JP5793827B2 - 下腿受け付搬送車 - Google Patents

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Description

本発明は、身体障害者及び高齢者(以下、要介護者)、特に要介護度の高い要介護者の介護入浴を行なう下腿受け付搬送車に関するものである。
従来装置の特許文献1のものは、膝立て式担架において、角度調節支持機構を、上腿支持部と下腿支持部を結合する下関節連結部の下連結軸に上端部が枢着された支持棒と、支持棒の下端部が選択的に係脱し得る掛止部を備えてフレ−ム(F)側に装設される掛止具とで構成し、支持棒の上端部および下端部に上・下操作把手を付設してあることを特徴とする膝立て式担架である。
実開平6−75466号公報
特許文献1に記載された構成では、角度調節支持機構Sが、支持棒6と、その支持棒6の下端部が選択的に係脱し得る掛止具とで構成されるので、ネジ軸を必要とした従来のものに比べると構造が著しく簡単で低廉であり、操作手数および所要時間が大幅に低減されることとなった。
しかし、特許文献1に記載された担架は、寝姿勢の入浴者の下肢を上方に屈曲させて入浴者を立て膝姿勢に変更するものであって、下肢の長い入浴者にはふくらはぎ部に空間ができたり、下肢の短い入浴者には大腿に張力が掛かったりする不都合があった。又、座姿勢或いは後傾座姿勢の入浴者に対してふくらはぎのみを支持し下肢の安定を図るものではなかった。
本発明の目的は、入浴者の身長差に関係無く入浴者の姿勢を安定に支持でき楽に入浴できる下腿受け付搬送車を提供するものである。
上記目的を実現する本発明は、搬送車1は台車2と台車2上に装備される乗座部3とから構成され、乗座部3は、背凭れ10と、座部9と、該座部9に回動可能に軸着され搬送車1側又はこれと反対側に回動できる下肢フレーム7と、下肢フレーム7に載設される下腿受け6とから構成され、下腿受け6と下肢フレーム7の間に、下腿受け6を下肢フレーム7から離間・接近可能に支持する調節機構14が設けられ、介助者は、調節機構14を調節して下腿受け6を下肢フレーム7から離間させ下腿受け6を下腿に添わせるように調節できることを特徴とする下腿受け付き搬送車である。
又、下腿受け6の先部は、下肢フレーム7に下腿受け軸25で軸支され、下腿受け6の基部は調節機構14で下肢フレーム7に係止されてなり、調節機構14は、下腿受け6に軸支されるアーム15とアーム15に設けられアーム15を下肢フレーム7に係止する固定部材38とからなり、アーム15及び固定部材38は、搬送車1の左右に設けられ、左右のアーム15又は左右の固定部材38は左右が連結されてなり、固定部材38又はアーム7の左右のいずれか一方の操作で、アーム15を下肢フレーム7に係止・解除できるものである。
更に、固定部材38とからなり、固定部材38は、アーム15を下肢フレーム7に着脱可能に係止してなり、固定部材38を離脱操作すれば、下腿受け6は下腿受け軸25を中心に回動し裏返しできる。
本発明に係る調節機構14は、下腿受け6の裏側に垂下状に軸支されるアーム15と、アーム15の下端に設けられアーム15を下肢フレーム7に係止する操作具16とからなり、介助者は、前述の係止を解除しアーム15を移動させれば、下腿受け6は下肢フレーム7に離間・当接するから、座姿勢の入浴者のふくらはぎを好適に支持できこの支持によって膝の開らきを抑制でき、入浴者を安定に支持でき、安全に楽に入浴でき、好都合である。
本発明に係る調節機構14は、下腿受け6軸支されるアーム15とアーム15に設けられアーム15を下肢フレーム7に係止する固定部材38とからなり、アーム15及び固定部材38は、搬送車1の左右に設けられ、左右のアーム15又は左右の固定部材38は左右が連結されてなるから、固定部材38又はアーム7の左右のいずれか一方の操作で、アーム15を下肢フレーム7に係止・解除でき、好都合である。
上記操作で係止を解除すれば下腿受け6の位置調節が可能であり、介助者は、片手で上記位置調節が容易に行なえ、好都合である。
本発明に係る調節機構14は、下腿受け6に軸支されるアーム15とアーム15の下端に設けられアーム15を下肢フレーム7に係止する固定部材38とからなり、固定部材38は、アーム15を下肢フレーム7に着脱可能に係止してなるから、固定部材38を離脱操作すれば、下腿受け6は下腿受け軸25を中心に回動し裏返しでき、機器の清掃時にはその作業が容易であり作業時間を短縮でき、好都合である。
本発明の実施例1の右側面図である。 本発明の実施例1の下腿受け6の右側面図である。 本発明の実施例1の固定部材を示す図である。 本発明の実施例1の連結軸を有する固定部材を示す図である。
以下、図1乃至4を参照しつつ本発明の実施例1を説明する。
下腿受け付搬送車5は、入浴者を搬送及び入浴させる搬送車1に、入浴者の下腿を支持する下腿受け6を設けたものである。搬送車1は、台車2と、台車2に載設される乗座部3とからなる。
実施例1は、チルト式分離型である。乗座部3は、乗座部フレーム28と、座部9と、背凭れ10と、下肢受け4と、チルト機構11とからなる。
下肢受け4は、下肢フレーム7と、下肢フレーム7の先部に取着されるフットレスト8と、下肢フレーム7の上部に取着され入浴者の下腿(=脹脛ほか)を受ける下腿受け6とからなる。
下肢フレーム7は4節リンクでなりその基部が座部9に前・後取付軸12・13で軸着され、これらの軸を中心に回動する。
下肢受け4は、搬送車1の正面向きに取着され、前記前・後取付軸12・13を中心に垂下位置から水平位置に回動できる。
下肢受け4は、背凭れ10を後傾させた時、下肢受け4と背凭れ10の間にリンクして設けられる縦連接棒(図示省略)に押されて、前・後取付軸12・13を中心に回動する。
下腿受け6は、先方部を下肢フレーム7に下腿受け軸25で取り付けられ、基方部を、下肢フレーム7に調節機構14で取り付けられる。
下腿受け6は、調節機構14によって突出移動が可能であり、又、下腿受け6は、固定部材38を解除した時は、下腿受け軸25を中心に、裏返し位置にまで回動可能である。
下腿受け6と下肢フレーム7の間に、下腿受け6を下肢フレーム7に離間・当接させる調節機構14が座部9に設けられる。
調節機構14は、下腿受け6の裏側の左右に垂下状に軸支されるアーム15と、アーム15の下端に設けられアーム15を下肢フレーム7に係止する固定部材38とからなる。
アーム15の取り付け位置に係る他の実施例は、アーム15を下腿受け6の左右側部に設ける。
固定部材38の具体例は、操作具16である。
下肢フレーム7にはこの下肢フレーム7の延長方向に添って長穴17が開設され、操作具16は、長穴17に規制されて長穴17の基方端部18から先方端部19の間を移動できるものである。
長穴17の基方端部18、中間凹部37、及び先方端部19では、基方端部18、中間凹部37、及び先方端部19に至った操作具16はその部位に係止され、操作具16がその部位から外れ難い構成にしている。
基方端部18、中間凹部37、及び先方端部19に、操作具16が基方端部18、中間凹部37、及び先方端部19から外出するのを困難に囲う鉤状囲い部20が形成される。
操作具16が基方端部18から外れ先方端部19へ至ると、下腿受け6の遊端側はアーム15に突き上げられて下肢フレーム7から離間する。
また、逆に操作具16が先方端部19から外れ基方端部18へ至ると、下腿受け6の遊端側はアーム15に引き下げられて下肢フレーム7に接近し当接する。
操作具16が中間凹部37へ至ると、下腿受け6の遊端側は上記離間位置と当接位置との中間に位置する。
図4に、左右の操作具16を連結軸30で連結したものを示す。
左右の操作具16を連結軸30で連結したものでは、左右の操作具16は一体化され連結軸30を中心に同時に動き、左右の操作具16のいずれかの操作部16を解除操作することにより下腿受け6の位置調節が可能となる。
尚、連結軸30は、操作具16を連結したが、左右のアーム15を連結してもよい。
固定部材38には、操作具16を支持する進退機構21が取着される。
図3に示す固定部材38は、アーム15を下肢フレーム7に着脱可能に係止してなり、固定部材38を離脱操作すれば、下腿受け6は下腿受け軸25を中心に回動し裏返しできる。
尚、図3、4に示す添え板7aは、下肢フレーム7に添着した板であり、下肢フレーム7と同等の物であり、下肢フレーム7に含まれるものとする。
進退機構21は、アーム15と操作具16にわたって設けられ、操作具16を進退可能に支持するものである。
進退機構21は、操作具16を支持する支持部22と、バネ23と、基・先ピン24a・24bとから構成される。
バネ23は、操作具16の先部が長穴17に掛かるように、操作具16を搬送車1の内方向(=長穴17の内部方向)に進入付勢するものである。基・先ピン24a・24bは、バネ23及び操作具16を支持部22に保持するものである。
介助者が、操作具16をバネ23の付勢力に抗して搬送車1の外方向へ引き出すと、操作具16の先部が長穴17から抜け出、アーム15は下肢フレーム7から外れるものである。
チルト機構11は乗座部3を後方へ回動させて後傾位置に設定するものであり、座部9の裏部に垂下状に取着される支持片27と、支持片27を乗座部フレーム28に軸支する支軸(図示省略)と、乗座部3を腰掛位置と後傾位置とのいずれかに固定・解除するロック具29とを有する。
乗座部3は、座部9の下方部に設けられる前記支軸を中心に後方へ回動する。乗座部3の後傾動に連動して下肢受け4が回動し上方へ移動する。この上方移動で乗座部3上の入浴者は長座位の後傾姿勢になる。
又、チルト機構11とは別に、座部9に対して背凭れ10の角度を広げ、背凭れ10を後傾させるリクライニング機構(図示省略)が設けられる。
座部9は、座部フレーム32と、座部カバー33とからなる。
座部カバー33の基部は座部軸34で座部フレーム32に軸支され、座部フレーム32には掛レバー31が回動可能に設けられる。座部カバー33には掛レバー31が掛る受片35が取着される。
座部掛止具36は、座部カバー33が座部フレーム32に当接載置されている時、受片35に掛レバー31を掛けて座部カバー33を固定するものである。
掛レバー31を移動させて受片35から外し固定機能を解除すれば、座部カバー33は座部軸34を中心に回動可能である。前記解除下で、座部カバー33の先部を持ち上げれば、座部カバー33は、座部フレーム32に当接した位置から起立した位置へ移動可能となる。
入浴の際、搬送車1に入浴者を乗せ、搬送車1をチルト機構11を操作して上記後傾位置に設定する。前記リクライニング機構を操作すれば背凭れ10を更に後傾できる。
入浴者は乗座部3に腰掛けた後、長座位の後傾姿勢になる。後傾姿勢時に、入浴者のふくらはぎと下腿受け6の間に空間があった場合には、下腿受け6を調節機構14によって前方の斜め上方へ突出させ、下腿受け6をふくらはぎに添わせ、下腿を支持する。
その際、固定部材38の操作によって、係止、解除し位置を調節する。介助者は、先ず、固定部材38の具体例の操作具16を持ってこれを長穴17通路の鉤状囲い部20を通過させ、基方端部18から出す。操作具16の基方端部18への係止を解除する。
次に、介助者は操作具16を掴んで、長穴17通路を移動させ、基方端部18から中間凹部37又は先方端部19へ移動させる。
前記移動により、アーム15が下腿受け6を突き上げ、下腿受け6は下肢フレーム7から離間移動し、下腿受け6は下腿に当接し下腿を支持をする。
操作具16は、下肢フレーム7の長穴17の基方端部18、中間凹部37、又は先方端部19のいずれかに移動させる。
下腿受け6が浮力その他の作用を受けたとき、操作具16に力が掛かる。しかし、鉤状囲い部20が操作具16の移動を阻止し、操作具16は容易には基方端部18、中間凹部37、又は先方端部19から、自然に外れるということはない。介助者の解除動作によらないで自然に又は水の作用で操作具16が基・中間・先方・18・37・19から外の長穴17の通路部分26に出ることはない。
操作具16が基方端部18、中間凹部37、又は先方端部19から自然に外出しないから、浮力等によって不本意に下腿受け6が移動することがなく、安全に確実に下腿受け6を支持でき、好都合である。
左右の操作具16は一体的に動くので、調節操作の際は、左右の操作具16のいずれか1つをもって操作すればよい。
図示を省略するが、搬送車1を前方へ移動させて、扉(図示省略)を開放した扉付き浴槽(図示省略)へ押し込む。この時、乗座部3と台車2が分離し、乗座部3は前記扉付き浴槽内に入り、台車2は前記扉付き浴槽下方外部の空間へ進入する。前記扉を閉め、前記浴槽に湯を入れ、入浴する。
下腿受け6を清掃する際などには、介助者は固定部材38の固定機能を解除し、アーム15を下肢フレーム7から離脱させて、下腿受け6を上へめくる。
即ち、先ず、介助者は両手で左右の操作具16を掴んで、そのままの状態で両腕を広げ、バネ力に抗して搬送車1の外方向へ引く。操作具16の先部を支持部22内へ引っ込め長穴17から抜く。
操作具16の先部を長穴17から抜くと、操作具16の係止は解除され、操作具16は移動自在になる。
アーム15も移動自在になり、下腿受け6も下腿受け軸25を中心に回動自在になる。
次に、下腿受け6の基部(=遊端側)を持ち上げ、下腿受け軸25を中心にしてまわし、裏返しにする。下腿受け6を転覆状態にしておいてその裏面を掃除する。
上記構成、作用によれば、下腿受け軸25を中心にして裏返しすることが容易にでき、清掃を容易に行なえる。
次に、座部9に付いて述べる。
介助者は、掛レバー31を回動させて受片35から外す。次に、座部カバー33の先部を持ち上げ、まわす。座部カバー33を、座部フレーム32に当接した位置から起立した位置へ移動し、座部カバー33の裏面を掃除する。搬送車1の修理時にも座部カバー33をはぐることがある。掃除する時、座部カバー33を起立位置にすれば、清掃が容易に行なえる。
実施例2は、実施例1の長穴17を、基穴18a・先穴19aの代えたものである。
下肢フレーム7にはこの下肢フレーム7の延長方向と直角の方向(=幅方向)に、間隔をもって、一方部に基穴18aと、他方部に先穴19aとが開けられる。
他の実施例では、基穴18a及び先穴19aを共に囲うC字形ガイドを設けてもよい。
操作具16は、進退移動可能にアーム15の先部に設けられる。
操作具16を基穴18aに止めると下腿受け6は下肢フレーム7に当接し、操作具16を先穴19aに止めると下腿受け6は下肢フレーム7から離間するものである。
介助者は、操作具16を、基穴18a・先穴19aのいずれかを選択し、下腿受け6の位置を調節したうえ掛止し、下腿受け6を入浴者に好適な位置に固定する。操作具16を、両穴から外せば、下腿受け6を裏返しにできる。
介助者は、操作具16を止める穴を選択し掛止して下腿受け6の位置を調節するものであるから、簡素な構成をもって確実に操作具16を止め下腿受け6を当接・離間位置に確実に設定できる。
本発明は、身体障害者及び高齢者(以下、要介護者)、特に要介護度の高い要介護者の介護入浴を行なう下腿受け付搬送車5に適用できる。
又、本発明は、入浴者の姿勢を安定に支持でき楽に入浴できる下腿受け付搬送車5に適用できる。
更に、介助者は、下腿受け6を下肢フレーム7に離間・当接できることを特徴とする下腿受け付搬送車5に適用できる。
1 搬送車
2 台車
3 乗座部
5 下腿受け付搬送車
6 下腿受け
7 下肢フレーム
8 フットレスト
9 座部
10 背凭れ
14 調節機構
15 アーム
16 操作軸
17 長穴
18 基方端部
18a 基穴
19 先方端部
19a 先穴
21 進退機構
22 支持部
25 下腿受け軸
30 中間凹部
38 固定部材

Claims (3)

  1. 搬送車1は台車2と台車2上に装備される乗座部3とから構成され、乗座部3は、背凭れ10と、座部9と、該座部9に回動可能に軸着され搬送車1側又はこれと反対側に回動できる下肢フレーム7と、下肢フレーム7に載設される下腿受け6とから構成され、下腿受け6と下肢フレーム7の間に、下腿受け6を下肢フレーム7から離間・接近可能に支持する調節機構14が設けられ、
    介助者は、調節機構14を調節して下腿受け6を下肢フレーム7から離間させ下腿受け6を下腿に添わせるように調節できることを特徴とする下腿受け付き搬送車。
  2. 下腿受け6の先部は、下肢フレーム7に下腿受け軸25で軸支され、下腿受け6の基部は調節機構14で下肢フレーム7に係止されてなり、調節機構14は、下腿受け6に軸支されるアーム15とアーム15に設けられアーム15を下肢フレーム7に係止する固定部材38とからなり、アーム15及び固定部材38は、搬送車1の左右に設けられ、左右のアーム15又は左右の固定部材38は左右が連結されてなり、
    固定部材38又はアーム7の左右のいずれか一方の操作で、アーム15を下肢フレーム7に係止・解除できるものであることを特徴とする請求項1記載の下腿受け付搬送車。
  3. 定部材38とからなり、固定部材38は、アーム15を下肢フレーム7に着脱可能に係止してなり、
    固定部材38を離脱操作すれば、下腿受け6は下腿受け軸25を中心に回動し裏返しできることを特徴とする請求項2記載の下腿受け付搬送車。
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