JP6375087B2 - 化粧料 - Google Patents

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本発明は、シソ科シソ属のシソから得られ、すぐれた皮膚生理活性及び生体安全性を有する化粧料配合成分並びにかかる成分を配合してなる美白用及び美肌用化粧料に関する。
皮膚の老化は、加齢に伴う細胞増殖・分化の不活化、ホルモン分泌の低下、細胞外マトリックス成分の量的低下などの内的要因と、太陽光(紫外線)に誘発される活性酸素による細胞・組織の損傷、又は炎症などの外的要因とが複雑に絡み合って生ずる現象である。
皮膚老化の外的要因である活性酸素は皮膚細胞に直接傷害を及ぼすばかりでなく、細胞外マトリックス成分のコラーゲンを変性又は架橋させてシワの形成や皮膚の弾力性の低下をもたらし、さらにはメラニン色素の異常沈着を誘発してシミ、ソバカス、肝斑などを生じさせるなど、肌に様々なダメージを与える。
この皮膚の老化を防ぎ、皮膚を健全、かつ、若々しい状態に保持するため、従来、種々の活性成分の使用が提案され、それら活性成分(美肌成分、美白成分等)を配合した化粧品が上市されている。例えば、ビタミンC、ビタミンE、スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide dismutase;以下SODと略記)、カタラーゼなどの抗酸化剤;グリチルリチン酸などの抗炎症剤;各種紫外線吸収剤;α−ヒドロキシカルボン酸、胎盤抽出液、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸などの細胞賦活成分;コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分;尿素などの保湿剤がそれである。また、皮膚のシミ、ソバカス、肝斑等の色素沈着の発生を抑制する物質としては、アルブチン、コウジ酸などが知られており、美白剤の有効成分として広く使用されている。
また、近年、紫外線、ストレス又は化学物質により活性化する炎症起因物質として、表皮細胞内のNF−κB(タンパク質複合体)が明らかとなり、NF−κBの活性化メカニズムの研究が進められている。ここで、NF−κBは、通常、皮膚細胞内でI−kBと呼ばれるタンパク質と結合して不活性の状態であるが、紫外線、ストレス又は化学物質等の刺激を受けるとI−kBが分離され、これに伴いNF−κBが核内に移動し、様々な炎症タンパク質の発現を促進することが明らかとなっている。このように皮膚細胞内で炎症タンパク質が過剰に合成されると、過度の炎症、さらには、メラノサイトの活性化、色素沈着が誘導されることから、このNF−κB活性を抑制する物質が提案されている(例えば、特許文献1,2)。
また、従来、紫外線等の外部刺激を受けて、表皮細胞のケラチノサイト等から放出される因子(例えば、サイトカイン)により、メラノサイトが活性化、増殖することが報告され、これらの因子が原因の炎症、色素沈着(シミ、ソバカス、肝斑等)に対する対策が注目されている。上記因子としては、例えば、肝細胞成長因子(HGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、プロスタグランジンE(PGE)及び腫瘍壊死因子(TNF−α)などが挙げられ、表皮細胞内でのこれらの因子の放出などを抑制することにより、紫外線などの外部刺激による炎症や色素沈着の予防、改善が期待されている。
以上のように、従来、様々な皮膚老化現象のメカニズムに基づいて、美肌化剤及び美白剤が提案されているが、皮膚などに対する安全性、また、実際に皮膚に適用した際の有効性の観点で問題が存在する。従って、かかる点が改善された化粧料配合成分が求められている。
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑みて、皮膚安全性の観点から天然物由来の新たな美肌成分及び美白成分を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、シソ科シソ属の植物であるシソの抽出物が、NF−κB活性化抑制作用、及びメラノサイト増殖抑制作用を有し、これにより、当該抽出物を配合することですぐれた美肌効果及び美白効果を奏し、かつ、皮膚安全性にすぐれた化粧料の提供が可能になることを見出した。
従来、シソ科植物のローズマリー、セージ及びシソがメラニン生成抑制作用を有することは特許文献3,4により知られていたが、シソ科シソ属のシソの抽出物が、NF−κB活性化抑制作用及びメラノサイト増殖抑制作用を併せ持ち、これらの相乗作用により、シミ、ソバカス、肝斑等の色素沈着を抑制することについては、知られていなかった。
特開平11−279057号公報 特開2005−194246号公報 特開平07−187988号公報 特開平07−187989号公報
本発明は、シソ科シソ属の植物であるシソの抽出物を有効成分として含有するNF−κB活性化抑制剤である。
また、本発明は、シソ科シソ属の植物であるシソの抽出物を有効成分として含有するメラノサイト増殖抑制剤である。
また、本発明は、シソ科シソ属の植物であるシソの抽出物を有効成分とするNF−κB活性化抑制剤及び/又はメラノサイト増殖抑制剤を含有する美白化粧料である。
なお、本明細書において化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品までも含む広義で用いる。
本発明は、シソ科シソ属の植物であるシソの抽出物を有効成分とする化粧料であって、当該抽出物が奏するNF−κB活性化抑制作用及びメラノサイト増殖抑制作用の相乗効果により、格段にすぐれたシミ、ソバカス、肝斑などの色素沈着を予防、改善する化粧料を提供することができる。
図1は、本発明に係る抽出物のNF−κB活性化抑制効果を示す図である。 図2は、本発明に係る抽出物のメラノサイト増殖抑制効果を示す図である。 図3は、本発明に係る抽出物のc−Met遺伝子発現抑制効果を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明で用いる抽出素材は、シソ科(Lamiaceae)シソ属(Perilla)のシソであって、一般的に、学名として、Perilla frutescensvar. Crispa、又はPerilla
frutescensvar. Brittonで表記されるものを含み、例えば、アオジソ、チリメンジソ、アカジソ、マダラジソ、カタメンジソ、チリメンアオジソ又はこれらの変種もしくは亜種、或いは交配種が挙げられるが、本発明はこれに限るものではない。
本発明に用いる素材は、シソ科シソ属のシソの全草、葉、花部、茎、種子、実、根等、いずれを用いても良いが、全草、或いは葉、花部、茎及び/又は実の使用が好ましく、特に葉及び/又は花部の使用が好ましい。また、シソの使用部位の採取時期及び大きさ等は特に限定されるものではなく、いずれの大きさ、採取時期のものを使用しても良い。
抽出物の調製は、まず、シソ科シソ属のシソの部位(例えば、全草、或いは葉、花部、茎及び/又は実)を、必要ならば予め水洗して異物を除いた後、そのまま又は乾燥した上、必要に応じて細切又は粉砕し、抽出溶媒と接触させて抽出を行う。抽出は、浸漬法等の常法に従って抽出溶媒と接触させることで行うことが可能であるが、超臨界抽出法や水蒸気蒸留法を用いることも可能である。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独で又は二種以上混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物のNF−κB活性化抑制作用及びメラノサイト増殖抑制作用、さらには、皮膚刺激性の観点から、又化粧料への幅広い適用が可能であるという点からも、本発明においては、水、低級アルコール類又は多価アルコール類などの親水性溶媒が好適である。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば、水、低級アルコール類(特にエタノール)、又は多価アルコール(特に、1,3−ブチレングリコール)の単独使用、或いは、水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒、又は水と多価アルコール類(特に1,3−ブチレングリコール,グリセリン)との混合溶媒の使用等が挙げられるが、なかでも水単独、又は水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒が特に好ましい。
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜20:1、水とエタノールとの混合溶媒であれば、1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜20:1の範囲とすることが好ましい。
また、シソ科シソ属のシソの乾燥部位(例えば、全草、或いは葉、花部、茎及び/又は実)と抽出溶媒との重量比は好ましくは1:1〜1:50の範囲であり、より好ましくは、1:5〜1:20の範囲である。
抽出物の調製に際して、そのpHに特に限定はないが、一般には4〜9の範囲とすることが好ましい。かかる意味で、必要であれば、前記抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤、又はクエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
抽出温度、抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpHによっても異なるが、例えば、水もしくは1,3−ブチレングリコール、又は水と1,3−ブチレングリコールとの混液を溶媒とする場合であれば、抽出温度は好ましくは0℃〜80℃の範囲であり、より好ましく0℃〜20℃の範囲であり、又抽出時間は好ましくは1〜48時間であり、より好ましくは8〜24時間の範囲である。
なお、本発明の抽出処理に先立って、又は抽出処理と並行して、必要に応じてシソに加水分解処理を施してもよい。これによって、シソ抽出物の保存安定性等を改善して、化粧料配合剤としての抽出物をより有効に利用できる可能性がある。
抽出物に酵素加水分解処理を施す場合、酵素としては、アクチナーゼ、パパイン、ペプシンなどの蛋白分解酵素、グルコアミラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼなどの澱粉分解酵素、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼなどの繊維素分解酵素、及びリパーゼなどの脂肪分解酵素のいずれかの酵素群から選ばれた1種又は2種以上を用いてもよいが、それらの酵素群からそれぞれ選ばれた1種又は2種以上の酵素を組み合わせて用いることがより好ましい。
酵素の添加量は、例えば、シソ科シソ属のシソの全草、或いは、葉、花部、茎及び/又は実であれば、その固形分に対して、合計で0.01〜10重量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜2.0重量%の範囲である。
上述のように調製した抽出物は、一般にはpHを4〜8に調製した上で、これをそのままの状態で化粧料配合剤として使用しても良く、又減圧濃縮等により所望の濃度として使用しても良い。また、抽出物はスプレードライ法等の常法により乾燥物としても良い。
また、上述のように調製した抽出物は、保存安定性等を高めるために、一定時間冷蔵保存した上で、上清を化粧料配合剤として使用しても良い。
以上のように調製される本発明の抽出物は、後述の試験例に示す通り、顕著なNF−κB活性化抑制作用及びメラノサイト増殖抑制作用を有すると共に、皮膚に対する刺激性が少なく生体安全性にもすぐれているので、当該抽出物を配合した化粧料は、シミ、ソバカス、肝斑等の色素沈着の発生を予防し又はそれらの症状を改善して、肌を若々しく健全な状態に維持することができる。
本発明のシソ抽出物を含む化粧料(医薬部外品も含む)としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パックなどの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉などのメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の化粧料におけるシソ科シソ属のシソの抽出物の配合量は、抽出物の固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、又清浄用化粧料の場合は、一般に0.002〜10.0重量%、好ましくは0.02〜7.0重量%の範囲である。
本発明の化粧料には、必須成分のシソ科シソ属のシソの抽出物のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、乳化剤又は乳化助剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、その他の生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。また、本発明のシソの抽出物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分と組み合わせて化粧料に配合することも何ら差し支えない。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
乳化剤乃至乳化助剤としては、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;シラン根(白及)抽出物;ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体(例えば、ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等)、シャクヤク抽出物、シラン根(白及)抽出物等がある。
美白剤としては、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4−メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5,5'−ジプロピル−ビフェニル−2,2’−ジオール)、4−HPB(ロドデノール、4−(4−ヒドロキシフェニル)−4−ブタノール))、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α−ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)が挙げられ、これらを単独で配合しても、複数を組み合わせて配合しても良い。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−5−グルコシドなどのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)などが挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
生理活性成分としては、美白成分として、例えば、胎盤抽出液、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物又はその加水分解物、白芥子抽出物又はその加水分解物、白芥子の発酵物、シャクヤク抽出物又はその加水分解物、乳酸菌醗酵米、ムラサキシキブ抽出物、ハス種子抽出物又はその加水分解物、ハス種子発酵物、党参抽出物、ハトムギ加水分解物、ハトムギ種子発酵物、ローヤルゼリー発酵物、酒粕発酵物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物等が上げられ、抗老化成分として、サンゴ草抽出物、イネの葉の抽出物又はその加水分解物、ナス(水ナス、長ナス、賀茂ナス、米ナス等)抽出物又はその加水分解物、カタメンキリンサイ等の海藻の抽出物、アマモ等の海産顕花植物の抽出物、豆乳発酵物、クラゲ水、米抽出物又はその加水分解物、米醗酵エキス、発芽米抽出物又はその加水分解物、発芽米発酵物、黒豆抽出物又はその加水分解物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナ抽出物、甘草抽出物、ニンジン抽出物、アロエ抽出物、ミツイシコンブ抽出物、ヘチマ抽出物、アナアオサ抽出物、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物等がある。
次に、製造例、処方例及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1.シソの葉の抽出物の調製
乾燥したシソの葉40gに精製水400gを加えて、冷蔵(2〜10℃)で一晩(18時間)抽出した。これをろ過して、褐色の抽出物(固形分2.2%)330gを得た。
製造例2.シソの全草の抽出物の調製
乾燥したシソの全草40gに精製水400gを加えて、冷蔵(2〜10℃)で一晩(18時間)抽出した。これをろ過して、褐色の抽出物(固形分2.0%)300gを得た。
製造例3.シソの花の抽出物の調製
乾燥したシソの花(花穂)20gに精製水400gを加えて、冷蔵(2〜10℃)で一晩(18時間)抽出した。これをろ過して、濃褐色の抽出物(固形分0.8%)340gを得た。
製造例4.シソの茎の抽出物の調製
乾燥したシソの茎20gに精製水400gを加えて、冷蔵(2〜10℃)で一晩(18時間)抽出する。これをろ過して、褐色の抽出物(固形分0.9%)320gを得た。
製造例5.シソの実の抽出物の調製
乾燥したシソの実(穂じそ)20gに精製水400gを加えて、冷蔵(2〜10℃)で一晩(18時間)抽出した。これをろ過して、濃褐色の抽出物(固形分0.6%)310gを得た。
実施例1.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の抽出物 5.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
処方例2.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例2の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例3.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例3の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例4.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例4の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例5.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例5の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例6.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
[B成分]
製造例1の抽出物 3.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
処方例7.乳液
処方例6のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてトラネキサム酸2.0部を用いるほかは処方例6と同様にして乳液を得た。
処方例8.乳液
処方例6のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは処方例6と同様にして乳液を得た。
処方例9.乳液
処方例6のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物5.0部を用いるほかは処方例6と同様にして乳液を得た。
処方例10.乳液
処方例6のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてソウハクヒ抽出物5.0部を用いるほかは処方例6と同様にして乳液を得た。
処方例11.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
[B成分]
製造例1の抽出物 5.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
アルブチン 3.0
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
処方例12.ローション
[成分] 部
製造例2の抽出物 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
処方例13.ローション
処方例12の成分中製造例2の抽出物に代えて製造例3の抽出物10.0部を用いるほかは処方例12と同様にしてローションを得た。
処方例14.エッセンス
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
製造例4の抽出物 5.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
精製水にヒアルロン酸を溶解させた後、残りの原料を順次加えて攪拌溶解させ、透明のエッセンスを得た。
処方例15.エッセンス
処方例14の成分中製造例4の抽出物に代えて製造例5の抽出物5.0を用いるほかは処方例15と同様にしてエッセンスを得た。
実施例16.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例1の抽出物 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
処方例17.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例2の抽出物 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
試験例1.NF−κB活性化抑制試験
[試験方法]
正常ヒト皮膚由来線維芽細胞(NB1RGB)を0.5容量%NCS含有イーグルMEM(日水製薬社製)にて1×10個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLずつ播種して、5%CO、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、製造例1の抽出物を含む培養液(培養液全量に対する製造例1の抽出物の溶液としての終濃度が2%)を添加しさらに培養した。また、対照として製造例1の抽出物に代えてPBS(−)を含んだ培養液(培養液全量に対するPBS(−)の溶液としての終濃度が2%)を添加した試験区を2つ設定した。48時間後、培養上清を除去して、上記と同様の終濃度の製造例1の抽出物を含んだ新しい培養液を添加し、さらに、NF−κBを活性化するサイトカインとして知られているTNF−α溶液(4ng/mL)を同等量添加した。対照の2試験区には培養上清を除去した後に、上記と同様の終濃度のPBS(−)を含んだ培養液を追添加し、一方にはその上から4ng/mL TNF−α溶液を同等量添加し、他方にはPBS(−)を同等量添加した。そして5%CO、飽和水蒸気下、37℃で2時間培養した。細胞の培養終了後、Cellomics(登録商標) NF−κB Activation HCS Reagent
Kits(Thermo Scientific社製)を用いて培養細胞内のNF−κBに対して抗体による蛍光免疫染色を行った。そして、蛍光フィルター(U−MWIB2)を用いて蛍光観察を行い、繊維芽細胞内のNF−κBの活性化、すなわち、核への移動の有無を観察した。
観察結果を示す写真を図1(a)〜(c)に示す。図1(a)に示す通り、NF−κB活性因子として知れているTNF−αの非存在下では、NF−κBの活性化、すなわち、NF−κBの核への移動が観察されなかったのに対して、図1(b)に示す通り、TNF−αの存在下では、NF−κBの活性化、すなわち、NF−κBの核への移動が観察された。一方で、図1(c)に示すように、本発明の製造例1の抽出物を加えることでTNF−αの存在下で培養したヒト皮膚由来の繊維芽細胞であっても、そのNF−κBが、図1(a)に示す細胞と同様に、核へ移動してないこと、すなわち、NF−κBの活性化が抑制されることが明らかになった。
試験例2.メラノサイト増殖抑制効果試験
正常ケラチノサイトNHEKをHumedia
KG2培地(クラボウ社製)を入れた24ウェルプレートに6×10個/穴播種し、翌日上清をPBS(−)に交換して紫外線照射を行った(50mJ/cm)。紫外線照射後、上清をHumedia
KB2培地(クラボウ社製)に交換し、培養を継続した。培養1日後の培養上清(以下「紫外線照射上清」という)を分取した。また、比較として紫外線照射を行わない区を設定し、その他の操作は紫外線照射区と同様に行った区の培養上清(以下「紫外線未照射上清」という)も分取した。一方、正常メラノサイトNHEMを、DermaLife培地(クラボウ社社製)を入れた96穴マイクロプレートに5×10個/穴播種し、37℃,5.0%COの条件下に1日間プレ培養した後、製造例1〜3の抽出物(試料溶液)をそれぞれ培地に添加した。このときの試料溶液の濃度は、それぞれの抽出物の溶液として終濃度が培地全量に対して2.5%、5.0%となるように調整した。当該培地に、さらに上記ケラチノサイトの紫外線照射上清または紫外線未照射上清も添加した。3日間培養後上清を捨て、PBS(−)で1回洗浄後、PBS(−)で100倍希釈したhoechst33342試薬を100μL/穴添加し、37℃で1時間インキュベートし、DNAを蛍光染色した。その後、蛍光強度(励起:355nm、放射:460nm:蛍光マイクロプレートリーダー[フルオロスキャンアセント、Thermo Fisher Scientific社製])を測定し、DNA量を求めた。試料溶液の代わりにPBS(−)を添加した試験区に対してもケラチノサイトの紫外線照射上清を添加した区(陽性対照区)と紫外線未照射上清を添加する区(コントロール区)を設定し、同様の操作を行った。試験結果は、PBS(−)とケラチノサイトの紫外線未照射上清を添加した区をコントロールとし、ここに得られた蛍光強度(DNA量)に対する各試料添加区の蛍光強度の相対値を求め、メラノサイト増殖率(%)とした。
試験例2の結果を図2に示す。図2の表記は下記の表1の試験液の結果を示すものとする。
[表1]
まず、図2に示すように、紫外線照射上清の存在下でメラノサイトを培養すると、紫外線未照射上清の存在下でメラノサイトを培養した場合と比較して、メラノサイト増殖率が格段に高くなることが明らかとなった。一方で、紫外線照射上清の存在下であっても、本発明の抽出物(試験液2乃至7)によって、メラノサイトの増殖率が顕著に抑制されることが明らかとなった。すなわち、本発明のシソ抽出物は、紫外線照射を受けたケラチノサイトから放出される因子によるメラノサイトへの影響を抑制することが示唆される。
試験例3.正常ヒト表皮メラニン細胞のMet遺伝子発現評価試験
本試験においては、本発明の抽出物による、メラノサイトの活性化因子である肝細胞増殖因子(HGF)の受容体(Met)遺伝子「c−Met」の発現抑制効果について、以下の通り試験を行った。
[試験方法]
正常ヒト表皮メラニン細胞を増殖添加剤含有DermaLife(登録商標)[クラボウ社製]にて6×10個/mLに調製し、φ6cmのシャーレに1mLを播種して、5%CO、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間培養後、さらに、製造例1〜3の抽出物を含んだ培養液(培養液全量に対して溶液として終濃度が5%となるように製造例1〜3の抽出物を添加したもの)と、cAMP溶液を添加して培養した。なお、cAMP溶液はこれを添加する培養液においてその終濃度が100μMとなるように添加した。ここで、cAMPは、細胞内で様々な受容体が活性化したときに増加する細胞内シグナル伝達物質の一つであり、本試験系ではヒト表皮メラニン細胞を活性化する因子として添加した。以上の試験区に対して、比較対照として、製造例1〜3の抽出物に代えて、PBS(−)溶液のみを含んだ培養液(培養液全量に対するPBS(−)の終濃度を5%に調整したもの)を添加した試験区(コントロール区)と、製造例1〜3の抽出物及びcAMPに代えて、PBS(−)溶液及びcAMPを含んだ培養液(培養液全量に対するPBS(−)の終濃度は5%であり、cAMPの終濃度は100μMである)を添加した試験区(陽性対照区)を設定した。24時間培養後、それぞれの試験区の細胞をTrizol試薬(Invitrogen社製)1mLで回収した。回収した細胞に対してクロロホルム(和光純薬工業社製)200μL添加して撹拌混合し遠心分離機(TOMY社製/MX-160)で15,000rpm、4℃の条件下で15分間遠心分離した後、水層のみを400μL分取した。回収した水層にイソプロパノール(和光純薬工業社製)500μLを添加して撹拌混合し、15,000rpm、4℃の条件下で15分間遠心分離してtotalRNAの沈殿物を得た。totalRNAに75%エタノールを1mL添加して撹拌して洗浄し、15,000rpm、4℃条件下で15分間遠心分離して沈殿を回収した。回収したtotal RNAを所定のキット(PrimeScript RT reagent Kit
with gDNA Eraser (Perfect Real Time)(タカラバイオ社製))を用いて逆転写反応し、cDNAを合成した。合成したcDNAをサンプルとして、Thermal Cycler Dice(登録商標)Real Time System
Single(タカラバイオ社製)、及びSYBR(登録商標)Premix Ex TaqTM
II(Perfect Real Time)[タカラバイオ社製]を用いて、c−Met遺伝子の発現と、内部標準物質G3PDH遺伝子の発現の検出を行った。ここで、G3PDH(glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase)は、ハウスキーピング遺伝子(多くの組織や細胞中に共通して一定量発現する遺伝子であって、常に発現され,細胞の維持,増殖に不可欠な遺伝子である)の一つであり、発現量が常に一定とされていることから、PCRの実験では内部標準として用いられるものである。試験結果は、G3PDH遺伝子の発現量を一定とした場合の、それぞれの試験区でのc−Met遺伝子の発現量を比較した。本試験系においては、コントロール区のc−Met遺伝子の発現量を100としたときの他の試験区でのc−Met遺伝子の発現量の相対値を求めた。
図3に示すように、cAMPによりc−Met遺伝子の発現量が顕著に亢進されるのに対して、本発明の抽出物(製造例1〜3の抽出物)はcAMPにより亢進されるc−Met遺伝子の発現量を顕著に抑制することが明らかとなった。Met遺伝子は、メラノサイトを刺激するサイトカインであるHGF(肝細胞増殖因子)の受容体であることから、本発明の抽出物が、メラノサイトにおいてc−Met遺伝子の発現を抑制することで、皮膚繊維芽細胞やケラチノサイト等から分泌されるHGFによるメラノサイトの異常な増殖を顕著に抑制できることが示唆される。

Claims (3)

  1. シソ科(Lamiaceae)シソ属(Perilla)の植物であるシソの水抽出物を有効成分として含有するNF−κB活性化抑制剤。
  2. シソ科(Lamiaceae)シソ属(Perilla)の植物であるシソの水抽出物を有効成分として含有するメラノサイト増殖抑制剤。
  3. シソ科(Lamiaceae)シソ属(Perilla)の植物であるシソの水抽出物を有効成分とするNF−κB活性化抑制剤及び/又はメラノサイト増殖抑制剤を含有する美白化粧料。
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