JP5801610B2 - 交通流計測システム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、対象となる車両が通行する検出領域に対して、その上方位置から検出領域内の計測対象位置に向けてレーザビームを照射し、車両の進行方向と直交方向に対して、一定角度だけ傾けた走査方向に走査することにより、受信される反射信号の遅延時間に基づいて、検出対象までの距離と車両の進行方向の検出距離情報を分離し、その車両の進行方向に沿った成分から外形形状を認識し、走査方向に対する走査毎に得られる距離検出情報から検出対象物の特徴点の移動を検出して、そのときの車両の時速を計測する技術が開示されている。
路面より垂直方向に複数のレイヤを形成する複数のレーザビームを照射し、対象物から、距離データとエコーデータを含む測距データを取得する、複数のレイヤに対応した複数の測距部と、
該各測距部に対応して、該測距部で取得された測距データから車両の位置を検知する検知部と、
該測距部により取得された、距離データ及びエコーデータを含む測距データをレイヤ対応に記憶する測距データDBと、
該各測距部により取得された、レイヤ対応の該距離データと該エコーデータを統合処理して共通の三次元のデータに変換し、かつ共通する距離データから車両の速度を演算するデータ処理部と、
該データ処理部によって統合処理された距離データと、演算された速度データと、三次元座標データを記憶するポイントデータDBと、
該検知部で検知された車両に関するデータを表示する表示部を有し、
該データ処理部は、該ポイントデータDBに記憶された三次元座標データを用いて、同一車両かを判断し、同一車両と判断した場合には該車両に同一のIDを付与し、
該ポイントデータDBは、該同一のIDに対応付けて、同一と判断された該車両の速度データ、該距離データを記憶し、該表示部は、該データ処理部で同一車両と判断された車両の速度データを表示することを特徴とする交通流計測システムとして構成される。
図1は、一実施例における車両の時速計測をする交通流計測システム構成を示す。
この交通流計測システムは、路面から垂直方向に、レーザビームが複数レイヤ(この例では4つの照射面)を形成するように、4本のレーザビームを照射するレーザセンサ1を有する。レーザセンサ1は、4本のレイヤから照射するレーザビームにより距離データを含む測距データを得る測距部101〜104(総じて10と示す)と、各レイヤの測距部10に対応して、走行車線上の車両などの物体を検出する検知部111〜114(総じて11と示す)を有する。
車両の時速計測に関しては、車両の形状を連続する点の集まりの座標値であるポイントデータとして認識して、測距する車両の大きさやその移動方向に一定の条件を設けることで、レーザセンサから車両までの距離を求めることができる。この距離データから車両の時速を演算することが可能となる。
特に、車両の前面の両端、若しくは片端部分の位置データを経時的に監視することで、車両の走行車線を的確に把握することができると共に、車両が走行車線を移動した場合でも、両端又は片端部分の位置データに基づいて、車両までの距離を求めることが可能であり、車両の時速を正確に計測することが可能となる。
本実施例において、レーザセンサによるエコーデータ1〜3は、経時的な計測において毎回取得できるとは限らず、経時的に測距する中で対象物体が存在した以降、それを検知した場合のみエコーデータが取得され、かつ測距における変化を取得することができる。
データ処理部2は、更に、測距データDB701に蓄積されたレイヤ4〜1ごとの距離データ及びエコーデータを用いて、対象の車両の速度を演算して、レイヤ、エコーからの測距データ統合による車両のポイントデータと、車両の速度と、座標変換データをポイントデータDB702(図9)に記憶する。更に、ポイントデータDB702に記憶された車両の時速データを読み出して、車両ごとに表示部6に表示する。
2車線ある走行車線201を走行する車両203への測距において、レーザセンサ1の複数レイヤから車両203までの距離が、例えばレーザセンサの測距可能な距離40m以下になると、レーザセンサ1の複数のレイヤ4〜1内、車両203の位置を測距できるレイヤが生じることから、この地点から経時的に車両の距離データを取得しながら時速を計測することができる。また、走行車線201のレーザセンサ1の近傍に設置されたカメラ8により、走行状況の画像取得をする測定ポイント202に到達時点で取得することができる。レーザセンサ1で取得された測距データは測距データDB701に格納され、画像データは画像データDB703に格納される。
次に、データ処理部2による車両の時速の演算方法について説明をする。
例えば、測距における計測周波数12Hzとし、レーザセンサから当該車両の距離を移動車両の位置データから計測する。この場合、計測値が移動前:33.1m、移動後:36.1mとすると、その差分の距離から移動距離を求めると、
移動距離=移動後の計測値−移動前の計測値 ・・・(1)
=36.1m−33.1m=3.0m
となる。
(1)式の移動距離から計測周波数(12Hz)における速度を求めると、
速度=距離×周波数(÷時間) ・・・(2)
=3.0m×12Hz≒36.0m/s
となる。
これを時速に換算すると、
時速=36.0m/s×3600s≒130km/h ・・・(3)
となり、(3)から、時速130km/hであることが分かる。
計測周波数の間隔にて測距値が得られることで、車両の時速計測が可能となるが、計測周波数の間隔毎にて測距データが得られない場合においても、数ピッチ間隔後に測距データが得られれば、数ピッチ後に測距されるまでの平均値として、車両の時速の計測が可能となる。
例えば、ある任意の2点間の測距データが移動前:33.1mと移動後:41.5m、周波数(時間)12Hzの計測で移動前〜移動後で1ピッチ〜4ピッチ目とすると、(1)式より移動した移動距離を求めると、
移動距離=41.5m−33.1m=8.4m ・・・(4)
計測ピッチ間隔=4ピッチ目−1ピッチ=3ピッチ
となる。
この2点間の計測周波数の計測ピッチ間隔では、(4)の移動距離からピッチ間の平均移動距離を求めると、
平均移動距離=8.4m÷3ピッチ≒2.8m
となり、(2)式からピッチ間の平均速度を求めると、
平均速度=2.8m×12Hz≒33.6m/s
となる。これを平均時速に換算すると、
平均時速=33.6m/s×3600s≒121km/h ・・・(5)
となり、(5)から移動前後の区間を平均時速121km/hで走行したことが計測される。また、移動距離から物体の速度を時速換算して計測時間を以て平均時速121km/hが求められる。このように、車両までの任意の2点間の距離データを用いて、車両の時速を演算することができる。
ここで、本実施例による車両の時速計測における精度について確認をする。例えば、レーザセンサの測距による距離の誤差が±10cmの場合、移動距離と時速の誤差を求める。
上述の(3)の演算結果から、移動距離は前述の(1)式、測距データの距離の誤差について(2),(3)を用いて演算すると、
(a)時速130km/hでは、移動距離3.0mであり、
距離の誤差−10cmでは、移動距離2.9m、時速126km/hとなり、
距離の誤差+10cmでは、移動距離3.1m、時速134km/hとなる。
そして、
(b)時速100km/hでは、同移動距離2.3mであり、
同誤差−10cmでは、同距離2.2m、時速96km/hとなり、
同誤差+10cmでは、同距離2.4m、時速104km/hとなる。
更に、(c)時速60km/hでは、同移動距離1.39mであり、
同誤差−10cmでは、同距離1.29m、時速56km/hとなり、
同誤差+10cmでは、同距離1.49m、時速64km/hとなる。
各速度帯の演算による時速は、(a)126〜134、(b)96〜104、(c)56〜64km/hであることから、レーザセンサの測距による誤差から演算される時速計測は、±4km/hの誤差範囲の精度であることが分かる。
[計測例1]
交通流データとは、単位時間当たりに計測領域を通過する車両の台数をいう。本実施例では任意に設けた計測領域の走行車線についてレーザビームを照射して、交通流を計測し、1時間当たりの通過車両の台数や、一定速度以上での通過車両の台数について測定する。交通流の測定は、測定位置xを固定して実施する。ここで、1時間当たりの通過車両の台数の測定について説明をする。
入力部4により測定時間が指定される。データ処理部2は、ポイントデータDB702を検索して、指定された時間間隔に関して該当する固有IDの車両のデータを全て得て、固有IDが付与された車両の数を合計して車両台数を求める。そして、求めた車両台数を表示部6に表示すると共に、指定時間ごとに求めた演算結果(通過台数、単位時間当たりの台数、及び車両の時速)94を交通流データDB704に記憶する。
図11に交通流データDB704の例を示す。例えば、測定の時刻#A+Bまでを対象にした測定で、通過した車両台数が得られた場合の1時間当たりの通過車両の台数は、測定時刻A、時刻Bでの通過した車両台数の総和÷2から演算され、(261+243)÷2=252台として求められる。
ここでは、一定速度以上での通過車両の台数の測定について説明する。
車両速度は、任意の2点間における距離データに基づいて演算されるため、測定の基準位置手前に測定開始ポイント(図示しない)を設けておき、基準位置にて当該車両が走行する車線において車両速度を演算する。
データ処理としては、前述の1時間当たりの通過車両の台数の測定の処理に加えて、入力部4により測定する速度範囲として時速を設定しておく。データ処理部2は、ポイントデータDB702の判定結果にて、固有IDが付与された車両の時速を演算し、設定の速度範囲にある車両の台数を計数して、その結果を表示部6に表示する共に、演算結果94を記憶部7の交通流データDB704に記憶する。
例えば、一般道における車両の時速計測の場合、レーザセンサから対向位置に反射物を設置できる場合は、走行車線が決められた高速道路と同様、予め背景データの取得が可能となる。制約条件がある場合は、車線を示す白線や黄色線の位置を予めレーザセンサにて測距して、これを車両の時速計測する計測領域の目安値とする方法がある。
(A)は、計測対象の車線を走行する車両を遠方向から捉えたイメージである。これは、車両の測距対象領域である走行車線の背景データとして予め取得することで、走行車線を通過した車両を的確に捉えることができる。
(B)は、走行車線を走行する車両についてレーザセンサの複数レイヤにおけるレーザビーム照射のイメージである。走行車線301を走行する車両を経時的に測距する場合、複数レイヤの照射位置は、レーザセンサから車両までの距離により位置が経時的に変化する。例えば、レイヤ2にて車両の車両端を捉える水平位置にレーザビームを照射することを想定する。
(C)は、車両の片端を捉えて測距する場合の複数レイヤによるレーザビーム照射のイメージである。走行する車両を経時的に測距する場合、車両が走行車線301を左右に移動することを想定した位置情報の取得ポイントを示す。
車両端の測距データを経時的に監視することで、走行車線301を的確に把握できると共に、車両が走行車線301を移動したことを検知した場合でも、車両端の測距データに基づいて、車両の動きに追従してその車両の時速を演算することが可能である。
この例は、走行する車両の時速計測に際して、路面よりレイヤ4〜1を割り付け、4本のレイヤを有するレーザセンサを用いて、レイヤの位置が変化する様子を示す。図中の各レイヤ上の四角X4〜X1は、各レイヤが高さ方向において検知する車両への位置幅を示したもので、車両を測距するためにレーザビームを照射する位置や角度によって幅は異なってくる。
図中(A)〜(C)は、4本のレイヤを有するレーザセンサに向かって車両が接近する場合の測距されるレイヤ位置が経時的に変化する様子を示す。
(A)は、車両を検知した最初の状態を示す。レーザセンサ1、カメラ8に対して、車両203は、レーザセンサ1の計測可能範囲として40mを想定した遠方にあり、路面に近いレイヤ1は車両の位置を捉え、レイヤ4は車両の上空を捉えている。そして、経時的な測距によってレイヤ3は車両全面からボンネットの位置を、レイヤ2は車両端を捉えている。
(B)は、車両が前進した状態を示す。レイヤ4は車両全面からボンネットの位置を捉え、レイヤ3は車両全面を捉えている。また、レイヤ2は車両端を捉え、レイヤ1は車両下部を捉えている。この時点まで、レイヤ2によって車両の両端、若しくは片端の位置が測距されており、車両の幅についてのデータを採取することができる。
(C)は、更に車両が前進した状態を示す。レイヤ4,3は車両全面からボンネットの位置を捉え、レイヤ2,1は車両端を捉えている。この時点で、レーザセンサ1の近傍に設けられるカメラ8により、走行状況の画像取得をする測定ポイント202に到達時点で画像が取得できる。
このように、車両が当初の走行車線から隣の走行車線へ移動しても、レイヤ2が車両端を捉えていることで車両の移動後の位置を把握することができる。そのため、対象とする車両を正しく認識して、その車両の時速を計測することが可能となる。
先ず、路面から高さ方向にレイヤ4〜1を有するレーザセンサ1を対象とする計測場所(車線が見渡せる場所)に設置し、初期設定として、計測領域(即ち距離計測範囲)の設定、測距条件や計測方法などの設定を行う(S501)。この設定は、管理者が入力部4から必要なデータ及び指示を入力すると、設定制御部3がレーザセンサ1の測距部10および検知部11の条件を設定することで行われる。
各検知部11は、取得した測距データから計測領域内に車両が検知されたかを判断する(S503)。判断の結果、車両が未検知の場合はS502へ遷移して測距データの取得を継続する。一方、車両を検知した場合は、S504へ遷移する。ここで、検知部11による車両検知は、図3乃至図4を参照して説明したように、計測領域の車線を走行する車両に向け照射された複数のレイヤとエコーから取得される測距データに基づいて車両を車両端にて捉える。この時、レーザビームの照射について対象の車両までの距離に応じた垂直位置(高さ)に設置(例えば、乗用車の車両端を捉える場合は、垂直位置を1mの高さに設置)することで、物体を認識するために予め対象物体の大きさを示す物体情報DB(図示しない)の登録を不要とし、車両を検知する。
ここで、統合処理とは、複数レイヤの測距部10及び検知部11を通して取得された各レイヤの距離データ及びエコーデータに対して適用して、全ての三次元座標データ及び角度分解能から同じと判断されたものを同一のポイントデータとする処理である。例えば、図10の距離データ101(35.42m)とエコーデータ102(38.54m)を統合処理して、三次元座標(xyz)データの近い距離を角度分解能#001を同一のポイントデータとする。
ここで、車両の走行軌跡は、車両ID:001の(xyz)座標、及び距離データを繋げる作用により判定結果から、速度の軌跡を繋ぐことができる。この時、経時的に演算される車両の時速は、ポイントデータDB702に記憶されているので、入力部4からの指定条件に従い、ポイントデータDB702を読み出して時速の表示が可能である。
(a)角度/分解能#:−49.5°/001、距離データ:35.42m、時速134.78k/m、レーザセンサからの物体における(xyz)縦横高における位置座標:縦:35.42m,横:36.31m,高さ1.0mと、
(b)角度/分解能#:−48.4°/001、エコーデータ:時速138.67k/m、(xyz)座標:縦:38.54m,横:39.50m,高さ1.0mと、
(c)角度/分解能#:−47.1°/001、エコーデータ:時速139.1k/m、(xyz)座標:縦:32.11m,横:32.91m,高さ1.0mについて(xyz)座標、及び距離データを監視して、同一物体の移動であるとして軌跡を繋げる作用により、判定結果で車両ID:001の同一車両を認識する。
上記実施例では、検知部11が、測距データに基づいて車両を検知する度にカメラ8でその車両を含む画像データを取得するように制御されるが、他の実施例によれば、距離データ92から演算された車両の時速が一定値を超えたと、データ処理部2が判定した場合に、カメラ8を制御して当該車両を含む画像データを取得して、画像データDB703に格納することが可能である。この場合、画像データDB703に格納される当該車両の画像データには、ポイントデータDB702に記憶するときに、当該車両に付与された車両IDと関連付けられた(例えば同一の)IDが付与されて、記憶される。これにより、その後、当該IDをキーにして、ポイントデータDB702及び画像データDB703を検索して、速度超過した対象の車両を読み出して、車両IDに対応した車両の速度と車両を含む画像データを表示部6に表示することが可能となる。
計測開始からの時間経過にて、計測中に走行車線2から走行車線1に車線変更をした車両Cが有る場合と、走行車線2から外れた車両Dが有る場合、計測対象を走行車線1,2とすると、車両A,Bと、先に計測開始時点で把握された車両Cの時速も演算され、レーザセンサから一定距離地点を計測ポイントと定義すれば、ここに至った時点での車両A,B,Cの時速計測の結果が出力され、車両Dを除外する。このようにして、車線上の車両の計測結果を良好に求めることができる。
2:データ処理部 3:設定制御部 4:入力部 5:画像取得部 6:表示部
7:記憶部 8:カメラ
92:測距データ 93:表示データ 94:演算結果 95:画像データ
701:測距データDB 702:ポイントデータDB 703:画像データDB
704:交通流データDB
Claims (3)
- レーザビームを走行車線を走行中の車両に向け照射して前記車両までの距離と前記車両までの空間において反射してきたエコーを電圧の変化として捉えて、これを経時的に検知する検知部と、検知された前記距離を示す距離データと検知された前記エコーを示すエコーデータとを含む測距データを前記検知部から経時的に取得する測距部とを、複数のレイヤごとに備えたレーザセンサと、
前記レーザセンサにおいて複数のレイヤごとに経時的に取得された前記測距データに基づいて前記車両の走行速度を算出し、算出した前記車両の走行速度と前記レーザセンサが取得した前記測距データのそれぞれを重ね合わせて所定の計測領域座標に変換した座標データとを含むポイントデータを生成し、生成した前記ポイントデータのうち前記所定の計測領域座標における距離が近い前記変換した座標データを同じ車両についての前記ポイントデータであると判定し、同じであると判定した前記車両の走行速度を表示部に表示するデータ処理部と、
を備えることを特徴とする交通流計測システム。 - 前記走行中の車両の画像データを取得する画像取得部をさらに備え、
前記データ処理部は、前記車両の走行速度が所定の速度を超過しているか否かを判定し、前記車両の走行速度が所定の速度を超過していると判定した場合、前記画像取得部が取得した前記車両の画像データと前記車両の走行速度とを関連付けて前記表示部に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の交通流計測システム。 - 前記データ処理部は、所定の時間間隔における前記同じであると判定した前記車両の数を計数し、計数した前記車両の数を前記表示部に表示する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の交通流計測システム。
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