JP2004042457A - 中間転写記録媒体 - Google Patents

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小田村 耕造
Takayuki Imai
今井 貴之
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Abstract

【課題】基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体において、該受容層に熱転写画像を形成し、その後に、熱転写画像形成部と熱転写画像の未形成部を含めて、被転写体に転写部を転写する際、画像形成部と画像未形成部の領域によって、被転写体の転写部表面性に差が大きく生じることなく、被転写体に転写された転写部全面が平滑であり、得られる印画物の製品価値の高い中間転写記録媒体を提供する。
【解決手段】基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、熱転写シートと重ね合わせ、サーマルヘッドの加熱手段で受容層に画像を形成し、該画像の形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をaとし、該画像の未形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をbとするとき、|a−b|≦b/2の関係とした。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体に関し、特に被転写体に転写部を転写する際、該転写部の画像形成部と画像未形成部の領域によって、被転写体の転写部表面性に差が大きく生じることなく、被転写体に転写された転写部全面が平滑である中間転写記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、簡便な印刷方法として熱転写方法が広く使用されるようになってきた。熱転写方法は、基材シートの一方の面に色材層が設けられた熱転写シートと、必要に応じて画像受容層が設けられた熱転写受像シートを重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段により熱転写シートの背面を画像状に加熱して、色材層に含まれる色材を選択的に移行させて、熱転写受像シート上に画像を形成する方法である。
【0003】
熱転写方法は、溶融転写方式と昇華転写方式に分けられる。溶融転写方式は顔料等の色材を熱溶融性のワックスや樹脂等のバインダーに分散させた熱溶融インキ層をPETフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートを用い、サーマルヘッド等の加熱手段に画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙やプラスチックシート等の熱転写受像シート上に、色材をバインダーと共に転写する画像形成方法である。溶融転写方式による画像は、高濃度で鮮鋭性に優れ、文字等の2値画像の記録に適している。
【0004】
一方、昇華転写方式は主に昇華により熱移行する染料を樹脂バインダー中に溶解或いは分散させた染料層をPETフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートを用い、サーマルヘッド等の加熱手段に画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙やプラスチック等の基材シートに必要に応じて染料受容層を設けなる熱転写受像シート上に、染料のみを転写移行させる画像形成方法である。昇華転写方式は、印加されるエネルギー量に応じて染料の移行量を制御できるため、サーマルヘッドのドット毎に画像濃度を制御した階調画像の形成を行なうことができる。また、使用する色材が染料であるため、形成される画像には透明性があり、異なる色の染料を重ねた場合の中間色の再現性が優れている。したがって、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の異なる色の熱転写シートを用い、熱転写受像シート上に各色染料を重ねて転写する際にも、中間色の再現性に優れた高画質な写真調フルカラー画像の形成が可能である。
【0005】
このような熱転写方法による熱転写受像シートの具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAMなどの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミューズメント施設における合成写真、記念写真としての用途などをあげることができる。上記のような用途の多様化に伴い、任意の対象物に熱転写画像を形成する要求が高まり、その対応の一つとして、受容層が基材上に剥離可能に設けられた中間転写記録媒体で、その受容層に染料層や熱溶融性インキ層を有する熱転写シートを用いて、染料、顔料などの着色剤を転写して画像を形成し、その後に中間転写記録媒体を加熱して、受容層を被転写体上に転写する方法が提案されている。(特開昭62−238791号等)
【0006】
また、上記の中間転写記録媒体を用いることは、受容層を被転写体に転写することができるので、色材が移行しにくく、高画質の画像を直接形成できない被転写体や、熱転写時に色材層と融着し易い被転写体等に対して、好ましく用いられている。そのため、中間転写記録媒体は、パスポート等の身分証明書やクレジットカード・IDカード等の印画物の作成に対して好ましく用いられている。
先行技術として、特開平11−263079号公報に、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部が前記基材フィルムから剥がれる剥離力が、10〜150gf/inchであること、また前記転写部が、3μm以上の厚さであることが開示されている。上記の剥離力を、10〜150gf/inchとするので、多層によって構成された転写部であっても剥離力が小さすぎる時に起こる尾引きやバリが発生せず、また、剥離力が大きい時に起こる紙むけや欠けが発生しないものである。しかし、この公報では転写部における画像形成部と画像未形成部との剥離力の違いについて着目したものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような中間転写記録媒体を用いて、受容層に熱転写画像を形成し、その後に、熱転写画像形成部と熱転写画像の未形成部を含めて、被転写体に受容層を転写する際、画像形成部と画像未形成部の領域によって、基材フィルムと転写部における剥離力の差が大きく生じる。つまり、画像形成部の剥離力が大きいため、画像形成部に対応した剥離された被転写体の転写部表面は荒れてしまい(表面の凹凸が生じて)、画像未形成部に対応した平滑な転写部との外観上の差が大きく、製品の価値が低下するという問題があった。例えば、光沢性の高い画像未形成部と隣接して、表面がマット調の画像形成部が存在してしまい、転写部全体に光沢性を必要とする要求の阻害となる。
また、熱転写画像の形成部が濃色やベタの混色の場合、画像形成部には印画時に高エネルギーが印加されて、基材フィルムから剥離しないということも生じていた。
【0008】
したがって、本発明は、上記のような問題点をすべく、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体において、該受容層に熱転写画像を形成し、その後に、熱転写画像形成部と熱転写画像の未形成部を含めて、被転写体に転写部を転写する際、画像形成部と画像未形成部の領域によって、被転写体の転写部表面性に差が大きく生じることなく、被転写体に転写された転写部全面が平滑であり、得られる印画物の製品価値の高い中間転写記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体において、基材シート上に色材層が設けられた熱転写シートと重ね合わせ、サーマルヘッドの加熱手段により受容層に画像を形成し、該画像の形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をaとし、該画像の未形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をbとするとき、|a−b|≦b/2であることを特徴とする。
前記の転写部に離型材料を含有していることを特徴とする。
また、前記の離型材料として、シリコーン変性樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂の少なくとも1つを使用することを特徴とする。
【0010】
本発明の中間転写記録媒体は、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた構成で、基材シート上に色材層が設けられた熱転写シートと重ね合わせ、サーマルヘッドの加熱手段により受容層に画像を形成し、該画像の形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をaとし、該画像の未形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をbとするとき、|a−b|≦b/2の関係に規定した。この剥離強度の規定により、画像形成部と画像未形成部との両者の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度の差が、画像未形成部の剥離強度の1/2以下とすることで、両者の剥離強度の差を少なくすることにより、転写部の画像形成部と画像未形成部の領域によって、被転写体に転写された転写部表面性に差が生じることを防止し、被転写体に転写された転写部全面が平滑であり、得られる印画物の製品価値が低下することもない。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の中間転写記録媒体である一つの実施形態を示す概略断面図であり、中間転写記録媒体1は、基材フィルム2上に剥離層3、受容層4を順次積層し、つまり剥離層3と受容層4からなる2層の転写部5が基材フィルム2上に剥離可能に設けられたものである。
また、図2は、本発明の中間転写記録媒体である他の実施形態を示す概略断面図であり、中間転写記録媒体1は、基材フィルム2上に剥離層3、中間層6、受容層4を順次積層し、つまり剥離層3、中間層6、受容層4からなる3層の転写部5が基材フィルム2上に剥離可能に設けられたものである。
【0012】
以下に中間転写記録媒体を構成する各要素について、説明する。
(基材フィルム)
中間転写記録媒体を構成する基材フィルム2は、従来の中間転写記録媒体に使用されているものと同じ基材フィルムをそのまま用いることができ、特に限定するものではない。好ましい基材フィルムの具体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙またはパラフィン紙等の薄紙、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。
【0013】
また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。基材フィルムの厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になるように、材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
本発明の中間転写記録媒体では、必要に応じて、基材フィルムの裏面、すなわち受容層の設けてある面と反対面に、画像形成された転写部を被転写体へ再転写する手段としてのサーマルヘッドやヒートロール等の熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止するため、従来から知られる背面層を設けてもよい。
【0014】
(剥離層)
本発明の中間転写記録媒体は、基材フィルム上に剥離層3を介して、受容層を形成する。この剥離層を有していることにより、その中間転写記録媒体から受容層を主体とした転写部(2層以上からなる転写層)を確実に、かつ容易に被転写体へ再転写させることができる。
本発明の中間転写記録媒体は、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた構成で、転写部が基材フィルムから剥離する際、基材フィルムと剥離層との間で剥離する。
【0015】
したがって、画像形成された転写部において、該画像の形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をaとし、該画像の未形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をbとするとき、これらの比a/bを1/2≦a/b≧2/1の範囲に収めるために、剥離層と基材フィルムとの間の界面で剥離層が画像形成時の熱と圧力が加えられる前後で、密着性にあまり変化がないようして、画像形成部と画像未形成部の両方の領域を含む転写部が、被転写体へ転写され、被転写体に転写された両方の領域での表面性の差が少なくなる。つまり、被転写体に転写された転写部全面が平滑となる。
【0016】
上記のような剥離強度の関係を満足させるには、剥離層を構成する材料を適切に選択することにある。剥離層を構成する材質として、離型材料が挙げられ、例えば、シロキサンで変性した各種の熱可塑性樹脂、すなわちシロキサン変性熱可塑性樹脂(シリコーン変性樹脂)や、アクリル−スチレン共重合樹脂、フッ素樹脂等の離型材料を使用することができる。上記のシリコーン変性樹脂は、水酸基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、イソシアネート基、カルボキシル基等を有する反応性シリコーンオイルを必要に応じてポリアミン、ポリオール、ポリイソシアネート等の架橋剤を併用して官能基を有する熱可塑性樹脂に結合させることによって得られる。本発明の離型材料として好適なものは、シリコーン変性ポリビニルブチラール樹脂及びシリコーン変性ポリビニルアセトアセタール樹脂のシリコーン変性ポリビニルアセタール樹脂や、シリコーン変性ポリエステル樹脂、シリコーン変性セルロース樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂が挙げられる。
【0017】
剥離層は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、硝化綿等の熱可塑性樹脂に、上記に挙げたような離型材料を混合して形成することができる。また、剥離層は上記の離型材料だけで構成することも可能であり、いずれにしても画像形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をaとし、該画像の未形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をbとするとき、|a−b|≦b/2に調整できることが条件である。
上記に挙げた離型材料は、各種ワックス類、界面活性剤や金属セッケン等の潤滑剤のような加熱により溶融して、基材フィルムや受容層側に滲み出るようなものではなく、加熱により軟化して、基材フィルムとの剥離性を向上させ、加熱後の室温に戻れば、基材フィルムとその離型材料を含む剥離層との剥離強度は加熱前後で変化が少ないものである。
【0018】
本発明における中間転写記録媒体で、転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度は、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で測定した条件のもので、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体と、基材シート上に色材層が設けられた熱転写シートと重ね合わせ、サーマルヘッドの加熱手段により受容層に画像を形成した後に、その中間転写記録媒体を室温下で、転写部が基材フィルムから剥がれる剥離強度を測定したものである。
画像の未形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度bが、例えば22gf/inch程度である場合、該画像形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度aは、11〜33gf/inch程度となる。
【0019】
剥離層は、上記の必要な材料を適当な溶剤により、溶解または分散させて剥離層用塗工液を調製し、これを基材フィルム上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。その乾燥後の厚さは0.05〜10μm程度である。
【0020】
(受容層)
受容層4は、中間転写記録媒体を構成する転写部の一部として、表面に位置するように設けられる。この受容層上には、熱転写によって、色材層を有する熱転写シートから熱転写法によって画像が形成される。そして、画像が形成された中間転写記録媒体の転写部は、被転写体に転写され、その結果、印画物が形成される。
このため、受容層を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネイト等が挙げられ、特に、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
【0021】
受容層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法、またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、乾燥状態で1〜10μm程度である。
【0022】
(中間層)
本発明の中間転写記録媒体の基材フィルムから転写可能である、受容層を少なくとも有した2層以上から構成される転写部の一つの層として、中間層6を剥離層と受容層との間に形成することができる。この中間層に様々な役割をもたせることで、中間転写記録媒体の転写部に優れた機能を付加させることができる。例えば、紫外線吸収剤を含有させて画像の耐光性を向上させたり、蛍光体を含有させて偽造防止性を高めたり、また剥離層と受容層との接着性を向上させたりすることができる。
上記の紫外線吸収剤としては、従来公知のベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物等の有機系の紫外線吸収剤が使用可能であり、また亜鉛、チタン、セリウム、スズ、鉄等の酸化物の如き無機系の紫外線吸収能を有する微粒子の無機系紫外線吸収剤を中間層中に含有させることができる。
【0023】
上記の蛍光体としては、紫外線照射により蛍光を発光する物質であって、無機蛍光体と有機蛍光体に大別することができる。また、可視光をほとんどあるいは全く吸収しない無色の蛍光体と、可視領域にある程度の吸収帯を持つ有色の蛍光体とに大別できる。本発明においては、可視光をほとんどあるいは全く吸収しない無色の蛍光体を用いることが好ましい。
無色の無機蛍光体としては、Ca、Ba、Mg、Zn、Cdなどの酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩などの結晶を主成分とし、Mg、Ag、Cu、Sb、Pbなどの金属元素もしくはランタノイド類などの希土類元素を活性剤として添加して焼成して得られる顔料を用いることができる。
また、有機蛍光体としては、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロン等の誘導体、フルオレセイン、エオシン等の色素、アントラセン等のベンゼン環を持つ化合物などを用いることができる。
【0024】
中間層を構成する樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン系樹脂、ブタジエンラバー、エポキシ樹脂等が挙げられる。中間層の厚さは、乾燥状態で0.5〜5μm程度である。尚、中間層の形成方法は上記受容層と同様でよい。
【0025】
(被転写体)
被転写体上には、上述した中間転写記録媒体の熱転写画像の形成された転写部が転写される。使用される被転写体は、以下のような基材から構成することができる。例えば天燃パルプ紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等いずれのものでもよい。
天然パルプ紙は特に限定されず、例えば、上質紙、アート紙、軽量コート紙、微塗工紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、熱転写用紙等が挙げられる。
【0026】
被転写体の形状・用途についても、株券、証券、証書、通帳類、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場券、チケット等の金券類、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、メンバーズカード、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、ICカード、光カードなどのカード類、カートン、容器等のケース類、バッグ類、帳票類、封筒、タグ、OHPシート、スライドフィルム、しおり、カレンダー、ポスター、パンフレット、メニュー、パスポート、POP用品、コースター、ディスプレイ、ネームプレート、キーボード、化粧品、腕時計、ライター等の装身具、文房具、レポート用紙など文具類、建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、ラジオ、テレビ、電卓、OA機器等の装置類、各種見本帳、アルバム、また、コンピュータグラフィックスの出力、医療画像出力等、種類を問うものではない。
【0027】
以上に説明した中間転写記録媒体と被転写体を用いて、中間転写記録媒体の受容層に熱転写画像を形成し、その画像形成部とそれに隣接した画像未形成部を含めた転写部が被転写体に転写して印画物が形成される。
中間転写記録媒体からの転写部は、被転写体の転写面の一部に転写することが可能であるが、被転写体の全面に転写することが、好ましく行なわれる。
本発明の中間転写記録媒体を用いて、受容層に熱転写画像を形成し、その画像の形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をaとし、該画像の未形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をbとするとき、|a−b|≦b/2とすることで、a、b両者の剥離強度の差を少なくすることにより、転写部の画像形成部と画像未形成部の領域によって、被転写体に転写された転写部表面性に差が生じることを防止し、被転写体に転写された転写部全面が平滑であり、得られる印画物の製品価値が低下することもない。
【0028】
上記の剥離強度の関係で、|a−b|>b/2である場合で、かつaがbより大きい場合、画像形成部の転写部における基材フィルムとの密着性が高すぎて、その転写部の基材フィルムから剥離した表面に凹凸が生じて、表面のマット調が目立ってしまう。また、上記の関係で、|a−b|>b/2である場合で、かつaがbより小さい場合では、画像形成部の転写部の基材フィルムとの密着性が低下し、被転写体へ転写する前の取り扱い中に転写部が基材フィルムから剥離してしまう等、支障が生じやすい。
基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体の受容層の任意個所に、熱転写シートから染料層や熱溶融性インキ層をサーマルヘッド等の加熱手段により転写して画像形成する。次に被転写体上に、その中間転写記録媒体の画像形成された転写部をヒートロール等の加熱手段により再転写して、印画物を形成する。
【0029】
【実施例】
(実施例1)
先ず、厚さ12μmで透明なポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとして用い、その表面に以下に示す剥離層用塗工液を、グラビアコーターで塗布、乾燥して、基材フィルムの全面上に乾燥時で厚さ1.5μmの剥離層を形成した。
(剥離層用塗工液)
シリコーン変性ポリエステル樹脂                  4部
ポリエステル樹脂                       100部
メチルエチルケトン                       50部
トルエン                            50部
【0030】
次いで、上記の剥離層上に、以下に示す受容層用塗工液により、グラビアコーターで塗布、乾燥し、乾燥時で厚さ2.0μmの受容層を形成し、実施例1の中間転写記録媒体を用意した。
(受容層用塗工液)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体                 40部
アクリルシリコーン                      1.5部
メチルエチルケトン                       50部
トルエン                            50部
【0031】
(実施例2)
実施例1で使用した同様の基材フィルムを用い、実施例1における剥離層用塗工液を下記組成のものに変更し、グラビアコーターで塗布、乾燥して、基材フィルムの全面上に乾燥時で厚さ1.5μmの剥離層を形成した。その他は、実施例1と同様にして、実施例2の中間転写記録媒体を用意した。
(剥離層用塗工液)
アクリル−スチレン共重合樹脂                  25部
ポリエステル樹脂                       100部
メチルエチルケトン                       50部
トルエン                            50部
【0032】
(比較例1)
実施例1で使用した同様の基材フィルムを用い、実施例1における剥離層用塗工液を下記組成のものに変更し、グラビアコーターで塗布、乾燥して、基材フィルムの全面上に乾燥時で厚さ1.5μmの剥離層を形成した。その他は、実施例1と同様にして、比較例1の中間転写記録媒体を用意した。
(剥離層用塗工液)
ポリエステル樹脂                       100部
メチルエチルケトン                       50部
トルエン                            50部
【0033】
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートを基材フィルム上に、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層と、熱溶融転写性を有し、色相が黒色の溶融層を面順次に繰り返し形成した、市販の熱転写シートを用意した。尚、この基材フィルムの裏面には背面層が予め形成してある。
【0034】
上記の得られた各実施例、比較例の中間転写記録媒体の受容層上に、上記に用意した熱転写シートを用い、熱転写法により、すなわち市販のサーマルヘッドを搭載した熱転写プリンターを用いて、昇華転写の写真調の画像8と、溶融転写の文字画像9の熱転写画像を、規定した位置に形成した。(図3に示す画像とは、鏡像の関係になるように、受容層上に画像を形成した。)
その後に、厚み600μmの白色のPET−Gシート(三菱樹脂(株)製:PET−G、ディアフィクスPG−W)の被転写体に、上記の画像形成された転写部5を図3に示すような配置で、ヒートロールを常設した市販のラミネーターを用いて、被転写体の全面に再転写して、印画物7を得た。
【0035】
上記実施例1及び実施例2で作製した中間転写記録媒体は、上記のように受容層に熱転写画像を形成し、該画像の形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度aが27gf/inchであり、該画像の未形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度bは22gf/inchであった。したがって、|a−b|≦b/2の関係を満足するものであり、a、b両者の剥離強度の差が少なく、転写部の画像形成部と画像未形成部の領域によって、被転写体に転写された転写部表面性に差がなく、被転写体に転写された転写部全面が平滑であり、光沢性の高い印画物が得られた。
【0036】
上記比較例1で作製した中間転写記録媒体は、上記のように受容層に熱転写画像を形成し、該画像の形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度aが40gf/inchであり、該画像の未形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度bは22gf/inchであった。したがって、|a−b|≦b/2の関係を満足しないものであり、a、b両者の剥離強度の差が大きく、転写部の画像形成部は表面が荒れてしまい、画像未形成部の平滑で、光沢性の高い表面との差が大きく、目立ってしまい、製品価値の非常に低い印画物であった。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の中間転写記録媒体は、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた構成で、基材シート上に色材層が設けられた熱転写シートと重ね合わせ、サーマルヘッドの加熱手段により受容層に画像を形成し、該画像の形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をaとし、該画像の未形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をbとするとき、|a−b|≦b/2の関係に規定した。この剥離強度の規定により、画像形成部と画像未形成部との両者の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度の差が、画像未形成部の剥離強度の1/2以下とすることで、両者の剥離強度の差を少なくすることにより、転写部の画像形成部と画像未形成部の領域によって、被転写体に転写された転写部表面性に差が生じることを防止でき、被転写体に転写された転写部全面が平滑であり、得られる印画物の製品価値が低下することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間転写記録媒体である一つの実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の中間転写記録媒体である他の実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明の印画物である一例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1   中間転写記録媒体
2   基材フィルム
3   剥離層
4   受容層
5   転写部
6   中間層
7   印画物
8   写真調画像
9   文字画像

Claims (3)

  1. 基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体において、基材シート上に色材層が設けられた熱転写シートと重ね合わせ、サーマルヘッドの加熱手段により受容層に画像を形成し、該画像の形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をaとし、該画像の未形成部の転写部における基材フィルムから剥がれる剥離強度をbとするとき、|a−b|≦b/2であることを特徴とする中間転写記録媒体。
  2. 前記の転写部に離型材料を含有していることを特徴とする請求項1に記載する中間転写記録媒体。
  3. 前記の離型材料として、シリコーン変性樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂の少なくとも1つを使用することを特徴とする請求項2に記載する中間転写記録媒体。
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JP2012223969A (ja) * 2011-04-19 2012-11-15 Toppan Printing Co Ltd カード製造方法およびカード

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