JP2004042458A - 中間転写記録媒体及び印画物 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械読取りを行なう情報記録部分を有する被転写体上に、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体を用いて、情報記録部分を含めて被転写体の全面に転写部を転写し、情報記録部分の読取適性に影響しない中間転写記録媒体及びそれを用いて得られる印画物を提供することを目的とする。
【解決手段】基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度を、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchの範囲にし、かつ転写部の膜厚を3μm以下とすることで、予め情報記録部分を形成してある被転写体に、その情報記録部分を覆うように転写部を転写しても、その転写部の膜厚を薄く抑え、転写部の基材フィルムからの剥離強度を低めにした。
【選択図】 図1
【解決手段】基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度を、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchの範囲にし、かつ転写部の膜厚を3μm以下とすることで、予め情報記録部分を形成してある被転写体に、その情報記録部分を覆うように転写部を転写しても、その転写部の膜厚を薄く抑え、転写部の基材フィルムからの剥離強度を低めにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体と、その中間転写記録媒体の受容層に熱転写画像を形成し、画像の形成された転写部を被転写体へ転写して得られる印画物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、簡便な印刷方法として熱転写方法が広く使用されるようになってきた。熱転写方法は、基材シートの一方の面に色材層が設けられた熱転写シートと、必要に応じて画像受容層が設けられた熱転写受像シートを重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段により熱転写シートの背面を画像状に加熱して、色材層に含まれる色材を選択的に移行させて、熱転写受像シート上に画像を形成する方法である。
【0003】
熱転写方法は、溶融転写方式と昇華転写方式に分けられる。溶融転写方式は顔料等の色材を熱溶融性のワックスや樹脂等のバインダーに分散させた熱溶融インキ層をPETフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートを用い、サーマルヘッド等の加熱手段に画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙やプラスチックシート等の熱転写受像シート上に、色材をバインダーと共に転写する画像形成方法である。溶融転写方式による画像は、高濃度で鮮鋭性に優れ、文字等の2値画像の記録に適している。
【0004】
一方、昇華転写方式は主に昇華により熱移行する染料を樹脂バインダー中に溶解或いは分散させた染料層をPETフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートを用い、サーマルヘッド等の加熱手段に画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙やプラスチック等の基材シートに必要に応じて染料受容層を設けなる熱転写受像シート上に、染料のみを転写移行させる画像形成方法である。昇華転写方式は、印加されるエネルギー量に応じて染料の移行量を制御できるため、サーマルヘッドのドット毎に画像濃度を制御した階調画像の形成を行なうことができる。また、使用する色材が染料であるため、形成される画像には透明性があり、異なる色の染料を重ねた場合の中間色の再現性が優れている。したがって、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の異なる色の熱転写シートを用い、熱転写受像シート上に各色染料を重ねて転写する際にも、中間色の再現性に優れた高画質な写真調フルカラー画像の形成が可能である。
【0005】
このような熱転写方法による熱転写受像シートの具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAMなどの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミューズメント施設における合成写真、記念写真としての用途などをあげることができる。上記のような用途の多様化に伴い、任意の対象物に熱転写画像を形成する要求が高まり、その対応の一つとして、受容層が基材上に剥離可能に設けられた中間転写記録媒体で、その受容層に染料層や熱溶融性インキ層を有する熱転写シートを用いて、染料、顔料などの着色剤を転写して画像を形成し、その後に中間転写記録媒体を加熱して、受容層を被転写体上に転写する方法が提案されている。(特開昭62−238791号等)
【0006】
また、上記の中間転写記録媒体を用いることは、受容層を被転写体に転写することができるので、色材が移行しにくく、高画質の画像を直接形成できない被転写体や、熱転写時に色材層と融着し易い被転写体等に対して、好ましく用いられている。そのため、中間転写記録媒体は、パスポート等の身分証明書やクレジットカード・IDカード等の印画物の作成に対して好ましく用いられている。
先行技術として、特開平11−263079号公報に、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部が前記基材フィルムから剥がれる剥離力が、10〜150gf/inchであること、また前記転写部が、3μm以上の厚さであることが開示されている。上記の剥離力を、10〜150gf/inchとするので、多層によって構成された転写部であっても剥離力が小さすぎる時に起こる尾引きやバリが発生せず、また、剥離力が大きい時に起こる紙むけや欠けが発生しないものである。しかし、この公報では転写部が転写される被転写体への損傷や、情報記録部分の読取適性への影響を防止させることについて、何ら開示がされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような中間転写記録媒体を用いて被転写体に受容層を転写する際、被転写体に磁気テープ、バーコード等の機械読取りを行なう情報記録部分が形成されている場合、その情報記録部分を含めて被転写体の全面に受容層が転写され、情報記録部分は受容層に覆われて、機械読み取りで誤読されたり、全く読み取れなかったり、不具合が生じていた。
【0008】
したがって、本発明は、上記のような問題点を解決し、機械読取りを行なう情報記録部分を有する被転写体上に、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体を用いて、情報記録部分を含めて被転写体の全面に転写部を転写し、情報記録部分の読取適性に影響しない中間転写記録媒体及びそれを用いて得られる印画物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体において、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度が、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchであり、かつ転写部の膜厚が3μm以下であることを特徴とする。
また、本発明では、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度が、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchであり、かつ転写部の膜厚が3μm以下である中間転写記録媒体の受容層に熱転写画像を形成し、画像の形成された転写部を被転写体へ転写して得られる印画物において、該被転写体には予め情報記録部分を形成してあり、該情報記録部分の上に転写部が転写されたことを特徴とする。
【0010】
本発明の印画物は、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度を、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchの範囲にし、かつ転写部の膜厚を3μm以下とすることで、予め情報記録部分を形成してある被転写体に、その情報記録部分を覆うように転写部を転写しても、その転写部の膜厚を薄く抑え、転写部が基材フィルムから剥離する際の抵抗力(剥離強度)を低めにして、情報記録部分の読取適性が低下しない印画物が得られた。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の中間転写記録媒体である一つの実施形態を示す概略断面図であり、中間転写記録媒体1は、基材フィルム2上に剥離層3、受容層4を順次積層し、つまり剥離層3と受容層4からなる2層の転写部5が基材フィルム2上に剥離可能に設けられたものである。
また、図2は、本発明の中間転写記録媒体である他の実施形態を示す概略断面図であり、中間転写記録媒体1は、基材フィルム2上に剥離層3、中間層6、受容層4を順次積層し、つまり剥離層3、中間層6、受容層4からなる3層の転写部5が基材フィルム2上に剥離可能に設けられたものである。
【0012】
以下に中間転写記録媒体を構成する各要素について、説明する。
(基材フィルム)
中間転写記録媒体を構成する基材フィルム2は、従来の中間転写記録媒体に使用されているものと同じ基材フィルムをそのまま用いることができ、特に限定するものではない。好ましい基材フィルムの具体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙またはパラフィン紙等の薄紙、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。
【0013】
また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。基材フィルムの厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になるように、材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
本発明の中間転写記録媒体では、必要に応じて、基材フィルムの裏面、すなわち受容層の設けてある面と反対面に、画像形成された転写部を被転写体へ再転写する手段としてのサーマルヘッドやヒートロール等の熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止するため、従来から知られる背面層を設けてもよい。
【0014】
(剥離層)
本発明の中間転写記録媒体は、基材フィルム上に剥離層3を介して、受容層を形成する。この剥離層を有していることにより、その中間転写記録媒体から受容層を主体とした転写部(2層以上からなる転写層)を確実に、かつ容易に被転写体へ再転写させることができる。
剥離層は、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等のワックス類や、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、硝化綿等の熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。
【0015】
また、剥離層はバインダー樹脂と離型性材料とから形成できる。そのバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂であるポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、あるいは熱硬化型樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂等が使用できる。また、離型性材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂、タルクやシリカの微粉末、界面活性剤や金属セッケン等の潤滑等が使用できる。
【0016】
剥離層は転写部の構成要素として、基材フィルム上に直接設けるものであり、基材フィルムと転写部との間の剥離強度を決定させる大きな要素である。したがって、本発明では、転写部と基材フィルムとの剥離強度が、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で測定して、5〜25gf/inchの範囲とするために、剥離層には、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂等の離型性材料を、適切な種類選定と配合量の条件で添加して、基材フィルムとの剥離性を高める必要がある。
剥離層は、上記の必要な材料を適当な溶剤により、溶解または分散させて剥離層用塗工液を調製し、これを基材フィルム上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。その乾燥後の厚さは0.05〜1μm程度である。
【0017】
(受容層)
受容層4は、中間転写記録媒体を構成する転写部の一部として、表面に位置するように設けられる。この受容層上には、熱転写によって、色材層を有する熱転写シートから熱転写法によって画像が形成される。そして、画像が形成された中間転写記録媒体の転写部は、被転写体に転写され、その結果、印画物が形成される。
このため、受容層を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネイト等が挙げられ、特に、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
【0018】
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの接着性を有する樹脂材料を用いて、受容層を形成することが好ましい。
受容層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法、またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、乾燥状態で0.5〜2μm程度である。
【0019】
(中間層)
本発明の中間転写記録媒体の基材フィルムから転写可能である、受容層を少なくとも有した2層以上から構成される転写部の一つの層として、中間層6を剥離層と受容層との間に形成することができる。この中間層に様々な役割をもたせることで、中間転写記録媒体の転写部に優れた機能を付加させることができる。例えば、紫外線吸収剤を含有させて画像の耐光性を向上させたり、蛍光体を含有させて偽造防止性を高めたり、また剥離層と受容層との接着性を向上させたりすることができる。
上記の紫外線吸収剤としては、従来公知のベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物等の有機系の紫外線吸収剤が使用可能であり、また亜鉛、チタン、セリウム、スズ、鉄等の酸化物の如き無機系の紫外線吸収能を有する微粒子の無機系紫外線吸収剤を中間層中に含有させることができる。
【0020】
上記の蛍光体としては、紫外線照射により蛍光を発光する物質であって、無機蛍光体と有機蛍光体に大別することができる。また、可視光をほとんどあるいは全く吸収しない無色の蛍光体と、可視領域にある程度の吸収帯を持つ有色の蛍光体とに大別できる。本発明においては、可視光をほとんどあるいは全く吸収しない無色の蛍光体を用いることが好ましい。
無色の無機蛍光体としては、Ca、Ba、Mg、Zn、Cdなどの酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩などの結晶を主成分とし、Mg、Ag、Cu、Sb、Pbなどの金属元素もしくはランタノイド類などの希土類元素を活性剤として添加して焼成して得られる顔料を用いることができる。
また、有機蛍光体としては、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロン等の誘導体、フルオレセイン、エオシン等の色素、アントラセン等のベンゼン環を持つ化合物などを用いることができる。
【0021】
中間層を構成する樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン系樹脂、ブタジエンラバー、エポキシ樹脂等が挙げられる。中間層の厚さは、乾燥状態で0.5〜1μm程度である。尚、中間層の形成方法は上記受容層と同様でよい。
上記に説明した剥離層、中間層、受容層等から構成される基材フィルムから剥離して転写される2層以上から成る転写部の総合厚みは、3μm以下であり、したがって転写部の各層は3μmより薄い条件となる。
【0022】
(被転写体)
次に、被転写体について説明する。被転写体上には、上述した中間転写記録媒体の熱転写画像の形成された転写部が転写される。本発明では、被転写体には予め情報記録部分を形成してあり、該情報記録部分の上に転写部が転写され、印画物が得られる。
本発明で使用される被転写体は、磁気的に読取りや書込みの可能な磁気記録層や光学的に読取りや書き込み可能な記録層からなる情報記録部分を予め形成しておくことが好ましい。この情報記録部分には、用途に対応して、例えばID情報、保持者情報、金銭に関する情報等が書込まれている。
上記のような情報記録部分は、可視情報として記録することが可能であるが、秘密保持や偽造防止等のために、非可視情報として記録することがよく行なわれる。
また、例えば、情報記録部分の磁気記録層を有する磁気ストライプを設けた被転写体は、磁気ストライプが被転写体の表面に現われているものや、被転写体に磁気ストライプを形成し、さらにその磁気ストライプを隠蔽する層を設けて、被転写体の表面には磁気ストライプが見えないようにした被転写体を用いることができる。この磁気ストライプ、つまり情報記録される部分の全体を隠蔽して見えないようにすることが、よく行なわれている。
【0023】
被転写体は、上記のような情報記録部分を被転写体の少なくとも一部に有し、以下のような基材から構成することができる。例えば天燃パルプ紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等いずれのものでもよい。
天然パルプ紙は特に限定されず、例えば、上質紙、アート紙、軽量コート紙、微塗工紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、熱転写用紙等が挙げられる。
【0024】
被転写体の形状・用途についても、株券、証券、証書、通帳類、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場券、チケット等の金券類、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、メンバーズカード、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、ICカード、光カードなどのカード類、カートン、容器等のケース類、バッグ類、帳票類、封筒、タグ、OHPシート、スライドフィルム、しおり、カレンダー、ポスター、パンフレット、メニュー、パスポート、POP用品、コースター、ディスプレイ、ネームプレート、キーボード、化粧品、腕時計、ライター等の装身具、文房具、レポート用紙など文具類、建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、ラジオ、テレビ、電卓、OA機器等の装置類、各種見本帳、アルバム、また、コンピュータグラフィックスの出力、医療画像出力等、種類を問うものではない。
【0025】
以上に説明した中間転写記録媒体と被転写体を用いて、中間転写記録媒体の受容層に熱転写画像を形成し、その画像の形成された転写部を被転写体へ転写して印画物を形成する。その際に、該被転写体には予め情報記録部分を形成していることが好ましく、該情報記録部分の上に転写部が転写される。
中間転写記録媒体からの転写部は、被転写体の情報記録部分を含め、被転写体の転写面の全面に転写されることが好ましい。これにより、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度を、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchの範囲にし、かつ転写部の膜厚を3μm以下とすることで、予め情報記録部分を形成してある被転写体に、その情報記録部分を覆うように転写部を転写しても、その転写部の膜厚を薄く抑え、転写部が基材フィルムから剥離する際の抵抗力(剥離強度)を低めにして、情報記録部分の読取適性が低下せず、また被転写体の転写面に対して損傷を与えることを防止することができる。
【0026】
上記の剥離強度が5gf/inch未満であると、転写部が保管や移動中等で剥がれやすくなる。また剥離強度が25gf/inchより大きくなると、転写部が転写された被転写体の表面が荒れて、情報記録部分の読取適性が低下してくる。
また、上記の転写部の膜厚は3μm以下であり、上限の膜厚が3μmであり、3μmを越えると、被転写体の情報記録部分の読取適性に影響してくる。一方で、転写部の膜厚の下限は実用上、少なくとも剥離層、受容層の2層から転写部が構成されることから、1μm程度である。
基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体の受容層の任意個所に、熱転写シートから染料層や熱溶融性インキ層をサーマルヘッド等の加熱手段により転写して画像形成する。次に被転写体上に、その中間転写記録媒体の画像形成された転写部をヒートロール等の加熱手段により再転写する。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
先ず、厚さ12μmで透明なポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとして用い、その表面に以下に示す剥離層用塗工液を、グラビアコーターで塗布、乾燥して、基材フィルムの全面上に乾燥時で厚さ0.8μmの剥離層を形成した。(剥離層用塗工液)
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、BR−83) 88部
ポリエステル樹脂 1部
ポリエチレンワックス 11部
メチルエチルケトン 50部
トルエン 50部
【0028】
次いで、上記の剥離層上に、以下に示す受容層用塗工液により、グラビアコーターで塗布、乾燥し、乾燥時で厚さ1.5μmの受容層を形成し、実施例1の中間転写記録媒体を用意した。尚、実施例1で作製した中間転写記録媒体は、その転写部の膜厚は2.3μmであった。
(受容層用塗工液)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 40部
アクリルシリコーン 1.5部
メチルエチルケトン 50部
トルエン 50部
【0029】
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートを基材フィルム上に、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層と、熱溶融転写性を有し、色相が黒色の溶融層を面順次に繰り返し形成した、市販の熱転写シートを用意した。尚、この基材フィルムの裏面には背面層が予め形成してある。
【0030】
上記の得られた実施例1の中間転写記録媒体の受容層上に、上記に用意した熱転写シートを用い、熱転写法により、すなわち市販のサーマルヘッドを搭載した熱転写プリンターを用いて、昇華転写の写真調の画像と、溶融転写の文字画像の熱転写画像を、規定した位置に形成した。
その後に、厚み600μmの白色のPET−Gシート(三菱樹脂(株)製:PET−G、ディアフィクスPG−W)において、そのシートの片面にID情報(個人識別情報)が記録された磁気記録層を有する磁気ストライプを有する被転写体に、上記の画像形成された転写部を図3に示すような配置で、ヒートロールを常設した市販のラミネーターを用いて、被転写体のその情報記録部分を有する面の全面に再転写して、印画物を得た。
【0031】
上記実施例1で得られた印画物は、磁気記録による情報記録部分の読取適性は良好であり、つまり転写部が転写される前と後で、情報記録部分の読取り機(リーダーチェッカー)の読取適性に変化がなく、また被転写体の転写面に外観上の損傷もなかった。また、上記実施例1で作製した中間転写記録媒体において、その転写部と基材フィルムとの剥離強度を、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で測定したところ、15gf/inchであった。
尚、上記のID情報(個人識別情報)が記録された磁気記録層を有する磁気ストライプを有する被転写体に、画像形成された転写部を再転写した印画物は、図3に示すように、磁気ストライプが被転写体の表面に現われているが、被転写体に磁気ストライプを形成し、さらにその磁気ストライプを隠蔽する層を設けて、被転写体の表面には磁気ストライプが見えないようにした被転写体を用いても、上記と同様に、磁気記録による情報記録部分の読取適性は良好であり、また被転写体の転写面に外観上の損傷もなかった。
【0032】
(比較例1)
実施例1で使用した同様の基材フィルムを用い、実施例1で使用した剥離層用塗工液で、グラビアコーターで塗布、乾燥して、基材フィルムの全面上に乾燥時で厚さ2.0μmの剥離層を形成した。次いで、上記の剥離層上に、実施例1で使用した受容層用塗工液により、グラビアコーターで塗布、乾燥し、乾燥時で厚さ3.0μmの受容層を形成し、比較例1の中間転写記録媒体を用意した。尚、比較例1で作製した中間転写記録媒体は、その転写部の膜厚は5.0μmであった。
【0033】
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートを基材フィルム上に、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層と、熱溶融転写性を有し、色相が黒色の溶融層を面順次に繰り返し形成した、市販の熱転写シートを用意した。尚、この基材フィルムの裏面には背面層が予め形成してある。
【0034】
上記の得られた比較例1の中間転写記録媒体の受容層上に、実施例1で使用したと同様の熱転写シートを用い、また実施例1と同様に、昇華転写の写真調の画像と、溶融転写の文字画像の熱転写画像を、規定した位置に形成した。
その後に、実施例1で使用した同様の個人識別情報が記録された磁気記録層を有する磁気ストライプを有する被転写体に、上記の画像形成された転写部を図3に示すような配置で、ヒートロールを常設した市販のラミネーターを用いて、被転写体のその情報記録部分を有する面の全面に再転写して、印画物を得た。
【0035】
上記比較例1で得られた印画物は、転写部が転写される前は、情報記録部分の読取適性が良好であったが、転写部が転写された後で、情報記録部分の読取り機(リーダーチェッカー)で読み取れなかった。尚、比較例1で作製した中間転写記録媒体において、その転写部と基材フィルムとの剥離強度を、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で測定したところ、15gf/inchであった。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の印画物は、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度を、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchの範囲にし、かつ転写部の膜厚を3μm以下とする中間転写記録媒体を用いることで、予め情報記録部分を形成してある被転写体に、その情報記録部分を覆うように転写部を転写しても、その転写部の膜厚を薄く抑え、転写部が基材フィルムから剥離する際の抵抗力(剥離強度)を低めにして、情報記録部分の読取適性が低下しない印画物が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間転写記録媒体である一つの実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の中間転写記録媒体である他の実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明の印画物である一例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 中間転写記録媒体
2 基材フィルム
3 剥離層
4 受容層
5 転写部
6 中間層
7 印画物
8 磁気ストライプ(情報記録部分)
9 写真調画像
10 文字画像
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体と、その中間転写記録媒体の受容層に熱転写画像を形成し、画像の形成された転写部を被転写体へ転写して得られる印画物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、簡便な印刷方法として熱転写方法が広く使用されるようになってきた。熱転写方法は、基材シートの一方の面に色材層が設けられた熱転写シートと、必要に応じて画像受容層が設けられた熱転写受像シートを重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段により熱転写シートの背面を画像状に加熱して、色材層に含まれる色材を選択的に移行させて、熱転写受像シート上に画像を形成する方法である。
【0003】
熱転写方法は、溶融転写方式と昇華転写方式に分けられる。溶融転写方式は顔料等の色材を熱溶融性のワックスや樹脂等のバインダーに分散させた熱溶融インキ層をPETフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートを用い、サーマルヘッド等の加熱手段に画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙やプラスチックシート等の熱転写受像シート上に、色材をバインダーと共に転写する画像形成方法である。溶融転写方式による画像は、高濃度で鮮鋭性に優れ、文字等の2値画像の記録に適している。
【0004】
一方、昇華転写方式は主に昇華により熱移行する染料を樹脂バインダー中に溶解或いは分散させた染料層をPETフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートを用い、サーマルヘッド等の加熱手段に画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙やプラスチック等の基材シートに必要に応じて染料受容層を設けなる熱転写受像シート上に、染料のみを転写移行させる画像形成方法である。昇華転写方式は、印加されるエネルギー量に応じて染料の移行量を制御できるため、サーマルヘッドのドット毎に画像濃度を制御した階調画像の形成を行なうことができる。また、使用する色材が染料であるため、形成される画像には透明性があり、異なる色の染料を重ねた場合の中間色の再現性が優れている。したがって、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の異なる色の熱転写シートを用い、熱転写受像シート上に各色染料を重ねて転写する際にも、中間色の再現性に優れた高画質な写真調フルカラー画像の形成が可能である。
【0005】
このような熱転写方法による熱転写受像シートの具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAMなどの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミューズメント施設における合成写真、記念写真としての用途などをあげることができる。上記のような用途の多様化に伴い、任意の対象物に熱転写画像を形成する要求が高まり、その対応の一つとして、受容層が基材上に剥離可能に設けられた中間転写記録媒体で、その受容層に染料層や熱溶融性インキ層を有する熱転写シートを用いて、染料、顔料などの着色剤を転写して画像を形成し、その後に中間転写記録媒体を加熱して、受容層を被転写体上に転写する方法が提案されている。(特開昭62−238791号等)
【0006】
また、上記の中間転写記録媒体を用いることは、受容層を被転写体に転写することができるので、色材が移行しにくく、高画質の画像を直接形成できない被転写体や、熱転写時に色材層と融着し易い被転写体等に対して、好ましく用いられている。そのため、中間転写記録媒体は、パスポート等の身分証明書やクレジットカード・IDカード等の印画物の作成に対して好ましく用いられている。
先行技術として、特開平11−263079号公報に、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部が前記基材フィルムから剥がれる剥離力が、10〜150gf/inchであること、また前記転写部が、3μm以上の厚さであることが開示されている。上記の剥離力を、10〜150gf/inchとするので、多層によって構成された転写部であっても剥離力が小さすぎる時に起こる尾引きやバリが発生せず、また、剥離力が大きい時に起こる紙むけや欠けが発生しないものである。しかし、この公報では転写部が転写される被転写体への損傷や、情報記録部分の読取適性への影響を防止させることについて、何ら開示がされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような中間転写記録媒体を用いて被転写体に受容層を転写する際、被転写体に磁気テープ、バーコード等の機械読取りを行なう情報記録部分が形成されている場合、その情報記録部分を含めて被転写体の全面に受容層が転写され、情報記録部分は受容層に覆われて、機械読み取りで誤読されたり、全く読み取れなかったり、不具合が生じていた。
【0008】
したがって、本発明は、上記のような問題点を解決し、機械読取りを行なう情報記録部分を有する被転写体上に、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体を用いて、情報記録部分を含めて被転写体の全面に転写部を転写し、情報記録部分の読取適性に影響しない中間転写記録媒体及びそれを用いて得られる印画物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体において、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度が、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchであり、かつ転写部の膜厚が3μm以下であることを特徴とする。
また、本発明では、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度が、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchであり、かつ転写部の膜厚が3μm以下である中間転写記録媒体の受容層に熱転写画像を形成し、画像の形成された転写部を被転写体へ転写して得られる印画物において、該被転写体には予め情報記録部分を形成してあり、該情報記録部分の上に転写部が転写されたことを特徴とする。
【0010】
本発明の印画物は、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度を、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchの範囲にし、かつ転写部の膜厚を3μm以下とすることで、予め情報記録部分を形成してある被転写体に、その情報記録部分を覆うように転写部を転写しても、その転写部の膜厚を薄く抑え、転写部が基材フィルムから剥離する際の抵抗力(剥離強度)を低めにして、情報記録部分の読取適性が低下しない印画物が得られた。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の中間転写記録媒体である一つの実施形態を示す概略断面図であり、中間転写記録媒体1は、基材フィルム2上に剥離層3、受容層4を順次積層し、つまり剥離層3と受容層4からなる2層の転写部5が基材フィルム2上に剥離可能に設けられたものである。
また、図2は、本発明の中間転写記録媒体である他の実施形態を示す概略断面図であり、中間転写記録媒体1は、基材フィルム2上に剥離層3、中間層6、受容層4を順次積層し、つまり剥離層3、中間層6、受容層4からなる3層の転写部5が基材フィルム2上に剥離可能に設けられたものである。
【0012】
以下に中間転写記録媒体を構成する各要素について、説明する。
(基材フィルム)
中間転写記録媒体を構成する基材フィルム2は、従来の中間転写記録媒体に使用されているものと同じ基材フィルムをそのまま用いることができ、特に限定するものではない。好ましい基材フィルムの具体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙またはパラフィン紙等の薄紙、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。
【0013】
また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。基材フィルムの厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になるように、材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
本発明の中間転写記録媒体では、必要に応じて、基材フィルムの裏面、すなわち受容層の設けてある面と反対面に、画像形成された転写部を被転写体へ再転写する手段としてのサーマルヘッドやヒートロール等の熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止するため、従来から知られる背面層を設けてもよい。
【0014】
(剥離層)
本発明の中間転写記録媒体は、基材フィルム上に剥離層3を介して、受容層を形成する。この剥離層を有していることにより、その中間転写記録媒体から受容層を主体とした転写部(2層以上からなる転写層)を確実に、かつ容易に被転写体へ再転写させることができる。
剥離層は、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等のワックス類や、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、硝化綿等の熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。
【0015】
また、剥離層はバインダー樹脂と離型性材料とから形成できる。そのバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂であるポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、あるいは熱硬化型樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂等が使用できる。また、離型性材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂、タルクやシリカの微粉末、界面活性剤や金属セッケン等の潤滑等が使用できる。
【0016】
剥離層は転写部の構成要素として、基材フィルム上に直接設けるものであり、基材フィルムと転写部との間の剥離強度を決定させる大きな要素である。したがって、本発明では、転写部と基材フィルムとの剥離強度が、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で測定して、5〜25gf/inchの範囲とするために、剥離層には、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂等の離型性材料を、適切な種類選定と配合量の条件で添加して、基材フィルムとの剥離性を高める必要がある。
剥離層は、上記の必要な材料を適当な溶剤により、溶解または分散させて剥離層用塗工液を調製し、これを基材フィルム上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。その乾燥後の厚さは0.05〜1μm程度である。
【0017】
(受容層)
受容層4は、中間転写記録媒体を構成する転写部の一部として、表面に位置するように設けられる。この受容層上には、熱転写によって、色材層を有する熱転写シートから熱転写法によって画像が形成される。そして、画像が形成された中間転写記録媒体の転写部は、被転写体に転写され、その結果、印画物が形成される。
このため、受容層を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネイト等が挙げられ、特に、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
【0018】
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの接着性を有する樹脂材料を用いて、受容層を形成することが好ましい。
受容層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法、またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、乾燥状態で0.5〜2μm程度である。
【0019】
(中間層)
本発明の中間転写記録媒体の基材フィルムから転写可能である、受容層を少なくとも有した2層以上から構成される転写部の一つの層として、中間層6を剥離層と受容層との間に形成することができる。この中間層に様々な役割をもたせることで、中間転写記録媒体の転写部に優れた機能を付加させることができる。例えば、紫外線吸収剤を含有させて画像の耐光性を向上させたり、蛍光体を含有させて偽造防止性を高めたり、また剥離層と受容層との接着性を向上させたりすることができる。
上記の紫外線吸収剤としては、従来公知のベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物等の有機系の紫外線吸収剤が使用可能であり、また亜鉛、チタン、セリウム、スズ、鉄等の酸化物の如き無機系の紫外線吸収能を有する微粒子の無機系紫外線吸収剤を中間層中に含有させることができる。
【0020】
上記の蛍光体としては、紫外線照射により蛍光を発光する物質であって、無機蛍光体と有機蛍光体に大別することができる。また、可視光をほとんどあるいは全く吸収しない無色の蛍光体と、可視領域にある程度の吸収帯を持つ有色の蛍光体とに大別できる。本発明においては、可視光をほとんどあるいは全く吸収しない無色の蛍光体を用いることが好ましい。
無色の無機蛍光体としては、Ca、Ba、Mg、Zn、Cdなどの酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩などの結晶を主成分とし、Mg、Ag、Cu、Sb、Pbなどの金属元素もしくはランタノイド類などの希土類元素を活性剤として添加して焼成して得られる顔料を用いることができる。
また、有機蛍光体としては、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロン等の誘導体、フルオレセイン、エオシン等の色素、アントラセン等のベンゼン環を持つ化合物などを用いることができる。
【0021】
中間層を構成する樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン系樹脂、ブタジエンラバー、エポキシ樹脂等が挙げられる。中間層の厚さは、乾燥状態で0.5〜1μm程度である。尚、中間層の形成方法は上記受容層と同様でよい。
上記に説明した剥離層、中間層、受容層等から構成される基材フィルムから剥離して転写される2層以上から成る転写部の総合厚みは、3μm以下であり、したがって転写部の各層は3μmより薄い条件となる。
【0022】
(被転写体)
次に、被転写体について説明する。被転写体上には、上述した中間転写記録媒体の熱転写画像の形成された転写部が転写される。本発明では、被転写体には予め情報記録部分を形成してあり、該情報記録部分の上に転写部が転写され、印画物が得られる。
本発明で使用される被転写体は、磁気的に読取りや書込みの可能な磁気記録層や光学的に読取りや書き込み可能な記録層からなる情報記録部分を予め形成しておくことが好ましい。この情報記録部分には、用途に対応して、例えばID情報、保持者情報、金銭に関する情報等が書込まれている。
上記のような情報記録部分は、可視情報として記録することが可能であるが、秘密保持や偽造防止等のために、非可視情報として記録することがよく行なわれる。
また、例えば、情報記録部分の磁気記録層を有する磁気ストライプを設けた被転写体は、磁気ストライプが被転写体の表面に現われているものや、被転写体に磁気ストライプを形成し、さらにその磁気ストライプを隠蔽する層を設けて、被転写体の表面には磁気ストライプが見えないようにした被転写体を用いることができる。この磁気ストライプ、つまり情報記録される部分の全体を隠蔽して見えないようにすることが、よく行なわれている。
【0023】
被転写体は、上記のような情報記録部分を被転写体の少なくとも一部に有し、以下のような基材から構成することができる。例えば天燃パルプ紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等いずれのものでもよい。
天然パルプ紙は特に限定されず、例えば、上質紙、アート紙、軽量コート紙、微塗工紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、熱転写用紙等が挙げられる。
【0024】
被転写体の形状・用途についても、株券、証券、証書、通帳類、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場券、チケット等の金券類、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、メンバーズカード、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、ICカード、光カードなどのカード類、カートン、容器等のケース類、バッグ類、帳票類、封筒、タグ、OHPシート、スライドフィルム、しおり、カレンダー、ポスター、パンフレット、メニュー、パスポート、POP用品、コースター、ディスプレイ、ネームプレート、キーボード、化粧品、腕時計、ライター等の装身具、文房具、レポート用紙など文具類、建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、ラジオ、テレビ、電卓、OA機器等の装置類、各種見本帳、アルバム、また、コンピュータグラフィックスの出力、医療画像出力等、種類を問うものではない。
【0025】
以上に説明した中間転写記録媒体と被転写体を用いて、中間転写記録媒体の受容層に熱転写画像を形成し、その画像の形成された転写部を被転写体へ転写して印画物を形成する。その際に、該被転写体には予め情報記録部分を形成していることが好ましく、該情報記録部分の上に転写部が転写される。
中間転写記録媒体からの転写部は、被転写体の情報記録部分を含め、被転写体の転写面の全面に転写されることが好ましい。これにより、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度を、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchの範囲にし、かつ転写部の膜厚を3μm以下とすることで、予め情報記録部分を形成してある被転写体に、その情報記録部分を覆うように転写部を転写しても、その転写部の膜厚を薄く抑え、転写部が基材フィルムから剥離する際の抵抗力(剥離強度)を低めにして、情報記録部分の読取適性が低下せず、また被転写体の転写面に対して損傷を与えることを防止することができる。
【0026】
上記の剥離強度が5gf/inch未満であると、転写部が保管や移動中等で剥がれやすくなる。また剥離強度が25gf/inchより大きくなると、転写部が転写された被転写体の表面が荒れて、情報記録部分の読取適性が低下してくる。
また、上記の転写部の膜厚は3μm以下であり、上限の膜厚が3μmであり、3μmを越えると、被転写体の情報記録部分の読取適性に影響してくる。一方で、転写部の膜厚の下限は実用上、少なくとも剥離層、受容層の2層から転写部が構成されることから、1μm程度である。
基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体の受容層の任意個所に、熱転写シートから染料層や熱溶融性インキ層をサーマルヘッド等の加熱手段により転写して画像形成する。次に被転写体上に、その中間転写記録媒体の画像形成された転写部をヒートロール等の加熱手段により再転写する。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
先ず、厚さ12μmで透明なポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとして用い、その表面に以下に示す剥離層用塗工液を、グラビアコーターで塗布、乾燥して、基材フィルムの全面上に乾燥時で厚さ0.8μmの剥離層を形成した。(剥離層用塗工液)
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、BR−83) 88部
ポリエステル樹脂 1部
ポリエチレンワックス 11部
メチルエチルケトン 50部
トルエン 50部
【0028】
次いで、上記の剥離層上に、以下に示す受容層用塗工液により、グラビアコーターで塗布、乾燥し、乾燥時で厚さ1.5μmの受容層を形成し、実施例1の中間転写記録媒体を用意した。尚、実施例1で作製した中間転写記録媒体は、その転写部の膜厚は2.3μmであった。
(受容層用塗工液)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 40部
アクリルシリコーン 1.5部
メチルエチルケトン 50部
トルエン 50部
【0029】
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートを基材フィルム上に、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層と、熱溶融転写性を有し、色相が黒色の溶融層を面順次に繰り返し形成した、市販の熱転写シートを用意した。尚、この基材フィルムの裏面には背面層が予め形成してある。
【0030】
上記の得られた実施例1の中間転写記録媒体の受容層上に、上記に用意した熱転写シートを用い、熱転写法により、すなわち市販のサーマルヘッドを搭載した熱転写プリンターを用いて、昇華転写の写真調の画像と、溶融転写の文字画像の熱転写画像を、規定した位置に形成した。
その後に、厚み600μmの白色のPET−Gシート(三菱樹脂(株)製:PET−G、ディアフィクスPG−W)において、そのシートの片面にID情報(個人識別情報)が記録された磁気記録層を有する磁気ストライプを有する被転写体に、上記の画像形成された転写部を図3に示すような配置で、ヒートロールを常設した市販のラミネーターを用いて、被転写体のその情報記録部分を有する面の全面に再転写して、印画物を得た。
【0031】
上記実施例1で得られた印画物は、磁気記録による情報記録部分の読取適性は良好であり、つまり転写部が転写される前と後で、情報記録部分の読取り機(リーダーチェッカー)の読取適性に変化がなく、また被転写体の転写面に外観上の損傷もなかった。また、上記実施例1で作製した中間転写記録媒体において、その転写部と基材フィルムとの剥離強度を、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で測定したところ、15gf/inchであった。
尚、上記のID情報(個人識別情報)が記録された磁気記録層を有する磁気ストライプを有する被転写体に、画像形成された転写部を再転写した印画物は、図3に示すように、磁気ストライプが被転写体の表面に現われているが、被転写体に磁気ストライプを形成し、さらにその磁気ストライプを隠蔽する層を設けて、被転写体の表面には磁気ストライプが見えないようにした被転写体を用いても、上記と同様に、磁気記録による情報記録部分の読取適性は良好であり、また被転写体の転写面に外観上の損傷もなかった。
【0032】
(比較例1)
実施例1で使用した同様の基材フィルムを用い、実施例1で使用した剥離層用塗工液で、グラビアコーターで塗布、乾燥して、基材フィルムの全面上に乾燥時で厚さ2.0μmの剥離層を形成した。次いで、上記の剥離層上に、実施例1で使用した受容層用塗工液により、グラビアコーターで塗布、乾燥し、乾燥時で厚さ3.0μmの受容層を形成し、比較例1の中間転写記録媒体を用意した。尚、比較例1で作製した中間転写記録媒体は、その転写部の膜厚は5.0μmであった。
【0033】
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートを基材フィルム上に、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層と、熱溶融転写性を有し、色相が黒色の溶融層を面順次に繰り返し形成した、市販の熱転写シートを用意した。尚、この基材フィルムの裏面には背面層が予め形成してある。
【0034】
上記の得られた比較例1の中間転写記録媒体の受容層上に、実施例1で使用したと同様の熱転写シートを用い、また実施例1と同様に、昇華転写の写真調の画像と、溶融転写の文字画像の熱転写画像を、規定した位置に形成した。
その後に、実施例1で使用した同様の個人識別情報が記録された磁気記録層を有する磁気ストライプを有する被転写体に、上記の画像形成された転写部を図3に示すような配置で、ヒートロールを常設した市販のラミネーターを用いて、被転写体のその情報記録部分を有する面の全面に再転写して、印画物を得た。
【0035】
上記比較例1で得られた印画物は、転写部が転写される前は、情報記録部分の読取適性が良好であったが、転写部が転写された後で、情報記録部分の読取り機(リーダーチェッカー)で読み取れなかった。尚、比較例1で作製した中間転写記録媒体において、その転写部と基材フィルムとの剥離強度を、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で測定したところ、15gf/inchであった。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の印画物は、基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度を、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchの範囲にし、かつ転写部の膜厚を3μm以下とする中間転写記録媒体を用いることで、予め情報記録部分を形成してある被転写体に、その情報記録部分を覆うように転写部を転写しても、その転写部の膜厚を薄く抑え、転写部が基材フィルムから剥離する際の抵抗力(剥離強度)を低めにして、情報記録部分の読取適性が低下しない印画物が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間転写記録媒体である一つの実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の中間転写記録媒体である他の実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明の印画物である一例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 中間転写記録媒体
2 基材フィルム
3 剥離層
4 受容層
5 転写部
6 中間層
7 印画物
8 磁気ストライプ(情報記録部分)
9 写真調画像
10 文字画像
Claims (2)
- 基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体において、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度が、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchであり、かつ転写部の膜厚が3μm以下であることを特徴とする中間転写記録媒体。
- 基材フィルム上に、受容層を少なくとも有した2層以上の転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体で、前記転写部と基材フィルムとの剥離強度が、JIS Z0237準拠の180°引き剥がし法で、5〜25gf/inchであり、かつ転写部の膜厚が3μm以下である中間転写記録媒体の受容層に熱転写画像を形成し、画像の形成された転写部を被転写体へ転写して得られる印画物において、該被転写体には予め情報記録部分を形成してあり、該情報記録部分の上に転写部が転写されたことを特徴とする印画物。
Priority Applications (2)
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---|---|---|---|
JP2002203248A JP2004042458A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 中間転写記録媒体及び印画物 |
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Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
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JP2009023341A (ja) * | 2007-06-21 | 2009-02-05 | Dainippon Printing Co Ltd | 中間転写記録媒体 |
JP7413859B2 (ja) | 2020-03-16 | 2024-01-16 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
-
2002
- 2002-07-11 JP JP2002203248A patent/JP2004042458A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009023341A (ja) * | 2007-06-21 | 2009-02-05 | Dainippon Printing Co Ltd | 中間転写記録媒体 |
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