JP5791879B2 - NF−κB活性化抑制剤ならびに毛穴ケア剤 - Google Patents
NF−κB活性化抑制剤ならびに毛穴ケア剤 Download PDFInfo
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(1)b-FGFの産生を抑制することで不全角化(毛穴の開きの起因)とメラノサイト増殖(毛穴の黒ずみの起因)を抑えること(2)コラゲナーゼの産生を抑制することでコラーゲンの分解を抑え、毛穴のたるみを抑えること(3)エンドセリン-1の産生を抑制することでメラニンの産生を抑え、毛穴の黒ずみを抑えること
NF−κB活性化抑制剤は、炎症を伴う様々な疾患に有用とされ、医薬、化粧分野でも局所的な応用がされている(特許文献3、4、5及び6など)。特許文献5乃至7には、植物素材での応用例、例えば色素沈着、しわ、たるみ等の予防・改善が開示されている。しかしながら、これら従来技術においては、本発明のような効果を期待して植物素材の応用を開示するものではない。
キンギンカ、ナツシロギク、シャクヤク、セージ、リンデン、ディル、オウゴン、ニクジュヨウ、ジョテイシ、ネトル及びドクダミから選ばれた植物抽出物の少なくとも1種以上とコウジ酸とを含むNF−κB活性化抑制剤。また、これらのNF−κB活性化抑制剤を含有する毛穴ケア剤。
本発明の皮膚外用剤は、キンギンカ、ナツシロギク、シャクヤク、セージ、リンデン、ディル、オウゴン、ニクジュヨウ、ジョテイシ、ネトル及びドクダミから選ばれた植物抽出物の少なくとも1種以上を有効成分とするものである。また本発明の皮膚外用剤は、これら植物抽出物の少なくとも1種以上とコウジ酸とを組合せて有効成分とするものである。
キンギンカの花の粉砕物100gに水1000gを加え、121℃で15分間加熱し、室温まで冷却後、ろ過し、キンギンカの水抽出液を得た。
ナツシロギクの葉の粉砕物100gに50%エタノール1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、ナツシロギクの50%エタノール抽出液を得た。
シャクヤクの根の粉砕物100gに50%エタノール1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、シャクヤクの50%エタノール抽出液を得た。
セージの葉の粉砕物100gに50%エタノール1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、セージの50%エタノール抽出液を得た。
リンデンの花及び葉の粉砕物100gに50%エタノール1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、リンデンの50%エタノール抽出液を得た。
ディルの種子の粉砕物100gに50%エタノール1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、ディルの50%エタノール抽出液を得た。
オウゴンの根の粉砕物100gに水1000gを加え、121℃で15分間加熱し、室温まで冷却後、ろ過し、オウゴンの水抽出液を得た。
ニクジュヨウの全草の粉砕物100gに水1000gを加え、121℃で15分間加熱し、室温まで冷却後、ろ過し、ニクジュヨウの水抽出液を得た。
ジョテイシの果実の粉砕物100gに水1000gを加え、121℃で15分間加熱し、室温まで冷却後、ろ過し、ジョテイシの水抽出液を得た。
ネトルの葉の粉砕物100gに50%1,3−ブチレングリコール1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、ネトルの50%1,3−ブチレングリコール抽出液を得た。
ドクダミの全草の粉砕物100gに50%1,3−ブチレングリコール1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、ドクダミの50%1,3−ブチレングリコール抽出液を得た。
キンギンカの花の粉砕物25gとオウゴンの根の粉砕物25gに水1000gを加え、121℃で15分間加熱し、室温まで冷却後、ろ過し、キンギンカ及びオウゴンの混合水抽出液を得た。
ナツシロギクの葉の粉砕物25gとシャクヤクの根の粉砕物25gに50%エタノール1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、ナツシロギク及びシャクヤクの混合50%エタノール抽出液を得た。
セージの葉の粉砕物25gとリンデンの葉及び花の粉砕物25gに50%エタノール1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、セージ及びリンデンの混合50%エタノール抽出液を得た。
ドクダミの全草の粉砕物25gとネトルの葉の粉砕物25gに50%1,3−ブチレングリコール1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、ドクダミ及びネトルの混合50%1,3−ブチレングリコール抽出液を得た。
キンギンカの花、ナツシロギクの葉、シャクヤクの根、セージの葉、リンデンの花及び葉、ディルの種子、オウゴンの根、ニクジュヨウの全草、ジョテイシの果実、ネトルの葉、ドクダミの全草の各粉砕物100gにヘキサン1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、溶媒を留去して、各植物のヘキサン抽出物を得た。
キンギンカの花、ナツシロギクの葉、シャクヤクの根、セージの葉、リンデンの花及び葉、ディルの種子、オウゴンの根、ニクジュヨウの全草、ジョテイシの果実、ネトルの葉、ドクダミの全草の各粉砕物100gにクロロホルム1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、溶媒を留去して、各植物のクロロホルム抽出物を得た。
キンギンカの花、ナツシロギクの葉、シャクヤクの根、セージの葉、リンデンの花及び葉、ディルの種子、オウゴンの根、ニクジュヨウの全草、ジョテイシの果実、ネトルの葉、ドクダミの全草の各粉砕物100gに酢酸エチル1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、溶媒を留去して、各植物の酢酸エチル抽出物を得た。
キンギンカの花、ナツシロギクの葉、シャクヤクの根、セージの葉、リンデンの花及び葉、ディルの種子、オウゴンの根、ニクジュヨウの全草、ジョテイシの果実、ネトルの葉、ドクダミの全草の各粉砕物100gにベンゼン1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、溶媒を留去して、各植物のベンゼン抽出物を得た。
キンギンカの花、ナツシロギクの葉、シャクヤクの根、セージの葉、リンデンの花及び葉、ディルの種子、オウゴンの根、ニクジュヨウの全草、ジョテイシの果実、ネトルの葉、ドクダミの全草の各粉砕物100gにジクロロメタン1000gを加え、室温で1週間浸漬後、ろ過し、溶媒を留去して、各植物のジクロロメタン抽出物を得た。
<方法>
NF−κB活性化により分泌型アルカリフォスファターゼ(SEAP)を発現するレポーター遺伝子(pNiFty2-SEAP(Zeo)、InvivoGen社)をトランスフェクトしたBalb/3T12-3細胞(マウス由来線維芽細胞株)を作製した。
培地はFBSを2%添加したMEM培地を用いた。培地に懸濁したトランスフェクト細胞を24ウェルプレート(Falcon製)に1.5×105個/ウェルとなるように播種して24時間培養後、各植物抽出液(製造例1〜15)を培地中濃度が表1に示す濃度となるように添加した。比較例については、各抽出物をDMSO 1000gに溶解し表1に示す濃度で添加した。コントロールは、各試料の代わりに溶媒を添加した。また、製造例1〜15とコウジ酸との併用効果確認のため、表1に示す濃度でコウジ酸を添加した。その6時間後にNF−κB活性化のため10ng/mLの濃度となるようにリコンビナントTNF−α溶液を添加し、さらに24時間培養した。培養終了後、培養液上清のSEAP活性を4−MUPを基質として、励起波長360nm、蛍光波長440nmで測定した。
NF-κB活性抑制率は下式により算出した。
NF-κB活性化抑制率( % )
= { 1 − ( A − B ) / ( C − D ) } × 1 0 0
但し、前記中、A は、各植物抽出液及びTNF-α溶液を添加したときの蛍光強度を表す。Bは、各植物抽出液を添加し、TNF−α溶液を添加しないときの蛍光強度を表す。C は、各植物抽出液添加で、TNF−α溶液を添加したときの蛍光強度を表す。D は、各植物抽出液およびTNF−α溶液を添加しないときの蛍光強度を表す。
試験の結果、製造例1〜15は、細胞毒性を示さずNF-κBの活性化を抑制した。表1にNF−κB活性化抑制試験の結果を示す。
コウジ酸と製造例1〜15の各植物抽出液との併用により相乗的なNF−κB活性化抑制作用の向上が認められた。また、製造例12〜15の結果に示すように各植物混合による抽出液は単独で抽出するよりも高い効果を有していた。一方、比較例の結果からも明らかなように疎水性溶媒による抽出物には効果が認められなかった。
(重量%)
1.キンギンカ抽出液(製造例1) 3.00
2.ドクダミ+ネトル混合抽出液(製造例15) 1.00
3.アラントイン 0.10
4.エタノール 15.00
5.クエン酸 0.10
6.パラオキシ安息香酸エステル 0.30
7.1,3−ブチレングリコール 4.00
8.精製水 適 量
(重量%)
1.ナツシロギク抽出液(製造例2) 1.00
2.アラントイン 0.10
3.エタノール 15.00
4.クエン酸 0.10
5.パラオキシ安息香酸エステル 0.30
6.1,3−ブチレングリコール 4.00
7.精製水 適 量
(重量%)
1.シャクヤク抽出液(製造例3) 5.00
2.アラントイン 0.10
3.エタノール 15.00
4.クエン酸 0.10
5.パラオキシ安息香酸エステル 0.30
6.1,3−ブチレングリコール 4.00
7.精製水 適 量
(重量%)
1.リンデン抽出液(製造例5) 2.00
2.クエルセチン 0.05
3.ヒアルロン酸 5.00
4.2%コハク化ケフィラン水溶液 1.50
5.レチノイン酸 0.01
6.グリセリン 2.00
7.パラオキシ安息香酸エステル 1.00
8.1%カルボキシビニルポリマー水溶液 2.00
9.エデト酸二ナトリウム 0.03
10.精製水 適 量
(重量%)
1.ジョテイシ抽出液(製造例9) 2.50
2.クエルセチン 0.05
3.ヒアルロン酸 5.00
4.2%コハク化ケフィラン水溶液 1.50
5.レチノイン酸 0.01
6.グリセリン 2.00
7.パラオキシ安息香酸エステル 1.00
8.1%カルボキシビニルポリマー水溶液 2.00
9.エデト酸二ナトリウム 0.03
10.精製水 適 量
(重量%)
1.ドクダミ抽出液(製造例11) 10.00
2.クエルセチン 0.05
3.ヒアルロン酸 5.00
4.2%コハク化ケフィラン水溶液 1.50
5.レチノイン酸 0.01
6.グリセリン 2.00
7.パラオキシ安息香酸エステル 1.00
8.1%カルボキシビニルポリマー水溶液 2.00
9.エデト酸二ナトリウム 0.03
10.精製水 適 量
(重量%)
1.セージ抽出液(製造例4) 1.00
2.アルブチン 0.05
3.ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.50
4.モノステアリン酸グリセリン 1.50
5.ベヘニルアルコール 5.00
6.流動パラフィン 7.00
7.オクタン酸セチル 5.00
8.メチルポリシロキサン 0.50
9.パラオキシ安息香酸エステル 0.70
10.カルボキシビニルポリマー 0.05
11.キサンタンガム 0.01
12.エデト酸二ナトリウム 0.01
13.精製水 適 量
(重量%)
1.ディル抽出液(製造例6) 10.00
2.アルブチン 0.05
3.ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.50
4.モノステアリン酸グリセリン 1.50
5.ベヘニルアルコール 5.00
6.流動パラフィン 7.00
7.オクタン酸セチル 5.00
8.メチルポリシロキサン 0.50
9.パラオキシ安息香酸エステル 0.70
10.カルボキシビニルポリマー 0.05
11.キサンタンガム 0.01
12.エデト酸二ナトリウム 0.01
13.精製水 適 量
(重量%)
1.オウゴン抽出液(製造例7) 0.50
2.セージ+リンデン混合抽出液(製造例14) 0.05
3.ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.50
4.モノステアリン酸グリセリン 1.50
5.ベヘニルアルコール 5.00
6.流動パラフィン 7.00
7.オクタン酸セチル 5.00
8.メチルポリシロキサン 0.50
9.パラオキシ安息香酸エステル 0.70
10.カルボキシビニルポリマー 0.05
11.キサンタンガム 0.01
12.エデト酸二ナトリウム 0.01
13.精製水 適 量
(重量%)
1.ニクジュヨウ抽出液(製造例8) 5.00
2.α−グルコシル−L−アスコルビン酸 3.00
3.ポリエチレングリコール1500 5.00
4.ステアリン酸ジエタノールアミド 5.00
5.ステアリン酸 5.00
6.ミリスチン酸 5.00
7.ヤシ油 15.00
8.天然ビタミンE 0.04
9.パラオキシ安息香酸エステル 0.20
10.dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム液 5.00
11.ビタミンA 0.01
12.エデト酸二ナトリウムカルシウム 0.05
13.精製水 適 量
(重量%)
1.ネトル抽出液(製造例10) 3.00
2.α−グルコシル−L−アスコルビン酸 3.00
3.ポリエチレングリコール1500 5.00
4.ステアリン酸ジエタノールアミド 5.00
5.ステアリン酸 5.00
6.ミリスチン酸 5.00
7.ヤシ油 15.00
8.天然ビタミンE 0.04
9.パラオキシ安息香酸エステル 0.20
10.dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム液 5.00
11.ビタミンA 0.01
12.エデト酸二ナトリウムカルシウム 0.05
13.精製水 適 量
(重量%)
1.キンギンカ+オウゴン混合抽出液(製造例12) 2.00
2.α−グルコシル−L−アスコルビン酸 3.00
3.ポリエチレングリコール1500 5.00
4.ステアリン酸ジエタノールアミド 5.00
5.ステアリン酸 5.00
6.ミリスチン酸 5.00
7.ヤシ油 15.00
8.天然ビタミンE 0.04
9.パラオキシ安息香酸エステル 0.20
10.dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム液 5.00
11.ビタミンA 0.01
12.エデト酸二ナトリウムカルシウム 0.05
13.精製水 適 量
(重量%)
1.ナツシロギク+シャクヤク混合抽出液(製造例13) 2.00
2.α−グルコシル−L−アスコルビン酸 3.00
3.ポリエチレングリコール1500 5.00
4.ステアリン酸ジエタノールアミド 5.00
5.ステアリン酸 5.00
6.ミリスチン酸 5.00
7.ヤシ油 15.00
8.天然ビタミンE 0.04
9.パラオキシ安息香酸エステル 0.20
10.dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム液 5.00
11.ビタミンA 0.01
12.エデト酸二ナトリウムカルシウム 0.05
13.精製水 適 量
(重量%)
1.セージ+リンデン混合抽出液(製造例14) 2.50
2.コウジ酸 5.00
3.α−グルコシル−L−アスコルビン酸 2.00
4.オクチルドデカノール 3.00
5.ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.) 1.00
6.ステアリン酸 0.50
7.シアバター 1.00
8.アボガド油 4.00
9.パラオキシ安息香酸エステル 0.20
10.クインスシードエキス 5.00
11.キサンタンガム 0.15
12.フィチン酸 0.02
13.d-δ-トコフェロール 0.01
14.精製水 適 量
乳液2
(重量%)
1.ドクダミ+ネトル混合抽出液(製造例15) 5.00
2.コウジ酸 5.00
3.α−グルコシル−L−アスコルビン酸 2.00
4.オクチルドデカノール 3.00
5.ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.) 1.00
6.ステアリン酸 0.50
7.シアバター 1.00
8.アボガド油 4.00
9.パラオキシ安息香酸エステル 0.20
10.クインスシードエキス 5.00
11.キサンタンガム 0.15
12.フィチン酸 0.02
13.d-δ-トコフェロール 0.01
14.精製水 適 量
乳液3
(重量%)
1.ナツシロギク抽出液(製造例2) 1.00
2.コウジ酸 5.00
3.α−グルコシル−L−アスコルビン酸 2.00
4.オクチルドデカノール 3.00
5.ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.) 1.00
6.ステアリン酸 0.50
7.シアバター 1.00
8.アボガド油 4.00
9.パラオキシ安息香酸エステル 0.20
10.クインスシードエキス 5.00
11.キサンタンガム 0.15
12.フィチン酸 0.02
13.d-δ-トコフェロール 0.01
14.精製水 適 量
これら処方例1乃至16は、いずれも本発明の目的を達成する効果を有していることが確認された。
当該外用剤が有する優れたNF−κB活性化抑制作用によって、肌のくすみが予防・改善され、透明感のある肌をもたらすことが可能である。
Claims (2)
- キンギンカ及びドクダミから選ばれた植物抽出物の少なくとも1種以上とコウジ酸とを含むNF−κB活性化抑制剤。
- 請求項1記載のNF−κB活性化抑制剤を含有する毛穴ケア剤。
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