囲にあることが好ましい。
次に、カード基材と前記転写箔フィルムとを接触し、加熱し、熱転写する。
しかしながら、本発明のカード製造方法によれば、「パルプ繊維を主成分とした紙系の材料」であっても充分なカード表面の平滑性を得ることが出来る。ここで、「パルプ繊維を主成分とした紙系の材料」において主成分とは、パルプ繊維がカード基材全体に対し90重量%以上を占めることをいう。
前記転写箔フィルムが熱転写されたカード基材から、基材フィルムを剥離する。
以上より、本発明のカード製造方法を実施し、カードを製造することが出来る。
図1(a)では<熱転写工程>、図1(b)では<剥離工程>の概略を示す。
本発明のカード製造方法によれば、カード基材にパルプ繊維を主成分とした紙系の材料を用いたカードであっても、直接昇華方式が必要とする平滑性を備えたカードを製造することが出来る。ここで、一般的に「直接昇華方式が必要とする平滑性」は、算術平均粗さRaが、5nm≦Ra≦500nm程度の範囲、より好ましくは10nm≦Ra≦100nm程度の範囲である。また、「パルプ繊維を主成分とした紙系の材料」において主成分とは、パルプ繊維がカード基材全体に対し90重量%以上を占めることをいう。
よって、本発明を利用することで、環境負荷の少ない自然由来材料を使用し、かつ、工程コスト及び材料コストの安い直接昇華方式に対応可能な紙製カードを提供することができる。
図2(a)は概略上面図であり、図2(b)は図2(a)におけるAの線で示す部位における断面概略図である。
まず、基材フィルムに、受像インキを塗布し受像層、中間インキを塗布し中間層、接着インキを塗布し接着層、をこの順で積層し、転写箔フィルムを得た。
このとき、基材フィルムとして、東レ製PETフィルムT60(厚み:25μm、表面粗さRa:6nm)を用いた。
また、受像層の厚みはドライ1.0μm厚であった。
また、中間層の厚みはドライ2.0μm厚であった。
また、接着層の厚みはドライ10.0μm厚であった。
本実施例1における受像インキ、中間インキ、接着インキの組成を以下に示す。
新第一塩ビ製塩化ビニル樹脂(ZEST1000Z):10重量部
東洋インキ製造製ポリエチレンワックス15重量%分散液(添加剤180):10重量部
テトラヒドロフラン:100重量部
三菱レイヨン製ダイヤナールBR87:10重量部
メチルエチルケトン:50重量部
トルエン:50重量部
東洋紡績製ポリエステル(バイロン240):20重量部
富士シリシア製シリカ(サイロホービック4004):2重量部
メチルエチルケトン:50重量部
トルエン:50重量部
このとき、パルプ繊維層として、ポリエチレンコートしてあるケント紙(連重265kg)を用いた。
このとき、熱プレスは、50kgf/cm2の圧力、温度140℃、30分間保持、の条件で行った。
まず、パルプ繊維層の片面にICチップを保持する凹部を設け、ICチップおよびアンテナシートをパルプ繊維層同士に挟まるように配置し、基材シートを得た。
このとき、パルプ繊維層として、ポリエチレンコートしてあるケント紙(連重265kg)を用いた。
このとき、熱プレスは、50kgf/cm2の圧力、温度140℃、30分間保持、の条件で行った。
このとき、受像層の厚みはドライ20μm厚であった。
参考例1における受像インキの組成を以下に示す。
日信化学製塩酢ビ(ソルバインCN):25重量部
富士シリシア製シリカ(サイロホービック4004):3重量部
東洋インキ製造製ポリエチレンワックス15重量%分散液(添加剤180):25重量部
シクロヘキサノン:50重量部
キシレン:50重量部
このとき、熱プレスは、50kgf/cm2の圧力、温度140℃、30分間保持、の条件で行った。
2……アンテナシート
3……ICチップ
4……受像層
5……中間層
6……接着層
7……パルプ繊維層
8……ホットメルト接着剤
9……基材フィルム
10……アンテナシート
11……ICチップ
12……転写箔フィルム
13……カード基材
Claims (4)
- 基材フィルムに、受像層を積層し、該受像層の上部に接着層を積層し、転写箔フィルムを形成する転写箔フィルム形成工程と、
ホットメルト接着剤を塗布したパルプ繊維層同士を対向して配置し、片面のパルプ繊維層にはICチップを保持する凹部を形成し、パルプ繊維層同士に挟まれた部位にアンテナシートおよびICチップを配置し、カード基材とし、
前記カード基材と前記転写箔フィルムとを、カード基材を挟むように両面に転写箔フィルム配置し、接触し、転写箔フィルムの両面から熱プレスを行い加熱し、熱転写する熱転写工程と、
前記転写箔フィルムが熱転写されたカード基材から、基材フィルムを剥離し、受像層を表出させカードを得る剥離工程と、
を備えたことを特徴とするカード製造方法。 - 前記転写箔フィルム形成工程にあって、前記受像層と前記接着層との間に少なくとも1層以上の中間層を積層し、
前記中間層は、前記受像層および前記接着層よりもガラス転移温度が高く、かつ、硬度が高い材料を用いること
を特徴とする請求項1に記載のカード製造方法。 - 前記接着層は、樹脂を含み、該樹脂分に対して5重量%以上20重量%以下の多孔質シリカフィラーを含有する材料を用いて形成された接着層であること
を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のカード製造方法。 - 前記受像層は、樹脂を含み、該樹脂分に対して2重量%以上15重量%以下のポリエチレンワックスを含有し、該樹脂は、塩化ビニル樹脂または塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする樹脂である材料を用いて形成された受像層であること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカード製造方法。
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