JP5776465B2 - ナフトール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板 - Google Patents
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(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4の炭化水素基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
で表される2量体(x2)とを含有しており、かつ、前記3量体(x1)の含有率がGPC測定における面積比率で15〜35%となる割合であり、前記2量体(x2)の含有率がGPC測定における面積比率で1〜25%となる割合であることを特徴とするナフトール樹脂に関する。
本発明のナフトール樹脂は、α−ナフトール化合物、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドの重縮合体であって、下記構造式(1)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4の炭化水素基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
で表される2量体(x2)とを含有しており、かつ、前記3量体(x1)の含有率がGPC測定における面積比率で15〜35%となる割合であり、前記2量体(x2)の含有率がGPC測定における面積比率で1〜25%となる割合であることを特徴としている。
ここで、前記3量体(x1)の含有率は、前記したとおり、GPC測定における面積比率で15〜35%の範囲であるが、35質量%を上回る場合はナフトール樹脂の溶剤溶解性が低下する。他方、15%未満の場合には、硬化物の線膨張係数が高くなる。
で表される化合物が挙げられる。これらのなかでも特に前記構造式1−1で表されるもの、即ち、前記構造式(1)におけるR1及びR2が、全て水素原子であるものが、硬化物における熱履歴後の耐熱性変化が小さくなる点から好ましい。
で表されるカリックスアレーン化合物(x3)を、ナフトール樹脂中GPC測定における面積比率で1〜40%となる割合で含有することが、硬化物における低線膨張性が一層良好なものとなる点から好ましい。
<GPC測定条件>
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、mは繰り返し単位であり、0以上の整数である。)
で表される構造ユニット(II)とが、メチレン結合により結節され、高分子量化した基本構造を有するナフトール樹脂である。
方法1:有機溶剤及びアルカリ触媒の存在下、β−ナフトール化合物とホルムアルデヒドとを反応させ、次いで、ホルムアルデヒドの存在下、α−ナフトール化合物を加え反応させて、ナフトール樹脂を得、目的とするナフトール樹脂を得る方法。
方法2:有機溶剤及びアルカリ触媒の存在下、α−ナフトール化合物、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドを反応させてナフトール樹脂を得る方法。
本発明における有機溶剤の使用量は、原料成分であるα−ナフトール化合物及びβ−ナフトール化合物、更に、他のノボラック樹脂を併用する場合には、原料となるα−ナフトール化合物及びβ−ナフトール化合物の総質量100質量部あたり、5〜30質量部の範囲であることが、前記3量体(x1)、前記2量体(x2)、及び前記カリックスアレーン化合物(x3)のナフトール樹脂中の存在割合を所定範囲に調整し易い点から好ましい。
上記したエポキシ樹脂(A)のなかでも、特に耐熱性の点から、分子構造中にナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、分子構造中にリン原子を有するエポキシ樹脂が好ましく、また、溶剤溶解性の点からビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
装置:日本電子(株)製 AL−400
測定モード:SGNNE(NOE消去の1H完全デカップリング法)
溶媒 :ジメチルスルホキシド
パルス角度:45℃パルス
試料濃度 :30wt%
積算回数 :10000回
4)MS :日本電子株式会社製 JMS−T100GC
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、β−ナフトール115質量部(0.80モル)、イソプロピルアルコール130部、37質量%ホルマリン水溶液135質量部(1.66モル)、49%水酸化ナトリウム5質量部(0.06モル)を仕込み、室温から80℃まで攪拌しながら昇温し、80℃で1時間撹拌した。続いて、α−ナフトール173質量部(1.20モル)を仕込み、さらに80℃で1時間攪拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダ10質量部を添加して中和した後、メチルイソブチルケトン600質量部加え、水150質量部で3回洗浄を繰り返した後に、加熱減圧下乾燥してナフトール樹脂(A−1)280質量部得た。得られたナフトール樹脂(A−1)の水酸基当量は153グラム/当量、軟化点は139℃であり、GPCチャートを図1に示す。GPCチャートから3量体(x1)の含有率は22.0%、2量体(x2)の含有率は3.6%、カリックスアレーン化合物(x3)の含有率は13.9%であった。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、β−ナフトール144質量部(1.00モル)、α−ナフトール144質量部(1.00モル)、軟化点75℃(B&R法)のクレゾールノボラック樹脂48質量部(クレゾール骨格のモル数:0.40モル)、イソプロピルアルコール150質量部、37%ホルマリン水溶液130部(1.60モル)、49%水酸化ナトリウム5質量部(0.06モル)を仕込み、室温から75℃まで攪拌しながら昇温し、80℃で2時間撹拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダ10質量部を添加して中和した後、メチルイソブチルケトン700質量部加え、水150質量部で3回洗浄を繰り返した後に、加熱減圧下乾燥してナフトール樹脂(A−2)355質量部得た。得られたナフトール樹脂(A−2)の水酸基当量は148グラム/当量、軟化点は132℃であり、GPCチャートを図2に示す。GPCチャートから3量体(x1)の含有率は28.0%、2量体(x2)の含有率は6.4%、カリックスアレーン化合物(x3)の含有率は4.8%であった。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、α−ナフトール505質量部(3.50モル)、水158部、蓚酸5部を仕込み、室温から100℃まで45分で昇温しながら撹拌した。続いて、42質量%ホルマリン水溶液186質量部(2.45モル)を1時間要して滴下した。滴下終了後、さらに100℃で1時間攪拌し、その後180℃まで3時間で昇温した。反応終了後、200℃に昇温し加熱減圧下、水蒸気を吹き込むことによってフリーのα−ナフトールを除去してナフトール樹脂(A−3)475部を得た。得られたナフトール樹脂(A−3)の軟化点は142℃、水酸基当量は157グラム/当量であった。得られたナフトール樹脂のGPCチャートを図3に示す。GPCチャートから3量体(x1)、2量体(x2)、カリックスアレーン化合物(x3)の含有率はそれぞれ0.0%であった。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、β−ナフトール216部(1.50モル)、α−ナフトール54部(0.37モル)、イソプロピルアルコール130部、37%ホルマリン水溶液122部(1.50モル)、49%水酸化ナトリウム5部(0.06モル)を仕込み、室温から75℃まで攪拌しながら昇温し、75℃で2時間撹拌した。この後は実施例2と同様にして、目的のナフトール樹脂(A−4)270質量部を得た。得られたナフトール樹脂(A−4)の水酸基当量は154グラム/当量、軟化点は106℃であり、GPCチャートを図4に示す。GPCチャートから3量体(x1)の含有率は38.3%、2量体(x2)の含有率は40.6%、カリックスアレーン化合物(x3)の含有率は0.0%であった。
上記各実施例及び比較合成例で得られたナフトール樹脂10質量部とメチルエチルケトン4.3質量部をサンプル瓶中、密閉状態60℃で溶解させた。その後、25℃まで冷却し、結晶が析出するか評価した。結晶が析出しない場合は○、結晶が析出した場合は×として判定した。結果を表1に示す。
下記表2記載の配合に従い、エポキシ樹脂として、DIC(株)製「N−770」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量:183g/eq)、硬化剤として(A−1)〜(A−4)、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)を配合し、最終的に各組成物の不揮発分(N.V.)が58質量%となるようにメチルエチルケトンを配合して調整した。
次いで、下記の如き条件で硬化させて積層板を試作し、下記の方法で熱膨張率及び物性変化を評価した。結果を表2に示す。
基材:日東紡績株式会社製 ガラスクロス「#2116」(210×280mm)
プライ数:6 プリプレグ化条件:160℃
硬化条件:200℃、40kg/cm2で1.5時間、成型後板厚:0.8mm
粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置RSAII、レクタンギュラーテンション法;周波数1Hz、昇温速度3℃/min)を用いて、以下の温度条件で2回、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度(Tg)を測定した。
温度条件
第1回測定:35℃から275℃まで3℃/分で昇温
第2回測定:35℃から330℃まで3℃/分で昇温
それぞれ得られた温度差をΔTgとして評価した。
積層板を5mm×5mm×0.8mmのサイズに切り出し、これを試験片として熱機械分析装置(TMA:セイコーインスツルメント社製「SS−6100」)を用いて、圧縮モードで熱機械分析を行った。
測定条件
測定架重:88.8mN
昇温速度:10℃/分で2回
測定温度範囲:−50℃から300℃
上記条件での測定を同一サンプルにつき2回実施し、2回目の測定における、40℃から60℃の温度範囲における平均線膨張率を熱膨張係数として評価した。
Claims (6)
- α−ナフトール化合物、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドの重縮合体であって、下記構造式(1)
で表される3量体(x1)と、
下記構造式(2)
で表される2量体(x2)とを含有しており、かつ、前記3量体(x1)の含有率がGPC測定における面積比率で15〜35%となる割合であり、前記2量体(x2)の含有率がGPC測定における面積比率で1〜25%となる割合であることを特徴とするナフトール樹脂。 - 水酸基当量が130〜200g/eqの範囲にあるものである請求項1又は2記載のナフトール樹脂。
- 請求項1〜3の何れか1つに記載のナフトール樹脂、及びエポキシ樹脂を必須成分とすることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- 請求項4記載の硬化性樹脂組成物を硬化反応させてなることを特徴とする硬化物。
- 請求項4記載の硬化性樹脂組成物に、更に有機溶剤を配合してワニス化した樹脂組成物を、補強基材に含浸し銅箔を重ねて加熱圧着させることにより得られたプリント配線基板。
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