JP4069456B2 - 人数検出装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、人数検出装置及び方法に関する。
特開2001−175868号公報あるいは特開2003−109001号公報には、ビデオカメラによって撮影した画像に所定の画像処理を施すことにより当該画像中に撮影されている人物の人数を推定する技術が開示されている。特開2001−175868号公報の技術(人数検出方法及び装置)は、隠蔽の発生しにくく形状変化の少ない人物の頭部および上半身の輪郭を元に設定したモデル形状に、間隙を拡張したエッジ検出オペレータによる画像微分出力を対応させ、各点における積の極大点を人物領域として検出することにより、輪郭形状の微少な差異の影響を小さくし、また、隣接した対象を分離して検出する。また、特開2003−109001号公報の技術(人物検出システム及び人物検出プログラム)は、撮影された時系列連続動画像中を物体が移動することによって発生する時系列連続動画像の画素の輝度値の変化から、オプティカルフロー推定演算を用いて該画素の速度ベクトルを求め、当該速度ベクトルによって時系列連続動画像中の計測空間範囲に形成される速度場の分布状況を、速度ベクトルを持つ画素の数を、該速度ベクトルが示す所定の方向毎に計数して求め、上記速度場の分布状況が示す方向別の速度ベクトルを持つ画素の範囲に基づいて時系列連続動画像中を移動する人物形状画像とその移動方向を検出する。
また、特開2002−140790号公報には、レーザセンサを用いることにより横断歩道上の歩行者(人物)を検出する技術(横断歩道歩行者検出方法)が開示されている。この横断歩道歩行者検出方法は、悪天候下でも検出精度に信頼性が高く、かつ、目標とする検出時間のリクワイアメント(0.5秒以下)を実現するために、レーザセンサヘッドと信号処理装置とからなるスキャン式レーザセンサを用いることにより横断歩道を横断する歩行者を検出するに際して、初期検出モードにおいては、レーザセンサヘッドによるスキャンを全計測エリアに対して複数回行い、移動体としての歩行者を1スキャン毎に検出し、全スキャン後の検出結果を合わせた検出データ及び検出された歩行者に付与したID番号を上位系に伝送する一方、連続検出モードでは、1スキャン時の計測結果から歩行者の検出を行い、その計測結果と初期検出モードの最終検出データとを合わせたものを検出結果として新たにID番号を付与上して位系に伝送する。
特開2001−175868号公報 特開2003−109001号公報 特開2002−140790号公報
しかしながら、上記従来の人数を推定する技術は、ビデオカメラによって撮影した画像、つまり2次元画像に基づいて人数を推定するものであり、人物の人数をより正確に推定することが困難である。例えば影を人物の人数として判定するために推定精度が低下したり、あるいは夜間等のビデオカメラによる撮影環境が暗い場合において人物を正確に識別することができないために推定精度が低下する。また、上記従来の人数を推定する技術では、人数をより正確に推定するために、上述したような複雑な画像処理を必要とするという問題点がある。
一方、横断歩道歩行者検出方法は、横断歩道上に歩行者が存在するか否かを判定するための技術であり、人物の人数を推定する技術ではない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、人物の人数を比較的簡単な信号処理によって精度良く判定することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明では、人数検出装置に係る第1の解決手段として、所定の監視領域に存在する人物の人数を検出する装置において、前記監視領域にレーザ光を走査状に照射すると共に該レーザ光の反射光を検出することにより、前記監視領域の各位置における距離情報を取得するレーザセンサと、前記各位置における距離情報に基づいて監視領域に存在する人物の人数を判定する人数判定部とを具備する、という手段を採用する。
また、人数検出装置に係る第2の解決手段として、上記第1の手段において、人数判定部は、前記各位置における距離情報に基づいて人物の存在領域を判定すると共に当該存在領域における人物の検出面積Scを判定し、該検出面積Sc、予め規定した標準的な人物一人当たりの標準人物面積Sp及び人物の密度を示す密度係数αに基づく下式(1)に基づいて人数を判定する、という手段を採用する。
N=(1+α)・Sc/Sp (1)
人数検出装置に係る第3の解決手段として、上記第2の手段において、密度係数αは、当該密度係数αを考慮しないで集団の密集度を種々変更した場合に判定された集団の人数と実際の人数との人数差から実験的に得られたものであるという手段を採用する。
人数検出装置に係る第4の解決手段として、上記第2または第3の手段において、人物の位置とレーザセンサの計測分解能との関係に基づいて標準人物面積Spを前記人物の位置に応じて補正する、という手段を採用する。
一方、本発明では、人数検出方法に係る第1の解決手段として、所定の監視領域に存在する人物の人数を検出する方法において、前記監視領域にレーザ光を走査状に照射すると共に該レーザ光の反射光を検出することにより、前記監視領域の各位置における距離情報を取得する第1の工程と、前記各位置における距離情報に基づいて監視領域に存在する人物の人数を判定する第2の工程とを有する、という手段を採用する。
また、人数検出方法に係る第2の解決手段として、上記第1の手段において、第2の工程では、前記各位置における距離情報に基づいて人物の存在領域を判定すると共に当該存在領域における人物の検出面積Scを判定し、該検出面積Sc、予め規定した標準的な人物一人当たりの標準人物面積Sp及び人物の密度を示す密度係数αに基づく下式(1)に基づいて人数を判定する、という手段を採用する。
N=(1+α)・Sc/Sp (1)
人数検出方法に係る第3の解決手段として、上記第2の手段において、密度係数αは、当該密度係数αを考慮しないで集団の密集度を種々変更した場合に判定された集団の人数と実際の人数との人数差から実験的に得られたものである、という手段を採用する。
人数検出方法に係る第4の解決手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、人物の位置とレーザセンサの計測分解能との関係に基づいて標準人物面積Spを前記人物の位置に応じて補正する、という手段を採用する。
本発明によれば、人物が存在し得る所定の監視領域にレーザ光を走査状に照射すると共に該レーザ光の反射光を検出することにより、監視領域の各位置における距離情報を取得し、当該各位置における距離情報に基づいて監視領域に存在する人物の人数を判定する。すなわち、監視領域の各位置における距離情報、つまり監視領域の各位置について得られる位置と距離とからなる立体的な3次元情報に基づいて人物の人数を判定するので、監視領域における人物を比較的簡単な信号処理によって精度良く判定することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る人数検出装置の機能構成を示すブロック図である。この図1に示すように、本人数検出装置は、レーザセンサヘッド1、制御・信号処理部2及び人数判定部3から構成されている。これら構成要件のうち、レーザセンサヘッド1と制御・信号処理部2とはレーザセンサを構成しており、したがって本人数検出装置は、レーザセンサと人数判定部3とを組み合わせることにより構成されている。
レーザセンサヘッド1は、図2に示すように、所定の対象領域近傍の高所に設置されており、制御・信号処理部2の制御の下に所定繰り返し周期のパルス状レーザ光(レーザパルス)を対象領域に走査状に順次照射すると共に、当該レーザパルスの反射光を順次受光する。すなわち、このレーザセンサヘッド1は、主走査方向にレーザパルスを1ライン分走査照射すると、照射位置を主走査方向に直交する副走査方向に所定のピッチだけ順次移動させて主走査方向への走査照射を繰り返すことにより、対象領域の全域に亘ってレーザパルスを照射すると共に、当該レーザパルスの反射光を順次受光し、その受光信号を制御・信号処理部2に出力する。
また、上記対象領域は、人物の人数を把握する必要のある所定の監視領域Rを包含する領域であり、例えば地上や各種の公共施設のフロア上に設定され、監視領域Rは、このような地上やフロア上において多くの人物が通行する箇所に設定される。
ここで、図2に示すように、このような対象領域内にレーザセンサヘッド1に近づく向きに歩行する人物が居た場合、この人物には進行方向の斜め上方に位置するレーザセンサヘッド1から体の前面から頭部にかけてレーザパルスが照射されることになる。
このようなレーザセンサヘッド1は、図1に示するように、レーザ光源1a、コリメートレンズ1b、ポリゴンミラー1c、揺動ミラー1d、集光レンズ1e、受光器1f、主走査モータ1g、副走査モータ1h、主走査モータドライバ1i及び副走査モータドライバ1m等から構成されている。
レーザ光源1aは、制御・信号処理部2の制御の下に所定波長のレーザパルスを発生してコリメートレンズ1bに出射する一方、レーザパルスの繰り返しタイミングを示すタイミング信号Siを制御・信号処理部2に出力する。コリメートレンズ1bは、このレーザパルスを平行光化してポリゴンミラー1cに出射する。ポリゴンミラー1cは、同一幅かつ互いに直交する4面が鏡面として形成された多面体であり、矢印で示すように所定方向に回転することによって、コリメートレンズ1bから入射したレーザパルスを図2で示した主走査方向に走査状に反射する。揺動ミラー1dは、上記ポリゴンミラー1cで反射されたレーザパルスの出射方向に設けられており、ポリゴンミラー1cの回転軸に直交する軸回りに揺動することによりレーザパルスを図2で示した副走査方向に走査状に反射する。
すなわち、レーザセンサヘッド1から対象領域に照射される計測光は、揺動ミラー1dによって図2に示すレーザセンサヘッド1から対象領域を仰ぐ垂直角θが、またポリゴンミラー1cによって図2に示す水平面内における水平角φが各々設定されることによって、つまりポリゴンミラー1cと揺動ミラー1dとによって計測方向が設定されることによって、主走査方向及び副走査方向に走査状されながら対象領域に照射される。そして、この計測光の対象領域における反射光は、揺動ミラー1d及びポリゴンミラー1cによって反射されて集光レンズ1eに入射する。
集光レンズ1eは、上記反射光を受光器1fの受光面に集光させる。受光器1fは、反射光を受光(光電変換)し、当該反射光の強度を示す受光信号Srを制御・信号処理部2に出力する。また、主走査モータ1gは、上記ポリゴンミラー1cを回転駆動するモータである。副走査モータ1hは、上記揺動ミラー1dを揺動駆動させるモータである。主走査モータドライバ1iは、上記主走査モータ1gを所定の回転速度で回転させる駆動回路である。副走査モータドライバ1mは、揺動ミラー1dを所定角及び所定タイミングで揺動させるステッピングモータあるいはサーボモータである。
制御・信号処理部2は、上記レーザセンサヘッド1(詳しくはレーザ光源1a、主走査モータドライバ1i及び副走査モータドライバ1m)の動作を制御すると共に、上記タイミング信号Siと受光信号Srとの時間差(遅延時間Δt)に基づいて、レーザセンサヘッド1を原点とする曲座標上の位置が上記垂直角θ及び水平角φによって規定される計測点Pにおける計測光の反射位置までの距離Lを演算する。すなわち、この制御・信号処理部2は、図2に示すように、主走査方向に所定間隔で計測点Pにおける距離Lをタイミング信号Siに対する受光信号Srの遅延時間Δtに基づいてそれぞれ演算する。そして、制御・信号処理部2は、これら複数の計測点Pに関する距離L、つまり各計測点Pについての垂直角θ、水平角φ及び距離Lからなるデータセットを計測データとして人数判定部3に出力する。
例えば、主走査方向の計測点Pの個数をn、また副走査方向の計測ラインの本数をmとすると、制御・信号処理部2は、(n×m)個の計測点Pijについて距離Lijを各々取得し、距離Lij、垂直角θij及び水平角φijからなる各計測点Pijの計測データを人数判定部3に出力する。
人数判定部3は、本人数検出装置における最も特徴的な構成要素である。この人数判定部3は、上述した計測データに所定の信号処理を施すことにより監視領域Rに存在する人物の人数を判定する。なお、この人数判定部3はレーザセンサが取得した計測データに基づいて人物の人数を判定するので、レーザセンサにおいて計測点Pを対象領域に対してどのような密度で設定するか、つまり距離Lを計測する際の空間分解能は、人物の大きさに合わせて十分なものに設定されていなければならない。すなわち、計測点Pの密度は、少なくとも人物と背景とを十分に識別できる程度に設定されている。
次に、このように構成された本人数検出装置の動作について、図3に示すフローチャートである。なお、レーザセンサの動作については、例えば特開2002−140790号公報に開示されているように公知なので、以下の動作説明では、本人数検出装置において特徴的な構成要素である人数判定部3の動作を中心に詳しく説明する。
人数判定部3は、制御・信号処理部2から上述した複数の計測点Pijに関する計測データ(垂直角θij,水平角φij,距離Lij)を取得すると(ステップS1)、当該計測データを対象領域上に設定したX−Y−Z直交座標系、つまり主走査方向をX軸、副走査方向をY軸、また当該X軸及びY軸に直行する方向(地面あるいはフロア面に直交する垂直方向)をZ軸とするX−Y−Z直交座標系上の距離データ(変換距離データ)に座標変換する(ステップS2)。
この変換距離データは、対象領域が設定された地上あるいはフロア上の各位置(X−Y座標上の位置)における反射光の反射位置の高さH(地面あるいはフロア面を基準位置とするZ座標上の位置)を示すもの、つまりx座標値、y座標値及びz座標値からなるデータセットである。例えば反射光の反射位置が地面あるいはフロア面の場合、変換距離データにおける高さ座標zは「0」となり、一方、反射光の反射位置が人物の頭部である場合には、高さ座標zは地面あるいはフロア面から人物の頭部までの長さとなる。
人数判定部3は、このような変換距離データのz座標値を所定の人物判定しきい値(例えば人物の膝程度の高さを示すしきい値)と比較することにより、人物の候補を示す人物候補計測データを抽出する(ステップS3)。このような人物候補計測データは、監視領域Rの各位置における変換距離データのうち、z座標値が人物の膝程度の高さを超える変換距離データのみをピックアップしたものである。人数判定部3は、このような人物候補計測データのうち、位置が隣接あるいは近接するもの同士を1つのグループとしてグループ化する(ステップS4)。そして、上記グループ化処理の結果検出された各グループに関して、人物候補計測データに基づいて人物候補の位置(x座標値及びy座標値)及び大きさ(X−Y直交座標系上の面積)を特定すると共に検出枠(方形枠)及び検出IDを設定する(ステップS5)。
図4は、上記検出枠が設定された状態を示す模式図である。この図では、監視領域R内に5人の人物a〜eが存在し、このうち人物aは単独状態で存在し、一方、人物b〜eは集団を形成している状態を示している。矢印で示す方向から計測光が監視領域Rに照射された場合、各人物a〜eは体の前面に計測光を受ける。なお、この図において、各人物a〜eの黒丸は計測光の照射位置を模式的に示しているが、集団を形成している人物b〜eの場合には、後の人物には前の人物の死角になるために体の前面でも計測光が照射されない部位が存在する。人数判定部3は、このような計測光に基づいて得られた人物候補計測データのz座標値(人物の高さH)に基づいて、人物候補の位置と大きさとを特定し、当該人物候補の領域を包含する検出枠を設定する。
そして、人数判定部3は、このような人物候補の大きさを所定のしきい値(単/複しきい値)と比較することにより、当該人物候補が単一人であるかあるいは複数の人物が密集した集団であるかを判定する(ステップS6)。上記単/複しきい値は、標準的な体格の人物に対する人物候補の大きさに例えば1.4程度の補正係数を乗算したものである。人数判定部3は、このような単/複しきい値と各検出IDの人物候補の大きさとを比較することにより、各検出IDの人物候補毎に当該人物候補が単一人か、あるいは複数人かを判定する。
そして、人数判定部3は、単一人と判定した人物候補については人数を「1人」として計数し(ステップS7)、一方、複数人と判定した人物候補については、ステップS8及びS9からなる人数判定処理を行うことにより人数を特定する。例えば図4の場合、人物aは単一人と判定されるが、人物b〜eについては集団を形成していると判定される。
この人数判定処理において、人数判定部3は、上記人物候補計測データを所定面積のセルが設定されたセル空間にマッピングし、人物候補が存在するセル(人物候補セル)と存在しないセル(人物外セル)とを識別したセルテーブルを生成する(ステップS8)。図5は、このようなセルテーブルを示す模式図であり、図4の各人物a〜eにおいて人物候補計測データに対応するセルが人物候補セルとして黒く塗りつぶされている。
さらに、人数判定部3は、集団と判定した検出枠内の人物b〜eに対応する人物候補セルの個数を計数し、この個数にセルの面積を乗算することによりセルテーブル上における人物候補のセル総面積Scを算出し、このセル総面積Sc、セルテーブル上における標準的な人物一人の面積(セル標準人物面積Sp)及び密度係数αからなる下式(1)に基づいて人数Nを算出する(ステップS9)。
N=(1+α)・Sc/Sp (1)
ここで、上記密度係数αは、人物が集団を形成している場合には、前の人物の死角になるため後の人物には計測光が照射されない部位が存在し、このような部位は人物の密集する度合い(密集度)によって異なる点を数値化したものである。式(1)から解るように、セル総面積Scが一定でも密度係数αが大きくなると(つまり密集度が大きくなる)、判定される人数Nは大きくなる。このような密度係数αを含む式(1)に基づいて集団の人数Nを判定することにより、当該人数Nをより正確に把握することができる。
このような密度係数αを用いて集団の人数Nを判定することは本実施形態の大きな特徴点であり、よって当該密度係数αについてはさらに詳しく説明する。この密度係数αは、当該密度係数αを「0」とすると共に集団の密集度を種々変更した場合において、本人数検出装置で集団の人数を計測した場合の人数とその際の実際の人数との人数差から実験的に得られたものである。密集度は計測光の死角となる領域の大きさに一定の相関関係があるので、このような密集度に対応して設定された密度係数αを含む式(1)に基づいて集団の人数Nを判定することにより、実験結果に基づく正確な集代の人数Nを判定することが可能となる。
一方、上記セル標準人物面積Spは予め規定された固定値であるが、以下のように人物の位置に応じて補正することが考えられる。
すなわち、レーザセンサの水平方向の計測間隔は、レーザセンサヘッド1から離間する程荒くなり、よって離間する程人物の検出領域は小さくなる。このことは、図2における計測光の間隔を見れば容易に理解される。したがって、レーザセンサにおける計測分解能Aは、図6に示すように、レーザセンサヘッド1から反射位置までの距離(つまり人物の位置)に比例する特性を有することになる。そこで、図6に示す特性と標準的な体格の人物に関するセル標準人物面積Spとの関係を予め実験によって求め、レーザセンサヘッド1から人物までの距離に応じてセル標準人物面積Spを補正することにより、集団の人数をさらに精度良く判定することが考えられる。
例えば、図6における基準距離L0(すなわち計測分解能a0)におけるセル標準人物面積をS0として求め、当該セル標準人物面積S0を用いることにより下式(2)あるいは(3)のように、基準距離L0に対する人物の位置する距離に応じてセル標準人物面積Spを補正する。なお、式(3)におけるWは、標準的な体格の人物の横幅である。
a)距離Lが基準距離L0以下の場合
Sp=S0 (2)
b)距離Lが基準距離L0よりも大きい場合
Sp=S0(W−A)/W (3)
このような式(2)、(3)による補正方法によれば、基準距離L0よりも遠方の人物の人数を上記実施形態よりも精度良く判定することが可能である。
さて、上記ステップS9までの処理によって検出IDが付与された各検出枠について人数が判定されたことになる。人数判定部3は、ステップS7で判定された単一人の検出枠の人数と、ステップS9で判定された集団の検出枠に関する人数とを合算することにより監視領域Rにおける総人数を計算し(ステップS10)、当該総人数を計測結果として外部に出力する。
このような本実施形態によれば、レーザセンサの計測データつまり計測光の反射位置の位置と距離との情報に基づいて監視領域Rにおける人物の人数を判定するので、従来のビデオカメラの画像信号に基づいて人数を判定する場合よりも比較的簡単な信号処理によって精度良く判定することができる。また、密度係数αを含む式(1)に基づいて集団の人数Nを判定するので、監視領域Rにおける人数をより正確に判定することができる。
本発明の一実施形態に係わる人数検出装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係わる人数検出装置において、レーザセンサヘッド1の取付位置及び計測光の照射状態を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係わる人数検出装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係わる人数検出装置の動作を補足説明する第1の模式図である。 本発明の一実施形態に係わる人数検出装置の動作を補足説明する第2の模式図である。 本発明の一実施形態に係わる人数検出装置において、レーザセンサにおける計測分解能aと距離Lとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1…レーザセンサヘッド、1a…レーザ光源、1b…コリメートレンズ、1c…ポリゴンミラー、1d…揺動ミラー、1e…集光レンズ、1f…受光器、1g…主走査モータ、1h…副走査モータ、1i…主走査モータドライバ、1m…副走査モータドライバ、2…制御・信号処理部、3…人数判定部

Claims (6)

  1. 所定の監視領域に存在する人物の人数を検出する装置であって、
    前記監視領域にレーザ光を走査状に照射すると共に該レーザ光の反射光を検出することにより、前記監視領域の各位置における距離情報を取得するレーザセンサと、
    前記各位置における距離情報に基づいて監視領域に存在する人物の人数を判定する人数判定部とを具備し、
    人数判定部は、前記各位置における距離情報に基づいて人物の存在領域を判定すると共に当該存在領域における人物の検出面積Scを判定し、該検出面積Sc、予め規定した標準的な人物一人当たりの標準人物面積Sp及び人物が集団を形成している場合の密集度を示す密度係数αに基づく下式(1)に基づいて人数を判定する
    ことを特徴とする人数検出装置。
    N=(1+α)・Sc/Sp (1)
  2. 密度係数αは、当該密度係数αを考慮しないで集団の密集度を種々変更した場合に判定された集団の人数と実際の人数との人数差から実験的に得られたものであることを特徴とする請求項1記載の人数検出装置。
  3. 人物の位置とレーザセンサの計測分解能との関係に基づいて標準人物面積Spを前記人物の位置に応じて補正することを特徴とする請求項1または2記載の人数検出装置。
  4. 所定の監視領域に存在する人物の人数を検出する方法であって、
    前記監視領域にレーザ光を走査状に照射すると共に該レーザ光の反射光を検出することにより、前記監視領域の各位置における距離情報を取得する第1の工程と、
    前記各位置における距離情報に基づいて監視領域に存在する人物の人数を判定する第2の工程とを有し、
    前記第2の工程では、前記各位置における距離情報に基づいて人物の存在領域を判定すると共に当該存在領域における人物の検出面積Scを判定し、該検出面積Sc、予め規定した標準的な人物一人当たりの標準人物面積Sp及び人物の密度を示す密度係数αに基づく下式(1)に基づいて人数を判定することを特徴とする人数検出方法。
    N=(1+α)・Sc/Sp (1)
  5. 密度係数αは、当該密度係数αを考慮しないで集団の密集度を種々変更した場合に判定された集団の人数と実際の人数との人数差から実験的に得られたものであることを特徴とする請求項4記載の人数検出方法。
  6. 人物の位置とレーザセンサの計測分解能との関係に基づいて標準人物面積Spを前記人物の位置に応じて補正することを特徴とする請求項4または5記載の人数検出方法。
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