一実施形態では、NRBAは、エストロゲン受容体活性に影響を及ぼす化合物を指す。一実施形態では、NRBAは、エストロゲン受容体のアゴニストとして、または他の実施形態では、アンタゴニストとして、または他の実施形態では、部分アゴニストとして、または他の実施形態では、部分アンタゴニストとして活性を示す。
一部の実施形態では、NRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERMまたはER−βSERMまたはER−β選択的SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ER−β)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ER−β)アンタゴニストである。
一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−βに対して選択的である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−αと交差反応しない。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、10μMの濃度までER−αと交差反応しない。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、1μMの濃度までER−αと交差反応しない。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−αと比較して少なくとも5倍の選択率でER−βに結合する。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−αと比較して少なくとも10倍の選択率でER−βに結合する。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−αと比較して少なくとも50倍の選択率でER−βに結合する。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−αと比較してほぼ100倍の選択率でER−βに結合する。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、β−SERMアゴニストである。
一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−βに対してアゴニストとして機能する。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−βに対してアンタゴニストとして機能する。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−αに対してアゴニストとして機能する。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−αに対してアンタゴニストとして機能する。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−βおよびER−αの両方に対してアゴニストとして機能する。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−βおよびER−αの両方に対してアゴニストとして機能し、ER−βに対して少なくとも5倍の選択性を有する。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−βおよびER−αの両方に対してアゴニストとして機能し、ER−βに対して少なくとも10倍の選択性を有する。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、ER−βおよびER−αの両方に対してアゴニストとして機能し、ER−βに対して少なくとも20〜30倍の選択性、10nM未満のEC50を有する。
一実施形態では、NRBAは、その効果をエストロゲン受容体(例えばER−α、ER−βまたはERR)に対して組織依存的に発揮する。一部の実施形態では、本発明のNRBAは、一部の組織(例えば骨、脳および/または心臓)ではエストロゲン受容体アゴニストとして、かつ他の組織種、例えば乳房および/または子宮内膜ではアンタゴニストとして作用し得る。
一実施形態では、本発明のNRBAは、当分野で知られているとおり、または他の実施形態では本明細書に記載されているとおりERαおよび/またはERβトランス活性化アッセイを使用して決定して、ERαおよび/またはERβに関して約10μMまでのIC50またはEC50を有する。一部の実施形態では、NRBAは、約5μMまたは約5μM未満のEC50またはIC50値(それぞれアゴニストまたはアンタゴニストとして)を示す。代表的な本発明の化合物は、エストロゲン受容体に対してアゴニストまたはアンタゴニスト活性を示すことが発見された。本発明の化合物は、ERαおよび/またはERβトランス活性化アッセイで測定して、一部の実施形態では、ERαおよび/またはERβに関して約5μMもしくは約5μM未満または一部の実施形態では、約500nMまで、または他の実施形態では、約50nMまで、または他の実施形態では、約10nMまで、または他の実施形態では、約1nMまでのアンタゴニストまたはアゴニストIC50またはEC50を示す。
「IC50」という用語は、一部の実施形態では、標的(例えばERα、ERβ)の活性を最大レベルの半分まで低下させるNRBAの濃度を指す。
「EC50」という用語は、一部の実施形態では、最大効果の半分をもたらすNRBAの濃度を指す。
本発明の一部の実施形態では、本発明の化合物はビスフェノール系薬剤である。本発明の一部の実施形態では、本発明の化合物はモノフェノール系薬剤または非フェノール系薬剤である。本発明の一部の実施形態では、本発明の化合物は置換イソキノリンである。本発明の一部の実施形態では、本発明の化合物は置換イソキノリノンである。本発明の一部の実施形態では、本発明の化合物は置換ジヒドロイソキノリノンである。本発明の一部の実施形態では、NRBAはER−βについて選択性を有する。本発明の一部の実施形態では、NRBAはER−βのアゴニストである。本発明の一部の実施形態では、NRBAはER−βの部分アゴニストである。本発明の一部の実施形態では、NRBAはER−βのアンタゴニストである。
本発明の一部の実施形態では、NRBAは抗酸化活性を有する。一部の実施形態では、抗酸化活性は核内受容体結合活性から独立している。一部の実施形態では、本発明のNRBAは細胞内で非遺伝性シグナル伝達を示す。一部の実施形態では、本発明のNRBAはミドコンドリアシグナル伝達を示す。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式Iで表されるNRBA、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを提供する。
Aは、5〜14員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の炭素環式環または複素環式環(任意選択で縮合環系である)あるいはそれらの組み合わせであり、前記飽和もしくは不飽和の炭素環式環または複素環式環は、任意選択で、R3またはOR´´から互いに独立的に選択される1〜5個の置換基によって置換され;かつXはOまたはSあり;あるいは
Aは存在せず、Nは環式炭素と二重結合を形成しており、かつXはOHまたはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
R1、R2およびR3は、互いに独立的に、水素、アルデヒド、COOH、−C(=NH)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、CH=CHCO2R、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
Rは、アルキル、水素、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、ヘテロアリール、フェニル、ベンジル、−Ph−CF3、−Ph−CH2F、−Ph−CHF2、−Ph−CF2CF3、ハロゲン、アルケニル、CN、NO2、またはOHであり;
R´は、水素、Alk、またはCORであり;
R´´は、水素、Alk、またはCORであり;
R4およびR5は、互いに独立的に、水素、フェニル、ベンジル、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3〜7員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり;
Zは、O、NH、CH2、または
であり;
Qは、SO3H、CO2H、CO2R、NO2、テトラゾール、SO2NH2、またはSO2NHRであり;
nは、1〜3の整数であり;
mは、1〜2の整数であり;
Alkは、炭素数1〜7個の直鎖アルキル、炭素数1〜7個の分鎖アルキル、または炭素数3〜8個の環式アルキルである。
一部の実施形態では、式IのNRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
一実施形態では、NRBAは、下記の構造式Iで表される。
A、X、R1、R2、R´、nおよびmは上記のとおりである。
Xがオキソであり、かつAがフェニルである場合、Aは、
NHCORおよびハロゲンで置換されず、さらなる置換基を有さない、あるいは
NHCORおよびアルキルで置換されず、さらなる置換基を有さない。
一実施形態では、Aは、
である。
pは、1〜4の整数であり;
R´´は、水素、Alk、またはCORであり;
R3は、水素、アルデヒド、COOH、C(=N)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環である。
式Iの化合物の一実施形態では、Aは存在せず、Nは環式炭素と二重結合を形成していて、XはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は3〜7員のヘテロシクロアルキルである。一実施形態では、XがOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は、置換もしくは非置換ピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンである。他の実施形態では、R1、R2、R3が互いに独立的にZ−Alk−複素環またはOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、R4およびR5が互いに独立的に、3〜7員のヘテロシクロアルキルである場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、いずれの複素環も、任意選択で、ハロゲン、シアノ、ニトロ、COOH、COOR、NHCOR、ヒドロキシル、アミン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルアミノ、N,Nジアルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシまたはハロアルコキシを含む1個または複数の置換基によって置換され、ここで、Rは、式Iについて定義したとおりである。
式Iの化合物の他の実施形態では、R2はハロゲンである。他の実施形態では、R2はブロミドである。他の実施形態では、R2はクロリドである。他の実施形態では、R2はフルオリドである。他の実施形態では、R2はヨージドである。他の実施形態では、R2は水素である。他の実施形態では、R2はシアノである。他の実施形態では、R2はフェニルである。他の実施形態では、R2は−CH=CHである。他の実施形態では、R2は−CH=CH−CH3である。他の実施形態では、R2は−CH=CH−COOEtである。他の実施形態では、R1は、ヒドロキシル基である。他の実施形態では、R1はO−(CO)−Ph−CF3である。他の実施形態では、R1はCOOHである。他の実施形態では、R1はCOOMeである。他の実施形態では、R1は水素である。他の実施形態では、R1はヒドロキシル基であり、nは1である。他の実施形態では、R1は、イソキノリノン基の8位に位置している。他の実施形態では、R3はハロゲンである。他の実施形態では、R3はフルオリドである。他の実施形態では、R3はクロリドである。他の実施形態では、R3はブロミドである。他の実施形態では、R3はヨージドである。他の実施形態では、R3は水素である。他の実施形態では、R´はHである。他の実施形態では、R´はメチル基である。他の実施形態では、R´はCOMe基である。他の実施形態では、R´´はHである。他の実施形態では、R´´はメチル基である。他の実施形態では、R´´はCOMe基である。
他の実施形態では、本発明は、下記の構造式IIで表されるNRBA、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを提供する。
Aは、5〜14員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の炭素環式環または複素環式環(任意選択で縮合環系である)あるいはそれらの組み合わせであり;飽和もしくは不飽和の炭素環式環または複素環式環は、任意選択で、R3またはOR´´から互いに独立的に選択される1〜5個の置換基によって置換され;かつXはOまたはSあり;あるいは
Aは存在せず、Nは環式炭素と二重結合を形成しており、かつXはOHまたはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
R1、R2、R3は、互いに独立的に、水素、アルデヒド、COOH、−C(=NH)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、CH=CHCO2R、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
Rは、アルキル、水素、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ベンジル、−Ph−CF3、−Ph−CH2F、−Ph−CHF2、−Ph−CF2CF3、ハロゲン、アルケニル、CN、NO2、またはOHであり;
R´は水素、Alk、またはCORであり;
R´´は水素、Alk、またはCORであり;
R4およびR5は、互いに独立的に、水素、フェニル、ベンジル、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3〜7員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり;
Zは、O、NH、CH2、または
であり;
Qは、SO3H、CO2H、CO2R、NO2、テトラゾール、SO2NH2、またはSO2NHRであり;
nは、1〜3の整数であり;
mは、1〜2の整数であり;
pは、1〜4の整数であり;
Alkは、炭素数1〜7個の直鎖アルキル、炭素数1〜7個の分鎖アルキル、または炭素数3〜8個の環式アルキルである。
一部の実施形態では、式IIのNRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
他の実施形態では、本発明は、下記の構造式IIで表されるNRBA、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを提供する。
A、X、R1、R2、R´、nおよびmは上記のとおりである。
Xがオキソであり、かつAがフェニルである場合、Aは、
NHCORおよびハロゲンで置換されず、さらなる置換基を有さない、あるいは
NHCORおよびアルキルで置換されず、さらなる置換基を有さない。
一実施形態では、Aは、
である。
pは、1〜4の整数であり;
R´´は水素、Alk、またはCORであり;
R3は水素、アルデヒド、COOH、C(=N)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環である。
式IIの化合物の一実施形態では、Aは存在せず、Nは環式炭素と二重結合を形成しており、XはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は3〜7員のヘテロシクロアルキルである。一実施形態では、XがOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンである。他の実施形態では、R1、R2、R3が互いに独立的にZ−Alk−複素環またはOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、R4およびR5が互いに独立的に3〜7員のヘテロシクロアルキルである場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、いずれの複素環も、任意にハロゲン、シアノ、ニトロ、COOH、COOR、NHCOR、ヒドロキシル、アミン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルアミノ、N,Nジアルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシまたはハロアルコキシを含む1個または複数の置換基によって置換され、ここで、Rは、式IIについて定義したとおりである。
式IIの化合物の他の実施形態では、R2はハロゲンである。他の実施形態では、R2はブロミドである。他の実施形態では、R2はクロリドである。他の実施形態では、R2はフルオリドである。他の実施形態では、R2はヨージドである。他の実施形態では、R2は水素である。他の実施形態では、R2はシアノである。他の実施形態では、R2はフェニルである。他の実施形態では、R2は−CH=CH−CH3である。他の実施形態では、R2は−CH=CH2である。他の実施形態では、R2は−CH=CH−COOEtである。他の実施形態では、R1はO−(CO)−Ph−CF3である。他の実施形態では、R1はCOOHである。他の実施形態では、R1はCOOMeである。他の実施形態では、R1はヒドロキシル基である。他の実施形態では、R1は水素である。他の実施形態では、R1はヒドロキシル基であり、かつnは1である。他の実施形態では、R1はイソキノリン基の8位にある。他の実施形態では、R3はハロゲンである。他の実施形態では、R3はフルオリドである。他の実施形態では、R3はクロリドである。他の実施形態では、R3はブロミドである。他の実施形態では、R3はヨージドである。他の実施形態では、R3は水素である。他の実施形態では、R´はHである。他の実施形態では、R´はメチル基である。他の実施形態では、R´はCOMe基である。他の実施形態では、R´´はHである。他の実施形態では、R´´はメチル基である。他の実施形態では、R´´はCOMe基である。
他の実施形態では、本発明は、下記の構造式IIIで表されるNRBA、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを提供する。
Aは、5〜14員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の炭素環式環または複素環式環(任意選択で縮合環系である)あるいはそれらの組み合わせであり;前記飽和もしくは不飽和の炭素環式環または複素環式環は、任意選択で、R3またはOR´´から互いに独立的に選択される1〜5個の置換基によって置換され;かつXはOまたはSであり;あるいは
Aは存在せず、Nは環式炭素と二重結合を形成しており、かつXはOHまたはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
R1、R2、R3、R9、R10、R11は、水素、アルデヒド、COOH、−C(=NH)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、CH=CHCO2R、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環から互いに独立的に選択され、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
Rは、アルキル、水素、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ベンジル、−Ph−CF3、−Ph−CH2F、−Ph−CHF2、−Ph−CF2CF3、ハロゲン、アルケニル、CN、NO2、またはOHであり;
R´は、水素、Alk、またはCORであり;
R´´は、水素、Alk、またはCORであり
R4およびR5は、互いに独立的に、水素、フェニル、ベンジル、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3〜7員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり;
Zは、O、NH、CH2、または
であり;
Qは、SO3H、CO2H、CO2R、NO2、テトラゾール、SO2NH2、またはSO2NHRであり;かつ
Alkは、炭素数1〜7個の直鎖アルキル、炭素数1〜7個の分鎖アルキル、または炭素数3〜8個の環式アルキルである。
Aがフェニルであり、Xがオキソ基であり、かつR10がベンゼン環である場合、
Rが水素またはエステルであれば、R9はCOORではなく、
R4およびR5が上記のとおりであれば、R9はCONR4R5ではない。
一部の実施形態では、式IIIのNRBAは、エストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、選択的エストロゲン受容体β調節薬である(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
他の実施形態では、本発明は、下記の構造式IIIで表されるNRBA、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを提供する。
A、X、R1、R2、R9、R10、R11およびR´は上記のとおりである。
Xがオキソであり、かつAがフェニルである場合、Aは:
NHCORおよびハロゲンで置換されず、さらなる置換基を有さない、あるいは
NHCORおよびアルキルで置換されず、さらなる置換基を有さない。
一実施形態では、Aは、
である。
R3、R6、R7、R8は、水素、アルデヒド、COOH、−C(=NH)−OH CHNOH、CH=CHCO2H、CH=CHCO2R−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環から互いに独立的に選択され、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
R´´は、水素、Alk、またはCORである。
他の実施形態では、Aは、
である。
Xがオキソ基であり、かつR10がベンゼン環である場合、Rがエステル残基またはCONR4R5であれば、R9はCOORではない。式IIIの化合物の一実施形態では、Aは存在せず、Nは環式炭素と二重結合を形成しており、かつXはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は3〜7員のヘテロシクロアルキルである。一実施形態では、XがOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンである。他の実施形態では、R1、R2、R3は、互いに独立的に、Z−Alk−複素環であるか、または他の実施形態では、OCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、R4およびR5が互いに独立的に3〜7員のヘテロシクロアルキルである場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、任意の複素環が、任意にハロゲン、シアノ、ニトロ、COOH、COOR、NHCOR、ヒドロキシル、アミン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルアミノ、N,Nジアルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシまたはハロアルコキシを含む1個または複数の置換基によって置換され、ここで、Rは、式IIIについて定義したとおりである。
式IIIの化合物の他の実施形態では、R10はハロゲンである。他の実施形態では、R10はブロミドである。他の実施形態では、R10はクロリドである。他の実施形態では、R10はフルオリドである。他の実施形態では、R10はヨージドである。他の実施形態では、R10は水素である。他の実施形態では、R10はシアノである。他の実施形態では、R10はフェニルである。他の実施形態では、R10は−CH=CH−CH3である。他の実施形態では、R10は−CH=CH2である。他の実施形態では、R10は−CH=CH−COOEtである。他の実施形態では、R2はヒドロキシル基である。他の実施形態では、R2は水素である。他の実施形態では、R2はO−(CO)−Ph−CF3である。他の実施形態では、R2はCOOHである。他の実施形態では、R2はCOOMeである。他の実施形態では、R7はハロゲンである。他の実施形態では、R7はフルオリドである。他の実施形態では、R7はクロリドである。他の実施形態では、R7はブロミドである。他の実施形態では、R7はヨージドである。他の実施形態では、R3、R6、R7およびR8は水素である。他の実施形態では、R´はHである。他の実施形態では、R´はメチル基である。他の実施形態では、R´はCOMeである。他の実施形態では、R´´はHである。他の実施形態では、R´´はメチル基である。他の実施形態では、R´´はCOMeである。他の実施形態では、R1、R3、R6、R7、R8、R9およびR11は水素である。
一実施形態では、式Iの化合物は、下記の構造式IVで表される。
R1、R2、R3は、互いに独立的に、水素、アルデヒド、COOH、−C(=NH)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、CH=CHCO2R、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
Rは、アルキル、水素、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ベンジル、−Ph−CF3、−Ph−CH2F、−Ph−CHF2、−Ph−CF2CF3、ハロゲン、アルケニル、CN、NO2、またはOHであり;
R´は、水素、Alk、またはCORであり;
R´´は、水素、Alk、またはCORであり;
R4およびR5は、互いに独立的に、水素、フェニル、ベンジル、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3〜7員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり;
Zは、O、NH、CH2、または
であり;
Qは、SO3H、CO2H、CO2R、NO2、テトラゾール、SO2NH2、またはSO2NHRであり;
nは、1〜3の整数であり;
mは、1〜2の整数であり;
pは、1〜4の整数であり;
Alkは、炭素数1〜7個の直鎖アルキル、炭素数1〜7個の分鎖アルキル、または炭素数3〜8個の環式アルキルである。
一部の実施形態では、式IVのNRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
式IVの化合物の他の実施形態では、R2はハロゲンである。他の実施形態では、R2はブロミドである。他の実施形態では、R2はクロリドである。他の実施形態では、R2はフルオリドである。他の実施形態では、R2はヨージドである。他の実施形態では、R2は水素である。他の実施形態では、R2はシアノである。他の実施形態では、R2はフェニルである。他の実施形態では、R2は−CH=CH−CH3である。他の実施形態では、R2は−CH=CH2である。他の実施形態では、R2は−CH=CH−COOEtである。他の実施形態では、R1はO−(CO)−Ph−CF3である。他の実施形態では、R1はCOOHである。他の実施形態では、R1はCOOMeである。他の実施形態では、R1はヒドロキシル基である。他の実施形態では、R1は水素である。他の実施形態では、R3はハロゲンである。他の実施形態では、R3はフルオリドである。他の実施形態では、R3はクロリドである。他の実施形態では、R3はブロミドである。他の実施形態では、R3はヨージドである。他の実施形態では、R3は水素である。他の実施形態では、R´はHである。他の実施形態では、R´はメチル基である。他の実施形態では、R´はCOMeである。他の実施形態では、R´´はHである。他の実施形態では、R´´はメチル基である。他の実施形態では、R´´はCOMeである。他の実施形態では、R1、R2、R3が互いに独立的にZ−Alk−複素環またはOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、R4およびR5が互いに独立的に3〜7員のヘテロシクロアルキルである場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、複素環は、任意選択で、ハロゲン、シアノ、ニトロ、COOH、COOR、NHCOR、ヒドロキシル、アミン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルアミノ、N,Nジアルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシまたはハロアルコキシを含む1個または複数の置換基によって置換され、ここで、Rは、式IVについて定義したとおりである。
他の実施形態では、式IIの化合物は、下記の構造式Vで表される。
R1、R2、R3は、互いに独立的に、水素、アルデヒド、COOH、−C(=NH)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、CH=CHCO2R、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
Rは、アルキル、水素、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ベンジル、−Ph−CF3、−Ph−CH2F、−Ph−CHF2、−Ph−CF2CF3、ハロゲン、アルケニル、CN、NO2、またはOHであり;
R´は、水素、Alk、またはCORであり;
R´´は、水素、Alk、またはCORであり;
R4およびR5は、互いに独立的に、水素、フェニル、ベンジル、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3〜7員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり;
Zは、O、NH、CH2、または
であり;
Qは、SO3H、CO2H、CO2R、NO2、テトラゾール、SO2NH2、またはSO2NHRであり;
nは、1〜3の整数であり;
mは、1〜2の整数であり;
pは、1〜4の整数であり;
Alkは、炭素数1〜7個の直鎖アルキル、炭素数1〜7個の分鎖アルキル、または炭素数3〜8個の環式アルキルである。
一部の実施形態では、式VのNRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
式Vの化合物の他の実施形態では、R2はハロゲンである。他の実施形態では、R2はブロミドである。他の実施形態では、R2はクロリドである。他の実施形態では、R2はフルオリドである。他の実施形態では、R2はヨージドである。他の実施形態では、R2は水素である。他の実施形態では、R2はシアノである。他の実施形態では、R2はフェニルである。他の実施形態では、R2は−CH=CH−CH3である。他の実施形態では、R2は−CH=CH2である。他の実施形態では、R2は−CH=CH−COOEtである。他の実施形態では、R1はO−(CO)−Ph−CF3である。他の実施形態では、R1はCOOHである。他の実施形態では、R1はCOOMeである。他の実施形態では、R1はヒドロキシル基である。他の実施形態では、R1は水素である。他の実施形態では、R3はハロゲンである。他の実施形態では、R3はフルオリドである。他の実施形態では、R3はクロリドである。他の実施形態では、R3はブロミドである。他の実施形態では、R3はヨージドである。他の実施形態では、R3は水素である。他の実施形態では、R´はHである。他の実施形態では、R´はメチル基である。他の実施形態では、R´はCOMe基である。他の実施形態では、R´´はHである。他の実施形態では、R´´はメチル基である。他の実施形態では、R´´はCOMeである。他の実施形態では、R1、R2、R3が互いに独立的にZ−Alk−複素環であるか、または他の実施形態では、OCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、R4およびR5が互いに独立的に3〜7員のヘテロシクロアルキルである場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、任意の複素環が、任意にハロゲン、シアノ、ニトロ、COOH、COOR、NHCOR、ヒドロキシル、アミン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルアミノ、N,Nジアルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシまたはハロアルコキシを含む1個または複数の置換基によって置換され;かつRは、式Vについて定義したとおりである。
他の実施形態では、式IIIの化合物は、下記の構造式VIで表される。
R1、R2、R3、R6、R7、R8、R9、R10、R11は、水素、アルデヒド、COOH、−C(=NH)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、CH=CHCO2R、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環から互いに独立的に選択され、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
R´は、水素、Alk、またはCORであり;
R´´は、水素、Alk、またはCORであり;
R4およびR5は、互いに独立的に、水素、フェニル、ベンジル、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3〜7員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり;
Zは、O、NH、CH2、または
であり;
Qは、SO3H、CO2H、CO2R、NO2、テトラゾール、SO2NH2、またはSO2NHRであり;
Rは、アルキル、水素、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ベンジル、−Ph−CF3、−Ph−CH2F、−Ph−CHF2、−Ph−CF2CF3、ハロゲン、アルケニル、CN、NO2、またはOHであり、かつ;
Alkは、炭素数1〜7個の直鎖アルキル、炭素数1〜7個の分鎖アルキル、または炭素数3〜8個の環式アルキルである。
R10がベンゼン環である場合、
Rが水素またはエステル残基であれば、R9はCOORではなく、
R4およびR5が上記のとおりであれば、R9はCONR4R5ではない。
一部の実施形態では、式VIのNRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
式VIの化合物の他の実施形態では、R10はハロゲンである。他の実施形態では、R10はブロミドである。他の実施形態では、R10はクロリドである。他の実施形態では、R2はフルオリドである。他の実施形態では、R10はヨージドである。他の実施形態では、R10は水素である。他の実施形態では、R10はシアノである。他の実施形態では、R10はフェニルである。他の実施形態では、R10は−CH=CH−CH3である。他の実施形態では、R10は−CH=CH2である。他の実施形態では、R10は−CH=CH−COOEtである。他の実施形態では、R2はヒドロキシル基である。他の実施形態では、R2は水素である。他の実施形態では、R2はO−(CO)−Ph−CF3である。他の実施形態では、R2はCOOHである。他の実施形態では、R2はCOOMeである。他の実施形態では、R7はハロゲンである。他の実施形態では、R7はフルオリドである。他の実施形態では、R7はクロリドである。他の実施形態では、R7はブロミドである。他の実施形態では、R7はヨージドである。他の実施形態では、R3、R6、R7およびR8は水素である。他の実施形態では、R´はHである。他の実施形態では、R´はメチル基である。他の実施形態では、R´はCOMeである。他の実施形態では、R´´はHである。他の実施形態では、R´´はメチル基である。他の実施形態では、R´´はCOMeである。他の実施形態では、R1、R3、R6、R7、R8、R9およびR11は水素である。他の実施形態では、R1、R2、R3、R6、R7、R8、R9、R10、R11が互いに独立的にZ−Alk−複素環またはOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、R4およびR5が互いに独立的に3〜7員のヘテロシクロアルキルである場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、任意の複素環は、任意選択で、ハロゲン、シアノ、ニトロ、COOH、COOR、NHCOR、ヒドロキシル、アミン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルアミノ、N,Nジアルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシまたはハロアルコキシを含む1個または複数の置換基によって置換され、ここで、Rは、式VIについて定義したとおりである。
一実施形態では、式Iの化合物は、下記の構造式VIIで表される。
R1、R2、R3は、互いに独立的に、水素、アルデヒド、COOH、−C(=NH)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、CH=CHCO2R、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
R´は、水素、Alk、またはCORであり;
R´´は、水素、Alk、またはCORであり;
R4およびR5は、互いに独立的に、水素、フェニル、ベンジル、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3〜7員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり;
Zは、O、NH、CH2、または
であり;
Qは、SO3H、CO2H、CO2R、NO2、テトラゾール、SO2NH2、またはSO2NHRであり;
Rは、アルキル、水素、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ベンジル、−Ph−CF3、−Ph−CH2F、−Ph−CHF2、−Ph−CF2CF3、ハロゲン、アルケニル、CN、NO2、またはOHであり;
nは、1〜3の整数であり;
mは、1〜2の整数であり;
pは、1〜4の整数であり;
Alkは、炭素数1〜7個の直鎖アルキル、炭素数1〜7個の分鎖アルキル、または炭素数3〜8個の環式アルキルである。
一部の実施形態では、式VIIのNRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
式VIIの化合物の他の実施形態では、R2はハロゲンである。他の実施形態では、R2はブロミドである。他の実施形態では、R2はクロリドである。他の実施形態では、R2はフルオリドである。他の実施形態では、R2はヨージドである。他の実施形態では、R2は水素である。他の実施形態では、R2はシアノである。他の実施形態では、R2はフェニルである。他の実施形態では、R2は−CH=CH−CH3である。他の実施形態では、R2は−CH=CH2である。他の実施形態では、R2は−CH=CH−COOEtである。他の実施形態では、R1はO−(CO)−Ph−CF3である。他の実施形態では、R1はCOOHである。他の実施形態では、R1はCOOMeである。他の実施形態では、R1はヒドロキシル基である。他の実施形態では、R1は水素である。他の実施形態では、R3はハロゲンである。他の実施形態では、R3はフルオリドである。他の実施形態では、R3はクロリドである。他の実施形態では、R3はブロミドである。他の実施形態では、R3はヨージドである。他の実施形態では、R3は水素である。他の実施形態では、R´はHである。他の実施形態では、R´はメチル基である。他の実施形態では、R´はCOMeである。他の実施形態では、R´´はHである。他の実施形態では、R´´はメチル基である。他の実施形態では、R´´はCOMeである。他の実施形態では、R1、R2、R3が互いに独立的にZ−Alk−複素環またはOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、R4およびR5が互いに独立的に3〜7員のヘテロシクロアルキルである場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、任意の複素環は、任意選択で、ハロゲン、シアノ、ニトロ、COOH、COOR、NHCOR、ヒドロキシル、アミン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルアミノ、N,Nジアルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシまたはハロアルコキシを含む1個または複数の置換基によって置換されて、かつRは、式VIIについて定義したとおりである。
他の実施形態では、式IIの化合物は、下記の構造式VIIIで表される。
R1、R2、R3は、互いに独立的に、水素、アルデヒド、COOH、−C(=NH)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、CH=CHCO2R、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
R´は、水素、Alk、またはCORであり;
R´´は、水素、Alk、またはCORであり;
R4およびR5は、互いに独立的に、水素、フェニル、ベンジル、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3〜7員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり;
Zは、O、NH、CH2、または
であり;
Qは、SO3H、CO2H、CO2R、NO2、テトラゾール、SO2NH2、またはSO2NHRであり;
Rは、アルキル、水素、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ベンジル、−Ph−CF3、−Ph−CH2F、−Ph−CHF2、−Ph−CF2CF3、ハロゲン、アルケニル、CN、NO2、またはOHであり;
nは、1〜3の整数であり;
mは、1〜2の整数であり;
pは、1〜4の整数であり;
Alkは、炭素数1〜7個の直鎖アルキル、炭素数1〜7個の分鎖アルキル、または炭素数3〜8個の環式アルキルである。
一部の実施形態では、式VIIIのNRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
式VIIIの化合物の他の実施形態では、R2はハロゲンである。他の実施形態では、R2はブロミドである。他の実施形態では、R2はクロリドである。他の実施形態では、R2はフルオリドである。他の実施形態では、R2はヨージドである。他の実施形態では、R2は水素である。他の実施形態では、R2はシアノである。他の実施形態では、R2はフェニルである。他の実施形態では、R2は−CH=CH−CH3である。他の実施形態では、R2は−CH=CH2である。他の実施形態では、R2は−CH=CH−COOEtである。他の実施形態では、R1はO−(CO)−Ph−CF3である。他の実施形態では、R1はCOOHである。他の実施形態では、R1はCOOMeである。他の実施形態では、R1はヒドロキシル基である。他の実施形態では、R1は水素である。他の実施形態では、R3は水素である。他の実施形態では、R3はハロゲンである。他の実施形態では、R3はフルオリドである。他の実施形態では、R3はクロリドである。他の実施形態では、R3はブロミドである。他の実施形態では、R3はヨージドである。他の実施形態では、R´はHである。他の実施形態では、R´はメチル基である。他の実施形態では、R´はCOMeである。他の実施形態では、R´´はHである。他の実施形態では、R´´はメチル基である。他の実施形態では、R´´はCOMeである。他の実施形態では、R1、R2、R3が互いに独立的にZ−Alk−複素環またはOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、R4およびR5が互いに独立的に3〜7員のヘテロシクロアルキルである場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、任意の複素環は、任意選択で、ハロゲン、シアノ、ニトロ、COOH、COOR、NHCOR、ヒドロキシル、アミン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルアミノ、N,Nジアルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシまたはハロアルコキシを含む1個または複数の置換基によって置換され、かつRは、式VIIIについて定義したとおりである。
他の実施形態では、式IIIの化合物は、下記の構造式IXで表される。
R1、R2、R3、R6、R7、R8、R9、R10、R11は、水素、アルデヒド、COOH、−C(=NH)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、CH=CHCO2R、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環から互いに独立的に選択され、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
R´は、水素、Alk、またはCORであり;
R´´は、水素、Alk、またはCORであり;
R4およびR5は、互いに独立的に、水素、フェニル、ベンジル、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3〜7員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり;
Zは、O、NH、CH2、または
であり;
Qは、SO3H、CO2H、CO2R、NO2、テトラゾール、SO2NH2、またはSO2NHRであり;
Rは、アルキル、水素、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ベンジル、−Ph−CF3、−Ph−CH2F、−Ph−CHF2、−Ph−CF2CF3、ハロゲン、アルケニル、CN、NO2、またはOHであり;かつ
Alkは、炭素数1〜7個の直鎖アルキル、炭素数1〜7個の分鎖アルキル、または炭素数3〜8個の環式アルキルである。
一部の実施形態では、式IXのNRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
式IXの化合物の他の実施形態では、R10はハロゲンである。他の実施形態では、R10はブロミドである。他の実施形態では、R10はクロリドである。他の実施形態では、R2はフルオリドである。他の実施形態では、R10はヨージドである。他の実施形態では、R10は水素である。他の実施形態では、R10はシアノである。他の実施形態では、R10はフェニルである。他の実施形態では、R10は−CH=CH−CH3である。他の実施形態では、R10は−CH=CH2である。他の実施形態では、R10は−CH=CH−COOEtである。他の実施形態では、R2はヒドロキシル基である。他の実施形態では、R2は水素である。他の実施形態では、R2はO−(CO)−Ph−CF3である。他の実施形態では、R2はCOOHである。他の実施形態では、R2はCOOMeである。他の実施形態では、R7はハロゲンである。他の実施形態では、R7はフルオリドである。他の実施形態では、R7はクロリドである。他の実施形態では、R7はブロミドである。他の実施形態では、R7はヨージドである。他の実施形態では、R3、R6、R7およびR8は水素である。他の実施形態では、R´はHである。他の実施形態では、R´はメチル基である。他の実施形態では、R´はCOMeである。他の実施形態では、R´´はHである。他の実施形態では、R´´はメチル基である。他の実施形態では、R´´はCOMeである。他の実施形態では、R1、R3、R6、R7、R8、R9およびR11は水素である。他の実施形態では、R1、R2、R3、R6、R7、R8、R9、R10、R11が互いに独立的にZ−Alk−複素環またはOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、R4およびR5が互いに独立的に3〜7員のヘテロシクロアルキルである場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、任意の複素環が、任意選択で、ハロゲン、シアノ、ニトロ、COOH、COOR、NHCOR、ヒドロキシル、アミン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルアミノ、N,Nジアルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシまたはハロアルコキシを含む1個または複数の置換基によって置換され、かつRは、式IXについて定義したとおりである。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式Xで表されるNRBA、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを提供する。
Aは、5〜14員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の炭素環式環または複素環式環(任意選択で縮合環系である)あるいはそれらの組み合わせであり;前記飽和もしくは不飽和の炭素環式環または複素環式環は、任意選択で、R3またはOR´´から互いに独立的に選択される1〜5個の置換基によって置換され;かつXはOまたはSであり;あるいは
Aは存在せず、Nは環式炭素と二重結合を形成しており、かつXはOHまたはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
R1、R2、R3は、互いに独立的に、水素、アルデヒド、COOH、−C(=NH)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、CH=CHCO2R、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
R´は、水素、Alk、またはCORであり;
R´´は、水素、Alk、またはCORであり;
R4およびR5は、互いに独立的に、水素、フェニル、ベンジル、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3〜7員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり;
Zは、O、NH、CH2、または
であり;
Qは、SO3H、CO2H、CO2R、NO2、テトラゾール、SO2NH2、またはSO2NHRであり;
Rは、アルキル、水素、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ベンジル、−Ph−CF3、−Ph−CH2F、−Ph−CHF2、−Ph−CF2CF3、ハロゲン、アルケニル、CN、NO2、またはOHであり;
hは、0〜3の整数であり;
nは、1〜4の整数であり;
mは、1〜2の整数であり;
Alkは、炭素数1〜7個の直鎖アルキル、炭素数1〜7個の分鎖アルキル、または炭素数3〜8個の環式アルキルである。
一部の実施形態では、式XのNRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式Xで表されるNRBA、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを提供する。
A、X、R1、R2、R´、n、mおよびhは上記のとおりである。
Xがオキソであり、かつAがフェニルである場合、Aは、
NHCORおよびハロゲンで置換されず、さらなる置換基を有さない、あるいは
NHCORおよびアルキルで置換されず、さらなる置換基を有さない。
一実施形態では、Aは、
である。
pは、1〜5の整数であり;
iは、0〜4の整数であり;
R´´は、水素、Alk、またはCORであり;
R3は、水素、アルデヒド、COOH、C(=NH)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環である。
式Xの化合物の一実施形態では、Aは存在せず、Nは環式炭素と二重結合を形成していて、かつXはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は3〜7員のヘテロシクロアルキルである。一実施形態では、XがOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンである。他の実施形態では、R1、R2、R3が互いに独立的にZ−Alk−複素環またはOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、R4およびR5が互いに独立的に3〜7員のヘテロシクロアルキルである場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、任意の複素環は、任意選択で、ハロゲン、シアノ、ニトロ、COOH、COOR、NHCOR、ヒドロキシル、アミン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルアミノ、N,Nジアルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシまたはハロアルコキシを含む1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、かつRは、式Xについて定義したとおりである。
式Xの化合物の他の実施形態では、R2はハロゲンである。他の実施形態では、R2はブロミドである。他の実施形態では、R2はクロリドである。他の実施形態では、R2はフルオリドである。他の実施形態では、R2はヨージドである。他の実施形態では、R2は水素である。他の実施形態では、R2はシアノである。他の実施形態では、R2はフェニルである。他の実施形態では、R2は−CH=CH−CH3である。他の実施形態では、R2は−CH=CH2である。他の実施形態では、R2は−CH=CH−COOEtである。他の実施形態では、R1はO−(CO)−Ph−CF3である。他の実施形態では、R1はCOOHである。他の実施形態では、R1はCOOMeである。他の実施形態では、R1はヒドロキシル基である。他の実施形態では、R1は水素である。他の実施形態では、R3はハロゲンである。他の実施形態では、R3はフルオリドである。他の実施形態では、R3はクロリドである。他の実施形態では、R3はブロミドである。他の実施形態では、R3はヨージドである。他の実施形態では、R3は水素である。他の実施形態では、R´はHである。他の実施形態では、R´はメチル基である。他の実施形態では、R´はCOMeである。他の実施形態では、R´´はHである。他の実施形態では、R´´はメチル基である。他の実施形態では、R´´はCOMeである。
一実施形態では、式Xの化合物は、下記の構造式XIで表される。
R1、R2、R3は、互いに独立的に、水素、アルデヒド、COOH、−C(=NH)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、CH=CHCO2R、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環、またはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
Rは、アルキル、水素、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ベンジル、−Ph−CF3、−Ph−CH2F、−Ph−CHF2、−Ph−CF2CF3、ハロゲン、アルケニル、CN、NO2、またはOHであり;
R´は、水素、Alk、またはCORであり;
R´´は、水素、Alk、またはCORであり;
R4およびR5は、互いに独立的に、水素、フェニル、ベンジル、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3〜7員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり;
Zは、O、NH、CH2、または
であり;
Qは、SO3H、CO2H、CO2R、NO2、テトラゾール、SO2NH2、またはSO2NHRであり;
hは、0〜3の整数であり;
iは、0〜4の整数であり;
nは、1〜4の整数であり;
mは、1〜2の整数であり;
pは、0〜5の整数であり;
Alkは、炭素数1〜7個の直鎖アルキル、炭素数1〜7個の分鎖アルキル、または炭素数3〜8個の環式アルキルである。
一部の実施形態では、式XIのNRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
一実施形態では、式XIの化合物は、下記の構造式XIaで表される化合物、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせである。
nは、1または2であり;
pは、0、1、2、3または4であり;
R1、R2、R3、R´およびR´´は、式Iについて上記したとおりである。
一部の実施形態では、式XIaのNRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
他の実施形態では、式XIの化合物は、下記の構造式XIbで表される化合物、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせである。
R1、R2、R3、R´およびR´´は、式XIについて上記したとおりである。
一部の実施形態では、式XIbのNRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
一実施形態では、式XI、XIaおよびXIbのR2はハロゲンである。他の実施形態では、R2はブロミドである。他の実施形態では、R2はクロリドである。他の実施形態では、R2はフルオリドである。他の実施形態では、R2はヨージドである。他の実施形態では、R2は水素である。他の実施形態では、R2はシアノである。他の実施形態では、R2はフェニルである。他の実施形態では、R2は−CH=CH−CH3である。他の実施形態では、R2は−CH=CH2である。他の実施形態では、R2は−CH=CH−COOEtである。一実施形態では、式XI、XIaおよびXIbのR1はO−(CO)−Ph−CF3である。他の実施形態では、R1はCOOHである。他の実施形態では、R1はCOOMeである。他の実施形態では、R1はヒドロキシル基である。他の実施形態では、R1は水素である。一実施形態では、式XI、XIaおよびXIbのR3は水素である。他の実施形態では、R3はハロゲンである。他の実施形態では、R3はフルオリドである。他の実施形態では、R3はクロリドである。他の実施形態では、R3はブロミドである。他の実施形態では、R3はヨージドである。一実施形態では、式XI、XIaおよびXIbのR´はHである。他の実施形態では、R´はメチル基である。他の実施形態では、R´はCOMeである。一実施形態では、式XI、XIaおよびXIbのR´´はHである。他の実施形態では、R´´はメチル基である。他の実施形態では、R´´はCOMeである。一実施形態では、式XI、XIaおよびXIbのhは1である。他の実施形態では、hは2である。一実施形態では、式XI、XIaおよびXIbのR1、R2、R3が互いに独立的にZ−Alk−複素環またはOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。一実施形態では、式XI、XIaおよびXIbのR4およびR5が互いに独立的に3〜7員のヘテロシクロアルキルである場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、任意の複素環は、任意選択で、ハロゲン、シアノ、ニトロ、COOH、COOR、NHCOR、ヒドロキシル、アミン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルアミノ、N,Nジアルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシまたはハロアルコキシを含む1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、かつ式XI、XIaおよびXIbのRは、式XIについて定義したとおりである。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式で表されるNRBA、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを提供する。
R1、R2およびR3は、互いに独立的に、水素、アルデヒド、COOH、C(=NH)−OH、CHNOH、CH=CHCO2H、−CH=CH2、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF3、NH2、4−Ph−OMe、4−Ph−OH、SH、COR、COOR、OCOR、アルケニル、アリル、2−メチルアリル、アルキニル、プロパルギル、OSO2CF3、OSO2CH3、NHR、NHCOR、N(R)2、スルホンアミド、SO2R、アルキル、ハロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、保護ヒドロキシル、OCH2CH2NR4R5、Z−Alk−Q、Z−Alk−NR4R5、Z−Alk−複素環またはOCH2CH2−複素環であり、前記複素環は、3〜7員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の複素環式環であり;
R4およびR5は、互いに独立的に、水素、フェニル、ベンジル、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3〜7員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり;
Zは、O、NH、CH2、または
であり;
Qは、SO3H、CO2H、CO2R、NO2、テトラゾール、SO2NH2、またはSO2NHRであり;
Rは、アルキル、水素、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、−Ph−CF3、−Ph−CH2F、−Ph−CHF2、−Ph−CF2CF3、ハロゲン、アルケニル、CN、NO2、またはOHであり;
nは、1〜3の整数であり;
pは、1〜4の整数であり;
Alkは、炭素数1〜7個の直鎖アルキル、炭素数1〜7個の分鎖アルキル、または炭素数3〜8個の環式アルキルである。
一部の実施形態では、式XIIのNRBAはエストロゲン受容体リガンド化合物である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は選択的エストロゲン受容体β調節薬(β−SERM)である。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アゴニストである。一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物はエストロゲン受容体β(ERβ)アンタゴニストである。
式XIIの化合物の他の実施形態では、R2はハロゲンである。他の実施形態では、R2はブロミドである。他の実施形態では、R2はクロリドである。他の実施形態では、R2はフルオリドである。他の実施形態では、R2はヨージドである。他の実施形態では、R2は水素である。他の実施形態では、R2はシアノである。他の実施形態では、R2はフェニルである。他の実施形態では、R2は−CH=CH−CH3である。他の実施形態では、R2は−CH=CH2である。他の実施形態では、R2は−CH=CH−COOEtである。他の実施形態では、R1はO−(CO)−Ph−CF3である。他の実施形態では、R1はCOOHである。他の実施形態では、R1はCOOMeである。他の実施形態では、R1はヒドロキシル基である。他の実施形態では、R1は水素である。他の実施形態では、R3はハロゲンである。他の実施形態では、R3はフルオリドである。他の実施形態では、R3はクロリドである。他の実施形態では、R3はブロミドである。他の実施形態では、R3はヨージドである。他の実施形態では、R3は水素である。他の実施形態では、pは1である。他の実施形態では、R1、R2、R3が互いに独立的にZ−Alk−複素環またはOCH2CH2−複素環である場合、前記複素環は置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、R4およびR5が互いに独立的に3〜7員のヘテロシクロアルキルである場合、前記複素環は、置換もしくは非置換のピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたはピペラジンであってよい。他の実施形態では、任意の複素環は、任意選択で、ハロゲン、シアノ、ニトロ、COOH、COOR、NHCOR、ヒドロキシル、アミン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルアミノ、N,Nジアルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシまたはハロアルコキシを含む1個または複数の置換基によって置換され、かつRは、式XIIについて定義したとおりである。
一実施形態では、本発明のNRBAは、4−シアノ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、1−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)イソキノリン−6−オールである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−メトキシイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6−ヒドロキシイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−2−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−クロロ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−クロロ−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6−ヒドロキシイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−ヨードイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、8−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−メトキシ−イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、5−ブロモ−8−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−メトキシ−イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、5−ブロモ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6−ヒドロキシ−4−ヨードイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、2−(4−ヒドロキシフェニル)−6,8−ジヒドロキシ−イソキノリン−1(2H)−チオンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、8−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−メトキシ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−5−カルボニトリルである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−チオンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6,8−ジヒドロキシイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−8−ヒドロキシ−6−メトキシイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−8−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−メトキシイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−クロロ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−6,8−ジヒドロキシ−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4,5−ジブロモ−2−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−6−ヒドロキシイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(トリフルオロメチルスルホニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−(1,2−ジブロモエチル)−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イルトリフルオロメタンスルホネートである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4,5−ジブロモ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−ビニルイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−4−カルボニトリルである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−4−カルボニトリルである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボニトリルである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボニトリルである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボニトリルである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−ビニルイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−4−カルボニトリルまたは4−シアノ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボニトリルである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−4−ビニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボニトリルである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−クロロ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボニトリルである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、8−ヒドロキシ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−クロロ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イルトリフルオロメタンスルホネートである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−クロロ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボニトリルである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、イソキノリン−1,6−ジオールである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−(6−アセトキシ−4−ブロモ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニルアセテートである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−(4−ブロモ−6−メトキシ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニルアセテートである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボイミド酸である。他の実施形態では、本発明のNRBAは、メチル4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボキシレートである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボン酸である。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6,8−ジヒドロキシ−4−ビニルイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6,8−ジヒドロキシ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−4−カルボニトリルである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−8−ビニルイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−8−ビニルイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、(E)−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(プロパ−1−エニル)イソキノリン−1(2H)−オンである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、(E)−エチル3−(8−ヒドロキシ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−4−イル)アクリレートである。他の実施形態では、本発明のNRBAは、(E)−3−(6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−4−イル)アクリル酸である。他の実施形態では、本発明のNRBAは、(E)−3−(6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−4−イル)アクリル酸である。他の実施形態では、本発明のNRBAは、4−クロロ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イル4−(トリフルオロメチル)ベンゾエートまたはそれらの任意の組み合わせである。
一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、4−ブロモ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせである。
一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、4−クロロ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせである。
一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、4−ブロモ−6,8−ジヒドロキシ−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせである。
一実施形態では、エストロゲン受容体リガンド化合物は、4−シアノ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(または6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−4−カルボニトリル)、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせである。
一部の実施形態では、本発明のNRBA、本発明の組成物またはその使用は、本明細書に記載されているNRBAの任意の組み合わせを含んでよい。
「アルキル」という用語は一実施形態では、直鎖、分岐鎖および環式アルキル基を包含する飽和脂肪族炭化水素を指す。一実施形態では、アルキル基は1〜12個の炭素を有する。他の実施形態では、アルキル基は1〜7個の炭素を有する。他の実施形態では、アルキル基は1〜6個の炭素を有する。他の実施形態では、アルキル基は1〜4個の炭素を有する。他の実施形態では、環式アルキル基は3〜8個の炭素を有する。他の実施形態では、環式アルキル基は3〜12個の炭素を有する。他の実施形態では、分鎖アルキルは、1から5個の炭素のアルキル側鎖によって置換されているアルキルである。他の実施形態では、分鎖アルキルは、1から5個の炭素のハロアルキル側鎖によって置換されているアルキルである。アルキル基は非置換であってよいか、またはハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシル、シアノ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオおよび/またはチオアルキルによって置換されていてよい。
「アルケニル」基は他の実施形態では、1個または複数の二重結合を有する直鎖、分岐鎖および環式基を包含する不飽和炭化水素を指す。アルケニル基は、1個の二重結合、2個の二重結合、3個の二重結合などを有してよい。他の実施形態では、アルケニル基は2〜12個の炭素を有する。他の実施形態では、アルケニル基は2〜6個の炭素を有する。他の実施形態では、アルケニル基は2〜4個の炭素を有する。他の実施形態では、アルケニル基はビニル(−CH=CH2)である。アルケニル基の例は、ビニル、プロペニル、ブテニル、シクロヘキセニルなどである。アルケニル基は、非置換であってよいか、またはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオおよび/またはチオアルキルによって置換されていてよい。
「シクロアルキル」という用語は、3から10個の炭素原子、例えば3から8個の炭素原子など、例えば3から6個の炭素原子を有する単環式、二環式または三環式非芳香族飽和炭化水素ラジカルを指す。シクロアルキル基の非限定的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノルボルニル、1−デカリン、アダマンチ−1−イルおよびアダマンチ−2−イルが含まれる。他の適切なシクロアルキル基には、これに限定しないが、スピロペンチル、ビシクロ[2.1.0]ペンチル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、スピロ[2.4]ヘプチル、スピロ[2.5]オクチル、ビシクロ[5.1.0]オクチル、スピロ[2.6]ノニル、ビシクロ[2.2.0]ヘキシル、スピロ[3.3]ヘプチル、ビシクロ[4.2.0]オクチルおよびスピロ[3.5]ノニルが含まれる。
「ハロアルキル」基は他の実施形態では、1個または複数のハロゲン原子によって、例えばF、Cl、BrまたはIによって置換されている上記で定義されたとおりのアルキル基を指す。
「アリール」基は他の実施形態では、非置換であってよいか、またはハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシまたはチオもしくはチオアルキルから選択される1個または複数の基によって置換されていてよい少なくとも1個の炭素環式芳香族基または複素環式芳香族基を有する芳香族基を指す。アリール環の非限定的な例は、フェニル、ナフチル、ピラニル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピリジニル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリルなどである。
「ヒドロキシル」基は他の実施形態では、OH基を指す。一部の実施形態では、本発明の化合物のR1、R2またはR3がORである場合、RはOHではない。
一実施形態では、「ハロ」という用語は、F、Cl、BrまたはIなどのハロゲンを指す。
他の実施形態では、「フェノール」という語句は、ベンゼンのアルコール(OH)誘導体を指す。
「複素環」基は一実施形態では、炭素原子に加えて、硫黄、酸素、窒素またはそれらの任意の組み合わせを環の一部として含む環構造を指す。他の実施形態では、複素環は3〜12員の環である。他の実施形態では、複素環は6員の環である。他の実施形態では、複素環は5〜7員の環である。他の実施形態では、複素環は4〜8員の環である。他の実施形態では、複素環基は、非置換であってよいか、またはハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、シアノ、ニトロ、CO2H、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオおよび/またはチオアルキルによって置換されていてよい。他の実施形態では、複素環は、他の飽和もしくは不飽和のシクロアルキルまたは複素環式3員〜8員の環に縮合していてよい。他の実施形態では、複素環式環は飽和環である。他の実施形態では、複素環式環は不飽和環である。複素環基の例には、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、チオフェン、ピロールまたはインドールが含まれる。
一実施形態では、5〜14員の飽和もしくは不飽和の置換もしくは非置換の炭素環式環または複素環式環には、フェニル、ナフタレン、アントラセン、ピリジン、ピペリジン、チオフェン、モルホリン、ピペラジン、ピリミジン、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ピロール、ピラゾール、フラン、オキサゾール、キノリン、ピラジンまたはインドール基が含まれる。
一実施形態では、不飽和シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基は、少なくとも1個の二重結合を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを指す。他の実施形態では、不飽和のシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、アリールまたはヘテロアリール基を指す。
一部の実施形態では、保護ヒドロキシルは、ベンゼン環に結合している酸素原子に結合している置換基の組み込みを包含し、その際、その置換基は容易に除去することができる。一部の実施形態では、フェノールの保護基には、メチルエーテル、メトキシメチル(MOM)エーテル、ベンゾイルオキシメチル(BOM)エーテル、メトキシエトキシメチル(MEM)エーテル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)エーテル、メチルチオメチル(MTM)エーテル、フェニルチオメチル(PTM)エーテル、アジドメチルエーテル、シアノメチルエーテル、2,2−ジクロロ−1,1−ジフルオロエチルエーテル、2−クロロエチルエーテル、2−ブロモエチルエーテル、テトラヒドロピラニル(THP)エーテル、1−エトキシエチル(EE)エーテル、フェナシルエーテル、4−ブロモフェナシルエーテル、シクロプロピルメチルエーテル、アリルエーテル、プロパルギルエーテル、イソプロピルエーテル、シクロヘキシルエーテル、t−ブチルエーテル、ベンジルエーテル、2,6−ジメチルベンジルエーテル、4−メトキシベンジルエーテル、o−ニトロベンジルエーテル、2,6−ジクロロベンジルエーテル、3,4−ジクロロベンジルエーテル、4−(ジメチルアミノ)カルボニルベンジルエーテル、4−メチルスルフィニルベンジルエーテル、4−アントリルメチルエーテル、4−ピコリルエーテル、ヘプタフルオロ−p−トリル、テトラフルオロ−4−ピリジルエーテル、トリメチルシリル(TMS)エーテル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)エーテル、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)エーテル、トリイソプロピルシリル(TIPS)エーテル、アリールホルメート、アリールアセテート、アリールレブリネート、アリールピバロエート、アリールベンゾエート、アリール9−フルオレンカルボキシレート、アリールメチルカーボネート、1−アダマンチルカーボネート、t−ブチルカーボネート、4−メチルスルフィニルベンジルカーボネート、2,4−ジメチルペンタ−3−イルカーボネート、アリール−2,2,2−トリクロロエチルカーボネート、アリールベンジルカーボネート、アリールカルバメート、ジメチルホスフィニルエステル(Dmp−OAr)、ジメチルホスフィノチオニルエステル(Mpt−OAr)、ジフェニルホスフィノチオニルエステル(Dpt−OAr)、アリールメタンスルホネート、アリールトルエンスルホネートまたはアリール2−ホルミルベンゼンスルホネートが含まれ得る。
一実施形態では、本発明は、NRBAおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、エステル、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの組み合わせを提供する。一実施形態では、本発明はNRBAの類似体を提供する。他の実施形態では、本発明はNRBAの誘導体を提供する。他の実施形態では、本発明はNRBAの異性体を提供する。他の実施形態では、本発明はNRBAの代謝産物を提供する。他の実施形態では、本発明はNRBAの薬学的に許容される塩を提供する。他の実施形態では、本発明はNRBAの医薬品を提供する。他の実施形態では、本発明はNRBAの水和物を提供する。他の実施形態では、本発明はNRBAのN−オキシドを提供する。他の実施形態では、本発明はNRBAのプロドラッグを提供する。他の実施形態では、本発明はNRBAのエステルを提供する。他の実施形態では、本発明はNRBAの多形体を提供する。他の実施形態では、本発明はNRBAの結晶を提供する。他の実施形態では、本発明はNRBAの不純物を提供する。他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されているNRBAを含む組成物、または他の実施形態では、本発明のNRBAの類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、エステル、不純物または結晶の組み合わせを提供する。
一実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、エステル、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの組み合わせの使用を提供する。一実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物の類似体を提供する。他の実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物の誘導体を提供する。他の実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物の異性体を提供する。他の実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物の代謝産物を提供する。他の実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物の薬学的に許容される塩を提供する。他の実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物の医薬品を提供する。他の実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物の水和物を提供する。他の実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物のN−オキシドを提供する。他の実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物のプロドラッグを提供する。他の実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物のエステルを提供する。他の実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物の多形体を提供する。他の実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物の結晶を提供する。他の実施形態では、本発明は、エストロゲン受容体リガンド化合物の不純物を提供する。
一実施形態では、「異性体」という用語には、これに限定しないが、光学異性体および類似体、構造異性体および類似体、配座異性体および類似体などが含まれる。
一実施形態では、「異性体」という用語は、化合物の立体異性体を包含することが意図される。本発明の化合物は、そのcisまたはtrans異性化であってよいアミド結合を有する。一実施形態では、NRBAは純粋な(E)−異性体である。他の実施形態では、NRBAは純粋な(Z)−異性体である。他の実施形態では、NRBAは、(E)および(Z)異性体の混合物である。一実施形態では、NRBAは純粋な(R)−異性体である。他の実施形態では、NRBAは純粋な(S)−異性体である。他の実施形態では、NRBAは、(R)および(S)異性体の混合物である。本発明は、任意の光学的に活性な形態もしくは立体異性の形態またはそれらの混合物を含み、かついかなる用途のためのこれらの使用も、本発明の範囲内とみなされるべきであることを理解されたい。
本発明には、本発明の化合物を酸または塩基と反応させることによって製造することができる本発明の化合物の「薬学的に許容される塩」が含まれる。
式I〜XIIのアミンの適切な薬学的に許容される塩は、無機酸から、または有機酸から調製することができる。一実施形態では、アミンの無機塩の例は、重硫酸塩、ホウ酸塩、臭化物、塩化物、ヘミ硫酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩(ヒドロキシエタンスルホン酸塩)、ヨウ素酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、硝酸塩、過硫酸塩、リン酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、スルファニル酸塩、スルホン酸(アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、ハロゲン置換アルキルスルホン酸塩、ハロゲン置換アリールスルホン酸塩)、スルホン酸塩およびチオシアン酸塩である。
一実施形態では、アミンの有機塩の例は、有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸およびスルホン酸群から選択することができ、それらの例は、酢酸塩、アルギニン、アスパラギン酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、アントラニル酸塩、アルジェネート(algenate)、アルカンカルボン酸塩、置換アルカンカルボン酸塩、アルギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、重炭酸塩、重酒石酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、クラブラン酸塩、桂皮酸塩、ジカルボン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシルスルホン酸塩、二塩酸塩、デカン酸塩、エナント酸塩(enanthuates)、エタンスルホン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、ギ酸塩、フルオライド、ガラクツロン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グルコレート(glucorate)、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルセプテート、グリコリルアルサニル酸塩、グルタル酸塩、グルタミン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシカルボン酸、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、フッ化水素酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メチレンビス(ベータ−オキシナフトエ酸塩)、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、メタンスルホン酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチルスルホン酸塩、マレイン酸一カリウム、粘膜酸塩、モノカルボン酸塩、硝酸塩(mitrate)、ナフタレンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、ナプシレート、N−メチルグルカミン、シュウ酸塩、オクタン酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、フェニル酢酸塩、ピクリン酸塩、フェニル安息香酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、ペクチン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、ピルビン酸塩、キナ酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、ステアリン酸塩、スルファニル酸塩、塩基性酢酸塩、酒石酸塩、テオフィリン酢酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(トシレート)、トリフルオロ酢酸塩、テレフタル酸塩、タンニン酸塩、テオクル酸塩、トリハロ酢酸塩、トリエチオダイド、トリカルボン酸塩、ウンデカン酸塩および吉草酸塩である。
一実施形態では、カルボン酸またはフェノールの無機塩の例は、アンモニウム、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムを包含)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム、アルミニウムを包含)、亜鉛、バリウム、コリン、第四級アンモニウムから選択することができる。
他の実施形態では、カルボン酸またはフェノールの有機塩の例は、アルギニン、有機アミン(脂肪族有機アミン、脂環式有機アミン、芳香族有機アミン、ベンザチン、t−ブチルアミン、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ヒドラバミン、イミダゾール、リシン、メチルアミン、メグラミン、N−メチル−D−グルカミン、N,N´−ジベンジルエチレンジアミン、ニコチンアミド、有機アミン、オルチニン、ピリジン、ピコリン(picolies)、ピペラジン、プロカイン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トロメタミンおよび尿素を包含)から選択することができる。
一実施形態では、塩を、慣用の手段によって、例えば、その塩が不溶性である溶媒もしくは媒質中で、または水などの溶媒中で、遊離塩基または遊離酸形態の生成物を1当量または複数当量の適切な酸または塩基と反応させ、それを真空下で、または凍結乾燥によって除去することによって、または既存の塩のイオンを別のイオンで、または適切なイオン交換樹脂で交換することによって形成することができる。
一実施形態では、薬学的に許容される塩は塩酸塩である。一実施形態では、薬学的に許容される塩はアクリル酸塩である。一実施形態では、薬学的に許容される塩は安息香酸塩である。一実施形態では、薬学的に許容される塩はトリフルオロメタンスルホン酸塩である。一実施形態では、薬学的に許容される塩は酢酸塩である。
一実施形態では、ピペリジン環を含むNRBAの薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されているHCl塩またはアミン塩である。他の実施形態では、ピロリジン環を含むNRBAの薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されているHCl塩またはアミン塩である。他の実施形態では、モルホリン環を含むNRBAの薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されているHCl塩またはアミン塩である。他の実施形態では、ピペラジン環を含むNRBAの薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されているHCl塩もしくはアミン塩または当業者に認められるであろう他のものである。
薬学的に許容される塩は、フェノール系化合物から、他の実施形態では、無機塩基、例えば水酸化ナトリウムで処理することによって調製することができる。他の実施形態では、フェノール系化合物のエステルは、脂肪族および芳香族カルボン酸、例えば酢酸および安息香酸エステルを用いて製造することができる。
本発明は一部の実施形態では、NRBAの誘導体を提供する。一実施形態では、「誘導体」という用語は、エーテル誘導体、酸誘導体、アミド誘導体、エステル誘導体または当分野で公知の他のものを指す。
他の実施形態では、本発明は、NRBAの水和物をさらに包含する。一実施形態では、「水和物」という用語は当分野において公知であるとおり、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物またはその他の水和物を指す。
本発明は他の実施形態では、NRBAの代謝産物を提供する。一実施形態では、「代謝産物」という用語は、代謝または代謝プロセスによって他の物質から産生される任意の物質を指す。
一部の実施形態では、本発明のNRBAには、表1に列挙されている化合物が含まれる。
一実施形態では、本発明は、本明細書に記載されているエストロゲン受容体リガンド化合物または、他の実施形態では、本明細書に記載されているエストロゲン受容体リガンドの類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、エステル、不純物または結晶の任意の組み合わせを含む組成物の使用を提供する。
一部の実施形態では、本発明のNRBAは、特定の核内ホルモン受容体について選択的親和性を有し、他の核内受容体ではそれぞれに対して異なる親和性を有する。本発明の一部の実施形態では、本発明のNRBAは、それらの活性がそれぞれ異なり、例えば一部のNRBAは、骨の成長の刺激に関してより大きな活性を有する一方で、一部は、より大きなアンタゴニスト活性を示す。そのようなNRBAの全てが本発明の一部とみなされるべきことを理解されたい。
一部の実施形態では、本発明のNRBAは、一部の実施形態ではエストロゲン受容体αおよび/またはエストロゲン受容体β分子である核内受容体についての非選択的親和性またはそれへの結合を示し得る。一部の実施形態では、本発明のNRBAは、ER−βなどの核内受容体について選択的親和性を示し得る。一部の実施形態では、本発明のNRBAは、細胞核に転座しない受容体について選択的親和性を示し得る。一部の実施形態では、本発明のNRBAはアゴニスト活性を示し得る。一部の実施形態では、本発明のNRBAはアンタゴニスト活性を示し得る。一部の実施形態では、本発明のNRBAは特定の受容体についてはアゴニスト活性を、かつ異なる受容体についてはアンタゴニスト活性を、もしくはその逆を示し得るか、または一部の実施形態では、本発明のNRBAは、ある種の実験的条件下では特定の受容体についてアゴニスト活性を示し得、異なる実験的条件下では同じ受容体についてアンタゴニスト活性を示し得るか、もしくはその逆を示し得るか、または一部の実施形態では、本発明のNRBAは特定の組織では特定の受容体についてアゴニスト活性を示し、異なる組織では同じ受容体についてアンタゴニスト活性を示し得るか、もしくはその逆を示し得る、などである。本発明のNRBAに関して活性が単独で記載されていたとしても、前記化合物がそのような活性/疾患/組織に排他的に制限されると解釈されるべきではなく、むしろ、示されているNRBAに関するそのような活性のうちの1つの実施形態が示されていると解釈されるべきであることを理解されたい。
一部の実施形態では、本発明のNRBAは、抗増殖活性を示し得る。
一部の実施形態では、本発明のNRBAは、抗炎症活性を示し得る。
一部の実施形態では、本発明のNRBAは、抗酸化活性を示し得る。
一部の実施形態では、本発明のNRBAは、血管拡張活性を示し得る。
一部の実施形態では、本発明のNRBAは、分化促進活性を示し得る。
代表的なNRBAについてのER−αおよびER−β結合およびアゴニストおよびアンタゴニスト活性、抗増殖および抗炎症活性を本明細書において下記で例示するが、ここで、そのような活性は、使用される具体的な実験条件の文脈において記載され、このことは、本発明のある種の実施形態を表しているに過ぎず、本発明を制限するとは決して解釈されるべきではない。示されている化合物が、使用されるある種の実験的条件下では特定の活性を、一部の実施形態では、用いられる特定の細胞などの関数として示し得るが、そのような化合物は、異なる実験的設定では、別か、変化しているか、または部分的な活性を有し得ることを理解されたい。
ステロイド核内ホルモン受容体は、非ゲノム効果として知られている、タンパク質間相互作用またはキナーゼのリン酸化を介して細胞表面および細胞質受容体によって媒介される急速な組織特異的効果を持つことが知られている。例えばNRBAは、心臓血管および中枢神経系において別個の急速な効果を有することが知られているが、この効果は別個の受容体によって媒介され得る。これらの非ゲノム効果について推定される受容体には、GPR130などの様々なGタンパク質共役受容体(GPCR)、さらに、細胞膜に関連しているか、または細胞質の核内受容体が含まれる。本発明のNRBAはまた、これらの非ゲノム効果に関与している受容体に結合して、ゲノム的、非ゲノム的、組織選択的なステロイド受容活性の特異な薬理学的利用を可能とし得る。そのため、これらのNRBAは、幅広い多様な特異的で標的化されたステロイド反応を有し得、有用な医学特性を得る可能性を広げている。
一部の実施形態では、本発明のNRBAは核内受容体の非ゲノムアゴニストであるか、または一部の実施形態では、非ゲノムアンタゴニストであるか、または一部の実施形態では、非ゲノム部分アゴニストである。一部の実施形態では、本発明のNRBAは、組織選択的非ゲノム核内受容体、例えばエストロゲンまたはアンドロゲン受容体アゴニストなどであるか、または一部の実施形態では、組織選択的非ゲノム核内受容体アンタゴニストであるか、または一部の実施形態では、組織選択的非ゲノム核内受容体部分アゴニストである。一部の実施形態では、本発明のNRBAは非選択的非ゲノム核内受容体アゴニスト、例えばエストロゲンまたはアンドロゲン受容体アゴニストなどであるか、または一部の実施形態では、非選択的非ゲノム核内受容体アンタゴニストであるか、または一部の実施形態では、非選択的非ゲノム核内受容体部分アゴニストである。一部の実施形態では、本発明のNRBAは非選択的ゲノム核内受容体アゴニスト、例えばエストロゲンまたはアンドロゲン受容体アゴニストなどであるか、または一部の実施形態では、アンタゴニストであるか、または一部の実施形態では、部分アゴニストである。
一部の実施形態では、本発明のNRBAは組織選択的ゲノム核受容体調節薬、例えばエストロゲンまたはアンドロゲン受容体アゴニストなどであるか、または一部の実施形態では、アンタゴニストであるか、または一部の実施形態では、部分アゴニストである。一部の実施形態では、本発明のNRBAは、核内受容体に調節される遺伝子を選択的にトランス活性化させるゲノム薬である。一部の実施形態では、選択的トランス活性化は、組織選択的である。一部の実施形態では、本発明のNRBAは、核内受容体に調節される遺伝子を選択的にトランス抑制するゲノム薬である。一部の実施形態では、選択的トランス抑制は組織選択的である。一部の実施形態では、NRBAは、ゲノムプロセスにではなく、非ゲノムプロセスに影響を及ぼすその能力において、またはその逆において区別される。一部の実施形態では、NRBAは、トランス抑制ではなく、トランス活性化に影響を及ぼすその能力において、またはその逆において区別される。
他の実施形態において、本発明は、NRBAの医薬品を提供する。他の実施形態において、「医薬品」という用語は、例えば本明細書に記載されている医薬的使用に適する組成物(医薬組成物)を指す。
本発明の組成物において有用なNRBAは、プロドラッグ形態で存在してよい。本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」には、そのようなプロドラッグが対象に投与されると、式(I)または他の式による活性な親薬物または本発明の化合物をin vivoで放出する任意の共有結合担体が含まれることが意図される。プロドラッグは、多数の医薬の望ましい性質(例えば溶解性、生物学的利用能、製造など)を増強することが知られているので、本発明の組成物において有用な化合物は、プロドラッグ形態で送達することができる。したがって、本発明は、開示されている化合物のプロドラッグを含有する組成物およびそれらを送達する方法を含む。常套的な操作で、またはin vivoでその修飾が切断されて、親化合物になるように、化合物中に存在する官能基を修飾することによって、本発明の化合物のプロドラッグを調製することができる。
したがって、プロドラッグには例えば、ヒドロキシ、アミノまたはカルボキシ基が任意の基に結合されていて、プロドラッグが哺乳動物対象に投与されると、それらの基は切断されて、それぞれ遊離ヒドロキシル、遊離アミノまたはカルボン酸を形成する本発明の化合物が含まれる。例には、これに限定しないが、アルコールおよびアミン官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体;ならびにメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、フェニル、ベンジルおよびフェネチルエステルなどのアルキル、炭素環式、アリールおよびアルキルアリールエステルが含まれる。
当分野で知られているとおり、多形性は、1種を超える別個の結晶質または「多形」種として結晶化する化合物の能力である。本明細書で使用される場合、「多形体」は、少なくとも2つの異なる配置を有する化合物の固体結晶相または固体状態での前記化合物分子の多形形態である。任意の所定の化合物の多形形態は、同じ化学式または組成によって定義され、かつ2種の異なる化学化合物の結晶のように構造において別個と定義される。
「約」または「およそ」という用語は本明細書で使用される場合、当業者によって決定されるとおり、特定の値についての許容される誤差範囲内であることを意味し、これは部分的には、その値を測定または決定した方法に、即ち、測定系の限界に左右されるであろう。例えば「約」は、当分野における慣例では1以内または1を超える標準偏差を意味し得る。別の方法では、「約」は、所与の値の20%まで、10%まで、または5%までの範囲を意味し得る。
一実施形態では、本発明は、任意の本発明のNRBAをエストロゲン受容体またはエストロゲン関連受容体に結合させる方法を提供し、その方法は、エストロゲン受容体と前記NRBAとを接触させるステップを含む。他の実施形態では、本発明は、本発明の任意のNRBAを核内ホルモン受容体またはそれに関連する受容体に結合させる方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、イソキノリノンおよびイソキノリン−6−オールの実施形態のための一般的および具体的合成経路を提供する。
NRBAのうちの一部についての合成手順の一部の実施形態を下に提供する。
2−(2−カルボキシ−ビニル)安息香酸(化合物1)から出発してステップaを介するか;または3−フェニル−アクリル酸(化合物2)からアジ化ナトリウム(ステップb)と共に出発して化合物3のアシル誘導体を得、ジフェニルエーテルおよびトリブチルアミンの存在下、230℃でのクルチウス転位および環化ステップ(ステップc)を続けて化合物4を得るか;または2−ヨードベンゾニトリル(化合物10)から出発して薗頭反応(ステップi)を介し、メタノリシス(ステップj)を続けて化合物4を得る3種の異なる経路によって、中間体化合物4を調製することができる。
化合物4をヨード置換式A(ステップd)とさらにカップリングさせて、化合物5を得、これをさらに臭素化、塩素化またはヨウ素化し(それぞれNBS、NCSまたはNISを使用)、続いてさらに置換して、所望のR2基(ステップf)化合物8または化合物8´を得るか、またはP2S5試薬を使用してスルホン化合物9を得ることができる(ステップh)。化合物8または9を任意選択で、BBr3を用いて脱メチル化して、フェノール系生成物を得ることができるが、しかしながらステップhを実行するならば、フェノールは保護しなければならない。
別の方法では、化合物4を臭素化、塩素化またはヨウ素化し(それぞれNBS、NCSまたはNISを使用)、さらに置換(ステップe)して、化合物6または6´の所望のR2を得ることができる。化合物6または6´をヨード置換式Aと一緒にカップリングさせて(ステップd)、化合物8または8´を得ることができるか、または化合物6または6´のOH基をさらに置換させて(ステップg)、化合物7または化合物7´の所望のX基を得る。
一部の実施形態では、本発明は、4−ハロゲン化イソキノリノンの実施形態のための合成経路を提供する。例えば本発明の化合物、4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンのための合成手順の一実施形態は下記のとおりである。
一部の実施形態では、本発明は、6,8−ジヒドロキシ−イソキノリノンの実施形態のための合成経路を提供する。本発明のこれらの実施形態の例は、4−ブロモ−6、8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(12u)のための合成経路を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、4−アルケニルイソキノリノンの実施形態のための合成経路を提供する。本発明のこれらの実施形態の例は、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−ビニルイソキノリン−1(2H)−オン(14f)化合物についての合成経路を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリンの4−カルボニトリル誘導体の実施形態のための合成経路を提供する。例えば本発明は、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−4−カルボニトリル(14h)のための合成経路を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリンの8−カルボニトリル誘導体の実施形態のための合成経路を提供する。例えば本発明は、4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボニトリル(14k)のための合成経路を提供する。
一部の実施形態では、本発明は14o化合物のための合成経路を提供する。
一部の実施形態では、本発明は14p化合物のための合成経路を提供する。
一部の実施形態では、本発明は14xME、14xME_ACおよび14xAC化合物のための合成経路を提供する。
一部の実施形態では、本発明は4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボイミド酸(14yAM)、メチル4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボキシレート(14yME)および4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボン酸(14z)化合物のための合成経路を提供する。
一部の実施形態では、本発明は6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(15a)のための合成経路を提供する。
一部の実施形態では、下式の化合物を、化合物15aについて記載されているとおりの鈴木カップリング反応を介して合成する。
医薬組成物
一部の実施形態では、本発明は、記載されている化合物を含む組成物の投与を含む使用方法を提供する。本明細書で使用される場合、「医薬組成物」は、薬学的に許容される担体または希釈剤を伴う「治療有効量」の活性成分、即ち本発明の化合物を意味する。本明細書で使用される場合、「治療有効量」は、所定の条件および投与レジームについて治療効果をもたらす量を指す。
本明細書で使用される場合、「投与すること」という用語は、対象を本発明の化合物と接触させることを指す。本明細書で使用される場合、投与は、in vitroで、即ち試験管内で、またはin vivoで、即ち生体、例えばヒトの細胞または組織において実行され得る。一実施形態では、本発明は、対象への本発明の化合物の投与を含む。
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、対象に、当業者に公知の任意の方法によって投与することができ、例えば経口投与、非経口投与、血管内投与、側癌投与、経粘膜投与、経皮投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、静脈内投与、皮内投与、皮下投与、舌下投与、腹腔内投与、脳室内投与、頭蓋内投与、膣内投与、吸入による投与、直腸内投与、腫瘍内投与、または組換えウイルス/組成物を組織に送達することができる任意の手段(例えば針もしくはカテーテル)によって投与することができる。別の方法では、皮膚または眼への適用のための粘膜細胞への適用には、局所投与が望ましいこともある。他の投与方法は、吸引またはエアロゾル製剤による投与である。
一実施形態では、医薬組成物が経口投与され、したがって経口投与に適した形態で、即ち固体または液体製剤として製剤化される。適切な固体経口製剤には、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、ペレット剤、散剤などが含まれる。適切な液体経口製剤には、液剤、懸濁剤、分散剤、乳剤、油剤などが含まれる。本発明の一実施形態では、化合物をカプセル剤で製剤化する。この実施形態では、本発明の組成物は、本発明の化合物および不活性担体または希釈剤に加えて、硬質ゼラチンカプセル剤を含む。
一実施形態では、微粉化カプセルは、本発明の化合物を含有する粒子を含み、その際、本明細書で使用される「微粉化」という用語は、200ミクロン未満、または他の実施形態では100ミクロン未満、または他の実施形態では60ミクロン未満、または他の実施形態では36ミクロン未満、または他の実施形態では16ミクロン未満、または他の実施形態では10ミクロン未満、または他の実施形態では6ミクロン未満の粒径を有する粒子を指す。
さらに、他の実施形態では、医薬組成物を液体製剤の静脈内、動脈内または筋肉内注射によって投与する。適切な液体製剤には、液剤、懸濁剤、分散剤、乳剤、油剤などが含まれる。一実施形態では、医薬組成物が静脈内投与され、したがって静脈内投与に適した形態に製剤化する。他の実施形態では、医薬組成物が動脈内投与され、したがって動脈内投与に適した形態に製剤化される。他の実施形態では、医薬組成物を筋肉内投与するので、筋肉内投与に適した形態に製剤化される。
さらに、他の実施形態では、医薬組成物が体表に局所投与され、したがって局所投与に適した形態に製剤化される。適切な局所製剤には、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、滴剤などが含まれる。局所投与については、本発明の化合物またはそれらの生理学的に許容される誘導体、例えば塩、エステル、N−オキシドなどを、医薬用担体を伴うか、または伴わない生理学的に許容される希釈剤中の液剤、懸濁剤または乳剤として調製し、適用する。
さらに、他の実施形態では、医薬組成物を座剤、例えば肛門座剤または尿道座剤として投与する。さらに、他の実施形態では、医薬組成物をペレット剤の皮下埋め込みによって投与する。さらなる実施形態において、ペレット剤は一定期間にわたって、本明細書に記載されている化合物の制御放出をもたらす。さらなる実施形態では、本医薬組成物を膣内投与する。
他の実施形態では、活性化合物をベシクル、特にリポソームで送達することができる(Langer、Science 249:1627〜1633頁(1990年);Treatら、Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer、Lopez-Berestein and Fidler(編)、Liss, New York、363〜366頁(1989年);Lopez-Berestein、同書、317〜327頁を参照されたい;広く同書を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体または希釈剤」は、当業者に周知である。担体または希釈剤は、固体製剤用の固体担体もしくは希釈剤、液体製剤用の液体担体もしくは希釈剤またはそれらの混合物であってよい。
固体担体/希釈剤には、これに限定しないが、ゴム、デンプン(例えばコーンスターチ、α−デンプン)、糖(例えラクトース、マンニトール、スクロース、デキストロース)、セルロース系材料(例えば微結晶性セルロース)、アクリレート(例えばポリメチルアクリレート)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タルクまたはこれらの混合物が含まれる。
一実施形態では、本発明の組成物は、本発明の化合物またはそれらの任意の組み合わせを、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤と共に包含し得る。
本発明は、本明細書に記載されている化合物の任意の実施形態(一部の実施形態では、これを「本発明の化合物」と称する)を含むことを理解されたい。
適切な賦形剤および担体は、本発明の実施形態では、固体または液体であってよく、一般にその種類は、使用される投与の種類に基づき選択される。リポソームを使用して組成物を送達することもできる。適切な固体担体の例には、ラクトース、スクロース、ゼラチンおよび寒天が含まれる。経口剤形は、適切な結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、流動誘導剤および融解剤を含有し得る。液体剤形は、例えば適切な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味剤、増粘剤および融解剤を含有し得る。非経口および静脈内用の形態は、選択された注射または送達系の種類に相容性であるようにするための鉱物および他の材料も包含すべきである。勿論、他の賦形剤を使用することもできる。
液体製剤では、薬学的に許容される担体は、水性または非水性の溶液、懸濁液、乳剤または油剤であってよい。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよび注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルである。水性担体には、水、アルコール/水溶液、シクロデキストリン、乳剤または懸濁液(食塩水および緩衝媒質を包含)が含まれる。油剤の例は、鉱油、動物、植物または合成由来のもの、例えばラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、オリーブ油、ヒマワリ油および魚類肝油である。
非経口ビヒクル(皮下、静脈内、動脈内または筋肉内注射用)には、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンゲル液および不揮発性油が含まれる。静脈内ビヒクルには、流動性付与剤(fluid replenisher)および栄養補充薬、電解質補充薬、例えばリンガーデキストロースに基づくものなどが含まれる。例は、界面活性剤および他の薬学的に許容されるアジュバントの添加を伴うか、または伴わない無菌液、例えば水および油である。一般に、水、食塩水、水性デキストロースおよび関連糖溶液ならびにグリコール、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールは、特に注射用溶液に好ましい液体担体である。油剤の例は、鉱油、動物、植物または合成由来のもの、例えばラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、オリーブ油、ヒマワリ油および魚類肝油である。
加えて、組成物は、結合剤(例えばアラビアゴム、トウモロコシデンプン、ゼラチン、カルボマー、エチルセルロース、ガーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン)、崩壊剤(例えばトウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルギン酸、二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ガーガム、デンプングリコール酸ナトリウム)、様々なpHおよびイオン強度の緩衝剤(例えばTris−HCl、アセテート、ホスフェート)、表面への吸着を防止するための添加剤、例えばアルブミンもしくはゼラチン、洗浄剤(例えばTween20、Tween80、PluronicF68、胆汁酸塩)、プロテアーゼ阻害薬、界面活性剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、透過促進剤、可溶化剤(例えばクレモフォール、グリセロール、ポリエチレングリセロール、ベンザルコニウムクロリド(benzlkonium chloride)、安息香酸ベンジル、シクロデキストリン、ソルビタンエステル、ステアリン酸)、抗酸化剤(例えばアスコルビン酸、メタ重硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール)、安定剤(例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、増粘剤(例えばカルボマー、コロイド状二酸化ケイ素、エチルセルロース、ガーガム)、甘味剤(例えばアスパルテーム、クエン酸)、保存剤(例えばチメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、着色剤、滑沢剤(例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、流動助剤(例えばコロイド状二酸化ケイ素)、可塑剤(例えばフタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル)、乳化剤(例えばカルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム)、ポリマーコーティング剤(例えばポロキシマーまたはポロキサミン)、コーティングおよび被膜形成剤(例えばエチルセルロース、アクリレート、ポリメタクリレート)ならびに/またはアジュバントをさらに含んでよい。
一実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物は、制御放出組成物、即ち、投与後、一定期間にわたって本発明の化合物を放出する組成物である。制御放出または徐放性組成物は、親油性デポー剤(例えば脂肪酸、ろう、油)中の製剤を包含する。他の実施形態では、組成物は、即時放出組成物、即ち、化合物のすべてが投与直後に放出される組成物である。
さらに他の実施形態では、医薬組成物を制御放出システムで送達することができる。例えば静脈内点滴、移植可能な浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソームまたは他の投与方式を用いて薬剤を投与することができる。一実施形態では、ポンプを使用することができる(Langer、前出;Sefton、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201頁(1987年);Buchwaldら、Surgery 88:607頁(1980年);Saudekら、N.Engl.J.Med.321:674頁(1989年)を参照されたい)。他の実施形態では、ポリマー材料を使用することができる。さらに他の実施形態では、制御放出システムを治療標的、即ち、脳に近接して配置することができるので、全身用量の何分の一かしか必要としない(例えばGoodson、Medical Applications of Controlled Release、前出、vol.2、116〜138頁(1984年)を参照されたい)。他の制御放出システムがLangerによる論評(Science 249:1627〜1633頁(1990年))において論じられている。
組成物は、ポリマー化合物、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲルなどの微粒子製剤内もしくは上への、またはリポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単層もしくは多層ベシクル、赤血球ゴーストもしくはスフェロプラスト上への活性物質の組み込みを包含してもよい。そのような組成物は、物理的状態、溶解性、安定性、in vivo放出速度およびin vivoクリアランス速度に影響を及ぼす。
ポリマー(例えばポロキサマーまたはポロキサミン)でコーティングされた微粒子組成物および組織特異的受容体、リガンドもしくは抗原に対する抗体にカップリングされている化合物または組織特異的受容体のリガンドにカップリングされている化合物も本発明に含まれる。
水溶性ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはポリプロリンの共有結合によって修飾された化合物も本発明に含まれる。修飾された化合物が、静脈内注射の後に対応する未修飾の化合物より実質的に長い血中半減期を示すことが知られている(Abuchowskiら、1981年;Newmarkら、1982年;およびKatreら、1987年)。そのような修飾は、水溶液への化合物の溶解度を増大させ、凝集を除去し、化合物の物理的および化学的安定性を増強し、かつ化合物の免疫原性および反応性を大きく減少させ得る。結果として、非修飾化合物での投与よりも少ない頻度または低い用量でのそのようなポリマー−化合物付加体を投与することによって、所望のin vivo生物学的活性を達成することができる。
活性成分を含有する医薬組成物の調製、例えば混合、造粒または錠剤形成プロセスによる調製は、当分野において十分に理解されている。多くの場合、活性治療成分を薬学的に許容されていて、かつその活性成分と相容性である賦形剤と混合する。経口投与には、本発明の化合物またはそれらの生理学的に許容される誘導体、例えば塩、エステル、N−オキシドなどを、この目的にとって通例の添加剤、例えばビヒクル、安定剤または不活性希釈剤と混合し、投与に適した形態、例えば錠剤、コーティング錠、硬質もしくは軟質ゼラチンカプセル剤、水性液剤、アルコール液剤または油性液剤に、通例の方法によって変換する。非経口投与には、本発明の化合物またはそれらの生理学的に許容される誘導体、例えば塩、エステル、N−オキシドなどを、所望される場合にはこの目的にとって通例であり適切な物質、例えば溶解剤または他のものを用いて、液剤、懸濁剤または乳剤に変換する。
活性成分を、中和された薬学的に許容される塩形態として組成物に製剤化することができる。薬学的に許容される塩には、例えば塩酸もしくはリン酸などの無機酸または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸を用いて形成される酸付加塩(ポリペプチドまたは抗体分子の遊離アミノ基を用いて形成されるもの)が含まれる。遊離カルボキシル基から形成される塩はまた、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウムまたは水酸化第二鉄などの無機塩基およびイソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどのような有機塩基から誘導することもできる。
医薬品において使用するためには、化合物の塩は薬学的に許容される塩である。しかし、本発明による化合物の調製またはそれらの薬学的に許容される塩の調製では、他の塩も有用であり得る。本発明の化合物の適切な薬学的に許容される塩には例えば、本発明の化合物の溶液と薬学的に許容される酸、例えば塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸の溶液とを混合することによって形成することができる酸付加塩が含まれる。
一実施形態では、本発明は、本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。一実施形態では、そのような組成物は、経口テストステロン補充療法のために有用である。
一実施形態では、本発明は、本発明の2種以上の化合物またはそれらの多形体、異性体、水和物、塩、N−オキシドなどを含む組成物も提供する。本発明はまた、本発明の化合物を単独で含むか、プロゲスチンもしくはエストロゲンとの組み合わせで、または他の実施形態では、化学療法用化合物、骨形成性もしくは筋肉形成性化合物または本明細書に記載されている用途に適した他の薬剤との組み合わせで含む組成物および医薬組成物にも関する。一実施形態では、本発明の組成物は、適切な担体、希釈剤または塩を含む。
一実施形態では、本発明の方法は、様々な投薬量での本発明の化合物の投与を含み得る。一実施形態では、本発明の化合物を1日当たり約0.1から約2000mgの投薬量で投与する。一実施形態では、本発明の化合物を約0.1から約10mg、または他の実施形態では約0.1から約25mg、または他の実施形態では約0.1から約60mg、または他の実施形態では約0.1から約200mg、または他の実施形態では約0.3から約15mg、または他の実施形態では約0.3から約30mg、または他の実施形態では約0.5から約25mg、または他の実施形態では約0.5から約60mg、または他の実施形態では約0.5から約15mg、または他の実施形態では約0.5から約60mg、または他の実施形態では約1から約5mg、または他の実施形態では約1から約20mg、または他の実施形態では約3から約15mg、または他の実施形態では30から60mg、または他の実施形態では約30から75mg、または他の実施形態では約100から約2000mgの投薬量で投与する。
一実施形態では、本発明の方法は、様々な投薬量での本発明の化合物の投与を含み得る。一実施形態では、本発明の化合物を1日当たり約0.1から約2000mgの投薬量で投与する。一実施形態では、本発明の化合物を1日当たり約0.1から約10mg、または他の実施形態では1日当たり約0.1から約25mg、または他の実施形態では1日当たり約0.1から約60mg、または他の実施形態では1日当たり約0.1から約200mg、または他の実施形態では1日当たり約0.3から約15mg、または他の実施形態では1日当たり約0.3から約30mg、または他の実施形態では1日当たり約0.5から約25mg、または他の実施形態では1日当たり約0.5から約60mg、または他の実施形態では1日当たり約0.5から約15mg、または他の実施形態では1日当たり約0.5から約60mg、または他の実施形態では1日当たり約1から約5mg、または他の実施形態では1日当たり約1から約20mg、または他の実施形態では1日当たり約3から約15mg、または他の実施形態では1日当たり30から60mg、または他の実施形態では1日当たり約30から75mg、または他の実施形態では1日当たり約100から約2000mg、または他の実施形態では1日当たり約100から約500mgの投薬量で投与する。
一実施形態では、本発明の化合物を1日当たり1kg当たり約0.01から約200mgの投薬量で投与する。一実施形態では本発明の化合物を1日当たり1kg当たり約0.01から約10mg、または他の実施形態では1日当たり1kg当たり約0.01から約25mgの投薬量で投与するか、または一実施形態では本発明の化合物を1日当たり1kg当たり約0.01から約50mg、または他の実施形態では1日当たり1kg当たり約0.01から約60mg、または他の実施形態では1日当たり1kg当たり約0.03から約15mg、または他の実施形態では1日当たり1kg当たり約0.03から約30mg、または他の実施形態では1日当たり1kg当たり約0.05から約25mg、または他の実施形態では1日当たり1kg当たり約0.05から約60mg、または他の実施形態では1日当たり1kg当たり約30mg、または他の実施形態では1日当たり1kg当たり約20mg、または他の実施形態では1日当たり1kg当たり約15mg、または他の実施形態では1日当たり1kg当たり約10mg、または他の実施形態では1日当たり1kg当たり約5mgの投薬量で投与する。
一実施形態では、本発明の化合物を約1mgの投薬量で投与する。他の実施形態では、本発明の化合物を約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約150mgまたは約200mgの投薬量で投与する。
一実施形態では、本発明は、a)本明細書に記載されている化合物の任意の実施形態と、b)薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む医薬組成物(これには本明細書に記載されている化合物の類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、N−オキシド、水和物またはそれらの任意の組み合わせが含まれることを理解されたい)の投与を含む使用方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、a)本明細書に記載されている化合物の任意の実施形態(その類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、N−オキシド、水和物またはそれらの任意の組み合わせを包含する)と、b)薬学的に許容される担体または希釈剤と、c)流動助剤と、d)滑沢剤とを含む医薬組成物の使用方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、a)本明細書に記載されている化合物の任意の実施形態(その類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、N−オキシド、水和物またはそれらの任意の組み合わせを包含する)と、b)ラクトース一水和物と、c)微結晶性セルロースと、d)ステアリン酸マグネシウムと、e)コロイド状二酸化ケイ素とを含む医薬組成物の使用方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明の方法は、エストロゲン受容体についての非ステロイドリガンドであり、かつin vivoでエストロゲン活性を示すという利点を提示する本発明の化合物を含む組成物を使用する。この態様では、そのような化合物は重大な副作用を随伴せず、利便性のある投与機序およびより低い生産コストを提供し、経口で生物学的に利用可能であり、他の望ましくないステロイド受容体との顕著な交差反応がなく、かつ長い生物学的半減期を有し得る。
哺乳動物、特にヒトへの投与については、医師が、個体に最も適し、特定の個体の年齢、体重および応答によって変化し得る実際の投薬量および治療期間を決定することが予期される。
一実施形態では、投与のための組成物は、無菌溶液であるか、または他の実施形態では水性または非水性懸濁液または乳剤であってよい。一実施形態では、組成物は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルまたはシクロデキストリンを含んでよい。他の実施形態では、組成物は、湿潤剤、乳化剤および/または分散剤も含んでもよい。他の実施形態では、前記組成物は、無菌水または任意の他の無菌注射用媒体を含んでもよい。
一実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている本発明の方法のいずれかにおいて使用するための、本明細書に記載されている任意の実施形態を含む化合物および組成物を提供する。一実施形態では、本発明の化合物またはそれを含む組成物の使用は、当業者には理解されるであろうとおり、対象において所望の応答を阻害、抑制、増大または刺激する際に有用性を有する。他の実施形態では、組成物は、本発明の化合物の投与目的である特定の用途について有用な活性を有する追加の活性成分をさらに含んでよい。
一部の実施形態では、本発明の方法は、エストロゲン受容体についての非ステロイドリガンドであり、かつin vivoでエストロゲン活性を示すという利点を提示する本発明の化合物を含む組成物を使用する。この態様では、そのような化合物は重大な副作用を随伴せず、利便性のある投与機序およびより低い生産コストを提供し、経口で生物学的に利用可能であり、他の望ましくないステロイド受容体との顕著な交差反応がなく、かつ長い生物学的半減期を有し得る。
哺乳動物、特にヒトへの投与については、医師が、個体に最も適し、特定の個体の年齢、体重および応答によって変化し得る実際の投薬量および治療期間を決定することが予期される。
一実施形態では、投与のための組成物は、無菌溶液であるか、または他の実施形態では水性または非水性懸濁液または乳剤であってよい。一実施形態では、組成物は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルまたはシクロデキストリンを含んでよい。他の実施形態では、組成物は、湿潤剤、乳化剤および/または分散剤も含んでもよい。他の実施形態では、前記組成物は、無菌水または任意の他の無菌注射用媒体を含んでもよい。
一実施形態では、本発明は、本発明の方法のいずれかにおいて使用するための、本明細書に記載されている任意の実施形態を包含する化合物および組成物を提供する。一実施形態では、本発明の化合物またはそれを含む組成物の使用は、当業者には理解されるであろうとおり、対象において所望の応答を阻害、抑制、増大または刺激する際に有用性を有する。他の実施形態では、組成物は、本発明の化合物の投与目的である特定の用途について有用な活性を有する追加の活性成分をさらに含んでよい。
本発明は一部の実施形態では、別々に、かつ同様または別の経路によって投与され、その投与経路のために適切に製剤化された個々の薬剤を含む組成物の投与を企図している。本発明は一部の実施形態では、同じ製剤で投与される個々の薬剤を含む組成物の投与を企図している。本発明は一部の実施形態では、時間経過にわたる様々な薬剤の投与の交互投与、同時投与を企図しているが、これらの効果は、対象において相乗的である。
2種以上の薬剤の投与に関する上記の手段、タイミング、経路またはそれらの組み合わせのいずれも、本明細書に記載されている「組み合わせて投与される」という語句に含まれるとみなされるべきであることを理解されたい。
一実施形態では、骨のターンオーバーマーカーは、骨活性をモニタリングする臨床科学者にとっては認証された有効なツールとして実証されている。他の実施形態では、尿中のヒドロキシプロリン、血清アルカリホスファターゼ、酒石酸耐性酸性ホスファターゼおよびオステオカルシンレベルは、尿中カルシウム−クレアチニン比と共に、骨ターンオーバーマーカーとして使用される。他の実施形態では、オステオカルシンレベルは、骨形成マーカーと使用される。他の実施形態では、c−テロペプチドは、骨再吸収マーカーとして使用される。
一実施形態では、本発明は、癌を患う対象において骨格関連事象(SRE)、例えば骨折、骨の外科手術、骨への放射線照射、脊髄圧迫、新規骨転移、骨損失またはそれらの組み合わせを治療、予防、抑制もしくは阻害する、またはそれらが発現するリスクを低下させる方法を提供し、その方法は、対象に本発明の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシドまたはそれらの任意の組み合わせを投与することを含む。とりわけ本発明は、アンドロゲン枯渇療法(ADT)を受けているか、または受けた前立腺癌を患う対象における本発明の化合物でのSREの治療に関する。
一実施形態では、本明細書において提供される方法を使用して、および/または本明細書において提供される組成物を利用して治療される骨格関連事象は、骨折であり、一実施形態では、これは病的骨折、非外傷性骨折、脊椎骨折、非脊椎骨折、形態骨折またはそれらの組み合わせである。
他の実施形態では、本明細書において提供される方法および/または組成物は、骨格関連事象、例えば病的骨折、脊髄圧迫、過カルシウム血症、骨関連疼痛またはそれらの組み合わせを治療するか、予防するか、抑制するか、阻害するか、またはそれらが発現するリスクを低下させる際に有効である。
他の実施形態では、本明細書において提供される方法を使用して、かつ/または本明細書において提供される組成物を利用して治療しようとする骨格関連事象は、骨の外科手術および/または骨への放射線照射の必要性を含み、一部の実施形態では、これは疼痛治療のためのものであり、一実施形態では、その疼痛は骨の傷害または神経圧迫に起因する。他の実施形態では、本明細書において提供される方法を使用して、かつ/または本明細書において提供される組成物を利用して治療しようとする骨格関連事象は、脊髄圧迫または対象における抗新生物療法の変更(ホルモン療法の変更を含む)の必要性を含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法を使用して、かつ/または本明細書において提供される組成物を利用して治療しようとする骨格関連事象は、骨転移または骨損失を治療するか、抑制するか、予防するか、その発生率を低下させるか、またはその進行もしくは重症度の遅延を含む。一実施形態では、骨損失は、骨粗鬆症、オステオペニアまたはそれらの組み合わせを含んでよい。一実施形態では、骨格関連事象は、本明細書に列挙されている実施形態の任意の組み合わせを含んでよい。
一実施形態では、本明細書において提供される方法および/または本明細書において提供される組成物を利用する方法は、病巣の数、病巣のサイズまたはそれらの組み合わせなどの点で、骨への転移を低減するために有効である。本発明のこの態様では、かつ一実施形態では、対象の骨への癌転移を予防または阻害する方法を本明細書において提供し、その方法は、トレミフェン、ラロキシフェン、タモキシフェンまたはそれらの類似体、機能的誘導体、代謝産物もしくはそれらの組み合わせ、または薬学的に許容されるそれらの塩を含む組成物を対象に投与するステップを含む。一実施形態では、そのような代謝産物は、オスペミフェン、フィスペミフェンまたはそれらの組み合わせを含んでよい。一実施形態では、癌は前立腺癌である。
本明細書において提供される組成物を利用する、本明細書において提供される方法による抗新生物療法の変更を、とりわけその基礎疾患の重症度、その基礎疾患の原因、その患者の疼痛の範囲およびその患者の疼痛の原因、さらにその疾患の病期と関連して行うことができるか、またはこれらと関連して調節もしくは改変できることは、当業者には容易に認識されであろう。ある種の実施形態では、治療の変更には、投与経路(例えば腔内投与、動脈内投与、腫瘍内投与など)の変更、投与される組成物の形態(例えば錠剤、エリキシル剤、懸濁剤など)の変更、投薬量の変更などが含まれ得る。これらの変更のそれぞれが、当分野において十分に認識されており、かつ本明細書において提供される実施形態に含まれる。
一実施形態では、骨格関連事象は癌療法の結果である。一実施形態では、骨格関連事象はホルモン枯渇療法の結果であるが、他の実施形態では、それらはADTの結果である。
一実施形態では、本発明の化合物は、ADT誘発副作用、例えば筋量減少、筋肉強度低下、脆弱化、性機能低下症、骨粗鬆症、オステオペニア、BMD減少および/または骨量減少の予防または反転において有用である。
男性において、成人での性ホルモンの自然低下(アンドロゲンの直接的低下、さらにアンドロゲンの末梢性芳香族化によってもたらされるエストロゲンレベルの低下)は、骨の脆弱化を随伴するが、この作用は、アンドロゲン枯渇療法を受けた男性においてより顕著である。
一実施形態では、化合物を抗糖尿病薬と組み合わせて投与する。一実施形態では、抗糖尿病薬はスルホニルウレアである。一実施形態では、スルホニルウレアには、これに限定しないが、トルブタミド、アセトヘキサミド、トラザミド、クロルプロパミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリドまたはグリクラジドが含まれる。一実施形態では、抗糖尿病薬はメグリチニドである。一実施形態では、メグリチニドには、これに限定しないが、プランジンまたはナテグリニドが含まれる。一実施形態では、抗糖尿病薬はビグアニドである。一実施形態では、ビグアニドには、これに限定しないが、メトホルミンが含まれる。一実施形態では、抗糖尿病薬はチアゾリジンジオンである。一実施形態では、チアゾリジンジオンには、これに限定しないが、ロシグリタゾン、ピオグリタゾンまたはトログリタゾンが含まれる。一実施形態では、抗糖尿病薬はアルファグルコシダーゼ阻害薬である。一実施形態では、アルファグルコシダーゼ阻害薬には、これに限定しないが、ミグリトールまたはアカルボースが含まれる。一実施形態では、抗糖尿病薬は、PPARα/γリガンド、ジぺプチジルペプチダーゼ4(DPP−4)阻害薬、SGLT(ナトリウム依存性グルコース輸送体1)阻害薬またはFBPase(フルクトース1,6−ビスホスファターゼ)阻害薬である。一実施形態では、抗糖尿病薬はインスリンである。一実施形態では、インスリンは即効性インスリンである。一実施形態では、インスリンは短時間作用性インスリンである。一実施形態では、インスリンは、中時間作用性インスリンである。一実施形態では、インスリンは中時間作用性インスリンと短時間作用性インスリンとの混合物である。一実施形態では、インスリンは長時間作用性インスリンである。一実施形態では、抗糖尿病薬は、脂肪酸結合タンパク質(aP2)の阻害薬(例えば2000年3月6日出願の米国特許出願第09/519,079号に開示されているもの)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)およびジペプチジルペプチダーゼIV(DPP4)阻害薬(例えば、WO0168603に開示されているもの)である(前記開示は参照によって組み込まれる)。
一実施形態では、化合物を、心臓血管系を治療する薬剤と組み合わせて投与する。一実施形態では、心臓血管系を治療する薬剤は、高コレステロール血症薬、例えばナイアシン−ロバスタチン、コレスチポールHCl、フルバスタチンナトリウム、アトルバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチンナトリウム、コレスチラミン、コレスチラミン・ライト(cholestyramine light)、フェノフィブラート、コレセベラムHClまたはエゼチミブである。
一実施形態では、本発明の化合物を一部の実施形態では、代謝症候群を指す代謝性疾患、障害または状態を治療する薬剤と組み合わせて投与する。
一部の実施形態では、代謝性疾患を治療する薬剤には、これに限定しないが、ビタミン、コエンザイムQ10、グルコシダーゼアルファ、重炭酸ナトリウム、ビスホスホネート、ビオチン、アロプリノール、レボドパ、ジアゼパム、フェノバルビタール、ハロペリドール、葉酸、抗酸化剤、カチオンチャネルの活性化因子、ハプトグロビンまたはカルニチンが含まれる。
一実施形態では、そのような薬剤はとりわけ、膵リパーゼ阻害薬、例えばオルリスタットもしくはセチリスタット、セロトニンもしくはノルエピネフリン再取り込み阻害薬、例えばシブトラミン、インスリン増感薬、例えばビグアニド(メトホルミン)またはPPARアゴニスト、二重作用性PPARアゴニスト(ムラグリタザール、テサグリタザール、ナベグリタザール)、PPAR−デルタアゴニスト(GW−501516)、DPP−IV阻害薬(ビルダグリプチン、シタグリプチン)、アルファグルコシダーゼ阻害薬(アカルボース)、抗糖尿病用合剤(ActoPlusMet、AvandaMet、メトホルミン/ピオグリタゾン、メトホルミン/ロシグリタゾンもしくはGlucovanceなど)、グルカゴン様ペプチド−1類似体(エクセナチド、リラグルチド)、アミリン類似体(プラムリンチド)、スタチン(アトルバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン)、コレステロール吸収阻害薬(エゼミチブ)、ニコチン酸誘導体(即時放出および制御放出ナイアシン、ニアスロなど)、抗異常脂質血症用固定合剤(シンバスタチン/エゼチミブ、ロバスタチン/ニコチン酸、アトルバスタチン/アムロジピンもしくはアトルバスタチン/トルセトラピブ、シンバスタチン/ニコチン酸(ER)、ACE阻害薬(ラミプリル、カプトプリル、リシノプリル)、AT−II受容体アンタゴニスト(バルサルタン、テルミサルタン)、カンナビノイド受容体アンタゴニスト(リモナバント)、コレステリルエステル輸送タンパク質もしくはCETP阻害薬(JTT−705、CETi−1)またはベータ3アドレナリンアゴニストまたはそれらの組み合わせを含む。
一実施形態では、化合物を、肝臓を治療する薬剤と組み合わせて投与する。一実施形態では、肝臓を治療する薬剤は、コルチゾン、コルチゾルまたはコルチコステロンである。一部の実施形態では、肝臓を治療する薬剤は、コルヒチン、メトトレキサート、ウルソデオキシコリン酸またはペニシラミンである。
一実施形態では、化合物をスタチンと組み合わせて投与する。一部の実施形態では、スタチンには、これに限定しないが、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチンまたはロスバスタチンが含まれる。
一実施形態では、化合物を胆汁酸捕捉剤と組み合わせて投与する。一部の実施形態では、胆汁酸捕捉剤には、これに限定しないが、コレスチラミン、コレスチポールまたはコレセベラムが含まれる。
一実施形態では、化合物をコレステロール吸収阻害薬と組み合わせて投与する。一部の実施形態では、コレステロール吸収阻害薬には、これに限定しないが、エゼチミブが含まれる。
一実施形態では、化合物をニコチン酸薬と組み合わせて投与する。一部の実施形態では、ニコチン酸薬には、これに限定しないが、ナイアシン、ナイアコール(niacor)またはスロ−ナイアシン(slo-niacin)が含まれる。
一実施形態では、化合物をフィブラートと組み合わせて投与する。一部の実施形態では、フィブラートには、これに限定しないが、ゲムフィブロジルまたはフェノフィブラートが含まれる。
一実施形態では、化合物を、内分泌系を治療する薬剤と組み合わせて投与する。一実施形態では、内分泌系を治療する薬剤はSARM化合物である。一部の実施形態では、SARMには、これに限定しないが、RU−58642、RU−56279、WS9761AおよびB、RU−59063、RU−58841、ベクスロステリド(bexlosteride)、LG−2293、L−245976、LG−121071、LG−121091、LG−121104、LGD−2226、LGD−2941、LGD−3303、YM−92088、YM−175735、LGD−1331、BMS−357597、BMS−391197、S−40503、BMS−482404、EM−4283、EM−4977、BMS−564929、BMS−391197、BMS−434588、BMS−487745、BMS−501949、SA−766、YM−92088、YM−580、LG−123303、LG−123129、PMCol、YM−175735、BMS−591305、BMS−591309、BMS−665139、BMS−665539、CE−590、116BG33、154BG31、アルカリン(arcarine)またはACP−105が含まれる。
一実施形態では、内分泌系を治療する薬剤には、これに限定しないが、タモキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、イドキシフェン、トレミフェン、オスペミフェン、ドロロキシフェン、ラロキシフェン、アルゾキシフェン、バゼドキシフェン、PPT(1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−4−プロピル−1H−ピラゾール)、DPN、ラソホキシフェン、ピペンドキシフェン、EM−800、EM−652、ナホキシジン、ジンドキシフェン、テスミリフェン、リン酸ミプロキシフェン、RU58,688、EM139、ICI164,384、ICI182,780、クロミフェン、MER−25、ジエチルスチベストロール、クメストロール、ゲニステイン、GW5638、LY353581、ツクロミフェン、エンクロミフェン、酢酸デルマジノン、DPPE、(N,N−ジエチル−2−{4−(フェニルメチル)−フェノキシ}エタナミン)、TSE−424、WAY−070、WAY−292、WAY−818、シクロコムノール(cyclocommunol)、ピリナベレル(prinaberel)、ERB−041、WAY−397、WAY−244、ERB−196、WAY−169122、MF−101、ERb−002、ERB−037、ERB−017、BE−1060、BE−380、BE−381、WAY−358、[18F]FEDNP、LSN−500307、AA−102、半枝蓮(Ban zhi lian)、CT−101、CT−102またはVG−101が含まれる。
一実施形態では、内分泌系を治療する薬剤は、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態では、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニストまたはアンタゴニストには、これに限定しないが、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、アルファプロストール、ヒストレリン、デチレリクス、ガニレリクス、アンチド・イツレリクス(antide iturelix)、セトロレリクス、ラモレリクス、ガニレリクス、アンタレリクス,テベレリクス、アバレリクス、オザレリクス、スフゴリクス、プラザレリクス、デガレリクス、NBI−56418、TAK−810またはアクリリンが含まれる。
一実施形態では、内分泌系を治療する薬剤は、ステロイド系または非ステロイド系グルココルチコイド受容体リガンドである。一部の実施形態では、非ステロイド系グルココルチコイド受容体リガンドには、これに限定しないが、ZK−216348、ZK−243149、ZK−243185、LGD−5552、ミフェプリストン、RPR−106541、ORG−34517、GW−215864X、セスキシリン(Sesquicillin)、CP−472555、CP−394531、A−222977、AL−438、A−216054、A−276575、CP−394531、CP−409069またはUGR−07が含まれる。
一実施形態では、内分泌系を治療する薬剤は、ステロイド系または非ステロイド系プロゲステロン受容体リガンドである。一実施形態では、内分泌系を治療する薬剤は、ステロイド系または非ステロイド系アンドロゲン受容体アンタゴニストである。一部の実施形態では、ステロイド系または非ステロイド系アンドロゲン受容体アンタゴニストには、これに限定しないが、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ビカルタミド、ニルタミドまたはヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬が含まれる。
一実施形態では、内分泌系を治療する薬剤は、ペルオキシソーム増殖因子−活性化受容体リガンドである。一部の実施形態では、ペルオキシソーム増殖因子−活性化受容体リガンドには、これに限定しないが、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ダルグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、イサグリタゾン、リボグリタゾン、ネトグリタゾン、ナベグリタザール、ファルグリタザール、テサグリタザール、ラガグリタザール、オキセグリタザールまたはPN−2034が含まれる。
一部の実施形態では、本発明の組成物のいずれも、本発明の化合物を本明細書に記載されている任意の形態または実施形態で含む。一部の実施形態では、本発明の組成物のいずれも、本発明の表1に列挙されている式12u、14m、12zまたは12yの化合物を本明細書に記載されている任意の形態または実施形態で含む。一部の実施形態では、本発明の組成物のいずれも、本明細書に記載されている任意の形態または実施形態の本発明の化合物からなる。一部の実施形態では、本発明の組成物のいずれも、本明細書に記載されている任意の形態または実施形態の本発明の表1に列挙されている式12u、14m、12zまたは12yの化合物からなる。一部の実施形態では、本発明の組成物のいずれも、本明細書に記載されている任意の形態または実施形態の本発明の化合物から本質的になる。一部の実施形態では、本発明の組成物のいずれも、本明細書に記載されている任意の形態または実施形態の本発明の表1に列挙されている式12u、14m、12zまたは12yの化合物から本質的になる。
一部の実施形態では、「含む」という用語は、示された活性薬剤、例えば本発明の化合物の包含、さらに医薬品工業では公知であるような、他の活性薬剤および薬学的に許容される担体、賦形剤、皮膚軟化剤、安定剤などを包含することを指す。
一部の実施形態では、「から本質的になる」という用語は、唯一の活性成分が示された活性成分である組成物を指すが、他の化合物(その製剤を安定化、保存するなどのためのものであるが、その示された活性成分の治療効果に直接関与しないもの)を包含することもある。一部の実施形態では、用語「から本質的になる」は、活性成分の放出を促進する成分を指す場合もある。一部の実施形態では、用語「からなる」は、活性成分と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含有する組成物を指す。
一実施形態では、本発明は、併用製剤を提供する。一実施形態では、「併用製剤」という用語は、上記で定義される併用パートナーを独立して、または異なる量の併用パートナーを含む異なる固定合剤の使用によって投与することができる、即ち、同時に、並行して、別々にまたは逐次的に投与することができるという意味で、特に「キット・オブ・パーツ(kit of parts)」を規定する。したがって、一部の実施形態では、キット・オブ・パーツのパーツを例えば、同時に投与することができるか、または時系列的にずらして投与することができる。即ち、そのキット・オブ・パーツのいずれのパーツについても異なる時点で、等しいまたは異なる時間間隔で投与することができる。一部の実施形態では、併用パートナーの全量の比を併用製剤の形態で投与することができる。一実施形態では例えば、治療すべき患者のサブグループの要求または単一の患者の要求(特定の疾病、疾患の重症度、年齢、性別または体重のために異なる要求であり得る)にうまく対処するために、併用製剤を変えてもよく、当業者はそれを容易に行うことができる。
NRBA化合物の生物学的活性
当業者に認識されるように、本発明が、時宜に応じて任意の疾患、障害または状態のための本明細書に記載されている組成物および併用療法を対象としていることは、理解されるはずである。そのような組成物および併用療法のある種の適用を特定の疾患、障害および状態について本明細書において上で記載したが、それらは本発明の実施形態を表しており、かつ本明細書に記載されている化合物または表1に列挙されている化合物12u、14m、12zもしくは12yを単独でもしくは併用療法の一部として投与することによって、または本発明の組成物を使用することによって対象のそのような疾患、障害および状態を治療する方法は、本発明の追加の実施形態を表している。
一実施形態では、本発明は、a)高脂肪食摂取に関連する疾患を治療する方法;b)高脂肪食摂取に関連する疾患を予防する方法;c)閉経後肥満に関連する疾患を治療する方法;d)閉経後肥満に関連する疾患を予防する方法;e)対象のエネルギー消費を増大させる方法;f)除脂肪体重を増加させる方法;g)代謝障害を治療する方法;h)筋肉重量を増加させる方法;i)脂肪肝疾患を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法;j)脂肪肝疾患を予防する方法;およびk)非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させる方法を提供し、その方法は、前記対象に、本発明の化合物および/または前記化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物もしくは結晶またはそれらの任意の組み合わせを投与するステップを含む。他の実施形態では、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせ。他の実施形態では、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせ。他の実施形態では、前記化合物は表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、脂肪10%超を包含する食事を指す。他の実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、脂肪20%超を包含する食事を指す。他の実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、脂肪10〜20%を包含する食事を指す。他の実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、脂肪30%超を包含する食事を指す。他の実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、脂肪10〜30%を包含する食事を指す。他の実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、脂肪10〜15%を包含する食事を指す。他の実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、脂肪20〜40%を包含する食事を指す。他の実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、脂肪30%超を包含する食事を指す。他の実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、脂肪30〜60%を包含する食事を指す。他の実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、脂肪30〜40%を包含する食事を指す。他の実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、脂肪40〜50%を包含する食事を指す。他の実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、脂肪50〜60%を包含する食事を指す。他の実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、脂肪60〜70%を包含する食事を指す。他の実施形態では、「高脂肪食」(HFD)は、タンパク質(23.5%)、炭水化物(27.3%)および脂肪(34.3%)を5.1Kcal/gの可消化エネルギーで包含する食事を指す。
一実施形態では、「普通食」(N.D)は、脂肪10%未満を包含する食事を指す。一実施形態では、「普通食」(N.D)は、脂肪30%未満を包含する食事を指す。他の実施形態では、「普通食」(N.D)は、タンパク質(16.7%)、炭水化物(56%)および脂肪(4.2%)を3.3Kcal/gの可消化エネルギーで包含する食事を指す。他の実施形態では、「普通食」は、脂肪10〜30%を包含する食事を指す。他の実施形態では、「普通食」は、脂肪30〜50%を包含する食事を指す。他の実施形態では、「普通食」は、脂肪40〜50%を包含する食事を指す。他の実施形態では、「普通食」は「高脂肪食」である。
一実施形態では、「肥満」は、健康に有害作用を有し、健康についての問題を増大させ得る程度まで、過剰の体脂肪が蓄積している医学的状態を指す。他の実施形態では、「肥満」は、体重全体のうちの少なくとも5%である体重増加を指す。
「閉経後肥満」は、食事によって誘発されるのではない、閉経後の対象の体重増加を指す。閉経後肥満は、循環エストロゲンの低下および脂肪組織増殖の抑制の喪失およびアディポカイン合成によって生じる。
「内臓肥満」は、脂質異常症(血漿トリグリセリドの上昇、低い高密度リポタンパク質コレステロール)に関連した、皮下ではなく腹部内臓および網における脂肪の過剰の堆積による肥満の形態を指す。
「男性更年期での内臓肥満」は、老齢男性におけるアンドロゲン欠乏に随伴する体重増加を指す。
一実施形態では、本発明の方法は、ヒトである対象について有用である。他の実施形態では、対象は哺乳動物である。他の実施形態では、対象は動物である。他の実施形態では、対象は無脊椎動物である。他の実施形態では、対象は脊椎動物である。
一実施形態では、対象は男性である。他の実施形態では、対象は女性である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法は、男性または女性のいずれの治療にも有用であり得るが、本明細書に記載および例示されているとおりのある種の方法でのある種の化合物の投与に対しては、女性がより有利に応答し得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法は、男性または女性のいずれの治療にも有用であり得るが、本明細書に記載されているある種の方法でのある種の化合物の投与に対しては、男性がより有利に応答し得る。
他の実施形態では、本発明は、治療有効量の本明細書に記載されているエストロゲン受容体リガンド化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせまたはそれらを含む組成物を、それを必要とする対象に投与して、所望の効果を達成することを含む方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、本発明のエストロゲン受容体リガンド化合物を投与することを含む、代謝性疾患を治療する方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、高脂肪食摂取に関連する疾患を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、高脂肪食摂取に関連する疾患を予防する方法を提供する。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物もしくは結晶もしくはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物もしくは結晶もしくはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、脂肪肝疾患を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、脂肪肝疾患を予防する方法を提供する。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明の方法を介して治療しようとする対象は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の対象である。非アルコール性脂肪性肝炎またはNASHは、肝臓中での脂肪の形成が原因である肝臓炎症である。その脂肪形成は、アルコールの飲酒が原因ではない。これはアルコール性肝臓疾患に似ているが、アルコールをほとんど飲まないか、または飲まないヒトにおいて生じる。NASHの主要な特徴は、炎症および損傷を伴う肝臓の脂肪である。NASHのヒトの大部分は、健康と感じていて、肝臓に問題を有することに気付いていない。それにもかかわらず、NASHは深刻であり得、かつ肝臓が永続的に損傷されて瘢痕化し、もはや正常に機能し得ない硬変をもたらし得る。硬変を有するヒトは、体液貯留、筋消耗、小腸からの出血および肝不全を経験する。
一実施形態では、本発明は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を予防する方法を提供する。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は、体重増加である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は肥満である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は体脂肪量の形成である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は、骨無機質含量低下である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は、白色脂肪組織重量増加である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は、コレステロール値の上昇である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は、レプチン値の上昇である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は、インスリン耐性である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は、II型糖尿病である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は、血糖値の上昇である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は、炎症性疾患である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は、心臓血管疾患である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は、脂肪肝疾患(肝臓への脂肪の蓄積)である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は、脱共役タンパク質−1(UCP−1)レベルの低下である。他の実施形態では、高脂肪食摂取に関連する疾患は、脂質生成の増大である。
一実施形態では、本発明は、閉経後肥満に関連する疾患を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、閉経後肥満に関連する疾患を予防する方法を提供する。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、体重増加である。他の実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、体脂肪量の形成である。他の実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、骨無機質含量低下である。他の実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、白色脂肪組織重量増加である。他の実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、コレステロール値の上昇である。他の実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、レプチン値の上昇である。他の実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、インスリン耐性である。他の実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、II型糖尿病である。他の実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、血糖値の上昇である。他の実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、炎症性疾患である。他の実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、心臓血管疾患である。他の実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、脂肪肝疾患(肝臓への脂肪の蓄積)。他の実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、脱共役タンパク質−1(UCP−1)レベルの低下である。他の実施形態では、閉経後肥満に関連する疾患は、脂質生成の増大である。
一実施形態では、本発明は、肥満を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、肥満を予防する方法を提供する。一実施形態では、肥満は、閉経後肥満である。他の実施形態では、肥満は内臓肥満である。他の実施形態では、肥満は、男性更年期での内臓肥満である。他の実施形態では、肥満は、食事誘発肥満である。他の実施形態では、肥満は、長期の安静によって誘発される。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象において体重減少を促進、増大または助長する方法に関し、その方法は、本明細書に記載されている化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、結晶またはそれらの任意の組み合わせを、対象において体重減少を促進、増大または助長するのに有効な量で対象に投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象の食欲を低下、抑制、阻害または低減する方法に関し、その方法は、本明細書に記載されている化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、結晶またはそれらの任意の組み合わせを、対象の食欲を低下、抑制、阻害または低減するのに有効な量で対象に投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象において体重増加を低減する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、カロリー摂取全体に影響を及ぼすことなく、対象において体重増加を低減する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、除脂肪体重または体水分を減少させることなく、対象において体重増加を低減する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象において体重増加を予防する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、カロリー摂取全体に影響を及ぼすことなく、対象において体重増加を予防する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、除脂肪体重または体水分を減少させることなく、対象において体重増加を予防する方法に関する。一実施形態では、体重増加は、高脂肪食摂取による。他の実施形態では、体重増加は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、体重増加は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、体重増加は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、体重の10%〜100%の体重増加を予防する方法に関する。他の実施形態では、本発明の方法は、体重の10〜25%の体重増加を予防する。他の実施形態では、本発明の方法は、体重の25〜50%の体重増加を予防する。他の実施形態では、本発明の方法は、体重の30〜70%の体重増加を予防する。他の実施形態では、本発明の方法は、体重の50〜100%の体重増加を予防する。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象の身体組成を変化させる方法に関し、その方法は、本明細書に記載されている化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、結晶またはそれらの任意の組み合わせを、対象の身体組成を変化させるのに有効な量で対象に投与するステップを含む。一実施形態では、身体組成の変化は、対象の除脂肪体重、脂肪不含の体重またはそれらの組み合わせを変化させることを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象において体脂肪量を減少させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、対象において体脂肪量の形成を予防する方法を提供する。一実施形態では、体脂肪量の形成は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、体脂肪量の形成は、閉経後肥満に関連している。一実施形態では、体脂肪量の形成は、内臓肥満に関連している。一実施形態では、体脂肪量の形成は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、体脂肪量の10%〜100%の体脂肪量の上昇を予防する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、体脂肪の量25%〜35%の体脂肪量の上昇を予防する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、体脂肪量の35%〜45%の体脂肪量の上昇を予防する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、体脂肪量の45%〜55%の体脂肪量の上昇を予防する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、体脂肪量の55%〜65%の体脂肪量の上昇を予防する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、体脂肪量の65%〜75%の体脂肪量の上昇を予防する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、体脂肪量の75%〜100%の体脂肪量の上昇を予防する方法に関する。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、対象において除脂肪体重を増加させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、対象において除脂肪体重の減少を予防する方法を提供する。一実施形態では、除脂肪体重の減少は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、除脂肪体重の減少は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、除脂肪体重の減少は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、除脂肪体重の減少は、男性更年期の内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、筋肉重量を増加させる方法に関する。他の実施形態では、本発明は、筋肉重量の減少を予防する方法に関する。一実施形態では、その減少は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、その減少は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、その減少は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その減少は、男性更年期での内臓肥満に関連している。一実施形態では、筋肉重量は、腓腹筋重量である。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象において除脂肪体重または脂肪不含体重を変化させる方法に関し、その方法は、本明細書に記載されている化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、結晶またはそれらの任意の組み合わせを、対象において除脂肪体重または脂肪不含体重を変化させるのに有効な量で対象に投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象において脂肪を除脂肪筋肉に変換する方法に関し、その方法は、本明細書に記載されている化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、結晶またはそれらの任意の組み合わせを、対象において脂肪を除脂肪筋肉に変換するのに有効な量で対象に投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象において骨無機質含量(BMC)を上昇させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、対象においてBMCの低下を予防する方法を提供する。一実施形態では、BMCの低下は、高脂肪食に関連している。他の実施形態では、BMCの低下は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、BMCの低下は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、BMCの減少は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、骨粗鬆症を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、骨粗鬆症を予防する方法を提供する。一実施形態では、骨粗鬆症は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、骨粗鬆症は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、骨粗鬆症は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、骨粗鬆症は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象において白色脂肪組織(WAT)重量を減少させる方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象において白色脂肪組織重量の増加を予防する方法に関する。一実施形態では、白色脂肪組織重量の増加は、高脂肪食に関連している。他の実施形態では、白色脂肪組織重量の増加は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、白色脂肪組織重量の増加は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、白色脂肪組織重量の増加は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
コレステロール、トリアシルグリセロールおよび他の脂質は、密度に従って分類され得るリポタンパク質、例えば超低密度リポタンパク質(VLDL)、中密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)および高密度リポタンパク質(HDL)によって、体液の中で輸送される。
血液中の高いLDLコレステロール値は、アテローム性動脈硬化症(これは、動脈の、詳細には冠動脈の内壁への脂質の堆積によって、部分的に特徴付けられる進行性疾患である)と相関していることが示されている。LDLコレステロールの血中レベルの上昇が虚血性心疾患と相関していることも示されている。また、HDLコレステロールの血中レベルと虚血性心疾患との間には負の相関性が存在する。
HDLコレステロールとLDLコレステロールとVLDLコレステロールとカイロミクロン−コレステロールの合計である血中総コレステロール値では、虚血性心疾患およびアテローム硬化症のリスクを必ずしも予測することはできない。
しかし、アテローム硬化症とLDLコレステロール値との相関度は、アテローム硬化症と総血清コレステロール値との同様の相関度よりもはるかに高い。
他の実施形態では、本発明は、対象においてコレステロール値を低下させる方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象においてLDL−コレステロール値を低下させる方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象において全コレステロール値を低下させる方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象においてコレステロール値の上昇を予防する方法に関する。一実施形態では、コレステロール値の上昇は、高脂肪食に関連している。他の実施形態では、コレステロール値の上昇は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、コレステロール値の上昇は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、コレステロール値の上昇は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明の化合物をHDL増加剤と同時投与する。他の実施形態では、本発明の1つの化合物をHDL増加剤と同時投与する。他の実施形態では、HDL増加剤にはナイアシンが含まれる。他の実施形態では、HDL増加剤には、ゲムフィブロジル(Lopid)、チオウレア系ゲムフィブロジル類似体およびフェノフィブラート(TriCor)を包含するフィブラートが含まれる。他の実施形態では、HDL増加剤にはスタチンが含まれる。他の実施形態では、HDL増加剤には、1−ヒドロキシアルキル−3−フェニルチオ尿素およびその類似体が含まれる。
一実施形態では、アテローム硬化症は、動脈の最内層の損傷で始まり得るゆっくりとした複雑な疾患を指す。他の実施形態では、動脈壁の損傷の原因には、a)血中コレステロール値の上昇;b)高血圧;c)タバコの煙d)糖尿病が含まれ得る。他の実施形態では、タバコの煙がアテローム硬化症を著しく悪化させ、冠状動脈、大動脈および足の動脈におけるその成長を加速させ得るという事実にもかかわらず、その状態は、喫煙者において治療可能である。同様に、他の実施形態では、本発明の方法は、アテローム硬化症の高いリスクを有する早期心臓血管疾患の家族歴を有する対象を治療する際に有用であり得る。
一実施形態では、本発明は、アテローム硬化症を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、アテローム硬化症を予防する方法を提供する。一実施形態では、アテローム硬化症は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、アテローム硬化症は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、アテローム硬化症は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、アテローム硬化症は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、対象においてアテローム硬化症およびその関連疾患、例えば心臓血管障害、脳血管性障害、末梢血管障害または腸管血管障害を治療する方法を提供し、その方法は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物、N−オキシドもしくはそれらの任意の組み合わせまたはそれらを含む組成物を対象に投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。方法は、心臓血管障害、脳血管性障害、末梢血管障害、腸管血管障害またはそれらの組み合わせを治療する際に有用であることが知られている1種または複数の薬剤と同時投与、その後の投与またはその前の投与をさらに含んでよい。
高コレステロール血症は、高レベルのコレステロールが対象の血液中に存在する状態である。これは疾患ではないが、多くの疾患に対して二次的であり得、疾患の多くの形態、多くは特に心臓血管疾患の一因となり得る代謝障害である。血中コレステロールの上昇は、血流中でコレステロールを運搬する粒子であるリポタンパク質のレベルの異常が原因である。これは、食事、遺伝的因子(家族性高コレステロール血症におけるLDL受容体突然変異など)ならびに糖尿病および不活発な甲状腺などの他の疾患の存在に関連し得る。
一実施形態では、本発明は、高コレステロール血症を緩和する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、高コレステロール血症を予防する方法に関する。他の実施形態では、高コレステロール血症は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、高コレステロール血症は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、高コレステロール血症は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、高コレステロール血症は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象においてレプチン値を低下させる方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象においてレプチン値の上昇を予防する方法を提供する。一実施形態では、レプチン値の上昇は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、レプチン値の上昇は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、レプチン値の上昇は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、レプチン値の上昇は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明の方法を介して治療しようとする対象は、インスリン耐性を有する対象である。インスリン耐性は、正常量のインスリンでは、脂肪、筋肉および肝臓細胞から正常なインスリン応答を生じさせるには不十分である状態である。脂肪細胞でのインスリン耐性は、貯蔵トリグリセリドの加水分解をもたらし、このことが、血漿中で遊離脂肪酸を上昇させる。筋肉中でのインスリン耐性はグルコース取り込みを減少させるが、肝臓でのインスリン耐性は、グルコース貯蔵を減少させ、その両方の効果によって血糖が上昇するように働く。インスリン耐性によるインスリンおよびグルコースの高い血漿レベルは多くの場合に、代謝症候群およびII型糖尿病をもたらす。
一実施形態では、本発明は、インスリン耐性を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、インスリン耐性を予防する方法を提供する。一実施形態では、インスリン耐性は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、インスリン耐性は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、インスリン耐性は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、インスリン耐性は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、対象においてインスリン感受性を改善する方法を提供する。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、糖尿病を治療するか、その進行を止めるか、その症状を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、糖尿病を予防する方法を提供する。一実施形態では、糖尿病はI型糖尿病である。他の実施形態では、糖尿病はII型糖尿病である。さらなる実施形態では、糖尿病は真性糖尿病である。一実施形態では、糖尿病は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、糖尿病は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、糖尿病は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、糖尿病は、高脂肪食によって誘発される。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、糖尿病性腎障害を治療する方法を提供し、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
糖尿病性腎障害は、早期には典型的には糖尿病の臨床診断が行われる前に発生する、糖尿病の合併症である。腎障害の最も早期の臨床的証拠は、低度ではあるが異常なレベルの尿中アルブミン(>30mg/日または20μg/分)(微量アルブミン尿)の出現、その後、10〜15年間にわたって進展するアルブミン尿症(>300mg/24時間または200μg/分)の出現である。1型糖尿病の患者では、糖尿病性高血圧は典型的には、早期に、患者が微量アルブミン尿を発現するまでに、顕性となる。糖尿病個体において、顕性障害が発生すると、時が経つにつれて(数年である場合もある)糸球体濾過率(GFR)が降下し、結果的に末期腎疾患(ESRD)となる。
一実施形態では、本発明は、糖尿病性神経障害を治療する方法を提供し、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
糖尿病性神経障害は、糖尿病によって引き起こされる神経障害の一群である。糖尿病性神経障害は、手、腕、足および下肢のしびれ感ならびに時には疼痛および脱力を引き起こす。糖尿病における神経学的問題は、消化管、心臓および生殖器を包含するすべての器官系で発生し得る。糖尿病性神経障害は、末梢性のもの、自律性のもの、近位型のものおよび限局性のものに分類される。末梢神経障害は、足指、足、下肢、手および腕の疼痛または感覚喪失を引き起こす。自律性神経障害は、消化、腸および膀胱機能、性反応および発汗を変化させ、ならびに心臓に機能する神経および血圧を制御する神経にも影響を及ぼし得る。近位型神経障害は、大腿、股関節または臀部の疼痛を引き起こし、下肢の脱力をもたらす。限局性神経障害は結果として、1つの神経もしくは神経群を突然弱化させ、それに起因して筋肉脱力または疼痛が生じる。体内のどの神経にも影響がおよび得る。
他の実施形態では、本発明は、糖尿病に関連する共存症を治療することに関する。これらの疾患には例えば、高血圧(HTN)、脳血管疾患、アテローム硬化性冠動脈疾患、黄斑変性、糖尿病性網膜症(眼疾患)および失明、白内障−全身性炎症(赤血球沈降速度またはC反応性タンパク質などの炎症マーカーの上昇を特徴とする)、出産時欠損、妊娠関連糖尿病、妊娠中毒症および妊娠時高血圧、腎臓疾患(腎機能不全、腎不全など)、神経疾患(糖尿病性神経障害)、表層および全身性真菌感染、鬱血性心不全、痛風/高尿酸血症、肥満、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂肪肝疾患(非アルコール性脂肪性肝炎またはNASH)ならびに糖尿病関連皮膚疾患、例えば糖尿病性リポイド類壊死症(NLD)、糖尿病の水疱(糖尿病性水疱)、発疹性黄色腫症、手指硬化症、播種状環状肉芽腫および黒色表皮腫が含まれる。
一実施形態では、本発明の方法を介して治療しようとする対象は、インスリン過剰血症の対象である。インスリン過剰血症は、過剰量のインスリンを膵臓に分泌させている根底にある問題の症候である。インスリン過剰血症の最も共通する原因は、インスリン耐性であり、即ち、身体がインスリンの効果に抵抗し、膵臓がより多くのインスリンを製造することによってそれを補償しようとしている状態である。インスリン過剰血症はII型糖尿病に随伴する。
他の実施形態では、本発明は、インスリン過剰血症を緩和する方法に関している。他の実施形態では、本発明は、インスリン過剰血症を予防する方法に関する。一実施形態では、インスリン過剰血症は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、インスリン過剰血症は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、インスリン過剰血症は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、インスリン過剰血症は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象においてグルコースレベルを低下させる方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象においてグルコースレベルの上昇を予防する方法に関する。一実施形態では、グルコースレベルの上昇は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、グルコースレベルの上昇は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、グルコースレベルの上昇は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、グルコースレベルの上昇は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
炎症は、感染および異物、例えば細菌およびウイルスから我々を保護することができる白血球および内因性化学物質が、創傷または感染の周囲の組織に対して作用すると生じる一般的で潜在的に衰弱性の状態である。しかし、一部の疾患では、退治して除去する異物が存在しない場合に、身体の防御系(免疫系)が炎症反応を引き起こす。自己免疫疾患と呼ばれるこれらの疾患では、身体の正常な防御免疫系がそれ自体の組織への損傷を生じさせる。身体は、正常組織があたかも感染したかのように、または正常組織が何か異常であるかのように反応する。全てのタイプではないが一部のタイプの関節炎は、間違った炎症の結果である。関節炎は、関節における炎症を記述する一般用語であり、世界人口の2〜4%超がそれに罹患している。腫脹および炎症を低減し、ならびに望むらくは炎症性疾患の進行を予防するまたは最小にするために利用できる多くの薬物が存在する。その薬物には、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID−例えばアスピリン、イブプロフェンまたはナプロキセン)、コルチコステロイド(例えばプレドニゾン)、抗マラリア薬(例えばヒドロキシクロロキン)および他の薬物(金、メトトレキサート、スルファラジン、ペニシラミン、シクロホスファミドおよびシクロスポリンを包含する)が含まれる。
炎症の治療法としてのエストロゲン受容体およびそのリガンドの役割が検討されてきた。その効果は、アイソフォームER−βによって媒介されると考えられる。エストラジオールまたはSERM、例えばラロキシフェンおよびタモキシフェンでのラットの治療は、リポ多糖誘発炎症反応の発生率を低下させることが示されている。炎症反応を媒介する経路の1つは、NFκB経路の活性化によるものである。核内受容体リガンドは、タンパク質間相互作用によってNFκB活性を阻害する。最近、SERMは、他の生殖組織にエストロゲン作用を及ぼすことなく、NFκB機能を阻害することによって炎症反応を阻害することが示された。
他の実施形態では、本発明は、対象において炎症を治療するか、予防するか、阻害するか、その発生率を低下させる方法に関する。一実施形態では、その炎症は、高レベルのマクロファージ炎症性タンパク質−1β(MIP−1β)に関連している。一実施形態では、その炎症は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、その炎症は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、その炎症は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その炎症は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象においてマクロファージ炎症性タンパク質−1β(MIP−1β)レベルの上昇を治療するか、予防するか、阻害するか、その発生率を低下させる方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象においてマクロファージ炎症性タンパク質−1β(MIP−1β)レベルの上昇を予防する方法に関する。一実施形態では、その上昇は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、その上昇は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、その上昇は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その上昇は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、炎症および関連障害を治療する際に、例えば:a)関節炎の予防、治療または反転;b)関節炎性疾患、例えばベーチェット病(自己免疫性脈管炎)、滑液嚢炎、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶(CPPD)、沈着症(または偽痛風)、手根管症候群、結合組織障害、クローン病、エラース−ダンロス症候群(EDS)、線維筋痛症、痛風、感染性関節炎、炎症性腸疾患(IBD)、若年性関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、ライム病、マルファン症候群、筋炎、変形性関節症、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、乾癬、乾癬性関節炎、レイノー現象、反射性交感神経性ジストロフィー症候群、ライター症候群、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、腱炎または潰瘍性大腸炎の予防、治療または反転;c)自己免疫疾患の予防、治療または反転;d)慢性腎臓疾患(CKD)に有用である。
他の実施形態では、本発明は、対象において炎症性疾患、障害または状態を治療するか、予防するか、阻害するか、その発生率を低下させる方法を提供し、その方法は、式(I)〜(XII)またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを投与し、それによって対象の炎症性疾患を治療するか、予防するか、阻害するか、その発生率を低下させることを含む。一部の実施形態では、ER−βアゴニストは、対象において炎症性疾患、障害または状態を治療するか、予防するか、阻害するか、その発生率を低下させる際に有用である。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12bである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12fである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12hである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12pである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12sである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物14mであり、もしくはそれらの任意の組み合わせである。
一部の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、解剖学的閉塞の発現に影響を及ぼし得る間質−上皮性増殖を阻害し(図23、実施例34)、これによって炎症を低減することによって、炎症を治療することができる。一実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、平滑筋を弛緩させ、それによって尿路の症状を軽減することができ、BPHの発生に影響を及ぼし、それによって炎症を低減し、そのことによって、炎症を治療することができる。
一部の実施形態では、炎症性疾患、障害または状態には、急性炎症、関節症(全般)、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、喘息、急性炎症、慢性炎症、関節損傷、関節腫脹、関節びらん、敗血症またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
関節の炎症は、ヒトばかりでなく、動物、特にウマにおいても疼痛、跛行および身体活動不振の最も一般的な原因の1つである。この衰弱性疾患は、浮腫、発赤、熱および疼痛によって特徴付けられる。未治療のまま放置すると、関節の炎症は、関節滑膜および関節軟骨の破壊も招き、永続的な消耗性疾患を生じさせ得る。炎症中に生じる浮腫、発赤および疼痛は、関節の生理学的変化の結果である。例えば、滑膜の透過性が炎症中に増大して、滑液を関節の組織に漏出させる。炎症の間には、関節の血管系における血流および圧力の変化も生じる。加えて炎症の間には、関節の細胞の代謝活性が増大する。
他の実施形態では、本発明は、対象において関節炎症を治療するか、予防するか、阻害するか、その発生率を低下させる方法を提供し、その方法は、式(I)〜(XII)のNRBAまたはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを含む医薬組成物を投与し、それによって、対象において関節炎症を治療するか、予防するか、阻害するか、その発生率を低下させることを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、NRBAは、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、NRBAは、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、NRBAは、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、NRBAは、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、脂肪沈着による肝臓損傷は、脂肪肝を形成する肝臓細胞中での脂肪の形成を指し、これは、肝臓の炎症に関連し得るか、またはそれをもたらし得る。これは、肝臓の瘢痕化および硬化をもたらし得る。瘢痕化が広範になると、硬変と称される。
他の実施形態では、本発明は、対象の肝臓において脂肪の蓄積を阻害する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象の肝臓において脂肪量を減少させる方法に関する。一実施形態では、本発明は、脂肪肝疾患を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、脂肪肝疾患を予防する方法を提供する。一実施形態では、脂肪肝疾患は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、脂肪肝疾患は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、脂肪肝疾患は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、脂肪肝疾患は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、「脂肪肝疾患」は、脂肪が肝臓に蓄積する疾患を指す。他の実施形態では、脂肪は、肥満に伴って肝臓内に蓄積する。他の実施形態では、脂肪肝は、糖尿病、高血中トリグリセリドおよびアルコールの大量摂取にも関連している。他の実施形態では、脂肪肝は、結核および栄養失調などの特定の病気、肥満のための腸管バイパス手術、体内の過剰なビタミンAまたはバルプロ酸(商品名:Depakene/Depakote)およびコルチコステロイド(コルチゾン、プレドニゾン)などの特定の薬物の使用に伴って生じ得る。時には脂肪肝は、妊娠の合併症として生じる。
一実施形態では、本発明は、対象において抗酸化経路を変化させる方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象においてグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx−3)レベルを低下させる方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象においてグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx−3)レベルの上昇を予防する方法に関する。一実施形態では、その上昇は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、その上昇は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、その上昇は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その上昇は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、本発明は、対象においてDNA損傷誘発性トランスクリプトIII(Ddit3)のレベルを上昇させる方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象においてDNA損傷誘発性トランスクリプトIII(Ddit3)のレベルの低下を予防する方法に関する。一実施形態では、その低下は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、その低下は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、その低下は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その低下は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象において酸化損傷関連疾患、障害または状態を治療するか、予防するか、阻害するか、その発生率を低下させる方法を提供し、その方法は、式(I)〜(XII)の化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを含む医薬組成物を投与し、そのことによって、対象において酸化損傷関連疾患、障害または状態を治療するか、予防するか、阻害するか、その発生率を低下させることを含む。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一部の実施形態では、酸化損傷関連疾患、障害または状態には、癌;皮膚障害;神経変性疾患、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症および筋萎縮性側索硬化症(amytrophic lateral sclerosis);血管疾患、例えば脳卒中および様々な加齢性認知症ならびにアテローム硬化症;または加齢性黄斑変性が含まれ得る。
酸化損傷は、過酸化物および遊離ラジカルの産生を介して、細胞および組織の成分を損傷する、例えば細胞全体、細胞膜、DNAなどを損傷する、様々な細胞産物の酸化が原因である細胞および組織の損傷を含み得る。
一実施形態では、本発明は、対象において脱共役タンパク質−a(UCP−1)レベルを上昇させる方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象において脱共役タンパク質−1(UCP−1)レベルの低下を予防する方法に関する。一実施形態では、その低下は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、その低下は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、その低下は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その低下は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象のエネルギー消費を増大させる方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象のエネルギー消費の低下を予防する方法に関する。一実施形態では、エネルギー消費の低下は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、エネルギー消費の低下は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、エネルギー消費の低下は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、エネルギー消費の低下は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象において脂質生成を減少させるか、阻害するか、または予防する方法に関する。一実施形態では、脂質生成は、対象における脂質生成を促進する遺伝子の低いレベルに関連している。これらの遺伝子には、これらに限られないが:リポタンパク質リパーゼ(LPL)、脂肪酸シンターゼ(FASN)、調節エレメント結合タンパク質−1(SREBP−1)、リン脂質転移タンパク質(PLTP)およびデヒドロコレステロールレダクターゼ(Dhcr24)が含まれる。他の実施形態では、本発明は、対象におけるリポタンパク質リパーゼ(LPL)レベルの上昇に関する。他の実施形態では、本発明は、対象における脂肪酸シンターゼ(FASN)のレベルの上昇に関する。他の実施形態では、本発明は、対象における調節ヨウ素結合タンパク質−1(SREBP−1)のレベルの上昇に関する。他の実施形態では、本発明は、対象におけるリン脂質転移タンパク質(PLTP)のレベルの上昇に関する。他の実施形態では、本発明は、対象におけるデヒドロコレステロールレダクターゼ(Dhcr24)のレベルの上昇に関する。他の実施形態では、本発明は、対象においてリポタンパク質リパーゼ(LPL)のレベルの低下を予防することに関する。他の実施形態では、本発明は、対象において脂肪酸シンターゼ(FASN)のレベルの低下を予防することに関する。他の実施形態では、本発明は、対象において調節要素結合タンパク質−1(SREBP−1)のレベルの低下を予防することに関する。他の実施形態では、本発明は、対象においてリン脂質転移タンパク質(PLTP)レベルの低下を予防することに関する。他の実施形態では、本発明は、対象においてデヒドロコレステロールレダクターゼ(Dhcr24)のレベルの低下を予防することに関する。一実施形態では、脂質生成は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、脂質生成は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、脂質生成は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、脂質生成は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、対象において脂質プロファイルを改善し、かつ/または循環脂質レベルを低下させるために、本明細書に記載されている化合物を使用する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明のこの態様では、対象は、アテローム硬化症およびその関連疾患、早発性老化、アルツハイマー病、脳卒中、毒性肝炎、ウイルス性肝炎、末梢血管不全、腎疾患および高血糖症からなる群から選択される1または複数の疾患を患っており、本発明は一部の実施形態では、対象の脂質プロファイルにプラスの影響を及ぼす本明細書に記載されている化合物またはそれを含む組成物の投与を提供し、これは、示されている疾患、障害および状態を治療する際にその方法が有用となる1つの手段である。
他の実施形態では、本発明は、対象において脂質プロファイルを改善する方法を提供し、その方法は、式(I)〜(XII)のNRBAまたはそのプロドラッグ、エステル、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせまたはそれらを含む組成物を投与し、それによって、前記対象において脂質プロファイルを改善することを含む。一部の実施形態では、ER−βアゴニストは、対象において脂質プロファイルを改善する際に有用である。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12bである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12fである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12hである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12pである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12sである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物14mであるか、またはそれらの任意の組み合わせである。
一部の実施形態では、「脂質プロファイルを改善する」という語句は、当業者には認められるであろうとおり、病原性循環脂質レベルを低下させること、血管系でのプラーク形成を低下させること、循環HDL/LDL比を変化させること、LDLレベルとHDLレベルとの比を低下させること、循環コレステロール値を低下させること、血管系での脂質蓄積を予防すること、もしくはそれらの任意の組み合わせまたはそれに関連した他の治療効果を指し得る。
一実施形態では、本発明は、対象において循環脂質レベルを低下させる方法を提供し、前記方法は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物、N−オキシドもしくはそれらの任意の組み合わせまたはそれらを含む組成物を投与することを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。一実施形態では、対象は、アテローム硬化症およびその関連疾患、早発性老化、アルツハイマー病、脳卒中、毒性肝炎、ウイルス性肝炎、末梢血管不全、腎疾患、高血糖症またはそれらの任意の組み合わせを患っている。
高脂血症は、血液中に高いか、または異常なレベルの脂質および/またはリポタンパク質が存在することである。脂質(脂肪分子)は、タンパク質カプセル中で輸送され、脂質の密度およびタンパク質の種類が、粒子の運命および代謝に対するその影響を決定する。脂質およびリポタンパク質異常は、一般の個体群において極めて共通しており、かつ最も臨床的に関連する脂質物質であるコレステロールのアテローム硬化症に対する影響によって、心臓血管疾患へと高度に変化し得るリスク因子とみなされている。
一実施形態では、本発明は、高脂血症を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、高脂血症を予防する方法を提供する。一実施形態では、高脂血症は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、高脂血症は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、高脂血症は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、高脂血症は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象において脂質生成を減少させるか、抑制するか、阻害するか、または低減する方法に関し、その方法は、本明細書に記載されている化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、結晶またはそれらの任意の組み合わせを対象に投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象において細胞死誘導性DNA断片化因子(CIDEA)のレベルを上昇させることに関する。他の実施形態では、本発明は、対象において細胞死誘導性DNA断片化因子(CIDEA)のレベルの低下を予防することに関する。一実施形態では、その低下は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、その低下は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、その低下は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その低下は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体−γ(PPAR−γ)機能を阻害する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、ER−βアゴニストなどの間接的に働く薬剤を介してペルオキシソーム増殖因子活性化受容体−γ(PPAR−γ)機能を阻害する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、有害な副作用をもたらすことなく、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体−γ(PPAR−γ)機能を阻害する方法に関する。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、閉経後疾患を患っている対象を治療する方法を提供し、前記方法は、NRBAおよび/またはその薬学的に許容される塩、水和物、N−オキシドもしくはそれらの任意の組み合わせを前記対象に投与するステップを含む。他の実施形態では、NRBAは、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、NRBAは、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、NRBAは、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、NRBAは、表1に列挙されている化合物14mである。他の実施形態では、NRBAは表1に列挙されている化合物15a、15b、15c、15g、15hまたは15iである。
他の実施形態では、本発明は、閉経後疾患のリスクを抑制するか、阻害するか、または低減する方法を提供し、前記方法は、NRBAおよび/またはその薬学的に許容される塩、水和物、N−オキシドもしくはそれらの任意の組み合わせを前記対象に投与するステップを含む。他の実施形態では、NRBAは、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、NRBAは、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、NRBAは、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、NRBAは、表1に列挙されている化合物14mである。他の実施形態では、NRBAは、表1に列挙されている化合物15a、15b、15c、15g、15hまたは15iである。
一実施形態では、本発明は、代謝障害、例えば肥満、代謝症候群、インスリン耐性、糖尿病(例えばI型糖尿病、II型糖尿病、真性糖尿病)、アテローム硬化症、高脂血症、脂肪肝、骨粗鬆症および/またはレプチン関連障害を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、対象において肥満関連代謝障害を治療する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、対象において肥満関連代謝障害を予防するか、抑制するか、阻害するか、または低減する方法に関する。一実施形態では、肥満関連代謝障害は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、肥満関連代謝障害は、閉経後肥満に関連している。他の実施形態では、肥満関連代謝障害は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、肥満関連代謝障害は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、本発明は、対象において肥満関連代謝障害を治療する方法に関し、その方法は、本明細書に記載されている化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、結晶またはそれらの任意の組み合わせを、対象において肥満関連代謝障害を治療するのに有効な量で対象に投与するステップを含む。他の実施形態では、本発明は、対象において肥満関連代謝障害を予防、抑制、阻害または低減する方法に関し、その方法は、本明細書に記載されている化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、結晶またはそれらの任意の組み合わせを、対象において肥満関連代謝障害を予防、抑制、阻害または低減するのに有効な量で対象に投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、肥満関連代謝障害は高血圧である。他の実施形態では、障害は変形性関節症である。他の実施形態では、障害は血圧の亢進である。他の実施形態では、障害は脳卒中である。他の実施形態では、障害は心疾患である。
代謝症候群は、心臓血管疾患および糖尿病を発症するリスクを一緒に上昇させる一群の代謝リスク因子または医学的障害を指す。代謝症候群の主な特徴には、インスリン耐性、高血圧症(高血圧)、コレステロール異常および凝固の高いリスクが含まれる。患者は多くの場合に、過体重か、または肥満である。
一実施形態では、本発明は、代謝症候群を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、代謝症候群を予防する方法を提供する。一実施形態では、代謝症候群は、閉経後代謝症候群である。他の実施形態では、代謝症候群は、高脂肪食摂取に関連している。他の実施形態では、代謝症候群は、内臓肥満に関連している。他の実施形態では、代謝症候群は、男性更年期での内臓肥満に関連している。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
「筋消耗」は、運動、心臓筋肉を制御し、心臓(心筋)および平滑筋を制御する骨格筋または随意筋を包含する筋肉量の進行性の喪失および/または筋肉の進行性の脆弱化および変性を指す。慢性筋消耗は、筋肉量の進行性喪失、筋肉の脆弱化および変性によって特徴付けられる慢性疾患(即ち、長期間にわたって存続する)である。
筋消耗は、慢性、神経性、遺伝性または感染性の病理、疾患、疾患または状態に関連している。これらには、筋ジストロフィー、例えばデュシェンヌ型筋ジストロフィーおよび筋緊張性ジストロフィー;筋萎縮、例えばポリオ後筋萎縮(PPMA);悪液質、例えば心臓悪液質、AIDS悪液質および癌悪液質、栄養失調、ハンセン病、糖尿病、腎疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、癌、末期腎不全、サルコペニア、気腫、骨軟化、HIV感染、AIDSおよび心筋症が含まれる。
一実施形態では、本発明は、筋消耗を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、筋消耗を予防する方法を提供する。一実施形態では、筋消耗は、閉経後筋消耗である。他の実施形態では、筋消耗は、高脂肪食摂取による。他の実施形態では、筋消耗は、内臓肥満による。他の実施形態では、筋消耗は、男性更年期での内臓肥満による。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
「悪液質」は、疾患によって引き起こされるか、または疾病の副作用としての衰弱および減量である。心臓悪液質、即ち、心臓および骨格筋の両方の筋肉タンパク質消耗は、鬱血性心不全に特徴的である。癌悪液質は、充実性腫瘍および血液学的悪性疾患の患者で生じる症候群であり、かつ脂肪組織および除脂肪筋肉量の大規模な減損を伴う体重減少によって症状発現する。後天性免疫不全症候群(AIDS)悪液質は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に関連する筋障害および/または筋肉衰弱/消耗であり、これは、相対的に共通するAIDSの臨床的症状発現である。HIV関連筋障害または筋肉衰弱または消耗を有する個体は典型的には、かなりの体重減少、全身または近位筋肉衰弱、圧痛および筋萎縮を経験する。
一実施形態では、本発明は、悪液質を治療するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、悪液質を予防する方法を提供する。一実施形態では、悪液質は、閉経後悪液質である。他の実施形態では、悪液質は高脂肪食摂取による。他の実施形態では、悪液質は内臓肥満による。他の実施形態では、悪液質は男性更年期での内臓肥満による。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
他の実施形態では、本発明は、筋同化(myoanabolism)を増大させる方法に関する。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、a)対象において子宮内膜症を治療する方法;b)対象において乳癌を治療する方法;c)対象において肺癌を治療する方法;d)対象において攻撃行動を低減する方法;e)対象において不安を治療する方法;f)対象においてホットフラッシュを治療する方法;g)対象において閉経後骨粗鬆症を治療する方法を提供し、その方法は、本発明の化合物および/または前記化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物もしくは結晶またはそれらの任意の組み合わせを投与するステップを含む。ER−βアンタゴニストは、不安、ホットフラッシュおよび閉経後骨粗鬆症などの様々な疾患を治療するために有用であり得る。上述の適応症のうちの多くは、主にER−αによって媒介される。機構的には、ER−βが、ER−αの優勢な負の阻害薬であるという事実はよく知られている。したがって、これらの閉経後疾患において、限られた量の循環エストロゲンのER−αへの結合および活性化でも、ER−βの結合および活性化によって阻害される。アンタゴニストでのER−βの阻害は、ER−αに対するその抑制効果を軽減し、ER−α機能の増大をもたらすはずである。したがって、ER−βアンタゴニストは、ホットフラッシュ、閉経後骨粗鬆症および不安を治療するために使用することができるであろう。
子宮内膜症は、子宮内膜様細胞が子宮腔の外側の領域で、最も一般的には卵巣で出現し、かつ増殖する女性における衰弱性の医学的状態である。子宮腔は、女性ホルモンの影響下にある子宮内膜細胞によって覆われている。子宮の外側の領域にあるこれらの子宮内膜様細胞(子宮内膜症)は、ホルモン変化によって影響を受け、かつ子宮の内側で見出されるそれらの細胞が応答するのと同様に応答する。子宮内膜症は典型的には、生殖期の間に見られ;女性のおよそ5%から10%で生じると推定されている。子宮内膜症の主な症状は、反復する骨盤疼痛である。他の症状には、悪心、嘔吐、失神、めまい発作、めまい、頻繁か、または恒常的な子宮出血、慢性疲労、気分変動、下腿および大腿での強い疼痛、背部痛、性交の間の弱い疼痛から強い疼痛などが含まれ得る。
子宮内膜症では、ER−βが病的に過剰発現され、プロゲスチンおよびPR作用を阻害する。ER−βアンタゴニストを組み合わせることで、プロゲスチンの治療効力が改善され得る。別の方法では、ER−βアンタゴニストのみでも、内生プロゲスチン機能を回復させ得る。
一実施形態では、本発明は、子宮内膜症を治療するか、予防するか、阻害するか、抑制するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、その重症度を低下させる方法を提供し、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、ER−βアンタゴニストである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物15a、15b、15c、15g、15hまたは15iである。
ER−βの活性化が、乳癌および肺癌において増殖の増大をもたらすことが示されている。したがって、ER−βの阻害は、乳癌および肺癌を治療するために有用であり得る。
一実施形態では、本発明は、乳癌を治療するか、予防するか、阻害するか、抑制するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法に関し、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、ER−βアンタゴニストである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物15a、15b、15c、15g、15hまたは15iである。
一実施形態では、本発明は、肺癌を治療するか、予防するか、阻害するか、抑制するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法に関し、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、ER−βアンタゴニストである。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物15a、15b、15c、15g、15hまたは15iである。
一実施形態では、本発明は、対象において攻撃行動を低減する方法に関し、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、ER−βアンタゴニストである。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物15a、15b、15c、15g、15hまたは15iである。
一実施形態では、本発明は、対象において不安を治療するか、予防するか、阻害するか、抑制するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法に関し、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、本発明の化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、ER−βアンタゴニストである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物15a、15b、15c、15g、15hまたは15iである。
一実施形態では、本発明は、対象においてホットフラッシュを治療するか、予防するか、阻害するか、抑制するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法に関し、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、ER−βアンタゴニストである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物15a、15b、15c、15g、15hまたは15iである。
一実施形態では、本発明は、対象において閉経後骨粗鬆症を治療するか、予防するか、阻害するか、抑制するか、その発症を遅延させるか、その発生率を低下させるか、あるいはその重症度を低下させる方法に関し、その方法は、本発明の化合物を投与するステップを含む。他の実施形態では、前記化合物は、ER−βアンタゴニストである。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物15a、15b、15c、15g、15hまたは15iである。
一実施形態では、本発明は、a)対象において骨関連疾患を治療する方法;b)対象において骨質量を増大させる方法;c)対象において脂質プロファイルを改善する方法;d)アテローム硬化症およびその関連疾患を治療する方法;e)対象において器用さおよび運動を改善する方法;f)月経困難を有する対象を治療する方法を提供し、その方法は、本発明の化合物および/または前記化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物もしくは結晶またはそれらの任意の組み合わせを前記対象に投与するステップを含む。
一実施形態では、本発明の方法は、ホルモン障害、分解または平衡異常に起因するか、または関連する疾患または障害を治療する際に有用である。一実施形態では、ホルモン障害、分解または平衡異常は、ホルモン過剰を含む。他の実施形態では、ホルモン障害、分解または平衡異常は、ホルモン欠損症を含む。一実施形態では、ホルモンはステロイドホルモンである。他の実施形態では、ホルモンはエストロゲンである。他の実施形態では、ホルモンはアンドロゲンである。他の実施形態では、ホルモンはグルココルチコイドである。他の実施形態では、ホルモンはコルチコステロイドである。他の実施形態では、ホルモンは黄体形成ホルモン(LH)である。他の実施形態では、ホルモンは瀘胞刺激ホルモン(FSH)である。他の実施形態では、そのホルモンは当分野において公知の任意の他のホルモンである。他の実施形態では、そのホルモン障害、分解または平衡異常は、閉経に関連している。他の実施形態では、そのホルモン障害、分解または平衡異常は、男性更年期、男性更年期血管運動症状および男性更年期女性化乳房、筋肉強度および/または機能、骨強度および/または機能ならびに怒りに関連している。他の実施形態では、そのホルモン欠損症は、対象における特定の処置の結果、例えば疾患または障害の治療の副作用である。例えばそのホルモン欠損症は、対象におけるアンドロゲン枯渇、例えば対象における前立腺癌のための療法の結果であり得る。それぞれの可能性が本発明の別個の実施形態を表す。
本発明の他の実施形態では、患者(即ち、アンドロゲン依存性疾患を患っている患者)におけるホルモン療法のための方法を提供し、その方法は、患者の核内ホルモン受容体を本発明の化合物および/または非ステロイドアゴニストおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、水和物、N−オキシドもしくはそれらの任意の組み合わせと、前記化合物が受容体に結合し、ホルモン依存性疾患に変化をもたらすのに有効な量で接触させることを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
本発明の一実施形態では、患者におけるホルモン補充療法のための方法を提供し、その方法は、本明細書に記載されている化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、水和物、N−オキシドもしくはそれらの任意の組み合わせを対象に、対象においてホルモン依存性疾患に変化をもたらすのに十分な量で投与することを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式I〜XIIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、式XIの化合物、またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形体、不純物、結晶あるいはそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
本発明の方法を含めて本明細書に記載されている化合物および/または組成物で治療され得るホルモン依存性疾患には、加齢、性機能低下症、赤血球産生の減少、骨粗鬆症に関連する疾患および低いエストロゲンレベルに依存している任意の他の疾患が含まれる。
本発明の方法を含めて本明細書に記載されている化合物および/または組成物で治療され得るホルモン依存性疾患には、当業者には明らかなように、多毛症、不妊、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜癌、乳癌、男性型脱毛症、前立腺癌、睾丸癌などを包含するエストロゲンレベルの上昇によって特徴付けられる疾患が含まれ得る。当業者には認められるように、そのような疾患では、対象に、本明細書に記載されている化合物を単独で、または他の治療薬と組み合わせて投与することができる。
他の実施形態では、本発明は、ホルモン依存性疾患、障害または状態を治療する方法を提供し、その方法は、本明細書に記載されている化合物と、任意選択で、化学療法薬および療法(メトトレキサート、シクロホスファミド、イホスファミド、アドリアマイシン、ドキソルビシン、グルココルチコイド、シクロスポリン、L−チロキシン、AI、フルベストラント、GnRH薬、ADT、ホルモン補充療法の停止、頭蓋部照射、末梢照射など;プロラクチン血症誘発性薬物療法薬(5HT2受容体を介して作用するセロトニン作動性抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬、三環系抗うつ薬、抗高血圧薬、例えばメチルドパ、レセルピン、クロニジンおよびベラパミル;抗ドーパミン作用性制吐薬、例えばメトクロプラミド、H2受容体アンタゴニスト、例えばシメチジンおよびラニチジン、エストロゲン、アンフェタミン、AR部分アンタゴニスト(ケトコナゾール、スピロノラクトン、エプレレノン)とを対象に投与することを含む。
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている化合物、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを、対象において悪液質の病因および/または癌に関連する悪液質を治療するか、その重症度を低下させるか、その発生率を低下させるか、またはそれを低減するために使用することを提供する。他の実施形態では、癌は、副腎皮質癌、肛門癌、膀胱癌、脳腫瘍、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、小脳神経膠星状細胞腫、脳神経膠星状細胞腫、脳室上衣細胞腫、髄芽細胞腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、松果体腫瘍、視床下部神経膠腫、乳癌、カルチノイド腫瘍、癌腫、子宮頸癌、結腸癌、子宮体癌、食道癌、肝臓外胆管癌、ユーイング系腫瘍(Pnet)、頭蓋外胚細胞腫瘍、眼癌、眼内黒色腫、胆嚢癌、胃癌、胚細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、妊娠性栄養膜腫瘍、頭頚部癌、下咽頭癌、島細胞癌、喉頭癌、白血病、急性リンパ性白血病、口腔癌、肝癌、肺癌、非小細胞性肺癌、小細胞性肺癌、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、中枢神経系(原発性)リンパ腫、皮膚T細胞性リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、悪性中皮腫、黒色腫、メルケル細胞癌、転移性扁平上皮癌、多発性骨髄腫、プラズマ細胞腫瘍、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性潜在性腫瘍、膵臓癌、外分泌、膵臓癌、島細胞癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫癌、下垂体癌、プラズマ細胞腫瘍、前立腺癌、横紋筋肉腫、直腸癌、腎臓細胞癌、唾液腺癌、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚T細胞性リンパ腫、皮膚癌、カポジ肉腫、皮膚癌、黒色腫、小腸癌、軟部組織肉腫、軟部組織肉腫、睾丸癌、胸腺腫、悪性甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、肉腫、幼児期の希な癌、膣癌、外陰癌、ウィルムス腫瘍またはそれらの任意の組み合わせを含む。
他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている化合物、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを、肺癌を治療するか、その重症度を低下させるか、その発生率を低下させるか、その発症を遅延させるために使用することを提供する。他の実施形態では、前記化合物は式I〜XIIの化合物である。
他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている化合物、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを、非小細胞肺癌を治療するか、その重症度を低下させるか、その発生率を低下させるか、その発症を遅延させるために使用することを提供する。
結腸癌は、米国で二番目に多く頻繁に診断される悪性疾患であり、さらに二番目に一般的な癌死の原因である。コレステロールに富む食事が、結腸の癌と明確な疫学上の関連を有し、特に本明細書に記載されているとおり、核内ホルモン結合因子を調節する化合物、特にステロイド産生経路の受容体結合成分を調節する化合物を投与することによって影響を受け得る。
一実施形態では、本発明は、対象において結腸癌を治療するか、その再発を予防するか、阻害するか、その発生率を低下させるか、その発症を遅延させるか、その再発率を低下させるか、またはその重症度を低下させる方法を提供し、その方法は、式(I)〜(XII)の化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを対象に投与することを含む。他の実施形態では、前記化合物は、式(I)〜(XII)の化合物である。一部の実施形態では、ER−βアゴニストは、対象において結腸癌を治療するか、その再発を予防するか、阻害するか、その発生率を低下させるか、その発症を遅延させるか、その再発率を低下させるか、またはその重症度を低下させる際に有用である。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12bである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12fである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12hである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12pである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12sである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12zまたはその任意の組み合わせである。
一実施形態では、本発明は、1)対象において脂質プロファイルを改善する方法;2)対象において循環脂質レベルを低下させる方法;3)対象において高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール値を上昇させる方法;4)対象において低密度リポタンパク質の高密度リポタンパク質レベルに対する比を変化させる方法を提供し、その際、前記対象が前立腺癌を有し、かつADTを受けているか、または受けたことがある場合に、前記方法は、式(I)〜(XII)の化合物またはそのプロドラッグ、エステル、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを前記対象に投与することを含む。他の実施形態では、その方法は、本発明の化合物を含む組成物を投与することを含む。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、前記化合物は、表1に列挙されている化合物14mである。
一実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている化合物、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを、a)骨に関連する障害を治療するために;b)骨に関連する障害を予防するために;c)骨に関連する障害を抑制するために;d)骨に関連する障害を阻害するために;e)対象の骨の強度を上昇させるために;f)対象の骨質量を増大させるために使用すること;g)破骨細胞生成を阻害するために使用することを提供する。
一実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている化合物、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを、a)骨修復を促進するために;b)骨障害を治療するために;c)骨密度損失を治療するために;d)低い骨ミネラル密度(BMD)を治療するために;e)骨質量の減少を治療するために;f)代謝性骨疾患を治療するために;g)骨成長または再成長を促進するために;h)骨の復元を促進するために;i)骨の骨折修復を促進するために;j)骨の再構造を促進するために;k)顔面、臀部または関節を包含する再構築手術後の骨損傷を治療するために;l)骨強度および機能を強化するために;m)皮質骨の質量を増大させるために;n)小柱結合性を増大させるために使用することを提供する。
一実施形態では、本発明は、対象において骨に関連する疾患または障害を治療するか、予防するか、その重症度を低下させるか、その発症を遅延させるか、またはその再発率を低下させる方法を提供し、その方法は、本発明のNRBAを対象に投与することを含む。一実施形態では、対象に、NRBAまたはそれを含む組成物を投与し、その際、そのNRBAは、式(I)〜(XII)のものまたはそのプロドラッグ、エステル、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせである。一部の実施形態では、ER−βアゴニストは、対象において骨に関連する疾患または障害を治療するか、予防するか、その重症度を低下させるか、その発症を遅延させるか、またはその再発率を低下させる際に有用である。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12bである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12fである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12hである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12pである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12sである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物14mまたはそれらの任意の組み合わせである。
一実施形態では、骨に関連する障害は、遺伝的障害であるか、または他の実施形態では、既知の疾患についての治療計画の結果として誘発される。
一実施形態では、骨に関連する障害は骨粗鬆症である。他の実施形態では、骨に関連する障害はオステオペニアである。他の実施形態では、骨に関連する障害は骨吸収の増加である。他の実施形態では、骨に関連する障害は骨折である。他の実施形態では、骨に関連する障害は骨の脆弱化である。
他の実施形態では、骨に関連する障害は、骨密度(BMD)の低下である。他の実施形態では、骨に関連する障害は、骨粗鬆症、オステオペニア、骨吸収の増加、骨折、骨の脆弱化およびBMDの低下の任意の組み合わせである。各障害が、本発明の別個の実施形態を表す。
「骨粗鬆症」は、一実施形態では、カルシウムおよび骨タンパク質の減少によって骨質量が減少すると共に骨密度が低下することを指す。他の実施形態では、骨粗鬆症は低い骨質量および骨組織の劣化によって特徴付けられ、その結果として骨が脆弱化して骨折しやすくなる全身性骨疾患である。骨粗鬆症の患者では、骨強度が異常になり、一実施形態では、骨折リスクが高まる。他の実施形態では、骨粗鬆症では、骨に通常は見出されるカルシウムおよびタンパク質コラーゲンの両方が減少し、一実施形態では、骨質異常または骨密度低下が生じる。他の実施形態では、骨粗鬆症に罹患した骨は、普通なら骨折しないような些細な転倒または怪我で折れてしまう。骨折は、一実施形態では、ひび割れ(例えば股関節骨折)または崩壊(例えば脊椎の圧迫骨折)の形態をとり得る。脊椎、股関節および手首が、骨粗鬆症に起因して骨折する一般的部位であるが、骨折は他の骨部位でも起こりうる。他の実施形態では、骨粗鬆症の検査を受けないと、姿勢の変化、身体的異常および可動性低下が生じ得る。
一実施形態では、骨粗鬆症はアンドロゲン欠乏から生じる。他の実施形態では、骨粗鬆症はアンドロゲン欠乏の後に生じる。他の実施形態では、骨粗鬆症は原発性骨粗鬆症である。他の実施形態では、骨粗鬆症は続発性骨粗鬆症である。他の実施形態では、骨粗鬆症は閉経後骨粗鬆症である。他の実施形態では、骨粗鬆症は若年性骨粗鬆症である。他の実施形態では、骨粗鬆症は突発性骨粗鬆症である。他の実施形態では、骨粗鬆症は老人性骨粗鬆症である。
他の実施形態では、原発性骨粗鬆症はI型原発性骨粗鬆症である。他の実施形態では、原発性骨粗鬆症はII型原発性骨粗鬆症である。骨粗鬆症の種類はそれぞれ、本発明の別個の実施形態を表す。
本発明のこの態様では、かつ一実施形態では、骨に関連する障害は本明細書に記載されている化合物またはそれらの組み合わせで治療される。他の実施形態では、本明細書に記載記載されているとおりの1種または複数の化合物を投与する前に、それと同時に、またはそれを投与した後に、他の骨刺激性化合物を対象に投与することができる。一実施形態では、そのような骨刺激性化合物には天然または合成物質が含まれ得る。
他の実施形態では、本発明は、対象において骨粗鬆症、骨折および/または骨密度(BMD)の低下の発生率を低下させ、それを阻害し、抑制し、かつ治療する方法を提供し、その方法は、式(I)〜(XII)のNRBAまたはそのプロドラッグ、エステル、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせまたはそれらを含む組成物を投与し、そのことによって、対象において骨粗鬆症、骨折および/または骨密度(BMD)の低下の発生率を低下させ、それを阻害し、抑制し、かつ治療することを含む。一部の実施形態では、ER−βアゴニストは、対象において骨粗鬆症、骨折および/または骨密度(BMD)の低下の発生率を低下させ、それを阻害し、抑制し、かつ治療する際に有用である。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12bである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12fである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12hである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12pである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12sである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物14mまたはその任意の組み合わせである。
一実施形態では、当業者には認められるであろうとおり、骨刺激性化合物には、骨形成タンパク質(BMP)、上皮細胞増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、形質転換増殖因子(TGF)、インスリン増殖因子(IGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)などの増殖因子、ソニックヘッジホッグ、インディアンヘッジホッグ、デザートヘッジホッグなどのヘッジホッグタンパク質、瀘胞刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン関連ペプチド、アクチビン、インヒビンなどのホルモン、フォリスタチン、frizzled、frzbまたはfrazzledタンパク質、コーディンおよびフェチュインなどのBMP結合タンパク質、IL−3、IL−7、GM−CSFなどのサイトカイン、エオタキシンなどのケモカイン、コラーゲン、オステオカルシン、オステオネクチンなどが含まれ得る。
他の実施形態では、骨障害の治療で使用される本発明の組成物には、本明細書に記載されている1種または複数の化合物、追加の1種または複数の骨刺激性化合物および骨形成原細胞が含まれ得る。一実施形態では、骨形成原細胞は幹細胞または前駆細胞であってよく、これらを誘導して骨芽細胞に分化させることができる。他の実施形態では、細胞は骨芽細胞であってよい。他の実施形態では、骨刺激性化合物をコードする核酸を対象に投与することができ、これは本発明の一部とみなされる。
一実施形態では、本発明の方法は、骨粗鬆症を治療するために化合物を投与することを含む。他の実施形態では、本発明の方法は、骨粗鬆症を治療するために化合物をSERMと組み合わせて投与することを含む。他の実施形態では、SERMはタモキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、イドキシフェン、トレミフェン、オスペミフェン、ドロロキシフェン、ラロキシフェン、アルゾキシフェン、バゼドキシフェン、PPT(1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−4−プロピル−1H−ピラゾール)、DPN、ラソフォキシフェン、ピペンドキシフェン、EM−800、EM−652、ナフォキシジン、ジンドキシフェン、テスミリフェン、ミプロキシフェンリン酸塩、RU58,688、EM139、ICI164,384、ICI182,780、クロミフェン、MER−25、ジエチルスチベストロール、クメストロール、ゲニステイン、GW5638、LY353581、ズクロミフェン、エンクロミフェン、酢酸デルマジノン、DPPE(N,N−ジエチル−2−{4−(フェニルメチル)−フェノキシ}エサナミン)、TSE−424、WAY−070、WAY−292、WAY−818、シクロコミュノール、プリナベルエル、ERB−041、WAY−397、WAY−244、ERB−196、WAY−169122、MF−101、ERb−002、ERB−037、ERB−017、BE−1060、BE−380、BE−381、WAY−358、[18F]FEDNP、LSN−500307、AA−102、半枝蓮、CT−101、CT−102またはVG−101である。
他の実施形態では、本発明の方法は、骨粗鬆症を治療するために本発明の化合物をアレンドロン酸、チルドロン酸、クロドロン酸、パミドロン酸、エチドロン酸、アレンドロン酸、ゾレンドロン酸、シマドロン酸、ネリドロン酸、ミノドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸またはホモレシドロン酸などのビスホスホネートと組み合わせて投与することを含む。
他の実施形態では、本発明の方法は、骨粗鬆症を治療するために化合物をサケ、エルカトニン、SUN−8577、TJN−135などのカルシトニンと組み合わせて投与することを含む。
他の実施形態では、骨粗鬆症を治療する本発明の方法は、本発明の化合物を以下のものと組み合わせて投与することを含む:a)ビタミンDまたはK−156979などの誘導体、b)ビタミンD受容体リガンドおよびカルシトリオール、トピトリオール、ZK−150123、TEI−9647、BXL−628、Ro−26−9228、BAL−2299、Ro−65−2299またはDP−035などの類似体、c)エストロゲン、エストロゲン誘導体または結合型エストロゲン、d)抗エストロゲン、プロゲスチンまたは合成エストロゲン/プロゲスチン、e)デノスマブ(旧名AMG162(Amgen社))などのRANKリガンドmAb、f)ανβ3インテグリン受容体アンタゴニスト、g)破骨細胞液胞型ATPアーゼ阻害薬、h)破骨細胞受容体に結合するVEGFのアンタゴニスト、i)カルシウム受容体アンタゴニスト、j)PTh(副甲状腺ホルモン)および類似体、PTHrP類似体(副甲状腺ホルモン関連ペプチド)、k)カテプシンK阻害薬(AAE581など)、l)ラネリック酸ストロンチウム、m)チボロン、n)HCT−1026、PSK3471、o)ガリウムマルトレート、p)ヌトロピンAQ、q)プロスタグランジン(骨用)、r)p38プロテインキナーゼ阻害薬、s)骨形成タンパク質、t)BMP拮抗の阻害薬、u)HMG−CoA還元酵素阻害薬、v)ビタミンKまたは誘導体、w)イプリフラボン、x)フッ化塩、y)食用カルシウム補充剤、z)オステオプロテジェリン。
一部の実施形態では、本発明は、対象において神経系疾患に関連した症状を治療するか、その発生率を低下させるか、その発症または進行を遅延させるか、またはそれを軽減および/または排除する方法を提供する。一実施形態では、その方法は、化合物および抗癌薬、免疫調節薬、中枢神経系を治療する薬剤、抗感染薬、代謝性疾患を治療する薬剤、消耗性疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類またはそれらの組み合わせを含む組成物を対象に投与することを含む。一部の実施形態では、神経系疾患には、自律神経系疾患、中枢神経系疾患、脳神経疾患、脱髄疾患、神経系奇形、神経学的症状発現、または神経筋疾患が含まれる。
一部の実施形態では、自律神経系疾患には、灼熱痛または反射性交感神経性ジストロフィーが含まれる。
一部の実施形態では、中枢神経系疾患には、アルツハイマー病、クモ膜炎、脳腫瘍、脳虚血、中枢神経系感染症、脳性麻痺、脳血管障害、大脳皮質基底核神経節変性(CBGD)、クロイツフェルト・ヤコブ症候群、ダンディー・ウォーカー症候群、認知症、脳炎、脳脊髄炎、てんかん、てんかん誘発性腺機能低下および/もしくは代謝亢進疾患、本態性振せん、フリートライヒ運動失調症、ゲルストマン・シュトラウスラー・シャインカー病、ハラーフォルデン−シュパッツ症候群、ハンチントン病、水頭症、低酸素症、不眠症、虚血性発作、クールー、ランドー・クレフナー症候群、レビー小体病、マシャド・ジョセフ病、メージュ症候群、髄膜炎、細菌性髄膜炎、ウイルス性髄膜炎、片頭痛障害、運動障害、多系統萎縮症、脊髄炎、オリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソン病、パーキンソン病様障害、ポリオ、ポリオ後症候群、プリオン病、偽性脳腫瘍、シャイ−ドレーガー症候群、乳児痙攣、脊髄疾患、核上麻痺、脊髄空洞症、視床疾患、チック障害、トゥレット症候群またはブドウ膜髄膜脳炎症候群が含まれる。一部の実施形態では、中枢神経系疾患は、嚢胞性線維症誘発性腺機能低下疾患である。
一部の実施形態では、脳神経疾患には、ベル麻痺、脳神経疾患、顔面片側萎縮、顔面神経痛、舌咽神経疾患、メービウス症候群または三叉神経痛が含まれる。
一部の実施形態では、中枢神経系疾患には、中枢神経系(CNS)の損傷または傷害が含まれる。一部の実施形態では、CNSの損傷または傷害は、筋肉消耗性障害と関連していることがある。CNSの損傷または傷害は、例えば、疾患、外傷または化学物質によって引き起こされ得る。例は、中枢神経損傷または傷害、末梢神経損傷または傷害および脊髄損傷または傷害である。
脊髄損傷(SCI)を有する患者に関する研究によって、SCI後に中枢神経伝達物質が改変され、それに起因して視床下部−下垂体−副腎系機能不全が生じ得、その視床下部−下垂体−副腎系破壊がテストステロンおよび他のホルモンレベルの有意な低下を招いたことが示されている。SCIまたは他の急性疾病または外傷は、特徴として、蛋白同化活性低下と連動した異化上昇を包含し、その結果、除脂肪体組織を喪失しやすい状態となり、これは多くの場合に、栄養利用障害を随伴する。除脂肪体重の低下の影響には、創傷発生および治癒メカニズム欠陥が包含され、これらが問題をさらに複雑にする。不動と共に不十分な栄養およびタンパク質を原因として、脊髄損傷を有する患者は床ずれになるリスクが高い。
一実施形態では、幅広い多様なCNS損傷を本発明の方法によって治療することができる。CNS損傷は、一実施形態では、神経細胞膜の破壊を指すことがあるか、または他の実施形態では、神経が神経インパルスを生じさせ、伝達する能力の不足を指すことがあるか、または他の実施形態では、細胞死を指すことがある。損傷には、CNSの正常な機能化に直接的または間接的に影響を及ぼす損傷が含まれる。損傷は、構造的、物理的、または機械的障害であり得、かつ神経線維の圧挫、圧迫または伸張の場合のように物理的衝撃によって生じ得る。あるいは、前記細胞膜は、疾病、化学的平衡異常または生理学的機能不全、例えば無酸素症(例えば脳卒中)、動脈瘤もしくは再潅流によって破壊または分解され得る。CNS損傷には例えば、限定ではないが、網膜神経節細胞への損傷、外傷性脳損傷、脳卒中関連損傷、脳動脈瘤関連損傷、脊髄損傷(単麻痺、両側麻痺、対麻痺、片麻痺および四肢麻痺を包含)、神経増殖性障害または神経障害性疼痛症候群が含まれる。
中枢神経系(CNS)の損傷または傷害は、筋消耗および他の消耗性障害とも関係している。CNSの損傷または傷害は例えば、疾患、外傷または化学物質によって起こり得る。例は、中枢神経の損傷または障害、末梢神経の損傷または傷害および脊髄の損傷または傷害である。一実施形態では、CNSの損傷または傷害は、アルツハイマー病(AD)、怒り(気分)、無食欲症、神経性無食欲症、老化および/または自己主張(気分)に関係する無食欲症を含む。
他の実施形態では、本発明は、哺乳動物対象において中枢神経系(CNS)障害、疾患または状態を治療するか、予防するか、抑制するか、阻害するか、またはその発生率を低下させる方法を提供し、その方法は、式(I)〜(XII)の化合物またはそのプロドラッグ、エステル、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを対象に投与することを含む。
一部の実施形態では、本発明は、対象において眼疾患に関連した症状を治療するか、その発生率を低下させるか、その発症もしくは進行を遅延させるか、またはそれを低減および/または排除する方法を提供する。一実施形態では、その方法は、NRBA化合物を含む組成物を対象に投与することを含む。一実施形態では、本方法は、NRBA化合物および抗癌薬、免疫調節薬、心臓血管系を治療する薬剤、抗感染薬、消耗性疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類またはそれらの組み合わせを含む組成物を対象に投与することを含む。一部の実施形態では、眼疾患には、急性帯状潜在性網膜外層症、色覚異常、アディー症候群、白皮症、目−一過性黒内障(ocular-amaurosis)、弱視、無虹彩、瞳孔不同、前部虚血性視神経症、無眼球症、無水晶体症、眼精疲労、乱視、自己免疫疾患、眼瞼炎、眼瞼下垂症、眼瞼痙攣、失明、老人性白内障、中軸白内障、網脈絡膜症、霰粒腫、脈絡網膜炎、脈絡網膜出血、コロイデレミア、コロボーマ、色覚欠如、結膜炎、角膜疾患、角膜ジストロフィー、角膜浮腫、角膜潰瘍、角膜混濁、角膜びらん、角膜内皮細胞変性およびジストロフィーもしくは内皮細胞喪失、角膜ジストロフィーもしくは変性、角膜上皮の剥離、流行性角結膜炎、霰粒腫、中枢神経疾患、網膜中心動脈もしくは静脈閉塞症、網膜動脈の動脈硬化症、光視症、糖尿病性網膜症、網脈絡膜萎縮、糖尿病性網膜症、複視、睫毛重生症、ドライアイ症候群、デュアン眼球後退症候群、眼瞼外反症、眼瞼内反症、内斜視、剥離症候群、外斜視、眼出血、眼新生物、眼瞼疾患、フローター、総線維化症候群、緑内障、高眼圧緑内障、正常眼圧緑内障、脳回転状萎縮、半盲、ヘルマンスキー・プドラック症候群、麦粒腫、ホルネル症候群、ヒステリー、遠視、前房出血、虹彩毛様体炎、虹彩炎、カーンズ・セイヤー症候群、円錐角膜炎、涙器疾患、涙管閉塞症、水晶体疾患、動体視力低下、黄斑変性、黄斑円孔、小眼球、近視、眼振、様々な種類の病的疾患に起因する視野狭窄、眼球運動障害、眼球運動神経疾患、眼筋麻痺、視神経萎縮症、視神経疾患、視神経炎、視神経症、視神経萎縮、眼窩蜂巣炎、うっ血乳頭、ペータース奇形、老視、精神病、翼状片、瞳孔障害、屈折異常、網膜剥離、網膜疾患、網膜静脈閉塞症、網膜および脈絡膜の血管新生疾患、卵巣切除に起因する白内障、TGFβに起因する白内障、黄斑網膜上膜の黄斑線維症、屈折異常、網膜裂孔、増殖性網膜炎、色素性網膜変性症、色素性網膜炎、未熟児網膜症、網膜分離症、強膜炎、老人性黄斑変性、暗点、斜視、タイゲソン点状表層角膜炎、トラコーマ、ブドウ膜炎、白点症候群、視力障害または硝子体障害、脳下垂体障害およびホルモン不均衡に起因する疾患、遺伝子障害に起因する疾患ならびに免疫障害に起因する疾患が含まれ、その方法は、式(I)〜(XII)のNRBAまたはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを対象に投与することを含む。
他の実施形態では、眼疾患を治療する方法は、本発明の化合物を含む組成物を対象に投与することを含み、その際、その組成物は、点眼剤、洗眼液、軟膏剤、結膜注射剤またはコンタクトレンズ吸着剤の形態である。他の実施形態では、眼疾患を治療する方法は、錠剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、注射剤、ハップ剤、軟膏剤、点眼剤などの形態で経口投与または非経口投与(例えば注射、点眼などの局所投与)される本発明の化合物を含む組成物の投与を含む。有効成分を気化させ、例えば鼻、口または気管を介して吸入してもよい。
一部の実施形態では、眼疾患を治療する方法は、本発明の化合物と、当分野において知られているとおりの示されている疾患を治療する際に有用な任意の他の化合物とを含む組成物の投与を含む。
一部の実施形態では、点眼剤および洗眼液は本発明の水溶化化合物(I)〜(XII)を含み、これらは、一実施形態では滅菌蒸留水、BSSPlusおよび/または生理食塩水に溶解されている。他の実施形態では、本発明の化合物。他の実施形態では、賦形剤、担体、pH調節剤、等張化剤、保存剤、グルタチオン、グルコース、様々な種類の塩(複数種可)、安定剤、清涼剤、抗酸化剤、防腐剤またはそれらの組み合わせを含む添加剤を加える。他の実施形態では、点眼剤および洗眼液は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースもしくはそのナトリウム塩、ポリピロリドン、ポリビニルピロリドン(これは添加され、加熱される)またはそれらの任意の組み合わせを含む。
一部の実施形態では、本発明は、対象において内分泌障害に関連する症状を治療するか、その発生率を低下させるか、その発症または進行を遅延させるか、またはそれを低減および/または排除する方法を提供する。一実施形態では、その方法は、化合物および抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系を治療する薬剤、胃腸系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、抗感染薬、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、代謝性疾患を治療する薬剤、消耗性疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類またはそれらの組み合わせを含む組成物を対象に投与することを含む。一部の実施形態では、内分泌障害には、先端巨大症、アディソン病、副腎疾患、先天性副腎過形成、アンドロゲン不感性症候群、先天性甲状腺機能低下症、クッシング症候群、尿崩症、糖尿病、1型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病性ケトアドーシス、トルコ鞍空洞症候群、内分泌線新生物、内分泌系疾患、巨人症、生殖腺障害、グレーブス病、半陰陽、高アルドステロン症、高血糖性高浸透圧性非ケトン性昏睡、下垂体機能亢進症、高プロラクチン血症、甲状腺機能亢進症、性腺機能低下症、下垂体機能低下症、甲状腺機能低下症、カルマン症候群、ネルソン症候群、副甲状腺疾患、下垂体疾患、自己免疫性多腺性内分泌障害、思春期遅発症、思春期早発症、腎性骨異栄養症、甲状腺疾患、甲状腺ホルモン抵抗性症候群、甲状腺新生物、甲状腺結節、甲状腺炎、自己免疫性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎またはウルフラム症候群が含まれる。
一実施形態では、「性腺機能低下症」は、成長および性的発達の遅滞を伴う、生殖腺の異常に低下した機能活動に起因するか、またはそれを特徴とする疾患である。
一部の実施形態では、本発明は、対象において肝臓疾患に関連する症状を治療するか、その発生率を低下させるか、その発症または進行を遅延させるか、またはそれを低減および/または排除する方法を提供する。一実施形態では、その方法は、本発明の化合物および抗癌薬、免疫調節薬、胃腸系を治療する薬剤、抗感染薬、肝臓を治療する薬剤、代謝性疾患を治療する薬剤、消耗性疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類またはそれらの組み合わせを含む組成物を対象に投与することを含む。一部の実施形態では、肝臓疾患には、肝臓癌、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、慢性肝臓疾患、肝硬変、肝炎、ウイルス性肝炎(A型肝炎、B型肝炎、慢性B型肝炎、C型肝炎、慢性C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、X型肝炎)、肝不全、黄疸、新生児黄疸、ヘパトーマ、肝臓癌、肝膿瘍、アルコール性肝臓疾患、ヘモクロマトーシス、ウイルソン病、門脈圧亢進症、原発性硬化性胆管炎、サルコイドーシス、サナダムシ、多包虫症、肝蛭症、住血吸虫症、ゴーシェ病、ツェルウェーガー症候群、アルコール中毒、食中毒、肺炎球菌性肺炎、またはビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)が含まれる。
一部の実施形態では、本発明は、神経損傷、神経障害、糖尿病性神経障害、アルコール性神経障害、脊髄の亜急性連合性変性、糖尿病、関節リウマチに関連する症状を治療するか、その発生率を低下させるか、その発症または進行を遅延させるか、または低減および/または排除する方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、女性対象において、または他の実施形態では男性ヒト対象においてホットフラッシュ、女性化乳房および/または脱毛症を治療するか、予防するか、抑制するか、阻害するか、またはその発生率を低下させる方法を提供する。一実施形態では、本発明は、前立腺癌を有する男性対象においてホットフラッシュ、女性化乳房および/または脱毛症を治療するか、予防するか、抑制するか、阻害するか、またはその発生率を低下させる方法を提供し、その方法は、式(I)〜(XII)のNRBAまたはそのプロドラッグ、エステル、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせまたはそれらを含む組成物を投与し、そのことによって、前記男性ヒト対象においてホットフラッシュ、女性化乳房および/または脱毛症を治療するか、予防するか、抑制するか、阻害するか、またはその発生率を低下させることを含む。
一部の実施形態では、本発明は、対象において性機能低下疾患に関連する疾患を治療するか、その発生率を低下させるか、その発症または進行を遅延させるか、またはそれを低減および/または排除する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、対象において薬物療法誘発性性機能低下疾患に関連する症状を治療するか、その発生率を低下させるか、その発症または進行を遅延させるか、またはそれを軽減および/または排除する方法を提供する。一部の実施形態では、性機能低下は、女性および男性の両者において生殖腺からのホルモンの分泌を変える治療によるものである。一部の実施形態では、性機能低下は「原発性」または「中心性」であり得る。原発性性腺機能低下症においては、卵巣または精巣自体が、適切に機能しない。一部の実施形態では、性機能低下は手術、放射線、遺伝的および発達上の障害、肝臓病および腎臓病、感染症またはある種の自己免疫不全によって誘発され得る。一部の実施形態では、更年期は性機能低下の一形態である。一部の実施形態では、閉経は、女性のエストロゲンレベル低下によって無月経、ホットフラッシュ、膣乾燥または怒りっぽさの原因となる。一実施形態では、その方法は、本発明の化合物および抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系を治療する薬剤、胃腸系を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、代謝性疾患を治療する薬剤、消耗性疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、抗感染薬、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、ビタミン類またはそれらの組み合わせを含む組成物を対象に投与することを含む。
一実施形態では、「ホットフラッシュ」という用語は、上半身または全身が突然熱くなる感覚、顔面および頚部潮紅、胸部、背部および腕に現われる赤い発疹、大量発汗、寒冷ふるえなどを指す。
本発明の組成物を使用して、本発明の方法を介して、任意の性ホルモン依存性疾患、障害または状態を治療し得ることは理解されるはずである。
一部の実施形態では、本発明は、対象においてオステオペニア疾患に関連する症状を治療するか、その発生率を低下させるか、その発症または進行を遅延させるか、またはそれを低減および/または排除するための方法を提供する。一実施形態では、本発明は、対象において薬物療法誘発性オステオペニア疾患に関連する症状を治療するか、その発生率を低下させるか、その発症または進行を遅らせるか、またはそれを低減および/または排除するための方法を提供する。一部の実施形態では、オステオペニアは、骨質量の軽度の減少である。一部の実施形態では、オステオペニアは、骨粗しょう症の前駆疾患である。一部の実施形態では、オステオペニアは、健常な青少年の骨密度より低い、1標準偏差(SD)と2.5SDとの間の骨密度と定義される。一実施形態では、その方法は、本発明の化合物および抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系を治療する薬剤、胃腸系を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、代謝性疾患を治療する薬剤、消耗性疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、抗感染薬、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、ビタミン類またはそれらの組み合わせを含む組成物を対象に投与することを含む。
一部の実施形態では、本発明は、本明細書において上で説明したとおりの対象において疾患および/または障害の組み合わせに関連する症状を治療するか、その発生率を低下させるか、その発症もしくは進行を遅延させるか、またはそれを低減および/または排除するための方法を提供する。一実施形態では、その方法は、本発明の化合物および抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系を治療する薬剤、胃腸系を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、代謝性疾患を治療する薬剤、消耗性疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、抗感染薬、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、ビタミン類またはそれらの組み合わせを含む組成物を対象に投与することを含む。
本明細書に記載されている本発明の方法はいずれも、示されている疾患、障害または状態を治療するために、本明細書に記載されている化合物またはそれを含む組成物の対象への投与を包含することは、理解されるはずである。本明細書に記載されている方法は、それぞれおよび/またはすべて、本明細書に記載されている追加の治療薬の投与をさらに含むことがあり、このことは当業者に理解されるであろう。
一実施形態では、その方法は、本発明の化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系を治療する薬剤、胃腸系を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、代謝性疾患を治療する薬剤、消耗性疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、抗感染薬、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、ビタミン、栄養添加剤、ホルモン類(それぞれおよび/もしくはすべて、本明細書に記載されているもの)もしくは本明細書に記載されている任意の他の治療薬またはそれらの組み合わせとを含む組成物を対象に投与することを含む。
他の実施形態では、本発明は、対象において嚢胞性線維症およびその結果として誘発された性機能低下疾患、てんかんおよびその結果として誘発された性機能低下および/または代謝亢進疾患、遺伝性血管浮腫、紅斑性狼瘡およびその結果としてのBMDの低下、アルコールおよび喫煙誘発骨粗鬆症を治療する方法を提供し、その方法は、本明細書に記載されている化合物を対象に投与することを含む。
他の実施形態では、本発明は、神経系の疾患、障害または状態を治療する方法を提供し、その方法は、本明細書に記載されている化合物と、任意選択で、抗精神病薬、例えばゾテピン、ハロペリドール、アミスルプリド、リスペリドン、他のD2ドーパミン受容体アンタゴニストなど;抗てんかん薬、例えばバルプロ酸、カルバマゼピン、オキサカルバマゼピンなど;またはそれらの組み合わせとを対象に投与することを含む。
一実施形態では、心臓血管障害はに、高血圧(HTN)、冠状動脈疾患(CAD)または心筋潅流が含まれる。他の実施形態では、本発明は、大動脈平滑筋細胞増殖を促進するために、本明細書に記載されているNRBA化合物を使用する方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、動脈硬化症を治療するために、本明細書に記載されている化合物を使用する方法を提供する。一実施形態では、本発明は血管ステントと共に本明細書に記載されている化合物を使用する方法を提供する。一部の実施形態では、多くの場合にステントの失敗または再狭窄を引き起こす血管線維症を遅延させ、血管細胞の増殖および遊走などを再構成するコーティングとして、この実施形態の化合物をステント上に組み込むことができる。他の実施形態では、本発明は、血圧を下げるために本明細書に記載されている化合物を使用する方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、心筋症、心臓機能障害、例えば心筋梗塞、心肥大および認識心不全を含む心臓疾患および障害を治療するために、本明細書に記載されている化合物を使用する方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、心臓保護のために、本明細書に記載されている化合物を使用する方法を提供し、その方法は、インスリン耐性において心臓保護すること、I型およびII型糖尿病、代謝症候群、X症候群および/または高血圧を治療することを含む。
一実施形態では、本発明は、対象において心臓血管および/または脳血管疾患を治療し、予防し、それが原因で死亡するリスクを低下させる方法を提供し、その方法は、本発明の化合物またはそのプロドラッグ、エステル、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせまたはそれらを含む医薬組成物を投与することを含む。
一実施形態では、本発明は、対象において心臓血管および/または脳血管疾患を治療し、予防し、それが原因で死亡するリスクを低下させる方法を提供し、その方法は、式(I)〜(XII)のNRBAまたはそのプロドラッグ、エステル、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせまたはそれらを含む組成物を投与することを含む。一部の実施形態では、ER−βアゴニストは、対象において心臓血管および/または脳血管疾患を治療し、予防し、それが原因で死亡するリスクを低下させる際に有用である。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12bである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12fである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12hである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12pである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12sである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12uである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12yである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物12zである。他の実施形態では、本発明のER−βアゴニストは、表1に列挙されている化合物14mまたはそれらの任意の組み合わせである。
一実施形態では、心臓血管疾患にはとりわけ、冠状動脈のアテローム性動脈硬化症、狭心症および心筋梗塞が含まれる。一実施形態では、脳血管疾患にはとりわけ、頭蓋内または頭蓋外動脈のアテローム性動脈硬化症、脳卒中、失神および一過性脳虚血発作が含まれる。
心臓血管細胞、さらに生殖組織、骨、肝臓および脳は、公知のエストロゲン受容体、即ち、エストロゲン受容体−α(ER−α)とエストロゲン受容体−β(ER−β)の両方を発現する。これらの受容体は、内因性エストロゲン、エストロゲン補充療法(ERT)および薬理学的エストロゲンアゴニストの重要な標的である。エストロゲン−エストロゲン受容体複合体は、遺伝子発現を促進する転写因子としての役割を果たし、アテローム性動脈硬化症および虚血性疾患の発現を防止し得る広範囲の血管作用(血管運動神経緊張度および損傷への応答の調節を包含する)を有する。肝臓などの他の組織におけるエストロゲン受容体は、有益作用(例えば、脂質プロファイルを改善するアポタンパク質遺伝子発現の変化)と有害作用(例えば凝固タンパク質の遺伝子発現の増加および/または線維溶解性タンパク質の低減)の両方を媒介し得る。2つの一般的なエストロゲン媒介性血管作用が認知されている。急速な一過性血管拡張は、遺伝子発現の変化とは無関係に、エストロゲン暴露後数分以内に起こる。アテローム硬化性病変または血管損傷の発現の制限に関する作用などの血管系に対するエストロゲンのより長期的な作用は、エストロゲン治療後、数時間から数日にわたって発生し、それらの顕著な特徴として血管遺伝子発現の改変を示す。プロゲステロンおよび他のホルモン受容体も血管系において発現される。
一実施形態では、本発明は、例えば対象において関節炎を治療することによって、対象において器用さおよび運動を改善する方法を提供する。
他の実施形態では、「関節炎」という用語は、関節軟骨の変性、骨およびそれらの縁の肥厚、滑膜層の変化などによって特徴付けられる、主として高齢者において発生する非炎症性変性関節疾患を指す。他の実施形態において、それは、特に長時間の活動後に、疼痛および硬直を伴う。
他の実施形態において、「血圧亢進」または「高血圧」という用語は、140/90mmHg超の反復して高い血圧を指す。慢性的に上昇した血圧は、眼底の血管変化、心筋の肥大、腎不全および脳傷害の原因となり得る。
他の実施形態において、「脳卒中」という用語は、破裂血管または血餅によって引き起こされることが多い不十分な血液供給に起因する脳内の神経細胞への傷害を指す。他の実施形態において、「心疾患」という用語は、心不全を包含する、心臓の正常な機能および活動の不全を指す。
一実施形態では、本発明は、ヒト対象において血管疾患を治療する方法を提供し、その方法は、本発明の化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−オキシドもしくはそれらの任意の組み合わせを前記対象に投与するステップを含む。
一実施形態では、本発明のNRBAは、細胞表面でそれらのコグネイト受容体に結合し、その細胞の核に移行し、その作用を発揮する。一実施形態では、そのような作用は、とりわけ特定の遺伝子発現の調節を含むことがあり、その結果として、アポトーシスの阻害、タンパク質キナーゼ経路の活性化などにおいて一定の役割を果たし得る。
他の実施形態では、本発明のNRBAは、コグネイト受容体に結合し、ミトコンドリアの中に移行し、そこでミトコンドリアDNAと会合し、その結果として、呼吸鎖活性増大、TGFβ誘導性アポトーシスの阻害および/またはスーパーオキシドジムスターゼの活性化などにおいて一定の役割を果たす。
スーパーオキシドジムスターゼ(SOD)は、フリーラジカル酸化に対する細胞防御において重要な酵素である。水および過酸化水素へのスーパーオキシドのフリーラジカルの分解を触媒することによって、SODは、例えば虚血性損傷、慢性肺疾患、アルツハイマー病、ダウン症候群、炎症性障害、心臓血管疾患、免疫系の低下、脳の機能不全、白内障ならびに加齢性および変性疾患の他の態様に関連した損傷を低減する際に重要な役割を果たす。
一実施形態では、本発明は、対象において反応種媒介損傷を治療し、改善し、かつ/または予防する方法を提供し、その方法は、式(I)〜(XII)のNRBAまたはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、結晶、不純物、N−オキシド、エステル、水和物あるいはそれらの任意の組み合わせを対象に投与するステップを含む。一実施形態では、反応種は、反応性酸素中間体を含み、NRBAは、細胞のスーパーオキシドジムスターゼの活性を促進または強化する。一実施形態では、反応種は、反応性窒素中間体を含み、NRBAは、細胞の一酸化窒素シンターゼの活性を促進または強化する。
一部の実施形態では、そのような損傷は、様々な疾患、例えば、これに限定しないが、心臓血管疾患、例えば冠動脈性心疾患およびアテローム性動脈硬化症、神経変性疾患、例えばアルツハイマー病および/または多発性硬化症、感染、例えばHCV感染およびその合併症、自己免疫疾患、例えば狼瘡、癌および当業者に認識される他の疾患に関連している。
一部の実施形態では、そのような活性は、例えば様々な疾患状態、例えば神経変性疾患または障害、緑内障、自己免疫疾患および当業者に認識される他の疾患状態において発生するような病原性アポトーシスの抑制をもたらす。
一部の実施形態では、式I〜XIIの構造によって特徴付けられ、それらの任意の実施形態を包含する本発明の化合物は、細胞の細胞質の中に、または細胞小器官、例えばミトコンドリアの中に局在し、そこでそのような化合物は細胞シグナル伝達経路に影響を及ぼし、そのことによって、本明細書に記載されている方法を実行することができる。例えば、および一実施形態では、前記化合物は、細胞タンパク質と相互作用し、それによって所望の作用を(一部の実施形態では、その所望の効果を生じさせる細胞の中のシグナル伝達経路において)相乗的に得ることができる。他の実施形態では、式I〜XIIの化合物は、そうしなければ望ましくない作用を生じさせる、例えば疾患を悪化させる、細胞における特定の応答または経路に拮抗するので、本明細書に記載されている化合物は、細胞または対象において病原機構を撹乱させるか、またはその機構に干渉するか、または拮抗するそれらの能力によって、そのような方法において有効である。
一部の実施形態では、本発明の薬剤は、細胞内シグナル伝達経路またはそのような経路もしくはカスケードへの応答を改変することができる。
一部の実施形態では、式I〜XIIの構造によって特徴付けられ、それらの任意の実施形態を包含する本発明の化合物の下流作用は、増殖因子によって活性化される細胞内キナーゼシグナル伝達経路によって制御することができる。一部の実施形態では、前記化合物は、ホルモンがその受容体に結合する下流のシグナル伝達に影響を及ぼすことができ、例えばグリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)(ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)経路のエフェクターキナーゼ)の場合には、本発明の化合物の投与によって活性化し、その結果として特定の細胞における、例えば神経芽腫細胞における、ERアルファ活性に影響を及ぼすことができ、それによって本発明の方法の一部を実行することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、GSK3の発現を増大させることができ、その結果、ER依存性遺伝子発現を刺激または増大させることができる。
本明細書に記載されているどの化合物のどの使用も、本明細書に記載されている任意の疾患、障害または状態の治療で使用することができ、本発明の実施形態を表すことは、理解されるはずである。
一部の実施形態では、本明細書に開示されている方法において有用な組成物はいずれも、本発明の化合物を本明細書に記載されている任意の形態または実施形態で含む。一部の実施形態では、本発明の組成物は、本明細書に記載されている任意の形態または実施形態の本発明の化合物から主になる。
本明細書に記載されているどの化合物のどの使用も、本明細書に記載されている任意の疾患、障害または状態の治療で使用することができ、本発明の実施形態を表すことは、理解されるはずである。
「有効量」は、容態、障害または疾患を治療するために患者に投与されると、そのような治療をもたらすのに十分な本発明による化合物または組成物の量を意味する。「有効量」は、活性成分、治療される容態、障害または疾患およびその重症度ならびに治療される対象の年齢、体重、身体的疾患および応答性に応じて変化する。
「治療する」、「治療」および「治療すること」という用語は、対象において疾患の少なくとも1つの症状を軽減、緩和、遅延、低減、反転、改善、管理または予防することを意味する。「治療すること」という用語はまた、疾患の発症または悪化を停止させ、その発症を遅延させ(即ち、疾患の臨床的症状発現前の期間)、かつ/またはそのリスクを低下させることも意味し得る。
治療用化合物の投与が疾患または障害のための有効な治療計画である対象または患者は一部の実施形態では、ヒトであるが、任意の動物であってよい。したがって、当業者であれば容易に認め得るとおり、本発明の組成物は詳細には、任意の動物、詳細には哺乳動物への投与に適しており、何ら制限ではないが、それには、ヒト、家庭内の動物、例えばネコまたはイヌ対象、家畜、例えばこれに限定しないが、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジおよびブタ対象、野生動物(野生にいるか、動物園にいるかに関わらず)、研究用動物、即ち、獣医学使用のための例えばマウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコなど、鳥類、例えばニワトリ、シチメンチョウ、鳴禽類などが含まれる。
下記の実施例は、本発明の好ましい実施形態をより十分に説明するために示されている。しかしながら、これらは、幅広い本発明の範囲を限定するものとは決して解釈されるべきではない。
実施例
実施例1:4−ブロモ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(12u)の化学合成
12uを合成するためのスキームおよび手順
6,8−ジメトキシイソキノリン−1−オールの合成
trans−3,5−ジメトキシケイ皮酸(15.30g、73.48mmol)および塩化チオニル(13.11g、0.11mol)の混合物を、磁気撹拌棒および還流凝縮器を備えた250mL一つ口丸底フラスコに入れた。無水塩化メチレン(80.0mL)を上記混合物に加えた。生じた溶液を3時間還流加熱した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。残渣を真空下で一晩乾燥させて、淡黄色の固体であるtrans−3,5−ジメトキシケイ皮酸塩化物を得た。
淡黄色の固体の酸塩化物を1,4−ジオキサン20mLに溶かし、アジ化ナトリウム14.33g(0.22mol)の1,4−ジオキサン/水(1:1(v/v))80mL中の0℃の懸濁液に1時間かけて滴加した。加えている間、氷浴中で、温度を0℃に維持した。酸塩化物を完全に添加した後に、混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、水75mLで希釈した。混合物を塩化メチレン(3×40mL)で抽出し;合わせた抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、続いて濾過し、約100mLまで濃縮した。溶液をフェニルエーテル20mLで希釈し、さらに濃縮して、残りの塩化メチレン(trans−3,5−ジメトキシシンナムアシルアジド)を除去した。
窒素注入口、還流凝縮器、付加漏斗、内部温度計および磁気撹拌棒を備えた500mL三つ口丸底フラスコに、トリブチルアミン29mLおよびフェニルエーテル80mLを装入した。溶液を230℃に加熱し、フェニルエーテル40mL中のアシルアジドを付加漏斗から3時間かけて滴加した。添加の間、還流温度は約200℃まで徐々に低下した。したがって添加が完了した後には、温度を230℃に上昇させた。230℃でさらに1時間加熱した後に、混合物を室温に冷却した。混合物を撹拌しながら、ヘキサン500mLに注いだ。固体を濾過し、ヘキサン(2×100mL)で洗浄した。淡黄色の固体を乾燥させ、酢酸エチル/メタノール混合物から再結晶化させて、淡黄色の結晶質物質10.58gを収率70.2%で得た。MS:m/z 228.2[M+Na]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 10.71(s、1H)、7.02(d、1H、J=6.9Hz)、6.63(d、1H、J=2.4Hz)、6.47(d、1H、J=2.4Hz)、6.31(d、1H、J=6.9Hz)、3.83(s、3H)、3.79(s、3H)。
6,8−ジメトキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンの合成
6,8−ジメトキシイソキノリン−1−オール(1.59g、7.75mmol)、4−ヨードアニソール(2.72、11.62mmol)、ヨウ化銅(I)(0.30g、1.55mmol)、L−プロリン(0.36g、3.10mmol)および無水炭酸カリウム(2.14g、15.50mmol)を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた乾燥している250mL三つ口丸底フラスコに入れた。系を真空にし、無水アルゴンを再び充填した。次いで、無水メチルスルホキシド(50mL)を、アルゴン雰囲気下でシリンジを介して加えた。反応溶液を撹拌し、120℃に20時間加熱した。水(20mL)を加えて反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル(5×20mL)で抽出した。抽出物を合わせ、ブライン(3×10mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、続いて濾過し、かつ濃縮して、黄色の残渣を得た。黄色の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/アセトン=19/1 v/v)によって精製して、淡黄色の固体生成物2.12gを収率88.0%で得た。MS:m/z 312.9[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 7.31−7.26(m、3H)、7.02(d、2H、J=8.7Hz)、6.71(d、1H、J=2.4Hz)、6.54(d、1H、J=2.4Hz)、6.45(d、1H、J=7.8Hz)、3.87(s、3H)、3.81(s、3H)、3.79(s、3H)。
8−ヒドロキシ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンの合成
化合物6,8−ジメトキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(2.25g、7.23mmol)およびLiCl(6.12g、144.54mmol)を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL三つ口フラスコに入れた。無水DMF(30mL)をシリンジを介して加えた。反応混合物を真空下で140℃に20時間加熱した。次いで、2NのHCl溶液30mLを加えることによって、反応をクエンチした。溶液をEtOAc(3×30mL)で抽出した。抽出物を合わせ、無水MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2)によって精製して、白色の固体生成物1.80gを収率83.7%で得た。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 12.98(s、1H)、7.42−7.35(m、3H)、7.06(d、2H、J=9.0Hz)、6.70−6.67(m、2H)、6.45(d、1H、J=2.1Hz)、3.85(s、3H)、3.82(s、3H)。
6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イル−4−(トリフルオロメチル)ベンゾエートの合成
化合物8−ヒドロキシ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(0.60g、2.02mmol)を、撹拌棒を備えた乾燥している250mL三つ口フラスコに入れ、隔膜で封をした。無水DMF(15mL)を、アルゴン雰囲気下でシリンジを介して加えた。溶液を氷浴中で0℃に冷却した。NaH(0.12g、3.03mmol、鉱油中60%の分散液)を加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、これを室温に30分間加温した。混合物を再び氷浴中で0℃に冷却した。4−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリドを撹拌しながら0℃で、シリンジを介して加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、室温でさらに30分間撹拌した。飽和NH4Cl溶液20mLを加えることによって、反応をクエンチした。溶液を水20mLで希釈し、室温で1時間撹拌した。これを酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。抽出物をブライン(20mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2)に掛けて、白色の固体生成物0.93gを収率98.1%で得た。MS:m/z 492.1[M+Na]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 8.25(d、2H、J=8.7Hz)、7.93(d、2H、J=8.4Hz)、7.40(d、1H、J=7.5Hz)、7.23(d、2H、J=8.7Hz)、7.21(d、1H、J=2.4Hz)、7.01(d、1H、J=2.4Hz)、6.98(d、2H、J=8.7Hz)、6.67(d、1H、J=7.5Hz)、3.93(s、3H)、3.76(s、3H)。
4−ブロモ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イル−4−(トリフルオロメチル)ベンゾエートの合成
化合物6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イル−4−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(0.51g、1.09mmol)およびN−ブロモスクシンイミド(0.23g、1.30mmol)を、撹拌棒を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL一つ口フラスコに入れ、隔膜で封をした。アセトニトリル(15mL)をアルゴン雰囲気下、室温でシリンジを介して加えた。混合物を室温で5時間撹拌した後に、溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2)によって精製して、白色の固体生成物0.54gを収率90.0%で得た。MS:m/z 572.1[M+Na]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 8.26(d、2H、J=8.1Hz)、7.93(d、2H、J=8.4Hz)、7.28(d、2H、J=8.7Hz)、7.21(d、1H、J=2.1Hz)、7.20(d、1H、J=2.4Hz)、6.97(d、2H、J=9.0Hz)、3.98(s、3H)、3.76(s、3H)。
4−ブロモ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(12u)の合成
化合物4−ブロモ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イル−4−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(2.46g、4.49mmol)を、撹拌棒を備えた乾燥している250mL一つ口丸底フラスコに入れ、ゴム栓で封をした。無水クロロベンゼン(60mL)を、室温でシリンジを介して加えた。BBr3(6.74g、26.92mmol)室温で撹拌しながら滴加した。生じた溶液を100℃に20時間加熱した。水50mLおよびメタノール10mLを加えて、反応を0℃でクエンチした。溶液を室温で2時間撹拌した。CH2Cl2層を分離し、水性層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)によって精製して、白色の固体生成物1.32gを収率84.6%で得た。MS:m/e 347.8[M−H]−。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 13.12(s、1H)、10.78(s、1H)、9.81(s、1H)、7.75(s、1H)、7.28(d、2H、J=8.7Hz)、6.85(d、2H、J=8.7Hz)、6.61(d、1H、J=2.1Hz)、6.37(d、1H、J=2.1Hz)。
実施例2:6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−4−カルボニトリル(14m)の合成
14mを合成するためのスキームおよび手順
4−ブロモ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(12u)(0.13g、0.37mmol)、Zn(CN)2(53mg、0.45mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(34mg、0.037mmol)および1,1´−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(83mg、0.15mmol)を、撹拌棒、還流凝縮器およびアルゴン注入口を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL三つ口丸底フラスコに入れた。次いで、無水ジメチルホルムアミド(10mL)をアルゴン雰囲気下で、シリンジを介して加えた。反応溶液を撹拌し、100℃に12時間加熱した。水(20mL)を加えて、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル(2×25mL)で抽出した。抽出物を合わせ、ブライン(10mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、続いて濾過し、濃縮して、黄色の残渣を得た。黄色の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/アセトン/MeOH=80/17/3 v/v/v)によって精製して、淡黄色の固体生成物80mgを収率72.7%で得た。MS:m/z 307.0[M+Na]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 12.43(s、1H)、10.92(s、1H)、9.86(s、1H)、8.37(s、1H)、7.29(d、2H、J=8.7Hz)、6.86(d、2H、J=8.7Hz)、6.57(d、1H、J=2.1Hz)、6.40(d、1H、J=2.1Hz)。
実施例3:4−クロロ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(12y)の合成
12yを合成するためのスキームおよび手順
4−クロロ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イル−4−(トリフルオロメチル)ベンゾエートの合成
化合物6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イル−4−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(0.55g、1.17mmol)およびN−ブロモスクシンイミド(0.19g、1.41mmol)を、撹拌棒を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL一つ口フラスコに入れ、隔膜で封をした。アセトニトリル(15mL)をアルゴン雰囲気下、室温でシリンジを介して加えた。混合物を撹拌し、60℃に8時間加熱した後に、溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc=7/3 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.56gを収率94.9%で得た。MS:m/z 526.2 [M+Na]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 8.26(d、2H、J=8.1Hz)、7.94(d、2H、J=8.4Hz)、7.28(d、2H、J=8.7Hz)、7.23(d、1H、J=2.1Hz)、7.21(d、1H、J=2.4Hz)、6.97(d、2H、J=9.0Hz)、3.99(s、3H)、3.76(s、3H)。
4−クロロ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(12y)の合成
化合物4−クロロ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イル−4−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(0.24g、0.48mmol)を、撹拌棒を備えた乾燥している250mL一つ口丸底フラスコに入れ、ゴム栓で封をした。無水クロロベンゼン(20mL)を、室温でシリンジを介して加えた。BBr3(0.71g、2.86mmol)を室温で撹拌しながら滴加した。生じた溶液を100℃に20時間加熱した。水50mLおよびメタノール10mLを加えて、反応を0℃でクエンチした。溶液を室温で2時間撹拌した。CH2Cl2層を分離し、水性層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.11gを収率76.1%を得た。MS m/e 301.9(M−H)−。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 13.09(s、1H)、10.77(s、1H)、9.81(s、1H)、7.70(s、1H)、7.27(d、2H、J=8.7Hz)、6.85(d、2H、J=8.7Hz)、6.62(d、1H、J=2.1Hz)、6.38(d、1H、J=2.1Hz)。
実施例4:4−クロロ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(12z)の合成
6,8−ジメトキシ−2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンの合成
6,8−ジメトキシイソキノリン−1−オール(0.70g、3.41mmol)、4−ブロモ−2−フルオロアニソール(1.05g、5.12mmol)、ヨウ化銅(I)(0.13g、0.68mmol)、L−プロリン(0.16g、1.36mmol)および無水炭酸カリウム(0.94g、6.82mmol)を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた乾燥している250mL三つ口丸底フラスコに入れた。系を真空化し、かつ無水アルゴンを再充填した。次いで、無水メチルスルホキシド(20mL)をアルゴン雰囲気下で、シリンジを介して加えた。反応溶液を撹拌し、120℃に20時間加熱した。水(30mL)を加えて、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル(5×20mL)で抽出した。抽出物を合わせ、ブライン(3×10mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、続いて濾過し、濃縮して、黄色の残渣を得た。黄色の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/アセトン=19/1 v/v)によって精製して、淡黄色の固体生成物0.92gを収率82.1%で得た。MS:m/z 330.3[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 7.37−7.13(m、4H)、6.72(d、1H、J=2.1Hz)、6.55(d、1H、J=2.1Hz)、6.46(d、1H、J=7.5Hz)、3.89(s、3H)、3.87(s、3H)、3.80(s、3H)。
2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−8−ヒドロキシ−6−メトキシイソキノリン−1(2H)−オンの合成
化合物2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6,8−ジメトキシイソキノリン−1(2H)−オン(0.65g、1.97mmol)を、撹拌棒を備えた乾燥している250mL一つ口丸底フラスコに入れ、ゴム栓で封をした。無水塩化メチレン(30mL)を、室温でシリンジを介して加えた。BBr3(1MのCH2CL2溶液16.0mL)を室温で撹拌しながら滴加した。生じた混合物を室温で3日間撹拌した。次いで、水50mLおよびメタノール10mLを0℃で加えることによって、反応をクエンチした。溶液を室温で2時間撹拌した。CH2Cl2層を分離し、水性層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.45gを収率76.3%で得た。MS:m/z 324.2[M+Na]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 12.91(s、1H)、10.27(s、1H)、7.41−7.35(m、2H)、7.13−7.03(m、2H)、6.69−6.65(m、2H)、6.44(d、1H、J=2.4Hz)、3.85(s、3H)。
2−(3−フルオロ−4−(4−(トリフルオロメチル)ベンゾイルオキシ)フェニル)−6−メトキシ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イル−4−(トリフルオロメチル)ベンゾエートの合成
化合物2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−8−ヒドロキシ−6−メトキシイソキノリン−1(2H)−オン(0.32g、1.06mmol)を、撹拌棒を備えた乾燥している250mL三つ口フラスコに入れた。無水DMF(20mL)をアルゴン雰囲気下で、シリンジを介して加えた。溶液を氷浴中で0℃に冷却した。NaH(0.13g、3.19mmol、鉱油中60%の分散液)を加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、これを室温に30分間加温した。混合物を再び氷浴中で0℃に冷却した。4−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(0.67g、3.19mmol)を撹拌しながら0℃で、シリンジを介して加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、かつ室温でさらに30分間撹拌した。飽和NH4Cl溶液20mLを加えることによって、反応をクエンチした。溶液を水20mLで希釈し、室温で1時間撹拌した。これを酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。抽出物をブライン(20mL)で洗浄し、無水 MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2)に掛けて、白色の固体生成物0.60gを収率88.2%で得た。MS:m/z 668.3[M+Na]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 8.34(d、2H、J=8.1Hz)、8.27(d、2H、J=8.1Hz)、8.01(d、2H、J=8.4Hz)、7.95(d、2H、J=8.4Hz)、7.64−7.53(m、3H)、7.34(d、1H、J=8.7Hz)、7.25(d、1H、J=2.4Hz)、7.07(d、1H、J=2.4Hz)、6.74(d、1H、J=7.5Hz)、3.94(s、3H)。
4−ブロモ−2−(3−フルオロ−4−(4−(トリフルオロメチル)ベンゾイルオキシ)フェニル)−6−メトキシ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イル−4−(トリフルオロメチル)ベンゾエートの合成
化合物2−(3−フルオロ−4−(4−(トリフルオロメチル)ベンゾイルオキシ)フェニル)−6−メトキシ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イル−4−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(0.56g、0.87mmol)およびN−ブロモスクシンイミド(0.20g、1.13mmol)を、撹拌棒を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL一つ口フラスコに入れ、隔膜で封をした。アセトニトリル(20mL)をアルゴン雰囲気下、室温でシリンジを介して加えた。混合物を室温で5時間撹拌した後に、溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2)によって精製して、白色の固体生成物0.35gを収率55.6%で得た。MS:m/z 726.2 [M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 8.35−8.27(m、4H)、8.06−7.90(m、5H)、7.69−7.20(m、3H)、6.72(d、1H、J=2.4Hz)、6.11(d、1H、J=2.4Hz)、3.99(s、3H)。
4−ブロモ−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6,8−ジヒドロキシイソキノリン−1(2H)−オン(12z)の合成
化合物4−ブロモ−2−(3−フルオロ−4−(4−(トリフルオロメチル)ベンゾイルオキシ)フェニル)−6−メトキシ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イル−4−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(0.34g、0.47mmol)を、撹拌棒を備えた乾燥している250mL一つ口丸底フラスコに入れ、ゴム栓で封をした。無水クロロベンゼン(20mL)を、室温でシリンジを介して加えた。BBr3(0.71g、2.82mmol)を室温で撹拌しながら滴加した。生じた溶液を100℃に20時間加熱した。水50mLおよびメタノール10mLを加えて、反応を0℃でクエンチした。溶液を室温で2時間撹拌した。CH2Cl2層を分離し、水性層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)によって精製して、白色の固体生成物82mgを収率48.2%で得た。MS:m/e 363.9 [M−H]−。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 13.02(s、1H)、10.78(s、1H)、10.27(s、1H)、7.79(s、1H)、7.41(dd、1H、J1=11.7Hz、J2=2.4Hz)、7.16−7.01(m、2H)、6.61(d、1H、J=2.1Hz)、6.38(d、1H、J=2.1Hz)。
実施例5:6−メトキシイソキノリンメトキシイソキノリン−1−オールの合成
trans−3−メトキシケイ皮酸17.82g(0.10mol)および塩化チオニル(14.28g、0.12mol)の混合物を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた250mL一つ口丸底フラスコに入れた。無水塩化メチレン80mLをフラスコに加えた。生じた混合物を3時間還流加熱し、次いで溶媒を減圧下で除去した。残渣油状物質を真空下で一晩乾燥させた。
淡黄色の固体の酸塩化物を1,4−ジオキサン20mLに溶かし、撹拌しながら1,4−ジオキサン/水(1:1混合物)80mL中のアジ化ナトリウム19.50g(0.30mol)の0℃の懸濁液に滴加した。添加の間、温度を0℃に維持した。酸塩化物の添加が完了した後に、混合物を0℃でさらに1時間撹拌し、次いで水75mLで希釈した。混合物を塩化メチレン(2×40mL)で抽出した。合わせた抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、約100mLまで濃縮した。溶液をフェニルエーテル20mLで希釈し、さらに濃縮して、残りの塩化メチレンを除去した。アルゴン注入口、還流凝縮器、付加漏斗および内部温度計を備えた500mL三つ口丸底フラスコに、トリブチルアミン29mLおよびフェニルエーテル80mLを装入した。溶液を230℃に加熱し、フェニルエーテル20mL中のアシルアジドを撹拌しながら、付加漏斗から3時間かけて滴加した。添加の間、還流温度は200℃に徐々に低下した。添加の完了の後に、温度が230℃に達するまで、蒸留物を付加漏斗に集めた(トリブチルアミン/フェニルエーテル1:1混合物15mL)。230℃でさらに1時間加熱した後に、混合物を室温に冷却した。次いで、混合物を撹拌しながら、ヘキサン500mLと合わせた。固体を濾過し、ヘキサン(2×100mL)で洗浄した。淡黄色の固体を酢酸エチル/メタノール(9/1 v/v)から再結晶化させて、純粋な淡黄色の結晶質物質15.28gを収率87.2%で得た。MS:198.1[M+Na]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 11.06(s、1H)、8.08(d、1H、J=8.5Hz)、7.14−7.14(m、1H)、7.10(d、1H、J=2.5Hz)、7.05−7.03(m、1H)、7.04(dd、1H、J1=9.0Hz、J2=2.5Hz)、6.47(d、1H、J=7.0Hz)、3.86(s、3H)。
実施例6:6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オンの合成
6−メトキシイソキノリン−1−オール(2.00g、11.42mmol)、4−ヨードアニソール(4.01g、17.13mmol)、ヨウ化銅(I)(0.44g、2.28mmol)、L−プロリン(0.53g、4.57mmol)および無水炭酸カリウム(3.16g、22.84mmol)を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた乾燥している250mL三つ口丸底フラスコに入れた。反応フラスコを真空化し、かつ無水アルゴンを再充填した。無水メチルスルホキシド50mLをシリンジを介して加えた。反応混合物を撹拌し、130℃で20時間加熱した。水50mLを加えて反応をクエンチすると、黄色の固体が沈澱した。淡黄色の固体を濾過し、水(2×20mL)で洗浄し、空気乾燥させた。この淡黄色の固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製して、淡黄色の固体生成物2.90gを収率90.3%で得た。MS:282.2[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 8.14(d、1H、J=8.7Hz)、7.39−7.34(m、3H)、7.19(d、1H、J=2.4Hz)、7.13−7.03(m、3H)、6.62(dd、1H、J=7.5Hz)、3.89(s、3H)、3.81(s、3H)。
実施例7:4−ブロモ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(14q)の合成
6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(0.50g、1.78mmol)を、撹拌棒および隔膜を備えた乾燥した250mL一つ口丸底フラスコに入れた。アセトニトリル(10mL)を、アルゴン雰囲気下、室温でシリンジを介して加えた。N−ブロモスクシンイミドまたはNBS(0.33g、1.87mmol)をアルゴン雰囲気下、室温で滴加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、飽和重炭酸ナトリウム溶液20mLを加えた。混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc=2/3 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.55gを収率85.9%で得た。MS:360.4[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 8.14(d、1H、J=8.7Hz)、7.39−7.34(m、3H)、7.19(d、1H、J=2.4Hz)、7.13−7.03(m、3H)、6.62(dd、1H、J=7.5Hz)、3.89(s、3H)、3.81(s、3H)。
実施例8:4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(12b)の合成
4−ブロモ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(0.22g、0.61mmol)を、撹拌棒および隔膜を備えた乾燥している150mL一つ口丸底フラスコに入れた。塩化メチレン(30mL)を、シリンジを介して加えた。三臭化ホウ素(1.0Mの塩化メチレン溶液1.83mL)を撹拌しながら、アルゴン雰囲気下、室温で滴加した。反応混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、水20mLを加えて、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル50mLで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)に掛けて、白色の固体生成物0.10gを収率49.4%で得た。MS:334.2[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 10.58(s、1H)、9.83(s、1H)、8.12(d、1H、J=8.7Hz)、7.71(s、1H)、7.22(d、2H、J=8.7Hz)、7.09(d、1H、J=21.Hz)、7.04(dd、1H、J1=8.7Hz、J2=2.4Hz)、6.84(d、2H、J=8.7Hz)。
実施例9:6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−ビニルイソキノリン−1(2H)−オン(14f)の合成
4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−イソキノリン−1(2H)−オン(0.60g、1.81mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(42mg、0.036mmol)、炭酸カリウム(0.25g、1.81mmol)およびビニルボロン酸無水物ピリジン複合体(0.22g、0.91mmol)を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL三つ口丸底フラスコに入れた。無水1,2−ジメトキシエタン(10mL)および水(3mL)を、アルゴン雰囲気下でシリンジを介して加えた。反応溶液を撹拌し、4時間還流加熱した。室温で水20mLを加えることによって、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル/メタノール(9/1 v/v)(2×20mL)で抽出した。抽出物を合わせ、ブライン(2×10mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、続いて濾過し、濃縮して、黄色の残渣を得た。黄色の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=19/1 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.44gを収率87.0%で得た。融点℃(分解)。MS:m/z 280.0[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 10.43(s、1H)、9.71(s、1H)、8.13(d、1H、J=8.7Hz)、7.41(s、1H)、7.24(d、2H、J=8.7Hz)、7.10(d、1H、J=2.1Hz)、7.01(dd、1H、J1=8.7Hz、J2=2.1Hz)、6.88(dd、1H、J1=17.4Hz、J2=10.8Hz)、6.85(d、2H、J=8.7Hz)、5.64(dd、1H、J1=17.4Hz、J2=1.2Hz)、5.26(dd、1H、J1=10.8Hz、J2=1.2Hz)。
実施例10:6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−4−カルボニトリル(14g)の合成
4−ブロモ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−イソキノリン−1(2H)−オン(0.80g、2.22mmol)、Zn(CN)2(0.40g、3.42mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.20g、0.22mmol)および1,1´−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.49g、0.89mmol)を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL三つ口丸底フラスコに入れた。次いで、無水ジメチルホルムアミド(30mL)をアルゴン雰囲気下で、シリンジを介して加えた。反応溶液を撹拌し、100℃に5時間加熱した。水(30mL)を加えて、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。抽出物を合わせ、ブライン(3×10mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、続いて濾過し、濃縮して、黄色の残渣を得た。黄色の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン=1/1 v/v)によって精製して、淡黄色の固体生成物0.63gを収率92.6%で得た。融点℃(分解)。MS:m/z 307.0[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 8.48(s、1H)、8.22(d、1H、J=9.0Hz)、7.43(d、2H、J=8.7Hz)、7.27(dd、1H、J1=8.7Hz、J2=2.4Hz)、7.08(d、1H、J=2.4Hz)、7.06(d、2H、J=8.7Hz)、3.97(s、3H)、3.82(s、3H)。
実施例11:6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−4−カルボニトリル(14h)の合成
6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−イソキノリン−4−カルボニトリル(0.45g、1.47mmol)を、撹拌棒およびアルゴン注入口を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL一つ口丸底フラスコに入れた。BBr3(1.0MのCH2Cl2溶液9.0mL、9.0mmol)を室温で撹拌しながら、シリンジを介して加えた。室温で24時間撹拌した後に、水20mLを加えることによって、反応をクエンチした。溶液を室温で1時間撹拌し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層を分離し、合わせ、無水MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.28gを収率68.5%で得た。融点℃(分解)。MS:m/z 279.0[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 10.86(s、1H)、9.80(s、1H)、8.38(s、1H)、8.13(d、1H、J=8.7Hz)、7.25(d、2H、J=8.7Hz)、7.09(dd、1H、J1=8.7Hz、J2=2.4Hz)、7.04(d、1H、J=2.4Hz)、6.85(d、2H、J=8.7Hz)。
実施例12:6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イルトリフルオロメタンスルホネート(14d)の合成
8−ヒドロキシ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(2.10g、7.06mmol)を、磁気撹拌棒、アルゴン注入口を備えた250mL三つ口丸底フラスコ中で無水ジメチルホルミド(formide)30mLに溶かし、ゴム栓で封をした。溶液を氷浴中で0℃に冷却した。水素化ナトリウム(鉱油中60%を0.37g、9.18mmol)をアルゴン雰囲気下で4回で加えた。反応混合物を0℃で30分間、次いで室温で30分間撹拌した。再び溶液を0℃に冷却した後に、N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンアミド(amde))(2.65g、7.41mmol)をアルゴン保護下で少量ずつ加えた。反応混合物を0℃で30分間、かつ室温で1時間撹拌した。飽和塩化アンモニア溶液50mLを加えることによって、反応をクエンチし、水50mLで希釈した。溶液を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を分離し、合わせ、ブラインで洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc=1/1 v/v)によって精製して、白色の固体生成物2.85gを収率94.1%で得た。融点℃(分解)。MS:m/z 452.1[M+Na]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 7.52(d、1H、J=7.2Hz)、7.38(d、1H、J=2.4Hz)、7.34(d、2H、J=9.0Hz)、7.07(d、2H、J=9.0Hz)、7.02(d、1H、J=1.8Hz)、6.72(d、1H、J=7.5Hz)、3.94(s、3H)、3.82(s、3H)。
実施例13:6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボニトリル(14i)の合成
6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−イルトリフルオロメタンスルホネート(0.43g、1.00mmol)、Zn(CN)2(0.14g、1.20mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(92mg、0.1mmol)および1,1´−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.22g、0.40mmol)を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL三つ口丸底フラスコに入れた。次いで、無水ジメチルホルミド(formide)(20mL)をアルゴン雰囲気下で、シリンジを介して加えた。反応溶液を撹拌し、100℃に4時間加熱した。水(20mL)を加えて、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル(4×30mL)で抽出した。抽出物を合わせ、ブライン(3×10mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、続いて濾過し、濃縮して、黄色の残渣を得た。黄色の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン=3/2 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.23gを収率75.2%で得た。融点℃(分解)。MS:m/z 307.2[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 7.63(d、1H、J=2.1Hz)、7.54(d、1H、J=2.1Hz)、7.51(d、1H、J=7.5Hz)、7.38(d、2H、J=8.7Hz)、7.06(d、2H、J=8.7Hz)、6.71(d、1H、J=7.5Hz)、3.95(s、3H)、3.82(s、3H)。
実施例14:4−ブロモ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボニトリル(14j)の合成
化合物6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボニトリル(0.22g、0.72mmol)およびN−ブロモスクシンイミド(0.15g、0.86mmol)を、撹拌棒を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL一つ口フラスコに入れ、ゴム栓で封をした。アセトニトリル(10mL)をアルゴン雰囲気下、室温でシリンジを介して加えた。混合物を室温で4時間撹拌した後に、溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc=2/3 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.23gを収率83.3%で得た。融点℃(分解)。MS:m/z 387.1[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 8.01(s、1H)、7.81(d、1H、J=2.4Hz)、7.43(d、1H、J=2.4Hz)、7.42(d、2H、J=8.7Hz)、7.07(d、2H、J=8.7Hz)、4.02(s、3H)、3.82(s、3H)。
実施例15:4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボニトリル(14k)の合成
4−ブロモ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−8−カルボニトリル(0.15g、0.39mmol)を、撹拌棒、還流凝縮器およびアルゴン注入口を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている100mL一つ口丸底フラスコに入れた。無水クロロベンゼン(10mL)を、室温でシリンジを介して加えた。BBr3(0.59、2.33mmol)を室温で撹拌しながら、シリンジを介して加えた。生じた溶液を120℃に4時間加熱した。水10mLを加えて、反応をクエンチした。室温で1時間撹拌した後に、溶液をEtOAc(5×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.05gを収率36.0%で得た。融点℃(分解)。MS:m/z 357.1[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 11.40(s、1H)、9.79(s、1H)、7.91(s、1H)、7.48(d、1H、J=2.1Hz)、7.38(d、1H、J=2.1Hz)、7.26(d、2H、J=8.7Hz)、6.86(d、2H、J=8.7Hz)。
実施例16:4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(12b)の合成
4−ブロモ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(14q)を上記のとおり調製した。14qを、撹拌棒および隔膜を備えた乾燥している150mL一つ口フラスコに入れた。クロロベンゼン(30mL)を、シリンジを介して加えた。三臭化ホウ素(希釈せずに6当量)をアルゴン雰囲気下、室温で撹拌しながら滴加した。反応混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、水20mLを加えて、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル50mLで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)に掛けて、白色の固体生成物0.10gを収率49.4%で得た。MS:334.2[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 10.58(s、1H)、9.83(s、1H)、8.12(d、1H、J=8.7Hz)、7.71(s、1H)、7.22(d、2H、J=8.7Hz)、7.09(d、1H、J=21.Hz)、7.04(dd、1H、J1=8.7Hz、J2=2.4Hz)、6.84(d、2H、J=8.7Hz)。
実施例17:4−ブロモ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−メトキシ−イソキノリン−1(2H)−オン(12c)の合成
4−ブロモ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(14q)を上記のとおり調製した。14qを、撹拌棒および隔膜を備えた乾燥している150mL一つ口フラスコに入れた。クロロベンゼン(30mL)をシリンジを介して加えた。三臭化ホウ素(希釈せず3当量)をアルゴン雰囲気下、室温で撹拌しながら滴加した。反応混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、水20mLを加えて、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル50mLで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)に掛けて、白色の固体生成物0.10gを収率49.4%で得た。MS:334.2[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 10.58(s、1H)、9.83(s、1H)、8.12(d、1H、J=8.7Hz)、7.71(s、1H)、7.22(d、2H、J=8.7Hz)、7.09(d、1H、J=21.Hz)、7.04(dd、1H、J1=8.7Hz、J2=2.4Hz)、6.84(d、2H、J=8.7Hz)。
実施例18:6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オンの合成
4−ブロモ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−イソキノリン−1(2H)−オン(0.52g、1.44mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(83mg、0.07mmol)、炭酸カリウム(0.22g、1.00mmol)およびフェニルボロン酸(0.21g、1.73mmol)を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL三つ口丸底フラスコに入れた。1,2−ジメトキシエタン(10mL)および水(3mL)を、アルゴン雰囲気下でシリンジを介して加えた。反応溶液を撹拌し、20時間還流加熱した。室温で水30mLを加えることによって、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。抽出物を合わせ、ブライン(2×10mL)で洗浄し、無水MgSO4および3−(ジエチレントリアミノ)プロピル官能化シリカゲル2g上で乾燥させ、続いて濾過し、濃縮して黄色の残渣を得た。黄色の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=2/3 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.50gを収率98.0%で得た。MS:m/z 358.3[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 8.30(d、2H、J=9.0Hz)、7.55−7.40(m、8H)、7.29(s、1H)、7.21(dd、1H、J1=9.0Hz、J2=2.4Hz)、7.05(d、2H、J=9.0Hz)、6.94(d、1H、J=2.4Hz)、3.81(s、3H)、3.78(s、3H)。
実施例19:6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(15a)の合成
6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(0.36g、1.01mmol)を、撹拌棒および隔膜を備えた乾燥している150mL一つ口フラスコに入れた。塩化メチレン(30mL)をシリンジを介して加えた。三臭化ホウ素(1.0Mの塩化メチレン溶液5.0mL)を、アルゴン雰囲気下、室温で撹拌しながら滴加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、水20mLを加えて、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)に掛けて、白色の固体生成物0.29gを収率87.9%で得た。MS:330.2[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 10.31(s、1H)、9.69(s、1H)、8.19(d、1H、J=8.7Hz)、7.52−7.39(m、5H)、7.28(d、2H、J=8.7Hz)、7.18(s、1H)、7.00(dd、1H、J1=8.7Hz、J2=2.4Hz)、6.87−6.82(m、3H)。
実施例20:1−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)イソキノリン−6−オール(13a)の合成
6−メトキシイソキノリン−1−オールの合成
trans−3−メトキシケイ皮酸17.82g(0.10mol)および塩化チオニル(14.28g、0.12mol)の混合物を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた250mL一つ口丸底フラスコに入れた。無水塩化メチレン80mLをフラスコに加えた。生じた混合物を3時間還流加熱した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。残渣油状物質を真空下で一晩乾燥させた。淡黄色の固体の酸塩化物を1,4−ジオキサン20mLに溶かし、撹拌しながら1,4−ジオキサン/水(1:1混合物)80mL中のアジ化ナトリウム19.50g(0.30mol)の0℃の懸濁液に滴加した。添加の間、温度を0℃に維持した。酸塩化物の添加が完了した後に、混合物を0℃でさらに1時間撹拌し、次いで水75mLで希釈した。混合物を塩化メチレン(2×40mL)で抽出した。合わせた抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、約100mLに濃縮した。溶液をフェニルエーテル20mLで希釈し、さらに濃縮して、残りの塩化メチレンを除去した。
アルゴン注入口、還流凝縮器、付加漏斗および内部温度計を備えた500mL三つ口丸底フラスコに、トリブチルアミン29mLおよびフェニルエーテル80mLを装入した。溶液を230℃に加熱し、フェニルエーテル20mL中のアシルアジドを撹拌しながら3時間掛けて、付加漏斗から滴加した。添加の間に、還流温度は200℃に徐々に低下した。添加が完了した後に、温度が230℃に達するまで、蒸留物を付加漏斗に集めた(トリブチルアミン/フェニルエーテルの1:1混合物15mL)。230℃でさらに1時間加熱した後に、混合物を室温に冷却した。次いで、混合物を撹拌しながら、ヘキサン500mLに注いだ。固体を濾過し、ヘキサン(2×100mL)で洗浄した。淡黄色の固体を酢酸エチル/メタノール(9/1 v/v)から再結晶化させて、純粋な淡黄色の結晶質物質15.28gを収率87.2%で得た。MS:198.1[M+Na]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ 11.06(s、1H)、8.08(d、1H、J=8.5Hz)、7.14−7.14(m、1H)、7.10(d、1H、J=2.5Hz)、7.05−7.03(m、1H)、7.04(dd、1H、J1=9.0Hz、J2=2.5Hz)、6.47(d、1H、J=7.0Hz)、3.86(s、3H)。
6−メトキシ−1−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)イソキノリンの合成
アセトン中の6−メトキシイソキノリン−1−オール(1.00g、5.71mmol)の溶液に、K2CO3(4.73g、34.26mmol)およびN−クロロエチル−ピペリジン塩酸塩(1.37g、7.42mmol)を加えた。溶液を6時間還流加熱した。溶液を乾燥するまで蒸発させた。水を加えることによって、残渣を加水分解し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、無水MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;塩化メチレン/メタノール=9/1 v/v)によって精製して、黄色の油状生成物1.50gを収率92.0%で得た。MS:287.2[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 8.11(d、1H、J=9.0Hz)、7.39(d、1H、J=7.5Hz)、7.10−7.13(m、2H)、6.51(d、1H、J=7.5Hz)、4.02(t、2H、J=6.6Hz)、3.86(s、3H)、2.55(t、2H、J=6.5Hz)、2.41(br、4H)、1.52−1.44(m、4H)、1.37−114(m、2H)。
1−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)イソキノリン−6−オール(13a)の合成
6−メトキシ−1−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)イソキノリン(0.60g、2.10mmol)を室温で、無水CH2Cl230mLに溶かした。BBr3(10.50mmol、1.0MのCH2Cl2溶液10.50mL)を撹拌しながら、シリンジを介して滴加した。反応溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を氷浴中で0℃に冷却し、水を加えることによって、加水分解した。EtOAcを加えて、溶液を分配した。有機層を分離し;水性層をEtOAcで2回抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させた。溶媒を真空下で除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって、シリカゲルをCH3OH/CH2Cl2(1/9 v/v)と共に使用して精製して、白色の固体生成物40gを収率70.2%で得た。MS:273.2[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 10.29(s、1H)、8.05(d、1H、J=8.7Hz)、7.32(d、1H、J=7.2Hz)、6.93(d、1H、J=8.4Hz)、6.87(s、1H)、6.43(d、1H、J=7.2Hz)、4.03(s、br、2H)、2.62(s、br、2H)、2.50(s、br、2H)、1.49−1.39(m、6H)。
実施例21:選択された本発明の化合物のin vitro特性決定
(A)本発明のNRBAのいくつかの実施形態でのエストロゲン受容体結合親和性、アゴニストおよびアンタゴニスト活性
材料および方法:
ER結合親和性を以下の方法の何れかによって決定した:
方法1:
ヒト組み換えエストロゲン受容体(ER)を、昆虫Sf9細胞中で発現させ、トリチウム標識エストラジオールを使用して、放射能競合結合アッセイを行った。試験されたNRBAが、1μM(1000nM)濃度で[3H]エストラジオール結合の≧50%の阻害活性を示した場合に、4種の濃度を使用して化合物をアッセイして、IC50およびKi推定値を決定した。
方法2:
[3H]エストラジオール([3H]−E2、PerkinElmer)(ERαとERβの両方についての高親和性リガンド)でのin vitro競合放射リガンド結合アッセイを使用して、NRBAのエストロゲン受容体(ER)結合親和性を決定した。漸増濃度(0.01から10nMへ)の[3H]−E2と細菌発現ERαまたはβリガンド結合ドメイン(LBD)とを4℃で18時間インキュベートすることによって、[3H]−E2の平衡解離定数(Kd)を決定した。非特異的結合は、1000nMのE2を前記インキュベーション混合物に添加することによって決定した。インキュベーション混合物中のERαおよびERβ結合部位を飽和させるために必要な[3H]−E2の最小濃度は、それぞれ1nMであると決定した。それらのNRBA化合物の結合親和性は、同じ条件下で漸増濃度(3×10−2から1,000nMへ)のリガンドと単離されたERLBDおよび1nMの[3H]−E2とをインキュベートすることによって決定した。インキュベーションの後に、結合および遊離[3H]−E2を、Harvester(PerkinElmer)での真空濾過を用いて分離した。簡単に述べると、インキュベーション混合物を高親和性タンパク質結合フィルターによって濾過し、数回洗浄して一切の未結合放射活性を除去した。そのフィルタープレートを空気乾燥させ、底を密封した。シンチレーションカクテルをそれぞれのウェルに添加し、そのプレートの上面を密封した。TopCount NXT Microplate Scintillation Counterで放射活性をカウントした。
[3H]−E2の非特異的活性を差し引くことによって、NRBAのそれぞれの濃度での[3H]−E2の特異的結合(B)を得、NRBA不在下での[3H]−E2の特異的結合(B0)に対するパーセンテージとして表した。SigmaPlot(SPSS Inc.、Chicago、IL)を使用する非線形回帰分析による次の式へのデータのコンピューター当てはめにより、[3H]−E2の特異的結合を50%低下させるNRBAの濃度(IC50)を決定した。
B=B0 *[1−C/(IC50+C)]
式中、Cは、SERMの濃度である。
NRBA平衡解離定数(Ki)は、
Ki=Kd *IC50/(Kd+L)
によって計算した。式中、Kdは、[3H]−E2の平衡解離定数(ERα=0.65nM、ERβ=1.83nM)であり、Lは、[3H]−E2の濃度(1nM)である。
表1は、一連のNRBAを示す。代表的なNRBAを本明細書において下に記載し、特定の実験条件下でのそれらの活性を提供する。示されている化合物が、利用される実験条件下で特定の活性(例えば化合物12bはアゴニストである)を、一部の実施形態では利用される特定の細胞などの関数として示し得るが、そのような化合物が、別の実験設定では代替のまたは多様な活性を有することもあることは、理解されるはずである。
本発明のNRBAの代表的な例および示されている条件下でのその活性は次のとおりである:
本発明のNRBAのいくつかの実施形態による各エストロゲン受容体の競合阻害を表2に示す。組み換えERαまたはERβリガンド結合ドメインを、[3H]−エストラジオールおよび10−11から10−4Mの濃度範囲で漸増する濃度の本発明のNRBAのいくつかの実施形態と共にインキュベートした。インキュベーションの後に、プレートをGF/Bフィルタ上に採取し、TopCount NXT(PerkinElmer)で放射活性を測定した。結合全体から非特異的結合を差し引いて、特異的結合を得た。100nMの化合物での[3H]−エストラジオールの阻害パーセントは下記のとおりである:
表3は、本発明のNRBAのいくつかの実施形態についてのER−αおよびER−βに対する結合定数(Ki値)を示している。
表3のNRBAは、12bを除き、非常に低い濃度でCyp3Aおよび/またはCyp2C9を阻害した[データは示さず]。
(B)ER−αおよびER−β転写活性に対するNRBAの効果
COSまたは293細胞を、10%のcsFBSを含み、フェノールレッドを含まないDME培地中で、24ウェルプレート中に1ウェル当たり90,000細胞で蒔き、二種のエストロゲン応答エレメントによって駆動されるホタルルシフェラーゼ遺伝子を有するベクター「ERE−LUC」0.25μgおよびCMVプロモータにより駆動されるルシフェラーゼ遺伝子を有するコントロールベクターCMV−LUCレニラ0.02μgをトランスフェクトした。また、25ngのER−α、50ngのER−βまたは12.5ngのARをリポフェクタミンによって導入した。すべての受容体をラット組織から、pCR3.1ベクターバックボーン中でクローニングした。トランスフェクションの24時間後に、本発明の化合物、エストロゲン、DHTおよび他のNRBA、またはそれらの任意の組み合わせで細胞を処理した。トランスフェクションの48時間後に細胞を回収し、ホタルおよびレニラルシフェラーゼ活性をアッセイした。
本発明のNRBAの代表例および示されている条件下でのその活性は下記のとおりである。
ER−αアゴニスト:12y(ER−α:Ki=36nM、12u(ER−α:Ki=32nM;1nMのエストラジールと比較した場合の100nMの12uの活性%=62%)。
ER−βアゴニスト:12b(ER−β:Ki=49nM、1nMのエストラジールと比較した場合の100nMの12bの活性%=79%)、12p(ER−β:Ki=17nM、1nMのエストラジールと比較した場合の100nMの12pの活性%=85%)。
下記の代表的な表4は、本発明のNRBAの代表例についての100nMでのエストラジオール活性%および100nMでのエストラジオール活性%を示している。
化合物12b、12f、12h、12p、12s、12u、12yおよび12zが、ER−βアゴニスト活性を有することが判明した。これらの化合物の結合親和性を図1に示す。
これらのアゴニストの代表例についてのER−αおよびER−βの結合定数間の比を下記の表5に示す。
一例として、0.1、1、10、100および1000nMの用量を使用して、エストラジオールと比較した場合の121化合物によるER−αおよびER−βのin vitro活性化を評価し(図2)、データを下記の表6に示す。
実施例22A:14mおよび12uのin vitro特性決定
リガンド結合アッセイ
組換えER−αまたはER−βリガンド結合ドメイン(LBD)を[3H]E2(PerkinElmer、Waltham、MA)と、緩衝液A(10mMのトリス、pH7.4、1.5mMのジナトリウムEDTA、0.25Mのスクロース、10mMのモリブデン酸ナトリウム、1mMのPMSF)中で混合して、[3H]E2の平衡解離定数(Kd)を決定した。タンパク質を、漸増する濃度の[3H]E2と共に、高濃度の未標識のE2を伴って、またはそれを伴わずに、4℃で18時間インキュベートして、全体結合および非特異的結合を決定した。次いで、非特異的結合を全体結合から差し引いて、特異的結合を決定した。リガンド結合曲線を非線形回帰によって単一部位飽和で分析して、E2のKdを決定した(ER−α:0.65nM;ER−β:1.83nM)。加えて、ER−αおよびER−β LBDを飽和させるのに必要な[3H]E2の濃度は、1〜3nMであると決定された。
漸増濃度の2種のβ−SERM(14mおよび12u)(範囲:10−11〜10−6M)を、[3H]E2(1〜2nM)およびER LBDと共に、上記の条件を使用してインキュベートした。インキュベーションの後に、プレートをGF/Bフィルターを用いて、Unifilter-96 Harvester(PerkinElmer)で回収し、氷冷緩衝液B(50mMのトリス、pH7.2)で3回洗浄した。フィルタープレートを室温で乾燥させ、次いでMicroscint-Oカクテルを各ウェルに加え、フィルタープレートをTopSeal-Aで密封した。TopCount(登録商標)NXT Microplate Scintillation Counterで、[3H]についての設定を使用し、Microscintカクテル(PerkinElmer)中で放射能をカウントした。
各濃度の化合物での[3H]E2の特異的結合を、[3H]E2の非特異的結合(10−6Mの未標識のE2と共にインキュベートすることによって決定)を差し引くことによって決定し、化合物の不在下での特異的結合のパーセンテージとして表した。[3H]E2の特異的結合を50%低下させる化合物の濃度(IC50)を、SigmaPlotおよび非線形回帰を用いて、データを4つのパラメーター算定曲線とコンピューター当てはめすることによって決定した。次いで、各化合物の平衡結合定数(Ki)をKi=Kd×IC50/(Kd+L)によって算出したが、その際、Kdは[3H]E2の平衡解離定数であり、Lは[3H]E2の濃度である。
過渡的トランスフェクションおよびレポーター遺伝子アッセイ
ヒトエストロゲン受容体(ER−αおよびER−β)を、前立腺cDNAから、pCR3.1プラスミドベクター主鎖にクローニングした。PGC−1を哺乳動物の複合ハイブリッドベクターpACTにクローニングした。ER−β H475を、特定部位突然変異誘発を使用してアラニンに突然変異させた。塩基配列決定を行って、非特異的突然変異が何ら存在しないことを決定した。SHPプロモータ(−572から+10)(26)をpGL3塩基性LUCレポーターベクターにクローニングして、さらにヒトFXRをpCR3.1にクローニングした。24ウェルプレートに1ウェル当たり100,000細胞で、ダルベッコ最小必須培地(DMEM)+5%チャコールストリッピング処理済みウシ胎児血清(csFBS)中にHEK−293細胞を蒔いた。Lipofectamine(In vitrogen、Carlsbad、CA)を使用して、ERE−LUC0.25μg、CMV−LUC(レニラルシフェラーゼ)0.02μgおよびラットER−α12.5ngまたはラットER−β25ngを細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後に、細胞を様々な濃度のSERMまたはSERMおよびエストラジオールの組み合わせで処理して、アンタゴニスト活性を決定した。ルシフェラーゼアッセイを、トランスフェクションの48時間後に行った。
Ishikawa増殖アッセイ
24ウェルプレートに15,000細胞/ウェルで、フェノールレッドを含まないDME:F12(1:1)+5%csFBS中に、Ishikawa細胞を蒔いた。細胞をこの培地中、37℃で3日間維持した。培地を、さらに72時間の薬物処理の直前に変えた。72時間後に、細胞をホルマリンで固定し、アルカリホスファターゼ(ALP)の量をパラ−ニトロフェニルリン酸方法によって測定した。
結果
14mおよび12uのin vitro特性決定
2種のβ−SERMをアイソフォーム選択的SERM(図3A)のライブラリから選択した。14m(4−シアノ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン)および12u(4−ブロモ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン)はER−βには、高い親和性で、それぞれ5.35および2.11nMのKi値で結合し、これは、E2による結合に匹敵した(図3B)。しかしながら、14mおよび12uはER−αには、エストラジオールよりもかなり低い親和性で、それぞれ94および40nMのKi値で結合した(図3B)。そのように、14mおよび12uはR−βに、ER−αと比較してほぼ100倍の選択率で結合した(図3B)。
ER結合における選択性がまた、ER−β−選択的活性にも反映するかどうかを決定するために、過渡的トランス活性化アッセイを、ER−αまたはER−βおよびERE−LUCをコードするプラスミドをトランスフェクトされたHEK−293細胞で行った。細胞を様々な濃度のリガンドで処理し、そのEC50値を決定した。14mおよび12uは両方とも、ER−αおよびER−βの両方に対してアゴニストとして、ただしER−βに20〜30倍の選択率および10nM未満のEC50で機能した(図3B)。
NHRスーパーファミリーのメンバーは、やや相同しているLBDを有するので、トランス活性化アッセイを行って、13種の他のNHR(プロゲステロン、ミネラロコルチコイド、アンドロゲン、グルココルチコイド、FXR、PXR、肝臓X受容体(LXR)、レチノイドX受容体(RXR)、PPAR−α、PPAR−γおよびERR−α、ERR−βおよびERR−γの受容体)との交差反応性を決定した。14mおよび12uは、10μMの高い濃度であっても、上述の受容体のいずれとも交差反応しなかった(データは示さず)。
ER−βではなくER−αの活性化は、子宮増殖を誘発する[Morani Aら、2008 J Intern Med 264:128〜42頁]。この作用は、ER−α SERMの開発において潜在的な懸念の一つである。そこで、Ishikawa子宮内膜細胞のin vitro増殖を刺激する14mおよび12uの能力を、種々の濃度のリガンドおよびALPアッセイを使用して試験した。図3Cに示されているとおり、14mおよび12uは、試験された最も高い濃度(1μM)またはER−αと交差反応する濃度でのみ、Ishikawa細胞の増殖を誘発した。他方で、E2は、非常に低い濃度(即ち、0.1nM)で細胞の増殖を促進した。
実施例22B:14mおよび12uのin vivo特性決定
子宮に対する効果の(uterotropic)アッセイ
18〜20日齢のSprague Dawleyラットを体重を基に、7匹の動物から成る群に無作為化し、ビヒクル、50μg/kg/日のエストラジオール(皮下(s.c))、10mg/kg/日のタモキシフェン(経口)または30mg/kg/日の14mもしくは12u(s.c)で処置した。体重(BW)を処置前(0日目)および検死前(4日目)に記録した。群の中での統計的差違を一元ANOVAによって評定した。ラットを連続3日間処置し、次いで、最後の投与の24時間後に屠殺した。子宮頸との接合部のすぐ上と、子宮角と卵巣との接合部の所で子宮体を切断した。子宮を、子宮内液体と共に、かつ子宮内液体を除いて秤量した。空の子宮の重量間で、統計的比較を行った。
子宮の増殖に対する14mおよび12uの効果をin vivoでも試験した。3日間、14mおよび12uは30mg/kg/dayの用量で皮下投与したが、E2は、50μg/kg/dayの用量で皮下投与し、タモキシフェンは10mg/kg/dayの用量で経口投与した。タモキシフェンを、組織選択的陽性対照SERMとして使用した。子宮重量の増加によって示されるとおり、E2およびタモキシフェンは子宮の増殖を顕著に刺激したが、14mおよび12uは両方とも、子宮増殖を誘発しなかった(図3D)。子宮に対する活性がin vivoでは存在しないことが確認されたことに加えて、これらの研究を使用して、肥満研究のための用量を決定することができた(30mg/kg/日、皮下)。
実施例23:肥満研究
高脂肪食(HFD)誘発肥満モデルにおける14m(4−シアノ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン)および12u(4−ブロモ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン)の代謝効果を決定するために、次の研究を行った:
研究A:4週齢のC57BL6の雄のマウスをいくつかの群に分け、普通食または高脂肪食(Harlan、IN)を給餌した。普通食は、タンパク質(16.7%)、炭水化物(56%)および脂肪(4.2%)を3.3Kcal/gの可消化エネルギーで包含した。高脂肪食は、タンパク質(23.5%)、炭水化物(27.3%)および脂肪(34.3%)を5.1Kcal/gの可消化エネルギーで包含した。
予防研究(研究1および2)では、動物をビヒクル、14mまたは12u 30mg/kg/日で、研究の1日目から開始して12週間継続して皮下で処置した。治療研究(研究3)では、動物を個々の食事で6週間維持し、その後で、示されているとおりに毎日、さらに18週間処置した。週2回、体重および食餌摂取量を測定した。動物を各研究の終了時に屠殺し、血液および組織をRNA単離、組織学およびタンパク質概算のために回収した。DEXAスキャニングを14mでは最初の肥満研究の終了時に行い、かつMRIスキャニング(EchoMRI、4−in−1組成分析器、Echo medical systems、Houston、TX)を14mおよび12uで行われた第2肥満研究では0、6および12週目に行った。
肥満治療研究では(動物に高脂肪食を6週間給餌し、その後、18週間の薬物治療を開始した)、MRIスキャンを0、6、12、18および24週目に行った。
ELISAをベースとする方法を使用して、コレステロールおよびレプチン濃度を血清中で測定した。
MIP−1bは、Millipore(Billerica、MA)から得られるサイトカインのLuminexビーズ炎症パネルの一部である。サイトカインのリストを下記の表7に示す。
組織診を凍結切片で行い、オイルOレッドで染色した。luminexビーズ方法(Millipore)を使用して、血清テストステロンおよびFSHを測定した。
経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を16時間絶食マウスで行った。胃管を介しての経口強制栄養によって、マウスにグルコース150mgを与えた。グルコース投与の後0、15、30、60、90および120分目に、血液試料を採取し、グルコースレベルを記録した。
卵巣切除誘発肥満モデルでは、6週齢の雌のC57BL6マウスを擬似手術するか、または卵巣切除し、上記で示されているとおりに9週間、研究を実施した。
cDNA合成キット(Applied biosystems、Foster city、CA)を使用して、WAT、BAT、肝臓および筋肉から抽出されたRNAを逆転写させた。リアルタイムPCR TaqMan遺伝子発現アレイカード(Applied Biosystems)を使用して、リアルタイムPCRを、肥満および代謝性疾患(下記の表8)に関与する選択されたリストの遺伝子について行った。
実施例23.1:14mは高脂肪食誘発体重増加を抑制する(研究A−実施例23)
高脂肪食の継続は3週目から、対照マウスと比較して、マウスの体重を顕著に増加させた(図4A)。14mで処置された高脂肪食マウスは、中程度の体重増加のみを示し、かつ対照マウスと統計的に識別できず、このことは、高脂肪食によって誘発される体重増加を14mは抑制し得ることを証明している。図4A(挿入)は、ビヒクル(左)または14m(右)で処置された高脂肪群のマウスの代表的な写真を示している。ビヒクルのみを与えられた高脂肪食群のマウスは、普通食を与えられた動物に対して体重を40%超増加させた(図4A、下部パネル)。しかしながら、14mで処置された高脂肪食群のマウスは、普通食を給餌された対照に対して体重を5%超しか増加させず、このことは、高脂肪食およびビヒクルを与えられた動物と比較すると、14mによる85%超の体重減少を証明している。
高脂肪食を給餌された動物の両方の群の食餌摂取量は、対照マウスで観察されたその量よりも少なかったが、14m治療は、カロリー摂取全体には影響を及ぼさず、このことは、食餌摂取量または満腹感の変化が、観察された体重減少の機構ではなかったことを示している(図4B)。
研究2における14mでの処置は、図4Aで示された先行する研究において観察された効果を再現しており、食餌摂取量は変わらずに、体重は顕著に減少(図5A)した(データは示さず)。12uもまた、高脂肪食給餌マウスの体重を減少させ、14mで観察された結果に匹敵する結果を伴った。両方のリガンドが、高脂肪食が原因の体重増加を50%超予防した。14mおよび12uで処置されたマウスの体重は、普通食対照とは統計的に区別できなかった。
実施例23.2:14mは代謝性疾患マーカーを変化させる(研究A−実施例23)
二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)を使用して、高脂肪食および14mを与えられたマウスで観察された体重差に随伴する身体組成変化を検査した。高脂肪食およびビヒクルを与えられた動物は、普通食(対照)群または14mを与えられた群の動物よりも顕著に高い体脂肪を有した(図6Aの左側パネル)。この結果は、14mが、除脂肪体重または体水分の減少によって体重を抑制しているのではなく、脂肪形成を抑制することによって、この体重減少をもたらしていることを示している。
MRIによって、高脂肪食およびビヒクルを与えられた動物と比較して、14mおよび12u処置群の両方において体脂肪量の顕著な減少が示されされた(図5Bの上のパネル)。両方のリガンドが、体脂肪の増加を50%超予防し、これは、重量測定によって観察された体重の減少に比較可能である。
高脂肪食およびビヒクルの継続によって、普通食対照と比較して顕著に除脂肪体重が減少した(図5Bの下のパネル)。
14mおよび12uは両方とも、高脂肪食を給餌された動物の除脂肪体重を増加させ、このことは、ER−β選択的リガンドは、高脂肪食給餌マウスにおいて体重を抑制するだけではなく、身体組成の好ましい変化を促進することによって機能することを示している(即ち、体脂肪量を減らし、かつ除脂肪体重を増やすことによって)。これらの変化は、処置6週間で早くも明白であり、その差違は、処置12週まで拡大した。
実施例23.3:14mは骨無機質含量(BMC)低下を予防する(研究A−実施例23)
肥満は骨密度および含量と逆相関しているので、骨無機質含量(BMC)に対する食餌および14mの効果を、DEXAを使用して検査した。高脂肪食の継続によって、対照と比較してBMCが顕著に低下した。高脂肪食給餌マウスを14mで処置すると、BMCの低下が予防され、実際には普通食に対しても統計的に有意に上昇し(図6Aの右側パネル)、このことは、肥満の低減には、骨に対する二次的な有益効果が付随することを示している。
実施例23.4:14mは血糖値の上昇を予防する(研究A−実施例23)
肥満に関連する多くの病的状態のうちの1つは、II型糖尿病(T2DM)をもたらすインスリン耐性である。ブドウ糖負荷試験を行って、高脂肪食給餌動物がインスリン耐性およびT2DMの徴候を示すかどうかを決定した。グルコースの投与は、全ての群において早くも15分で血糖値を上昇させた。高脂肪食を給餌され、ビヒクルで処置された動物は、普通食対照と比較して、血糖値の有意な上昇を証明した(図6D)。しかしながら、14mで処置された高脂肪食給餌マウスの血糖値は、普通食対照と統計的に異ならなかった。
実施例23.5:14mは血清コレステロールおよびレプチン値の上昇を予防する(研究−実施例23)
高脂肪食を給餌され、ビヒクルで処置された動物では、普通食対照と比較して、血清コレステロール(図6C)およびレプチン値(図6E)が顕著に上昇し、この上昇は、14mによって顕著に反転された。
実施例23.6:14mは白色脂肪組織(WAT)重量の増加および腓腹筋重量の減少を予防する
6週齢のC57BL/6マウスを体重を基に、下記の研究パラメーター表に示されているとおりの3つの研究群に無作為化した。第1の研究では、群Iマウス(n=5)には、通常のげっ歯類飼料およびビヒクルを与え、群IIマウス(n=5)には、高脂肪食およびビヒクルを与え、群IIIマウス(n=5)には、高脂肪食および30mg/kg/日の14mを与えた。第2の研究では、群IIIマウス(n=12)には、高脂肪食および30mg/kg/日の12uを与えた。
普通食は、タンパク質(16.7%)、炭水化物(56%)および脂肪(4.2%)を3.3Kcal/gの可消化エネルギーで包含した。高脂肪食は、タンパク質(23.5%)、炭水化物(27.3%)および脂肪(34.3%)を5.1Kcal/gの可消化エネルギーで包含した。
マウスを12週間処置した。週に2回、体重および食餌摂取量を測定した。
研究の完了時にグルコース150mgをマウスに経口投与し、かつグルコース投与の後0、15、30および60分目に血糖値を測定することによって、ブドウ糖負荷試験もまた行った。
屠殺の際に、マウスの臓器重量を測定し、組織診、遺伝子発現およびタンパク質発現のために回収した。血液を、血清マーカー(コレステロール、グルコース、レプチン)を決定するために回収した。
二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)を行って、研究1における身体組成を測定した。
研究の開始時、6週後および研究の完了時に、MRIスキャンを行った。
WAT、褐色脂肪組織(BAT)、肝臓および筋肉重量をマウスの屠殺時に測定した。群の間で、BAT、肝臓および筋肉重量において有意な差違は観察されなかった(データは示さず)。しかしながら、WAT重量は、普通食対照と比較した場合に、ビヒクルで処置され高脂肪食を続けた動物では2〜2.5倍顕著に増加した。WAT重量のこの増加は、14m処置されたマウスでは顕著に低減した(図6B)。組織重量によって、14mおよび12uは両方とも同等に、WAT重量を減少させ、腓腹筋(図7)重量を増加させたが、その際、他の組織の重量を変えず(データは示さず)、図6に示される結果を再現していることが示された。
実施例23.7:14mは脂肪肝疾患を防ぐ(研究A−実施例23)
肥満および高コレステロール血症のリスクな二次作用のうちの1つは、肝臓への脂肪の蓄積、即ち脂肪肝と称される疾患である。肝臓凍結切片を研究マウスから得、オイルO−レッドで染色して、肝臓への脂肪の蓄積を決定した。図8に示されている写真は、オイルレッド染色の増大から明らかなとおり、高脂肪食の継続によって、肝臓切片への脂肪の蓄積が増大することを示す。しかしながら、14mで処置された高脂肪食給餌マウスから得られた肝臓切片は、オイルレッドで染色されず、このことは、14mが肝臓への脂肪の蓄積を完全に予防したことを示唆している。
実施例23.8:ER−αでの交差反応性研究:14mはFSHおよびテストステロンレベルに影響を及ぼさない(研究A−実施例23)
身体組成および体重に対する効果がER−αとの交差反応性によって媒介されないことを保証するために、視床下部:下垂体:生殖腺(HPG)軸のパラメーターを研究マウスにおいて測定した。ER−αは血栓塞栓症、心臓血管問題、乳癌などの様々な副作用と関連しているので、in vivoでのこの受容体アイソフォームとのER−βリガンドの機能的交差反応性はいずれも望ましくないと考えられ、肥満のような慢性医学的疾患についてそれを使用することを除外する。睾丸重量(図9A)および血清テストステロン(図9B)レベルは、高脂肪食を給餌され、ビヒクル、14mまたは12uで12週間処置された動物において、14mまたは12uによって変わらなかった。瀘胞刺激ホルモン(FSH)、HPG軸における他のホルモンもまた、食餌または薬物処置によって変わらなかった(図9C)。これらの結果は、β−SERMの抗肥満効果は、ER−αとの交差反応性または性ホルモンレベルに対する効果を介して媒介されるのではないことを示唆している。
実施例23.9:14mはマクロファージ炎症性タンパク質−1β(MIP−1β)の上昇を予防する(研究A−実施例23)
炎症は、肥満の中心的成分であり、最近の研究は、肥満が炎症性疾患であることを強調している。高脂肪食誘発肥満における炎症の役割を決定するために、Millipore製のluminexビーズを使用して、決定された32種の炎症性サイトカインのパネルを血清中で測定した(上記表7を参照されたい)。32種のサイトカイン測定のうち、マクロファージ炎症性タンパク質−1β(MIP−1β)のみが、研究マウスにおいて高脂肪食によって顕著に増加した。しかしながら、この増加は、14mによって完全に反転し、そのレベルは検出未満まで低下した(図6F)。
実施例23.10:14mは脂質生成および抗酸化経路に関与している遺伝子の発現を変える(研究A−実施例23)
脂質生成、脂肪分解、抗酸化および他の関連経路に関係している32種の遺伝子のサブセットを選択し、TaqMan PCRをベースとするアレイを使用して、これらの遺伝子に対する14mの効果を評定した。肝臓、筋肉、WATおよびBATからのRNAをこれらのアレイに適用した。ビヒクルで処置された高脂肪食動物と比べて、14m処置マウスにおいてその発現が2倍超異なり、かつp<0.01で有意である遺伝子を表9にまとめる。
実施例23.11:14mは脱共役タンパク質−1(UCP−1)遺伝子発現を増大させる
脱共役タンパク質−1(UCP−1)、発熱ミトコンドリアタンパク質およびBATのためのマーカーが、普通食対照と比較して、高脂肪食およびビヒクルを与えられた動物において低下した。しかしながら、14mは反転させ、実際に、UCP−1遺伝子発現の増大を示したが(表9)、このことは、エネルギー消費の増大を示唆していた。
実施例23.12:12uは、肥満動物において体重および体脂肪量を阻害する(研究3:治療相)
最初の2つの研究は、肥満を防ぐために設計されていたが(即ち、動物に高脂肪食を給餌し、同時に処置する)、後続の研究は、高脂肪食を既に給餌されていて、肥満しているマウスにおいて、身体組成に影響を及ぼす12uの能力を評定するために行った。マウスを3つの群に分け、その際、1つの群には普通食(対照)を給餌し、他の2つの群には高脂肪食を6週間給餌した。6週後に、動物をビヒクルまたは30mg/kg/日の12uで皮下でさらに12週間処置した。研究経過全体にわたって、全ての動物にその個々の食餌を継続させた。高脂肪食の継続によって、普通食対照と比較すると、3週間までに体重が顕著に増加した。6週目に12uでの処置を開始すると、残りの研究を通して、体重のさらなる増加が妨げられた。16週目までには、12uで処置された高脂肪食給餌動物の体重は、普通食対照マウスと顕著に異ならなくなった(図10A)。MRIによって、高脂肪食での動物で観察された体脂肪の増加が、12uでの処置によって低減したことが証明された(図10B)。
実施例23.13:β−SERMは閉経後肥満の動物モデルにおいて身体組成を変える(研究A−実施例23)
閉経後肥満は、心臓血管リスクに女性が罹患する可能性を増大させる[Turgeon JLら、2006 Endocr Rev 27:575〜605頁]。β−SERM高脂肪食誘発肥満の動物モデルにおいて身体組成に影響を及ぼすことが示されているので、これらはまた、閉経後肥満の動物モデルにおいても有効であり得る。卵巣切除(OVX)は、擬似手術動物を超えて顕著に体重を増加させた(図11A)。意外にも、12uはこのモデルにおいて体重増加を阻害しなかった。高脂肪食モデルにおける観察とは異なり、12uは、OVXマウスの食餌摂取量を増大させた(図11B)。高脂肪食モデルにおいて示されているとおり、MRIスキャンによって、OVXは体脂肪量を顕著に増加させたこと、および12uは体脂肪量の増加を完全に妨げることが示された(図11Cの左側のパネル)。12uはまた、除脂肪体重を顕著に増大させ(図11Cの右側のパネル)、これは、12uが肥満の高脂肪食−およびOVX−誘発動物モデルにおける身体組成を一貫して変化させたことを示している。WATおよび子宮重量の測定によって、12uはOVXによって生じたWATを、子宮重量に影響を及ぼすことなく完全に阻害したことが示されたが、このことは、ER−α交差反応性が存在しないことを示している(図11D)。
実施例23.14:ER−βリガンドはPPAR−γ機能を依存的に阻害する(研究A−実施例23)
Foryst-Ludwigら、[Foryst-Ludwig Aら、2008 PLoS Genet 4:e1000108]は既に、ER−βリガンドが互いに独立的に、N−末端相互作用を介してPPAR−γを阻害することを示した。PPAR−γはまた、前脂質生成(proadipogenic)転写因子であることも示されている[Tontonoz Pら、2008 Annu Rev Biochem 77:289〜312頁]。加えて、BATおよびWAT(即ち、LPL)において14mによって完全に抑制される遺伝子のうちの1種は、PPAR−γ標的遺伝子である(表−10)[Kersten S 2008 PPAR Res 2008:132960頁]。したがって、トランス活性化研究を、ER−β、PPAR−γまたはPPAR−αおよびPPRE−LUCをトランスフェクトされたHEK−293細胞で行って、PPAR活性に対する14mおよび12uの直接的または間接的効果を決定した。両方のβ−SERMが、ER−βを同時トランスフェクトされている場合にはトログリタゾン−誘発PPAR−γ活性を部分的に阻害したが(図12Aの左側のパネル)、WY14643誘発PPAR−αトランス活性化には影響を及ぼさなかった(図12Aの右側のパネル)。ER−βによるPPAR−γのリガンド独立的または構成的阻害も観察され、これによって、以前の報告が確認された[Foryst-Ludwig Aら、2008 PLoS Genet 4:e1000108]。
ER−βのリガンド結合ドメイン(LBD)がPPAR−γトランス活性化の阻害に必要であるかどうかを決定するために、ER−β LBD中のヒスチジン475をアラニンに変異させた。この残基は、ER−βへのリガンド結合に重要である。このことを、H475をアラニンに変異させ、かつ野生型ER−βに対してそのトランス活性化を比較することによって確認した。HEK−293細胞にERE−LUC、ER−βまたはH475A ER−βをトランスフェクトすることによって、H475からアラニンへの変異が、ER−βを活性化させるためのエストラジオールの能力を排除することが確認された(図12B)。
H475Aがエストラジオール依存性ER−βトランス活性化を損なうので、PPAR−γトランス活性化を阻害するこの変異型受容体の能力を決定し、野生型と比較した。図12Cに示されているとおり、野生型ER−βは、リガンド依存的に、かつ独立に、トログリタゾン−誘発PPAR−γトランス活性化を阻害したが、H475A ER−βは、PPAR−γトランス活性化を阻害せず、このことは、PPAR−γトランス活性化を阻害するためのリガンド結合およびER−β−LBDの重要性を示している。
PPAR−γ共活性化因子−1(PGC−1)は、WAT、BATおよび膵島などの多くの組織においてPPAR−γ共活性化因子として選択的に機能する。ER−βリガンドが、PPAR−γ、PPAR−γを共活性化するPGC−1の能力を阻害するかどうかを決定するために、トランス活性化研究を、PGC−1の存在下または不在下で行った。ER−βの不在下では、トログリタゾンはPPAR−γを活性化させたが、PGC−1は、基礎およびリガンド依存性活性の両方を著しく上昇させた(図12Dの上のパネル)。しかしながら、H475A ER−βではなく野生型ER−βは、リガンド依存的にトログリタゾン−依存性PPAR−γトランス活性化を排除したが、このことは、ER−βは非共活性化PPAR−γを阻害するだけではなく、PGC−1共活性化PPAR−γトランス活性化も阻害することを示している。逆に、PGC−1によるPPAR−αの共活性化は、ER−βによっては阻害されなかったので(図12Dの下のパネル)、このことによって、阻害の選択性および交差反応性の欠如が確認された。
小ヘテロ二量体パートナー(SHP)は、代謝性疾患において役割を果たすことも知られているNHRファミリーのオーファンメンバーである[Nishigori Hら、2001 Proc Natl Acad Sci U S A 98:575〜80頁]。SHPプロモータは、エストロゲン応答要素(ERE)を含有し、その活性は、エストラジオールによってER−αを介して上昇した[Lai Kら、2003 J Biol Chem 278:36418〜29頁]。SHPプロモータ−ルシフェラーゼ、FXRおよびER−βプラスミドをトランスフェクトされたHEK−293細胞を使用して、14mおよび12uがER−βを介してSHPを活性化させるかどうかを決定した。図12E(右側のパネル)によって、リガンドはいずれもSHPを活性化させなかったが、FXRリガンドGW4064はその活性を顕著に上昇させたことが証明されている。図12Eの左側のパネルは、ER−α選択的リガンドPPTはSHP活性を上昇させ、SHPはER−α標的遺伝子であるという以前に刊行された結果を再現していることを示している。
この研究で得られた結果は、エストロゲン受容体リガンド、例えばERβアゴニスト化合物14mおよび12uは、肥満および関連疾患などの代謝性疾患を治療する際に驚くべき有効性を示すことを示唆している。
実施例24:マクロファージ−内皮細胞接着に対するNRBAの抗炎症作用
ER−β NRBAのin vitroでの抗炎症作用を決定するために、マクロファージ接着アッセイを行った。マクロファージは、炎症誘発性サイトカインレベルの上昇により、内皮細胞に接着する。この原理をこのアッセイで使用して、細菌性リポ多糖(LPS)により誘発されるTHP−1マクロファージ細胞bEND−3内皮細胞への接着に対する、ER−β NRBAのいずれかの作用を決定した。図13に示されているとおり、12y(パネルA)および12u(パネルB)は、3H−標識THP−1細胞のbEND−3細胞への接着を顕著に阻害しており、このことは、炎症性サイトカインレベルの低下、そしてそれによる抗炎症作用を示している。
実施例25:TRAP陽性多核破骨細胞に対する化合物の作用
ラット大腿骨から単離した骨髄細胞を、10%の無菌FBSを含み、フェノールレッドを含まないアルファMEM培地中、30ng/mlのRANK、10ng/mlのGMCSFおよび化合物の存在下または不在下で培養する。12日間処理された細胞を酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)活性陽性の多核破骨細胞について染色し、カウントする。破骨細胞活性の抑制を評定する。
実施例26:化合物の一部の実施形態のin vivoエストロゲン活性
雌のラットに、漸増用量のトレミフェン、エストロゲンおよび各々のNRBAを投与し、子宮の重量を測定する。媒体のみを投与したラットを対照とする。
実施例27:ヒト肝ミクロゾームにおける化合物の一部の実施形態の代謝安定性
化合物が薬理学的に不活性か、または第I相代謝によって毒性を示し得る望ましくない代謝産物を形成する可能性を評価するために、代表的な系として、ヒト肝ミクロゾームを利用する。
各基質または基準対照を10nMの濃度でDMSOに溶解し、この溶液を水で希釈することによって、5μMのスパイク溶液を調製する。基質(1μM)を37℃、pH7.4でNADPH再生系で強化された0.5mg/mlのヒト肝ミクロゾーム(Xenotech LLC、Kansas City MO)の存在下でインキュベートする。NADPH再生系は、0.05Mのリン酸水素二カリウム中のグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(1ユニット/ml)からなる。同様の反応を複製した二つのインキュベーションを96−ウェル型のポリプロピレン製クラスターチューブ中、一反応当たり最終体積250μlで行う。0、2、4、6、10、30および60分目に、停止液(アセトニトリル300μL)を反応混合物のアリコットに加える。沈殿したタンパク質を遠心分離(3000rpmで15分間)によって除去し、その上清を分析用の透明な96−ウェルプレートに移す。
LC−MS/MS分析:
試料を、保護カラムを装着したPhenomenex Lunaヘキシルフェニル、50×2mm、内径5uMカラムに注入する。50%アセトニトリルおよび0.1%ギ酸の水溶液からなる定組成移動相を流速0.3mL/分で使用する。エレクトロスプレー正電荷モードイオン化を用いるMDS/Sciex API 4000QTrap三連四重極質量分析計によって、温度500℃でスプレー電圧4000Vにおいて、分析物のプロトン化分子イオン(M+H)+をモニタリングする。
データの評価:
代謝安定性は、肝ミクロソームとのインキュベートによって代謝された基質の量と定義され、ピーク面積に対する基質の初期量に対するパーセンテージ(残存量%)として表される。ゼロ時間において各々の基質の初期ピーク面積を決定し、ゼロ分時から単一の固定時点までの分析物のピーク面積の変化に基づき、各試料について代謝安定性を評価する。
実施例28:LDLコレステロール値を低下させる化合物
化合物を、臨床試験の場で評価することができる。化合物を投与した後、前立腺ガンを患い、ADTを受けているか、または既に受けた対象での脂質プロファイルの変化における化合物の効果を、同様に評価することができる。
実施例29:in vivo抗炎症活性
ER−β NRBAのin vivoでの抗炎症効果を決定するために、動物の足に、急性局所炎症応答を誘発するカラゲナンを注射した。図14に示されているとおり、カラゲナン攻撃1時間前の12bの経口処置は、カラゲナン注射4時間後の測定において足の浮腫を53%減少させ、これはこの化合物の抗炎症効果を示している。
実施例30:ラット大動脈に対するNRBAの効果
実験プロトコル。これらの研究で使用された装置には、レザバーおよび循環機を備えた4−組織浴系(4-tissue bath system)(RadinotGlass Technology、Monrovia、CA)、DSI/Panemah Tissue Force分析機7700(Valley View、OH)およびiWox/CB Scienceforce Transducer FT-302が包含された。深い感覚消失をもたらすため、250gのラットにイソフルランで麻酔をかけた。ラットの胸部を開き、長さ約3cmの大動脈を切除し、室温のクレブス塩溶液(KSS、mMで120のNaCl、5のKCl、1.2のMgSO4 7のH20、2.5のCaCl2 2のH2O、1のKH2PO4、25のNaHCO3および11のグルコース)を含有するペトリ皿に入れた。血管を引き伸ばさないように注意して、大動脈から脂肪および結合組織を取り除いた。次いで、大動脈を幅3mmの輪状に切り分けた。三角形のワイヤーホルダーを、血管のルーメンを通して挿入し、力変換器および血管浴の組織固定棒と連結した。
データおよび統計的分析。強度波形のアナログ−デジタル変換をDSI/Ponemah Tissue Force分析機7700で行った。変換されたデータをPonemah Physiology-Smooth Muscleソフトウェアで自動分析した。すべてのデータを平均値±標準誤差としてまとめる。平均値間の差異を標準的なANOVAによって評価した。その後、スチューデントT−検定を行った。P<0.05を、統計的に有意と見なした。
前付加および平衡化。各々の変換器の張力調節ダイアルを使用して、輪の張力をパッシブフォース1.0gに調整し、95%O2−5%CO2混合ガスの浴中で60分間平衡化させた。未使用の緩衝液で、20分毎に輪を洗浄した。この間、必要に応じてパッシブフォースを1.0gに再調整した。パッシブフォース1.0gで輪が安定な時に、基線値を算出した。
大動脈輪の前処理。最終濃度10−7Mのフェニレフリン(PE)を浴中に加えて、輪を収縮させ、強度を10分間安定化させた。次いで、収縮前の輪に最終濃度10−5Mのアセチルコリン(ACH)を加えて、内皮の完全性(10分)を調べた。血管の生存能力と内皮の完全性を調べるための初期試験の後に、輪を緩衝液で10分間、3回洗浄し、アクティブフォースを1gで安定化させるための平衡化を行った。
弛緩プロトコル。図15にNRBAの典型的な用量−応答プロトコル示す。保存液の適切な希釈を徐々に添加して、組織浴中のNRBAの濃度を上昇させ、300nMから0.15mMのNRBAの最終浴濃度を達成することによって、NRBAに対する累積用量−応答曲線を作成した。図16にNRBAで生じさせた典型的な用量−応答曲線を示す。
収縮プロトコル。図17に典型的なPEの用量−応答プロトコルを示す。前処理段階の後、輪を浴中でNRBAと共に2時間インキュベートした。次いで、保存液の適切な希釈を徐々に添加して、組織浴中のPEの濃度を上昇させ、1nMから300μMのPEの最終浴濃度を達成することによって、PEに対する累積用量−応答曲線を作成した。図18に典型的なPEの用量−応答曲線を示す。
含酸素KSS中、0g張力下での大動脈輪をNRBAと共に15〜16時間インキュベーションした後、大動脈輪をNRBAと共に長期インキュベートすることの大動脈輪収縮性に対する効果を調べた。次いで、2種のそれに続く濃度のノルエピネフリン(NE)を各々10分間で添加し、張力を記録した。実験の最後に、60mMのKClを使用して、さらに大動脈輪を収縮させた。NRBAとのインキュベーション前の最大収縮に対するパーセンテージとして表される結果を、図19にまとめる。
試験された個々のNRBAについての10−6PEによる大動脈輪の収縮に対するEC50値と最大減少%を表10にまとめる。
結論。これらの実験は、本発明のNRBAの一部の実施形態のラット大動脈弛緩に対する効果を示す。この効果は低いマイクロモル濃度で生じ、かつ迅速な経時的効果を有しており、このことは、ゲノム効果が関与している可能性のある長期的作用に加えて、非ゲノム効果をも示唆している。雌または雄ラット由来の大動脈において、これらの効果は同様であり、このことは、研究された条件下では、血管応答において性差は存在しないことを示している。
これらの効果は、循環器系に保護的な結果を与え、閉経後の女性、さらに男性において、心臓血管疾患を予防する際のエストロゲンの代替として臨床上有用であり得る。
実施例31:ラット大動脈平滑筋細胞の増殖に対するER−ベータアゴニストの効果
論拠。高血圧、冠状動脈性心疾患および動脈硬化などの心臓血管疾患は、閉経前の女性に比べ、閉経後の女性において発生率が高い。閉経後の女性において、この心臓血管保護の喪失は、多くの場合に循環エストロゲンレベルの不足に起因する。ホルモン補充療法(HRT)は、閉経後女性における循環器疾患のリスクを顕著に減少させ得る。しかし、女性においては子宮内膜癌および男性においては女性化乳房の発生率を増加させるため、心臓血管保護を目的としたHRTの利用は制限されている。このことが、心臓に対するエストロゲンの有益効果を提供し、しかし子宮または乳房に対する望ましくない副作用は有さない化合物の探索へと進ませた。
標的組織におけるエストロゲン作用には、その同属受容体であるER−αおよびER−βとエストロゲンとの相互作用が介在している。ER−αおよびER−βに対する特異的リガンドの両方が、ラットにおいて心臓血管保護を調節することが示されている。アイソタイプ選択的ノックアウトモデルを用いて、子宮および乳房に対するエストロゲンの増殖効果は、主にER−αを介していて、ER−βは介しないことが示された。これらのデータは、心臓血管保護のみを提供し、乳房および子宮組織に対してより安全なプロファイルを有するER−βに特異的なリガンドが、心臓血管保護のための理想的な化合物であろうことを示している。
うっ血性心疾患、動脈硬化症および再狭窄のような血管増殖性障害の病因には、中膜から内膜への平滑筋細胞(SMC)の移動および増殖ならびにコラーゲンなどの細胞外マトリクス(ECM)の沈着によって特徴付けられる血管壁の構造的変化が関与している。このプロセスの初期段階の予防、即ち、培養液中でのラット大動脈平滑筋細胞(RASMC)の増殖におけるER−βリガンドの役割を調べた。
材料および方法
細胞および試薬:
HyQ−DMEM/F12(1:1)改変培地およびウシ胎仔血清はHyClone Laboratories Inc.から入手した。DMEM/F12(50:50)はCellgro Technologiesから入手した。17βエストラジオール、ビオカニンAおよびタモキシフェンはSigma Chemical Co.から入手した。WST−1試薬はRocheから入手した。ラット大動脈平滑筋細胞(RASMC)はLonza(スイス)から入手した。
細胞増殖アッセイ:
アッセイで使用されたすべての細胞は継代回数3から5回であった。RASMCを、24ウェルプレート中に1×104細胞/ウェルの密度で蒔き、接着させ、半集密になるまでHyQ−DMEM/F12+10%FBS中で一晩培養した。次いで、培地を0.4%BSAを含有するDMEM(フェノールレッドを含まない)と交換し、48時間培養することによって細胞の増殖を停止させた。48時間後、培地をビヒクルまたは適当な濃度の薬物を含有するDMEM(フェノールレッドを含まない)+2.5%FCSと交換して4日間培養することによって、増殖を開始させた。薬物を含有する未使用の培地を2日毎に細胞に添加した。5日目に、50μlのWST−1試薬(Roche)を細胞に加え、37℃で1時間インキュベートした。次いで、Victorプレートリーダ(Perkin Elmer Inc、米国)において波長450nmで、試料の吸光度を測定した。WST−1アッセイは、細胞酵素による、テトラゾリウム塩のホルマザンへの開裂の評価に基づく。生存細胞数の拡張は、試料中でミトコンドリアデヒドロゲナーゼ活性の上昇をもたらす。この活性の上昇が、420〜480nmにおいて吸光を示すホルマザン色素の形成の増大をもたらす。測定される吸光度は、培養液中の代謝的に活性な細胞数と直接相関している。対照ウェル中、薬物処理0日目の細胞の吸光度を測定し、薬物処理後の細胞増殖を、0日目の増殖に対するパーセンテージとして表した。
結果:
このアッセイにおいて、ER−αアンタゴニスト(タモキシフェン)、ER−βアゴニスト(ビオカニンA、14l、12u、14m、12z)および混合アゴニスト(エストラジオール)を含む広範な化合物を試験した。細胞増殖は、薬物処理0日目の細胞数に対するパーセンテージとして計算した。ER−βリガンドであるビオカニンA、14l、12uおよび14mは、濃度10〜30μMの範囲で用量依存的にRASMCの増殖を阻害した。2つの最も高い濃度のタモキシフェン(10μMおよび30μM)を除き、すべての薬物処理において、0日目からの吸光度の上昇(細胞数の増加)が観察され、このことは、高濃度であってもすべてのER−βリガンドが細胞によって良好に許容されることを示している。タモキシフェン(10μMおよび30μM)における、薬物処理0日目のウェルと比較した細胞数の減少は、この薬物の毒性を示している。細胞増殖の減少についてのEC50値をすべての薬物に関して計算し、表11に示す。14lの代表的な滴定は、図20Aに示す。
表11:ER−βリガンドによるRASMC増殖の阻害についてのEC50値。EC50値を、阻害効果シグモイドEmaxモデルを利用してWinNonLin5.0.1を使用して算出した。
結論:
ER−β特異的リガンドは概して、エストラジオールなどの混合アゴニストよりも、RASMCの増殖を良好に阻害した。低濃度のER−αアンタゴニストタモキシフェンは、細胞増殖に関して何の効果も示さなかったが、高濃度では細胞毒性を示し、細胞数の顕著な減少を引き起こした。興味深いことに、ER−βリガンドは、試験された高濃度であっても、全く細胞毒性効果を持たないように見え、このことは、観察された細胞数に対する効果が、アポトーシスおよび細胞死よりもむしろ細胞周期停止/進行に対してより強く作用することを示している。これらのデータは、ER−βリガンドが、血管再構築の初期段階を顕著に阻害し、かつ動脈硬化および再狭窄などの血管閉塞性障害の治療に対して有効であり得ることを示している。
実施例32A:ARPE細胞における酸化ストレスの予防に対するER−ベータ SERMの効果
論拠。高血圧、冠状動脈性心疾患および動脈硬化などの心臓血管疾患は、閉経前の女性に比べ、閉経後の女性において発生率が高い。閉経後の女性において、この心臓血管保護の喪失は、循環エストロゲンレベルの不足に起因する。ホルモン補充療法(HRT)は、閉経後女性における循環器疾患のリスクを顕著に減少させ得る。しかし、女性においては子宮内膜癌および男性においては女性化乳房の発生率を増加させるため、心臓血管保護を目的としたHRTの利用は制限されている。このことが、心臓に対するエストロゲンの有益効果を提供し、しかし子宮または乳房に対する望ましくない副作用は有さない化合物の探索へと進ませた。
標的組織におけるエストロゲン作用には、その同属受容体であるER−αおよびER−βとエストロゲンとの相互作用が介在している。ER−αおよびER−βに対する特異的リガンドの両方が、ラットにおいて心臓血管保護を調節することが示されている。子宮および乳房に対するエストロゲンの増殖効果は、主にER−αが介している一方で、これらの組織に対しER−βは、何の促進的効果も有さない。これらの研究は、ER−αリガンドから予測されるであろう全身効果なしに、ER−β特異的リガンドを使用して心臓血管を保護することを論証している。高血圧、CHDおよびアテローム硬化症などの心臓血管疾患において、酸化ストレスは主要な病因的因子である。エストロゲンはさまざまな分子機構(ゲノム的および非ゲノム的)を介して、eNOSなどの抗酸化的防御遺伝子の転写的活性化に関与する細胞内シグナル伝達カスケードを活性化することが示されている。
この研究において、網膜色素上皮細胞(RPE)で、tert−ブチルヒドロペルオキシド(t−BH)によって引き起こされる酸化障害の予防に対するER−β化合物の能力を測定した。網膜色素上皮(RPE)は、光受容体と脈絡膜の間に所在しているため、高流量の酸素に絶えず暴露されている。RPEにおける高レベルの酸化ストレスは、異常なレベルの活性酸素種(ROS)の形成によって引き起こされる。これらの特徴は、ATCCからの形質転換細胞株の入手しやすさ以外で、RPEを、酸化ストレスの効果を研究するための理想的な系としている。
材料および方法
細胞および試薬:ヒトARPE−19細胞はATCC(Manassas、VA)から入手した。本実験に使用されたすべての細胞は、継代回数9から12回の間であった。HyQ−DMEM/F12(1:1)改変培地およびウシ胎仔血清はHyClone Laboratories Incから得た。DMEM/F12(50:50)はCellgro technologiesから入手した。17βエストラジオール、ビオカニンAはSigma Chemical Coから入手した。WST−1試薬はRocheから得た。HBSS培地はGibcoから入手した。ジクロロジヒドロフルオレセインジアセテート(H2DCFDA)は、Molecular Probes(Eugene OR)から得た。ICIはTocrisから入手した。
細胞内ROSの蛍光測定:ARPE−19細胞を24ウェルプレート中、各ウェルに100,000細胞/ウェルで、完全培地(HyQ−DMEM/F12、1:1)改変培地中に蒔いた。細胞を一晩接着させた。翌日、培地を除き、細胞をHBSSで一度洗浄した。HBSS中で希釈した10μMのH2DCFDAを細胞に加え、37℃で30分間インキュベートした。インキュベートの後、過剰な色素を除去し、細胞をHBSSで一度洗浄した。次いで、各濃度の薬物と共に細胞を1時間予めインキュベートした。インキュベーション期間の後、150μMのtBHを用いて37℃で1時間、酸化ストレスを誘導した。細胞を除去し、HBSSで一度洗浄した。色素をその蛍光性生成物に酸化する細胞内ROSの能力を、Victorプレートリーダ(Perkin Elmer Corporation、Norwalk、CT、485nm励起、535nm発光)を使用して測定および定量した。各薬物濃度について3回試験を行った。相対的蛍光発光を、tBHのみの対照に対するパーセンテージとして計算した。
結果:ARPE−19細胞において、150μMのtBHによって引き起こされる酸化障害を阻止するER−β SERMの能力を、蛍光発光に基づくアッセイを使用して測定した。エストラジオールを、実験のための対照として使用した。実験を、エストロゲン受容体アンタゴニストICIの存在下および不在下で行った。図20Bに示されているとおり、37℃での1時間のインキュベーションの後、ARPE細胞において活性酸素種(ROS)の蓄積を引き起こすには、150μMのtBHで十分であった。濃度100nMのエストラジオールは、約30%のROS形成の低下でROS形成を阻止することができた。このエストラジオールの阻害効果は、100nMのICIでの処理によって反転した。ER−βリガンドである14lおよび12yもまた、50%超の阻害でROS形成を阻止した。12zは、エストラジオールと同様にROS形成を阻止することができたが、12uは、ARPE細胞における酸化ストレスの阻止に対して効果は何ら有さないようであった。エストラジオールで示されたとおり、ER−βの阻害効果はICIで反転し、このことは、受容体依存的な作用機序を示している。酸化剤で処理された細胞は、色素不在下では背景蛍光を生じなかった(データは示さず)。
結論:ER−β化合物である14l、12zおよび12yは、ARPE−19細胞を酸化障害より保護した。この保護効果は、非選択的ERアンタゴニストICIにより反転され、このことは、この保護効果が、エストロゲン受容体媒介機構によって仲介されていることを示している。
実施例32B:酸化ストレスの阻止に対するER−ベータSERMの効果
リポタンパク質リパーゼ(LPL)、脂肪酸シンターゼ(FASN)、ステロール調節エレメント結合タンパク質−1(SREBP−1)、リン脂質輸送タンパク質(PLTP)およびデヒドロコレステロールレダクターゼ(Dhcr24)などの脂質生成を促進する遺伝子の発現が、ビヒクルで処置された高脂肪食給餌マウスから単離されたBATおよびWATでは増大した。この増大は、14mの投与によって反転した。加えて、抗酸化および酸化ストレス経路に関与しているグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx−3)およびDNA損傷誘発性トランスクリプトIII(Ddit3)などの遺伝子は、14mによって顕著に変わった(表9)。まとめると、これらの結果は、14mは、その抗肥満効果を、脂質生成を阻害し、エネルギー消費を増大させ、抗酸化経路を変化させることによって媒介することを示唆している。
実施例33:前立腺および結腸癌細胞系に対するNRBAの抗増殖効果
本発明のER−β選択的NRBA処理の癌細胞増殖に対する効果を、LNCaP前立腺癌細胞およびC−26結腸癌細胞を用いて検査した。LNCaPまたはC−26細胞を成長培地中、それぞれ24ウェルおよび6ウェルプレートに蒔いた。LNCaP細胞を6日間、かつC−26細胞を3日間、示されている濃度で処理した。処理の終了時に、細胞増殖の指標として、3H−チミジンの取り込みを測定した。図21および22は、12bおよび12uが、LNCaP前立腺癌およびC−26結腸癌細胞の増殖を顕著に阻害したことを示しており、このことは、それらの強い抗増殖効果を示している。
実施例34:前立腺癌異種移植片腫瘍増殖に対するNRBAのin vivo抗増殖効果
これらのER−β NRBAのin vivoでの抗増殖効果を確立するために、ヌードマウスにおいて、前立腺腫瘍異種移植を、LNCaP細胞およびヒト前立腺間質細胞を用いて確立した。4:1の比のLNCaP:間質細胞(細胞数に基づく)をヌードマウスに皮下注射し、測径器で測定してその体積が100mm3に達するまで増殖させた。動物を、30mg/Kg/日の12bおよび12uで21日間処置した。週に2回、腫瘍体積を測定し、10、14および21日後の腫瘍体積の%を計算した。図23は、12bおよび12uの両方が21日まで、腫瘍の増殖を顕著に阻害したことを示しており、このことは、これらのNRBAが、in vitroおよびin vivoの両方において、抗増殖作用を有することを示している。
実施例35:化合物はアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞増殖を阻害する
前立腺癌細胞系統PC−3を、RPMI+10%csFBS中、96ウエルプレートに1ウエル当たり6000細胞で蒔いた。培地をRPMI+フェノールレッド不含1%csFBSに取替え、細胞を漸増濃度のSERMで72時間処理した。増殖阻害を評定する。
実施例36:6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(15b)の合成
4−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−イソキノリン−1(2H)−オン(12b)(0.32g、0.96mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(56mg、0.05mmol)、炭酸カリウム(0.13g、0.96mmol)および4−メトキシフェニルボロン酸(0.18g、1.15mmol)を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL三つ口丸底フラスコに入れた。1,2−ジメトキシエタン(10mL)および水(3mL)をアルゴン雰囲気下でシリンジを介して加えた。反応溶液を撹拌し、6時間還流加熱した。室温で水30mLを加えることによって、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。抽出物を合わせ、ブライン(2×10mL)で洗浄し、無水MgSO4および3−(ジエチレントリアミノ)プロピル官能化シリカゲル2g上で乾燥させ、続いて濾過し、濃縮して、黄色の残渣を得た。黄色の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.25gを収率72.5%で得た。MS:m/z 360.1[M+H]+。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 10.28(s、1H)、9.68(s、1H)、8.18(d、1H、J=8.7Hz)、7.38(d、2H、J=9.0Hz)、7.27(d、2H、J=8.7Hz)、7.13(s、1H)、7.04(d、2H、J=8.7Hz)、6.99(dd、1H、J1=8.7Hz、J2=2.4Hz)、6.86−6.83(m、3H)、3.81(s、3H)。
実施例38:6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(15g)の合成
4−ブロモ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(12u)(0.50g、1.44mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(83mg、0.07mmol)、炭酸カリウム(0.40g、2.88mmol)および4−メトキシフェニルボロン酸(0.26g、1.72mmol)を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL三つ口丸底フラスコに入れた。1,2−ジメトキシエタン(15mL)および水(5mL)をアルゴン雰囲気下でシリンジを介して加えた。反応溶液を撹拌し、16時間還流加熱した。室温で水50mLを加えることによって、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。抽出物を合わせ、ブライン(2×10mL)で洗浄し、無水MgSO4および3−(ジエチレントリアミノ)プロピル官能化シリカゲル2g上で乾燥させ、続いて濾過し、濃縮して、黄色の残渣を得た。黄色の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.45gを収率83.3%で得た。MS:m/e 373.9 [M−H]−。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 13.32(s、1H)、10.33(s、1H)、9.76(s、1H)、7.36(d、2H、J=9.0Hz)、7.30(d、2H、J=8.7Hz)、7.11(s、1H)、7.04(d、2H、J=8.7Hz)、6.86(d、2H、J=8.7Hz)、6.32(d、1H、J=2.1Hz)、6.30(d、1H、J=2.1Hz)、3.80(s、3H)。
実施例39:2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6,8−ジヒドロキシキノリン−1(2H)−オン(15c)の合成
4−ブロモ−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6,8−ジヒドロキシイソキノリン−1(2H)−オン(12z)(0.40g、1.09mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(25mg、0.02mmol)、炭酸カリウム(0.60g、4.36mmol)およびビニルボロン酸無水物ピリジン複合体(0.13g、0.55mmol)を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL三つ口丸底フラスコに入れた。無水1,2−ジメトキシエタン(10mL)および水(3mL)をアルゴン雰囲気下で、シリンジを介して加えた。反応溶液を撹拌し、20時間還流加熱した。室温で水20mLを加えることによって、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル/メタノール(9/1 v/v)(3×20mL)で抽出した。抽出物を合わせ、ブライン(2×10mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、続いて濾過し、濃縮して、黄色の残渣を得た。黄色の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.23gを収率67.6%で得た。MS:m/e 311.9 [M−H]−。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 13.12(s、1H)、10.51(s、1H)、10.24(s、1H)、7.44−7.40(m、2H)、7.17−7.03(m、2H)、6.80(dd、1H、J1=17.1Hz、J2=10.8Hz)、6.57(d、1H、J=2.1Hz)、6.34(d、1H、J=2.1Hz)、5.67(dd、1H、J1=17.1Hz、J2=1.2Hz)。
実施例40:6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(15h)の合成
4−ブロモ−6,8−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1(2H)−オン(12u)(0.45g、1.29mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(75mg、0.065mmol)、炭酸カリウム(0.38g、2.58mmol)およびフェニルボロン酸(0.19g、1.55mmol)を、撹拌棒および還流凝縮器を備えた乾燥していてアルゴンでフラッシュされている150mL三つ口丸底フラスコに入れた。1,2−ジメトキシエタン(15mL)および水(5mL)をアルゴン雰囲気下で、シリンジを介して加えた。反応溶液を撹拌し、16時間還流加熱した。水50mLを室温で加えることによって、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。抽出物を合わせ、ブライン(2×10mL)で洗浄し、無水MgSO4および3−(ジエチレントリアミノ)プロピル官能化シリカゲル2g上で乾燥させ、続いて濾過し、濃縮して、黄色の残渣を得た。黄色の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH=9/1 v/v)によって精製して、白色の固体生成物0.40gを収率89.9%で得た。MS:m/e 343.9 [M−H]−。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 13.30(s、1H)、10.35(s、1H)、9.76(s、1H)、7.52−7.39(m、5H)、7.31(d、2H、J=8.7Hz)、7.16(s. 1H)、6.86(d、2H、J=8.7Hz)、6.33(d、1H、J=2.1Hz)、6.31(d、1H、J=2.1Hz)。
実施例41:非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)のマーカーに対する12uおよび14mの効果
4週齢のC57BL6雄マウスをいくつかの群に分け、タンパク質(16.7%)、炭水化物(56%)および脂肪(4.2%)を3.3Kcal/gの可消化エネルギーで包含する普通食またはタンパク質(23.5%)、炭水化物(27.3%)および脂肪(34.3%)を、5.1Kcal/gの可消化エネルギーで包含する高脂肪食のいずれかを給餌した。
予防研究のために(研究1および2)、動物をビヒクル、30mg/kg/日の14mまたは30mg/kg/日の12uで、研究の1日目に開始して12週間続けて皮下(sc)処置し、同時に高脂肪食または普通食を給餌した。
治療研究では:マウスを3つの群に分け、1つの群には普通食(対照)を、他の2つの群には高脂肪食を6週間給餌した。6週間の後に、動物をビヒクルまたは30mg/kg/日の本発明の化合物(14mまたは12u)で、皮下経路を介して毎日処置した。
血清トランスアミナーゼ(ALTおよびAST)は肝機能を反映し、さらにまた、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)のマーカーとして機能するので、ELISAを使用して、これらの酵素のレベルを、普通食または高脂肪食を給餌され、かつビヒクルまたは30mg/kg/日の12uもしくは14mで処置された動物の血清中で測定した。
図24に示されているとおり、高脂肪食を給餌された動物は、血清トランスアミナーゼの顕著な上昇を示し(パネルA.およびBはALTを示し、パネルC.はASTを示している)、この上昇は、エストロゲン受容体ベータ選択的リガンドである12uおよび14mのいずれかによって、普通食を給餌された動物で観察されたレベルまで低下した。
これらの結果は、同じ動物での肝臓における脂肪蓄積の減少(肝臓切片でのオイルOレッド染色;実施例23を参照されたい)と共に、エストロゲン受容体ベータ選択的リガンドである12uおよび14mによって、高脂肪食を給餌された動物でのNAFLDまたはNASHの発生率の低下(即ち、予防)およびこれらのNAFLDおよびNASHマーカーの反転(即ちNAFLDおよびNASHの治療)が可能であることを証明した。
本発明の特定の特徴が本明細書に説明および記載されているが、多くの変更、置き換え、変化および同等のものが、当業者には思い浮かぶであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の意図に該当する限り、そのような変更および変化のすべてに及ぶことを理解されたい。