JP2002168617A - トンネル等の管状物計測装置及びシステム - Google Patents

トンネル等の管状物計測装置及びシステム

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JP2002168617A
JP2002168617A JP2000367018A JP2000367018A JP2002168617A JP 2002168617 A JP2002168617 A JP 2002168617A JP 2000367018 A JP2000367018 A JP 2000367018A JP 2000367018 A JP2000367018 A JP 2000367018A JP 2002168617 A JP2002168617 A JP 2002168617A
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Japan
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tubular object
light receiving
tunnel
measuring device
measuring
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JP2000367018A
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Akira Naruse
明 成勢
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Original Assignee
SHINEI DENSHI KEISOKKI KK
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  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】管状物の正常性の検査を、より適正に行えるよ
うにする。 【解決手段】計測車を走行させると共に、計測車上のロ
ータ110を回転させる。ロータ110上のレーザー発
振機111から出射されたレーザ光はトンネル400内
壁で反射し、ロータ110上の光学系112で光センサ
113上に集光されて、トンネル内壁までの距離の変位
Δrに対応する集光位置が光センサ113によって検出
される。したがって、トンネル400の内壁を螺旋上に
走査しながら、その距離の変位を測定することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道トンネルなど
の管状物の内壁の正常性を検査する技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より鉄道トンネルなどにおいては、
経年変化による内壁のひび割れ、クラックの発生状況を
監視等するために、その内壁の正常性を検査することが
行われている。
【0003】また、このような内壁の正常性の検査の技
術としては、トンネル内壁を撮影し、撮影した画像より
目視によりひび割れ、クラックの発生状況を確認した
り、画像の輝度情報よりひび割れ、クラックの発生を自
動検出する技術が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の内壁の
正常性の検査の技術によれば、トンネル内壁を撮影した
画像を介してひび割れ、クラックの発生状況を認識する
ものであるために、管状物の正常性の検査の適正さに関
して、次のような問題が生じていた。
【0005】すなわち、画像によってひび割れ、クラッ
クの発生状況を認識するものであるため、基本的には人
間によって直接トンネル内壁の目視検査を行う以上の精
度を得ることはできない。また、かえって、画像化して
しまうと、ひび割れ、クラックによって生じた影と、他
の構造物で生じた影や単なる汚れとの区別がつかなくな
るなど、ひび割れ、クラックの検出の精度が劣化してし
まう。
【0006】また、画像は、内壁面で反射した光の画像
を撮影するカメラに到達した強度の情報であり、直接、
深さ方向(トンネル内壁に対して垂直な方向)の情報を
持たないため、ひび割れやクラックの発生を確認できて
も、その深さ方向を含む大きさや形状を知ることができ
ない。そこで、本発明は、管状物の正常性の検査を、よ
り適正に行えるようにすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題達成のために、
本発明は、たとえば、台車と、前記台車を管状物内部に
おいて前記管状物軸方向に移動する移動手段と、前記台
車に搭載され、前記管状物軸方向の軸を回転軸として回
転して管状物内壁面を周方向に走査し、管状物内壁面ま
での距離または距離の変位を表す位置データを測定する
測定手段と、前記測定装置の管状物軸方向位置と回転角
とを検出する座標検出手段と前記測定装置が測定した位
置データを、当該位置データ測定時に検出された測定装
置の管状物軸方向位置と回転角とに対応づけて、3次元
の形状データとして記憶する記憶装置とを有することを
特徴とする管状物計測装置を提供する。
【0008】このような管状物計測装置によれば、画像
としてではなく、管状物内壁面までの距離またはその変
位を、前記測定装置の管状物軸方向位置と回転角とに対
応づけて、三次元的な形状データとして測定するので、
これより、より適正に内壁面形状についての検査を行う
ことができるようになる。また、測定手段を、前記管状
物軸方向の軸を回転軸として回転して管状物内壁面を周
方向に走査し、管状物内壁面での距離またはその変位を
表す位置データを測定するものとして構成することによ
り、より簡易な構成で、このような測定を高速に行うこ
とが可能となる。
【0009】より具体的には、測定手段は、たとえば、
前記管状物軸方向を回転軸として回転するロータと、前
記ロータ上に設置された、レーザー光を前記管状物の内
壁に出射するレーザ出射手段と、前記ロータ上に設置さ
れた、前記内壁で反射したレーザ光を受光する受光手段
と、前記受光手段の受光位置を検出する受光位置検出手
段とを備え、前記形状データとして、前記受光位置検出
手段の検出した受光位置、または、当該受光位置から求
まる前記レーザ出射手段から前記管状物内壁面までの距
離の変位を測定するものとすることができる。
【0010】また、さらに、前記トンネル内に管状物軸
方向間隔が既知の基準体を複数配置し、前記管状物計測
装置において前記基準体を検出し、前記基準体を検出し
た時点における前記座標検出手段が検出した管状物軸方
向位置と、前記既知の管状物軸方向間隔とに応じて、前
記座標検出手段が検出した測定装置の管状物軸方向位置
を校正するようにすれば、より精度良く、測定装置の管
状物軸方向位置を求めることができるようになる。
【0011】また、前記トンネル内に形状が既知の基準
体を配置し、前記受光位置検出手段が前記基準体に対し
て測定した受光位置と、前記基準体の形状とに応じて、
前記受光位置検出手段が検出した受光位置を、前記管状
物内壁面までの距離の変位量に変換するようにすれば、
受光位置を精度良く前記管状物内壁面までの距離の変位
量に変換し、利用することができるようになる。
【0012】また、前記管状物計測装置が測定した形状
データと、あらかじめ記憶しておいた基準形状データと
の差分を求め、差分を表す画像を表示するようにすれ
ば、基準形状データを正常時に前記管状物計測装置が測
定した形状データとしておくことにより、管状物の内壁
面の形状の変化、異常の発生を画像から直ちに把握する
ことができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、鉄道
トンネルへの適用を例にとり説明する。本実施形態に係
る計測システムは、鉄道トンネル内を走行し鉄道トンネ
ルの内壁変位の3次元データを収集する計測車と、計測
車が収集した3次元データを加工し鉄道トンネルの内壁
形状の正常/異常を判定するための出力を行うデータ処
理装置からなる。
【0014】まず、計測車と、その動作について説明す
る。図1に、本実施形態に係る計測車の構成を示す。図
中、aは計測車100を前方より見たようすを、bは計測
車100を側方より見たようすを模式的に表したもので
ある。
【0015】図示するように、計測車100は、トンネ
ル400内において、鉄道レール401上を自走する車
両である。計測車100は、車輪105や車輪105を
回転駆動するモータや運転装置その他の一般的に鉄道車
両が備える走行のための構成を有している。また、計測
車両は、2つの絶対距離計101、レーザ変位計10
2、走行距離計103、測定処理部104を有してい
る。
【0016】絶対距離計101は、たとえばレーザ距離
計などであり、トンネル側壁までの絶対距離を測定す
る。また、走行距離計103は、車輪105の回転をエ
ンコードし、これを計測車100の移動距離のデータと
して出力する。
【0017】次に、レーザ変位計102は、計測車10
0の走行に伴いトンネル400内壁を螺旋状に走査しト
ンネル400内壁の距離の変位を測定する。図2に、こ
のようなレーザ変位計102の構成を示す。図中、aは
計測車側方より見たレーザ変位計102の構成を、bは
計測車側方より見たレーザ変位計102の構成を模式的
に表したものである。
【0018】図示するようにレーザ変位計102は、ト
ンネル400の軸方向(計測車両の走行方向)を回転軸
として回転するローター110、ローター110を回転
するモータ114、モータ114の回転角をエンコード
する回転エンコーダ115、レーザ光を出射するレーザ
ー発振機111、光センサ113、トンネル400内壁
で反射したレーザ光を光センサ113上に集光する1ま
たは複数のレンズなどより構成され光学系112、光セ
ンサ113と光学系112を回転軸方向に移動する移動
機構116、スリップリング122を有している。ま
た、各々測定処理部104と、レーザ発振機111、移
動機構116、光センサ113、モータ114、回転エ
ンコーダ115とのデータ等の送受を仲介するインタフ
ェース117〜121を備えている。
【0019】ここで、レーザー発振機111、光センサ
113、光学系112、移動機構116、レーザー発振
機111と光センサ113と光学系112の各々のイン
タフェース117、インタフェース118、インタフェ
ース119は、ロータ110上に支持されており、ロー
タ110と共に回転する。また、スリップリング122
は、これらの回転するロータ110上の各部と外部の間
との信号、電力の中継を行うための部位である。
【0020】また、レーザー発振機111は、図中13
0として示したように、トンネル軸と垂直な方向(トン
ネル頂部走査時において左右方向、トンネル側部走査時
において上下方向)に細長い線上のパターンのレーザ光
を出射する。また、光センサ113は、CCDラインセン
サや、PSD(Position Sensitive Detector)などの、ト
ンネル400内壁で反射したレーザ光のパターンの長手
方向と略垂直な方向について、入射した光の位置を検出
可能なセンサである。なお、CCDラインセンサを使用す
る場合には、たとえば、測定処理部104において最も
高い輝度を検出したCCD素子の位置を入射した光の位置
として算出するようにする。
【0021】ここで、このような構成のレーザ変位計1
02において、トンネル400の内壁の変位を測定する
原理について説明する。図示するように、レーザー発振
機111から出射されたレーザ光はトンネル400内壁
で反射し、光学系112で光センサ113上に集光され
て、その集光位置が光センサ113によって検出され
る。
【0022】ここで、図中a、cに示すように光センサ1
13によって検出される位置dは、トンネル400内壁
までの距離によって変化し、光センサ113の検出位置
dの変化Δdは、トンネル内壁までの距離の変位Δrに
対応する。したがって、検出位置dの変位を測定すれ
ば、トンネル内壁までの距離の変位Δrを測定すること
ができることになる。
【0023】さて、本レーザ変位計102は、このよう
な光センサ113における検出を、計測車100を走行
させると共に、ロータ110を回転させながら行う。し
たがって、レーザ変位計102は、トンネル400内壁
を螺旋上に走査しながら、その距離の変位を測定してい
くことになる。
【0024】次に、図3に、測定処理部104の構成を
示す。図示するように、測定処理部104は、測定制御
部140、デジタルデータテープなどのリムーバルな記
憶媒体160に対応した外部記憶装置147、インタフ
ェース150を介して測定制御部140と接続する操作
部148、インタフェース151を介して測定制御部1
40と接続する表示部149を有している。また、外部
記憶装置147、前述したレーザ変位計102の各イン
タフェース117〜121も、測定制御部140と接続
している。また、前述した二つの絶対距離計101、走
行距離計103も各々インタフェース152〜154を
介して、測定制御部140に接続している。
【0025】次に、測定制御部140は、3次元変位測
定部141、基準ブロック検出部142、受光位置調整
部143、変位校正データ測定部144、距離校正デー
タ測定部145、以上の各部の動作を制御する主制御部
146を有している。ただし、このような測定処理部1
04は、実際には、プログラムを実行するCPUや、プロ
グラムの記憶やワークエリアとして使用されるメモリ
や、その他の各種周辺回路よりなるCPU回路によって構
成するようにしてよい。
【0026】以下、このような測定処理部104の制御
下で行われる、トンネル400内壁変位の3次元データ
を収集する動作について説明する。まず、あらかじめト
ンネル400内に、図4aに、その形状を示す基準ブロ
ック500を、間隔を開けて取り付けておく。
【0027】図示するように基準ブロック500は、段
差H(たとえば20mm)を設けた上段面501と下段面5
02を有する断面凸形状を有するブロックである。図4
b、cに示すように、トンネル400内の基準ブロック
500の取付向きは上段面501がトンネル400軸方
向を向く向きとし、トンネル400内の基準ブロック5
00の取付高さはトンネル400側面の上段面501が
絶対距離計101の測定高さとなる高さとし、トンネル
400内の基準ブロック500の取付間隔は所定の距離
L(たとえば、数十m)とする。また、図示するように、
距離L毎に2つの基準ブロック500を1組として、計
測車100からみて左右に配置する。また、トンネル4
00の入り口(トンネル400の測定を開始する端)
に、計測車100の進行方向上、最初の基準ブロック5
00の組を配置する。
【0028】次に、オペレータは、測定の開始に先だっ
て、まず、受光位置の調整を行う。すなわち、オペレー
タは、まず、操作部148から測定処理部104に受光
位置調整動作を指示し、計測車100をトンネル400
内に進める。そして、受光位置調整動作を指示された測
定処理部104の主制御部146は、モータ114の回
転を開始し以下の動作を行うよう各部を制御する。
【0029】すなわち、基準ブロック検出部142は、
回転エンコーダー115の示すロータ110の回転角
と、光センサー113の検出位置のデータ系列より、略
水平方向に、基準ブロック500の上段面501と下段
面502の形状に対応する変位の変化が生じたことを検
出したならば、基準ブロック検出イベントを発生する。
受光位置調整部143は、基準ブロック検出イベントが
生じた時点で絶対距離計101が検出した絶対距離を、
基準ブロック500の上段面501までの距離として入
手する。そして、入手した距離よりトンネル400の経
を推定し、この経に応じて移動機構116を駆動して、
光センサ113、光学系112をロータ110上で移動
し、その位置を、トンネル400の平均半径の距離に対
して、光センサ113が所定の受光位置(たとえば、中
央の位置)でレーザ光を検出するように調整する。
【0030】ただし、以上のような受光位置調整は、基
準ブロック500のたとえば上段面501に対して、光
センサ113が所定の受光位置(たとえば、基準ブロッ
ク500の上段面高さを考慮して求めた、トンネル40
0の平均半径の距離に対して中央で受光することになる
位置)でレーザ光を検出するように、光センサ113、
光学系112をロータ110上で移動し、その位置を調
整するようにしてもよい。
【0031】さて、このようにして、受光位置の調整を
完了したならば測定を開始する。すなわち、オペレータ
は、まず、操作部148から測定処理部104に測定開
始を指示し、計測車100をトンネル400内を進行さ
せる。そして、測定開始を指示された測定処理部104
の主制御部146は、モータ114の回転を開始し、以
下の動作を行うよう各部を制御する。
【0032】まず、3次元変位測定部141は、基準ブ
ロック検出部142が先程と同様にして最初の基準ブロ
ック検出イベントを発生すると走行距離計103を0に
リセットする。一方、変位校正データ測定部144は、
基準ブロック検出部142が先程と同様にして最初の基
準ブロック検出イベントを発生すると、光センサ113
が、基準ブロック500の段差Hに対して出力したdの
変位Δdを取得し、これを変位校正データTi(refΔd)
として、外部記憶装置147を介して記憶媒体160に
蓄積する。なお、Tiは、このトンネルについてのi回目
の測定についてのデータであることを表す。
【0033】また、その後、3次元変位測定部141
は、走行距離計103の測定距離yと、回転エンコーダ
ー115の示すロータ110の回転角θと、このy、θ
に対する光センサー113の検出位置dとよりなる、3
次元変位測定データTi(y, θ、d)を定期的またはθの
所定の大きさの変化毎に取得し、これを外部記憶装置1
47を介して記憶媒体160に蓄積していく。
【0034】一方、距離校正データ測定部145は、基
準ブロック検出部142が先程と同様に基準ブロック検
出イベントを発生する度に、その時点の走行距離計10
3の測定距離yより前回の基準ブロック検出イベントの
発生時よりの走行距離Δyを求め、校正データTi(refΔ
y)として、外部記憶装置147を介して記憶媒体16
0に蓄積していく。
【0035】そして、トンネル400の測定範囲を計測
車が走行したならば測定は完了となる。次に、このよう
にして記憶媒体160に蓄積されたTi(refΔd)、Ti
(y, θ、d)列、Ti(refΔy)列よりなる測定データ
は、データ処理装置に渡されで加工され、鉄道トンネル
の内壁形状の正常/異常を判定するための出力が行われ
る。
【0036】以下、このデータ処理装置の構成と、その
動作について説明する。図5にデータ処理装置の構成を
示す。図示するように、データ処理装置200は、記憶
媒体160を取り扱う外部記憶装置201、変位校正部
202、距離校正部203、マスク範囲算出部205、
基準データ蓄積部206、差分処理部207、、マスク
処理部208、画像生成部209、表示装置210を有
する。
【0037】ただし、データ処理装置200は、実際に
は、たとえば、CPUや、主記憶、キーボードやポイン
ティングデバイスなどの入力装置、表示装置などの出力
装置を備えた、一般的な構成を有する電子計算機を用い
て構成するようにして良い。以下、このようなデータ処
理装置200の動作について説明する。
【0038】まず、あるトンネル400についての第1
回目の測定T1についての測定データの処理する際の動作
について説明する。なお、この第1回目の測定T1は、ト
ンネル400内壁に異常が無い時点で行う。
【0039】この場合、まず、変位校正部202は、外
部記憶装置201を介して記憶媒体160より読み出し
たT1(refΔd)に応じて、T1(y, θ、d)列をT1
(y, θ、Δr)列に変換する。変換は、Δr=d×H(基準
ブロックの段差)/refΔdによって行う。または、Xを
Δr=0とするdの値(たとえば中央の受光位置の座
標)として、Δr=(d-X)×H(基準ブロックの段差)/
refΔdによって行う。これによって、基準ブロックの段
差Hをリファレンスとして利用した、光センサ113の
検出位置dの、実距離の変位Δrへの変換が行われること
になる。
【0040】次に、距離校正部203は、外部記憶装置
201を介して記憶媒体160より読み出したT1(ref
Δy)に応じて、T1(y, θ、Δr)列を、T1(Y,
θ、Δr)列に変換する。変換は、0から第1番目のref
Δy(1)までの間のyについては、y×L/(refΔy(1))
によって、第n番目(n >1)のrefΔy(n)から第n+1番
目のrefΔy(n+1)までの間のyについては、次式によって
行う。
【0041】
【数1】
【0042】これによって基準ブロックの配置間隔Lを
リファレンスとして利用した、走行距離計103の測定
距離の補正が行われることになる。
【0043】次に、マスク範囲算出部205は、T1
(Y, θ、Δr)列を解析して、マスク範囲を示すマス
ク範囲データmsk(Y-θ)を算出する。マスク範囲は、
Y, θ方向それぞれについて以下のように設定する。す
なわち、図6aに示すように、予め定めた閾値ThΔを超
えてΔrが変化したエッジ部と、その周辺の所定長さ/
角の範囲と、図6bに示すようにΔrが予め設定した閾
値Thより大きい部分と、その周辺の所定長さ/角の範囲
と含む範囲に設定する。
【0044】ここで、図6aのマスク範囲は、Y, θの
測定誤差によって、後述する差分処理部207の処理で
エッジ部端で大きな差分値dΔrが算出されてしまうこと
を排除するために設定し、図6bのマスク範囲はトンネ
ル400内の架線その他のトンネル内壁の検査と無関係
な構造物を測定の対象から除外するために設定する。
【0045】さて、第1回目の測定T1に対して、この
ようにして求められた、T1(Y, θ、Δr)と、msk
(Y-θ)は、基準データ蓄積部206に送られ記憶さ
れる。さて、第1回目の測定T1後、トンネル400内壁
の検査などのために、たとえば定期的に測定を行う。以
下、この第1回目の測定後に行われた測定Tiについて
の測定データの処理する際の動作について説明する。
【0046】この場合、まず、変位校正部202は、第
1回目の測定Tiの場合と同様に、外部記憶装置201を
介して記憶媒体160より読み出したTi(refΔd)に応
じて、Ti(y, θ、d)列をTi(y, θ、Δr)列に変換す
る。また、距離校正部203も、第1回目の測定Tiの場
合と同様に、外部記憶装置201を介して記憶媒体16
0より読み出したT1(refΔy)に応じて、Ti(y, θ、
Δr)列を、Ti(Y,θ、Δr)列に変換する。
【0047】そして、差分処理部207は、求められた
Ti(Y, θ、Δr)列と、基準データ蓄積部206から
読み出したT1(Y, θ、Δr)列の差分を取り、Ti
(Y, θ、dΔr)列を算出する。
【0048】次に、マスク処理部208は、Ti(Y,
θ、dΔr)のうち、基準データ蓄積部206から読み出
したマスク範囲データmsk(Y-θ)が示すマスク範囲の
dΔrを0に変更し、画像生成部209に送る。そして、
画像生成部209は、受け取ったTi(Y, θ、dΔr)を
表す、たとえば、図7に示すように、Y、θdΔrの各方
向を直交する3軸として、Ti(Y, θ、dΔr)列をプロ
ットした模擬3次元画像を生成し、表示装置201に表
示する。
【0049】ここで、表示された画像は、第1回目の測
定時のトンネル400内壁形状に対する、第i回目の測
定時のトンネル400内壁形状の変化を表すことにな
る。したがって、この画像から、トンネル400内壁に
おけるひび割れやクラックの発生を容易に識別すること
ができる。以上、本発明の一実施形態について説明し
た。
【0050】ところで、以上に示した実施形態は一例で
あり、この他、以上の実施形態に様々な修正を施した実
施形態が可能である。たとえば、以上では光センサ11
3としてCCDラインセンサやPSDなどの一次元でのみ入射
した光の位置を検出可能なセンサを用いたが、これは、
CCDエリアセンサなどの二次元で入射した光の位置を検
出可能なセンサを用いるようにしてもよい。このように
することにより、ローター110の1回転による走査
で、より多くの測定点について測定を行うことができる
ようになる。すなわち、一回のレーザ光の入射に対し
て、トンネル軸方向に異なる複数の測定点についてのd
(したがってΔr)を検出することができる。したがっ
て、より高速な測定や、より詳細な測定が可能となる。
【0051】また、以上の実施形態において、絶対距離
計101が測定した基準ブロック500までの絶対距離
のデータもデータ処理装置200に渡すように構成して
もよい。また、この場合において、データ処理装置20
0において、この絶対距離を3次元変位データTi(Y,
θ、Δr)に加算することによりトンネル内壁形状を近
似的に再現して、出力するようにしてもよい。
【0052】また、計測車100が位置を測定し、その
位置からレーザ変位計102とトンネル中心軸からの距
離を算出可能な参照点を、あらかじめトンネル400内
に設け、レーザ変位計102とトンネル中心軸からの距
離に応じて、3次元変位データT0(Y, θ、Δr)、Ti
(Y, θ、Δr)をトンネル中心軸から測定した3次元変
位データに変換して差分を取るようにしてもよい。この
ようにすることにより、線路の位置の変化などがあった
場合にも、適正にトンネル内壁形状の変化を検査できる
ようになる。
【0053】また、以上の実施形態においてデータ処理
装置200が行った変位や距離の校正の機能などのデー
タ処理装置200の機能の一部、または、データ処理装
置200の機能の全てを、計測車100側に設けるよう
にしてもよい。また、以上の実施形態では、トンネル内
壁の距離の変位を測定するのにレーザ変位計を用いた
が、これは他の変位計を用いるようにしてもかまわな
い。また、レーザ変位計に代えて距離計を用い、距離の
変位に代えて距離自体を測定するようにしてもかまわな
い。
【0054】また、以上では単線のトンネル400を測
定の対象とする場合について説明したが、例えば複線の
トンネルを対象とする場合には、図8に示すように、レ
ーザ変位計102や絶対距離計101は、できるだけト
ンネル中央を進むように、これらを計測車100に配置
するようにしてよい。
【0055】また、レーザ変位計102は、光学系11
2のズームを調整可能に構成し、これらを基準ブロック
500を利用して調整することによりΔrに対して一定
のdが計測できるようにしても良い。また、良好な計測
が行えるように光学系112のフォーカスなども調整可
能に構成しても良い。
【0056】また、以上では鉄道トンネルを対象とする
場合を例にとり説明したが、以上の実施形態は、自動車
道路のトンネルなどの任意の管状建築物を対象とする場
合にも同様に適用することができる。また、小型化し、
自律走行や遠隔運転を行う構成を備えることにより、下
水管、ガス管、水道管、プラント配管その他の任意の管
状物を対象とする場合にも、同様に適用することができ
る。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、管状物
の正常性の検査を、より適正に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る計測車の構成を模式的
に示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るレーザ変位計の構成を
示す模式的に図である。
【図3】本発明の実施形態に係る測定処理部の構成を示
すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る基準ブロックの形状と
基準ブロックを利用した計測のようすを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るデータ処理装置の構成
を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係るマスク範囲を示す図で
ある。
【図7】本発明の実施形態に係る表示例を示す図であ
る。
【図8】本発明の実施形態に係る計測車の構成を模式的
に示す図である。
【符号の説明】
100;計測車、105;車輪、101;絶対距離計、
102;レーザ変位計、103;走行距離計、104;
測定処理部、110;ローター、111;レーザー発振
機、112;光学系、113;光センサ、114;モー
タ、115;回転エンコーダ、116;移動機構、11
7〜121;インタフェース、122;スリップリン
グ、140;測定制御部、141;3次元変位測定部、
142;基準ブロック検出部、143;受光位置調整
部、144;変位校正データ測定部、145;距離校正
データ測定部、146;主制御部、147;外部記憶装
置、148;操作部、149表示部、150〜151;
インタフェース、160;記憶媒体、200;データ処
理装置、201;外部記憶装置、202;変位校正部、
203;距離校正部、205;マスク範囲算出部、20
6;基準データ蓄積部、207;差分処理部、208;
マスク処理部、209;画像生成部、210;表示装
置、400;トンネル、401;鉄道レール、500;
基準ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA06 AA09 BB08 CC40 DD19 FF11 FF17 FF44 FF61 FF67 GG04 JJ02 JJ03 JJ05 JJ16 JJ25 JJ26 MM08 PP01 QQ25 QQ27 RR08 SS13 2F069 AA06 AA66 AA83 BB40 CC02 GG04 GG07 GG59 GG71 HH09 HH15 JJ06 JJ10 KK01 2G051 AA82 AB03 AC17 BA10 BC05 BC07 CA03 CA04 CB01 CD03 CD06 EA08 EA14 EB01 EB02 EC03 FA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】台車と、 前記台車を管状物内部において前記管状物軸方向に移動
    する移動手段と、 前記台車に搭載され、前記管状物軸方向の軸を回転軸と
    して回転して管状物内壁面を周方向に走査し、管状物内
    壁面までの距離または当該距離の変位を表す位置データ
    を測定する測定手段と、 前記測定装置の管状物軸方向位置と回転角とを検出する
    座標検出手段と前記測定装置が測定した位置データを、
    当該位置データ測定時に検出された測定装置の管状物軸
    方向位置と回転角とに対応づけて、3次元の形状データ
    として記憶する記憶装置とを有することを特徴とする管
    状物計測装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の管状物計測装置であって、 前記測定手段は、 前記管状物軸方向を回転軸として回転するロータと、 前記ロータ上に設置された、レーザー光を前記管状物の
    内壁に出射するレーザ出射手段と、 前記ロータ上に設置された、前記内壁で反射したレーザ
    光を受光する受光手段と、 前記受光手段の受光位置を検出する受光位置検出手段と
    を備え、 当該測定手段は、 前記位置データとして、前記受光位置検出手段の検出し
    た受光位置、または、当該受光位置から求まる前記レー
    ザ出射手段から前記管状物内壁面までの距離の変位を測
    定することを特徴とする管状物計測装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の管状物計測装置
    と、前記トンネル内に複数配置された管状物軸方向間隔
    が既知の基準体とを有する管状物計測システムであっ
    て、 前記管状物計測装置は、前記基準体を検出する基準体検
    出手段を有し、 前記管状物計測システムは、基準体検出手段が前記基準
    体を検出した時点における前記座標検出手段が検出した
    の管状物軸方向位置と、前記既知の管状物軸方向間隔と
    に応じて、前記座標検出手段が検出した測定装置の管状
    物軸方向位置を校正する手段を有することを特徴とする
    管状物計測システム。
  4. 【請求項4】請求項2記載の管状物計測装置と、前記ト
    ンネル内に配置された形状が既知の基準体とを有する管
    状物計測システムであって、 前記受光位置検出手段が前記基準体に対して測定した受
    光位置と、前記基準体の形状とに応じて、前記受光位置
    検出手段が検出した受光位置を、前記管状物内壁面まで
    の距離の変位量に変換する手段を有することを特徴とす
    る管状物計測システム。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載の管状物計測装置
    と、基準形状データを記憶する記憶手段と、前記記憶手
    段に記憶された基準形状データと前記管状物計測装置が
    測定した形状データとの差分を求める差分算出手段と、
    当該差分算出手段が算出した差分を表す画像を表示する
    表示手段とを有することを特徴とする管状物計測システ
    ム。
  6. 【請求項6】請求項1または2記載の管状物計測装置で
    あって、 前記管状物は鉄道トンネルであることを特徴とする管状
    物計測装置。
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