JP6002991B2 - 変性ナフトールノボラック樹脂の製造方法、エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
で表されるフェノール化合物(B)と、ホルムアルデヒドとを、アルカリ触媒の存在下で反応させる変性ナフトールノボラック樹脂(X)の製造方法であって、前記アルカリ触媒の使用量が、前記βナフトール化合物(A)と、前記フェノール化合物(B)とが有するフェノール性水酸基の総数1モルに対し、0.1〜2.0モルの範囲であることを特徴とする変性ナフトールノボラック樹脂(X)の製造方法に関する。
本発明の変性ナフトールノボラック樹脂(X)の製造方法は、β−ナフトール化合物(A)と、下記一般式(1)
で表されるフェノール化合物(B)と、ホルムアルデヒドとを、アルカリ触媒の存在下で反応させることを特徴とする。本発明の製造方法によれば、2つのβ−ナフトール化合物(A)の間に前記フェノール化合物(B)を挟む形のオリゴマー、所謂(A)−(B)−(A)型オリゴマーを高濃度で含有し、構造が制御されない高分子量の副生成物の少ない変性ナフトールノボラック樹脂(X)を非常に簡便に製造することが出来る。
で表されるような多官能化合物や、下記構造式(II)
で表されるβ−ナフトール化合物(A)の2量体のような特定の化学構造を有する成分を高濃度で含有するものとなり、これを用いた硬化物は熱膨張係数が低く、熱履歴後の耐熱性変化も小さいものとなる。
方法1:アルカリ触媒の存在下、β−ナフトール化合物(A)とホルムアルデヒドとを反応させた後、反応系中に前記一般式(1)で表されるフェノール化合物(B)を加えて反応させ、目的とする変性ナフトールノボラック樹脂(X)を得る方法。
方法2:アルカリ触媒の存在下、β−ナフトール化合物(A)、前記一般式(1)で表されるフェノール化合物(B)及びホルムアルデヒドを反応させて、目的とする変性ナフトールノボラック樹脂(X)を得る方法。
で表される化合物であり、これらは、βナフトールとの反応性が異なることから従来の方法では所望のノボラック化反応が進行しなかった、或いは、反応は進行するもののその分子構造を制御することが困難であった化合物である。
で表されるような多官能化合物や、下記構造式(II)
で表されるβ−ナフトール化合物(A)の2量体を含有していても良い。前記多官能化合物は、反応点であるフェノール性水酸基の濃度と分子構造中の芳香環濃度とのバランスに優れることから、樹脂の反応性を向上させ架橋密度を高めることにより熱履歴後の耐熱性変化を抑制する効果が非常に高い特徴を有する。また、該2量体は配向性の高いβ−ナフトール骨格を高濃度で含有することから、低熱膨張性をより向上させる効果を奏する。
<GPC測定条件>
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
装置:日本電子(株)製「JNM−ECA500」
測定モード:SGNNE(NOE消去の1H完全デカップリング法)
溶媒:ジメチルスルホキシド
パルス角度:45℃パルス
試料濃度:30wt%
積算回数:10000回
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、β−ナフトール144質量部(1.0モル)、イソプロピルアルコール167質量部、37%ホルマリン水溶液122質量部(1.50モル)、49%水酸化ナトリウム20質量部(0.25モル)を仕込み、室温から75℃まで攪拌しながら昇温し、75℃で1時間撹拌した。続いて、4,4’−ビフェノール47質量部(0.25モル)を仕込み、さらに75℃で8時間攪拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダ30質量部を添加して中和した後、メチルイソブチルケトン417質量部加え、水104質量部で3回洗浄を繰り返した後に、加熱減圧下乾燥して変性ナフトールノボラック樹脂(X−1)198質量部得た。得られた変性ナフトールノボラック樹脂(X−1)のGPCチャートを図1に示す。変性ナフトールノボラック樹脂(X−1)の水酸基当量は135グラム/当量であり、GPCチャートから算出される下記構造式(x−1)で表される(A)−(B)−(A)型オリゴマーの含有率は76.9%であった。
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら前記実施例1で得られた変性ナフトールノボラック樹脂(X−1)135質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン463質量部(5.0モル)、n−ブタノール53質量部を仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220質量部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止し、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300質量部とn−ブタノール50質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(Y−1)180質量部を得た。得られたエポキシ樹脂(Y−1)のGPCチャートを図2に示す。エポキシ樹脂(Y−1)のエポキシ当量は232グラム/当量であり、軟化点は134℃であった。GPCチャートから算出される下記構造式(y−1)で表される(A)−(B)−(A)型オリゴマーの含有率は54.6%であった。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、β−ナフトール216質量部(1.5モル)、イソプロピルアルコール250質量部、37%ホルマリン水溶液183質量部(2.25モル)、49%水酸化ナトリウム31質量部(0.38モル)を仕込み、室温から75℃まで攪拌しながら昇温し、75℃で1時間撹拌した。続いて、パラフェニルフェノール128質量部(0.75モル)を仕込み、さらに75℃で8時間攪拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダ45質量部を添加して中和した後、メチルイソブチルケトン724質量部加え、水181質量部で3回洗浄を繰り返した後に、加熱減圧下乾燥して変性ナフトールノボラック樹脂(X−2)340質量部得た。得られた変性ナフトールノボラック樹脂(X−2)のGPCチャートを図3に示す。変性ナフトールノボラック(X−2)の水酸基当量は160グラム/当量であり、GPCチャートから算出される下記構造式(x−2)で表される(A)−(B)−(A)型オリゴマーの含有率は83.1%であった。
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら、前記実施例3で得られた変性ナフトール樹脂(X−2)160質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン463質量部(5.0モル)、n−ブタノール53質量部を仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220質量部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止し、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300質量部とn−ブタノール50質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(Y−2)194質量部を得た。得られたエポキシ樹脂(Y−2)のGPCチャートを図4に、13C−NMRチャートを図5に、MSスペクトルを図6に示す。エポキシ樹脂(Y−2)のエポキシ当量は262グラム/当量であり、軟化点は103℃であり、GPCチャートから算出される下記構造式(y−2)で表される(A)−(B)−(A)型オリゴマーの含有率は63.8%であり、β−ナフトール2量体の含有率は2.9%であった。またMSスペクトルから下記構造式(y−2)で表される(A)−(B)−(A)型オリゴマーを示す650のピークが検出された。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、β−ナフトール216部(1.5モル)、イソプロピルアルコール250部、37%ホルマリン水溶液122部(1.50モル)、49%水酸化ナトリウム31部(0.38モル)を仕込み、室温から75℃まで攪拌しながら昇温し、75℃で1時間撹拌した。続いて、パラクレゾール81部(0.75モル)を仕込み、さらに75℃で8時間攪拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダ45質量部を添加して中和した後、メチルイソブチルケトン630部加え、水158量部で3回洗浄を繰り返した後に、加熱減圧下乾燥して変性ナフトールノボラック樹脂(X−3)290質量部得た。得られた変性ナフトールノボラック樹脂(X−3)のGPCチャートを図7に示す。変性ナフトールノボラック樹脂(X−3)の水酸基当量は140グラム/当量であり、GPCチャートから算出される下記構造式(x−3)で表される(A)−(B)−(A)型オリゴマーの含有率は83.5%であった。
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら前記実施例5で得られた変性ナフトールノボラック樹脂(X−3)140質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン463質量部(5.0モル)、n−ブタノール53質量部を仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220質量部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止し、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300質量部とn−ブタノール50質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(Y−3)190質量部を得た。得られたエポキシ樹脂(Y−3)のGPCチャートを図8、NMRチャートを図9、MSスペクトルを図10に示す。エポキシ樹脂(Y−3)のエポキシ当量は240グラム/当量、軟化点は97℃であった。また、GPCチャートから算出される下記構造式(y−3)で表される(A)−(B)−(A)型オリゴマーの含有率は63.3%であり、β−ナフトール2量体の含有率は4.8%であった。またMSスペクトルから下記構造式(y−3)で表される3官能体を示す588のピークが検出された。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、β−ナフトール216部(1.5モル)、オルソクレゾール81部(0.75モル)、37%ホルマリン水溶液122部(1.50モル)、49%水酸化ナトリウム31部(0.38モル)を仕込み、室温から75℃まで攪拌しながら昇温し、75℃で8時間攪拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダ45質量部を添加して中和した後、メチルイソブチルケトン630部加え、水158量部で3回洗浄を繰り返した後に、加熱減圧下乾燥して変性ナフトールノボラック樹脂(X−4)292質量部得た。得られた変性ナフトールノボラック樹脂(X−4)のGPCチャートを図11に示す。得られた変性ナフトールノボラック樹脂(X−4)の水酸基当量は140グラム/当量であり、GPCチャートから算出される下記構造式(x−4)で表される(A)−(B)−(A)型オリゴマーの含有率は51.4%であった。
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら前記実施例7で得られた変性ナフトールノボラック樹脂(X−4)140質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン463質量部(5.0モル)、n−ブタノール53質量部を仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220質量部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止し、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300質量部とn−ブタノール50質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(A−1)192質量部を得た。得られたエポキシ樹脂(Y−4)のGPCチャートを図12、NMRチャートを図13、MSスペクトルを図14に示す。エポキシ樹脂(Y−4)のエポキシ当量は227グラム/当量、軟化点は78℃であった。また、GPCチャートから算出される下記構造式(y−4)で表される(A)−(B)−(A)型オリゴマーの含有率は42.0%であり、β−ナフトール2量体の含有率は16.1%であった。またMSスペクトルから下記構造式(y−4)で表される3官能体を示す588のピークが検出された。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、α−ナフトール505質量部(3.50モル)、水158質量部、蓚酸5質量部を仕込み、室温から100℃まで45分で昇温しながら撹拌した。続いて、42質量%ホルマリン水溶液186質量部(2.45モル)を1時間要して滴下した。滴下終了後、さらに100℃で1時間攪拌し、その後180℃まで3時間で昇温した。反応終了後、200℃に昇温し加熱減圧下、水蒸気を吹き込むことによってフリーのα−ナフトールを除去してナフトール樹脂(X’−1)475質量部を得た。得られたナフトール樹脂(X’−1)の水酸基当量は157グラム/当量であった。得られたナフトール樹脂のGPCチャートを図15に示す。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、α−ナフトール505質量部(3.50モル)、水158質量部、蓚酸5質量部を仕込み、室温から100℃まで45分で昇温しながら撹拌した。続いて、42質量%ホルマリン水溶液177質量部(2.45モル)を1時間要して滴下した。滴下終了後、さらに100℃で1時間攪拌し、その後180℃まで3時間で昇温した。反応終了後、反応系内に残った水分を加熱減圧下に除去しナフトール樹脂(x’−1)498質量部を得た。得られたナフトール樹脂(x’−1)の水酸基当量は154グラム/当量であった。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、β−ナフトール144質量部(1.00モル)、4,4’−ビフェノール93質量部(0.50モル)、メチルイソブチルケトン237質量部、蓚酸5質量部を仕込み、室温から80℃まで45分で昇温しながら撹拌した。続いて、37%ホルマリン水溶液81質量部(1.00モル)を1時間要して滴下した。滴下終了後、さらに80℃で1時間攪拌し、その後180℃まで昇温を試みたが、結晶が析出し攪拌が困難だった為、反応を停止した。得られた変性ナフトール樹脂(X’−2)のGPCチャートを図17に示す。GPCチャートから、前記構造式(x−1)で表される(A)−(B)−(A)型オリゴマーの生成は確認できなかった。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、β−ナフトール216質量部(1.5モル)、オルソクレゾール81質量部(0.75モル)、37%ホルマリン水溶液122質量部(1.50モル)、49%水酸化ナトリウム6質量部(0.07モル)を仕込み、室温から75℃まで攪拌しながら昇温した。75℃到達時点で、結晶が析出し攪拌が困難だった為、反応を停止した。得られた変性ナフトール樹脂(X’−3)のGPCチャートを図18に示す。GPCチャートから、前記構造式(x−4)で表される(A)−(B)−(A)型オリゴマーの生成は確認できなかった。
下記表1又は2記載の配合に従い、硬化剤として前記変性ナフトールノボラック樹脂(X−1)、〜(X−4)、ナフトール樹脂(X’−1)又はDIC(株)製TD−2090(フェノールノボラック樹脂、水酸基当量:105g/eq)を、エポキシ樹脂として前記エポキシ樹脂(Y−1)〜(Y−4)、(Y’−1)又はDIC株式会社製「N−770」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量183グラム/当量)を、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)を配合し、最終的に各組成物の不揮発分(N.V.)が58質量%となるようにメチルエチルケトンを配合して調整した。次いで、下記の如き条件で硬化させて積層板を試作し、下記の方法で熱膨張率及び物性変化を評価した。結果を表1又は2に示す。
基材:日東紡績株式会社製 ガラスクロス「#2116」(210×280mm)
プライ数:6 プリプレグ化条件:160℃
硬化条件:200℃、40kg/cm2で1.5時間、成型後板厚:0.8mm
粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置「RSAII」、レクタンギュラーテンション法;周波数1Hz、昇温速度3℃/min)を用いて、以下の温度条件で2回、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度(Tg)を測定した。
温度条件
第1回測定:35℃から275℃まで3℃/minで昇温
第2回測定:35℃から330℃まで3℃/minで昇温
それぞれ得られた温度差をΔTgとして評価した。
積層板を5mm×5mm×0.8mmのサイズに切り出し、これを試験片として熱機械分析装置(TMA:セイコーインスツルメント社製SS−6100)を用いて、圧縮モードで熱機械分析を行った。
測定条件
測定架重:88.8mN
昇温速度:10℃/分で2回
測定温度範囲:−50℃から300℃
上記条件での測定を同一サンプルにつき2回実施し、2回目の測定における、40℃から60℃の温度範囲における平均線膨張率を熱膨張係数として評価した。
N−770:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製「N−770」、エポキシ当量:183g/eq)
2E4MZ:硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)
TD−2090:フェノールノボラック型フェノール樹脂(DIC(株)製「TD−2090」、水酸基当量:105g/eq)
2E4MZ:硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)
Claims (4)
- β−ナフトール化合物(A)と、下記一般式(1)
で表されるフェノール化合物(B)と、ホルムアルデヒドとを、アルカリ触媒の存在下、40〜100℃で反応させる変性ナフトールノボラック樹脂(X)の製造方法であって、前記アルカリ触媒の使用量が、前記β−ナフトール化合物(A)と前記フェノール化合物(B)とが有するフェノール性水酸基の総数1モルに対し、0.1〜2.0モルの範囲であり、前記フェノール化合物(B)と前記β−ナフトール化合物(A)との使用割合が、両者のモル比[フェノール化合物(B)/β−ナフトール化合物(A)]が[1/0.4]〜[1/8]となる範囲であり、ホルムアルデヒドの反応仕込み比率が、前記β−ナフトール化合物(A)と前記フェノール化合物(B)との総モル数に対して0.6〜2.0倍量となる割合であることを特徴とする変性ナフトールノボラック樹脂(X)の製造方法。 - 前記β−ナフトール化合物(A)とホルムアルデヒドとを、アルカリ触媒の存在下で反応させた後、前記フェノール化合物(B)加えて反応させる請求項1記載の製造方法。
- 前記一般式(1)で表されるフェノール化合物(B)が、4,4’−ビフェノール、パラフェニルフェノール、クレゾールからなる群から選ばれる1種類以上の化合物である請求項1記載の製造方法。
- 請求項1〜3の何れか1つに記載の製造方法により製造される変性ナフトールノボラック樹脂(X)を、更に、塩基性条件下でエピハロヒドリンと反応させるエポキシ樹脂(Y)の製造方法。
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