JP5929660B2 - ビフェノール−ナフトール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板 - Google Patents

ビフェノール−ナフトール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板 Download PDF

Info

Publication number
JP5929660B2
JP5929660B2 JP2012205636A JP2012205636A JP5929660B2 JP 5929660 B2 JP5929660 B2 JP 5929660B2 JP 2012205636 A JP2012205636 A JP 2012205636A JP 2012205636 A JP2012205636 A JP 2012205636A JP 5929660 B2 JP5929660 B2 JP 5929660B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biphenol
naphthol
resin
compound
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012205636A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014058633A (ja
Inventor
泰 佐藤
泰 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp filed Critical DIC Corp
Priority to JP2012205636A priority Critical patent/JP5929660B2/ja
Publication of JP2014058633A publication Critical patent/JP2014058633A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5929660B2 publication Critical patent/JP5929660B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Description

本発明は得られる硬化物の熱履歴後の耐熱性変化が少なく、低熱膨張性に優れ、プリント配線基板、半導体封止材、塗料、注型用途等に好適に用いる事が出来るビフェノール−ナフトール樹脂、これらの性能を兼備した硬化性樹脂組成物の硬化物、及びプリント配線基板に関する。
エポキシ樹脂とフェノール性水酸基含有樹脂からなる硬化性樹脂組成物は、接着剤、成形材料、塗料、フォトレジスト材料、顕色材料等に用いられている他、得られる硬化物の優れた耐熱性や耐湿性などに優れる点から半導体封止材やプリント配線板用絶縁材料等の電気・電子分野で幅広く用いられている。
これらの各種用途のうち、プリント配線基板の分野では、電子機器の小型化・高性能化の流れに伴い、半導体装置の配線ピッチの狭小化による高密度化の傾向が著しく、これに対応した半導体実装方法として、はんだボールにより半導体装置と基板とを接合させるフリップチップ接続方式が広く用いられている。このフリップチップ接続方式では、配線板と半導体との間にはんだボールを配置、全体を加熱して溶融接合させる所謂リフロー方式による半導体実装方式であるため、はんだリフロー時に配線版自体が高熱環境に晒され、配線板の熱収縮により、配線板と半導体を接続するはんだボールに大きな応力が発生し、配線の接続不良を起こす場合があった。その為、プリント配線板に用いられる絶縁材料には、低熱膨張率の材料が求められている。
加えて、近年、環境問題に対する法規制等により、鉛を使用しない高融点はんだが主流となっており、リフロー温度が高くなっている。それに伴い、リフロー時の絶縁材料の耐熱性変化による、プリント配線基板の反りに起因する接続不良も深刻になってきている。すなわち、リフロー時の物性変化が少ない材料が求められている。
このような要求に対応するために、例えば、ナフトールとホルムアルデヒドとエピクロルヒドリンを反応させて得られるナフトールノボラック型エポキシ樹脂を主剤とした熱硬化性樹脂組成物が、低熱膨張性等の技術課題を解決するものとして提案されている(下記特許文献1参照)。
然し乍ら、上記ナフトールノボラック型エポキシ樹脂は一般的なフェノールノボラック型エポキシ樹脂と比較して、骨格の剛直性のために、得られる硬化物の熱膨張率の改良効果が認められるものの、近年要求されるレベルを十分満足できるものではなく、また、熱履歴により硬化物の耐熱性が大きく変化するために、プリント配線基板用途においてリフロー後の耐熱性変化が大きく、前記したプリント配線基板の接続不良を生じやすいものであった。また、前記ナフトールノボラック型エポキシ樹脂の前駆体であるナフトールノボラック樹脂をエポキシ樹脂用硬化剤として用いた場合にも、同様に、一般的なフェノールノボラック樹脂と比較して硬化物の熱膨張率を低減する効果は認められるものの、昨今の要求レベルを満たすものではなく、熱履歴による硬化物の耐熱性変化も大きいものであった。
この他、例えば、ナフトールとビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンを反応させることで得られる変性ナフトールノボラック型エポキシ樹脂を主剤とした熱硬化性樹脂組成物が知られている(下記特許文献2参照)。このようなエポキシ樹脂も、剛直性の高い骨格を有することから、得られる硬化物の低熱膨張性については改良効果が認められるものの、近年要求されるレベルを十分満足できるものではなく、熱履歴による耐熱性変化も大きいものであった。また、前記変性ナフトールノボラック型エポキシ樹脂の前駆体である変性ナフトールノボラック樹脂をエポキシ樹脂用硬化剤として用いた場合にも、同様に、硬化物の熱望良率を低減する効果は認められるものの、近年要求されるレベルを十分満足できるものではなく、熱履歴による耐熱性変化も大きいものであった。
特公昭62−20206号公報 特開平4−198314号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、その硬化物において熱履歴後の耐熱性変化が少なく、かつ、低熱膨張性を発現する硬化性樹脂組成物、その硬化物、熱履歴後の耐熱性変化が少なく低熱膨張性に優れるプリント配線基板、これらの性能を与えるフェノール性水酸基含有樹脂を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、4,4’−ビフェノール、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドの重縮合体であって、特定構造の多官能化合物を所定の割合で含むビフェノール−ナフトール樹脂が、その硬化物において優れた低熱膨張性を発現すると共に、ビフェノール−ナフトール樹脂自体の反応性が高まり、熱履歴後の耐熱性変化が少なくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、4,4’−ビフェノール、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドの重縮合体であって、下記構造式(1)
Figure 0005929660
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。また、nは1又は2、mは0〜2の整数である。)
で表される多官能化合物(x)を含有し、該多官能化合物(x)の含有率がGPC測定における面積比率で30%以上であることを特徴とするビフェノール−ナフトール樹脂に関する。
本発明は、更に、前記したビフェノール−ナフトール樹脂、及びエポキシ樹脂を必須成分とする硬化性樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、前記硬化性樹脂組成物を硬化反応させてなる硬化物に関する。
本発明は、更に、前記硬化性樹脂組成物に、更に有機溶剤を配合してワニス化した樹脂組成物を、補強基材に含浸し銅箔を重ねて加熱圧着させることにより得られるプリント配線基板に関する。
本発明によれば、その硬化物において熱履歴後の耐熱性変化が少なく、かつ、低熱膨張性を発現する硬化性樹脂組成物、その硬化物、熱履歴後の耐熱性変化が少なく低熱膨張性に優れるプリント配線基板、これらの性能を与えるビフェノール−ナフトール樹脂を提供できる。
図1は、実施例1で得られたビフェノール−ナフトール樹脂(A−1)のGPCチャートである。 図2は、実施例2で得られたビフェノール−ナフトール樹脂(A−2)のGPCチャートである。 図3は、実施例3で得られたビフェノール−ナフトール樹脂(A−3)のGPCチャートである。 図4は、実施例3で得られたビフェノール−ナフトール樹脂(A−3)のC13NMRチャートである。 図5は、実施例3で得られたビフェノール−ナフトール樹脂(A−3)のMSスペクトルである。 図6は、比較合成例1で得られたナフトール樹脂(A’−1)のGPCチャートである。 図7は、比較合成例2で得られたビフェノール−ナフトール樹脂(A’−2)のGPCチャートである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のビフェノール−ナフトール樹脂は、4,4’−ビフェノール、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドの重縮合体であって、下記構造式(1)
Figure 0005929660
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。また、nは1又は2、mは0〜2の整数である。)
で表される多官能化合物(x)を含有し、該多官能化合物(x)の含有率がGPC測定における面積比率で30%以上であることを特徴とするビフェノール−ナフトール樹脂としている。
即ち、本発明のビフェノール−ナフトール樹脂は、4,4’−ビフェノール、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドを原料とする重縮合体であって、種々の樹脂構造のものを含む混合物であり、そのなかに、前記多官能化合物(x)を所定量含むことを特徴とするものである。前記多官能化合物(x)の様なオリゴマー化合物は、一般的なノボラック樹脂の様な長鎖の樹脂と比較して分子レベルでの配向性が高く、その硬化物において優れた低熱膨張性を発現することが出来る。また、前記多官能化合物(x)の様な制御された構造のオリゴマー化合物を30%以上の高濃度で含有する本発明のビフェノール−ナフトール樹脂は、長鎖のノボラック樹脂と比較して反応性も高く、その硬化物はより高密度に架橋されたものとなることから、熱履歴後の耐熱性変化が少なく、プリント配線基板用途におけるリフロー後の物性変化が少ない材料となる。
ここで、前記多官能化合物(x)の含有率は、前記したとおり、GPC測定における面積比率で30%以上であり、30%未満の場合には、硬化物の熱膨張係数が高くなる。更に、低熱膨張性に優れ、熱履歴後の耐熱変化も小さい硬化物が得られることから、50%以上であることがより好ましい。
前記一般式(1)において、nは1又は2、mは0〜2の整数である。即ち、前記一般式(1)で表される前記多官能化合物(x)は、分子構造中にフェノール性水酸基を3〜6個有する。中でも、硬化性に優れ、硬化物における熱履歴後の耐熱変化が少なく、プリント配線基板用途におけるリフロー後の物性変化が少ない材料となることから、nとmとが共に2である6官能体(x6)を含有することが好ましい。
このとき、前記6官能体(x6)の含有率は、配向性に優れ、硬化物における熱膨張係数が低くなることから、GPC測定における面積比率で5%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。
斯かる6官能体(x6)は、具体的には、下記構造式(1−1)〜(1−6)
Figure 0005929660
で表される化合物が挙げられる。これらのなかでも特に前記構造式1−1で表されるもの、即ち、前記構造式(1)におけるR及びRが、全て水素原子であるものが、硬化物における熱膨張係数が小さくなる点から好ましい。
本発明のビフェノール−ナフトール樹脂は、更に、前記多官能化合物(x)に加え、4,4’−ビフェノールを含有することが、硬化物における低線膨張性が一層良好なものとなる点から好ましい。
このとき、ビフェノール−ナフトール樹脂の前記多官能化合物(x)の含有率と、4,4’−ビフェノールの含有率は、溶剤溶解性や低線膨張性に優れ、更に、硬化物における熱履歴後の耐熱性変化が少なく、プリント配線基板用途におけるリフロー後の物性変化が少ない材料となることから、GPC測定における面積比率で、前記多官能化合物(x)の含有率が30〜95%の範囲であり、4,4’−ビフェノールの含有率が1〜25%の範囲であることが好ましい。
本発明における前記多官能化合物(x)、6官能体(x6)、及び4,4’−ビフェノールのビフェノール−ナフトール樹脂中の含有率とは、下記の条件によるGPC測定によって計算される、本発明のビフェノール−ナフトール樹脂の全ピーク面積に対する、前記各構造体のピーク面積の存在割合である。
<GPC測定条件>
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
以上詳述した本発明のビフェノール−ナフトール樹脂は、その水酸基当量が100〜150g/eqの範囲であることが、硬化物の低熱膨張性が良好となる点から好ましく、特に110〜140g/eqの範囲であることが好ましい。
以上詳述した本発明のビフェノール−ナフトール樹脂は、例えば、下記方法1又は方法2によって製造することができる。
方法1:有機溶剤及びアルカリ触媒の存在下、β−ナフトール化合物とホルムアルデヒドとを反応させ、次いで、ホルムアルデヒドの存在下、4,4’−ビフェノールを加え反応させて、目的とするビフェノール−ナフトール樹脂を得る方法。
方法2:有機溶剤及びアルカリ触媒の存在下、4,4’−ビフェノール、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドを反応させて、目的とするビフェノール−ナフトール樹脂を得る方法。
本発明では、上記方法1又は2において、反応触媒として、アルカリ触媒を用いること、及び、有機溶剤を原料成分に対して少なく使用することにより、前記多官能化合物(x)及び4,4’−ビフェノールのビフェノール−ナフトール樹脂中の存在割合を所定範囲に調整することができる。
ここで用いるアルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、金属ナトリウム、金属リチウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ類などが挙げられる。その使用量は、原料成分である4,4’−ビフェノール及びβ−ナフトール化合物のフェノール性水酸基の総数に対して、モル基準で0.01〜2.0倍量となる範囲であることが好ましい。
また、有機溶剤としては、メチルセロソルブ、イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらのなかでもとりわけ前記多官能化合物(x)の生成が促進されることからイソプロピルアルコールが好ましい。本発明における有機溶剤の使用量は、原料成分である4,4’−ビフェノール及びβ−ナフトール化合物の総質量100質量部あたり、5〜70質量部の範囲であることが、前記多官能化合物(x)及び前記4,4’−ビフェノールのビフェノール−ナフトール樹脂中の存在割合を所定範囲に調整し易い点から好ましい。
本発明では必須の原料成分として4,4’−ビフェノールを用いる。ビフェノールの中でも、4,4’−型のものを用いることにより、前記六官能体(x6)を効率的に得ることが出来、得られるビフェノール−ナフトール樹脂の硬化物の低熱膨張性が良好となる。
本発明のもう一つの必須成分であるβ−ナフトール化合物は、β−ナフトール及びこれらにメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が核置換した化合物等が挙げられる。これらのなかでも置換基を有しないβ−ナフトールが、最終的に得られるビフェノール−ナフトール樹脂の硬化物における熱履歴後の耐熱性変化が少なくなる点から好ましい。
一方、ここで用いるホルムアルデヒドは、水溶液の状態であるホルマリン溶液でも、固形状態であるパラホルムアルデヒドでもよい。
前記方法1又は方法2における4,4’−ビフェノールと、β−ナフトール化合物との使用割合は、モル比(4,4’−ビフェノール/β−ナフトール化合物)が[1/0.5]〜[1/8]となる範囲であることが、最終的に得られるビフェノール−ナフトール樹脂中の各成分比率の調整が容易であることが好ましい。
ホルムアルデヒドの反応仕込み比率は、4,4’−ビフェノール及びβ−ナフトール化合物の総モル数に対して、ホルムアルデヒドが、モル基準で0.6〜2.0倍量となる割合であること、特に、低熱膨張性に優れる点から、0.6〜1.5倍量となる割合であることが好ましい。
前記方法1では、反応容器に、所定量のβ−ナフトール化合物、ホルムアルデヒド、有機溶剤、及びアルカリ触媒と仕込み、40〜100℃にて反応させ、反応終了後、4,4’−ビフェノール(必要に応じて、更にホルムアルデヒド)を加え、40〜100℃の温度条件下に反応させて目的とする重縮合体を得ることができる。
反応終了後は、反応混合物のpH値が4〜7になるまで中和あるいは水洗処理を行う。中和処理や水洗処理は常法にしたがって行えばよく、例えば酢酸、燐酸、燐酸ナトリウム等の酸性物質を中和剤として用いることができる。中和あるいは水洗処理を行った後、減圧加熱下で有機溶剤を留去し目的とする重縮合体を得ることができる。
前記方法2では、反応容器に、所定量のβ−ナフトール化合物、4,4’−ビフェノール、ホルムアルデヒド、有機溶剤、及びアルカリ触媒を仕込み、40〜100℃にて反応させて目的とする重縮合体を得ることができる。
反応終了後は、反応混合物のpH値が4〜7になるまで中和あるいは水洗処理を行う。中和処理や水洗処理は常法にしたがって行えばよく、例えば酢酸、燐酸、燐酸ナトリウム等の酸性物質を中和剤として用いることができる。中和あるいは水洗処理を行った後、減圧加熱下で有機溶剤を留去し目的とする重縮合体を得ることができる。
次に、本発明の硬化性樹脂組成物は、以上詳述したビフェノール−ナフトール樹脂とエポキシ樹脂とを必須成分とするものである。
ここで用いるエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のビフェニル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノール化合物とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェニルメタン型エポキシ樹脂;テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ジグリシジルオキシナフタレン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)アルカン等の分子構造中にナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;リン原子含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのなかでも、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂や、ナフタレン骨格を含有するナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂や、結晶性のビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂や、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック型エポキシ樹脂(ホルムアルデヒドでグリシジル基含有芳香環及びアルコキシ基含有芳香環が連結された化合物)等が耐熱性に優れる硬化物が得られる点から特に好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物におけるビフェノール−ナフトール樹脂とエポキシ樹脂との配合量としては、特に制限されるものではないが、得られる硬化物特性が良好である点から、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計1当量に対して、ビフェノール−ナフトール樹脂中のフェノール性水酸基が0.7〜1.5当量になる量が好ましい。
また必要に応じて本発明の硬化性樹脂組成物に硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物において、エポキシ樹脂の硬化剤成分として、前記した本発明のビフェノール−ナフトール樹脂を単独で用いてもよいが、本発明の効果を損なわない範囲で他のエポキシ樹脂用硬化剤を使用してもよい。具体的には、硬化剤成分の全質量に対して前記した本発明のビフェノール−ナフトール樹脂が30質量%以上、好ましくは40質量%以上となる範囲で他の硬化剤を併用することができる。
ここで前記ビフェノール−ナフトール樹脂と併用され得る他の硬化剤としては、種々のエポキシ樹脂用硬化剤を用いることができるが、例えば、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。具体的には、アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられ、アミド系化合物としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられ、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、フェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、レゾルシンノボラック樹脂に代表される多価ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドから合成される多価フェノールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物、ポリフェニレンエーテル樹脂、前記各種フェノール系化合物のシアネートエステル、前記各種フェノール系化合物の活性エステル等が挙げられる。
これらの中でも、特に芳香族骨格を分子構造内に多く含むものが低熱膨張性の点から好ましく、具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、レゾルシンノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)が低熱膨張性に優れることから好ましい。
以上詳述した本発明の硬化性樹脂組成物は、優れた溶剤溶解性を発現することを特徴としており、上記各成分の他に有機溶剤を配合することができる。ここで使用し得る前記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、その選択や適正な使用量は用途によって適宜選択し得るが、例えば、プリント配線板用途では、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が160℃以下の極性溶剤であることが好ましく、また、不揮発分40〜80質量%となる割合で使用することが好ましい。一方、ビルドアップ用接着フィルム用途では、有機溶剤として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を用いることが好ましく、また、不揮発分30〜60質量%となる割合で使用することが好ましい。
また、上記硬化性樹脂組成物は、難燃性を発揮させるために、例えばプリント配線板の分野においては、信頼性を低下させない範囲で、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合してもよい。
前記非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤としては、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、前記赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
前記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)―10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10―(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
それらの配合量としては、リン系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0質量部の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
前記窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、(i)硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミン類およびホルムアルデヒドとの共縮合物、(iii)前記(ii)の共縮合物とフェノールホルムアルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混合物、(iv)前記(ii)、(iii)を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜10質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。また前記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜15質量部の範囲で配合することが好ましい。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.005〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて無機質充填材を配合することができる。前記無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。前記無機充填材の配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は難燃性を考慮して、高い方が好ましく、硬化性樹脂組成物の全体量に対して20質量%以上が特に好ましい。また導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記した各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂、硬化剤、更に必要により硬化促進剤の配合された本発明の硬化性樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。該硬化物としては積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物が用いられる用途としては、プリント配線板材料、樹脂注型材料、接着剤、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム等が挙げられる。また、これら各種用途のうち、プリント配線板や電子回路基板用絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム用途では、コンデンサ等の受動部品やICチップ等の能動部品を基板内に埋め込んだ所謂電子部品内蔵用基板用の絶縁材料として用いることができる。これらの中でも、熱履歴後の耐熱性変化が小さい、低熱膨張性、及び溶剤溶解性といった特性からプリント配線板材料やビルドアップ用接着フィルムに用いることが好ましい。
ここで、本発明の硬化性樹脂組成物からプリント回路基板を製造するには、前記有機溶剤を含むワニス状の硬化性樹脂組成物を、補強基材に含浸し銅箔を重ねて加熱圧着させる方法が挙げられる。ここで使用し得る補強基材は、紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布などが挙げられる。かかる方法を更に詳述すれば、先ず、前記したワニス状の硬化性樹脂組成物を、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好ましくは50〜170℃で加熱することによって、硬化物であるプリプレグを得る。この時用いる樹脂組成物と補強基材の質量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20〜60質量%となるように調製することが好ましい。次いで、上記のようにして得られたプリプレグを、常法により積層し、適宜銅箔を重ねて、1〜10MPaの加圧下に170〜250℃で10分〜3時間、加熱圧着させることにより、目的とするプリント回路基板を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物をレジストインキとして使用する場合には、例えば該硬化性樹脂組成物の硬化剤としてカチオン重合触媒を用い、更に、顔料、タルク、及びフィラーを加えてレジストインキ用組成物とした後、スクリーン印刷方式にてプリント基板上に塗布した後、レジストインキ硬化物とする方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物を導電ペーストとして使用する場合には、例えば、微細導電性粒子を該硬化性樹脂組成物中に分散させ異方性導電膜用組成物とする方法、室温で液状である回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性導電接着剤とする方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物からビルドアップ基板用層間絶縁材料を得る方法としては例えば、ゴム、フィラーなどを適宜配合した当該硬化性樹脂組成物を、回路を形成した配線基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる。その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する。前記めっき方法としては、無電解めっき、電解めっき処理が好ましく、また前記粗化剤としては酸化剤、アルカリ、有機溶剤等が挙げられる。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成することにより、ビルドアップ基盤を得ることができる。但し、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行う。また、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170〜250℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を作製することも可能である。
本発明の硬化性樹脂組成物からビルドアップ用接着フィルムを製造する方法は、例えば、本発明の硬化性樹脂組成物を、支持フィルム上に塗布し樹脂組成物層を形成させて多層プリント配線板用の接着フィルムとする方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物をビルドアップ用接着フィルムに用いる場合、該接着フィルムは、真空ラミネート法におけるラミネートの温度条件(通常70℃〜140℃)で軟化し、回路基板のラミネートと同時に、回路基板に存在するビアホール或いはスルーホール内の樹脂充填が可能な流動性(樹脂流れ)を示すことが肝要であり、このような特性を発現するよう上記各成分を配合することが好ましい。
ここで、多層プリント配線板のスルーホールの直径は通常0.1〜0.5mm、深さは通常0.1〜1.2mmであり、通常この範囲で樹脂充填を可能とするのが好ましい。なお回路基板の両面をラミネートする場合はスルーホールの1/2程度充填されることが望ましい。
上記した接着フィルムを製造する方法は、具体的には、ワニス状の本発明の硬化性樹脂組成物を調製した後、支持フィルム(Y)の表面に、このワニス状の組成物を塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて硬化性樹脂組成物の層(X)を形成させることにより製造することができる。
形成される層(X)の厚さは、通常、導体層の厚さ以上とする。回路基板が有する導体層の厚さは通常5〜70μmの範囲であるので、樹脂組成物層の厚さは10〜100μmの厚みを有するのが好ましい。
なお、本発明における層(X)は、後述する保護フィルムで保護されていてもよい。保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。
前記した支持フィルム及び保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを挙げることができる。なお、支持フィルム及び保護フィルムはマッド処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。
支持フィルムの厚さは特に限定されないが、通常10〜150μmであり、好ましくは25〜50μmの範囲で用いられる。また保護フィルムの厚さは1〜40μmとするのが好ましい。
上記した支持フィルム(Y)は、回路基板にラミネートした後に、或いは加熱硬化することにより絶縁層を形成した後に、剥離される。接着フィルムを加熱硬化した後に支持フィルム(Y)を剥離すれば、硬化工程でのゴミ等の付着を防ぐことができる。硬化後に剥離する場合、通常、支持フィルムには予め離型処理が施される。
次に、上記のようして得られた接着フィルムを用いて多層プリント配線板を製造する方法は、例えば、層(X)が保護フィルムで保護されている場合はこれらを剥離した後、層(X)を回路基板に直接接するように、回路基板の片面又は両面に、例えば真空ラミネート法によりラミネートする。ラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。またラミネートを行う前に接着フィルム及び回路基板を必要により加熱(プレヒート)しておいてもよい。
ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力を好ましくは1〜11kgf/cm(9.8×104〜107.9×10N/m2)とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートすることが好ましい。
本発明の硬化物を得る方法としては、一般的な硬化性樹脂組成物の硬化方法に準拠すればよいが、例えば加熱温度条件は、組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって、適宜選択すればよいが、上記方法によって得られた組成物を、20〜250℃程度の温度範囲で加熱すればよい。
本発明のビフェノール−ナフトール樹脂は溶剤溶解性に優れ、さらに硬化物とした際の熱履歴後の耐熱性変化が少なく、低熱膨張率を発現でき、最先端のプリント配線板材料に適用できる。また、該ビフェノール−ナフトール樹脂は、本発明の製造方法にて容易に効率よく製造する事が出来、目的とする前述の性能のレベルに応じた分子設計が可能となる。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。尚、GPC、NMR、MSスペクトルは以下の条件にて測定した。
1)GPC:測定条件は以下の通り。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
2)13C−NMR:測定条件は以下の通り。
装置:日本電子(株)製「JNM−ECA500」
測定モード:SGNNE(NOE消去の1H完全デカップリング法)
溶媒:ジメチルスルホキシド
パルス角度:45℃パルス
試料濃度:30wt%
積算回数:10000回
3)MS :日本電子株式会社製 JMS−T100GC
実施例1
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、β−ナフトール144質量部(1.0モル)、イソプロピルアルコール167質量部、37%ホルマリン水溶液122質量部(1.50モル)、49%水酸化ナトリウム20質量部(0.25モル)を仕込み、室温から75℃まで攪拌しながら昇温し、75℃で1時間撹拌した。続いて、4,4’−ビフェノール47質量部(0.25モル)を仕込み、さらに75℃で8時間攪拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダ30質量部を添加して中和した後、メチルイソブチルケトン417質量部加え、水104質量部で3回洗浄を繰り返した後に、加熱減圧下乾燥してビフェノール−ナフトール樹脂(A−1)198質量部得た。得られたビフェノール−ナフトール樹脂(A−1)のGPCチャートを図1に示す。ビフェノール−ナフトール樹脂(A−1)の水酸基当量は135グラム/当量であり、GPCチャートから算出される多官能化合物(x)の含有率は76.9%、下記構造式(a)で表される6官能体の含有率は76.9%であり、4,4’−ビフェノールの含有率は3.2%であった。
Figure 0005929660
実施例2
37%ホルマリン水溶液89質量部(1.10モル)、4,4’−ビフェノール93質量部(0.50モル)に変更した以外は、実施例1と同様にしてビフェノール−ナフトール樹脂(A−2)230質量部を得た。得られたビフェノール−ナフトール樹脂(A−2)のGPCチャートを図2に示す。ビフェノール−ナフトール樹脂(A−2)の水酸基当量は125グラム/当量であった。GPCチャートから算出される多官能化合物(x)の含有率は76.8%、上記構造式(a)で表される6官能体の含有率は28.7%であり、4,4’−ビフェノールの含有率は13.1%であった。
実施例3
β−ナフトール108質量部(0.75モル)、37%ホルマリン水溶液91質量部(1.12モル)、4,4’−ビフェノール140質量部(0.75モル)に変更した以外は、実施例1と同様にしてビフェノール−ナフトール樹脂(A−3)235質量部を得た。得られたビフェノール−ナフトール樹脂(A−3)のGPCチャートを図3、NMRチャートを図4、MASSチャートを図5に示す。に示す。ビフェノール−ナフトール樹脂(A−3)の水酸基当量は114グラム/当量であった。GPCチャートから算出される多官能化合物(x)の含有率は59.4%、上記構造式(a)で表される6官能体の含有率は8.3%であり、4,4’−ビフェノールの含有率は13.1%であった。またMSスペクトルから上記構造式(a)で表される6官能体を示す811のピークが検出された。
比較合成例1
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、α−ナフトール505質量部(3.50モル)、水158部、蓚酸5部を仕込み、室温から100℃まで45分で昇温しながら撹拌した。続いて、42質量%ホルマリン水溶液186質量部(2.45モル)を1時間要して滴下した。滴下終了後、さらに100℃で1時間攪拌し、その後180℃まで3時間で昇温した。反応終了後、200℃に昇温し加熱減圧下、水蒸気を吹き込むことによってフリーのα−ナフトールを除去してナフトール樹脂(A’−1)475部を得た。得られたナフトール樹脂(A’−1)の水酸基当量は157グラム/当量であった。得られたナフトール樹脂のGPCチャートを図6に示す。
比較合成例2
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、β−ナフトール144質量部(1.00モル)、4,4’−ビフェノール93質量部(0.50モル)、メチルイソブチルケトン237質量部、蓚酸5質量部を仕込み、室温から80℃まで45分で昇温しながら撹拌した。続いて、37%ホルマリン水溶液81質量部(1.00モル)を1時間要して滴下した。滴下終了後、さらに80℃で1時間攪拌し、その後180℃まで昇温を試みたが、結晶が析出し攪拌が困難だった為、反応を停止した。得られたフェノール樹脂(A’−2)のGPCチャートを図7に示す。GPCチャートから構造式(a)で表される6官能体の含有率は0.0%であった。
実施例4〜6及び比較例1
下記表1記載の配合に従い、硬化剤として前記ビフェノール−ナフトール樹脂(A−1)、(A−2)、(A−3)、又は(A’−1)を、エポキシ樹脂としてDIC株式会社製「N−770」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量183グラム/当量)を、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)を配合し、最終的に各組成物の不揮発分(N.V.)が58質量%となるようにメチルエチルケトンを配合して調整した。次いで、下記の如き条件で硬化させて積層板を試作し、下記の方法で熱膨張率及び物性変化を評価した。結果を表1に示す。
<積層板作製条件>
基材:日東紡績株式会社製 ガラスクロス「#2116」(210×280mm)
プライ数:6 プリプレグ化条件:160℃
硬化条件:200℃、40kg/cmで1.5時間、成型後板厚:0.8mm
<熱履歴による耐熱性変化(耐熱性の変化量:ΔTg):DMA(第1回測定、第2回測定のTg差)>
粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置「RSAII」、レクタンギュラーテンション法;周波数1Hz、昇温速度3℃/min)を用いて、以下の温度条件で2回、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度(Tg)を測定した。
温度条件
第1回測定:35℃から275℃まで3℃/minで昇温
第2回測定:35℃から330℃まで3℃/minで昇温
それぞれ得られた温度差をΔTgとして評価した。
<熱膨張率>
積層板を5mm×5mm×0.8mmのサイズに切り出し、これを試験片として熱機械分析装置(TMA:セイコーインスツルメント社製SS−6100)を用いて、圧縮モードで熱機械分析を行った。
測定条件
測定架重:88.8mN
昇温速度:10℃/分で2回
測定温度範囲:−50℃から300℃
上記条件での測定を同一サンプルにつき2回実施し、2回目の測定における、40℃から60℃の温度範囲における平均線膨張率を熱膨張係数として評価した。
Figure 0005929660
表1中の略号は以下の通りである。
N−770:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製「N−770」、エポキシ当量:183g/eq)
2E4MZ:硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)

Claims (13)

  1. 4,4’−ビフェノール、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドの重縮合体であって、下記構造式(1)
    Figure 0005929660
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。また、nは1又は2、mは0〜2の整数である。)
    で表される多官能化合物(x)を含有し、該多官能化合物(x)の含有率がGPC測定における面積比率で30%以上であることを特徴とするビフェノール−ナフトール樹脂。
  2. 前記一般式(1)においてnとmとが共に2である6官能体(x6)を含有し、該6官能体(x6)の含有量がGPC測定における面積比率で5%以上である請求項1記載のビフェノール−ナフトール樹脂。
  3. 前記多官能化合物(x)に加え、更に、4,4’−ビフェノールを含有しており、かつ、前記多官能化合物(x)の含有率がGPC測定における面積比率で30〜95%となる割合であり、4,4’−ビフェノールの含有率がGPC測定における面積比率で1〜25%となる割合である請求項1記載のビフェノール−ナフトール樹脂。
  4. 水酸基当量が100〜150g/eqの範囲にあるものである請求項1記載のビフェノール−ナフトール樹脂。
  5. 請求項1〜4の何れか1つに記載のビフェノール−ナフトール樹脂、及びエポキシ樹脂を必須成分とする硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項5記載の硬化性樹脂組成物を硬化反応させてなる硬化物。
  7. 請求項5記載の硬化性樹脂組成物に、更に有機溶剤を配合してワニス化した樹脂組成物を、補強基材に含浸し銅箔を重ねて加熱圧着させることにより得られるプリント配線基板。
  8. 有機溶剤及びアルカリ触媒の存在下、β−ナフトール化合物とホルムアルデヒドとを反応させ、次いで、ホルムアルデヒドの存在下、4,4’−ビフェノールを加え反応させることを特徴とするビフェノール−ナフトール樹脂の製造方法。
  9. 有機溶剤及びアルカリ触媒の存在下、4,4’−ビフェノール、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドを反応させることを特徴とするビフェノール−ナフトール樹脂の製造方法。
  10. 前記アルカリ触媒が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、金属ナトリウム、金属リチウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムであり、その使用量が、原料成分である4,4’−ビフェノール及びβ−ナフトール化合物のフェノール性水酸基の総数に対して、モル基準で0.01〜2.0倍量となる範囲である請求項8または9記載のビフェノール−ナフトール樹脂の製造方法。
  11. 前記有機溶剤が、メチルセロソルブ、イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トルエン、キシレンまたはメチルイソブチルケトンであり、その使用量が、原料成分である4,4’−ビフェノール及びβ−ナフトール化合物の総質量100質量部あたり、5〜70質量部の範囲である請求項8〜10の何れか1項記載のビフェノール−ナフトール樹脂の製造方法。
  12. 有機溶剤及びアルカリ触媒の存在下、β−ナフトール化合物とホルムアルデヒドとを反応させ、次いで、ホルムアルデヒドの存在下、4,4’−ビフェノールを加え反応させビフェノール−ナフトール樹脂を得たのち、エポキシ樹脂と混合することを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法。
  13. 有機溶剤及びアルカリ触媒の存在下、4,4’−ビフェノール、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドを反応させビフェノール−ナフトール樹脂を得たのち、エポキシ樹脂と混合することを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法。
JP2012205636A 2012-09-19 2012-09-19 ビフェノール−ナフトール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板 Active JP5929660B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012205636A JP5929660B2 (ja) 2012-09-19 2012-09-19 ビフェノール−ナフトール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012205636A JP5929660B2 (ja) 2012-09-19 2012-09-19 ビフェノール−ナフトール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014058633A JP2014058633A (ja) 2014-04-03
JP5929660B2 true JP5929660B2 (ja) 2016-06-08

Family

ID=50615383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012205636A Active JP5929660B2 (ja) 2012-09-19 2012-09-19 ビフェノール−ナフトール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5929660B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6002993B2 (ja) * 2012-12-04 2016-10-05 Dic株式会社 活性エステル樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
WO2024005194A1 (ja) * 2022-07-01 2024-01-04 三菱瓦斯化学株式会社 ポリフェノール化合物、リソグラフィー用膜形成用組成物、リソグラフィー用下層膜、及びパターン形成方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3230054B2 (ja) * 1989-08-29 2001-11-19 大日本インキ化学工業株式会社 ノボラック型エポキシ樹脂の製法およびノボラック型エポキシ樹脂組成物
JPH04198314A (ja) * 1990-11-28 1992-07-17 Yuka Shell Epoxy Kk 多価フエノール系化合物及びエポキシ樹脂硬化剤
JPH08157549A (ja) * 1994-12-09 1996-06-18 Nippon Kayaku Co Ltd ポリフェノール類、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH09255746A (ja) * 1996-03-21 1997-09-30 Sumitomo Bakelite Co Ltd 耐熱性フェノール樹脂
JPH09263617A (ja) * 1996-03-28 1997-10-07 Sumitomo Bakelite Co Ltd 耐熱性フェノール樹脂
JP2000072838A (ja) * 1998-09-01 2000-03-07 Nippon Kayaku Co Ltd ナフトール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4100791B2 (ja) * 1998-12-14 2008-06-11 日本化薬株式会社 ナフトール樹脂の製造法
JP6083169B2 (ja) * 2012-09-19 2017-02-22 Dic株式会社 エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014058633A (ja) 2014-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4930656B2 (ja) フェノール樹脂組成物、その製造方法、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP5293911B1 (ja) エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP5561571B1 (ja) エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP5776465B2 (ja) ナフトール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP5024642B2 (ja) 新規フェノール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP5402091B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、プリント配線基板、新規フェノール樹脂、及びその製造方法
JP2012201798A (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、プリント配線基板、及びナフトール樹脂
JP5954571B2 (ja) 硬化性組成物、硬化物、及びプリント配線基板
JP5516008B2 (ja) 新規エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP5532368B1 (ja) エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP6083169B2 (ja) エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP5858277B2 (ja) エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP2011046864A (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP5929660B2 (ja) ビフェノール−ナフトール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP6257020B2 (ja) フェニルフェノール−ナフトール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP2012201732A (ja) エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP6032476B2 (ja) クレゾール−ナフトール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP6048035B2 (ja) クレゾール−ナフトール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP6155587B2 (ja) エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP5994404B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP6002991B2 (ja) 変性ナフトールノボラック樹脂の製造方法、エポキシ樹脂の製造方法
JP6002987B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP6094091B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、硬化物、及びプリント配線基板
JP2014024978A (ja) 硬化性組成物、硬化物、及びプリント配線基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160418

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5929660

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250