JP2015213251A - 挙動解析装置、監視システム及びアミューズメントシステム - Google Patents

挙動解析装置、監視システム及びアミューズメントシステム Download PDF

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Abstract

【課題】監視環境の影響を受けることなく、監視領域に存在する人物の挙動を高精度に解析することの可能な挙動解析装置を提供する。【解決手段】本発明の挙動解析装置は、監視領域を内包するレーザ照射領域にレーザ光を照射するとともに、前記レーザ照射領域に設定された複数の計測点から戻る前記レーザ光の反射光を受光することにより、前記各計測点の位置情報を得るレーザ測位装置と、前記レーザ測位装置によって得られた前記各計測点の前記位置情報に基づいて、前記監視領域に存在する人物の挙動を解析する情報処理装置とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、挙動解析装置、監視システム及びアミューズメントシステムに関する。
従来、空港や駅、公共施設などでは、監視員が監視カメラの映像に基づいて不審者や要救護者等の有無を目視にて判断することが一般的である。しかしながら、このような映像の目視による監視では、監視カメラの映像に多数の人物が存在する場合、監視員が不審者や要救護者を見落としてしまう可能性がある。また、監視員は常に監視カメラの映像を注視する必要があり、監視員にとっても肉体的な負担が大きい。
上記のような映像の目視による監視の問題点を解消するために、監視カメラから得られる画像のデジタル的な処理によって、撮影領域(監視領域)に存在する人物の挙動(行動)を自動的に解析する技術が開発されている(例えば、下記特許文献1〜4参照)。
特開2012−23566号公報 特開2012−4720号公報 特開2011−191987号公報 特開2011−107765号公報
上記のように、従来技術では、監視カメラから得られる画像のデジタル的な処理によって人物の挙動を解析する。しかしながら、監視カメラから得られる画像の品質は、監視カメラの設置環境の影響を大きく受ける。例えば、監視カメラが屋外に設置されている場合、雨天または霧などの悪天候時や夜間に得られる画像の品質は著しく低くなる。また、監視カメラが屋内に設置されている場合であっても、撮影領域の明るさが十分でなければ、画像の品質は低くなる。
監視カメラから得られる画像の品質が低下すると、画像処理の過程において人物そのものの識別が不可能になるなどが原因で、最終的に得られる挙動解析結果の精度が大きく低下することになる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、監視環境の影響を受けることなく、監視領域に存在する人物の挙動を高精度に解析することの可能な挙動解析装置と、この挙動解析装置を備える監視システム及びアミューズメントシステムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために、以下の手段を採用する。
(1)本発明の一態様に係る挙動解析装置は、監視領域を内包するレーザ照射領域にレーザ光を照射するとともに、前記レーザ照射領域に設定された複数の計測点から戻る前記レーザ光の反射光を受光することにより、前記各計測点の位置情報を得るレーザ測位装置と、前記レーザ測位装置によって得られた前記各計測点の前記位置情報に基づいて、前記監視領域に存在する人物の挙動を解析する情報処理装置とを備える。
(2)上記(1)に記載の挙動解析装置において、前記情報処理装置が、人物候補条件を満たす前記計測点の集合である計測点群を前記人物として識別し、前記計測点群の時間的な変動態様を表す挙動パラメータに基づいて前記人物の挙動が予め設定された挙動類型のいずれに該当するかを判別してもよい。
(3)上記(2)に記載の挙動解析装置において、前記情報処理装置が、前記計測点群の計測点数の変化率、前記計測点群の移動量、及び前記計測点群の移動速度の少なくとも1つを前記挙動パラメータとして算出してもよい。
(4)上記(2)または(3)に記載の挙動解析装置が、前記監視領域内における温度分布を測定する温度測定装置をさらに備えていてもよい。この場合、前記情報処理装置が、前記温度測定装置によって得られた前記温度分布の測定結果に基づいて前記人物の表面温度を認識し、前記挙動パラメータ及び前記人物の表面温度に基づいて前記人物の挙動が予め設定された前記挙動類型のいずれに該当するかを判別してもよい。
(5)本発明の一態様に係る監視システムは、監視領域を撮影する監視カメラと、前記監視領域を内包するレーザ照射領域にレーザ光を照射する前記レーザ測位装置を備える上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の挙動解析装置と、前記監視カメラから得られる前記監視領域の画像に、前記挙動解析装置から得られる前記監視領域に存在する人物の挙動解析結果を合成して合成画像を生成する画像生成装置と、前記画像生成装置によって生成された前記合成画像を表示する表示装置とを備える。
(6)本発明の一態様に係るアミューズメントシステムは、監視領域に設置された複数種類の仕掛け装置と、前記監視領域を内包するレーザ照射領域にレーザ光を照射する前記レーザ測位装置を備える上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の挙動解析装置と、前記挙動解析装置から得られる前記監視領域に存在する人物の挙動解析結果に基づいて、前記仕掛け装置の起動タイミング及び起動すべき前記仕掛け装置の種類を制御する仕掛け制御装置とを備える。
本発明によれば、監視環境の影響を受けることなく、監視領域に存在する人物の挙動を高精度に解析することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る挙動解析装置1の機能構成を示すブロック図である。 レーザレーダヘッド11の取付位置及びレーザパルス(計測光)の照射状態を模式的に示す側面図(a)及び平面図(b)である。 レーザレーダヘッド11からレーザ照射領域Wにレーザパルスが照射される様子を示した図である。 情報処理装置20の動作を示すフローチャートである。 計測点Pijの3次元極座標データをXYZ直交座標データに変換する方法の説明図である。 人物識別原理の説明図であって、XYZ直交座標系におけるZY平面をX軸方向から見た図(a)と、XYZ直交座標系におけるZX平面をY軸方向から見た図(b)である。 計測点数変化率RTと活動レベルとの対応関係を示す図である。 活動レベルの平均値と挙動類型との対応関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る監視システム100の構成概略図である。 本発明の一実施形態に係るアミューズメントシステム200の構成概略図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[挙動解析装置]
図1は、本実施形態に係る挙動解析装置1の機能構成を示すブロック図である。この図1に示すように、本実施形態に係る挙動解析装置1は、レーザレーダ(レーザ測位装置)10と、情報処理装置20とを備えている。
レーザレーダ10は、監視領域Rを内包するレーザ照射領域Wにレーザ光を照射するとともに、レーザ照射領域Wに設定された複数の計測点Pから戻るレーザ光の反射光を受光することにより、各計測点Pの位置情報を得る。このレーザレーダ10は、レーザレーダヘッド11及びレーザ制御装置12を備えている。図2(a)に示すように、レーザレーダヘッド11は、例えば空港や駅、公共施設などに設定された監視領域Rを内包するレーザ照射領域W近傍の高所に設置されている。
レーザレーダヘッド11は、レーザ制御装置12による制御に従って、パルス状のレーザ光(レーザパルス)をレーザ照射領域Wに向かって照射する。具体的には、レーザレーダヘッド11は、レーザ照射領域Wに設定された主走査方向及び副走査方向(図2(a)及び(b)参照)に沿ってレーザパルスを計測光として照射する。
すなわち、レーザレーダヘッド11は、主走査方向に沿ってレーザパルスを1ライン分照射した後に、レーザパルスの照射位置を主走査方向に直交する副走査方向に沿って一定のピッチだけ移動させて、再び主走査方向に沿ってレーザパルスを1ライン分照射するという動作を繰り返すことにより、レーザ照射領域Wの全域に亘ってレーザパルスを照射する。また、レーザレーダヘッド11は、レーザ照射領域Wに設定された各計測点Pから戻ってくるレーザパルスの反射光を順次受光し、その反射光の受光強度を示す受光信号をレーザ制御装置12に出力する。
このようなレーザレーダヘッド11は、図1に示すように、レーザ光源11a、コリメートレンズ11b、ポリゴンミラー11c、揺動ミラー11d、集光レンズ11e、受光器11f、主走査モータ11g、副走査モータ11h、主走査モータドライバ11i及び副走査モータドライバ11mを備えている。
レーザ光源11aは、レーザ制御装置12による制御に従って、一定波長を有するレーザパルスをコリメートレンズ11bへ出射するとともに、レーザパルスの繰り返しタイミングを示すタイミング信号Siをレーザ制御装置12へ出力する。コリメートレンズ11bは、レーザ光源11aから入射されるレーザパルスを平行光に変換してポリゴンミラー11cへ出射する。
ポリゴンミラー11cは、レーザパルスを反射するための複数(例えば4つ)の鏡面を有する多面体である。ポリゴンミラー11cの回転軸は、主走査モータ11gの回転軸と結合されている。主走査モータ11gの回転によって、ポリゴンミラー11cは、図1中の矢印で示す方向に回転する。ポリゴンミラー11cの回転により、コリメートレンズ11bからポリゴンミラー11cに入射したレーザパルスは、揺動ミラー11dへ向かって反射されるとともに、主走査方向に沿って走査される。
揺動ミラー11dは、ポリゴンミラー11cの回転軸に直交する軸回りに揺動可能に設置された平板状ミラーである。揺動ミラー11dの回転軸は、副走査モータ11hの回転軸と結合されている。副走査モータ11hの回転によって、揺動ミラー11dは、図1中の矢印で示す方向に揺動する。揺動ミラー11dの揺動により、ポリゴンミラー11cから揺動ミラー11dに入射したレーザパルスは、レーザレーダヘッド11の外部(つまり、レーザ照射領域W)へ向かって反射(出射)されるとともに、副走査方向に沿って走査される。
すなわち、レーザレーダヘッド11からレーザ照射領域Wに照射されるレーザパルスの水平角φ(レーザ照射領域Wを平面視した場合における、主走査方向とレーザパルスの照射方向との間の角度;図2(b)参照)は、ポリゴンミラー11cの回転によって制御される。また、レーザレーダヘッド11からレーザ照射領域Wに照射されるレーザパルスの垂直角θ(レーザ照射領域Wを側面視した場合における、副走査方向とレーザパルスの照射方向との間の角度;図2(a)参照)は、揺動ミラー11dの揺動によって制御される。
上記のような水平角φ及び垂直角θの制御によって、レーザパルスは、主走査方向及び副走査方向に沿って走査され、その結果、レーザ照射領域Wの全域に亘ってレーザパルスが照射される。そして、各計測点Pから戻ってくるレーザパルスの反射光は、揺動ミラー11d及びポリゴンミラー11cを介して集光レンズ11eに入射する。集光レンズ11eは、レーザパルスの反射光を受光器11fの受光面に集光させる。受光器11fは、集光レンズ11eによって集光されたレーザパルスの反射光の光電変換を行い、その反射光の受光強度を示す受光信号Srをレーザ制御装置12へ出力する。
主走査モータ11gは、主走査モータドライバ11iから入力される駆動信号に応じて回転するモータである。上述のように、主走査モータ11gの回転により、ポリゴンミラー11cは回転する。副走査モータ11hは、副走査モータドライバ11mから入力される駆動信号に応じて回転するモータである。上述のように、副走査モータ11hの回転により、揺動ミラー11dは揺動する。
主走査モータドライバ11iは、レーザ制御装置12による制御に従って、主走査モータ11gを一定速度で回転させるための駆動信号を生成して主走査モータ11gへ出力する。副走査モータドライバ11mは、レーザ制御装置12による制御に従って、揺動ミラー11dを所定角及び所定タイミングで揺動させるための駆動信号を生成して副走査モータ11hへ出力する。
レーザ制御装置12は、レーザ光源11a、主走査モータドライバ11i及び副走査モータドライバ11mを制御することにより、レーザレーダヘッド11の動作(つまり、レーザパルスの垂直角θ及び水平角φ)を制御する。また、レーザ制御装置12は、レーザ光源11aから入力されるタイミング信号Siと、受光器11fから入力される受光信号Srとの時間差(遅延時間Δt;図1参照)に基づいて、レーザレーダヘッド11と計測点P(レーザパルスの反射位置)との間の距離Lを演算する。
すなわち、レーザ制御装置12は、図2(a)及び(b)に示すように、主走査方向に沿って所定間隔で複数の計測点Pを設定し、各計測点Pまでの距離Lをタイミング信号Siに対する受光信号Srの遅延時間Δtに基づいてそれぞれ演算する。そして、レーザ制御装置12は、距離L、垂直角θ及び水平角φを1セットとする3次元極座標データ(位置情報)を各計測点Pのそれぞれについて取得する。
図3はレーザレーダヘッド11からレーザ照射領域Wにレーザパルスが照射される様子を示した図である。図3において、主走査方向をX軸、副走査方向をY軸、XY平面に垂直の方向をZ軸と定義し、レーザレーダヘッド11はZ軸上に設置されていると想定する。また、以下の説明では、任意の位置の計測点Pを計測点Pijと表記する。ここで、計測点Pijとは、副走査方向におけるi番目の走査ライン上に存在し、主走査方向においてj番目に位置する計測点Pを意味する。すなわち、図3に示すように、副走査方向における走査ライン総数をmとし、主走査方向における計測点Pの総数をnとすると、1フレーム内における計測開始時の計測点PはP11で表され、1フレーム内における計測終了時の計測点PはPmnで表される。
図3に示すように、まず、レーザ制御装置12は、計測開始点である計測点P11にレーザパルスが照射されるようにレーザレーダヘッド11を制御する(この時、レーザ光源11aからタイミング信号Siがレーザ制御装置12に出力される)。計測点P11からの反射光は、揺動ミラー11d、ポリゴンミラー11c及び集光レンズ11eを介して受光器11fに集光される。受光器11fは、反射光の強度を示す受光信号Srをレーザ制御装置12に出力する。
そして、レーザ制御装置12は、タイミング信号Siに対する受光信号Srの遅延時間Δtと光の伝播速度cとからなる下記関係式(1)に基づいて、レーザレーダヘッド11と計測点P11との間の距離L(L11)を算出する。
L(L11)= Δt・c/2 …(1)
レーザ制御装置12は、上記のように算出した距離L11に加えて、計測点P11にレーザパルスを照射した時のレーザパルスの垂直角θ(θ11)及び水平角φ(φ11)を計測点P11の3次元極座標データ(距離L11、垂直角θ11、水平角φ11)として情報処理装置20へ出力する。
続いて、レーザ制御装置12は、計測点P12にレーザパルスが照射されるようにレーザレーダヘッド11を制御し、上記と同様に、レーザレーダヘッド11と計測点P12との間の距離L12を算出し、計測点P12の3次元極座標データ(距離L12、垂直角θ12、水平角φ12)を情報処理装置20へ出力する。
以下同様に、レーザ制御装置12は、計測点P13〜P1nにレーザパルスが順次照射されるようにレーザレーダヘッド11を制御し、計測点P13〜P1nの3次元極座標データを順次取得して情報処理装置20へ出力する。
そして、レーザ制御装置12は、1番目(i=1)の走査ラインが終了すると、2番目(i=2)の走査ラインの最初の計測点P21にレーザパルスが照射されるようにレーザレーダヘッド11を制御し、1番目の走査ラインと同様に、各計測点P21〜P2nの3次元極座標データを順次取得して情報処理装置20へ出力する。
以上のように、レーザ制御装置12は、レーザ照射領域Wに設定された全計測点P11〜Pmnにレーザパルスが順次照射されるようにレーザレーダヘッド11を制御し、全計測点P11〜Pmnの3次元極座標データを順次取得して情報処理装置20へ出力する。
情報処理装置20は、上記のレーザレーダ10によって得られた各計測点Pijの位置情報、すなわち3次元極座標データ(距離Lij、垂直角θij、水平角φij)に基づいて、監視領域Rに存在する人物の挙動を解析する。より具体的には、情報処理装置20は、人物候補条件を満たす計測点Pijの集合である計測点群を人物として識別し、その計測点群の時間的な変動態様を表す挙動パラメータに基づいて、人物の挙動が予め設定された挙動類型のいずれに該当するかを判別する。
なお、この情報処理装置20は、レーザレーダ10が取得した3次元極座標データに基づいて人物の識別を行うので、レーザ照射領域Wにおける計測点Pの密度(つまり空間分解能)は、少なくとも人物と背景とを十分に識別できる値に設定されている。
以下、情報処理装置20の動作について詳細に説明する。
図4は、情報処理装置20の動作を示すフローチャートである。図4に示すように、情報処理装置20は、まず、レーザレーダ10から1フレーム分の3次元極座標データ、つまり全計測点P11〜Pmnの3次元極座標データを取得する(ステップS1)。次に、情報処理装置20は、各計測点Pijの3次元極座標データをXYZ直交座標データ(3次元直交座標データ)に変換する(ステップS2)。
以下、図5を参照しながら、任意の計測点Pijの3次元極座標データをXYZ直交座標データに変換する方法を説明する。図5に示すように、計測点Pijにレーザパルスを照射した時に、監視領域Rに存在する人物にレーザパルスが反射して得られた3次元極座標データを距離Lij、垂直角θij、水平角φijとし、レーザレーダヘッド11が設置されている高さをZとすると、計測点PijのX座標P、Y座標P、Z座標Pは下記関係式(2)、(3)、(4)で表される。
=Lij・sinθij・cosφij …(2)
=Lij・sinθij・sinφij …(3)
=Z−Lij・cosθij …(4)
上関係式(4)において、人物が存在しない場合はP=0となり、この時の計測点PijのXYZ直交座標データ(P、P、P)はXY平面上の位置を示すが、人物が存在する場合の計測点PijのXYZ直交座標データ(P、P、P)は、人物の表面においてレーザパルスが照射(反射)された位置を示す。
以上のように、ステップS2において、情報処理装置20は、上記関係式(2)〜(4)に基づいて、各計測点Pijの3次元極座標データ(距離Lij、垂直角θij、水平角φij)をXYZ直交座標データ(P、P、P)に変換する。このような座標変換は、1フレーム分の全計測点P11〜Pmnのそれぞれについて行われる。
続いて、情報処理装置20は、人物候補条件を満たす計測点Pijの集合である計測点群を人物として識別する(ステップS3)。以下、図6(a)及び(b)を参照しながら、人物識別原理について説明する。図6(a)は、XYZ直交座標系におけるZY平面をX軸方向から見た図(人物の側面から見た図)である。図6(b)は、XYZ直交座標系におけるZX平面をY軸方向から見た図(人物の正面から見た図)である。
図6(a)及び(b)に示すように、人物が監視領域R内に存在する場合、人物の足から頭部にかけて人物表面の複数箇所にレーザパルスが照射されるので、人物表面におけるレーザパルスの照射位置(反射位置)に対応する計測点Pijは、Z軸方向に一定以上の高さを有する。従って、1フレーム分の全計測点P11〜Pmnのうち、Z軸方向に一定以上の高さを有する計測点Pijを抽出し、さらに、抽出した計測点Pijのうち、互いに隣接する計測点Pijをグループ化することにより、そのグループ化によって得られた計測点群を監視領域R内の人物として識別することができる。
上記の人物識別原理に基づき、情報処理装置20は、ステップS3において、まず、1フレーム分の全計測点P11〜Pmnのうち、Z座標Pが予め設定された高さ閾値以上の計測点Pijを抽出する。上記の高さ閾値は、例えば標準的な体格を有する人物の膝程度の高さに設定されている。そして、情報処理装置20は、抽出した計測点Pijのうち、互いに隣接する計測点Pijをグループ化する。
ここで、グループ化によって得られた計測点群の全てを人物として識別すると、高さ閾値以上の高さを有する物体であれば、人物以外の物体も人物として識別されることになる。そこで、情報処理装置20は、計測点群のうち、計測点数が予め設定された大きさ閾値以上の計測点群を人物として識別する。上記の大きさ閾値は、例えば標準的な体格を有する人物の大きさに相当する計測点数に設定されている。
以上のように、情報処理装置20は、ステップS3において、人物候補条件を満たす計測点群(すなわち、高さ閾値以上の高さを有する計測点Pijの集合であって、且つ、大きさ閾値以上の大きさ(計測点数)を有する計測点群)を人物として識別する。
次に、情報処理装置20は、今回フレームにおいて人物として識別された計測点群と前回フレームにおいて人物として識別された計測点群とを照合し、同一人物と推定される計測点群のペアには同一の識別IDを付与する(ステップS4)。このような処理により、監視領域R内における同一人物の追跡が可能となる。言い換えれば、情報処理装置20は、同一の識別IDが付与された今回フレームの計測点群と前回フレームの計測点群とを、同一人物として認識する。
なお、上記ステップS4において、前回フレームの計測点群と、その一定距離内に存在する今回フレームの計測点群とを同一人物と推定する手法を採用することができる。また、前回フレームの計測点群と、その予想到達領域に存在する今回フレームの計測点群とを同一人物と推定する手法を採用することもできる。前回フレームの計測点群の予想到達領域は、前回フレームを含む過去のフレームのXYZ直交座標データから算出した当該計測点群の移動方向及び移動速度に基づいて予想することができる。
また、情報処理装置20は、上記ステップS4において、前回フレームの計測点群のなかに、今回フレームの計測点群に対して同一人物と推定可能なものが存在しない場合、つまり今回フレームから初めて監視領域Rに登場した人物(計測点群)が存在する場合、その計測点群に他の計測点群と異なる新たな識別IDを付与する。
次に、情報処理装置20は、計測点群ごとに(つまり人物ごとに)、計測点群の時間的な変動態様を表す挙動パラメータとして、計測点群の計測点数の変化率(以下、計測点数変化率RT)を算出する(ステップS5)。具体的には、情報処理装置20は、ある識別IDが付与された今回フレームの計測点群の計測点数を、同一の識別IDが付与された前回フレームの計測点群の計測点数で除算することにより、上記計測点数変化率RTを算出する。
人物が激しく活動するほど(人物が暴れるほど)、人物によって反射されるレーザパルスの本数が減少する。言い換えれば、人物が激しく活動するほど、人物として識別された計測点群に含まれる計測点の数が減少する。従って、上記のような計測点数変化率RTを算出することにより、その人物(計測点群)の活動レベル(活動の激しさを表す指標)を推定することができる。
次に、情報処理装置20は、計測点群ごとに(つまり人物ごとに)、上記ステップS5で算出した計測点数変化率RTに基づいて活動レベルを設定する(ステップS6)。図7に示すように、計測点数変化率RTが0.8超1.0以下の計測点群(人物)には、活動レベルとして“LV1”が設定される。計測点数変化率RTが0.6超0.8以下の計測点群には、活動レベルとして“LV2”が設定される。計測点数変化率RTが0.4超0.6以下の計測点群には、活動レベルとして“LV3”が設定される。計測点数変化率RTが0.2超0.4以下の計測点群には、活動レベルとして“LV4”が設定される。計測点数変化率RTが0超0.2以下の計測点群には、活動レベルとして“LV5”が設定される。活動レベルの数値が高くなるほど、その計測点群(人物)がより激しく活動している(暴れている)ことになる。
次に、情報処理装置20は、計測点群ごとに(つまり人物ごとに)、数フレーム分(例えば10フレーム分)の活動レベルの平均値に基づいて、人物の挙動が予め設定された挙動類型のいずれに該当するかを判別する(ステップS7)。図8に示すように、人物の挙動類型として、例えば、異常挙動、要注意挙動及び通常挙動の3つが予め設定されている。ここで、異常挙動とは、監視領域Rに安全上の問題が発生する可能性が高く、監視員が現地に赴いて早急に対処する必要のある挙動を意味する。要注意挙動とは、安全上の問題が発生する可能性は低いが、引き続き監視する必要のある挙動を意味する。通常挙動とは、安全上の問題がない挙動を意味する。
図8に示すように、情報処理装置20は、上記ステップS7において、活動レベルの平均値が“LV4”以上“LV5”以下の人物(計測点群)の挙動を異常挙動と判別する。また、情報処理装置20は、活動レベルの平均値が“LV3”以上“LV4”未満の人物(計測点群)の挙動を要注意挙動と判別する。また、情報処理装置20は、活動レベルの平均値が“LV3”未満の人物(計測点群)の挙動を通常挙動と判別する。
以上のように、本実施形態では、レーザレーダ10の計測データ、つまりレーザパルスの反射位置(計測点Pij)の位置情報に基づいて、監視領域Rに存在する人物の挙動を解析する。監視カメラの画像に基づいて人物の挙動を解析する従来技術と比べて、レーザパルスの照射によって得られる位置情報は、天候や暗闇などのレーザレーダ10の設置環境の影響を受けない。従って、本実施形態によれば、監視環境(レーザレーダ10の設置環境)の影響を受けることなく、監視領域に存在する人物の挙動を高精度に解析することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、以下のような変形例が挙げられる。
(1)上記実施形態では、人物として識別された計測点群の時間的な変動態様を表す挙動パラメータとして、計測点群の計測点数の変化率(計測点数変化率RT)を算出する場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、計測点数変化率RT、計測点群の移動量、及び計測点群の移動速度の少なくとも1つを挙動パラメータとして算出してもよい。
より好ましくは、計測点数変化率RT、計測点群の移動量、及び計測点群の移動速度の3つ全てを挙動パラメータとして算出することがよい。これにより、人物の挙動をより細やかに解析することができる。例えば、計測点数変化率RTだけを挙動パラメータとして算出する場合、上記のように人物の活動レベルを判別することはできるが、人物が同じ位置から移動せずに活動している(暴れている)のか、或いは移動しながら暴れているのかを判別することはできない。
従って、計測点数変化率RTだけでなく、計測点群の移動量及び移動速度を挙動パラメータとして算出すれば、例えば、活動レベルの平均値が“LV4”以上“LV5”以下であっても、移動量及び移動速度が閾値以下であれば(つまり、その人物がほとんど移動せずにその場で激しく活動していれば)、その人物(計測点群)の挙動を異常挙動ではなく要注意挙動と判別する、というように、人物の挙動をより細やかに解析することができる。また、計測点数変化率RT、計測点群の移動量、及び計測点群の移動速度は、人物の頭部や腕などの部位ごとに算出してもよい。
(2)上記実施形態において、挙動解析装置1が、監視領域R内における温度分布を測定する温度測定装置(例えば赤外線カメラなど)をさらに備えていてもよい。この場合、情報処理装置20が、上記温度測定装置によって得られた温度分布の測定結果に基づいて人物の表面温度(例えば人物の頭部の表面温度)を認識し、上記の挙動パラメータ及び人物の表面温度に基づいて、人物の挙動が予め設定された挙動類型のいずれに該当するかを判別するようにしてもよい。
人物の表面温度は、その人物の興奮度を表す指標として利用することができる。従って、この変形例において、例えば、活動レベルの平均値が“LV4”以上“LV5”以下であっても、その人物の頭部の表面温度が閾値以下であれば(つまり、その人物の興奮度が低ければ)、その人物(計測点群)の挙動を異常挙動ではなく要注意挙動と判別する、というように、人物の挙動をより細やかに解析することができる。なお、人物の興奮度を表す指標として利用する表面温度は、一定時間内の平均値でもよいし、一定時間内の最高温度でもよい。
〔監視システム〕
図9は、本実施形態に係る監視システム100の構成概略図である。この図9に示すように、本実施形態に係る監視システム100は、上記の挙動解析装置1と、監視カメラ30と、画像生成装置40と、表示装置50とを備えている。挙動解析装置1は、上述したように、レーザレーダ10及び情報処理装置20を備えている。また、レーザレーダ10は、例えば空港や駅、公共施設などに設定された監視領域Rを内包するレーザ照射領域W近傍の高所に設置されたレーザレーダヘッド11と、このレーザレーダヘッド11の動作を制御するレーザ制御装置12とを備えている。このような挙動解析装置1の構成及び機能は、上記と同様なので以下での説明は省略する。
監視カメラ30は、監視領域Rの全体を撮影可能な位置に設置されており、監視領域Rを撮影して、その監視領域Rの画像を画像生成装置40へ出力する。画像生成装置40は、監視カメラ30から得られる監視領域Rの画像に、挙動解析装置1の情報処理装置20から得られる監視領域Rに存在する人物の挙動解析結果を合成して合成画像を生成する。表示装置50は、例えば監視員が常駐する監視ルームに設置されており、画像生成装置40によって生成された合成画像を表示する。
このような監視システム100において、画像生成装置40は、監視カメラ30によって撮影された監視領域R上の人物のうち、異常挙動または要注意挙動と判別された人物に対してのみ挙動解析結果が表示されるような合成画像を生成する。なお、通常挙動と判別された人物に対しては挙動解析結果を表示する必要はない。
このような監視システム100によれば、映像の目視のみによる従来の監視システムと比べて、表示装置50の表示画像に多数の人物が存在する場合であっても、監視員が不審者を見落としてしまう可能性を大幅に低減することができる。また、監視員は、表示装置50の表示画像から一目で不審者の存在を発見できるので、監視員にとって肉体的な負担が小さい。さらに、監視環境(レーザレーダ10の設置環境)の影響を受けることなく、監視領域Rに存在する人物の挙動に関する情報を正確に監視員に知らせることができる。
〔アミューズメントシステム〕
図10は、本実施形態に係るアミューズメントシステム200の構成概略図である。この図10に示すように、本実施形態に係るアミューズメントシステム200は、上記の挙動解析装置1と、複数種類の仕掛け装置60と、仕掛け制御装置70とを備えている。挙動解析装置1は、上述したように、レーザレーダ10及び情報処理装置20を備えている。また、レーザレーダ10は、例えばアトラクション施設内の利用者用通路に設定された監視領域Rを内包するレーザ照射領域W近傍の高所に設置されたレーザレーダヘッド11と、このレーザレーダヘッド11の動作を制御するレーザ制御装置12とを備えている。このような挙動解析装置1の構成及び機能は、上記と同様なので以下での説明は省略する。
複数種類の仕掛け装置60は、アトラクション施設の利用者に対して、恐怖、驚き等の感情を抱かせるための装置であり、監視領域R、つまりアトラクション施設内の利用者用通路に沿って配置されている。仕掛け制御装置70は、挙動解析装置1から得られる監視領域Rに存在する人物(利用者)の挙動解析結果に基づいて、仕掛け装置60の起動タイミング及び起動すべき仕掛け装置60の種類を制御する。
例えば、仕掛け制御装置70は、通常挙動と判別された利用者については興奮度が低いと判断し、最大限の恐怖、或いは驚きを与えるように、仕掛け装置60の起動タイミング及び起動すべき仕掛け装置60の種類を制御する。また、仕掛け制御装置70は、要注意挙動と判別された利用者については興奮度が中程度と判断し、中程度の恐怖、或いは驚きを与えるように、仕掛け装置60の起動タイミング及び起動すべき仕掛け装置60の種類を制御する。また、仕掛け制御装置70は、異常挙動と判別された利用者については興奮度が高いと判断し、これ以上の恐怖、或いは驚きを与えないように、仕掛け装置60の起動タイミング及び起動すべき仕掛け装置60の種類を制御する。
このようなアミューズメントシステム200によれば、アトラクション施設のように、明るさが十分でない環境であっても、利用者の挙動(興奮度)を正確に判断でき、その利用者の興奮度に応じて適切に仕掛け装置60を制御することが可能となる。その結果、利用者の満足度が高まり、リピーターの増加を図ることができる。
1 挙動解析装置
10 レーザレーダ
11 レーザレーダヘッド
12 レーザ制御装置
20 情報処理装置
30 監視カメラ
40 画像生成装置
50 表示装置
60 仕掛け装置
70 仕掛け制御装置
100 監視システム
200 アミューズメントシステム
R 監視領域
W レーザ照射領域

Claims (6)

  1. 監視領域を内包するレーザ照射領域にレーザ光を照射するとともに、前記レーザ照射領域に設定された複数の計測点から戻る前記レーザ光の反射光を受光することにより、前記各計測点の位置情報を得るレーザ測位装置と、
    前記レーザ測位装置によって得られた前記各計測点の前記位置情報に基づいて、前記監視領域に存在する人物の挙動を解析する情報処理装置と、
    を備えることを特徴とする挙動解析装置。
  2. 前記情報処理装置は、人物候補条件を満たす前記計測点の集合である計測点群を前記人物として識別し、前記計測点群の時間的な変動態様を表す挙動パラメータに基づいて前記人物の挙動が予め設定された挙動類型のいずれに該当するかを判別することを特徴とする請求項1に記載の挙動解析装置。
  3. 前記情報処理装置は、前記計測点群の計測点数の変化率、前記計測点群の移動量、及び前記計測点群の移動速度の少なくとも1つを前記挙動パラメータとして算出することを特徴とする請求項2に記載の挙動解析装置。
  4. 前記監視領域内における温度分布を測定する温度測定装置をさらに備え、
    前記情報処理装置は、前記温度測定装置によって得られた前記温度分布の測定結果に基づいて前記人物の表面温度を認識し、前記挙動パラメータ及び前記人物の表面温度に基づいて前記人物の挙動が予め設定された前記挙動類型のいずれに該当するかを判別することを特徴とする請求項2または3に記載の挙動解析装置。
  5. 監視領域を撮影する監視カメラと、
    前記監視領域を内包するレーザ照射領域にレーザ光を照射する前記レーザ測位装置を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の挙動解析装置と、
    前記監視カメラから得られる前記監視領域の画像に、前記挙動解析装置から得られる前記監視領域に存在する人物の挙動解析結果を合成して合成画像を生成する画像生成装置と、
    前記画像生成装置によって生成された前記合成画像を表示する表示装置と、
    を備えることを特徴とする監視システム。
  6. 監視領域に設置された複数種類の仕掛け装置と、
    前記監視領域を内包するレーザ照射領域にレーザ光を照射する前記レーザ測位装置を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の挙動解析装置と、
    前記挙動解析装置から得られる前記監視領域に存在する人物の挙動解析結果に基づいて、前記仕掛け装置の起動タイミング及び起動すべき前記仕掛け装置の種類を制御する仕掛け制御装置と、
    を備えることを特徴とするアミューズメントシステム。
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